JP6418712B2 - ハニカム構造体及びハニカム擁壁 - Google Patents

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本発明は、ハニカム状立体補強材を展帳して充填材を充填して作製するハニカム構造体及び当該ハニカム構造体を積層して構築するハニカム擁壁に関する。
従来より板状または網状の高分子材料をはちの巣構造にしたハニカム状立体補強材は知られており、このハニカム状立体補強材は土砂・砕石等を充填して(以下、ハニカム状立体補強材に土砂・砕石等を充填した構造体を「ハニカム構造体」と記す)地盤の補強材、道路の路盤材、歩道の基礎材、架設道路、擁壁の資材に利用されてきた。
ハニカム構造体を一定の高さまで複数層に積層し擁壁として使用した構造体(以下、「ハニカム擁壁」と記す)もよく知られている(特許文献1、非特許文献1の119ページ)。下層のハニカム構造体層に対して、その上に載せるハニカム構造体層を下層よりも地山側に後退させることにより、階段状にハニカム構造体層を形成して階段状の法面を作ることができる。その際、後退幅を調節することにより、構築する法面の勾配を調整することができる。
また、ハニカム擁壁と地山との結合関係を強化してハニカム擁壁の安定化を強化する方策として、ハニカム擁壁とジオグリッドを併用する方式も検討されてきた。非特許文献2の119ページ「図−4.9ジオシンセティックを用いる方法(o)」では、ハニカム擁壁を構成するハニカム構造体層間にジオグリッドを挟み込んで連結し、当該ジオグリッドを地山に食い込ませることによるアンカー効果及び背面土圧の一部を当該ジオグリッドが分担することによる土圧軽減効果でハニカム擁壁を安定させる方式が開示されている。
ハニカム擁壁とジオグリッドを併用する方式について、同様の方法が特許文献2においても記載されている。特許文献2において、
「壁面材を積層させて擁壁を形成し、該擁壁により土壁を補強する補強土壁工法であって、前記壁面材は、複数の略帯状をなす帯部材が所定間隔毎に接合されて形成され、該帯部材同士の非接合部位が互いに離間されることで土砂を拘束する土砂拘束部を形成できるジオセルで構成され、積層される該ジオセルの間に、略格子状をなすシート部材で形成されたジオグリッドの前部側を挟み込むとともに、該ジオグリッドの後部側を盛土内に埋設して前記擁壁を形成することを特徴としている」
と記載されているが、非特許文献2の方法と実質的には同じである。
ハニカム擁壁はハニカム構造体を積層して構築されるが、各ハニカム構造体層は載置されているのみで各層間の結合力はハニカム構造体に充填された充填材の摩擦力に依存しており、地山からの背面土圧が大きい場合には積み木おとしのようにハニカム構造体が押し出されてハニカム擁壁が変形する恐れがあった。
上記の問題を解決するために特許文献3及び特許文献4では、積層されたハニカム構造体層間に杭を渡すことで、層間の見かけの摩擦力を向上させる工夫が開示されている。
実用新案第2582267号公報 特開2012−167508号公報 特開2008−075389号公報 特開2008−082093号公報 「基礎工 1996年12月号」 総合土木研究所刊 119ページ 地盤工学会編 「補強土入門」社団法人地盤工学会 1999年
ハニカム擁壁を安定化する方法として、ハニカム擁壁とジオグリッドを併用する方式では地山を大きく掘削する必要が生じて工事が大規模になる。また、ハニカム構造体層の層間を貫くように杭を設置する方法は、杭の設置位置がハニカム構造体のような平面に対して点で分布することになり、ハニカム構造体層間の面同士の結合には一定の限界があった。
本発明の目的は、ハニカム擁壁はハニカム構造体を積層して構築されるが、従来の杭を用いたハニカム擁壁よりもさらに各ハニカム構造体層の層間の結合力を高め、より安定度の大きいハニカム擁壁及びその施工方法を提供することである。
本発明者は、ハニカム擁壁におけるハニカム構造体の断面方向での積層面を法面側と地山側において異なるレベルになるように段差をもたせて設けることにより、積層されたハニカム構造体層同士の噛み合わせによる摩擦力を高めて、ハニカム擁壁の安定化を図ることを見いだした。
請求項1記載の発明は、
板状または網状の高分子材料からなるストリップ材をはちの巣構造にしたハニカム状立体補強材に充填材を充填したハニカム構造体であって、当該ハニカム構造体の断面方向で一方のハニカム構造体の幅と他方のハニカム構造体の幅とがステップ部を境にして異なり、かつステップ部はハニカム構造体の上部または下部のいずれかにあるハニカム構造体である。
請求項2記載の発明は、
板状または網状の高分子材料からなるストリップ材をはちの巣構造にしたハニカム状立体補強材に充填材を充填したハニカム構造体であって、当該ハニカム構造体の断面方向で一方のハニカム構造体と他方のハニカム構造体の上辺及び下辺のレベルがズレ部を境にしてずれおり、かつズレ部を境に一方のハニカム構造体と他方のハニカム構造体の幅が略同じであるハニカム構造体である。
上記のハニカム構造体は、当該ハニカム構造体の断面方向において高さは同じであるが、ズレ部でずれているハニカム構造体が連結されているような構造である。本ハニカム構造体は、断面方向で上部の辺と下部の辺の形状は同じである。ハニカム構造体を積層する際には、前述のハニカム構造体とことなり、上下入れ替えることなく積層することが可能である。
請求項3記載の発明は、
請求項1記載のハニカム構造体を略水平に積層し構築するハニカム擁壁であって、前記ハニカム構造体のステップ部が上部にあるハニカム構造体(上ステップ)と、前記ハニカム構造体のステップ部が下部にあるハニカム構造体(下ステップ)とを交互に積層して構築されたハニカム擁壁である。
上記のハニカム構造体は、当該ハニカム構造体の断面方向において高さのことなる2つのハニカム構造体が連結されているような構造である。本ハニカム構造体は、断面方向で上部の辺と下部の辺で形状が異なり、一方の辺がフラットであれば他方の辺はステップを有する構造をしている。よってハニカム構造体を積層する際には、ステップ部がかみ合うように上下交互に入れ替えて積層する必要がある。
請求項4記載の発明は、
請求項2記載のハニカム構造体を略水平に積層し構築するハニカム擁壁であって、当該ハニカム擁壁の断面方向において、ズレ部を複数有するハニカム構造体からなるハニカム擁壁である。
ハニカム構造体のズレ部を複数有すると、積層した際にハニカム構造体層間の噛み合わせ部が増え、ハニカム構造体層間の結合力が増大し、安定したハニカム擁壁となる。
請求項5記載の発明は、
請求項1または2記載のハニカム構造体を略水平に積層し構築するハニカム擁壁であって、当該ハニカム擁壁の断面方向において、前記積層されたハニカム構造体の各層が積層する積層面で段差構造を有するように積層されるハニカム擁壁である。
本発明は、ハニカム構造体を積層して構築するハニカム擁壁において、従来一定のレベルであったハニカム構造体の積層位置を法面側と地山側で段差をつけて設置することを発明の要旨としている。
ハニカム構造体を積層して構築されるハニカム擁壁を構成するハニカム構造体の積層面に段差をもたせることで、ハニカム構造体層間が噛み合わせにより結合関係をより強固になり、ハニカム擁壁の安定性が高まる。
請求項6記載の発明は、
請求項1または2記載のハニカム構造体を略水平に積層し構築するハニカム擁壁であって、積層した2層以上のハニカム構造体を貫く杭を有する請求項5記載のハニカム擁壁である。
積層面に段差のある本発明のハニカム構造体を貫く杭を付することで、フラットな積層面で杭を付したハニカム擁壁よりも安定度はさらに増大する。
本発明によりハニカム擁壁内の積層された各ハニカム構造体層は噛み合わせ効果により摩擦力が高まり、ハニカム擁壁にかかる土圧に対しての抵抗力が高まり、より安定したハニカム擁壁を提供することができる。
従来型のハニカム状立体補強材(3セル)の展張前の斜視図である。 従来型のハニカム状立体補強材(3セル)を展張した際の斜視図である。 従来型のハニカム擁壁(3セル)の斜視図である。 従来型のハニカム状立体補強材を展張した際の断面図である。 従来型のハニカム擁壁(直壁)の断面図である。 従来型のハニカム擁壁(勾配)の断面図である。 本発明のハニカム状立体補強材(ステップ型)を展張した際の断面図である。 本発明のハニカム擁壁(直壁・ステップ型)の断面図である。 本発明のハニカム擁壁(勾配・ステップ型)の断面図である。 本発明のハニカム擁壁(勾配・ステップ型)の施工手順を示した断面図である。 本発明のハニカム擁壁(勾配・ステップ型)に杭を用いた例の断面図である。 本発明のハニカム状立体補強材(ズレ型)を展張した際の断面図である。 本発明のハニカム擁壁(直壁・ズレ型)の断面図である。 本発明のハニカム擁壁(勾配・ズレ型)の断面図である。 本発明のハニカム擁壁(勾配・ズレ型)に杭を用いた例の断面図である。 本発明のハニカム状立体補強材(階段型)を展張した際の断面図である。 本発明のハニカム擁壁(直壁・階段型)の断面図である。 本発明のハニカム擁壁(勾配・階段型)の断面図である。 本発明のハニカム擁壁(勾配・階段型)に杭を用いた例の断面図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、適宜に説明を省略する。また、本実施形態は、本発明を実施するための一形態に過ぎず、本発明は本実施形態によって限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更実施の形態が可能である。
本発明は、ハニカム擁壁におけるハニカム構造体の断面方向eでの積層面を法面側と地山側において異なるレベルにすることにより、積層されたハニカム構造体層同士の摩擦力を高めて、ハニカム擁壁の安定化を図ることを発明の要旨としているが、このような事例はこれまで知られていない。
すなわち本発明は、
板状または網状の高分子材料からなるストリップ材をはちの巣構造にしたハニカム状立体補強材に充填材を充填したハニカム構造体を略水平に積層し構築するハニカム擁壁であって、当該ハニカム構造体の断面方向におけるハニカム構造体の積層面に段差を有するハニカム構造体を含むハニカム擁壁である。
〔第1の実施形態〕
第1の実施形態を説明するにあたり、まずその比較対象として従来型のハニカム状立体補強材及びハニカム構造体を説明する。
図1は、従来型のハニカム状立体補強材(3セル)の展張前の斜視図である。ハニカム状立体補強材1は、複数枚ストリップ材2を一定間隔の結合部位4にて結合したものである。このハニカム状立体補強材1は展張方向aに展張してハニカム状のセル構造を形成する。ハニカム状立体補強材に利用される素材は樹脂が好ましく、樹脂の中でも高密度ポリエチレンが好適である。
ストリップ材2にはセル内に溜まる水を排出するために孔3を設ける場合がある。孔の大きさや形状はどのようなものでもよい。孔の数は多い方が良いが、多すぎるとストリップ材の強度が低下するため、ストリップ材の面積の40%を越えない程度の数がよい。また孔の配置は直列でも千鳥配置でもよい。ただし、法面部を構成する一番外側のストリップ材は孔を設けない方が見た目がよい。
図2は、図1で示した従来型のハニカム状立体補強材(3セル)を展張した際の斜視図である。ハニカム状立体補強材1を展張すると、ハニカム状のセル5が形成される。一般的なハニカム状立体補強材1の使用方法としては、ハニカム状立体補強材セル5内にセルの高さまで充填材を充填して締め固めを行うことにより、剛性のあるハニカム構造体6を形成させる。
なお、以下、ハニカム構造体のセル数は、図2で示したz断面をb方向から見た際のセル数を示している。すなわち、ハニカム構造体を断面方向eで切った際に一番セル数が多く現れる断面のセル数をハニカム構造体の「断面方向のセル数」と称する。
展帳したハニカム状立体補強材のセル5に充填する充填材としては、砂、土砂、砕石などどのような土質材料のものでも使用できる。
図3は、従来型のハニカム構造体6を積層して構築したハニカム擁壁(3セル)の斜視図である。当該ハニカム構造体を略水平に積み重ねて施工することにより、ハニカム擁壁を形成することができる。ハニカム構造体6の積み重ねの際に、ステップを設けなければ直壁のハニカム擁壁が構築できる。また、ハニカム構造体6を積み重ねるたびに各層ごとに地山側に後退させると、勾配を有する法面を形成することができる。当該法面の勾配はハニカム構造体6の後退幅に応じて、様々な法面勾配を形成することができる。
図4には、展張した従来型のハニカム状立体補強材1の断面図を示した。これは、図2の斜視図で示した展張したハニカム状立体補強材1をbの方向より見たときのz断面図となっている。図4の右側「1)2セル」はハニカム構造体の断面方向eのセル数が2セルの場合のハニカム状立体補強材(フラット・2セル)1A、左側「2)4セル」はハニカム構造体の断面方向eのセル数が4セルの場合のハニカム状立体補強材(フラット・2セル)1Bを例示した。それぞれ、ハニカム状立体補強材(フラット・2セル)1Aに充填材を充填するとハニカム構造体(フラット・2セル)6Aが、ハニカム状立体補強材(フラット・4セル)1Bに充填材を充填するとハニカム構造体(フラット・2セル)6Bが作成される。
図5には、従来型のハニカム構造体6を壁面が直壁になるように積層したハニカム擁壁(直壁)の断面図を示した。これは図3の斜視図でいうと、bの方向よりハニカム擁壁を見た際のz断面図である(図5は直壁のケース)。断面図中、Xが地山側、Yが法面側を示している。以下、ハニカム擁壁の断面図と称する図(図5〜6、図8〜11、図13〜15、図17〜19)は、構成されるハニカム構造体や部材・法面勾配等がそれぞれ若干異なるが、全て図3の斜視図でいうbの方向より見たz断面図である。
図5の「1)2セル」はハニカム構造体の断面方向eのセル数が2セルのハニカム構造体(フラット・2セル)6Aを積層したハニカム擁壁を、図5の「2)4セル」はハニカム構造体の断面方向eのセル数が4セルのハニカム構造体(フラット・2セル)6Bを積層したハニカム擁壁を例示した。従来型のハニカム構造体(6A・6B)を積層してハニカム擁壁を構築した場合にはハニカム構造体の各層の積層面7がフラットになる。
図6には、従来型のハニカム構造体6を壁面に勾配を付けて積層したハニカム擁壁(勾配)の断面図を示した。図6の右側「1)2セル」はハニカム構造体の断面方向eのセル数が2セルのハニカム構造体(フラット・2セル)6Aを積層したハニカム擁壁を、左側「2)4セル」はハニカム構造体の断面方向eのセル数が4セルのハニカム構造体(フラット・2セル)6Bを積層したハニカム擁壁を例示した。従来型のハニカム構造体(6A・6B)を積層してハニカム擁壁を構築した場合にはハニカム構造体の各層の積層面7がフラットになる。
ここまで従来例について説明したが、以下、第1の実施形態を説明する。
図7には、展張した本発明のハニカム状立体補強材(ステップ型)の断面図を示した。
図7の「1)2セル」は、ハニカム構造体の断面方向eのセル数が2セルの場合のハニカム状立体補強材を示しており、下段にハニカム状立体補強材(1上ステップ・2セル)1C、上段にハニカム状立体補強材(1下ステップ・2セル)1Dを図示した。
図7の「2)4セル」は、ハニカム構造体の断面方向eのセル数が4セルの場合のハニカム状立体補強材を示しており、下段にハニカム状立体補強材(1上ステップ・4セル)1E、上段にハニカム状立体補強材(1下ステップ・4セル)1Fを図示した。
図4に示した従来型のハニカム状立体補強材1A、1Bと、図7に示した本発明のハニカム状立体補強材1C、1D、1E、1Fの相違点は、前者が断面方向eに対してセルの高さが一律で一定(フラット)なのに対して、後者は断面方向eに対してステップ部10を境にしてセルの高さが異なるステップ構造(段差構造)であることにある。
例えば、図4「1)2セル」に示す従来型の2セルのハニカム状立体補強材1Aは、2セル共に同じ高さである。一方、図7「1)2セル」に示す本発明の2セルのハニカム状立体補強材1C、1Dは2セルの断面方向eの高さが異なるが、高さ方向で相対する2辺のうちの1辺は断面方向eで一定(フラット)となっている。図7「1)2セル」に図示したハニカム状立体補強材(1上ステップ・2セル)1Cは下辺がフラットで上辺に段差がある例であり、他方、ハニカム状立体補強材(1下ステップ・2セル)1Dは上辺がフラットで下辺に段差がある例を示した。しかしハニカム状立体補強材(1上ステップ・2セル)1Cとハニカム状立体補強材(1下ステップ・2セル)1Dは実質的には同じもので、前者を左右に反転させてその後上下に反転させると後者となる。
また同様に、図4「2)4セル」に示す従来型の4セルのハニカム状立体補強材1Bは、4セル共に同じ高さである。一方、図7「2)4セル」に示す本発明の4セルのハニカム状立体補強材1E、1Fは4セルの断面方向eの高さが異なるが、高さ方向で相対する2辺のうちの1辺は断面方向eで一定(フラット)となっている。図7「2)4セル」に図示したハニカム状立体補強材(1上ステップ・4セル)1Eは下辺がフラットで上辺に段差がある例であり、他方、ハニカム状立体補強材(1下ステップ・4セル)1Fは上辺がフラットで下辺に段差がある例を示した。しかしハニカム状立体補強材(1上ステップ・4セル)1Eとハニカム状立体補強材(1下ステップ・4セル)1Fは実質的には同じもので、前者を左右に反転させてその後上下に反転させると後者となる。
本発明のハニカム状立体補強材の断面方向eにおけるステップ(段差)の位置は、断面方向eの範囲でどこにでも設けることができるが、とりわけ、ハニカム状立体補強材のセルとセルとの境界部分がもっとも好適である。特に断面方向eの中心付近がもっとも効果的である。また段差(ステップ)はどのような高さでもよいが、少なくともハニカム状立体補強材のセル高の10%以上あるほうがハニカム構造体を積層した際に各層間の噛み合わせがよくなり、ハニカム擁壁の安定度が高まる。また段差(ステップ)が大きすぎると、セル高が低い側のセルがハニカム状立体補強材としての性能を発揮できなくなる。よって、低いセルは高いセルの50%以上90%以下の高さである場合が好適である。
本発明のハニカム状立体補強材の断面方向eにおける段差(ステップ)の数は、多い方がハニカム構造体層を積層した際の各層間の噛み合わせがよくなるが、多ければ多いほど施工の際に作製しなければならない段差(ステップ)が増えてしまい、施工性が悪くなる。よって1箇所もしくは多くても2箇所程度が好ましい。
なお、本発明の段差(ステップ)構造の各ハニカム状立体補強材1C〜1Fを構成するハニカム状立体補強材の素材や形状などは、従来型のハニカム状立体補強材と断面方向eに段差があること以外は全く同等であり、前述の段落0031〜0033の記載と同等の性能を有する。
前述の段落0036に記載のように、ハニカム状立体補強材1を展張し作成したセル5に充填材を充填したハニカム構造体6を積層することでハニカム擁壁を構築することができるが、本発明のハニカム構造体6の積層方法には従来型のハニカム構造体とは異なる特徴点がある。
図8は、本発明のハニカム擁壁(直壁・ステップ型)の断面図である。図8「1)2セル」では、図7「1)2セル」で示したハニカム状立体補強材に充填材を充填したハニカム構造体(1上ステップ・2セル)6C及びハニカム構造体(1下ステップ・2セル)6Dを交互に積層して構築した壁面が直壁のハニカム擁壁を例示した。また、図8「2)4セル」では、図7「2)4セル」で示したハニカム状立体補強材に充填材を充填したハニカム構造体(1ステップ・4セル)6E及びハニカム構造体(1下ステップ・4セル)6Fを交互に積層して構築した壁面が直壁のハニカム擁壁を例示した。
次に図5に示した従来のハニカム擁壁(直壁)と、図8に示した本発明のハニカム擁壁(直壁)との相違点を説明する。ハニカム擁壁(直壁)は、ハニカム擁壁を構成するハニカム構造体6A、6Bの積層面7が全層においてフラットである。一方、本発明のハニカム擁壁(直壁)は、フラットな積層面7と断面方向eに段差(ステップ)のある積層面8を有しており、フラットな積層面7と段差(ステップ)のある積層面8が高さ方向に交互に現れるように積めばうまくハニカム擁壁を構築できる。この構造は、「1)2セル」の場合も「2)4セル」も同様である。
図9は、本発明のハニカム擁壁(勾配・ステップ型)の断面図である。図9「1)2セル」では、図7「1)2セル」で示したハニカム状立体補強材に充填材を充填したハニカム構造体(1上ステップ・2セル)6C及びハニカム構造体(1下ステップ・2セル)6Dを交互に積層して構築した壁面に勾配を有するハニカム擁壁を例示した。また、図9「2)4セル」では、図7「2)4セル」で示したハニカム状立体補強材に充填材を充填したハニカム構造体(1上ステップ・4セル)6E及びハニカム構造体(1下ステップ・4セル)6Fを交互に積層して構築した壁面に勾配を有するハニカム擁壁を例示した。
次に図6に示した従来のハニカム擁壁(勾配あり)と、図9に示した本発明のハニカム擁壁(勾配あり)との相違点を説明する。従来のハニカム擁壁(勾配あり)は、ハニカム擁壁を構成するハニカム構造体6A、6Bの積層面7が全層においてフラットである。一方、本発明のハニカム擁壁(勾配あり)は、フラットな積層面7と断面方向eに段差(ステップ)のある積層面8を有しており、フラットな積層面7と段差(ステップ)のある積層面8が高さ方向に交互に現れるように積めばうまくハニカム擁壁を構築できる。この構造は、「1)2セル」の場合も「2)4セル」も同様である。
図9で図示したように、法面部に勾配を設けた場合には、段差(ステップ)のある積層面8において下段のハニカム構造体6C(6E)と上段のハニカム構造体6D(6F)との間に隙間dが発生するが、上段のハニカム構造体6Dの充填材を充填する際にしっかりと転圧すれば隙間に充填材が充填されるため、構造上の問題とならない。
図10には、本発明の第1の実施形態のハニカム擁壁(勾配・ステップ型、2セル)の施工手順を説明する。図10では、施工手順が1)→2)→3)→4)の順に描写されている。
図10の1)は、ハニカム擁壁最下層の積層面にハニカム構造体を設置する際の断面図である。ハニカム擁壁を設置する場所にハニカム状立体補強材を展張しながら設置する。ハニカム擁壁の最下層に設置するハニカム状立体補強材は、下辺がフラットで上辺に段差があるタイプ、すなわちハニカム状立体補強材(1上ステップ・2セル)1Cで、当該ハニカム状立体補強材に充填材を充填すると下辺がフラットで上辺に段差があるハニカム構造体(1上ステップ・2セル)6Cとなる。ハニカム状立体補強材に充填材を充填後は振動ローラやプレートコンパクタなどの転圧機などで転圧して締め固めて、ハニカム擁壁の1層目のハニカム構造体(1上ステップ・2セル)6Cを作製する。
図10の2)は、ハニカム擁壁最下層のハニカム構造体設置後に2層目のハニカム状立体補強材を設置する際の断面図である。1層目のハニカム構造体(1上ステップ・2セル)6Cは下辺がフラットで上辺に段差があるハニカム構造体層であるから、2層目のハニカム構造体層は、下辺に段差があり上辺がフラットになっているハニカム構造体(1下ステップ・2セル)6Dである必要がある。よって、1層目のハニカム構造体(1上ステップ・2セル)6Cの上には展張した下辺に段差がある上辺がフラットのハニカム状立体補強材(1下ステップ・2セル)1Dを設置する。
ハニカム擁壁の壁面勾配によりハニカム構造体層の積層の仕方に若干の違いが生じる。すなわち、直壁の場合には1層目のハニカム構造体(1上ステップ・2セル)6Cと2層目のハニカム構造体(1下ステップ・2セル)6Dは双方が隣接する段差部分でしっかりとかみ合わせることができる。しかし、ハニカム擁壁が図9のような直壁よりも緩い勾配の場合、ハニカム状立体補強材の断面方向eの製品幅が同じであれば上層に積層されるハニカム構造体はだんだんと後ろに下がっていくため、段差のある積層面8では上層と下層のハニカム構造体層の間で隙間dが生じる。図9は、直壁よりも緩い勾配のハニカム擁壁の施工事例を示しているため図に現れている。
前述の段落0053でも記載の通り、隙間dは図面上では隙間として現れるが、実際には図面上に示された隙間部分にも充填材が充填され転圧機で転圧して締め固められるため、ハニカム擁壁の不安定要因になることはない。
図10の3)は、ハニカム擁壁最下層のハニカム構造体設置後に2層目の展張した下辺に段差があり上辺がフラットのハニカム状立体補強材(1下ステップ・2セル)1Dを設置した際の断面図である。2層目の下辺に段差があり上辺がフラットのハニカム状立体補強材(1下ステップ・2セル)1Dを構築するハニカム擁壁の法面勾配にあわせるようにセットバックさせつつ、1層目の上に積層する。この際、セットバックした分だけ1層目と2層目の間に隙間dが生じるが、2層目を充填材で充填・転圧する際に隙間dは埋まるために構造上の影響はほとんどない。
図10の4)は、ハニカム擁壁の2層目を積層設置した際の断面図である。2層目の展張したハニカム状立体補強材(1下ステップ・2セル)1Dに充填材を充填し、1層目と同様、振動ローラやプレートコンパクタなどの転圧機などで転圧して締め固めて、ハニカム擁壁の2層目のハニカム構造体(1下ステップ・2セル)6Dを作成する。
以後、3層目以降は1層目、2層目で行った作業をハニカム擁壁の必要な擁壁高まで繰り返して行い、ハニカム擁壁を構築する。
〔第1の実施形態の変形例〕
次に第1の実施形態のハニカム擁壁に杭を付した例を以下に述べる。図11は、本発明のハニカム擁壁(勾配・ステップ型)に杭を用いた例の断面図である。図11では、ハニカム擁壁内の杭の配置について2パターン例示した。図11の1)は、長さ2セル分の杭をセル中央付近に配置した例を示し、また図11の2)では長さ2セル分の杭を一部隙間dの箇所に配置した例を示した。ハニカム擁壁内に付される杭はハニカム構造体を積層してハニカム擁壁を構築する際に積層作業と平行して積層されたハニカム構造体層の上部より打ち込まれる。
すなわち、前述の段落0054〜0061記載のようにハニカム構造体を積層してハニカム擁壁は構築される訳であるが、その積層の過程で、数段積層するたびに適宜杭を積層されたハニカム構造体の上部より打ち込む。この作業を繰り返しながら、ハニカム擁壁を構築すると、図11のようなハニカム擁壁を構築することができる。
ハニカム擁壁に付される杭は長いほうがよく、ハニカム構造体の高さの2層分以上の長さが好適である。また杭の数も多い方がハニカム擁壁の安定性には望ましいが、多すぎると既に積層されたハニカム構造体のハニカム状立体補強材を損傷する恐れがある。
杭の種類は、異型鉄筋やアンカーピン、コンクリート杭、鋼管杭、H鋼、木杭など様々なものを用いることができる。好適なのは、鋼鉄製の異型鉄筋やアンカーピン、鋼管杭である。太い方がよいが、太すぎると杭打ちの際に既に敷設されたハニカム状立体補強材を巻き込む恐れがあるため、もっとも太くても直径10センチメートルを超えない程度がよい。また杭の形状は中空であっても良い。
杭の材質は、金属や樹脂、コンクリート、木などがあげられるが、腐食したり腐敗したりしない材料がよい。また打設方法は、打撃法、ドリルによる方法、場所打ち杭などが上げられるが、どの方法を用いても良い。
〔第2の実施形態〕
次に第2の実施形態のハニカム状立体補強材について以下に述べる。
図12には、第2の実施形態の展張した本発明のハニカム状立体補強材(ズレ型)の断面図を示した。
図12の「1)2セル」は、ハニカム構造体の断面方向のセル数が2セルの場合のハニカム状立体補強材(1ズレ・2セル)1Gを図示した。図11の「2)4セル」は、ハニカム構造体の断面方向のセル数が4セルの場合のハニカム状立体補強材(1ズレ・4セル)1Hを図示した。
図4に示した従来型のハニカム状立体補強材1A、1Bと、図11に示した本発明のハニカム状立体補強材1G、1Hとの相違点は、前者が断面方向eに対してセルの高さが一律で一定(フラット)なのに対して、後者は断面方向eに対するセルの高さは同じであるが断面方向eの途中のズレ部11を境にして段差を有している点である。
また、第1の実施形態のハニカム状立体補強材1C、1D、1E、1Fと第2の実施形態のハニカム状立体補強材1G、1Hとの相違点は、第1の実施形態のハニカム状立体補強材がステップ部10を境にしてセル高が異なるのに対し、第2の実施形態のハニカム状立体補強材1G、1Hはズレ部11を境にしてセル高は同じであるが段差を有している点である。このため、第1の実施形態のハニカム状立体補強材1C、1D、1E、1Fは高さ方向で相対する2辺のうちの1辺は断面方向eで一定(フラット)となっているのに対して、第2の実施形態のハニカム状立体補強材1G、1Hは高さ方向で相対する2辺の両辺に段差を有する。
本発明のハニカム状立体補強材の断面方向eにおけるズレ部11の位置は、断面方向eの範囲でどこにでも設けることができるが、とりわけ、ハニカム状立体補強材のセルとセルとの境界部分がもっとも好適である。特に断面方向eの中心付近がもっとも効果的である。また段差はどのような高さでもよいが、少なくともハニカム状立体補強材のセル高の5%以上(両辺の段差を合算すると10%以上)あるほうがハニカム構造体を積層した際に各層間の噛み合わせがよくなり、ハニカム擁壁の安定度が高まる。しかし、段差が大きすぎるとズレ部における左右のハニカム状立体補強材の連結面の長さが短くなり、ハニカム状立体補強材の強度が小さくなってしまう。このため段差はセル高の25%(両辺の段差を合算すると50%)を超えない程度がよい。
なお、本発明のズレ構造を有する各ハニカム状立体補強材1G,1Hを構成するハニカム状立体補強材の素材や形状などは、従来型のハニカム状立体補強材と断面方向eの高さに段差があること以外は全く同等であり、前述の段落0031〜0033の記載と同等の性能を有する。
前述の段落0036に記載のように、ハニカム状立体補強材を展張し作成したセルに充填材を充填したハニカム構造体を積層することでハニカム擁壁を構築することができるが、本発明のハニカム構造体の積層方法には従来型のハニカム構造体とは異なる特徴点がある。
図13は、本発明のハニカム擁壁(直壁・ズレ型)の断面図である。図13「1)2セル」では、図12「1)2セル」で示したハニカム状立体補強材に充填材を充填したハニカム構造体(1ズレ・2セル)6Gを積層して構築した壁面が直壁のハニカム擁壁を例示した。また、図13「2)4セル」では、図12「1)4セル」で示したハニカム状立体補強材に充填材を充填したハニカム構造体(1ズレ・4セル)6Hを積層して構築した壁面が直壁のハニカム擁壁を例示した。
次に図5に示した従来のハニカム擁壁(直壁)と、図13に示した本発明のハニカム擁壁(直壁)との相違点を説明する。ハニカム擁壁(直壁)は、ハニカム擁壁を構成するハニカム構造体6A、6Bの積層面7が全層においてフラットである。一方、本発明の第2の実施形態のハニカム擁壁(直壁)は全層において断面方向eに段差がある積層面8を有している。この構造は、「1)2セル」の場合も「2)4セル」も同様である。
図14は、本発明のハニカム擁壁(勾配・ズレ型)の断面図である。図14「1)2セル」では、図12「1)2セル」で示したハニカム状立体補強材に充填材を充填したハニカム構造体(1ズレ・2セル)6Gを積層して構築した壁面に勾配を有するハニカム擁壁を例示した。また、図13「2)4セル」では、図12「1)4セル」で示したハニカム状立体補強材に充填材を充填したハニカム構造体(1ズレ・4セル)6Hを積層して構築した壁面に勾配を有するハニカム擁壁を例示した。
次に図5に示した従来のハニカム擁壁(勾配あり)と、図14に示した本発明のハニカム擁壁(勾配あり)との相違点を説明する。ハニカム擁壁(勾配あり)は、ハニカム擁壁を構成するハニカム構造体6A、6Bの積層面7が全層においてフラットである。一方、本発明の第2の実施形態のハニカム擁壁(勾配あり)は全層において断面方向eに段差がある積層面8を有している。この構造は、「1)2セル」の場合も「2)4セル」も同様である。
図14で図示したように、法面部に勾配を設けた場合には、断面方向eに段差がある積層面8において積層した下段のハニカム構造体と上段のハニカム構造体との間に隙間dが発生するが、上段のハニカム構造体の充填材充填の際にしっかりと転圧すれば隙間に充填材が充填されるため、構造上の問題とならない。
本発明の第2の実施形態のハニカム擁壁の施工手順は、第1の実施形態の施工手順(段落0054〜0061)に準ずるので省略した。
〔第2の実施形態の変形例〕
次に第2の実施形態のハニカム擁壁に杭を付した例を以下に述べる。図15は、本発明のハニカム擁壁(勾配・ズレ型)に杭を用いた例の断面図である。図15では、長さ2セル分の杭をセル中央付近に配置した例を示した。ハニカム擁壁内に付される杭はハニカム構造体を積層してハニカム擁壁を構築する際に積層作業と平行して積層されたハニカム構造体層の上部より打ち込まれる。なお、杭の打ち込み方、杭の長さ等は、第1の実施形態の杭の打ち込み方の施工手順(段落0063〜0066)に準ずるので省略した。
〔第3の実施形態〕
次に第3の実施形態のハニカム状立体補強材について以下に述べる。
図16には、第3の実施形態の展張した本発明のハニカム状立体補強材(階段型)の断面図を示した。
図16は、ハニカム構造体の断面方向のセル数が4セルでズレ部を3箇所有するハニカム状立体補強材(3ズレ・4セル)1Iを図示した。
第3の実施形態のハニカム状立体補強材1Iは、第2の実施形態のハニカム状立体補強材のズレ部11が断面方向eに1箇所であったのに対し、複数箇所ある点が異なる。すなわち、段差構造を複数有している点で第2の実施形態のハニカム状立体補強材と異なるが、それ以外は第2の実施形態と同様であり、ハニカム状立体補強材の基本性能は前述の段落0069〜0072の記載と同等の性能を有する。ただし、ズレ部11の数が第2の実施形態よりも多いため、ハニカム擁壁にした際にはよりハニカム擁壁の安定性が向上する。
本発明のハニカム状立体補強材の断面方向eにおけるズレ部11の位置は、断面方向eの範囲でどこにでも設けることができるが、とりわけ、ハニカム状立体補強材のセルとセルとの境界部分がもっとも好適である。図16には、セル毎にズレ部11を有する例を示した。
前述の段落0036に記載のように、ハニカム状立体補強材を展張し作成したセルに充填材を充填したハニカム構造体を積層することでハニカム擁壁を構築することができるが、本発明のハニカム構造体の積層方法には従来型のハニカム構造体とは異なる特徴点がある。
図17は、本発明のハニカム擁壁(直壁・階段型)の断面図である。図17では、図16で示したハニカム状立体補強材に充填材を充填したハニカム構造体(3ズレ・4セル)6Iを積層して構築した壁面が直壁のハニカム擁壁を例示した。
次に図5に示した従来のハニカム擁壁(直壁)と、図17に示した本発明のハニカム擁壁(直壁)との相違点を説明する。ハニカム擁壁(直壁)は、ハニカム擁壁を構成するハニカム構造体6A、6Bの積層面7が全層においてフラットである。一方、本発明の第3の実施形態のハニカム擁壁(直壁)は全層において断面方向eに段差がある積層面8を複数有している。段違い積層面8が多いほど、積層されたハニカム構造体の層間の摩擦力が向上するため、よりハニカム擁壁の安定度が大きくなる。
本発明のハニカム状立体補強材の断面方向eにおける段差(ステップ)の数は、多い方がハニカム構造体を積層した際の各層間の噛み合わせがよくなるが、多ければ多いほど施工の際に作成しなければならない段差(ステップ)が増えてしまうという難点がある。
図18は、本発明のハニカム擁壁(勾配・階段型)の断面図である。図18では、図16で示したハニカム状立体補強材に充填材を充填したハニカム構造体(3ズレ・4セル)6Iを積層して構築した壁面に勾配を有するハニカム擁壁を例示した。
次に図5に示した従来のハニカム擁壁(勾配あり)と、図18に示した本発明のハニカム擁壁(勾配あり)との相違点を説明する。ハニカム擁壁(勾配あり)は、ハニカム擁壁を構成するハニカム構造体6A、6Bの積層面7が全層においてフラットである。一方、本発明の第3の実施形態のハニカム擁壁(勾配あり)は全層において断面方向eに段差がある積層面8を有している。段差がある積層面8の段差の数が多ければ多いほど、積層されたハニカム構造体の層間の摩擦力が向上するため、よりハニカム擁壁の安定度が大きくなる。
本発明のハニカム状立体補強材の断面方向eにおける段差(ステップ)の数は、多い方がハニカム構造体を積層した際の各層間の噛み合わせがよくなるが、多ければ多いほど施工の際に作成しなければならない段差(ステップ)が増えてしまうという難点がある。
図18で図示したように、法面部に勾配を設けた場合には、断面方向eに段差がある積層面8において積層した下段のハニカム構造体と上段のハニカム構造体との間に隙間dが発生するが、上段のハニカム構造体の充填材充填の際にしっかりと転圧すれば隙間に充填材が充填されるため、構造上の問題とならない。
本発明の第3の実施形態のハニカム擁壁の施工手順は、第1の実施形態の施工手順(段落0054〜0061)に準ずるので省略した。
〔第3の実施形態の変形例〕
次に第3の実施形態のハニカム擁壁に杭を付した例を以下に述べる。図19は、本発明のハニカム擁壁(勾配・階段型)に杭を用いた例の断面図である。図19では、長さ2セル分の杭をセル中央付近に配置した例を示した。ハニカム擁壁内に付される杭はハニカム構造体を積層してハニカム擁壁を構築する際に積層作業と平行して積層されたハニカム構造体層の上部より打ち込まれる。杭の打ち込み方、杭の長さ等は、第1の実施形態の杭の打ち込み方の施工手順(段落0063〜0066)に準ずるので省略した。
本発明のハニカム擁壁におけるハニカム構造体の断面方向での積層面を法面側と地山側において異なるレベルにすることにより、積層されたハニカム構造体層同士の摩擦力を高めて、より安定なハニカム擁壁を構築することができる。
1 ハニカム状立体補強材
1A ハニカム状立体補強材(フラット・2セル)
1B ハニカム状立体補強材(フラット・4セル)
1C ハニカム状立体補強材(1上ステップ・2セル)
1D ハニカム状立体補強材(1下ステップ・2セル)
1E ハニカム状立体補強材(1上ステップ・4セル)
1F ハニカム状立体補強材(1下ステップ・4セル)
1G ハニカム状立体補強材(1ズレ・2セル)
1H ハニカム状立体補強材(1ズレ・4セル)
1I ハニカム状立体補強材(3ズレ・4セル)
2 ストリップ材
3 孔
4 結合部位
5 セル
6 ハニカム構造体
6A ハニカム構造体(フラット・2セル)
6B ハニカム構造体(フラット・4セル)
6C ハニカム構造体(1上ステップ・2セル)
6D ハニカム構造体(1下ステップ・2セル)
6E ハニカム構造体(1上ステップ・4セル)
6F ハニカム構造体(1下ステップ・4セル)
6G ハニカム構造体(1ズレ・2セル)
6H ハニカム構造体(1ズレ・4セル)
6I ハニカム構造体(3ズレ・4セル)
積層面(フラット)
積層面(段差あり)
9 杭
10 ステップ部
11 ズレ部
a 展張方向
b 断面図の視線方向
c 載置方向
d 隙間
e 断面方向
X 地山側
Y 法面側
z 断面図断面

Claims (6)

  1. 板状または網状の高分子材料からなるストリップ材をはちの巣構造にしたハニカム状立体補強材に充填材を充填したハニカム構造体であって、当該ハニカム構造体の断面方向で一方のハニカム構造体の幅と他方のハニカム構造体の幅とがステップ部を境にして異なり、かつステップ部はハニカム構造体の上部または下部のいずれかにあるハニカム構造体。
  2. 板状または網状の高分子材料からなるストリップ材をはちの巣構造にしたハニカム状立体補強材に充填材を充填したハニカム構造体であって、当該ハニカム構造体の断面方向で一方のハニカム構造体と他方のハニカム構造体の上辺及び下辺のレベルがズレ部を境にしてずれおり、かつズレ部を境に一方のハニカム構造体と他方のハニカム構造体の幅が略同じであるハニカム構造体。
  3. 請求項1記載のハニカム構造体を略水平に積層し構築するハニカム擁壁であって、前記ハニカム構造体のステップ部が上部にあるハニカム構造体(上ステップ)と、前記ハニカム構造体のステップ部が下部にあるハニカム構造体(下ステップ)とを交互に積層して構築されたハニカム擁壁。
  4. 請求項2記載のハニカム構造体を略水平に積層し構築するハニカム擁壁であって、当該ハニカム擁壁の断面方向において、ズレ部を複数有するハニカム構造体からなるハニカム擁壁。
  5. 請求項1または2記載のハニカム構造体を略水平に積層し構築するハニカム擁壁であって、当該ハニカム擁壁の断面方向において、前記積層されたハニカム構造体の各層が積層する積層面で段差構造を有するように積層されるハニカム擁壁。
  6. 請求項1または2記載のハニカム構造体を略水平に積層し構築するハニカム擁壁であって、積層した2層以上のハニカム構造体を貫く杭を有する請求項5記載のハニカム擁壁。
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