JP2014241267A - 非水電解液二次電池及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】電池異常の際に電池内部の熱を吸収し、電池内部の温度上昇による不具合が発生することを未然に防止することができる非水電解液二次電池を提供すること【解決手段】本発明の非水電解液二次電池は、正極シート64と負極シート84とセパレータシート90とが長手方向に重ね合わされて捲回された捲回電極体50を備え、正極シート64は、少なくとも正極活物質を含む正極合材層66を有し、正極合材層66は、所定の温度で固体から液体への相変化を示す絶縁性物質からなる吸熱材を含み、正極合材層66を長手方向に2つの領域に分けたとき、捲回電極体50の内周領域60Aに位置する正極合材層66に含まれる単位面積当たりの吸熱材の量は、捲回電極体50の外周領域60Bに位置する正極合材層66に含まれる単位面積当たりの吸熱材の量よりも多い。【選択図】図2
Description
本発明は非水電解液二次電池とその製造方法に関する。
リチウムイオン二次電池等の非水電解液二次電池を充電する際、不良電池の存在や充電装置の故障による誤作動によって電池が過充電状態に陥る場合や、内部短絡によって正極と負極との間に短絡電流が流れる場合が想定される。かかる電池異常時には、電池反応が急速に進行するため、電極活物質(典型的には正極活物質)の表面における電解液の分解反応による発熱や電極中の電極活物質が発熱することによって電池内部の温度が上昇することがあり得る。電極活物質自体の温度が非常に高温となった場合には、電極活物質自体の熱分解反応が進行し、この結果、電池内温度が急激に上昇して電池自体に不具合が発生する虞がある。このような異常時に対応すべく、従来技術として、特許文献1及び2が挙げられる。特許文献1には、相変化を伴う材料を不活性材料製のカプセル内に入れたものを電極活物質層に添加することによって、バッテリーの通常時および異常時の温度上昇を効率的に抑制しようとする技術が記載されている。特許文献2には、相変化を伴う吸熱材の表面が酸化被膜で覆われたものを電極層に添加することによって、電池に不具合が発生すること防止しようとする技術が記載されている。
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術では不活性材料製のカプセルが導電性を有し、また、上記特許文献2に記載の技術では吸熱材が導電性を有しているため、電池の異常時に電流の流れを十分に防止することができず、電極活物質自体の熱分解反応が進行することがある。この結果、電池内部の熱を十分に吸収できない虞がある。また、正極シートと負極シートとセパレータシートとが重ね合わされ、長手方向に捲回された捲回電極体を備える非水電解液二次電池では、捲回電極体の内周部は外周部に比べて放熱性が低く、捲回電極体の内周部に行くほど放熱性は低下する傾向にある。このため、電池の異常時には、捲回電極体の内周部における熱を十分に吸収できない虞がある。
そこで本発明は、上述した従来の課題を解決すべく創出されたものであり、その目的は、電池異常の際に電池内部の熱を吸収し、電池内部の温度上昇による不具合が発生することを未然に防止することができる非水電解液二次電池を提供することである。
上記目的を実現すべく、本発明により、非水電解液二次電池が提供される。即ちここで開示される非水電解液二次電池は、長尺な正極シートと長尺な負極シートと長尺なセパレータシートとが長手方向に重ね合わされて捲回された捲回電極体を備え、前記正極シートは、少なくとも正極活物質を含む正極合材層を有し、前記負極シートは、少なくとも負極活物質を含む負極合材層を有し、前記正極合材層および前記負極合材層のうちの少なくとも一方の電極合材層は、所定の温度で固体から液体への相変化を示す絶縁性物質からなる吸熱材を含む。前記電極合材層を長手方向(即ち捲回電極体の捲回方向)に2つの領域に分け、前記捲回電極体の内側に位置する領域を内周領域とし、前記捲回電極体の外側に位置する領域を外周領域としたとき、前記内周領域に位置する前記電極合材層に含まれる単位面積当たりの前記吸熱材の量は、前記外周領域に位置する前記電極合材層に含まれる単位面積当たりの前記吸熱材の量よりも多い。
本発明によって提供される非水電解液二次電池によると、正極合材層および負極合材層のうちの少なくとも一方の電極合材層は、絶縁性物質からなる吸熱材を含むため、電池異常の際に吸熱材を含む電極合材層の温度が所定の温度(典型的には吸熱材の融点)に達したとき、吸熱材は、電極合材層中の熱を吸収して固体から液体に相変化(相転移)すると共に、電極合材層中の電流の流れを抑制することができる。この結果、電極合材層の更なる温度上昇を抑制することができる。また、捲回電極体の内周領域に位置する電極合材層には、捲回電極体の外周領域に位置する電極合材層と比較して、単位面積当たりの吸熱材の量が多く含まれるため、電池の異常時であっても、捲回電極体の内周領域における熱を十分に吸収することができる。この結果、電極合材層の内周領域における更なる温度上昇を抑制することができる。
ここで開示される非水電解液二次電池の好適な一態様では、電池容量が20Ah以上であり、前記吸熱材は、前記正極合材層に含まれ、前記捲回電極体の捲回数をM(ここで、Mは30以上の整数である。)とし、前記捲回電極体の外周領域の捲回数をN(ここで、NはMより小さい整数である。)としたとき、0.05≦(N/M)≦0.15を満たし、前記外周領域に位置する前記正極合材層は、前記吸熱材を含まない。
かかる構成によると、電池異常の際に、電極合材層の更なる温度上昇をより抑制することができる。
かかる構成によると、電池異常の際に、電極合材層の更なる温度上昇をより抑制することができる。
また、本発明によると、上記目的を実現する他の側面として、正極活物質を少なくとも含む正極合材層が正極集電体上に形成された長尺な正極シートと、負極活物質を少なくとも含む負極合材層が負極集電体上に形成された長尺な負極シートと、長尺なセパレータシートと、を含む捲回電極体を備えた非水電解液二次電池を製造する方法が提供される。即ちここで開示される製造方法は、前記正極シートを準備する工程と、前記負極シートを準備する工程と、を含む。ここで、前記正極シートを準備する工程および前記負極シートを準備する工程の少なくともいずれかの工程は、電極活物質と、所定の温度で固体から液体への相変化を示す絶縁性物質からなる吸熱材と、を少なくとも含むペースト状の第1組成物を準備する工程と、前記電極活物質を少なくとも含みかつ前記吸熱材を含まないペースト状の第2組成物を準備する工程と、前記正極合材層および前記負極合材層の少なくとも一方の電極合材層を長手方向に2つの領域に分け、前記捲回電極体の内側に位置する領域を内周領域とし、前記捲回電極体の外側に位置する領域を外周領域としたとき、前記内周領域に位置する前記正極集電体および前記負極集電体の少なくとも一方の電極集電体上に前記第1組成物を塗布し、前記外周領域に位置する前記電極集電体上に前記第2組成物を塗布する工程と、含む。
かかる構成によると、電池異常の際に、電流の流れを抑制しながら電池内部の熱を吸収し、電池内部の温度上昇による不具合を未然に防止することができる信頼性に優れた非水電解液二次電池を製造することができる。
かかる構成によると、電池異常の際に、電流の流れを抑制しながら電池内部の熱を吸収し、電池内部の温度上昇による不具合を未然に防止することができる信頼性に優れた非水電解液二次電池を製造することができる。
以下、本発明の好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって実施に必要な事柄は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
ここで開示される非水電解液二次電池の製造方法は、長尺な正極シートを準備する工程と、長尺な負極シートを準備する工程と、捲回電極体を作製する工程と、電池を構築する工程と、を包含する。
まず、長尺な正極シートを準備する工程および長尺な負極シートを準備する工程について説明する。長尺な正極シートは、長尺状の正極集電体と、該正極集電体上に形成された正極合材層とを有している。正極合材層は、正極活物質と導電材と結着剤等とを含む。正極集電体としては、導電性の良好な金属(例えばアルミニウム)からなる導電性部材を好適に採用し得る。正極活物質としては、層状系、スピネル系等のリチウム複合金属酸化物(例えば、LiNiO2、LiCoO2、LiFeO2、LiMn2O4、LiNi1/3Co1/3Mn1/3O2、LiNi0.5Mn1.5O4,LiCrMnO4、LiFePO4等)を好適に採用し得る。導電材としては、カーボンブラック(例えば、アセチレンブラックやケッチェンブラック)等の炭素材料を採用し得る。結着剤としては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)やポリエチレンオキサイド(PEO)等の各種のポリマー材料を採用し得る。
長尺な負極シートは、長尺状の負極集電体と、該負極集電体上に形成された負極合材層とを有している。負極合材層は、負極活物質と結着剤と増粘材等とを含む。負極集電体としては、導電性の良好な金属(例えば銅)からなる導電性材料を好適に採用し得る。負極活物質としては、黒鉛(グラファイト)、難黒鉛化炭素(ハードカーボン)、易黒鉛化炭素(ソフトカーボン)等の炭素材料を用いることができ、なかでも黒鉛を好適に採用し得る。結着剤としては、スチレンブタジエンゴム(SBR)等の各種ポリマー材料を採用し得る。増粘剤としては、カルボキシメチルセルロース(CMC)等の各種のポリマー材料を採用し得る。
正極合材層および負極合材層のうちの少なくとも一方の電極合材層は吸熱材を含む。吸熱材は、所定の温度(例えば70℃〜200℃)で固体から液体への相変化を示す絶縁性物質である。吸熱材としては、例えば、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)等が挙げられる。なお、以下の説明では、正極合材層中に吸熱材が含まれる態様について説明する。
ここで開示される正極シートは、以下の手順で好適に製造することができる。上述した正極活物質と、導電材と、有機溶媒(例えばN‐メチル‐2‐ピロリドン(NMP))に対して可溶性である結着剤と、吸熱材とを有機溶媒に分散させてなるペースト状の第1組成物を準備する。なお、吸熱材を除く正極合材層の固形分全量(典型的には、正極活物質と導電材と結着剤の全量)を100質量%としたときに、吸熱材の量は、3質量%〜10質量%であることが好ましい。また、上述した正極活物質と、導電材と、結着剤とを有機溶媒に分散させてなるペースト状の第2組成物(典型的には吸熱材を除き第1組成物と同様である)を準備する。なお、第2組成物は上記吸熱材を含んでいてもよいが、この場合、第1組成物に含まれる吸熱材の量は、第2組成物に含まれる吸熱材の量よりも多い。
次いで、第1組成物を正極集電体上の一の領域に長手方向に沿って塗布する。一の領域は、例えば、正極集電体の長手方向の端部から正極集電体の長手方向の長さの85%〜95%の領域である。一の領域は、正極合材層を長手方向(すなわち後述の捲回電極体の捲回方向)に2つの領域に分けたとき、捲回電極体の内側に位置する内周領域である。また、一の領域は、捲回電極体の最内周部を基準とした捲回電極体の捲回方向の長さであって、捲回電極体の捲回数Mの85%〜95%分の長さに相当する。
その後、第2組成物を該一の領域と正極集電体の長手方向に隣接する正極集電体上の他の領域に長手方向に沿って塗布する。他の領域は、例えば、正極集電体の長手方向の他の端部から正極集電体の長手方向の長さの5%〜15%の領域である。他の領域は、正極合材層を長手方向(すなわち後述の捲回電極体の捲回方向)に2つの領域に分けたとき、捲回電極体の外側に位置する外周領域である。また、他の領域は、捲回電極体の最外周部を基準とした捲回電極体の捲回方向の長さであって、捲回電極体の捲回数Mの5%〜15%分の長さ(すなわち捲回電極体の外周領域の捲回数N)に相当する。第1組成物および第2組成物を乾燥させた後、圧縮(プレス)することによって、正極集電体と該正極集電体上に形成された正極合材層とを備える正極を作製することができる。なお、ここで開示される負極シートは、上記正極シートと同様にして作製することができる。
その後、第2組成物を該一の領域と正極集電体の長手方向に隣接する正極集電体上の他の領域に長手方向に沿って塗布する。他の領域は、例えば、正極集電体の長手方向の他の端部から正極集電体の長手方向の長さの5%〜15%の領域である。他の領域は、正極合材層を長手方向(すなわち後述の捲回電極体の捲回方向)に2つの領域に分けたとき、捲回電極体の外側に位置する外周領域である。また、他の領域は、捲回電極体の最外周部を基準とした捲回電極体の捲回方向の長さであって、捲回電極体の捲回数Mの5%〜15%分の長さ(すなわち捲回電極体の外周領域の捲回数N)に相当する。第1組成物および第2組成物を乾燥させた後、圧縮(プレス)することによって、正極集電体と該正極集電体上に形成された正極合材層とを備える正極を作製することができる。なお、ここで開示される負極シートは、上記正極シートと同様にして作製することができる。
次に、捲回電極体を作製する工程について説明する。図1は、本実施形態に係る捲回電極体50の模式図である。図2は、捲回電極体50を模式的に示す断面図である。なお、図2においては、正極シート64のみを図示しており、負極シートおよびセパレータシートの図示は省略している。
図1および図2に示すように、本実施形態に係る捲回電極体50は、扁平形状の捲回電極体50である。正極シート64の正極合材層66のうち、吸熱材を含む内周領域60Aが捲回電極体50の内側(捲回電極体50の捲回方向の内側、すなわち最内周部66A側)に位置し、吸熱材を含まない外周領域60Bが捲回電極体50の外側(捲回電極体50の捲回方向の外側、すなわち最外周部66B側)に位置するように、正極シート64と負極シート84とを計二枚の長尺なセパレータシート90を介在して積層させた状態で長手方向に捲回して捲回体を作製する。次いで得られた捲回体を側面方向から押しつぶして拉げさせることによって扁平形状の捲回電極体50が得られる。捲回電極体50において、内周領域60Aに位置する正極合材層66に含まれる単位面積当たりの吸熱材の量は、外周領域60Bに位置する正極合材層66に含まれる単位面積当たりの吸熱材の量よりも多い。
捲回電極体50の捲回数をM(即ち、正極シート64、負極シート84およびセパレータシート90が重ね合わされたものを所定の回数巻いたときのその巻き数。典型的には、捲回電極体50の最外周部66Bを起点とした巻き数である。)としたとき、捲回数Mは、30以上の整数であることが好ましい。捲回電極体50の外周領域60Bの捲回数をN(ここで、NはMより小さい整数である。)としたとき、0.05≦(N/M)≦0.15を満たすことが好ましい。捲回電極体50の外周領域60Bに位置する正極合材層66は、上記吸熱材を含まないことが好ましい。
セパレータシートとしては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等の樹脂から成る多孔質樹脂シートを好適に採用し得る。なかでも、上記多孔性樹脂シートの片面または両面に多孔質の耐熱層を備えるものが好ましい。なお、固体状の電解質を用いた電池(リチウムポリマー電池)では、上記電解質がセパレータを兼ねる構成とし得る。
次に電池を構築する工程について説明する。上記作製された捲回電極体50を電池ケース内に収容し、所定の非水電解液を電池ケース内に注入して組立体を作製する。
非水電解液としては、典型的には有機溶媒(非水溶媒)中に支持塩を含有させたものを用いる。支持塩としては、リチウム塩、ナトリウム塩等を用いることができ、なかでもLiPF6、LiBF4等のリチウム塩を好適に採用し得る。有機溶媒としては、カーボネート類、エステル類、エーテル類等の非プロトン性溶媒を用いることができる。なかでも、カーボネート類、例えば、エチレンカーボネート(EC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)等を好適に採用し得る。
非水電解液としては、典型的には有機溶媒(非水溶媒)中に支持塩を含有させたものを用いる。支持塩としては、リチウム塩、ナトリウム塩等を用いることができ、なかでもLiPF6、LiBF4等のリチウム塩を好適に採用し得る。有機溶媒としては、カーボネート類、エステル類、エーテル類等の非プロトン性溶媒を用いることができる。なかでも、カーボネート類、例えば、エチレンカーボネート(EC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)等を好適に採用し得る。
上記組立体に対して凡そ0.1C〜2Cの充電レートで電池使用時の上限電圧(例えば3.7V〜4.2V)まで充電を行う。その後に、凡そ0.1C〜2Cの放電レートで所定の電圧(例えば3V〜3.2V)まで放電を行う。また、上記充放電を複数回(例えば3回)繰り返すことが好ましい。このように組立体に対して充放電処理を行うことによって該組立体は使用可能な電池、即ち非水電解液二次電池となる。
本実施形態に係る非水電解液二次電池は、正極合材層66には、絶縁性物質からなる吸熱材を含むため、電池異常の際に吸熱材を含む正極合材層66の温度が所定の温度(吸熱材の融点)に達したとき、吸熱材は、正極合材層66中の熱を吸収して固体から液体に相変化すると共に、正極合材層66中の電流の流れを抑制することができる。この結果、正極合材層66の更なる温度上昇を抑制することができる。また、捲回電極体50の内周領域60Aに位置する正極合材層66は、捲回電極体50の外周領域60Bに位置する正極合材層66と比較して、単位面積当たりの吸熱材の量が多いため、電池の異常時であっても、捲回電極体50の内周領域60Aにおける熱を十分に吸収することができる。この結果、正極合材層66の内周領域60Aにおける更なる温度上昇を抑制することができる。以上より、本実施形態に係る非水電解液二次電池は、信頼性に優れたものであり得る。なかでも、電池容量が20Ah以上(例えば20Ah〜100Ah)の高容量型の電池として信頼性に優れたものであり得る。
以下、本発明に関する実施例を説明するが、本発明をかかる実施例に示すものに限定することを意図したものではない。
<例1>
正極活物質としてのLiNi1/3Co1/3Mn1/3O2と、導電材としてのアセチレンブラック(AB)と、結着剤としてのポリフッ化ビニリデン(PVDF)と、吸熱材としてのポリエチレン(PE)粒子との質量比が90:8:2:3(即ち正極活物質および導電材および結着剤からなる正極合材層形成材料に対して、吸熱材は3質量%含まれている)となるように秤量し、これら材料をNMPに分散させてペースト状の第1組成物を調製した。LiNi1/3Co1/3Mn1/3O2と、ABと、PVDFとの質量比が90:8:2となるように秤量し、これら材料をNMPに分散させてペースト状の第2組成物を調製した。第1組成物を厚さ15μmの長尺状の正極集電体(アルミニウム箔)上の一の領域に長手方向に沿って塗布した後、第2組成物を上記正極集電体上の他の領域に長手方向に沿って塗布した。第1組成物および第2組成物を乾燥させた後、プレス処理を行って、正極集電体上に正極合材層が形成された正極シートAを作製した。
正極活物質としてのLiNi1/3Co1/3Mn1/3O2と、導電材としてのアセチレンブラック(AB)と、結着剤としてのポリフッ化ビニリデン(PVDF)と、吸熱材としてのポリエチレン(PE)粒子との質量比が90:8:2:3(即ち正極活物質および導電材および結着剤からなる正極合材層形成材料に対して、吸熱材は3質量%含まれている)となるように秤量し、これら材料をNMPに分散させてペースト状の第1組成物を調製した。LiNi1/3Co1/3Mn1/3O2と、ABと、PVDFとの質量比が90:8:2となるように秤量し、これら材料をNMPに分散させてペースト状の第2組成物を調製した。第1組成物を厚さ15μmの長尺状の正極集電体(アルミニウム箔)上の一の領域に長手方向に沿って塗布した後、第2組成物を上記正極集電体上の他の領域に長手方向に沿って塗布した。第1組成物および第2組成物を乾燥させた後、プレス処理を行って、正極集電体上に正極合材層が形成された正極シートAを作製した。
天然黒鉛と、結着剤としてのSBRと、増粘剤としてのCMCとの質量比が98:1:1となるように秤量し、これら材料をイオン交換水に分散させてペースト状の組成物を調製した。該組成物を厚さ10μmの負極集電体(銅箔)上に塗布して乾燥させた後、プレス処理を行って負極集電体上に負極合材層が形成された負極シートAを作製した。
正極シートAの正極合材層のうち、吸熱材を含む内周領域(第1組成物を塗布した領域)が捲回電極体の内側に位置し、吸熱材を含まない外周領域(第2組成物を塗布した領域)が捲回電極体の外側に位置するように、上記作製した正極シートAと負極シートAとの間にセパレータシートA(多孔質ポリエチレン層の両面に多孔質ポリプロピレン層が形成された三層構造のセパレータシート)を介在させて楕円状に捲回し、得られた捲回電極体を側面方向から押しつぶして拉げさせることによって扁平形状に成形した。このときの捲回電極体の捲回数Mは30であった。そして、かかる捲回電極体の正極集電体の端部に正極端子を、負極集電体の端部に負極端子を溶接によりそれぞれ接合した。
なお、上記第1組成物は、捲回電極体の捲回数M(M=30)の90%分の長さ(すなわち捲回数27回分の長さ)の正極集電体上に塗布され、上記第2組成物は、捲回電極体の捲回数M(M=30)の10%分の長さ(すなわち捲回数3回分の長さ。捲回数Nは3)の正極集電体上に塗布された。
なお、上記第1組成物は、捲回電極体の捲回数M(M=30)の90%分の長さ(すなわち捲回数27回分の長さ)の正極集電体上に塗布され、上記第2組成物は、捲回電極体の捲回数M(M=30)の10%分の長さ(すなわち捲回数3回分の長さ。捲回数Nは3)の正極集電体上に塗布された。
上記作製された捲回電極体をアルミニウム製の角型の電池ケース内に収容し、非水電解液を注入することによって、例1に係る非水電解液二次電池(定格容量20Ah)を作製した。なお、非水電解液としては、ECとDMCとEMCとを30:40:30の体積比率で含む混合溶媒に、支持塩としてのLiPF6を凡そ1mol/Lの濃度で溶解したものを用いた。
<例2>
LiNi1/3Co1/3Mn1/3O2と、ABと、PVDFと、ポリエチレン粒子との質量比が90:8:2:6であるペースト状の第1組成物を用いた他は、例1と同様にして、例2に係る非水電解液二次電池を作製した。
<例3>
LiNi1/3Co1/3Mn1/3O2と、ABと、PVDFと、ポリエチレン粒子との質量比が90:8:2:9であるペースト状の第1組成物を用いた他は、例1と同様にして、例3に係る非水電解液二次電池を作製した。
<例4>
例1に係る第2組成物のみを用いて正極を作製し、この正極を用いた他は、例1と同様にして、例4に係る非水電解液二次電池を作製した。
<例5>
例3に係る第1組成物のみを用いて正極を作製し、この正極を用いた他は、例1と同様にして、例5に係る非水電解液二次電池を作製した。
LiNi1/3Co1/3Mn1/3O2と、ABと、PVDFと、ポリエチレン粒子との質量比が90:8:2:6であるペースト状の第1組成物を用いた他は、例1と同様にして、例2に係る非水電解液二次電池を作製した。
<例3>
LiNi1/3Co1/3Mn1/3O2と、ABと、PVDFと、ポリエチレン粒子との質量比が90:8:2:9であるペースト状の第1組成物を用いた他は、例1と同様にして、例3に係る非水電解液二次電池を作製した。
<例4>
例1に係る第2組成物のみを用いて正極を作製し、この正極を用いた他は、例1と同様にして、例4に係る非水電解液二次電池を作製した。
<例5>
例3に係る第1組成物のみを用いて正極を作製し、この正極を用いた他は、例1と同様にして、例5に係る非水電解液二次電池を作製した。
[釘刺し試験]
例1〜例5に係る非水電解液二次電池について、25℃の温度下において、コンディショニング処理(ここでは、0.3Cの充電レートで4.2Vまで定電流定電圧で充電する操作と、0.3Cの放電レートで3.0Vまで定電流定電圧で放電する操作を3回繰り返す充放電処理)を行った後、正負極間の電圧を4.2Vに調整した。25℃の温度条件下にて、上記コンディショニング処理後の各非水電解液二次電池の中央付近に直径3mmの鉄製の釘を10mm/secの速度で貫通させ、各電池を強制的に内部短絡させた。この際、各電池ケースの外表面に熱電対を貼り付けて、電池温度(最高到達温度)を測定した。結果を、表1に示す。
例1〜例5に係る非水電解液二次電池について、25℃の温度下において、コンディショニング処理(ここでは、0.3Cの充電レートで4.2Vまで定電流定電圧で充電する操作と、0.3Cの放電レートで3.0Vまで定電流定電圧で放電する操作を3回繰り返す充放電処理)を行った後、正負極間の電圧を4.2Vに調整した。25℃の温度条件下にて、上記コンディショニング処理後の各非水電解液二次電池の中央付近に直径3mmの鉄製の釘を10mm/secの速度で貫通させ、各電池を強制的に内部短絡させた。この際、各電池ケースの外表面に熱電対を貼り付けて、電池温度(最高到達温度)を測定した。結果を、表1に示す。
[低温出力測定]
上記例1〜例5の非水電解液二次電池に対して、低温時の出力を測定した。即ち、−10℃の温度条件下、SOC100%の状態から一定の出力[W]で3V(カット電圧)まで放電したときに要した時間を測定した。150W、200W、250Wの出力でそれぞれ放電を行い、各出力で放電したときに測定された時間を横軸に取り、該測定時の出力[W]を縦軸に取って、近似曲線から5秒時の出力[W]を算出した。結果を表1に示す。
上記例1〜例5の非水電解液二次電池に対して、低温時の出力を測定した。即ち、−10℃の温度条件下、SOC100%の状態から一定の出力[W]で3V(カット電圧)まで放電したときに要した時間を測定した。150W、200W、250Wの出力でそれぞれ放電を行い、各出力で放電したときに測定された時間を横軸に取り、該測定時の出力[W]を縦軸に取って、近似曲線から5秒時の出力[W]を算出した。結果を表1に示す。
表1に示すように、正極合材層に吸熱材を含む場合には、釘刺し試験時の最高到達温度が190℃以下となり、該電池の信頼性を向上させることができた。また、例1〜例3および例4とを比較すると、吸熱材として絶縁性材料であるポリエチレンを用いているにもかかわらず低温時の出力が向上することが確認された。また、例3および例5に示すように、正極合材層の全体に吸熱材を含ませるよりも、正極合材層の外周領域には吸熱材を含ませない方が低温出力が向上することが確認された。
上記例1〜例5の非水電解液二次電池に対して、電池電圧を測定した。即ち、−10℃の温度条件下、SOC100%の状態から200Wの出力で3Vまで放電を行った。その後、各電池を解体し正極合材層の最外周部と、中央部と、最内周部とに含まれるLi量をICP法によって測定した。測定されたLi量から各領域の電池電圧を算出した。測定結果を図3に示す。図3に示すように、例1〜例3に係る非水電解液二次電池では、例4に係る非水電解液二次電池と比較して、各部における電池電圧が3Vに近いことが確認された。また、図4に示すように、上記電池電圧の測定の前後において、正極合材層の温度が変化していることが確認された。例3では、正極合材層のほぼ全域において測定後に5℃程度低下していることが確認された。一方、例4では、正極合材層の最内周部の温度が測定の前後で5℃程度上昇しており、温度が高くなる部分ほど放電が起こった結果、電池電圧が低下していることが確認された(図3の例4参照)。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、請求の範囲を限定するものではない。請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
Claims (3)
- 非水電解液二次電池であって、
長尺な正極シートと長尺な負極シートと長尺なセパレータシートとが長手方向に重ね合わされて捲回された捲回電極体を備え、
前記正極シートは、少なくとも正極活物質を含む正極合材層を有し、
前記負極シートは、少なくとも負極活物質を含む負極合材層を有し、
前記正極合材層および前記負極合材層のうちの少なくとも一方の電極合材層は、所定の温度で固体から液体への相変化を示す絶縁性物質からなる吸熱材を含み、
前記電極合材層を長手方向に2つの領域に分け、前記捲回電極体の内側に位置する領域を内周領域とし、前記捲回電極体の外側に位置する領域を外周領域としたとき、前記内周領域に位置する前記電極合材層に含まれる単位面積当たりの前記吸熱材の量は、前記外周領域に位置する前記電極合材層に含まれる単位面積当たりの前記吸熱材の量よりも多い、非水電解液二次電池。 - 請求項1に記載の非水電解液二次電池において、
前記吸熱材は、前記正極合材層に含まれ、
前記捲回電極体の捲回数をM(ここで、Mは30以上の整数である。)とし、
前記捲回電極体の外周領域の捲回数をN(ここで、NはMより小さい整数である。)としたとき、0.05≦(N/M)≦0.15を満たし、
前記外周領域に位置する前記正極合材層は、前記吸熱材を含まない、電池容量が20Ah以上の非水電解液二次電池。 - 正極活物質を少なくとも含む正極合材層が正極集電体上に形成された長尺な正極シートと、負極活物質を少なくとも含む負極合材層が負極集電体上に形成された長尺な負極シートと、長尺なセパレータシートと、を含む捲回電極体を備えた非水電解液二次電池を製造する方法であって、
前記正極シートを準備する工程と、前記負極シートを準備する工程と、を含み、
ここで、前記正極シートを準備する工程および前記負極シートを準備する工程の少なくともいずれかの工程は、
電極活物質と、所定の温度で固体から液体への相変化を示す絶縁性物質からなる吸熱材と、を少なくとも含むペースト状の第1組成物を準備する工程と、
前記電極活物質を少なくとも含みかつ前記吸熱材を含まないペースト状の第2組成物を準備する工程と、
前記正極合材層および前記負極合材層の少なくとも一方の電極合材層を長手方向に2つの領域に分け、前記捲回電極体の内側に位置する領域を内周領域とし、前記捲回電極体の外側に位置する領域を外周領域としたとき、前記内周領域に位置する前記正極集電体および前記負極集電体の少なくとも一方の電極集電体上に前記第1組成物を塗布し、前記外周領域に位置する前記電極集電体上に前記第2組成物を塗布する工程と、含む、非水電解液二次電池の製造方法。
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JP2013124042A JP2014241267A (ja) | 2013-06-12 | 2013-06-12 | 非水電解液二次電池及びその製造方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2020064755A (ja) * | 2018-10-17 | 2020-04-23 | 株式会社日立製作所 | 電池パック |
WO2021251682A1 (ko) * | 2020-06-08 | 2021-12-16 | 주식회사 엘지에너지솔루션 | 전극 조립체 및 이를 포함하는 이차전지 |
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2013
- 2013-06-12 JP JP2013124042A patent/JP2014241267A/ja active Pending
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WO2020079965A1 (ja) * | 2018-10-17 | 2020-04-23 | 株式会社日立製作所 | 電池パック |
WO2021251682A1 (ko) * | 2020-06-08 | 2021-12-16 | 주식회사 엘지에너지솔루션 | 전극 조립체 및 이를 포함하는 이차전지 |
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