JP2014134011A - ブレース固定金具 - Google Patents

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Abstract

【課題】一対のブレースの交叉部に対して簡単に取り付けることができ、その交叉部を強固に固定できるようにする。
【解決手段】ブレース固定金具1は、一対のブレースB1,B2の交叉部Cを跨いだ状態でブレースB1の外周部2箇所を抱持する第1保持部材2と、第1保持部材2の本体部10に対して締着可能に設けられ、交叉部Cを跨いでブレースB2の外周部に係合してブレースB2を押圧保持する第2保持部材3と、第2保持部材3を第1保持部材2に対して締着固定する締着部材9とを備える。締着部材9は、非締着状態において交叉部Cを中心に第1保持部材2と第2保持部材3とを相対的に回動可能に保持し、締着状態において第2保持部材3をブレースB2に対して押圧することにより、一対のブレースB1,B2を交叉部Cにおいて互いに密着状態に固定する。
【選択図】図2

Description

本発明は、建築構造物などに耐震補強材として一対のブレースが互いに交叉して取り付けられる構造において一対のブレースの交叉部を固定するブレース固定金具に関する。
天井スラブから垂下するように設けられる吊りボルトは、空気調和機や照明器具、各種配管などの様々な天井構造物を懸吊支持する。従来、この種の吊りボルトに対して斜め補強材となるブレースを取り付けることにより、地震発生時において吊りボルトの振動を抑制し、天井構造物の落下を未然に防止する技術が知られている(特許文献1,2)。特に近年では、吊りボルトで支持される天井板などの天井構造物の落下を有効に防止できるようにするため、2本の吊りボルト間に一対のブレースを互いに交叉させるように取り付けて補強強度を増大させることが行われている。
特開2002−339918号公報 特開2012−87860号公報
ところが、天井構造物を支持する吊りボルトに対して一対のブレースを交叉配置した構造であっても、例えば想定を越えるような大規模地震発生時には、それら一対のブレースのそれぞれが自由振動してしまうため、天井構造物の制震機能が低下するという問題がある。この問題を解決するため、従来は、一対のブレースの交叉部を針金で巻き締めることにより、各ブレースが自由振動しないように拘束して交叉部を固定する作業が行われる。
しかし、針金で交叉部を十分な強度で固定するためには、線径の太い針金を用いるか、或いは、細い針金を用いる場合には交叉部の巻き込み数を増加させる必要がある。そのため、ブレースの交叉部を針金で幾重にも巻き込んでこれを締め付ける作業に時間がかかり、作業効率が悪いという問題がある。特に天井空間には、配線や配管、空気調和機などの様々な天井構造物が吊りボルトによって支持されているため、十分な作業空間を確保することが難しく、より一層作業効率が低下する。また天井空間には、一対のブレースが交叉する交叉部が多数存在するため、それら多数の交叉部の全てに対して針金を巻き付けていく作業を行っていくと、工期が長くなり、施工コストも上昇する。
そこで本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、一対のブレースの交叉部に対して比較的簡単に取り付けることができ、しかも交叉部を強固に固定できるようにしたブレース固定金具を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明者が鋭意検討したところによると、交叉部において一対のブレースが交叉する角度は必ずしも直角であるとは限らず、様々な角度で交叉するように配設されるのが実情であるから、上記課題を解決するブレース固定金具としては、任意の交叉角度に対応し得るものであることが好ましいとの知見を得た。そしてさらに検討を進めたところ、施工性の観点からすれば、ブレース固定金具をナットやボルトなどの締着部材によって締着固定する際には1箇所を締着固定することにより一対のブレースの交叉部を強固に固定できる構造とすることが好ましいことを見出した。
それ故、まず第1に、本発明は、第1のブレースと第2のブレースとの交叉部を固定するブレース固定金具であって、前記交叉部を跨ぐ長さを有する本体部と、該本体部から前記交叉部を跨ぐ間隔で垂設される一対の保持アームとを有し、該一対の保持アームが前記交叉部を挟んで前記第2のブレース側から前記第1のブレース側に進入した状態で前記第1のブレースの外周部2箇所を抱持する第1保持部材と、前記第1保持部材の前記本体部に対して締着可能に設けられ、前記交叉部を跨いで前記第2のブレースの外周部に係合して前記第2のブレースを押圧保持する第2保持部材と、前記第2保持部材を前記第1保持部材の前記本体部に対して締着固定する締着部材と、を備え、前記締着部材は、非締着状態において前記交叉部を中心に前記第1保持部材と前記第2保持部材とを相対的に回動可能に保持し、締着状態において前記第2保持部材を前記第2のブレースに対して押圧することにより、前記第2保持部材が保持する前記第2のブレースと前記第1保持部材が保持する前記第1のブレースとを前記交叉部において互いに密着状態に固定することを特徴とする構成である。
かかる第1の構成によれば、締着部材を非締着状態にしておけば、第2保持部材を第1保持部材に対して相対的に稼働させることができるため、第1保持部材と第2保持部材のそれぞれを任意の角度で交叉するブレースに対して配置することができる。また締着部材を締着状態にすれば、第2保持部材が保持する第2のブレースと第1保持部材が保持する第1のブレースとを交叉部において互いに密着状態に固定することができるため、施工が極めて簡単であり、しかも各ブレースが自由振動してしまうことを有効に防止することができる。
また第2に、本発明は、上記第1の構成において次の構成を更に付加するものである。すなわち、上記第1の構成において、前記第1保持部材は、前記本体部の中央に、前記一対の保持アームとは反対方向に垂設される雄螺子部を有し、前記第2保持部材は、中央に前記雄螺子部を挿通可能な貫通孔を有する平板部と、該平板部の両端から垂設され、前記交叉部を挟んで前記第2のブレースの外周部2箇所と係合する一対の係合部と、を有し、前記締着部材は、前記平板部の前記貫通孔に前記雄螺子部を挿通させた状態で前記雄螺子部に螺合装着されるナットであり、該ナットが前記雄螺子部に対して締着されることにより、前記第2保持部材を押圧し、前記交叉部において前記第2のブレースと前記第1のブレースとを互いに密着状態に固定することを特徴とする構成である。かかる第2の構成によれば、ナットを雄螺子部に締着固定することにより、交叉部において一対のブレースを互いに密着状態に固定することができるため、施工が簡単である。
また第3に、本発明は、上記第2の構成において次の構成を更に付加するものである。すなわち、上記第2の構成において、前記ナットと前記平板部との間において前記雄螺子部に装着されたコイルバネをさらに備えることを特徴とする構成である。かかる第3の構成によれば、コイルバネの付勢力によって第1保持部材と第2保持部材とをブレースの交叉部に仮留めできるため、さらに施工性が向上する。またナットの締着後には、コイルバネの作用によってナットの抜け止め効果も得られるようになる。
さらに第4に、本発明は、上記第1の構成において次の構成を更に付加するものである。すなわち、上記第1の構成において、前記第1保持部材は、前記本体部の中央に、雌螺子が形成された貫通螺子孔を有し、前記第2保持部材は、中央に貫通孔を有する平板部と、該平板部から垂設されて前記第2のブレースの外周部と係合する係合部と、を有し、前記締着部材は、前記貫通螺子孔に螺合装着されたボルトであり、該ボルトの先端が前記平板部に設けられた前記貫通孔に対して遊転自在に取り付けられ、該ボルトが前記貫通螺子孔に対して締着されることにより、前記第2保持部材を押圧し、前記交叉部において前記第2のブレースと前記第1のブレースとを互いに密着状態に固定することを特徴とする構成である。かかる第4の構成によれば、ボルトを第1保持部材の貫通螺子孔に締着固定することにより、交叉部において一対のブレースを互いに密着状態に固定することができるため、施工が簡単である。
本発明のブレース固定金具によれば、一対のブレースの交叉部に対して比較的簡単に取り付けることができ、しかも交叉部を強固に固定して各ブレースの自由振動を抑制することができる。
第1実施形態のブレース固定金具の一構成例を示す斜視図である。 第1実施形態のブレース固定金具を一対のブレースの交叉部に取り付けた状態を示す斜視図である。 ブレース交叉部に取り付けた状態におけるブレース固定金具の一部断面図である。 ブレース固定金具が一対のブレース交叉部に取り付けられた状態を示す図である。 第2実施形態のブレース固定金具の一構成例を示す斜視図である。 第2実施形態のブレース固定金具をブレース交叉部に仮留め固定した状態を示す図である。 第2実施形態のブレース固定金具をブレース交叉部に締着固定した状態を示す図である。 第3実施形態のブレース固定金具の一構成例を示す斜視図である。 第3実施形態のブレース固定金具の一構成例を示す一部断面図である。 第3実施形態のブレース固定金具の施工を示す図である。
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。尚、以下において参照する各図面では互いに共通する部材に同一符号を付しており、それらについての重複する説明は省略する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態におけるブレース固定金具1の一構成例を示す斜視図である。また図2は、そのブレース固定金具1を一対のブレースB1,B2の交叉部に取り付けた状態を示す斜視図であり、図3は、その取り付け状態におけるブレース固定金具1の一部断面図である。このブレース固定金具1は、例えば天井構造物などを支持する2つの吊りボルト間において互いに交叉するように配設される一対のブレースB1,B2の交叉部Cを固定する金具であり、第1保持部材2と、第2保持部材3と、締着部材9であるナット4とを備える構成である。このうち、第1保持部材2は、一対のブレースB1,B2のうちの一方のブレースB1を保持する部材であり、第2保持部材3は他方のブレースB2を保持する部材である。そしてナット4は、第1保持部材2及び第2保持部材3のそれぞれがブレースB1,B2を保持した状態で第1保持部材2と第2保持部材3とを連結して締着固定することにより、ブレースB1,B2を交叉部Cにおいて一体的に拘束し、それぞれのブレースB1,B2が自由振動しないように強固に固定するものである。これら第1保持部材2、第2保持部材3及びナット4は、例えばスチールやステンレスなどの金属で構成される。尚、本実施形態では、ブレース固定金具1が拘束する一対のブレースB1,B2が断面略円形の棒状金属体である場合を例示する。
第1保持部材2は、図1に示すように、一対のブレースB1,B2の交叉部Cを跨ぐ長さを有する長尺状の金属プレートで構成される本体部10と、その本体部10から所定間隔Wを隔てて図中下方へ垂設される一対の保持アーム11とを備えている。これら一対の保持アーム11の間隔Wは、ブレースB1,B2の交叉部Cを跨ぐことができる間隔である。本実施形態における本体部10及び保持アーム11は、例えば予め所定形状に形成された1枚の金属プレートを折曲加工することにより構成される。そして一対の保持アーム11の先端部は、保持対象となるブレースB1の外径サイズに対応して湾曲しており、ブレースB1を抱持可能なフック状の保持部12として構成される。これら一対の保持部12は互いに反対方向に湾曲しており、ブレースB1の外周面を互いに逆方向から抱持することによってブレースB1を安定して保持できる構造となっている。
図1に示すように、保持部12の開放先端部と本体部10との間隔Hは、ブレースB1,B2の2本分の厚み(交叉部Cの厚み)よりも大きな間隔となっている。したがって、例えば一対の保持アーム11が交叉部Cを挟むようにして、それら保持アーム11を一方のブレースB2側から他方のブレースB1の側方に進入させ、その後、第1保持部材2を反時計回りに回転させて一方のブレースB2側へ引き戻すと、図2に示すように一対の保持部12がブレースB1の外周部を抱持した状態となる。このとき、一対の保持部12は、保持対象となるブレースB1が交叉部CにおいてブレースB2と接触する部分とは反対側の外周部を保持する。
さらに第1保持部材2は、図1に示すように、プレート状の本体部10の中央に一対の保持アーム11とは反対方向(図中上方向)に垂設される雄螺子部14を有している。この雄螺子部14は、例えば溶接などによって本体部10に固定される。このような第1保持部材2は、雄螺子部14を中心軸としてみたとき、ほぼ回転対称形として構成される。
第2保持部材3は、中央に雄螺子部14よりも大径で雄螺子部14を挿通可能な貫通孔21が形成された平板部20と、その平板部20の両端を図中下方へ折り曲げて形成される一対のアーム22とを有する。このような第2保持部材3もまた、例えば予め所定形状に形成された1枚の金属プレートを折曲加工することにより構成される。平板部20の両端を略直角に折り曲げて下方に延びる一対のアーム22の間隔は、少なくとも第1保持部材2の本体部10の幅寸法よりも大きい間隔に設計され、好ましくは本体部10の幅寸法よりも2倍以上であり、3倍程度の間隔とすることがより好ましい。このような構成により、貫通孔21に雄螺子部14を挿通した状態のとき、第2保持部材3は、その雄螺子部14を中心に所定角度範囲内で回動可能となる。第2保持部材3が雄螺子部14を中心に回動可能な角度範囲は、一対のアーム22の間隔に応じて変動し、その間隔が大きくなるほど第2保持部材3の回動範囲が大きくなる。そして一対のアーム22の間隔を、第1保持部材2の本体部10の幅寸法よりも2倍以上3倍程度とすることにより、一対のブレースB1,B2が交叉するように配設されるときのほぼ全ての交叉角度に対応し得るものとなり、第2保持部材3を第1保持部材2に対して相対的に回転させることにより、第2保持部材3をブレースB2の配設方向と平行な状態に位置決めすることができる。
第2保持部材3の各アーム22の先端部には、保持対象となるブレースB2の外径サイズに対応して略円弧状に切り欠いた形状の係合部23が形成される。これら一対の係合部23は、図2に示すように交叉部Cを跨いでブレースB2の外周部の2箇所に係合するものである。これら一対の係合部23は、保持対象となるブレースB2が交叉部CにおいてブレースB1と接触する部分とは反対側の外周部に係合する。
締着部材9であるナット4は、図1に示すように、第2保持部材3の貫通孔21に対して雄螺子部14が挿通された状態でその雄螺子部14に螺合装着されるものであり、ナット本体31と台座部32とを備えている。ナット本体31は、例えば外周面が六角柱状に形成され、トルクレンチなどの工具を装着可能である。台座部32は、ナット4が雄螺子部14に締着固定されたとき、第2保持部材3の平板部20を押圧する。このようなナット4は、雄螺子部14に対して螺入進行することに伴い、第2保持部材3の平板部20と第1保持部材2の本体部10との間隔が小さくなるように第2保持部材3の平板部20を押圧する。そして台座部32が第2保持部材3の平板部20に密着した状態に締着固定される。尚、台座部32はナット4に必須のものではなく、台座部32の代わりに別のワッシャなどを用いても良い。
ブレース固定金具1をブレースB1,B2の交叉部Cに施工するときには、ナット4を雄螺子部14の先端部に取り付けて緩めたままの非締着状態としておく。この非締着状態では、第2保持部材3は雄螺子部14を中心に回動可能であり、且つ、雄螺子部14に沿って上下方向に遊動可能である。その非締着状態において、第1保持部材2が交叉部Cを跨ぐようにして一対の保持アーム11を一方のブレースB2側から他方のブレースB1の側方に進入させて一対の保持部12がブレースB1の外周部を抱持した状態とする。続いて、第2保持部材3を回動させてブレースB2の配設方向と平行状態にして一対の係合部23がブレースB2の外周部と係合する状態に位置決めする。その後、雄螺子部14の先端部に取り付けたナット4をトルクレンチなどの工具を用いて締め付けて締着固定する。この締着状態では、図3に示すように第1保持部材2の本体部10と第2保持部材3の平板部20と間に一定の空隙Dが生じ、第1保持部材2の本体部10と第2保持部材3の平板部20とが互いに接触しないようになっている。そのため、この締着状態においては、ナット4の締着力によって第2保持部材3がブレースB2を押圧するので、第2保持部材3が保持するブレースB2と第1保持部材2が保持するブレースB1とが交叉部Cにおいて互いに密着状態に強固に固定される。したがって、一対のブレースB1,B2のそれぞれが自由振動してしまうことを抑制できるため、大規模地震が発生した場合であっても強い制震機能を発揮することができるようになる。
図4は、ブレース固定金具1が一対のブレースB1,B2の交叉部に取り付けられた状態を示す図である。図4(a),(b)に示すブレースB1,B2は、交叉部Cにおける交叉角度θがそれぞれ異なる角度となっている。ブレース固定金具1は、上述のようにナット4の締着固定前において、第2保持部材3を第1保持部材2に対して相対的に回動させることができるため、図4(a),(b)に示すように交叉角度θが異なる場合であっても簡単に取り付けが可能である。そして図4(a),(b)に示すように第1保持部材2を一方のブレースB1に沿って配置し、第2保持部材3を他方のブレースB2に沿うように回動させて位置決めした後、交叉部Cの中心とほぼ一致する位置に設けられた1つのナット4を締め付けて締着固定することにより、ブレース固定金具1は、2本のブレースB1,B2の交叉部Cを強固に拘束して固定することができる。このような施工作業は、比較的作業空間が狭い場合であっても短時間で効率的に行うことができるため、工期を短縮できると共に、施工コストの上昇も抑えることができる。また、ナット4を一定のトルクで締め付けるようにすれば、ブレース固定金具1による制震強度が安定する。そのため、従来のように針金を巻き込んで交叉部を固定する場合と比較すると、作業者によるバラツキが生じ難く、施工品質が安定するという利点もある。
(第2実施形態)
図5は、本発明の第2実施形態におけるブレース固定金具1aの一構成例を示す斜視図である。このブレース固定金具1aが、第1実施形態におけるブレース固定金具1と異なる点は、ナット4と第2保持部材3の平板部20との間に、2つのワッシャ6,7とコイルバネ8とを介挿して雄螺子部14に挿通される点である。2つのワッシャ6,7は、コイルバネ8の両端側に設けられる。コイルバネ8は、雄螺子部14の軸方向に沿って圧縮されると、その圧縮量に応じた復元力を発生する。このようなブレース固定金具1aは、ナット4を雄螺子部14の先端部に取り付けて緩めたままの非締着状態にすると、コイルバネ8の付勢力によって第2保持部材3の平板部20が第1保持部材2の本体部10に向かって押圧され、両者が互いに接近した状態に保持される。また作業者が第2保持部材3をコイルバネ8の付勢力に抗してナット4が位置する側に引っ張ると、第2保持部材3の平板部20を第1保持部材2の本体部10から離間させ、一対のアーム22を持ち上げることができる。したがって、本実施形態のブレース固定金具1aは、一対のブレースB1,B2の交叉部Cに対して仮留め固定が行える構成となっており、第1実施形態のブレース固定金具1よりも、より一層施工性に優れたものとなっている。尚、上記以外の点については第1実施形態で説明したブレース固定金具1と同様の構成である。
図6は本実施形態のブレース固定金具1aを一対のブレースB1,B2の交叉部Cに対して仮留め固定した状態を示しており、図7は、本実施形態のブレース固定金具1aを一対のブレースB1,B2の交叉部Cに対して締着固定した状態を示している。まず図6に示すようにブレース固定金具1aを仮留めする際には、第2保持部材3を第1保持部材2から引き離した状態とし、第1実施形態と同様に、第1保持部材2が交叉部Cを跨ぐようにして一対の保持アーム11を一方のブレースB2側から他方のブレースB1の側方に進入させて一対の保持部12がブレースB1の外周部を抱持した状態とする。続いて、第2保持部材3を第1保持部材2から引き離した状態のまま、第2保持部材3を回動させてブレースB2の配設方向と平行状態にして一対の係合部23がブレースB2の外周部と係合する状態に位置決めする。その後、第2保持部材3を第1保持部材2から引き離した状態を解放すると、コイルバネ8の付勢力により、一対の係合部23がブレースB2の外周部に係合した状態で仮留めされる。この仮留め状態では、仮に作業者がブレース固定金具1aから両手を離しても、コイルバネ8の付勢力によって一対の保持部12がブレースB1の外周部を抱持し、且つ、一対の係合部23がブレースB2の外周部に係合した状態が保持される。したがって、このような仮留め状態で、作業者は、雄螺子部14の先端部に取り付けたナット4をトルクレンチなどの工具を用いて締め付けていくことができ、比較的簡単に締着作業を行うことできる。
そしてナット4が締着固定されると、第1実施形態と同様に、ブレース固定金具1が2本のブレースB1,B2の交叉部Cを強固に拘束して固定した状態となる。この締着状態では、図7に示すように、ナット4の締着力によってコイルバネ8がワッシャ6,7の間で圧縮変形した状態となる。このときもコイルバネ8は復元力を発生させてナット4及び第2保持部材3の双方を押圧する。そのため、ナット4は雄螺子部14の軸方向に沿って押圧力を受けることになり、雄螺子部14との螺合部分に大きな摩擦力を発生させてナット4の抜け止め効果を発揮する。
したがって、本実施形態のブレース固定金具1aは、第1実施形態のブレース固定金具1と対比すると、部品点数が増加するものの、施工が更に簡単であり、しかもナット4の抜け止め効果が得られるという点でより優れた効果を発揮する。
(第3実施形態)
図8及び図9は、本発明の第3実施形態におけるブレース固定金具1bの一構成例を示す図である。このブレース固定金具1bは、第1保持部材2と、第2保持部材3と、締着部材9とを備える点で、上記第1及び第2実施形態と同様である。すなわち、第1保持部材2は、ブレースB1,B2の交叉部Cを跨ぐ長さを有する本体部10と、その本体部10から交叉部Cを跨ぐ間隔で垂設される一対の保持アーム11とを有し、それら一対の保持アーム11がブレースB1の外周部2箇所を抱持するものである。また第2保持部材3は、第1保持部材2の本体部10に対して締着可能に設けられ、ブレースB1,B2の交叉部Cを跨いでブレースB2の外周部に係合してブレースB2を押圧保持するものである。そして締着部材9は、第2保持部材3を第1保持部材2の本体部10に対して締着固定するものである。
このブレース固定金具1bの第1保持部材2は、本体部10の中央に、雌螺子が形成された貫通螺子孔15を有している。また第2保持部材3は、中央に貫通孔21を有する平板部20と、該平板部20から垂設される一対のアーム22の先端に設けられ、ブレースB2の外周部と係合する係合部23とを有している。この第2保持部材3は、第1及び第2実施形態とは異なり、第1保持部材2の本体部10の図中下方に設けられる。また本実施形態の締着部材9は、第1保持部材2の貫通螺子孔15に螺合装着されたボルト40で構成される。このボルト40の先端は、第2保持部材3の平板部20に設けられた貫通孔21に対して遊転自在に取り付けられる。つまり、ボルト40は、その先端部の所定位置において第2保持部材3を回動可能に支持する構成である。尚、ボルト40の他端部にはトルクレンチなどの工具を装着するためのボルト頭部41が設けられる。
図10は、ブレース固定金具1bの施工を示す図である。まず図10(a)に示すようにボルト40のボルト頭部41を貫通螺子孔15から離間させた状態とし、第1保持部材2と第2保持部材3との間隔を小さくする。そして第1保持部材2をブレースB1,B2の交叉部Cを跨ぐように配置し、一対の保持部12でブレースB1の外周部を抱持した状態とする。また第2保持部材3をボルト40の軸周りに回動させてブレースB2と平行な状態にする。そしてボルト頭部41に工具を装着し、ボルト40を貫通螺子孔15に螺入していくことにより、第2保持部材3をブレースB2に向かって進行させる。そして図10(b)に示すように、一対の係合部23がブレースB2の外周部と係合した状態でボルト40を締着固定することにより、ボルト40が第2保持部材3を押圧し、交叉部Cにおいて一対のブレースB1,B2が互いに密着状態に強固に固定される。したがって、本実施形態のブレース固定金具1bを用いて施工する場合であっても、一対のブレースB1,B2のそれぞれが自由振動してしまうことを抑制できるため、大規模地震発生時に強い制震機能を発揮することができるようになる。
このようなブレース固定金具1bは、第1及び第2実施形態のブレース固定金具1,1aと同様、ボルト40の締着固定前において、第2保持部材3を第1保持部材2に対して相対的に回動させることができるため、任意の交叉角度θで交叉する一対のブレースB1,B2の交叉部Cに対して簡単に取り付けが可能である。また施工作業は、比較的作業空間が狭い場合であっても短時間で効率的に行うことができるため、工期を短縮できると共に、施工コストの上昇も抑えることができる。さらにボルト40を一定のトルクで締め付けるようにすれば、ブレース固定金具1bによる制震強度が安定する。そのため、従来のように針金を巻き込んで交叉部を固定する場合と比較すると、作業者によるバラツキが生じ難く、施工品質が安定するという利点もある。
(変形例)
以上、本発明に関する幾つかの実施形態について説明したが、本発明は上述した各実施形態における具体的構成例に限定されるものではなく、様々な変形例が適用可能である。
例えば上記各実施形態では、ブレース固定金具1,1a,1bによって交叉部Cが固定される一対のブレースB1,B2は、天井構造物などを支持する2つの吊りボルト間において互いに交叉するように配設されたものである場合を例示した。しかし、ブレース固定金具1,1a,1bの固定対象となるブレースB1,B2は、必ずしも天井スラブに吊設された2つの吊りボルト間において互いに交叉するように配設されたものに限られない。
また上記各実施形態では、ブレース固定金具1,1a,1bによって交叉部Cが固定される一対のブレースB1,B2が断面略円形の棒状金属体である場合を例示したが、これに限られるものでもない。すなわち、ブレースB1,B2は角柱状の棒状金属体であっても構わない。ただし、この場合、第1保持部材2に設けられる一対の保持部12及び第2保持部材3に設けられる一対の係合部23は、それぞれ固定対象となるブレースB1,B2の外周部の形状に適合する形状として形成されることが好ましい。
また上記各実施形態では、第1保持部材2に設けられる一対の保持部12が互いに反対方向に湾曲しており、ブレースB1の外周面を互いに逆方向から抱持する形態を例示した。しかし、これに限られるものではなく、一対の保持部12は互いに同じ方向からブレースB1の外周部を抱持するものであっても構わない。ただし、第1保持部材2によるブレースB1の保持状態をより安定させるためには、上記各実施形態に例示したようにブレースB1の外周面を互いに逆方向から抱持する形態とすることが好ましい。
1,1a,1b ブレース固定金具
2 第1保持部材
3 第2保持部材
4 ナット(締着部材)
8 コイルバネ
9 締着部材
10 本体部
11 保持アーム
12 保持部
14 雄螺子部
15 貫通螺子孔
20 平板部
21 貫通孔
22 アーム
23 係合部
40 ボルト(締着部材)
B1 ブレース(第1のブレース)
B2 ブレース(第2のブレース)
C 交叉部

Claims (4)

  1. 第1のブレースと第2のブレースとの交叉部を固定するブレース固定金具であって、
    前記交叉部を跨ぐ長さを有する本体部と、該本体部から前記交叉部を跨ぐ間隔で垂設される一対の保持アームとを有し、該一対の保持アームが前記交叉部を挟んで前記第2のブレース側から前記第1のブレース側に進入した状態で前記第1のブレースの外周部2箇所を抱持する第1保持部材と、
    前記第1保持部材の前記本体部に対して締着可能に設けられ、前記交叉部を跨いで前記第2のブレースの外周部に係合して前記第2のブレースを押圧保持する第2保持部材と、
    前記第2保持部材を前記第1保持部材の前記本体部に対して締着固定する締着部材と、
    を備え、
    前記締着部材は、非締着状態において前記交叉部を中心に前記第1保持部材と前記第2保持部材とを相対的に回動可能に保持し、締着状態において前記第2保持部材を前記第2のブレースに対して押圧することにより、前記第2保持部材が保持する前記第2のブレースと前記第1保持部材が保持する前記第1のブレースとを前記交叉部において互いに密着状態に固定することを特徴とするブレース固定金具。
  2. 前記第1保持部材は、前記本体部の中央に、前記一対の保持アームとは反対方向に垂設される雄螺子部を有し、
    前記第2保持部材は、中央に前記雄螺子部を挿通可能な貫通孔を有する平板部と、該平板部の両端から垂設され、前記交叉部を挟んで前記第2のブレースの外周部2箇所と係合する一対の係合部と、を有し、
    前記締着部材は、前記平板部の前記貫通孔に前記雄螺子部を挿通させた状態で前記雄螺子部に螺合装着されるナットであり、該ナットが前記雄螺子部に対して締着されることにより、前記第2保持部材を押圧し、前記交叉部において前記第2のブレースと前記第1のブレースとを互いに密着状態に固定することを特徴とする請求項1に記載のブレース固定金具。
  3. 前記ナットと前記平板部との間において前記雄螺子部に装着されたコイルバネをさらに備えることを特徴とする請求項2に記載のブレース固定金具。
  4. 前記第1保持部材は、前記本体部の中央に、雌螺子が形成された貫通螺子孔を有し、
    前記第2保持部材は、中央に貫通孔を有する平板部と、該平板部から垂設されて前記第2のブレースの外周部と係合する係合部と、を有し、
    前記締着部材は、前記貫通螺子孔に螺合装着されたボルトであり、該ボルトの先端が前記平板部に設けられた前記貫通孔に対して遊転自在に取り付けられ、該ボルトが前記貫通螺子孔に対して締着されることにより、前記第2保持部材を押圧し、前記交叉部において前記第2のブレースと前記第1のブレースとを互いに密着状態に固定することを特徴とする請求項1に記載のブレース固定金具。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016048095A (ja) * 2014-08-28 2016-04-07 エヌパット株式会社 制震装置
JP2017057704A (ja) * 2015-09-14 2017-03-23 エヌパット株式会社 ブレース連結金具

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