JP2005002453A - メッキ液のリサイクル方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明では、旧メッキ液から新メッキ液をリサイクル使用することを可能とし、その実現の為に、例えば、Sn−Biの合金メッキ液の準備工程(S1)、錯化剤を除去する活性炭処理工程(S2)、Biの除去工程(S3)、沈降処理工程(S4)、Snメッキ液の分析補正工程(S5)を有する。そして、メッキ液をリサイクルすることで、メッキ液の廃棄処分を無くし、環境負荷、廃棄コスト、新液購入コストを抑制する。また、液組成の管理において、従来のデータを活用するこで、管理作業の容易化を実現する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、標準電極電位の異なる2種の金属材料を含有した合金メッキ液から一方の金属材料を取り除き、実質、残存する他方の金属材料から単一金属メッキ液を作製するメッキ液のリサイクル方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
Cu単体、Cu合金またはFe―Ni合金のような導電部材の表面を、Sn単体またはSn合金のメッキ層で被覆したリード材は、Cu単体またはCu合金が備えている優れた導電性と機械的強度を有する。更に、そのリード材は、Sn単体またはSn合金が備えている耐食性と良好な半田付け性をも併有する高性能導体である。そのため、それらは、各種の端子、コネクタ、リードのような電気・電子機器分野や電力ケーブルの分野などで多用されている。
【0003】
また、半導体チップを回路基板に搭載する場合には、半導体チップのアウターリード部にSn合金を用いた溶融メッキや電気メッキを行うことにより、アウターリード部の半田付け性を向上せしめることが行われている。このようなSn合金の代表例は半田(Sn−Pb合金)であり半田付け性、耐食性などが良好なために、コネクタやリードフレームなどの電気・電子工業用部品の工業用メッキとして広く利用されている。
【0004】
上述したように、主に、従来の多用されていたメッキ液はSn−Pb合金メッキ液であった。しかしながら、近年では、鉛が環境や人体に与える影響が注目されており、鉛を使用したSn−Pb合金メッキ液は世界的に減退し、または、廃止される方向へと向かっている。そして、近年では、Sn−Pb合金メッキ液と同等の品質を得ることが出来るSn−Bi合金メッキ液への移行が進められている。また、同時に、Sn−Cu合金メッキ液、Sn−Ag合金メッキ液、Sn−In合金メッキ液、Sn−Zn合金メッキ液等の新規合金メッキ液への移行も行われている。
【0005】
例えば、従来の無電解Niメッキ液において、メッキ作業により老化した無電解Niメッキ液内に炭酸カルシウムや水酸化カルシウムを添加し、次亜リン酸塩の酸化によりメッキ液中に生成蓄積する亜リン酸塩を、亜リン酸カルシウムとして沈殿生成させる。そして、反応終了時のメッキ液のPHが4.5〜5.8になるように、炭酸カルシウムや水酸化カルシウムの添加量を調整すると共に、次亜リン酸塩を添加し、沈殿生成した亜リン酸カルシウムを分離除去して、回収母液をメッキ液として再使用している(例えば、特許文献1。)。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−192849号公報(第5−12頁)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、市場では、鉛の有する環境及び人体に与える悪影響が考慮され、急速に鉛を含有しないメッキ液への移行が渇望され、品質的及びメッキ技術的にも安定性を有するSn−Bi合金メッキ液への移行が進められている。
【0008】
その一方で、Biの環境や人体に与える影響や毒性も懸念されつつある。例えば、Biはそれ自体鉱物としても存在するが、鉛の生成時にその副産物として得られる金属でもある。そのため、鉛と同様に、Bi自体にも毒性を有するのではないかという疑念が生じ、上述したように、Biを含有するメッキ液を廃棄することで、環境や人体への影響が懸念されつつあるという問題があった。
【0009】
また、半導体チップでは、Sn−Bi合金メッキ液により半導体チップのアウターリード部にメッキ膜を形成し、半田付け性、耐食性等を向上させ、回路基板上に実装する。このとき、実装時の半田内に含有される鉛とメッキ膜内のBiとが、低温合金を形成し易い特性を有している。そして、実装領域には、構造上熱応力が加わりやすく、上記低温合金を有することで、実装信頼性が低下する恐れがあるという問題があった。
【0010】
また、Cu単体、Cu合金またはFe−Ni合金のような導電部材をリサイクルする際には、その表面に施されたメッキ膜に含まれるBiが、ある一定量上記導電部材に付着し、残存していると、リサイクルされた素材内にBiが混在した状態であるため、リサイクル素材の強度低下を誘発することもあるという問題があった。
【0011】
そして、上述した情勢により、メッキ液の市場では、例えば、Bi等の第2金属を含有しないSnメッキ液への移行の要望が高まっており、第2世代のメッキ液として、実質、単金属であるSnメッキ液の移行が必要な状況となりつつある。
【0012】
ここで、メッキ液の市場では、鉛フリーを目的とする第1世代のメッキ液であるSn−Bi合金メッキ液への移行にあたり、従来のSn−Pb合金メッキは廃棄され、または排水処理され、新たにSn−Bi合金メッキ液を混合作製していた。そして、第2世代のメッキ液の作製においても、同様に、現在のメッキに用いられているSn−Bi合金メッキ液は廃棄され、または排水処理され、新たにSnメッキ液を混合作製することで実現できる。
【0013】
しかしながら、Sn−Pb合金メッキからSn−Bi合金メッキ液への移行した後に、更に、Snメッキ液に移行するということは、それに伴う薬品の使用や廃棄処理等の多大な環境負荷を発生させ、且つ、廃棄処理時のコストも掛かるという問題があった。その一方で、新たにメッキ薬品を購入する必要があり、製造コスト負荷が膨大となるという問題が発生する。
【0014】
更に、新たにSnメッキ液を混合作製するということは、Sn−Bi合金メッキ液を採用していた際に培った薬品濃度管理、電着率、メッキ膜組成等のメッキ技術、解析技術等のノウハウを新たに習得する必要があり、莫大な時間とコストが掛かるという問題が発生する。更に、メッキ処理を行うための製造ラインも新たに設置する必要があり、既存の設備の利用を図り難く、設備投資コストも掛かるという問題が発生する。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記した各事情に鑑みて成されたものであり、本発明のメッキ液のリサイクル方法では、標準電極電位の異なる2種の金属材料を含有し、導電部材に前記2種の金属材料が共析させる合金メッキ液を準備し、前記合金メッキ液から一方の前記金属材料を、実質、全て除去し、残存する他の前記金属材料からなる単一金属メッキ液を作製することを特徴とする。従って、本発明のメッキ液のリサイクル方法では、標準電極電位の異なる2種の金属材料を含有するメッキ液から、一方の金属材料を除去し、残存する他方の金属材料から成るメッキ液を作製し、該作製したメッキ液を用いて、導電部材表面にメッキ処理を施すことができる。
【0016】
また、本発明のメッキ液のリサイクル方法では、前記合金メッキ液内に含まれる添加剤の1つは錯化剤であり、該錯化剤の少なくとも一部は前記合金メッキ液から除去され、前記単一金属メッキ液内の前記他の金属材料は、前記合金メッキ液内の前記2種の金属材料を共析させる電位よりも、より貴な電位で析出されることを特徴とする。従って、本発明のメッキ液のリサイクル方法では、合金メッキ液から標準電極電位の異なる2種の金属材料を導電部材表面に共析させる為の錯化剤をも除去することで、作製された単一金属メッキ液の残存する他の金属材料は、前記合金メッキ液内よりもより貴な電位で導電部材の表面に析出される。
【0017】
また、本発明のメッキ液のリサイクル方法では、前記添加剤には酸化防止剤が含まれており、該酸化防止剤の少なくとも一部は前記錯化剤と共に除去されるが、前記酸化防止剤は前記単一金属メッキ液に補充されることを特徴とする。従って、本発明のメッキ液のリサイクル方法では、合金メッキ液内に含まれる酸化防止剤は錯化剤と共に除去されるが、作製される単一金属メッキ液には、除去された酸化防止剤は補給され、メッキ液の品質が確保される。
【0018】
また、本発明のメッキ液のリサイクル方法では、前記一方の金属材料はビスマス、銀、銅、インジウムまたは亜鉛であり、前記他の金属材料はスズであることを特徴とする。従って、本発明のメッキ液のリサイクル方法では、多種のSnを主金属とした合金メッキ液から、実質、Sn単体のメッキ液を作製することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下に、図1〜図5を参照として、本発明のメッキ液のリサイクル方法について詳細に説明する。図1は合金メッキから単一金属メッキ液を作製するためのフローチャートであり、図2(A)は各種金属イオンの標準電極電位を示す特性図であり、図2(B)はSn−Biの合金メッキ液におけるそれぞれの金属イオンの電位と電流密度とにおける析出条件を示す特性図であり、図3は活性炭処理工程を説明するためのフローチャートであり、図4(A)はSn(スズ)−Bi(ビスマス)メッキ液内の電流密度とBi析出量との関係を示す特性図であり、図4(B)はSn(スズ)−Bi(ビスマス)メッキ液における電解処理期間と浴中Bi濃度との関係を示す特性図であり、図5は沈降処理工程を説明するためのフローチャートである。尚、図2(B)に示す特性図は、現在、メッキ処理に用いられるSn−Biの合金メッキ液であり、例えば、一実施例における析出条件を示したものである。
【0020】
図1に示すように、本実施の形態では、例えば、金属材料としてSn及びBiとが含有されているSn−Biの合金メッキ液から、Sn単体のメッキ液を作製する場合について説明する。Sn単体のメッキ液を作製するためには、主に、Sn−Biの合金メッキ液を準備する工程と(ステップS1)、該Sn−Biの合金メッキ液から錯化剤等の有機物を除去する為の活性炭除去工程と(ステップS2)、該Sn−Biの合金メッキ液からBiを除去する工程と(ステップS3)、錯化剤及びBiを除去したメッキ液から電解生成物等の不要成分を除去する沈降処理工程(ステップS4)、Bi及び錯化剤を除去したことで、Sn単体のメッキ液としてのバランスのくずれを補正するための分析補正工程と(ステップS5)、から成る。以下に、それぞれの工程について、詳細に説明する。
【0021】
尚、本実施の形態の合金メッキ液では、Snを主金属材料として用い、Biを第2金属として用いているが、Biの代わりに、第2金属材料としてAg(銀)、Cu(銅)、In(インジウム)またはZn(亜鉛)を用いた場合でも良い。また、本実施の形態では、図1に示すフローチャートに基づき、メッキ液のリサイクル工程が行われるが、この工程の順序に限定する必要はない。例えば、ステップS3のBiを除去する工程を終えた後に、ステップS2の錯化剤を除去する活性炭処理工程を行っても良い。つまり、本実施の形態では、ステップS2からステップS4の工程の順序は任意に変更可能である。
【0022】
先ず、図1のステップS1に示すSn−Biの合金メッキ液を準備する工程について説明する。Sn−Biの合金メッキ液は、主に、水、酸、金属材料、添加剤を含有し、構成されている。酸としては、例えば、アルカン、アルカノールスルホン酸(有機酸)であり、金属材料であるSn及びBiは、イソプロピルアルコール等が含まれる溶剤にSn粉及びBi粉が溶解され、メッキ液内にメッキ用金属イオンとして含有されている。尚、一般的に、メッキ液を組成するにあたり、金属材料は溶剤に溶かして用いられる。しかし、その溶剤はメッキ液の中では極めて少量であるため、その量が多少増減した場合でもそのメッキ液の組成になんら影響を与えることはない。また、添加剤としては、界面活性剤、酸化防止剤、錯化剤等の6種類程度の成分が含まれている。そして、錯化剤は、メッキ液中の析出電位の異なるSnイオン(Sn2+)とBiイオン(Bi3+)に対し、メッキ液中での両者の析出電位を調整し、所望の膜質のメッキ膜を形成することを可能とする。
【0023】
本実施の形態では、建浴時の状態のSn−Bi合金メッキ液からBiを除去する場合、あるいは、リードフレーム等にSn−Biの合金メッキを施した後のSn−Bi合金メッキ液からBiを除去する場合を示している。しかしながら、この両状態のSn−Bi合金メッキ液に限定することはなく、種々の状態のSn−Bi合金メッキ液に対応することができる。
【0024】
そして、本実施の形態における建浴時の状態のSn−Bi合金メッキ液は、例えば、Snイオン(Sn2+)濃度は20〜60(g/L)、Biイオン(Bi3+)濃度は0.5〜4.0(g/L)、浴中Sn/Bi比率は93/7〜95/5、遊離酸濃度は120〜160(g/L)、添加剤濃度は20〜40(ml/L)の間にメッキ液が保たれるように管理されている。一方、リードフレーム等にSn−Biの合金メッキを施した後のSn−Bi合金メッキ液は、例えば、Snイオン(Sn2+)濃度は15〜60(g/L)、Biイオン(Bi3+)濃度は0.3〜3.0(g/L)、浴中Sn/Bi比率は93/7〜95/5、遊離酸濃度は120〜160(g/L)、添加剤濃度は20〜35(ml/L)の間にメッキ液が維持されている。
【0025】
上述したように、例えば、Sn−Biの合金メッキ液では、その合金メッキ液内にはSnイオン(Sn2+)とBiイオン(Bi3+)の金属イオンが含有されている。そして、図2(A)に示すように、Snイオン(Sn2+)の標準電極電位はおよそ−0.140(V)であり、Biイオン(Bi3+)の標準電極電位はおよそ0.317(V)である。つまり、Biイオン(Bi3+)の方がSnイオン(Sn2+)よりもより貴な金属イオンであり、Biイオン(Bi3+)は、リードフレーム等の導電部材表面に電解工法により析出させる際には、低電流密度の領域においてより優先的に析出する傾向にある。そのため、Sn−Bi合金メッキ液内には、析出電位の異なる2種類の金属イオンを導電部材表面に共析させるために、錯化剤を使用している。ここで、上記した「貴な」とは、より金属として析出し易いことを意味する。
【0026】
尚、本実施の形態では、Sn−Bi合金メッキ液の場合について説明しているが、Sn−Ag合金メッキ液、Sn−Cu合金メッキ液、Sn−In合金メッキ液またはSn−Zn合金メッキ液を用いた場合でも、同様である。
【0027】
図2(A)に示すように、Agイオン(Ag+)の標準電極電位はおよそ0.799(V)であり、Cuイオン(Cu+)の標準電極電位はおよそ0.337(V)であり、Snイオン(Sn2+)よりもより貴な金属イオンである。そのため、錯化剤を加えることで、標準電極電位の異なる2種類の金属イオンを所望の状態で共析させることができる。一方、Inイオン(In3+)の標準電極電位はおよそ−0.388(V)であり、Znイオン(Zn2+)の標準電極電位はおよそ−0.763(V)であり、Snイオン(Sn2+)の方がより貴な金属イオンである。そのため、錯化剤を加えることで、標準電極電位の異なる2種類の金属イオンを所望の状態で共析させることができる。
【0028】
図2(B)に示すように、実線で示すラインは、Sn−Biの合金メッキ液内に錯化剤を含有しない場合での、Snイオン(Sn2+)のメッキ液内での析出電位と電流密度との関係を示す。また、点線で示すラインは、Sn−Biの合金メッキ液内に錯化剤を含有しない場合での、Biイオン(Bi3+)のメッキ液内での析出電位と電流密度との関係を示す。図示したように、Sn−Biの合金メッキ液に錯化剤を含有しない状態で、電解工法によりメッキ処理を行う場合には、例えば、1.0(A/dm2)程度以下までの電流密度では、Biイオン(Bi3+)が優先的に析出されることが示されている。つまり、析出電位がより貴であるBiイオン(Bi3+)がリードフレーム等の導電部材表面に優先的に析出し、所望の膜質のSn−Bi合金メッキ膜を施すことは困難である。
【0029】
一方、図示の如く、一点鎖線で示すラインは、Sn−Biの合金メッキ液内に錯化剤を含有する場合での、Snイオン(Sn2+)のメッキ液内での析出電位と電流密度との関係を示す。また、二点鎖線で示すラインは、Sn−Biの合金メッキ液内に錯化剤を含有する場合での、Biイオン(Bi3+)のメッキ液内での析出電位と電流密度との関係を示す。図示したように、Sn−Biの合金メッキ液に錯化剤を含有する状態で、電解工法によりメッキ処理を行う場合には、電流密度が、例えば、0.1(A/dm2)程度以上の範囲で設定されると、Snイオン(Sn2+)とBiイオン(Bi3+)との析出電位とが近似し、且つ、Snイオン(Sn2+)の方がBiイオン(Bi3+)よりも、より貴な状態となる。そのことで、錯化剤を含有した合金メッキ液において、電解工法によりメッキ処理を行う場合には、ハッチングで示した領域内の電流密度を加えることで、導電部材表面に所望の膜質のSn−Bi合金メッキ膜を施すことを可能とする。
【0030】
次に、図1のステップS2に示す、ステップS1の工程において準備したSn−Biの合金メッキ液から錯化剤を除去する工程について説明する。
【0031】
上述したように、本実施の形態で用いるSn−Biの合金メッキ液は、所望の状態でSn及びBiを共析させることを目的とし、メッキ液内には、錯化剤が含有されている。そのため、錯化剤の含有された合金メッキ液内では、図2(B)に示すように、Biイオン(Bi3+)の析出電位は錯化剤により調整された状態のままである。つまり、Biイオン(Bi3+)を導電部材の表面に析出させる場合、図2(B)示す点線と二点鎖線とを比較することで明白なように、錯化剤が含有されない状態で除去処理を行うことで、Biの析出効率を向上させることができる。このために、本工程では、Sn−Biの合金メッキ液から錯化剤を除去し、合金メッキ液中のBiイオン(Bi3+)の析出電位を再調整し、Biの析出条件を二点鎖線から点線へと戻すことを目的とする。
【0032】
図3に示すように、活性炭処理工程では、Sn−Biの合金メッキ液から錯化剤の除去を行うが、先ず、メッキ処理を行うためのメッキ浴槽から予備の浴槽へと合金メッキ液を移動させる(ステップS11)。次に、予備槽に移行された合金メッキ液内に含有されている錯化剤を除去する為に、合金メッキ液を加温しながら、合金メッキ液内に紛状活性炭を投入する。そして、紛状活性炭を投入する際には、メッキ液を撹拌しながら、例えば、単位リットル当たり10(g)を目安に、1(kg)程度ずつ徐々にメッキ液に投入する。このとき、撹拌方法としては、プロペラシャフトを有するモーター撹拌が望ましく、また、上述の如く、紛状活性炭を徐々に投入することで、予備槽の底部に活性炭が固まることを防ぐことができる。尚、本実施の形態では、この撹拌作業を約16時間程度連続して行い、主に、錯化剤を含む有機物を活性炭に吸着させる(ステップS12)。その後、メッキ液を数時間程度放置する(ステップS13)。
【0033】
最後に、ステップS13で放置したメッキ液を濾過装置のフィルターを通過させ、活性炭及び活性炭に吸着された錯化剤等の有機物等のメッキ液中の粒子をメッキ液から除去する。本実施の形態では、フィルターの目は、例えば、0.5μm程度、あるいは、1.0μm程度であり、活性炭の粒度としては、このフィルターの目の大きさ以上であることが望ましい。また、濾過助剤をフィルター上にプリコートした後にメッキ液の濾過処理作業を行っても良い。そして、この濾過助剤を用いる場合には、フィルターの目が詰まった場合には、逆洗することで再生することができる(ステップS14)。
【0034】
尚、本実施の形態では、Sn−Biの合金メッキ液を予備の浴槽に移動させた後に、活性炭処理を行う場合について説明したが、この場合に限定する必要はない。通常、メッキ液は強制的に循環しながら用いられるが、そのメッキ液が循環されるパイプの一部に活性炭フィルターを設置することでも、活性炭処理を行うこともできる。
【0035】
次に、図1のステップS3に示す錯化剤が除去されたSn−Biの合金メッキ液からBiを除去する工程について説明する。そして、主に、置換工法、電解工法によりSn−Bi合金メッキ液中におけるBiの除去を行っている。
【0036】
一般に、Sn−Bi合金メッキ液における置換工法の場合には、Biイオン(Bi3+)がアノード及びカソードとなるリードフレームや極板等の導電部材に置換析出される。一方、電解工法の場合には、Snイオン(Sn2+)及びBiイオン(Bi3+)がアノード及びカソードとなるリードフレームや極板等の導電部材に電解共析及び一部置換析出される。そして、電解工法の場合では、メッキ浴槽内のアノードが電着物と同じ組成の純度99.9%程度のSnで形成されており、メッキ液の金属材料であるSnイオン(Sn2+)は、主にアノードの溶解により補われる。一方、Snイオン(Sn2+)より減少の著しいBiイオン(Bi3+)は、析出されるのみである。
【0037】
そして、本実施の形態では、上述したように、置換工法では、錯化剤の除去されたSn−Bi合金メッキ液が収納されたメッキ浴槽内に、例えば、ステンレス板、Cu、Fe(鉄)等の金属板等を浸漬させる。置換工法では、合金メッキ液内では電流が流されない。そして、浸漬された金属板の表面では、金属板から金属イオンが酸化溶解するのと交換に、溶液中の金属イオン、本実施の形態では、主に、Biイオン(Bi3+)が金属板の表面に還元析出される。一方、Snイオン(Sn2+)は、析出電位差によりBiイオン(Bi3+)が優先的に析出されることで、メッキ液内からほとんど低減することはない。そして、所望のBiイオン(Bi3+)を、実質、全て除去することができる。
【0038】
また、電解工法では、錯化剤の除去されたSn−Bi合金メッキ液が収納されたメッキ浴槽内に、例えば、ステンレス板、Cu、Fe(鉄)等の金属板等をカソードとして浸漬させる。そして、純度99.9%程度のSnから成るアノードを用い、メッキ液に電流を流し、主に、カソード側にBiイオン(Bi3+)を析出させる。このとき、電解工法では、Snイオン(Sn2+)もカソード側に析出するため、メッキ液中のSnイオン(Sn2+)も低減するが、上述の如く、Snイオン(Sn2+)はアノードの溶解により補われる。そのため、Biイオン(Bi3+)の低減を実現することができる。
【0039】
図4(A)では、Sn−Bi合金メッキ液において、浴中におけるBiイオン(Bi3+)の濃度が異なる3種類の合金メッキ液のそれぞれに、一定の電流密度を加えた場合のBiの析出量を示している。そして、実線で示したラインが浴中におけるBiイオン(Bi3+)濃度が一番濃い場合の合金メッキ液であり、次いで、一点鎖線で示したラインが浴中におけるBiイオン(Bi3+)濃度が実線よりも薄い場合の合金メッキ液であり、二点鎖線で示したラインが浴中におけるBiイオン(Bi3+)濃度が一番薄い場合の合金メッキ液について示している。本実施の形態では、それぞれのSn−Bi合金メッキ液に、K(A/dm2)、K+1.0(A/dm2)及びK+2.0(A/dm2)の3パターンの電流密度を加えている。図示の如く、浴中におけるBiイオン(Bi3+)濃度の比率に関係なく、全ての合金メッキ浴槽において、低電流密度に設定された場合の方がBiの析出量が多く、電流密度を高くするにつれて、Biの析出量が低減していくことが示されている。
【0040】
図4(B)では、所望のBiイオン(Bi3+)濃度で作製されたSn−Bi合金メッキ液に電解処理を行った場合において、実線で示したラインは、浴中のSnイオン(Sn2+)に対するBiイオン(Bi3+)の濃度比率をその処理期間の経過に合わせて示している。一方、一点鎖線で示したラインは、浴中におけるBiイオン(Bi3+)濃度をその処理期間の経過に合わせて示している。図示の如く、Sn−Bi合金メッキ液に電解処理を行うことで、一点鎖線で示したラインにより、浴中のBiイオン(Bi3+)が低減していく状態が確認でき、この電解処理を行うことで、浴中のBiイオン(Bi3+)を、実質、全て除去することができる。一方、実線で示したラインにより、Sn−Bi合金メッキ液内では、優先的にBiイオン(Bi3+)が除去される状態が確認できる。
【0041】
つまり、本実施の形態では、図4(A)及び(B)が示すように、Sn−Bi合金メッキ液に対し、電解処理を低電流密度で行うことで、Sn−Bi合金メッキ液からBiイオン(Bi3+)をより優先的に除去することができる。そのため、本実施の形態では、上述したステップS2において、Sn−Bi合金メッキ液から、先ず、Biイオン(Bi3+)の析出電位をより卑にする錯化剤を除去する。そして、Sn−Bi合金メッキ液内のBiイオン(Bi3+)をより貴な状態に戻す工法手順を採用している。その結果、本実施の形態では、Biイオン(Bi3+)をより貴な状態に戻すことで、低電流密度で電解処理を行えるので、より効率的にBiイオン(Bi3+)を除去することができる。
【0042】
尚、本実施の形態では、上述した方法により、Sn−Bi合金メッキ液内のBiイオン(Bi3+)を実質、全て除去する場合について説明したが、Sn単体のメッキ液内のBiイオン(Bi3+)濃度は、例えば、5(PPM)以下程度まで低下させることができる。そして、該メッキ液を用いて形成されたメッキ膜からBiの析出が検出された場合でも、その析出濃度は、不純物濃度として扱える程度である。このメッキ液内のBiイオン(Bi3+)濃度は、例えば、新たにSn単体のメッキ液を作製した場合において、Snから成る電極体(陽極)や浴中のSnイオン(Sn2+)等の薬品より持ち込まれる不純物濃度と同程度である。つまり、上述した工法によりBiイオン(Bi3+)を除去したメッキ液内にPPMオーダーのBiイオン(Bi3+)を含有する場合でも、実質、Sn単体のメッキ液と同等に扱うことができる。
【0043】
次に、図1のステップS4に示す、錯化剤及びBiイオン(Bi3+)が除去された、実質、Sn単体のメッキ液を沈降処理する工程について説明する。図5に示すように、本実施の形態における沈降処理工程では、上述したBiイオン(Bi3+)、錯化剤以外の電解生成物、例えば、Snイオン(Sn4+)、Biイオン(Bi4+)の除去を行う。本実施の形態では、先ず、メッキ浴槽からメッキ液をビーカー等に複数個採取し、第1の沈降剤をそれぞれ採取したメッキ液に加える。そして、それぞれのビーカーにおいて、撹拌棒で10〜20秒程度、メッキ液を撹拌する。
【0044】
そして、撹拌したメッキ液を、例えば、30分程度放置した後、それぞれのビーカーに第2の沈降剤を加える。その後、第1の沈降剤を加えた後と同様に、メッキ液を撹拌し、例えば、30分程度放置する。そして、その沈降凝集を検査し、所望の目的を達成しているビーカーを選定し、リサイクルするメッキ液量に換算し、第1及び第2の沈降剤の添加量を決定する(ステップS21)。
【0045】
次に、上記したステップS21で決定した添加量の第1の沈降剤をメッキ液内に加え、メッキ液全体を良く撹拌する(ステップS22)。そして、メッキ液を、例えば、8時間程度放置し、その後、メッキ液の濁りを確認し(ステップS23)、上記したステップS21で決定した添加量の第2の沈降剤をメッキ液内に加える。そして、第1の沈降剤を加えた後と同様に、再び、メッキ液全体を良く撹拌する(ステップS24)。その後、例えば、Snイオン(Sn4+)、Biイオン(Bi4+)等の電解生成物がフロックを形成し、沈降したメッキ液の上澄み液を、上述したように濾過処理する(ステップS25)。そして、濾過されたメッキ液は、再び、メッキ浴槽に収納されるか、または、その他の予備槽に収納される。一方、沈降処理が行われている予備槽では、この濾過処理作業が引き続き行われ、随時、濾過されたメッキ液が、上記のメッキ浴槽またはその他の予備槽に収納される。
【0046】
このとき、沈降処理工程において、最終的に濾過されたメッキ液が、再び、メッキ浴槽に収納される際には、メッキ浴槽は、アルカリ性溶液で洗浄された後、酸性溶液で中和処理を施された後に用いられる。また、Sn−Biの合金メッキ液で用いられていた、例えば、純度99.9%のSnから成る電極体も、良く洗浄された後に、再び、使用しても良いし、新たな電極体を使用しても良い。
【0047】
最後に、図1のステップS5に示す、実質、Sn単体のメッキ液を分析補正する工程について説明する。上述したように、Sn−Biの合金メッキ液から、実質、Sn単体のメッキ液を作製する過程において、例えば、錯化剤の除去する活性炭処理工程(ステップS2)では、活性炭処理時に、添加剤としての酸化防止剤も併せてその一部が除去されてしまう可能性がある。また、例えば、Biの除去工程(ステップS3)では、特に、Biイオン(Bi3+)の析出に電解工法を採用するとSnイオン(Sn2+)も併せて析出されてしまう。そして、Snイオン(Sn2+)はアノードが溶解することで補われるが、Sn単体のメッキ液に対し、Snイオン(Sn2+)値は所望の値とはならない。
【0048】
そこで、本分析補正工程では、沈降処理工程を終えたSn単体のメッキ液を採取し、化学分析を行い、上述したSnイオン(Sn2+)、酸化防止剤等の不足している成分の補充を行う。そして、この分析補正工程を終えると、所望のSn単体のメッキ液が完成する。
【0049】
上述したように、本実施の形態のメッキ液のリサイクル方法では、従来からメッキ液として用いていた、例えば、Sn−Biの合金メッキ液から、実質、Sn単体のメッキ液を作製することに特徴を有する。通常、新たなメッキ液を建浴する場合には、種々の重金属、酸等を購入し、使用しなければならないため、それぞれのメッキ液を構成する成分の分析手法、濃度管理方法等を最初から研究、解析しなければならない。
【0050】
しかしながら、本実施の形態では、従来から用いていたSn−Biの合金メッキ液から、例えば、Biイオン(Bi3+)、添加剤の1つである錯化剤を除去した以外のメッキ液を構成する成分はほぼ同一である。そのため、新たに作製した、実質、Sn単体のメッキ液を用いてメッキ加工及びメッキ液管理を行う際には、従来のメッキ液と同一の成分であるSn、酸、添加剤の分析手法は従来通りの手法を用いることができる。また、Sn単体のメッキ液を管理する際には、メッキ液成分の分析を行い、不足した成分を補充しながら所望のSn単体のメッキ液を維持するが、分析頻度、補充方法等も従来のデータに基づき行うことができる。そのことで、本実施の形態では、従来のメッキ液の分析手法等のデータを活用することで、メッキ液の研究時間、研究費用等を大幅に低減することができる。また、メッキ液組成の管理においても、従来のデータを活用することができるので、管理作業の容易化を実現することができる。
【0051】
更に、本実施の形態では、Sn−Biの合金メッキ液から作製したSn単体のメッキ液を用いてメッキ加工を行うことで、メッキ加工時の設定条件をSn−Biの合金メッキ液の設定条件とほぼ同等の条件で行うことができる。また、メッキ液成分、メッキ加工時の設定条件等がほぼ同等であるので、析出粒子の形状等のメッキ膜の仕上がり外観も、所望のSn−Biの合金メッキ液を用いた場合と近似した外観を容易に得ることができる。
【0052】
更に、本実施の形態では、メッキ液の変更により、その後、使用用途の無くなったメッキ液をリサイクルすることで、メッキ液の廃棄処理を不要とし、再生することができる。そのことで、メッキ液の排水負荷、排水コストの低減を実現できる。また、メッキ液の排水処理を行うと、重金属を含む薬品等から成るスラッジが発生するが、このスラッジの発生を抑制でき、メッキ液の排水も無くすことで、環境負荷を大幅に低減することができる。
【0053】
更に、本実施の形態では、従来使用していたSn−Biの合金メッキ液から作製したSn単体のメッキ液を用いることで、上述の如く、メッキ加工時の設定条件等をほぼ同等に扱うことができる。そのことで、従来のメッキ装置等の設備もそのまま利用することも可能となり、既存設備の保護を実現し、設備投資コストも大幅に低減することができる。
【0054】
尚、本実施の形態では、主に、Sn−Biの合金メッキ液から、実質、Sn単体のメッキ液を作製する場合について説明したが、このメッキ液の場合に限定する必要はない。例えば、Sn−Ag合金メッキ液、Sn−Cu合金メッキ液、Sn−In合金メッキ液、Sn−Zn合金メッキ液等から、実質、Sn単体のメッキ液を作製する場合においても、同様な効果を得る事が出来る。また、本実施の形態では、Sn−Biの合金メッキ液から錯化剤を、実質、全て除去する場合について説明したが、この場合に限定する必要はない。例えば、Sn−Biの合金メッキ液から錯化剤の少なくとも一部を除去し、Biイオン(Bi3+)をより貴な析出電位とすることで、Biイオン(Bi3+)の析出効率を向上させる事が出来る。その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能である。
【0055】
【発明の効果】
上述したように、第1に、本発明のメッキ液のリサイクル方法では、標準電極電位の異なる2種の金属材料を含有した合金メッキ液から、どちらか一方の金属材料を除去し、単一金属のメッキ液を作製し、メッキ液のリサイクル使用することに特徴を有する。そのことで、本発明では、単一金属メッキ液において、合金メッキ液とその構成成分を同一するものに関しては、分析手法、補充方法等のデータを活用することができる。その結果、本発明では、新たにメッキ液を建浴する場合と比較して、メッキ液の研究時間、研究コストを大幅に低減することができる。また、メッキ液組成の管理において、従来のデータを活用することができるので、管理作業の容易化を実現することができる。
【0056】
第2に、本発明のメッキ液のリサイクル方法では、メッキ液をリサイクル使用することで、メッキ液の廃棄処理を無くすことが出来ることに特徴を有する。そのことで、メッキ液の排水処理コスト、メッキ液の処分に伴う環境負荷、新たなメッキ液を購入するためのコスト等を大幅に低減することができる。
【0057】
第3に、本発明のメッキ液のリサイクル方法では、合金メッキ液から不要となる金属材料を除去し、新たなメッキ液を作製することに特徴を有する。そのことで、新たに作製された単金属のメッキ液において、メッキ加工時の設定条件をほぼ同等な条件で扱うことができ、また、設定条件をほぼ同等とすることで、析出粒子の形状等の仕上がり外観も所望の近似した外観を得ることができる。
【0058】
第4に、本発明のメッキ液のリサイクル方法では、錯化剤の除去された新たなメッキ液を作製することで、新たなメッキ液内の金属材料は、より貴な電位な状態となり、より効率的にメッキ処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のメッキ液のリサイクル方法を説明する、旧メッキから新メッキ液を作製するためのフローチャートである。
【図2】本発明のメッキ液のリサイクル方法を説明する、(A)は各種金属イオンの標準電極電位を示す特性図であり、(B)はSn−Biの合金メッキ液におけるそれぞれの金属イオンの電位と電流密度とにおける析出条件を示す特性図である。
【図3】本発明のメッキ液のリサイクル方法を説明する、活性炭処理工程を説明するためのフローチャートである。
【図4】本発明のメッキ液のリサイクル方法を説明する、(A)はSn(スズ)−Bi(ビスマス)メッキ液内の電流密度とBi析出量との関係を示す特性図であり、(B)はSn(スズ)−Bi(ビスマス)メッキ液における電解処理期間と浴中Bi濃度との関係を示す特性図である。
【図5】本発明のメッキ液のリサイクル方法を説明する、沈降処理工程を説明するためのフローチャートである。
Claims (8)
- 標準電極電位の異なる2種の金属材料を含有し、導電部材に前記2種の金属材料が共析する合金メッキ液を準備し、
前記合金メッキ液から一方の前記金属材料を、実質、全て除去し、残存する他の前記金属材料からなる単一金属メッキ液を作製することを特徴とするメッキ液のリサイクル方法。 - 前記単一金属メッキ液を用いて導電部材にメッキ処理を施すことを特徴とする請求項1に記載のメッキ液のリサイクル方法。
- 前記合金メッキ液内に含まれる添加剤の1つは錯化剤であり、該錯化剤の少なくとも一部は前記合金メッキ液から除去され、前記単一金属メッキ液内の前記他の金属材料は、前記合金メッキ液内の前記2種の金属材料を共析させる電位よりも、より貴な電位で析出されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のメッキ液のリサイクル方法。
- 前記一方の金属材料は、前記合金メッキ液内に浸漬された少なくとも電極体または前記導電部材に析出されることにより、除去されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のメッキ液のリサイクル方法。
- 前記単一金属メッキ液に残存する前記他の金属材料は、前記電極体が溶け込むことで補われることを特徴とする請求項4に記載のメッキ液のリサイクル方法。
- 前記添加剤には前記錯化剤を含む複数の成分が含まれており、前記錯化剤と共に除去される前記添加剤を構成する成分は、前記単一金属メッキ液に補充されることを特徴とする請求項3に記載のメッキ液のリサイクル方法。
- 前記添加剤には酸化防止剤が含まれており、該酸化防止剤の少なくとも一部は前記錯化剤と共に除去されるが、前記酸化防止剤は前記単一金属メッキ液に補充されることを特徴とする請求項3または請求項6に記載のメッキ液のリサイクル方法。
- 前記一方の金属材料はビスマス、銀、銅、インジウムまたは亜鉛であり、前記他の金属材料はスズであることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載のメッキ液のリサイクル方法。
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