JPH10148930A - 感光性樹脂印刷用原版およびその製造方法 - Google Patents

感光性樹脂印刷用原版およびその製造方法

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JPH10148930A
JPH10148930A JP30680496A JP30680496A JPH10148930A JP H10148930 A JPH10148930 A JP H10148930A JP 30680496 A JP30680496 A JP 30680496A JP 30680496 A JP30680496 A JP 30680496A JP H10148930 A JPH10148930 A JP H10148930A
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JP
Japan
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photosensitive resin
printing
meth
acrylate
phase
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Application number
JP30680496A
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English (en)
Inventor
Masahiko Nakamori
雅彦 中森
Shigenori Nagahara
重徳 永原
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Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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Publication date
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  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 感光層の分散相中に粗大粒子が存在せず、得
られる印刷版のレリーフ形状の再現性が優れ、同時に水
系現像液で現像可能でかつ耐インキ性に優れた感光性樹
脂印刷用原版、およびそれを用いた感光性印刷版を提供
する。 【解決手段】 支持体上に、感光層が積層された感光性
樹脂印刷用原版であって、当該感光層が、疎水性ポリマ
ーと親水性ポリマーを含有し、分散相と連続相とからな
る相分離構造を有し、かつ当該分散相の粒子径について
下記一般式(I)で表される変動係数が80%以下であ
ることを特徴とする感光性樹脂印刷用原版である。 変動係数=(粒子径の標準偏差/平均粒子径)×100 (I) この原版は、分散相が、疎水性ポリマーを含有するコア
と、当該コアを被覆する、親水性ポリマーを含有するシ
ェルとからなるコアシェル粒子である。この感光層は、
親水性ポリマーと、少なくとも2種の疎水性ポリマー
と、架橋剤と、光重合開始剤と、親水性ポリマーを溶解
または膨潤させる溶剤を含有する組成物を混合し、相分
離によってコアシェル粒子の分散相と連続相を形成して
なる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水系現像液で現像
可能な感光性樹脂印刷用原版およびそれを用いた感光性
樹脂印刷版に関し、特に印刷性に優れたフレキソ印刷用
として有用な感光性樹脂印刷用原版およびその製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のフレキソ印刷用の感光性樹脂原版
としては、有機溶剤で現像するものが知られているが、
毒性、引火性等の人体および環境への安全性に問題があ
った。そのため、これらに代わるものとして、水系現像
液で現像可能な印刷用原版が提案されており、例えば以
下の感光性樹脂組成物からなるものである。 共役ジエン系炭化水素とα,β−エチレン性不飽和カ
ルボン酸またはその塩を必須成分とし、これにモノオレ
フィン系不飽和化合物とを含む共重合体と、光重合性不
飽和単量体、光増感剤を含有する感光性樹脂組成物(特
開昭52−134655号公報、特開昭53−1064
8号公報、特開昭61−22339号公報参照)、共
役ジエン系炭化水素重合体または共役ジエン系炭化水素
とモノオレフィン系不飽和化合物との共重合体、親水性
高分子化合物、非気体性エチレン性不飽和化合物および
光重合開始剤を必須成分として含有する感光性エラスト
マー組成物(特開昭60−211451号公報参照)、
α,β−エチレン性不飽和基を有する疎水性オリゴマ
ー、エラストマー水膨潤性物質および光重合開始剤を必
須成分として含有する感光性樹脂組成物(特開昭60−
173055号公報参照)等がある。
【0003】また、印刷版の機械的強度、反発弾性等
の性能の向上を目的として、硬質の有機微粒子を含有す
る感光性樹脂組成物(特開昭63−8648号公報参
照)、水現像性の付与、水性インク耐性の付与および
印刷性の向上を目的として、架橋性樹脂微粒子を含有す
る感光性樹脂組成物(特開平2−175702号公報、
特開平3−228060号公報、特開平4−29390
7号公報、特開平4−293909号公報、特開平4−
294353号公報、特開平4−340968号公報、
特開平5−32743号公報、特開平5−150451
号公報、特開平5−204139号公報参照)、印刷
版のインキ受容性向上を目的として2相構造を有し、ジ
アゾ化合物、重クロム酸塩を連続相に含み、分散相に1
0μm以下の粒子を含有する感光性樹脂組成物(特公昭
59−36731号公報参照)等がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述のの
感光性樹脂組成物を用いた印刷用原版においては、水系
の現像液、例えばアルカリ水溶液またはアルカリ水溶液
−有機溶剤系による現像は可能であるが、pH5.0〜
9.0のいわゆる生活用水による現像が困難であり、か
つ印刷版のレリーフ部の耐インキ性が不充分であるとい
った問題がある。上述のまたはの感光性樹脂組成物
を用いた印刷用原版においては、水系現像を可能とする
ためには親水性成分が連続相に含まれていることが必要
であり、その場合、親水性成分の含有量は熱力学的な安
全性上、分散相形成成分の含有量よりも多くする必要が
あるが、このような原版では、水現像性と印刷版のレリ
ーフ部の耐インキ性の両立が困難である。
【0005】上述のの感光性樹脂組成物を用いた印刷
用原版においては、水現像性と、印刷版のレリーフ部の
画像再現性、解像度、硬度、ゴム弾性、機械的強度およ
び耐インキ性のバランスが硬質の有機樹脂微粒子の粒径
と含有量に支配され、各特性を同時に満足することが困
難である。上述のの感光性樹脂組成物を用いた印刷用
原版においては、架橋樹脂微粒子により水現像性を付与
することが可能となるが、原版が架橋樹脂微粒子のみで
構成されるため、樹脂微粒子同志の融着、凝集が発生す
るため、安定した生産が困難である。上述のの感光性
樹脂組成物を用いた印刷用原版においては、平版印刷版
等の薄膜版では実用性があるが、フレキソ版等の厚膜版
に適用することは困難である。
【0006】そこで、本発明者等は、先に特開平2−3
05805号公報において、ゴム弾性を有し、水系現像
液で現像可能でかつ耐インキ性に優れたフレキソ印刷用
として有用な感光性樹脂組成物を提案した。さらに、特
開平3−72353号公報、特開平3−171139号
公報、特開平7−168358号公報において、感光性
樹脂印刷用原版における感光性樹脂層の疎水性の相と親
水性の相の相構造を制御し、感光性樹脂層中の分散相の
平均粒子径を0.001〜10μmとする印刷性に優れ
た感光性樹脂印刷用原版を提案した。
【0007】しかし、最近のフレキソ印刷の市場は、高
級印刷へ移行しており、微細かつ複雑な印刷パターンへ
の対応が要求されている。
【0008】それに対し、上述の水系現像型のフレキソ
印刷版は、感光層中の親水性ポリマーを溶解、膨潤させ
ることにより、感光層中の分散相を除去することでレリ
ーフを形成しているため、分散相中に粗大粒子が存在す
ると、現像中にレリーフの網点が欠けたり、飛んだりす
る恐れがあり、レリーフ形成の再現性に問題がある。
【0009】本発明は、上記の欠点を解決しようとする
ものであり、その目的は、感光層の分散相中に粗大粒子
が存在せず、得られる印刷版のレリーフ形状の再現性が
優れ、同時に水系現像液で現像可能でかつ耐インキ性に
優れた感光性樹脂印刷用原版、およびそれを用いた感光
性印刷版を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、感光層中
の分散相の最大粒子径を制御することはもちろんのこ
と、感光層中の分散相の粒子径を小さくし、かつ粒径分
布を狭くすることで、粗大粒子が存在せず、印刷版のレ
リーフの造形性、再現性を向上させ、印刷性を向上させ
るに至った。即ち、本発明は (1)支持体上に、感光層が
積層された感光性樹脂印刷用原版であって、当該感光層
が、疎水性ポリマーと親水性ポリマーを含有し、分散相
と連続相とからなる相分離構造を有し、かつ当該分散相
の粒子径について下記一般式(I)で表される変動係数
が80%以下であることを特徴とする感光性樹脂印刷用
原版である。 変動係数=(粒子径の標準偏差/平均粒子径)×100 (I)
【0011】好適な実施態様は以下のとおりである。 (2)分散相が、疎水性ポリマーを含有するコアと、当該
コアを被覆する、親水性ポリマーを含有するシェルとか
らなるコアシェル粒子である上記 (1)の感光性樹脂印刷
用原版。 (3)分散相の平均粒子径が0.001〜10μm、かつ
標準偏差が0.001〜3μmである上記 (1)または
(2)の感光性樹脂印刷用原版。 (4)分散相の最大粒子径が25μm以下である上記 (1)
〜 (3)のいずれかの感光性樹脂印刷用原版。
【0012】また、本発明は、 (5)感光層が、親水性ポ
リマーと、少なくとも2種の疎水性ポリマーと、架橋剤
と、光重合開始剤と、当該親水性ポリマーを溶解または
膨潤させる溶剤を混合し、相分離によってコアシェル粒
子の分散相と連続相を形成させることを特徴とする感光
性樹脂印刷用原版の製造方法である。好適には、 (6)少
なくとも1種の疎水性ポリマーが、ラテックスとして配
合される上記 (5)の感光性樹脂印刷用原版の製造方法。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明の感光性樹脂印刷用原版は、支持体上に、
感光層が積層されたものである。本発明に使用される支
持体は、感光性樹脂印刷用として公知の支持体が使用さ
れ、具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリブ
チレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等の
ポリエステル系樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン、
ポリ塩化ビニル等の材料からなるフィルムが使用され
る。この支持体の厚みは、通常10〜200μm程度、
好ましくは50〜150μm程度である。
【0014】感光層は、疎水性ポリマーと親水性ポリマ
ーを含有し、分散相と連続相とからなる相分離構造を有
するものである。このような相構造としては、例えば以
下の3つの構造が例示される。 疎水性ポリマーが粒子状の分散相で、親水性ポリマー
がその周りを取り囲む連続相となった構造。 疎水性ポリマーがコアで親水性ポリマーがシェルとな
ったコアシェル粒子が分散相であり、さらに当該疎水性
ポリマーとは別の疎水性ポリマーを主成分とする連続相
が分散相の周りを取り囲む構造。 親水性ポリマーが粒子状の分散相で、疎水性ポリマー
がその周りを取り囲む連続相となった構造。
【0015】本発明においては、感光層は、上記の3つ
の相構造の中でもの相構造を有することが好ましい。
それは、の相構造であれば、疎水性ポリマーの含有量
を多く親水性ポリマーの含有量を少なくできるので耐イ
ンク性を付与し、かつ現像時には、分散相の親水性ポリ
マーからなるシェルが吸水膨潤して現像液中に分散する
が、同時に疎水性ポリマーからなるコアも現像液中に分
散させることができるので、耐インク性を保持したまま
水現像性を付与できるからである。以下、の相構造を
有する感光層を持つ感光性樹脂印刷用原版について説明
する。
【0016】の相構造を有する感光層は、親水性ポリ
マーと、少なくとも2種の疎水性ポリマーと、架橋剤
と、光重合開始剤と、当該親水性ポリマーを溶解または
膨潤させる溶剤を含有する組成物からなる。
【0017】本発明において、親水性とは、水または水
を主成分とする現像液に対して溶解または膨潤する性質
をいい、疎水性とは、水または水を主成分とする現像液
に対して溶解および膨潤しない性質をいう。
【0018】本発明で使用される疎水性ポリマーとして
は、汎用のエラストマーとして用いられるものが挙げら
れる。例えば、共役ジエン系炭化水素を重合させて得ら
れる重合体、または共役ジエン系炭化水素とモノオレフ
ィン系不飽和化合物を重合させて得られる共重合体、共
役ジエン系炭化水素を含まない重合体等が挙げられる。
【0019】具体的には、1,4−ポリブタジエン、
1,2−ポリブタジエン、アクリロニトリルゴム、ブタ
ジエンアクリロニトリルゴム、クロロプレンゴム、ポリ
ウレタンゴム、ブタジエン−スチレンコポリマー、スチ
レン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマー、スチ
レン−イソプレン−スチレンブロックコポリマー、ポリ
アミド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ブタジエン−
(メタ)アクリル酸コポリマー、ブタジエン−(メタ)
アクリル酸−アクリル酸エステルコポリマー、シリコン
ゴム、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシテ
トラメチレングリコール等の、得られる印刷版にゴム弾
性を付与できるポリマーや、ポリメチル(メタ)アクリ
レート、ポリエチル(メタ)アクリレート、ポリイソプ
ロピル(メタ)アクリレート、ポリn−ブチル(メタ)
アクリレート等のアクリル樹脂、ポリスチレン、ポリプ
ロピレン、ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、ポリア
クリロニトリル、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニルやこ
れらのブロックまたはグラフト共重合体、ポリウレタン
樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹
脂等の、得られる印刷版に硬度や安定性を付与するポリ
マーが挙げられる。
【0020】上記のポリマーは、後述する架橋剤と反応
できるよう、またポリマー同志反応できるように必要に
応じて変性してもよい。
【0021】本発明においては、疎水性ポリマーは上述
のポリマーのうち少なくとも2種使用されるが、そのう
ち少なくとも1種はラテックスとして配合されることが
好ましい。このラテックスは、好ましくは0.01〜1
0μm、より好ましくは0.1〜5μmの直径を有する
真球、または球に近い形として水に分散しているものが
好ましい。ポリマーを分散させるために、乳化剤、界面
活性剤、保護コロイド等が配合されていてもよい。また
ラテックスの固形分としては、好ましくは20〜90
%、より好ましくは35〜70%であり、ラテックスの
pHとしては、好ましくは5.0〜11.0である。ラ
テックスの製法は、一般に工業的に知られている乳化重
合等の方法が採用される。
【0022】従来、疎水性ポリマーから粒子を得るため
には、疎水性ポリマーの塊を溶剤を用いて混練する製法
(ポリマーの微粉砕→膨潤・溶解→微分散)が用いられ
てきた。この製法の場合、分散相の粒径分布を狭くする
のに多くの時間を要し、生産性が大きく低下する。生産
性を考慮した場合、分散相の粒径分布を狭くすることを
妥協せざるを得ない場合も考えられる。しかし、本発明
では疎水性ポリマーのうち少なくとも1種を微細でほぼ
均一なラテックスとして配合し、その他の疎水性ポリマ
ーと一緒に混練しているので、その疎水性ポリマーを均
一でかつ微細な粒子とするまでの時間を短縮することが
でき、生産性を低下しない。またラテックスは水分散液
であるため、有機溶剤の使用量を少なくすることができ
る。
【0023】分散相のコアを構成する疎水性ポリマー、
連続相の主成分である疎水性ポリマーのどちらの疎水性
ポリマーをラテックスとして配合してもよい。
【0024】本発明において、少なくとも2種の疎水性
ポリマーのうち、少なくとも1種の疎水性ポリマーのガ
ラス転移点(Tg)は、好ましくは50℃以下、より好
ましくは20℃以下である。このTgが50℃を超える
場合には、得られる感光性樹脂印刷版のゴム弾性が大き
く低下するので印刷性能が大きく低下して好ましくな
い。
【0025】本発明で使用される親水性ポリマーとして
は、−COOH、−COOM、−OH、−NH2 、−S
3 H等の親水性基を有するポリマーであり、例えば、
(メタ)アクリル酸またはその塩類の重合体、(メタ)
アクリル酸またはその塩類とアルキル(メタ)アクリレ
ートとの共重合体、(メタ)アクリル酸またはその塩類
とスチレンとの共重合体、(メタ)アクリル酸またはそ
の塩類と酢酸ビニルとの共重合体、(メタ)アクリル酸
またはその塩類とアクリロニトリルとの共重合体、ポリ
ビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ポリ
アクリルアミド、ヒドロキシエチルセルロース、ポリエ
チレンオキサイド、ポリエチレンイミン、−COOM基
を有するポリウレタン、−COOM基を有するポリウレ
アウレタン、−COOM基を有するポリエステル、−C
OOM基を有するエポキシ化合物、−COOM基を有す
るポリアミド酸およびこれらの塩類または誘導体が挙げ
られる。これらの親水性ポリマーは単独であるいは2種
以上組み合わせて使用することができる。上記のポリマ
ーは、後述する光重合性モノマーや架橋剤と反応できる
よう、またポリマー同志反応できるように必要に応じて
変性してもよい。
【0026】ここで、Mは1価の金属イオン(例えば、
Li+ 、Na+ 、K+ 、Rb+ 、Cs+ 、Fr+ 等)、
2価の金属イオン(例えば、Ca2+、Mg2+、Sr2+
Ba 2+、Zn2+、Cu2+、Ra2+等)、3価の金属イオ
ン(例えば、Al3+、Fe3+等)または置換または無置
換のアンモニウムイオンのいずれかをいう。上記の−C
OOM基を有する親水性ポリマーにおいては、水現像性
および耐インク性を両立させる点から、−COOM基は
50〜50000当量/106 gであることが好まし
い。これらの−COOM基を有する親水性ポリマーは、
−COOH基を有するポリマーを製造した後、Mイオン
を有するアルカリ(例えば、水酸化物、炭酸塩、アルコ
キサイド等)またはアミン化合物で中和することにより
調製してもよい。
【0027】親水性ポリマーは、疎水性ポリマーの合計
100重量部に対して、5〜50重量部、特に10〜3
0重量部配合されることが好ましい。親水性ポリマーの
配合量が5重量部未満の場合、得られる印刷用原版の水
現像性が劣り、逆に50重量部を超える場合、得られる
印刷版の耐インク性が劣る傾向にあり、好ましくない。
【0028】本発明に使用される架橋剤としては、反応
性基を1つまたは2つ以上有するモノマーおよび/また
はオリゴマーであり、つまり光照射により単独で、また
は疎水性ポリマー、親水性ポリマーと反応し得るモノマ
ーおよび/またはオリゴマーである。
【0029】このような架橋剤、例えば、スチレン、ビ
ニルトルエン、クロロスチレン、t−ブチルスチレン、
α−メチルスチレン、アクリロニトリル、アクリル酸、
メタアクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル
(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレ
ート、iso−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブ
チル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)ア
クリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、t
−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル
(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレー
ト、n−デシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メ
タ)アクリレート、n−トリデシル(メタ)アクリレー
ト、ステアリル(メタ)アクリレート、エチレングリコ
ールモノ(メタ)アクリレート、プロピレングリコール
モノ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ
(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノ
(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ
(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ
(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノメ
チルエーテルモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレ
ングリコールモノメチルエーテルモノ(メタ)アクリレ
ート、ポリエチレングリコールモノエチルエーテルモノ
(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ
エチルエーテルモノ(メタ)アクリレート、n−ブトキ
シエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メ
タ)アクリレート、2−フェノキシプロピル(メタ)ア
クリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、テ
トラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、グリシジ
ル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレー
ト、ベンジル(メタ)アクリレート、トリブロモフェニ
ル(メタ)アクリレート、2,3−ジクロロプロピル
(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプ
ロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノ
エチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノ
エチル(メタ)アクリレート、N−t−ブチルアミノエ
チル(メタ)アクリレート、アクリルアミド、N,N−
ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルア
ミド等の1分子中に1個のラジカル重合性エチレン基を
有するモノマーまたはそのオリゴマーが挙げられる。
【0030】またエチレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロ
ピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロー
ルブロパントリ(メタ)アクリレート、1,4−ブタン
ジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコ
ールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオー
ルジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ
(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ
(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メ
タ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)
アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)ア
クリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、グ
リセロールアリルオキシジ(メタ)アクリレート、1,
1,1−トリスヒドロキシメチルエタンジ(メタ)アク
リレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタン
トリ(メタ)アクリレート、1,1,1−トリスヒドロ
キシメチルプロパンジ(メタ)アクリレート、1,1,
1−トリスヒドロキシメチルプロパントリ(メタ)アク
リレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシ
アヌレート、トリアリルトリメリテート、ジアリルテレ
フタレート、ジアリルフタレート、ジビニルベンゼン、
ポリウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メ
タ)アクリレート、オリゴブタジエン(メタ)アクリレ
ート、オリゴブタジエンジ(メタ)アクリレート、オリ
ゴイソプレン(メタ)アクリレート、オリゴイソプレン
ジ(メタ)アクリレート、オリゴプロピレン(メタ)ア
クリレート、オリゴプロピレンジ(メタ)アクリレート
等のような1分子中に2個以上のラジカル重合性エチレ
ン基を有する化合物が挙げられるが、その他に、1分子
中にエチレン基、エポキシ基、イソシアネート基、アミ
ノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基等の反応性の官
能基を複数個有する化合物も挙げられる。これらの架橋
剤は、感光層を構成する樹脂組成物中、好ましくは1〜
50重量%、より好ましくは5〜40重量%配合され
る。
【0031】本発明に使用される光重合開始剤として
は、例えば、ベンゾフェノン類、ベンゾイン類、アセト
フェノン類、ベンジル類、ベンゾインアルキルエーテル
類、ベンジルアルキルケタール類、アントラキノン類、
チオキサントン類等が挙げられる。具体的には、ベンゾ
フェノン、クロロベンゾフェノン、ベンゾイン、アセト
フェノン、ベンジル、ベンゾインメチルエーテル、ベン
ゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテ
ル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジルジメチル
ケタール、ベンジルジエチルケタール、ベンジルジイソ
プロピルケタール、アントラキノン、2−クロロアント
ラキノン、チオキサントン、2−クロロチオキサントン
等が挙げられる。これらの光重合開始剤は、感光層を構
成する樹脂組成物中、好ましくは0.01〜5重量%、
より好ましくは0.1〜3重量%配合される。
【0032】本発明に使用される、親水性ポリマーを溶
解または膨潤する溶剤とは、親水性ポリマーを溶解また
は膨潤するが、疎水性ポリマーに対する膨潤度が小さい
溶剤であり、極性の高い溶剤が挙げられる。具体的に
は、水、炭素数が1〜5のアルコール、例えば、メタノ
ール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコ
ール、ブチルアルコール、イソブチルアルコール、t−
ブチルアルコール、ペンチルアルコール、ネオペンチル
アルコール等が挙げられ、これらは、単独であるいは複
数組み合わせて使用し得る。水には、アルキルベンゼン
スルホン酸ソーダ、アルキルナフタレンスルホン酸ソー
ダ、アルキルスルホン酸ソーダ、アルキルエーテルスル
ホン酸ソーダ等の界面活性剤;脂肪酸をはじめとするア
ニオン系界面活性剤;ノニオン系界面活性剤;カチオン
系界面活性剤等が挙げられる。また、水、アルコールは
水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、
ホウ酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、
酢酸マグネシウム等の塩を含有してもよい。
【0033】親水性ポリマーを膨潤できるものであれ
ば、エステル系、アミド系、ケトン系等の溶剤も使用で
きる。例えば、酢酸エチル、酢酸プロピル、メチルセロ
ソルブ、エチルセロソルブ、アセトン、メチルエチルケ
トン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等
が挙げられる。
【0034】さらには、上記溶剤に加えて、疎水性ポリ
マーを溶解または膨潤する溶剤を使用することが好まし
い。この溶剤は、疎水性ポリマーを溶解または膨潤する
が、親水性ポリマーに対する膨潤度が小さい溶剤であ
る。具体的には、トルエン、クロロホルム、ジオキサ
ン、テトラヒドロフラン、シロクヘキサン等が挙げられ
る。
【0035】この場合、親水性ポリマーを溶解または膨
潤する溶剤/疎水性ポリマーを溶解または膨潤する溶剤
は1/15〜10/1、特に1/2〜1/10程度が好
ましい。
【0036】感光層を構成する組成物中には、必要に応
じて酸化安定剤、重合禁止剤等を添加してもよい。
【0037】本発明で使用される酸化安定剤としては、
一般的に知られているヒンダードフノール類、ヒンダー
ドアミン類、有機リン化合物、有機イオン化合物等が挙
げられ、感光層を構成する樹脂組成物中、好ましくは
0.01〜5重量%、より好ましくは0.1〜3重量%
配合される。
【0038】本発明で使用される重合禁止剤としては、
ハイドロキノン、ハイドロキノンモノエチルエーテル、
カテコール、p−t−ブチルカテコール、2,6−ジ−
t−ブチル−p−クレゾール等が挙げられ、これらの重
合禁止剤は、光重合反応や光架橋反応を制御することな
く、熱による反応を防止するために配合されるものであ
り、感光層を構成する樹脂組成物中、好ましくは0.0
01〜5重量%配合される。
【0039】感光層の形成は、親水性ポリマーと、少な
くとも2種の疎水性ポリマーと、架橋剤と、光重合開始
剤と、親水性ポリマーを溶解または膨潤させる溶剤、必
要に応じて疎水性ポリマーを膨潤または溶解させる溶剤
を含有する組成物をニーダーや押出機で混練りして相分
離・分散させた後に成形する方法、疎水性ポリマーと親
水性ポリマーとをニーダーや押出機混練りして均一に相
溶させた後に成形する方法等の公知の方法が採用され
る。
【0040】また、親水性ポリマーおよび疎水性ポリマ
ーは予め重合させたものを用いても、感光性樹脂組成物
の製造過程でモノマーを配合しそれを重合させてもよ
い。特に、の相構造の、疎水性ポリマーのコアと親水
性ポリマーのシェルからなる分散相のコアシェル粒子を
形成するために、親水性ポリマーの製造にはエマルショ
ン重合等がしばしば採用される。
【0041】上記組成物を混練した場合には、少なくと
も2種の疎水性ポリマーは微分散し、一方、親水性ポリ
マーは、親水性ポリマーを溶解または膨潤させる溶剤に
より溶解または膨潤する。そして、これらの疎水性ポリ
マーのうち、親水性ポリマーとより親和性の大きい疎水
性ポリマーのまわりを、膨潤または溶解した親水性ポリ
マーが被覆して、当該疎水性ポリマーがコア、親水性ポ
リマーがシェルとなってコアシェル粒子を形成し、これ
が分散相となる。そして、親水性ポリマーとより親和性
が小さい疎水性ポリマーが連続相となる。
【0042】少なくとも2種の疎水性ポリマーのうち、
少なくとも1種をラテックスとして配合した場合には、
残りの疎水性ポリマーの分散粒子が当該ラテックスのポ
リマー粒子と同程度に微細でかつ均一な粒子となるまで
の時間が短縮され、かつ微細でかつ均一な分散相を形成
できる。
【0043】の相構造を有する感光層においては、シ
ェルの親水性ポリマー相および連続相である疎水性ポリ
マー相は、それぞれ未硬化の状態では化学的に架橋され
ないことが好ましいが、コアの疎水性ポリマー相は未硬
化の状態では架橋されていても架橋されていなくてもか
まわない。また、疎水性ポリマー相と親水性ポリマー相
とは、硬化前および硬化後において、互いに化学的に結
合されていても結合されていなくともかまわない。
【0044】本発明では、感光性樹脂層中の分散相の粒
子径分布の善し悪しを判断する指標として、ポリマーア
ロイの相構造の解析に広く用いられている画像解析装置
を用いて算出される分散相の平均粒子径、最大粒子径、
標準偏差および変動係数を用いる。本発明中で実施した
測定方法を以下に示すが、これに限定されるものではな
い。
【0045】先ず、感光性樹脂原版に対して露光を行
う。そしてSEM(走査型電子顕微鏡)を用いてこの露
光済みの感光性樹脂層の相構造写真(倍率1000倍)
を撮り、この写真上にPETフィルムを貼り、分散相の
マーキングを行う。マーキング済みのPETフィルムを
画像解析装置(Image Analyzer V10
東洋紡績(株)製)のステージに置く。CCDカメラ
(XC−77(株)ソニー製)を用いて画像の読み込み
を行い、上述の画像解析装置を用いて平均粒子径を個々
の分散相の面積から算出する。この時、同時に標準偏
差、変動係数および最大粒子径も算出される。ここでい
う変動係数とは以下の式で表される。 変動係数=(分散相の粒子径の標準偏差/分散相の平均
粒子径)×100
【0046】本発明の感光層における分散相の最大粒子
径は、好ましくは25μm以下、より好ましくは10μ
m以下であり、分散相の平均粒子径は、好ましくは0.
001〜10μm、より好ましくは0.001〜3μm
であり、分散相の粒子径の標準偏差は0.001〜3μ
m、より好ましくは0.001〜1μmである。また、
これらの平均粒子径、標準偏差から算出される変動係数
は80%以下であり、得られる感光製樹脂印刷版の印刷
性、網点形状の良好性等を考慮すると50%以下が好ま
しい。最大粒子径、平均粒子径、標準偏差および変動係
数が上記の範囲から外れる場合、得られる原版の現像性
が低下したり、現像中にレリーフ中の網点が欠けたりあ
るいは飛んだりして、レリーフ形成の再現性に問題があ
る場合がある。
【0047】分散相の粒子の最大粒子径、平均粒子径、
標準偏差および変動係数を上記の範囲とする方法として
は、少なくとも2種の疎水性ポリマーのうち、少なくと
も1種の疎水性ポリマーを所定の粒径、粒子径分布を有
するラテックスとして配合する方法、機械的に大きな剪
断力を用いて疎水性ポリマーを微細に分散する方法等が
採用される。
【0048】また、要求される物性に応じて、原材料、
構造、製造方法など適宜選択し、目的とする感光性樹脂
印刷用原版を得ることができる。例えば、印刷用樹脂原
版に要求される物性としては、JIS−K6301に準
じるスプリング式硬さ試験(A型)法で測定される硬度
が30〜80度、反発弾性率が20%以上であることが
印刷特性上望ましい。
【0049】本発明の感光性樹脂印刷用原版を用いて作
製した印刷版が水系インク、油性インクおよびUVイン
クに対して充分な耐久性を有するためには、印刷版の感
光層中の硬化後の親水性ポリマーの水に対する溶解度が
2%未満、特に1%未満であることが好ましい。
【0050】本発明の感光性樹脂印刷用原版は、好まし
くは支持体上に接着層、感光層、粘着防止層およびカバ
ーフィルムから構成される。その製造方法としては、感
光層を構成する組成物を中心に支持体およびカバーフィ
ルムの両層材料を熱プレス、キャスト成形、カレンダー
加工、コーティング方法等の方法により所望の厚さ、幅
の感光性樹脂印刷用原版を作製することができる。
【0051】このような感光性樹脂印刷用原版は紫外線
照射により硬化する。硬化の際に照射する紫外線は、1
50〜500nm、特に300〜400nmの波長を有
するものが好ましく、そのような紫外線の光源として
は、例えば、低圧水銀灯、高圧水銀灯、カーボンアーク
灯、紫外線蛍光灯、ケミカルランプ、キセノンランプ、
ジルコニウムランプ等が望ましい。
【0052】本発明の感光性樹脂印刷版は、上記の感光
性樹脂印刷用原版を上記光源下で透明画像を有するネガ
フィルムを密着させて紫外線を照射し画像露光させた
後、露光されない未硬化部分の非画像部を現像液を用い
て除去してレリーフ画像を形成することにより得られ
る。溶解除去された未硬化の感光性樹脂は乳濁液あるい
は懸濁状溶液となって現像槽中に残る。
【0053】使用される現像液は、水系の現像液に界面
活性剤が添加されており、前述の親水性ポリマーはこの
界面活性剤が添加された現像液に溶解または分散するも
のを使用することが重要である。即ち、作業安全性、環
境への安全性、入手し易さ等から使用可能な現像液を決
定し、これに合わせて感光層に使用する親水性ポリマー
を選択する。
【0054】上記の界面活性剤としては、アニオン系界
面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性
剤、両性界面活性剤等を幅広く使用することができる。
界面活性剤の添加量は、現像液中、0.01〜10重量
%が好ましい。又、最適な現像を行えるように上記の界
面活性剤を複数を組み合わせて使用してもよい。
【0055】現像液は、作業者の安全性、環境への配慮
から水系の現像液が好ましく、必要に応じてエタノー
ル、イソプロパノール、セロソルブ、グリセリン、ポリ
エチレングリコール、ジメチルホルムアミド、ジメチル
アセトアミド、アセトン等の水と混和し得る有機溶媒を
混合してもよい。
【0056】また、現像液には、炭酸ソーダ、トリポリ
リン酸ソーダ、ピロリン酸カリウム、ケイ酸ソーダ、硫
酸ソーダ、ホウ酸ソーダ、酢酸ソーダ、酢酸マグネシウ
ム、クエン酸ソーダ、コハク酸ソーダ等の中性、酸性ま
たはアルカリ性の無機または有機の塩類;カルボキシメ
チルセルロース、メチルセルロース等の高分子系添加
剤;pH調整のための硫酸、塩酸、リン酸等の酸、水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等の
アルカリ;その他、粘度調整剤、分散安定剤、凝集剤、
ゼオライト等の各種添加剤を必要に応じて添加してもよ
い。
【0057】なお、現像は感光性樹脂印刷用原版を現像
液に浸漬し、必要ならばブラシで感光性樹脂層を擦り、
未硬化部分を除去して行う。現像時の温度は30〜50
℃が好ましい。
【0058】このようにして得られた感光性樹脂印刷版
は、ゴム弾性を有し、フレキソ印刷版として有用であ
る。また、耐インク性、インクの転移性、耐刷性にも優
れている。
【0059】なお、本発明の感光層を構成する組成物
は、フレキソ印刷版用として使用する以外にフォシレジ
スト用、サンドプラスト用にも適用でき、他に紫外線に
より硬化するエラストマーとしての用途、接着剤、フィ
ルム、塗料等にも使用できる。
【0060】
【実施例】以下本発明を具体的な実施例により説明する
が、本発明はこの実施例に限定されるものではない。な
お主な特性値の測定法を以下に説明する。
【0061】<親水性ポリマーの製造>ヘキサメチレン
ジイソシアネート(日本ポリウレタン工業(株)製)1
19.0部、ジメチロールプロピオン酸(藤井義通商)
62.0部、ポリテトラメチレングリコール(G−85
0、保土ヶ谷化学(株)製)29.0部およびジラウリ
ル酸ジn−ブチルスズ5.0部をテトラヒドロフラン3
00部に溶解し、この溶液を攪拌機の付いた1リットル
フラスコに入れ、攪拌を続けながら65℃に加熱し2時
間反応を続けた。これとは別の容器で、末端にアミノ基
を有するアクリロニトリル−ブタジエンオリゴマー(H
ycar ATBNX 1300 X16、宇部興産
(株)製)184.0部をテトラヒドロフラン270部
に溶解した溶液を、上記の1リットルフラスコ内に室温
下で攪拌しながら添加した。このポリマー溶液からテト
ラヒドロフランを減圧留去し、減圧乾燥して数平均分子
量が6700のポリマーを得た。次にこのポリマー10
0部をメチルエチルケトン100部に溶解し、これに水
酸化リチウム4.8部をメチルアルコール100部に溶
解した溶液を室温下攪拌しながら添加し、さらに30分
攪拌することにより、親水性ポリマーを得た。
【0062】実施例1 上記親水性ポリマー10部、疎水性ポリマーとして、塩
素化ポリエチレン(ダイソラックH−135、ダイソー
(株)製)45部、スチレン・ブタジエンゴムラテック
ス(平均粒子径:0.3μm、Tg:−58℃、NIP
OL 4850A、日本ゼオン(株)製)15部、ブタ
ジエンオリゴアクリレート(PB−A、共栄社(株)
製)28.5部、ベンジルジメチルケタール(イルガキ
ュア651、チバガイギー(株)製)1部およびハイド
ロキノンモノメチルエーテル0.5部を、トルエン40
部と水10部の混合溶媒に溶解または分散させた。これ
を加熱ニーダーを用いて105℃で混練し、脱泡させ
た。得られた感光性樹脂組成物を、厚み125μmのポ
リエチレンテレフタレートフィルムと、これとは別の同
じポリエチレンテレフタレートフィルム上に2μmのポ
リビニルアルコールを片面にコートしたフィルム間(ポ
リビニルアルコール層が感光性樹脂組成物と接触するよ
うに)で、ヒートプレス機で105℃、100kg/c
2 の圧力で1分間加熱加圧することにより、厚さ2.
8mmの感光性樹脂原版を作成した。
【0063】実施例2 実施例1において、スチレン・ブタジエンゴムラテック
スの代わりに、ブタジエンゴムラテックス(平均粒子
径:0.3μm、Tg:−80℃、NIPOLLX11
1A、日本ゼオン(株)製)を用いたこと以外は、実施
例1と同様にして感光性樹脂原版を得た。
【0064】実施例3 実施例1において、スチレン・ブタジエンゴムラテック
スの代わりに、スチレン・ブタジエンゴムラテックス
(平均粒子径:0.1μm、Tg:23℃、NIPOL
SX1103、日本ゼオン(株)製)を用いたこと以
外は、実施例1と同様にして感光性樹脂原版を得た。
【0065】比較例1 実施例1において、スチレン・ブタジエンゴムラテック
スの代わりに、スチレン・ブタジエンゴム(SBR15
07 日本合成ゴム(株)製)を用いたこと以外は、実
施例1と同様にして感光性樹脂原版を得た。
【0066】比較例2 実施例1において、スチレン・ブタジエンゴムラテック
スの代わりに、ブタジエンゴム(BR02L 日本合成
ゴム(株)製)を用いたこと以外は、実施例1と同様に
して感光性樹脂原版を得た。
【0067】実施例1〜3および比較例1〜2で得られ
た感光性樹脂原版について、現像速度、硬度、反発弾
性、分散相の最大粒子径、平均粒子径、粒子径の標準偏
差、変動係数、レリーフ形状の再現性について測定また
は評価した。
【0068】<測定方法> 1.現像速度 得られた感光性樹脂原版について、ポリビニルアルコー
ル層を有する方のポリエチレンテレフタレートフィルム
を剥離して感光性樹脂層上にポリビニルアルコール層を
残し、画像を有するネガフィルムをその上に密着させて
水銀灯(第日本スクリーン(株)製)で照度25W/m
2 、5分間露光を行った。ネガフィルムを除いた後、ブ
チルナフタレンスルホン酸ソーダ(ペレックスNB−
L、花王(株)製)2重量部を含有する現像液に、40
℃、15分間浸漬し、ブラシで感光性樹脂層を擦って現
像を行い、レリーフ深度を測定し(単位mm/15mi
n)、これを現像速度として評価した。
【0069】2.硬度 得られた感光性樹脂原版について、JIS−K6301
に準じるスプリング式硬さ試験(A型)法により、20
℃で測定した。 3.反発弾性 φ10mm(重さ4.16g)の鋼鉄製ボールを20c
mの高さより、得られた感光性樹脂原版上に落下させ、
跳ね戻る高さ(a)を読み取り、(a/20)×100
(%)の値で反発弾性を評価した。
【0070】4.分散相の最大粒子径、平均粒子径、粒
子径の標準偏差、変動係数 得られた感光性樹脂原版に対して露光を行う。そしてS
EM(走査型電子顕微鏡)を用いてこの露光済みの感光
性樹脂層の相構造写真(倍率1000倍)を撮り、この
写真上にPETフィルムを貼り、分散相のマーキングを
行う。マーキング済みのPETフィルムを画像解析装置
(Image Analyzer V10東洋紡績
(株)製)のステージに置く。CCDカメラ(XC−7
7、(株)ソニー製)を用いて画像の読み込みを行い、
上述の画像解析装置を用いて平均粒子径を個々の分散相
の面積から算出する。この時、同時に標準偏差、変動係
数および最大粒子径も算出される。ここでいう変動係数
とは以下の式で表される。 変動係数=(分散相の粒子径の標準偏差/分散相の平均
粒子径)×100
【0071】5.レリーフ形状の再現性 150線、3%の網点を含んだネガフィルムを用いて、
得られた感光性樹脂原版を現像し、得られたレリーフ上
の150線、3%の網点を反射型光学顕微鏡を用いて網
点形状の観察をおこない、以下の3段階に評価した。 ○・・・網点飛びがほとんど観察されず、網点の形状も
きれいである。 △・・・網点飛びが若干観察され、網点の形状が部分的
に欠けている。 ×・・・網点飛びが多数観察される。
【0072】
【表1】
【0073】表1から、実施例1〜3で得られた感光性
樹脂原版については、現像速度、硬度および反発弾性が
良好であり、分散相の最大粒子径、平均粒子径、粒子径
の標準偏差、変動係数が好適な範囲であったため、レリ
ーフの網点の飛びや欠けがなくレリーフ形状の再現性が
良好であった。一方、比較例1〜2で得られた感光性樹
脂原版については、現像速度、硬度および反発弾性が良
好であったが、分散相の最大粒子径、平均粒子径、粒子
径の標準偏差、変動係数が好適な範囲外であったため、
レリーフの網点の飛びや欠けがあり、レリーフ形状の再
現性が劣っていた。
【0074】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
よれば、感光層中の分散相の粒子径を制御して粗大粒子
がほとんどなく、同時に水系現像液で現像可能でかつ耐
インキ性に優れた感光性樹脂印刷用原版を提供できるの
で、この原版より得られる印刷版のレリーフの造形性、
再現性を向上させ、印刷性を向上させることが可能とな
った。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に、感光層が積層された感光性
    樹脂印刷用原版であって、 当該感光層が、疎水性ポリマーと親水性ポリマーを含有
    し、分散相と連続相とからなる相分離構造を有し、かつ
    当該分散相の粒子径について下記一般式(I)で表され
    る変動係数が80%以下であることを特徴とする感光性
    樹脂印刷用原版。 変動係数=(粒子径の標準偏差/平均粒子径)×100 (I)
  2. 【請求項2】 分散相が、疎水性ポリマーを含有するコ
    アと、当該コアを被覆する、親水性ポリマーを含有する
    シェルとからなるコアシェル粒子であることを特徴とす
    る請求項1に記載の感光性樹脂印刷用原版。
  3. 【請求項3】 分散相の平均粒子径が0.001〜10
    μm、かつ標準偏差が0.001〜3μmであることを
    特徴とする請求項1または2に記載の感光性樹脂印刷用
    原版。
  4. 【請求項4】 分散相の最大粒子径が25μm以下であ
    ることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の感
    光性樹脂印刷用原版。
  5. 【請求項5】 感光層が、親水性ポリマーと、少なくと
    も2種の疎水性ポリマーと、架橋剤と、光重合開始剤
    と、当該親水性ポリマーを溶解または膨潤させる溶剤を
    混合し、相分離によってコアシェル粒子の分散相と連続
    相を形成させることを特徴とする感光性樹脂印刷用原版
    の製造方法。
  6. 【請求項6】 少なくとも1種の疎水性ポリマーが、ラ
    テックスとして配合されることを特徴とする請求項5に
    記載の感光性樹脂印刷用原版の製造方法。
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