JP2000110867A - 電動ディスクブレーキ - Google Patents

電動ディスクブレーキ

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JP2000110867A
JP2000110867A JP10292811A JP29281198A JP2000110867A JP 2000110867 A JP2000110867 A JP 2000110867A JP 10292811 A JP10292811 A JP 10292811A JP 29281198 A JP29281198 A JP 29281198A JP 2000110867 A JP2000110867 A JP 2000110867A
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brake
rotation
ball
brake pad
rotor
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JP10292811A
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Tadaaki Nakamura
忠秋 中村
Hirotaka Oikawa
浩隆 及川
Touma Yamaguchi
東馬 山口
Yoichi Kumemura
洋一 久米村
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Tokico Ltd
Original Assignee
Tokico Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電動ディスクブレーキにおいて、倍力比を大
きくするとともに、ブレーキパッドの引きずりを防止す
る。 【解決手段】 ハウジング4内に、ステータ25およびロ
ータ26からなるモータ8と、リングプレート10,11、回
転プレート17およびこれらの間に介装されたボール22,
23からなるボールランプ機構7とを設ける。モータ8の
ロータ26によって回転プレート17を回転させると、ボー
ルランプ機構7のリングプレート10が押圧プレート27を
介してブレーキパッド30をディスクロータ2に押圧し、
リングプレート11がカバー6、ハウジング4およびその
爪部5を介してブレーキパッド31をディスクロータ2に
押圧する。ボールランプ機構7の利用により、倍力比を
大きくすることができる。また、リングプレート10,11
によって、ブレーキパッド30,31をそれぞれ均一に移動
させることにより、ブレーキパッドの引きずりを防止す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電動モータの回転
力によって制動力を発生させる電動ディスクブレーキ装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば自動車等の車両の制動装置とし
て、ブレーキ液を使用せず、電動モータの出力によって
制動力を発生させるようにした所謂「ドライブレーキ」
装置が知られている。
【0003】ドライブレーキ装置としては、例えば特開
昭60−206766号公報に開示されているように、電動モー
タの回転運動をボールねじ機構によってピストンの進退
動に変換し、ピストンによってブレーキパッドをディス
クロータに押圧させることにより、制動力を発生させる
ようにした電動ディスクブレーキ装置がある。この種の
電動ディスクブレーキ装置は、運転者によるブレーキペ
ダル踏力(または変位量)をセンサによって検出し、コ
ントローラによって、この検出に応じて電動モータの回
転を制御して、所望の制動力を得るようにしている。
【0004】また、上記のような電動ディスクブレーキ
装置においては、各種センサを用いて、各車輪の回転速
度、車両速度、車両加速度、操舵角、車両横加速度等の
車両状態を検出し、コントローラによってこれらの検出
に基づいて電動モータの回転を制御することにより、倍
力制御、アンチロック制御、トラクション制御および車
両安定化制御等を比較的簡単に組み込むことができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のボールねじ機構を利用した電動ディスクブレーキ装
置では、次のような問題があった。ピストンの推力を大
きくして充分大きな制動力を得るためには、モータの出
力を大きくするか、あるいは、ボールねじ機構のリード
を小さくして倍力比を大きくする必要がある。ところ
が、モータの出力を大きくした場合、モータが大型化す
るとともに、消費電力が大きくなるという問題を生じ
る。一方、ボールねじのリードを小さくする場合は、ボ
ールの直径によって、小リード化にも限界があるため、
充分な効果が得られないという問題があった。
【0005】また、上記のような電動ディスクブレーキ
では、ボールねじ機構、モータ等の設置スペース上の制
約から、一方のブレーキパッドをディスクロータに押圧
させ、その反力によってキャリパを移動させて他方のブ
レーキパッドをディスクロータに押圧させるキャリパ浮
動型の構造がとられている。このため、一方のブレーキ
パッドに引きずりが生じやすいという問題があった。
【0006】本発明は、上記の点に鑑みてなされたもの
であり、倍力比を大きくすることができ、また、ブレー
キパッドの引きずりを防止することができる電動ディス
クブレーキを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、請求項1に係る電動ディスクブレーキは、電動モ
ータの回転運動をボールランプ機構を介して直線運動に
変換してブレーキパッドをディスクロータに押圧させる
ようにしたことを特徴とする。
【0008】このように構成したことにより、電動モー
タの回転によってボールランプ機構を介してブレーキパ
ッドがディスクロータに押圧されて制動力が発生する。
【0009】請求項2に係る電動ディスクブレーキは、
上記請求項1の構成において、前記ボールランプ機構
は、互いに対向する円筒の内周面および外周面に形成さ
れた溝と、該溝の間に介装されたボールとを備えている
ことを特徴とする。
【0010】このように構成したことにより、円筒の内
周面および外周面との相対回転にともない、ボールが溝
に沿って移動することによって円筒の内周面および外周
面との間に直線運動が生じる。
【0011】請求項3に係る電動ディスクブレーキは、
上記請求項1または2の構成において、前記ディスクロ
ータの両側に配置されたブレーキパッドをそれぞれ移動
させるボールランプ機構を備えていることを特徴とす
る。
【0012】このように構成したことにより、それぞれ
のボールランプ機構によってブレーキパッドが均一に移
動される。
【0013】また、請求項4に係る電動ディスクブレー
キは、上記請求項1ないし3のいずれかの構成に加え
て、前記ボールランプ機構の直線運動を前記ブレーキパ
ッドに伝達する不可逆性のねじ機構と、前記電動モータ
の制動時の回転は前記ねじ機構に伝達せず、制動時の回
転が所定角度を越えた後の制動解除時の回転のみを前記
ねじ機構に伝達するラチェット機構とを備え、前記ねじ
機構の回転によって前記ブレーキパッドを前記ディスク
ロータ側へ前進させるようにしたパッド摩耗補償機構を
設けたことを特徴とする。
【0014】このよう構成したことにより、ブレーキパ
ッドが摩耗して、電動モータの制動時の回転が所定角度
を越えると、制動解除時の回転がラチェット機構を介し
てねじ機構に伝達され、ねじ機構が伸長してブレーキパ
ッドをディスクロータ側へ前進させる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて詳細に説明する。
【0016】本発明の第1実施形態について図1を参照
して説明する。図1に示すように、第1実施形態に係る
電動ディスクブレーキ1は、車輪と共に回転するディス
クロータ2の一側(通常は車体に対して内側)にキャリ
パ3が配置されており、その円筒状のハウジング4の一
端部から爪部5が突出されて、ディスクロータ2を跨い
で反対側まで延ばされている。ハウジング4の他端部に
は、カバー6が取付けられている。キャリパ3のハウジ
ング4内には、ボールランプ機構7およびモータ8(電
動モータ)が収容されている。
【0017】ボールランプ機構7は、カバー6に取付け
られてハウジング4内の中心に沿って延びる円柱状のガ
イド部材9に、一対のリングプレート10,11が嵌合され
ており、リングプレート10,11は、ガイド部材9の外周
面に形成されたスプライン12によって、ガイド部材9に
対する回転が規制されるとともに、軸方向に移動可能に
案内されている。また、ハウジング4内には、略円筒状
のリテーナ13が嵌合されており、リテーナ13は、ハウジ
ング4の内周面に形成されたスプライン14によってハウ
ジング4に対する回転が規制されるとともに軸方向に移
動可能に案内されている。リテーナ14の内周部には、ベ
アリング15,16によって環状の回転プレート17が回転可
能に支持されており、回転プレート17の内周部が一対の
リングプレート10,11の間に挿入されている。
【0018】一対のリングプレート10,11および回転プ
レート17には、それぞれ互いに対向する部位に周方向に
沿って延びる複数(好ましくは少なくとも3個)のラン
プ溝18,19,20,21が形成されており、リングプレート
10,11のランプ溝18,19と回転プレートのランプ溝20,
21との間に、それぞれボール22,23(鋼球)が介装され
ている。互いに対向するランプ溝18,20および19,21
は、少なくとも一方が、周方向に沿ってその深さが変化
するように所定方向に傾斜され、また、一対のリングプ
レート10,11の間には引張ばね24が介装されており、引
張ばね24のばね力によって付勢されたリングプレート1
0,11は、回転プレート17が原位置にあるとき、回転プ
レート17に最も接近した位置にあり、回転プレート17が
一方へ回転することにより、その回転角度に応じて回転
プレート17から徐々に離間するようになっている。
【0019】モータ8は、リテーナ13の内周面に取付け
られたステータ25と、ステータ25に対向させて、回転プ
レート17の外周面に取付けられたロータ26とからなり、
コントローラ(図示せず)からの制御信号(電気信号)
に応答して所望角度だけ回転させることができ、また
は、所望のトルクで回転させられるようになっている。
【0020】ボールランプ機構7の一方のリングプレー
ト10のディスクロータ2に対向する端面には、押圧プレ
ート27が取付けられ、押圧プレート27とハウジング4と
の間には、ゴムブーツ28が装着されている。他方のリン
グプレート10のカバー6側の端面は、カバー6に突設さ
れた突出部29に係合されている。
【0021】ディスクロータ2と、押圧プレート27との
間および爪部5との間に、それぞれブレーキパッド30,
31が介装されている。キャリパ3およびブレーキパッド
30,31は、車体側に取付けられるキャリヤ(図示せず)
によってディスクロータ2の軸方向に沿って移動可能に
支持されている。
【0022】以上のように構成した本実施形態の作用に
ついて次に説明する。
【0023】制動時には、モータ8へ制御信号を出力し
てロータ26を回転させると、回転プレート17が原位置か
ら回転して、ボールランプ機構7のリングプレート10,
11が、それぞれ引張ばね24のばね力に抗して回転プレー
ト17から離間する。これにより、一方のリングプレート
10が押圧プレート27を介してブレーキパッド30をディス
クロータ2の一側の摺動面に押圧し、他方のリングプレ
ート11がカバー6、ハウジング4およびその爪部5を介
してブレーキパッド31をディスクロータ2の他側の摺動
面に押圧することによって制動力が発生する。なお、ハ
ウジング4のスプライン14に沿って回転プレート17が移
動し、また、キャリパ3がキャリヤに案内されて移動す
ることにより、ディスクロータ2の両側の摺動面の振れ
を吸収することができる。
【0024】このとき、ボールランプ機構7によってモ
ータ8の回転力をブレーキパッド30,31の押圧力に変換
しているので、ランプ溝18,19,20,21の傾斜を浅くす
ることにより、倍力比を大きくすることができ、モータ
8の出力が小さくてすみ、消費電力の低減およびモータ
の小型化を図ることができる。
【0025】制動解除時には、モータへの制御信号の出
力を停止すると、引張ばね24のばね力によってリングプ
レート10,11が原位置に復帰してブレーキパッド30,31
がディスクロータ2から離間されて、制動が解除され
る。このとき、両側のリングプレート10,11を回転プレ
ート17側へ後退させるので、両側のブレーキパッド30,
31をディスクロータ2から均一に離間させることがで
き、ブレーキパッド30,31の引きずりを防止することが
できる。
【0026】次に、本発明の第2実施形態について、図
2を参照して説明する。なお、上記第1実施形態のもの
と同様の部分には、同一の符号を付して説明する。
【0027】第2実施形態に係る電動ディスクブレーキ
32は、キャリパ浮動型ディスクブレーキであって、ディ
スククロータ2の一側(通常は車体に対して内側)にキ
ャリパ33が配置され、キャリパ33には、ディスクロータ
2を跨いで反対側まで延びる爪部34が設けられている。
キャリパ33の略円筒状のハウジング35内には、ボール機
構36およびモータ37(電動モータ)が収容されており、
ハウジング35の端部には、カバー38が装着されている。
また、爪部34には、ボールランプ機構39が設けられてい
る。
【0028】ハウジング35内には、底部をブレーキパッ
ド30に対向させた略有底円筒状の回転部材40が挿入され
て、ベアリング41によって、カバー38に回転可能に支持
されている。ボール機構36は、回転部材40の底部に形成
された回転プレート部42と、回転プレート部42に対向さ
せて配置された押圧プレート43と、回転プレート部42と
押圧プレート43との間に介装された複数のボール44(鋼
球)とから構成されている。押圧プレート43は、ブレー
キパッド30に係合し、ピン45によってその回転が規制さ
れている。
【0029】ボール機構36は、回転プレート部42側の案
内溝46と押圧プレート43側の案内溝47との間にボール44
が介装されており、回転プレート部42と押圧プレート43
との相対回転を許容するとともに、これらの間のスラス
ト力を伝達するようになっている。
【0030】モータ37は、ハウジング35の内周面に取付
けられたステータ48と、ステータ48に対向させて、回転
部材40の外周面に取付けられたロータ49とからなり、コ
ントローラ(図示せず)からの制御信号(電気信号)に
応答して所望角度だけ回転させることができ、または、
所望のトルクで回転させられるようになっている。
【0031】爪部34は、ハウジング35から延ばされた案
内部50に、リニアベアリング51を介して、ディスクロー
タ2の軸方向に沿って進退動可能に支持されている。ボ
ールランプ機構39は、爪部34の基端部に、円筒の内周面
の一部を形成する可動プレート部52が設けられ、また、
回転部材40の一端部から、円筒の外周面の一部を形成す
る回転プレート部53が延ばされており、可動プレート部
52の内周面と回転プレート部53の外周面とが摺接して、
回転部材40が回転することによってこれらが相対回転す
るようになっている。
【0032】可動プレート部52の内周面および回転プレ
ート部53の外周面には、それぞれ互いに対向する部位に
円周方向に対して所定の角度をもって平行に延びる長さ
の異なる長溝54および短溝55が形成されており、長溝5
4、短溝55間には複数のボール56(鋼球)が介装されて
いる。回転プレート部53には、短溝55の両端部を連通さ
せる通路(図示せず)が形成されており、この通路内お
よび短溝55内にボール56が充填されている。そして、回
転部材40が原位置から一方へ回転すると、短溝55ととも
にボール56が移動することにより、短溝55内のボール56
が可動プレートの長溝54を押圧して爪部34をディスクロ
ータ2側へ移動させる。このとき、ボール56が転動して
短溝55および通路を循環することによって摩擦力を軽減
する。
【0033】なお、上記第1実施形態と同様に、キャリ
パ33およびブレーキパッド30,31は、車体側に取付けら
れるキャリヤ(図示せず)によってディスクロータ2の
軸方向に沿って移動可能に支持されている。
【0034】以上のように構成した本実施形態の作用に
ついて次に説明する。
【0035】制動時には、モータ37へ制御信号を出力し
てロータ40を回転させると、ボールランプ機構39の可動
プレート52すなわち爪部34が一方のブレーキパッド31を
ディスクロータ2の一側の摺動面に押圧し、その反力に
よってキャリパ33が移動して、押圧プレート43が他方の
ブレーキパッド30をディスクロータ2の他側の摺動面に
押圧することによって制動力が発生する。
【0036】このとき、ボールランプ機構39は、ボール
ねじ伝動機構と同様の原理によって回転運度を直線運動
に変換するが、長溝54および短溝55が円周上を1周しな
いので、ボール56の直径にかかわらず長溝54および短溝
55の円周方向に対する角度を充分浅くすることができ
る。これにより、モータ37の出力が小さくてすみ、消費
電力の低減およびモータの小型化を図ることができる。
【0037】制動解除時には、モータ37を逆回転させる
ことにより、ボールランプ機構39によって、爪部34が後
退して、一方のブレーキパッド31がディスクロータ2か
ら離間し、その後、キャリパ33が移動して他方のブレー
キパッド30がディスクロータ2から離間して制動が解除
される。
【0038】次に、本発明の第3実施形態について、図
3および図4を参照して説明する。なお、第3実施形態
は、上記第2実施形態に対して、パッド摩耗補償機構を
設けたこと以外は概して同様の構造であるから、以下、
図2に示す第2実施形態のものと同様の部分には同一の
符号を付して、異なる部分についてのみ詳細に説明す
る。
【0039】図3および図4に示すように、第3実施形
態に係る電動ディスクブレーキ57では、キャリパ58の略
円筒状の回転部材40内には、ボール機構の代わりにパッ
ド摩耗補償機構59が設けられている。
【0040】パッド摩耗補償機構59は、ブレーキパッド
30に取付けられた押圧部材60におねじ部61が設けられ、
このおねじ部61に螺合するめねじ部材62がベアリング63
によって回転部材40に回転可能に支持されている。これ
らのおねじ部61とめねじ部材62とは不可逆性を有するね
じ機構を構成しており、すなわち、相対回転させること
によって軸方向に相対変位(伸長および短縮)させるこ
とができるが、逆に軸方向に荷重を付与しても相対回転
して軸方方向に相対変位することがないようになってい
る。押圧部材60は、ピン45によってその回転が規制され
ている。
【0041】めねじ部材62の端部にはラチェット機構64
が設けられている。ラチェット機構64は、めねじ部材62
に連結された歯車65と、回転部材40の内周面に回動可能
に取付けられた複数のコマ66と、これらのコマ66の先端
部を歯車65に押圧するばね67とから構成されている。そ
して、コマ66の先端部が歯車65の各歯の傾斜面65a を乗
り越えることによって、回転部材40の歯車65に対する一
方(制動時の回転方向)への回転を許容し、コマ66の先
端部が歯車65の各歯の傾斜面65a の背面65b に当接する
ことにより、回転部材40の歯車65に対する他方(制動解
除時の回転方向)への回転を阻止し、これらの間、すな
わちコマ66の先端部が傾斜面65a 上を摺動する範囲で
は、回転部材40の歯車65に対する両方向への回転が許容
されるようになっている。
【0042】以上のように構成した本実施形態の作用に
ついて次に説明する。
【0043】制動時には、回転部材40が回転すると、ボ
ールランプ機構39によって爪部34が一方のブレーキパッ
ド31をディスクロータ2に押圧し、その反力によってキ
ャリパ58が移動して、押圧部材60が他方のブレーキパッ
ド30をディスクロータに押圧することより制動力が発生
する。このとき、パッド摩耗補償機構59のラチェット機
構64は、回転部材40の歯車65に対する回転を許容するの
で、めねじ部材62が回転して、おねじ部61とめねじ部材
62とが軸方向に相対変位することはない。
【0044】制動解除時には、モータ37を逆回転させる
ことにより、ボールランプ機構39によって、爪部34が後
退して、一方のブレーキパッド31がディスクロータ2か
ら離間し、その後キャリパ58が移動して他方のブレーキ
パッド30がディスクロータ2から離間して制動が解除さ
れる。
【0045】このとき、ブレーキパッド30,32の摩耗量
が小さく、制動時の回転部材40の回転によってコマ66が
歯車65の歯の傾斜面65a を乗り越えない場合は、制動解
除時の回転部材40の回転によってコマ66が歯車65の歯の
背面65b を押圧することがなく、歯車65は回転しない。
ブレーキパッド30,32の摩耗量が大きくなり、制動時の
回転部材40の回転によってコマ66が歯車65の歯の傾斜面
65a を乗り越えると、制動解除時の回転部材40の回転に
よってコマ66が歯車65の歯の背面65b を押圧して歯車65
を回転させる。これにより、めねじ部材62が回転して、
おねじ部61とめねじ部材62とが軸方向に相対変位してそ
の全長が伸長して、押圧部材60がブレーキパッド30をデ
ィスクロータ2側へ移動させることにより、ブレーキパ
ッド30,31の摩耗が自動的に補償される。
【0046】これにより、ボールランプ機構のストロー
クが小さい場合でも、ブレーキパッドの摩耗に対する補
償を充分に行うことができ、ブレーキパッドの長期間の
使用を可能にすることができる。
【0047】次に、本発明の第4実施形態について、図
5を参照して説明する。なお、第4実施形態は、上記第
3実施形態に対して、キャリパ本体側のブレーキパッド
を移動させるためのボールランプ機構が付加されている
こと以外は、概して同様の構造であるから、以下、図3
および図4に示す第3実施形態のものと同様の部分には
同一の符号を付して、異なる部分についてのみ詳細に説
明する。
【0048】図5に示すように、第4実施形態に係る電
動ディスクブレーキ68では、キャリパ69の回転部材40内
には、略有底円筒状の可動部材70がボールブッシュ71に
よって回転および軸方向に移動可能に嵌合されている。
回転部材40および可動部材70には、それぞれ長溝72A お
よび短溝72B が設けられ、これらの間に複数のボール73
(鋼球)が介装されており、上記第3実施形態のボール
ランプ機構と同様に、回転部材40の回転によって可動部
材70をディスクロータ2側へ移動させるボールランプ機
構74が構成されている。
【0049】可動部材70の底部に形成されためねじ部75
には、ブレーキパッド30に係合してその回転が規制され
る押圧部材76のおねじ部77が螺合されて、めねじ部75と
おねじ部77とで不可逆のねじ機構を構成している。ラチ
ェット機構64の歯車65には、回転部材40にベアリング63
によって回転可能に支持された伝達部材78が結合されて
いる。伝達部材78は、そのスプライン部79が押圧部材76
に係合され、押圧部材76に対して軸方向の移動が許容さ
れるとともに相対回転が規制されている。
【0050】以上のように構成した本実施形態の作用に
ついて次に説明する。
【0051】制動時には、回転部材40が回転すると、ボ
ールランプ機構74が可動部材70を移動させて押圧部材76
を介して一方のブレーキパッド30をディスクロータ2に
押圧させるとともに、ボールランプ機構39が爪部34を移
動させて他方のブレーキパッド31をディスクロータ2に
押圧させることによって制動力が発生する。なお、押圧
部材76は、スプライン部79によって伝達部材78に対する
軸方向の移動が許容されている。
【0052】制動解除時には、モータ37を逆回転させる
ことにより、ボールランプ機構74およびボールランプ機
構39によって、ブレーキパッド30,31がそれぞれディス
クロータ2から離間されて、制動が解除される。このと
き、ボールランプ機構74およびボールランプ機構39によ
って、両側のブレーキパッド30,31をディスクロータ2
から均一に離間させることができ、ブレーキパッド30,
31の引きずりを防止することができる。
【0053】また、ブレーキパッド30,32の摩耗量が大
きくなり、制動時の回転部材40の回転によってコマ66が
歯車65の歯の傾斜面65a を乗り越えると、制動解除時の
回転部材40の回転によってコマ66が歯車65の歯の背面65
b を押圧して歯車65を回転させる。これにより、伝達部
材78がスプライン部79を介して押圧部材76を回転させ、
可動部材70と押圧部材76が軸方向に相対変位してその全
長が伸長し、押圧部材76がブレーキパッド30をディスク
ロータ2側へ移動させることにより、ブレーキパッド3
0,31の摩耗が自動的に補償される。
【0054】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1に係る電
動ディスクブレーキによれば、電動モータの回転によっ
てボールランプ機構を介してブレーキパッドをディスク
ロータに押圧させて制動力を発生させることができる。
【0055】請求項2に係る電動ディスクブレーキによ
れば、円筒の内周面および外周面の相対回転にともな
い、ボールが溝に沿って移動することによって円筒の内
周面および外周面との間に直線運動が生じて、ブレーキ
パッドをディスクロータに押圧させることができる。
【0056】請求項3に係る電動ディスクブレーキによ
れば、それぞれのボールランプ機構によってブレーキパ
ッドが均一に移動されるので、ブレーキパッドの引きず
りを防止することができる。
【0057】また、請求項4に係る電動ディスクブレー
キによれば、パッド摩耗補償機構を設けたことにより、
ブレーキパッドが摩耗して、電動モータの制動時の回転
が所定角度を越えると、制動解除時の回転がラチェット
機構を介してねじ機構に伝達され、ねじ機構が伸長して
ブレーキパッドをディスクロータ側へ前進させるので、
ボールランプ機構のストロークが小さい場合でも、ブレ
ーキパッドの摩耗に対する補償を充分に行うことがで
き、ブレーキパッドの長期間の使用を可能にすることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の縦断面図である。
【図2】本発明の第2実施形態の縦断面図である。
【図3】本発明の第3実施形態の縦断面図である。
【図4】図4の装置のラチェット機構のA−A線による
たて断面図である。
【図5】本発明の第4実施形態の縦断面図である。
【符号の説明】
1,32,57,68 電動ディスクブレーキ 2 ディスクロータ 7,36,39,74 ボールランプ機構 8 モータ(電動モータ) 30,31 ブレーキパッド 54,5571,72 溝 56,73 ボール 59 パッド摩耗補償機構 61 おねじ部(ねじ機構) 62 めねじ部材(ねじ機構) 64 ラチェット機構 75 めねじ部(ねじ機構) 77 おねじ部(ねじ機構)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山口 東馬 神奈川県川崎市川崎区富士見1丁目6番3 号 トキコ株式会社内 (72)発明者 久米村 洋一 神奈川県川崎市川崎区富士見1丁目6番3 号 トキコ株式会社内 Fターム(参考) 3D048 AA02 BB33 CC49 HH18 3J058 AA43 AA48 AA53 AA69 AA73 AA78 AA87 BA16 CC15 CC63 CC77 CC98 FA01

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電動モータの回転運動をボールランプ機
    構を介して直線運動に変換してブレーキパッドをディス
    クロータに押圧させるようにしたことを特徴とする電動
    ディスクブレーキ。
  2. 【請求項2】 前記ボールランプ機構は、互いに対向す
    る円筒の内周面および外周面に形成された溝と、該溝の
    間に介装されたボールとを備えていることを特徴とする
    請求項1に記載の電動ディスクブレーキ。
  3. 【請求項3】 前記ディスクロータの両側に配置された
    ブレーキパッドをそれぞれ移動させるボールランプ機構
    を備えていることを特徴とする請求項1または2に記載
    の電動ディスクブレーキ。
  4. 【請求項4】 前記ボールランプ機構の直線運動を前記
    ブレーキパッドに伝達する不可逆性のねじ機構と、前記
    電動モータの制動時の回転は前記ねじ機構に伝達せず、
    制動時の回転が所定角度を越えた後の制動解除時の回転
    のみを前記ねじ機構に伝達するラチェット機構とを備
    え、前記ねじ機構の回転によって前記ブレーキパッドを
    前記ディスクロータ側へ前進させるようにしたパッド摩
    耗補償機構を設けたことを特徴とする請求項1ないし3
    のいずれかに記載の電動ディスクブレーキ。
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