JP2015014685A - 感光性樹脂組成物及び感光性樹脂構成体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】疎水性成分中に、親水性成分が、粒子状に存在する感光性樹脂組成物であって、
疎水性重合体:100質量部と、
親水性重合体:20質量部以上300質量部以下と、
エチレン性不飽和モノマー:10質量部以上80質量部以下と、
光重合開始剤:0.2質量部以上20質量部以下と、
親水性官能基を1種類以上含有するジエン重合体:10質量部以上200質量部以下と、
を、含有する感光性樹脂組成物。
【選択図】なし
Description
上記のような感光性樹脂構成体においては、製版品質の観点から、前記感光性樹脂組成物からなる層において、各成分の十分に高い相溶性が要求されている。
当該感光性樹脂組成物は、水系現像液で現像でき、透明性、加工性を有し、硬化時には透明性、低温弾力性に優れる硬化物が得られることを特徴としている。
前記リン酸エステル基を必須成分とする親水性共重合体は、エマルジョン合成等で得られるが、エマルジョンを構成する分散溶媒の水から必要な固形分、すなわち親水性共重合体を取り出す工程が必要であり、具体的には、有機溶剤又は無機塩等による凝集処理や冷却による凍結凝集処理等を行うことが必要である。中でも前記無機塩を用いた凝集処理は、ラテックス固形成分を比較的硬質に凝集でき、表面の粘着性を低下させることができるため、多く用いられている。
しかしながら、上記のように親水性共重合体を凝集させると、水への分散性が低下するため、感光性樹脂組成物の未露光部分を水系現像剤で現像する工程において、洗浄性が低下するおそれがあるという問題を有している。
例えば、特許文献2には、反応性乳化剤を用いて合成した親水性共重合体と疎水性共重合体、例えば、スチレン−ブタジエンブロック共重合体等の熱可塑性エラストマーとを併用することによりフレキソ印刷版に適した物性を達成させている。
しかしながら、疎水性共重合体を感光性樹脂組成物の構成要素として含むと、感光性樹脂組成物の親水性が低下し、感光性樹脂構成体の水現像性が低下するため、製版における生産性の低下を招来するという問題を有している。
例えば、特許文献3には、水分散性ラテックスから得られる疎水性共重合体(1)と、ブタジエン骨格を有する親水性重合体(2)と、ジエン重合体(3)とを含む組成物に、カルボン酸系共重合体(4)を添加し、前記ジエン重合体(疎水成分)(3)中に、疎水性共重合体(1)と親水性重合体(2)とが分散された組成が提案されている。
しかしながら、上記組成においては、ジエン重合体(疎水成分)(3)中に、疎水性ラテックス成分と親水性成分とが分散しており、連続成分が分子量10000以下の共役ジエン重合体のみであるため、未硬化段階で樹脂組成物が塑性変形しやすく、長期保管に適していないという問題を有している。また、前記カルボン酸系共重合体(4)は吸水性が高いため、印刷版としても吸水性が高くなり、長期保管における物性の維持に懸念があるという問題を有している。
すなわち、本発明の要旨は、以下の通りである。
疎水性成分中に、親水性成分が、粒子状に存在する感光性樹脂組成物であって、
疎水性重合体:100質量部と、
親水性重合体:20質量部以上300質量部以下と、
エチレン性不飽和モノマー:10質量部以上80質量部以下と、
光重合開始剤:0.2質量部以上20質量部以下と、
親水性官能基を1種類以上含有するジエン重合体:10質量部以上200質量部以下と、
を、含有する感光性樹脂組成物。
〔2〕
前記ジエン重合体が、ブタジエン重合体及び/又はイソプレン重合体であり、
前記親水性官能基が、水酸基及び/又はカルボキシル基である、前記〔1〕に記載の感光性樹脂組成物。
〔3〕
前記親水性重合体が、水分散性ラテックスを凝集処理して得られたものである、前記〔1〕又は〔2〕に記載の感光性樹脂組成物。
〔4〕
前記親水性重合体が、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、及びアルミニウムからなる群より選ばれる金属を含む無機金属塩の凝集剤を用いて、水分散性ラテックスを凝集処理して得られたものである、前記〔3〕に記載の感光性樹脂組成物。
〔5〕
前記疎水性重合体を前記疎水性成分として含み、
前記親水性重合体、前記エチレン性不飽和モノマー、光重合開始剤、及び親水性官能基を1種類以上含有するジエン重合体を親水性成分として含む、前記〔1〕乃至〔4〕のいずれか一に記載の感光性樹脂組成物。
〔6〕
前記〔1〕乃至〔5〕のいずれか一に記載の感光性樹脂組成物が支持体上に積層されている、厚み0.6mm〜8mmの感光性樹脂構成体。
本実施形態の感光性樹脂組成物は、疎水性成分中に親水性成分が粒子状に存在する、いわゆる海島構造を構成している。
以下、前記親水性成分よりなる粒子以外の部分を疎水層と呼ぶ。
前記疎水性成分とは、非水溶性のポリマー、親水性官能基を1種類以上含有するジエン共重合体、オリゴマー、光重合性モノマー等の単独成分、またはこれらを混合均一化した成分である。ここで、前記親水性官能基を1種類以上含有するジエン共重合体は、その骨格がジエン共重合体であるため、疎水成分との相溶性が良く、疎水層の構成要素となる。
前記親水性成分とは、カルボン酸基、スルフォン酸基、リン酸基、それらの塩、又はポリエチレングリコール等のポリアルキレン鎖、水酸基等を有する重合体、又はオリゴマー等である。
本実施形態の感光性樹脂組成物は、疎水性重合体100質量部と、親水性重合体20質量部以上300質量部以下と、エチレン性不飽和モノマー10質量部以上80質量部以下と、光重合開始剤0.2質量部以上20質量部以下と、親水性官能基を1種類以上含有するジエン共重合体10質量部以上200質量部以下とを含む。
ここで、前記疎水性重合体、エチレン性不飽和モノマー、光重合開始剤、及び親水性官能基を1種類以上含有するジエン共重合体は、加熱溶解、または溶解混合により均一に混合された形態を持つ疎水層すなわち海部を形成する。
一方、親水性重合体は、極性が高いこと、及び加温による溶融性、有機溶剤に対する溶解性が低いことから、一般的に感光性樹脂を溶融混練する温度条件、及び溶剤への溶解混合では先の疎水層と均一な組成物を形成できず、疎水性樹脂層中に粒子状に存在する形態、すなわち海島構造をとる。ただし、前記親水性官能基を1種類以上含有するジエン共重合体が、前記親水性重合体により構成されている粒子に存在することもあり得る。
(疎水性重合体)
疎水性重合体とは、非水溶性の重合体、またはカルボン酸、スルフォン酸、リン酸、これらの塩、ポリアルキレングリコール鎖等の極性基又は親水性官能基を有さない重合体である。疎水性重合体は、未硬化の感光性樹脂の保管安定性、すなわち形態維持の観点から、分子量1万以上であることが好ましい。
疎水性重合体としては、熱可塑性エラストマーが好ましく、具体的には、共役ジエン系炭化水素を重合して得られる重合体、又は共役ジエン系炭化水素とモノオレフィン系不飽和化合物とを共重合して得られる共重合体が挙げられる。
疎水性重合体としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ブタジエン重合体、イソプレン重合体、クロロプレン重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体、スチレン−クロロプレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−イソプレン共重合体、メタクリル酸メチル−ブタジエン共重合体、メタクリル酸メチル−イソプレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、アクリロニトリル−イソプレン−スチレン共重合体等が挙げられる。
これらの中で、フレキソ印刷版としての特性、すなわち版面の反発弾性、強伸度物性、樹脂版硬度、及び未露光時の形態安定性、または入手性等の観点から、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体等が好ましい。
これらの疎水性重合体は、1種のみを単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
感光性樹脂組成物100質量部に対し、前記疎水性共重合体の含有量が50質量部以下であると、感光性樹脂組成物における十分な親水性を確保でき、実用上良好な現像速度が得られる。
また、感光性樹脂組成物100質量部に対し、前記疎水性共重合体の含有量が10質量部以上であることにより、良好な樹脂物性、特に伸度が得られ、高い曲げ応力に対する耐性が得られ、クラックによる破断を効果的に防止できる。
親水性重合体とは、水溶性、又は水膨潤性のポリマーである。分子内にカルボン酸、スルフォン酸、リン酸、これらの金属塩、又はポリアルキレングリコールなどの親水性官能基を少なくとも1つ以上有する重合体、又は乳化重合により得られる親水性官能基を含有するラテックスである。
親水性重合体は、親水性を発現させるために、カルボン酸基、アミノ基、水酸基、燐酸基、スルフォン酸基等の親水性基、もしくはそれらの塩、またはポリアルキレン鎖など親水性基を分子内に有し、それ自体が水溶性であるか、水に分散する重合体を含んでいる。
前記水に分散する重合体としては、水分散性エマルジョンから得られる重合体が挙げられる。具体的には、特願昭63−131192号公報等に記載されているカルボキシル化スチレンブタジエンラテックス、特開昭61−128243号公報、特開平6−194837号公報、特開平7−134411等に記載されているカルボキシル基を含有する脂肪族共役ジエンの重合体、特開平9−15860号公報に記載されている燐酸基又はカルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物の乳化重合体、特開平3−206456に記載されているスルフォン酸基を含有するポリウレタン、特許第3836433号公報に記載されている反応性乳化剤を用いて合成されたたジエン系ラテックス等が挙げられる。
これらの親水性重合体は、1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
疎水性重合体100質量部に対して親水性重合体が20質量部以上であると、感光性樹脂組成物中における親水性成分比率を十分に確保でき、良好な現像性が得られる。また、300質量部以下とすることにより、感光性樹脂組成物中の島成分が過多になることを防止でき、感光性樹脂組成物の強伸度物性の低下を抑制でき、製版後の印刷版において実用上十分な強度が得られる。
本実施形態の感光性樹脂組成物の製造工程においては、前記エマルジョンから固液分離を行い、固形分である水分散性ラテックスを親水性重合体として取り出すことが好ましい。一般的には、硫酸アルミニウム、硫酸マグネシウム等の無機系凝集剤、又はアルコール等を添加して水分散性ラテックスを凝集させ、その後、濾過等による分離を行う方法が知られている。
特に、親水性重合体は、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、及びアルミニウムからなる群より選ばれる金属を含む無機金属塩の凝集剤を用いて水分散性ラテックスを凝集させた後、親水性重合体を分離する方法が、その後の感光性樹脂組成物を製造する観点から好ましい。無機金属塩の凝集剤を用いて凝集処理を行い分離させた親水性重合体は、アルコールなどで凝集・分離させた親水性重合体と比較して硬質な性状を持ち、水との分離が良好で単離収率が良いという特徴を有している。また後工程で、親水性重合体以外の感光性樹脂成分との混合工程において装置への付着が起きにくく、製造効率の良い加工プロセスが可能となる。
エチレン性不飽和モノマーとは、分子内に重合可能な不飽和結合、すなわち2重結合を有する化合物である。例えば、紫外線照射で反応する光重合開始剤から発生するラジカルにより重合反応が可能で、その重合反応によって溶剤などに対する不溶化を起こすことができる化合物のことである。
エチレン性不飽和モノマーとしては、特に制限されるものではなく、例えば、エチレン性不飽和酸とアルコール類のエステル化合物等が挙げられる。例えば、文献「光硬化技術データブック(テクノネット社発行)」等に記載された化合物が利用できる。
具体的には、ヘキシル(メタ)アクリレート、ノナン(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、2−エチル,2−ブチルプロパンジオール(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート,2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルフタレート、(メタ)アクリル酸ダイマー、ECH変性アリルアクリレート、ベンジルアクリレート、カプロラクトン(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等の直鎖、分岐、環状の単官能モノマーが挙げられる。
また、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、2−ブチル−2−エチルプロパンジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ECH変性フタル酸ジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ECH変性グリセロールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンベンゾエート(メタ)アクリレート、EO(PO)変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の直鎖、分岐、環状の多官能モノマー等も挙げられる。
さらに、ジオクチルフマレート等のアルコールとフマル酸とのエステル、又はラウリルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド等の、N置換マレイミド誘導体等も挙げられる。
これらの化合物は1種のみを単独で使用してもよく、目的とする樹脂物性を持たせるために2種以上併用してもよい。
疎水性重合体100質量部に対してエチレン性不飽和モノマーの含有量が80質量部以下であることにより、実用上良好な未露光状態での保管安定性が得られ、10質量部以上であることにより、実用上十分な硬度が得られ、印刷版としての物性が維持できる。
光重合開始剤とは、紫外光によりラジカルを発生し、2重結合等を有する化合物にラジカル重合を起させるものである。
光重合開始剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、文献「光硬化技術データブック(テクノネット社発行)」、「紫外線硬化システム(総合技術センター発行)」等に記載されたものが使用できる。
具体的には、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、α−メチロールベンゾイン、α−メチロールベンゾインメチルエーテル、ベンジルメチルケタール、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン、ベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン,o−ベンゾイル安息香酸メチル、ビスアシルフォスフィンオキサイド、α−メトキシベンゾインメチルエーテル、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−メチル−1−[4−メチルチオ]フェニル、2−モルフォリノプロパン−1−オン、チオキサントン、ベンジル、アンスラキノン等が挙げられる。
これらは1種のみを単独で用いても、2種類以上を併用してもよい。
光重合開始剤の添加量が疎水性重合体100質量部に対して0.2質量部以上であると、重合により十分な不溶化効果が得られ、微細な画像を形成可能な感光性樹脂構成体及び印刷版が得られる。また、物性的に優れた印刷版が得られ、印刷における耐刷性も良好であり、細字、網点等の微細な画像の欠け等を効果的に防止できる。
光重合開始剤の添加量が疎水性共重合体100質量部に対して20質量部以下であることにより、光重合開始剤による活性光線の吸収を抑制でき、印刷版内部と印刷版表面の硬化度を均一化することができ、版表面の柔軟性を十分に確保でき、印刷機のシリンダーへの着脱を繰り返しても、ひび割れ(クラック)の発生を防止でき、高い印刷品質が得られる。
本実施形態の感光性樹脂組成物は、親水性官能基を1種類以上含有するジエン重合体を含有する。
このようなジエン重合体としては、ブタジエン及び/又はイソプレンの重合体の末端、又は側鎖に極性官能基を含有しているものが好ましい。
なお、上述した疎水性重合体に含まれるものは除く。
親水性官能基としては、水酸基及び/又はカルボキシル基が好適である。
本実施形態においては、前記ジエン重合体として1種類のみを単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
また、親水性官能基についても1種類のみ含有するものであってもよく、2種類以上含有するものであってもよい。
さらには、親水性官能基を1種類以上含有するジエン重合体を、種々組み合わせて用いてもよい。
また、ジエン重合体の分子量は、重量平均分子量で500〜50000が好適であるが、本実施形態の感光性樹脂組成物の加工性を考慮すると、室温付近において流動性を有する、いわば液状のポリブタジエン、又は液状のポリイソプレンが好適である。
具体的には、水酸基を有するポリブタジエンとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、G1000,G2000,G3000(日本曹達)、R15HT,R45HT(出光石油)が挙げられ、水酸基を有するポリイソプレンとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、LIR−503、LIR−506(クラレ)が挙げられる。
また、カルボキシル基を有するポリブタジエンとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、C1000(日本曹達)、カルボキシル基を有するポリイソプレンとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、LIR−403、LIR−405LIR−410(クラレ)等が挙げられる。
また、カルボキシル基を有するポリブタジエンは、金属塩として、本実施形態の感光性樹脂組成物中に含有させてもよい。
前記親水性官能基を1種類以上含有するジエン重合体の含有量が、疎水性重合体100質量部に対して10質量部以上であることにより、印刷版において好ましい硬度が得られ、200質量部以下であることにより、特に液状のジエン共重合体を用いた場合は、未硬化状態における変形(コールドフロー現象)を防止でき、実用上良好な貯蔵安定性が得られる。
本実施形態の感光性樹脂組成物は、可塑剤として、上述した疎水性重合体と相溶性が良好な液状ポリマー、又はオリゴマーを含有させてもよい。
可塑剤としては、例えば、重量平均分子量500〜60000の、液状の1,2(又は1,4)−ポリブタジエン、1,2(又は1,4)−ポリイソプレン、さらにはこれらの末端変性品、ナフテン油、パラフィン油等の炭化水素油等が挙げられる。
可塑剤は、1種のみを単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
特に、上述した疎水性重合体としてスチレン−ブタジエン−スチレン共重合体を用いる場合、可塑剤としては、疎水性ポリマーとの混合性の観点から、液状1,2(又は1,4)−ポリブタジエン、1,2(または1,4)−ポリイソプレンが好適である。
具体的には、液状ポリブタジエンとしては、B-1000、B2000、B3000(日本曹達)、B-700、B-2000、B3000(日本石油化学)、LBR-352、LBR-305、LBR-300(クラレ)、POYLVEST110、130(EVONIK)、Ricon152、153(SARTOMER)が挙げられ、液状ポリイソプレンとしては、例えば、LIR-30、LIR-50等が挙げられる。
本実施形態の感光性樹脂組成物は、上述した各種構成材料の他、必要に応じてその他の成分を含有してもよい。
その他の成分としては、重合禁止剤、染料、ベンゾトリアゾール等の紫外線吸収剤、耐オゾン剤等が挙げられる。
前記重合禁止剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ハイドロキノン、P−メトキシフェノール、2,4−ジ−t−ブチルクレゾール、カテコール、t−ブチルカテコール等のフェノール類、又は分子内にチオエーテル基等を有する化合物が挙げられる。
重合禁止剤は、本実施形態の感光性樹脂組成物100質量部中に0.05質量部〜10質量部含有することが好ましく、0.1〜8質量部含有することがより好ましく、0.3〜5質量部含有することがさらに好ましい。
感光性樹脂組成物中において、重合禁止剤を0.05質量部以上含有することにより、樹脂混練時において、熱による予定していない重合反応による洗浄性の低下を防止することができる。また、10質量部以下であることにより、露光による硬化速度の低下を防止することができ、またはレリーフ形成時において微小なサイズの画像を形成することが可能となる。
前記染料、紫外線吸収剤は、樹脂の感度、つまり光重合反応による硬化反応速度を調整するために添加する。これらの添加量についてはその物質の特定波長に対する吸光度により添加量が異なるため、適正な添加量の数値範囲は使用する材料によって選択する。
本実施形態の感光性樹脂組成物の製造方法については、特に限定されるものではないが、例えば、2軸押出機、ニーダーなどを用いて、加熱溶融、混合する方法が好ましい。
この場合、すべての材料を一度に投入して溶融混合してもよいし、またはポリマー類を先に溶融、又は混合しておき、その後にその他の液状成分、紛体成分を添加し、又はそれらの混合物を添加し、混合してもよい。
また各成分を溶剤などに溶解させ、キャスティングし、感光性樹脂成分を混合してもよい。
本実施形態の感光性樹脂構成体は、所定の支持体上に、上述した感光性樹脂組成物が積層された構成を有する。
感光性樹脂構成体の厚みは、目的とする印刷画像及び印刷機への適合性を考慮して決定され、厚みが0.6mm以上8mm以下であるものとする。
微細な画像を印刷する目的においては、版厚は薄くなる傾向があるため、好ましくは1mm以上3mm以下であり、より細かい画像を印刷するためには1.14mm以上1.70mm以下であるものが好ましい。
当該スリップ層は、感光性樹脂組成物の層にネガフィルムを介して画像露光をする際、感光性樹脂組成物の層とネガフィルムとを密着させる機能を有し、ネガフィルムと感光性樹脂組成物の層との間に不均一な空気だまりの発生を抑制し、ネガフィルムに忠実な画像形成を行うことができるようになる。また、前記スリップ層は、ネガフィルムへの感光性樹脂成分の転写を抑え、さらに樹脂面からのネガフィルムの剥離を容易にし、ネガフィルムの繰り返し使用を容易にする機能を有している。
前記スリップ層としては、露光光源から放射される光を透過する透明なものが好ましい。
このような材料としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、塩化ビニリデン共重合フィルム、ポリメタクリル酸メチル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリアクリロニトリルフィルム、スチレン共重合体フィルム、ポリアミドフィルム、及びセルロース誘導体フィルム等が挙げられる。
これらのスリップ層を構成するフィルムとしては、必要に応じ延伸されたものも使用可能である。これらのフィルムの厚みは、薄い方が画像形成性及び経済性の面で有利であるが、強度を維持する必要から、0.5〜30μmのものが好ましく、0.5〜10μmのものがより好ましく用いられる。
また表面の硬化特性を調整するために重合禁止剤などを添加することも可能である。
スリップ層を塗工、又は転写させる基材としては、スリップ層、及び感光性樹脂面を保護する保護層として機能する。これに使用できる材料としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンフィルム、及びポリプロピレンフィルム等が挙げられる。また、例えば、特開昭59−202457号公報に示された剥離性の優れたフィルムを用いることもできる。特にポリエチレンテレフタレートフィルムはその入手性から好適である。
前記保護層の厚みは、感光性樹脂構成体としてのハンドリング性、またフィルムの剥離性の観点から10〜150μmが好ましく、25〜125μmがより好ましく、75〜100μmがさらに好ましい。
本実施形態の感光性樹脂積層体に用いられる前記スリップ層の重要な特性は、感光性樹脂組成物層との密着力について、感光性樹脂層とスリップ層の密着力が、支持体と感光性樹脂との接着よりも充分小さく、容易にスリップ層が剥離できることである。また、現像液で除去できるスリップ層の場合、スリップ層と感光性樹脂との密着力に比べ、スリップ層と保護層の密着力が充分小さく、保護層が容易に剥離できることである。
前記赤外線アブレージョン層は、バインダーポリマーと赤外線吸収物質、及び非赤外線の遮蔽物質により構成される。
前記非赤外線とは、赤外線以外の光線、例えば紫外光線などを意味する。
また、前記赤外線吸収物質と、前記非赤外線遮蔽物質は同じでも異なっていてもよい。
前記バインダーポリマーは、現像溶液に溶解又は分散し、樹脂面から容易に脱離する材料であれば特に限定されるものではない。バインダーポリマーとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等のモノビニル置換芳香族炭化水素とブタジエンやイソプレン等の共役ジエンからなる共重合体や、モノビニル芳香族化合物と共役ジエンの共重合体の水素添加処理をしたもの、またはポリビニルアルコール、及びこれらの変性品、(メタ)アクリル酸重合体、またはこれらを含む共重合体、ポリアミド、及び変性ポリアミド、エステル変性したセルロース誘導体など水溶性、非水溶性いずれの特性を持つポリマーが挙げられる。
前記赤外線吸収物質には、通常、750〜2000nmの範囲で強い吸収を持つ単体、あるいは化合物が使用される。このような赤外線吸収物質としては、以下に限定されるものではないが、例えば、カーボンブラック、グラファイト、亜クロム酸銅、酸化クロム等の無機顔料や、ポリフタロシアニン化合物、シアニン色素、金属チオレート色素等の色素類等が挙げられる。特に、カーボンブラックは粒径が13〜85nmの広い範囲で使用が可能であり、粒径が小さいほど赤外線に対する感度が高くなる。
これらの赤外線吸収物質は、使用するレーザー光線で除去可能な感度を有する範囲で添加することが好ましい。一般的には、感光性樹脂組成物の層の構成材料中、10〜80質量%の添加量が好ましい。
前記非赤外線の遮蔽物質としては、紫外光線を反射又は吸収する物質を使用できる。このような非赤外線の遮蔽物質としては、以下に限定されるものではないが、例えば、紫外線吸収剤やカーボンブラック、グラファイト等が挙げられる。非赤外線の遮蔽物質の一般的な添加量としては、光学濃度が2以上、好ましくは3以上になるように調整することが好ましい。なお、カーボンブラックのように赤外線吸収と非赤外線遮蔽を兼ね備えたものはその材料として特に好ましい。
本実施形態の感光性樹脂積層体は、支持体、感光性樹脂組成物層、及び必要により保護層を順次積層し、製造することができる。
例えば、感光性樹脂組成物層を形成するために用いる感光性樹脂組成物を、所定の感光性樹脂組成物調合液にしておき、まず支持体上にバーコーター又はロールコーターを用いて塗布して乾燥させ、支持体上に感光性樹脂組成物からなる層を積層する。
次いで、必要により、当該感光性樹脂組成物の層上に保護層を積層することにより感光性樹脂積層体を製造することができる。
または2軸押出し混練機、またはニーダーなどで混練した樹脂を、支持体とスリップ層、または赤外線アブレージョン層を塗工した保護層との間に挟み込む形で目的とする厚みに成形する方法などがある。
上述した当該感光性樹脂組成物層を所望の印刷パターンに応じて露光し、当該露光後の感光性樹脂組成物層における未露光部を現像剤で除去することによって所望の印刷パターンを有する印刷版が得られる。
これらは、1種のみを単独で用いても、2種類以上を併用してもよい。
アニオン系界面活性剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、硫酸エステル塩、高級アルコール硫酸エステル、高級アルキルエーテル硫酸エステル塩、硫酸化オレフィン、アルキルベンゼンスルフォン酸塩、α−オレフィンスルフォン酸塩、燐酸エステル塩、ジチオ燐酸エステル塩等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、アミノ酸型両性界面活性剤、ベタイン型両性界面活性剤等が挙げられる。
ノニオン系界面活性剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、高級アルコールエチレンオキサイド付加物、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物、脂肪酸エチレンオキサイド付加物、多価アルコール脂肪酸エステルエチレンオキサイド付加物、高級アルキルアミンエチレンオキサイド付加物、脂肪酸アミドエチレンオキサイド付加物、ポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物等のポリエチレングリコール型界面活性剤や、グリセロール脂肪酸エステル,ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ソルビトール、及びソルビタンの脂肪酸エステル、多価アルコールのアルキルエステル、アルカノールアミン類の脂肪酸アミド等の多価アルコール型界面活性剤等が挙げられる。
また、現像速度を向上させるために、現像剤には、浸透性成分として、アルキルグリコールエーテル等の浸透剤を含有させてもよい。
浸透剤は洗浄する感光性樹脂組成物の組成により選択することができる。
浸透剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ジブチルジグリコールエーテル等のポリエチレングリコールエーテル型非イオン浸透剤等が挙げられる。
浸透剤の含有量は、現像剤100質量部に対して0.2質量部以上20質量部以下が好ましく、0.2質量部以上10質量部以下である。
アルカリビルダーとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、珪酸ナトリウム、メタ珪酸ナトリウム、琥珀酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。
感光性樹脂構成体から印刷版を製造する工程における現像方式には特に影響されないが、未硬化樹脂を効率よく除去するために、ブラシを併用することが好ましい。具体的には版を洗浄液に浸漬させた状態でブラシを用いて未露光部を溶解、又は掻き落とす現像方式、スプレー等で版面に洗浄液を振りかけながらブラシで未露光部を溶解又は掻き落とす現像方式等が挙げられる。
(経時安定性評価:コールドフローの評価)
後述する実施例及び比較例により製造された感光性樹脂構成体(2.84mm、支持体及び保護膜を含む)を、5cm×5cmのサイズに切り、23℃で1日保管後、同一でない位置の厚み5点を測定し、これを初期の版厚(A)とした。
その後、水平に配置した40℃の加温装置の中で、感光性樹脂構成体にかかる荷重が280kg/m2になるように加工した金属板(7cm×7cmの面積)を均等になるように、サンプルの感光性樹脂構成体の上部に置き、24時間保管した。
上述した条件で保管した後、さらに23℃で1日保管し、初期の版厚(A)を測定した位置と同じ位置の厚みを測定した。この厚みを、保管後の厚み(B)とした。
これら版厚(A)、(B)を用い、コールドフロー値(CFR)を以下の式により算出した。
CFR=(A−B)/A×100(%)
このコールドフロー値(CFR)の数値が大きいと、未硬化の感光性樹脂構成体に対する加重保管状態での塑性変形が発生しやすくなると判断できる。
CFRが2%を超えると、感光性樹脂構成体の端部から樹脂のはみ出しが発生する傾向が表れることが分かった。
さらにCFRが4%を超えると感光性樹脂構成体の厚みの顕著な変化、すなわち版厚低下が印刷における実害を起こす領域に達することが分かった。
なお、経時安定性は、下記により評価を行った。
評価基準:
経時安定性:コールドフロー評価
◎:1%以下、○:2%以下、△:2%超〜4%以下(実用下限)、×:4%超(実用困難)
後述する実施例及び比較例で製造した、厚み2.84mmの感光性樹脂構成体を、ノニオン系界面活性剤を6質量%、炭酸ナトリウムでpH=10に調整した現像液を用い、平型洗浄機(ロボ電子製)により未露光部の洗い出しを15分間行った。
その後、60℃で30分間乾燥し、ケミカルランプ及び殺菌灯を用いて、各々1000mJずつ後露光を行い、版厚を測定した。
初期の版厚(2.84mm)から洗浄後の版厚の差が15分間の洗浄量(C)とした。
この15分の洗浄による洗い出し量を元に、1mmを洗浄する時間(D)を換算し、当該感光性樹脂組成物の洗浄時間とした。
この洗浄時間が短いほど洗浄性は高く、版の特性としては望ましいと判断した。
D(分/mm)= 15(分)/C(mm)洗浄速度は、1mmを洗浄するためにかかった時間を算出し、以下の基準により評価した。
○:20分以内、△:30分以下(実用下限)、×:30分超(実用困難)
(親水性重合体の水溶液の合成)
攪拌装置と温度調整用ジャケットを取り付けた耐圧反応容器に、水125質量部、及び乳化剤(α−スルフォ(1−(ノニルフェノキシ)メチル−2−(2プロペニルオキシ)エトキシ−ポリ(オキシ−1,2−エタンジイル)のアンモニウム塩(商品名 アデカリアソープ 旭電化工業製)2質量部を初期仕込みとした。
前記耐圧反応容器の内温を、重合温度まで昇温した後、アクリル酸2質量部、メタクリル酸5質量部、ブタジエン80質量部、スチレン10質量部、ブチルアクリレート23質量部、t−ドデシルメルカプタンの油性混合液と、水28質量部、ペルオキソ二硫酸ナトリウム1.2質量部、乳化剤(商品名 アデカリアソープ 旭電化工業製)1質量部からなる水溶液とを、それぞれ一定流速で、前記油性混合液を5時間、前記水溶液を6時間かけて添加した。
その後、1時間保持して重合を完了した後、冷却し、ラテックスを得た。
生成したラテックスを水酸化ナトリウムでpH7に調整した後、スチームストリッピングで未反応物を除去し、最終的に固形分濃度40%の親水性重合体分散液(エマルジョン)を得た。
親水性重合体の数平均粒子径は、40nmであった。
親水性共重合体の数平均粒子粒子径は、日機装株式会社製、MICROTRAC粒度分析計(型式:9230UPA、商標)を用いて求めた。
前記親水性重合体エマルジョンに、親水性重合体の固形分に対し、2質量部に相当する量の硫酸マグネシウムを水溶液として添加し、親水性重合体を凝集させた。
これを200メッシュの濾布を用いて脱水処理を行い、60℃のパーフェクトオーブン内で3時間乾燥処理を施し、親水性重合体(乾燥物)を得た。
この親水性重合体中の凝集剤量は、約1.2質量部であった。
<親水性重合体>
上述した〔製造例〕で得られた親水性重合体の固形分:30質量部
<疎水性重合体>
スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体(クレイトンKX405 シェル化学 商品名):15質量部
スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体(タフプレン315 旭化成ケミカルズ製 商品名):10質量部
<親水性官能基を1種類以上含有するジエン重合体>
水酸基含有液状ポリブタジエン(G2000 日本曹達 商品名):20質量部
<可塑剤>
液状ポリブタジエン(B3000 日本曹達 商品名):10質量部
<エチレン性不飽和モノマー>
ヘキサンジオールジメタクリレート(ライトエステル1,6HX(共栄社化学)):3質量部
2−ブチル−2−エチルプロパンジオールジアクリレート(ライトアクリレートBEPGA(共栄社化学)):2質量部
ジシクロペンタジエンジアクリレート(ライトアクリレートDCPA(共栄社化学)):5質量部
<光重合開始剤>
ベンジルメチルケタール(Irgacure651(BASF)):2質量部
<重合禁止剤>
2,4−ジ−t−ブチルクレゾール(スミライザーBHT(住友化学)):0.6質量部
この感光性樹脂組成物を、120℃の熱プレス機を使用し、接着剤層を有するポリエチレンテレフタレートフィルム支持体(XBF-E28 旭化成イーマテリアルズ)と、粘着防止層を有するフィルム(XCF-J10 旭化成イーマテリアルズ)を用いて、2.84mmの厚みに成形し、感光性樹脂構成体を得た。
実施例2においては、以下の材料を使用した。
<親水性重合体>
上述した〔製造例〕で得られた親水性重合体の固形分:25質量部
<疎水性重合体>
スチレン−ブタジエンースチレン共重合体(クレイトンKX405 シェル化学 商品名):30質量部
<親水性官能基を1種類以上含有するジエン重合体>
水酸基含有ポリブタジエン(R45HT 出光石油化学 製品名):30質量部
<可塑剤>
非変性のポリブタジエン(LBR-305 クラレ 製品名):10質量部
上記の他、<エチレン性不飽和モノマー>、光重合開始剤、重合禁止剤は、実施例1と同様の方法により、感光性樹脂組成物を製造し、これを用いて感光性樹脂構成体を得た。
<親水性官能基を1種類以上含有するジエン重合体>及び添加量を、下記表1に示すように変更した。
その他の条件は、全て実施例1と同様の方法により感光性樹脂組成物を製造し、これを用いて感光性樹脂構成体を製造した。
<親水性官能基を1種類以上含有するジエン重合体>を添加せず、親水性官能基を1種類以上含有するジエン重合体以外のジエン共重合体及び添加量を、下記表1に示すように変更した。
その他の条件は、実施例1と同様とし、感光性樹脂組成物を製造し、感光性樹脂構成体を製造した。
<親水性重合体>
上述した〔製造例〕で得られた親水性重合体の固形分:25質量部
<疎水性重合体>
スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体(クレイトンKX405 シェル化学 商品名):30質量部
<親水性官能基を1種類以上含有するジエン重合体>
添加せず。
<親水性官能基を有する非ジエン重合体>
ポリエチレンオキサイド基を含有するメタクリレートモノマー:30質量部
比較例3においては、親水性官能基を1種類以上含有するジエン重合体に代えて、ポリエチレンオキサイド基を含有するメタクリルレートモノマーを30質量部添加した。
<可塑剤>
非変性のポリブタジエン(LBR-305 クラレ 製品名):10質量部
を、それぞれ使用した。
上記の他、<エチレン性不飽和モノマー>、光重合開始剤、重合禁止剤は、実施例1と同様の方法により、感光性樹脂組成物を製造し、これを用いて感光性樹脂構成体を得た。
下記表1に、これらの<親水性官能基を1種類以上含有するジエン化合物>、当該ジエン化合物が有している官能基種、当該<親水性官能基を1種類以上含有するジエン化合物>の添加量(疎水性重合体を100質量部に換算した場合の相対的な添加量)、液ゴム総量(親水性官能基を1種類以上含有するジエン化合物と非変性ポリブタジエン(B3000、LBR−305)の合計量であって疎水性重合体を100質量部に換算した場合の相対的な添加量)、及び上記特性の評価結果を下記表1に示す。
PB-COOH:カルボン酸基含有ポリブタジエン
PI-COOH:カルボン酸基含有ポリイソプレン
PEO:ポリエチレンオキサイド
MAc:メタクリル酸エステル基
R45HT:水酸基含有ポリブタジエン(R45HT(出光石油化学))
LIR-506:水酸基含有ポリイソプレン(LIR-506(クラレ))
C1000:カルボキシル基含有ポリブタジエン(C1000(日本曹達))
LIR403:カルボキシル基含有ポリイソプレン(LIR-403(クラレ))
B3000:液状ポリブタジエン(B3000(日本曹達))
LIR-50: 液状ポリイソプレン(LIR-50(クラレ))
PEO含有MAc
Claims (6)
- 疎水性成分中に、親水性成分が、粒子状に存在する感光性樹脂組成物であって、
疎水性重合体:100質量部と、
親水性重合体:20質量部以上300質量部以下と、
エチレン性不飽和モノマー:10質量部以上80質量部以下と、
光重合開始剤:0.2質量部以上20質量部以下と、
親水性官能基を1種類以上含有するジエン重合体:10質量部以上200質量部以下と、
を、含有する感光性樹脂組成物。 - 前記ジエン重合体が、ブタジエン重合体及び/又はイソプレン重合体であり、
前記親水性官能基が、水酸基及び/又はカルボキシル基である、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。 - 前記親水性重合体が、水分散性ラテックスを凝集処理して得られたものである、請求項1又は2に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記親水性重合体が、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、及びアルミニウムからなる群より選ばれる金属を含む無機金属塩の凝集剤を用いて、水分散性ラテックスを凝集処理して得られたものである、請求項3に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記疎水性重合体を前記疎水性成分として含み、
前記親水性重合体、前記エチレン性不飽和モノマー、光重合開始剤、及び親水性官能基を1種類以上含有するジエン重合体を親水性成分として含む、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。 - 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物が支持体上に積層されている、厚み0.6mm〜8mmの感光性樹脂構成体。
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