JP2002348306A - 水性樹脂組成物の製造方法 - Google Patents

水性樹脂組成物の製造方法

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JP2002348306A
JP2002348306A JP2001158896A JP2001158896A JP2002348306A JP 2002348306 A JP2002348306 A JP 2002348306A JP 2001158896 A JP2001158896 A JP 2001158896A JP 2001158896 A JP2001158896 A JP 2001158896A JP 2002348306 A JP2002348306 A JP 2002348306A
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Takahiro Yamaguchi
恭弘 山口
Hideo Takeuchi
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶剤型塗料と同等の高い浸透性、弾性塗料密
着性、旧塗膜密着性、耐水性、耐温冷繰り返し性を具備
する水性樹脂組成物を提供すること。 【解決手段】 イオン性または非イオン性水溶性樹脂A
を保護コロイドとして用い、前記成分Aの存在下、水を
媒体として1種または2種以上の不飽和モノマーをエマ
ルジョン重合し、得られた重合体のコア部Bと前記成分
Aのシェル部とからなる微粒子エマルジョンを形成し、
さらに、イオン性または非イオン性水溶性樹脂Cを添加
することを特徴とする水性樹脂組成物の製造方法および
これにより得られた水性樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水性樹脂組成物の
製造方法に関するものである。さらに詳しくは、高い浸
透性を有し、弾性塗料密着性、旧塗膜密着性、耐水性、
耐温冷繰り返し性に優れた塗膜を形成することができる
水性樹脂組成物の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、外壁材として表面が緻密なセメン
ト押し出し成形板から、多孔質なALC板まで幅広く開発
されている。これら多様な基材に対し、建築外装塗料と
しては、その物性面等から樹脂をトルエン、キシレン等
の混合溶剤で希釈した有機溶剤系塗料が多く使用されて
いる。しかしながら、近年有機溶剤による大気汚染に関
する社会問題、有機溶剤系塗料のもたらす人体への悪影
響の問題、さらに1990年5月の消防法改訂による輸送お
よび貯蔵に関する規制処置への対応等から、水系で無公
害の塗料の開発が望まれてきている。また近年、外壁の
改修として、劣化した塗膜上に再度塗装を施す場合が増
加している。そのため、改修用プライマーとしては、下
地旧塗膜との密着性が求められる。また、上塗り塗料と
しても、近年弾性を有する水系塗料が多く使用されてお
り、様々な下地旧塗膜、上塗り塗料に対して幅広く良好
な密着性を有するプライマーが要求されている。
【0003】従来、この様な目的で使用される水系プラ
イマーとしては、塩素化オレフィン樹脂の溶剤組成物を
水に乳化したエマルションタイプのものが知られてい
る。しかし、このプライマーは性能面で優れているもの
の、塩素を含有しており、人体、地球環境への危険性が
危惧されている。また、乳化重合によるアクリル系エマ
ルションタイプのプライマーも知られている。このプラ
イマーは性能面では良好だが、塩素化オレフィン系に比
較すると使用できる上塗り塗料の種類が限定される。ま
た、粒子径が大きいため、高い浸透性を得るのは困難で
ある。水溶性のアクリル樹脂を用いて樹脂に自己乳化性
を持たせ微粒子化したディスパージョンタイプのプライ
マーも知られている。これは、下地基材に対する浸透性
に優れているが、形成される皮膜は、耐水性、耐アルカ
リ性等の点で、十分に満足のいくものではない。かかる
社会的、実用的事情により有機溶剤系塗料に匹敵する無
公害の水系塗料に対する技術的な向上が大いに望まれ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、溶剤
型塗料と同等の高い浸透性、弾性塗料密着性、旧塗膜密
着性、耐水性、耐温冷繰り返し性を具備する水性樹脂組
成物の製造方法の提供にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、溶剤系塗
料に匹敵する性能を有する水性樹脂組成物を作ることを
目的に、分散型水性樹脂における樹脂組成・形態の浸透
性・固着性への影響について鋭意研究した結果、本発明
を完成するに至った。
【0006】すなわち本発明は、イオン性または非イオ
ン性水溶性樹脂Aを保護コロイドとして用い、前記成分
Aの存在下、水を媒体として1種または2種以上の不飽
和モノマーをエマルジョン重合し、得られた重合体のコ
ア部Bと前記成分Aのシェル部とからなる微粒子エマル
ジョンを形成し、さらに、イオン性または非イオン性水
溶性樹脂Cを添加することを特徴とする水性樹脂組成物
の製造方法を提供するものである。また本発明は、成分
Aのシェル部とコア部Bの重量比率が、A:B=10:90
〜90:10であり、成分A+Bの合計100に対する成分
Cの重量比率が10〜100である前記の製造方法を提供す
るものである。また本発明は、成分Aおよび成分Cが、
ジアルキルアミノ基含有不飽和モノマー5〜50重量%お
よびその他の不飽和モノマーからなる単量体混合物を共
重合してなる共重合体を、ジアルキルアミノ基に対して
0.5〜1.5当量の範囲の酸で中和して水に溶解または分散
した水溶性樹脂である前記の製造方法を提供するもので
ある。また本発明は、成分Cの添加後さらに、ジアルキ
ルアミノ基に対して0.1〜1.5当量の範囲のエピクロルヒ
ドリンを20〜100℃で添加する前記の製造方法を提供す
るものである。また本発明は、成分Aが、カルボキシル
基含有不飽和モノマー3〜40重量%およびその他の不飽
和モノマーよりなる単量体混合物を共重合してなる共重
合体を、カルボキシル基に対して0.5〜1.5当量の範囲の
アルカリで中和して水に溶解または分散した水溶性樹脂
である前記の製造方法を提供するものである。また本発
明は、前記の製造方法により得られた、水性樹脂組成物
を提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】(成分A)本発明における成分A
は、イオン性または非イオン性水溶性樹脂であり、その
種類はとくに制限されないが、中でも、成分Aとしてジ
アルキルアミノ基含有不飽和モノマーおよびその他の不
飽和モノマーからなる単量体混合物を用いて共重合体を
形成し、酸で中和して水に溶解または分散した水溶性樹
脂、または、カルボキシル基含有不飽和モノマーおよび
その他の不飽和モノマーからなる単量体混合物を用いて
共重合体を形成し、アルカリで中和して水に溶解または
分散した水溶性樹脂を用いるのが好ましい。
【0008】前記ジアルキルアミノ基含有不飽和モノマ
ーとしては、例えば、N,N-ジメチルアミノエチルアクリ
レート、N,N-ジエチルアミノエチルアクリレート、N,N-
ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N-ジメチルア
ミノプロピルメタクリレート、N,N-ジメチルアミノエチ
ルアクリルアミド、N,N-ジエチルアミノエチルメタクリ
レート等が挙げられる。ジアルキルアミノ基含有不飽和
モノマーおよびその他の不飽和モノマーの使用割合は、
ジアルキルアミノ基含有不飽和モノマー5〜50重量%お
よびその他の不飽和モノマー95〜50重量%が好ましい。
ジアルキルアミノ基含有不飽和モノマーが5重量%未満
では、成分Aの親水性が低くなり、エマルジョン重合し
て得られる微粒子エマルジョンの分散安定性が低くなる
傾向にあり、また、下記で説明する成分Cが完全に水に
溶解できず、粒子状態となるため、浸透性が低下する恐
れがある。逆に50重量%を越えると塗膜としての耐水性
等が低下する恐れがある。
【0009】前記カルボキシル基含有不飽和モノマーと
しては、例えば、アクリル酸、メタアクリル酸、マレイ
ン酸、フマル酸、イタコン酸等が挙げられる。カルボキ
シル基含有不飽和モノマーおよびその他の不飽和モノマ
ーの使用割合は、カルボキシル基含有不飽和モノマー3
〜40重量%およびその他の不飽和モノマー97〜60重量%
が好ましい。カルボキシル基含有不飽和モノマーが3重
量%未満では、成分Aの親水性が低くなり、エマルジョ
ン重合して得られる微粒子エマルジョンの分散安定性が
低くなる傾向にあり、また、下記で説明する成分Cが完
全に水に溶解できず、粒子状態となるため、浸透性が低
下する恐れがある。逆に40重量%を越えると塗膜として
の耐水性等が低下する恐れがある。
【0010】また、その他の不飽和モノマーとしては、
とくに制限されないが、例えば、炭素数1〜20の側鎖を
持った(メタ)アクリル酸エステル、スチレン、(メタ)ア
クリロニトリル、酢酸ビニル等が挙げられる。
【0011】共重合反応に用いる溶剤としては、水溶
性、もしくは親水性の溶剤であり、例えば、メチルアル
コール、エチルアルコール、n-ブチルアルコール、イソ
ブチルアルコール、n-プロピルアルコール、イソプロピ
ルアルコール、アミルアルコール、イソアミルアルコー
ル、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチ
ルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、
エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレング
リコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、
プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレン
グリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコー
ルモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノ
ブチルエーテル等が挙げられる。これらの溶剤は、1種
単独、または、2種以上混合して用いることが可能であ
る。共重合反応は、例えば70〜130℃の温度で行う
ことができる。
【0012】単量体混合物を共重合して得られた共重合
体は、酸またはアルカリで中和し、水に溶解または分散
し、成分Aとすることができる。なお、ジアルキルアミ
ノ基含有不飽和モノマーを用いて得た共重合体の場合、
ジアルキルアミノ基に対して0.5〜1.5当量の範囲の酸で
中和するのがよい。また、カルボキシル基含有不飽和モ
ノマーを用いて得た共重合体の場合、カルボキシル基に
対して0.5〜1.5当量の範囲のアルカリで中和するのがよ
い。前記酸としては、例えば、炭酸、燐酸、酢酸、蟻
酸、乳酸、酪酸、塩酸等が挙げられる。また、前記アル
カリとしては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウム、アンモニア水、トリエタノールアミン、トリメチ
ルアミン、トリエチルアミン、2-ジメチルアミノ-2-メ
チル-1-プロパノール等が挙げられる。
【0013】(コア部B)本発明におけるコア部Bは、
前記成分Aを保護コロイドとして用い、その存在下、水
を媒体として1種または2種以上の不飽和モノマーをエ
マルジョン重合して得られる。このエマルジョン重合に
より、コア部Bと前記成分Aのシェル部とからなる微粒
子エマルジョンが形成される。コア部Bの形成に用いる
不飽和モノマーは、とくに制限されないが、例えば、炭
素数1〜20の側鎖を持った(メタ)アクリル酸エステル、
スチレン、(メタ)アクリロニトリル、酢酸ビニル等が挙
げられる。なお、エマルジョン重合反応は、例えば70
〜100℃の温度で行うことができる。
【0014】(成分C)本発明に用いられる成分Cは、
イオン性または非イオン性水溶性樹脂であり、これは前
記の成分Aと同じものであることができる。なお、必要
に応じて成分Aと異なるイオン性または非イオン性水溶
性樹脂であってもよい。
【0015】本発明において、成分Aのシェル部とコア
部Bの重量比率は、A:B=10:90〜90:10、好ましくは
A:B=30:70〜70:30であり、成分A+Bの合計100
に対する成分Cの重量比率が10〜100、好ましくは30〜7
0であるのがよい。また、本発明の水性樹脂組成物にお
いて、樹脂固形分は、15〜50重量%であるのがよい。
【0016】なお、成分Aおよび成分Cとしてジアルキ
ルアミノ基含有不飽和モノマーを用いて得た共重合体を
使用する場合、成分Cの添加後さらに、ジアルキルアミ
ノ基に対して0.1〜1.5当量の範囲のエピクロルヒドリン
を20〜100℃で添加するのが好ましい。これにより、ジ
アルキルアミノ基にエピクロルヒドリン由来の塩素基が
反応して4級化し、成分Aおよび成分Cにエポキシ基が
付加され、本発明の水性樹脂組成物の成膜時に架橋反応
が生じ、より基材補強効果、樹脂抗張力が高まり、密着
性、耐水性が向上する。また、4級化により、成分Aお
よび成分Cの親水性が高まり、浸透性が向上する。
【0017】本発明の水性樹脂組成物には、前記で説明
した成分の他、必要に応じて他の反応性アクリレート、
可塑剤、成膜助剤、分散剤、表面調整剤、防腐剤、消泡
剤、防蝕剤等の公知慣用の添加剤を、本発明の目的を損
なわない範囲で便宜選択して添加することが可能であ
る。また、必要に応じて架橋剤を配合して加熱し、架橋
度を高めることもできる。
【0018】前記のようにして得られた本発明の水性樹
脂組成物は、水性1液型として、塗料、プライマー等の
用途に用いることができる。本発明の水性樹脂組成物
は、様々な基材に塗布することができ、例えば基材とし
ては、セメント成形板、ALC板、その他各種外壁等が
挙げられる。
【0019】
【作用】成分Aを保護コロイドとし、その存在下にて不
飽和モノマーをエマルジョン重合してコア部Bを形成す
ることにより、高分子量のコア部Bが成分Aのシェル部
に被覆された、微粒子エマルジョンが形成される。この
微粒子エマルジョンは浸透性が高いことにより、高分子
量のコア部Bが基材表層から内部に広く分布することに
より、基材が強固に補強されると共に、基材表面にも抗
張力の高い皮膜が形成される。また、成分Aのシェル部
およびコア部Bからなる微粒子エマルジョンに、成分C
を添加することにより、水に溶解している成分Cは毛細
管現象により水性媒体とともに基材深く浸透するため、
基材深部から基材を補強し密着性を高めることができ
る。
【0020】
【実施例】以下、本発明を実施例および比較例によって
さらに説明する。なお、例中、部とあるのは重量部を意
味する。 実施例1 (1)温度計、撹拌棒、還流冷却器および摘下ロートを
備えた反応容器に、水4.0部、エタノール2.8部を入れて
加熱、85〜90℃で還流させ、表1に示す成分A滴下混合
物を1.5時間にわたって滴下した。滴下終了1時間後にア
ゾビスイソブチロニトリル1部、エタノール0.8部を加
え、還流下でさらに1時間放置した。撹拌下で蟻酸1.7
部、水57.0部を加え、不揮発分33wt%の成分A水溶液を
得た。 (2)次に、前記(1)と同じ操作にて、表1に示す成
分C滴下混合物を用いて不揮発分33wt%の成分C水溶液
を得た。 (3)温度計、撹拌棒、還流冷却器および摘下ロートを
備えた反応容器に成分A水溶液100部、水50部を入れて7
5〜80℃まで昇温し、表1に示す成分B滴下混合物を1.5
時間にわたって滴下した。重合開始剤としてアゾビス2-
アミジノプロパンジヒドロクロライド0.2部を水2部に溶
解した溶液を滴下スタート時に添加し、さらにアゾビス
2-アミジノプロパンジヒドロクロライド0.2部を水10部
に溶解した溶液を成分B滴下混合物と並行して1.5時間
で滴下した。滴下終了後、成分C水溶液100部を添加
し、さらに80℃で2時間熟成反応を行い、室温に冷却し
て不揮発分33wt%の水性樹脂組成物を得た。
【0021】実施例2 実施例2として、実施例1における成分A、B、Cの滴
下混合物組成を表1に示す組成に変更した。それ以外は
すべて実施例1と同様の操作を行い水性樹脂組成物を得
た。
【0022】実施例3 (1)温度計、撹拌棒、還流冷却器および摘下ロートを
備えた反応容器に、水4.0部、エタノール2.8部を入れて
加熱、85〜90℃で還流させ、表1に示す成分A滴下混合
物を1.5時間にわたって滴下した。滴下終了1時間後にア
ゾビスイソブチロニトリル1部、エタノール0.8部を加
え、還流下でさらに1時間放置した。撹拌下で蟻酸1.7
部、水57.0部を加え、不揮発分33wt%の成分A水溶液を
得た。 (2)次に、前記(1)と同じ操作にて、表1に示す成
分C滴下混合物を用いて不揮発分33wt%の成分C水溶液
を得た。 (3)温度計、撹拌棒、還流冷却器および摘下ロートを
備えた反応容器に成分A水溶液100部、水50部を入れて7
5〜80℃まで昇温し、表1に示す成分B滴下混合物を1.5
時間にわたって滴下した。重合開始剤としてアゾビス2-
アミジノプロパンジヒドロクロライド0.2部を水2部に溶
解した溶液を滴下スタート時に添加し、アゾビス2-アミ
ジノプロパンジヒドロクロライド0.2部を水10部に溶解
した溶液を成分B滴下混合物と並行して1.5時間で滴下
した。滴下終了後、成分C水溶液100部を添加し、さら
に80℃でエピクロルヒドリン5.3部を添加した。2時間
熟成反応を行い、室温に冷却して水11部を添加し、不揮
発分33wt%の水性樹脂組成物を得た。
【0023】実施例4 実施例4として、実施例1における成分A、B、Cの滴
下混合物組成を表1に示す組成に変更した。また、蟻酸
をトリエチルアミン4.5部に変更した。それ以外はすべ
て実施例1と同様の操作を行い水性樹脂組成物を得た。
【0024】比較例1 (1)温度計、撹拌棒、還流冷却器および摘下ロートを
備えた反応容器に、水4.0部、エタノール2.8部を入れて
加熱、85〜90℃で還流させ、表1に示す成分A滴下混合
物を1.5時間にわたって滴下した。滴下終了1時間後にア
ゾビスイソブチロニトリル1部、エタノール0.8部を加
え、還流下でさらに1時間放置した。撹拌下で蟻酸1.7
部、水57.0部を加え、不揮発分3wt%の成分A水溶液を
得た。 (2)温度計、撹拌棒、還流冷却器および摘下ロートを
備えた反応容器に成分A水溶液100部、水50部を入れて7
5〜80℃まで昇温し、表1に示す成分B滴下混合物を1.5
時間にわたって滴下した。重合開始剤としてアゾビス2-
アミジノプロパンジヒドロクロライド0.2部を水2部に溶
解した溶液を滴下スタート時に添加し、アゾビス2-アミ
ジノプロパンジヒドロクロライド0.2部を水10部に溶解
した溶液を成分B滴下混合物と並行して1.5時間で滴下
した。滴下終了後、80℃でエピクロルヒドリン2.7部を
添加した。2時間熟成反応を行い、室温に冷却して水5.
5部を添加し、不揮発分33wt%の水性樹脂組成物を得
た。
【0025】比較例2 温度計、撹拌棒、還流冷却器および摘下ロートを備えた
反応容器に、水4.0部、エタノール2.8部を入れて加熱、
85〜90℃で還流させ、表1に示す成分A滴下混合物を1.5
時間にわたって滴下した。滴下終了1時間後にアゾビス
イソブチロニトリル1部、エタノール0.8部を加え、還流
下でさらに1時間放置した。撹拌下で蟻酸1.7部、水57.0
部を加え、水溶液化した。さらに80℃でエピクロルヒド
リン2.7部を添加し、2時間熟成反応を行った。室温に
冷却して水5.5部を添加し、不揮発分33wt%の水性樹脂
組成物を得た。
【0026】比較例3 (1)温度計、撹拌棒、還流冷却器および摘下ロートを
備えた反応容器に、水4.0部、エタノール2.8部を入れて
加熱、85〜90℃で還流させ、表1に示す成分A滴下混合
物を1.5時間にわたって滴下した。滴下終了1時間後にア
ゾビスイソブチロニトリル1部、エタノール0.8部を加
え、還流下でさらに1時間放置し、成分A溶液を得た。 (2)温度計、撹拌棒、還流冷却器および摘下ロートを
備えた反応容器に、水4.0部、エタノール2.8部を入れて
加熱、85〜90℃で還流させ、表1に示す成分B滴下混合
物を1.5時間にわたって滴下した。滴下終了1時間後にア
ゾビスイソブチロニトリル1部、エタノール0.8部を加
え、還流下でさらに1時間放置し、成分B溶液を得た。 (3)温度計、撹拌棒、還流冷却器および摘下ロートを
備えた反応容器に、水4.0部、エタノール2.8部を入れて
加熱、85〜90℃で還流させ、表1に示す成分A滴下混合
物を1.5時間にわたって滴下した。滴下終了1時間後にア
ゾビスイソブチロニトリル1部、エタノール0.8部を加
え、還流下でさらに1時間放置した。撹拌下で蟻酸1.7
部、水57.0部を加え、不揮発分33wt%の成分C水溶液を
得た。 (4)温度計、撹拌棒、還流冷却器および摘下ロートを
備えた反応容器に、成分A溶液41.3部、成分B溶液40.1
部を入れて80℃に加熱し、撹拌下で蟻酸1.7部、水107.0
部を加えて水溶液化した。さらに成分C水溶液100部、
エピクロルヒドリン5.3部を添加し、80℃で2時間熟成
反応を行った。室温に冷却して水14.3部を添加し、不揮
発分33wt%の水性樹脂組成物を得た。
【0027】参考例1 参考例1として、市販の溶剤系1液エポキシ型プライマー
であるエスケー化研社製のミラクシーラーESを用い試験
した。
【0028】
【表1】
【0029】実施例1〜4、比較例1〜3および参考例
1にて以下の試験を行った。実施例1〜4、比較例1〜
3および参考例1で得られた各組成物を、スレート板に
100g/m2塗布し、4時間常温乾燥後、上塗りとしてグロ
ス塗料を2コートで150g/m2塗布するか、あるいは弾性
塗料を2mm厚で塗布した。24時間養生後、常態密着性試
験を行った。また1週間常温で養生した後、下記の耐水
性試験等による2次密着性を行い密着性を評価した。耐
水性試験は、塗装板を常温の水に1週間浸漬した。耐凍
害性試験は、塗装板を−20℃2時間気中凍結、20℃1時間
水中融解を1サイクルとしたサイクル試験を50サイクル
行った。結果を表2に示す。
【0030】実施例1〜4、比較例1〜3および参考例
1で得られた各組成物を、表2に示す旧塗膜に75g/m2
塗布し、4時間常温乾燥後、上塗りとしてグロス塗料を2
コートで150g/m2塗布した。24時間養生後、常態密着性
試験を行った。また1週間常温で養生した後、上記の耐
水性試験を行い密着性を評価した。結果を表2に示す。
【0031】実施例1〜4、比較例1〜3および参考例
1で得られた各組成物をモルタル板に100g/m2塗布し、
4時間常温乾燥後、複層弾性塗料を2mm厚で塗布、上塗り
としてグロス塗料を2コートで150g/m2塗布した。2週間
常温で養生した後、耐温冷繰り返し試験を行い密着性を
評価した。耐温冷繰り返し性試験は、塗装板を20℃18時
間水中浸漬、−20℃3時間気中凍結、50℃3時間気中融解
を1サイクルとしたサイクル試験を10サイクル行った。
結果を表2に示す。
【0032】
【表2】
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、溶剤型塗料と同等の高
い浸透性、弾性塗料密着性、旧塗膜密着性、耐水性、耐
温冷繰り返し性を具備する水性樹脂組成物が得られ、該
組成物は、例えば無公害のプライマー水性樹脂組成物と
して有用である。
フロントページの続き (72)発明者 山口 恭弘 兵庫県宍粟郡山崎町段277 (72)発明者 武内 英夫 兵庫県龍野市龍野町日山16 Fターム(参考) 4J011 AA05 KA15 KA29 4J038 CC022 CF022 CG142 CG162 CH032 CH042 CP021 CP031 GA06 GA08 GA09 MA03 MA08 MA10 NA04 NA12 NA14 PB05 PC04

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イオン性または非イオン性水溶性樹脂A
    を保護コロイドとして用い、前記成分Aの存在下、水を
    媒体として1種または2種以上の不飽和モノマーをエマ
    ルジョン重合し、得られた重合体のコア部Bと前記成分
    Aのシェル部とからなる微粒子エマルジョンを形成し、
    さらに、イオン性または非イオン性水溶性樹脂Cを添加
    することを特徴とする水性樹脂組成物の製造方法。
  2. 【請求項2】 成分Aのシェル部とコア部Bの重量比率
    が、A:B=10:90〜90:10であり、成分A+Bの合計1
    00に対する成分Cの重量比率が10〜100である請求項
    1に記載の水性樹脂組成物の製造方法。
  3. 【請求項3】 成分Aおよび成分Cが、ジアルキルアミ
    ノ基含有不飽和モノマー5〜50重量%およびその他の不
    飽和モノマーからなる単量体混合物を共重合してなる共
    重合体を、ジアルキルアミノ基に対して0.5〜1.5当量の
    範囲の酸で中和して水に溶解または分散した水溶性樹脂
    である請求項1または2に記載の水性樹脂組成物の製造
    方法。
  4. 【請求項4】 成分Cの添加後さらに、ジアルキルアミ
    ノ基に対して0.1〜1.5当量の範囲のエピクロルヒドリン
    を20〜100℃で添加する請求項3に記載の水性樹脂組成
    物の製造方法。
  5. 【請求項5】 成分Aが、カルボキシル基含有不飽和モ
    ノマー3〜40重量%およびその他の不飽和モノマーより
    なる単量体混合物を共重合してなる共重合体を、カルボ
    キシル基に対して0.5〜1.5当量の範囲のアルカリで中和
    して水に溶解または分散した水溶性樹脂である請求項1
    または2に記載の水性樹脂組成物の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれか1項に記載
    の製造方法により得られた、水性樹脂組成物。
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