JP4562745B2 - 擁壁及びその構築方法 - Google Patents

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本発明は、ブロックを各種斜面に沿って順次後退させながら積み上げて構築する擁壁、及びその構築方法に関する。
擁壁の中には、本出願人が既に開示した図10に示す従来例1の擁壁80のように、斜面8の手前側に起立する表面板83と、該表面板83の後方に離間して起立する控板84と、表面板83と控板84とを連結した繋ぎ板85とを含む擁壁用ブロック82を左右に複数並べ、表面板83の背面から斜面8まで間の各空所Sに、充填材89を充填することによって一の段81を構成し、該段81を下から上へ順次後退させながら複数段に積み上げて構築したものがある(特許文献1)。
また、その他、ブロックを斜面に沿って後退させながら積み上げて構築する擁壁ではなく、よって、本発明に関する技術分野とは多少異なるが、ブロックを垂直に積み上げて構築する擁壁の中には、図11(a)に示す従来例2の擁壁90のように、左右に並べられた複数の主ブロック92のそれぞれの斜め後に副ブロック96を配し、各2つの隣り合う主ブロック92の後端部に各1つの副ブロック96の前端部を嵌合させることによって、該擁壁90の強度を強化したものもある(特許文献2)。
特開平6−341150号公報 特開昭51−64708号公報
従来例1において、擁壁80を構築するにあたっては、該擁壁80の背面に加わる斜面8からの土圧Pの大きさが、該擁壁80が充分耐え得る土圧Pの大きさ(すなわち、擁壁80の強度)の範囲内に納まるように設計しなければならない。その土圧Pの大きさは、斜面8の勾配及び土質条件等によって左右され、粘着力が同じなら、勾配が急な程、土圧Pは大きくなり、反対に、勾配が緩やかな程、土圧Pは小さくなる。一方、勾配が同じなら、粘着力が高い程、地盤が安定するため土圧Pは小さくなり、反対に、粘着力が低い程、地盤が不安定になるため土圧Pは大きくなる。そのため、該擁壁80の強度が同じなら、粘着力が高い程、擁壁用ブロック82の積勾配y/xを急にすることができ、反対に、粘着力が低い程、該積勾配y/xは必然的に緩やかになってしまう。ところが、該積勾配y/xを緩やかにすることは、該擁壁80を構築する際の前後への用地幅の増大に繋がるため好ましくなく、該用地幅に制限がある場合等には、特に問題となる。
そこで、斜面の土の粘着力が各大きさの場合において、擁壁用ブロックの積勾配を急にして用地幅を小さく抑えることができるように、擁壁の強度を強化することを目的とする。
なお、従来例2の擁壁90においては、副ブロック96があるため、ない場合に比べて、擁壁90の強度は強化されているが、ここでは、次のような問題がある。すなわち、該擁壁90は、図11(a)に示すように、主ブロック92を左右に直線的に並べる場合は、特に問題はないが、図11(b)に示すように、該主ブロック92の列を外側(主ブロック92の後端部どうしの間隔が広がる方向)、又は図11(c)に示すように、内側(上記間隔が狭まる方向)に曲げて並べようとした場合には、各2つの主ブロック92の後端部どうしの角度及び間隔が変わるため、主ブロック92に副ブロック96を嵌合させることができなくなってしまう。
上記目的を達成するため、本発明の擁壁は、次の(i)擁壁なっている。なお、(ii)の擁壁は参考形態である。
(i)斜面の手前側に起立する表面板と、該表面板の後方に離間して起立する前記表面板よりも左右方向の長さが短い控板と、前記表面板の左右中間部と前記控板の左右中間部とを左右に間隔をおいて2ヶ所で連結した一対の繋ぎ板とによって上下に開口する箱型に構成された擁壁用ブロックが、前記表面板どうしを左右に隣接させて複数並べられ、各1つの擁壁用ブロックの後方には、互いに前後に離間して並行して起立する前記表面板よりも左右方向の長さが短い一対の横板と、前記一対の横板の左右中間部どうしを左右に間隔をおいて2ヶ所で連結した一対の縦板とによって上下に開口する箱型に構成された各1つの補助ブロックが配され、左右に並ぶ前記擁壁用ブロックどうしも、左右に並ぶ前記補助ブロックどうしも連結されることなく、前記一対の横板のうちの前側の横板が、前記控板の背面に当接した状態で該控板にボルト及びナットのみで連結されることによって、前記擁壁用ブロックと前記補助ブロックとが一対一で連結され、前記表面板の背面から前記斜面までの間の各空所に、充填材が充填されることによって一の段が構成され、該段が下から上へ順次後退しながら複数段に積み上げられて構築された擁壁。
ここで、前記一対の横板は、特に限定されないが、互いに左右方向の長さが異なり、該一対の横板には、前記控板に前記ボルト及びナットを介して連結されるための連結孔がそれぞれ貫設され、該一対の横板のうちの一方が択一的に前側に配されて前記控板に前記連結されていることが好ましい。
そして、左右の擁壁用ブロックが中央の擁壁用ブロックの真横にくるように並べられる直線部及び左右の擁壁用ブロックが中央の擁壁用ブロックよりも前方にくるように曲げて並べられる外曲部では、前記補助ブロックが、短い方の横板を前側、長い方の横板を後側にして配され、左右の擁壁用ブロックが中央の擁壁用ブロックよりも後方にくるように曲げて並べられる内曲部では、前記補助ブロックが、長い方の横板を前側、短い方の横板を後側にして配されていることが好ましい。
このようにすれば、擁壁用ブロックを略直線的又は外側に曲げて並べる場合には、短い方の横板を控板に連結することによって、長い方の横板を後方に離間して配して、充填材から比較的強い拘束力が得られる一方、擁壁用ブロックを内側に曲げて並べる場合には、長い方の横板を控板に連結することによって、短い方の横板を後方に離間して配して、隣り合う補助ブロックの後端部どうしの緩衝を回避することができるからである。
(ii)斜面の手前側に起立する表面板と、該表面板の後方に離間して起立する前記表面板よりも左右方向の長さが短い控板と、前記表面板の左右中間部と前記控板の左右中間部とを左右に間隔をおいて2ヶ所で連結した一対の繋ぎ板とによって上下に開口する箱型に構成された擁壁用ブロックが、前記表面板どうしを左右に隣接させて複数並べられ、前記擁壁用ブロックの後方には、前記斜面又はその近辺の現地土砂が、前後に延びる網状体の後部を内部に取り込みつつセメント系の固化材によって固められてなる補強体が配され、前記網状体の前部が前記控板に巻き付けられることによって、前記擁壁用ブロックと前記補強体とが前後に間隔をおいて連結され、前記表面板の背面から前記斜面までの間の各空所に、充填材が充填されることによって一の段が構成され、該段が下から上へ順次後退しながら複数段に積み上げられて構築された擁壁。
また、以上に示した擁壁と同目的を達成するため、本発明の擁壁の構築方法は、次の(i)方法なっている。なお、(ii)の方法は参考形態である。
(i)斜面の手前側に起立する表面板と、該表面板の後方に離間して起立する前記表面板よりも左右方向の長さが短い控板と、前記表面板の左右中間部と前記控板の左右中間部とを左右に間隔をおいて2ヶ所で連結した一対の繋ぎ板とによって上下に開口する箱型に構成された擁壁用ブロックを、前記表面板どうしを左右に隣接させて複数並べるとともに、各1つの擁壁用ブロックの後方には、互いに前後に離間して並行して起立する前記表面板よりも左右方向の長さが短い一対の横板と、前記一対の横板の左右中間部どうしを左右に間隔をおいて2ヶ所で連結した一対の縦板とによって上下に開口する箱型に構成された各1つの補助ブロックを配し、左右に並ぶ擁壁用ブロックどうしも、左右に並ぶ補助ブロックどうしも連結することなく、前記一対の横板のうちの前側の横板を、前記控板の背面に当接させた状態で該控板にボルト及びナットのみで連結することによって、前記擁壁用ブロックと前記補助ブロックとを一対一で連結し、前記表面板の背面から前記斜面までの間の各空所に、充填材を充填することによって一の段を構成し、該段を下から上へ順次後退させながら複数段に積み上げて擁壁を構築する擁壁の構築方法。
ここで、前記一対の横板は、特に限定されないが、互いに左右方向の長さが異なり、該一対の横板には、前記控板に前記ボルト及びナットを介して連結するための連結孔をそれぞれ貫設し、該一対の横板のうちの一方を択一的に前側に配して前記控板に前記連結することが好ましい。
そして、左右の擁壁用ブロックが中央の擁壁用ブロックの真横にくるように並べる直線部及び左右の擁壁用ブロックが中央の擁壁用ブロックよりも前方にくるように曲げて並べる外曲部では、前記補助ブロックを、短い方の横板を前側、長い方の横板を後側にして配し、左右の擁壁用ブロックが中央の擁壁用ブロックよりも後方にくるように曲げて並べる内曲部では、前記補助ブロックを、長い方の横板を前側、短い方の横板を後側にして配することが好ましい。
その理由は、上記(i)の擁壁の場合と同様である。
(ii)斜面の手前側に起立する表面板と、該表面板の後方に離間して起立する前記表面板よりも左右方向の長さが短い控板と、前記表面板の左右中間部と前記控板の左右中間部とを左右に間隔をおいて2ヶ所で連結した一対の繋ぎ板とによって上下に開口する箱型に構成された擁壁用ブロックを、前記表面板どうしを左右に隣接させて複数並べるとともに、前記擁壁用ブロックの後方には、前記斜面又はその近辺の現地土砂を、前後に延びる網状体の後部を内部に取り込みつつセメント系の固化材によって固めてなる補強体を配し、前記網状体の前部を前記控板に巻き付けることによって、前記擁壁用ブロックと前記補強体とを前後に間隔をおいて連結し、前記表面板の背面から前記斜面までの間の各空所に、充填材を充填することによって一の段を構成し、該段を下から上へ順次後退させながら複数段に積み上げて擁壁を構築する擁壁の構築方法。
本発明によれば、擁壁用ブロックに、補助ブロックを連結することによって擁壁の強度を強化することができる。また、更に、本発明によれば、例え仮に、擁壁用ブロックの列を外側又は内側に曲げて並べようとした場合にも、擁壁用ブロックと補助ブロックとを一対一で連結するため、従来例2の主ブロックと副ブロックとの場合とは違い、それら連結に支障がでることはない。
本発明の擁壁9,59では、擁壁用ブロック21が、その前端に位置する表面板22どうしを左右に隣接させて複数並べられている。その擁壁用ブロック21は、斜面8の手前側に起立する表面板22と、該表面板22の後方に離間して起立する、表面板22よりも左右方向の長さが短い控板24と、表面板22の左右中間部と控板24の左右中間部とを左右に間隔をおいて2ヶ所で連結した一対の繋ぎ板26とによって、上下に開口する箱型に構成されている。その擁壁用ブロック21の後方には、次の補助ブロック31及び補強体51のうちのいずれか一方が配されて、該擁壁用ブロック21に対して連結されている。
すなわち、補助ブロック31は、互いに前後に離間して並行して起立する、表面板22よりも左右方向の長さが短い一対の横板32,34と、該一対の横板32,34の左右中間部どうしを左右に間隔をおいて2ヶ所で連結した一対の縦板36,36とによって上下に開口する箱型に構成されている。この補助ブロック31は、一対の横板32,34のうちの前側の横板が、控板24の背面に当接した状態で該控板24に連結されることによって、擁壁用ブロック21に対して一対一で連結される。
一方、補強体51は、斜面8又はその近辺の現地土砂が、前後に延びる網状体である連結用ネット59の後部を内部に取り込みつつセメント系の固化材によって固められることにより形成されている。この補強体51は、連結用ネット59の前部が控板24に巻き付けられることによって、擁壁用ブロック21に対して前後に間隔をおいて連結される。
以上に示したいずれの場合においても、表面板22の背面から斜面8までの間の各空所Sに、充填材41が充填されることによって一の擁壁段20又は擁壁段50が構成され、該擁壁段が下から上へ順次後退しながら複数段に積み上げられることによって、本発明の擁壁9又は擁壁49が構築されている。
本実施例1の図1〜図3に示す擁壁9は、略水平に延びる底面7と、該底面7から斜め上方に傾斜して延びる斜面8とからなる現場地盤6に対して設置されている。この擁壁9は、その高さが10m以上になる場合を主に想定したものである。なお、以下(実施例1,2)に挙げる寸法は例示であり、適宜変更できる。
擁壁9は、底面7に構築された基礎10と、該基礎10の上方に斜面8に沿って下から上へ順次後退しながら複数段に積み上げられた擁壁段20とを含み構成されている。
基礎10は、底面7に左右に細長く掘削された溝11と、該溝11に敷き詰められた小石状の基礎材12と、該基礎材12を包み込んだ基礎用ネット13とから構成されている。
溝11は、基礎材12を充填するためのもので、前後の幅が、上端部(開口部)で1500〜2000mm、下端部(底部)で1000〜2000mmとなっており、深さが200〜500mmとなっている。
基礎材12は、その上方に配される擁壁段20の充填材41と噛み合うことで、擁壁段20を現場地盤6に固定するためのものである。該基礎材12としては、ここでは、30〜40mmの範囲内の大きさの砕石(いわゆる3号の単粒度砕石)が使用されている。
基礎用ネット13は、基礎材12が流出しないように一塊に包み込むための網状体であり、ジオグリッドが用いられている。この基礎用ネット13の網目の大きさは、基礎材12が突出可能な、よって、該網目を通して基礎材12がその上方に配された充填材41と噛み合い得る大きさとなっている。詳しくは、該網目の大きさは、基礎材12の平均的な大きさ(約35mm)の約40%にあたる、約14mmとなっている。
擁壁段20は、基礎10の前部の上面に沿って左右に列をなすように複数並べられた擁壁用ブロック21と、基礎10の後部の上面に沿って左右に列をなすように、各擁壁用ブロック21の後方に一つずつ配され、該擁壁用ブロック21に対して一対一で連結された複数の補助ブロック31と、擁壁用ブロック21の前端部に位置する表面板22の背面と斜面8との間の各空所Sに充填された充填材41とを含み構成されている。各擁壁段20は、図2(a)に示すように、擁壁用ブロック21が略直線的に並べられた直線部20aと、図2(b)に示すように、外側(左右に連なる2つの擁壁用ブロック21の後端部どうしの間隔が広がる方向)に曲げて並べられた外曲部20bと、図2(c)に示すように、内側(上記間隔が狭まる方向)に曲げて並べられた内曲部20cとのうちのいずれか1つ、又は2つ以上の組合せにより構成されている。
擁壁用ブロック21は、斜面8の手前側に起立する表面板22と、該表面板22の後方に離間して起立する控板24と、表面板22の左右中間部と控板24の左右中間部とを左右に間隔をおいて2ヶ所で連結した一対の繋ぎ板26,26とが、コンクリートで一体的にプレキャストされることによって、上下に開口した箱型に形成されている。この擁壁用ブロック21は、重さが約1300kgであって、前後の長さが約1250mmとなっている。
表面板22は、左右の長さが約2000mm、上下の高さが約1000mm、前後の厚さが約120mmの長方形板であり、その表面には、例えば石垣模様、溝模様等の模様が設けられている。この表面板22の左右両端は、繋ぎ板26との連結部から突出しており、その突出した左右両端の上下両端には、凹部23が形成されている。各擁壁用ブロック21は、これら表面板22どうしが左右に隣接するように並べられており、各表面板22どうしの相互間には、凹部23によってスリットDが形成されている。
控板24は、表面板22の後方に該表面板22との間に約1010mmの間隔をおいて設けられた、左右の長さが約1860mm、上下の高さが約500mm、前後の厚さが約120mmの長方形板であって、その左右両端は、繋ぎ板26,26との連結部から左右に突出している。この控板24には、その背後に配される補助ブロック31に連結金具39を介して連結されるための連結孔25が貫設されている。
繋ぎ板26,26は、左右に間隔をおいて並設された一対の板であって、その寸法は双方とも略等しく、前後の長さが約1010mm、上下の高さが約500mm、左右の厚さが約100mmとなっている。但し、この繋ぎ板26の前側には、拡張部27が上方に突出形成されており、該前側での高さは、該拡張部27によって約900mmに増加されている。
補助ブロック31は、互いに前後に離間して並行して起立する、表面板22よりも左右方向の長さが短い一対の横板32,34と、該一対の横板32,34の左右中間部どうしを左右に間隔をおいて2ヶ所で連結した一対の縦板36,36とが、コンクリートで一体的にプレキャストされることによって、上下に開口した箱型に形成されている。この補助ブロック31は、前後の長さが650〜2050mmの複数種類のものが存在し、該複数種類のものの中から、構築する擁壁9の積勾配及び斜面8の土質条件等の各条件に最も適した一種類が選定され使用されている。次には、前後の長さが約1450mm、重さが約850kgのものが選定され使用された場合を示している。
横板32,34は、左右に約1210mmの間隔をおいて並設された、互いに左右の長さが異なる一対の板であり、短い方の横板32の左右の長さは、約1620mmとなっており、長い方の横板34の左右の長さは、約1840mmとなっている。これら両横板32,34の上下の高さ及び前後の厚さは、互いに略等しく、上下の高さは、約500mm、前後の厚さは、約120mmとなっている。これら両横板32,34の左右両端は、それぞれ縦板36,36との連結部から左右に突出している。また、これら両横板32,34には、控板24に連結金具39を介して連結されるための連結孔33,35がそれぞれ貫設されている。
縦板36,36は、左右に約1010mmの間隔をおいて並設された一対の板であって、その寸法は双方とも略等しく、前後の長さが約1210mm、上下の高さが約500mm、左右の厚さが約100mmとなっている。この縦板36には、該補助ブロック31を現場に設置する際にロープ等を通して吊るための吊り孔37が貫設されている。
以上に示した補助ブロック31は、各擁壁段20の直線部20a及び外曲部20bでは、短い方の横板32を前側、長い方の横板34を後側にして配され、該短い方の横板32が、その前面を控板24の背面に当接させた状態で、該控板24に連結金具39によって連結されている。一方、各擁壁段20の内曲部20cでは、長い方の横板34を前側、短い方の横板32を後側にして配され、該長い方の横板34が、その前面を控板24の背面に当接させた状態で、該控板24に連結金具39によって連結されている。連結金具39は、ボルトとナットとからなり、該ボルトが、互いに合わせられて連通した控板24の連結孔25とその後方に隣接して配された横板32又は34の連結孔33又は35との両孔に挿通された後、両側からナットで止められることによって、擁壁用ブロック21と補助ブロック31とが連結されている。
充填材41は、その上下に配された充填材41又は基礎材12と噛み合うことで、擁壁段20を現場地盤6に固定するためのものである。該充填材41としては、ここでは、基礎材12と同じ、30〜40mmの範囲内の大きさの砕石(いわゆる3号の単粒度砕石)が使用されている。
以上に示した擁壁9を構築する際の手順を、(基礎の構築)→(擁壁用ブロック及び補助ブロックの設置)→(擁壁用ブロックと補助ブロックとの連結)→(充填材の充填)の順に以下に詳述する。
(基礎の構築)
底面7に溝11を、左右に細長く掘削する。そして、その溝11に基礎用ネット13を、その両端が溝11の前後に余るように敷き、基礎用ネット13の上に基礎材12を載せた後、余らせておいた基礎用ネット13の両端を充填材41の上に巻いて巻き端とし、該巻き端どうしを締結部材、熱融着部材等により結合し基礎10とする。
(擁壁用ブロック及び補助ブロックの設置)
図3に示すように、基礎10の後部の上に、補助ブロック31を、左右に一列に並べた後、基礎10の前部の上に、擁壁用ブロック21を、表面板22どうしが左右に隙間なく隣接して連なるように一列に並べる。このとき、各1つの擁壁用ブロック21の後方に、各1つの補助ブロック31がくるようにする。また、補助ブロック31は、直線部20a及び外曲部20bでは、短い方の横板32を前側、長い方の横板34を後側にして置き、内曲部20cでは、長い方の横板34を前側、短い方の横板32を後側にして置くようにする。
(擁壁用ブロックと補助ブロックとの連結)
前側に配された方の横板32又は34の前面と控板24の背面とを、横板側の連結孔33又は35と控板側の連結孔25との両孔を合わせて連通させた状態で当接させた後、該連通した両孔に連結金具39のボルトを挿通させてその両側をナットで止めることによって、擁壁用ブロック21と補助ブロック31とを連結する。
(充填材の充填)
表面板22の背面から斜面8までの間の各空所Sに、充填材41を充填し、擁壁用ブロック21を現場地盤6に対して固定する。
このようにして構築した最下段の擁壁段20の斜め後上方に、上段の擁壁段20を上記と同様に構築し、その繰り返しで擁壁段20を斜面8に沿って斜め後上方に後退させながら積み重ねていくことにより、擁壁段20を複数段に渡って構築する。但し、該最下段よりも上段に構築する擁壁段20の構築過程においては、基礎10を構築することはなく、その過程では、基礎10の代わりに、下段に位置する擁壁段20の充填材41の上に、擁壁用ブロック21及び補助ブロック31を並べる。
本実施例1では、擁壁用ブロック21に補助ブロック31が連結されることによって、擁壁9の強度が強化されている。そのため、擁壁9が耐え得る背後の斜面8からの土圧は、該補助ブロック31がない場合に比べて大きくなっている。よって、該擁壁9の強度との関係上、最大限許容することができる擁壁用ブロック21の積勾配(以下、最大許容積勾配とする。)も、該補助ブロック31がない場合に比べて大きくなっている。そのため、該大きくなった最大許容積勾配以下の範囲内で、擁壁用ブロック21の積勾配を大きくすることによって、擁壁9を構築する際の前後の用地幅を小さく抑えることができる。
次の図4(a)〜(c)に示す比較例1,2及び実施例1には、前述の最大許容積勾配が補助ブロック31を連結することや斜面8の土質条件によって変化する様子を示している。すなわち、まず、図4(a)に示す比較例1には、斜面8の土質条件が、粘着力C=0t/m、せん断抵抗角φ=30°密度γ=1.9t/mの状況下、擁壁用ブロック21に補助ブロック31を連結せずに、該擁壁用ブロック21のみを8段、その最大許容積勾配y/x=1.70で積み上げていった際の様子を示している。これに対し図4(b)に示す比較例2には、比較例1の状態から斜面8の土の粘着力CのみをC=0.5t/mに変えて擁壁用ブロック21を8段、その最大許容積勾配y/x=3.08で積み上げていった際の様子を示しており、図4(c)に示す実施例1には、同じく比較例1の状態から、擁壁用ブロック21に補助ブロック31を連結することのみを変えて、該擁壁用ブロック21を8段、その最大許容積勾配y/x=3.33で積み上げていった際の様子を示している。これら三者の比較は、斜面8の土の粘着力Cが上がれば最大許容積勾配y/xが上がること、及び例え該粘着力Cが低いままでも、擁壁用ブロック21に補助ブロック31を連結して擁壁の強度を強化すれば同様に最大許容積勾配y/xが上がることを示している。そのため、目的の積勾配に設計するにあたって、斜面8に粘着力が不足している場合には、該擁壁用ブロック21に補助ブロック31を連結して擁壁の強度を強化することによって対処できることが分かる。
なお、このように補助ブロック31によって強化される擁壁の強度の大きさは、該補助ブロック31の前後の長さによって決まり、該長さが長くなる程大きくなる。よって、複数種類ある補助ブロック31の中から、必要とする強度に対応した前後の長さのブロックを選定して使用することによって、不必要なまでに大きいブロックを設置することもなく、擁壁の強度を必要な分だけ過不足なく補うこともできる。図5には、擁壁用ブロック21と補助ブロック31との前後の長さを合計した控長Lと、それらのブロックを8段積み上げる際の最大許容積勾配の逆数x/yとの関係を、斜面の土の粘着力CがC=0〜0.5の各場合において示している。この図5からは、控長Lを長くすれば、粘着力C=0〜0.5の各場合において、最大許容積勾配の逆数x/yが小さくなること、すなわち、擁壁を構築する際に必要とする前後の用地幅が小さくなることが分かる。
また、本実施例1では、擁壁用ブロック21と補助ブロック31とが一対一で連結されているため、擁壁用ブロック21の列を外側に曲げて並べた外曲部20b、及び内側に曲げて並べた内曲部20cのいずれにおいても、従来例2の主ブロックと副ブロックとの場合とは違い、これら擁壁用ブロック21と補助ブロック31との連結に支障がでることはない。また、更に、擁壁段20の直線部20a及び外曲部20bでは、短い方の横板32が控板24に連結されることによって、長い方の横板34が後方に離間して配されて充填材41から比較的強い拘束力が得られている一方、内曲部20cでは、長い方の横板34が控板24に連結されることによって、短い方の横板32が後方に離間して配され、隣り合う補助ブロック31の後端部どうしの緩衝が回避されている。
また、擁壁用ブロック21としては、基本設計を変えることなく従来品通りのものを使うこともでき、そうすることによって、コスト及び労力の削減に繋げることもできる。
本実施例2は参考例である。その本実施例2の図6〜図8に示す擁壁49は、実施例1と略同様であるが、この擁壁49は、その高さが10m以下になる場合を主に想定したものである点が相違し、詳しくは、擁壁用ブロック21の後方には、補助ブロック31の代わりに、補強体51が設けられている点で、実施例1のものと相違している。以下には実施例1との違いのみを説明する。
補強体51は、斜面8及びその近辺の現地土砂が、前後に延びる網状体である連結用ネット59の後部及び排水管52の長さ方向中間部を内部に取り込みつつセメント系の固化材によって固められることによって形成され、該連結用ネット59の前部が控板24に巻き付けられることによって、擁壁用ブロック21と補強体51とが前後に間隔をおいて連結されている。
この補強体51は、左右に延びる擁壁用ブロック21の列の後方に、該列に沿って左右に延びる形で設けられている。この補強体51の形状及び寸法と、該補強体51と擁壁用ブロック21との間の間隔とは、該補強体51が現場で製造される関係上、自由に設定可能であり、それらは、構築する擁壁49の積勾配及び斜面8の土質条件等の各条件に適したものとなるように設定されている。ここでは、それらの中でも、次に示す形状・寸法・間隔に設定された場合の補強体51を示している。すなわち、該補強体51は、左右から見た側面視で台形の形状をしており、その下底部分の前後の長さは約1000mmとなっており、上底部分の前後の長さそれよりも短く、上下の高さは約1000mmとなっている。そして、この補強体51の前端と擁壁用ブロック21の控板24の背面との間の間隔は、約150mmとなっている。
連結用ネット59は、柔軟な網状のソフトジオグリッドであって、その網目の大きさは、充填材41及び基礎材12が突出可能な、よって、該網目を通して上下の充填材41どうし又は上下の基礎材12と充填材41とが噛み合い得る大きさとなっており、詳しくは、該網目の大きさは、充填材41の平均的な大きさ(約35mm)の約40%にあたる、約14mmとなっている。この連結用ネット59は、その上下に配された充填材41どうし又は充填材41と基礎材12とが噛み合うことによって拘束されている。
排水管52は、補強体51の背後に流れ込んだ雨水をそのブロックの前方へ流す前後に延びる管であって、補強体51を前後に貫通している。この排水管52の寸法は、その内径が約120mm、長さが約1000mmとなっている。
以上に示した補強体51が配された各擁壁段50は、図7(a)に示すように、擁壁用ブロック21が略直線的に並べられた直線部50aと、図7(b)に示すように、外側(左右に連なる2つの擁壁用ブロック21の後端部どうしの間隔が広がる方向)に曲げて並べられた外曲部50bと、図7(c)に示すように、内側(上記間隔が狭まる方向)に曲げて並べられた内曲部50cとのうちのいずれか一つ、又は2つ以上の組合せによって構成されている。
充填材41は、実施例1と同じく、表面板22の背面から斜面8までの間の各空所Sに充填されており、その中でも、補強体51の背面と斜面8との間に充填された充填材41は、補強体51の背後に雨水を溜まり難くする排水処理材としての役割も担っている。すなわち、該補強体51の背後に流れ込んだ雨水は、該排水処理材としての小石状の充填材41の各相互間の空隙を通り抜けた後、排水管52を通って補強体51の前方に流れ出る仕組みとなっている。
以上に示した擁壁49を構築する際の手順を、(基礎の構築)→(擁壁用ブロック及び補強体の設置)→(擁壁用ブロックと補強体との連結)→(充填材の充填)の順に以下に詳述する。
(基礎の構築)
実施例1と同様に、基礎10を構築する。
(擁壁用ブロック及び補助ブロックの設置)
斜面8及びその近辺の現地土砂を、前後に延びる連結用ネット59の後部及び前後に延びる排水管52の長さ方向中間部を内部に取り込みつつセメント系の固化材によって固めることによって、基礎10の後部の上に左右に延びる補強体51を構築する。その後、基礎10の前部の上に、擁壁用ブロック21を、表面板22どうしが左右に隙間なく隣接して連なるように一列に並べる。このとき、まず、連結用ネット59を補強体51の前端からまっすぐ前方へ突出するように延ばして置き、そのネットの上に擁壁用ブロック21の控板24を載せるようにする。
(擁壁用ブロックと補強体との連結)
連結用ネット59の先部を上方へ折り曲げた後、後方へ折り返して控板24に巻き、その巻き端としての該ネットの先端を巻き始め部分に締結部材、熱融着部材等により結合することによって、補強体51を擁壁用ブロック21に連結する。
(充填材の充填)
連結用ネット59の擁壁用ブロック21と補強体51との相互間に位置する部分の上に、該部分が埋まる程度に充填材41を被せた後、該充填材41を約250mm毎にランマ−等の締め固め機で転圧して、該連結用ネット59を拘束する。その後は、実施例1と同様に、各空所Sに充填材41を充填し、擁壁用ブロック21を現場地盤6に固定する。
このようにして構築した最下段の擁壁段50の斜め後上方に、上段の擁壁段50を上記と同様に構築し、その繰り返しで擁壁段50を斜面8に沿って斜め後上方に後退させながら積み重ねていくことにより、擁壁段50を複数段に渡って構築する。但し、ここでも、該最下段よりも上段に構築する擁壁段50の構築過程においては、基礎10を構築することはなく、その過程では、基礎10の代わりに、下段に位置する擁壁段50の充填材41の上に、擁壁用ブロック21及び補強体51を設置する。
本実施例2によれば、擁壁用ブロック21に補強体51が連結されているため、擁壁49の強度が該補強体51によって強化されているのに加え、連結用ネット59が充填材41に拘束されることによっても、該強度が強化されている。なお、このように補強体51等によって強化される擁壁49の強度の大きさは、該補強体51の寸法と、該補強体51と擁壁用ブロック21との間の間隔とによってそれぞれ左右され、該寸法及び該間隔が大きくなる程、それぞれ大きくなる。その点、本実施例2では、該寸法及び間隔を、自由に設定可能となっているため、それら寸法及び間隔を、必要とする強度に対応した大きさに設定することによって、不必要なまでに該寸法及び該間隔を大きくすることもなく、擁壁49の強度を必要な分だけ過不足なく補うこともできる。
また、本実施例2では、擁壁用ブロック21と補強体51とが、上記のように連結用ネット59を介してに連結されているため、擁壁用ブロック21の列を外側に曲げて並べた外曲部50b、及び内側に曲げて並べた内曲部50cのいずれにおいても、従来例2の主ブロックと副ブロックとの場合とは違い、これら擁壁用ブロック21と補強体51との連結に支障がでることはない。
また、本実施例2では、補強体51は、現場の土砂を原料に現場で製造されているため、該補強体51又はその原料を外部から現場に運び入れる手間が軽減されている。
また、擁壁用ブロック21としては、実施例1と同様、基本設計を変えることなく従来品通りのものを使うこともでき、そうすることによって、コスト及び労力の削減に繋げることもできる。
なお、本発明は上記実施例1,2に限定されるものではなく、発明の趣旨から逸脱しない範囲で適宜変更して具体化することもでき、例えば、実施例2において、左右に延びる補強体51の代わりに、図9に示すように、各1つの擁壁用ブロック21の後方に各一つのブロック状の補強体61をそれぞれ配し、該補強体61を擁壁用ブロック21に対して一対一で連結してもよい。
本発明の実施例1の擁壁を示す斜視図である。 同実施例1の擁壁段において、(a)は直線部を示す平面図、(b)は外曲部を示す平面図、(c)は内曲部を示す平面図である。 同実施例1において、擁壁を構築する際の様子を示す斜視図である。 比較例1,2及び実施例1の擁壁の様子を示す側面断面図である。 ブロックの控長と最大許容積勾配の逆数との関係を示すグラフである。 本発明の実施例2の擁壁を示す斜視図である。 同実施例2の擁壁段において、(a)は直線部を示す平面図、(b)は外曲部を示す平面図、(c)は内曲部を示す平面図である。 同実施例2の擁壁を示す側面断面図である。 同従来例2の変更例を示す平面図である。 従来例1の擁壁を示す(a)は側面断面図、(b)は平面断面図である。 従来例2の擁壁段において、(a)は直線部を示す平面図、(b)は外曲部を示す平面図、(c)は内曲部を示す平面図である。
符号の説明
8 斜面
9 擁壁
20 擁壁段(段)
21 擁壁用ブロック
22 表面板
24 控板
26 繋ぎ板
31 補助ブロック
32 短い方の横板
34 長い方の横板
36 縦板
41 充填材
49 擁壁
50 擁壁段(段)
51 補強体
59 連結用ネット(網状体)
S 空所

Claims (6)

  1. 斜面(8)の手前側に起立する表面板(22)と、該表面板(22)の後方に離間して起立する前記表面板(22)よりも左右方向の長さが短い控板(24)と、前記表面板(22)の左右中間部と前記控板(24)の左右中間部とを左右に間隔をおいて2ヶ所で連結した一対の繋ぎ板(26)とによって上下に開口する箱型に構成された擁壁用ブロック(21)が、前記表面板(22)どうしを左右に隣接させて複数並べられ、
    各1つの擁壁用ブロック(21)の後方には、互いに前後に離間して並行して起立する前記表面板よりも左右方向の長さが短い一対の横板(32,34)と、前記一対の横板(32,34)の左右中間部どうしを左右に間隔をおいて2ヶ所で連結した一対の縦板(36,36)とによって上下に開口する箱型に構成された各1つの補助ブロック(31)が配され、
    左右に並ぶ前記擁壁用ブロック(21)どうしも、左右に並ぶ前記補助ブロック(31)どうしも連結されることなく、前記一対の横板(32,34)のうちの前側の横板が、前記控板(24)の背面に当接した状態で該控板(24)にボルト及びナット(39)のみで連結されることによって、前記擁壁用ブロック(21)と前記補助ブロック(31)とが一対一で連結され、
    前記表面板(22)の背面から前記斜面(8)までの間の各空所(S)に、充填材(41)が充填されることによって一の段が構成され、該段が下から上へ順次後退しながら複数段に積み上げられて構築された擁壁。
  2. 前記一対の横板(32,34)は、互いに左右方向の長さが異なり、該一対の横板(32,34)には、前記控板(24)に前記ボルト及びナット(39)を介して連結されるための連結孔(33,35)がそれぞれ貫設され、
    該一対の横板(32,34)のうちの一方が択一的に前側に配されて前記控板(24)に前記連結された請求項1記載の擁壁。
  3. 左右の擁壁用ブロック(21)が中央の擁壁用ブロック(21)の真横にくるように並べられる直線部(20a)及び左右の擁壁用ブロック(21)が中央の擁壁用ブロック(21)よりも前方にくるように曲げて並べられる外曲部(20b)では、前記補助ブロック(31)が、短い方の横板(32)を前側、長い方の横板(34)を後側にして配され、
    左右の擁壁用ブロック(21)が中央の擁壁用ブロック(21)よりも後方にくるように曲げて並べられる内曲部(20c)では、前記補助ブロック(31)が、長い方の横板(34)を前側、短い方の横板(32)を後側にして配された請求項2記載の擁壁。
  4. 斜面の手前側(8)に起立する表面板(22)と、該表面板(22)の後方に離間して起立する前記表面板(22)よりも左右方向の長さが短い控板(24)と、前記表面板(22)の左右中間部と前記控板(24)の左右中間部とを左右に間隔をおいて2ヶ所で連結した一対の繋ぎ板(26)とによって上下に開口する箱型に構成された擁壁用ブロック(21)を、前記表面板(22)どうしを左右に隣接させて複数並べるとともに、
    各1つの擁壁用ブロック(21)の後方には、互いに前後に離間して並行して起立する前記表面板よりも左右方向の長さが短い一対の横板(32,34)と、前記一対の横板(32,34)の左右中間部どうしを左右に間隔をおいて2ヶ所で連結した一対の縦板(36,36)とによって上下に開口する箱型に構成された各1つの補助ブロック(31)を配し、
    左右に並ぶ擁壁用ブロック(21)どうしも、左右に並ぶ補助ブロック(31)どうしも連結することなく、前記一対の横板(32,34)のうちの前側の横板を、前記控板(24)の背面に当接させた状態で該控板(24)にボルト及びナット(39)のみで連結することによって、前記擁壁用ブロック(21)と前記補助ブロック(31)とを一対一で連結し、
    前記表面板(22)の背面から前記斜面(8)までの間の各空所(S)に、充填材(41)を充填することによって一の段を構成し、該段を下から上へ順次後退させながら複数段に積み上げて擁壁を構築する擁壁の構築方法。
  5. 前記一対の横板(32,34)は、互いに左右方向の長さが異なり、該一対の横板(32,34)には、前記控板(24)に前記ボルト及びナット(39)を介して連結するための連結孔(33,35)をそれぞれ貫設し、
    該一対の横板(32,34)のうちの一方を択一的に前側に配して前記控板(24)に前記連結する請求項4記載の擁壁の構築方法。
  6. 左右の擁壁用ブロック(21)が中央の擁壁用ブロック(21)の真横にくるように並べる直線部(20a)及び左右の擁壁用ブロック(21)が中央の擁壁用ブロック(21)よりも前方にくるように曲げて並べる外曲部(20b)では、前記補助ブロック(31)を、短い方の横板(32)を前側、長い方の横板(34)を後側にして配し、
    左右の擁壁用ブロック(21)が中央の擁壁用ブロック(21)よりも後方にくるように曲げて並べる内曲部(20c)では、前記補助ブロック(31)を、長い方の横板(34)を前側、短い方の横板(32)を後側にして配する請求項5記載の擁壁の構築方法。
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