JP2015041066A - 可動体の支持機構 - Google Patents
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Abstract
Description
図14(a),(b)に示す手振れ補正装置310はその一例である。この手振れ補正装置310は、ワイヤ懸架方式であり、オートフォーカス機能を備えたレンズ駆動装置300を搖動させる構成としてカメラに組み込まれる。すなわち、手振れ補正装置310は、レンズ305を光軸方向(O軸方向)に移動させて焦点合わせをするとともに、O軸方向に直交し、かつ互いに直交するP軸方向及びQ軸方向にレンズ駆動装置300とともにレンズ305を搖動させることにより手振れを補正するものである。
4本のサスペンションワイヤ302は、O軸方向に沿って延在し、その他端がレンズ駆動装置300の上端側に固定されている。これにより、4本のサスペンションワイヤ302は、レンズ駆動装置300をP軸方向及びQ軸方向に揺動可能に支持している。
すなわち、レンズ駆動装置300は、オートフォーカス用コイルへの通電に伴い、オートフォーカス用コイルにO軸方向を向いたローレンツ力が発生するため、板バネ306の8本の腕部306aの復元力と釣り合ったO軸方向の位置にレンズホルダー307を移動させることができる。また、手振れ補正装置310は、永久磁石304に対してP軸方向に対向して配置された手振れ補正用コイル303Qへの通電に伴い、レンズ駆動装置300をQ軸方向に揺動させることができ、永久磁石304に対してQ軸方向に対向して配置された手振れ補正用コイル303Pへの通電に伴い、レンズ駆動装置300をP軸方向に揺動させることができる(例えば特許文献1参照)。
すなわち、O軸方向に延長するガイドシャフト405A,405Bが基板403及びカバー404に両端が嵌合固定されており、レンズホルダー402がガイドシャフト405A,405Bに対して摺動自在に嵌合されることによって、O軸方向に移動可能に取り付けられている。
ヨーク407は、カバー404に取付けられ、断面がU字状の二重円筒形状に形成される。また、ヨーク407の内側円筒部は、オートフォーカス用永久磁石406とレンズホルダー402との間に非接触に挿入されている。ヨーク407は、外側円筒部の内周側面によりオートフォーカス用コイル408を保持する。
コイルバネ409は、ガイドシャフト405Aの周りに圧縮された状態で配置される。コイルバネ409は、その一端がカバー404のO軸方向の後方側と当接し、他端がレンズホルダー402のO軸方向の前方端部と当接することにより取り付けられ、レンズホルダー402がO軸方向の後方に向けて付勢されている。
また、この手振れ補正装置310に搭載されるレンズ駆動装置300は、板バネ懸架方式であることから、レンズホルダー307が8本の腕部306aによって懸架されてマグネットホルダー308からO軸方向に浮上した状態で稼働する。しかしながら、レンズ駆動装置300は、8本の腕部306aの加工寸法にバラツキが生じたり、図示しないオートフォーカス用コイルの取付位置がずれて永久磁石304からオートフォーカス用コイルに生じる磁界が不均一になったりする可能性がある。このような場合、8本の腕部306aによる復元力の中心とオートフォーカス用コイルに生じるローレンツ力の中心とが互いにずれて、図14(b)に示すような光軸と直交する任意方向のT軸周りのトルクが生じることとなり、レンズホルダー307がT軸周りに回転するチルト現象を招き、画像に歪曲を生じさせるという問題があった。
このように、平行リンクを直列に接続した複合リンクを可動体に+Y側と−Y側とにおいて並列に接続して均衡を保って支持する機構としたので、支持される可動体がZ軸と平行な軸周りに回転することなく、またZ軸方向の力が加わってもZ軸と直角な軸周りに回転して傾いたり、Z軸方向にずれたりすることがない。そのため、可動体をX軸方向及びY軸方向に正確に平行移動するように支持することができる。
これにより、第1〜第Mの外側能動リンクの回転可能域と第1〜第Nの内側能動リンクの回転可能域とが互いに逆向きになって、第1〜第Mの外側能動リンクの回転可能域と第1〜第Nの内側能動リンクの回転可能域との全体の回転可能域が広がるので、接続された可動体の移動可能域を広くすることができる。
このように、+Y側の外側出力リンクと−Y側の外側出力リンクと規制リンクとがZ軸方向に延長する関節軸を介して直列に連結されると、+Y側の外側出力リンクと−Y側の外側出力リンクとの間隔の変化が制限され、その結果、+Y側の内側出力リンク及び−Y側の内側出力リンクのX軸方向への移動が規制されて、可動体を回転させることなく、Y軸方向にのみ安定的に直進移動させるように支持することができる。
なお、後述する関節軸106a,107a,108a,109a,116a,117a,118a,119aの延長方向をZ軸方向(+Z方向,+Z側)とし、互いに直交し、Z軸に対して直交する軸をそれぞれX軸方向(+X方向,+X側)及びY軸方向(+Y方向,+Y側)とする。
外側平行リンク128cは、平板状をなし、内側出力リンク113aをZ軸と直角な任意の方向に移動するように支持する外側固定リンク101aと、平板状をなす外側出力リンク102aと、第1の外側能動リンク103aと、第2の外側能動リンク104aと、切欠きを有するヒンジであり、Z軸方向に延長する第1の外側能動リンク103a及び第2の外側能動リンク104aの複数の関節軸106a,107a,108a,109aとを備える。また、内側平行リンク128dは、平板状をなす内側固定リンク112aと、平板状をなす内側出力リンク113aと、第1の内側能動リンク114aと、第2の内側能動リンク115aと、切欠きを有するヒンジであり、Z軸方向に延長する第1の内側能動リンク114a及び第2の内側能動リンク115aの複数の関節軸116a,117a,118a,119aとを備える。
よって、本実施形態において+Y側の複合リンク128aまたは−Y側の複合リンク128bは、いずれも外側平行リンク128cと内側平行リンク128dとの組合せ(一対(一組)の平行リンク)を含んで構成される。また、図1に示す支持機構100は、+Y側の複合リンク128a(一個)と−Y側の複合リンク128b(一個)とを組合せた一対(一組)の複合リンク(換言すれば4つの平行リンク)を含んで構成される。
関節軸116a,117a,118a,119aは、第1の内側能動リンク114aと、第1の内側能動リンク114aの−X側に並列するように配設された第2の内側能動リンク115aとがZ軸と平行な軸回りに連動して回転できるようになっており、内側固定リンク112aが内側出力リンク113aをZ軸と直角な面内で扇形の軌跡を描いて移動するように支持する。
なお、接続された外側出力リンク102aと内側固定リンク112aとが一体となって中間リンク120aが形成されている。
すなわち、図1及び図3に示すように、−Y側の複合リンク128bは、+Y側の複合リンク128aと同様に、外側固定リンク101b、外側出力リンク102b、第1の外側能動リンク103b、及び第2の外側能動リンク104bが、関節軸106b,107b,108b,109bを介して連結された外側平行リンク128eと、内側固定リンク112b、内側出力リンク113b、第1の内側能動リンク114b、及び第2の内側能動リンク115bが、関節軸116b,117b,118b,119bを介して連結された内側平行リンク128fとよりなる。また、中間リンク120bは、外側出力リンク102bと内側固定リンク112bとを接続し、一体化する。以上のように、−Y側の複合リンク128bは、外側平行リンク128eと、内側平行リンク128fと、中間リンク120bとにより形成される。
つまり、支持機構100は、+Y側の複合リンク128aと−Y側の複合リンク128bとが可動体接続部材121を介して接続されたものである。
これに対して、図1に示した支持機構100は、+Y側の複合リンク128aにおける外向き法線+n1が+X軸から+Y側に鋭角傾斜し、外向き法線+n2が+X軸から−Y側に鋭角傾斜し、−Y側の複合リンク128bにおける外向き法線+n3が+X軸から−Y側に鋭角傾斜し、外向き法線+n4が+X軸から+Y側に鋭角傾斜する構成としている。
なお、外向き法線+n1,+n2,+n3,+n4の向きはこれに限定されるものではなく、必要に応じて設定すればよい。
このとき、追加した外側能動リンク105aは、併設されている外側能動リンク103a,104aと平行である必要があるものの、外側固定リンク101a側の関節軸106a及び関節軸108aがなす平面と、関節軸108a及び関節軸110aがなす平面とは、必ずしも平行である必要はない。
また、外側固定リンク101a側の関節軸106a及び関節軸108aがなす平面と、内側固定リンク112a側の関節軸116a及び関節軸118aがなす平面と、外側固定リンク101b側の関節軸106b及び関節軸108bがなす平面と、内側固定リンク112b側の関節軸116b及び関節軸118bがなす平面とは、互いに平行でなくてもよい。
さらに、それぞれの外向き法線+n1と+X軸とのなす角度の大きさ、外向き法線+n2と+X軸とのなす角度の大きさ、外向き法線+n3と+X軸とのなす角度の大きさ、外向き法線+n4と+X軸とのなす角度の大きさは、いずれも互いに同じである必要はなく、必要に応じて異なる大きさとしてもよい。
また、可動体接続部材121にZ軸方向の力が印加された場合、例えば+Z向きに力が加えられれば、+Y側の複合リンク128a側には、図1において矢印Ωnで示すように、−X方向に向かって右回りの回転モーメントΩnが作用し、−Y側の複合リンク128b側には、矢印Ωpで示すように、+X方向に向かって右回りの回転モーメントΩpが作用する。+Y側の複合リンク128aと−Y側の複合リンク128bとにより両側から均衡を保って支持された可動体接続部材121は、回転モーメントΩnと回転モーメントΩpとが相殺されるため、+Y側の複合リンク128aや−Y側の複合リンク128bが撓んでZ軸と直角な軸周りに回転して傾くようなことやZ軸方向にずれるようなことがなく、Z軸と平行な軸周りに回転するようなこともない。
このようにして、支持機構100は、可動体接続部材121を意図しない方向に回転させることなく支持することができる。このことから支持機構100は、Z軸と直角な方向にだけ、摩擦を生じることなく、滑らかかつ正確に、後述するレンズ駆動装置201等を平行移動させることができる。
また、関節軸106a〜111a,116a〜119a,106b〜109b,116b〜119bに切欠きヒンジ等を採用した場合には、切欠きヒンジの有する弾性復元力により可動体接続部材121を初期位置に向けて付勢して、可動体接続部材121に外力が加わらない時に初期位置に留まるようにしてもよいし、図示しないバネ部材を可動体接続部材121と固定枠129との間に取付けて、外力が加わらない時に初期位置に留まるようにしてもよい。
たとえば、図4に示す+Y側の複合リンク128aは、平板状をなす外側固定リンク101a、クランク状に屈曲して板状をなす外側出力リンク102a、平板状をなす第1の外側能動リンク103a、及び平板状をなす第2の外側能動リンク104aがZ軸方向に延長する関節軸106a,107a,108a,109aを介して連結された外側平行リンク128cと、クランク状に屈曲して板状をなす内側固定リンク112a、平板状をなす内側出力リンク113a、平板状をなす第1の内側能動リンク114a、及び平板状をなす第2の内側能動リンク115aがZ軸方向に延長する関節軸116a,117a,118a,119aを介して連結された内側平行リンク128dとよりなる。
本実施形態においては、内側平行リンク128dが外側平行リンク128cの−Y側に設けられ、+X方向寄りに偏った状態で、外側平行リンク128cに−Y側から直列に接続されている。なお、本例においても中間リンク120aは、外側出力リンク102aと内側固定リンク112aとが接続されて一体化されることにより形成される。
本実施形態では、外側平行リンク128cにおける関節軸106aと関節軸108aとの間隔が、内側平行リンク128dにおける関節軸116aと関節軸118aとの間隔よりも広く設定され、内側平行リンク128dが外側平行リンク128cに−Y側から直列に接続されている。なお、本例においても中間リンク120aは、外側出力リンク102aと内側固定リンク112aとが接続されて一体化されることにより形成される。
すなわち、図6(b)に示すように、+Y側の複合リンク128aは、平板状をなす外側固定リンク101a、平板状をなす外側出力リンク102a、第1の外側能動リンク103a、及び第2の外側能動リンク104aがZ軸方向に延長する関節軸106a,107a,108a,109aを介して連結された外側平行リンク128cと、平板状をなす内側固定リンク112a、平板状をなす内側出力リンク113a、第1の内側能動リンク114a、及び第2の内側能動リンク115aがZ軸方向に延長する関節軸116a,117a,118a,119aを介して連結された内側平行リンク128dとよりなる。
Z軸方向に延長する柱状の中間リンク120aは、外側出力リンク102aと内側固定リンク112aとが一体化されることにより、内側平行リンク128dと外側平行リンク128cとが直列に接続されている。
なお、図6(b)は、内部構造を見やすくするために、外側固定リンク101aと内側出力リンク113aとを切り離して示している。
また、可動体接続部材121にZ軸方向の力が加わっても、+Y側の複合リンク128aと−Y側の複合リンク128bとにより両側から均衡を保って支持されているので、Z軸と直角な軸周りに回転して傾いたり、Z軸方向にずれたりすることがない。
よって、支持機構100は、摩擦が生じることなく、可動体接続部材121をZ軸と直角な方向へのみ正確に平行移動可能に支持することができ、Z軸と平行な軸周り及び直角な軸周りに回転することがない。
なお、図4〜図6に様々な形態の+Y側の複合リンク128aを例示したが、−Y側の複合リンク128bも同様に形成することができる。
この支持機構100には、+Y側の複合リンク128aの中間リンク120a及び−Y側の複合リンク128bの中間リンク120bにY軸方向に着磁された搖動用永久磁石132a,132bが取付けられる。また、外側固定リンク101aの−Y側の内壁にY軸方向に巻回された搖動用コイル131a、及び外側固定リンク101bの+Y側の内壁にY軸方向に巻回された搖動用コイル131bが搖動用永久磁石132a,132bにそれぞれ空隙を隔ててY軸方向に対向するように取付けられる。この場合において、搖動用コイル131a,131bと搖動用永久磁石132a,132bとが駆動手段として稼働する。
具体的には、例えば搖動用永久磁石132a,132bの搖動用コイル131a,131bと対向する磁極面をN極とし、+Y側の複合リンク128aの搖動用コイル131aに+Y向き、かつ右回りの電流を流した場合、搖動用コイル131aには−Y向きのクーロン力が生じ、対向する搖動用永久磁石132aには+Y向きの反力が作用する。また、同様に、−Y側の複合リンク128b側の搖動用コイル131bに+Y向き、かつ右回りの電流を流した場合、搖動用コイル131bには−Y向きのクーロン力が生じ、対向する搖動用永久磁石132bには+Y向きの反力が作用する。
同様に、搖動用コイル131aに+Y向き、かつ左回りの電流を流し、搖動用コイル131bに+Y向き、かつ左回りの電流を流した場合、両側の中間リンク120a,120bが−Y向きに移動して、可動体接続部材121が−Y向きに移動する。
また、搖動用コイル131aに+Y向き、かつ右回りの電流を流し、搖動用コイル131bに+Y向き、かつ左回りの電流を流した場合、+Y側の複合リンク128a側の中間リンク120aが+Y向きに移動し、−Y側の複合リンク128b側の中間リンク120bが−Y向きに移動して、可動体接続部材121が+X向きに移動する。
さらに、搖動用コイル131aに+Y向き、かつ左回りの電流を流し、搖動用コイル131bに+Y向き、かつ右回りの電流を流した場合、+Y側の複合リンク128a側の中間リンク120aが−Y向きに移動し、−Y側の複合リンク128b側の中間リンク120bが+Y向きに移動して、可動体接続部材121が−X向きに移動する。
このように、搖動用コイル131a,搖動用コイル131bを流れる電流の大きさや方向を適切に設定すれば、可動体接続部材121をZ軸と直角な任意の方向へ移動させることが可能となる。
なお、上記実施形態では、可動体接続部材121に取付ける可動体としてレンズ駆動装置201を例に説明したが、これに代えて、イメージセンサ203を搭載した基板202を可動体接続部材121に取付け、レンズ駆動装置201を固定枠129に取付け、固定枠129を図示しない固定基台に取付けて、イメージセンサ203を基板202とともに搖動させるようにしてもよい。
また、駆動手段として、上述した電磁的な駆動手段に代えて、+Y側の複合リンク128aに形成される関節軸106a〜111a,116a〜119aや−Y側の複合リンク128bに形成される関節軸106b〜109b,116b〜119bをEAPs(Electroactive Polymers)等の高分子よりなる人工筋肉等で形成し、人工筋肉を屈曲させることによって、可動体接続部材121を搖動させ、手振れ補正装置200を構成するようにしてもよい。
この場合も、レンズ204の光軸であるO軸方向がZ軸と平行となるように、カメラモジュール205を支持機構100の可動体接続部材121に取付け、固定枠129を図示しない固定基台に取付ける。また、図7の例と同様に、搖動用永久磁石132a,132bと、搖動用コイル131a,131bとからなる電磁的な駆動手段が装着され、撮影時の手振れの方向や大きさに対応する電流を搖動用コイル131a,131bに流せば、カメラモジュール205全体を手振れに抗する方向に搖動させて振れを軽減させる手振れ補正装置200とすることができる。
図9(a)に示すように、この支持機構100Cは、Z軸方向が開口した四角枠状の可動体接続部材121よりも外側に位置し、Z軸と平行な軸周りに90度回転した位置にそれぞれ配設された支持機構100aと支持機構100bとが組み合わされる。つまり、本実施形態の支持機構100Cは、二対の複合リンクを有する点で上記実施形態と異なる。
この支持機構100Cは、X1Y1Z三次元直交座標系において、長破線の枠線で囲んで示す支持機構100aがZ軸方向に開口し、四角枠状をなす可動体接続部材121のY1軸方向に取り付けられるとともに、Z軸と平行な軸周りに90度回転したX2Y2Z三次元直交座標系において、短破線の枠線で囲んで示す支持機構100bが可動体接続部材121のY2軸方向に取り付けられる。すなわち、Y1側の支持機構100aまたはY2側の支持機構100bは、Z軸と平行なO軸の軸周りに90度回転した構造を有し、それぞれ並列に接続される。また、懸架用磁石133は、Z軸方向に開口し、四角枠状をなす固定枠129の4つの枠片外壁の中央部にそれぞれ取り付けられている。
ここで、+Y1側に配設されたオートフォーカス用永久磁石206と懸架用磁石133とは、+Y1方向に着磁されて、同一の極性を持つ磁極面が互いに対向している。同様に−Y1側に配設されたオートフォーカス用永久磁石206と懸架用磁石133とは、+Y1方向に着磁されて、同一の極性を持つ磁極面が互いに対向している。さらに、+Y2側に配設されたオートフォーカス用永久磁石206と懸架用磁石133とは、+Y2方向に着磁されて、同一の極性を持つ磁極面が互いに対向している。また、−Y2側に配設されたオートフォーカス用永久磁石206と懸架用磁石133とは、+Y2方向に着磁されて、同一の極性を持つ磁極が互いに対向している。
このようにして、手振れ補正装置200Bは駆動手段を用いることなく、簡易的な機構により手振れ補正を行うことができる。
この支持機構100Dは、図1〜図3で示した構成部材と同様に、+Y側の複合リンク128aと、−Y側の複合リンク128bと、Z軸方向に開口する四角枠状の固定枠129と、固定枠129の内周側に設けられる四角柱状の可動体接続部材121Aと、外側出力リンク102aと内側固定リンク112aとを接続する+Y側の複合リンク128a側の中間リンク120cと、外側出力リンク102bと内側固定リンク112bとを接続する−Y側の複合リンク128b側の中間リンク120dと、中間リンク120c(外側出力リンク102a及び内側固定リンク112a)及び中間リンク120d(外側出力リンク102b及び内側固定リンク112b)を繋ぐ平板状の+X側の規制リンク122と、中間リンク120c(外側出力リンク102a及び内側固定リンク112a)及び中間リンク120d(外側出力リンク102b及び内側固定リンク112b)を繋ぐ平板状の−X側の規制リンク123とを備える。
また、−X側において、中間リンク120cは、−X側の規制リンク123の一端側が、切欠きを有するヒンジよりなり、Z軸方向に延長する関節軸126を介して連結される。中間リンク120dは、−X側の規制リンク123の他端側が、切欠きを有するヒンジよりなり、Z軸方向に延長する関節軸127を介して連結される。
このとき、支持機構100Dは、可動体接続部材121AにZ軸と平行な軸周りの回転トルクが作用しても、可動体接続部材121AがZ軸と平行な軸周りに回転することがない。また、可動体接続部材121AにZ軸方向の力が加わっても、+Y側の複合リンク128aと−Y側の複合リンク128bとにより両側から均衡を保って支持されているので、Z軸と直角な軸周りに回転して傾いたり、Z軸方向にずれたりすることがない。
よって、支持機構100Dは、摩擦が生じることなく、可動体接続部材121AをY軸方向へのみ正確に平行移動可能に支持することができ、Z軸と平行な軸周り及び直角な軸周りに回転することがない。
また、外側固定リンク101a側の関節軸106a及び関節軸108aがなす平面と、内側固定リンク112a側の関節軸116a及び関節軸118aがなす平面と、外側固定リンク101b側の関節軸106b及び関節軸108bがなす平面と、内側固定リンク112b側の関節軸116b及び関節軸118bがなす平面とは互いに平行でなくてもよい。
さらに、それぞれの外向き法線+n1と+X軸とのなす角度の大きさ、外向き法線+n2と+X軸とのなす角度の大きさ、外向き法線+n3と+X軸とのなす角度の大きさ、外向き法線+n4と+X軸とのなす角度の大きさは、いずれも互いに同じである必要はなく、必要に応じて異なる大きさとしてもよい。
測定に使用する支持機構100Dは、図10における+Y側の複合リンク128a及び−Y側の複合リンク128bであり、各複合リンク128a,128bの能動リンク長は以下のとおりである。すなわち、関節軸106aと関節軸107aとの間隔、関節軸108aと関節軸109aとの間隔、関節軸116aと関節軸117aとの間隔、関節軸118aと関節軸119aとの間隔、関節軸106bと関節軸107bとの間隔、関節軸108bと関節軸109bとの間隔、関節軸116bと関節軸117bとの間隔、及び関節軸118bと関節軸119bとの間隔を、それぞれ1ミリメートルとした。また、関節軸124と関節軸125との間隔である規制リンク長を5ミリメートルとした。
このように、支持機構100Dは、中間リンク120c,120d間に規制リンク122を連結することにより、可動体接続部材121AがZ軸と平行な軸周り及びZ軸と直角な軸周りに回転することがない。よって、支持機構100Dは、摩擦が生じることなく、可動体接続部材121AをY軸方向へのみ正確に平行移動可能に支持することができ、Z軸と平行な軸周り及び直角な軸周りに回転することがない。
支持機構100Dはレンズホルダー207の+Z側と−Z側とに配設され、+Z側に配設された支持機構100Dにおける可動体接続部材121Aの−Z側の面にレンズホルダー207の+Z側の側面が接続され、−Z側に配設された支持機構100Dにおける可動体接続部材121Aの+Z側の面にレンズホルダー207の−Z側の側面が接続され、両側の支持機構100Dの固定枠129は図示しない固定基台に接続される。
磁気ヨーク135は、対向する板面の一方が外側ヨーク片135bとして形成され、その内側にオートフォーカス用永久磁石134の一方の磁極面が固定される。また、磁気ヨーク135は、他方の板面が内側ヨーク片135aとして形成され、当該内側ヨーク片135aとオートフォーカス用永久磁石134の他方の磁極面とが空隙を隔てて対向する。外側ヨーク片135bと内側ヨーク片135aとは、オートフォーカス用永久磁石134の+Y側においてX軸方向に延長する板状の接続ヨーク片135cにより接続されている。
なお、+X側と−X側とに配設されたオートフォーカス用永久磁石134のオートフォーカス用コイル208に対向する磁極面は同一の極性となるようにする。
このように、レンズホルダー207を支持機構100Dにより支持したレンズ駆動装置136は、レンズホルダー207に不要な方向への変位や回転が生じることがない。よって、摩擦が生じることなく、レンズホルダー207をY軸方向へ正確に平行移動させることができる。
また、駆動手段として、オートフォーカス用永久磁石134とオートフォーカス用コイル208とによる電磁的な駆動手段に代えて、+Y側の複合リンク128aに形成される関節軸106a〜111a,116a〜1お19aや−Y側の複合リンク128bに形成される関節軸106b〜109b,116b〜119bを人工筋肉等により形成し、人工筋肉を屈曲させることによって、可動体接続部材121Aを移動させるレンズ駆動装置136を構成するようにしてもよい。
102a,102b 外側出力リンク、
103a,103b 第1の外側能動リンク、
104a,104b 第2の外側能動リンク、
106a〜109a,106b〜109b 関節軸、
112a,112b 内側固定リンク、
113a,113b 内側出力リンク、
114a,114b 第1の内側能動リンク、
115a,115b 第2の内側能動リンク、
116a〜119a,116b〜119b 関節軸、
122 +X側の規制リンク、
123 −X側の規制リンク、
128a +Y側の複合リンク、
128b −Y側の複合リンク、
130 変位規制平行リンク。
Claims (3)
- XYZ三次元直交座標系において、一対以上の複合リンクを有する可動体の支持機構であって、
前記複合リンクは、
共にZ軸方向に延長する関節軸と、
外側固定リンク、外側出力リンク、及び+X側から−X側に向けて並ぶ第1〜第M(Mは2以上の整数)の外側能動リンクを備えた外側平行リンクと、
内側固定リンク、内側出力リンク、及び+X側から−X側に向けて並ぶ第1〜第N(Nは2以上の整数)の内側能動リンクを備えた内側平行リンクと、を備え、
前記外側平行リンク及び前記内側平行リンクは、前記外側出力リンクと前記内側固定リンクとにより接続され、
前記複合リンクは、前記内側出力リンクが+Y側及び−Y側において互いに対向するように複数配置されたことを特徴とする可動体の支持機構。 - 前記一対以上の複合リンクにおいて、
前記第1の外側能動リンクの両側の関節軸がなす平面の外向き法線が、+X軸に対して+Y側または−Y側のいずれか一方の向きに鋭角傾斜し、
前記第1の内側能動リンクの両側の関節軸がなす平面の外向き法線が、+X軸に対して+Y側または−Y側の他方の向きに鋭角傾斜していることを特徴とする請求項1に記載の可動体の支持機構。 - +Y側の外側出力リンクと、−Y側の外側出力リンクと、規制リンクとがZ軸方向に延長する関節軸を介して直列に連結されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の可動体の支持機構。
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