JP2016132305A - 鞍乗り型車両用ブレーキ装置 - Google Patents
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Abstract
Description
また、前輪用のマスターシリンダが車両後部に配置されるレイアウトになるため、マスターシリンダがブレーキレバー及び前輪用ブレーキキャリパから離間してしまい、ブレーキケーブル及びブレーキ液圧配管が長くなるという課題があった。
本発明の目的は、ブレーキ連動機構の簡素化・小型化・コンパクト化と、ブレーキケーブル及びブレーキ液圧配管の短縮化とを図るとともに、ブレーキ操作の操作感を向上させることが可能な鞍乗り型車両用ブレーキ装置を提供することにある。
また、上記構成において、前記マスターシリンダ(83)が、側面視で、ヘッドパイプ(21)から後方斜め下方に延びるメインフレーム(22)に沿って配置されるようにしても良い。
また、上記構成において、前記ロッド(112)の延長線上に前記マスターシリンダ(83)の被押圧部(102)が設けられるようにしても良い。
また、上記構成において、側面視で、前記イコライザ(117)と前記マスターシリンダ(83)とを運転者用ステップ(78)を跨ぐように前後に配置し、前記イコライザ(117)と、前記マスターシリンダ(83)の前記被押圧部(102)を押圧する押圧部材(86)とに前記ロッド(112)を渡しても良い。
また、マスターシリンダが、側面視で、ヘッドパイプから後方斜め下方に延びるメインフレームに沿って配置されるので、マスターシリンダをコンパクトに配置できる。
また、ロッドの延長線上にマスターシリンダの被押圧部が設けられるので、被押圧部の作動をスムーズにし、ブレーキ装置の高さを抑えることができる。
また、側面視で、イコライザとマスターシリンダとを運転者用ステップを跨ぐように前後に配置し、イコライザと、マスターシリンダの被押圧部を押圧する押圧部材とにロッドを渡したので、イコライザ及びマスターシリンダが、運転者用ステップに載せた運転者の脚部の邪魔にならず、しかもマスターシリンダを車両のより前方に配置してブレーキケーブル及びブレーキ液圧配管の短縮化を図ることができる。
図1は、本発明に係るブレーキ装置50を備えた自動二輪車10を示す右側面図である。
自動二輪車10は、車体フレーム11の前部にフロントフォーク12を介して前輪13が支持され、車体フレーム11の中央部下部にエンジン14が支持され、車体フレーム11の下部後部にスイングアーム16を介して後輪17が支持された鞍乗り型車両である。
車体フレーム11は、前端部を構成するヘッドパイプ21と、ヘッドパイプ21から後方斜め下方に延びるメインフレーム22と、メインフレーム22の後端部に取付けられた左右一対のピボットプレート23と、メインフレーム22の後部から後方斜め上方に延びる左右一対のリヤフレーム24とを備える。
フロントフォーク12は、その上端部にバーハンドル31が取付けられ、下端部に車軸32を介して前輪13が支持されている。前輪13は、液圧式のディスクブレーキからなる前輪ブレーキ34が付設されている。エンジン14は、クランクケース35と、クランクケース35の前端部から略水平に車体前方に延びるシリンダ部36とを備える。シリンダ部36は、クランクケース35側から順に配置されたシリンダブロック41、シリンダヘッド42、ヘッドカバー43から構成される。シリンダヘッド42の上部には吸気装置26が接続されている。スイングアーム16は、左右のピボットプレート23に設けられたピボット軸45に上下揺動可能に支持され、スイングアーム16の後端部に車軸46を介して後輪17が支持されている。スイングアーム16の後端部とリヤフレーム24とにはリヤクッションユニット47が渡されている。後輪17は、機械式のドラムブレーキからなる後輪ブレーキ48が付設されている。
前輪ブレーキ装置51は、バーハンドル31の一端部に設けられたブレーキレバー55と、ブレーキレバー55からブレーキ連動機構53にブレーキレバー55の操作力を伝達するブレーキケーブル56と、前輪13側に設けられてブレーキ連動機構53からブレーキ液圧配管57を介してブレーキ液圧が伝達される前輪ブレーキ34とを備える。前輪ブレーキ34は、前輪13に一体に設けられたブレーキディスク58と、ブレーキディスク58を挟み込んで制動するためにフロントフォーク12の下端部に取付けられたブレーキキャリパ59とからなる。ブレーキキャリパ59は、シリンダ室と、シリンダ室に移動可能に挿入されたピストンと、ピストンの移動によってブレーキディスク58を挟み込む一対のブレーキパッドとを備え、シリンダ室内にブレーキ液が満たされている。
後輪ブレーキ48は、車軸46と一体的に設けられるブレーキパネル67と、車軸46に回転可能に支持されたブレーキドラムと、ブレーキドラムの内周面に押し付けられる一対のブレーキシューと、一対のブレーキシューをブレーキドラムに押し付けるカム部材とを備える。ブレーキドラムは、後輪17の回転部分の内周部を構成する。
図中の符号71はバーハンドル31の中央部を覆うハンドルカバー、72はフロントフォーク12の上部の前方を覆うフロントカバー、73は前輪13を上方から覆うフロントフェンダ、74はシート28の側部の下方を覆うボディカバー、76は同乗者が掴むグラブレール、77は後輪17を上方から覆うリヤフェンダ、78はクランクケース35の下面に取付けられた運転者用ステップである。
前輪ブレーキ装置51は、クランクケース35の上方に位置する車体フレーム11(詳しくは、メインフレーム22)に取付けられたベース部材81と、ベース部材81に取付けられたケーブル端部支持部材82及びマスターシリンダ83と、ベース部材81に支軸84を介して揺動可能に支持された中継部材86とを備える。
ブレーキケーブル56は、可撓性を有するチューブ状のアウターケーブル87と、アウターケーブル87内に移動可能に挿入されたインナーワイヤ88と、アウターケーブル87の端部に設けられたケーブルキャップ89とを備える。
ケーブル端部支持部材82は、ブレーキケーブル56の端部を支持する部材であり、ベース部材81に取付けられた固定部92と、固定部92のねじ穴にねじ込まれた中空のボルト部材93と、ボルト部材93にねじ結合されたロックナット94とからなる。ボルト部材93は、固定部92に対して回されることで固定部92から突出するインナーワイヤ88の長さを調整することが可能になる。ロックナット94は、固定部92に対するボルト部材93の回り止めをする。
図2において、マスターシリンダ83は、シリンダ101、ピストン102、止め輪103、圧縮コイルばね104、シール部材106,107、ダストカバー108、配管接続口109を備える。
シリンダ101は、ベース部材81に固定され、シリンダ101内にシリンダ穴101aが形成されている。ピストン102は、シリンダ101のシリンダ穴101a内に移動可能に挿入され、ピストン102の外周部にはシール部材106,107が軸方向に隔てて固定されている。止め輪103は、シリンダ穴101a内からピストン102を抜け止めするためにシリンダ穴101aの開口近傍に取付けられている。圧縮コイルばね104は、ピストン102を開口側へ付勢している。ダストカバー108は、シリンダ穴101a内にダストが入り込まないようにシリンダ穴101aの開口とピストン102の先端部102aとの間を塞いでいる。配管接続口109は、シリンダ穴101aの底に開けられた連通孔101bに設けられている。シリンダ穴101a内にはブレーキ液が満たされている。
或いは、クランクケース35の上部にベース部材81を介してケーブル支持部材82、マスターシリンダ83及び中継部材86を取付け、クランクケース35の後部に支軸62を介してブレーキペダル63を取付けるようにしても良い。これにより、ブレーキ連動機構53の全体をクランクケース35側に設けることができる。
上記により、車体フレーム11に対するエンジン14の組付位置のばらつきがブレーキ連動機構53の作動等に与える影響を無くすことが可能になる。
揺動軸穴86aは、支軸84に回転可能に嵌合されている。第1長穴86bは、揺動軸穴86aの近傍に配置され、後で詳述するプッシュロッド112の一端部に設けられた円柱状の端部部材112aが第1長穴86b内に挿入されている。第2長穴86cは、第1長穴86bに対して揺動軸穴86aとは反対側に配置され、ブレーキケーブル56のインナーワイヤ88の先端部に設けられた円柱状の端部部材114が第2長穴86c内に挿入され、第2長穴86cに端部部材114が係止される。突出縁部86dは、第1長穴86b側からピストン102の先端部102aに向けて突出し、ピストン102の先端部102aを押圧可能な部分である。ストッパ部86eは、揺動軸穴86a側からマスターシリンダ83に向けて突出し、マスターシリンダ83の側面と当接可能に設けられて、中継部材86の揺動が規制される。
ブレーキ連動機構53は、イコライザ117、プッシュロッド112、ばね支持部材118、引張コイルばね121、ストッパピン122を備える。
イコライザ117は、ブレーキペダル63の後端部に支軸116を介して揺動可能に連結された略上下方向に延びる縦長形状の部材である。プッシュロッド112は、イコライザ117の上端部に円柱状の端部部材112bが揺動可能に連結されるとともに端部部材112aが中継部材86の第1長穴86b内に揺動可能に挿入されている。ばね支持部材118は、リヤフレーム24の屈曲部24aから下方に延びるように設けられている。引張コイルばね121は、イコライザ117の上端部とばね支持部材118の下端部とに渡されている。ストッパピン122は、イコライザ117の反時計回りの回動を規制するためにピボットプレート23の後縁に取付けられている。
ケーブル端部支持部材82及びマスターシリンダ83は、クランクケース35の前部上部、詳しくは、クランクケース35の前部上部に設けられたスタータモータ124の上方の側方に配置され、更に、側面視でメインフレーム22、エンジン14を支持するためにメインフレーム22に設けられたエンジンハンガ29と重なる。図中の符号36aはシリンダ部36におけるシリンダブロック41とシリンダヘッド42との合わせ面である。マスターシリンダ83は、シリンダヘッド42よりも車両後方に配置されている。
プッシュロッド112は、側面視で、メインフレーム22と重なる。また、イコライザ117は、側面視で、メインフレーム22の後端部及びピボットプレート23に重なる。
クランクケース35には、車体フレーム11に支持されるように、上部に上部被支持部35a、後部に後部被支持部35b,35cが設けられている。上部被支持部35aはエンジンハンガ29で支持され、後部被支持部35b,35cは左右のピボットプレート23で支持されている。
図3は、前輪ブレーキ34を作動させる際の作用を示す作用図である。図3(A)は前輪ブレーキ34を作動させる前の状態を示す作用図、図3(B)は前輪ブレーキ34を作動させたときの状態を示す作用図である。
図3(A)に示すように、ブレーキペダル63には、踏み込む方向とは逆向きに回動力を与えるリターンスプリングとなる引張コイルばね125と、ブレーキペダル63が揺動したかどうかを検知するペダルスイッチ126とが付設されている。引張コイルばね125は、その下端がブレーキペダル63に取付けられ、上端がピボットプレート23に取付けられる。ペダルスイッチ126は、その下端に設けられる検出子がブレーキペダル63に当てられ、上端がピボットプレート23に取付けられる。
このとき、中継部材86が揺動しても、中継部材86の第1長穴86b内ではプッシュロッド112の端部部材112aが静止した状態にあり、イコライザ117も静止した状態にあるので、ブレーキペダル63を踏まなければ、後輪ブレーキ48が作動することはない。
図3(A)の状態から図4(A)に示すように、ブレーキペダル63を矢印Fの向きに踏み始めると、ブレーキペダル63は支軸62を中心にして揺動し、ブレーキペダル63の延長部63cは、矢印Gに示すように、揺動する。この結果、イコライザ117は、ストッパピン122に当りながらプッシュロッド112(詳しくは、端部部材112b)との連結部を略中心にして矢印Hで示すように揺動する。これにより、ブレーキロッド64が、矢印Jに示すように引かれ、これに伴って、ブレーキアーム66が、矢印Kに示すように揺動して、後輪ブレーキ48のカム部材69を回動させる。この結果として、一対のブレーキシューが広がってブレーキドラムを内側から押し付けるため、ブレーキドラムの制動が開始される、即ち、後輪17(図1参照)の制動が開始される。
また、図1及び図2に示したように、マスターシリンダ83が、側面視で、ヘッドパイプ21から後方斜め下方に延びるメインフレーム22に沿って配置されるので、マスターシリンダ83をコンパクトに配置できる。
また、図2に示したように、プッシュロッド112の延長線上にマスターシリンダ83の被押圧部としてのピストン102が設けられるので、ピストン102の作動をスムーズにし、また、ブレーキ装置50の高さを抑えることができる。
また、側面視で、イコライザ117とマスターシリンダ83とを運転者用ステップ78を跨ぐように前後に配置し、イコライザ117と、マスターシリンダ83のピストン102を押圧する押圧部材としての中継部材86とにプッシュロッド112を渡したので、イコライザ117及びマスターシリンダ83が、運転者用ステップ78に載せた運転者の脚部の邪魔にならず、しかもマスターシリンダ83を車両のより前方に配置してブレーキケーブル56及びブレーキ液圧配管57の短縮化を図ることができる。
本発明は、自動二輪車10に適用する場合に限らず、自動二輪車10以外も含む鞍乗り型車両にも適用可能である。
13 前輪
14 エンジン
17 後輪
21 ヘッドパイプ
22 メインフレーム
24 リヤフレーム
34 前輪ブレーキ
35 クランクケース
48 後輪ブレーキ
50 ブレーキ装置
53 ブレーキ連動機構
55 ブレーキレバー(ハンドルレバー)
63 ブレーキペダル
78 運転者用ステップ
83 マスターシリンダ
86 中継部材(押圧部材)
102 ピストン(被押圧部)
112 プッシュロッド(ロッド)
117 イコライザ
Claims (6)
- 液圧式の前輪ブレーキ(34)と、機械式の後輪ブレーキ(48)と、ハンドルレバー(55)の操作によって前記前輪ブレーキ(34)を作動させるマスターシリンダ(83)と、ブレーキペダル(63)の操作力を配分して、前記前輪ブレーキ(34)及び前記後輪ブレーキ(48)に制動力を与えるイコライザ(117)とを備える鞍乗り型車両用ブレーキ装置において、
前記イコライザ(117)からロッド(112)を延出させ、このロッド(112)により前記マスターシリンダ(83)を作動させることを特徴とする鞍乗り型車両用ブレーキ装置。 - エンジン(14)のクランクケース(35)の上方に前記マスターシリンダ(83)を配置したことを特徴とする請求項1に記載の鞍乗り型車両用ブレーキ装置。
- 前記マスターシリンダ(83)が、側面視で、ヘッドパイプ(21)から後方斜め下方に延びるメインフレーム(22)に沿って配置されることを特徴とする請求項1又は2に記載の鞍乗り型車両用ブレーキ装置。
- 前記ロッド(112)の延長線上に前記マスターシリンダ(83)の被押圧部(102)が設けられることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の鞍乗り型車両用ブレーキ装置。
- 前記ロッド(112)が、側面視で、前記メインフレーム(22)の後部から後側へ延びるリヤフレーム(24)と前記クランクケース(35)との間に配置されることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか一項に記載の鞍乗り型車両用ブレーキ装置。
- 側面視で、前記イコライザ(117)と前記マスターシリンダ(83)とを運転者用ステップ(78)を跨ぐように前後に配置し、前記イコライザ(117)と、前記マスターシリンダ(83)の前記被押圧部(102)を押圧する押圧部材(86)とに前記ロッド(112)を渡したことを特徴とする請求項4又は5に記載の鞍乗り型車両用ブレーキ装置。
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