JP2020190138A - 道路構造および道路施工方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】杭を用いてプレキャストコンクリート版を敷き詰めて形成された道路において、所望の曲率の道路を施工することを目的とする。【解決手段】プレキャストコンクリート版(路版)1を用いる道路構造であって、道路のカーブ領域ではカーブの曲率に従うように、杭3が打設され、打設された杭の上に、台形、扇台形または多角形のプレキャストコンクリート版1が、各角部が杭3の頂部に対応するように敷き詰められ、杭3の頂部と、対応するプレキャストコンクリート版1の角部とが締結部材によって固定されている。【選択図】図2
Description
本発明は、プレキャストコンクリート版を敷き詰めて施工された道路構造および道路施工方法に関する。
特許文献1には、工場で製作されたプレキャストコンクリート版を、現場まで運搬して道路を施工する技術が開示されている。
この施工方法では、まず、道路を施工する領域を所定の深さまで切削した後、路床、路盤の土工を行う。続いて、グラウト材の漏出を防止するために路盤上にシートを敷設する。そして、工場から運搬してきたプレキャストコンクリート版をシートの上に敷設し、コッターを用いてプレキャストコンクリート版を結合する。その後、必要部分にグラウト材を充填して、これを養生させて道路を完成する。
特許文献2には、杭を用いる道路の施工について記載がある。すなわち、道傾斜面に基礎杭を打ち込み、道路の長さ方向に隣接する基礎杭の上端に受け梁を設け、受け梁上に床板を配置することで道路を構成する。また、受け梁をプレキャストコンクリート版で形成することも記載されている。
ここで、特許文献1によるプレキャストコンクリート版を敷設する道路施工では、現場でのコンクリート打ちが不要であり工期を短縮することができ、また工場でコンクリート版を製作するため、高品質のコンクリートを得ることができるなどのメリットがある。
しかしながら、特許文献1では、プレキャストコンクリート版を路盤上に水平に敷設する必要があり、そのアライメント等の作業に多くの時間が必要になる場合もある。
また、特許文献2に示されるように、杭を用いることも考えられるが、特許文献2はプレキャストコンクリート版を受け梁に用いることを示すだけであり、プレキャストコンクリート版により道路を構成する場合に杭を用いる場合の構成を示唆するものではない。
さらに、これら従来例においては、プレキャストコンクリート版を用いて、所望の曲率に従って道路を施工することについての示唆はない。
本発明は、杭を用いてプレキャストコンクリート版を敷き詰めて形成された道路において、所望の曲率の道路を施工することを目的とする。
本発明は、プレキャストコンクリート版を用いる道路構造であって、道路のカーブ領域ではカーブの曲率に従うように、杭が打設され、打設された杭の上に、台形、扇台形または多角形のプレキャストコンクリート版が、各角部が杭の頂部に対応するように敷き詰められ、杭の頂部と、対応するプレキャストコンクリート版の角部とが締結部材によって固定されている。
締結部材はボルトであり、プレキャストコンクリートの各角部には貫通穴が設けられ、貫通穴を通るボルトにより杭の頂部と対応するプレキャストコンクリート版の角部とが固定されるとよい。
本発明は、プレキャストコンクリート版を用いる道路施工方法であって、施工する道路のカーブ領域ではカーブの曲率に従うように、杭の打設位置を決定し、決定された打設位置に杭を打設し、打設された杭の上に、台形、扇台形または多角形のプレキャストコンクリート版を、各角部が杭の頂部に対応するように敷き詰め、杭の頂部と、対応するプレキャストコンクリート版の角部とが締結部材によって固定する。
本発明によれば、杭を用いてプレキャストコンクリート版を敷き詰めて形成された道路において、所望の曲率の道路を得ることができる。
以下、本発明の実施形態について、図面に基づいて説明する。なお、本発明は、ここに記載される実施形態に限定されるものではない。
図1は、本実施形態における道路構造を示す斜視図である。図2は、図1の一部の拡大図であり、一部のプレキャストコンクリート版(以下、「路版」)を取り除いたときの斜視図である。図3は、組立後の路版をボルトの位置で垂直方向に切断したときの断面図である。
「道路構造」
路版1は、工場などで運搬可能な形や大きさに予め製造された板状のプレキャストコンクリートであり、路版1を現場で並べて敷設することで道路が形成される。
路版1は、工場などで運搬可能な形や大きさに予め製造された板状のプレキャストコンクリートであり、路版1を現場で並べて敷設することで道路が形成される。
本実施形態において、道路は所定の曲率でカーブしているカーブ領域の道路構造であり、路版1は扇台形であって路版1が路体2に立設された杭3の上に敷設される。ここで、路体2とは、道路を施工する領域を掘り下げて形成される道路構造の最下層の地面をいうが、本実施形態では路体2の表面が露出しており、道路領域における地面が路体2を構成する。杭3は、下部が路体2に打設されることで、路体2に立設される。杭3は円筒形状で形成され、その頂部には固定部材15が固定され、ここにねじ穴6が設けられる。
本実施形態では、1本の杭3の頂部に対し、対応する4枚の路版1の一角を突き合わせるように載置し、それぞれの路版1を締結部材であるボルト4で杭3の頂部の固定部材に締結する。このため、杭3の頂部の固定部材15には、載置された各路版1の貫通穴5と対向する各位置(4箇所)にねじ穴6が形成される。ねじ穴6には、雌ねじが切ってあり、ボルト4のねじ部が螺合されることで、路版1が固定部材15を介し杭3の頂部に固定される。また、杭3の頂部(杭3と各路版1の角部との間)には、緩衝材7が配置され、路版1の振動を抑制する。緩衝材7には、ゴム、ウレタンなどの弾力のある材質のものを採用するとよい。なお、貫通穴5およびねじ穴6に対向する緩衝材7の位置には、ボルト4を通すための貫通穴8が形成されている。
路版1の角部の裏面であって杭3の頂部(厳密には緩衝材7)と当接する部分には、切り欠き9が形成されている。この切り欠き9は、断面が円形状の杭3を四分したときの四分円形状をしており、4枚の路版1が1つの杭3に載置されたときに、4枚の路版1の切り欠き9によって、杭3が収まる円筒形状の溝が形成されるようになっている。これにより、路版1と杭3との位置決め、換言すると路版1の貫通穴5と杭3のねじ穴6との位置合わせが容易となる。
「路版の構成」
図4は、路版1の構成例を示す図である。このように、路版1は、扇台形状をしており、一定の厚さで、四隅に貫通穴5を有している。
図4は、路版1の構成例を示す図である。このように、路版1は、扇台形状をしており、一定の厚さで、四隅に貫通穴5を有している。
図5は、路版1の敷設例を示している。このように、道路の曲率に応じて形成された路版1を敷き詰めて、所定の曲率のカーブ道路が形成されている。この例では、道路の幅方向に4種類の路版1−1〜1−4が順に敷設されている。最も内側の路版1−1の外周長さが次の路版1−2の内周長さに対応し、路版1−2の外周長さが路版1−3の内周長さ、路版1−3外周長さが路版1−4の内周長さに対応する。これを道路の長さ方向に敷き詰めることでカーブ道路が形成される。
図6は、路版1を多角形(台形)状とした例を示す図である。このように、内側の路版1−1の長辺長さを次の路版1−2の短辺長さに対応させることで、所望の曲率を得ることができる。
図7は、矩形の路版1と、三角形の路版1や台形の路版1を組み合わせることによって、所望の曲率を得る敷設例を示す図である。
図8は、さらに他の例を示すものであり、矩形の路版1について、複数連続された後に、三角形や台形の路版1を配置している。このように、内側と外側の長さが異なる路版1を適宜組み合わせることによって、全体として任意の曲率の道路を形成することができる。
「手順」
次に、本実施形態における道路施工方法の手順について図9を用いて説明する。まず、道路を施工する場所について、3次元測量する(S101)。そして、測量結果に基づいて、杭3を打設する位置(打設位置)、高さなどの道路施工についての各種の仕様を決定することで、道路を設計する(S102)。設計結果に基づき道路の施工領域を所定の深さまで切削する(S103)。本実施形態では、図1,2に示すように路版1と路体2との間に空間14が形成されるよう深く掘り下げる。
次に、本実施形態における道路施工方法の手順について図9を用いて説明する。まず、道路を施工する場所について、3次元測量する(S101)。そして、測量結果に基づいて、杭3を打設する位置(打設位置)、高さなどの道路施工についての各種の仕様を決定することで、道路を設計する(S102)。設計結果に基づき道路の施工領域を所定の深さまで切削する(S103)。本実施形態では、図1,2に示すように路版1と路体2との間に空間14が形成されるよう深く掘り下げる。
続いて、杭3を設計通りの間隔、高さで打設する(S104)。例えば、(株)技研製作所のサイレントパイラー(登録商標)等の圧入機を使用して杭3を所望の深さまで打ち込む。特に、各杭3の頂部が路面から路版1の厚み分下の位置で所定の高さになるように打設する。そして、杭3の打設が終了した場合には、杭3の頂部に固定部材15を固定する(S105)。
次に、クレーン等を使用して杭3の上に路版1を載置し(S106)、路版1を、ボルトで杭3に固定する(S107)。
路版1を敷設すると、路版1の間(継ぎ目)、目地にグラウト材を充填する(S108)。そして、グラウト材を養生させる(S109)。このようにして、道路が完成する。
ところで、本実施形態では、前述したように路版1下(路版1と路体2との間)に空間14を形成するように施工できる。空間14を形成することで、その空間14を様々な目的で利用させることが可能となる。例えば、ゲリラ豪雨などの際に増水した場合、一時的な貯水空間として利用できる。あるいは、インフラ(電気、ガス、水道、情報等に用いる配管やケーブル等の構造物)の設置空間として利用できる。
1 路版、2 路体、3 杭、4 ボルト、5 貫通穴、6 ねじ穴、7 緩衝材、8 貫通穴、14 空間、15 固定部材。
Claims (3)
- プレキャストコンクリート版を用いる道路構造であって、
道路のカーブ領域ではカーブの曲率に従うように、杭が打設され、
打設された杭の上に、台形、扇台形または多角形のプレキャストコンクリート版が、各角部が杭の頂部に対応するように敷き詰められ、
杭の頂部と、対応するプレキャストコンクリート版の角部とが締結部材によって固定されている、
道路構造。 - 請求項1に記載の道路構造であって、
締結部材はボルトであり、
プレキャストコンクリートの各角部には貫通穴が設けられ、貫通穴を通るボルトにより杭の頂部と対応するプレキャストコンクリート版の角部とが固定される、
道路構造。 - プレキャストコンクリート版を用いる道路施工方法であって、
施工する道路のカーブ領域ではカーブの曲率に従うように、杭の打設位置を決定し、
決定された打設位置に杭を打設し、
打設された杭の上に、台形、扇台形または多角形のプレキャストコンクリート版を、各角部が杭の頂部に対応するように敷き詰め、
杭の頂部と、対応するプレキャストコンクリート版の角部とが締結部材によって固定する、
道路施工方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019096351A JP2020190138A (ja) | 2019-05-22 | 2019-05-22 | 道路構造および道路施工方法 |
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JP2019096351A JP2020190138A (ja) | 2019-05-22 | 2019-05-22 | 道路構造および道路施工方法 |
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JP2019096351A Pending JP2020190138A (ja) | 2019-05-22 | 2019-05-22 | 道路構造および道路施工方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN113073538A (zh) * | 2021-03-17 | 2021-07-06 | 安徽省交通规划设计研究总院股份有限公司 | 一种高桩板-土组合道路 |
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2019
- 2019-05-22 JP JP2019096351A patent/JP2020190138A/ja active Pending
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