JP2011214647A - ディスクブレーキ - Google Patents

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Abstract

【課題】駐車ブレーキを備えた液圧式のディスクブレーキにおいて、駐車ブレーキの作動を迅速に解除できるようにする。
【解決手段】液圧室12にブレーキ液を供給してピストン10を前進させ、ブレーキパッド3、4をディスクロータ2に押圧して制動力を発生させる。駐車ブレーキ作動時には、電動駆動機構21によってボール−ランプ機構20の回転部材22を回転させ、ボール24を傾斜溝38の最深部から最浅部に転動させ、直動部材23を前進させてピストン10を推進する。このとき、ボール24を傾斜溝38の最浅部の凹部に係合して駐車ブレーキの作動状態を保持する。駐車ブレーキ解除時には、回転部材22を駐車ブレーキ作動時と同方向に回転させ、ボール24を傾斜溝38、39の最浅部から隣接する傾斜溝38、39の最深部に直接移動させることにより、駐車ブレーキを迅速に解除することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、駐車ブレーキ機構を備えた液圧式のディスクブレーキに関するものである。
従来、自動車等の車両に搭載される液圧式のディスクブレーキにおいては、例えば特許文献1に記載されているように、駐車ブレーキ機構を備えたものが知られている。特許文献1に記載されたディスクブレーキは、常用ブレーキとして使用する場合には、液圧によってシリンダ内のピストンを推進して、ブレーキパッドをディスクロータに押圧することによって制動力を発生させる。また、駐車ブレーキとして使用する場合には、電動モータによって、減速機構を介して、ボール−ランプ機構(回転−直動変換機構)の回転部材を回転させて直動部材を直動させ、ピストンを前進させることにより、ブレーキパッドをディスクロータに押圧して制動力を発生させる。
特開2006−177532号公報
上記特許文献1に記載されたものでは、駐車ブレーキを解除する場合、電動モータを駐車ブレーキ作動時とは逆方向に回転させることにより、ピストンを後退させて駐車ブレーキの解除を行なうが、解除動作にかかる時間が問題となる場合がある。例えば、車両の坂道発進を容易にする坂道発進補助制御では、駐車ブレーキによって車両を坂道で保持した状態から、運転者のアクセルペダルの操作に連動して、自動的に駐車ブレーキを解除する動作を行なう。このとき、駐車ブレーキをできるだけ迅速に解除することにより、円滑な発進が可能になる。しかし、電動モータによって作動する減速機構の減速比が大きく設定されていると、解除動作に時間がかかり、円滑な発進に支障をきたす場合があるという問題がある。
そこで、本発明は、駐車ブレーキの作動を迅速に解除することができる駐車ブレーキを備えた液圧式のディスクブレーキを提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明は、ディスクロータを挟んで両側に配置される一対のブレーキパッドと、キャリパのシリンダ内に設けられて前記ブレーキパッドを前記ディスクロータに押圧するピストンと、前記シリンダ内に設けられ電動駆動機構の回転を回転−直動変換機構によって直線運動に変換して前記ピストンを前記ブレーキパッドが前記ディスクロータを押圧する駐車制動位置へ前進させて保持可能な駐車ブレーキ機構とを備えたディスクブレーキであって、
前記回転−直動変換機構は、一対のランプ部材と、該一対のランプ部材間に介装される転動体とを有し、前記一対のランプ部材の少なくとも一方には、前記一対のランプ部材の相対回転によって前記転動体が転動する傾斜溝が形成され、
該傾斜溝は、前記回転部材の回転方向に沿って連続的に複数配置され、前記各傾斜溝の一端部には前記転動体が配置されたとき前記ピストンを後退させる非制動部が形成され、他端部には前記転動体が配置されたとき前記ピストンを駐車制動位置へ前進させる駐車制動部が形成されており、
前記一対のランプ部材を一の傾斜溝において前記転動体が前記非制動部から前記駐車制動部へ転動する方向に回転させることにより、一の傾斜溝の前記駐車制動部にある前記転動体が隣接する他の傾斜溝の非制動位置に転動可能であることを特徴とする。
本発明に係るディスクブレーキによれば、駐車ブレーキを迅速に解除することができる。
本発明の第1実施形態に係るディスクブレーキの縦断面図である。 図1に示すディスクブレーキに設けられたボール−ランプ機構の傾斜溝の正面図である。 図2に示す傾斜溝を示す円周方向に沿った拡大断面図である。 図1に示すディスクブレーキを備えた自動車の駐車ブレーキシステムの概略構成を示すブロック図である。 図1に示すディスクブレーキのボール−ランプ機構の作動状態を示す説明図である。 図4に示す駐車ブレーキシステムの駐車ブレーキ作動時の制御を示すフローチャートである。 図6に示す制御を実行したときの駐車ブレーキの作動状態を示すタイムチャートである。 図4に示す駐車ブレーキシステムの駐車ブレーキ解除時の制御を示すフローチャートである。 図8に示す制御を実行したときの駐車ブレーキの作動状態を示すタイムチャートである。 本発明の第2実施形態に係るディスクブレーキに設けられたボール−ランプ機構の傾斜溝を示す円周方向に沿った拡大断面図である。 本発明の第2実施形態に係るディスクブレーキのボール−ランプ機構の作動状態を示す説明図である。 本発明の第3実施形態に係るディスクブレーキに設けられた一方向クラッチの概略構成を示す正面図である。 本発明の第3実施形態に係るディスクブレーキに設けられたボール−ランプ機構の傾斜溝を示す円周方向に沿った拡大断面図である。 本発明の第2実施形態に係るディスクブレーキのボール−ランプ機構の作動状態を示す説明図である。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1及び図2に示すように、本実施形態に係るディスクブレーキ1は、キャリパ浮動型液圧ディスクブレーキであって、車輪(図示せず)とともに回転するディスクロータ2(ディスク)の両側に配置された一対のブレーキパッド3、4と、ディスクロータ2を跨ぐキャリパ5と、車両の非回転部分に固定されてブレーキパッド3、4及びキャリパ5を移動可能に支持するキャリア(図示せず)とを備えている。
キャリパ5には、一方のブレーキパッド3の裏金6に対向する位置に有底のシリンダ7が形成されている。また、キャリパ5には、ディスクロータ2を跨いで他方のブレーキパッド4の裏金8に当接する爪部9が形成されている。シリンダ7の開口側には、有底円筒状のピストン10がピストンシール11を介して摺動可能に嵌装されている。このピストン10の底部は、ブレーキパッド3の裏金6に当接している。シリンダ7及びピストン10の内部には、液圧室12が形成されている。この液圧室12の内部には、パッド摩耗追従機構13が設けられている。また、液圧室12には、マスタシリンダ等の油圧源(図示せず)が接続される。シリンダ7内の底部側には、駐車ブレーキ機構14が設けられている。
パッド摩耗追従機構13は、調整ナット15及び調整ネジ16を備えている。調整ナット15は、ピストン10内に回転可能に支持され、ウェーブワッシャ17のバネ力によってスラストワッシャ18を介して押圧されてピストン10に摩擦係合している。調整ナット15と調整ネジ16とは、多条ネジによって互いに螺合しており、回転−直線運動が相互に変換可能となっている。調整ナット15と調整ネジ16とは、そのネジ部にビルトインクリアランスとよばれる隙間(バックラッシュ)が設けられており、相対回転することなく、その隙間の分だけ相互に直線移動できるようになっている。調整ネジ16は、コイルバネ19によってシリンダ7の底部側へ付勢され、また、その軸回りの回転が規制されている。
駐車ブレーキ機構14は、シリンダ7内の底部側に配置された回転−直動変換機構であるボール−ランプ機構20を含み、シリンダ7の底部の外側にボール−ランプ機構20を駆動する電動駆動機構21が取付けられている。
ボール−ランプ機構20は、一対のランプ部材である略円板状の回転部材22及び直動部材23と、これらの間に介装された複数(本実施形態では3個)の転動体であるボール24(鋼球)とを含む。回転部材22は、その一端部から延出された軸部25がシリンダ7の底部の軸受部26を回転可能かつ液密的に貫通して、シリンダ7に対して回転可能に支持されている。また、回転部材22とシリンダ7の底部との間には、軸方向荷重を受けるスラストベアリング27及びスラストプレート28が介装されている。直動部材23は、軸方向に移動可能に支持され、かつ、シリンダ7に対する回転が規制されている。直動部材23は、パッド摩耗追従機構13の調整ネジ16に当接し、直動部材23と調整ネジ16との間には、ウェーブワッシャ29が設けられて、これらを互いに離間する方向に付勢している。
ボール−ランプ機構20は、コイルバネ19及び調整ネジ16と共に、略有底円筒状のバネカバー30内に収容されて一体化されており、調整ネジ16がバネカバー30の底部を貫通して外部へ延出されている。バネカバー30の側壁に設けられた切欠31、32、33に、調整ネジ16、直動部材23及びスラストプレート28に設けられた突起34、35、36がそれぞれ係合することにより、これらのバネカバー30に対する回転が規制されている。また、スラストプレート28に形成された突起37がシリンダ7の底部の凹部に係合することにより、スラストプレート28がシリンダ7に対して回転方向に固定されており、これにより、直動部材23及び調整ネジ16は、スラストプレート28及びバネカバー30を介して、シリンダ7に対して回転方向に固定されている。
回転部材22及び直動部材23には、それぞれ互いに対向する端面にボール24が装填される傾斜溝38、39が形成されている。回転部材22及び直動部材23の傾斜溝38、39について、図2及び図3を参照して説明する。なお、回転部材22の傾斜溝38と直動部材23の傾斜溝39とは、同様の構造であるから、回転部材22の傾斜溝38についてのみ図示して説明する。
図2及び図3に示すように、回転部材22には、円周方向(回転部材22の回転方向)に沿って円弧状に延びる複数(図示)の傾斜溝38が形成されている。各傾斜溝38は、同形状で、円周方向の長さが等しく、円周方向に沿って同じ方向に傾斜されており、一端部に非制動部となる最も深い最深部38Aが形成され、他端部に駐車制動部となる最も浅い最浅部38Bが形成されている。これらの傾斜溝38は、隣接する傾斜溝38の最深部38Aと最浅部38Bとが接続するように連続側に配置されている。各傾斜溝38の最浅部38Bには、ボール24を保持するための球面状の凹部が形成されている。隣接する傾斜溝38の最深部38Aと最浅部38Bとの間には、傾斜溝38の傾斜に対して反対向きで傾きが大きい接続部40が形成されている。そして、回転部材22と直動部材23の各各傾斜溝38、39間に、ボール24が1つずつ装填されており、回転部材22を回転させると、ボール24が傾斜した傾斜溝38、39間を転動することにより、傾斜溝38、39内のボール24の転動位置に応じて直動部材23が軸方向に沿って移動する。
電動駆動機構21は、ケース41内に収容された電動モータM及び減速機構(図示せず)を備え、減速機構の出力軸がシリンダ7の底部を貫通してケース41内に延ばされたボールランプ機構20の回転部材22の軸部25に連結されている。そして、電動モータMの回転を減速機構によって所定の減速比で減速して回転部材22を回転駆動するようになっている。電動モータMとしては、ACモータ、DCモータ、その他の公知の電動モータを用いることができる。また、減速機構としては、ウォームギヤ機構、遊星歯車機構等の公知の機構を用いることができる。また、必要な駆動力が得られれば、減速機構を省略して電動モータMによって直接、回転部材22を駆動するようにしてもよい。
次に、ディスクブレーキ1の駐車ブレーキ機構を作動させるための駐車ブレーキシステムについて、図4を参照して説明する。
図4に示すように、ディスクブレーキ1の電動駆動機構21の電動モータMには、マイクロコンピュータベースの電子制御装置である駐車ブレーキ制御ユニット42が接続されている。駐車ブレーキ制御ユニット42は、運転者によって操作される駐車ブレーキスイッチ43、車両のアクセルペダルの操作量を検出するアクセルペダル位置センサ44、及び車両の傾斜を検出する傾斜センサ45を含む各種センサが接続されている。駐車ブレーキ制御ユニット42は、上記各種センサから車両状態を表す各種検出信号を受信し、これらの検出信号に基づいて電動駆動機構21の電動モータMに制御電流を出力して、駐車ブレーキ機構14の作動を制御する。
以上のように構成した本実施形態の作用について次に説明する。
マスタシリンダ等の液圧源から液圧室12へ液圧を供給すると、ピストン10がピストンシール11を撓ませながら前進して、一方のブレーキパッド3をディスクロータ2に押圧し、その反力によってキャリパ5が移動して爪部9が他方のブレーキパッド4をディスクロータ2に押圧する。これにより、ブレーキパッド3、4がディスクロータ2の両側から押付けられて、車輪とともに回転するディスクロータ2の回転が抑制されて車両に制動力を発生させる。液圧源からの液圧が解除されると、ピストン10は、ピストンシール11の弾性によって原位置まで後退して、制動が解除される。このとき、ブレーキパッド3、4の摩耗がない場合には、ピストン10は、調整ナット15と調整ねじ16とのネジ部のビルトインクリアランス(隙間)の範囲内で進退動するので、パッド摩耗追従機構13は作動しない。
ブレーキパッド3、4が摩耗している場合には、制動時にピストン10は、調整ナット15と調整ねじ16とネジ部の隙間の範囲を超えて前進する。このとき、ピストン10とピストンシール11との間に滑りが生じるとともに、調整ナット15とピストン10との摩擦係合が緩んで調整ねじ16に対して調整ナット15が回転してパッド摩耗追従機構13が伸長する。これにより、パッド摩耗追従機構13はピストン10及び直動部材23に当接した状態を維持して、ブレーキパッド3、4の摩耗に追従することになる。
次に、駐車ブレーキ機構14の作動について図5乃至図9を参照して説明する。
図5(a)に示すように、ボール−ランプ機構20のボール24が傾斜溝38の最深部38Aにある状態では、直動部材22は、最も後退した位置にあってピストン10を前進させないので、駐車ブレーキは解除状態となっている。
図5(b)に示すように、電動駆動機構21によってボール−ランプ機構20の回転部材22を回転させてボール24を傾斜溝38の最深部38A(非制動部)から最浅部38B(駐車制動部)に転動させると、直動部材23が前進し、パッド摩耗追従機構13を介してピストン10を駐車制動位置へ推進して、ブレーキパッド3、4をディスクロータ2に押圧することにより、駐車ブレーキは制動状態となる。このとき、ボール24が最浅部38Bの凹部に係合して保持されるので、駐車ブレーキの制動状態を保持することができる。これにより、電動モータMへの通電を停止しても制動状態が保持することができる。また、電動駆動機構21として、ウォームギヤ機構等の不可逆性を有するものを用いることなく、制動状態の保持が可能である。
図5(c)に示すように、回転部材22を図5(b)の制動位置から更に回転させることにより、ボール24は、最浅部38Bから接続部40を経て最深部38Bに転動する。これにより、直動部材23が後退して、駐車ブレーキが解除される。このとき、ボール24が傾斜溝の最浅部38B(制動状態)から最深部38A(解除状態)に直接移動するので、駐車ブレーキの解除を迅速に行うことができる。また、電動モータMの一方向の回転によって駐車ブレーキの制動及び解除を行うことができるので、駐車ブレーキ制御の簡素化が可能になる。
次に、駐車ブレーキ制御ユニット42による駐車ブレーキ作動時の制御について図6及び図7を参照して説明する。図6は、駐車ブレーキ作動時の制御フローを示し、図7は、その制御による駐車ブレーキ作動時のタイミングチャートを示す。
図6及び図7を参照して、ステップS1で、駐車ブレーキスイッチ43、アクセルペダル位置センサ44及び傾斜センサ45を含む各種センサから検出信号を受信して監視する(図7中の時刻T1参照)。ステップS2で、駐車ブレーキスイッチ43による駐車ブレーキ作動要求の有無を判定し、駐車ブレーキ作動要求があればステップS3へ進み、なければ制御を終了する。ステップS3で、電動駆動機構21の電動モータMに通電して(図7中の時刻T2参照)、ステップS4へ進む。これにより、回転部材22が回転して、ボール24が傾斜溝38、39を最深部38Aから最浅部38Bへ向って転動し、直動部材23が前進して制動が開始される。
ステップS4で、電動駆動機構21の電動モータMへの通電電流を監視し、所定の目標電流に達したか否かを判定し、電動モータMへの通電電流が目標電流に達したとき、ステップS5へ進み、通電を終了して電動モータMを停止する(図7中の時刻T3参照)。ここで、ボール24が最浅部38Bに達すると、電動モータMの負荷の増大によってその内部抵抗が変化するので、電流の変化を監視することにより、ボール24が最浅部38Bに到達したことを検知することができる。ボール24が最浅部38Bの凹部に係合することにより、駐車ブレーキの作動状態が保持される。
次に、駐車ブレーキ制御ユニット42による駐車ブレーキ解除時の制御について図8及び図9を参照して説明する。図8は、駐車ブレーキ解除時の制御フローを示し、図9は、その制御による駐車ブレーキ解除時のタイミングチャートを示す。
図8及び図9を参照して、ステップS1で、駐車ブレーキスイッチ43、アクセルペダル位置センサ44及び傾斜センサ45を含む各種センサから検出信号を受信して監視する(図9中の時刻T1参照)。ステップS2で、駐車ブレーキスイッチ43による駐車ブレーキ解除要求の有無を判定し、駐車ブレーキ解除要求があればステップS4へ進み(図9中の時刻T2参照)、なければステップS3に進む。ステップS3では、アクセルペダル位置センサ44の検出に基づき、アクセルペダルの踏込みによる駐車ブレーキ解除の要否を判定する。ここで、アクセルペダルの一定以上の踏込みが検出された場合、駐車ブレーキ解除が必要と判定してステップS4へ進み(図9中の時刻T4参照)、アクセルペダルの一定以上の踏込みが検出されない場合は、駐車ブレーキ解除が不要と判定して制御を終了する。
ステップS4で、電動駆動機構21の電動モータMに通電して電動モータMを駐車ブレーキ作動時と同方向に回転させ(図9中の時刻T2参照)、ステップS5へ進む。これにより、回転部材22が駐車ブレーキ作動時と同方向に回転して、ボール24が傾斜溝38、39を最浅部38Bから最深部38Aへ転動し、直動部材23が後退して制動が解除される。
ステップS5で、電動駆動機構21の電動モータMへの通電電流を監視し、所定の目標電流に達したか否かを判定し、電動モータMへの通電電流が目標電流に達したとき、ステップS6へ進み、通電を終了して電動モータMを停止する(図9中の時刻T3及びT5参照)。ここで、ボール24が最浅部38Bから最深部38Aに移動する際、電動モータMの負荷の変化によってその内部抵抗が変動するので、電流の変化を監視することにより、ボール24が最深部38Aに到達したことを検知することができる。
このようにして、運転者による駐車ブレーキスイッチ43の操作により駐車ブレーキを解除することができる。また、アクセルペダルの踏込みより駐車ブレーキを自動的に解除することができ、坂道発進時の後退を防止する坂道発進補助を行うことができる。このとき、回転部材22を駐車ブレーキ作動時と同方向に回転させることにより、ボール24が傾斜溝の最浅部38B(制動状態)から最深部38A(解除状態)に直接移動するので、回転部材22の回転量が少なくてすみ、駐車ブレーキ解除を迅速に行うことができ、円滑な発進を行なうことができる。また、電動モータMの一方向の回転のみによって駐車ブレーキの制動及び解除を行うことができるので、駐車ブレーキ制御の簡素化が可能になり、駐車ブレーキ制御ユニット42の小型化、低コスト化が可能になる。
なお、上記実施形態において、傾斜溝38、39の傾斜は、図示のものでは一定(直線状)であるが、適宜段階的に変化させてもよく、あるいは、連続的に変化させて曲線状としてもよい。また、最深部38Aと最浅部38Bとの間の接続部の傾斜も適宜変更することができ、回転ディスク22及び直動ディスク33の端面に垂直にし、あるいは、曲線状にしてもよい。傾斜溝38、39は、回転部材22又は直動部材23のいずれか一方に設けてもよい。回転−直動変換機構の転動体は、球体であるボール24のほか、ローラ等の他の形状の転動体としてもよい。また、本発明は、上述のキャリパ浮動型ディスクブレーキのほか、対向ピストン型等の他の形式のディスクブレーキにも適用することができる。
次に、本発明の第2実施形態について図10乃至図11を参照して説明する。なお、上記第1実施形態に対して、同様の部分には同一の符号を用いて、異なる部分についてのみ図示して詳細に説明する。
図10に示すように、本実施形態では、ボール−ランプ機構20の回転部材22及び直動部材23の各傾斜溝38の中間部に、ボール24を保持するための中間保持凹部38Cが形成されている。これにより、図11(c)に示すように、ボール24を中間保持凹部38Cに係合させることにより、電動駆動機構21の電動モータMに通電することなく、回転部材22及び直動部材23の位置を保持して駐車ブレーキの作動状態を保持することができる。
そして、駐車ブレーキ制御ユニット42により、駐車ブレーキ作動時に、傾斜センサ45の検出に応じて、車両が一定角度を超える傾斜を有する坂道に停車している場合には、上記第1実施形態と同様の制御を行ない、図11(a)に示すように、ボール24が傾斜溝38の最浅部38Bに転動するまで回転部材22を回転させて必要な制動力を得る。また、駐車ブレーキ解除時は、図11(b)に示すように、回転部材22を同方向に更に回転させてボール24を最浅部38Bから最深部38Aに移動させることにより、駐車ブレーキを解除することができる。
これに対して、車両が一定角度以下の緩やかな坂道又は平地に停車している場合には、図11(c)に示すように、ボール24を傾斜溝38の中間の保持凹部38Cに係合させる。このとき、ボール24が中間保持凹部38Cに係合する際、電動モータMの負荷が変動するので、上述の最浅部38Bの場合と同様、通電電流の監視によって、ボール24の中間保持凹部38Cとの係合を検知することができる。これにより、必要な制動力を得ながら、電動モータMの負荷を軽減して消費電力を低減すると共に、駐車ブレーキ機構14の耐久性を高めることができる。なお、この状態から制動を解除する場合は、図11(d)に示すように、電動モータMによって回転部材22を逆回転させてボール24を中間保持凹部38Cから最深部38Aに移動させる。
なお、上記第2実施形態において、中間保持凹部38Cは、複数箇所に形成してもよく、これにより、駐車ブレーキ作動時の制動力を段階的に調整することができる。
次に、本発明の第3実施形態について、図12乃至図14を参照して説明する。なお、上記第1実施形態に対して、同様の部分には同一の符号を用いて、異なる部分についてのみ図示して詳細に説明する。
本実施形態では、ボール−ランプ機構20の回転部材22に、図12に示すワンウエイクラッチ46が装着されて、傾斜溝38内においてボール24が最深部38A側から最浅部38B側へ移動する方向の回転部材22の回転のみを許容している。また、図13に示すように、回転部材22及び直動部材23の傾斜溝38の最浅部38Bには、凹部が設けられていない。
ワンウエイクラッチ46は、円筒状の外輪47と、外輪47内に、同心上で回転可能に支持されたカムロータ48と、外輪47とカムロータ48との間に形成された複数(図示のものでは4つ)の楔状空間49に装填されたボール50と、カムロータ48と各ボール50との間に介装されたバネ51(圧縮バネ)とを備えている。そして、外輪47に対してカムロータ48が図12中矢印で示す方向に回転する場合には、ボール50がバネ51のバネ力に抗して後退することにより、カムロータ48の回転を許容し、その反対方向に回転しようとしたとき、ボール50と楔状空間49との楔作用により、その回転を阻止するようになっている。ワンウエイクラッチ46は、外輪47がシリンダ7に一体的に固定され、カムロータ48が回転部材22にキー52によって結合されている。
このように構成したことにより、駐車ブレーキを作動する場合には、電動駆動機構21の電動モータMに通電して回転部材22を回転させ、図14(a)に示すように、ボール24を最深部38Aから最浅部38Bに転動させることにより、直動部材23を前進させて、制動を行うことができる。このとき、ワンウエイクラッチ46により、ボール24を傾斜溝38の中間の任意の位置で保持することができるので、回転部材22の回転量により、制動力を調整することができる。また、駐車ブレーキを解除する場合には、駐車ブレーキの作動時と同方向に回転部材22を回転させて、図14(b)に示すように、ボール24を最浅部38Bから最深部38Aに転動させることにより、制動を解除することができる。なお、傾斜溝38に凹部が設けられていないので、回転部材22の回転位置は、電動モータMの通電電流から検出することが困難であるため、別途、回転位置センサ等を設けることにより検出するとよい。
なお、ワンウエイクラッチは、上述の構造のほか、ラチェット機構、スプリングクラッチ等を利用する公知の構造としてもよく、同様に回転部材22の一方向のみの回転を許容する公知のトルクダイオードを用いてもよく、あるいは、ウォームギヤ機構等の不可逆性の伝動機構により、回転部材を保持するようにしてもよい。
1 ディスクブレーキ、2 ディスクロータ、3、4 ブレーキパッド、5 キャリパ、7 シリンダ、10 ピストン、14 駐車ブレーキ機構、20 ボール−ランプ機構(回転−直動変換機構)、21 電動駆動機構、22 回転部材(ランプ部材)、23 直動部材(ランプ部材)、24 ボール(転動体)、38、39 傾斜溝、38A 最深部(非制動部)、38B 最浅部(駐車制動部)

Claims (1)

  1. ディスクロータを挟んで両側に配置される一対のブレーキパッドと、キャリパのシリンダ内に設けられて前記ブレーキパッドを前記ディスクロータに押圧するピストンと、前記シリンダ内に設けられ電動駆動機構の回転を回転−直動変換機構によって直線運動に変換して前記ピストンを前記ブレーキパッドが前記ディスクロータを押圧する駐車制動位置へ前進させて保持可能な駐車ブレーキ機構とを備えたディスクブレーキであって、
    前記回転−直動変換機構は、一対のランプ部材と、該一対のランプ部材間に介装される転動体とを有し、前記一対のランプ部材の少なくとも一方には、前記一対のランプ部材の相対回転によって前記転動体が転動する傾斜溝が形成され、
    該傾斜溝は、前記回転部材の回転方向に沿って連続的に複数配置され、前記各傾斜溝の一端部には前記転動体が配置されたとき前記ピストンを後退させる非制動部が形成され、他端部には前記転動体が配置されたとき前記ピストンを駐車制動位置へ前進させる駐車制動部が形成されており、
    前記一対のランプ部材を一の傾斜溝において前記転動体が前記非制動部から前記駐車制動部へ転動する方向に回転させることにより、一の傾斜溝の前記駐車制動部にある前記転動体が隣接する他の傾斜溝の非制動位置に転動可能であることを特徴とするディスクブレーキ。
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