JP2015021286A - 擁壁の連結構造 - Google Patents
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Abstract
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「壁面材を積層させて擁壁を形成し、該擁壁により土壁を補強する補強土壁工法であって、前記壁面材は、複数の略帯状をなす帯部材が所定間隔毎に接合されて形成され、該帯部材同士の非接合部位が互いに離間されることで土砂を拘束する土砂拘束部を形成できるジオセルで構成され、積層される該ジオセルの間に、略格子状をなすシート部材で形成されたジオグリッドの前部側を挟み込むとともに、該ジオグリッドの後部側を盛土内に埋設して前記擁壁を形成することを特徴としている」
と記載されているが、非特許文献2の方法と実質的には同じである。
壁面部に板状または網状の高分子材料からなるストリップ材をはちの巣構造にしたハニカム状立体補強材に充填材を充填したハニカム構造体を略水平に積層したハニカム構造体層を有し、当該ハニカム構造体層の背面(地山側)に略水平に配したジオグリッドを有するジオグリッド・ハニカム擁壁であって、
当該ジオグリッドの壁面側端部は積層されたハニカム構造体に挟まれており(以下、「ジオグリッド狭まれ部」という)、
当該ジオグリッド狭まれ部には、当該ジオグリッドを貫き、当該ジオグリッドのすぐ下に接するハニカム構造体とのすぐ上に接するハニカム構造体に貫入する当該ハニカム構造体層に略垂直な杭状の縦杭材を有するジオグリッド・ハニカム擁壁である。
前記ジオグリッド狭まれ部が、前記ジオグリッド壁面側端部付近にジオグリッド壁面側端部と略平行に横棒材を配し、かつ当該横棒材の縁を支点にして当該ジオグリッド端部を背面(地山側)に折り込まれ、
当該横棒材よりも背面(地山側)に前記縦杭材を配する請求項1記載のジオグリッド・ハニカム擁壁である。
前記ハニカム状立体補強材の前記ジオグリッド狭まれ部と隣接する部分のストリップ材の幅が、当該ハニカム状立体補強材のストリップ材の幅よりも当該ジオグリッド狭まれ部の厚み分だけ小さい請求項1または2のいずれかに記載のジオグリッド・ハニカム擁壁である。
前記縦杭材が、当該縦杭材の全長を構成する杭部と、当該縦杭材の全長の半分より上にあり、当該杭部より幅広な頭部を有する縦杭材である請求項1から3のいずれかに記載のジオグリッド・ハニカム擁壁である。
前記縦杭材の頭部が、円筒状または平板状である請求項1から4のいずれかに記載のジオグリッド・ハニカム擁壁である。
前記ジオグリッド・ハニカム擁壁が、少なくとも3層のハニカム構造体層を貫く杭を有するジオグリッド・ハニカム擁壁である請求項1から5のいずれかに記載のジオグリッド・ハニカム擁壁である。
壁面部に板状または網状の高分子材料からなるストリップ材をはちの巣構造にしたハニカム状立体補強材に充填材を充填したハニカム構造体を略水平に積層したハニカム構造体層を有し、当該ハニカム構造体層の背面(地山側)に略水平に配したジオグリッドを有するジオグリッド・ハニカム擁壁の構築方法であって、
ハニカム状立体補強材を展帳し、
当該展帳したハニカム補強材に充填材を充填してハニカム構造体を形成し、
ハニカム構造体の背面(地山側)に当該ハニカム構造体に一部重なるようにジオグリッドを敷設し、
当該ジオグリッド端部にジオグリッド端部と略平行に横棒材を配し、かつ当該横棒材を縁にして当該ジオグリッド端部を背面(地山側)に折り込み、
当該横棒材よりも背面(地山側)に、縦杭材を当該ハニカム構造体上に打ち込み
当該ハニカム構造体の上にハニカム構造体を設置する工程を有する請求項1から6のいずれかに記載のジオグリッド・ハニカム擁壁の構築方法である。
当該ジオグリッドの壁面側端部は積層されたハニカム構造体に挟まれており(以下、「ジオグリッド狭まれ部」という)、
当該ジオグリッド狭まれ部には、当該ジオグリッドを貫き、当該ジオグリッドのすぐ下に接するハニカム構造体とのすぐ上に接するハニカム構造体に貫入する当該ハニカム構造体層に略垂直な杭状の縦杭材を有するジオグリッド・ハニカム擁壁である。
図1は、ハニカム状立体補強材の展張前の斜視図である。ハニカム状立体補強材1は、複数枚ストリップ材2を一定間隔の結合部位4にて結合したものである。このハニカム状立体補強材1は展張方向aに展張してハニカム状のセル構造を形成する。
図3は、本発明に用いるジオグリッドの平面図である。ジオグリッド6とは、「引張り部材を交点部で強固に結合あるいは一体とし、規則的な格子構造を持つ合成高分子等からなるシート」(国際ジオシンセティックス学会日本支部編「ジオシンセティックス入門」理工図書、2001年、34頁1行目)と説明される、樹脂のロッドがグリッド状に交叉している土木用の樹脂製シートである。図3のように縦横のロッドが規則正しく並んだものが代表的であるが、これに限定されず、縦横比が異なるもの、グリッドのマスが三角形のものなど様々な種類がある。また、ジオグリッドは、オレフィン樹脂製であるもの、ポリエステル樹脂やアラミド樹脂の芯材をオレフィン樹脂で被覆したものなど様々あるが、本発明ではどのジオグリッドにも適用可能である。ジオグリッドとして代表的なものとしては、トリグリッド(岡三リビック製)、テンサー(三井化学産資製)、アデム(前田工繊製)、セルフォース(旭化成ジオテック製)などがあげられるが、どれも本発明には適用可能である。
図6は、横棒材の斜視図である。図6では、扁平状で長方形断面を面取りした横棒材を例示した。横棒材10は、横に長い棒状のものである。断面形状は長方形に限らず、円、三角形、台形など、どのような形状でもよいが、ジオグリッドに接する面は平らであったほうが好適である。断面が長方形の棒状材の大きさは、断面部分においては縦5mm程度、横30mm〜100mm程度、長さは1m程度が好適である。材質は特には問わないが、軽くて耐腐食性の高い樹脂製がよく、なかでもオレフィン樹脂製が好適である。
図7は、本発明に利用可能な縦杭材の一例を示した斜視図である。図7では、A〜Dまで4種類の縦杭材を例示したが、あくまでも例示であり、図7の例示に限定されない。縦杭材は、少なくとも杭部13を有している。縦杭材の上半分は上のハニカム構造体層、下半分は下のハニカム構造体層に貫入する。杭部は、図7Cのように直線上でなく、クランク状であってもよい。杭部の材質は強度の大きい金属製が望ましいが、強度が充分であれば樹脂製でもよい。
ジオグリッド6法面側端部は、横棒材10の載置箇所を支点にしてちょうど断面がU字状になるように、横棒材10をジオグリッド6法面側端部で覆い被せるように折り込む。横棒材10を包み込んだジオグリッド6法面側端部は、すでに設置されているハニカム構造体7の上に載置される。ジオグリッド6法面側端部をハニカム構造体7の上に載置後、横棒材10の背面側に縦杭材11を打ち込む。この際、縦杭材11は全長の半分程度の下半分をハニカム構造体7に差し込み、上半分は露出する状態にする。
図11は、左側が法面側、右側が背面側(地山側)になり、本図はハニカム構造体7とジオグリッド6との連結部分を拡大した図である。ハニカム構造体7の上にジオグリッド6が載置されている。ジオグリッド6の法面側端部は横棒材10を巻き込みながら背面側に折り返されている。横棒材10の擁壁背面側の壁面に縦杭材11が接するように、折り込まれたジオグリッドと下部のハニカム構造体に載置されたジオグリッドの2層のジオグリッドを貫くように縦杭材11を打ち込む。縦杭材11は全高の半分程度の高さを残して、ハニカム構造体7に打ち込まれる。以上の構造により、ハニカム構造体7とジオグリッド6とは連結される。
以下、上記の一連の作業を繰り返すことで、本発明のジオグリッド・ハニカム擁壁を構築する。
土槽内に高さ50mmに切断したハニカム試験体(50mm高)19を所定位置に設置し、ハニカム試験体(50mm高)19のセル内及びハニカム試験体(50mm高)19背面の土槽内に盛土材17を撒きだして50mm厚になるように人力で締め固めた。その上にハニカム擁壁の壁面勾配が1:0.5となる位置にハニカム試験体18を設置した。そして、ハニカム試験体18のセル内及びハニカム試験体18背面の土槽内に盛土材17を撒きだして150mm厚になるように人力で締め固め、この手順を2回繰り返して300mm高ハニカム試験体の高さのレベルまで盛土材17を充填した。その上にジオグリッド6を敷設してジオグリッドに横棒材10を巻き込み、ジオグリッドの両端を引き抜き装置16に接続し、横棒材10の背面に縦杭材11を縦杭材11の全高の半分程度まで下のハニカム試験体18に食い込むように設置した。
引張荷重の上昇が認められなくなるか変位量が180mmとなるまで引張荷重を2kN上昇させ1分間保持することを繰り返して実施した。
また各実施例、比較例の縦杭材と横棒材の組み合わせは表2に示した。
表3には各試験条件の縦杭材と横棒材の組み合わせ、および試験結果を示した。
また、図18には、各試験条件で引っ張り試験を実施した際の荷重Pと変位量δを示した。表3には、荷重Pの最大値(最大荷重)と、変位量δ(最大変位量)を示した。
2 ストリップ材
3 孔
4 結合部位
5 セル
6 ジオグリッド
7 ハニカム構造体層
8 土のう
9 ハニカム構造体−ジオグリッド連結部分
10 横棒材
11 縦杭材
12 頭部
13 杭部
14 仮止杭
15 長杭
16 引き抜き装置
17 盛土材
18 ハニカム試験体
19 ハニカム試験体(50mm高)
20 合板
a 展張方向
b 載置方向
c 巻き込み方向
d 載置方向
e 打ち込み方向
f 載置方向
g 上載荷重
h 引き抜き方向
Claims (7)
- 壁面部に板状または網状の高分子材料からなるストリップ材をはちの巣構造にしたハニカム状立体補強材に充填材を充填したハニカム構造体を略水平に積層したハニカム構造体層を有し、当該ハニカム構造体層の背面(地山側)に略水平に配したジオグリッドを有するジオグリッド・ハニカム擁壁であって、
当該ジオグリッドの壁面側端部は積層されたハニカム構造体に挟まれており(以下、「ジオグリッド狭まれ部」という)、
当該ジオグリッド狭まれ部には、当該ジオグリッドを貫き、当該ジオグリッドのすぐ下に接するハニカム構造体とのすぐ上に接するハニカム構造体に貫入する当該ハニカム構造体層に略垂直な杭状の縦杭材を有するジオグリッド・ハニカム擁壁。 - 前記ジオグリッド狭まれ部が、前記ジオグリッド壁面側端部付近にジオグリッド壁面側端部と略平行に横棒材を配し、かつ当該横棒材の縁を支点にして当該ジオグリッド端部を背面(地山側)に折り込まれ、
当該横棒材よりも背面(地山側)に前記縦杭材を配する請求項1記載のジオグリッド・ハニカム擁壁。 - 前記ハニカム状立体補強材の前記ジオグリッド狭まれ部と隣接する部分のストリップ材の幅が、当該ハニカム状立体補強材のストリップ材の幅よりも当該ジオグリッド狭まれ部の厚み分だけ小さい請求項1または2のいずれかに記載のジオグリッド・ハニカム擁壁。
- 前記縦杭材が、当該縦杭材の全長を構成する杭部と、当該縦杭材の全長の半分より上にあり、当該杭部より幅広な頭部を有する縦杭材である請求項1から3のいずれかに記載のジオグリッド・ハニカム擁壁。
- 前記縦杭材の頭部が、円筒状または平板状である請求項1から4のいずれかに記載のジオグリッド・ハニカム擁壁。
- 前記ジオグリッド・ハニカム擁壁が、少なくとも3層のハニカム構造体層を貫く杭を有するジオグリッド・ハニカム擁壁である請求項1から5のいずれかに記載のジオグリッド・ハニカム擁壁。
- 壁面部に板状または網状の高分子材料からなるストリップ材をはちの巣構造にしたハニカム状立体補強材に充填材を充填したハニカム構造体を略水平に積層したハニカム構造体層を有し、当該ハニカム構造体層の背面(地山側)に略水平に配したジオグリッドを有するジオグリッド・ハニカム擁壁の構築方法であって、
ハニカム状立体補強材を展帳し、
当該展帳したハニカム補強材に充填材を充填してハニカム構造体を形成し、
ハニカム構造体の背面(地山側)に当該ハニカム構造体に一部重なるようにジオグリッドを敷設し、
当該ジオグリッド端部にジオグリッド端部と略平行に横棒材を配し、かつ当該横棒材を縁にして当該ジオグリッド端部を背面(地山側)に折り込み、
当該横棒材よりも背面(地山側)に、縦杭材を当該ハニカム構造体上に打ち込み
当該ハニカム構造体の上にハニカム構造体を設置する工程を有する請求項1から6のいずれかに記載のジオグリッド・ハニカム擁壁の構築方法。
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