JP2015017318A - 油分を含む電解液からの銅電解採取方法 - Google Patents

油分を含む電解液からの銅電解採取方法 Download PDF

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Abstract

【課題】油分を含む電解液から硫黄や錫の混入が少ない高品位の銅を回収する銅電解採取方法を提供する。【解決手段】油分を含む電解液に、酸化剤を油分の0.1〜6倍量添加して液中の油分を酸化分解した後に銅を電解採取することを特徴とする油分を含む電解液からの銅電解採取方法であり、好ましくは、液中の油分を酸化分解した後に、結晶粒微細化剤および平滑化剤を添加し、さらにイミダゾールまたはその誘導体からなる応力緩和剤を酸と共に添加して銅の電解採取を行う銅電解採取方法。【選択図】なし

Description

本発明は、油分を含む電解液から高品位の銅を電解採取する方法に関し、より詳しくは、銅基錫めっき材の錫めっき剥離廃液などに含まれる銅を電解採取する方法などにおいて、油分を含む錫めっき剥離廃液から、硫黄や錫の混入が少ない高品位の銅を回収することができる電解採取方法に関する。
銅や銅合金の基材表面に錫めっきを施した銅基錫めっき材は電子機器や電気機器などにおいて広く利用されており、資源の有効活用の観点から、廃棄された銅基錫めっき材から錫や銅を効率よく回収することが求められる。
上記銅基錫めっき材から錫めっきを剥離する方法として、銅イオンと過酸化水素と硫酸等を含む剥離液に上記銅基錫めっき材を浸漬し、錫を銅で置換して錫めっきを剥離する方法が従来から知られている(特許文献1)。また、カラムを使用し、銅基錫めっき材をカラムに充填し、銅イオンおよび硫酸を含む酸性剥離液をカラムに通じて錫を除去する方法が知られている(特許文献2)。
しかし、銅基錫めっき材のスクラップにはプレス油などが付着していることが多く、脱脂処理しない剥離廃液には多量の油分が混入している。一般に脱脂処理は炭化水素系溶剤を用いた超音波洗浄を行うために非常にコストがかかるため、排水中の油分量を減らすためだけに行うことは現実的ではない。脱脂処理しない剥離廃液から銅を電解採取しようとすると、剥離液中の油分が電析を阻害し、析出する銅の形態が粗雑になり、錫スラッジ(SnO2固体を含む粉体)の巻き込みによって錫が混入し、また剥離廃液に含まれる硫酸の巻き込みによって硫黄が共析するため、回収した銅の品位が著しく低下する問題がある。
また、銅の電解採取においては、カソードに電着した銅膜に残留する電着応力が大きいと電解途中で銅膜がカソードから剥がれ落ちたり、銅膜が樹枝状に析出して極間のショートが頻発する問題を生じる。従来、この電着応力を低減するため、スルホン酸系のめっき促進剤(特許文献3)や、ヒドロキシカルボン酸とチオ尿素(特許文献4)を電着応力緩和剤として添加する方法が知られている。しかし、これらの緩和剤は硫黄を含むため電析銅の硫黄濃度が高くなると云う問題がある。
特開昭61−159580号公報 特開平05−171306号公報 特開2013−60660号公報 特開平07−207490号公報
本発明は、油分を含む剥離廃液などの銅電解採取における従来の上記課題を解決したものであり、電解時の錫スラッジや硫酸由来等の硫黄成分の巻き込みが少なく、かつ特定の電着応力緩和剤を用いることによって硫酸由来等の硫黄成分の混入を防止しつつ電解途中でカソード母材上の電着銅がカソードから剥離するのを効果的に抑制して、高品位の電解銅を採取する方法を提供する。
本発明によれば、以下の構成によって上記課題を解決した銅電解採取方法が提供される。
〔1〕油分を含む電解液に、酸化剤を油分の0.1〜6倍量添加して液中の油分を酸化分解した後に銅を電解採取することを特徴とする油分を含む電解液からの銅電解採取方法。
〔2〕油分を含む電解液が、銅基錫めっき材の錫めっき剥離廃液であり、または銅合金の酸洗液である上記[1]に記載する銅電解採取方法。
〔3〕油分を含む電解液に酸化剤を添加して液中の油分を酸化分解した後に、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、および非イオン性界面活性剤からなるグループから選択された少なくとも一つの平滑化剤を該電解液に添加して銅の電解採取を行う上記[1]または上記[2]に記載する銅電解採取方法。
〔4〕油分を含む電解液に酸化剤を添加して液中の油分を酸化分解した後に、芳香族スルホン酸、芳香族スルホン酸塩、芳香族カルボン酸、および芳香族カルボン酸塩からなるグループから選択された少なくとも一つの結晶粒微細化剤を該電解液に添加して銅の電解採取を行う上記[1]〜上記[3]に記載する銅電解採取方法。
〔5〕油分を含む電解液に酸化剤を添加して液中の油分を酸化分解した後に、結晶粒微細化剤または平滑化剤の少なくとも一つを添加し、さらにイミダゾールまたはその誘導体からなる応力緩和剤を酸と共に添加して銅の電解採取を行う上記[1]〜上記[4]の何れかに記載する銅電解採取方法。
〔6〕酸化剤として過酸化水素を用い、鉄イオンの共存下で油分を酸化分解する上記[1]〜上記[5]の何れかに記載する銅電解採取方法。
〔具体的な説明〕
本発明は、油分を含む電解液に、酸化剤を油分の0.1〜6倍量添加して液中の油分を酸化分解した後に銅を電解採取することを特徴とする油分を含む電解液からの銅電解採取方法である。
本発明が適用される油分を含む電解液は、例えば、電解液は銅基錫めっき剥離液、または銅合金の酸洗液などの銅イオン含有液であり、これらにプレス油、または切削油や圧延油などの油分が混入した液である。
銅合金の酸洗液とは、焼鈍処理時に発生した酸化スケールを除去するための硫酸酸性の液であり、銅合金基材に付着した圧延油や切削油が含まれることがある。錫めっき剥離廃液は銅基めっき材から錫めっきを剥離した液である。この剥離廃液には、錫めっきに由来する錫イオンと、基材の銅ないし銅合金に由来する銅イオン、および固体の銅粉、酸化錫粉体(通称Snスラッジ)が含まれている。また、硫酸酸性の剥離液に由来する硫酸が含まれており、概ねpH1以下、通常はpH0.3〜pH0.6の強酸性溶液である。
〔酸化処理〕
本発明の方法は、電解液に酸化剤を添加して液中に含まれる油分を酸化分解する。また、酸化剤を添加することによって、液中のSn(II)イオンがSn(IV)イオンに酸化され、このSn(IV)イオンは速やかに加水分解してSnO2(固体)の錫スラッジになる。
酸化剤としては硝酸、過酸化水素、酸素、オゾン、ペルオキソ二硫酸イオン、Fe(III)イオンなどを用いることができる。これらの中で、反応速度が高く、電解採取に影響を与え難い過酸化水素が好ましい。
酸化剤の添加量は、電解液に含まれている油分の0.1〜6倍量が良く、0.5〜2倍量が好ましい。酸化剤の添加量が油分の0.1倍量より少ないと油分の分解が不十分になり、6倍量より多くても効果は実質的に変わらない。
油分の分解と共に液中の液中のSn(II)イオンを酸化するには、酸化剤の添加量は油分の0.1〜6倍量と液中のSn(II)イオン量(mol量)の1.5〜5倍量(mol量)の合計量が良く、好ましくは油分の0.5〜2倍量と液中のSn(II)イオン量(mol量)の2〜3倍量(mol量)の合計量が良い。
通常、錫めっきの剥離液には酸化剤が含まれているが、この酸化剤は錫めっきの剥離に消費されるので、剥離後の剥離廃液に含まれる油分を十分に酸化分解することができない。本発明の方法は、この剥離廃液を電解液として用いる場合、酸化剤をさらに添加して液中に含まれる油分を十分に酸化分解した後に銅の電解採取を行う。
銅の電解採取に先立ち、電解液に含まれる油分を酸化分解するので、油分による銅の電析阻害が防止される。このため析出する銅が平滑になり、錫スラッジおよび硫酸分の巻き込みが少なくなり、錫含有量および硫黄含有量が格段に少ない高品位の電着銅を得ることができる。
〔結晶粒微細化剤〕
油分を含む電解液に酸化剤を添加して液中の油分を酸化分解した後に、芳香族スルホン酸、芳香族スルホン酸塩、芳香族カルボン酸、および芳香族カルボン酸塩からなるグループから選択された少なくとも一つの化合物を電解液に添加して銅の電解採取を行うと良い。これらの化合物は析出する銅の結晶粒微細化剤として作用し、析出する銅の結晶粒を微細にし、銅表面を平滑にする。銅表面が平滑になることによって錫スラッジおよび硫酸起因の硫黄の巻き込みがさらに防止される。
結晶粒微細化剤の添加量は0.01g/L〜10g/Lが良く、0.05〜1g/Lが好ましい。この量が0.01g/Lより少ないと効果が乏しく、10g/Lより多くても効果は実質的に変わらない。
芳香族スルホン酸としては、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、エチルベンゼンスルホン酸、クメンスルホン酸、フェノールスルホン酸、クレゾールスルホン酸、スルホサリチル酸、スルファニル酸などを用いることができる。
芳香族スルホン酸塩としては、ベンゼンスルホン酸ナトリウムなどの上記芳香族スルホン酸のナトリウム塩などを用いることができる。
芳香族カルボン酸としては、安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、ジヒドロキシ安息香酸、没食子酸、フタル酸、アミノ安息香酸などを用いることができる。
芳香族カルボン酸塩としては上記芳香族カルボン酸のナトリウム塩などを用いることができる。
〔平滑化剤〕
油分を含む電解液に酸化剤を添加して液中の油分を酸化分解した後に、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、および非イオン性界面活性剤からなるグループから選択された少なくとも一つの平滑化剤を該剥離廃液に添加して銅の電解採取を行うと良い。
これらの平滑化剤は、電解液の表面張力を下げて電解時に陰極から発生する酸素ガスに起因する大量の硫酸ミストの飛散を防止する。さらに、析出する銅表面の平滑化を促進する。このため錫スラッジおよび硫酸分の巻き込みがさらに防止される。
平滑化剤の添加量は0.001g/L〜1.0g/Lが良く、0.05g/L〜0.1g/Lが好ましい。この量が0.001g/Lより少ないと効果が乏しく、1.0g/Lを超えると析出する銅が粗くなり、引張応力が発生するようになる。
アルキルベンゼンスルホン酸としては、オクチルベンゼンスルホン酸、ノニルベンゼンスルホン酸、デシルベンゼンスルホン酸、ウンデシルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、トリデシルベンゼンスルホン酸、テトラデシルベンゼンスルホン酸やこれらの混合物などを用いることができる。
アルキルベンゼンスルホン酸塩としては上記アルキルベンゼンスルホン酸のナトリウム塩などを用いることができる。
〔応力緩和剤〕
油分を含む電解液に酸化剤を添加して液中の油分を酸化分解した後に、結晶粒微細化剤または平滑化剤のうち少なくとも一つを添加し、さらにイミダゾールまたはその誘導体からなる応力緩和剤を酸と共に添加して銅の電解採取を行うと良い。
応力緩和剤としては、具体的には、例えば、イミダゾール、1−メチルイミダゾール、1−エチルイミダゾール、1−プロピルイミダゾール、1−ブチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、ベンゾイミダゾール、1−(3−アミノプロピル)イミダゾールなどを用いることができる。
応力緩和剤の添加量は0.01〜1.0g/Lが好ましい。この添加量が0.01g/L未満では応力緩和の効果が乏しく、1.0g/Lを超えると析出する銅表面が粗くなる。
酸は硝酸、塩酸、硫酸、メタンスルホン酸などを用いることができる。酸の濃度は5〜300g/Lが好ましい。酸添加量が5g/L未満ではイミダゾールないしその誘導体を十分にカチオン化することができないので応力緩和効果が乏しく、一方、300g/Lを超えると酸濃度が高すぎてイミダゾールないしその誘導体が分解してしまう。
イミダゾールまたはその誘導体からなる応力緩和剤は、電析銅の平滑化と応力緩和に関して平滑化剤と相乗効果を発揮すると共に、油分の吸着を防ぐことで油分やスラッジの巻き込みを防止し電析銅の純度を高める効果がある。
酸化剤と共に鉄(II)イオンまたは鉄(III)の共存下で油分を酸化分解すると良い。過酸化水素などの酸化剤を単独に用いても油分を酸化分解することができるが、酸化剤と鉄イオンを共存させることによって、ヒドロキシラジカルなどのラジカル種を生成するフェントン反応が起こり、発生したラジカル種により効率よく液中の油分を分解することができる。鉄イオン源はイオンとして溶解するものであればよく、例えば、鉄粉、酸化鉄、硫酸鉄、モール塩などを使用することができる。電解液に酸化剤および鉄イオン源を添加すればよい。
鉄イオン量は0.001g/L〜30g/Lが良く、0.005g/L〜0.1g/Lが好ましい。鉄イオン量が0.001g/Lより少ないとフェントン反応が十分に進行せず、一方、30g/Lより多いと酸化剤の自己分解が爆発的に進行して酸化剤が無駄に消費されるため、油分の分解が十分に進行しない。
電解液に酸化剤およびFeイオン源を添加し、液温10℃〜90℃で24時間以上、酸化処理を行うと良い。液温が10℃未満では油分の酸化分解が遅く、90℃より高いと酸化剤の自己分解が進むため油分の酸化分解が不十分になり、油分が残留する。
電解液の銅濃度は1〜60g/Lが好ましい。銅濃度が1g/L未満では析出する銅が粉状になり、60g/Lを超えると析出する銅が粗くなる。
〔電解採取〕
電解採取は、例えば、SUS316またはSUS304をカソードに用い、酸化イリジウムコートチタン板などをアノードに用い、浴温35℃〜50℃、電流密度1〜10A/dm2にて8〜48時間程度行うと良い。
本発明の銅電解採取方法によれば、電解液に含まれる油分を酸化分解した後に銅を電解採取するので、析出する銅が平滑になり、錫スラッジおよび硫酸分の巻き込みが少なく、錫含有量および硫黄含有量が格段に少ない高品位の電解銅を得ることができる。また、結晶粒微細化剤および平滑化剤によって錫スラッジおよび硫酸分の巻き込みがさらに防止されるので、さらに錫含有量および硫黄含有量が少ない電解銅を得ることができる。
以下、本発明の実施例を比較例と共に示す。実施例および比較例において、油分は島津製作所社装置(TOC-V CSH)を用い、燃焼酸化-赤外線式に従って、油分とスラッジが液中に懸濁しているサンプルについて測定した。Sn(II)イオン濃度はよう素滴定によって測定した。硫黄濃度は赤外燃焼法によって測定した。
実施例1〜3および比較例1において、Sn(II)イオン濃度10g/L、Cu(II)イオン濃度50g/L、SnO2スラッジ濃度30g/L、硫酸濃度150g/Lと共に油分(鉱物油系プレスオイル、TOCとして10g/L)を含む銅基錫めっき材から回収した錫めっき剥離廃液を用いた。
電解採取は、SUS316をカソードに用い、酸化イリジウムコートチタン板をアノードに用い、浴温35℃、電流密度2A/dm2にて48時間行った。
〔実施例1〕
上記錫めっき剥離廃液に、過酸化水素を油分の0.1倍量(1g/L)、1倍量(10g/L)、3倍量(30g/L)、6倍量(60g/L)を各々添加し、60℃にて48時間、酸化処理した後に銅を電解採取し、電析銅を分析した。この結果を表1に示す(試料No1〜4)。
表1に示すように、酸化処理を行った試料1〜4の電析銅の硫黄濃度、錫濃度は、酸化処理を行わない試料5の電析銅の硫黄濃度の約1/4倍〜約1/6倍、錫濃度の約1/7倍〜約1/9倍であり、格段に電析銅の硫黄濃度および錫濃度が低い。
〔比較例1〕
酸化処理を行わない以外は実施例1と同様にして電解採取を行った。採取した電析銅は膜状に析出せず粉状となり、これを分析したところ、S濃度312ppm、Sn濃度561ppmであった。この結果を表1に示す(試料No.5)。
Figure 2015017318
〔実施例2〕
上記錫めっき剥離廃液に、過酸化水素10g/L、および鉄粉を各々0.001g/L、1g/L、30g/Lを添加し、60℃にて48時間、酸化処理した後に銅を電解採取し、電析銅を分析した。この結果を表2に示す(試料No.6〜9)。表2に示すように、鉄粉を添加することによって、電析銅の硫黄濃度および錫濃度が低減する。
Figure 2015017318
〔実施例3〕
上記錫めっき剥離廃液に過酸化水素10g/L(油分の1倍量)を添加して実施例1と同様に酸化処理した後に、この剥離廃液に結晶粒微細化剤としてフェノールスルホン酸を0.01g/L、10g/Lを添加し、平滑化剤として直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムを0.001g/L、10g/Lを加えて銅を電解採取し、電析銅を分析した。結果を表3に示す。
また、酸化処理の後に、結晶粒微細化剤としてクメンスルホン酸、安息香酸を添加し、平滑化剤としてトリデシルベンゼンスルホン酸、ノニルベンゼンスルホン酸を添加して銅を電解採取し、電析銅を分析した。結果を表3に示す(試料No.10〜15)。
表3に示すように、剥離廃液(電解液)に結晶粒微細化剤および平滑化剤を添加することによって、電析銅の硫黄濃度および錫濃度が格段に低減する。
Figure 2015017318
〔実施例4〕
Cu(II)イオン濃度40g/L、硫酸濃度150g/L、および油分がTOC換算で5g/L(エマルジョンタイプの切削油)を含む銅イオン含有液に過酸化水素5g/Lを添加し、60℃にて48時間、酸化処理した。次いで、この銅イオン含有液に、表4に示す平滑化剤、および結晶粒微細化剤と共に応力緩和剤および酸を添加して電解液にした。この電解液を用い、SUS304をカソードに用い、酸化イリジウムコートチタン板をアノードに用い、浴温50℃、電流密度2A/dm2にて48時間、銅電解採取を行った。電析銅の硫黄濃度および電解時の剥離を調べた。この結果を表4に示した(試料No.16〜20)。
表4に示すように、応力緩和剤を添加した試料No.16〜20の電析銅は何れも硫黄濃度が格段に低く、かつ電解時の剥離も生じない。
〔比較例2〕
実施例4の銅イオン含有液について、酸化処理を行わず、かつ応力添加剤を添加しない他は実施例4と同様にして銅電解採取を行った。電析銅の硫黄濃度および電解時の剥離を調べた。この結果を表4に示した(試料No.21)。
表4の試料No21に示すように、酸化処理を行わず、かつ応力緩和剤を添加しない電析銅の硫黄濃度は各段に高く、かつ電解時に剥離が生じた。
Figure 2015017318

Claims (6)

  1. 油分を含む電解液に、酸化剤を油分の0.1〜6倍量添加して液中の油分を酸化分解した後に銅を電解採取することを特徴とする油分を含む電解液からの銅電解採取方法。
  2. 油分を含む電解液が、銅基錫めっき材の錫めっき剥離廃液であり、または銅合金の酸洗液である請求項1に記載する銅電解採取方法。
  3. 油分を含む電解液に酸化剤を添加して液中の油分を酸化分解した後に、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、および非イオン性界面活性剤からなるグループから選択された少なくとも一つの平滑化剤を該電解液に添加して銅の電解採取を行う請求項1または請求項2に記載する銅電解採取方法。

  4. 油分を含む電解液に酸化剤を添加して液中の油分を酸化分解した後に、芳香族スルホン酸、芳香族スルホン酸塩、芳香族カルボン酸、および芳香族カルボン酸塩からなるグループから選択された少なくとも一つの結晶粒微細化剤を該電解液に添加して銅の電解採取を行う請求項1〜請求項3に記載する銅電解採取方法。

  5. 油分を含む電解液に酸化剤を添加して液中の油分を酸化分解した後に、結晶粒微細化剤または平滑化剤の少なくとも一つを添加し、さらにイミダゾールまたはその誘導体からなる応力緩和剤を酸と共に添加して銅の電解採取を行う請求項1〜請求項4の何れかに記載する銅電解採取方法。
  6. 酸化剤として過酸化水素を用い、Feイオンの共存下で油分を酸化分解する請求項1〜請求項5の何れかに記載する銅電解採取方法。
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