JP6397684B2 - 落下物の防護構造の構築工法、及び落下物の防護構造 - Google Patents

落下物の防護構造の構築工法、及び落下物の防護構造 Download PDF

Info

Publication number
JP6397684B2
JP6397684B2 JP2014157560A JP2014157560A JP6397684B2 JP 6397684 B2 JP6397684 B2 JP 6397684B2 JP 2014157560 A JP2014157560 A JP 2014157560A JP 2014157560 A JP2014157560 A JP 2014157560A JP 6397684 B2 JP6397684 B2 JP 6397684B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cell
cell group
retaining wall
aggregate
cell aggregate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014157560A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016035147A (ja
Inventor
竜一 石垣
竜一 石垣
亮貴 大山
亮貴 大山
忍 渡邊
忍 渡邊
比呂志 佐竹
比呂志 佐竹
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokyo Printing Ink Mfg Co Ltd
Original Assignee
Tokyo Printing Ink Mfg Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokyo Printing Ink Mfg Co Ltd filed Critical Tokyo Printing Ink Mfg Co Ltd
Priority to JP2014157560A priority Critical patent/JP6397684B2/ja
Publication of JP2016035147A publication Critical patent/JP2016035147A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6397684B2 publication Critical patent/JP6397684B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Devices Affording Protection Of Roads Or Walls For Sound Insulation (AREA)

Description

本発明は、落下物の防護構造の構築工法、及び落下物の防護構造に関する。
山間部などの斜面の下もしくは中腹には、落石、崩壊土砂、雪崩などの落下物による被害を抑制するために、防護堤などの構造物が設置されている。
特許文献1には、盛土構造体と、盛土構造体の受撃面側に配置された受撃体と、を備える防護堤について記載されている。受撃体は、上部が開口していた略水平方向に連続して形成されている複数のセルを有する枠体を上下に積層するとともに、セルに中詰材を充填することにより構成されている。
特開2011−047162号公報
ところで、防護堤としては、従来、盛土構造体と比べてより強固なコンクリート製の構造物が多く用いられている。
しかし、このようなコンクリート構造物は、落石などの衝撃力(エネルギー)を、当該構造物における山側(傾斜面側)の面で直接受けることを前提として設計されているため、次のような課題がある。
(1)コンクリート構造物が落石等の衝撃を直接受けるため、耐力がある程度の上限に制限される。すなわち、許容できる衝撃の上限が必ずしも十分でない場合がある。
(2)コンクリート構造物において、落石の衝撃を直接受けた部分に、局部的な陥没などの損傷が生じる可能性がある。損傷部ではコンクリート構造物の耐力が低下することが考えられる。
本発明は、上記の課題に鑑みなされたものであり、より大きな耐力を得ることができるとともに、コンクリート構造物の損傷を抑制することが可能な、落下物の防護構造の構築工法、及び落下物の防護構造を提供する。
本発明は、
段構造体を複数段に積層することによって、コンクリート構造物の受撃面に沿って擁壁を構築する工程を備え、
各段の前記段構造体は、各々の上部が開口していてハニカム状に配列され且つ互いに一体化された可撓性の複数のセルからなるセル集合体と、前記セル集合体の各セル内に充填された中詰材と、を有する落下物の防護構造の構築工法を提供する。
また、本発明は、
コンクリート構造物と、
前記コンクリート構造物の受撃面に沿って構築された擁壁と、
を備え、
前記擁壁は、複数段に積層された段構造体を有し、
各段の前記段構造体は、各々の上部が開口していてハニカム状に配列され且つ互いに一体化された可撓性の複数のセルからなるセル集合体と、前記セル集合体の各セル内に充填された中詰材と、を有する落下物の防護構造を提供する。
本発明によれば、落下物の防護構造のより大きな耐力を得ることができるとともに、コンクリート構造物の損傷を抑制することができる。
第1の実施形態に係る落下物の防護構造の側断面図である。 第1の実施形態に係る落下物の防護構造の段構造体を構成するセル集合体を示す図である。 第2の実施形態に係る落下物の防護構造の側断面図である。 第2の実施形態に係る落下物の防護構造の段構造体を構成するセル集合体を示す図である。 第3の実施形態に係る落下物の防護構造の側断面図である。 第3の実施形態に係る落下物の防護構造の正面図である。 第4の実施形態に係る落下物の防護構造の側断面図である。 第5の実施形態に係る落下物の防護構造の側断面図である。 第6の実施形態に係る落下物の防護構造の側断面図である。 第7の実施形態に係る落下物の防護構造の側断面図である。 第7の実施形態に係る落下物の防護構造のの構築工法を説明するための工程図である。 第8の実施形態に係る落下物の防護構造の側断面図である。 第6の実施形態の変形例に係る落下物の防護構造の側断面図である。 第7の実施形態の変形例に係る落下物の防護構造の側断面図である。 第9の実施形態に係る落下物の防護構造の側断面図である。 第10の実施形態に係る落下物の防護構造の側断面図である。 第11の実施形態に係る落下物の防護構造の側断面図である。 セル集合体の構成例を示す側断面図である。 セル集合体の積層構造の例を示す側断面図である。 セル集合体の積層構造の例を示す側断面図である。 セル集合体の構成例を示す側断面図である。 セル集合体の積層構造の例を示す側断面図である。 セル集合体の積層構造の例を示す側断面図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、適宜に説明を省略する。
〔第1の実施形態〕
図1は第1の実施形態に係る落下物の防護構造の側断面図である。
図2は第1の実施形態に係る落下物の防護構造の段構造体21を構成するセル集合体60を示す図である。このうち図2(a)はセル集合体60を展張した状態での平面図、図2(b)はセル集合体60を展張した状態での斜視図、(c)はセル集合体60を展張した状態での側断面図である。
本実施形態に係る落下物の防護構造は、コンクリート構造物10と、コンクリート構造物10の受撃面15に沿って構築された擁壁20と、を備えている。
擁壁20は、複数段に積層された段構造体21を有している。
各段の段構造体21は、各々の上部が開口していてハニカム状に配列され且つ互いに一体化された可撓性の複数のセル61からなるセル集合体60と、セル集合体60の各セル61内に充填された中詰材70と、を有する。
以下、詳細に説明する。
本実施形態に係る落下物の防護構造は、例えば、山間部などの斜面の下もしくは中腹に設置されて、斜面からの落下物(落石、崩壊土砂、雪崩など)による被害を抑制するためのものである。以下では、落下物の防護構造を単に防護構造と略称する場合がある。
図1において、矢印A方向に、図示しない斜面が存在する。すなわち矢印A方向が山側である。
一方、矢印A方向に対する反対方向であるB方向には、防護構造による保護対象物(例えば、道路など)が存在する。
コンクリート構造物10は、例えば、堤であり、図1の紙面の手前及び奥に延在している。コンクリート構造物10における矢印A方向側の面は、落下物の衝撃を受ける受撃面15である。受撃面15は、勾配を持つ面であっても良いが、本実施形態の場合、受撃面15は、勾配を持たない直壁である。なお、受撃面15は、例えば、擁壁20及び裏込め材30からなる保護構造物(受撃体)により全面が覆われている。この場合、受撃面15は、落下物の衝撃を間接的に受けることになる。
擁壁20は、緩衝体として機能するものであり、受撃面15に沿って構築されている。擁壁20は、鉛直に立設されて勾配を持たない直壁であっても良いが、本実施形態の場合、擁壁20の前面(矢印A方向側の面)が勾配を持っている。以下、擁壁20の前面を受撃面25と称する。
なお、落下物が擁壁20の受撃面25に衝突するときの、受撃面25と落下物との衝突は、非弾性衝突となり、反発係数eが0.0<e<1.0となるように、擁壁20が設計されていることが好ましい。
本実施形態の場合、擁壁20の上部ほど山側から遠ざかるように受撃面25が勾配を有している。
つまり、擁壁20の各段を構成する段構造体21が、その上段ほど山側から遠ざかるように、上段に向けて徐々にコンクリート構造物10側にセットバックしている。
なお、本実施形態の場合、受撃面25の勾配(法面勾配)は、例えば、擁壁20の下端から上端に亘って一定とすることができる。
受撃面25の勾配は、特に限定されないが、例えば、直壁から1:1.0の範囲とすることが好ましく、このような勾配とすることにより、落石等の落下物が受撃面25を駆け上がって乗り越えてしまうことを好適に抑制できる。
擁壁20の高さは特に限定されないが、例えば、コンクリート構造物10と同じ高さに形成されていることが好ましい。すなわち、擁壁20の上面の位置は、コンクリート構造物10の上面の位置と同等であることが好ましい。
本実施形態の場合、各段の段構造体21は、上面及び下面が平坦な平盤状に形成されている。各段構造体21の上面及び下面は、それぞれ略水平に配置される。
なお、例えば、擁壁20の最上段を構成する段構造体21の背面が、コンクリート構造物10の受撃面15の上端部に対して接している構造とすることができる。
段構造体21は、セル集合体60を略水平に配置し、セル集合体60の各セル61内に中詰材70を充填することにより構成されている。
中詰材70は、特に限定されないが、例えば、砕石、砂、現地発生土などとすることができる。
防護構造は、必要に応じて、擁壁20の下に平坦に敷設された基礎部40を有していても良い。基礎部40は、例えば、砕石を敷き詰めることにより構成されていても良いし、コンクリートを打設することにより構成されていても良い。
特に、擁壁20の構築予定部の地盤表面が平坦でない場合に、基礎部40の上面が略水平となるように基礎部40を設けることにより、擁壁20を水平な平坦面上に安定的に構築することができる。
防護構造は、例えば、コンクリート構造物10の受撃面15と擁壁20との間に配置(充填)された裏込め材30を有する。裏込め材30は、例えば、砕石、砂、現地発生土などの充填材を充填することにより構成されている。
なお、本実施形態のように受撃面15が直壁であり、擁壁20の背面(コンクリート構造物10側の面)が逆勾配を持つ場合、裏込め材30の奥行き寸法(図1の矢印A方向及びB方向における寸法)は、裏込め材30の下部から上部に向けて徐々に狭くなっている。
コンクリート構造物10は、例えば、既設のものである。ここで、既設とは、例えば、擁壁20の構築よりも少なくとも1日以上前にコンクリート構造物10が構築されていることを意味する。
図2に示すように、セル集合体60は、各々の上部が開口していてハニカム状に配列され且つ互いに一体化された可撓性の複数のセル61からなる。本実施形態の場合、セル集合体60は、従来周知のジオセル(ハニカム状立体補強材)である。
セル集合体60は、複数のストリップ材6(帯状体)を相互に並列に配置し、隣り合うストリップ材6どうしを複数箇所の接合部62において相互に接合することにより構成されている。
図2の例では、4枚のストリップ材6(ストリップ材6a、6b、6c、6d)をこの順で互いに並列に配置し、そのうち互いに隣り合うストリップ材6どうしが、それらの長手方向(図2の矢印C方向に相当)において一定間隔で配置された接合部62の各々において相互に接合されている。
これら接合部62のうち、一の接合部62から、矢印C方向において当該一の接合部62の隣に位置する他の接合部62までの範囲の一対のストリップ材6により個々のセル61が構成されている。
複数のストリップ材6のうち、互いに隣り合う第1のストリップ材(例えばストリップ材6a)と第2のストリップ材6(例えばストリップ材6b)とは、矢印C方向において一定間隔で配置された接合部62(第1接合部)の各々において相互に接合されている。また、第2のストリップ材6と、第2のストリップ材6に対して第1のストリップ材6とは反対側に隣接する第3のストリップ材6(例えばストリップ材6c)とは、矢印C方向において一定間隔で配置された接合部62(第2接合部)の各々において相互に接合されている。
ここで、第2接合部の各々は、矢印C方向において隣り合う第1接合部の中間に位置する。
このため、図2に示すようにセル集合体60を展張した状態では、各セル61は、ハニカム状に配列される。
ストリップ材6は、高密度ポリエチレンなどの樹脂材料により構成されている。なお、図2の例では、4枚のストリップ材6により、合計14個のセル61が構成されているが、1つのセル集合体60が有するセル61の数(セル数)は任意である。
各ストリップ材6には、必要に応じて、排水用の孔67が形成されている。
以下、本実施形態に係る落石防護堤の補強工法を説明する。
本実施形態に係る落石防護堤の補強工法は、段構造体21を複数段に積層することによって、コンクリート構造物10の受撃面15に沿って擁壁20を構築する工程を備えている。
各段の段構造体21は、各々の上部が開口していてハニカム状に配列され且つ互いに一体化された可撓性の複数のセル61からなるセル集合体60と、セル集合体60の各セル61内に充填された中詰材70と、を有する。
以下、詳細に説明する。
ここでは、コンクリート構造物10が予め形成されている場合に、コンクリート構造物10の受撃面15側に擁壁20、裏込め材30及び基礎部40を形成して防護構造を構築する例を説明する。
先ず、コンクリート構造物10の山側の地盤上に基礎部40を形成する。基礎部40は、例えば、砕石を敷き詰めることにより形成し、基礎部40の上面を平坦にする。
次に、1段目の段構造体21を構成するセル集合体60を基礎部40上に配置して展張し、当該セル集合体60の各セル61内に中詰材70を充填する。こうして、1段目の段構造体21が形成される。
なお、中詰材70の粒度が基礎部40の材料(砕石等)よりも細かい場合、基礎部40の上に不織布等を敷いた上にセル集合体60を配置して、当該セル集合体60の各セル61内に中詰材70を充填する。これにより、中詰材70がセル61の下にこぼれてしまうことを抑制する。
次に、1段目の段構造体21の上面と同じ高さまで、裏込め材30を形成する。
次に、2段目の段構造体21を構成するセル集合体60を1段目の段構造体21の上に配置して展張し、当該セル集合体60の各セル61内に中詰材70を充填する。こうして、2段目の段構造体21が形成される。
次に、2段目の段構造体21の上面と同じ高さまで、裏込め材30を形成(充填)する。
以下同様に、3段目以降の段構造体21を形成する。
こうして、擁壁20及び裏込め材30を形成し、保護構造を構築することができる。
なお、擁壁20は、例えば、コンクリート構造物10と同等の高さに形成する。
以上のような第1の実施形態によれば、落石防護堤の補強工法は、段構造体21を複数段に積層することによって、コンクリート構造物10の受撃面15に沿って擁壁20を構築する工程を備えている。そして、各段の段構造体21は、各々の上部が開口していてハニカム状に配列され且つ互いに一体化された可撓性の複数のセル61からなるセル集合体60と、セル集合体60の各セル61内に充填された中詰材70と、を有する。
よって、擁壁20によってコンクリート構造物10を保護することができるため、落下物の防護構造のより大きな耐力を得ることができるとともに、コンクリート構造物10の損傷を抑制することができるので、防護構造の耐久年数の延長も期待できる。
また、擁壁20は、可撓性のセル集合体60を有する段構造体21を積層することにより構成されているため、適度なクッション性を有している。よって、擁壁20により落下物の衝撃を吸収することができ、且つ、擁壁20自体の損傷の抑制も期待できる。
特に、中詰材70が砕石などのように、セル61内である程度自由に移動できるものである場合、擁壁20のクッション性をより好適に得ることができる。
そして、擁壁20のクッション性により落下物の運動エネルギーを低減させることができるため、落下物が防護構造を乗り越えてしまうことを好適に抑制することができる。
また、擁壁20のクッション性により落下物の運動の方向も分散させることができるため、落下物が一方向に大きなエネルギーで移動してしまうことも抑制できる。
また、コンクリート構造物10の受撃面15と擁壁20との間に、砕石、砂又は現地発生土からなる充填材を充填して裏込め材30を設ける工程を有する場合、裏込め材30によっても、クッション性を得ることができる。その結果、防護構造のより大きな耐力を得ることができる。
また、コンクリート構造物10が既設のものである場合、既設のコンクリート構造物10では耐力が不足する場合に、擁壁20、或いは擁壁20及び裏込め材30を付加することにより、十分な耐力を有する防護構造を構築することができる。
また、落下物の防護構造は、コンクリート構造物10と、コンクリート構造物10の受撃面15に沿って構築された擁壁20と、を備えている。擁壁20は、複数段に積層された段構造体21を有している。そして、各段の段構造体21は、各々の上部が開口していてハニカム状に配列され且つ互いに一体化された可撓性の複数のセル61からなるセル集合体60と、セル集合体60の各セル61内に充填された中詰材70と、を有する。
よって、擁壁20によってコンクリート構造物10を保護することができるため、落下物の防護構造のより大きな耐力を得ることができるとともに、コンクリート構造物10の損傷を抑制することができる。
〔第2の実施形態〕
図3は第2の実施形態に係る落下物の防護構造の側断面図である。
図4は第2の実施形態に係る落下物の防護構造の段構造体21を構成するセル集合体60を示す図である。このうち図4(a)はセル集合体60を展張した状態での平面図、図4(b)はセル集合体60を展張した状態での斜視図、(c)はセル集合体60を展張した状態での側断面図である。
本実施形態に係る落下物の防護構造は、以下に説明する点で、上記の第1の実施形態に係る落下物の防護構造と相違し、その他の点では、上記の第1の実施形態に係る落下物の防護構造と同様に構成されている。
本実施形態の場合、上下に隣接する段構造体21どうしの界面のうち、少なくとも1つの界面23が、高段部23aと、高段部23aに対してコンクリート構造物10側に隣接していて高段部23aよりも低段に位置する低段部23bと、を有している。
このような構造は、例えば、図4に示される特殊な構造のセル集合体60を用いることにより実現することができる。
このセル集合体60は、第1の上下寸法(高さ寸法)を有し且つ互いに同じ高さに配置された複数のセル61からなる第1セル群63と、第1の上下寸法よりも短い第2の上下寸法を有し且つ互いに同じ高さに配置された複数のセル61からなる第2セル群64と、を相互に隣接した配置で備えている。
すなわち、セル集合体60を構成するストリップ材6のうち、ストリップ材6c及びストリップ材6dの上下寸法は、第1の上下寸法に設定され、ストリップ材6a及びストリップ材6bの上下寸法は、第2の上下寸法に設定されている。
ストリップ材6a〜6dは、図4(b)における下端の位置は揃っているが、上端の位置については、ストリップ材6a及び6bの上端位置よりもストリップ材6c及び6dの上端位置の方が高くなっている。
なお、セル集合体60は、第1セル群63と第2セル群64との間に、第3セル群65を有している。第3セル群65を構成する各セル61は、第1セル群63側の半部の上下寸法は、第1セル群63の各セル61と等しく、第2セル群64側の半部の上下寸法は、第2セル群64の各セル61と等しい。
そして、擁壁20は、複数のセル集合体60を交互に天地を逆転させて積層することにより構成されている。
すなわち、一のセル集合体60の第1セル群63の上に他のセル集合体60の第2セル群64が位置するとともに、一のセル集合体60の第2セル群64の上に他のセル集合体60の第1セル群63が位置するように、セル集合体60を交互に天地を逆転させて積層することにより構成されている。
その結果、擁壁20は、高段部23aと低段部23bとを含む界面23と、平坦な界面24とを、下段側から上段側に向けて交互に有している。
なお、上記のように、各段の段構造体21が、上段に向けて徐々にコンクリート構造物10側にセットバックしているため、界面23においては、間隙22が形成されている。すなわち、一のセル集合体60と他のセル集合体60とが相互に前後にオフセットして配置されていることにより、一のセル集合体60の第1セル群63と、一のセル集合体60の第2セル群64と、他のセル集合体60の第1セル群63と、他のセル集合体60の第2セル群64と、の交差部に間隙22が形成されている。
本実施形態に係る落下物の防護構造の構築工法は、以下に説明する点で、上記の第1の実施形態に係る落下物の防護構造の構築工法と相違し、その他の点では、上記の第1の実施形態に係る落下物の防護構造の構築工法と同様である。
本実施形態では、擁壁を構築する工程では、上下に隣接する段構造体21どうしの界面のうち、少なくとも1つの界面23が、高段部23aと、高段部23aに対してコンクリート構造物10側に隣接していて高段部23aよりも低段に位置する低段部23bと、を有するように、擁壁20を構築する。
より具体的には、例えば、セル集合体60として、図4に示す構造のものを用い、且つ、本実施形態の場合、擁壁を構築する工程では、一のセル集合体60の第1セル群63の上に他のセル集合体60の第2セル群64が位置するとともに、一のセル集合体60の第2セル群64の上に他のセル集合体60の第1セル群63が位置するように、セル集合体60を交互に天地を逆転させて積層する。
これにより、図3に示す構造の擁壁20を構築する。
なお、1段目の段構造体21を構成するセル集合体60については、各セル61の下端の位置が揃っている方の面が下側となるように配置することにより、セル集合体60を水平に配置することができる。
以上のような第2の実施形態によれば、上記の第1の実施形態と同様の効果が得られる他、以下の効果が得られる。
すなわち、上下に隣接する段構造体21どうしの界面のうち、少なくとも1つの界面23が、高段部23aと、高段部23aに対してコンクリート構造物10側に隣接していて高段部23aよりも低段に位置する低段部23bと、を有するように、擁壁20を構築する。
よって、界面23において上下に隣接する段構造体21どうしが、界面23において相互に噛み合った構造となるため、界面23における段構造体21どうしの摩擦力(摩擦抵抗)を高めることができる。よって、段構造体21どうしが界面23において前後に位置ずれしてしまうことを抑制できる。
より具体的には、例えば、落下物の衝撃によって、一部の段構造体21の位置が、あたかもだるま落としのように矢印B方向にずれてしまう現象(以下、だるま落とし現象と称する)の発生を好適に抑制することができる。
よって、擁壁20の安定性を向上することができる。
具体的には、例えば、図4に示す特殊な構造のセル集合体60を用いることにより、界面23において上下に隣接する段構造体21どうしが、界面23において相互に噛み合った構造を実現することができる。
〔第3の実施形態〕
図5は第3の実施形態に係る落下物の防護構造の側断面図である。
図6は第3の実施形態に係る落下物の防護構造の正面図である。
本実施形態に係る落下物の防護構造は、以下に説明する点で、上記の第2の実施形態に係る落下物の防護構造と相違し、その他の点では、上記の第2の実施形態に係る落下物の防護構造と同様に構成されている。
本実施形態の場合、防護構造は、相互に隣接する複数の段構造体21を貫通する杭(棒状補強材)81を有している。これにより、段構造体21どうしの連結強度が向上し、擁壁20の構造的な安定性が向上している。
杭81の材料は特に限定されない。杭81としては、鋼棒などが挙げられる。
杭81は、例えば、棒状の本体部81aと、本体部81aよりも大径で本体部81aの上端に形成された頭部81bと、を有している。ただし、杭81は、頭部を有していない単なる棒状のものであっても良い。
図6に示すように、杭81は、正面視において分散して複数箇所に設けることが好ましい。
本実施形態の場合、防護構造は、更に、擁壁20の平坦な界面24にそれぞれ配置されたジオグリッド82aと、このジオグリッド82aの後端を裏込め材30に対して固定しているアンカーピン82bと、を有している。アンカーピン82bの材料は特に限定されないが、例えば、アンカーピン82bは樹脂製のものとすることができる。
本実施形態に係る落下物の防護構造の構築工法は、以下に説明する点で、上記の第2の実施形態に係る落下物の防護構造の構築工法と相違し、その他の点では、上記の第2の実施形態に係る落下物の防護構造の構築工法と同様である。
本実施形態の場合、所定の複数段(例えば2段)の段構造体21を形成する度に、その段階での最上段に位置する段構造体21の上面にジオグリッド82aを敷設し、該ジオグリッド82aの上から、これら所定の複数段の段構造体21を上下に貫通するように杭81を打設する。
そして、その段階での最上段に位置する段構造体21の上面と同じ高さまで形成された裏込め材30に対して、アンカーピン82bを打設することにより、ジオグリッド82aの後端を裏込め材30に固定する。
以上の工程を繰り返すことにより、図5及び図6に示す構造の防護構造を構築することができる。
なお、本実施形態では、杭81と、ジオグリッド82a及びアンカーピン82bと、を併用する例を示しているが、ジオグリッド82a及びアンカーピン82bを省略したり、或いは、杭81を省略しても良い。
本実施形態によれば、上記の第2の実施形態と同様の効果が得られる他、以下の効果が得られる。
すなわち、擁壁20を構築する工程は、相互に隣接する複数の段構造体21を貫通する杭81設ける工程を有するので、段構造体21どうしの連結強度を向上し、擁壁20の構造的な安定性を向上することができる。
これにより、上記のだるま落とし現象の発生をより確実に抑制することができる。
また、防護構造は、平坦な界面24に配置されたジオグリッド82aを有するので、24において相互に隣接する段構造体21どうしの位置ずれを抑制することができる。よって、擁壁20の安定性を更に向上することができる。
〔第4の実施形態〕
図7は第4の実施形態に係る落下物の防護構造の側断面図である。
本実施形態に係る落下物の防護構造は、以下に説明する点で、上記の第3の実施形態に係る落下物の防護構造と相違し、その他の点では、上記の第3の実施形態に係る落下物の防護構造と同様に構成されている。
なお、図7においては、ジオグリッド82a及びアンカーピン82bを示していないが、本実施形態でも、第3の実施形態と同様に、ジオグリッド82a及びアンカーピン82bを設けても良いし、ジオグリッド82a及びアンカーピン82bは省略しても良い。
本実施形態の場合、杭81の頭部81bが間隙22に位置するように、杭81が設けられている。
本実施形態に係る落下物の防護構造の構築工法では、擁壁20を構築する工程は、相互に隣接する複数の段構造体21を貫通する杭81を設ける工程を有し、杭81は、棒状の本体部81aと、本体部81aよりも大径で本体部81aの上端に形成された頭部81bと、を有している。
擁壁20を構築する工程では、一のセル集合体60と他のセル集合体60とを相互に前後にオフセットして配置することにより、一のセル集合体60の第1セル群63と、一のセル集合体60の第2セル群64と、他のセル集合体60の第1セル群63と、他のセル集合体60の第2セル群64と、の交差部に間隙22を形成する。
そして、杭81を設ける工程では、杭81の頭部81bが間隙22に配置されるように、杭81を設ける。
なお、本実施形態に係る落下物の防護構造の構築工法は、その他の点については、上記の第3の実施形態に係る落下物の防護構造の構築工法と同様である。
以上のような第4の実施形態によれば、上記の第3の実施形態と同様の効果が得られる他、以下の効果が得られる。
すなわち、本実施形態の場合、杭81の頭部81bが間隙22に配置された構造を実現できるため、擁壁20内における空隙を抑制し、擁壁20の安定性をより向上することができる。
〔第5の実施形態〕
図8は第5の実施形態に係る落下物の防護構造の側断面図である。
本実施形態に係る落下物の防護構造は、以下に説明する点で、上記の第1乃至第4の実施形態に係る落下物の防護構造と相違し、その他の点では、上記の第1乃至第4の実施形態に係る落下物の防護構造と同様に構成されている。
本実施形態の場合、擁壁20の受撃面25は、第1部分25aと、第1部分25aよりも急勾配で且つ第1部分25aよりも上方に位置する第2部分25bと、を含んでいる。すなわち、受撃面25が、下部(第1部分25a)よりも上部(第2部分25b)が急勾配となっている。
第1部分25aの勾配は、例えば、上記の第1の実施形態における受撃面25の勾配と同様に、直壁から1:1.0の範囲とすることができる。
一方、第2部分25bの勾配は、1:1.0よりも急勾配である。
一例として、第1部分25aの勾配は1:0.3とし、第2部分25bの勾配は1:0.1とすることができる。
ここで、第1部分25aと第2部分25bとの上下寸法比(高さ寸法比)は特に限定されないが、例えば、第2部分25bは、擁壁20全体の上下寸法(高さ寸法)の1/3以上とすることができる。
本実施形態に係る落下物の防護構造の構築工法は、擁壁20を構築する工程において、擁壁20の受撃面25が、第1部分25aと、第1部分25aよりも急勾配で且つ第1部分25aよりも上方に位置する第2部分25bと、を含むように擁壁20を構築する点で、上記の第1乃至第4の実施形態に係る落下物の防護構造の構築工法と相違し、その他の点では、上記の第1乃至第4の実施形態に係る落下物の防護構造の構築工法と同様である。
具体的には、本実施形態の場合、第1部分25aを構築するときの各段の段構造体21のセットバック量(オフセット量)よりも、第2部分25bを構築するときの各段の段構造体21のセットバック量を小さくする。
これにより、図8に示す落下物の防護構造が得られる。
本実施形態によれば、擁壁20の受撃面25が、第1部分25aと、第1部分25aよりも急勾配で且つ第1部分25aよりも上方に位置する第2部分25bと、を含む構造とすることができる。
これにより、擁壁20と衝突して運動の方向が上向きに変わった落下物を第2部分25bによって止めることができるため、落下物が受撃面25を駆け上がって乗り越えてしまうことをより確実に抑制することができる。
〔第6の実施形態〕
図9は第6の実施形態に係る落下物の防護構造の側断面図である。
図13は第6の実施形態の変形例に係る落下物の防護構造の側断面図である。
本実施形態に係る落下物の防護構造は、以下に説明する点で、上記の第5の実施形態に係る落下物の防護構造と相違し、その他の点では、上記の第5の実施形態に係る落下物の防護構造と同様に構成されている。
本実施形態の場合、第2部分25bの少なくとも一部分は、鉛直面(つまり直壁)となっている。図9及び図13の例では、第2部分25bの全体が鉛直面となっている。
なお、裏込め材30は、擁壁20において前面が第1部分25aとなっている部分と、コンクリート構造物10の受撃面15との間の部分では、当該裏込め材30の下部から上部に向けて、奥行き寸法が徐々に狭くなっている。
図9の例では、各段の段構造体21は、図2に示す構造のセル集合体60を用い構成されている。より具体的には、例えば、各段の段構造体21は、図2に示す構造のセル集合体60を前後2列に配置し、各セル集合体60の各セル61に中詰材70を充填することにより構成されている。
ただし、図13に示す変形例の構造のように、各段の段構造体21は、図4に示す構造のセル集合体60を用いて構成することもできる。
本実施形態に係る落下物の防護構造の構築工法は、擁壁20を構築する工程において、第2部分25bの少なくとも一部分が鉛直面となるように擁壁20を構築する点で、上記の第5の実施形態に係る落下物の防護構造の構築工法と相違し、その他の点では、上記の第5の実施形態に係る落下物の防護構造の構築工法と同様である。
具体的には、本実施形態の場合、第2部分25bを構築するときには、各段の段構造体21を鉛直に積層する。
これにより、図9又は図13に示す落下物の防護構造が得られる。
本実施形態によれば、擁壁20の受撃面25の第2部分25bの少なくとも一部分が鉛直面となっている構造とすることができる。
これにより、擁壁20と衝突して運動の方向が上向きに変わった落下物を第2部分25bによってより確実に止めることができるため、落下物が受撃面25を駆け上がって乗り越えてしまうことをより確実に抑制することができる。
〔第7の実施形態〕
図10は第7の実施形態に係る落下物の防護構造の側断面図である。
本実施形態に係る落下物の防護構造は、以下に説明する点で、上記の第6の実施形態に係る落下物の防護構造と相違し、その他の点では、上記の第6の実施形態に係る落下物の防護構造と同様に構成されている。
本実施形態の場合、第2部分25bの少なくとも一部分は、オーバーハングした状態となっている。具体的には、例えば、第2部分25bの全体が、オーバーハングした状態のオーバーハング部となっている。
なお、裏込め材30は、擁壁20において前面が第2部分25bとなっている部分と、コンクリート構造物10の受撃面15との間の部分では、当該裏込め材30の上部に向けて、奥行き寸法が徐々に広がっている。
第2部分25b(オーバーハング部)の勾配は、特に限定されないが、例えば、1:0.1から1:0.3の逆勾配とすることができる。
一例として、第1部分25aの勾配を1:0.3とし、第2部分25bの勾配を1:0.3の逆勾配とすることができる。
本実施形態に係る落下物の防護構造の構築工法は、擁壁20を構築する工程において、第2部分25bの少なくとも一部分がオーバーハングした状態となるように擁壁20を構築する点で、上記の第6の実施形態に係る落下物の防護構造の構築工法と相違し、その他の点では、上記の第6の実施形態に係る落下物の防護構造の構築工法と同様である。
具体的には、本実施形態の場合、オーバーハング部である第2部分25bを形成するときには、以下に詳述するようにして、各段の段構造体21を積層する。
図11(a)〜(e)は第7の実施形態に係る落下物の防護構造の構築工法を説明するための一連の工程図である。
オーバーハング部である第2部分25bを形成する際には、図11(a)に示される網部材91を用いる。
網部材91は、第1網状部91aと、第2網状部91bとを有している。
第1網状部91aは、平板状の網状体からなる。
第2網状部91bは、平板状又は曲面状の網状体からなる。
第2網状部91bは、第1網状部91aの一端部(図11(a)における左端部)に連接されている。すなわち、第1網状部91aと第2網状部91bとは相互に一体的に形成されている。
第1網状部91aと第2網状部91bとは、互いに交差している。例えば、第1網状部91aと第2網状部91bの双方が平板状の場合、図9(a)に示すように第1網状部91aと第2網状部91bとが相互に直交した構造とすることができる。
網部材91は、例えば、その全体が、鋼製の網(金網)からなる。
なお、第1網状部91aの前後方向の寸法(図10における矢印A方向及びB方向における寸法)は、同方向におけるセル61二個分程度あれば良い。
図11(e)において、段構造体(第1の段構造体)21aは、オーバーハング部である第2部分25bの直下に位置する段構造体21であり、段構造体(第2の段構造体)21bは、段構造体21aの上側に隣接する段構造体21である。
本実施形態の場合、擁壁を構築する工程では、段構造体21aよりも段構造体21bが部分的に前方に迫り出した状態となるように、段構造体21aの上に段構造体21bを積層することにより、第2部分25bの少なくとも一部分をオーバーハングした状態とする。
更には、段構造体21bの上に積層される段構造体21も、順次、下側に隣接する段構造体21よりも部分的に前方に迫り出した状態となるように、各段構造体21を積層することにより、複数段の段構造体21からなるオーバーハング部を形成することができる。
以下、図11(a)から(e)の順に工程を説明する。
先ず、図11(a)に示すように、段構造体21aまでを施工する。なお、段構造体21aを構成するセル集合体60は、セル集合体60aである。
次に、図11(a)及び(b)に示すように、段構造体21aの施工を終えた後、第1網状部91aが段構造体21aよりも部分的に前方に迫り出すとともに第2網状部91bが第1網状部91aの前端より起立した状態となるように、網部材90を段構造体21aの上に配置する。ここで、網部材90を仮止め杭により段構造体21aに対して仮固定することが好ましい。仮止め杭としては、例えば、上記のアンカーピン82bと同様のものを用いることができる。
次に、図11(b)及び(c)に示すように、網状体91よりも目の細かい不織布又は織布92を第1網状部91aの上面から第2網状部91bの背面に亘って配置する。
不織布又は織布92は、網状体91において段構造体21aよりも前方に迫り出した部分から充填物(後述するコンクリート又はモルタル93、或いは、中詰材70)がこぼれ落ちるのを抑制するためのものである。
次に、図11(c)及び(d)に示すように、段構造体21bを構成するセル集合体60bの前部が、不織布又は織布92を間に挟んで網部材91に沿って位置するように、セル集合体60bを段構造体20aの上に配置する。
次に、図11(e)に示すように、段構造体21bを構成するセル集合体60bの前部に、中詰材70の一部を構成するコンクリート又はモルタル93を充填する。
なお、コンクリート又はモルタル93は、セル集合体60bの前側の2列程度の各セル61に充填し、且つ、これらセル61の高さの半分程度の深さまで充填する。
その後、セル集合体60bの上端まで、上記の各実施形態と同様の中詰材70を充填する。
これにより、段構造体21bが形成される。
以後、同様に、下段の段構造体21よりも上段の段構造体21が部分的に前方に迫り出した状態となるように、順次に段構造体21を積層することにより、複数段の段構造体21からなるオーバーハング部(第2部分25b)を形成することができる。
これにより、図10に示す落下物の防護構造が得られる。
図10に示す防護構造において、擁壁20は、平板状の網状体からなる第1網状部91aと、第1網状部91aの一端部に連接されているとともに第1網状部91aに対して交差している網状体からなる第2網状部91bと、を有する網部材91と、網状体91よりも目の細かい不織布又は織布92と、を含んでいる。
第1網状部91aは、段構造体(第1の段構造体)21aと段構造体(第2の段構造体)21bとの間に介装され、且つ、第1段構造体よりも部分的に前方に迫り出している。
第2網状部91bは、第1網状部91aの前端より起立しているとともに第2の段構造体の前面に沿って配置されている。
不織布又は織布92は、第1網状部91aの上面から第2網状部91bの背面に亘って配置されている。
そして、第2の段構造体を構成するセル集合体60の前部には中詰材70の一部を構成するコンクリート又はモルタル93が充填されている。
なお、図10の例では、各段の段構造体21は、図2に示す構造のセル集合体60を用い構成されている。より具体的には、例えば、各段の段構造体21は、図2に示す構造のセル集合体60を前後2列に配置し、各セル集合体60の各セル61に中詰材70を充填することにより構成されている。
一方、図14は第7の実施形態の変形例に係る落下物の防護構造の側断面図である。
図14に示す変形例の構造のように、各段の段構造体21は、図4に示す構造のセル集合体60を用いて構成することもできる。
本実施形態によれば、擁壁20の受撃面25の第2部分25bの少なくとも一部分がオーバーハングした構造とすることができる。
これにより、擁壁20と衝突して運動の方向が上向きに変わった落下物を第2部分25bによってより確実に止めることができるため、落下物が受撃面25を駆け上がって乗り越えてしまうことをより確実に抑制することができる。
〔第8の実施形態〕
図12は第8の実施形態に係る落下物の防護構造の側断面図である。
本実施形態に係る落下物の防護構造は、以下に説明する点で、上記の第7の実施形態に係る落下物の防護構造と相違し、その他の点では、上記の第7の実施形態に係る落下物の防護構造と同様に構成されている。
本実施形態の場合、第2部分25bの一部分がオーバーハングした状態となっている。具体的には、例えば、第2部分25bの下部は鉛直面である直壁部251aとなっていて、第2部分25bの上部はオーバーハングした状態のオーバーハング部251bとなっている。
なお、裏込め材30は、擁壁20において前面がオーバーハング部251bとなっている部分と、コンクリート構造物10の受撃面15との間の部分では、当該裏込め材30の上部に向けて、奥行き寸法が徐々に広がっている。
オーバーハング部251bの勾配は、上記の第7の実施形態における第2部分25bの勾配と同様である。
本実施形態に係る落下物の防護構造の構築工法は、直壁部251aの上端部を形成するまでの工程は、上記の第6の実施形態と同様である。
その後は、上記の第7の実施形態において第2部分25b(オーバーハング部)を形成する工程と同様に、オーバーハング部251bを形成する。
これにより、図12に示す落下物の防護構造が得られる。
本実施形態によっても、上記の第7の実施形態と同様の効果が得られる。
なお、擁壁20は、その受撃面25は、オーバーハング部251bと第1部分25aとの間に直壁構造の直壁部251aを有する構造であるため、擁壁20をより安定的な構造とすることができる。
〔第9の実施形態〕
図15は第9の実施形態に係る落下物の防護構造の側断面図である。
本実施形態に係る落下物の防護構造は、以下に説明する点で、上記の第2乃至第4の実施形態に係る落下物の防護構造と相違し、その他の点では、上記の第2乃至第4の実施形態に係る落下物の防護構造と同様に構成されている。
上記の第2乃至第4の実施形態では、各段の段構造体21が、図4に示す構造のセル集合体60を一列分だけ有する例を説明した。
これに対し、本実施形態の場合、各段の段構造体21は、図4に示す構造のセル集合体60を二列分(前側に一列と後側に一列で合計二列)有する。
本実施形態に係る落下物の防護構造の構築工法は、各段の段構造体21を形成する際に、セル集合体60を前後2列に配置し、2列のセル集合体60の各セル61に中詰材70を充填する点で、上記の第2乃至第4の実施形態と相違し、その他の点では、上記の第2乃至第4の実施形態と同様である。
本実施形態によれば、上記の第2乃至第4の実施形態と同様の効果が得られる他、界面23において凹凸が繰り返される構造となるため、上記のだるま落とし現象の発生をより確実に抑制することができるという効果が得られる。
〔第10の実施形態〕
図16は第10の実施形態に係る落下物の防護構造の側断面図である。
本実施形態に係る落下物の防護構造は、以下に説明する点で、上記の第1乃至第9の実施形態に係る落下物の防護構造と相違し、その他の点では、上記の第1乃至第9の実施形態に係る落下物の防護構造と同様に構成されている。
本実施形態では、既設のコンクリート構造物10では高さが不足する場合に、コンクリート構造物10を嵩上げコンクリート11により嵩上げした上で、擁壁20が形成されている。
嵩上げコンクリート11は、少なくともコンクリート構造物10の上面を覆うように形成されている。
好ましくは、コンクリート構造物10と嵩上げコンクリート11とを合わせたコンクリート構造物のトータルの奥行き寸法が、コンクリート構造物10の奥行き寸法よりも大きくなるように、嵩上げコンクリート11が形成されている。この場合、具体的には、例えば、コンクリート構造物10の上面及び受撃面15を覆うように嵩上げコンクリート11が形成されている。
本実施形態に係る落下物の防護構造の構築工法は、既設のコンクリート構造物10では高さが不足する場合に、コンクリート構造物10を上記の嵩上げコンクリート11により嵩上げした上で、擁壁20を形成する点で、上記の第1乃至第9の実施形態と相違し、その他の点では、上記の第1乃至第9の実施形態と同様である。
以上のような第10の実施形態によれば、上記の各実施形態と同様の効果が得られる他、以下の効果が得られる。
すなわち、既設のコンクリート構造物10では高さが不足する場合に、コンクリート構造物10を上記の嵩上げコンクリート11により嵩上げした上で、擁壁20を形成するので、既設のコンクリート構造物10の高さでは落下物を堰き止めることができない場合においても、落下物を堰き止めることができる。
〔第11の実施形態〕
図17は第11の実施形態に係る落下物の防護構造の側断面図である。
本実施形態に係る落下物の防護構造は、以下に説明する点で、上記の第1乃至第10の実施形態に係る落下物の防護構造と相違し、その他の点では、上記の第1乃至第10の実施形態に係る落下物の防護構造と同様に構成されている。
上記の各実施形態では、擁壁20の背面の勾配が、少なくとも擁壁20の下部においてはコンクリート構造物10の受撃面15の勾配と整合していない例を示した。
これに対し、本実施形態の場合、擁壁20の背面の勾配が、コンクリート構造物10の受撃面15の勾配と整合している。すなわち、擁壁20の背面の勾配は、コンクリート構造物10の受撃面15の勾配と同じ勾配(ただし逆勾配)となっている。
この場合、裏込め材30は省略しても良い。ただし、段構造体21の背面は、受撃面15と近接を繰り返す波形形状となっており、部分的に受撃面15と段構造体21の背面との間には、少なくとも部分的に間隙が生じている。このため、この間隙に裏込め材30を充填しても良い。
本実施形態の場合、上記の各実施形態1ないし10と同様の効果が得られる他、以下の効果が得られる。
すなわち、擁壁20の背面の勾配が、コンクリート構造物10の受撃面15の勾配と整合しているので、擁壁20背面がより直接的にコンクリート構造物10により支えられた構造となるので、擁壁20の安定性がより向上する。
次に、図18乃至図23を参照して、セル集合体60の構成例と、セル集合体60の積層構造の例を説明する。
図18(a)に示すセル集合体60は、図4に示す構造のセル集合体60である。このセル集合体60は、図19(a)に示すように積層することによって直壁構造を構成したり、図20(a)に示すように積層することによって法面勾配を形成したりすることができる。
このセル集合体60は、第1セル群63及び第2セル群64がそれぞれ一列に配置された複数のセル61からなり、且つ、第1セル群63と第2セル群64との間に一列の第3セル群65(図4参照)を有している。
一方、図18(b)に示すセル集合体60は、第1セル群63及び第2セル群64がそれぞれ二列に配置された複数のセル61からなる点で、図18(a)に示すセル集合体60と相違する。なお、図18(b)のセル集合体60の第1セル群63における二列のセル61の間には、図18(b)では図示されないもう1列の複数のセル61が配置されている。同様に、図18(b)のセル集合体60の第2セル群64における二列のセル61の間には、図18(b)では図示されないもう1列の複数のセル61が配置されている。
図18(b)に示すセル集合体60は、図19(b)に示すように積層することによって直壁構造を構成したり、図20(b)に示すように積層することによって法面勾配を形成したりすることができる。
図21(a)に示すセル構造体60は、第1セル群63を構成する各セル61の上下寸法(高さ寸法)と、第2セル群64を構成する各セル61の上下寸法とが互いに等しい点で、図18(a)に示すセル集合体60と相違している。
すなわち、図21(a)に示すセル構造体60は、第1の高さに配置された複数のセル61からなる第1セル群63と、第1の高さとは異なる第2の高さに配置された複数のセル61からなる第2セル群64と、を相互に隣接した配置で備えている。
図21(a)に示すセル構造体60は、図22(a)に示すように積層することによって直壁構造を構成したり、図23(a)に示すように積層することによって法面勾配を形成したりすることができる。
図21(a)に示すセル構造体60を用いて擁壁20を構築する場合、図22(a)及び図23(a)に示すように、一のセル集合体60の第1セル群63の上に他のセル集合体60の第1セル群63又は第2セル群64のうちの一方が位置するとともに、一のセル集合体60の第2セル群64の上に他のセル集合体60の第1セル群63又は2セル群64の他方が位置するように、セル集合体60を積層する。
一方、図21(b)に示すセル集合体60は、第1セル群63及び第2セル群64がそれぞれ二列に配置された複数のセル61からなる点で、図21(a)に示すセル集合体60と相違する。なお、図21(b)のセル集合体60の第1セル群63における二列のセル61の間には、図21(b)では図示されないもう1列の複数のセル61が配置されている。同様に、図21(b)のセル集合体60の第2セル群64における二列のセル61の間には、図21(b)では図示されないもう1列の複数のセル61が配置されている。
図21(b)に示すセル集合体60は、図22(b)に示すように積層することによって直壁構造を構成したり、図23(b)に示すように積層することによって法面勾配を形成したりすることができる。
なお、図21(b)に示すセル構造体60を用いて擁壁20を構築する場合も、一のセル集合体60の第1セル群63の上に他のセル集合体60の第1セル群63又は第2セル群64のうちの一方が位置するとともに、一のセル集合体60の第2セル群64の上に他のセル集合体60の第1セル群63又は2セル群64の他方が位置するように、セル集合体60を積層する。
なお、上記の各形態においては、裏込め材30の少なくとも下部では、裏込め材30の上部に向けて裏込め材30の奥行き寸法が狭くなっている例を説明した。ただし、防護構造の下端から上端に亘って受撃面15の傾斜が受撃面25の傾斜よりも緩い場合などにおいて、裏込め材30の下端から上端に向けて、裏込め材30の奥行き寸法が徐々に広がっていても良い。
6(6a、6b、6c、6d) ストリップ材
10 コンクリート構造物
11 嵩上げコンクリート構造物
15 受撃面
20 擁壁
21 段構造体
21a 第1の段構造体
21b 第2の段構造体
22 間隙
23 界面
23a 高段部
23b 低段部
24 界面
25 受撃面
25a 第1部分
25b 第2部分
251a 直壁部
251b オーバーハング部
30 裏込め材
40 基礎部
60(60a、60b) セル集合体
61 セル
62 接合部
63 第1セル群
64 第2セル群
65 第3セル群
67 孔
70 中詰材
81 杭(棒状補強材)
81a 本体部
81b 頭部
82a ジオグリッド
82b アンカーピン
91 網部材
91a 第1網状部
91b 第2網状部
92 不織布又は織布
93 コンクリート又はモルタル

Claims (13)

  1. 段構造体を複数段に積層することによって、コンクリート構造物の受撃面に沿って擁壁を構築する工程を備え、
    各段の前記段構造体は、各々の上部が開口していてハニカム状に配列され且つ互いに一体化された可撓性の複数のセルからなるセル集合体と、前記セル集合体の各セル内に充填された中詰材と、を有し、
    前記擁壁を構築する工程では、
    前記擁壁の受撃面が、第1部分と、前記第1部分よりも急勾配で且つ前記第1部分よりも上方に位置する第2部分と、を含むように、且つ、前記第2部分の少なくとも一部分がオーバーハングした状態となるように、前記擁壁を構築し、
    第1の前記段構造体よりも第2の前記段構造体が部分的に前方に迫り出した状態となるように、前記第1の段構造体の上に前記第2の段構造体を積層することにより、前記第2部分の少なくとも一部分をオーバーハングした状態とし、
    且つ、
    前記第1の段構造体を形成する工程と、
    平板状の網状体からなる第1網状部と、前記第1網状部の一端部に連接されているとともに前記第1網状部に対して交差している網状体からなる第2網状部と、を有する網部材を配置する工程であって、前記第1網状部が前記第1の段構造体よりも部分的に前方に迫り出すとともに前記第2網状部が前記第1網状部の前端より起立した状態で前記網部材を前記第1の段構造体の上に配置する工程と、
    前記網状体よりも目の細かい不織布又は織布を前記第1網状部の上面から前記第2網状部の背面に亘って配置する工程と、
    前記第2の段構造体を構成する前記セル集合体の前部が前記不織布又は織布を間に挟んで前記網部材に沿って位置するように、前記第2の段構造体を構成する前記セル集合体を前記第1の段構造体の上に配置する工程と、
    前記第2の段構造体を構成する前記セル集合体の前部に前記中詰材の一部を構成するコンクリート又はモルタルを充填する工程と、
    をこの順に行う落下物の防護構造の構築工法。
  2. 前記擁壁を構築する工程では、前記第2部分の少なくとも一部分が鉛直面となるように、前記擁壁を構築する請求項に記載の落下物の防護構造の構築工法。
  3. 前記擁壁を構築する工程では、上下に隣接する前記段構造体どうしの界面のうち、少なくとも1つの界面が、高段部と、前記高段部に対して前記コンクリート構造物側に隣接していて前記高段部よりも低段に位置する低段部と、を有するように、前記擁壁を構築する請求項1又は2に記載の落下物の防護構造の構築工法。
  4. 前記セル集合体は、
    第1の上下寸法を有し且つ互いに同じ高さに配置された複数の前記セルからなる第1セル群と、
    前記第1の上下寸法よりも短い第2の上下寸法を有し且つ互いに同じ高さに配置された複数の前記セルからなる第2セル群と、
    を相互に隣接した配置で備え、
    前記擁壁を構築する工程では、
    一の前記セル集合体の前記第1セル群の上に他の前記セル集合体の前記第2セル群が位置するとともに、前記一のセル集合体の前記第2セル群の上に前記他のセル集合体の前記第1セル群が位置するように、前記セル集合体を交互に天地を逆転させて積層する請求項に記載の落下物の防護構造の構築工法。
  5. 前記セル集合体は、
    第1の高さに配置された複数の前記セルからなる第1セル群と、
    前記第1の高さとは異なる第2の高さに配置された複数の前記セルからなる第2セル群と、
    を相互に隣接した配置で備え、
    前記擁壁を構築する工程では、
    一の前記セル集合体の前記第1セル群の上に他の前記セル集合体の前記第1セル群又は前記第2セル群のうちの一方が位置するとともに、前記一のセル集合体の前記第2セル群の上に前記他のセル集合体の前記第1セル群又は前記2セル群の他方が位置するように、前記セル集合体を積層する請求項に記載の落下物の防護構造の構築工法。
  6. 前記擁壁を構築する工程は、
    相互に隣接する複数の前記段構造体を貫通する棒状補強材を設ける工程を有する請求項1乃至の何れか一項に記載の落下物の防護構造の構築工法。
  7. 段構造体を複数段に積層することによって、コンクリート構造物の受撃面に沿って擁壁を構築する工程を備え、
    各段の前記段構造体は、各々の上部が開口していてハニカム状に配列され且つ互いに一体化された可撓性の複数のセルからなるセル集合体と、前記セル集合体の各セル内に充填された中詰材と、を有し、
    前記擁壁を構築する工程では、上下に隣接する前記段構造体どうしの界面のうち、少なくとも1つの界面が、高段部と、前記高段部に対して前記コンクリート構造物側に隣接していて前記高段部よりも低段に位置する低段部と、を有するように、前記擁壁を構築し、
    前記セル集合体は、
    第1の上下寸法を有し且つ互いに同じ高さに配置された複数の前記セルからなる第1セル群と、
    前記第1の上下寸法よりも短い第2の上下寸法を有し且つ互いに同じ高さに配置された複数の前記セルからなる第2セル群と、
    を相互に隣接した配置で備え、
    前記擁壁を構築する工程では、
    一の前記セル集合体の前記第1セル群の上に他の前記セル集合体の前記第2セル群が位置するとともに、前記一のセル集合体の前記第2セル群の上に前記他のセル集合体の前記第1セル群が位置するように、前記セル集合体を交互に天地を逆転させて積層し、
    さらに、前記擁壁を構築する工程は、相互に隣接する複数の前記段構造体を貫通する棒状補強材を設ける工程を有し、
    前記棒状補強材は、
    棒状の本体部と、
    前記本体部よりも大径で前記本体部の上端に形成された頭部と、
    を有し、
    前記擁壁を構築する工程では、
    前記一のセル集合体と前記他のセル集合体とを相互に前後にオフセットして配置することにより、前記一のセル集合体の前記第1セル群と、前記一のセル集合体の前記第2セル群と、前記他のセル集合体の前記第1セル群と、前記他のセル集合体の前記第2セル群と、の交差部に間隙を形成し、
    前記棒状補強材を設ける工程では、前記棒状補強材の前記頭部が前記間隙に配置されるように、前記棒状補強材を設ける落下物の防護構造の構築工法。
  8. 段構造体を複数段に積層することによって、コンクリート構造物の受撃面に沿って擁壁を構築する工程を備え、
    各段の前記段構造体は、各々の上部が開口していてハニカム状に配列され且つ互いに一体化された可撓性の複数のセルからなるセル集合体と、前記セル集合体の各セル内に充填された中詰材と、を有し、
    前記擁壁を構築する工程では、上下に隣接する前記段構造体どうしの界面のうち、少なくとも1つの界面が、高段部と、前記高段部に対して前記コンクリート構造物側に隣接していて前記高段部よりも低段に位置する低段部と、を有するように、前記擁壁を構築し、
    前記セル集合体は、
    第1の高さに配置された複数の前記セルからなる第1セル群と、
    前記第1の高さとは異なる第2の高さに配置された複数の前記セルからなる第2セル群と、
    を相互に隣接した配置で備え、
    前記擁壁を構築する工程では、
    一の前記セル集合体の前記第1セル群の上に他の前記セル集合体の前記第1セル群又は前記第2セル群のうちの一方が位置するとともに、前記一のセル集合体の前記第2セル群の上に前記他のセル集合体の前記第1セル群又は前記2セル群の他方が位置するように、前記セル集合体を積層し、
    さらに、前記擁壁を構築する工程は、相互に隣接する複数の前記段構造体を貫通する棒状補強材を設ける工程を有し、
    前記棒状補強材は、
    棒状の本体部と、
    前記本体部よりも大径で前記本体部の上端に形成された頭部と、
    を有し、
    前記擁壁を構築する工程では、
    前記一のセル集合体と前記他のセル集合体とを相互に前後にオフセットして配置することにより、前記一のセル集合体の前記第1セル群と、前記一のセル集合体の前記第2セル群と、前記他のセル集合体の前記第1セル群と、前記他のセル集合体の前記第2セル群と、の交差部に間隙を形成し、
    前記棒状補強材を設ける工程では、前記棒状補強材の前記頭部が前記間隙に配置されるように、前記棒状補強材を設ける落下物の防護構造の構築工法。
  9. 前記コンクリート構造物の受撃面と前記擁壁との間に、砕石、砂又は現地発生土からなる充填材を充填する工程を備える請求項1乃至の何れか一項に記載の落下物の防護構造の構築工法。
  10. 前記コンクリート構造物は、既設のものである請求項1乃至の何れか一項に記載の落下物の防護構造の構築工法。
  11. コンクリート構造物と、
    前記コンクリート構造物の受撃面に沿って構築された擁壁と、
    を備え、
    前記擁壁は、複数段に積層された段構造体を有し、
    各段の前記段構造体は、各々の上部が開口していてハニカム状に配列され且つ互いに一体化された可撓性の複数のセルからなるセル集合体と、前記セル集合体の各セル内に充填された中詰材と、を有し、
    前記擁壁の受撃面は、第1部分と、前記第1部分よりも急勾配で且つ前記第1部分よりも上方に位置する第2部分と、を含んでおり、かつ、前記第2部分の少なくとも一部分がオーバーハングした状態となっており、
    第1の前記段構造体よりも第2の前記段構造体が部分的に前方に迫り出した状態となるように、前記第1の段構造体の上に前記第2の段構造体を積層することにより、前記第2部分の少なくとも一部分がオーバーハングした状態になっており、
    平板状の網状体からなる第1網状部と、前記第1網状部の一端部に連接されているとともに前記第1網状部に対して交差している網状体からなる第2網状部と、を有する網部材が、前記第1網状部が前記第1の段構造体よりも部分的に前方に迫り出すとともに前記第2網状部が前記第1網状部の前端より起立した状態で前記第1の段構造体の上に配置されており、
    前記網状体よりも目の細かい不織布又は織布が前記第1網状部の上面から前記第2網状部の背面に亘って配置されており、
    前記第2の段構造体を構成する前記セル集合体の前部が前記不織布又は織布を間に挟んで前記網部材に沿って位置するように、前記第2の段構造体を構成する前記セル集合体が前記第1の段構造体の上に配置されており、
    前記第2の段構造体を構成する前記セル集合体の前部に前記中詰材の一部を構成するコンクリート又はモルタルが充填されている、落下物の防護構造。
  12. コンクリート構造物と、
    前記コンクリート構造物の受撃面に沿って構築された擁壁と、
    を備え、
    前記擁壁は、複数段に積層された段構造体を有し、
    各段の前記段構造体は、各々の上部が開口していてハニカム状に配列され且つ互いに一体化された可撓性の複数のセルからなるセル集合体と、前記セル集合体の各セル内に充填された中詰材と、を有し、
    上下に隣接する前記段構造体どうしの界面のうち、少なくとも1つの界面が、高段部と、前記高段部に対して前記コンクリート構造物側に隣接していて前記高段部よりも低段に位置する低段部と、を有しており、
    前記セル集合体では、
    第1の上下寸法を有し且つ互いに同じ高さに配置された複数の前記セルからなる第1セル群と、
    前記第1の上下寸法よりも短い第2の上下寸法を有し且つ互いに同じ高さに配置された複数の前記セルからなる第2セル群と、
    が相互に隣接した配置になっており、
    一の前記セル集合体の前記第1セル群の上に他の前記セル集合体の前記第2セル群が位置するとともに、前記一のセル集合体の前記第2セル群の上に前記他のセル集合体の前記第1セル群が位置するように、前記セル集合体が交互に天地を逆転させて積層されており、
    さらに、相互に隣接する複数の前記段構造体を貫通する棒状補強材を有しており、
    前記棒状補強材は、
    棒状の本体部と、
    前記本体部よりも大径で前記本体部の上端に形成された頭部と、
    を有し、
    前記一のセル集合体と前記他のセル集合体とが相互に前後にオフセットして配置されることにより、前記一のセル集合体の前記第1セル群と、前記一のセル集合体の前記第2セル群と、前記他のセル集合体の前記第1セル群と、前記他のセル集合体の前記第2セル群と、の交差部には間隙が形成されており、
    前記棒状補強材の前記頭部が前記間隙に配置されている落下物の防護構造。
  13. コンクリート構造物と、
    前記コンクリート構造物の受撃面に沿って構築された擁壁と、
    を備え、
    前記擁壁は、複数段に積層された段構造体を有し、
    各段の前記段構造体は、各々の上部が開口していてハニカム状に配列され且つ互いに一体化された可撓性の複数のセルからなるセル集合体と、前記セル集合体の各セル内に充填された中詰材と、を有し、
    上下に隣接する前記段構造体どうしの界面のうち、少なくとも1つの界面が、高段部と、前記高段部に対して前記コンクリート構造物側に隣接していて前記高段部よりも低段に位置する低段部と、を有しており、
    前記セル集合体では、
    第1の高さに配置された複数の前記セルからなる第1セル群と、
    前記第1の高さとは異なる第2の高さに配置された複数の前記セルからなる第2セル群と、
    が相互に隣接した配置になっており、
    一の前記セル集合体の前記第1セル群の上に他の前記セル集合体の前記第1セル群又は前記第2セル群のうちの一方が位置するとともに、前記一のセル集合体の前記第2セル群の上に前記他のセル集合体の前記第1セル群又は前記2セル群の他方が位置しており、
    さらに、相互に隣接する複数の前記段構造体を貫通する棒状補強材を有しており、
    前記棒状補強材は、
    棒状の本体部と、
    前記本体部よりも大径で前記本体部の上端に形成された頭部と、
    を有し、
    前記一のセル集合体と前記他のセル集合体とが相互に前後にオフセットして配置されることにより、前記一のセル集合体の前記第1セル群と、前記一のセル集合体の前記第2セル群と、前記他のセル集合体の前記第1セル群と、前記他のセル集合体の前記第2セル群と、の交差部には間隙が形成されており、
    前記棒状補強材の前記頭部が前記間隙に配置されている落下物の防護構造。
JP2014157560A 2014-08-01 2014-08-01 落下物の防護構造の構築工法、及び落下物の防護構造 Active JP6397684B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014157560A JP6397684B2 (ja) 2014-08-01 2014-08-01 落下物の防護構造の構築工法、及び落下物の防護構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014157560A JP6397684B2 (ja) 2014-08-01 2014-08-01 落下物の防護構造の構築工法、及び落下物の防護構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016035147A JP2016035147A (ja) 2016-03-17
JP6397684B2 true JP6397684B2 (ja) 2018-09-26

Family

ID=55523170

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014157560A Active JP6397684B2 (ja) 2014-08-01 2014-08-01 落下物の防護構造の構築工法、及び落下物の防護構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6397684B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6917641B2 (ja) * 2019-04-11 2021-08-11 株式会社ジオベクトル 補強土壁工法
CN110578336B (zh) * 2019-07-31 2024-06-28 浙江交工集团股份有限公司 一种锚栓装配式柱板式可绿化挡墙

Family Cites Families (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS51152228U (ja) * 1976-05-06 1976-12-04
JPS5629368Y2 (ja) * 1978-08-21 1981-07-13
JPH02128016A (ja) * 1988-11-07 1990-05-16 Kajima Corp 石積擁壁
JPH06146307A (ja) * 1992-11-11 1994-05-27 Jio Syst:Kk 建設構造物の施工方法
FR2860529B1 (fr) * 2003-10-03 2006-12-15 France Gabion Ouvrage de genie civil, element individuel de construction et procede de renforcement d'un tel ouvrage
JP4782648B2 (ja) * 2006-09-22 2011-09-28 東京インキ株式会社 擁壁
JP5052872B2 (ja) * 2006-12-01 2012-10-17 東京インキ株式会社 擁壁の構築方法
JP4562745B2 (ja) * 2007-03-13 2010-10-13 株式会社箱型擁壁研究所 擁壁及びその構築方法
JP5007140B2 (ja) * 2007-03-30 2012-08-22 東京インキ株式会社 ハニカム構造体構築用支持具
JP2008274609A (ja) * 2007-04-27 2008-11-13 Jsp Corp 傾斜地拡幅構造物
US7993080B2 (en) * 2007-09-27 2011-08-09 Prs Mediterranean Ltd. Earthquake resistant earth retention system using geocells
JP5312263B2 (ja) * 2009-08-26 2013-10-09 東京インキ株式会社 防護堤及びその施工方法
JP2013241745A (ja) * 2012-05-18 2013-12-05 Railway Technical Research Institute 盛土補強土壁工法による耐震性防潮堤防の構築方法
JP6418712B2 (ja) * 2014-07-31 2018-11-07 東京インキ株式会社 ハニカム構造体及びハニカム擁壁

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016035147A (ja) 2016-03-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4782648B2 (ja) 擁壁
JP5921857B2 (ja) ハニカム状3次元立体セル構造体を上下に積層した法面保護構造体
JP5779734B1 (ja) 衝撃吸収体
JP5204462B2 (ja) 落石防護施設
JP4932748B2 (ja) 河床防護構造体
JP6397684B2 (ja) 落下物の防護構造の構築工法、及び落下物の防護構造
JP2010203114A (ja) 大型土のうと抑止杭を併用した土留工法及びその土留構造物
JP5105320B2 (ja) 防護面構造
JPWO2007046142A1 (ja) 擁壁盛土構造体
JP5312263B2 (ja) 防護堤及びその施工方法
JP5743610B2 (ja) 防護堤、防護堤の施工方法、及び防護堤の設計方法
US20140363236A1 (en) Reinforced arch with floating footer and method of constructing same
US20120132876A1 (en) Guard surface structure
JP5868352B2 (ja) 法面に道路を敷設する方法
KR102116085B1 (ko) 환경친화적 옹벽구조물
JP5427463B2 (ja) 防護用堤体および防護用堤体の構築方法
JP4675304B2 (ja) 落石・雪崩防護構造物とその施工方法
JP5931001B2 (ja) 擁壁及びその構築方法
JP5105321B2 (ja) 防護面構造
JP6001182B2 (ja) 衝撃吸収用堤体
JP4890639B1 (ja) 防護面構造
JP6917641B2 (ja) 補強土壁工法
JP5948665B2 (ja) 重力式桟橋構造物
KR102376019B1 (ko) 파형 강판 벽체
JP5215806B2 (ja) 防護堤施工方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170413

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180117

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180213

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180327

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180821

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180903

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6397684

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250