JP5007140B2 - ハニカム構造体構築用支持具 - Google Patents

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本発明は板状や網状の高分子材料からなるストリップ材をはちの巣構造にしたハニカム状立体補強材に、土砂・砕石等の充填材を充填したハニカム構造体の構築方法に関する。
以前より板状や網状の高分子材料からなるストリップ材をはちの巣構造にしたハニカム状立体補強材は知られており、このハニカム状立体補強材に充填材を充填したハニカム構造体は(以下、ハニカム状立体補強材に充填材を充填した構造体を「ハニカム構造体」と記す)地盤の補強材、道路の路盤材、歩道の基礎材、仮設道路、擁壁の資材に利用されてきた(特許文献1)。
ハニカム構造体を用いた地盤補強構造体をコンクリート構造物や道路、鉄道などの下部支持体として利用することも一般的に行われている。特許文献2では、ハニカム構造体を用いた地盤補強構造体を鉄道等の道床として利用した例を提示している。
ところでハニカム構造体の構築には、柔軟な材料であるハニカム状立体補強材を施工位置に固定するため、施工範囲を取り囲むように木材等を用いて型枠を設置しなければならなかった。この型枠の設置工事は、その後のハニカム構造体の設置工事と比して大変手間のかかるものであった。
またハニカム構造体設置完了後、ハニカム構造体の周囲を埋め戻しながら、型枠を撤去していかなければならなかった。撤去を怠ると、将来において土中にて型枠を構成する木材が腐り沈下等の障害が起こり、施工不良の原因となった。さらに、この一連の型枠設置及び撤去作業は大変手間の掛かる作業で、簡易に構造物等の支持体を施工できることが利点のはずのハニカム構造体設置工事のネックとなっていた。
特許第2825897号公報 特開平8−189002号
本発明は、ハニカム構造体構築において、その前段階で行われる型枠設置工事と、後処理として行われる型枠撤去工事の手間を省くことができるハニカム構造体構築用支持具とその工法の提供である。
本発明はこの課題を解決するためになされたものであり、請求項1記載の発明は、板状または網状の高分子材料をはちの巣構造にしたハニカム状立体補強材に土砂・砕石等を充填したハニカム構造体を構築するに際して、柔軟なハニカム状立体補強材の端部側面の位置を固定し、当該ハニカム構造体の施工範囲を決定するためにハニカム構造体の施工範囲を縁取るように並べて設けられる支持具であって、当該支持具は前記ハニカム状立体補強材の端部側面と接する長方形または正方形または台形または三角形の板と、地面と接する長方形または正方形または台形または三角形の板からなるL型形状または逆T形状である、ハニカム構造体構築後は撤去の必要がないハニカム構造体構築用支持具である。
請求項2記載の発明は、前記ハニカム状立体補強材の端部側面と接する長方形状板と、地面と接する長方形状板からなり、当該ハニカム状立体補強材の端部側面と接する長方形状板の一辺と地面と接する長方形状板がほぼ垂直に結合した請求項1記載のハニカム構造体構築用支持具である。
請求項3記載の発明は、前記ハニカム状立体補強材の端部側面と接する長方形状板の一辺と、前記地面と接する長方形状板の一辺が結合し、L型形状をした請求項1または2記載のハニカム構造体構築用支持具である。
請求項4記載の発明は、前記ハニカム状立体補強材の端部側面と接する長方形状板の一辺と、前記地面と接する長方形状板の面が結合し、逆T型形状をした請求項1から3のいずれかに記載のハニカム構造体構築用支持具である。
請求項5記載の発明は、前記ハニカム状立体補強材の端部側面と接する長方形状板と、前記地面と接する長方形状板の、いずれかまたは両方に孔を有する請求項1から4のいずれかに記載のハニカム構造体構築用支持具である。
請求項6記載の発明は、前記ハニカム状立体補強材の端部側面と接する長方形状板と、前記地面と接する長方形状板に、補強部材が結合されている構造をなす請求項1から5のいずれかに記載のハニカム構造体構築用支持具である。
請求項7記載の発明は、板状または網状の高分子材料をはちの巣構造にしたハニカム状立体補強材に土砂・砕石等を充填したハニカム構造体の施工方法であって、ハニカム構造体構築用支持具をハニカム構造体の施工範囲を縁取るように並べ、当該ハニカム構造体構築用支持具を仮止め程度にアンカーピンまたは杭で固定し、当該施工範囲の内側に当該ハニカム状立体補強材を展帳して敷設し、当該ハニカム状立体補強材のセル内に充填材を充填する、請求項1から請求項6のいずれかに記載のハニカム構造体構築用支持具を用いるハニカム構造体の施工方法である。
本発明による支持具を用いることにより、ハニカム構造体の施工範囲を決定し、柔軟なハニカム構造体を固定し、その形状を確定することができる。
本発明による支持具を用いることにより、ハニカム構造体の施工の際に現場でその都度施工していた木製等の型枠設置工事を容易にすることができる。
また、本発明による埋め殺しのできる支持具により、ハニカム構造体設置後に行われていた木製等の型枠撤去作業の手間を省くことができる。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。
図1は、この発明に利用するハニカム状立体補強材1の展張前の斜視図である。ハニカム状立体補強材1は、複数枚の高密度ポリエチレンのストリップ材2を一定間隔の結合部位4にて結合したものである。このハニカム状立体補強材1は展張方向5に展張してハニカム状のセル構造を形成する。
ハニカム状立体補強材1のストリップ材には排水性を向上させるために孔3を設けた方がよい。孔の大きさや形状はどのようなものでもよいが、特に大きさが1cm程度の円形のものがよい。さらに孔の数は多い方が良いが、多すぎるとストリップ材の強度が低下するため、ストリップ材の面積の40%を越えない程度の数がよい。また孔の配置は直列でも千鳥配置でもよい。
図2は、図1で示した、ストリップ材に孔を有するハニカム状立体補強材を展張した際の斜視図である。ハニカム状立体補強材1を展張すると、ハニカム状のセル6が形成される。セル6内に充填材7を充填して締め固めを行うことにより、剛性のあるハニカム構造体を形成させる。ストリップ材に孔があるとセル内の水が上下方向だけでなく、横方向にも移動可能となり、排水性が向上する。
図3は、本発明のハニカム状立体補強材を用いたハニカム構造体の構築に用いる支持具(L型)の斜視図である。支持具8は2枚の長方形状板の各一辺を結合したL型断面の構造をしている。また板の内側に水抜きのための孔9を持つ。また支持具8の中心部分に補強部材10を擁している。補強部材10は支持具に付属する補強部材接続用スリット11に入れこみ、L型の支持具の強度を増加させている。
支持具を構成する長方形状の2枚の板は長方形でなくてもよく、正方形でも台形でも三角形でもよい。水抜きのための孔9は、図3では2つの大きな正方形状の孔を描写しているが、排水性を有していれば大きな孔でなくても良く、小さな孔をたくさん開けた形状でもよい。また孔の形も四角形状にこだわらず、円形でも楕円形でも三角形でも多角形でもよい。
補強部材10は図3のような三角形に限らず、支持具のL型形状を維持できれば長方形や棒状でもよい。また、1カ所に限らす多数設けての良い。また補強部材は、本例のように使用時に支持具に接続するタイプでも良いし、あらかじめ支持具に接続された状態でもよい。
図4は、本発明のハニカム状立体補強材を用いたハニカム構造体の構築に用いる支持具(逆T型)の斜視図である。支持具8はハニカム構造体端部側面と接する長方形状板の一辺と、地面と接する長方形状板の面を結合させた断面形状が逆T型の形状でも良い。また図4では長方形状板に小さな多数の孔を有した例を示している。
本発明の支持具は、土中で腐らない材質であればどのような材料を用いても良い。望ましいのはプラスチックやステンレスなど耐食性のある金属である。さらに望ましいのはポリエチレンやポリプロピレンといったプラスチックである。
図5は、本発明の支持具(L型)の施工例である。ハニカム構造体の施工範囲を縁取るように支持具を並べてゆく。並べた支持具は仮止め程度にアンカーピンや杭等で固定することが望ましい。逆T型でも同様に並べていく。
図7は従来の現場施工する木枠の施工例である。木杭13を一定間隔に打ち込み、そこに木板12を釘などで固定して、型枠を構築する。本発明の支持具を使用する場合より、手間のかかる構築方法である。
図6は、本発明の支持具8を設置後、その内側にハニカム状立体補強材1を敷設し、ハニカム状立体補強材1内に土砂・砕石等の充填材7を充填した例である。その後、ハニカム状立体補強材1とともに、支持具8も埋設される。
図7は、従来工法の木枠を設置後、その内側にハニカム状立体補強材1を敷設し、ハニカム状立体補強材1内に土砂・砕石等の充填材7を充填した例である。ハニカム構造体の設置後、木板12および木杭13は撤去する。撤去しないと土中で木枠が腐り、将来において沈下等の障害が生じる恐れがある。
ハニカム状立体補強材に土砂・砕石等の充填材を充填したハニカム構造体を構築するに際に、現場でその都度施工していた木製等の型枠設置工事や型枠撤去工事の手間をなくし、より簡単にハニカム構造体の設置作業を行うことができる。
ハニカム状立体補強材の展帳前の斜視図である。 ハニカム状立体補強材の展帳後の斜視図である。 本発明の支持具(L型)の斜視図である。 本発明の支持具(逆T型)の斜視図である。 本発明の支持具(L型)施工例の斜視図である。 本発明の支持具(L型)及びハニカム構造体施工例の斜視図である。 従来の現場打ち型枠施工例の斜視図である。 従来の現場打ち型枠及びハニカム構造体施工例の斜視図である。
符号の説明
1 ハニカム状立体補強材
2 ストリップ材
3 孔
4 結合部位
5 展帳方向
6 セル
7 充填材
8 支持具
9 孔
10 補強部材
11 補強部材接続用スリット
12 木板
13 木杭

Claims (7)

  1. 板状または網状の高分子材料をはちの巣構造にしたハニカム状立体補強材に土砂・砕石等を充填したハニカム構造体を構築するに際して、柔軟なハニカム状立体補強材の端部側面の位置を固定し、当該ハニカム構造体の施工範囲を決定するためにハニカム構造体の施工範囲を縁取るように並べて設けられる支持具であって、当該支持具は前記ハニカム状立体補強材の端部側面と接する長方形または正方形または台形または三角形の板と、地面と接する長方形または正方形または台形または三角形の板からなるL型形状または逆T形状である、ハニカム構造体構築後は撤去の必要がないハニカム構造体構築用支持具。
  2. 前記ハニカム状立体補強材の端部側面と接する長方形状板と、地面と接する長方形状板からなり、当該ハニカム状立体補強材の端部側面と接する長方形状板の一辺と地面と接する長方形状板がほぼ垂直に結合した請求項1記載のハニカム構造体構築用支持具。
  3. 前記ハニカム状立体補強材の端部側面と接する長方形状板の一辺と、前記地面と接する長方形状板の一辺が結合し、L型形状をした請求項1または2記載のハニカム構造体構築用支持具。
  4. 前記ハニカム状立体補強材の端部側面と接する長方形状板の一辺と、前記地面と接する長方形状板の面が結合し、逆T型形状をした請求項1から3のいずれかに記載のハニカム構造体構築用支持具。
  5. 前記ハニカム状立体補強材の端部側面と接する長方形状板と、前記地面と接する長方形状板の、いずれかまたは両方に孔を有する請求項1から4のいずれかに記載のハニカム構造体構築用支持具。
  6. 前記ハニカム状立体補強材の端部側面と接する長方形状板と、前記地面と接する長方形状板に、補強部材が結合されている構造をなす請求項1から5のいずれかに記載のハニカム構造体構築用支持具。
  7. 板状または網状の高分子材料をはちの巣構造にしたハニカム状立体補強材に土砂・砕石等を充填したハニカム構造体の施工方法であって、
    ハニカム構造体構築用支持具をハニカム構造体の施工範囲を縁取るように並べ、
    当該ハニカム構造体構築用支持具を仮止め程度にアンカーピンまたは杭で固定し、
    当該施工範囲の内側に当該ハニカム状立体補強材を展帳して敷設し、
    当該ハニカム状立体補強材のセル内に充填材を充填する、
    請求項1から請求項6のいずれかに記載のハニカム構造体構築用支持具を用いるハニカム構造体の施工方法。
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