JP2015021571A - アイボルト - Google Patents
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Abstract
【課題】吊り荷重の加わる方向に環状部の向きを合わせて固定しても変形し難いアイボルトを提供することを課題とする。
【解決手段】本発明は、環状部位142を有するアイ部14と、アイ部14から環状部位142の径方向外側に向かって延びる雄ねじ部16と、雄ねじ部16に螺合され、当該雄ねじ部16を吊持対象物に対して固定するための螺合部材20と、を備え、雄ねじ部16は、吊持対象物200にねじ込まれる第1ねじ部161と、アイ部14と第1ねじ部161とを接続し、螺合部材20と螺合する第2ねじ部162と、を有し、第2ねじ部162の径は、第1ねじ部161の径よりも大きいことを特徴とする。
【選択図】図3
【解決手段】本発明は、環状部位142を有するアイ部14と、アイ部14から環状部位142の径方向外側に向かって延びる雄ねじ部16と、雄ねじ部16に螺合され、当該雄ねじ部16を吊持対象物に対して固定するための螺合部材20と、を備え、雄ねじ部16は、吊持対象物200にねじ込まれる第1ねじ部161と、アイ部14と第1ねじ部161とを接続し、螺合部材20と螺合する第2ねじ部162と、を有し、第2ねじ部162の径は、第1ねじ部161の径よりも大きいことを特徴とする。
【選択図】図3
Description
本発明は、例えば、建設、建築、荷役、構内作業等の各種作業現場における吊り作業や重量物の引き起し、反転作業等において使用されるアイボルトに関する。
従来から、吊り作業や重量物の引き起こし、反転作業等の対象物(以下、単に「吊持対象物」と称する。)に取り付ける吊り金具として、アイボルトが用いられている。このアイボルトは、例えば図7に示すように、環状部位101を有するアイ部102と、アイ部102から環状部位101の径方向外側に向かって延びる雄ねじ部103と、を備えている(特許文献1参照)。この雄ねじ部103の軸方向の各位置における径(外径)は一定である。
このように構成されるアイボルト100は、図8に示すように、アイ部102の雄ねじ部103側の端部104が吊持対象物105の取付面106に当接するまで、雄ねじ部103が取付面106に設けられた雌ねじ部107にねじ込まれ、これにより、吊持対象物105に固定される(取り付けられる)。この状態でアイ部102(環状部位101)にフック108が掛けられ、吊持対象物105の吊り上げや引き起こし、反転作業等が行われる。
上記のアイボルト100は、環状部位101の径方向と交差する方向に吊り荷重が加わると変形し易いため、吊り作業等を行う際に、環状部位101に加わる吊り荷重の方向が当該環状部位101の径方向に作用するように環状部位101の向きを調整する必要がある。このため、吊持対象物105にねじ込んだアイボルト100を弛めて環状部位101の向きを調整することが考えられる。
しかし、この場合、図9に示すように、アイ部102の雄ねじ部側端部104と取付面106との間に隙間が生じて雄ねじ部103の基部(アイ部102側の端部)が露出し、吊り荷重によって生じた曲げ応力がこの部位に集中して変形し易い。
そこで、本発明は、上記問題に鑑み、吊り荷重の加わる方向に環状部位の向きを合わせて吊持対象物に取り付けても変形し難いアイボルトを提供することを課題とする。
本発明のアイボルトは、環状部位を有するアイ部と、前記アイ部から前記環状部位の径方向外側に向かって延びる雄ねじ部と、前記雄ねじ部に螺合され、当該雄ねじ部を吊持対象物に対して固定するための螺合部材と、を備え、前記雄ねじ部は、前記吊持対象物にねじ込まれる第1ねじ部と、前記アイ部と前記第1ねじ部とを接続し、前記螺合部材と螺合する第2ねじ部と、を有し、前記第2ねじ部の径は、前記第1ねじ部の径よりも大きいことを特徴とする。
かかる構成によれば、環状部位が所望の方向を向くように第1ねじ部を吊持対象物にねじ込んだ状態で、第1ねじ部側に移動する方向に螺合部材を回転させる(締め付ける)ことで、環状部位を所望の方向に向けた状態でアイボルト(雄ねじ部)を吊持対象物に固定することができる。
しかも、アイボルトを固定するために螺合部材を締め付けることによって当該螺合部材とアイ部との間に隙間が形成され当該隙間において第2ねじ部の一部が露出しても、第2ねじ部の径が吊持対象物にねじ込まれている第1ねじ部の径よりも大きく、これにより、第2ねじ部の強度が十分確保されているため、前記露出した部位(第2ねじ部)に曲げ応力が集中しても、雄ねじ部の先端から基部(環状部側の端部)までの径が一定の従来のアイボルトに比べて曲がり等の変形が生じ難い。即ち、上記構成では、環状部位を有するアイ部と、吊持対象物にねじ込まれる第1ねじ部と、の間に、第1ねじ部よりも径を大きくして十分な強度を確保した第2ねじ部を設け、アイボルトを吊持対象物に固定したときにこの第2ねじ部をアイ部と螺合部材との隙間から露出させて当該部位に曲げ応力を集中させることによって、吊り荷重の加わる方向に環状部位の向きを合わせて固定しても変形し難い構成を実現している。
ここで、吊持対象物の取付面が平面である場合、前記螺合部材は、前記アイ部と反対側の端部に、前記雄ねじ部の延びる方向と直交する面であって前記雄ねじ部を周方向に囲む面を有することが好ましい。
このようにすれば、アイボルトを吊持部材に固定したときに、螺合部材が雄ねじ部の周囲において取付面と隙間なく面接触した状態で雄ねじ部を支えるため、管状部位に吊り荷重が加わることによって生じた曲げ応力により螺合部材と取付面との境界位置において雄ねじ部(詳しくは第1ねじ部)に曲がり等の変形が生じることをより確実に防ぐことができる。
また、前記アイボルトにおいて、前記螺合部材がナットであることが好ましい。
かかる構成によれば、スパナによって螺合部材を吊持対象物に対して容易に締め付けることができ、アイボルトの吊持対象物への固定作業が容易になる。
以上より、本発明によれば、吊り荷重の加わる方向に環状部の向きを合わせて固定しても変形し難いアイボルトを提供することができる。
以下、本発明の一実施形態について、図1〜図6を参照しつつ説明する。ここで、図1は、本実施形態に係るアイボルトの正面図であり、図2は、アイボルトの側面図である。また、図3は、ボルト本体の正面図であり、図4Aは、ボルト本体に取り付けられるナットの平面図であり、図4Bはナットの正面図である。
本実施形態に係るアイボルトは、いわゆる吊り金具の一種であり、吊持対象物の取付面に取り付けられ(固定され)て当該吊持対象物の吊り作業や引き起こし、反転作業等に用いられる。具体的には、以下の通りである。
アイボルトは、図1〜図4に示すように、ボルト本体12と、ボルト本体12に取り付けられるナット20と、を備える。
ボルト本体12は、アイ部14と、アイ部14から所定の方向の延びる雄ねじ部16と、を有する。本実施形態のボルト本体12は金属製であり、アイ部14と雄ねじ部16とが一体的に形成されている。
アイ部14は、基部141と、基部141によって支持される環状部(環状部位)142とを有する。
基部141は、雄ねじ部16側の端部に当該雄ねじ部16の延びる方向(軸中心C)と直交する面(本実施形態の例では水平面)143を有する。本実施形態の基部141は、平面視の輪郭が円形である略円盤状の部位であり、下端に水平面143を有する。
環状部142は、クレーンのフックやワイヤ等が係止される環状の部位である。この環状部142は、基部141の水平面143と直交する面に沿うように基部141に対して立設されている。本実施形態の環状部142は、円環形状であり、周方向の各位置における断面がそれぞれ同径の円形面となるような形状である。尚、環状部142の形状は、円環形状に限定されない。
雄ねじ部16は、基部141の水平面143から環状部142の径方向外側に向かって延びる。本実施形態の雄ねじ部16は、基部141の水平面143から垂直下方に向かって延びている。この雄ねじ部16は、第1ねじ部161と、第2ねじ部162と、を有する。
第1ねじ部161は、アイ部14と所定の間隔(ナット20の厚さ寸法(図1における上下方向の幅)に対応する間隔)を空けて設けられ、吊持対象物200にねじ込まれる部位である(図5及び図6参照)。第1ねじ部161の基部(アイ部14側の端部)には、全周に亘って延びる断面が円弧状の溝161aが設けられている。この第1ねじ部161に設けられる雄ねじは、吊持対象物200の取付面202に設けられた雌ねじ部204(図5及び図6参照)の形状(ピッチやねじ山の高さ等)に対応する形状、即ち、雌ねじ部204と螺合可能な形状である。
第2ねじ部162は、アイ部14(基部141)と第1ねじ部161とを接続し、ナット20と螺合する部位である。第2ねじ部162の径(外径)は、第1ねじ部161の径(外径)よりも大きい。詳しくは、第2ねじ部162の谷径が、第1ねじ部161の山径よりも大きい。これにより、雄ねじ部16先端から第1ねじ部161を通過して第2ねじ部162までナット20を嵌め込むことができる。
また、第2ねじ部162の径の大きさ(寸法)は、アイ部14に加わった吊り荷重に起因する応力(曲げ応力等)が第2ねじ部162に生じても当該第2ねじ部162が変形しない強度が得られるように設定されている。例えば、本実施形態の雄ねじ部16では、第2ねじ部162の径がφ39mmであり、第1ねじ部161の径がφ24mmである。また、第2ねじ部162の基部(アイ部14側の端部)には、全周に亘って延びる断面が円弧状の溝162aが設けられている。この第2ねじ部162に設けられる雄ねじは、ナット20に形成された雌ねじの形状(ピッチやねじ山の高さ等)に対応する形状、即ち、ナット20と螺合可能な形状である。尚、第1ねじ部161の雄ねじ形状と第2ねじ部162の雄ねじ形状とは、同一でもよく、異なっていてもよい。
これら第1ねじ部161及び第2ねじ部162は、それぞれの軸中心が同一直線上に位置するように一列に並んでいる。即ち、本実施形態では、基部141の水平面143から第2ねじ部162が下方に向かって延び、その先端から第1ねじ部161が第2ねじ部162と同方向(下方)に向かって且つ軸中心が一致するように延びることで、雄ねじ部16が構成されている。
ナット20は、第2ねじ部162に螺合され、雄ねじ部16(即ち、ボルト本体12)を吊持対象物200に対して固定する。ナット20は、アイ部14と反対側の端部に、雄ねじ部16の延びる方向と直交する面(底面)22を有する。この底面22は、雄ねじ部16を周方向に囲む。このナット20の内径D1は、第2ねじ部162の径と対応する寸法、即ち、第2ねじ部162と螺合可能な寸法である。本実施形態のナット20は、いわゆる六角ナットであり、対辺方向の外径D2が基部141の外形と略同じである。
次に、図5及び図6も参照しつつ、アイボルト10の吊持対象物200への取り付け方法、及び吊持対象物200からの取り外し方法について説明する。ここで、図5は、アイボルトの第1ねじ部を吊持対象物にねじ込んだ状態の図であり、図6は、アイボルトのナットが吊持対象物の取付面に当接した状態の図である。
先ず、アイボルト10の第1ねじ部161を吊持対象物200の取付面202に設けられた雌ねじ部204にねじ込む(図5の矢印α参照)。そして、第1ねじ部161の軸方向の略全体がねじ込まれると、アイボルト10を軸中心C周りに回転させて、環状部142が所望の方向を向くように(例えば、吊り荷重が加わると予想される方向に沿うように)調整する。
環状部142を所望の方向に向けた後、ナット20が第2ねじ部162に対して第1ねじ部161側に移動するようにナット20を回転させ(図5の矢印β参照)、ナット20の底面22を取付面202に当接させる(図6参照)。そして、ナット20の底面22が取付面202に当接した状態から、第2ねじ部162に対して第1ねじ部161側に移動するようにナット20をさらに回転させる(締め付ける)。これにより、アイボルト10が吊持対象物200に固定される。このとき、ナット20の底面22が取付面202と平行で且つ雄ねじ部16を周方向に囲む面であるため、ナット20の底面22が雄ねじ部16の周囲において取付面202と隙間なく面接触した状態でナット20が雄ねじ部16を支える。これにより、環状部142に吊り荷重が加わることで生じた曲げ応力によってナット20と取付面202との境界位置において雄ねじ部16(詳しくは第1ねじ部161)に曲がり等の変形が生じることをより確実に防ぐことができる。
これに対し、アイ部14の下端面(水平面)143とナット20の上面との間には数mm程度の隙間が生じており(図6参照)、環状部142に吊り荷重が加わったときに、この吊り荷重によって生じた曲げ応力が第2ねじ部162(詳しくは、前記隙間から露出している部位)に集中し易い。
以上のように、本実施形態に係るアイボルト10によれば、環状部142が所望の方向を向くように第1ねじ部161を吊持対象物200にねじ込んだ状態で、第2ねじ部162に対して第1ねじ部161側に移動するようにナット20を回転させる(締め付ける)ことによって、環状部142を所望の方向に向けた状態でアイボルト10(雄ねじ部16)を吊持対象物200に固定することができる。
しかも、ナット20とアイ部14との間に隙間が形成されて当該隙間において第2ねじ部162の一部が露出していても、第2ねじ部162の径が吊持対象物200にねじ込まれている第1ねじ部161の径よりも大きく第2ねじ部162において強度が十分確保されているため、雄ねじ部の先端から基部(環状部側の端部)までの径が一定の従来のアイボルトに比べ、前記露出した部位(第2ねじ部162)に曲げ応力が集中しても変形が生じ難い。即ち、本実施形態のアイボルト10では、環状部142を有するアイ部14と、吊持対象物200にねじ込まれる第1ねじ部161と、の間に、第1ねじ部161よりも径を大きくして十分な強度を確保した第2ねじ部162を設け、アイボルト10を吊持対象物200に固定したときにこの第2ねじ部162をアイ部14とナット20との隙間から露出させて当該部位に曲げ応力(環状部142に加わった吊り荷重に起因する応力)を集中させることで、吊り荷重の加わる方向に環状部142の向きを合わせて固定しても変形し難い構成を実現している。
また、本実施形態のアイボルト10では、第2ねじ部162にナット20を螺合させている。このため、スパナによってナット20を吊持対象物200に対して容易に締め付けることができる。その結果、アイボルト10の吊持対象物200への固定作業を容易に行うことができる。
一方、吊持対象物200に固定されたアイボルト10を取り外すときには、ナット20を弛めた後、ボルト本体12を軸中心C周りに回転させて雌ねじ部204から第1ねじ部161を取り外す。
尚、本発明のアイボルトは、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
上記実施形態のアイ部14は、環状部142と基部141とを有しているが、基部141がなくてもよい。即ち、アイボルトは、雄ねじ部16が環状部142から直接延びる構成であってもよい。
第2ねじ部162に螺合される部材(螺合部材)は、ナット(六角ナット)20に限定されない。螺合部材は、他の形状のナットでもよい。また、第2ねじ部162に螺合される部材は、第2ねじ部162に螺合可能な雌ねじを有し、軸中心C周りに回転させることによって雄ねじ部16(第2ねじ部162)に対して軸中心C方向に相対移動可能なものであればよい。
ナット(螺合部材)20の外径の大きさは限定されない。上記実施形態のナット20の対辺方向の寸法D2は、基部141の外径と略同じであるが、例えば、基部141の外径より大きくてもよく、また、基部141の外径より小さくてもよい。
10 アイボルト
12 ボルト本体
14 アイ部
141 基部
142 環状部(環状部位)
16 雄ねじ部
20 ナット(螺合部材)
161 第1ねじ部
162 第2ねじ部
200 吊持対象物
202 取付面
204 雌ねじ部
C 軸中心
12 ボルト本体
14 アイ部
141 基部
142 環状部(環状部位)
16 雄ねじ部
20 ナット(螺合部材)
161 第1ねじ部
162 第2ねじ部
200 吊持対象物
202 取付面
204 雌ねじ部
C 軸中心
Claims (3)
- 環状部位を有するアイ部と、
前記アイ部から前記環状部位の径方向外側に向かって延びる雄ねじ部と、
前記雄ねじ部に螺合され、当該雄ねじ部を吊持対象物に対して固定するための螺合部材と、を備え、
前記雄ねじ部は、前記吊持対象物にねじ込まれる第1ねじ部と、前記アイ部と前記第1ねじ部とを接続し、前記螺合部材と螺合する第2ねじ部と、を有し、
前記第2ねじ部の径は、前記第1ねじ部の径よりも大きいことを特徴とする、アイボルト。 - 前記螺合部材は、前記アイ部と反対側の端部に、前記雄ねじ部の延びる方向と直交する面であって前記雄ねじ部を周方向に囲む面を有する、請求項1に記載のアイボルト。
- 前記螺合部材は、ナットである、請求項1又は2に記載のアイボルト。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013150962A JP2015021571A (ja) | 2013-07-19 | 2013-07-19 | アイボルト |
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JP2013150962A JP2015021571A (ja) | 2013-07-19 | 2013-07-19 | アイボルト |
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Publication Number | Publication Date |
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Family Applications (1)
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Country Status (1)
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN114060385A (zh) * | 2020-08-07 | 2022-02-18 | 大富科技(安徽)股份有限公司 | 一种装配组件和紧固件 |
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-
2013
- 2013-07-19 JP JP2013150962A patent/JP2015021571A/ja active Pending
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