JP2002062639A - 感光性樹脂積層体 - Google Patents

感光性樹脂積層体

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JP2002062639A JP2000248703A JP2000248703A JP2002062639A JP 2002062639 A JP2002062639 A JP 2002062639A JP 2000248703 A JP2000248703 A JP 2000248703A JP 2000248703 A JP2000248703 A JP 2000248703A JP 2002062639 A JP2002062639 A JP 2002062639A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】印刷時のドットゲインが少なく、また長時間の
印刷においても版が剥がれてくるようなことのない印刷
版を得るための感光性樹脂組成物を提供すること。 【解決手段】少なくとも支持体、感光性樹脂層及びカ
バーフィルムを有する感光性樹脂積層体であって、前記
感光性樹脂層硬化後の表面部のダイナミック硬さが0.
1以上、内部のダイナミック硬さが0.1未満となり、
かつ該感光性樹脂層に1,2−ブタジエン骨格を有する
架橋基を持たない共役ジエンオリゴマーが含有されてい
ることを特徴とする感光性樹脂積層体。共役ジエンオ
リゴマーの分子量が500〜10000である前記記
載の感光性樹脂積層体。感光性樹脂層に、(A)親水
性または水膨潤性エラストマー、(B)少なくとも2個
以上のエチレン性不飽和基を末端または側鎖に有する共
役ジエン系炭化水素含有オリゴマーまたはポリマー
(B)、および/または(C)該(B)成分以外のエチ
レン性不飽和化合物、および(D)開始剤系が含有され
ている前記記載の感光性樹脂積層体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、水現像可能な感光
性樹脂積層体、特にフレキソ印刷に適した感光性樹脂版
に関する。さらに詳しくは柔軟性が高く、かつ印刷時の
ドットゲインが非常に少ない優れた性能を有する感光性
樹脂積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、フレキソ印刷版は感光性の樹脂
の版上にネガまたはポジフィルムを密着させ、活性光を
照射して感光層の一部分を露光した後、未露光部分を洗
浄除去(現像)してレリーフを形成する方法により製造
される。このようなフレキソ印刷版に用いられる感光性
樹脂刷版の感光層には、現像後のレリーフの凸部分であ
る細線や網点が狭く及び凹部分である白抜け深度が深い
(画像再現性が高い)ことはもちろんのことであるが、
更に印刷時、インキの塗布された樹脂版から被印刷体で
ある紙やフィルム等にインキが転移される時の外圧によ
る樹脂版の太り(ドットゲイン)が少ないことが要求さ
れる。
【0003】ドットゲインを増加させる主な原因として
は、印刷時に樹脂版が圧胴より圧力を受けた際に、版上
の網点が太ること、露光時に樹脂版表面での光散乱によ
りネガに対して網点頂部が太ること、また水現像版の場
合は版の極性が高くなっていることが考えられる。
【0004】そこで、ドットゲインを低減する手段とし
て、例えば特開昭55−6392号公報や特開昭62−
296142号公報等に記されているように硬い上層と
柔らかい下層から成る2層構造のいわゆるキャップ版が
提案されている。ところが、この手法は2種類の樹脂を
用いる必要があるため、液状感光層樹脂、固型版の何れ
においても製造工程、プロセス、装置等が煩雑になると
いう欠点がある。
【0005】また、2層ではなく単層で硬い上層と柔ら
かい下層を構成させるために、感光性樹脂組成物中に低
分子の光重合性エチレン性単量体を導入する方法があ
る。このような樹脂版は網点の変形が起こりにくくドッ
トゲインは少ないが、刷版自体が剛直で長時間の印刷時
により版胴から版が剥がれてくるなどの欠点がある。
【0006】なお、このような樹脂版の装着性を良くす
るために、組成物中に柔軟な低分子の可塑剤やオリゴマ
ーを含有させる方法が提案されている。しかし、可塑剤
としては相溶性の観点から樹脂成分と極性の近いものを
選ぶ必要があり、また使用する可塑剤の分子量が低すぎ
ると生版の取り扱い性が悪くなる、一方、分子量が高す
ぎると充分な可塑効果が得られないこともあり非常に選
択の幅が限られている。
【0007】また、特開平4−251255号公報等に
記されているようにスリップコート層に重合禁止剤を含
有させることによりネガに対して予めレリーフ部を細ら
せる(ドットロスさせる)手段がある。ところが、この
手法では重合禁止剤が界面や感光層にマイグレードしロ
ス率を制御することが困難になる危険性がある。それに
加え、高線数のハイライト部では力学強度不足により耐
刷性が低下するという問題点も内在している。
【0008】さらにフッ素またはシリコン系の化合物ま
たは特別の化合物で表面処理する手法が、例えば特開昭
61−47966号公報等に記されているが、後処理の
煩雑さを伴っていたり、長時間印刷における効果が充分
であるとは言い難い。このような問題に鑑み、複雑な工
程や構造を用いずに単層の樹脂でドットゲインの改善さ
れた水現像性感光性樹脂印刷版の出現が望まれていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は印刷時のドッ
トゲインが少なく、また長時間の印刷においても版が剥
がれてくるようなことのない印刷版を得るための感光性
樹脂組成物を提供することを課題とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決すべく、
本発明者らは、鋭意、研究、検討を重ねた結果、特定の
分子量範囲内にあり剛直性と弾性を兼ね備えた構造を有
しかつ樹脂版の成分に対し相溶性の高い1,2−ブタジ
エン骨格を有する架橋基を持たない特定の共役ジエン系
オリゴマーを感光性樹脂組成物の一成分として用いるこ
とにより、印刷版表面部と内部に硬度差が付与でき、さ
らに驚くべきことには感光性樹脂層内部の光散乱が大幅
に低減されることで前記目的を達成できることを見出
し、遂に本発明を完成するに到った。すなわち本発明
は、少なくとも支持体、感光性樹脂層及びカバーフィ
ルムを有する感光性樹脂積層体であって、前記感光性樹
脂層硬化後の表面部のダイナミック硬さが0.1以上、
内部のダイナミック硬さが0.1未満となり、かつ該感
光性樹脂層に1,2−ブタジエン骨格を有する架橋基を
持たない共役ジエンオリゴマーが含有されていることを
特徴とする感光性樹脂積層体。共役ジエンオリゴマー
の分子量が500〜10000である前記記載の感光
性樹脂積層体。感光性樹脂層に、(A)親水性または
水膨潤性エラストマー、(B)少なくとも2個以上のエ
チレン性不飽和基を末端または側鎖に有する共役ジエン
系炭化水素含有オリゴマーまたはポリマー(B)、およ
び/または(C)該(B)成分以外のエチレン性不飽和
化合物、および(D)開始剤系が含有されている前記
記載の感光性樹脂積層体である。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において重要な点は、後記する条件下で測定した
150線5%の網点表面のダイナミック硬さが0.1以
上を示しかつ樹脂版内部のダイナミック硬さが0.1未
満を示すことである。網点表面が0.1未満であると印
圧によって網点の変形が起こり網点側面部に多量のイン
キが受理され被印刷体に転移されるため印刷物のドット
ゲインを免れない。また、かすれ現象が生じた場合、或
いはがたつきの大きな印刷機を使用する場合、更に印圧
をかけることになるが、印圧に対するドットゲインの増
加率が大きく問題が生ずる。また、樹脂版内部のダイナ
ミック硬さが0.1以上では、当業者が使用する際に余
りにも樹脂版硬度が高すぎるため、特に版胴に対する版
の装着性が悪くなり使用に耐え得ない。
【0012】本発明において感光性成分光硬化後の内部
のダイナミック硬さを0.1未満にする方法としては、
少なくとも1,2−ブタジエン骨格を有する架橋基を持
たない共役ジエン系オリゴマーを含有する感光性樹脂組
成物を用いることが挙げられる。1,2−ブタジエン骨
格を有する架橋基を持たない共役ジエン系オリゴマーの
分子量は500〜10000の範囲にあることが好まし
く、より好ましくは1000〜5000、特に1000
〜4000が望ましい。分子量が500未満であると、
樹脂版のハンドリングが悪くなるだけでなく、印刷用イ
ンキの希釈溶剤にオリゴマー成分が抽出されるために版
の強度が損なわれたり、印刷の繰り返しによって版の硬
度が変化し、印刷物の仕上がりが変わってしまってしま
うなどの問題が生じるので好ましくない。また、分子量
が10000を超えると期待されるような可塑効果が得
られず、また感光性樹脂成分との相溶性も損なわれるた
め好ましくない。
【0013】このような1,2−ブタジエン骨格を有す
る共役ジエン系オリゴマーとしては、末端官能基を有さ
ないポリブタジエンオリゴマー、ポリスチレン−ブタジ
エンオリゴマー、ポリアクリロニトリルーブタジエンオ
リゴマー、ポリイソプレンオリゴマー、ポリクロロプレ
ンオリゴマー、末端アリル基含有ポリブタジエンオリゴ
マー、末端アリル基含有ポリスチレン−ブタジエンオリ
ゴマー、末端アリル基含有ポリアクリロニトリルーブタ
ジエンオリゴマー、末端アリル基含有ポリイソプレンオ
リゴマー、末端アリル基含有ポリクロロプレンオリゴマ
ー、末端水酸基含有ポリブタジエンオリゴマー、末端水
酸基含有ポリスチレン−ブタジエンオリゴマー、末端水
酸基含有ポリアクリロニトリルーブタジエンオリゴマ
ー、末端水酸基含有ポリイソプレンオリゴマー、末端水
酸基含有ポリクロロプレンオリゴマー、末端カルボキシ
ル基含有ポリブタジエンオリゴマー、末端カルボキシル
基含有ポリスチレン−ブタジエンオリゴマー、末端カル
ボキシル基含有ポリアクリロニトリルーブタジエンオリ
ゴマー、末端カルボキシル基含有ポリイソプレンオリゴ
マー、末端カルボキシル基含有ポリクロロプレンオリゴ
マー、末端アミノ基含有ポリブタジエンオリゴマー、末
端アミノ基含有ポリスチレン−ブタジエンオリゴマー、
末端アミノ基含有ポリアクリロニトリルーブタジエンオ
リゴマー、末端アミノ基含有ポリイソプレンオリゴマ
ー、末端アミノ基含有ポリクロロプレンオリゴマー等が
挙げられる。
【0014】次に本発明において感光性成分光硬化後の
表面部のダイナミック硬さを0.1以上にする方法とし
ては、感光性フレキソ刷版組成の架橋密度を向上させる
方法、物理的な架橋を用いる方法なども挙げられるが、
これらに限定されるものではない。架橋密度を向上させ
る方法としては、例えば(A)親水性または水膨潤性エ
ラストマー、(B)少なくとも2個以上のエチレン性不
飽和基を末端または側鎖に有する共役ジエン系炭化水素
含有オリゴマーまたはポリマー(B)、および/または
(C)該(B)成分以外のエチレン性不飽和化合物、お
よび(D)開始剤系を含有する感光性樹脂組成物を用い
ることにより、架橋密度を向上させることができる。
【0015】前記組成物は連続相と分散相とを有する構
造であることが好ましく、分散相が(A)成分である親
水性または水膨潤性エラストマーであり、それが粒子状
になっていることが望ましく、その粒子は紫外線で光硬
化する以前に化学的に架橋していても非架橋であっても
良い。ここで扱う架橋も架橋密度を上げる一手段である
が、副次的であることを付け加えておく。
【0016】前記(A)成分である架橋タイプの粒子状
親水性または水膨潤性エラストマーは、特開平1−30
0246号公報等に示されているラジカル乳化重合によ
って得られる部分内部架橋共重合体の例が挙げられる。
この部分内部架橋重合体は脂肪族共役ジエンモノマー4
0〜95モル%、α,β−エチレン系不飽和カルボン酸
1〜30モル%および少なくとも2個の付加重合可能な
基を有する化合物0.1〜10モル%を含有するモノマ
ー混合物をラジカル乳化重合することによって得られ
る。
【0017】前記共重合成分としての脂肪族共役ジエン
モノマーの例としてはブタジエン、イソプレン、ジメチ
ルブタジエン、クロロプレン等が挙げられる。α,β−
エチレン系不飽和カルボン酸の例としてはアクリル酸、
マレイン酸、フマル酸、テトラコン酸、プロトン酸など
が挙げられる。少なくとも2個の付加重合可能な基を有
する化合物の例としては、トリメチロールプロパンジ
(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、エチレング
リコールジメタクリレート、ペンタエリスリトールテト
ラ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ
(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ
(メタ)アクリレート等が挙げられる。尚、α,β−エ
チレン系不飽和カルボン酸のカルボキシル基は塩基性窒
素原子含有化合物によって塩化されていても良く、好ま
しい塩基性窒素原子含有化合物としてはN、N−ジメチ
ルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ
メチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジ
メチルアミノエチル−N−(メタ)アクリロイルカーバ
メイト、N,N−ジメチルアミノエトキシエタノール、
N,N−ジエチルアミノエトキシエチル(メタ)アクリ
レート等が挙げられる。
【0018】架橋タイプの粒子状親水性または水膨潤性
エラストマーのもう一つの例としては、特開平2−17
5702号公報等に示されたコアシェルミクロゲルバイ
ンダーが挙げられる。ここで言うコアシェルミクロゲル
バインダーは10%以下のクロスリンキングを持つコア
と、酸で変性されたコポリマーからなる、水系で処理し
うるクロスリンキングをしていない外部シェルとの二つ
の領域を持つ粒子である。コアを形成するモノマー類と
してはメチルメタクリレート、エチルアクリレート、メ
タアクリル酸、ブチルメタクリレート、エチルメタアク
リレート、グリシジルメタアクリレート、スチレン及び
アリルメタアクリレート、更にクロスリンク剤としての
ブタンジオールジアクリレート、エチレングリコールジ
メタアクリレート、テトラメチレングリコールジアクリ
レート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テ
トラメチレングリコールジメタクリレートなどが挙げら
れる。一方、シェルを形成する酸で変性されたコポリマ
ーとしては、メタアクリル酸で変性したn−ブチルアク
リレートが好ましいと記されている。コアシェルミクロ
ゲルバインダーはこれらのモノマーを用いて通常乳化重
合により製造される。
【0019】前記以外に、架橋または非架橋タイプの粒
子状親水性又は水膨潤性エラストマーとしては、特開平
6−289610号公報等に記されているラテックスの
例が挙げられる。このラテックスはモノオレフィン系不
飽和単量体及び親水性官能基を持つ不飽和単量体からな
る単量体混合物を乳化重合することによって得られる。
モノオレフィン系単量体としては、メチルメタクリレー
ト、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、2
−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレ
ート、ドデシルアクリレート、メトキシエチルアクリレ
ート、エトキシエチルアクリレート、シアノエチルアク
リレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシ
プロピルアクリレート等のアクリル酸エステル類やこれ
らのメタクリル酸エステル類などが挙げられる。その他
のモノオレフィン系不飽和単量体としてはスチレン、ア
クリロニトリル、塩化ビニル、エチリデンノルボルネ
ン、プロペニルノルボルネン、ジシクロペンタジエン等
が挙げられる。また場合によっては、1,3−ブタジエ
ン、イソプレン、クロロプレン、1,3−ペンタジエン
等の共役ジエン系単量体を用いても良いし、架橋させる
ために多官能ビニル化合物を導入しても良い。親水性官
能基としてはカルボキシル基、リン酸基、リン酸エステ
ル基、スルホン酸基、ヒドロキシル基が挙げられる。
【0020】本発明における非架橋体と架橋体より構成
される場合を以下に説明する。非架橋タイプの粒子状親
水性または水膨潤性エラストマーの例としては、特開平
3−72353号公報等に記されている疎水性ポリマー
を主成分とする相及び親水性ポリマーを主成分とする相
を有する粒子を挙げることができる。該粒子を構成する
疎水性ポリマーとしては共役ジエン系炭化水素を重合し
て得られる重合体、または共役ジエン系炭化水素とモノ
オレフィン系不飽和化合物を重合させて得られる共重合
体、共役ジエン系炭化水素を含まない重合体等が挙げら
れる。また主に該粒子を囲む相を形成する親水性ポリマ
ーとしては、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、スル
ホン酸基等の親水性基および/あるいはポリエチレング
リコール鎖を有するポリマーが挙げられる。
【0021】疎水性ポリマーを主成分とする相を形成す
る該共役ジエン系炭化水素を重合して得られる重合体、
または共役ジエン系炭化水素とモノオレフィン系不飽和
化合物を重合させて得られる共重合体の例としては、ブ
タジエン重合体、イソプレン重合体、クロロプレン重合
体、スチレン−ブタジエン重合体、スチレン−イソプレ
ン重合体、スチレン−クロロプレン共重合体、アクリロ
ニトリル−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−イ
ソプレン共重合体、メタクリル酸メチル−ブタジエン共
重合体、メタクリル酸メチル−イソプレン共重合体、メ
タクリル酸メチル−クロロプレン共重合体、アクリル酸
メチル−ブタジエン共重合体、アクリル酸メチル−イソ
プレン共重合体、アクリル酸メチル−クロロプレン共重
合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合
体、アクリロニトリル−クロロプレン−スチレン共重合
体等が挙げられる。
【0022】疎水性ポリマーを主成分とする相を形成す
る該共役ジエン系炭化水素を含まない重合体の例として
は、塩素を特定量含有するエラストマー及び非共役ジエ
ン系炭化水素を挙げることができ、具体的にはエピクロ
ロヒドリン重合体、エピクロロヒドリン−エチレンオキ
シド共重合体、エピクロロヒドリン−プロピレンオキシ
ド共重合体及び、またはこれらとアリルグリシジルエー
テルの共重合体であるエピクロロヒドリンゴム[大阪ソ
ーダ工業(株)製エピクロマー、Goodrich(株)製HYDRI
N、日本ゼオン(株)製GECHRON、ゼオスパン、Hercules
(株)製HERCLOR]、塩素化ポリエチレン[昭和電工
(株)製エラスレン、大阪ソーダ工業(株)製ダイソラ
ック、Hoechst(株)製HORTALITZ、Dow Chemical(株)
製Dow CPE等が挙げられる。
【0023】これらの疎水性ポリマーは単独でも2種以
上組み合わせても良く、組成物中の含有率としては20
重量%以上80重量%以下であることが好ましい。20
重量%以下であると著しくハンドリング性が損なわれ、
80重量%以上であると水現像性が損なわれる。特に好
ましい含有率は30重量%以上70重量%以下である。
【0024】次に親水性ポリマーを主成分とする相を形
成する該親水性ポリマーの具体例としては、ポリビニル
アルコール、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシ
エチルセルロース、水溶性ポリウレタン、水溶性ポリエ
ステル、水溶性エポキシ化合物、カルボキシル基含有ア
クリロニトリル−ブタジエンコポリマー、カルボキシル
基含有スチレン−ブタジエンコポリマー、カルボキシル
基含有ポリブタジエン、ポリアクリルアミド、ポリアク
リル酸ナトリウム、カルボキシル基含有ポリウレタン、
ポリアミド酸等が使用できるが、これらに限定されるも
のではない。
【0025】なお、前記組成物の場合、各成分を配合、
混合している間に相分離して、連続相及び分散相を形成
するものが好ましく、親水性ポリマーの含有率は水現像
性及び水系インキ耐性の観点から、1重量%以上40重
量%以下、好ましくは2重量%以上30重量%以下、特
に好ましくは3重量%以上20重量%以下である。
【0026】以上、粒子状親水性または水膨潤性エラス
トマーについてタイプ別に述べてきたが、全組成物中に
おける水膨潤性エラストマーの含有率としては20重量
%以上80重量%以下であることが好ましく、より好ま
しくは30重量%以上70重量%以下である。20重量
%未満では現像性、形態保持性に問題が生じ、80重量
%を超えると耐水性に問題が生じるので好ましくない。
【0027】本発明において刷版表面の架橋密度を上げ
るために、特定エチレン性不飽和化合物を一定量添加す
ることが好ましい。本発明における特定のエチレン性不
飽和化合物とは、分子量が500以下で少なくとも2個
以上のエチレン性不飽和基を末端または側鎖に有する化
合物である。このような特定のエチレン性不飽和化合物
としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポ
リエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレン
グリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレング
リコールジ(メタ)アクリレート、1,3ープロパンジ
オールジ(メタ)アクリレート、1,4ーブタンジオー
ルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ
(メタ)アクリレート、1,6ーヘキサンジオールジ
(メタ)アクリレート、1,9ーノナンジオールジ(メ
タ)アクリレート、1,10ーデカンジオールジ(メ
タ)アクリレート、1,12ードデカンジオールジ(メ
タ)アクリレート、1,14ーテトラデカンジオールジ
(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メ
タ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)
アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)ア
クリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、グ
リセロールアリルオキシジ(メタ)アクリレート、トリ
チトロールエタンジ(メタ)アクリレート、トリチトロ
ールエタントリ(メタ)アクリレート、トリチトロール
プロパンジ(メタ)アクリレート、トリチトロールプロ
パントリ(メタ)アクリレート、トリアリルシアヌレー
ト、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルトリメリ
テート、ジアリルテレフタレート等の1分子中に2個以
上のラジカル重合性エチレン基を有する化合物が挙げら
れる。
【0028】前記のような特定のエチレン性不飽和化合
物は、分子量が小さいために刷版の相構造のうち、粘度
が低く流動性の高い連続相に分布しやすい。この結果と
して、海成分の量が多い刷版表面では特定のエチレン性
不飽和化合物が刷版内部よりも多くなり、架橋密度が刷
版内部よりも大きくなる。この結果、本発明の特徴であ
る刷版表面と内部の硬度差が生じる。また、同時に特定
のエチレン性不飽和化合物の含有量が刷版表面で多いた
めに、刷版を構成する感光層全体の感度が飛躍的に高く
なり、本発明の特徴である従来のフレキソ刷版では実現
し得なかった高度な画像再現性を達成することができ
る。
【0029】以上のような特定のエチレン性不飽和化合
物が刷版表面に分布するためには、その含有量が刷版感
光層中において0.5重量%から10重量%の範囲にあ
ることが好ましい。この範囲より含有量が多くなると、
刷版内部の硬度が高くなり印刷におけるクッション効果
が小さくなる。また、この範囲より含有量が少なくなる
と、刷版表面の架橋密度が小さくなり、画像部が印刷時
に変形することになる。
【0030】本発明では、前記特定のエチレン性不飽和
化合物を分子量が1000以上でありかつ末端あるいは
側鎖にエチレン性不飽和基を有する化合物と併用しても
良い。このようなものとしては、特開平1−21983
3号公報等に記載されているようなオリゴブタジエン
(メタ)アクリレート、オリゴスチレンブタジエン(メ
タ)アクリレート、オリゴニトリルブタジエン(メタ)
アクリレート、オリゴイソプレン(メタ)アクリレー
ト、オリゴブタジエンウレタン(メタ)アクリレート、
オリゴスチレンブタジエン(メタ)アクリレート、オリ
ゴブタジエンアミド(メタ)アクリレート等が挙げられ
るが、これらに限定されるものではない。また、このよ
うな分子量が1000以上であるエチレン性不飽和基を
有する化合物は、前記特定のエチレン性不飽和化合物と
任意の比率で混合しても良い。
【0031】本発明で用いる開始剤としては、例えばベ
ンゾフェノン類、アセトフェノン類、α−ジケトン類、
アシロイン類、アシロインエーテル類、ベンジルアルキ
ルケタール類、多核キノン類、チオキサントン類、アシ
ルフォスフィン類等が挙げられ、具体的にはベンゾフェ
ノン、クロルベンゾフェノン、アセトフェノン、ベンジ
ル、ジアセチル、ベンゾイン、ピバロイン、ベンゾイン
メチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾ
インイソブチルエーテル類、ベンジルジメチルケター
ル、ベンジルジエチルケタール、ベンジルイソプロピル
ケタール、アントラキノン、1,4−ナフトキノン、2
−クロルアントラキノン、チオキサントン、2−クロル
チオキサントン、アシルフォスフィンオキサイド等が挙
げられる。これらは単独で用いても組合わせても良く、
0.01から10重量%組成物中に配合されることが好
ましい。0.01重量%未満では開始剤としての機能を
果たすことができず、10重量%を超えると内部フィル
ター的な働きが強くなるため内部の硬化が不充分とな
る。より好ましくは0.5から5重量%である。
【0032】その他、本発明においては、前記組成物以
外に可塑剤、保存安定剤、色素、その他種々の添加剤が
配合されていても良い。可塑剤としては、ナフテン油、
パラフィン油等の炭化水素油、分子量3000以下のポ
リスチレン、石油樹脂、ポリアクリレート、1,4ーポ
リブタジエン及びそれらの末端変性物、液状アクリロニ
トリルーブタジエン共重合体、液状スチレンーブタジエ
ン共重合体及びこれらのカルボキシル化物が挙げられ
る。保存安定剤としては、ハイドロキノン、ピロガロー
ル、pーメトキシフェノール、tーブチルカテコール、
2,6ージーtーブチルーpークレゾール、ベンゾキノ
ン等のフェノール、ベンゾキノン、pートルキノン、p
ーキシロキノン等のキノン、フェニルーαーナフチルア
ミン等のアミン等が挙げられる。
【0033】本発明における感光性樹脂組成物は、通
常、ニーダーやロールミル等を用いて、上記成分を混練
して調製することによって得られる。本発明の感光性樹
脂版は、支持体とその主要面上に形成された前記感光性
樹脂組成物の層とからなる積層構造のものである。支持
体は、通常、可塑性フィルム又はシートからなり、必要
に応じて離型層又は接着剤もしくはプライマーからなる
下塗り層を有する。この支持体は、フレキソ印刷版にお
いて通常用いられるものであれば限定されず、ポリエチ
レンテレフタレートフィルム、ポリプロピレンフィル
ム、ポリイミドフィルム等の可塑性フィルム、天然ゴ
ム、合成ゴム、軟質塩化ビニル樹脂等の弾性体状組成物
を裏貼りしたポリエチレンテレフタレート製、ポリプロ
ピレン製、ポリイミド製等の可塑性フィルム等が挙げら
れる。
【0034】支持体の主要面に感光性樹脂組成物の層を
形成するには、従来公知の方法を採用すればよい。例え
ば、感光性樹脂組成物を押出機、プレス機、カレンダー
等の成形機を用いてシート状に成形した後、そのシート
を支持体に接着するか又は感光性樹脂組成物としてクロ
ロホルム、四塩化炭素、トリクロロエタン、メチルエチ
ルケトン、ジエチルケトン、ベンゼン、トルエン、テト
ラヒドロフラン等の溶媒に前記成分を溶解させたもの
を、シート状枠型の中に注入し、次いで溶媒を蒸発させ
シートを成形した後、そのシートを支持体に接着する。
【0035】本発明感光性樹脂積層体には、感光性樹脂
組成物の層の上に被服層として非粘着性の水溶性ポリマ
ーの薄層を設ける事が好ましい。感光性樹脂組成物層の
表面は、通常、粘着性が強いので、その表面に直接原画
フィルムを貼ると、感光性樹脂組成物とフィルムとの間
に気泡が入り込み、活性光の乱屈折が起きて、感光層の
露光、硬化が進まず、結果としてレリーフの再現性が悪
化する上、感光性樹脂組成物層表面と粘着した原画フィ
ルムは再利用が出来ないという問題が生じる事がある。
非粘着性の水溶性ポリマーの薄層を設ける事により、上
記問題が解消される。
【0036】本発明における水系現像可能な感光性樹脂
組成物は、水に界面活性剤が添加された現像液により未
硬化部分を除去することができる。界面活性剤としては
アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオ
ン系界面活性剤、両性界面活性剤などを単独であるいは
2種類以上組み合わせて使用することができる。また現
像液には炭酸ソーダ、トリポリリン酸ソーダ、ピロリン
酸カリウム、ケイ酸ソーダ、硫酸ソーダ、ホウ酸ソー
ダ、酢酸ソーダ、酢酸マグネシウム、クエン酸ソーダ、
コハク酸ソーダ等の酸性またはアルカリ性の無機または
有機の塩類、カルボキシメチルセルロース、メチルセル
ロース等の高分子系添加剤、pH調整のための硫酸、塩
酸、燐酸等の酸、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム
等のアルカリ、その他、粘度調整剤、分散安定剤、凝集
剤、ゼオライト等の各種添加剤を必要に応じて添加して
も良い。現像は感光性樹脂組成物を現像液に浸漬し、必
要ならばブラシで擦って未硬化部分を除去する。現像液
の温度は30℃〜50℃が好ましい。
【0037】本発明感光性樹脂積層体には、支持体の、
感光性樹脂組成物層が形成されている面とは反対の面に
発砲体を積層してもよい。発砲体積層によりフレキソ印
刷時の印圧を調整する事が出来る。
【0038】以上かかる構成よりなる本発明感光性樹脂
組成物は、要求される物性に応じて、原材料、構造、製
造方法など適宜選択し、目的とする感光性樹脂積層体を
得ることができる。
【0039】本発明における感光性樹脂組成物は、特に
フレキソ印刷版として有用であり、耐インク性、インク
の転移性、耐刷性にも優れている。なお、本発明で用い
られる感光性樹脂組成物は主にフレキソ印刷版として有
用であるが、フォトレジスト、サンドプラストにも適用
でき、他に紫外線によって硬化するエラストマーとして
の用途、例えば接着剤、フィルム、塗料、その他にも使
用することができる。
【0040】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでな
い。なお実施例、比較例中の部及び%は重量基準であ
る。また、感光性エラストマー組成物及び感光性樹脂版
の評価は下記の試験法に基づいて行った。
【0041】1)ダイナミック硬さの評価:本発明にお
けるダイナミック硬さは島津ダイナミック超微小硬度計
DUH−201を用い、室温、湿度40〜80%の環境
下で、下記測定条件に従って測定し、下記式により算出
した値である。 試験モード :軟質材料試験(MODE3) 圧子 :三角すい圧子115° 試験荷重 :0.25gf 負荷速度 :10(0.0145gf/秒) 保持時間 :1秒 変位フルスケール :10μ なお、ダイナミック硬さ測定に当たり印刷版(レリー
フ)の製版条件は以下のようにした。露光機は照度8.
5mW/cm2程度のケミカルランプ、ネガは網点階調
と細線、独立点、白抜を含む検査ネガを用い、製版は約
0.8mm程度の深度になる裏露光時間、300μmス
リット幅の白抜深度が少なくと50μ以上でしかも15
0線2%の網点が再現される最小露光量の主露光時間、
適正な現像工程と乾燥工程を経て、表からのみ主露光の
半分に相当する程度の後露光を行い、測定に供した。具
体的には、上記製版条件で製版したレリーフの150線
5%の網点から約5mm角のサンプルを切り出し、ベー
ス面を下に試料台にセットし、付属金属顕微鏡で網点表
面の中央に圧子が降下するように調整して、1回目の測
定を行った。測定終了後実荷重及び実押し込み深さ算出
の基準となる表面検出点がずれていないことを確認し次
の測定に進んだ。2回目以降は1回目に測定した網点か
ら少なくとも400μm離れた網点をX−Yステージに
よって探し、違う網点を5個以上測定した。測定終了
後、実押し込み深さ5μmのダイナミック硬さを解析デ
ータからピックアップして平均値を求め、そのサンプル
のダイナミック硬さとした。このダイナミック硬さ(D
H)は圧子を押し込んでいく過程の荷重と押し込み深さ
から得られる硬さで、以下の式で定義される。 DH=αP/D2 α:圧子形状による定数(115°三角すい圧子の場合
37.838) P:試験荷重(gf) D:押し込み深さ(μm) 樹脂版内部のダイナミック硬さについては、ベタ部分か
ら約5mm角のサンプルを切り出し、表面より深さ1m
m地点の側面部を網点サンプルと同様にして測定した。
【0042】2)印刷性の評価:厚さ3.0mmの各組
成物について粘着防止層を有する方のマットフィルムを
剥離して、画像を有するネガフィルムをその上に密着さ
せて高圧水銀灯(大日本スクリーン(株)製)で照度2
5W/m2で5分間露光した。次いでネガフィルムを除
いた後、ブチルナフタレンスルホン酸ソーダ(ペレック
スNBL 花王(株)製)2重量部を含有する40℃の
水系現像液に浸せきし、15分間ブラシで感光性樹脂層
を擦って感光性樹脂印刷版を得た。この得られた感光性
樹脂印刷版について、水性インク(アクアパック39
藍、東洋インキ製造(株)製)でコート紙(竜王コート
大昭和紙工産業)に印刷を行なった。得られた印刷物
の150lpi30%の網点部の光学濃度を反射濃度計
(DMー800 大日本スクリーン(株)製)で測定し
た。光学濃度が小さいほど印刷物の太り(ドットゲイ
ン)が小さく、明るい印刷物が得られるので望ましい。
【0043】参考例1 (親水性ポリマーの合成)ポリテトラメチレングリコー
ル29.0部(保土ヶ谷化学製Gー850)、ジメチロ
ールプロピオン酸62.0部(藤井義通商)、 ヘキサ
メチレンジイソシアネート119.0部(日本ポリウレ
タン工業製)及びジラウリン酸−n−ブチルスズ5.0
部をテトラヒドロフラン300.0部に溶解した溶液を
撹拌機のついた1リットルフラスコに入れ、撹拌を続け
ながらフラスコを65℃に加熱し、3時間反応を続け
た。更にヒドロキシエチルメタクリレート26.0部を
加え、65℃に加熱しながら2時間反応を続けた。別の
容器で末端アミノ基含有アクリロニトリルブタジエンオ
リゴマー(宇部興産製HycarATBN 1300×
16)184.0部をテトラヒドロフラン270.0部
に溶解して調整した溶液を上記の1lフラスコ内に室温
下で撹拌しながら添加した。得られたポリマー溶液を減
圧乾燥してテトラヒドロフランを除去した。得られたポ
リマーは、還元粘度ηsp/c(dl/g)0.22、
数平均分子量(Mn)6703、重量平均分子量(M
w)30026、多分散度(Mw/Mn)4.48、酸
価63.9(mgKOH)を示した。次に該ポリマー1
00部をテトラヒドロフラン100部に溶解した溶液
に、水酸化リチウム2.4部、酢酸マグネシウム5.3
部をイオン交換水100部に溶解した水溶液を室温下で
撹拌しながら添加し、さらに30分間撹拌することによ
って、親水性ポリマーを得た。
【0044】実施例1 上記参考例1で得られた親水性ポリマー10.5部、ア
クリロニトリルーブタジエン型ランダム共重合体(Ni
pol1042 日本ゼオン(株)製)33部、ポリブ
タジエンゴム(JSR BR02LL 日本合成ゴム
(株)製)22部、末端アリル基含有ポリブタジエンオ
リゴマー(分子量2000、日石ポリブタジエンLPB
日本石油化学(株)製)29部、 1,6−ヘキサン
ジオールジメタクリレート3部、光開始剤としてベンジ
ルジメチルケタール2部、ハイドロキノンモノメチルエ
ーテル0.1部を、トルエン40部、水10部と共に加
熱ニーダーを用いて105℃で混練し、その後溶剤を減
圧留去する事により、感光性樹脂組成物を得た。この感
光性樹脂組成物を厚さ125μmのポリエチレンテレフ
タレートフィルム上にポリエステル系接着剤をコーティ
ングしたフィルムと、同じポリエチレンテレフタレート
フィルム上に粘着防止層(ポリビニルアルコール、プロ
ピレンアルコール、界面活性剤を含有)をコーティング
したマットフィルムで挟み(接着層、粘着防止層が感光
性樹脂組成物と接触するように)、ヒートプレス機で1
05℃、100kgfで1分間加熱加圧することによ
り、厚さ3.0mmの感光性樹脂版を得た。得られた感
光性樹脂版の粘着防止層を有する方のマットフィルムを
剥離して、画像を有するネガフィルムをその上に密着さ
せて高圧水銀灯(大日本スクリーン(株)製)で照度2
5W/m2で5分間露光した。次いでネガフィルムを除
いた後、ブチルナフタレンスルホン酸ソーダ(ペレック
スNBL 花王(株)製)2重量部を含有する40℃の
水系現像液に浸せきし、15分間ブラシで感光性樹脂層
を擦って感光性樹脂印刷版を得た。得られた感光性樹脂
は透明性が高く、樹脂の光散乱は23%であった。この
感光性樹脂印刷版について、150線5%の網点のダイ
ナミック硬さを測定したところ、0.14であった。ま
た樹脂版内部のダイナミック硬さは0.05であった。
この感光性樹脂版を用い、水性インク(アクアパック3
9藍、東洋インキ製造(株)製)でコート紙(竜王コー
ト 大昭和紙工産業(株)製)に印刷を行なった。その
際、印刷機への版の装着性は非常に優れており長時間の
印刷にも耐えうるものであった。また、得られた印刷物
の網点画像は解像度が高く鮮明であり、150lpi3
0%の網点部の光学濃度を反射濃度計(DMー800
大日本スクリーン(株)製)で測定したところ、光学濃
度は52%であった。
【0045】実施例2 実施例1において、末端アリル基含有ポリブタジエンオ
リゴマーの代わりに末端水酸基含有ポリブタジエンオリ
ゴマー(分子量2000、Nisso−PB 日本曹達
(株)製)を用いたこと以外は実施例1と同様にして感
光性樹脂版を作成した。得られた感光性樹脂は透明性が
高く、樹脂の光散乱は25%であった。この感光性樹脂
印刷版について、150線5%の網点のダイナミック硬
さを測定したところ、0.12であった。また樹脂版内
部のダイナミック硬さは0.04であった。また、印刷
機への版の装着性は非常に優れており長時間の印刷にも
耐えうるものであった。得られた印刷物の網点画像は解
像度が高く鮮明であり、150lpi30%の網点部の
光学濃度は54%であった。
【0046】実施例3 実施例1において、末端アリル基含有ポリブタジエンオ
リゴマーの代わりに末端カルボキシル基含有ポリブタジ
エンオリゴマー(分子量4800、Hycar−CTB
宇部興産(株)製)を用いたこと以外は実施例1と同
様にして感光性樹脂版を作成した。得られた感光性樹脂
は透明性が高く、樹脂の光散乱は27%であった。この
感光性樹脂印刷版について、150線5%の網点のダイ
ナミック硬さを測定したところ、0.13であった。ま
た樹脂版内部のダイナミック硬さは0.07であった。
また、印刷機への版の装着性は非常に優れており長時間
の印刷にも耐えうるものであった。得られた印刷物の網
点画像は解像度が高く鮮明であり、150lpi30%
の網点部の光学濃度は55%であった。
【0047】実施例4 実施例1において、1,6−ヘキサンジオールジメタク
リレートの代わりに1,9−ノナンジオールジメタクリ
レートを用いた事以外は実施例1と同様にして感光性樹
脂版を作製した。得られた感光性樹脂は透明性が高く、
樹脂の光散乱は18%であった。この感光性樹脂印刷版
について、150線5%の網点のダイナミック硬さを測
定したところ、0.11であった。また樹脂版内部のダ
イナミック硬さは0.04であった。また、印刷機への
版の装着性は非常に優れており長時間の印刷にも耐えう
るものであった。得られた印刷物の網点画像は解像度が
高く鮮明であり、150lpi30%の網点部の光学濃
度は56%であった。
【0048】比較例1 実施例1において、 末端アリル基含有ポリブタジエン
オリゴマーの代わりに末端アクリレート基含有ポリブタ
ジエンオリゴマー(分子量3000)を用いた以外は実
施例1と同様にして感光性樹脂版を作成した。得られた
感光性樹脂は透明性が高く、樹脂の光散乱は18%であ
った。この感光性樹脂印刷版について、150線5%の
網点のダイナミック硬さを測定したところ、0.20で
あった。しかし樹脂版内部のダイナミック硬さは0.1
5であった。印刷機への版の装着性は悪く長時間の印刷
には耐えうるものではなかった。得られた印刷物の網点
画像は解像度が悪くやや鮮明さに欠け150lpi30
%の網点部の光学濃度は62%であった。得られた印刷
物の網点画像は解像度が悪くやや鮮明さに欠け、150
lpi30%の網点部の光学濃度は62%であった。
【0049】比較例2 実施例1において、 末端アリル基含有ポリブタジエン
オリゴマーの代わりに末端官能基を有さない1,4−ブ
タジエンオリゴマー(分子量3000)を用いた以外は
実施例1と同様にして感光性樹脂版を作成した。得られ
た感光性樹脂は透明性が悪く、樹脂の光散乱は50%で
あった。この感光性樹脂印刷版について、150線5%
の網点のダイナミック硬さを測定したところ、0.08
であった。また、樹脂版内部のダイナミック硬さは0.
04であった。印刷機への版の装着性は非常に優れてお
り長時間の印刷にも耐えうるものであった。しかし、得
られた印刷物の網点画像は解像度が悪くやや鮮明さに欠
け150lpi30%の網点部の光学濃度は65%であ
った。
【0050】実施例1〜4と比較例1〜2で得られた感
光性樹脂層の光散乱率、印刷機への版の装着性、150
線5%の網点及び樹脂版内部のダイナミック硬さ、印刷
物の150lpi30%の網点部の光学濃度を表1に示
す。
【0051】
【表1】
【0052】以上より、1,2−ブタジエン骨格を有す
る架橋基を持たない特定の共役ジエン系オリゴマーを感
光性樹脂組成物の一成分として用いることにより、感光
性樹脂版の光散乱を低減でき、印刷時の版の装着性の向
上及び印刷時の太り(ドットゲイン)の低減が実現する
ことがわかる。
【0053】
【発明の効果】以上、本発明感光性樹脂積層体は、従来
公知の感光性樹脂版に比べて印刷時のドットゲインも少
なく、鮮明な印刷を再現し、しかも長時間の印刷におい
ても版が剥がれてくるようなことのないので、高級プロ
セスカラー印刷などを始め広範囲の銘柄への対応が可能
となる。さらに、感光性樹脂版は水系で現像が可能であ
ることから、現像液の廃液がpH調整、吸着剤や凝集剤
の添加、微生物処理といった公知の廃液処理技術により
容易に処理できることも大きな特長の一つであり、産業
界に寄与すること大である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H025 AA04 AA12 AB02 AC01 AD01 BC13 BC31 BC55 BC83 BC92 BJ00 BJ07 CA00 CB11 CB51 CB55 DA01 FA17 2H096 AA02 BA05 EA02 GA08 2H114 AA01 AA23 BA01 DA21 DA27 DA41 DA43 DA46 DA48 DA51 DA52 DA53 DA56 DA60 EA02 EA03 EA04 EA08 FA02

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも支持体、感光性樹脂層及びカバ
    ーフィルムを有する感光性樹脂積層体であって、前記感
    光性樹脂層硬化後の表面部のダイナミック硬さが0.1
    以上、内部のダイナミック硬さが0.1未満となり、か
    つ該感光性樹脂層に1,2−ブタジエン骨格を有する架
    橋基を持たない共役ジエンオリゴマーが含有されている
    ことを特徴とする感光性樹脂積層体。
  2. 【請求項2】共役ジエンオリゴマーの分子量が500〜
    10000である請求項1記載の感光性樹脂積層体。
  3. 【請求項3】感光性樹脂層に、(A)親水性または水膨
    潤性エラストマー、(B)少なくとも2個以上のエチレ
    ン性不飽和基を末端または側鎖に有する共役ジエン系炭
    化水素含有オリゴマーまたはポリマー(B)、および/
    または(C)該(B)成分以外のエチレン性不飽和化合
    物、および(D)開始剤系が含有されている請求項1記
    載の感光性樹脂積層体。
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