JP2015032763A - ウェーハ運搬台車及びウェーハ運搬方法 - Google Patents

ウェーハ運搬台車及びウェーハ運搬方法 Download PDF

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Abstract

【課題】カセットに収容された複数枚のウェーハをカセットごと台車に載せて運搬する際にウェーハの物理的損傷を防止する。【解決手段】ウェーハ運搬台車1は、手押し操作により走行可能な台車本体10と、台車本体10の上部に設けられ、カセット5の搭載面を構成する支持台11と、支持台11の角度を調整する角度調整機構12とを備えている。支持台11は、ウェーハWの主面と平行なカセット5の主面と接する第1天板部11aと、ウェーハWの主面と直交するカセット5の底面と接する第1天板部11bとを有している。角度調整機構12は、台車本体10の走行方向に対して90度の方向における支持台11の第1天板部11aの水平面に対する角度を0度〜90度の範囲内で固定することができ、ウェーハ運搬時には、支持台11の第1天板部11aの傾斜角度を5度〜45度の範囲内で固定した状態で台車本体10を走行させる。【選択図】図5

Description

本発明は、ウェーハ運搬台車及びウェーハ運搬方法に関し、特に、カセットに収容された複数枚のウェーハをカセットごと運搬するための運搬台車及び運搬方法に関するものである。
一般に、シリコンウェーハの保管および運搬にはカセットが用いられている(例えば特許文献1参照)。カセットには多数枚(例えば25枚)のウェーハを収容可能であり、シリコンインゴットからワイヤソーで切り出されたウェーハはカセット内に収容され、例えばラッピング工程等の次工程の場所まで運ばれる。ウェーハの鏡面研磨を行うまでは不純物汚染よりもウェーハの取り扱いが容易であることが優先されるため、カセットとしては蓋のないオープンカセットが好ましく用いられる。
多数枚のウェーハが収容されたカセットは重量物であることから、その運搬には手押し台車が用いられている(特許文献2、3参照)。従来、カセットはそのウェーハ挿入口(開口部)が上方を向いたいわゆる縦置きの状態で台車に搭載され、カセット内のウェーハはその主面が水平方向を向いた直立状態で運搬される。
特開2009−295630号公報 特開2000−340631号公報 特許第3601925号公報
しかしながら、カセットを縦置きの状態で台車に載せて運搬すると、運搬中にウェーハがカセット内で振動しやすく、ウェーハがカセット内の仕切り片と激しく衝突した場合にはウェーハの欠けや割れが発生するおそれがある。また、ラッピング工程等の次工程で用いられる処理装置はカセット内のウェーハを自動で取り出して処理する機能を有するが、カセットを横置きの状態でセットしなければならないものが多く、縦置き状態のカセットを横置き状態に変えなければならない。しかし、ウェーハがフルに収容された非常に重いカセットをウェーハに衝撃を与えずに人手により倒す作業は非常に大変であり、改善が望まれている。
本発明は上記課題を解決するものであり、本発明の目的は、複数枚のウェーハをカセットに収容した状態で運搬する際にウェーハの物理的損傷を防止すると共に、次工程でのカセットのセッティングも容易なウェーハ運搬台車及び運搬方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明によるウェーハ運搬台車は、カセットに収容された複数枚のウェーハをカセットごと運搬するウェーハ運搬台車であって、走行可能な台車本体と、前記台車本体の上部に設けられ、前記カセットの搭載面を構成する支持台と、前記支持台の角度を調整する角度調整機構とを備え、前記支持台は、前記ウェーハの主面と平行な前記カセットの主面と接する第1天板部と、前記ウェーハの主面と直交する前記カセットの底面と接する第2天板部とを有し、前記角度調整機構は、前記台車本体の走行方向を回転軸とした前記支持台の前記第1天板部の水平面に対する傾斜角度を0度以上90度以下の範囲内で固定することを特徴とする。
本発明によれば、カセットに収容された複数枚のウェーハを斜めに傾斜させた状態で運搬することができ、ウェーハの振動やケースからの飛び出しによる物理的損傷を防止することができる。また、運搬後にはカセット及びウェーハを水平状態で保管することができ、次工程でカセットを容易にセットすることができる。さらに、支持台上に置かれたカセットのウェーハ挿入口が上方を向いた縦置きの状態となるように支持台の角度を90度に傾けることができ、ウェーハの出し入れを容易に行うことができる。
本発明において、前記角度調整機構は、前記支持台の傾斜角度を変える際に必要な力を軽減する持ち上げ補助機構を含むことが好ましい。多数枚のウェーハが収容されたカセットが搭載された支持台の重量は非常に重く、一人の作業員が自力で持ち上げることは非常に困難であるが、この持ち上げ補助機構により自力の持ち上げが可能となり、支持台の角度調整作業を容易かつ安全に行うことが可能となる。
本発明において、前記角度調整機構は、前記支持台の前記第1天板部の水平面に対する角度を0度、5度以上45度以下、又は90度に固定し、0度よりも大きく5度よりも小さい角度及び45度よりも大きく90度よりも小さい角度での前記支持台の固定を禁止することが好ましい。この構成によれば、ウェーハの運搬中における支持台の傾斜角度を常に5度〜45度の範囲内で固定することができる。したがって、支持台が不適切な角度で固定されることを防止することができ、ウェーハ運搬時の信頼性を高めることができる。
本発明において、前記角度調整機構は、前記支持台の前記第1天板部の水平面に対する角度が5度以上45度以下のときに前記台車本体の走行のロックを解除し、前記5度以上45度以下の角度以外のときに前記台車本体の走行をロックする走行ロック機構を含むことが好ましい。この構成によれば、ウェーハの運搬中における支持台の傾斜角度を常に5度〜45度に設定することができる。したがって、支持台が不適切な角度で固定されることを防止することができ、ウェーハ運搬時の信頼性を高めることができる。
本発明において、前記角度調整機構は、前記支持台の前記第1天板部の水平面に対する角度が5度以上45度以下の角度以外の角度に固定されている場合において前記台車本体を走行させたときに警告音の出力又はライトの点灯若しくは点滅を行う警報部を含むこともまた好ましい。この構成によれば、ウェーハの運搬時に支持台が不適切な角度で固定されることを作業者に知らせることができる。
本発明において、前記台車本体の走行方向は、前記台車本体の長手方向であり、前記第1天板部は、前記長手方向に並べられた複数個の前記カセットの前記主面の合計面積よりも広い搭載面を有することが好ましい。この構成によれば、カセットが置かれた支持台の重量を人手により取り扱うことが可能な範囲内に収めつつ、多数枚のウェーハを一度に効率よく運搬することができる。
本発明において、前記カセットは、ウェーハ挿入口に蓋がないオープンカセットであり、前記支持台上に置かれた前記カセットの前記ウェーハ挿入口の向きは、前記台車本体の走行方向に対して90度の方向を向いていることが好ましい。オープンカセットはウェーハの出し入れが容易で取り扱いやすい反面、運搬中にウェーハがカセットから飛び出すおそれがある。しかし、本発明によればそのような問題を防止することができ、ウェーハの物理的損傷を十分に防止することができる。
また、本発明によるウェーハ運搬方法は、前記支持台の前記第1天板部の水平面に対する傾斜角度を5度以上45度以下の範囲内で固定した状態で前記台車本体を走行させて前記ウェーハを運搬することを特徴とする。
本発明によれば、複数枚のウェーハをカセットに収容し、カセットを斜めに傾斜させた状態で運搬するので、ウェーハの物理的損傷を防止することができる。したがって、ウェーハの運搬に対する信頼性を高めることができる。
本発明によれば、複数枚のウェーハをカセットに収容した状態で次工程に運搬中にウェーハの物理的損傷を防止すると共に、次工程でのカセットのセッティングも容易なウェーハ運搬台車及び運搬方法を提供することができる。
図1は、本発明の好ましい実施の形態によるウェーハ運搬台車の構成を示す図であって、(a)及び(b)は略側面図、(c)は略上面図をそれぞれ示している。 図2は、図1のウェーハ運搬台車においてカセットが搭載されていない状態を示す図であって、(a)及び(b)は略側面図、(c)は略上面図をそれぞれ示している。 図3は、角度調整機構12の構成の一例を示す図であり、(a)〜(c)は支持台11の第1天板部11aの角度が水平、30度、45度の状態をそれぞれ示している。 図4は、ウェーハ運搬台車1のウェーハ収容時の状態を示す模式図である。 図5は、ウェーハ運搬台車1のウェーハ運搬時の状態を示す模式図である。 図6は、本発明の第2の実施の形態によるウェーハ運搬台車の構成を示す模式図である。 図7は、本発明の第3の実施の形態によるウェーハ運搬台車の構成を示す模式図である。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の好ましい実施の形態によるウェーハ運搬台車の構成を示す図であって、(a)及び(b)は略側面図、(c)は略上面図をそれぞれ示している。また、図2は、図1のウェーハ運搬台車においてカセットが搭載されていない状態を示している。
図1に示すように、このウェーハ運搬台車1は、カセット5に収容されたウェーハWをカセット5ごと運搬するためのものであり、手押し操作により走行可能な台車本体10と、台車本体10の上部に設けられ、カセット5の搭載面を構成する支持台11と、支持台11を回動可能に支持する角度調整機構12とを備えている。
カセット5は、水平状態のウェーハWを上下方向に重ねて収容可能なスロット構造を有しており、図1ではウェーハWの主面と平行なカセットの主面5a,5bが上下方向を向いた状態でウェーハ運搬台車1上に置かれている。カセット5のウェーハ収容枚数は特に限定されないが、例えば25枚のウェーハWを収容可能である。
ウェーハWは例えばシリコンウェーハであり、そのサイズ(直径)は300mm以上であることが好ましく、450mmであることが特に好ましい。ウェーハWのサイズが大きくなるほどその重量が増し、複数枚のウェーハWが収容されたカセット5を作業者が直接抱えて運搬することが非常に困難となり、ウェーハ運搬台車1の必要性が極めて高いからである。
カセット5の一方及び他方の主面5a,5bと直交する4つの面5c,5d,5e,5fのうちの一つの面5cには、ウェーハWの出し入れを可能にするウェーハ挿入口(開口部)5gが設けられている。ウェーハ挿入口5gが設けられた面5cとは反対側の面5dは、ウェーハ挿入口5gが上方を向き、ウェーハWの主面が鉛直状態となるようにカセット5を縦置きしたときの底面である。通常、ウェーハWは縦置き状態のカセット5のウェーハ挿入口5gから各スロットに挿入されて収容される。
本実施形態のカセット5はウェーハ挿入口5gに蓋がないオープンカセットである。オープンカセットは汚染物質の侵入を防止することはできないが、蓋を開閉する必要がないのでウェーハの出し入れ、状態の確認等の作業性が良い。したがって、スライス工程からラッピング工程、あるいはラッピング工程から鏡面研磨工程への移動用及び保管用の容器として好ましく用いられる。
台車本体10はその進行方向に細長い形状を有しており、底面の4つのコーナー部には車輪10aがそれぞれ設けられている。このうち、台車本体10の長手方向の一端側(後方)の2つの車輪は回動自在なキャスターであり、長手方向の他端側(前方)の2つの車輪は固定車輪である。走行時の振動によるウェーハの損傷を防止するため、車輪10aはダンパー機能を有することが好ましい。台車本体10の長手方向の一端側には取っ手10bが設けられており、作業者は取っ手10bを握って台車本体10を前方に押し出すことで走行させることができる。
支持台11は台車本体10の長手方向と同じ方向に細長い略矩形のカセット搭載面を有しており、支持台11の長手方向は台車本体10の進行方向を向いている。そして図示のように、支持台11上には2つのカセット5,5を並べて搭載可能であり、2個のカセット5,5の主面の合計面積よりも広い搭載面を有している。例えば300mmシリコンウェーハが25枚収容された1つのカセットの総重量は約10kg以上、2つのカセットであれば20kg以上となり、非常に重いので、支持台11は重量物の加重によっても変形しない耐久性のある素材であることが好ましい。
2つのカセット5,5はそのウェーハ挿入口5gが台車本体10の進行方向に対して90度の方向を向くように搭載される。これによれば、台車本体10を急発進・急停車させたときにかかる慣性力によってウェーハWがカセット5から飛び出してしまうことを防止することができる。
支持台11は、進行方向から見てL字型の部材であり、カセット5の主面5bを支持する第1天板部11aと、カセット5の底面5dを支持する第2天板部11bとを有している。第1天板部11aの面積は、第2天板部11bの面積よりも大きい。これは、支持台11に搭載されるカセット5と接触する面の大きさに合わせたものであり、図示のように、カセット5は、その主面5b及び底面5dが第1天板部11a及び第2天板部11bとそれぞれ対向するように搭載される。
台車本体10の長手方向の両端の位置には支柱13がそれぞれ立設されており、支持台11は支柱13に対して0度〜90度の範囲内で回動自在に軸支されている。支持台11の角度は角度調整機構12によって調整することができる。
角度調整機構12は、支持台11の第1天板部11aを水平面に対して0度又は90度に固定するほか、斜めに固定するための機構を有している。支持台11の第1天板部11aを斜めに固定する場合、その傾斜角度は0度よりも大きく90度よりも小さければよいが、5度以上45度以下であることがより好ましい。この場合、支持台11の第1天板部11aの角度を0度よりも大きく5度よりも小さい角度に固定すること及び45度よりも大きく90度よりも小さい角度に固定することを禁止することが好ましい。5度よりも小さい場合にはウェーハの飛び出しを抑制する効果が十分でなく、45度よりも大きい場合には走行中の振動の影響を受けやすく、ウェーハの割れやかけが生じる恐れがあるからである。
支持台11の固定可能な傾斜角度の範囲は、必ずしも5度から開始する必要はなく、10度から開始してもよく、その他の角度から開始してもよい。同様に、必ずしも45度で終わる必要はなく、40度で終わってもよく、その他の角度で終わってもよい。さらに、支持台11の固定可能な傾斜角度の範囲では、任意の角度で固定できてもよく、所定の角度刻みで段階的に固定できてもよい。したがって、例えば支持台11を10度、20度、30度、40度のいずれかに固定できるように構成してもよい。また、支持台11の固定可能な傾斜角度を例えば30度だけに限定してもよい。
支持台11の第1天板部11aの主面が水平状態のとき、主面の地面からの高さは80cm〜100cmであることが好ましい。支持台11の高さがこの範囲内であれば、支持台11を90度回転させた場合でも地面までの距離を十分に確保できる。また、支持台11をカセット5へのウェーハWの出し入れやカセット5を運搬した後の移設の作業が容易だからである。
支持台11の長手方向の両側に位置する支柱13には、支持台11を持ち上げる際に必要な力を軽減する持ち上げ補助機構14が設けられている。持ち上げ補助機構14は、支持台10を持ち上げてその傾斜角度を変えようとする作業者に補助力を与える。多数枚のウェーハWがフルに収容されたカセット5が支持台11上に複数個搭載されているとき、支持台11の重量は20kg以上となり、これを一人の作業員が自力で持ち上げることは非常に困難である。しかし、この持ち上げ補助機構14により自力の持ち上げが可能となり、支持台11の角度調整作業を容易かつ安全に行うことが可能となる。持ち上げ補助機構14は、コイルバネであってもよく、空圧・油圧シリンダー、減速機、モーター、ジャッキ等であってもよい。
図3は、角度調整機構12の構成の一例を示す模式図であり、(a)〜(c)は支持台11の第1天板部11aの角度が水平、30度、45度の状態をそれぞれ示している。
図3に示すように、支持台11には固定部材16が取り付けられている。固定部材16の基端部16bは支持台11の裏面の適切な位置において軸支されており、固定部材16はその基端部16bを中心に回動自在である。また、固定部材16の先端部16aはガイドレール17に沿って上下方向に移動可能であり、固定部材16の先端部は、支持台11の回動に合わせて移動する。このように、支持台11に装備されているものは固定部材16だけであり、その軽量化が図られている。
固定部材16の先端部16aとの対向面にはストッパ18が設けられている。ストッパ18は、上下方向に延設された多数の段差からなり、固定部材16の先端部16aは、その上下方向の位置に応じてストッパ18の段差のいずれかと係合することができる。これにより、支持台11を所定の角度で固定することができる。
ストッパ18の段差は、支持台11の傾斜角度が0度〜45度となる範囲H1内において所定の間隔で設けられている。一方、支持台11の傾斜角度が45度よりも大きい範囲H2にストッパ18の段差は設けられていないので、支持台11を固定することはできない。なお、支持台11の傾斜角度が5度又は10度の等角度となるようにストッパ18の段差を設定する場合、段差の間隔は一定にはならない。したがって、支持台11の傾斜角度は例えば0度〜45度の範囲内で固定され、そして45度よりも大きい角度で固定が禁止される。
持ち上げ補助機構14の補助力は支持台11を持ち上げるときや降下させるときだけ作用し、支持台11を所定の角度で固定する時には解除されてもよい。この場合、固定部材16は支持台11ならびに搭載物(ウェーハを含むカセット)の重量によって下方に押され、ストッパ18と確実に係合する。支持台11を少し持ち上げると固定部材16とストッパ18との係合が自然に解除され、支持台11の角度が再び変更可能となる。
次に、ウェーハ運搬台車1の主要な動作について説明する。
図4は、ウェーハ運搬台車1のウェーハ収容時の状態を示す模式図である。
図4に示すように、カセット5にウェーハWを収容する際は、空のカセット5が搭載された支持台11を90度回転させておく。支持台11は第1天板部11aの主面が水平面に対して90度、第2天板部11bの主面が0度(水平)となり、カセット5はウェーハ挿入口5gが上方を向いた縦置き状態となっている。そしてカセット5は主に第2天板部11bに当接して支持された状態となる。このような縦置き状態のカセット5にウェーハWを挿入することで、ウェーハWを容易に収容することができる。こうしてウェーハWが収容されたカセット5は次工程の場所に運ばれる。なお、カセット5からウェーハWを人手により取り出す場合にもこの縦置き状態で行うことが好ましい。
図5は、ウェーハ運搬台車1のウェーハ運搬時の状態を示す模式図である。
図5に示すように、ウェーハWが収容されたカセット5を運搬する際は、支持台11の第1天板部11aの主面の傾斜角度θを水平面に対して5〜45度に設定して固定する。これにより、カセット5は支持台11の第1天板部11aと第2天板部11bの両方に当接して支持された状態となる。支持台11をこのよう傾けることで、支持台11上のカセット5及びカセット5内のウェーハWも5度〜45度に傾いた状態となるので、ウェーハWの振動やカセット5のウェーハ挿入口5gからのウェーハWの飛び出しを防止することができる。
カセット5が次工程の場所まで運ばれた後は、次工程で使用されるまでそのまま保管される。このとき、図1(a)に示したように、支持台11の第1天板部11aの主面が水平(0度)に設定された状態で保管される。これにより、カセット5は主に支持台11の第1天板部11aに当接して支持された状態となる。支持台11をこのように水平にすることで、支持台11上のカセット5及びカセット5内のウェーハWの角度も水平となるので、次工程の処理装置に対してそのままの状態でセットすることができる。
以上説明したように、本実施形態によるウェーハ運搬台車1は、複数枚のウェーハWをカセット5に収容し、カセット5を斜めに傾斜させた状態で運搬するので、ウェーハWの物理的損傷を防止することができる。また、運搬後にはカセット5及びウェーハWを水平状態で保持するので、次工程でのカセット5を容易にセットすることができる。また、ウェーハWをカセット5内に収容する際は、カセット5のウェーハ挿入口5gが上方を向いた縦置きの状態となるように支持台11の角度を90度に傾けるので、ウェーハWの収容を容易に行うことができる。
上記実施形態においては、角度調整機構12が支持台11を固定可能な角度を5度〜45度の範囲に制限しているが、角度調整機構12による支持台11の傾斜角度を0度以上90度以下(0度〜90度)の範囲内で任意に固定可能とし、その代わりに5度〜45度のときだけ走行可能に構成してもよい。
図6は、本発明の第2の実施の形態によるウェーハ運搬台車の構成を示す模式図である。
図6に示すように、このウェーハ運搬台車2は、支持台11の傾斜角度θを測定する角度測定部21と、支持台11の傾斜角度θが5度〜45度のときに台車本体10の車輪10aのロックを解除し、それ以外の角度のときに車輪10aをロックする走行ロック機構22とを備えている。角度測定部21は、機械式であってもよく、電子式であってもよい。本実施形態において、角度調整機構12は、例えば手回し式のねじャッキを用いて支持台11の傾斜角度を0度〜90度の範囲内で任意に固定するものであってもよい。
このように、支持台11の傾斜角度に応じて台車本体10の走行ロック・アンロックを設定することにより、支持台11上に置かれたカセット及びカセット5内のウェーハWをその運搬中において常に適切な傾斜角度に設定することができ、ウェーハWの物理的損傷を防止することができる。
図7は、本発明の第3の実施の形態によるウェーハ運搬台車の構成を示す模式図である。
図7に示すように、このウェーハ運搬台車3は、走行ロック機構22に代えて警告音が鳴るように構成したものである。すなわち、ウェーハ運搬台車3は、支持台11の傾斜角度θを測定する角度測定部21と、台車本体10の走行状態(車輪10aの回転状態)を検出し、台車本体10の走行中に支持台11の傾斜角度θが5度〜45度でない場合に警告音を出力する警報部31とを備えている。警告音ともに又は警告音に代えてライトが点灯又は点滅するように構成してもよい。この構成によれば、支持台11上に置かれたカセット5及びカセット5内のウェーハWの運搬時に傾斜角度が不適切である旨の注意を喚起することができ、これによりウェーハWの物理的損傷を未然に防止することができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
例えば、上記実施形態においては、ウェーハの一例としてシリコンウェーハを例に挙げたが、本発明において取り扱うウェーハはシリコンウェーハに限定されず、種々のウェーハを対象とすることができる。ただし、近年はシリコンウェーハの大口径化が進み、その重量も大きくなっていることから、本発明は大口径シリコンウェーハの運搬に好適である。
1,2,3 ウェーハ運搬台車
5 カセット
5a カセットの一方の主面
5b カセットの他方の主面
5c カセットの上面(開口面)
5d カセットの底面
5g ウェーハ挿入口(開口部)
10 台車本体
10a 車輪
10b 取っ手
11 支持台
11a 第1天板部
11b 第2天板部
12 角度調整機構
13 支柱
14 持ち上げ補助機構
16 固定部材
16a 先端部
16b 基端部
17 ガイドレール
18 ストッパ
W ウェーハ

Claims (8)

  1. カセットに収容された複数枚のウェーハをカセットごと運搬するウェーハ運搬台車であって、
    走行可能な台車本体と、
    前記台車本体の上部に設けられ、前記カセットの搭載面を構成する支持台と、
    前記支持台の角度を調整する角度調整機構とを備え、
    前記支持台は、前記ウェーハの主面と平行な前記カセットの主面と接する第1天板部と、前記ウェーハの主面と直交する前記カセットの底面と接する第2天板部とを有し、
    前記角度調整機構は、前記台車本体の走行方向を回転軸とした前記支持台の前記第1天板部の水平面に対する傾斜角度を0度以上90度以下の範囲内で固定することを特徴とするウェーハ運搬台車。
  2. 前記角度調整機構は、前記支持台の傾斜角度を変える際に必要な力を軽減する持ち上げ補助機構を含む、請求項1に記載のウェーハ運搬台車。
  3. 前記角度調整機構は、前記支持台の前記第1天板部の水平面に対する角度を0度、5度以上45度以下、又は90度に固定し、0度よりも大きく5度よりも小さい角度及び45度よりも大きく90度よりも小さい角度での前記支持台の固定を禁止する、請求項1又は2に記載のウェーハ運搬台車。
  4. 前記角度調整機構は、前記支持台の前記第1天板部の水平面に対する角度が5度以上45度以下のときに前記台車本体の走行のロックを解除し、前記5度以上45度以下の角度以外のときに前記台車本体の走行をロックする走行ロック機構を含む、請求項1又は2に記載のウェーハ運搬台車。
  5. 前記角度調整機構は、前記支持台の前記第1天板部の水平面に対する角度が5度以上45度以下の角度以外の角度に固定されている場合において前記台車本体を走行させたときに警告音の出力又はライトの点灯若しくは点滅を行う警報部を含む、請求項1又は2に記載のウェーハ運搬台車。
  6. 前記台車本体の走行方向は、前記台車本体の長手方向であり、
    前記第1天板部は、前記長手方向に並べられた複数個の前記カセットの前記主面の合計面積よりも広い搭載面を有する、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のウェーハ運搬台車。
  7. 前記カセットは、ウェーハ挿入口に蓋がないオープンカセットであり、
    前記支持台上に置かれた前記カセットの前記ウェーハ挿入口の向きは、前記台車本体の走行方向に対して90度の方向を向いている、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のウェーハ運搬台車。
  8. 請求項1乃至7のいずれか一項に記載のウェーハ運搬台車を用いたウェーハの運搬方法であって、前記支持台の前記第1天板部の水平面に対する傾斜角度を5度以上45度以下の範囲内で固定した状態で前記台車本体を走行させて前記ウェーハを運搬することを特徴とするウェーハ運搬方法。

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