JPH07292691A - 擁壁構造及び擁壁構築工法 - Google Patents
擁壁構造及び擁壁構築工法Info
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- JPH07292691A JPH07292691A JP6084747A JP8474794A JPH07292691A JP H07292691 A JPH07292691 A JP H07292691A JP 6084747 A JP6084747 A JP 6084747A JP 8474794 A JP8474794 A JP 8474794A JP H07292691 A JPH07292691 A JP H07292691A
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- E02D—FOUNDATIONS; EXCAVATIONS; EMBANKMENTS; UNDERGROUND OR UNDERWATER STRUCTURES
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- E02D29/02—Retaining or protecting walls
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- E02D29/02—Retaining or protecting walls
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- E02D29/0275—Retaining or protecting walls characterised by constructional features cast in situ
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- Bulkheads Adapted To Foundation Construction (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 山肌等の傾斜面に構築される擁壁3を強固に
でき、さらに擁壁を低コストで構築することができるよ
うにする。 【構成】 造成土地の側面や山肌等の切土部2に構築し
た擁壁3を、重力式擁壁として機能し得る大重量とし且
つ擁壁上面厚さL1が擁壁底面厚さL2より厚くなるよう
にするとともに、擁壁3の重心Gが擁壁底面32の厚さ
方向奥端位置Pより切土部2の側面22側に偏位させる
ことにより、擁壁3に重力式ともたれ式の両機能をもた
せるようにした。又、擁壁3を構築するための切土部2
を、横向きの平坦面21の奥行き深さが短小となるよう
に形成して、該切土部2を形成するための土砂の掘削量
を少なくする。
でき、さらに擁壁を低コストで構築することができるよ
うにする。 【構成】 造成土地の側面や山肌等の切土部2に構築し
た擁壁3を、重力式擁壁として機能し得る大重量とし且
つ擁壁上面厚さL1が擁壁底面厚さL2より厚くなるよう
にするとともに、擁壁3の重心Gが擁壁底面32の厚さ
方向奥端位置Pより切土部2の側面22側に偏位させる
ことにより、擁壁3に重力式ともたれ式の両機能をもた
せるようにした。又、擁壁3を構築するための切土部2
を、横向きの平坦面21の奥行き深さが短小となるよう
に形成して、該切土部2を形成するための土砂の掘削量
を少なくする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本願発明は、山肌、道路側面ある
いは造成土地側面等における土砂の崩壊を防止するため
の擁壁構造及びその構築工法に関するものである。
いは造成土地側面等における土砂の崩壊を防止するため
の擁壁構造及びその構築工法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、山肌に道路を形成する場合に
は、山肌(傾斜面)を掘削して切土部を形成し、該切土
部の斜面部分に切土面崩壊防止用の擁壁を構築する必要
がある。ところで、この種の擁壁構造では、擁壁部分に
山側からの土圧が加わるが、その土圧に対する対策とし
て、従来では、図8に示すように擁壁103の重量を切
土部側面122側にもたれかけさせる場合(もたれ式擁
壁)と、図9に示すように擁壁203を大重量にする場
合(重力式擁壁)と、図10又は図11に示すように擁
壁303(又は403)に底版325(又は425)を
設けてその底版上に土砂を被せる場合(片持ちばり式擁
壁)等の擁壁構造が採用されている。尚、図8〜図11
において、それぞれ符号Mで示す長さは山肌に形成され
る道路の路幅である。
は、山肌(傾斜面)を掘削して切土部を形成し、該切土
部の斜面部分に切土面崩壊防止用の擁壁を構築する必要
がある。ところで、この種の擁壁構造では、擁壁部分に
山側からの土圧が加わるが、その土圧に対する対策とし
て、従来では、図8に示すように擁壁103の重量を切
土部側面122側にもたれかけさせる場合(もたれ式擁
壁)と、図9に示すように擁壁203を大重量にする場
合(重力式擁壁)と、図10又は図11に示すように擁
壁303(又は403)に底版325(又は425)を
設けてその底版上に土砂を被せる場合(片持ちばり式擁
壁)等の擁壁構造が採用されている。尚、図8〜図11
において、それぞれ符号Mで示す長さは山肌に形成され
る道路の路幅である。
【0003】図8に示す第1従来例の擁壁構造Y1は、
比較的厚さの薄い擁壁103を切土部斜面121側にも
たれかけさせた、いわゆるもたれ式擁壁を示している。
この図8に示す擁壁103の構築工法では、まず山肌
(傾斜面)101を掘削して切土部102を形成する。
この切土部102は、横向きの平坦面121とその平坦
面の奥端部から上方に立ち上がる斜面122とが形成さ
れるようにして掘削される。切土部平坦面121は、必
要とする路幅Mより少なくとも擁壁103の底部厚さだ
け長い幅(全幅N1)を必要とする。又、切土部斜面1
22は、崩壊防止のために若干角度(例えば鉛直面に対
して5〜20°程度)だけ山側に傾斜させる必要があ
る。従って、この第1従来例では、切土部の掘削時に、
図8において点A1、点B1、点C1を結ぶ三角形の部分
の土砂が掘削・排除される。尚、点C1の位置は、山肌
101の傾斜角度によって上下に変更する。そして、上
記のように切土部102を形成した後、切土部斜面12
2に沿って擁壁103(図示例ではコンクリート壁であ
るがブロック積層壁の場合もある)を構築する。この図
8の擁壁構造Y1の場合は、擁壁103の重心Gが擁壁
下部の厚さ方向奥端位置Pより長さDだけ切土部斜面1
22側に偏位していて、擁壁103の重量の一部が切土
部斜面122側に加わっている。
比較的厚さの薄い擁壁103を切土部斜面121側にも
たれかけさせた、いわゆるもたれ式擁壁を示している。
この図8に示す擁壁103の構築工法では、まず山肌
(傾斜面)101を掘削して切土部102を形成する。
この切土部102は、横向きの平坦面121とその平坦
面の奥端部から上方に立ち上がる斜面122とが形成さ
れるようにして掘削される。切土部平坦面121は、必
要とする路幅Mより少なくとも擁壁103の底部厚さだ
け長い幅(全幅N1)を必要とする。又、切土部斜面1
22は、崩壊防止のために若干角度(例えば鉛直面に対
して5〜20°程度)だけ山側に傾斜させる必要があ
る。従って、この第1従来例では、切土部の掘削時に、
図8において点A1、点B1、点C1を結ぶ三角形の部分
の土砂が掘削・排除される。尚、点C1の位置は、山肌
101の傾斜角度によって上下に変更する。そして、上
記のように切土部102を形成した後、切土部斜面12
2に沿って擁壁103(図示例ではコンクリート壁であ
るがブロック積層壁の場合もある)を構築する。この図
8の擁壁構造Y1の場合は、擁壁103の重心Gが擁壁
下部の厚さ方向奥端位置Pより長さDだけ切土部斜面1
22側に偏位していて、擁壁103の重量の一部が切土
部斜面122側に加わっている。
【0004】図9に示す第2従来例の擁壁構造Y2は、
擁壁203を縦断面台形状としてその全体厚さを大きく
した、いわゆる重力式擁壁を示している。この図9に示
す擁壁構造Y2では、擁壁203自体の重量を大きくす
る必要があることから、擁壁203の底面厚さN2をか
なり大きくしている(底面厚さN2は、擁壁高さや形成
すべき路幅M等にもよるが、一般に擁壁重量を大きくす
るほど底面厚さN2を大きくする必要がある)。この図
9に示す擁壁203の構築工法では、まず山肌(傾斜
面)201に擁壁構築用の切土部202を形成するが、
この切土部202は、構築すべき擁壁203の底面厚さ
N2と同じかそれ以上の横深さ(平坦面221)で、且
つ該平坦面221の奥端部から所定高さ範囲(即ち、図
9において点A2、点B2、点C2を結ぶ三角形内の範
囲)の土砂を掘削・排除して形成する。そして、このよ
うに切土部202を形成した後、切土部平坦面221上
に台形状の擁壁(コンクリート擁壁)203を構築し、
その後、該擁壁203の内側面223と切土部斜面22
2との隙間に土砂Eを充填して、その上面に所定路幅M
の平坦面を形成する。
擁壁203を縦断面台形状としてその全体厚さを大きく
した、いわゆる重力式擁壁を示している。この図9に示
す擁壁構造Y2では、擁壁203自体の重量を大きくす
る必要があることから、擁壁203の底面厚さN2をか
なり大きくしている(底面厚さN2は、擁壁高さや形成
すべき路幅M等にもよるが、一般に擁壁重量を大きくす
るほど底面厚さN2を大きくする必要がある)。この図
9に示す擁壁203の構築工法では、まず山肌(傾斜
面)201に擁壁構築用の切土部202を形成するが、
この切土部202は、構築すべき擁壁203の底面厚さ
N2と同じかそれ以上の横深さ(平坦面221)で、且
つ該平坦面221の奥端部から所定高さ範囲(即ち、図
9において点A2、点B2、点C2を結ぶ三角形内の範
囲)の土砂を掘削・排除して形成する。そして、このよ
うに切土部202を形成した後、切土部平坦面221上
に台形状の擁壁(コンクリート擁壁)203を構築し、
その後、該擁壁203の内側面223と切土部斜面22
2との隙間に土砂Eを充填して、その上面に所定路幅M
の平坦面を形成する。
【0005】図10に示す第3従来例の擁壁構造Y3で
は、擁壁303として横向きの底版部325とその外端
部から上方に立上げた立上り版326とを一体に成形し
たL型のもの(いわゆる片持ちばり式擁壁)が採用され
ている。この図10に示す擁壁303の構築工法では、
山肌(傾斜面)301に形成すべき切土部302は、図
9の場合と同様に、擁壁303の底版325の内外幅N
3と同じかそれ以上の横深さ(平坦面321)で、且つ
該平坦面321の奥端部から所定高さ範囲(即ち、図1
0において点A3、点B3、点C3を結ぶ三角形内の範
囲)の土砂を掘削・排除して形成する。そして、このよ
うに切土部302を形成した後、切土部平坦面321上
にL型の擁壁303を構築し(既製品のL型擁壁を設置
する場合もある)、その後、擁壁303の立上り版32
6内面と切土部斜面322との隙間に土砂Eを充填し
て、その上面に所定路幅Mの平坦面を形成する。
は、擁壁303として横向きの底版部325とその外端
部から上方に立上げた立上り版326とを一体に成形し
たL型のもの(いわゆる片持ちばり式擁壁)が採用され
ている。この図10に示す擁壁303の構築工法では、
山肌(傾斜面)301に形成すべき切土部302は、図
9の場合と同様に、擁壁303の底版325の内外幅N
3と同じかそれ以上の横深さ(平坦面321)で、且つ
該平坦面321の奥端部から所定高さ範囲(即ち、図1
0において点A3、点B3、点C3を結ぶ三角形内の範
囲)の土砂を掘削・排除して形成する。そして、このよ
うに切土部302を形成した後、切土部平坦面321上
にL型の擁壁303を構築し(既製品のL型擁壁を設置
する場合もある)、その後、擁壁303の立上り版32
6内面と切土部斜面322との隙間に土砂Eを充填し
て、その上面に所定路幅Mの平坦面を形成する。
【0006】図11に示す第4従来例の擁壁構造Y4で
は、擁壁403として逆T型のもの(この場合も片持ち
ばり式擁壁となる)が採用されている。即ち、図11の
擁壁403では、その底版425部分に立上り版426
の位置より適宜小幅だけ外方に突出する突出版427が
一体形成されている。そして、この図11に示す擁壁4
03の構築工法では、山肌(傾斜面)401に形成すべ
き切土部402は、図10の場合と同様に、擁壁403
の底版425の内外幅N4と同じかそれ以上の横深さ
(平坦面421)で、且つ該平坦面421の奥端部から
所定高さ範囲(即ち、図11において点A4、点B4、点
C4を結ぶ三角形内の範囲)の土砂を掘削・排除して形
成する。そして、このように切土部402を形成した
後、切土部平坦面421上に逆T型の擁壁403を構築
し(この場合も既製品の逆T型擁壁を設置する場合があ
る)、その後、擁壁403の立上り版426内面と切土
部斜面422との隙間に土砂Eを充填して、その上面に
所定路幅Mの平坦面を形成する。
は、擁壁403として逆T型のもの(この場合も片持ち
ばり式擁壁となる)が採用されている。即ち、図11の
擁壁403では、その底版425部分に立上り版426
の位置より適宜小幅だけ外方に突出する突出版427が
一体形成されている。そして、この図11に示す擁壁4
03の構築工法では、山肌(傾斜面)401に形成すべ
き切土部402は、図10の場合と同様に、擁壁403
の底版425の内外幅N4と同じかそれ以上の横深さ
(平坦面421)で、且つ該平坦面421の奥端部から
所定高さ範囲(即ち、図11において点A4、点B4、点
C4を結ぶ三角形内の範囲)の土砂を掘削・排除して形
成する。そして、このように切土部402を形成した
後、切土部平坦面421上に逆T型の擁壁403を構築
し(この場合も既製品の逆T型擁壁を設置する場合があ
る)、その後、擁壁403の立上り版426内面と切土
部斜面422との隙間に土砂Eを充填して、その上面に
所定路幅Mの平坦面を形成する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、図8〜図1
1に示す第1〜第4従来例の各擁壁構築工法又はそれら
の工法によって構築された擁壁構造では、それぞれ次の
ような欠点があった。
1に示す第1〜第4従来例の各擁壁構築工法又はそれら
の工法によって構築された擁壁構造では、それぞれ次の
ような欠点があった。
【0008】まず、図8に示す第1従来例の擁壁構築工
法においては、例えば図示例のように、山肌に道路を形
成する場合には、路幅Mの山側奥端部に擁壁103が形
成される関係上、掘削すべき奥行き幅(N1の幅)が大
きくなって土砂の掘削・排出量が多くなり(縦断面にお
いて三点A1,B1,C1を結ぶ三角形の面積範囲)、そ
の掘削及び掘削土排出のための作業コストが高価となる
とともに、工期が長くなるという問題があった。又、こ
の図8の擁壁構造Y1では、擁壁103の重量の一部を
切土部斜面122側にもたれかけさせているが、該擁壁
103は比較的薄形(軽量)に形成されているために、
擁壁重量によって山側からの土圧に対する抵抗力は小さ
いものとなっていた。
法においては、例えば図示例のように、山肌に道路を形
成する場合には、路幅Mの山側奥端部に擁壁103が形
成される関係上、掘削すべき奥行き幅(N1の幅)が大
きくなって土砂の掘削・排出量が多くなり(縦断面にお
いて三点A1,B1,C1を結ぶ三角形の面積範囲)、そ
の掘削及び掘削土排出のための作業コストが高価となる
とともに、工期が長くなるという問題があった。又、こ
の図8の擁壁構造Y1では、擁壁103の重量の一部を
切土部斜面122側にもたれかけさせているが、該擁壁
103は比較的薄形(軽量)に形成されているために、
擁壁重量によって山側からの土圧に対する抵抗力は小さ
いものとなっていた。
【0009】又、図9に示す第2従来例の擁壁構造Y2
においては、擁壁203が大重量となるので、擁壁20
3の自己重量によって山側からの土圧に対する抵抗力は
比較的強くなるものの、この第2従来例の擁壁構築工法
では、構築される擁壁203の底面厚さが大きいため
に、切土部平坦面221の奥行き深さN2を深くする必
要があり、その結果、切土部202を形成するのに大量
の土砂(縦断面において三点A2,B2,C2を結ぶ三角
形の面積範囲の土砂)を掘削・排出しなければならず、
そのための作業コストが高価になるとともに工期が長く
なるという問題があった。
においては、擁壁203が大重量となるので、擁壁20
3の自己重量によって山側からの土圧に対する抵抗力は
比較的強くなるものの、この第2従来例の擁壁構築工法
では、構築される擁壁203の底面厚さが大きいため
に、切土部平坦面221の奥行き深さN2を深くする必
要があり、その結果、切土部202を形成するのに大量
の土砂(縦断面において三点A2,B2,C2を結ぶ三角
形の面積範囲の土砂)を掘削・排出しなければならず、
そのための作業コストが高価になるとともに工期が長く
なるという問題があった。
【0010】さらに又、図10に示す第3従来例の擁壁
構造Y3、及び図11に示す第4従来例の擁壁構造Y4で
は、それぞれL型(又は逆T型)の擁壁303(又は4
03)の底版325(又は425)が土砂で埋められる
ので、該各底版がアンカー作用を発揮して山側からの土
圧による擁壁転倒作用に対して底版部分によってかなり
の抵抗力を有するものの(特に図11の擁壁403では
底版に外方突出版427を設けているので擁壁転倒作用
に対して突っ張り力が働く)、それぞれ擁壁底版(32
5,425)の奥行き幅が大きいために、切土部を形成
する際に切土部平坦面321(又は421)の奥行き深
さN3(又はN4)を大きくする必要があり、上記図9の
擁壁構築工法と同様の問題(切土部掘削のための作業コ
ストが高価となり、工期が長くなる)があった。又、こ
の図10及び図11の各擁壁構造Y3,Y4では、それぞ
れ擁壁303,403の重量が比較的軽量であるので、
擁壁自体の重量による山側からの土圧に対する抵抗力が
小さいという問題もあった。
構造Y3、及び図11に示す第4従来例の擁壁構造Y4で
は、それぞれL型(又は逆T型)の擁壁303(又は4
03)の底版325(又は425)が土砂で埋められる
ので、該各底版がアンカー作用を発揮して山側からの土
圧による擁壁転倒作用に対して底版部分によってかなり
の抵抗力を有するものの(特に図11の擁壁403では
底版に外方突出版427を設けているので擁壁転倒作用
に対して突っ張り力が働く)、それぞれ擁壁底版(32
5,425)の奥行き幅が大きいために、切土部を形成
する際に切土部平坦面321(又は421)の奥行き深
さN3(又はN4)を大きくする必要があり、上記図9の
擁壁構築工法と同様の問題(切土部掘削のための作業コ
ストが高価となり、工期が長くなる)があった。又、こ
の図10及び図11の各擁壁構造Y3,Y4では、それぞ
れ擁壁303,403の重量が比較的軽量であるので、
擁壁自体の重量による山側からの土圧に対する抵抗力が
小さいという問題もあった。
【0011】本願発明は、上記した従来の問題点に鑑み
てなされたもので、土圧に対して大きな滑動抵抗力を維
持させることができるようにするとともに、例えば山肌
等に擁壁構築用の切土部を形成する際に掘削すべき土砂
の量を比較的少なくできるようにした、擁壁構造及び擁
壁構築工法を提案することを目的としてなされたもので
ある。
てなされたもので、土圧に対して大きな滑動抵抗力を維
持させることができるようにするとともに、例えば山肌
等に擁壁構築用の切土部を形成する際に掘削すべき土砂
の量を比較的少なくできるようにした、擁壁構造及び擁
壁構築工法を提案することを目的としてなされたもので
ある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本願発明の擁壁構造及び
擁壁構築工法は、上記課題を解決するための手段とし
て、次の構成上の特徴を有している。
擁壁構築工法は、上記課題を解決するための手段とし
て、次の構成上の特徴を有している。
【0013】即ち、本願発明では、造成土地の側面や山
肌等の切土部に構築された擁壁は、重力式擁壁として機
能するような大重量にしている。又、該擁壁は、擁壁上
面の奥行き厚さが擁壁底面の奥行き厚さより厚くなるよ
うにし、しかも擁壁の重心が擁壁底面の厚さ方向奥端位
置より切土部の側面側に偏位するようにしている。
肌等の切土部に構築された擁壁は、重力式擁壁として機
能するような大重量にしている。又、該擁壁は、擁壁上
面の奥行き厚さが擁壁底面の奥行き厚さより厚くなるよ
うにし、しかも擁壁の重心が擁壁底面の厚さ方向奥端位
置より切土部の側面側に偏位するようにしている。
【0014】又、このような擁壁を構築するに際して、
まず造成土地の側面や山肌等に、横向きの平坦面の奥行
き深さが短小となる如く切土部を形成する。そして、該
切土部に擁壁を構築する際に、擁壁上面の奥行き厚さが
擁壁底面の奥行き厚さより厚くなるようにし且つ擁壁の
重心が擁壁底面の厚さ方向奥端位置より上記切土部斜面
側に偏位するようにして構築する。尚、切土部に擁壁を
構築する際に、横向き平坦面が岩盤等で強固な場合は、
そのまま平坦面上に擁壁を構築してもよいが、該平坦面
が軟弱地盤である場合には、該平坦面部分に予めコンク
リート等で地盤強化した後に擁壁を構築するようにする
とよい。又、擁壁の底部と切土部平坦面の地盤とを凹凸
嵌合させたり、あるいは擁壁底部と切土部平坦面の地盤
との間につなぎ鉄筋を介在させて、擁壁底部の位置ずれ
を防止するようにしてもよい。
まず造成土地の側面や山肌等に、横向きの平坦面の奥行
き深さが短小となる如く切土部を形成する。そして、該
切土部に擁壁を構築する際に、擁壁上面の奥行き厚さが
擁壁底面の奥行き厚さより厚くなるようにし且つ擁壁の
重心が擁壁底面の厚さ方向奥端位置より上記切土部斜面
側に偏位するようにして構築する。尚、切土部に擁壁を
構築する際に、横向き平坦面が岩盤等で強固な場合は、
そのまま平坦面上に擁壁を構築してもよいが、該平坦面
が軟弱地盤である場合には、該平坦面部分に予めコンク
リート等で地盤強化した後に擁壁を構築するようにする
とよい。又、擁壁の底部と切土部平坦面の地盤とを凹凸
嵌合させたり、あるいは擁壁底部と切土部平坦面の地盤
との間につなぎ鉄筋を介在させて、擁壁底部の位置ずれ
を防止するようにしてもよい。
【0015】山肌等の傾斜面に切土部を形成する際に、
その横向きの平坦面は、そこに構築すべき擁壁の底面厚
さと同程度の奥行き深さだけ掘削すればよい。この平坦
面の奥行き深さは、構築すべき擁壁の大きさにもよる
が、例えば1〜1.5m程度の比較的小さい奥行き深さで
よく、該平坦面上に構築した擁壁を安定した状態で支持
し得るものであればよい。又、該平坦面の奥端部から上
方への掘削高さは、山肌等の傾斜面の傾斜角度や構築さ
れる擁壁の大きさにもよるが、切土部に構築される擁壁
の上面に所定長さの奥行き幅(例えば道路を形成する場
合にはその路幅)を確保し得る程度まで掘削する。
その横向きの平坦面は、そこに構築すべき擁壁の底面厚
さと同程度の奥行き深さだけ掘削すればよい。この平坦
面の奥行き深さは、構築すべき擁壁の大きさにもよる
が、例えば1〜1.5m程度の比較的小さい奥行き深さで
よく、該平坦面上に構築した擁壁を安定した状態で支持
し得るものであればよい。又、該平坦面の奥端部から上
方への掘削高さは、山肌等の傾斜面の傾斜角度や構築さ
れる擁壁の大きさにもよるが、切土部に構築される擁壁
の上面に所定長さの奥行き幅(例えば道路を形成する場
合にはその路幅)を確保し得る程度まで掘削する。
【0016】上記切土部に構築される擁壁は、底面厚さ
が小さく、上面厚さが大きく、外側面がほぼ鉛直面で、
且つ内側面が切土部側面側に大きく膨出するような傾斜
面(円弧面あるいは階段状にすることもある)となるよ
うな縦断面逆台形状に形成される。又、該擁壁の大きさ
は、底面厚さ(水平奥行き方向の厚さ)が切土部平坦面
の奥行き深さと同じ(例えば上記1〜1.5m程度)で、
高さが例えば上記底面厚さの5〜10倍程度で、上面厚
さが例えば該底面厚さの3.5〜7倍程度の大きさに形成
することができる。さらに、このとき擁壁の重心が擁壁
底面の厚さ方向奥端位置より切土部側面側に適宜幅だけ
偏位するようにしている。尚、擁壁の外側面は内方側あ
るいは外方側に若干角度だけ傾斜させてもよい。
が小さく、上面厚さが大きく、外側面がほぼ鉛直面で、
且つ内側面が切土部側面側に大きく膨出するような傾斜
面(円弧面あるいは階段状にすることもある)となるよ
うな縦断面逆台形状に形成される。又、該擁壁の大きさ
は、底面厚さ(水平奥行き方向の厚さ)が切土部平坦面
の奥行き深さと同じ(例えば上記1〜1.5m程度)で、
高さが例えば上記底面厚さの5〜10倍程度で、上面厚
さが例えば該底面厚さの3.5〜7倍程度の大きさに形成
することができる。さらに、このとき擁壁の重心が擁壁
底面の厚さ方向奥端位置より切土部側面側に適宜幅だけ
偏位するようにしている。尚、擁壁の外側面は内方側あ
るいは外方側に若干角度だけ傾斜させてもよい。
【0017】又、擁壁としては、全体をコンクリートで
固めたもの、又は内外両コンクリート壁間に土砂を充填
したもの、あるいは下部側の大部分の体積部分をコンク
リートで成形した擁壁主体の上に所定厚さの土砂を充填
したもの、等の構造が採用可能である。尚、例えば、山
肌等に道路を形成する場合のように、長い距離に亘って
且つ大型の擁壁を構築する場合には、所定長さづつに区
切ってしかも適宜小高さ範囲づつ構築していくとよい。
固めたもの、又は内外両コンクリート壁間に土砂を充填
したもの、あるいは下部側の大部分の体積部分をコンク
リートで成形した擁壁主体の上に所定厚さの土砂を充填
したもの、等の構造が採用可能である。尚、例えば、山
肌等に道路を形成する場合のように、長い距離に亘って
且つ大型の擁壁を構築する場合には、所定長さづつに区
切ってしかも適宜小高さ範囲づつ構築していくとよい。
【0018】
【作用】本願発明の擁壁構造では、擁壁を縦断面逆台形
状(底面厚さより上面厚さが大幅に大きい)で且つ大型
・大重量に形成しているので、擁壁自体で山側からの土
圧に対して大きな抵抗力を有するようになり、さらに擁
壁の重心が擁壁底面の厚さ方向奥端位置より切土部斜面
側に偏位しているので、擁壁の一部の重量を切土部側面
側にもたれかけさせることができるようになる。即ち、
1つの擁壁で従来の重力式と、もたれ式の両方の作用が
得られる。
状(底面厚さより上面厚さが大幅に大きい)で且つ大型
・大重量に形成しているので、擁壁自体で山側からの土
圧に対して大きな抵抗力を有するようになり、さらに擁
壁の重心が擁壁底面の厚さ方向奥端位置より切土部斜面
側に偏位しているので、擁壁の一部の重量を切土部側面
側にもたれかけさせることができるようになる。即ち、
1つの擁壁で従来の重力式と、もたれ式の両方の作用が
得られる。
【0019】又、本願発明の擁壁構築工法では、山肌等
の傾斜面に形成する擁壁構築用の切土部は、その横向き
平坦面の奥行き深さを短小としているので、切土部を形
成する際の土砂掘削量が少なくて済む。
の傾斜面に形成する擁壁構築用の切土部は、その横向き
平坦面の奥行き深さを短小としているので、切土部を形
成する際の土砂掘削量が少なくて済む。
【0020】
【発明の効果】本願発明の擁壁構造によれば、擁壁は、
大重量とし且つ擁壁の上面厚さが底面厚さより厚くなる
ような縦断面逆台形状とするとともに、擁壁の重心が擁
壁底面の厚さ方向奥端位置より切土部斜面側に偏位する
ようにしているので、1つの擁壁で重力式機能ともたれ
式機能をもたせることができ、同重量の擁壁であっても
山側からの土圧に対して滑動抵抗力を大きくできて強度
を向上させることができるという効果がある。
大重量とし且つ擁壁の上面厚さが底面厚さより厚くなる
ような縦断面逆台形状とするとともに、擁壁の重心が擁
壁底面の厚さ方向奥端位置より切土部斜面側に偏位する
ようにしているので、1つの擁壁で重力式機能ともたれ
式機能をもたせることができ、同重量の擁壁であっても
山側からの土圧に対して滑動抵抗力を大きくできて強度
を向上させることができるという効果がある。
【0021】又、本願発明の擁壁構築工法では、擁壁を
構築すべき切土部における横向き平坦面の奥行き深さを
小さくしていることにより、例えば山肌等に切土部を形
成する際の土砂掘削量を少なくでき、それによって切土
部形成のための作業コストを軽減できるとともに、工期
を短縮できるという効果がある。
構築すべき切土部における横向き平坦面の奥行き深さを
小さくしていることにより、例えば山肌等に切土部を形
成する際の土砂掘削量を少なくでき、それによって切土
部形成のための作業コストを軽減できるとともに、工期
を短縮できるという効果がある。
【0022】
【実施例】図1〜図7を参照して本願発明のいくつかの
実施例を説明すると、図1及び図2には本願発明の第1
実施例、図3には第1実施例における擁壁底部の変形
例、図4〜図7にはそれぞれ同第2〜第5実施例の擁壁
構造をそれぞれ示している。この各実施例の擁壁構造
(X1〜X5)は、それぞれ大重量の擁壁3を使用し、重
力式機能を有するとともにもたれ式機能も有している。
又、この各実施例の擁壁構造では、例えば山肌等に道路
を形成するときのように、擁壁3の上面31部分に所定
の奥行き幅L1(路幅)を形成するようにしている。
実施例を説明すると、図1及び図2には本願発明の第1
実施例、図3には第1実施例における擁壁底部の変形
例、図4〜図7にはそれぞれ同第2〜第5実施例の擁壁
構造をそれぞれ示している。この各実施例の擁壁構造
(X1〜X5)は、それぞれ大重量の擁壁3を使用し、重
力式機能を有するとともにもたれ式機能も有している。
又、この各実施例の擁壁構造では、例えば山肌等に道路
を形成するときのように、擁壁3の上面31部分に所定
の奥行き幅L1(路幅)を形成するようにしている。
【0023】図1及び図2に示す第1実施例の擁壁構造
X1は、山肌等の傾斜面1に擁壁構築用の切土部2を掘
削・形成して、その切土部2部分に縦断面逆台形状のコ
ンクリート製擁壁3を構築したものである。
X1は、山肌等の傾斜面1に擁壁構築用の切土部2を掘
削・形成して、その切土部2部分に縦断面逆台形状のコ
ンクリート製擁壁3を構築したものである。
【0024】切土部2は、横向き平坦面21の奥行き深
さが短小で、且つ該平坦面21の奥端部(点B5の位
置)から上方側が奥側に後退するような斜面22を有す
る如く形成している。即ち、図2の縦断面図において、
三点A5、B5、C5を結ぶ三角形内の範囲の土砂を掘削
・排除して切土部2を形成する。この場合、横向き平坦
面21の奥行き深さ(点A5〜B5までの長さ)は、そこ
に擁壁3を構築したときに、該擁壁3を安定した状態で
保持し得る程度の可及的に短小長さ(例えば1〜1.5m
程度)にするとよい。このように、切土部平坦面21の
奥行き深さを短小にすると、切土部2の範囲(三点
A5、B5、C5を結ぶ三角形内の範囲)を小さくでき
て、例えば図9に示す従来例の場合(横向き平坦面22
1の奥行き深さが符号N2)に比して土砂の掘削量を大
幅に少なくすることができる。従って、切土部2を形成
するためのコストを低減できるとともに、掘削のための
工期を大幅に短縮できる。
さが短小で、且つ該平坦面21の奥端部(点B5の位
置)から上方側が奥側に後退するような斜面22を有す
る如く形成している。即ち、図2の縦断面図において、
三点A5、B5、C5を結ぶ三角形内の範囲の土砂を掘削
・排除して切土部2を形成する。この場合、横向き平坦
面21の奥行き深さ(点A5〜B5までの長さ)は、そこ
に擁壁3を構築したときに、該擁壁3を安定した状態で
保持し得る程度の可及的に短小長さ(例えば1〜1.5m
程度)にするとよい。このように、切土部平坦面21の
奥行き深さを短小にすると、切土部2の範囲(三点
A5、B5、C5を結ぶ三角形内の範囲)を小さくでき
て、例えば図9に示す従来例の場合(横向き平坦面22
1の奥行き深さが符号N2)に比して土砂の掘削量を大
幅に少なくすることができる。従って、切土部2を形成
するためのコストを低減できるとともに、掘削のための
工期を大幅に短縮できる。
【0025】そして、この第1実施例の擁壁構造X1で
は、上記切土部2にコンクリート製の擁壁3が構築され
ているが、この擁壁3は、その底面厚さL2が短く(例
えばL2=1〜1.5m程度)、上面厚さL1がそれより大
幅に大きくなっている(例えば底面厚さL2の3〜5倍
程度)とともに、内側面33が切土部斜面22に密着し
且つ外側面34が鉛直面となっている。このように、構
築される擁壁3は、底面厚さL2より上面厚さL1を大き
くした逆台形状に構成されるので、重力式擁壁としての
機能を発揮するものである。尚、この第1実施例の擁壁
3では、全体をコンクリートで形成しているが、コンク
リートの場合は1m3当たりの重量が約2.3t(トン)と
なり、擁壁の縦断面大きさを、例えば底面厚さL2を1
m、高さを5m、底面厚さL1を3.5mとした場合に、擁
壁3の重量が長さ1m当たり、約26t弱となり、重力
式擁壁として適用できる。
は、上記切土部2にコンクリート製の擁壁3が構築され
ているが、この擁壁3は、その底面厚さL2が短く(例
えばL2=1〜1.5m程度)、上面厚さL1がそれより大
幅に大きくなっている(例えば底面厚さL2の3〜5倍
程度)とともに、内側面33が切土部斜面22に密着し
且つ外側面34が鉛直面となっている。このように、構
築される擁壁3は、底面厚さL2より上面厚さL1を大き
くした逆台形状に構成されるので、重力式擁壁としての
機能を発揮するものである。尚、この第1実施例の擁壁
3では、全体をコンクリートで形成しているが、コンク
リートの場合は1m3当たりの重量が約2.3t(トン)と
なり、擁壁の縦断面大きさを、例えば底面厚さL2を1
m、高さを5m、底面厚さL1を3.5mとした場合に、擁
壁3の重量が長さ1m当たり、約26t弱となり、重力
式擁壁として適用できる。
【0026】又、この第1実施例の擁壁構造X1では、
擁壁3の重心Gが、擁壁底面32の厚さ方向奥端位置P
(点B5の位置)より切土部斜面22側に幅Qだけ偏位
するように設計している。このようにすると、擁壁3の
一部の重量が切土部斜面22側にもたれるようになり、
この擁壁3を重力式であるとともにもたれ式として機能
させることができる。
擁壁3の重心Gが、擁壁底面32の厚さ方向奥端位置P
(点B5の位置)より切土部斜面22側に幅Qだけ偏位
するように設計している。このようにすると、擁壁3の
一部の重量が切土部斜面22側にもたれるようになり、
この擁壁3を重力式であるとともにもたれ式として機能
させることができる。
【0027】又、擁壁3を構築すべき切土部平坦面21
が岩盤のような強固な地盤であれば、そのまま平坦面2
1上に擁壁3を構築すればよいが、該平坦面21の地盤
が軟弱である場合には、例えば図3に示すように、該平
坦面21部分を符号28で示すようにコンクリートで補
強した後、そのコンクリート基盤28上に擁壁3を構築
するようにすればよい。又、擁壁3の横滑りを防止する
ために、コンクリート基盤28と擁壁底面32とを符号
29(図3)で示すように凹凸嵌合させたり、さらに該
コンクリート基盤28と擁壁底面32間につなぎ鉄筋3
0を介在させるようにしてもよい。
が岩盤のような強固な地盤であれば、そのまま平坦面2
1上に擁壁3を構築すればよいが、該平坦面21の地盤
が軟弱である場合には、例えば図3に示すように、該平
坦面21部分を符号28で示すようにコンクリートで補
強した後、そのコンクリート基盤28上に擁壁3を構築
するようにすればよい。又、擁壁3の横滑りを防止する
ために、コンクリート基盤28と擁壁底面32とを符号
29(図3)で示すように凹凸嵌合させたり、さらに該
コンクリート基盤28と擁壁底面32間につなぎ鉄筋3
0を介在させるようにしてもよい。
【0028】この第1実施例の擁壁構造X1では、擁壁
3が重力式ともたれ式の両機能を発揮することにより、
山側からの土圧に対して大きな滑動抵抗力を有するよう
になり、擁壁構造が強固になる。又、擁壁3を構築すべ
き切土部2として、その横向き平坦面21の奥行き深さ
を小さくすることにより、切土部2を掘削する際の作業
コストを安価にできるとともに工期を短縮できる。尚、
擁壁3の上面厚さL1の幅だけでは必要路幅が確保でき
ないときには、図2において符号24で示すように擁壁
上面31に連続して傾斜面1の一部の土砂を削り取って
路幅を拡張させることができる。さらに、この実施例で
は、擁壁構造を山肌等の傾斜面1に適用しているが、他
の実施例では造成土地の側面や道路の側面等に適用する
こともできる。
3が重力式ともたれ式の両機能を発揮することにより、
山側からの土圧に対して大きな滑動抵抗力を有するよう
になり、擁壁構造が強固になる。又、擁壁3を構築すべ
き切土部2として、その横向き平坦面21の奥行き深さ
を小さくすることにより、切土部2を掘削する際の作業
コストを安価にできるとともに工期を短縮できる。尚、
擁壁3の上面厚さL1の幅だけでは必要路幅が確保でき
ないときには、図2において符号24で示すように擁壁
上面31に連続して傾斜面1の一部の土砂を削り取って
路幅を拡張させることができる。さらに、この実施例で
は、擁壁構造を山肌等の傾斜面1に適用しているが、他
の実施例では造成土地の側面や道路の側面等に適用する
こともできる。
【0029】図4〜図7に示す第2〜第5実施例の各擁
壁構造X2〜X5は、基本的には上記第1実施例のものと
同様であるが、図4〜図7の各擁壁構造ではそれぞれ次
の点で第1実施例のものと異なっている。
壁構造X2〜X5は、基本的には上記第1実施例のものと
同様であるが、図4〜図7の各擁壁構造ではそれぞれ次
の点で第1実施例のものと異なっている。
【0030】図4の第2実施例の擁壁構造X2では、擁
壁3として、その内側面33を円弧面状の曲面としてい
る。このようにすると、図2の第1実施例の場合よりも
切土部2を形成するための土砂の掘削量を少なくでき
る。
壁3として、その内側面33を円弧面状の曲面としてい
る。このようにすると、図2の第1実施例の場合よりも
切土部2を形成するための土砂の掘削量を少なくでき
る。
【0031】図5の第3実施例の擁壁構造X3では、擁
壁3の内側面33側を階段状に形成している。このよう
にすると、擁壁3の内側面33側が切土部2の斜面22
部分に階段状に食い込んでいるので、擁壁3が切土部斜
面22に対して滑動しにくくなる。尚、この場合、二点
鎖線(符号F)で示すように各段の高さづつに分けてコ
ンクリート壁を構築するようにすればよい。
壁3の内側面33側を階段状に形成している。このよう
にすると、擁壁3の内側面33側が切土部2の斜面22
部分に階段状に食い込んでいるので、擁壁3が切土部斜
面22に対して滑動しにくくなる。尚、この場合、二点
鎖線(符号F)で示すように各段の高さづつに分けてコ
ンクリート壁を構築するようにすればよい。
【0032】図6の第4実施例の擁壁構造X4では、擁
壁3を構築する際に、切土部2部分に予め容器状のコン
クリート壁35を形成した後、該コンクリート壁35内
に土砂Eを充填して擁壁3を構築している。この場合
は、擁壁3全体をコンクリートで形成した場合に比し
て、全体重量がやや軽量となるものの、全体をコンクリ
ートで形成する場合よる工事費が安価となる。尚、この
場合には、コンクリート壁35の内外各壁体35a,3
5b間に補強用の連結材36を介在させるとよい。又、
該コンクリート壁35は、内外の両壁体35a,35b
のみ(底壁を省略)でもよい。
壁3を構築する際に、切土部2部分に予め容器状のコン
クリート壁35を形成した後、該コンクリート壁35内
に土砂Eを充填して擁壁3を構築している。この場合
は、擁壁3全体をコンクリートで形成した場合に比し
て、全体重量がやや軽量となるものの、全体をコンクリ
ートで形成する場合よる工事費が安価となる。尚、この
場合には、コンクリート壁35の内外各壁体35a,3
5b間に補強用の連結材36を介在させるとよい。又、
該コンクリート壁35は、内外の両壁体35a,35b
のみ(底壁を省略)でもよい。
【0033】図7の第5実施例の擁壁構造X5では、擁
壁3として、その下方大部分の体積部分をコンクリート
で形成し、その擁壁主体部3Aの上面外側部に上方に向
けて所定高さの堰止め壁37を一体成型して、該擁壁主
体部3Aの上部に土砂を充填して構成している。
壁3として、その下方大部分の体積部分をコンクリート
で形成し、その擁壁主体部3Aの上面外側部に上方に向
けて所定高さの堰止め壁37を一体成型して、該擁壁主
体部3Aの上部に土砂を充填して構成している。
【0034】尚、図4〜図7の各実施例において、図2
と同一符号を付している部分は該図2の擁壁構造と同機
能を有するものであり、該図2の説明を援用する。
と同一符号を付している部分は該図2の擁壁構造と同機
能を有するものであり、該図2の説明を援用する。
【図1】本願発明の第1実施例に係る擁壁構造の要部斜
視図。
視図。
【図2】図1の縦断面図。
【図3】図1の擁壁構造の変形例を示す一部縦断面図。
【図4】本願発明の第2実施例に係る擁壁構造の縦断面
図。
図。
【図5】本願発明の第3実施例に係る擁壁構造の縦断面
図。
図。
【図6】本願発明の第4実施例に係る擁壁構造の縦断面
図。
図。
【図7】本願発明の第5実施例に係る擁壁構造の縦断面
図。
図。
【図8】第1従来例の擁壁構造の縦断面図。
【図9】第2従来例の擁壁構造の縦断面図。
【図10】第3従来例の擁壁構造の縦断面図。
【図11】第4従来例の擁壁構造の縦断面図。
1は山肌等の傾斜面、2は切土部、3は擁壁、21は切
土部平坦面、22は切土部側面、31は擁壁上面、32
は擁壁底面、Gは擁壁の重心、L1は擁壁上面厚さ、L2
は擁壁底面厚さ、Pは底面の厚さ方向奥端位置である。
土部平坦面、22は切土部側面、31は擁壁上面、32
は擁壁底面、Gは擁壁の重心、L1は擁壁上面厚さ、L2
は擁壁底面厚さ、Pは底面の厚さ方向奥端位置である。
Claims (2)
- 【請求項1】 造成土地の側面や山肌等に形成した切土
部(2)に擁壁(3)を構築してなる擁壁構造であっ
て、上記擁壁(3)は、重力式擁壁として機能し得る大
重量で且つ擁壁上面(31)の奥行き厚さ(L1)が擁
壁底面(32)の奥行き厚さ(L2)より厚くなるよう
にされているとともに、上記擁壁(3)の重心(G)が
擁壁底面(32)の厚さ方向奥端位置(P)より切土部
(2)の側面(22)側に偏位されていることを特徴と
する擁壁構造。 - 【請求項2】 造成土地の側面や山肌等に切土部(2)
を形成して該切土部(2)に擁壁(3)を構築するよう
にした擁壁構築工法であって、まず上記切土部(2)
を、横向きの平坦面(21)の奥行き深さが短小となる
如く形成し、該切土部(2)に擁壁(3)を構築する際
に、該擁壁上面(31)の奥行き厚さ(L1)が擁壁底
面(32)の奥行き厚さ(L2)より厚くなるようにす
るとともに該擁壁の重心(G)が擁壁底面(32)の厚
さ方向奥端位置(P)より上記切土部側面(22)側に
偏位する状態で擁壁(3)を構築するようにしたことを
特徴とする擁壁構築工法。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6084747A JP2543327B2 (ja) | 1994-04-22 | 1994-04-22 | 擁壁構造及び擁壁構築工法 |
US08/421,785 US5549420A (en) | 1994-04-22 | 1995-04-14 | Retaining wall structure and method of constructing same |
EP95302622A EP0679768A1 (en) | 1994-04-22 | 1995-04-20 | Retaining wall structure and method of constructing same |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6084747A JP2543327B2 (ja) | 1994-04-22 | 1994-04-22 | 擁壁構造及び擁壁構築工法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07292691A true JPH07292691A (ja) | 1995-11-07 |
JP2543327B2 JP2543327B2 (ja) | 1996-10-16 |
Family
ID=13839293
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6084747A Expired - Lifetime JP2543327B2 (ja) | 1994-04-22 | 1994-04-22 | 擁壁構造及び擁壁構築工法 |
Country Status (3)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US5549420A (ja) |
EP (1) | EP0679768A1 (ja) |
JP (1) | JP2543327B2 (ja) |
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JP2012237127A (ja) * | 2011-05-11 | 2012-12-06 | Ohbayashi Corp | 鉛直荷重の分散性を高めたポータルラーメン橋 |
JP2021011696A (ja) * | 2019-07-04 | 2021-02-04 | 株式会社共生 | 土砂落石防護工及びその施工方法 |
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US8632278B2 (en) | 2010-06-17 | 2014-01-21 | T & B Structural Systems Llc | Mechanically stabilized earth welded wire facing connection system and method |
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US20100325819A1 (en) * | 2009-06-25 | 2010-12-30 | Anthony Abreu | Bridge approach and abutment construction and method |
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US8632279B2 (en) | 2010-01-08 | 2014-01-21 | T & B Structural Systems Llc | Splice for a soil reinforcing element or connector |
US8632282B2 (en) | 2010-06-17 | 2014-01-21 | T & B Structural Systems Llc | Mechanically stabilized earth system and method |
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