JP5427463B2 - 防護用堤体および防護用堤体の構築方法 - Google Patents
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Description
図1は、本発明の防護用堤体の一形態である防護用堤体100を概略的に示す断面図である。図1に示すように、防護用堤体100は、盛土構造体10と、盛土構造体10内において高さ方向に所定の間隔を有して埋設された盛土補強材3、3、…と、盛土構造体10の法面に沿って多段に設置された硬質受撃版1、1、…と、硬質受撃版1に盛土補強材3を接続させる接続具2と、を備えている。以下に防護用堤体100に備えられる各構成について説明する。
盛土構造体10は、盛土材6を盛って締め固められたものであり、後に詳述する盛土補強材3、3、…が埋設されている。盛土材6は、従来の盛土材として用いられているものであれば特に限定されることなく使用でき、例えば、砂質土や粘性土などの現地発生土などを用いることができる。
以下に図2および図3を参照しつつ、硬質受撃版1について説明する。図2は、硬質受撃版1を概略的に示す斜視図である。図3は、硬質受撃版1を概略的に示す三面図である。
防護用堤体10に備えられる盛土補強材3は、公知のジオグリッドなどのように引張強度が大きい樹脂製のネット状体が好適であり、金網など金属製のものも利用可能である。また、防護用堤体100が雪崩、落石、土砂崩落などによる衝撃を受けた際に、その衝撃を防護用堤体100内で広範囲に分散させることができるという観点からは、図4に示すような、メッシュ開口部が略三角形となっており、3軸方向に特に強い引張強度を有している結果、全方向(360度)に強度を擬似的に有するトラス構造を有するジオテキスタイル(例えば、特開2004−44374号公報に開示されているジオグリット。以下、このようなジオテキスタイルのことを「トラス構造補強材」という。)が好ましい。なお、図4は、本発明に用いることができる盛土補強材の一部を概略的に示す上面図である。
防護用堤体100に用いられる接続具2は、図2および図3に示したように、硬質受撃版1の表面板1aと平行で、支え板1b、1bを貫くように設置される横棒21と、横棒21に接続される緩衝具22(図7参照)と、接続棒23(図9〜図12参照)と、を備えている。
以下に本発明の防護用堤体の構築方法について説明する。図8は、本発明の防護用堤体の構築方法に備えられる工程を示すフローチャートである。図8に示すように、本発明の防護用堤体の構築方法は、受撃版設置工程(S1)と、第1盛土材充填工程(S2)と、強材接続工程(S3)と、第2盛土材充填工程(S4)と、高さ判定工程(S5)とを有している。以下、図8および図9と、適宜示す図を参照しつつ、本発明の防護用堤体の構築方法に備えられる各工程について説明する。なお、図9は、硬質受撃版1の1段目を構築している際の斜視図である。
工程S1は、地盤上又は他の硬質硬質受撃版1の上に硬質硬質受撃版1を設置する工程である。図9に示すように、1段目の硬質受撃版1の設置位置の下には、予め基礎コンクリート5を施工しておき、該基礎コンクリート5の上に硬質受撃版1を設置することが好ましい。1段目の硬質受撃版1は、防護用堤体100の延長長さに応じて、延長方向7に複数設置する。延長方向7に隣接する各硬質受撃版1同士は、適当な接続部材で固定することが好ましい。
工程S2は、硬質受撃版1の背面側に盛土材6を充填する工程である。図9に示すように、硬質受撃版1を設置後、該硬質受撃版1の背面側に横棒21(盛土補強材3)が設置される位置まで土砂等の盛土材6を充填する。
工程S3は、図9に示すように、硬質受撃版1の背面側に充填された盛土材6の上に盛土補強材3を敷設するとともに、該盛土補強材3を硬質受撃版1に接続させる工程である。盛土補強材3を硬質受撃版1に接続させる方法について、図10および図11を用いて説明する。図10は、硬質受撃版1と接続具2との接続方法、および接続具2と盛土補強材3との接続方法を概略的に示す断面図である。図11は、硬質受撃版1と接続具2との接続方法、および接続具2と盛土補強材3との接続方法を概略的に示す平面図である。
工程S4は、盛土補強材3の上に所定高さまで盛土材6を充填する工程である。工程S4では、工程S3において盛土補強材3を設置後、土砂などの盛土材6を硬質受撃版1の天頂部付近の高さまで充填する。
工程S5は、上記工程S1〜4を経て得られた構造物が、所定高さ(防護用堤体100の予定高さ)に達しているかを判定する工程である。所定高さに達していなければ、所定高さに達するまで工程S1〜4を繰り返す。すなわち、工程S1〜4を経て1段目を完成させた後、工程S5において予定の高さに達していないと判定されると、再び1段目と同様の手順で工程S1〜4の作業を行い、図12に示すように、2段目を完成させる。図12は、硬質受撃版の2段目を構築している際の斜視図である。なお、図12に示すように、1段目の硬質受撃版1の上に2段目の硬質受撃版ユニットを設置する際には、1段目の硬質受撃版ユニットの凸部1dと、2段目の硬質受撃版ユニットの凹部1eを嵌装させるように設置する。
1a 表面板
1b 支え板
1d 凸部
1e 凹部
2 接続具
21 横棒
22 緩衝具
22a フック部
22b 山部
22c トリム部
23 接続棒
3 盛土補強材
5 基礎コンクリート
6 盛土材
7 延長方向
10 盛土構造体
100 防護用堤体
Claims (6)
- 盛土構造体と、前記盛土構造体内において高さ方向に所定の間隔を有して埋設された複数の盛土補強材と、前記盛土構造体の法面に沿って多段に設置された複数の硬質受撃版と、前記硬質受撃版に前記盛土補強材を接続させる接続具と、を備え、
前記硬質受撃版は外部からの衝撃を直接受ける受撃面を有し、
前記硬質受撃版は、天頂部又は底面のうち一方において、前記受撃面側から見て前後より低く形成された凹部を有するとともに、他方において、前記受撃面側から見て前後より高く形成された凸部を有し、1つの前記硬質受撃版に形成した前記凹部と他の前記硬質受撃版に形成した前記凸部とが嵌め合わせられることにより、前記複数の硬質受撃版のうち上下に隣接して設置された前記硬質受撃版同士が係合されている、防護用堤体。 - 前記硬質受撃版がコンクリートからなる、請求項1に記載の防護用堤体。
- 前記盛土補強材が、3軸方向に特に強い引張強度を有するジオテキスタイルからなる、請求項1または2に記載の防護用堤体。
- 盛土構造体と、前記盛土構造体内に埋設された盛土補強材と、前記盛土構造体の法面に沿って設置された硬質受撃版と、を備える防護用堤体の構築方法であって、
前記硬質受撃版は外部からの衝撃を直接受ける受撃面を有しており、
前記硬質受撃版を設置する、受撃版設置工程と、
前記硬質受撃版の背面側に所定高さまで盛土材を充填する、第1盛土材充填工程と、
前記硬質受撃版の背面側に充填された前記盛土材の上に前記盛土補強材を敷設するとともに、前記盛土補強材を前記硬質受撃版に接続させる、補強材接続工程と、
前記盛土補強材の上に所定高さまで盛土材を充填する、第2盛土材充填工程と、
を有しており、
前記受撃版設置工程、前記第1盛土材充填工程、前記補強材接続工程および前記第2盛土材充填工程を経て得られた構造体の高さが所定の高さになるまで、前記受撃版設置工程、前記第1盛土材充填工程、前記補強材接続工程および前記第2盛土材充填工程を繰り返し、
前記硬質受撃版は、天頂部又は底面のうち一方において、前記受撃面側から見て前後より低く形成された凹部を有するとともに、他方において、前記受撃面側から見て前後より高く形成された凸部を有しており、2回目以降の前記受撃版設置工程において、1つの前記硬質受撃版に形成した前記凹部と他の前記硬質受撃版に形成した前記凸部とを嵌め合わせることにより、複数の前記硬質受撃版のうち上下に隣接して設置された前記硬質受撃版同士を係合させる、防護用堤体の構築方法。 - 前記硬質受撃版がコンクリートからなる、請求項4に記載の防護用堤体の構築方法。
- 前記盛土補強材が、3軸方向に特に強い引張強度を有するジオテキスタイルからなる、請求項4または5に記載の防護用堤体の構築方法。
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