JP2020190133A - 道路施工方法および道路構造 - Google Patents

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浩明 牧野
Hiroaki Makino
浩明 牧野
谷 裕文
Hirofumi Tani
裕文 谷
正道 猪飼
Masamichi Ikai
正道 猪飼
祐二 梅村
Yuji Umemura
祐二 梅村
大樹 松畑
Daiki Matsuhata
大樹 松畑
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Abstract

【課題】プレキャストコンクリート版を敷き詰めて形成された道路において、プレキャストコンクリート版の支持を適切に行う。【解決手段】プレキャストコンクリート版を敷き詰めて道路を施工する。道路を施工する領域の地面に、杭3を打ち込んで地面上に杭を立設し、立設された杭3と杭3とを連結部材(30,42)によって連結する。連結された杭3の上に、多角形のプレキャストコンクリート版を、その角部が杭3の頂部上に位置するように設置し、プレキャストコンクリート版の角部と対応する杭3の頂部をボルト(締結部材)4によって締結して道路を施工する。【選択図】図4

Description

本発明は、プレキャストコンクリート版を敷き詰めて道路を施工する道路施工方法および道路構造に関する。
特許文献1には、工場で製作されたプレキャストコンクリート版を、現場まで運搬して道路を施工する技術が開示されている。
この施工方法では、まず、道路を施工する領域を所定の深さまで切削した後、路床、路盤の土工を行う。続いて、グラウト材の漏出を防止するために路盤上にシートを敷設する。そして、工場から運搬してきたプレキャストコンクリート版をシートの上に敷設し、コッターを用いてプレキャストコンクリート版を結合する。その後、必要部分にグラウト材を充填して、これを養生させて道路を完成する。
特許文献2には、杭を用いる道路の施工について記載がある。すなわち、道傾斜面に基礎杭を打ち込み、道路の長さ方向に隣接する基礎杭の上端に受け梁を設け、受け梁上に床板を配置することで道路を構成する。また、受け梁をプレキャストコンクリート版で形成することも記載されている。
特許第3778335号公報 特開2006−28808号公報
ここで、特許文献1によるプレキャストコンクリート版を敷設する道路施工では、現場でのコンクリート打ちが不要であり工期を短縮することができ、また工場でコンクリート版を製作するため、高品質のコンクリートを得ることができるなどのメリットがある。
しかしながら、特許文献1では、プレキャストコンクリート版を路盤上に水平に敷設する必要があり、そのアライメント等の作業に多くの時間が必要になる場合もある。
また、特許文献2に示されるように、杭を用いることも考えられるが、特許文献2はプレキャストコンクリート版を受け梁に用いることを示すだけであり、プレキャストコンクリート版により道路を構成する場合に杭を用いる場合の構成を示唆するものではない。特に、杭に掛かる荷重にばらつきが出た場合の対応については全く考慮されていない。
本発明は、杭を用いてプレキャストコンクリート版を敷き詰めて形成された道路において、杭に対する荷重がばらついた場合にも、プレキャストコンクリート版の支持を適切に行うことを目的とする。
本発明は、プレキャストコンクリート版を敷き詰めて道路を施工する道路施工方法であって、道路を施工する領域の地面に、杭を打ち込んで地面上に杭を立設し、立設された杭と杭とを連結部材によって連結し、連結された杭の上に、多角形のプレキャストコンクリート版を、その角部が杭の頂部上に位置するように設置し、プレキャストコンクリート版の角部と対応する杭の頂部を締結部材によって締結して道路を施工する。
連結部材は、鋼材またはワイヤであるとよい。
また、本発明は、プレキャストコンクリート版を敷き詰めて構成された道路構造であって、道路を施工する領域の地面に打ち込まれ地面上に立設された杭と、立設された杭と杭とを連結する連結部材と、連結された杭の上に設置され、角部が対応する杭の頂部に締結部材によって締結されるプレキャストコンクリート版と、有する。
本発明によれば、杭を用いてプレキャストコンクリート版を敷き詰めて形成された道路において、杭に対する荷重がばらついた場合にも、プレキャストコンクリート版の支持を適切に行うことができる。
本実施形態における道路構造を示す斜視図である。 図1の一部の拡大図であり、一部のプレキャストコンクリート版(以下、「路版」)を取り除いたときの斜視図である。 組立後の路版をボルトの位置で垂直方向に切断したときの断面図である。 連結部材としてワイヤを用いた構成を示す図である。 ワイヤ固定具の一例を示す図である。 ワイヤをワイヤ固定具に取り付けた状態を示す図である。 連結部材として鋼材を用いた構成を示す図である。 路版の杭への固定部分の構成例を示す図である。 本実施形態における道路施工方法の手順を示す図である。
以下、本発明の実施形態について、図面に基づいて説明する。なお、本発明は、ここに記載される実施形態に限定されるものではない。
図1は、本実施形態における道路構造を示す斜視図である。図2は、図1の一部の拡大図であり、一部のプレキャストコンクリート版(以下、「路版」)を取り除いたときの斜視図である。図3は、組立後の路版をボルトの位置で垂直方向に切断したときの断面図である。
「道路構造」
路版1は、工場などで運搬可能な形や大きさに予め製造された板状のプレキャストコンクリートであり、路版1を現場で並べて敷設することで道路が形成される。
本実施形態において路版1は多角形(例えば矩形)であり、路体2に立設された杭3の上に敷設される。ここで、路体2とは、道路を施工する領域を掘り下げて形成される道路構造の最下層の地面をいうが、本実施形態では路体2の表面が露出しており、道路領域における地面が路体2を構成する。杭3は、下部が路体2に打設されることで、路体2に立設される。杭3は、円筒形状で形成され、その頂部にはねじ穴6が設けられる。
本実施形態では、1本の杭3の頂部に対し、対応する4枚の路版1の一角を突き合わせるように載置し、それぞれの路版1を締結部材であるボルト4で杭3の頂部に締結する。このため、杭3の頂部には、載置された各路版1の貫通穴5と対向する各位置(4箇所)にねじ穴6が形成される。ねじ穴6には、雌ねじが切ってあり、ボルト4のねじ部が螺合されることで、路版1が杭3の頂部に固定される。また、杭3の頂部(杭3と各路版1の角部との間)には、緩衝材7が配置され、路版1の振動を抑制する。緩衝材7には、ゴム、ウレタンなどの弾力のある材質のものを採用するとよい。なお、貫通穴5およびねじ穴6に対向する緩衝材7の位置には、ボルト4を通すための貫通穴8が形成されている。
路版1の角部の裏面であって杭3の頂部(厳密には緩衝材7)と当接する部分には、切り欠き9が形成されている。この切り欠き9は、断面が円形状の杭3を四等分したときの四分円形状をしており、4枚の路版1が1つの杭3に載置されたときに、4枚の路版1の切り欠き9によって、杭3が収まる円筒形状の溝が形成されるようになっている。これにより、路版1と杭3との位置決め、換言すると路版1の貫通穴5と杭3のねじ穴6との位置合わせが容易となる。
切り欠き9の形状は、四分円形状とせずに、杭3の直径の半分を一辺の長さとする正方形状で形成してもよい。この場合、4枚の路版1の切り欠き9によって、杭3が収まる正方形状の溝が形成されるようになるが、路版1と杭3との位置決めは、前述した円筒形状の溝と同様に容易に行える。
「連結部材」
図4は、連結部材としてワイヤ30を用いた構成を示す。道路領域の地面である路体2には、杭3が立設される。杭3の上部(地面の上方)にはワイヤ固定具32が固定され、1つの杭3のワイヤ固定具32と隣接する杭3のワイヤ固定具32とがワイヤによって連結される。ワイヤ30は強度のある鋼材が好適であるが、強度のあるプラスチックなどでもよい。ワイヤ固定具32は、円形パイプ状の杭3の外周に固定される。なお、掘削した道路領域の両側は側方地面の側壁25となっており、側壁25側の杭3は、側壁25に設けた杭などとワイヤ30で連結される。
図5は、ワイヤ固定具32の一例を示す図である。このワイヤ固定具32の半分は、円弧部36の両側にフランジ部34を有し、ワイヤ固定具32の半分同士を一対のフランジ部34が重なるように合わせることで、円弧部36がドーナツ状になる。従って、ワイヤ固定具32の半分同士を杭3の外側から合わせ、円弧部36によって杭3の外周を取り囲む。フランジ部34には、ボルト穴38が形成されており、このボルト穴38にボルトを挿通し、先端からナットを螺合することで、ワイヤ固定具32を杭3に固定することができる。ワイヤ固定具32の円弧部36の外側には、半円状のリング40が設けられており、ここにワイヤ30を通して固定することができる。
図6は、ワイヤ30をワイヤ固定具32に取り付けた状態を示す図であり、4本の杭3を示してある。ワイヤ30は、杭3の前後左右の4方および斜め方向の4方に向けて設けられる。従って、1つの杭3は、周囲に隣接する8つの杭3にワイヤ30で連結される。
なお、図4においては、ワイヤ固定具32を杭3の上端部に固定したが、必ずしもこの位置でなくてもよく、もう少し下の位置においてワイヤ30を連結してもよい。
また、ワイヤ30は、8方向ではなく、4方向などの連結でもよい。ワイヤ固定具32は各種のものが採用でき、1つのリング40に複数の方向からのワイヤ30を接続してもよく、ワイヤ固定具32を設けずワイヤ30を杭3の周囲に巻き付けて杭3同士を連結してもよい。
図7は、連結部材の他の例を示す図である。この例では、連結部材として鋼材42が用いられている。この例では鋼材42は長尺の板状であり、両端部が一対の杭3にボルト44を用いて固定される。すなわち、鋼材42をたすき掛け状に一対の杭3間に配置して、両者を固定する。
「固定部材」
図8は、路版1の杭3への固定部分の構成例を示す図である。このように、杭3の頂部に固定部材15を配置し、この固定部材15にねじ穴6を設ける。固定部材15上に緩衝材7を介し、路版1を載置し、路版1に設けた貫通穴5を介し、固定部材15のねじ穴6にボルト4をねじ込み、路版1を杭3に固定する。この例では、路版1の切り欠き9を設けていないが、切り欠き9を設けることで、ねじ穴6と貫通穴5との位置合わせが容易となる。
ここで、固定部材15は、周縁が延長部分15aを有するキャップ形状となっている。そこで、円筒状の杭3の頂部に容易に位置決めすることができる。固定部材15と杭3は、溶接、接着の他、ねじ固定や、キーおよびキー溝を利用して固定してもよい。
「手順」
次に、本実施形態における道路施工方法の手順について図9を用いて説明する。まず、道路を施工する領域を所定の深さまで切削する(ステップ101)。本実施形態では、図1,2に示すように路版1と路体2との間に空間14が形成されるよう深く掘り下げる。
続いて、杭3を碁盤目状に打設する(ステップ102)。例えば、(株)技研製作所のサイレントパイラー(登録商標)等の圧入機を使用して杭3を所望の深さまで打ち込む。特に、各杭3の頂部が路面から路版1の厚み分下の位置で所定の高さになるように打設する。
そして、杭3同士を連結部材で連結する(ステップ103)。この連結が終わった場合には、杭3の頂部に固定部材15を固定する(ステップ104)。
次に、クレーン等を使用して杭3の上に路版1を載置し(ステップ105)、路版1を、ボルトで杭3に固定する(ステップ106)。
このようにして、路版1を敷設すると、路版1の間(継ぎ目)、目地にグラウト材を充填する(ステップ107)。そして、グラウト材を養生させる(ステップ108)。このようにして、道路が完成する。
ここで、本実施形態では、前述したように路版1下(路版1と路体2との間)に空間14を形成するように施工できる。空間14を形成することで、その空間14を様々な目的で利用させることが可能となる。例えば、ゲリラ豪雨などの際に増水した場合、一時的な貯水空間として利用できる。あるいは、インフラ(電気、ガス、水道、情報等に用いる配管やケーブル等の構造物)の設置空間として利用できる。
なお、曲率を持った道路を施工する場合には、曲率に沿うように杭3を立設する。この場合の路版1の形状は、前述した矩形(長方形(正方形を含む))ではない、路版1が敷設される4本の杭3の中心点を結んだ四辺形としてもよい。より詳細には、路版1は、道路の長さ方向に沿った辺の長さが異なる台形形状となる。また、路版1の道路の長さ方向に沿った辺が曲率に沿うように曲線で形成してもよい。さらに、すべての路版1を三角形にしたり、他の形状にしたりしてもよい。
1 路版、2 路体、3 杭、4 ボルト、5 貫通穴、6 ねじ穴、7 緩衝材、8 貫通穴、14 空間、15 固定部材、25 側壁、30 ワイヤ、32 ワイヤ固定具、34 フランジ部、36 円弧部、38 ボルト穴、40 リング、42 鋼材、44 ボルト。

Claims (3)

  1. プレキャストコンクリート版を敷き詰めて道路を施工する道路施工方法であって、
    道路を施工する領域の地面に、杭を打ち込んで地面上に杭を立設し、
    立設された杭と杭とを連結部材によって連結し、
    連結された杭の上に、多角形のプレキャストコンクリート版を、その角部が杭の頂部上に位置するように設置し、
    プレキャストコンクリート版の角部と対応する杭の頂部を締結部材によって締結して道路を施工する、
    道路施工方法。
  2. 請求項1に記載の道路施工方法であって、
    連結部材は、鋼材またはワイヤである、
    道路施工方法。
  3. プレキャストコンクリート版を敷き詰めて構成された道路構造であって、
    道路を施工する領域の地面に打ち込まれ地面上に立設された杭と、
    立設された杭と杭とを連結する連結部材と、
    連結された杭の上に設置され、角部が対応する杭の頂部に締結部材によって締結されるプレキャストコンクリート版と、
    有する、道路構造。
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