JP2015024772A - 自動車のフェンダ支持構造 - Google Patents
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Abstract
Description
そこで、従来、特許文献1,2,3,4に開示された構造が既に発明されている。
特許文献4では、ブラケットが平行四辺形的に変形することによって、大きな変形スペースが必要になり、コンパクト化を実現できないという問題点があった。
まず、第1の方法として、上壁331を可及的に長く設定して上壁331を撓み易くする方法が考えられる。しかしながら、この場合、上壁331が長くなる分、フェンダブラケット330の重量、寸法が増加することになる。つまり、フェンダブラケット330をコンパクトにして小型車向きの構成にするという本来の目的とは逆行することになり、好ましくない。
要するに、コストや重量、寸法を増加させることなく、ボンネットストッパラバーを確実に落とし穴に落とすことができるものである。
図面は自動車のフェンダ支持構造を示し、図1は当該フェンダ支持構造を備えた自動車の部分平面図、図2はボンネットを取外した状態で自動車のフェンダ支持構造を示す平面図、図3は図2の要部斜視図、図4は図2のA−A線矢視断面図、図5は図2のB−B線に沿う要部の断面図である。
なお、以下の説明においては自動車の右側のフェンダ支持構造について説明するが、自動車の左側のフェンダ支持構造は右側のそれと左右略対称に構成されるものである。
図4に示すように、上述のボンネット2は、ボンネットアウタパネル2aとボンネットインナパネル2bとをヘミング加工により一体化したもので、該ボンネット2はその後端側を開閉支点として前側が開閉するように構成されている。
上述のダッシュアッパパネル5の下部には、エンジンルーム1と車室8とを前後方向に仕切るダッシュロアパネルが設けられており、このダッシュロアパネルからエンジンルーム1の左右両サイド部において車両前方に延びるフロントサイドフレーム9,9(但し、図面においては車両右側のフロントサイドフレーム9のみを示す)が設けられている。
上述のフロントサイドフレーム9は左右一対設けられており、図2に示すように、当該フロントサイドフレーム9の前端にはセットプレート10およびクラッシュカン11を介して、車幅方向に延びるバンパレインフォースメント12が取付けられている。
図2で示したフロントサイドフレーム9の上方かつ車外側には、カウルサイド部から車両の前後方向に延びるエプロンレインフォースメント13を設けている(図3参照)。
図2〜図4に示すように、上述のエプロンレインフォースメント13の前端をエプロンフロントパネル17で閉塞して、該エプロンレインフォースメント13の強度向上を図るように構成している。
さらに、図2に示すように、エプロンレインフォースメント13におけるエプロンレインフォースメントインナ14の縦壁と、フロントサイドフレーム9の車外側縦壁との間には、エプロンサイドパネル20(いわゆるホイールアーチ)が設けられている。
また、図1において、23はフロントバンパ、24はドアミラーであり、図2,図3において、25は合成樹脂製のラジエータシュラウドにおけるシュラウドアッパ部である。このシュラウドアッパ部25の車幅方向両端部には、左右の各ランプハウジング22の前端部が取付けられる。
図2〜図9に示すように、エプロンレインフォースメント13におけるエプロンレインフォースメントインナ14の上壁には、車両前後方向に離間させて前部フェンダブラケット30と、後部フェンダブラケット70とを設けている。これらの各ブラケット30,70は何れもフェンダ3を支持するためのものである。
図10の(c)に示すように、前部フェンダブラケット30は側面視で、略矩形状に形成されており、当該フェンダブラケット30は、上壁31と、この上壁31の対向する両端、すなわち、上壁31の前後両端から下方に延びる前後一対の脚部32,33と、当該脚部32,33の下端に形成され車体としてのエプロンレインフォースメントインナ14の上壁に固定される車体固定部34,35とを備えている。
また、図8に示すように、後側の車体固定部35は、エプロンレインフォースメントインナ14とサスタワー上部パネル19の車幅方向外側端部19aとが上下方向に重合する剛性が高い部分に、同図に×印で示すように車幅方向に並ぶ複数の固定部位SW2にてスポット溶接固定されている。
ここで、車幅方向に並ぶ複数の固定部位SW1の間、および固定部位SW2の間には、各脚部32,33に接続され、これらの傾倒に対する反力を高めるための補強ビード34a、35aが設けられている。
このように、前後の各脚部32,33下端の車体固定部34,35を、車幅方向に並ぶ複数の固定部位SW1,SW2にて固定することで、脚部32,33の固定の安定化を図っている。なお、スポット溶接による車幅方向に並ぶ複数の固定部位SW1,SW2に代えて、レーザ溶接等、一般的な連続溶接方法により車幅方向に連続した固定部位を形成してもよい。
また、前部フェンダブラケット30の上壁31には、ボンネットストッパラバー36(図6,図7参照)を直接取付けて、このボンネットストッパラバー36を介してボンネット2を支持するボンネット支持部37と、フェンダ3のフランジ3cを取付ける前後のフェンダ取付け部38,39とを備えている。
さらに、前側に位置するフェンダ取付け部38の車幅方向外側には、クリップ43(図5参照)を挿入する位置決め孔44が形成されている。
また、前部フェンダブラケット30における上壁31に形成された前側のフェンダ取付け部38と、上下方向に対応すべくエプロンレインフォースメントインナ14の上壁にはボルト41の落とし穴46(開口部)が開口形成されている。
すなわち、ボンネット支持部37がフェンダ取付け部38,39に対して相対的に脆弱になり、上方から下方に向く衝突荷重の入力時に前部フェンダブラケット30が変形するが、この場合、両脚部32,33は図12に矢印a,bで示すように互いに近づく方向に引っ張られ、該フェンダブラケット30は略M字状に変形しやすくなる。
また、フェンダ3とボンネットストッパラバー36とを同じ前部フェンダブラケット30で支持しているので、寸法精度が確保でき、衝突物の衝突時にボンネットストッパラバー36を落とし穴45に落とすために前部フェンダブラケット30を、確実に略M字状に変形させるように構成している。
つまり、ヘッドランプ21とフェンダ3とを前部フェンダブラケット30に固定できるように、当該前部フェンダブラケット30の上壁31には、フェンダ取付け部38と延設部22aとが重ねて設けられており、ヘッドランプ支持構造も用いて、前部フェンダブラケット30の上壁31を補強し、ボンネットストッパラバー36を固定するボンネット支持部37から該前部フェンダブラケット30が略M字状に変形しやすく成すと共に、ヘッドランプ21とフェンダ3とボンネット2との位置決め精度を向上し、これら三者21,3,2間の隙を縮小すべく構成している。
さらに詳しくは、図10の(c)に示すように、後側の脚部33の上下方向の長さをL1、同側の脚部33とエプロンレインフォースメントインナ14の上壁との成す角度をθ1とし、前側の脚部32の上下方向の長さをL2、同側の脚部32とエプロンレインフォースメントインナ14の上壁との成す角度をθ2とするとき、L1<L2、θ1>θ2の関係式が成立するように、前部フェンダブラケット30は非対称の略矩形状に形成されており、また、ボンネットストッパラバー36に近い方の後側の脚部33がより垂直に近く、荷重入力方向に向いている。
さらに、一方の柱状部の変形時には、他方の柱状部の倒れ方向の荷重相殺がなくなり、応力の集中により前部フェンダブラケット30の全体を容易に変形させ、潰れるように構成したものである。
これにより、各柱状部51,52の傾斜角度の差異により、ボンネット支持剛性を高める一方で、フェンダ側柱状部52は衝突物のフェンダ衝突時に容易に変形して、荷重吸収を図るように構成したものであり、ボンネット支持部37の脆弱化により、前部フェンダブラケット30の略M字状の変形を促進させつつ、高いボンネット支持剛性の確保と、フェンダ衝突時の前部フェンダブラケット30全体の低剛性化とを両立させるべく構成したものである。
図5,図6,図9に示すように、後部フェンダブラケット70は、上壁71と、上壁71の前後両端から下方に延びる前後一対の脚部72,73と、これら各脚部72,73の下端に一体的に屈曲形成された車体固定部74,75とを有している。
上述の後部フェンダブラケット70においては、前後の両脚部72,73共に、フェンダ側柱状部77,80がボンネット側柱状部76,79に対して垂直に近い非対称の逆三角形状に形成されており、前部フェンダブラケット30に対して倒れ方向が逆になるように設定すると共に、脚部72,73を略逆三角形状とすることで、車体固定部74,75のコンパクト化を図っている。
さらに、図5に示すように、後部フェンダブラケット70の前後両脚部72,73の上下方向中間部には、屈曲部82を形成していて、衝突物の衝突時に該屈曲部82を起点として後部フェンダブラケット70が確実に上下方向に変形するように構成している。
なお、図中、矢印Fは車両の前方を示し、矢印Rは車両の後方を示し、矢印INは車幅方向の内方を示し、矢印OUTは車幅方向の外方を示し、矢印UPは車両の上方を示す。
ボンネット2閉時にはボンネットストッパラバー36を介して前部フェンダブラケット30の上壁に下向き荷重が作用するが、ボンネット側柱状部47,51およびフェンダ側柱状部48,52は、図11に矢印c,dで示すように、互いに逆方向に倒れようとし、両柱状部の倒れる方向への荷重成分が相殺されると共に、上壁31は左右方向に引っ張られて、その張力が高まるので、高い支持剛性にてボンネット2を支持することができる。
すなわち、上述の前部フェンダブラケット30は、特開2007−106381号公報に開示されたように、脚部に予め屈曲部を備えた略台形状のフェンダブラケットに対して、コンパクトでありながら、平行四辺形的な変形を防止することができ、安定して座屈変形するものであって、さらに上述の如く側面視で略S字変形を誘発することができるので、衝撃荷重吸収に有利となる。
要するに、コストや重量、寸法を増加させることなく、ボンネットストッパラバー36を確実に落とし穴45に落とすことができるものである。
また、フェンダブラケット(前部フェンダブラケット30)の上壁31の前部には、ランプハウジング22を支持するランプハウジング支持部(フェンダ取付け部38参照)が設けられ、該ランプハウジング支持部(フェンダ取付け部38)は、ランプハウジング22とフェンダ3とを固定できるように、ボンネット支持部37より前方のフェンダ支持部(フェンダ取付け部38)と重ねて設けられたものである(図2〜図5参照)。
また、脚部32,33は、側面視でボンネット支持部37におけるボンネット2の支持方向に延び、フェンダブラケット(前部フェンダブラケット30)は、側面視で略矩形状をなしているものである(図4,図5,図8,図10、図12参照)。
このように構成すると、中央開口部49,53により軽量化を図ることができると共に、衝突物の衝突時には、上壁31が左右方向に引っ張られて、その張力が高まるので、正面視で逆三角形や平行四辺形に形成した場合よりも車幅方向に倒れにくい構成とすることができる。これにより、ボンネットストッパラバー36をより確実に落とし穴45に落とすことができる。
この発明のフェンダブラケットは、実施例の前部フェンダブラケット30に対応し、
以下同様に、
車体固定部を固定する車体は、エプロンレインフォースメント13、特にそのインナ14に対応し、
フェンダ支持部は、フェンダ取付け部38,39に対応し、
ランプハウジング支持部は、フェンダ取付け部38に対応するも、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
例えば、上記実施例においてはランプハウジング22を支持するランプハウジング支持部が、ランプハウジング22とフェンダ3とを固定できるように、ボンネット支持部37より前方のフェンダ支持部(フェンダ取付け部38)と重ねて設けられているが、シュラウドアッパ部25を支持するシュラウドアッパ支持部が、シュラウドアッパ部25とフェンダ3とを固定できるように、ボンネット支持部37より前方のフェンダ支持部(フェンダ取付け部38)と重ねて設けられるように構成してもよい。
3…フェンダ
14…エプロンレインフォースメントインナ(車体)
22…ランプハウジング
25…シュラウドアッパ部
30…前部フェンダブラケット(フェンダブラケット)
31…上壁
32,33…脚部
36…ボンネットストッパラバー
37…ボンネット支持部
38,39…フェンダ取付け部
45…落とし穴
SW1,SW2…固定部位
Claims (3)
- ボンネットを支持するボンネット支持部と、フェンダを取付けるフェンダ取付け部とを上壁に有するフェンダブラケットが設けられた自動車のフェンダ支持構造であって、
上記フェンダブラケットは、その上壁の対向する両端から下方に延びる一対の脚部と、
当該脚部の下端に形成され車体に固定される車体固定部とを有し、
上記ボンネット支持部には、ボンネットストッパラバーが設けられると共に、
上記ボンネット支持部と、上記一対の脚部との間には、上記フェンダ支持部が設けられ、
上記車体には、上記ボンネットストッパラバーの下方位置に対応するよう当該ボンネットストッパラバーの落とし穴が形成された
自動車のフェンダ支持構造。 - 上記フェンダブラケットの上記上壁の前部には、ランプハウジングを支持するランプハウジング支持部、または、ラジエータシュラウドにおいて上記ランプハウジングが取付けられるシュラウドアッパ部を支持するシュラウドアッパ支持部が設けられ、
上記ランプハウジング支持部は、上記ランプハウジングと上記フェンダとを固定できるように、上記ボンネット支持部より前方の上記フェンダ支持部と重ねて設けられ、
上記シュラウドアッパ支持部は、上記シュラウドアッパ部と上記フェンダとを固定できるように、上記ボンネット支持部より前方の上記フェンダ支持部と重ねて設けられた
請求項1記載の自動車のフェンダ支持構造。 - 上記脚部は、側面視で上記ボンネット支持部における上記ボンネットの支持方向に延び、
上記フェンダブラケットは、側面視で略矩形状をなしている
請求項1または2記載の自動車のフェンダ支持構造。
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