JP2020034044A - ディスクブレーキ - Google Patents

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坂下 貴康
Takayasu Sakashita
貴康 坂下
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Abstract

【課題】電動パーキングブレーキのリリース作動時間のバラツキ幅を縮小して、オートリリース時のフィーリングを良好にするディスクブレーキを提供する。【解決手段】本ディスクブレーキ1aでは、プラネタリローラ76の径方向に対する、該プラネタリローラ76の円環状山部120とシャフト部材75の円環状溝部83との接触面の角度を第1接触角度(α)として、プラネタリローラ76の円環状山部120とナット部材77の雌ねじ部140との接触面の角度を第2接触角度(α,β)として、ナット部材77の軸方向のうち一方向にシャフト部材75が推進するときには、第1接触角度(α)と第2接触角度(α)とが同一であり、他方向に推進するときには、第1接触角度(α)と第2接触角度(β)とが異なる。これにより、リリース作動時間のバラツキ幅が縮小して、オートリリース時のフィーリングを良好にすることができる。【選択図】図7

Description

本発明は、車両の制動に用いられるディスクブレーキに関する。
車両の制動装置には、電動パーキングブレーキとして機能するディスクブレーキが知られている(特許文献1参照)。このようなディスクブレーキには、モータギヤユニットからの回転運動を直線運動に変換してピストンを推進させ、推進させたピストンを制動位置で保持するピストン推進機構(回転直動変換機構)を備えたものがある。このピストン推進機構には、滑りねじ係合部と、ローラねじ機構とを組み合わせて採用されたものがある。当該滑りねじ係合部は、モータギヤユニットからの回転が伝達されるスピンドルの雄ねじ部とねじ軸の雌ねじ部との間に設けられる。
また、ローラねじ機構は、スピンドルからの回転が滑りねじ係合部を介して伝達されるねじ軸と、該ねじ軸の周りに複数配置され、該ねじ軸に係合されるプラネタリローラと、該各プラネタリローラに係合され、回転不能に支持されるナット部材と、を備えている。そして、スピンドルがモータギヤユニットからの回転が伝達されると、ねじ軸が滑りねじ係合を介してスピンドルに対して相対回転すると共に、各プラネタリローラが、自身の回転軸を中心に自転しながらナット部材の軸線を中心にねじ軸に対して相対回転しながら軸方向に沿って移動することで、ねじ軸が軸方向に沿って移動してピストンに推進力を付与する。
特開2012−229798号公報
しかしながら、上述したピストン推進機構では、パーキングブレーキを解除する際のリリース作動時間のバラツキが大きいことがある。これにより、車両システムとして、オートリリース(アクセル解除)時のフィーリングが悪化する虞がある。この原因の一つには、リリース開始時の、モータギヤユニットからの入力トルクに対するねじ軸への始動時間が遅れ、リリース作動時間が安定しないことが考えられる。すなわち、スピンドルの雄ねじ部とねじ軸の雌ねじ部との間の滑りねじ係合部を作動させるために必要なトルクを、各プラネタリローラと、ねじ軸及びナット部材との係合部にて発生させる際、同時に発生する軸方向反力によって前記滑りねじ係合部を締め込み、当該滑りねじ係合部の作動開始トルクが大きくなり、その結果として、ねじ軸のリリース方向への始動時間が遅れ、作動毎に安定せず、作動毎にリリース作動時間がバラツクことになる。
そして、本発明は、電動パーキングブレーキのリリース作動時間のバラツキ幅を縮小して、オートリリース時のフィーリングを良好にするディスクブレーキを提供することを課題とする。
本発明の第1のディスクブレーキは、ロータを挟んで該ロータの軸方向両側に配置される一対のパッドと、該一対のパッドのうち一方のパッドを前記ロータに押し付けるピストンと、該ピストンが摺動可能に嵌装されるシリンダを有するキャリパ本体と、該キャリパ本体に設けられるモータと、前記キャリパ本体に設けられ、前記モータの回転運動を直線運動に変換してピストンを推進させる回転直動変換機構と、を備え、
前記回転直動変換機構は、筒状部材と、該筒状部材の内側に配置され、前記モータからの入力トルクにより、軸方向に沿って推進する軸部材と、該軸部材と前記筒状部材との間に配置され、前記軸部材及び前記筒状部材と係合される転動体と、を備え、前記転動体の径方向に対する、該転動体の係合部と前記軸部材の係合部との接触面の角度を第1接触角度として、前記転動体の径方向に対する、該転動体の係合部と前記筒状部材の係合部との接触面の角度を第2接触角度として、軸方向のうち一方向に前記軸部材が推進するときには、前記第1接触角度と前記第2接触角度とが同一であり、軸方向のうち他方向に前記軸部材が推進するときには、前記第1接触角度と前記第2接触角度とが異なることを特徴とする。
また、本発明の第2のディスクブレーキは、ロータを挟んで該ロータの軸方向両側に配置される一対のパッドと、該一対のパッドのうち一方のパッドを前記ロータに押し付けるピストンと、該ピストンが摺動可能に嵌装されるシリンダを有するキャリパ本体と、該キャリパ本体に設けられるモータと、前記キャリパ本体に設けられ、前記モータの回転運動を直線運動に変換してピストンを推進させる回転直動変換機構と、を備え、
前記回転直動変換機構は、筒状部材と、該筒状部材の内側に配置され、前記モータからの入力トルクにより、軸方向に沿って推進する軸部材と、該軸部材と前記筒状部材との間に配置され、前記軸部材及び前記筒状部材と係合される転動体と、を備え、軸方向のうち少なくとも一方向に前記軸部材を推進するとき、前記転動体の係合部が前記軸部材の係合部から受ける力の径方向分力と、前記転動体の係合部が前記筒状部材の係合部から受ける力の径方向分力とが異なることを特徴とする。
本発明のディスクブレーキによれば、電動パーキングブレーキのリリース作動時間のバラツキ幅を縮小して、オートリリース時のフィーリングを良好にすることができる。
第1実施形態に係るディスクブレーキの断面図である。 第1実施形態に係るディスクブレーキの要部拡大図である。 第1実施形態に係るディスクブレーキにおけるピストン推進機構の分解斜視図である。 第1実施形態に係るディスクブレーキに採用したリテーニングリングの平面図である。 第1実施形態に係るディスクブレーキにおけるリテーニング溝の説明図であって、リテーニングリングが装着される前の状態を示す断面図である。 第1実施形態に係るディスクブレーキにおけるリテーニング溝の説明図であって、リテーニングリングが装着された状態を示す断面図である。 第1実施形態に係るディスクブレーキにおけるプラネタリローラと、ナット部材及びシャフト部材との係合部の拡大断面図である。 第1実施形態に係るディスクブレーキにおけるシャフト部材の各円環状溝部の拡大断面図である。 第1実施形態に係るディスクブレーキにおけるプラネタリローラの各円環状山部の拡大断面図である。 第1実施形態に係るディスクブレーキにおけるナット部材の雌ねじ部の拡大断面図である。 第2実施形態に係るディスクブレーキにおけるプラネタリローラと、ナット部材及びシャフト部材との係合部の拡大断面図である。 第2実施形態に係るディスクブレーキにおけるプラネタリローラの各円環状山部の拡大断面図である。 第2実施形態に係るディスクブレーキにおけるナット部材の雌ねじ部の拡大断面図である。 第2実施形態に係るディスクブレーキにおけるシャフト部材の各円環状溝部の拡大断面図である。 第3実施形態に係るディスクブレーキにおけるプラネタリローラと、ナット部材及びシャフト部材との係合部の拡大断面図である。 第3実施形態に係るディスクブレーキにおけるプラネタリローラの各円環状山部の拡大断面図である。 第3実施形態に係るディスクブレーキにおけるナット部材の雌ねじ部の拡大断面図である。 第3実施形態に係るディスクブレーキにおけるシャフト部材の各円環状溝部の拡大断面図である。
本発明の実施形態を添付した図を参照して説明する。
以下に、第1〜第3実施形態に係るディスクブレーキ1a〜1cを、図1乃至図18に基づいてそれぞれ説明する。まず、第1実施形態に係るディスクブレーキ1aを図1乃至図10に基づいて説明する。なお、以下の説明において、図1、図2、図7〜図18における右側をディスクブレーキ1a〜1cにおける一端側とし、図1、図2、図7〜図18における左側をディスクブレーキ1a〜1cにおける他端側とする。また、図1及び図2における左右方向をディスクブレーキ1aにおける軸方向とする。
図1に示すように、第1実施形態に係るディスクブレーキ1aは、車両の回転部に取り付けられたディスクロータD(ロータ)を挟んで、該ディスクロータDの軸方向両側に配置される一対のインナブレーキパッド2およびアウタブレーキパッド3と、浮動型のキャリパ4と、を備えている。一対のインナ及びアウタブレーキパッド2、3、及び浮動型のキャリパ4は、車両のナックル等の非回転部に固定されたブラケット5によって軸方向へ移動可能に支持される。
キャリパ4の主体であるキャリパ本体6は、基端側(一端側)に形成されたシリンダ部7と、当該シリンダ部7からディスクロータDを跨ぐように延び、その先端側(他端側)に形成された爪部8と、を備えている。シリンダ部7には、ピストン18が挿入されるシリンダ10が形成される。図2に示すように、シリンダ10は、他端側が開口された大径開口部10Aと、一端側が軸孔12を有する底部13によって閉じられた有底の小径開口部10Bと、を有する。シリンダ10の大径開口部10Aの内壁面には、環状溝14が形成される。該環状溝14にピストンシール16が装着される。シリンダ10の底部13には、ストッパピン15が圧入固定される。当該ストッパピン15は、底部12からシリンダ10の小径開口部10B内に突出される。
図2に示すように、ピストン18は、底部19と円筒部20とからなるカップ状に形成される。ピストン18は、底部19がインナブレーキパッド2に対向するように配置される。ピストン18は、シリンダ10の大径開口部10Aに軸方向へ移動可能に嵌装され、円筒部20がピストンシール16に接触される。ピストン18とシリンダ10の底部13との間には、ピストンシール16によって区画された液圧室21が形成される。液圧室21には、シリンダ部7に設けられたポート(図示省略)を介して、マスタシリンダ、液圧制御ユニット等、液圧源(図示省略)から液圧が供給される。
図1も参照して、ピストン18の底部19の外周縁部には、凹部25が形成される。凹部25には、インナブレーキパッド2の背面に形成された凸部26が係合される。これにより、ピストン18は、シリンダ10、延いてはキャリパ本体6に対して回り止めされる。ピストン18の底部19と、シリンダ10の大径開口部10Aとの間には、ダストブーツ27が設けられる。ピストン18の底部19の一端面には、径方向中心部に形成される円形平面部30と、該円形平面部30から連続して一端側へ向かうにつれて次第に拡径される環状の傾斜部31と、が形成される。
図1に示すように、キャリパ本体6には、電動モータ35と減速機構とを内蔵したモータギヤユニット36と、回転直動変換機構としてのピストン推進機構37と、が設けられる。ピストン推進機構37は、モータギヤユニット36の回転運動(出力)を直線運動に変換してピストン18を推進させる(軸方向他端側へ移動させる)。モータギヤユニット36には、電動モータ35を制御する電子制御ユニット38が接続される。電子制御ユニット38には、パーキングブレーキのON/OFF時に操作されるパーキングスイッチ39が接続される。なお、電子制御ユニット38は、パーキングスイッチ39の操作によらず、車両側からの信号に基づいてパーキングブレーキを作動(アプライ)及び解除(リリース)させることができる。また、モータギヤユニット36の減速機構は、例えば、平歯多段減速機構、遊星歯車減速機構を含む。
図1〜図3に示すように、ピストン推進機構37は、スピンドル44と、滑りねじ係合部45と、ローラねじ機構46と、を備えている。スピンドル44は、一端側に形成される軸部49と、他端側に形成される雄ねじ部50と、軸部49と雄ねじ部50との間に形成されるフランジ部51と、を備えている。スピンドル44の軸部49には、軸用止め輪58が装着される環状溝52が形成される。スピンドル44は、軸用止め輪58が、シリンダ10の底部13に形成された軸孔12の一端側の開口縁部に当接される。これにより、スピンドル44の、キャリパ本体6に対する軸方向他端側への移動が規制される。スピンドル44の軸部49の一端には、モータギヤユニット36の出力部材(例えば、遊星減速歯車機構のキャリア等)に一体的に接続される多角形軸部53(図3参照)が形成される。本実施形態では、多角形軸部53は六角形軸部に形成される。これにより、モータギヤユニット36からの回転トルクがスピンドル44に伝達される。
なお、スピンドル44の軸部49と、モータギヤユニット36の出力部材との接続は、多角形軸部53による回り止めの他、スプライン、キー等、回転トルクを伝達可能な機械要素を用いることができる。スピンドル44の雄ねじ部50は、その他端がピストン18の底部19の円形平面部30に近接して配置される。スピンドル44のフランジ部51の一端面には、スラストボール65の転動面54(図3参照)が形成される。スピンドル44のフランジ部51の他端面には、凸部55が周方向に沿って複数形成される。
図2に示すように、シリンダ10の底部13に形成された軸孔12の内周面に、ガイドスリーブ56が嵌着される。スピンドル44の軸部49は、このガイドスリーブ56を介して、キャリパ本体6によって回転可能に支持される。シリンダ10の軸孔12と、スピンドル44の軸部49との間は、シールリング57によってシールされる。該シールリング57は、ガイドスリーブ56より他端側に配置される。
シリンダ10内で、その底部13付近にベースプレート60が配置される。ベースプレート60は、後述するナット部材77の一端内周側に配置される。詳しくは、ベースプレート60は、スピンドル44のフランジ部51の一端側(転動面54)に対向するようにして、ナット部材77の大径ナット部138の一端内周側に配置される。該ベースプレート60は、軸孔61を有する円板形状に形成される。該軸孔61には、スピンドル44の軸部49が摺動可能に嵌合される。図5に示すように、ベースプレート60の他端側は、後述するナット部材77の大径ナット部138の内周面に形成された環状の収容凹部151に嵌着される。図3も参照して、ベースプレート60の他端側外周面に嵌合部62が形成される。該嵌合部62が、収容凹部151の内周面に嵌合される。ベースプレート60の他端面の外周縁部が、収容凹部151の底面に当接される。これにより、ベースプレート60は、ナット部材77に対する軸方向他端側への移動が規制される。
図3及び図5に示すように、ベースプレート60の外周面には、他端側が嵌合部62に連続し、一端側に向かって縮径される傾斜面68が形成される。図2から解るように、ベースプレート60の外周面には、回り止め用凸部70が径方向外方に向かって突設される。ベースプレート60の他端面には、スラストボール65の転動面63が形成される。そして、図3も参照して、スピンドル44のフランジ部51の一端面に設けた転動面54と、ベースプレート60の他端面に設けた転動面63の間に、複数のスラストボール65が転動自在に配置される。複数のスラストボール65は、リテーナ66によって周方向へ一定の間隔をあけて保持される。なお、ベースプレート60の外周面には、ブレーキ液を軸方向に流通させるための複数の切欠き部71が形成される。
図2に示すように、滑りねじ係合部45は、スピンドル44の雄ねじ部50と、後述するシャフト部材75の雌ねじ部84との間の螺合部にて構成される。滑りねじ係合部45は、スピンドル44がアプライ方向またはリリース方向へ回転されると、シャフト部材75を回転方向、及び軸方向へ移動可能に構成される。なお、滑りねじ係合部45は、逆効率が0以下に設定されており、シャフト部材75に作用する軸方向への推力によってスピンドル44を回転させることができない。すなわち、滑りねじ係合部45は、スピンドル44の回転トルクを、シャフト部材75に軸方向への推力に変換することができるが、シャフト部材75の軸方向への推力を、スピンドル44の回転トルクに変換することはできない。
図2及び図3に示すように、ローラねじ機構46は、軸部材としてのシャフト部材75と、転動体としてのプラネタリローラ76と、筒状部材としてのナット部材77と、を備えている。シャフト部材75は、スピンドル44の周りに配置される。シャフト部材75は、円筒状に形成される。シャフト部材75は、一端側に形成される小径シャフト部79と、他端側に形成される大径シャフト部80とが一体的に接続されて構成される。小径シャフト部79の一端面には、周方向へ間隔をあけて複数の凸部81(図3参照)が形成される。該小径シャフト部79の一端側外周面には、軸方向に沿って所定ピッチで円環状溝部83が形成される。当該各円環状溝部83が係合部に相当する。各円環状溝部83が、各プラネタリローラ76の外周面に設けられた各円環状山部120に係合される。
図8に示すように、シャフト部材75の円環状溝部83は、その断面形状において、溝底部85を境に一端側及び他端側傾斜面87、88を有し、対称形状に形成されている。この円環状溝部83の断面形状において、その一端側及び他端側傾斜面87、88は、径方向に対する傾斜角度が共にαに設定されている。本実施形態では、傾斜角度αは、40°に設定されている。
また、図2及び図3に示すように、シャフト部材75の小径シャフト部79の内周面に雌ねじ部84が形成される。この雌ねじ部84に、スピンドル44の雄ねじ部50が螺合されて、滑りねじ係合部45が構成される。大径シャフト部80には、その周壁部に径方向に沿って貫通する連通孔92が形成される。大径シャフト部80には、連通孔92よりも一端側の外周面に、平面部93が周方向に沿って間隔を置いて複数形成される。小径シャフト部79の他端外周面には、圧縮コイルばね136の他端を受けるばね受け部94が径方向外方に向かって突設される。大径シャフト部80の他端面には、スラストボール110の転動面96が形成される。大径シャフト部80の軸孔の他端側には、後述するベアリングホルダ114が嵌着される、雌ねじ部84より大径のホルダ嵌合孔97が形成される。なお、シャフト部材75の小径シャフト部79の一端面に設けた複数の凸部81と、スピンドル44のフランジ部51の他端面に設けた複数の凸部55とが干渉したとき、両者の相対回転が規制される。これにより、スピンドル44(雄ねじ部50)の、シャフト部材75(雌ねじ部84)への過度のねじ込みによる固着(噛み込み)が抑制される。
シャフト部材75(大径シャフト部80)の他端面と対向するように、スラストプレート100が配置される。スラストプレート100は、スピンドル44の雄ねじ部50が挿通される軸孔102を有する円環状に形成される。スラストプレート100の軸孔102の内径は、大径シャフト部80のホルダ嵌合孔97の内径に略一致する。スラストプレート100の外周面には、ブレーキ液を軸方向へ流通させるための複数の切欠き部103(図3参照)が形成される。スラストプレート100の他端面には、ピストン18の底部19に設けた傾斜部31に当接される当接面105が形成される。スラストプレート100の一端面には、スラストボール110の転動面107が形成される。そして、複数のスラストボール110が、スラストプレート100の転動面107とシャフト部材75(大径シャフト部80)の転動面96との間に転動自在に配置される。複数のスラストボール110は、リテーナ111によって周方向へ一定の間隔をあけて保持される。
スラストプレート100の軸孔102の内周面から大径シャフト部80のホルダ嵌合孔97内に亘って、ベアリングホルダ114が挿通される。ベアリングホルダ114は円筒状に形成される。ベアリングホルダ114には、その外周壁に周方向に沿って間隔をあけて複数の係止片116が形成される。各係止片116は、ベアリングホルダ114の外周壁の他端側を切り起こして形成される。ベアリングホルダ114の他端面には、周方向に間隔を置いて複数の係止爪部117が突設される。そして、ベアリングホルダ114は、各係止片116の端が、大径シャフト部80の連通孔92内に内側から係合されると共に、各係止爪部117をスラストプレート100の他端面に当接させることにより、スラストプレート100を、リテーナ111を含む各スラストボール100と共に、シャフト部材75の他端に一体的に保持することができる。
シャフト部材75の小径シャフト部79の各円環状溝部83には、周方向に沿って間隔を置いて複数のプラネタリローラ76が係合される。本実施形態では、プラネタリローラ76は6本配置される。プラネタリローラ76には、その外周面に軸方向に沿って所定ピッチで円環状山部120が形成される。当該各円環状山部120が係合部に相当する。プラネタリローラ76の各円環状山部120が、シャフト部材75(小径シャフト部79)の外周面に設けた各円環状溝部83に係合される。これにより、シャフト部材75と各プラネタリローラ76とは、軸方向への相対移動が規制される。
図9に示すように、プラネタリローラ76の各円環状山部120は、その断面形状において、頂部122を境に一端側及び他端側傾斜面125、126を有し、非対称形状に形成されている。すなわち、この円環状山部120の断面形状において、その一端側傾斜面125は、頂部122から溝底部123に向かって次第に縮径して延びる。一方、その他端側傾斜面126は、溝底部123から連続して次第に拡径して延びる他端側第1傾斜面126Aと、該他端側第1傾斜面126Aから連続して次第に拡径して頂部122に向かって延びる他端側第2傾斜面126Bと、から構成される。一端側傾斜面125及び他端側第1傾斜面126Aは、径方向に対する傾斜角度がαに設定されている。一方、他端側第2傾斜面126Bは、径方向に対する傾斜角度がβに設定されている。なお、傾斜角度βは傾斜角度αと異なっており、αよりも大きい。本実施形態では、傾斜角度βは約70°であり、傾斜角度αは約40°である。
また、図2及び図3に示すように、これらプラネタリローラ76は、隣接するプラネタリローラ76が互いに干渉しないように、ローラケージ130によって支持される。ローラケージ130は、円筒状に形成される。ローラケージ130の外周壁には、各プラネタリローラ76をそれぞれ収容するローラ収容孔131が複数形成される。これらローラ収容孔131は、軸方向に沿って長い長孔に形成される。ローラケージ130は、軸方向両端部の内周面が、シャフト部材75の外周面に摺動可能に嵌合される。ローラケージ130の他端面には、リング状のシート部材133が配置される。シート部材133の内周面の一部に、直線状に延びる平面部134が形成される。このシート部材133と、シャフト部材75のばね受け部94との間に圧縮コイルばね136が配置される。これにより、圧縮コイルばね136の付勢力は、ローラケージ130を介してプラネタリローラ76へ伝達される。このように、圧縮コイルばね136は、シャフト部材75の各円環状溝部83に各プラネタリローラ76の各円環状山部120を押し付けて摩擦力を発生させる与圧機構として機能する。また、シート部材133の内側に形成された平面部134が、シャフト部材75の外周面に形成された平面部93に係合されることにより、シート部材133のシャフト部材75に対する相対回転が規制される。
ナット部材77は、段付円筒形に形成される。ナット部材77は、一端側に開口される大径ナット部138と、他端側に開口される小径ナット部139とが一体的に接続されて構成される。小径ナット部139の内周面には、各プラネタリローラ76の各円環状山部120が係合される(噛み合わされる)雌ねじ部140が形成される。当該雌ねじ部140が係合部に相当する。ナット部材77の雌ねじ部140とプラネタリローラ76の円環状山部120とは、雌ねじ部140のピッチと円環状山部120のピッチ(軸方向間隔)とが同一で、かつ雌ねじ部140の条数をプラネタリローラ76の数量の整数倍に設定することにより、相互に噛み合わされる。例えば、6個のプラネタリローラ76を用いて、雌ねじ部140および円環状山部120のピッチを1mmとした場合、雌ねじ部140の条数を6(6×1)に設定することにより、ナット部材77の雌ねじ部140とプラネタリローラ76の円環状山部120とを噛み合わせることができる。なお、このときのリードは6mmである。
図10に示すように、ナット部材77の雌ねじ部140は、その断面形状において、溝底部143を境に一端側及び他端側傾斜面145、146を有し、非対称形状に形成されている。詳しくは、この雌ねじ部140は、断面形状において、その一端側傾斜面145は、頂部142から溝底部143に向かってその開口径が次第に拡径されており、径方向に対する傾斜角度がαに設定されている。一方、その他端側傾斜面146は、頂部142から溝底部143に向かってその開口径が次第に拡径されており、径方向に対する傾斜角度がβに設定されている。なお、傾斜角度αは傾斜角度βよりも小さい。本実施形態では、傾斜角度αは約40°であり、傾斜角度βは約70°である。
図2及び図3に示すように、ナット部材77の大径ナット部138には、その周壁部に径方向に貫通してブレーキ液を流通させる複数の通路148が設けられる。ナット部材77の大径ナット部138の一端面には、切欠き部150が形成される。切欠き部150には、ベースプレート60の回り止め用凸部70が係合される。これにより、ナット部材77とベースプレート60との相対回転が規制される。また、この切欠き部150には、キャリパ本体6のシリンダ10の底部13から突出されるストッパピン15が係合される。これにより、ナット部材77及びベースプレート60の、キャリパ本体6に対する相対回転が規制される。
図2及び図5に示すように、ナット部材77の大径ナット部138の一端側内周面には、ベースプレート60の他端側を収容する収容凹部151が形成される。該収容凹部151から一端側に連続して断面湾曲状の環状溝部152が形成される。該環状溝部152から一端側に連続して、ベースプレート60の傾斜面68に対向する傾斜面153が形成される。この傾斜面153は、一端側に向かって縮径される。これにより、ナット部材77の大径ナット部138の傾斜面153と、ベースプレート60の傾斜面68との間に、環状のリテーニング溝155が形成される。当該リテーニング溝155に、図4に示す、C形のリテーニングリング156が装着される。リテーニングリング156は、線の断面が円形をなす穴用止め輪であり、圧縮(縮径)された状態でリテーニング溝155に装着される。
なお、図6に示すように、ナット部材77側の傾斜面153に対するリテーニングリング156の接触角をεとし、ベースプレート60側の傾斜面68に対するリテーニングリング156の接触角をσとすると、接触角εは接触角σよりも大きく設定される(ε>σ)。本実施形態では、接触角εが60°に設定され、接触角σが45°に設定される。これにより、リテーニング溝155は、その幅が他端側(図6の左側)に向かって狭くなる。換言すると、ナット部材77側の傾斜面153と、ベースプレート60側の傾斜面68との間の距離が、ディスクロータD側に近づくにつれて短くなり、最終的にリテーニングリング156の線径よりも小さくなる。このとき、リテーニング溝155は、ピストン推進機構37の軸線を含む平面による断面が、先端角15°(ε−σ)の楔形状に形成される。なお、ナット部材77の大径ナット部138の内周面に設けた環状溝部152の内径は、圧縮される前のリテーニングリング156の外径よりも小さく設定される。
そして、リテーニングリング156は、リテーニング溝155に装着(嵌合)された状態で、ナット部材77の傾斜面153によって圧縮される。リテーニングリング156は、ベースプレート60の傾斜面68に当接されることにより、リテーニング溝155内の他端側への移動が規制される。ここで、リテーニングリング156がナット部材77の傾斜面153を押圧する力(ばね力)の反力は、ベースプレート60の傾斜面68、換言すると、ベースプレート60の外周面を他端側へ押し付けるように、ベースプレート60に作用する。すなわち、ベースプレート60は、リテーニングリング156の弾性力(付勢力)によって他端側へ付勢され、他端側の端面の外周縁部が、ナット部材77の大径ナット部138の内周面に形成された収容凹部151の底面に押し付けられる。
次に、第1実施形態のディスクブレーキ1aの作動を説明する。
運転者によってブレーキペダル(図示略)が踏み込まれると、ブレーキペダルの踏力に応じた液圧が、マスタシリンダ、液圧回路(以上、図示省略)を経由し、キャリパ4内の液圧室21へ供給される。これにより、ピストン18は、ピストンシール16を弾性変形させながら、非制動時の原位置(図1参照)から他端側へ移動し、インナブレーキパッド2をディスクロータDに押し付ける。これと同時に、キャリパ本体6は、ピストン18の反力によってブラケット5に対して一端側へ移動し、爪部8によってアウタブレーキパッド3をディスクロータDに押し付ける。その結果、ディスクロータDが一対のインナ及びアウタブレーキパッド2、3によって挟み付けられて摩擦力が発生し、車両の制動力が発生する。
運転者によってブレーキペダルが戻されると、マスタシリンダから液圧室21への液圧の供給が停止し、液圧室21内の液圧が低下する。これにより、ピストン18が、ピストンシール16の弾性変形の復元力によって原位置まで後退し、車両の制動力が解除される。なお、インナ及びアウタブレーキパッド2、3の摩耗に伴って、ピストン18の移動量が増大してピストンシール16の弾性変形の限界を越えると、ピストン18とピストンシール16との間に滑りが生じ、当該滑りによってキャリパ本体6に対するピストン18の原位置が移動する。これにより、インナ及びアウタブレーキパッド2、3が摩耗した場合でも、パッドクリアランスが一定に調整される。
次に、第1実施形態に係るディスクブレーキ1aにおいて、車両の停止状態を維持するパーキングブレーキの作動を説明する。
電子制御ユニット38は、パーキングブレーキの解除状態からパーキングスイッチ39の操作等によるアプライ指令(パーキングブレーキ作動指令)を受けると、モータギヤユニット36の電動モータ35へ通電してスピンドル44をアプライ方向へ回転させる。スピンドル44へ伝達された回転トルクは、スピンドル44の雄ねじ部50とシャフト部材75の雌ねじ部84との滑りねじ係合部45を介して、シャフト部材75へ伝達される。なお、シャフト部材75には、スピンドル44から伝達される回転トルクに対して、プラネタリローラ76の回転抵抗トルクが反力として付与されるため、シャフト部材75は、スピンドル44に対して相対回転する。
シャフト部材75へ伝達された回転トルクは、シャフト部材75の円環状溝部83とプラネタリローラ76の円環状山部120との係合部を介して、各プラネタリローラ76へ伝達される。各プラネタリローラ76へ伝達された回転トルクは、プラネタリローラ76の円環状山部120とナット部材77の雌ねじ部140との係合部(噛み合い部)を介して、ナット部材77へ伝達される。ここで、ナット部材77は、シリンダ部7に固定されたストッパピン97によってシリンダ部7に対して回り止めされている。よって、各プラネタリローラ76は、アプライ方向に自転しながらピストン推進機構37の軸線を中心にアプライ方向に公転する。このとき、各プラネタリローラ76には、伝達された回転トルクに応じた軸方向他端側への推力が発生する。各プラネタリローラ76に発生した推力は、各プラネタリローラ76の各円環状山部120とシャフト部材75の各円環状溝部83との係合部を介して、シャフト部材75へ伝達される。その結果、シャフト部材75が軸方向他端側へ移動する。
このように、シャフト部材75がアプライ方向に推進する際には、図7を参照して、プラネタリローラ76の各円環状山部120とシャフト部材75の各円環状溝部83との係合部では、他端側の接触面、すなわちプラネタリローラ76の他端側第1傾斜面126Aとシャフト部材75の他端側傾斜面88との接触面にて接触角αにて噛み合う。一方、プラネタリローラ76の各円環状山部120とナット部材77の雌ねじ部140との係合部においては、一端側の接触面、すなわちプラネタリローラ76の一端側傾斜面125とナット部材77の一端側傾斜面145との接触面にて同じく接触角αで噛み合うことになる。したがって、シャフト部材75への推力(軸方向荷重)によって発生する各接触面(共に接触角α)の径方向分力(軸方向分力)は等しく、釣り合った状態となる。これにより、シャフト部材75を高効率でアプライ方向に推進させることが可能になる。
一方、スピンドル44の雄ねじ部50とシャフト部材75の雌ねじ部84との滑りねじ係合部45においても、シャフト部材75からプラネタリローラ76へ伝達される回転トルクとほぼ等しい回転トルクを、スピンドル44からシャフト部材75へ伝達している。このため、当該滑りねじ係合部45には、伝達トルクに応じた軸方向他端側への推力が発生する。当該滑りねじ係合部45に発生した推力により、シャフト部材75は、スピンドル44に対して軸方向他端側への推力を受ける。このように、シャフト部材75は、滑りねじ係合部45を介してスピンドル44から伝達される回転トルクによる推力と、ローラねじ機構46のナット部材77と各プラネタリローラ76との間の係合部により発生した推力と、を合わせた推力を受ける。
これらの推力を受けたシャフト部材75は、ナット部材77の雌ねじ部140に沿うようにアプライ方向へ回転(スピンドル44に対して相対回転)しながら軸方向他端側へ移動し、スラストボール110を介してスラストプレート100の当接面105をピストン18の底部19の傾斜部31に押し付ける。これにより、ピストン18は他端側へ移動し、インナブレーキパッド2に押し付けられる。その結果、インナ及びアウタブレーキパッド2、3がディスクロータDに押し付けられ、車両の制動力が発生する。電子制御ユニット38は、シャフト部材75がピストン18を押し付ける力、換言すると、車両の制動力が、予め定められた所定値に到達すると、モータギヤユニット36の電動モータ35への通電を停止し、スピンドル44のアプライ方向への駆動(回転)を停止させる。なお、電子制御ユニット38は、シャフト部材75がピストン18を押し付ける力(シャフト部材75の推力)を、例えば、電動モータ35の電流値に基づき算出することができる。
上述したように、滑りねじ係合部45は、逆効率が0以下であるので、スピンドル44の回転トルクをシャフト部材75の推力に変換することができるが、シャフト部材75の推力をスピンドル44の回転トルクに変換することができない。これにより、電子制御ユニット38が電動モータ35への通電を停止したとき、シャフト部材75は、ピストン18を介してディスクロータDからの押圧力の反力が作用しても、停止状態が維持される。その結果、ピストン18が制動位置に保持され、パーキングブレーキの作動が完了する。パーキングブレーキの作動が完了した状態では、ディスクロータDからの押圧力の反力が、スラストプレート100、スラストボール110、シャフト部材75、スピンドル44、スラストボール65、およびベースプレート60を介してキャリパ本体6のシリンダ10の底部13へ伝達され、ピストン18の保持力となる。
一方、電子制御ユニット38が、パーキングスイッチ39の操作等のリリース指令(パーキングブレーキ解除指令)を受けると、モータギヤユニット36の電動モータ35へ通電し、スピンドル44をリリース方向へ回転させる。スピンドル44へ伝達された回転トルクは、スピンドル44の雄ねじ部50とシャフト部材75の雌ねじ部84との滑りねじ係合部を介して、シャフト部材75へ伝達され、シャフト部材75をリリース方向へ回転させる。この初期状態では、シャフト部材75はスピンドル44と一体となって回転して、スピンドル44の回転が継続される。シャフト部材75へ伝達された回転トルクは、シャフト部材75の円環状溝部83と各プラネタリローラ76の各円環状山部120との係合部を介して、各プラネタリローラ76へ伝達される。
各プラネタリローラ76へ伝達された回転トルクは、各プラネタリローラ76の円環状山部120とナット部材77の雌ねじ部140との係合部(噛み合い部)を介して、ナット部材77へ伝達される。ナット部材77は、シリンダ部7に固定されたストッパピン97によってシリンダ部7に対して回り止めされているため、各プラネタリローラ76は、リリース方向へ自転しながらピストン推進機構37の軸線を中心にリリース方向へ公転する。このとき、プラネタリローラ76には、伝達された回転トルクに応じて軸方向一端側、すなわち、アプライ指令時とは反対のリリース方向への推力が発生する。プラネタリローラ76に発生した推力は、各プラネタリローラ76の各円環状山部120とシャフト部材75の各円環状溝部83との係合部を介して、シャフト部材75へ伝達される。
このリリース時、図7を参照して、シャフト部材75がリリース方向に推進する際には、プラネタリローラ76の各円環状山部120とシャフト部材75の各円環状溝部83との係合部では、一端側の接触面、すなわちプラネタリローラ76の一端側傾斜面125とシャフト部材75の一端側傾斜面87との接触面にて接触角αで噛み合う。一方、プラネタリローラ76の各円環状山部120とナット部材77の雌ねじ部140との係合部においては、他端側の接触面、すなわちプラネタリローラ76の他端側第2傾斜面126Bとナット部材77の他端側傾斜面146との接触面にて接触角β(>接触角α)で噛み合うことになる。したがって、シャフト部材75への推力(軸方向荷重)によって発生する各接触面(接触角β>接触角α)の径方向分力は、接触角βで接触した接触面が接触角αで接触した接触面より大きくなり、各プラネタリローラ76はシャフト部材75に押し付けられる。この作用により、各プラネタリローラ76の各円環状山部120は、シャフト部材75の各円環状溝部83と、一端側及び他端側の両面に隙間なく接触することになるために、この係合部において摩擦抵抗が増加して効率が低下する。このように、リリース時には、ローラねじ機構46の効率を低下させ、モータギヤユニット36から入力された回転トルクに対してシャフト部材75に発生する推進力を小さくすることができる。
そして、シャフト部材75は、ナット部材77の雌ねじ部140に沿うようにリリース方向へ回転(スピンドル44に対して相対回転)しながら一端側へ移動し、インナ及びアウタブレーキパッド2、3によるディスクロータDの押圧力が解除される。電子制御ユニット38は、ピストン18の底部19の傾斜部31と、スラストプレート100の当接面105との間に予め定められた距離(クリアランス)が確保された初期状態に戻ると、モータギヤユニット36の電動モータ35への通電を停止する。
なお、リリース時には、シャフト部材75がスピンドル44に対して相対回転しながら一端側に移動するが、原位置まで後退したときには、シャフト部材75の一端面に設けた凸部81が、スピンドル44のフランジ部83の他端面に設けた凸部55に係合されることで、シャフト部材75のスピンドル44に対する相対回転が規制される。これにより、スピンドル44の雄ねじ部50の、シャフト部材75の雌ねじ部84への過度なねじ込みが抑止される。
ところで、従来技術においては、スピンドル44の雄ねじ部50とシャフト部材75の雌ねじ部84との間の滑りねじ係合部45を作動させるために必要なトルクを、各プラネタリローラ76と、シャフト部材75及びナット部材77との係合部にて発生させる際、同時に発生する軸方向反力によって前記滑りねじ係合部45を締め込み、当該滑りねじ係合部45の作動開始トルクが大きくなり、その結果、シャフト部材75のリリース方向への始動時間が遅れ、リリース作動時間が安定せず、車両システムとして、オートリリース時のフィーリングが悪化する、との問題が生じていた。
この問題を解決するために、第1実施形態に係るディスクブレーキ1aでは、特に、シャフト部材75がリリース方向に推進する際には、プラネタリローラ76の各円環状山部120とシャフト部材75の各円環状溝部83との係合部では、一端側の接触面にて接触角αで噛み合う。一方、プラネタリローラ76の各円環状山部120とナット部材77の雌ねじ部140との係合部においては、他端側の接触面にて接触角β(>接触角α)で噛み合う。したがって、シャフト部材75への推力(軸方向荷重)によって発生する各接触面(接触角β>接触角α)の径方向分力は、接触角βで接触した接触面のほうが接触角αで接触した接触面より大きくなる。その結果、ローラねじ機構46の効率を低下させ、モータギヤユニット36から入力された回転トルクに対して、シャフト部材75に発生する軸方向への推進力を小さくすることができる。
これにより、スピンドル44の雄ねじ部50とシャフト部材75の雌ねじ部84との間の滑りねじ係合部45を作動させるために必要なトルクを、各プラネタリローラ76と、シャフト部材75及びナット部材77との係合部にて発生させる際、同時に発生する軸方向反力による滑りねじ係合部45の締め込みを和らげ、当該滑りねじ係合部45の作動開始トルクを小さく抑えることができ、その結果、時間遅れなくシャフト部材75をリリース方向へ作動させ、そのリリース作動時間のバラツキを抑えることができる。そして、車両システムとして、オートリリース(アクセル解除)時のフィーリングを良好にすることができる。
次に、第2実施形態に係るディスクブレーキ1bを図11〜図14に基づいて説明する。
第2実施形態に係るディスクブレーキ1bは、第1実施形態に係るディスクブレーキ1aとは、プラネタリローラ76の各円環状山部120、シャフト部材75の各円環状溝部83及びナット部材77の雌ねじ部140における構成が相違して、シャフト部材75が軸方向に推進する際、それぞれの係合部における作用が相違するために、これを詳細に説明する。
第2実施形態に係るディスクブレーキ1bでは、図12に示すように、プラネタリローラ76の円環状山部120は、その断面形状において、頂部201を境に一端側及び他端側傾斜面205、206を有し、非対称形状に形成されている。すなわち、この円環状山部120の断面形状において、その一端側傾斜面205は、頂部201から連続して次第に縮径して延びる一端側第1傾斜面205Aと、該一端側第1傾斜面205Aから連続して次第に縮径して溝底部202に向かって延びる一端側第2傾斜面205Bと、から構成されている。一方、その他端側傾斜面206は、溝底部202から頂部201に向かって次第に拡径して延びる。他端側傾斜面206及び一端側第2傾斜面205Bは、径方向に対する傾斜角度がαに設定されている。一方、一端側第1傾斜面205Aは、径方向に対する傾斜角度がβに設定されている。なお、傾斜角度αは、傾斜角度βよりも小さい。本実施形態では、傾斜角度αは約40°であり、傾斜角度βは約70°である。
図13に示すように、ナット部材77の雌ねじ部140は、その断面形状において、溝底部212を境に一端側及び他端側傾斜面215、216を有し、対称形状に形成されている。すなわち、この雌ねじ部140の断面形状において、その一端側及び他端側傾斜面215、216は、径方向に対する傾斜角度が共にαに設定されている。本実施形態では、傾斜角度αは、40°に設定されている。
図14に示すように、シャフト部材75の円環状溝部83は、その断面形状において、溝底部222を境に一端側及び他端側傾斜面225、226を有し、非対称形状に形成されている。すなわち、この円環状溝部83は、断面形状において、その一端側傾斜面225が、溝底部222から頂部221に向かって次第に拡径されており、径方向に対する傾斜角度がβに設定されている。一方、その他端側傾斜面226は、頂部221から溝底部222に向かって次第に縮径されており、径方向に対する傾斜角度がαに設定されている。なお、傾斜角度αは、傾斜角度βよりも小さい。本実施形態では、傾斜角度αは約40°であり、傾斜角度βは約70°である。
そして、図11を参照して、シャフト部材75がアプライ方向に推進する際には、プラネタリローラ76の各円環状山部120とシャフト部材75の各円環状溝部83との係合部では、他端側の接触面、すなわちプラネタリローラ76の他端側傾斜面206とシャフト部材75の他端側傾斜面226との接触面にて接触角αにて噛み合う。一方、プラネタリローラ76の各円環状山部120とナット部材77の雌ねじ部140との係合部においては、一端側の接触面、すなわちプラネタリローラ76の一端側第2傾斜面205Bとナット部材77の一端側傾斜面215との接触面にて同じく接触角αで噛み合うことになる。したがって、シャフト部材75への推力(軸方向荷重)によって発生する各接触面(共に接触角α)の径方向分力(軸方向分力)は等しく、釣り合った状態となる。これにより、シャフト部材75を高効率でアプライ方向に推進させることが可能になる。
一方、シャフト部材75がリリース方向に推進する際には、プラネタリローラ76の各円環状山部120とシャフト部材75の各円環状溝部83との係合部では、一端側の接触面、すなわちプラネタリローラ76の一端側第1傾斜面205Aとシャフト部材75の一端側傾斜面225との接触面にて接触角βで噛み合う。一方、プラネタリローラ76の各円環状山部120とナット部材77の雌ねじ部140との係合部においては、他端側の接触面、すなわちプラネタリローラ76の他端側傾斜面206とナット部材77の他端側傾斜面216との接触面にて接触角α(<接触角β)で噛み合うことになる。したがって、シャフト部材75への推力(軸方向荷重)によって発生する各接触面(接触角β>接触角α)の径方向分力は、接触角βで接触した接触面が接触角αで接触した接触面より大きくなり、各プラネタリローラ76はナット部材77に押し付けられる。この作用により、各プラネタリローラ76の各円環状山部120は、ナット部材77の雌ねじ部140と、一端側及び他端側の両面に隙間なく接触することになるために、この係合部において摩擦抵抗が増加して効率が低下する。このように、リリース時には、ローラねじ機構46の効率を低下させ、モータギヤユニット36から入力された回転トルクに対してシャフト部材75に発生する軸方向への推進力を小さくすることができる。
そして、第2実施形態に係るディスクブレーキ1bでは、リリース時、各プラネタリローラ76の円環状山部120は、ナット部材77の雌ねじ部140である螺旋溝部に押し付けられるので、プラネタリローラ76には、シャフト部材75に対して傾斜しようとするモーメント荷重が大きく作用することで、第1実施形態に係るディスクブレーキ1aに比べ、ローラねじ機構46の効率をさらに低下させることができる。その結果、リリース時、確実に、時間遅れなくシャフト部材75をリリース方向へ作動させて、リリース作動時間のバラツキを抑えることができる。
次に、第3実施形態に係るディスクブレーキ1cを図15〜図18に基づいて説明する。
第3実施形態に係るディスクブレーキ1cは、第1及び第2実施形態に係るディスクブレーキ1a、1bとは、プラネタリローラ76の各円環状山部120、シャフト部材75の各円環状溝部83及びナット部材77の雌ねじ部140における構成が相違して、シャフト部材75が軸方向に推進する際、それぞれの係合部における作用が相違するために、これを詳細に説明する。
第3実施形態に係るディスクブレーキ1cでは、図16に示すように、プラネタリローラ76の円環状山部120は、その断面形状において、頂部301を境に一端側及び他端側傾斜面305、306を有し、非対称形状に形成されている。すなわち、この円環状山部120の断面形状において、その一端側傾斜面305は、頂部301から連続する一端側第1湾曲面305Aと、該一端側湾曲面305Aから溝底部302に向かって次第に縮径して延びる一端側第2傾斜面305Bと、から構成される。一方、その他端側傾斜面306は、溝底部302から連続して次第に拡径して延びる他端側第1傾斜面306Aと、該他端側第1傾斜面306Aから連続して次第に拡径して頂部301に向かって延びる他端側第2傾斜面306Bと、から構成される。他端側第1傾斜面306Aは、径方向に対する傾斜角度がγに設定される。一端側第2傾斜面305B及び他端側第2傾斜面306Bは、径方向に対する傾斜角度がαに設定されている。なお、傾斜角度γは、傾斜角度αよりも小さい。
図17に示すように、ナット部材77の雌ねじ部140は、その断面形状において、溝底部312を境に一端側及び他端側傾斜面315、316を有し、非対称形状に形成されている。この雌ねじ部140の断面形状において、その一端側傾斜面315は、溝底部312から頂部311に向かってその開口径が次第に縮径されるように延びる。該一端側傾斜面315の径方向に対する傾斜角度はαに設定される。一方、その他端側傾斜面316は、頂部311から溝底部312に向かって開口径が次第に拡径されるように延びる。該他端側傾斜面316の径方向に対する傾斜角度はγに設定されている。
図18に示すように、シャフト部材75の円環状溝部83は、その断面形状において、溝底部322を境に一端側及び他端側傾斜面325、326を有し、非対称形状に形成されている。この円環状溝部83の断面形状において、その一端側傾斜面325は、溝底部322から頂部321に向かって次第に拡径されるように延びる。該一端側傾斜面325の径方向に対する傾斜角度はβに設定される。一方、その他端側傾斜面326は、頂部321から溝底部322に向かって次第に縮径されるように延びる。該他端側傾斜面326の径方向に対する傾斜角度はαに設定されている。なお、傾斜角度γ<傾斜角度α<傾斜角度βとなっている。
そして、図15を参照して、シャフト部材75がアプライ方向に推進する際には、プラネタリローラ76の各円環状山部120とシャフト部材75の各円環状溝部83との係合部では、他端側の接触面、すなわちプラネタリローラ76の他端側第2傾斜面306Bとシャフト部材75の他端側傾斜面326との接触面にて接触角αにて噛み合う。一方、プラネタリローラ76の各円環状山部120とナット部材77の雌ねじ部140との係合部においては、一端側の接触面、すなわちプラネタリローラ76の一端側第2傾斜面305Bとナット部材77の一端側傾斜面315との接触面にて同じく接触角αで噛み合うことになる。したがって、シャフト部材75への推力(軸方向荷重)によって発生する各接触面(共に接触角α)の径方向分力(軸方向分力)は等しく、釣り合った状態となる。これにより、シャフト部材75を高効率でアプライ方向に推進させることが可能になる。
一方、シャフト部材75がリリース方向に推進する際には、プラネタリローラ76の各円環状山部120とシャフト部材75の各円環状溝部83との係合部では、一端側の接触面、すなわちプラネタリローラ76の一端側第1湾曲面305Aとシャフト部材75の一端側傾斜面325との接触面にて接触角βで噛み合う。一方、プラネタリローラ76の各円環状山部120とナット部材77の雌ねじ部140との係合部においては、他端側の接触面、すなわちプラネタリローラ76の他端側第1傾斜面306Aとナット部材77の他端側傾斜面316との接触面にて接触角γ(<接触角β)で噛み合うことになる。したがって、シャフト部材75への推力(軸方向荷重)によって発生する各接触面(接触角β>接触角γ)の径方向分力は、接触角βで接触した接触面が接触角γで接触した接触面より大きくなり、各プラネタリローラ76はナット部材77に押し付けられる。この作用により、各プラネタリローラ76の各円環状山部120は、ナット部材77の雌ねじ部140と、一端側及び他端側の両面に隙間なく接触することになるために、この係合部において摩擦抵抗が増加して効率が低下する。このように、リリース時には、ローラねじ機構46の効率を低下させ、モータギヤユニット36から入力された回転トルクに対してシャフト部材75に発生する軸方向への推進力を小さくすることができる。このように、第3実施形態に係るディスクブレーキ1cは、第2実施形態に係るディスクブレーキ1bと同様の効果を奏することができる。
なお、上述した第1〜第3実施形態に係るディスクブレーキ1a〜1cでは、プラネタリローラ76と、ナット部材77及びシャフト部材75との係合部において、アプライ時の各係合部における接触面に対して同じ接触角αで接触するように構成しているが、プラネタリローラ76に作用する遠心力を打ち消すなどのため、異なる接触角で接触するようにしてもよい。
また、第1〜第3実施形態に係るディスクブレーキ1a〜1cでは、ローラシャフト51とプラネタリローラ76との間の回転トルク伝達に、圧縮コイルばね136の付勢力を利用した摩擦伝達機構を用いたが、歯車機構を用いて回転トルクを伝達するようにしてもよい。
さらに、第1〜第3実施形態に係るディスクブレーキ1a〜1cでは、シャフト部材75に係合部として円環状溝部83を形成し、プラネタリローラ76に係合部として円環状山部120を形成し、ナット部材77に係合部として雌ねじ部140を形成してローラねじ機構46を構成しているが、シャフト部材75の円環状溝部83を雄ねじ部、あるいはプラネタリローラ76の円環状山部120を雄ねじ部に変更することもできる。
以上説明した実施形態に基づくディスクブレーキ1a、1b、1cとして、例えば、以下に述べる態様のものが考えられる。
第1の態様は、ロータ(D)を挟んで該ロータ(D)の軸方向両側に配置される一対のパッド(2、3)と、該一対のパッド(2、3)のうち一方のパッド(2)を前記ロータ(D)に押し付けるピストン(18)と、該ピストン(18)が摺動可能に嵌装されるシリンダ(10)を有するキャリパ本体(6)と、該キャリパ本体(6)に設けられるモータ(35)と、前記キャリパ本体(6)に設けられ、前記モータ(35)の回転運動を直線運動に変換してピストン(18)を推進させる回転直動変換機構(37)と、を備え、前記回転直動変換機構(37)は、筒状部材(77)と、該筒状部材(77)の内側に配置され、前記モータ(35)からの入力トルクにより、軸方向に沿って推進する軸部材(75)と、該軸部材(75)と前記筒状部材(77)との間に配置され、前記軸部材(75)及び前記筒状部材(77)と係合される転動体(76)と、を備え、前記転動体(76)の径方向に対する、該転動体(76)の係合部(120)と前記軸部材(75)の係合部(83)との接触面の角度を第1接触角度(α、β)として、前記転動体(75)の径方向に対する、該転動体(76)の係合部(120)と前記筒状部材(77)の係合部(140)との接触面の角度を第2接触角度(α、β、γ)として、軸方向のうち一方向に前記軸部材(75)が推進するときには、前記第1接触角度(α、β)と前記第2接触角度(α、β、γ)とが同一であり、軸方向のうち他方向に前記軸部材(75)が推進するときには、前記第1接触角度(α、β)と前記第2接触角度(α、β、γ)とが異なる。
第2の態様は、ロータ(D)を挟んで該ロータ(D)の軸方向両側に配置される一対のパッド(2、3)と、該一対のパッド(2、3)のうち一方のパッド(2)を前記ロータ(D)に押し付けるピストン(18)と、該ピストン(18)が摺動可能に嵌装されるシリンダ(10)を有するキャリパ本体(6)と、該キャリパ本体(6)に設けられるモータ(35)と、前記キャリパ本体(6)に設けられ、前記モータ(35)の回転運動を直線運動に変換してピストン(18)を推進させる回転直動変換機構(37)と、を備え、前記回転直動変換機構(37)は、筒状部材(77)と、該筒状部材(77)の内側に配置され、前記モータ(35)からの入力トルクにより、軸方向に沿って推進する軸部材(75)と、該軸部材(75)と前記筒状部材(77)との間に配置され、前記軸部材(75)及び前記筒状部材(77)と係合される転動体(76)と、を備え、軸方向のうち少なくとも一方向に前記軸部材(75)を推進するとき、前記転動体(76)の係合部(120)が前記軸部材(75)の係合部(83)から受ける力の径方向分力と、前記転動体(76)の係合部(120)が前記筒状部材(77)の係合部(140)から受ける力の径方向分力とが異なる。
第3の態様は、第1または第2の態様において、前記転動体(76)の係合部(120)は、一端側傾斜面(125、206)と他端側傾斜面(126、205)とを有し、前記他端側傾斜面(126)には、前記一端側傾斜面(125)と対称であって同じ角度の第一傾斜面(126A、205B)と、該第一傾斜面(126A)と異なる角度で形成された第二傾斜面(126B、205A)とを有する。
第4の態様は、第3の態様において、前記軸部材(75)と前記筒状部材(77)とのいずれか一方には、前記第二傾斜面(126B)に当接する傾斜面(146、225)が形成される。
第5の態様は、第3の態様において、前記第一傾斜面(126A、205B)の角度は、前記第二傾斜面(126B、205A)の角度よりも小さい。
1a、1b、1c ディスクブレーキ,2 インナブレーキパッド(パッド),3 アウタブレーキパッド(パッド),4 キャリパ,6 キャリパ本体,10 シリンダ,18 ピストン,35 電動モータ(モータ),37 ピストン推進機構(回転直動変換機構),75 シャフト部材(軸部材),76 プラネタリローラ(転動体),77 ナット部材(筒状部材),83 円環状溝部(係合部),120 円環状山部(係合部),140 雌ねじ部(係合部),D ディスクロータ(ロータ)

Claims (5)

  1. ロータを挟んで該ロータの軸方向両側に配置される一対のパッドと、
    該一対のパッドのうち一方のパッドを前記ロータに押し付けるピストンと、
    該ピストンが摺動可能に嵌装されるシリンダを有するキャリパ本体と、
    該キャリパ本体に設けられるモータと、
    前記キャリパ本体に設けられ、前記モータの回転運動を直線運動に変換してピストンを推進させる回転直動変換機構と、を備え、
    前記回転直動変換機構は、
    筒状部材と、
    該筒状部材の内側に配置され、前記モータからの入力トルクにより、軸方向に沿って推進する軸部材と、
    該軸部材と前記筒状部材との間に配置され、前記軸部材及び前記筒状部材と係合される転動体と、を備え、
    前記転動体の径方向に対する、該転動体の係合部と前記軸部材の係合部との接触面の角度を第1接触角度として、
    前記転動体の径方向に対する、該転動体の係合部と前記筒状部材の係合部との接触面の角度を第2接触角度として、
    軸方向のうち一方向に前記軸部材が推進するときには、前記第1接触角度と前記第2接触角度とが同一であり、
    軸方向のうち他方向に前記軸部材が推進するときには、前記第1接触角度と前記第2接触角度とが異なる、ディスクブレーキ。
  2. ロータを挟んで該ロータの軸方向両側に配置される一対のパッドと、
    該一対のパッドのうち一方のパッドを前記ロータに押し付けるピストンと、
    該ピストンが摺動可能に嵌装されるシリンダを有するキャリパ本体と、
    該キャリパ本体に設けられるモータと、
    前記キャリパ本体に設けられ、前記モータの回転運動を直線運動に変換してピストンを推進させる回転直動変換機構と、を備え、
    前記回転直動変換機構は、
    筒状部材と、
    該筒状部材の内側に配置され、前記モータからの入力トルクにより、軸方向に沿って推進する軸部材と、
    該軸部材と前記筒状部材との間に配置され、前記軸部材及び前記筒状部材と係合される転動体と、を備え、
    軸方向のうち少なくとも一方向に前記軸部材を推進するとき、前記転動体の係合部が前記軸部材の係合部から受ける力の径方向分力と、前記転動体の係合部が前記筒状部材の係合部から受ける力の径方向分力とが異なる、ディスクブレーキ。
  3. 前記転動体の係合部は、一端側傾斜面と他端側傾斜面とを有し、
    前記他端側傾斜面には、前記一端側傾斜面と対称であって同じ角度の第一傾斜面と、該第一傾斜面と異なる角度で形成された第二傾斜面とを有する、請求項1又は2に記載のディスクブレーキ。
  4. 前記軸部材と前記筒状部材とのいずれか一方には、前記第二傾斜面に当接する傾斜面が形成される、請求項3に記載のディスクブレーキ。
  5. 前記第一傾斜面の角度は、前記第二傾斜面の角度よりも小さい、請求項3に記載のディスクブレーキ。
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