JP2021011696A - 土砂落石防護工及びその施工方法 - Google Patents

土砂落石防護工及びその施工方法 Download PDF

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Abstract

【課題】土砂落石によって繰り返しうける衝撃力に充分に耐える強度を高め、捕捉して堆積する土砂落石の受け入れ容積を増大し、可能とするコンクリート使用量を低減する。【解決手段】土砂落石防護工1は、底版コンクリート2と、底版コンクリート2の上に設置した防護柵3とを備え、横幅方向に垂直な断面形状が逆T字型であって、底版コンクリート2は、傾斜地の斜面4に沿った後面14と平坦な上面15を有し、横幅方向に垂直な断面形状が逆台形であり、上方に開口された複数の基礎鞘管18と、複数の塩化ビニル管19と、上段支持材20と下段支持材21と、前後方向に水平に配置された複数のアンカー鉄筋22と、を埋設して備えており、複数の支柱6は、複数の基礎鞘管18に挿入されて起立して支持され、エキスパンドメタル7は、複数の支柱6の後面に当接し、取付金具36及び塩化ビニル管19に係合した支持鉄筋34によって後側から支持されている。【選択図】図1

Description

本発明は、道路際や急傾斜面の斜面下部に設置し、土砂落石を待ち受けて、保全対象となる道路や住居への流出を防ぐ土砂落石防護工及びその施工方法に関するものである。
従来、傾斜面や崖等の下部に、落石等の流出を防ぐための落石等の防護柵は知られている(特許文献1〜4参照)。これらの落石等の防護柵は、いずれも上方に起立したコンクリートの擁壁部上に、複数の支柱が横幅方向に間隔をおいて設けられ、複数の支柱にわたって防護網が形成されて成る構成である。
また、従来の図8(b)に示すような構成の土砂落石防護工45が知られている。この土砂落石防護工45は、上記特許文献1と同様に、コンクリートの擁壁部46上に、複数の支柱47が横幅方向に間隔をおいて設けられ、複数の支柱47にわたって防護網50が形成されて成る構成である。
この土砂落石防護工45では、斜面4の下部の一部48を掘削し、コンクリートの擁壁部46を構築し、背面を砕石、栗石等で埋め戻して裏込め部49を形成している。
特開2008−150867号公報 特開2010−144432号公報 特開2010−248727号公報 特開2002−047617号公報
上記特許文献1〜4に示すような落石等の防護柵は、次のようにさらに改善すべき課題がある。
(1)起立したコンクリートの擁壁部の上に、支柱がその下端側が埋め込まれて起立して設けられている(起設されている)ので、山側の斜面に沿って落下してくる土砂落石は、コンクリートの擁壁部、支柱及び防護網に衝突し、道路側(道路や住居等、山側とは反対側)へ向けて衝撃力が加わる。
このような衝突が長年繰り返されると、コンクリートの擁壁部、支柱及び防護網のいずれも破損等が生じるおそれがある。特に、支柱については、その埋め込み部のぐらつきによって、破損や抜け等が生じる可能性がある。また、コンクリートの擁壁部は、破損するとその補修が面倒である。
(2)落石が支柱に衝突すると、落石を止めることはできるが、特許文献1〜4に示す支柱は、落石を止めることを目的とするものではなく、防護網を取り付けるためのものであり、防護網を取り付けることができる程度の比較的広い間隔で複数配置されている。
そのために、落石の多くは、防護網で受け止めることとなるが、防護網は、崩壊土砂の衝撃を受け止め捕捉するとなると、必ずしも強度面では十分とは言えない。
ところで、図8(b)に示す土砂落石防護工45は、コンクリートの擁壁部46と複数の支柱47に張設された防護網50によって、土砂落石を捕捉する構成であるから、上記特許文献1〜4と同様の改善すべき課題がある。
また、図8(b)に示す土砂落石防護工45は、コンクリートの擁壁部46が斜面4側に切り込んで形成するために、斜面4の下部の一部48を大きく掘削しなくてはならない。
そのために、切土斜面の安定を図るため保護工51が必要になるのと、コンクリートの容積も増加するので、コストが増加する。また、土砂及び落石の受け入れるポケットの容積は少なくなるという問題がある。
本発明は、上記のような従来例の問題を解決する土砂落石防護工及びその施工方法を実現することを目的とし、その課題は次の点である。
(1)土砂落石防護用の支柱及び防護網を起立支持するコンクリート基礎部(本発明では「底版コンクリート」という)には、土砂落石による前方側(道路側等)への衝撃が作用しないようにする。
(2)底版コンクリート自体の強度、及び底版コンクリートへの支柱の取り付け強度を、土砂落石によって繰り返し受ける衝撃力に対する強度を高める。
(3)土砂落石を、支柱及び防護網によって役割分担して効果的に行い、防護網の破損を低減する。
(4)土砂落石防護工を設置するにあたって、設置対象である斜面の掘削量を従来技術に比べて大幅に低減することで、コンクリートの使用量、労力を少なくし、施工コストを低減する。
(5)捕捉して堆積する土砂落石の受け入れ容積を増大可能とする。その割には、支柱及び防護網から成る防護柵の高さを低くし、施工コストを低減する。
(6)堆積した土砂落石の除去作業をしやすくする。
本発明は上記課題を解決するために、底版コンクリートと、底版コンクリートの上に設置した防護柵と、を備えており、横幅方向に対して垂直な断面形状が逆T字型である土砂落石防護工であって、防護柵は、横幅方向に一定の間隔で起立した複数の支柱と、複数の支柱の後面に取り付けられた防護網と、を備えており、底版コンクリートは、平坦な上面と傾斜地の斜面に沿った後面を有し、横幅方向に対して垂直な断面形状が逆台形であり、底版コンクリートには、上方に開口され複数の支柱を挿入して起立して支持する複数の基礎鞘管と、横幅方向に向けて水平に配置され、複数の基礎鞘管を固定して支持する上段支持材及び下段支持材と、上段の支持材に前端部が固定され、前後方向に向けて水平に配置された複数のアンカー鉄筋と、が埋設された構成であることを特徴とする土砂落石防護工を提供する。
本発明は上記課題を解決するために、底版コンクリートと、底版コンクリートの上に設置した防護柵と、を備えており、横幅方向に対して垂直な断面形状が逆T字型である土砂落石防護工であって、防護柵は、横幅方向に一定の間隔で起立した複数の支柱と、複数の支柱の後面に取り付けられた防護網と、を備えており、底版コンクリートは、平坦な上面と傾斜地の斜面に沿った後面を有し、横幅方向に対して垂直な断面形状が逆台形であり、底版コンクリートには、上方に開口され複数の支柱を挿入して起立して支持する複数の基礎鞘管と、横幅方向に向けて水平に配置され、複数の基礎鞘管を固定して支持する上段支持材及び下段支持材と、上段の支持材に前端部が固定され、前後方向に向けて水平に配置された複数のアンカー鉄筋と、が埋設されており、上段支持材は、複数の基礎鞘管の前面に固定し、下段支持材は、複数の基礎鞘管の下端部の後面に固定しており、アンカー鉄筋は、複数の基礎鞘管のそれぞれの左右両側を横切るように配置され、基礎鞘管は、その水平断面の内側を支柱の水平断面より大きな寸法として形成され、基礎鞘管と支柱の隙間には、砂が充填されており、支柱を挿入して起立して支持し、かつ支柱を上方に抜き取り可能とする構成であることを特徴とする土砂落石防護工を提供する。
底版コンクリートは、複数の支柱に対応した位置に、上方に開口した複数の塩化ビニル管を備え、防護網は、複数の支柱の後面に対して支持鉄筋によって後側から支持されており、支持鉄筋は、その上部は基礎鞘管に固着された取り付け金具に係止され、その下部は、底版コンクリートに埋設した塩化ビニル管に挿入されて支持されている構成であることが好ましい。
支柱は、コンクリート充填角形鋼管であり、防護網はエキスパンドメタルであることが好ましい。
底版コンクリートの後面が沿う傾斜地の斜面は、傾斜地の下部を掘削して形成した下部掘削斜面であることが好ましい。
複数の支柱は、横幅方向に0.75mの間隔で配置されていることが好ましい。
本発明は上記課題を解決するために、底版コンクリートと、底版コンクリートの上に横幅方向に一定の間隔で起立した複数の支柱を有する防護柵と、を備えており、横幅方向に対して垂直な断面形状が逆T字型である土砂落石防護工の施工方法であって、傾斜地の下部の一部を掘削して下部掘削斜面を形成し、下部掘削斜面から前側に、コンクリートを打設して、底版コンクリートの一次打設部を形成し、一次打設部の上面に、横方向に延びる下段支持材を固定し、複数の基礎鞘管を、それぞれその下端部の後面を横方向に一定の間隔で下段支持材に固定することによって、起立して配置し、複数の基礎鞘管を、それぞれその前面を横方向に延びる上段支持材に固定し、複数の基礎鞘管のそれぞれの左右両側において、前後方向に延びるアンカー鉄筋の前端部を上段支持材に固定して配置し、一次打設部の上面に、基礎鞘管の上端までコンクリートを打設して、底版コンクリートの二次打設部を形成することで、底版コンクリートを構成し、複数の基礎鞘管に、それぞれ角形鋼管を挿入し、その後角形鋼管にコンクリートを注入して、底版コンクリートの上にコンクリート充填角形鋼管から成る複数の支柱を起立して設置し、複数の支柱の後面に防護網を張設することを特徴とする土砂落石防護工の施工方法を提供する。
二次打設部を形成する際に、複数の基礎鞘管の後側に、それぞれ上方に開口した状態で塩化ビニル管を埋設し、防護網を張設する際に、支持鉄筋を、その上部を複数の支柱の後部に固定した取付金具に係止させ、その下部を塩化ビニル管に挿入して、防護網を後側から支持することが好ましい。
本発明によれば、上記課題を解決できるので、次のような効果が生じる。
(1)土砂落石防護用の支柱及び防護網を起立支持する底版コンクリートには、土砂落石による前方側(道路側等)への衝撃が作用しないので、耐久性が向上する。
(2)底版コンクリート自体の強度、及び底版コンクリートへの支柱の取り付け強度を、土砂落石によって繰り返しうける衝撃力に充分に耐える強度となる。
(3)土砂落石の捕捉を、支柱及び防護網によって役割分担して捕捉効果を高め、また防護網の破損を低減する。
(4)土砂落石防護工を設置するにあたって、設置対象である斜面の掘削量を従来技術に比べて大幅に低減することで、コンクリートの使用量、労力を少なくし、施工コストを低減する。
(5)捕捉して堆積する土砂落石の受け入れ容積を増大可能とする。その割には、支柱及び防護網から成る防護柵の高さを低くし施工コストが低減し、また、衝突による力及びモーメントが低減し、土砂落石に対する衝撃強度が向上する。
(6)堆積した土砂落石の除去作業をしやすくなる。
本発明に係る実施例を説明する図であり、(a)土砂落石防護工の断面図であり、(b)は土砂落石防護工の実証構造の仕様を示す図である。 上記実施例の土砂落石防護工について、(a)は正面図であり、(b)は平面図である。 上記実施例の土砂落石防護工の要部を説明する図であり、(a)、(b)は図1のA部を詳細に示す水平断面図と側面図であり、(c)、(d)は図1のB部を詳細に示す水平断面図と側面図である。 上記実施例の土砂落石防護工の要部を説明する図であり、(a)、(b)は支柱とエキスパンドメタルの上部の垂直断面図とその拡大図であり、(c)、(d)は支柱等の下部の底版コンクリートへの取付を示す垂直断面図とその拡大図である。 上記実施例の土砂落石防護工について、(a)は斜め後方から見た斜視図であり、(b)は作用を説明する断面図である。 (a)、(b)は、上記実施例の土砂落石防護工の支持鉄筋の取り付け構造を説明する要部斜視図とその一部拡大図であり、(c)、(d)は上記実施例の土砂落石防護工の施工工程を、順次説明する図である。 (a)〜(c)は上記実施例の土砂落石防護工の施工工程を、順次説明する図である。 (a)は上記実施例の土砂落石防護工について作用を説明する断面図であり、(b)は従来の土砂落石防護工を説明する図である。
本発明に係る土砂落石防護工及びその施工方法を実施するための形態を実施例に基づき図面を参照して、以下説明する。
本発明に係る土砂落石防護工及びその施工方法の実施例を、図1〜8を参照して説明する。本実施例では、土砂落石防護工は、山間地や丘陵地等の急傾斜地の斜面の裾部に設置し、斜面に沿って滑り落ちてくる土砂及び落石(土砂落石)を捕捉し、斜面の下方に位置する道路、住居等へ流れ出さないようにするために設置される。
本明細書及び発明(特許請求の範囲に記載の発明)では、土砂落石防護工を道路、住居側から正面視して、手前側(道路、住居側)を前方とし、傾斜地の斜面側(奥側)を後方とし、左右側(左右方向)を横幅方向と言う。
本発明に係る土砂落石防護工1は、図1、図2に示すように、底版コンクリート2と、底版コンクリート2の上に配置した防護柵3と、を備えている。図1(a)に示すように、土砂落石防護工1の横幅方向に対して直交する垂直な断面形状は、全体としておよそ逆T字型である。
防護柵3は、傾斜地の斜面4から滑り落ちてくる土砂落石43(図8(a)参照)を捕捉し、道路、住居等の側へ流れ出さないようにする柵であり、横幅方向に一定の間隔をおり設置された複数の支柱6と、複数の支柱6にわたってその後面側に設置された防護網と、を備えている。防護網として、本発明では、エキスパンドメタル7を使用する。
本実施例では、傾斜地の斜面4の下部の一部10を掘削し、下部掘削斜面11が形成されている(図1(b)、図8(a)参照)。底版コンクリート2は、図1に示すように、下部掘削斜面11から前方に向けて形成されている。
底版コンクリート2は、その後面14は傾斜地の下部掘削斜面11に沿って傾斜した面として形成されており、また、その上面15は水平な平坦な面として形成されている。底版コンクリート2の横幅方向に対して直交する垂直な断面形状は、逆台形である。
本実施例では、底版コンクリート2は、傾斜地の斜面4の下部の一部を掘削した下部掘削斜面11から前方に形成することで、底版コンクリート2の前後方向の寸法(奥行き)を、より大きくとることができるので、安定な構成とすることができ、また後記するが、その前後方向に長い上面15上を土砂落石43が移動することで、落下のエネルギーを低減し、防護柵3に対する衝突力をそぐことが可能となる(図8(a)等参照)。
なお、斜面4の下部前方の裾部が、前後方向に充分な幅をとれるのであれば、特に傾斜地の下部の一部10を掘削し、下部掘削斜面11を形成する必要はない。
底版コンクリート2は、防護柵3を起立する基礎部としての役割を有するとともに、斜面4と防護柵3の間において土砂落石を受け入れるポケット(空間)16の底部としての役割も有し、さらに、その上面15において、前記したとおり土砂落石を移動させて防護柵3に対する衝突力を低減させる役割も担う。
底版コンクリート2は、上記特許文献1〜6及び図8(b)に示す従来の土砂落石防護工45のコンクリートの擁壁部46のように、斜面4に沿って落下してくる土砂落石の前方への流れを、直接受け止めて阻止し、前方に流れ出ないようにするものではないので、土砂落石によって前方への衝突力及びモーメントを受けるものではない。
図1〜図5に示すように、底版コンクリート2は、上方に開口し垂直に配置された複数の基礎鞘管18と、上方に開口し垂直に配置された複数の塩化ビニル管19(図4(c)、(d)参照)と、横幅方向に延び水平に配置された上段支持材20及び下段支持材21と、前後方向に延び水平に配置された複数のアンカー鉄筋22と、を埋設して備えている。
基礎鞘管18は、支柱6を挿入して支持する役割を有し、鋼板を溶接して形成した枠材であり、複数の支柱6を立設すべき位置に対応して横幅方向に一定の間隔をおいて、複数の基礎鞘管18が、底版コンクリート2に起立して埋設される。
基礎鞘管18は、支柱6より一回り大きな断面寸法を有し、後記する支柱6を構成する角形鋼管30と同じ角形の断面形状を有する。即ち、基礎鞘管18は、支柱6を挿入して起立して支持し、かつ支柱6を上方に抜き取り可能(挿脱可能)なように、その水平断面の内側(基礎鞘管18の内側の水平断面)を支柱6(より詳細には角形鋼管30)の水平断面より一回り大きな寸法として形成されている。なお、基礎鞘管18は、丸形断面を有する支柱6を支持する場合は、断面は丸形である。
上段支持材20及び下段支持材21は、それぞれ、例えば、L型鋼等の棒材から成る。上段支持材20は、その垂直部が図3(a)、(b)、図5(a)に示すように、基礎鞘管18の前面に当接され溶着(溶着部24)されて埋設されている。
後記するアンカー鉄筋22は、図3(a)、(b)に示すように、その前端が上段支持材20を貫通し、上段支持材20を挟んで2つのロックナット23を螺着することで、上段支持材20に締着されている。
上段支持材20は、底版コンクリート2内で基礎鞘管18を介して、支柱6を支持し、土砂落石43の衝突による支柱6に作用する衝突力F、モーメントMに対する強度を増強するとともに、底版コンクリート2の補強も行っている(図8(a)参照)。
下段支持材21は、基礎鞘管18の下端と略同じ深さに埋設して設けられており、横方向に隔設された複数の基礎鞘管18の下端部の後面に配置され、その垂直部は、図3(c)、(d)、図5(a)に示すように、複数の基礎鞘管18のそれぞれの下端部の後面に溶着(溶着部25)されている。
下段支持材21は、後記するが、土砂落石防護工1の施工の際、複数の基礎鞘管18を、横幅方向に一定の間隔をおいて位置決めする役割を有するとともに、底版コンクリート2の強度を増強する。
アンカー鉄筋22は、図2(b)に示すように、複数の支柱6それぞれに対してその左右両側に配置され、上段支持材20と略同じ深さに、底版コンクリート2内に埋設されている。アンカー鉄筋22の前端は、前記したとおり、上段支持材20に2つのロックナット23によって締着されている(図3(a)、(b)参照)。
支柱6は、従来技術で多用されているH形鋼よりも断面性能に優れ、エネルギーの吸収能力の高いコンクリート充填角形鋼管29(CFT)を使用する。コンクリート充填角形鋼管29は、角形鋼管30内にコンクリート31が充填されて成る。
具体的には、コンクリート充填角形鋼管29は、工場で製造した角形鋼管30を、土砂落石防護工1の施工現場において、底版コンクリート2に埋設された基礎鞘管18に挿入後、上方からコンクリート31を流し込んで形成する。
コンクリート31は、角形鋼管30内に流し込むだけであり、底版コンクリート2と鉄筋等を介して結合されていないので、コンクリート充填角形鋼管29として形成された支柱6は、基礎鞘管18から容易に引き抜くことが可能である。要するに、支柱6は、基礎鞘管18に挿脱可能である。
複数の支柱6は、図2、図5に示すように、底版コンクリート2の前部の上面15に横幅方向に一定の間隔をおいて起立して設置される。一定の間隔は、本実施例では、0.75mである。この間隔は、従来の特許文献1〜6等の落石防護柵3に比較して、きわめて狭い密な間隔である。
このように密の間隔で支柱6を設ける理由は、本発明では、支柱6は、防護網としてのエキスパンドメタル7を張設する役割もあるが、同時に、落石を衝突させて捕捉するという機能を重視して設けているからである。この点は、特許文献1〜6等の落石防護柵3において、防護網を張設のために設けている支柱6の設置の目的、構成とは全く異なる。
本実施例のように、複数の支柱6の間隔を0.75mとすると、礫径0.4m、即ち支柱6の間隔のおよそ1/2より大きい礫径の落石は、支柱6に衝突し、支柱6で捕捉される可能性が高く、それ以下の小さな落石、礫はエキスパンドメタル7で捕捉される。
エキスパンドメタル7は、支柱6間の阻止面を構成する防護網として使用され、上記のとおり、特に土砂、礫径の小さい小石等を捕捉する。本実施例では、エキスパンドメタル7には、メッシュ寸法EX−50×152.4の菱形形状を使用する。
エキスパンドメタル7は、図2、図4、図5、図6(a)、(b)等に示すように、支柱6の後面側に当接され、支持鉄筋34によって後面側から支持される。支柱6の後面には、垂直部と水平部から成り側面視でL型の取付金具36が、ボルト35で固定されている(図4(a)、(b)、図6(a)、(b)参照)。
支持鉄筋34は、その上端部は、図4(a)、(b)、図6(a)、(b)に示すように、取付金具36に形成された係止孔に挿入されて係止されており、その下端部は、図4(c)、(d)、図6(a)に示すように、底版コンクリート2に埋設された塩化ビニル管19に挿入されて支持されている。
(施工方法)
以上の構成から成る土砂落石防護工1の施工方法を、施工工程を模式的に示す図6(b)、(c)及び図7(a)〜(c)等を参照して、順次説明する。
まず、図8(a)に示すように、傾斜地の斜面4の下部の一部10を掘削し下部掘削斜面11を形成し、下部掘削斜面11の前側に、図8(a)に示すような底版コンクリート2を形成する。
底版コンクリート2の施工工程の詳細は次のとおりである。底版コンクリート2を形成するには、一次と二次の2回に分けてコンクリートを打設する。一次打設によって、図6(c)に示すように、水平で平坦なコンクリートから成る一次打設部41を形成する。
次に、一次打設部41の上面における基礎鞘管18の設置位置に墨出しを行い、下段支持材21を配置して、下段支持材21をアンカープラグ(図示せず)によって一次打設部41に固定する。
次に、基礎鞘管18の下端部の後面を、下段支持材21の垂直部に当接させて溶着(溶着部25)する(図3(c)、(d)参照)。これによって、図6(d)に示すように、一次打設部41上に、複数の基礎鞘管18を横幅方向に間隔をおいて起設する。なお、上記溶着の際に、基礎鞘管18の取付高さ及び鉛直度を調整する。
一次打設部41と基礎鞘管18の底面(下端)に隙間がある場合は、固練りのモルタル等で隙間をふさぎ、コンクリートの二次打設に際して、コンクリートが隙間から基礎鞘管18内に入らないようにする。その理由は、コンクリートが基礎鞘管18内に入ると、基礎鞘管18内に挿入する支柱6の高さにバラツキが生じるからである。
次に、アンカー鉄筋22を配置する高さに合わせ、上段支持材20を、複数の基礎鞘管18の前面に溶着(溶着部24)する。そして、上段支持材20の左右両側面に沿って、図7(a)に示すようにアンカー鉄筋22を配置し、その前端を、前記したとおり2つのロックナット23で上段支持材20に締着する(図3(a)、(b)参照)。なお、塩化ビニル管19は、複数の基礎鞘管18の後面側に配置しておく。
次に、一次打設部41上に、コンクリートの二次打設部42の打設を行う。この二次の打設においては、基礎鞘管18の上端の高さの位置まで、コンクリートを打設する。これによって、図7(b)に示すように、複数の基礎鞘管18及び塩化ビニル管19(図7(b)では図示せず)が上端に開口する底版コンクリート2が形成される。
次に、複数の角形鋼管30を、それぞれ複数の基礎鞘管18に挿入して、図7(c)に示すように、底版コンクリート2上に間隔をおいて起設する。前記のとおり、基礎鞘管18は角形鋼管30が容易に挿入できるように、角形鋼管30より断面積が一回り大きく形成されているので、両者の間には若干の隙間32が生じる(図4(c)、(d)参照)。この隙間32には、砂を充填することで、角形鋼管30のぐらつきを抑制することができる。
次に、底版コンクリート2上に起設した複数の角形鋼管30に、それぞれ上方からコンクリートを流し込み、コンクリート充填角形鋼管29から成る支柱6を底版コンクリート2上に挿脱自在に起設する。
なお、角形鋼管30にコンクリートを流し込む前に、角形鋼管30の底部に、角形鋼管30の断面と同形かつ一回り小さなプラスチック等の板を配置しておくと、コンクリートが、底版コンクリート2に接合しにくいので、支柱6を挿脱自在にし易い。
次に、複数の支柱6にわたって、複数の支柱6の後面にエキスパンドメタル7を当接して張設する。そして、図4(a)、(b)、図6(b)に示すように、複数の支柱6の上端部の後面に、それぞれ取付金具36の垂直部37をボルト・ナット35で固定する。
次に、図4(a)〜(d)、図6(a)、(b)に示すように、支持鉄筋34を、取付金具36の水平部に形成された係止孔に上方から挿通し係止させ、さらに下端部は塩化ビニル管19に挿入する。これによって、支持鉄筋34によって、エキスパンドメタル7を複数の支柱6の後面側から支持した状態で張設することができる。
なお、複数のエキスパンドメタル7を、図2(a)、(b)に示すように、横幅方向に螺旋状の連結コイル40によって順次接続すれば、土砂落石防護工1の横幅の全長にわたって張設することが可能となる。
即ち、互いに隣接するエキスパンドメタル7の接続部において、それぞれのメッシュを通して、螺旋状の連結コイル40を回転させながら通して巻き付ける。これにより、図2(a)、(b)に示すように、螺旋状の連結コイル40に、互いに隣接するエキスパンドメタル7のそれぞれのメッシュが、上下の幅方向全体にわたって係合され、互いに接続される。
なお、横幅方向に互いに隣接するエキスパンドメタルを螺旋状の連結コイルによって接続する技術は、周知の接続手段(例えば、本願出願人の特許第471042号公報参照)である。
以上は、土砂落石防護工1の施工方法であるが、本発明によれば、図8(b)に示す従来の土砂落石防護工45に比較して、傾斜地の斜面4の下部の一部10の掘削量は少なく、また底版コンクリート2は、上方に向けて起立するような擁壁構造ではない。
従って、施工に要するコンクリート量、労力が少なくなってコストが低減可能となり、また、底版コンクリート2自体は、土砂落石43によって前方への衝突力F及びモーメントMを受けないので、損傷を低減することができる。
(作用)
以上のとおりの構成の本発明に係る土砂落石防護工1の作用について、以下説明する。図8(a)に示すように、斜面4に沿って落下して来た土砂落石43は、底版コンクリート2の上を前方に移動して、防護柵3に衝突して捕捉され、ポケット16内に堆積する。
土砂落石防護工1は、断面形状が逆台形の底版コンクリート2を設けることで、特許文献1〜6及び図8(b)に示す従来例に比較すると、斜面4と防護柵3の間に距離(図1(b)の間隔e参照)が充分とれるので、その間を土砂落石43が、底版コンクリート2の上で移動することで、落下によるエネルギーが消費され、また上面15との摩擦損失等によって、防護柵3への衝突力Fはそがれて低減する。
前記したとおり、防護柵3の支柱6の間隔を0.75mとすると、そのおおよそ1/2の大きさより大きい礫径の落石は、支柱6に衝突して捕捉される可能性が高く、それ以下の礫や土砂はエキスパンドメタル7によって捕捉される。
そのために、大きい礫径の落石がエキスパンドメタル7に衝突するようなことが低減し、エキスパンドメタル7の破損が抑制される。支柱6は、H形鋼よりも断面性能に優れ、エネルギーの吸収能力の高いコンクリート充填角形鋼管29を使用するので、破損しにくい。
また、土砂落石が支柱6に衝突すると、図5(b)に示すように、支柱6には前方への衝撃力F及びモーメントMが作用するが、支柱6は、その下部が基礎鞘管18内で支持され、しかも、基礎鞘管18を介して上段支持材20及びアンカー鉄筋22等によって支持補強されているので、支柱6及び基礎鞘管18は、ぐらついたり、破損したりすることが抑制される。
なお、前記したとおり角形鋼管30と基礎鞘管18の間の隙間32に、砂を充填しておくと、砂が緩衝材となって、支柱6に作用する衝撃力F及びモーメントMを吸収することが可能となる。
また、上記のとおり隙間32にセメント等を充填することなく、砂を充填しているので、メインテナンス等に際して、支柱6を基礎鞘管18から引き抜く際に、引き抜き易いという相乗的な効果が生じる。
支柱6及び基礎鞘管18に衝撃力Fが加わり、またそれが繰り返されると、底版コンクリート2における、基礎鞘管18の周囲に衝撃力Fが伝達され、底版コンクリート2自体に衝撃破壊(パンチング破壊)が生じやすい。
しかしながら、本発明では、上段支持材20及びアンカー鉄筋22は、基礎鞘管18に当接及び近接して配置されているので、落石の衝突によって、支柱6及び基礎鞘管18に衝撃力Fが加わっても、衝撃破壊は抑制される。
ところで、本発明に係る土砂落石防護工1は、図8(a)等に示すように、斜面4の下部の一部10を掘削して形成した下部掘削斜面11まで、奥行き方向に広げて底版コンクリート2が形成されており、その前部に防護柵3を起立されており、断面が全体として逆T字型の形状である。
従って、図8(a)等に示すように、斜面4の前方に、底版コンクリート2の平坦な上面15を底部とし、防護柵3まで広いスペースを確保することができるので、土砂落石43の堆積用のポケット16の容積が大きくなり、特許文献1〜6及び図8(b)に示す従来例に比較して、より大きな堆積量の土砂落石43を堆積可能となる。
このように、斜面4の前方に、底版コンクリート2を介して防護柵3まで広いスペースを確保することができるので、土砂落石防護工1の高さ、即ち底版コンクリート2の底から防護柵3までの高さ(図1(b)のb+dに相当)を抑えることが可能となる。
そのために、図8(b)に示すような従来の土砂落石防護工に比較して、コンクリートの使用量を含め、材料費等が低減でき、また底版コンクリート2を施工するために傾斜地の斜面4の下部の一部10の掘削量も低減できるので、施工作業が簡単となり、施工に係る労力等も低減でき、設置のためのコストが大幅に低減できる。
さらに、支柱6は基礎鞘管18に挿脱可能な構成であるので、土砂落石防護工1で捕捉し底版コンクリート2上に堆積した土砂落石43の除去作業が容易となる。即ち、除去作業に際しては、支柱6からエキスパンドメタル7を取り外し、クレーン等の重機により、支柱6を基礎鞘管18から引き抜けばよい。
そして、底版コンクリート2上に堆積した土砂落石43を、ショベルカー、ホイルローダ等の重機で除去することができる。特に、土砂落石43が堆積する底部となる底版コンクリート2の上面15は、道路側まで全体として平坦な面であり、従来の土砂落石防護工45のように、コンクリートの擁壁部等の障害物や窪みがないので、上記重機による除去作業がきわめてし易くなる。
除去作業後、土砂落石防護工1を使用状態に戻すためには、重機を使用して支柱6を基礎鞘管18に挿入して底版コンクリート2上に起設し、支柱6にエキスパンドメタル7を張設すればよい。
このように支柱6を底版コンクリート2から引き抜いたり、挿入したりする作業では、上段支持材20、下段支持材21及びアンカー鉄筋22等には手を付けたりしないので、作業が容易であり、土砂落石防護工1の強度が変更されたりすることはない。
また、支柱6は基礎鞘管18に挿脱可能な構成であり、支柱6の補修や取り換えが容易にできるので、土砂落石防護工1について、長年にわたって、維持、管理し易くなる。
(実証構造)
本発明者は、本発明に係る土砂落石防護工1を検討するために、土砂落石防護工1を実証的に構築した。本発明に係る土砂落石防護工1のイメージ及び具体的な構成等をより明確するために、実証的に構築した土砂落石防護工1の仕様等について、図1(b)を参照して説明する。
各部の寸法は、底版コンクリート2の底部の前後方向の長さa=2m、高さb=1.7m、基礎鞘管18の長さc=1m、支柱6の底版コンクリート2の上面15からの長さd=2.6m、底版コンクリート2の奥端と支柱6の間の間隔e=2.3m、斜面4傾斜の角度θ=50°、底版コンクリート2の底部からの高さ=30mである。
基礎鞘管18は、断面寸法が225mm×225mm、厚さ3.2mmであり、支柱6を構成するコンクリート充填角形鋼管29の角形鋼管30は、断面寸法が200mm×200mm、厚さが6.0mmである。支柱6は、横幅方向に0.75m間隔で設置した。
斜面4の掘削量は0.7m /m(単位横幅当たり)で、土砂落石を堆積可能なポケット16の容量は、9m /mである。工事に要したコンクリート使用体積量は、4.1m /mである。これらの結果、実証的に構築した土砂落石防護工1は、同等の規模の従来の土砂落石防護工1(仕様等は明記しないが、構成は図8(b)参照)に対して、工事費が約18%縮減した。
以上、本発明に係る土砂落石防護工及びその施工方法を実施するための形態を実施例に基づいて説明したが、本発明はこのような実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された技術的事項の範囲内でいろいろな実施例があることは言うまでもない。
本発明に係る土砂落石防護工及びその施工方法は上記のような構成であるから、山間地、丘陵地等において、傾斜地の斜面の裾側に道路、住居等が存在する環境等に適用可能である。また、土石流に対する応急対策工としても適用可能である。
1 土砂落石防護工
2 底版コンクリート
3 防護柵
4 傾斜地の斜面
6 支柱
7 エキスパンドメタル
10 傾斜地の斜面の下部の一部
11 下部掘削斜面
14 底版コンクリートの後面
15 底版コンクリートの上面
16 ポケット
18 基礎鞘管
19 塩化ビニル管
20 上段支持材
21 下段支持材
22 アンカー鉄筋
23 ロックナット
24 上段支持材と基礎鞘管の溶着部
25 下段支持材と基礎鞘管の溶着部
29 コンクリート充填角形鋼管
30 角形鋼管
31 コンクリート充填角形鋼管のコンクリート
32 基礎鞘管と支柱の隙間
34 支持鉄筋
35 ボルト・ナット
36 取付金具
40 連結コイル
41 底版コンクリートの一次打設部
42 底版コンクリートの二次打設部
43 土砂岩石
45 土砂落石防護工の従来例
46 擁壁部
47 支柱
48 係止地の斜面の下部の一部
49 擁壁部の裏込め部
50 防護網
51 保護工

Claims (8)

  1. 底版コンクリートと、底版コンクリートの上に設置した防護柵と、を備えており、横幅方向に対して垂直な断面形状が逆T字型である土砂落石防護工であって、
    防護柵は、横幅方向に一定の間隔で起立した複数の支柱と、複数の支柱の後面に取り付けられた防護網と、を備えており、
    底版コンクリートは、平坦な上面と傾斜地の斜面に沿った後面を有し、横幅方向に対して垂直な断面形状が逆台形であり、
    底版コンクリートには、上方に開口され複数の支柱を挿入して起立して支持する複数の基礎鞘管と、横幅方向に向けて水平に配置され、複数の基礎鞘管を固定して支持する上段支持材及び下段支持材と、上段の支持材に前端部が固定され、前後方向に向けて水平に配置された複数のアンカー鉄筋と、が埋設された構成であることを特徴とする土砂落石防護工。
  2. 底版コンクリートと、底版コンクリートの上に設置した防護柵と、を備えており、横幅方向に対して垂直な断面形状が逆T字型である土砂落石防護工であって、
    防護柵は、横幅方向に一定の間隔で起立した複数の支柱と、複数の支柱の後面に取り付けられた防護網と、を備えており、
    底版コンクリートは、平坦な上面と傾斜地の斜面に沿った後面を有し、横幅方向に対して垂直な断面形状が逆台形であり、
    底版コンクリートには、上方に開口され複数の支柱を挿入して起立して支持する複数の基礎鞘管と、横幅方向に向けて水平に配置され、複数の基礎鞘管を固定して支持する上段支持材及び下段支持材と、上段の支持材に前端部が固定され、前後方向に向けて水平に配置された複数のアンカー鉄筋と、が埋設されており、
    上段支持材は、複数の基礎鞘管の前面に固定し、下段支持材は、複数の基礎鞘管の下端部の後面に固定しており、
    アンカー鉄筋は、複数の基礎鞘管のそれぞれの左右両側を横切るように配置され、
    基礎鞘管は、その水平断面の内側を支柱の水平断面より大きな寸法として形成され、基礎鞘管と支柱の隙間には、砂が充填されており、支柱を挿入して起立して支持し、かつ支柱を上方に抜き取り可能とする構成であることを特徴とする土砂落石防護工。
  3. 底版コンクリートは、複数の支柱に対応した位置に、上方に開口した複数の塩化ビニル管を埋設して備え、
    防護網は、複数の支柱の後面に対して支持鉄筋によって後側から支持されており、
    支持鉄筋は、その上部は基礎鞘管に固着された取り付け金具に係止され、その下部は、塩化ビニル管に挿入されて支持されている構成であることを特徴とする請求項1又は2に記載の土砂落石防護工。
  4. 支柱は、コンクリート充填角形鋼管であり、防護網はエキスパンドメタルであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の土砂落石防護工。
  5. 底版コンクリートの後面が沿う傾斜地の斜面は、傾斜地の下部を掘削して形成した下部掘削斜面であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の土砂落石防護工。
  6. 複数の支柱は、横幅方向に1.0m以下の間隔で配置されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の土砂落石防護工。
  7. 底版コンクリートと、底版コンクリートの上に横幅方向に一定の間隔で起立した複数の支柱を有する防護柵と、を備えており、横幅方向に対して垂直な断面形状が逆T字型である土砂落石防護工の施工方法であって、
    傾斜地の下部の一部を掘削して下部掘削斜面を形成し、下部掘削斜面から前側に、コンクリートを打設して、底版コンクリートの一次打設部を形成し、
    一次打設部の上面に、横方向に延びる下段支持材を固定し、
    複数の基礎鞘管を、それぞれその下端部の後面を横方向に一定の間隔で下段支持材に固定することによって、起立して配置し、
    複数の基礎鞘管を、それぞれその前面を横方向に延びる上段支持材に固定し、
    複数の基礎鞘管のそれぞれの左右両側において、前後方向に延びるアンカー鉄筋の前端部を上段支持材に固定して配置し、
    一次打設部の上面に、基礎鞘管の上端までコンクリートを打設して、底版コンクリートの二次打設部を形成することで、底版コンクリートを構成し、
    複数の基礎鞘管に、それぞれ角形鋼管を挿入し、その後角形鋼管にコンクリートを注入して、底版コンクリートの上にコンクリート充填角形鋼管から成る複数の支柱を起立して設置し、
    複数の支柱の後面に防護網を張設することを特徴とする土砂落石防護工の施工方法。
  8. 二次打設部を形成する際に、複数の基礎鞘管の後側に、それぞれ上方に開口した状態で塩化ビニル管を埋設し、
    防護網を張設する際に、支持鉄筋を、その上部を複数の支柱の後部に固定した取付金具に係止させ、その下部を塩化ビニル管に挿入して、防護網を後側から支持することを特徴とする請求項7に記載の土砂落石防護工の施工方法。
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