JPH08320561A - フレキソ版材用感光性樹脂組成物 - Google Patents

フレキソ版材用感光性樹脂組成物

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JPH08320561A
JPH08320561A JP12494395A JP12494395A JPH08320561A JP H08320561 A JPH08320561 A JP H08320561A JP 12494395 A JP12494395 A JP 12494395A JP 12494395 A JP12494395 A JP 12494395A JP H08320561 A JPH08320561 A JP H08320561A
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JP
Japan
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photosensitive resin
mol
resin composition
copolymer
monomer
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Application number
JP12494395A
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English (en)
Inventor
Koichi Ueda
浩一 上田
Tadahiro Kakiuchi
忠弘 垣内
Kazunori Kanda
和典 神田
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Nippon Paint Co Ltd
Original Assignee
Nippon Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 版の製造時における混練が容易で、水現像性
に優れ、機械的強度が向上したフレキソ印刷用感光性樹
脂組成物を提供する。 【構成】 (A)親水性架橋粒子共重合体、(B)熱可塑性ブ
ロック共重合体、(C)塩基性窒素原子含有化合物、(D)光
重合性不飽和単量体、および(E)光重合開始剤からな
り、せん断速度10-1〜104sec-1領域において、0.1<ηA
/ηB<5、かつηA>104ポイズであって、(i)式: 【数1】 (式中、ηAは任意せん断速度における110℃での架橋粒
子共重合体フロー粘度を表し、ηBはηAと同せん断速度
における110℃での熱可塑性ブロック共重合体フロー粘
度を表し、φAは架橋粒子共重合体の体積分率を表し、
φBは熱可塑性ブロック共重合体の体積分率を表す)を
満たすことを特徴とする水現像性感光性樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水現像性を有する感光
性樹脂組成物、特に特定の親水性架橋粒子共重合体
(A)および熱可塑性ブロック共重合体(B)を特定の
組み合わせ条件で含む、版の製造時における混練が容易
で、水現像性に優れたフレキソ印刷用感光性樹脂組成物
およびその製法に関する。
【0002】
【従来の技術】本明細書中において「印刷版」とは露光
し現像した後のレリーフを有する版材を意味し、「樹脂
板」とは露光・現像前のいわゆる生板を意味する。
【0003】フレキソ印刷用印刷版の製法における感光
性樹脂板は好ましくは、扱いの容易性、労働者の健康、
安全性および環境汚染の観点から紫外線に露光された
後、所望のレリーフを得るためには有機溶剤よりも水で
現像し得ることが好ましい。一方、感光性樹脂板から得
られるレリーフ印刷版でフレキソ印刷する場合に使用さ
れるインクは、水性インクやアルコール性インクが一般
的である。従って、露光現像後得られたレリーフは、前
記インクの溶剤に対して化学的に耐性を有することが要
求される。更に、それらの印刷版の特性として、印刷前
後で変化のないことが望まれている。
【0004】このような特性を満足するものとして、本
発明者等は既に(i)3次元架橋ポリマー、(ii)組成中に
共役ジエンユニットを有する共重合体、(iii)塩基性窒
素含有化合物、(iv)光重合性単量体および(v)光重合開
始剤を基本として含有する感光性樹脂組成物を提案し、
特許を得た(特公平5-6178号公報)。この感光性樹脂組
成物は、優れた特性を発揮し、印刷業界において高い評
価を受けている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、上記提
案の感光性樹脂組成物を更に検討を進めている際に、樹
脂組成物の混練に手間がかかる場合があり、もし混練が
不充分のままで樹脂板を作成すると、水現像性も良好で
ない場合があることを発見した。もちろん、手間をかけ
て混練を充分に行えば、その優れた性能を発現するので
あるが、容易かつ短時間で有用な感光性樹脂組成物を得
るべく検討を重ねた。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を検討した結
果、3次元架橋ポリマー(i)と組成中に共役ジエンユニ
ットを有する共重合体(ii)との樹脂粘度比と体積比をコ
ントロールすることにより、混練が容易になることを見
出し、本発明を成すに至った。
【0007】即ち、本発明は、(A)脂肪族共役ジエン
単量体10〜95モル%、 カルボキシル基、水酸基、スルホン酸基、リン酸基か
らなる群より選ばれる官能基を1種類以上有する単量体
0.1〜30モル%、 脂肪族共役ジエン単量体を除く、2個以上の付加重
合可能な基を有する単量体0.1〜20モル%、および その他の共重合可能な単量体0〜70モル% からなり、但し+++=100モル%である単量
体混合物を重合することにより得られる親水性架橋粒子
共重合体、 (B)20℃以上のガラス転移点を有する熱可塑性非エラス
トマー状ブロックXを1〜40モル%、および10℃以下の
ガラス転移点を有するエラストマーYを60〜99モル%含
有し、X-Y-X型、あるいはX-Y型の構造を有する熱
可塑性ブロック共重合体、 (C)塩基性窒素原子含有化合物、 (D)光重合性不飽和単量体、および (E)光重合開始剤 からなり、せん断速度10-1〜104sec-1の領域において、
0.1<ηA/ηB<5、かつηA>104ポイズであって、
式:
【数3】 (式中、ηAは任意せん断速度における110℃での架橋粒
子共重合体フロー粘度を表し、ηBはηAと同せん断速度
における110℃での熱可塑性ブロック共重合体フロー粘
度を表し、φAは架橋粒子共重合体の体積分率を表し、
φBは熱可塑性ブロック共重合体の体積分率を表す)を
満たすことを特徴とする水現像性感光性樹脂組成物およ
びその製法を提供する。
【0008】親水性架橋粒子共重合体(A)を構成する単
量体は、脂肪族共役ジエン単量体であり、例えば1,3-
ブタジエン、イソプレン、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエ
ン、クロロプレン等が挙げられる。脂肪族共役ジエン単
量体は、好ましくは炭素数4〜6、より好ましくは4〜
5を有する。「共役ジエン単量体」とは、−C=C−C
=C−結合を有する単量体であって、二重結合を2個有
しているものの、通常の重合条件下では、二重結合が1
個であるように働く単量体である。後述する2個以上の
付加重合可能な基を有する単量体は、重合時に全ての
付加重合可能な基が重合反応に寄与するので、単量体
とは相違する。
【0009】単量体の架橋粒子共重合体(A)における
含有量は、10〜95モル%であって、好ましくは30〜90モ
ル%である。成分の含有量が10モル%未満では、光硬
化した後の組成物重合体の強度が低い。また、95モル%
より多いと、感光性樹脂組成物の水現像性が劣る。
【0010】共重合体(A)を構成する単量体は、カル
ボキシル基、水酸基、スルホン酸基、リン酸基からなる
群より選ばれる官能基を1種類以上有する単量体であ
る。
【0011】カルボキシル基含有単量体としては、例え
ば(メタ)アクリル酸、クロトン酸、ケイヒ酸等の不飽
和モノカルボン酸類;(無水)マレイン酸、フマル酸、
(無水)イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸等の不
飽和ポリカルボン酸(無水物)類;前記不飽和ポリカル
ボン酸の遊離カルボキシル基含有エステル類;前記不飽
和ポリカルボン酸の遊離カルボキシル基含有ニトリル
類;前記不飽和ポリカルボン酸の遊離カルボキシル基含
有アミド類が挙げられる。
【0012】更に、下記一般式(I)で表される単量
体:
【化3】 (式中、R1は水素原子またはメチル基、R2は炭素数3
〜20のアルキレン基、好ましくは3〜10のアルキレ
ン基(例えばプロピレン基、ブチレン基等)を表し、l
は1〜20、好ましくは1〜10の整数を表す)を用い
てもよい。
【0013】一般式(I)で表される化合物の具体例と
しては、下記の化合物を挙げることができる:CH2
CHCOO−C36COOH、CH2=CHCOO−C4
8COOH、CH2=CHCOO−C510COOH、
CH2=CHCOO−(C36COO)2−H、CH2
CHCOO−(C48COO)2−H、CH2=CHCO
O−(C510COO)2−H、CH2=CHCOO−
(C510COO)3−H、CH2=CHCOO−(C5
10COO)4−H、CH2=CHCOO−(C510CO
O)5−H、CH2=C(CH3)COO−C36COO
H、CH2=C(CH3)COO−C48COOH、CH
2=C(CH3)COO−C510COOH、CH2=C
(CH3)COO−(C36COO)2−H、CH2=C
(CH3)COO−(C48COO)2−H、CH2=C
(CH3)COO−(C510COO)2−H、CH2=C
(CH3)COO−(C510COO)3−H、CH2=C
(CH3)COO−(C510COO)4−H、CH2=C
(CH3)COO−(C510COO)5−H。
【0014】水酸基含有単量体としては、例えば2-ヒド
ロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロ
ピル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート、3-クロロ-2-ヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)ア
クリレート、3-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレー
ト、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセ
ロールモノ(メタ)アクリレート、ポリアルキレングリ
コールモノ(メタ)アクリレート(ポリアルキレングリ
コール単位数は例えば2〜12)等の多価アルコールの
モノ(メタ)アクリレート類;N−ヒドロキシメチル
(メタ)アクリルアミド、N−2−ヒドロキシエチル
(メタ)アクリルアミド、N−2−ヒドロキシプロピル
(メタ)アクリルアミド、N−3−ヒドロキシプロピル
(メタ)アクリルアミド等の水酸基含有不飽和アミド
類;(メタ)アリルアルコール等の不飽和アルコール類
等を挙げることができる。
【0015】これらの水酸基含有単量体の内、2-ヒドロ
キシエチル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピ
ル(メタ)アクリレート等が好ましい。
【0016】スルホン酸基含有単量体としては、ビニル
スルホン酸基、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンス
ルホン酸等を挙げることができる。
【0017】リン酸基含有単量体としては、モノ(2-
(メタ)アクリロイロキシエチル)アシッドホスフェー
ト等を挙げることができる。
【0018】上記単量体は、目的に応じて、単独また
は2種類以上混合して用いてもよい。単量体成分の架
橋粒子共重合体における含有量は、0.1〜30モル%、好
ましくは0.5〜20モル%である。成分の含有量が0.1モ
ル%より少ないと得られる感光性樹脂組成物の水現像性
が乏しくなり、30モル%より多いと得られる組成物が硬
く脆くなり、いずれも好ましくない。
【0019】共重合体(A)を構成する単量体は、上記
脂肪族共役ジエン単量体以外の2個以上の付加重合可
能な基を有する単量体である。この単量体の存在によ
り、共重合体に3次元架橋が起こる。そのようなものの
具体例としては、ポリオールの(メタ)アクリル酸との
エステル、例えばエチレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレー
ト、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレー
ト、プロピレングリコールジメタクリレート、プロピレ
ングリコールジアクリレート、ジビニルベンゼン、トリ
ビニルベンゼン、ペンタエリスリトールトリ(メタ)ア
クリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アク
リレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレー
ト、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート等が
挙げられる。これらの多官能重合性単量体は単独あるい
は2種以上混合して用いることができる。
【0020】単量体成分の含有量は、0.1〜20モル%
で、好ましくは0.5〜10モル%である。成分の含有量
が0.1モル%未満では組成物の水現像性が劣る。また、2
0モル%より多いと粒子状重合体と光重合性単量体との
相溶性が悪く、加工性が悪化する。また光硬化した後の
組成物重合体の強度低下が著しい。
【0021】共重合体(A)を構成する単量体成分は、
上記単量体〜以外であって、かつ1個の付加重合可
能な基を有する化合物であれば特に限定されるものでは
ない。具体例としては、スチレン;α-メチルスチレ
ン;ビニルトルエン;アクリロニトリル、ビニルクロリ
ド、ビニリデンクロリド、(メタ)アクリルアミド、メ
チル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレー
ト、n-プロピル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシ
ル(メタ)アクリレート;(メタ)アクリル酸、クロト
ン酸、ケイ皮酸などの不飽和(モノ)カルボン酸類;
(無水)マレイン酸、フマル酸、(無水)イタコン酸、
シトラコン酸、メサコン酸等の不飽和ポリカルボン酸
(無水物)類;前記不飽和ポリカルボン酸のモノメチル
エステル、モノエチルエステル、モノプロピルエステ
ル、モノヘキシルエステル、モノオクチルエステル、ジ
メチルエステル、ジエチルエステル、ジプロピルエステ
ル、ジブチルエステル等の遊離カルボキシル基含有エス
テル類;前記不飽和ポリカルボン酸のモノニトリル等の
遊離カルボキシル基含有ニトリル類、フタル酸、コハク
酸、アジピン酸等の非重合性多価カルボキシル基含有ニ
トリル類、フタル酸、コハク酸、アジピン酸等の非重合
性多価カルボン酸とアリルアルコール、2-ヒドロキシエ
チル(メタ)アクリレート等の水酸基含有不飽和化合物
とのモノエステル等の遊離カルボキシル基含有エステル
類等を挙げることができる。
【0022】共重合体(A)は、ラジカル開始剤を用いた
乳化重合法あるいは懸濁重合法により粒子状共重合体と
して製造され得る。粒子の大きさ、粒子サイズの均一性
の面から、乳化重合法を用いることが望ましい。各単量
体やラジカル開始剤などの重合薬剤は、反応開始時に全
量添加してもよく、反応開始後に任意に分けて添加して
もよい。重合は、0〜80℃において酸素を除去した反応
器中で行われるが、反応途中で温度や撹拌などの操作条
件を任意に変更してもよい。重合方式は連続式、回分式
のいずれでもよい。
【0023】ラジカル開始剤としては、ベンゾインペル
オキシド、クメンハイドロペルオキシド、パラメンタン
ハイドロペルオキシド、ラウロイルペルオキシドなどの
有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトニルで代表され
るジアゾ化合物、過硫酸カリウムで代表される無機化合
物、有機化合物−硫酸鉄の組み合わせで代表されるレド
ックス系触媒等が用いられる。
【0024】熱可塑性ブロック状共重合体(B)は、主と
してハードセグメントおよびソフトセグメントからな
り、ハードセグメントが20℃以上のガラス転移点を有す
る熱可塑性非エラストマー状共重合体ブロックであり、
ソフトセグメントが10℃以下のガラス転移点を有するエ
ラストマー状重合体からなるブロック状共重合体である
ことを特徴とする。
【0025】ブロック状共重合体を構成するハードセグ
メントは、20℃以上のガラス転移点を有する熱可塑性非
エラストマー状重合体ブロックであることを特徴とす
る。該重合体ブロックを主として構成する単量体成分の
好ましい例として、ビニル芳香族化合物が挙げられる。
具体的には、スチレン、t-ブチルスチレン、α-メチル
スチレン、p-メチルスチレン、ジビニルベンゼン、1,1-
ジフェニルスチレン、N,N-ジメチル-p-アミノエチルス
チレン、N,N-ジエチル-p-アミノエチルスチレン、ビニ
ルピリジン等が挙げられ、特にスチレン、α-メチルス
チレンが好ましい。ブロック状共重合体を構成するハー
ドセグメントは、必要に応じ、上述のガラス転移点領域
の範囲内で上記ビニル芳香族化合物と共役ジエン化合物
やその他の共重合可能な単量体成分との共重合を行うこ
とによっても得ることができる。
【0026】また、ブロック状共重合体を構成するソフ
トセグメントは、10℃以下のガラス転移点を有するエラ
ストマー状重合体ブロックであることを特徴とする。該
重合体ブロックを主として構成する単量体成分の好まし
い例として、共役ジエン化合物が挙げられる。具体的に
は、1.3-ブタジエン、イソプレン、2,3-ジメチル-1,3-
ブタジエン、1,3-ペンタジエン、2-メチル-1,3-ペンタ
ジエン、1,3-ヘキサジエン、4,5-ジエチル-1,3-オクタ
ジエン、3-ブチル-1,3-オクタジエン、クロロプレン等
が挙げられるが、工業的に利用可能で、また物性の優れ
た重合体ブロックを得るには、1,3-ブタジエン、イソプ
レン、1,3-ペンタジエンが好ましく、より好ましくは、
1,3-ブタジエン、イソプレンである。ブロック状共重合
体を構成するソフトセグメントは、必要に応じ、上述の
ガラス転移点領域の範囲内で、上記共役ジエン化合物と
ビニル芳香族化合物やその他共重合可能な単量体成分と
の共重合を行うことによっても得られ得る。
【0027】塩基性窒素原子含有化合物(C)は、好まし
くは第三級塩基性窒素原子とビニル基を含む化合物であ
る。一般に、窒素原子含有化合物は以下の式:
【0028】
【化4】
【0029】
【化5】
【0030】で表され得る。好ましい化合物は、式(II
I)においてYがHである場合を除く、上記式(II)ま
たは(III)で表される化合物である。そのような化合
物の内、好適なものの例としては、N,N-ジメチルアミノ
エチル(メタ)アクリレート、N,N-ジメチルアミノプロ
ピル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチルアミノエチ
ル-N'-(メタ)アクリロイルカーバメイト、N,N-ジエチ
ルアミノエトキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げ
られる。また、N,N-ジメチルアミノエトキシエタノー
ル、N,N-ジエチルアミノエトキシエタノールも好適に用
いられる。これらは混合物として用いてもよい。他の光
重合性ではないアミン化合物、例えば2-N-モルホリエタ
ノールおよび2-ピペリジノエタノールを上記化合物(I
I)(III)と組み合わせて用いてもよいし、沸点が50℃
以上のモノアミン、ジアミン、トリアミン化合物も用い
られる。
【0031】光重合性不飽和単量体(D)としては、エチ
レン系不飽和モノマーが用いられる。光重合性エチレン
系不飽和モノマーは、印刷板に対してより高い耐水性を
付与するものである。そのようなモノマーとしては、エ
チレン系不飽和基を有する化合物が挙げられ、好ましく
は多官能性モノマーを含む。尚、本発明の樹脂系におい
て多官能性モノマーの使用は印刷板に耐水性を付与する
が、樹脂板の水に対する現像性を妨げない。モノマーと
しては、例えばコア/シェル3次元化架橋ポリマー粒子
の合成の際に用いた前記のモノマー、樹脂系と相溶性の
良好な多官能性モノマー(例えば下記の具体例中のも
の、あるいは米国特許第3,801,328号に記載のもの)を
用いてもよい。
【0032】モノマーの具体例としては、不飽和カルボ
ン酸エステル(例えばn-ブチル(メタ)アクリレート、
2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メ
タ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、
ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メ
トキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレー
ト、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、
フェノキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリ
レート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエ
チレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、メトキシポリエ
チレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピ
レンジ(メタ)アクリレート、ジアリルイタコネート、
グリセロールジ(メタ)アクリレート、グリセロールト
リ(メタ)アクリレート、1,3-プロピレングリコールジ
(メタ)アクリレート、1,4-シクロヘキサンジオールジ
(メタ)アクリレート、1,2,4-ブタントリオールトリ
(メタ)アクリレート、グリセロールポリプロピレング
リコールトリ(メタ)アクリレート、1,4-ベンゼンジオ
ールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテ
トラ(メタ)アクリレート、テトラメチレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、1,5-ペンタンジオールジ(メ
タ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)ア
クリレート等)、不飽和アミド(例えば、メチレンビス
(メタ)アクリルアミド、エチレンビス(メタ)アクリ
ルアミド、1,6-ヘキサメチレンビス(メタ)アクリルア
ミド、ジエチレントリアミントリス(メタ)アクリルア
ミド、N-(ヒドロキシメチル)アクリルアミド、N-(ヒ
ドロキシメチル)メタクリルアミド、N-(β-ヒドロキ
シエチル)アクリルアミド、N-(β-ヒドロキシエチ
ル)メタクリルアミド、N,N-ビス(β-ヒドロキシエチ
ル)アクリルアミド、N,N-ビス(β-ヒドロキシエチ
ル)メタクリルアミド等)、ジビニルエステル(例えばジ
ビニルアジペート、ジビニルフタレート等)、アクリル化
またはメタクリル化ウレタン(これらは、例えばヒドロ
キシアルキルアクリレートまたはヒドロキシアルキルメ
タクリレートとイソシアネート化合物から誘導され
る)、ジアクリルまたはジメタクリルエステル、または
芳香族化合物とポリアルコール(例えばビスフェノール
またはノボラック化合物とから誘導されるジエポキシポ
リエーテル)、更にポリエステルモノ/ジ(メタ)アク
リレート、ポリエーテルモノ/ジ(メタ)アクリレート
等も挙げられる。これらの化合物の1種またはそれ以上
が用いられ、一般に水溶性或は水分散性のモノマーが好
ましい。
【0033】光重合性開始剤(E)の例としては、ベンゾ
インエーテル類(例えばベンゾインイソプロピルエーテ
ル、ベンゾインイソブチルエーテル)、ベンゾフェノン
類(例えば、ベンゾフェノン、メチル-o-ベンゾインベ
ンゾエート、4,4'-ビス(ジメチルアミノ)-ベンゾフェ
ノン)、キサントン類(例えば、キサントン、チオキサ
ントン、2-クロロチオキサントン)、アセトフェノン
(例えばアセトフェノン、トリクロロアセトフェノン、
2,2-ジエトキシアセトフェノン、2,2-ジメトキシ-2-フ
ェニルアセトフェノン)、ベンジル、2-エチルアントラ
キノン、メチルベンゾイルホルメート、2-ヒドロキシ-2
-メチルプロピオンフェノン、2-ヒドロキシ-2-メチル-
4'-イソプロピル-イソプロピオフェノン、1-ヒドロキシ
シクロヘキシルフェニルケトン等が挙げられる。これら
は単独または組み合わせて使用してもよい。
【0034】本発明の感光性樹脂組成物には、また必要
により常套の添加剤、例えば溶媒なしの全感光性樹脂組
成物の重量基準で、0.001%〜2.0%の熱付加重合禁止剤
を含有させることができる。適当な禁止剤としては、例
えば、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテ
ル、モノ-t-ブチルヒドロキノン、カテコール、p-t-ブ
チルカテコール、2,6-ジ-t-ブチル-p-クレゾール、ベン
ゾキノン、2,5-ジフェニル-p-ベンゾキノン、p-メトキ
シフェノール、第3級ブチルピロカテコール、ピロガロ
ール、β-ナフトール、2,6-ジ第3級ブチル-p-クレゾー
ル、フェノチアジン、ピリジン、ニトロベンゼン、ジニ
トロベンゼン、英国特許第1,453,681号に記載のニトロ
ソ二量体禁止剤、および米国特許第4,168,981号に開示
のビス(置換アミノ)サルファイドが挙げられる。その
他の有用な禁止剤としては、p-トルキノン、クロラニル
およびチアジン染料、例えば、チオニンブルーG(CI
52025)、メチレンブルーB(CI 5201
5)およびトルイジンブルー(CI 52040)が挙
げられる。そのような組成物は禁止剤を除去することな
しに光重合させることができる。好ましい禁止剤は、2,
6-ジ第3級ブチル-4-メチルフェノールおよびp-メトキ
シフェノールである。
【0035】本発明の感光性樹脂組成物には更に、酸素
およびオゾン等による重合阻害を防ぐために、適当量の
周知の相溶性の良い酸化防止剤および/またはオゾン化
防止剤を混入させることによって改善することができ
る。本発明に有用な酸化防止剤としては、アルキル化フ
ェノール(例えば、2,6-ジ第3級ブチル-4-メチルフェ
ノール)、アルキル化ビスフェノール(例えば、2,2-メ
チレンビス(4-メチル-6-第3級ブチルフェノー
ル))、1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリス-(3,5-ジ第3
級ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ベンゼン、2-4-ヒド
ロキシ-3,5-ジ第3級ブチルアニリノ-4,6-ビス(n-オク
チルチオ)-1,3,5-トリアジン、重合トリメチルジヒド
ロキノンおよびジラウリルチオジプロピオネートが挙げ
られる。本発明に有用なオゾン化防止剤としては、微晶
質ワックスおよびパラフィンワックス、ジブチルチオ尿
素、1,1,3,3-テトラメチル-2-チオ尿素、「アンチオゾ
ナント」AFD(ナフトン社製品)、ノルボルネン、
(例えばジ-5-ノルボルネン-2-メチルアジペート、ジ-5
-ノルボルネン-2-メチルマレアート、ジ-5-ノルボルネ
ン-2-メチルテレフタレート)、「オゾンプロテクタ
ー」80(ラインホールド・ケミカル社製)、N-フェニ
ル-2-ナフチルアミン、不飽和植物油(例えば、なたね
油、あまに油、サフラワー油)、重合体および樹脂(例
えば、エチレン/ビニルアセテート共重合体樹脂、塩素
化ポリエチレン、クロロスルホン化ポリエチレン、塩素
化エチレン/メタクリル酸共重合体、ポリウレタン、ポ
リペンタジエン、ポリブタジエン、フルフラール誘導樹
脂、エチレン/プロピレン/ジエンゴム、ロジンのジエ
チレングリコールエステルおよびα-メチルスチレン/
ビニルトルエン共重合体)が挙げられる。
【0036】所望により、この感光性樹脂組成物にはま
た、感光性樹脂物質の露光に使用される波長において本
質的に透明な、そして活性線放射を散乱させない非温和
性重合体状または非重合体状有機または無機充填剤また
は補強剤、例えばポリスチレン、内部三次元化微小樹脂
粒子(マイクロジェル)、有機親和性シリカ、ベントナ
イト、シリカ、粉末ガラス、コロイドカーボン並びに種
々のタイプの染料および顔料を含有させることができ
る。そのような物質は弾性体状組成物の所望の性質によ
って種々の量で使用される。充填剤は弾性体層の強度の
改善、タック(粘着性)の減少およびさらに着色剤とし
て有用である。
【0037】この感光性樹脂層にはまた所望により相溶
性の良い可塑剤を使用して、結合剤のガラス転移点を低
下させ、そして選択的現象を容易ならしめることが必要
である。使用し得る一般的可塑剤の中には、マレイン酸
エステル(例えば、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジ
エチル、マレイン酸ジイソプロピル、マレイン酸ジブチ
ル、マレイン酸-ジ-2-エチルヘキシル、マレイン酸ジア
リル、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノブチル、
マレイン酸-モノ-2-エチルヘキシル)、フマル酸エステ
ル(例えば、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、フ
マル酸ジイソプロピル、フマル酸ジブチル、フマル酸ジ
イソブチル、フマル酸-ジ-s-ブチル、フマル酸-ジ-2-エ
チルヘキシル)、イタコン酸エステル(例えば、イタコ
ン酸ジメチル、イタコン酸ジブチル、イタコン酸-ジ-2-
エチルヘキシル、イタコン酸モノメチル、イタコン酸モ
ノブチル)、リン酸エステル(例えば、リン酸トリブチ
ル、リン酸-トリ-2-エチルヘキシル)、脂肪族二塩基酸
エステル(例えばアジピン酸ジブチル、アジピン酸-ジ-
n-ヘキシル、アジピン酸-ジ-2-エチルヘキシル、アゼラ
イン酸-ジ-2-エチルヘキシル、セバシン酸ジブチル、セ
バシン酸-ジ-2-エチルヘキシル)が挙げられる。
【0038】本発明の感光性樹脂組成物は、架橋粒子共
重合体(A)と熱可塑性ブロック共重合体(B)を前混練し
た後、塩基性窒素原子含有化合物(C)、光重合性不飽和
単量体(D)、光重合開始剤(E)の混合物を順次加えて、
混練することによって得られる。
【0039】(A)〜(E)の各成分の配合比率は、架橋粒
子共重合体(A)が10〜90重量%、好ましくは25〜80重量
%、熱可塑性ブロック共重合体(B)が10〜80重量%、好
ましくは15〜70重量%、塩基性窒素原子含有化合物(C)
が1〜30重量%、好ましくは2〜20重量%、光重合性不飽
和単量体(D)が1〜60重量%、好ましくは3〜40重量%、
光重合開始剤(E)が0.01〜10重量%、好ましくは0.05〜
5重量%である。
【0040】架橋粒子共重合体(A)が上記10重量%より
少ない場合には、満足のいく水系現像液での現像性が得
られない。また、90重量%を越えると、感光性樹脂は成
膜性が悪く画像形成後の皮膜強度に悪影響を及ぼす。熱
可塑性ブロック共重合体(B)が10重量%より少ない場合
には、画像形成後の皮膜強度が弱くなり、80重量%を越
えると、水現像性および水現像後得られた印刷版材の画
像品質に悪影響を及ぼす。塩基性窒素原子含有化合物
(C)が1重量%より少ない場合には、水現像性が劣り、3
0重量%を越えると、版材の耐水性が悪くなる。光重合
性不飽和単量体(D)が1重量%より少ない場合には、生
成物は十分に硬化せず、60重量%を越えると、固形版と
しての品質形成に悪影響を及ぼす。光重合開始剤(E)が
0.01重量%より少ないと、十分な感光性が得られず、10
重量%を越えると、水現像後得られた印刷版材の画像品
質に悪影響を及ぼす。本発明の感光性樹脂組成物の調製
は特に限定されず、例えば上記各成分(A)、(B)、
(C)、(D)および(E)を均一混合して得られる。
【0041】混練は、通常、加温下で、例えばロール試
験機、加圧ニーダー、インターミキサー等を用いて、ま
ず成分(A)と成分(B)を十分に混練する。この成分(A)
と成分(B)との混練は、80〜120℃で5〜30分間行う。そ
の後、成分(C)、(D)、(E)と、必要に応じてその他の
添加剤を加えた混合物を前混練物に徐々に加え、60〜12
0℃で、20〜60分間更に混練することによって、本発明
の目的とする感光性樹脂組成物を得る。
【0042】本発明の感光性樹脂組成物は、せん断速度
10-1〜104sec-1の領域において、0.1<ηA/ηB<5、
かつηA>104ポイズであって、式:
【数4】 (式中、ηAは任意せん断速度における110℃での架橋粒
子共重合体フロー粘度を表し、ηBはηAと同せん断速度
における110℃での熱可塑性ブロック共重合体フロー粘
度を表し、φAは架橋粒子共重合体の体積分率を表し、
φBは熱可塑性ブロック共重合体の体積分率を表す)を
満たすことを特徴とする。好ましくはα<1.5であ
る。
【0043】一般に、粘度ηの異なる異種ポリマー
(A)、(B)を体積分率φA、φBで溶融混練する際、(i)
式において、αが約1であれば、両相が連続相となり、
α>1であれば、成分(A)が分散相、成分(B)が連続相
となり、α<1であれば、成分(B)が分散相、成分(A)
が連続相となることが知られている。本発明において
は、そういったポリマーブレンドにおけるモルフォロジ
ーの考え方が適用でき、式(i)を満たす親水性架橋粒子
共重合体(A)と熱可塑性ブロック共重合体(B)との組み
合わせが、驚くべきことに、良好な水現像性と光硬化後
のフレキソ版物性を有する事を見いだした。式(i)とそ
れらの水現像性や版物性との関係について、ミクロ構造
の視点からの解析は十分に行われていないが、この様な
親水性架橋粒子共重合体(A)と熱可塑性ブロック共重合
体(B)を混練し、更にモノマー等の他の(C)〜(E)の成
分を混練する様なポリマーブレンド系においても、従前
のポリマーブレンドの考え方が応用できる。即ち、本発
明においては、(i)式の条件を満たすことにより、架橋
粒子共重合体(A)が連続相、熱可塑性ブロック共重合体
(B)が分散相となり、得られる感光性樹脂組成物は非相
溶系となって、所望の水現像性と版物性を有すると考え
られる。
【0044】本発明で使用する架橋粒子共重合体と熱可
塑性ブロック共重合体の非相溶性のポリマーアロイ系で
は、両者の流動特性(フロー粘度)を制御することによ
って、熱可塑性ブロック共重合体の比率を増大させ、架
橋粒子共重合体の比率を減少させても、水現像が可能と
なり、フレキソ版材に必要な耐溶剤性、耐水性、弾性、
機械的強度の向上が期待できる。
【0045】本発明において使用する架橋粒子共重合体
の最適フロー粘度ηAは、せん断速度10-1〜104sec-1
おいて、104<ηA<107である。
【0046】架橋粒子共重合体の流動性制御因子として
は、架橋粒子共重合体の組成、重合条件、および共重合
体の形態が挙げられる。
【0047】架橋粒子共重合体の組成は、低いガラス転
移点を有する脂肪族共役ジエン系ポリマーと、高いガラ
ス転移点を有するポリマー成分の含有量を制御すること
が重要であり、粒子が破壊されずに粒子界面で滑りなが
ら流れ易い形状に変形して流動状にするためには、脂肪
族共役ジエンの含有量が高いことが望ましい。
【0048】架橋粒子共重合体の重合条件については、
第1に親水性基含有モノマーおよび多官能性モノマー
の分添時期が早いとフロー粘度が上がる。第2に重合
転化率が高くなる程、フロー粘度は上がる。
【0049】架橋粒子共重合体の形態については、まず
粒子表面が架橋された粒子内部とグラフトされると、粒
子が変形しにくくなり、流動性が低下して、フロー粘度
が上がる。また架橋粒子共重合体を塩析する場合、金属
塩量が多いか、または多価金属塩を用いると凝集粒塊を
形成しやすくなり、やはり流動性が低下して、フロー粘
度が上がる。また、結合カルボキシル基量が多いと、粒
子間での水素結合により凝集粒塊を形成しやすくなり、
流動性も低下して、フロー粘度が上がる。
【0050】一方、本発明において使用する熱可塑性ブ
ロック共重合体の最適フロー粘度ηBは、せん断速度10
-1〜104sec-1において、104<ηB<107である。
【0051】熱可塑性ブロック共重合体の流動性制御因
子のとしては、分子量および共役ジエン含量が挙げられ
る。分子量および共役ジエン含量が多い程、フロー粘度
は上昇する。
【0052】本発明の感光性樹脂板の調製において、上
記のような方法によって得られた、成分(A)〜(E)およ
びその他の添加物の均一混合物を含む感光性樹脂組成物
を溶融状態で適当な形(例えばシート状、またはプレー
ト状)に常套の方法、例えば押出成形またはカレンダー
成形により支持物質上に成形して感光性樹脂板を得る。
支持物質としては、プラスチック板、プラスチックシー
ト、金属板および金属シート等が挙げられる。
【0053】フレキソ印刷用印刷版の調製において、上
記のように得られた感光性樹脂組成板は化学光源、例え
ば紫外線、適当な像を有するネガフィルムを介して露光
し、露光部分に光重合を起こさせる潜像を得る。感光性
樹脂組成物の非露光部分を水で洗い流すことにより現像
が行われ、レリーフ層を得る。これを更に乾燥し、紫外
線で露光すると、優れた耐水性、ゴム弾性と機械的強度
を有するフレキソ印刷用印刷版が得られる。そのフレキ
ソ印刷版は、特に商業用フレキソ印刷に好適である。
【0054】
【実施例】以下、実施例で本発明を具体的に説明する。
【0055】評価方法 フロー粘度の測定 フローテスターCFT-500((株)島津製作所製)を用い
て、温度110℃、任意荷重プランジャー断面1cm2、ダイ
直径1mm、長さ1mmの条件でフロー粘度およびせん断速度
を測定した。
【0056】混練性の評価 ロール試験機TM型((株)安田精機製作所製)を用い
て、温度110℃で50分間混練した。得られた樹脂組成物
を、温度90℃、圧力100kg/cm2の条件でヒートプレス
し、透明性、均一性を評価した。
【0057】水現像性の評価 上記混練により得られた感光性樹脂組成物を用いて、ポ
リエステルシート上に厚さ0.7mmの感光性樹脂層を作成
した後、日本電子精機(株)製JOW-A-4P型現像機を用い、
40℃の温水中でブラッシングすることにより感光性樹脂
層が消滅するまでに要する時間を測定し、溶出速度を計
算した。
【0058】実施例1 (架橋粒子共重合体の作製)下記成分を用い、内容積20
リットルのオートクレーブ中、30℃で重合を行った。
【0059】
【表1】 (成分) (重量部) ブタジエン 69 メタクリル酸 9 ジビニルベンゼン 2 メチルメタクリレート 20 過硫酸カリウム 0.27 t-ドデシルメルカプタン 0.6 シアノエチル化ジエタノールアミン 0.15 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 5 水酸化カリウム 0.11 水 250
【0060】重合は、上記成分のうち、メタクリル酸の
仕込み量を6重量部およびジビニルベンゼンの仕込み量
を1部とし、他の成分は全量仕込んで開始し、重合転化
率が60%に達した時点で、メタクリル酸3重量部および
ジビニルベンゼン1重量部を追加して、重合を継続し
た。単量体の合計組成(モル%)は、ブタジエン/メタ
クリル酸/ジビニルベンゼン/メチルメタクリレート=
80/7/1/12であった。
【0061】その後、重合転化率が90%に達した時点
で、全単量体100重量部当たり0.2重量部のヒドロキシル
アミン硫酸塩を添加して、重合を停止させた。次いで、
加温下で水蒸気蒸留を行い、残留単量体を除去して、水
性乳化分散液を得た。その平均粒径は、71nmであった。
得られたラテックスを塩化カルシウムを用いて塩析し、
水洗、乾燥を行うことにより、比重0.98のクラム状のカ
ルボキシル基含有架橋粒子共重合体(A−1)を得た。
せん断速度72sec-1における共重合体(A−1)のフロ
ー粘度を測定したところ、5.0×105ポイズであった。
【0062】(混練)得られた架橋樹脂粒子(A−1)
100重量部に対して、せん断速度72sec-1におけるフロー
粘度が2.2×105ポイズであって、比重0.92であるスチレ
ン-イソプレン-スチレン型熱可塑性ブロック共重合体
(B)(ジェイエスアール・シェルエラストマー(株))43
部を110℃に温度コントロールしたロール試験機にて、
クリアランス1mmの条件で、10分間混練した。その時の
ηA、ηB、φA、φB、およびαの値については、表2に
示した。その後、塩基性窒素原子含有化合物(C)とし
て、N-(2-ジメチルアミノプロピル)メタアクリルアミド
20重量部、光重合性不飽和単量体(D)として、ラウリル
メタアクリレート30重量部および1,6-ヘキサンジオール
ジアクリレート20重量部、光重合開始剤(E)として、2,
2-ジメトキシフェニルアセトフェノン1重量部、保存安
定剤として、t-ブチルカテコール0.5重量部の混合物を
徐々に前混練物に加えて、40分間混練し、本発明の水現
像性感光性樹脂組成物を得た。
【0063】得られた組成物は、混練性、水現像性およ
び反発弾性がともに優れると共に、破断伸びおよび樹脂
版強度が良好であり、優れた特性バランスを有してい
た。
【0064】実施例2 実施例1において得られたラテックスを真空凍結乾燥さ
せ、比重0.98のクラム状のカルボキシル基含有架橋粒子
共重合体(A−2)を得た。共重合体(A−2)のせん
断速度72sec-1におけるフロー粘度を測定したところ、
2.5×105ポイズであった。
【0065】架橋樹脂粒子(A−2)100重量部に対し
て、実施例1で用いた熱可塑性ブロック共重合体(B)を
80重量部用いたこと以外は、実施例1と同様の手順に従
い、水現像性感光性樹脂組成物の製造および評価を行っ
た。
【0066】得られた組成物は、混練性、水現像性およ
び反発弾性がともに優れると共に、破断伸びおよび樹脂
版強度が良好であり、優れた特性バランスを有してい
た。
【0067】実施例3 単量体成分として、ブタジエン/ω-カルボキシジ(ペン
タメチレンカルボキシ)オキシアクリレート/ジビニル
ベンゼン/スチレン=88/5/1/6のモル比で、実施例
1と同様の手順に従って乳化重合を行うことにより粒子
状共重合体(A−3)を調製した点を除けば、実施例2
と同一の成分を用いて、同様の手順に従い、本願組成物
の製造を行った。
【0068】得られた共重合体ラテックスの粒子径を測
定したところ、平均粒子径は73nmであった。また、比重
は0.98、フロー粘度は2.7×105ポイズであった。
【0069】また、得られた感光性樹脂組成物は、水現
像性および反発弾性が共に優れると同時に、破断伸びお
よび樹脂版強度が良好であり、優れた特性バランスを有
していた。
【0070】比較例1 実施例1で得られた架橋樹脂粒子(A−1)100重量部
に対して、せん断速度72sec-1におけるフロー粘度が2.2
×105ポイズであって、比重0.92であるスチレン-イソプ
レン-スチレン型熱可塑性ブロック共重合体(B)(ジェ
イエスアール・シェルエラストマー(株))80重量部を用
いた以外は、実施例1と同様の手順に従い、水現像性感
光性樹脂組成物の製造および評価を行った。
【0071】比較例2 実施例2で得られたラテックスを、硫酸アルミニウムを
用いて塩析し、水洗、乾燥を行うことにより、比重0.98
のクラム状のカルボキシル基含有架橋粒子共重合体(A
−3)を得た。共重合体(A−3)のせん断速度72sec
-1におけるフロー粘度は、6.3×105ポイズであった。架
橋樹脂粒子として、(A−3)を用いたこと以外は、実
施例2と同様の手段に従い、水現像性感光性樹脂組成物
の製造および評価を行った。
【0072】結果を表2にまとめて示す。
【0073】
【表2】
【0074】
【発明の効果】本発明は、水現像性のフレキソ版材を与
える感光性樹脂組成物の構成成分である架橋粒子共重合
体(A)と、熱可塑性ブロック共重合体(B)とを、(i)式
を満たすような条件で用いることにより、(A)の比率を
減少し、(B)の比率を増大させても、水現像が可能であ
り、フレキソ版材に必要な弾性および機械的強度を向上
させ得るという効果を有する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03F 7/033 G03F 7/033

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)脂肪族共役ジエン単量体10〜95モ
    ル%、 カルボキシル基、水酸基、スルホン酸基、リン酸基か
    らなる群より選ばれる官能基を1種類以上有する単量体
    0.1〜30モル%、 脂肪族共役ジエン単量体を除く、2個以上の付加重
    合可能な基を有する単量体0.1〜20モル%、および その他の共重合可能な単量体0〜70モル% からなり、但し+++=100モル%である単量
    体混合物を重合することにより得られる親水性架橋粒子
    共重合体、 (B)20℃以上のガラス転移点を有する熱可塑性非エラス
    トマー状ブロックXを1〜40モル%、および10℃以下の
    ガラス転移点を有するエラストマーYを60〜99モル%含
    有し、X-Y-X型、あるいはX-Y型の構造を有する熱
    可塑性ブロック共重合体、 (C)塩基性窒素原子含有化合物、 (D)光重合性不飽和単量体、および (E)光重合開始剤 からなり、せん断速度10-1〜104sec-1の領域において、
    0.1<ηA/ηB<5、かつηA>104ポイズであって、
    式: 【数1】 (式中、ηAは任意せん断速度における110℃での架橋粒
    子共重合体フロー粘度を表し、ηBはηAと同せん断速度
    における110℃での熱可塑性ブロック共重合体フロー粘
    度を表し、φAは架橋粒子共重合体の体積分率を表し、
    φBは熱可塑性ブロック共重合体の体積分率を表す)を
    満たすことを特徴とする水現像性感光性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 式(i)においてα<1.5である請求項1
    記載の水現像性感光性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 塩基性窒素原子含有化合物(C)が、式: 【化1】 または 【化2】 で表される請求項1記載の水現像性感光性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 支持物質とその上に形成された感光性樹
    脂組成物層とからなり、該感光性樹脂組成物層が請求項
    1記載の水現像性感光性樹脂組成物であるフレキソ印刷
    用樹脂板。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3のいずれかに記載の感光性
    樹脂組成物を溶融混練し、支持物質上に適当な形態に形
    成することを特徴とするフレキソ印刷用樹脂板の製法。
  6. 【請求項6】 請求項4記載のフレキソ印刷用樹脂板を
    画像を有するネガフィルムを通して露光し、次いで非露
    光部分の感光性樹脂組成物を水により除去することを特
    徴とするフレキソ印刷用印刷版の製法。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の製法により得られたフレ
    キソ印刷用印刷版。
  8. 【請求項8】 (A)脂肪族共役ジエン単量体10〜95モ
    ル%、 カルボキシル基、水酸基、スルホン酸基、リン酸基か
    らなる群より選ばれる官能基を1種類以上有する単量体
    0.1〜30モル%、 脂肪族共役ジエン単量体を除く、2個以上の付加重
    合可能な基を有する単量体0.1〜20モル%、および その他の共重合可能な単量体0〜70モル% からなり、但し+++=100モル%である単量
    体混合物を重合することにより得られる親水性架橋粒子
    共重合体、および (B)20℃以上のガラス転移点を有する熱可塑性非エラス
    トマー状ブロックXを1〜40モル%、および10℃以下の
    ガラス転移点を有するエラストマーYを60〜99モル%含
    有し、X-Y-X型、あるいはX-Y型の構造を有する熱
    可塑性ブロック共重合体を前混練した後、 (C)塩基性窒素原子含有化合物、(D)光重合性不飽和単
    量体、および(E)光重合開始剤の混合物を順次加えて混
    練することを特徴とする、水現像性感光性樹脂組成物の
    製法であって、せん断速度10-1〜104sec-1の領域におい
    て、0.1<ηA/ηB<5、かつηA>104ポイズであっ
    て、式: 【数2】 (式中、ηAは任意せん断速度における110℃での架橋粒
    子共重合体フロー粘度を表し、ηBはηAと同せん断速度
    における110℃での熱可塑性ブロック共重合体フロー粘
    度を表し、φAは架橋粒子共重合体の体積分率を表し、
    φBは熱可塑性ブロック共重合体の体積分率を表す)を
    満たすように調整する、水現像性感光性樹脂組成物の製
    法。
  9. 【請求項9】 式(i)においてα<1.5である請求項8
    記載の水現像性感光性樹脂組成物の製法。
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