JP2015007447A - ブレーキキャリパ及びそれを備える鞍乗型車両 - Google Patents

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Abstract

【課題】可及的にコンパクト化できるブレーキキャリパを提供する。【解決手段】キャリパボディ51に形成されるシリンダ室55に収容され作動液の液圧で作動するピストン52と、ピストン52と同軸に配置されるロッド61を有し、ロッド61によりピストン52を押圧することでピストン52を機械的に作動させる機械式作動機構部60とを備え、機械式作動機構部60が、ロッド61の他端部に、その一端部を対向させるとともに回動可能な回動部63を備えるとともに、ロッド61の他端部と回動部63の一端部との間にカム部を設けることでカム機構部64を構成する。そして、回動部63の一端部及び上記カム部がシリンダ室55に晒されるとともに、ロッド61の推進に伴って圧縮されロッド61を推進前の状態に復帰させる圧縮力を蓄えるリターンスプリング80が、ピストン52内に配置される。【選択図】図5

Description

本発明は、ブレーキキャリパ及びそれを備える鞍乗型車両に関する。
駐車中に後輪に制動力を付与することにより、停車状態を維持するようにした所謂パーキングブレーキ機構を備えたブレーキキャリパが特許文献1に開示されている。
この特許文献1に係るブレーキキャリパは、車体側に固定されるキャリパボディにピストンを収容し、通常(走行)時は、液圧でピストンを作動させて制動力を付与する一方、駐車時には、ピストンを機械的に押圧する機械式ブレーキロック機構によって、ピストンを押圧し、この押圧状態を維持することで、停車状態を維持するように構成されている。
特開2004−340166号公報
上記特許文献1に係るブレーキキャリパでは、通常時の制動用のピストンと駐車時の制動用のピストンを共通のものとして、機械式ブレーキロック機構を、ピストンを収容するとともに液圧が供給されるシリンダ室と、ピストンの軸方向で隣接させて構成している。このようなブレーキキャリパを小型である自動二輪車等の鞍乗型車両に搭載する場合には、ブレーキキャリパを極力コンパクトにすることが望まれる。
そこで、本発明は、可及的にコンパクト化できるブレーキキャリパ及びそれを備えた鞍乗型車両を提供することを目的とする。
上記課題の解決手段として、請求項1に記載の発明は、車体側に固定されるキャリパボディ(51)と、前記キャリパボディ(51)に形成されるシリンダ室(55)に収容され、該シリンダ室(55)内に供給される作動液の液圧で作動するピストン(52)と、前記ピストン(52)と同軸に配置されるロッド(61)を有し、該ロッド(61)により前記ピストン(52)を押圧することで該ピストン(52)を機械的に作動させる機械式作動機構部(60)と、前記ピストン(52)の作動に応じて、ブレーキディスク(40)を挟み込んで、該ブレーキディスク(40)に制動力を付与するブレーキパッド(53)と、を備えるブレーキキャリパにおいて、
前記ロッド(61)は、その一端部が前記ピストン(52)に当接する状態で前記シリンダ室(55)内に配置され、
前記機械式作動機構部(60)は、
前記ロッド(61)の他端部に、その一端部を対向させ、その他端部に設けられた操作部(62)の操作に応じて回動可能な回動部(63)を備えるとともに、前記ロッド(61)の他端部と前記回動部(63)の一端部との間にカム部(64A)を設けることでカム機構部(64)を構成し、
前記回動部(63)が初期位置から回動されることで、前記カム機構部(64)により前記ロッド(61)が推進されて前記ピストン(52)が押圧され、
前記回動部(63)の一端部及び前記カム部(64A)が前記シリンダ室(55)に晒されるとともに、前記ロッド(61)の推進に伴って圧縮され該ロッド(61)を推進前の状態に復帰させる圧縮力を蓄えるリターンスプリング(80)が、前記ピストン(52)内に配置されることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のブレーキキャリパにおいて、前記キャリパボディ(51)には、前記シリンダ室(55)と外部とを連通させる貫通孔(70)が前記ピストン(52)と同軸に形成され、前記貫通孔(70)の内周面、又は前記貫通孔(70)に回動不能に嵌合されるとともに前記回動部(63)を挿通させる環状の固定部材(130)の内周面には、径方向内側に張り出す支持段部(70C,130C)が形成され、前記回動部(63)は、前記支持段部(70C,130C)に回動可能に支持され、前記貫通孔(70)の内周面又は前記固定部材(130)の内周面と、前記回動部(63)との間には、前記支持段部(70C,130)に隣接した状態でシール部材(104)が配置されることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のブレーキキャリパにおいて、少なくとも前記回動部(63)が初期位置である状態において、前記回動部(63)の一端部及び前記カム部(64A)が、前記ピストン(52)軸方向で、前記ピストン(52)の端部から離間して配置されることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載のブレーキキャリパにおいて、前記ピストン(52)は、底壁部(52A)及び周壁部(52B)を有する有底筒状に形成され、前記周壁部(52B)には径方向内側に張り出すピストン内段部(51X)が形成され、前記ロッド(61)は、前記ピストン(52)における前記周壁部(52B)の径方向内側に配置され、前記リターンスプリング(80)の一部又は全部が、前記シリンダ室(55)内における前記ロッド(61)の前記ピストン(52)径方向外側の位置であって、前記ピストン内段部(51X)に前記ピストン(52)軸方向で対向する位置に配置され、前記リターンスプリング(80)は、一端を前記ロッド(61)における前記カム機構部(64)側の部位に当接するとともに、他端を前記キャリパボディ(51)側から前記ピストン(52)における前記周壁部(52B)内に延びる延出部(81)に当接した状態で支持されることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のブレーキキャリパにおいて、前記ロッド(61)の径方向外側に配置され、前記ピストン(52)軸方向に延びるガイドロッド(76)が、前記ピストン(52)周方向に間隔を空けて少なくとも2つ以上配置され、前記ガイドロッド(76)は、前記シリンダ室(55)内であって、前記ピストン内段部(51X)に前記ピストン(52)軸方向で対向する位置に配置され、前記ガイドロッド(76)は、前記ロッド(61)の外周面に係合して、前記ロッド(61)の前記ピストン(52)軸方向への移動をガイドするとともに、前記ロッド(61)の前記ピストン(52)径方向及び周方向における移動を規制することを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載のブレーキキャリパにおいて、前記ロッド(61)の外周面に、前記ピストン(52)径方向に延びるローラ軸(123)が設けられ、該ローラ軸(123)にはローラ(122)が回動可能に取り付けられ、前記キャリパボディ(51)には、前記シリンダ室(55)と外部とを連通させる貫通孔(70)が前記ピストン(52)と同軸に形成され、前記貫通孔(70)の内周面、又は前記貫通孔(70)に回動不能に嵌合されるとともに前記回動部(63)を挿通させる環状の固定部材の内周面には、前記ローラ(122)を収容保持する溝部(124)が形成され、前記ローラ(122)及び前記溝部(124)は、前記ピストン(52)周方向に間隔を空けて少なくとも2つ以上設けられることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか1項に記載のブレーキキャリパにおいて、前記ロッド(61)は、前記ピストン(52)軸方向に沿って延び、その外周面に雄ねじ部(65A)が形成されたアジャスト軸部(65)と、該アジャスト軸部(65)に螺合されたアジャストナット(66)と、前記アジャストナット(66)を前記ピストン(52)に向けて付勢するアジャストスプリング(67)と、備え、前記アジャストスプリング(67)は、前記ピストン(52)に対する付勢方向に沿って前記ピストン(52)側に向かうに従い縮径するテーパ状に形成されることを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項1〜7のいずれか1項に記載のブレーキキャリパを、後輪(5)を支持するスイングアーム(4)に設け、前記後輪(5)と一体に回動する前記ブレーキディスク(40)を前記ブレーキキャリパによって挟み込み可能とし、前記ブレーキキャリパが、前記スイングアーム(4)の車幅方向外側端部よりも車幅方向で内側に配置されることを特徴とする鞍乗型車両である。
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の鞍乗型車両において、前記スイングアーム(4)の車幅方向外側にマフラー(42)が配置されるとともに、前記ブレーキキャリパが前記マフラー(42)の車幅方向内側、かつ前記後輪(5)の車軸(5A)よりも前方に配置され、前記ブレーキキャリパは、少なくとも前記スイングアーム(4)の上方に向けた最大揺動時に、該スイングアーム(4)と側面視で重なるように配置されることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、機械式作動機構部の主要部材が、ピストンの軸線上に集約されるため、ピストンの径方向での寸法を可及的にコンパクト化できるとともに、ピストンと機械式作動機構部とが同軸で並ぶ構成であっても、回動部の一端部及びカム部がシリンダ室内に配置されることで、ピストンの軸方向での寸法を可及的にコンパクト化できる。
また、回動部の一端部、カム部がシリンダ室内に晒された状態に配置されることで、これら部材が作動液に潤滑される状態となり、これらの部材の摩耗を抑制することができ、耐久性を向上できる。さらに、リターンスプリングはピストン内に配置されることで、径方向での寸法を抑制できる。
請求項2に記載の発明によれば、回動部をピストン軸方向に移動しない状態で回動可能とすることで、ピストンの軸方向での寸法を可及的にコンパクト化できる。また、支持段部と回動部内周面との段差を利用して効率的にシール部材を配置でき、シール性を確保できる。
請求項3に記載の発明によれば、回動部の初期位置において、回動部の一端部及びカム部がピストンから離間するので、回動部の初期位置において、回動部の一端部及びカム部がピストンの径方向内側に配置される場合に比べて、カム部のメンテナンスを容易に行えるようにすることができる。
請求項4に記載の発明によれば、ピストン内段部を形成することで、液圧作用時の作動液の液量を抑えて、ピストンを好適に作動させることができる。
請求項5に記載の発明によれば、ガイドロッドによって、簡易にロッドのガイド及び保持をすることができる。また、ロッドとガイドロッドとの間をシリンダ室内の作動液で潤滑できるため、ロッドとガイドロッドとの間に生じる摩耗を抑制することができる。
請求項6に記載の発明によれば、ロッドの摺動抵抗が低減され、ロッドを好適に移動させることができる。
請求項7に記載の発明によれば、アジャストスプリングがテーパ状であることで、ピストンの軸方向での寸法を可及的にコンパクト化できる。
請求項8に記載の発明によれば、ブレーキキャリパの寸法を可及的にコンパクト化できることで、ブレーキキャリパの設置による他部品の配置制約が抑制され、車両の設計自由度を向上できる。また、ブレーキキャリパがスイングアームから奥まった位置にあることで、目立たなくなり、外観を良好なものにできる。
請求項9に記載の発明によれば、スイングアームの上方に向けた最大揺動時に、ブレーキキャリパがマフラーに覆われることで、ブレーキキャリパの保護性を高めることができる。
本発明の第1の実施形態に係るブレーキキャリパを備える自動二輪車の左側面図である。 第1の実施形態に係る自動二輪車の車体フレーム及びスイングアームの左側面図である。 第1の実施形態に係る自動二輪車の車体フレーム及びスイングアームの上面図である。 第1の実施形態に係る自動二輪車に備えられたブレーキキャリパ及びこれのブラケットの右側面図である。 図4のA−A線に沿う断面図であり、ブレーキキャリパの初期状態(非制動状態)におけるブレーキキャリパの断面図である。 図4のA−A線に沿う断面図であり、ブレーキキャリパの作動状態(制動状態)におけるブレーキキャリパの断面図である。 ブレーキキャリパに備えられたカム機構部を示した図である。 図5のB−B線に沿う断面図である。 本発明の第2の実施形態に係るブレーキキャリパの断面図である。 第2の実施形態に係るブレーキキャリパに備えられたロッドを示した図である。 本発明の第3の実施形態に係るブレーキキャリパの断面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。なお、以下の説明に用いる図面において、矢印FRは車両の前方を、矢印UPは車両の上方を、矢印LHは車両の左方を、矢印RHは車両の右方をそれぞれ示している。
(第1の実施形態)
図1には本発明の第1の実施形態に係るブレーキキャリパ及びそれを備える鞍乗型車両としての自動二輪車1の左側面図が示されている。自動二輪車1では、操向ハンドル2によって操向される前輪3と、スイングアーム4の後端部に配置された後輪5との間に、エンジンEが配置される。操向ハンドル2及び前輪3を含むステアリング系部品は、車体フレーム10の前端のヘッドパイプ11に操向可能に枢支されている。スイングアーム4は、車体フレーム10にその前端部を揺動可能に支持され、その後端部で後輪5の車軸5Aを支持している。
図2及び図3も参照し、車体フレーム10は複数のフレーム部材を溶接等で一体化して構成されており、上記ヘッドパイプ11と、ヘッドパイプ11から左右に分岐して後方かつ下方に延びる左右一対のメインフレーム12L,12Rと、左右のメインフレーム12L,12Rそれぞれの後端部に連結されて、下方に延びる左右一対のピボットプレート13L,13Rと、左右のピボットプレート13L,13Rそれぞれの上部に連結されて後方かつ上方に延びる左右一対のシートフレーム14L,14Rと、左右のシートフレーム14L,14Rの下方で、左右のピボットプレート13L,13Rそれぞれに連結されて後方かつ上方に延び、その後端部が、対応する左右のシートフレーム14L,14Rに連結される左右一対のサブフレーム15L,15Rと、を備えている。
また、車体フレーム10は、メインフレーム12L,12Rよりも急角度でヘッドパイプ11から後方かつ下方に延びる1本のダウンフレーム16と、ダウンフレーム16の下端部から左右に分岐して後方に延び、その後端部が、対応する左右のピボットプレート13L,13Rの下端部に連結される左右一対のリアフレーム17L,17Rと、を備えている。なお、図面において図中に表れない部材については、説明便宜上括弧書きで符合を示している場合がある。
車体フレーム10は、メインフレーム12L,12Rの下方にエンジンEを配置するとともに、エンジンEをダウンフレーム16及びリアフレーム17L,17Rによって前方及び下方から囲うセミダブルクレードル型の車体フレームとされている。
左右のピボットプレート13L,13Rそれぞれには、前方に突出する後側エンジン支持部18L,18Rが左右一対で設けられるとともに、ダウンフレーム16の下端部には後方に突出する前側エンジン支持部19L,19Rが左右一対で設けられ、各エンジン支持部によって、エンジンEが支持されている。
左右一対のメインフレーム12L,12R、左右一対のピボットプレート13L,13R、左右一対のシートフレーム14L,14R、左右一対のサブフレーム15L,15R、及び左右一対のリアフレーム17L,17Rはそれぞれ、左のものが車幅方向中央に対して左側に配置されるとともに、右のものが車幅方向中央に対して右側に配置されている。これら左右一対で構成される各フレームの左右間は、適所において図示省略するクロスフレームで結合されている。
上記したヘッドパイプ11に支持されたステアリング系部品(ステアリング装置)は、前輪3と、前輪3を下部で支持する左右一対のフロントフォーク6L,6Rと、フロントフォーク6L,6Rの上部に連結されるとともにヘッドパイプ11に挿通されて回転可能に支持されるステアリングシャフト(図示略)と、ステアリングシャフトの上部側に配置される操向ハンドル2と、を有している。
スイングアーム4は、車体フレーム10のうちの左右一対のピボットプレート13L,13Rにおける上下方向略中央の部位に設けられたピボット軸4Aによって、ピボットプレート13L,13Rに連結されている。ピボット軸4Aは、左右一対のピボットプレート13L,13R間に跨って設けられ、スイングアーム4は左右方向を軸中心に上下方向に揺動可能となっている。
図3に示すように、本実施形態においてスイングアーム4は、前後方向に延びる左右一対のアーム部4L,4Rと、これらアーム部4L,4Rの前後方向略中央の部位でこれらアーム部4L,4Rを連結する連結部4Mと、で構成されている。アーム部4L,4Rの前端部にそれぞれ、ピボット軸4Aが相対回転可能に挿通される挿入孔(図示略)が形成されている。
図2に示すように、本実施形態では、リンク部材31が、ピボットプレート13L,13Rとスイングアーム4との間に跨って設けられている。リンク部材31は、その前端部を、左右のピボットプレート13L,13Rの下端部に設けられた前側リンク支持部32に軸部33を介して支持され、その後端部を、スイングアーム4の連結部4Mから下方に突出した後側リンク支持部34に軸部35を介して支持されている。そして、リンク部材31の前端部は、左右方向に延びる軸部33を軸中心として揺動可能とされるとともに、リンク部材31の後端部は、左右方向に延びる軸部35を軸中心として揺動可能とされている。
また、本実施形態では、略円筒状の外形形状を呈し、その軸方向に長く延びるリアクッション36が、リンク部材31と、左右のピボットプレート13L,13Rの上部間に架設されたセンタアッパクロスフレーム21と、の間に跨って設けられている。
リアクッション36は、軸方向である長手方向に伸縮することで、スイングアーム4の揺動に対する減衰力を発生させる。リアクッション36は、下端部をリンク部材31に連結されて、上方(詳しくは前上方)に延び、上端部をセンタアッパクロスフレーム21に連結されている。リアクッション36は、上方に向けて左右のアーム部4L,4R間であって、連結部4Mの前方の空間を通過するように配置されている。
後輪5の中央のハブ(図示略)には、後輪5と一体に回転する円板状のブレーキディスク40が設けられ、スイングアーム4の後端部には、ブレーキキャリパ50を支持するキャリパブラケット41が設けられている。ブレーキディスク40は、ブレーキキャリパ50に挟み込まれることで後輪5に制動力を付与する。
また、メインフレーム12L,12Rには燃料タンク25が支持され、燃料タンク25の後方において、シートフレーム14L,14Rの前側上部には乗員用シート26が支持され、シートフレーム14L,14Rの後側上部には同乗者用シート27が支持されている。また、ヘッドパイプ11の周囲には、ヘッドパイプ11の前方及び左右側方に渡って延びて、ヘッドパイプ11を前方及び左右側方から覆うフロントカバー28が設けられている。
さらに、後輪5の右方にはマフラー(サイレンサ)42が配置されている。マフラー42は、その前端部でエンジンEから延びる排気管に接続し、後上がり傾斜して延びている。図3に示すように、マフラー42は、右のアーム部4Rの車幅方向外側(右方)に配置されている。
図4には、キャリパブラケット41及びブレーキキャリパ50の右側面図が示されている。キャリパブラケット41は、車幅方向中央から右方に離間して配置される板状体であり、車軸5A及び右のアーム部4Rに支持されている。
キャリパブラケット41は、後端部に車軸5Aを挿通させるボス部41Aを備えるとともに、ボス部41Aの前方に位置する部位に車幅方向内側に凹む係合凹部41Bが形成されている。キャリパブラケット41は、ボス部41Aに車軸5Aを挿通させるとともに、係合凹部41Bにアーム部4Rの車幅方向内側面から突出した係合凸部(図示略)を挿入されることで、回り止めされた状態で車軸5A及び係合凸部に支持されている。
ブレーキキャリパ50は、キャリパブラケット41に対して車幅方向に沿って所定距離だけ移動可能に支持されるキャリパボディ51を備えている。
キャリパボディ51は、キャリパブラケット41の上部において前後方向に並ぶように形成された図示省略する一対の軸部に、その下部に形成された一対のボス部51Z,51Zを挿通させて、上記一対の軸部の軸方向に所定距離だけ移動可能に支持された状態で抜け止めされることで、キャリパブラケット41に支持されている。
ブレーキキャリパ50は、キャリパブラケット41を介してアーム部4Rに支持された状態で、車軸5Aの前上方に配置されるとともに、図3に示すように、マフラー42の車幅方向内側で、かつアーム部4Rの車幅方向外側端部よりも車幅方向で内側に配置されている。
図5は、図4のA−A線に沿う断面図である。ブレーキキャリパ50におけるキャリパボディ51は、液圧に応じて又は機械的に作動するピストン52を収容し、ブレーキディスク40の車幅方向外側に配置されたボディ本体51Aと、ボディ本体51Aからブレーキディスク40を跨ぐようにして延びたブリッジ部51Bと、ブリッジ部51Bからブレーキディスク40の中央に向けて延び、ブレーキディスク40を挟んでボディ本体51Aと対向した内側当接部51Cと、を一体に備えている。これらボディ本体51A、ブリッジ部51B、及び内側当接部51Cは、一体に成形されるものであってもよいし、別体で締結等により一体化されてもよい。また、部材の形状等を考慮して、適宜分割構造として一体化させてもよい。
ボディ本体51Aと内側当接部51Cとの間には、ブレーキディスク40を挟み込むように配置された一対のブレーキパッド53,53が配置され、これらブレーキパッド53,53は、キャリパボディ51の適所に支持され、ピストン52の軸方向で移動可能とされている。なお、図中符号C1で示す一点鎖線の直線は、ピストン52の中心軸線及びその延長線を示している。以下、直線C1に沿う方向をピストン軸方向といい、直線C1に直交する方向をピストン径方向といい、直線C1周りに周回する方向をピストン周方向という場合がある。
ボディ本体51Aには、その車幅方向内側(ブレーキディスク40側)を指向する面からピストン軸方向に沿って車幅方向外側に向けて延びるシリンダ室55が穿設(形成)されており、シリンダ室55内にピストン52が摺動可能に収容されている。シリンダ室55は、ボディ本体51Aに非貫通で形成されている。
ピストン52は、底壁部52Aと底壁部52Aの外周縁から立設された周壁部52Bとを有する有底円筒状に形成され、底壁部52Aをブレーキパッド53に対向させるとともに周壁部52Bをシリンダ室55の内周面に嵌合させた状態で、シリンダ室55に収容されている。
図4も参照し、ボディ本体51Aには、シリンダ室55内とボディ本体51Aの外部とを連通させる油孔56及びブリーザ孔57が形成され、油孔56は、ブリーザ孔57よりも車幅方向外側(ボディ本体51Aの外壁側)に形成されている。
油孔56の一端は、シリンダ室55の内周面及び底面の境界部分で開口してシリンダ室55内に連通し、他端には作動油供給ホース58が接続されている。
作動油供給ホース58は、図示省略するフットブレーキペダルの近傍に配置された作動液を貯留するマスタシリンダに接続し、フットブレーキペダルの操作に応じてマスタシリンダ内の作動液を、油孔56を通してシリンダ室55内に供給する。これにより、ピストン52がブレーキディスク40に向けて推進し、制動力が付与されることになる。
一方で、ブリーザ孔57の一端はシリンダ室55の内周面で開口してシリンダ室55内に連通し、他端はキャップ59に開閉可能に閉じられている。ブリーザ孔57は、シリンダ室55内に生じた空気を排出するために設けられている。
シリンダ室55の内周面における車幅方向内側(ブレーキディスク40側)の部位には、オイルシール溝55Aとロールバックシール溝55Bがピストン軸方向に並んで形成されている。オイルシール溝55Aには、シール部材であるOリング100が嵌合され、ロールバックシール溝55Bには、推進したピストン52を縮退させるため弾性力を蓄積するロールバックシール101が嵌合されている。
上記のようにブレーキキャリパ50は、液圧によりピストン52を作動可能である一方で、ピストン52を機械的に作動させることも可能であり、ピストン52を機械的に作動させる機械式作動機構部60を備えている。
本実施形態において、この機械式作動機構部60は、シリンダ室55内において、その車幅方向内側端部(ブレーキディスク40側の端部)がピストン52の底壁部52Aの内面に当接する状態で、ピストン52と同軸(直線C1上)に配置されるロッド61と、ロッド61の車幅方向外側端部に、その車幅方向内側端部を対向させ、その車幅方向外側端部に設けられたレバー部62の操作に応じて回動可能な回動部63と、を備えており、ロッド61の車幅方向外側端部と回動部63の車幅方向内側端部との間にカム部材64Aを設けることでカム機構部64を構成している。
機械式作動機構部60は、回動部63が図5に示す初期位置からレバー部62の操作によって回動されることで、カム機構部64を介してロッド61をピストン52側に推進させてピストン52を押圧する。そして、機械式作動機構部60は、ロッド61によって、図6に示すように、矢印α方向へ、ピストン52をブレーキディスク40側に推進させることで、ブレーキパッド53,53によってブレーキディスク40を挟み込んでブレーキディスク40に制動力を付与することが可能となっている。
図4に示すように、レバー部62は、キャリパボディ51から下方に延び、その下端部にブレーキケーブル110を連結させる。ブレーキケーブル110は、アウタチューブ110Aとアウタチューブ110A内に内挿されたインナチューブ110Bとでなる。アウタチューブ110Aの一端部はキャリパボディ51に設けられた支持アーム111に固定され、アウタチューブ110Aの一端部から延びるインナチューブ110Bがレバー部62の下端部に連結している。インナチューブ110Bは、レバー部62から前方に延びて図示しないパーキングブレーキレバーに連結され、パーキングブレーキレバーの操作に応じてレバー部62を介して回動部63を回動させる。図示しないが、ブレーキケーブル110は、スイングアーム4によって車幅方向外側から覆われた状態となっている。
パーキングブレーキレバーは回動部63を回動させた状態を保持されることが可能となっており、この保持状態とすることで、自動二輪車1では、制動状態を維持できるようになっている。
なお、パーキングブレーキレバーは、操作前の状態に復帰するように付勢された構成であり、保持状態を解除すると、回動部63は初期位置に戻されるようになっている。
本実施形態では、キャリパボディ51のボディ本体51Aに、シリンダ室55の底面から延びて、シリンダ室55と外部とを連通させる貫通孔70がピストン52と同軸に、詳しくは、ピストン軸方向延長線上に形成されており、回動部63は、貫通孔70に挿通され、シリンダ室55に臨むとともに、ボディ本体51Aの外部に臨む状態となっている。
さらに詳しくは、本実施形態において、貫通孔70は、車幅方向内側に位置してシリンダ室55に面する大径部70Aと、大径部70Aからボディ本体51Aの外壁まで延びる大径部70Aよりも小径の小径部70Bと、からなる。さらに、小径部70Bの内周面には、該内周面のピストン軸方向における中央の位置からピストン径方向内側に張り出した環状の支持段部70Cが形成されている。支持段部70Cは、本実施形態では、ボディ本体51Aに一体に形成されるものとするが、小径部70Bに別体で嵌合されるような構成であっても構わない。
一方、回動部63は、ピストン軸方向に延びる円柱状の回動部本体63Aと、回動部本体63Aの車幅方向内側端部からピストン径方向外側に張り出す抜け止めフランジ部63Bと、を一体に有している。
そして、回動部63は、回動部本体63Aを支持段部70Cによって回動可能に支持されるとともに、大径部70Aと小径部70Bとの間に生じる車幅方向内側を指向する面に、抜け止めフランジ部63Bを当接させることで、車幅方向外側への抜け止めがされた状態となっている。この状態で、回動部本体63Aの車幅方向外側端部は、ボディ本体51Aから突出し、この突出した部位にレバー部62が設けられている。
また、抜け止めフランジ部63Bのロッド61と対向する面は、詳細は後述するが、カム機構部64の一部を構成する。
また、小径部70Bの内周面と回動部本体63Aとの間において、ピストン軸方向で支持段部70Cを挟んで車幅方向外側には、支持段部70Cに隣接した状態でシール部材であるダストシール103が配置され、車幅方向内側には、支持段部70Cに隣接した状態でシール部材であるOリング104が配置されている。ここで、本実施形態では、Oリング104によってシリンダ室55が外部から区画される一方で、回動部63のうちの抜け止めフランジ部63Bがシリンダ室55に晒された状態となっている。
本実施形態においてロッド61は、その一部がピストン52の周壁部52Bの径方向内側に配置されており、ロッド61は、ピストン52の軸方向に沿って延び、その外周面に雄ねじ部65Aが形成されたアジャスト軸部65と、アジャスト軸部65に螺合されたアジャストナット66と、アジャストナット66をピストン52に向けて付勢するアジャストスプリング67と、を備えている。
アジャスト軸部65は、車幅方向外側端部にピストン径方向に張り出す円板状のフランジ部65Bを有し、本実施形態では、アジャスト軸部65のうちの、フランジ部65Bを除く雄ねじ部65Aの形成部分がピストン52の周壁部52Bの径方向内側に配置された状態となっている。そして、詳細は後述するが、フランジ部65Bの回動部63に対向する面が、カム機構部64の一部を構成する。
アジャストナット66は、雄ねじ部65Aのアジャスト軸部65に螺合される雌ねじ筒部66Aと、雌ねじ筒部66Aの車幅方向内側端部からピストン径方向外側に張り出した当接フランジ部66Bと、を備えている。
当接フランジ部66Bは、車幅方向内側に向けて突の曲面状に形成され、ピストン52の底壁部52Aの内面に当接している。一方、ピストン52の底壁部52Aの内面には、車幅方向内側に向けて曲面状に凹み、当接フランジ部66Bと当接する凹部52Cが形成されている。
ここで、本実施形態では、ピストン52の周壁部52Bのうちの、当接フランジ部66Bの径方向外側に位置する部位に、ピストン径方向内側に張り出す第1ピストン内段部51Xが形成されるとともに、ピストン52の周壁部52Bのうちの、第1ピストン内段部51Xの形成位置よりも車幅方向外側の部位に、ピストン径方向内側に張り出す第2ピストン内段部51Yが形成されている。第1ピストン内段部51Xの内径は、第2ピストン内段部51Yの内径よりも小さく設定されている。
そして、本実施形態では、アジャストスプリング67が、ピストン52の底壁部52A側に向かうに従い縮径するテーパ状、すなわち、ピストン52に対する付勢方向に沿ってピストン52側に向かうに従い縮径するテーパ状に形成されており、第2ピストン内段部51Yと第1ピストン内段部51Xとに跨るように配置されている。
詳しくは、アジャストスプリング67は、大径となる端部を第2ピストン内段部51Yの内周面に形成された溝に嵌合された環状の支持プレート71に当接させるとともに、小径となる端部を第1ピストン内段部51Xのピストン径方向内側に配置してスラスト受け72を介して、当接フランジ部66Bに当接させ、この状態で縮められている。ここで、アジャスト軸部65とアジャストナット66とは、例えば4条ねじ等の摺動抵抗の低い構造で螺合されており、アジャストスプリング67の付勢力によりアジャストナット66がアジャスト軸部65に相対移動可能とされ、常時アジャストナット66が、ピストン52に当接する状態とされている。
そして、本実施形態においてカム部材64Aは、金属等からなるボールであり、回動部63における抜け止めフランジ部63Bのロッド61との対向面に形成された回動部側カム溝73と、ロッド61におけるアジャスト軸部65のフランジ部65Bの回動部63との対向面に形成されたロッド側カム溝74と、の間にカム部材64Aを挟み込むことで、本実施形態では、カム機構部64が構成されている。
本実施形態において回動部側カム溝73及びロッド側カム溝74はそれぞれ、ピストン周方向に間隔を空けて3つ形成されており、カム部材64Aも3つ用いられている。図7には、回動部63の車幅方向内側面をピストン軸方向に沿って見た図が示されている。回動部側カム溝73は、ピストン周方向に等間隔を空けて3つ形成され、ピストン周方向にうちの一方側に向けて次第に深さが浅くなるとともに、溝幅も次第に先細りとなるように形成されている。
図8は、図5のB−B線断面であり、ロッド側カム溝74が破線で示されている。ロッド側カム溝74は、ピストン周方向に等間隔を空けて3つ形成され、ピストン周方向のうちの他方側に向けて次第に深さが浅くなるとともに、溝幅も次第に先細りとなるように形成されている。
図5に示す回動部63の初期位置において、回動部側カム溝73とロッド側カム溝74は、溝が深い部位にカム部材64Aを挟み込んで保持し、回動部63が回動された場合に、回動部側カム溝73の傾斜面がカム部材64Aをロッド61側に移動させることで、ロッド61が押圧されて移動する。ここで、カム部材64Aは、シリンダ室55内に晒された状態となっている。
また、回動部63における抜け止めフランジ部63Bのピストン径方向外側に位置するシリンダ室55の底面には、ピストン軸方向に延びるロッド保持孔75が、ピストン周方向に間隔を空けて複数形成されている。そして、複数のロッド保持孔75それぞれには、ガイドロッド76が挿入保持され、ガイドロッド76は、シリンダ室55内においてピストン軸方向に延びている。
ガイドロッド76は断面円形状の棒体であり、図8に示すように、ロッド61におけるアジャスト軸部65のフランジ部65Bの外周面に形成されてピストン軸方向に延びる断面視弧状のガイド溝に係合(嵌合)して、ロッド61のピストン軸方向への移動をガイドするとともに、複数設けられることで、ロッド61のピストン径方向及び周方向における移動を規制する。なお、図5及び図6においては、図4のA−A線に沿って厳密にみると、図中に表した2つのガイドロッド76の両方が表れないが、便宜上、両方のガイドロッド76にハッチングを付している。
本実施形態では、ロッド保持孔75及びガイドロッド76は、周方向に等間隔を空けて4つ設けられている。これにより、本実施形態では、回動部63の回動で生じるカム機構部64を介したカム作用が、ロッド61に確実に伝わるようになっている。また、ガイドロッド76は、アジャスト軸部65のフランジ部65Bの外周面に形成されたガイド溝に係合することで、ピストン径方向における寸法が抑制される。
ここで、本実施形態では、図5に示すように、少なくとも回動部63が初期位置である状態において、回動部63の車幅方向内側端部及びカム部材64Aが、ピストン軸方向で、ピストン52の周壁部52Bの開放端部から離間するように配置されている。
また、本実施形態では、図5から明らかなように、ガイドロッド76が、第1ピストン内段部51Xにピストン軸方向で対向する位置に配置されている。
さらに、本実施形態では、回動部63における抜け止めフランジ部63Bと、ロッド61におけるアジャスト軸部65のフランジ部65Bと、の間に、ピストン軸方向上に延びるガイドピン77が跨って設けられている。ガイドピン77は、フランジ部65Bに固定され、抜け止めフランジ部63Bに摺動自在に挿入されている。これにより、ロッド61の移動の安定性を高めている。
また、シリンダ室55内には、ロッド61の推進に伴って圧縮されロッド61を推進前の状態に復帰させる圧縮力を蓄えるリターンスプリング80が配置されている。
本実施形態において、リターンスプリング80は、ピストン52の周壁部52Bの径方向内側に配置される。さらに詳しくは、本実施形態では、リターンスプリング80の一部が、シリンダ室55内におけるロッド61の径方向外側の位置であって、第1ピストン内段部51Xにピストン軸方向で対向する位置に配置されている。
リターンスプリング80は、一端をアジャスト軸部65におけるフランジ部65Bにピストン軸方向に沿って当接するとともに、他端をキャリパボディ51のボディ本体51A側からピストン52における周壁部52B内に延びる延出筒部材81に当接した状態で支持されている。
延出筒部材81は、ガイドロッド76のピストン径方向外側に配置され、ピストン軸方向に延びる筒部本体81Aと、筒部本体81Aの車幅方向外側の端部からピストン径方向外側に張り出す環状の係止板部81Bと、筒部本体81Aの車幅方向内側端部からピストン径方向内側に張り出す環状のスプリング座面板部81Cと、を備えている。
そして、延出筒部材81は、シリンダ室55の内周面においてアジャスト軸部65におけるフランジ部65Bのピストン径方向外側に位置する部位に形成された溝に嵌合された環状の係止プレート82に、係止板部81Bを車幅方向外側から内側に向けて当接させて、シリンダ室55内に保持されている。そして、スプリング座面板部81Cの内周縁を、ロッド61が通過した状態とされ、スプリング座面板部81Cと、アジャスト軸部65におけるフランジ部65Bと、の間にリターンスプリング80が配置されている。
リターンスプリング80は、ロッド61が回動部63の回動により推進した場合に圧縮し、回動部63に対する回動操作が解除された場合に、伸長してロッド61を縮退させる。これにより、縮退したロッド61によりカム部材64Aが初期位置側に移動し、ロッド61が、推進前の状態に復帰し、回動部63の初期位置でカム部材64Aを挟み込む状態に復帰するようになっている。また、リターンスプリング80と、貫通孔70における大径部70Aと小径部70Bとの間に生じる車幅方向内側を指向する面と、の間に、回動部63の抜け止めフランジ部63B及びアジャストナット66の当接フランジ部66Bが挟み込まれた状態となることで、回動部63はピストン軸方向への移動を規制された状態とされている。
上記のブレーキキャリパ50では、上記のフットブレーキペダルの操作によってシリンダ室55内に作動液が供給され、ピストン52が、ブレーキディスク40側に推進してブレーキパッド53を介してブレーキディスク40を押圧することで、ブレーキディスク40に制動力が付与される。この際、ロールバックシール101にピストン52を縮退させる方向に向けた復元力が蓄積される。そして、上記フットブレーキペダルの操作が解除されると、シリンダ室55内の作動液が上記マスタシリンダ側に戻り、ロールバックシール101の復元力によって、ピストン52が縮退し、ブレーキパッド53が、ブレーキディスク40から離間する。
一方で、上記したパーキングブレーキレバーによってブレーキケーブル110のインナチューブ110Bが牽引され、レバー部62が初期位置から回動された場合には、回動部63が回動してカム機構部64を介してロッド61を押圧するとともにロッド61がピストン52を押圧し、ピストン52が、ブレーキディスク40側に推進してブレーキパッド53を介してブレーキディスク40を押圧することで、ブレーキディスク40に制動力が付与される。この際、ロールバックシール101には、ピストン52を縮退させる方向に向けた復元力が蓄積されるとともに、リターンスプリング80に、ロッド61を推進前の状態に復帰させる圧縮力が蓄積される。
そして、本実施形態では、上記パーキングブレーキレバーが、所定量だけインナチューブ110Bを牽引した位置で解除可能に保持されるように構成されるので、パーキングブレーキレバーの解除がなされない限り、ブレーキディスク40に制動力が付与された状態が維持され、パーキングブレーキ状態が維持される。
そして、上記パーキングブレーキレバーの操作が解除され、図示しない付勢部材によってレバー部62及び回動部63が初期位置に戻ると、これに伴いリターンスプリング80によってロッド61が推進前の状態に復帰し、回動部63の初期位置でカム部材64Aを挟み込む状態に復帰する。そして、ピストン52は、ロールバックシール101の復元力によって縮退し、ブレーキパッド53が、ブレーキディスク40から離間する。
以上に記載した第1の実施形態に係るブレーキキャリパ50は、車体側であるスイングアーム4に固定されるキャリパボディ51と、キャリパボディ51に形成されるシリンダ室55に収容され、シリンダ室55内に供給される作動液の液圧で作動するピストン52と、ピストン52と同軸に配置されるロッド61を有し、このロッド61によりピストン52を押圧することでピストン52を機械的に作動させる機械式作動機構部60と、ピストン52の作動に応じて、ブレーキディスク40を挟み込んで、ブレーキディスク40に制動力を付与するブレーキパッド53と、を備えている。
そして、ロッド61は、その一端部である車幅方向内側端部がピストン52に当接する状態でシリンダ室55内に配置され、機械式作動機構部60は、ロッド61の他端部である車幅方向外側端部に、その一端部である車幅方向内側端部を対向させ、その他端部である車幅方向外側端部に設けられたレバー部62の操作に応じて回動可能な回動部63を備えるとともに、ロッド61の他端部と回動部63の一端部との間にカム部であるカム部材64Aを設けることでカム機構部64を構成する。さらに、回動部63が初期位置から回動されることで、カム機構部64によりロッド61が推進されてピストン52が押圧される。そして、回動部63の一端部及びカム部材64Aがシリンダ室55に晒されるとともに、ロッド61の推進に伴って圧縮されロッド61を推進前の状態に復帰させる圧縮力を蓄えるリターンスプリング80が、ピストン52内に配置されている。
このような構成のブレーキキャリパ50によれば、機械式作動機構部60の主要部材が、ピストン52の軸線(直線C1)上に集約されるため、ピストン52の径方向での寸法を可及的にコンパクト化できるとともに、ピストン52と機械式作動機構部60とが同軸で並ぶ構成であっても、回動部63の一端部及びカム部材64Aがシリンダ室55内に配置されることで、ピストン軸方向での寸法を可及的にコンパクト化できる。
また、回動部63の一端部、カム部材64Aがシリンダ室55内に晒された状態に配置されることで、これら部材が作動液に潤滑される状態となり、これらの部材の摩耗を抑制することができ、耐久性を向上できる。さらに、リターンスプリング80はピストン52内に配置されることで、径方向での寸法を抑制できる。
また、本実施形態に係るブレーキキャリパ50では、キャリパボディ51に、シリンダ室55と外部とを連通させる貫通孔70がピストン52と同軸に形成され、貫通孔70(小径部70B)の内周面に、径方向内側に張り出す支持段部70Cが形成されている。そして、回動部63は、支持段部70Cに回動可能に支持され、貫通孔70の内周面と、回動部63との間には、支持段部70Cに隣接した状態でシール部材であるOリング104及びダストシール103が配置されている。
この構成では、回動部63をピストン軸方向に移動しない状態で回動可能とすることで、ピストン軸方向での寸法を可及的にコンパクト化できる。また、支持段部70Cと回動部63の内周面との段差を利用して効率的にシール部材を配置でき、シール性を確保できる。
また、本実施形態に係るブレーキキャリパ50では、少なくとも回動部63が初期位置である状態において、回動部63の一端部及びカム部材64Aが、ピストン軸方向で、ピストン52の端部から離間して配置されている。
この構成では、回動部63の初期位置において、回動部63の一端部及びカム部材64Aがピストン52から離間するので、カム部材64Aのメンテナンスを容易に行えるようにすることができる。
また、本実施形態に係るブレーキキャリパ50では、ピストン52は、底壁部52A及び周壁部52Bを有する有底筒状に形成され、周壁部52Bには径方向内側に張り出すピストン内段部51Xが形成されている。ロッド61は、ピストン52における周壁部52Bの径方向内側に配置され、リターンスプリング80の一部が、シリンダ室55内におけるロッド61のピストン径方向外側の位置であって、第1ピストン内段部51Xにピストン軸方向で対向する位置に配置されている。そして、リターンスプリング80は、一端をロッド61におけるカム機構部64側の部位である当接フランジ部66Bに当接するとともに、他端をキャリパボディ51側からピストン52における周壁部52B内に延びる延出部である延出筒部材81に当接した状態で支持されている。
この構成では、第1ピストン内段部51Xを形成することで、液圧作用時の作動液の液量を抑えて、ピストン52を好適に作動させることができる。また、コンパクト化にも利点がある。
また、本実施形態に係るブレーキキャリパ50では、ロッド61の径方向外側に配置され、ピストン軸方向に延びるガイドロッド76が、ピストン周方向に間隔を空けて複数(本実施形態では4つ)配置され、ガイドロッド76は、シリンダ室55内であって、第1ピストン内段部51Xにピストン軸方向で対向する位置に配置されている。そして、ガイドロッド76は、ロッド61の外周面(詳しくは、当接フランジ部66B)に係合して、ロッド61のピストン軸方向への移動をガイドするとともに、ロッド61のピストン径方向及び周方向における移動を規制する。
この構成では、ガイドロッド76によって、簡易にロッド61のガイド及び保持をすることができる。また、ロッド61とガイドロッド76との間をシリンダ室55内の作動液で潤滑できるため、ロッド61とガイドロッド76との間に生じる摩耗を抑制することができる。
また、本実施形態に係るブレーキキャリパ50では、ロッド61は、ピストン軸方向に沿って延び、その外周面に雄ねじ部65Aが形成されたアジャスト軸部65と、アジャスト軸部65に螺合されたアジャストナット66と、アジャストナット66をピストン52に向けて付勢するアジャストスプリング67と、備え、アジャストスプリング67は、ピストン52に対する付勢方向に向かうに従い縮径するテーパ状に形成されている。
この構成では、アジャストスプリング67がテーパ状であることで、ピストン軸方向での寸法を可及的にコンパクト化できる。
また、本実施形態に係るブレーキキャリパ50では、油孔56がブリーザ孔57よりも車幅方向外側(ボディ本体51Aの外壁側)に形成されているが、このようにブリーザ孔57を、ピストン52等の摺動する部位が多く、気泡の発生し易い箇所に設けることで、本実施形態では、気泡を好適に抜き易くなっている。
また、図2及び図3を参照し、上記自動二輪車1では、上記の可及的にコンパクト化が可能なブレーキキャリパ50が、スイングアーム4の車幅方向外側端部よりも車幅方向で内側に配置される。このため、自動二輪車1では、ブレーキキャリパ50を備えることで、ブレーキキャリパの設置による他部品の配置制約が抑制され、車両の設計自由度が向上される。また、ブレーキキャリパ50がスイングアーム4から奥まった位置にあることで、目立たなくなり、外観を良好なものにできる。
また、自動二輪車1では、図2に示すように、設置したブレーキキャリパ50が、後輪5の車軸5Aよりも前方に配置され、また、少なくともスイングアーム4の上方に向けた最大揺動時(図中二点鎖線で示す状態のとき)に、スイングアーム4と側面視で重なるように配置されている。
このような構成とした場合、スイングアーム4の上方に向けた最大揺動時に、ブレーキキャリパ50がマフラー42に覆われることで、ブレーキキャリパ50の保護性を高めることができる。
(第2の実施形態)
図9及び図10を用いて本発明の第2の実施形態に係るブレーキキャリパ50’を説明する。なお、本実施形態における第1の実施形態と同様の構成要素については、同一符号で示し、説明を省略又は簡易にする。以下、第1の実施形態との相違点を中心に本実施形態について説明する。
本実施形態における第1の実施形態との相違点としては、まず、第1の実施形態では、貫通孔70が大径部70Aと小径部70Bと、からなり、小径部70Bの内周面には、そのピストン軸方向における中央の位置からピストン径方向内側に張り出した環状の支持段部70Cが形成されていた。
これに対して、本実施形態では、貫通孔70が大径部70A及び小径部70Bからなるが、支持段部70Cは形成されず、小径部70Bに回動部63が回動可能に支持されている。
そして、小径部70Bと回動部63との間に筒部120Aが配置されるとともに、筒部120Aからピストン径方向外側に張り出した鍔部120Bを大径部70Aと小径部70Bとの間に生じる車幅方向内側を指向する面に配置したシール体120が、シリンダ室55の液密性を保持している。また、回動部63の外部に露出した部位とキャリパボディ51とに跨ってシールキャップ121が設けられている。さらに、本実施形態の大径部70Aは、ピストン軸方向に第1の実施形態よりも長く形成され、大径部70A内に、カム部材64A、及びロッド61のアジャスト軸部65のフランジ部65Bが配置されている。
なお、大径部70Aは、シリンダ室55に連通するため、回動部63の抜け止めフランジ部63B、カム部材64A等がシリンダ室55内に晒される状態であることは、第1の実施形態と変わりはない。
また、本実施形態では、第1の実施形態との相違点として、ピストン52の周壁部52Bに、第1ピストン内段部51X及び第2ピストン内段部51Yが形成されていない。そして、アジャストスプリング67は円柱状とされ、ピストン軸方向に沿って延びている。
そして、本実施形態では、第1の実施形態のガイドロッド76の代わりに、ロッド61のピストン軸方向への移動をガイドするものとしてローラ122が設けられている。
具体的に、本実施形態では、ロッド61におけるアジャスト軸部65のフランジ部65Bの外周面に、ピストン径方向に延びるローラ軸123が設けられ、ローラ軸123にローラ122が回動可能に取り付けられている。図10に示すように、ローラ軸123及びローラ122は、ピストン周方向に等間隔を空けて3つ形成されている。
そして、本実施形態では、大径部70Aの内周面に、ピストン軸方向に延びて、ローラ122を収容保持するガイド溝部124が、ローラ122に対応して形成されている。ローラ122は、ガイド溝部124に隙間をもって収容されている。
以上のような第2の実施形態の構成では、第1の実施形態と同様の効果が得られ、また、ローラ122を用いることで、ロッド61の摺動抵抗が低減され、ロッド61を好適に移動させることができる。
(第3の実施形態)
図11を用いて本発明の第3の実施形態に係るブレーキキャリパ50’’を説明する。なお、本実施形態における第1の実施形態と同様の構成要素については、同一符号で示し、説明を省略又は簡易にする。以下、第1の実施形態との相違点を中心に本実施形態について説明する。
本実施形態における第1の実施形態との相違点としては、まず、第1の実施形態では、貫通孔70が大径部70Aと小径部70Bと、からなり、小径部70Bの内周面には、そのピストン軸方向における中央の位置からピストン径方向内側に張り出した環状の支持段部70Cが形成されていた。
これに対して、本実施形態では、貫通孔70がシリンダ室55よりも大径に形成され、内径寸法が一定となっている。そして、貫通孔70には、貫通孔70に対して回動不能に固定部材130が嵌合され、固定部材130は環状であり、回動部63を挿通させている。
そして、固定部材130の内周孔140は、車幅方向内側に位置してシリンダ室55に面する大径部130Aと、大径部130Aからボディ本体51Aの外壁まで延びる大径部130Aよりも小径の小径部130Bと、からなる。そして、小径部130Bの内周面には、ピストン径方向内側に張り出した環状の支持段部130Cが形成されている。支持段部130Cは、キャリパボディ51のボディ本体51Aの外壁まで至っている。
そして、回動部63は、回動部本体63Aを支持段部130Cによって回動可能に支持されるとともに、大径部130Aと小径部130Bとの間に生じる車幅方向内側を指向する面に、抜け止めフランジ部63Bを当接させることで、車幅方向外側への抜け止めがされた状態となっている。そして、小径部130Bの内周面と回動部本体63Aとの間において、ピストン軸方向で支持段部130Cの車幅方向内側に、支持段部130Cに隣接した状態でシール部材であるOリング104が配置されている。
ここで、Oリング104によってシリンダ室55が外部から区画される一方で、回動部63のうちの抜け止めフランジ部63Bがシリンダ室55に晒された状態となっている。
また、回動部63の外部に露出した部位とキャリパボディ51とに跨ってシールキャップ131が設けられている。
また、本実施形態では、第1の実施形態のようにピストン52の周壁部52Bに、第1ピストン内段部51Xが形成されるものの、第2ピストン内段部51Yに相当する部位は形成されていない。そして、アジャストスプリング67は円柱状とされ、第1ピストン内段部51Xの径方向内側でピストン軸方向に沿って延びている。
さらに、ガイドロッド76は、固定部材130に挿入保持されている。
以上のような第3の実施形態の構成では、第1の実施形態と同様の効果が得られる。
以上、本発明の第1〜第3の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記第1の実施形態では、リターンスプリング80の一部が、シリンダ室55内におけるロッド61のピストン径方向外側の位置であって、第1ピストン内段部51Xにピストン軸方向で対向する位置に配置される態様を説明したが、リターンスプリング80の全部が第1ピストン内段部51Xにピストン軸方向で対向する位置に配置されるようにしてもよい。
また、上記第3の実施形態では、固定部材130を設けたが、第1及び第2の実施形態においても、このような固定部材を設けてもよい。ここで、第2の実施形態において固定部材を用いる場合には、固定部材に、ローラを収容するガイド溝部に相当するものを形成するようにする。
また、上記各実施形態では、カム部としてボールであるカム部材64Aを、回動部側カム溝73及びロッド側カム溝74で挟み込む構成を説明したが、回動部63から突出させた傾斜部等でカム機構部を構成しても構わない。また、上記各実施形態において、ロッド側カム溝74を形成しなくてもよい。なお、この場合には、カム部材64Aを位置決め保持する溝を形成するのが好ましい。
また、上記第1の実施形態では、ガイドロッド76を4つ配置したが、その機能を果たすのであれば、ガイドロッド76の数は4つに限られるものではなく、2つ以上であればよい。
また、上記各実施形態では、キャリパボディ51に支持された回動部63からレバー部62を下方に延ばしたが、このような方向は、その他の態様でもよい。また、回動部63からレバー部62を延ばさずに、直接的に回動部63を回動可能とする構成であってもよい。
また、上記第1の実施形態の支持段部70C及び第3の実施形態の支持段部130Cは、2段状の貫通孔の小径部分の内周面に形成されるものを説明したが、このような支持段部は、内径が一定の貫通孔に形成するようにしてもよい。
また、上記第1の実施形態では、アジャストスプリング67をテーパ状のコイルバネとし、第2及び第3の実施形態では、アジャストスプリング67を円柱状のコイルバネとしたが、これら付勢手段であるアジャストスプリング67は、皿バネ、ウェーブワシャ、薄板バネ等に置換も可能である。また、リターンスプリング80も、皿バネ、ウェーブワシャ、薄板バネ等に置換可能である。
また、上記各実施形態では、本発明の実施形態としてブレーキキャリパを備える自動二輪車1を説明したが、本発明に係るブレーキキャリパは、自動二輪車に限らず、鞍乗型車両全般に利用できるものである。
1 自動二輪車(鞍乗型車両)
4 スイングアーム
5 後輪
5A 車軸
40 ブレーキディスク
42 マフラー
50、50’、50’’ ブレーキキャリパ
51 キャリパボディ
51X 第1ピストン内段部(ピストン内段部)
52 ピストン
52A 底壁部
52B 周壁部
53 ブレーキパッド
55 シリンダ室
60 機械式作動機構部
61 ロッド
62 レバー部(操作部)
63 回動部
64 カム機構部
64A カム部材(カム部)
65 アジャスト軸部
65A 雄ねじ部
66 アジャストナット
67 アジャストスプリング
70 貫通孔
70C 支持段部
76 ガイドロッド
80 リターンスプリング
81 延出筒部材(延出部)
104 Oリング(シール部材)
122 ローラ
123 ローラ軸
124 ガイド溝部(溝部)
130 固定部材
130C 支持段部

Claims (9)

  1. 車体側に固定されるキャリパボディ(51)と、
    前記キャリパボディ(51)に形成されるシリンダ室(55)に収容され、該シリンダ室(55)内に供給される作動液の液圧で作動するピストン(52)と、
    前記ピストン(52)と同軸に配置されるロッド(61)を有し、該ロッド(61)により前記ピストン(52)を押圧することで該ピストン(52)を機械的に作動させる機械式作動機構部(60)と、
    前記ピストン(52)の作動に応じて、ブレーキディスク(40)を挟み込んで、該ブレーキディスク(40)に制動力を付与するブレーキパッド(53)と、
    を備えるブレーキキャリパにおいて、
    前記ロッド(61)は、その一端部が前記ピストン(52)に当接する状態で前記シリンダ室(55)内に配置され、
    前記機械式作動機構部(60)は、
    前記ロッド(61)の他端部に、その一端部を対向させ、その他端部に設けられた操作部(62)の操作に応じて回動可能な回動部(63)を備えるとともに、前記ロッド(61)の他端部と前記回動部(63)の一端部との間にカム部(64A)を設けることでカム機構部(64)を構成し、
    前記回動部(63)が初期位置から回動されることで、前記カム機構部(64)により前記ロッド(61)が推進されて前記ピストン(52)が押圧され、
    前記回動部(63)の一端部及び前記カム部(64A)が前記シリンダ室(55)に晒されるとともに、前記ロッド(61)の推進に伴って圧縮され該ロッド(61)を推進前の状態に復帰させる圧縮力を蓄えるリターンスプリング(80)が、前記ピストン(52)内に配置されることを特徴とするブレーキキャリパ。
  2. 前記キャリパボディ(51)には、前記シリンダ室(55)と外部とを連通させる貫通孔(70)が前記ピストン(52)と同軸に形成され、
    前記貫通孔(70)の内周面、又は前記貫通孔(70)に回動不能に嵌合されるとともに前記回動部(63)を挿通させる環状の固定部材(130)の内周面には、径方向内側に張り出す支持段部(70C,130C)が形成され、
    前記回動部(63)は、前記支持段部(70C,130C)に回動可能に支持され、
    前記貫通孔(70)の内周面又は前記固定部材(130)の内周面と、前記回動部(63)との間には、前記支持段部(70C,130)に隣接した状態でシール部材(104)が配置されることを特徴とする請求項1に記載のブレーキキャリパ。
  3. 少なくとも前記回動部(63)が初期位置である状態において、前記回動部(63)の一端部及び前記カム部(64A)が、前記ピストン(52)軸方向で、前記ピストン(52)の端部から離間して配置されることを特徴とする請求項1又は2に記載のブレーキキャリパ。
  4. 前記ピストン(52)は、底壁部(52A)及び周壁部(52B)を有する有底筒状に形成され、前記周壁部(52B)には径方向内側に張り出すピストン内段部(51X)が形成され、
    前記ロッド(61)は、前記ピストン(52)における前記周壁部(52B)の径方向内側に配置され、
    前記リターンスプリング(80)の一部又は全部が、前記シリンダ室(55)内における前記ロッド(61)の前記ピストン(52)径方向外側の位置であって、前記ピストン内段部(51X)に前記ピストン(52)軸方向で対向する位置に配置され、
    前記リターンスプリング(80)は、一端を前記ロッド(61)における前記カム機構部(64)側の部位に当接するとともに、他端を前記キャリパボディ(51)側から前記ピストン(52)における前記周壁部(52B)内に延びる延出部(81)に当接した状態で支持されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のブレーキキャリパ。
  5. 前記ロッド(61)の径方向外側に配置され、前記ピストン(52)軸方向に延びるガイドロッド(76)が、前記ピストン(52)周方向に間隔を空けて少なくとも2つ以上配置され、
    前記ガイドロッド(76)は、前記シリンダ室(55)内であって、前記ピストン内段部(51X)に前記ピストン(52)軸方向で対向する位置に配置され、
    前記ガイドロッド(76)は、前記ロッド(61)の外周面に係合して、前記ロッド(61)の前記ピストン(52)軸方向への移動をガイドするとともに、前記ロッド(61)の前記ピストン(52)径方向及び周方向における移動を規制することを特徴とする請求項4に記載のブレーキキャリパ。
  6. 前記ロッド(61)の外周面に、前記ピストン(52)径方向に延びるローラ軸(123)が設けられ、該ローラ軸(123)にはローラ(122)が回動可能に取り付けられ、
    前記キャリパボディ(51)には、前記シリンダ室(55)と外部とを連通させる貫通孔(70)が前記ピストン(52)と同軸に形成され、
    前記貫通孔(70)の内周面、又は前記貫通孔(70)に回動不能に嵌合されるとともに前記回動部(63)を挿通させる環状の固定部材の内周面には、前記ローラ(122)を収容保持する溝部(124)が形成され、
    前記ローラ(122)及び前記溝部(124)は、前記ピストン(52)周方向に間隔を空けて少なくとも2つ以上設けられることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のブレーキキャリパ。
  7. 前記ロッド(61)は、前記ピストン(52)軸方向に沿って延び、その外周面に雄ねじ部(65A)が形成されたアジャスト軸部(65)と、該アジャスト軸部(65)に螺合されたアジャストナット(66)と、前記アジャストナット(66)を前記ピストン(52)に向けて付勢するアジャストスプリング(67)と、備え、
    前記アジャストスプリング(67)は、前記ピストン(52)に対する付勢方向に沿って前記ピストン(52)側に向かうに従い縮径するテーパ状に形成されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のブレーキキャリパ。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載のブレーキキャリパを、後輪(5)を支持するスイングアーム(4)に設け、前記後輪(5)と一体に回動する前記ブレーキディスク(40)を前記ブレーキキャリパによって挟み込み可能とし、
    前記ブレーキキャリパが、前記スイングアーム(4)の車幅方向外側端部よりも車幅方向で内側に配置されることを特徴とする鞍乗型車両。
  9. 前記スイングアーム(4)の車幅方向外側にマフラー(42)が配置されるとともに、前記ブレーキキャリパが前記マフラー(42)の車幅方向内側、かつ前記後輪(5)の車軸(5A)よりも前方に配置され、
    前記ブレーキキャリパは、少なくとも前記スイングアーム(4)の上方に向けた最大揺動時に、該スイングアーム(4)と側面視で重なるように配置されることを特徴とする請求項8に記載の鞍乗型車両。
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