JP2005282789A - ディスクブレーキ - Google Patents

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Abstract

【課題】 製造効率を向上できるディスクブレーキの提供。
【解決手段】 キャリパ14のシリンダ18の底部側内周面にはシリンダ軸線方向に延びる凹部103が形成され、プッシュロッド44とプッシュロッド付勢部材とを内包するスプリングカバー84を貫通してプッシュロッド44に一端が固定されるとともに、他端が凹部103に嵌合する凸部96とされたピン97を有する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、ピストンが液圧の導入以外に押圧手段によってもシリンダ内を摺動するディスクブレーキに関する。
ディスクブレーキの中でも自動車等に用いられるパーキングブレーキ兼用型のディスクブレーキには、ピストンを液圧が導入される有底筒状のシリンダに摺動可能に嵌合させるとともにピストンの摺動によって一対のパッドをディスクに接触させるキャリパと、シリンダ外に配置されピストンの摺動方向に押圧力を発生する押圧機構と、シリンダ内に配置され押圧機構で押圧されて移動するプッシュロッドと、シリンダ内に配置されプッシュロッドの一端側に螺合されるとともにピストンに当接し、プッシュロッドで押圧されてピストンを押圧するクラッチ部材と、シリンダ内に配置されプッシュロッドを押圧機構側へ付勢するプッシュロッド付勢部材と、プッシュロッドとプッシュロッド付勢部材とを内包し、プッシュロッド付勢部材をプッシュロッドとの間で保持するスプリングカバーとを備えたものがある(例えば、特許文献1参照)。
特開平9−250580号公報
上記したディスクブレーキにおいて、プッシュロッドはクラッチ部材の進退のために回り止めが必要であり、このため、プッシュロッドに、半径方向外方に突出しシリンダの凹部に係合することでシリンダに対する回り止めをする凸部が形成されている。一方、プッシュロッドは、スプリングカバーとでスプリングを保持することから、スプリングカバーを係合させる係合凹部が形成されている。このようにプッシュロッドの形状が複雑になると、ディスクブレーキ全体としての製造効率が下がってしまうという問題があった。
したがって、本発明は、製造効率を向上できるディスクブレーキの提供を目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、ディスクを介して両側に配置される一対のパッドと、ピストンを液圧が導入される有底筒状のシリンダに摺動可能に嵌合させるとともに前記ピストンの摺動によって前記一対のパッドをディスクに接触させるキャリパと、前記シリンダのボア外に配置され、前記ピストンの摺動方向に押圧力を発生する押圧機構と、前記シリンダ内に配置され、前記押圧機構で押圧されて移動するプッシュロッドと、前記シリンダ内に配置され、前記プッシュロッドの一端側に螺合されるとともに前記ピストンに当接し、前記プッシュロッドで押圧されて前記ピストンを押圧するクラッチ部材と、前記シリンダ内に配置され、前記プッシュロッドを前記押圧機構側へ付勢するプッシュロッド付勢部材と、前記プッシュロッドと前記プッシュロッド付勢部材とを内包し、前記プッシュロッド付勢部材を前記プッシュロッドとの間で保持するスプリングカバーとを備えたディスクブレーキにおいて、前記シリンダの底部側内周面にシリンダ軸線方向に延びる凹部が形成され、前記スプリングカバーを貫通して前記プッシュロッドに一端が固定されるとともに、他端が前記凹部に嵌合する凸部とされたピンを有することを特徴としている。
本発明によれば、ピンをスプリングカバーに貫通させてプッシュロッドにその一端を固定すると、スプリングカバーをプッシュロッドに取り付けることができる。また、ピンの他端の凸部を、シリンダの底部側内周面にシリンダ軸線方向に延びるように形成された凹部に嵌合させることで、プッシュロッドをシリンダに対し回り止めできる。よって、プッシュロッドに、半径方向外方に突出する凸部およびスプリングカバーを係合させる係合凹部を形成する必要がなくなるため、プッシュロッドの形状を簡素化できる。したがって、製造効率を向上できる。
本発明の一実施形態のディスクブレーキを図面を参照して以下に説明する。
本実施形態のディスクブレーキは、図1に示すように、車両の非回転部に固定されるキャリア11と、このキャリア11にディスク12を介して両側に配設された状態で摺動可能に支持される一対のパッド13A,13Bと、キャリア11にディスク12の軸線方向に沿って摺動自在となるよう支持されて一対のパッド13A,13Bを両側から挟持するキャリパ14とで主に構成されている。
キャリパ14は、一方のパッド13Aに対しディスク12の反対側に開口部17を対向させる有底筒状のシリンダ18と、このシリンダ18からディスク12の外周部を跨いで延出するディスクパス部19と、このディスクパス部19から延出して他方のパッド13Bに対しディスク12の反対側に対向するように延出する爪部20とを有するキャリパ本体21を有している。
また、キャリパ14は、有底筒状に形成され、その底部24側をパッド13A側に向けてキャリパ本体21のシリンダ18のボア25に摺動自在に嵌合されるピストン26と、ピストン26とシリンダ18の内周面との隙間をシールするリング状のピストンシール27とを有している。なお、ピストンシール27はシリンダ18のシール溝18Aに保持されている。
キャリパ14は、シリンダ18とピストン26との間に導入されるブレーキ液圧によって、ピストン26をパッド13Aの方向に移動させることで、このピストン26と爪部20とで一対のパッド13A,13Bを両側から把持することによりディスク12に接触させるものである。
上記のように、ピストン26は、ブレーキペダルへの踏み込み操作による通常制動時には、図示せぬマスタシリンダからシリンダ18内に導入されるブレーキ液圧でシリンダ18から爪部20の方向に移動させられることにより一対のパッド13をディスク12に押圧させて制動力を発生させるものである。一方、シリンダ18内には、ピストン26をこのようなブレーキ液圧ではなく機械的に移動させることにより一対のパッド13をディスク12に押圧させて制動力を発生させるパーキングブレーキ機構30が設けられている。
パーキングブレーキ機構30は、シリンダ18のボア25の外側に配置されてピストン26の摺動方向に押圧力を発生するカム機構(押圧機構)32を有している。
すなわち、シリンダ18の底部33には、ボア25を形成する底面34から離間してこのシリンダ18の軸線方向に対し直交方向にカム穴35が形成されている。また、底面34の中央位置からカム穴35まで軸線上において貫通する底部穴36が形成されていて、これらカム穴35および底部穴36にカム機構32が設けられている。
このカム機構32は、カム穴35にベアリング38を介して回転可能に挿入された略円柱状のカム本体39を有している。カム本体39には、半径方向の外周面から中心方向に向けて略V字状に凹むカム凹部40が形成されている。このカム凹部40は、最も凹んだ位置をカム本体39の中心軸線に対しオフセットさせている。
カム機構32は、カム凹部40に一端側が挿入されるとともに他端側が底部穴36側に配置されるカムロッド42を有している。このカムロッド42は、シリンダ18の軸線に直交する方向に沿う軸線回りにカム本体39が回転駆動されるとカム凹部40の形状によってカム本体39からの突出量を変化させる。なお、カム本体39は、図示せぬパーキングブレーキレバーの手動操作等により回転するようになっている。
また、シリンダ18内には、カム機構32のカムロッド42で押圧されてシリンダ18の軸線方向に移動するプッシュロッド44が設けられている。
プッシュロッド44は、前進時前側すなわちピストン26側の前部分割体45と、前進時後側すなわちシリンダ底部33側の後部分割体46とに二分割されている。
プッシュロッド44の後部分割体46は、軸部48とこの軸部48の一端側から半径方向外方に広がるフランジ部49とを有しており、フランジ部49には半径方向に沿う複数具体的には二カ所の断面円形状の嵌合穴50が図2に示すように互いに180度異なる位置に外周側から穿設されている。また、フランジ部49には半径方向に沿う複数具体的には二カ所の断面円形状の嵌合穴51が互いに180度異なる位置であって嵌合穴50とは90度異なる位置に外周側から穿設されている。なお、これら嵌合穴50,51はすべて後部分割体46の軸線方向における位置を合わせており、また、嵌合穴50の深さの方が嵌合穴51の深さよりも深く形成されている。
また、後部分割体46のフランジ部49側には、軸線方向に沿って凹む案内穴部52が軸中心位置に形成されており、この案内穴部52は六角穴形状をなしている。なお、この案内穴部52はすべての嵌合穴50,51よりも内側となる位置に形成されている。さらに、後部分割体46の軸部48側には、軸線方向に凹む当接凹部53が形成されている。
この後部分割体46は、その軸部48がシリンダ18の底部穴36に摺動可能に嵌合させられることになり、この状態で、当接凹部53に上記カム機構32のカムロッド42の先端側を収納する。なお、軸部48とシリンダ18の底部穴36との間には、これらの隙間をシールするリング状のプッシュロッドシール57が設けられている。このプッシュロッドシール57は、後部分割体46の軸部48に保持されている。
プッシュロッド44の前部分割体45は、半径方向における外周面にオネジ60が形成された軸部61とこの軸部61の一端側から半径方向外方に広がるフランジ部62とを有する形状をなしており、フランジ部62側には、軸線方向に沿って突出する案内突出部63が軸中心位置に形成されており、この案内突出部63は六角柱形状をなしている。そして、前部分割体45は、フランジ部62を後部分割体46のフランジ部49に対し当接させることになり、このときに、この案内突出部63が後部分割体46の案内穴部52に嵌合させられる。これにより、前部分割体45は、後部分割体46に対し相対回転が規制された状態で軸線方向に移動可能(つまり離間および近接可能)に連結されている。
パーキングブレーキ機構30は、シリンダ18内においてプッシュロッド44の前部分割体45の軸部61のオネジ60に、内径側に形成されたメネジ65で螺合される略円筒状のクラッチ部材66を有している。
ここで、ピストン26の内径側は、底部24側が小径の小径内径部68とされるとともに、小径内径部68よりも開口側がこれより大径の大径内径部69とされており、これら小径内径部68および大径内径部69の間には大径内径部69側が大径となるように傾斜するテーパ面部70が形成されている。
クラッチ部材66は、先端側がピストン26の小径内径部68に嵌合する嵌合部72とされており、この嵌合部72と隣り合ってテーパ面部70に当接するテーパ部73が形成されている。
ここで、カム機構32のカム本体39を回転運動させることにより、カムロッド42の突出量を小から大へ変化させると、プッシュロッド44の後部分割体46および前部分割体45とクラッチ部材66とが軸線方向に直線運動し、クラッチ部材66がテーパ部73においてピストン26のテーパ面部70に当接してこのピストン26をシリンダ18に対しパッド13側に摺動させる。
なお、プッシュロッド44の前部分割体45のオネジ60とクラッチ部材66のメネジ65とは、螺合部74を構成している。この螺合部74には、前部分割体45とクラッチ部材66との間に互いに回転せずに所定量軸方向に移動可能なクリアランスを有している。
また、ピストン26の底部24側にはクラッチ部材66との隙間を大気開放させるための大気開放穴76が形成されている。
加えて、クラッチ部材66の嵌合部72とピストン26の小径内径部68との間には、これらの隙間をシールするリング状のクラッチ部材シール77が設けられている。このクラッチ部材シール77は、クラッチ部材66の嵌合部72に保持されている。
パーキングブレーキ機構30は、シリンダ18内においてクラッチ部材66とプッシュロッド44の前部分割体45との位置調整を行うアジャスト部80を有している。
このアジャスト部80は、ピストン26の大径内径部69に形成された係合溝81に係合される止め輪82によってピストン26とクラッチ部材66との間に支持されるようになっている。ピストン26がシリンダ18内に導入されたブレーキ液圧によって軸方向に移動する際には、実質的には停止状態にあるプッシュロッド44に対し、クラッチ部材66を回転させながらピストン26に追従させて軸方向に移動させる。
また、アジャスト部80は、プッシュロッド44の前部分割体45が軸線方向に直線運動する際には、クラッチ部材66を前部分割体45に対し回転させることがなく、その結果、オネジ60とメネジ65とからなる螺合部74によってクラッチ部材66をプッシュロッド44と一体に直線運動させる。
パーキングブレーキ機構30は、シリンダ18内において、クラッチ部材66の一部とプッシュロッド44の前部分割体45および後部分割体46の一部とを覆うように設けられたスプリングカバー84と、プッシュロッド44の前部分割体45のフランジ部62とスプリングカバー84のピストン26側との間に介装されたプッシュロッド付勢スプリング(プッシュロッド付勢部材)85とを有している。
スプリングカバー84は、内側にクラッチ部材66を挿入させるリング状部87と、このリング状部87の外径側から軸線方向一側に延出する円筒状部88と、円筒状部88のリング状部87に対し反対側から半径方向外側に切り起こされた複数の係止片部89と、円筒状部88のリング状部87に対し反対側からさらに軸線方向一側に延出する複数具体的には四カ所の延出片部90とを有している。
スプリングカバー84は、各延出片部90が、プッシュロッド44の前部分割体45のフランジ部62の外周面の外側を通り、さらに後部分割体46のフランジ部49の外周面の外側を通るように延在する。
本実施形態においては、スプリングカバー84の各延出片部90それぞれに、スプリングカバー84の軸線方向に長い長穴93がスプリングカバー84の軸線方向における位置を互いに合わせて形成されている。すべての長穴93は同一形状をなしており、両端が相反方向に凸の半円形状とされている。
そして、円柱状をなす軸部95と、この軸部95の軸線に対し直交方向に沿って軸線を配置した円柱状をなす頭部(凸部)96とからなる有頭ピン(ピン)97が、このスプリングカバー84の長穴93を軸部95において外側から貫通した後に、その一端である軸部95の先端側において後部分割体46の嵌合穴50に圧入されることになる。また、頭部を持たない円柱状をなす無頭ピン99がこのスプリングカバー84の長穴93を外側から貫通した後に後部分割体46の嵌合穴51に圧入されることになる。このとき、無頭ピン99はスプリングカバー84の延出片部90よりも外側に突出せず、有頭ピン97の他端の頭部96のみがスプリングカバー84の延出片部90よりも半径方向外側に突出する。
ここで、スプリングカバー84に、プッシュロッド付勢スプリング85、プッシュロッド44の前部分割体45および後部分割体46を挿入した状態で、有頭ピン97および無頭ピン99を後部分割体46に上記のように取り付けることで、スプリングカバー84に対する後部分割体46の抜け止めがなされ、その結果、スプリングカバー84は、プッシュロッド44の前部分割体45および後部分割体46とプッシュロッド付勢スプリング85とを内包し、プッシュロッド付勢スプリング85をプッシュロッド44との間で保持する状態となる。
上記のように、プッシュロッド44の前部分割体45と、プッシュロッド44の後部分割体46と、プッシュロッド付勢スプリング85と、スプリングカバー84とが、シリンダ18に組み付けられる前段階で、図3に示すように一つの組立体のカートリッジ101とされる。
具体的には、例えば、スプリングカバー84のリング状部87に当接するようにプッシュロッド付勢スプリング85を挿入し、プッシュロッド44の前部分割体45を、その軸部61側をプッシュロッド付勢スプリング85の内側に挿入してフランジ部62を延出片部90の内側に通しつつプッシュロッド付勢スプリング85に当接させる。そして、プッシュロッド44の後部分割体46を、そのフランジ部49側の案内穴部52に前部分割体の案内突出部63を嵌合させるようにして、そのフランジ部49を前部分割体45のフランジ部62に当接させる。この状態でスプリングカバー84の長穴93を介して嵌合穴50に有頭ピン97を嵌合穴51に無頭ピン99をそれぞれ圧入する。
このようにしてカートリッジ101とされた状態において、有頭ピン97の軸部95および無頭ピン99がそれぞれスプリングカバー84に対して、スプリングカバー84の円周方向における移動が規制された状態でスプリングカバー84の軸線方向に長穴93の範囲で図4に示すように移動可能となり、よって有頭ピン97の軸部95および無頭ピン99に固定されたプッシュロッド44の後部分割体46、さらにはこれに回転が規制された状態で係合される前部分割体45が、スプリングカバー84に対して回転が規制された状態で軸線方向に所定範囲で相対移動可能となる。
そして、シリンダ18の底部24側のボア25の内周面にはシリンダ18の軸線方向に延びる凹部103が互いに180度異なる位置に形成されている。これら凹部103は、延在方向に直交する断面がシリンダ18の半径方向に凸状の略半円状をなしている。
このシリンダ18の凹部103に、カートリッジ101の180度異なる位置から半径方向外側に突出する有頭ピン97の頭部96が、摺動可能となるように嵌合させられる。ここで、有頭ピン97の頭部96は、その軸線方向がカートリッジ101の軸線方向に沿わされており、シリンダ18の軸線にその軸線を沿わせた状態でカートリッジ101がシリンダ18に挿入されることで、シリンダ18の軸線方向に沿う凹部103に良好に入り込む。また、有頭ピン97の頭部96が円柱状をなしており、凹部103が半円状をなしていることから、頭部96が凹部103に曲線部で当たることになり、その結果、これらを精度的に厳しく管理しなくても良好に摺動させることができる。
このようにカートリッジ101が有頭ピン97の頭部96においてシリンダ18の凹部103に嵌合させられることで、カートリッジ101は、シリンダ18に対する軸線周りの回転が規制される。つまり、有頭ピン97のシリンダ18の軸線周りの旋回が規制されることで、この有頭ピン97と一体化された後部分割体46と、後部分割体46に有頭ピン97および無頭ピン99で回り止めされたスプリングカバー84と、後部分割体46の六角穴状の案内穴部52に六角柱状の案内突出部63で回り止めされた前部分割体45とが、シリンダ18に対する回転が規制されることになる。
シリンダ18内には係止段部106が形成されている。この係止段部106は、シリンダ18のボア25の内周面に形成された環状の係合溝107と、この係合溝107に係合するC字状の止め輪108とで構成されている。
以上のディスクブレーキを組み立てる場合には、キャリパ本体21のカム穴35にベアリング38およびカム本体39を挿入し、カム凹部40を底部穴36側に向け、この状態で、カムロッド42をキャリパ本体21のシリンダ18に開口部17側から挿入しさらに底部穴36を介してカム凹部40に挿入する。
次に、上記のように予め組み立てられたカートリッジ101を、プッシュロッドシール57を付けた状態で開口部17側からシリンダ18内に挿入し、そのプッシュロッド44の後部分割体46の軸部48を底部33の底部穴36に嵌合させつつ、この軸部48の当接凹部53にカムロッド42を挿入させ、最終的に底面34に延出片部90において当接させる。なお、延出片部90が底面34に当接した状態で、後部分割体46のフランジ部49は底面34との間に隙間を有している。
そして、シリンダ18内にC字状の止め輪108を挿入し、この止め輪108をシリンダ18の係合溝107に係合させる。すると、止め輪108がカートリッジ101のスプリングカバー84の係止片部89を係止して、カートリッジ101の抜けおよびスプリングカバー84の軸線方向移動を規制する。
一方で、クラッチ部材シール77が装着されたクラッチ部材66をピストン26に嵌合させるとともに、アジャスト部80を止め輪82でピストン26に係止させることで、ピストン26、クラッチ部材66およびアジャスト部80を別の組立体としておき、この組立体を、シリンダ18に嵌合させつつそのクラッチ部材66をプッシュロッド44に螺合させることで、キャリパ14が組み立てられる。
このような構成のディスクブレーキでは、図示せぬパーキングブレーキレバーが操作されることによりカム機構32のカム本体39が回動させられると、カム機構32のカムロッド42が突出量を増やし、プッシュロッド44の後部分割体46が有頭ピン97および無頭ピン99を長穴93の範囲で移動させながらディスク12の方向に移動する。すると、後部分割体46に当接する前部分割体45がディスク12の方向に移動し、これと一体にクラッチ部材66が移動して、ピストン26をディスク12の方向に移動させて、機械的に一対のパッド13をディスク12に押し付ける。
他方、通常のブレーキペダルによるブレーキ操作でブレーキ液圧がシリンダ18とピストン26との間に導入されると、ピストン26にはピストンシール27による受圧面積に対し液圧が作用してディスク12の方向への推進力が発生することになる。その一方で、クラッチ部材66にもクラッチ部材シール77による受圧面積に対し液圧が作用してディスク12の方向への推進力が発生し、初期においてはプッシュロッド44の前部分割体45との螺合部74における螺合のクリアランス分回転せずに軸線方向に移動してピストン26を押すことになる。
そして、さらにブレーキ液圧がシリンダ18内に導入されて、所定液圧以上になると、クラッチ部材66へ作用する液圧でクラッチ部材66がピストン26に押し付けられることになり、ピストン26に液圧が作用してディスク12の方向への推進力が発生することになり、クラッチ部材66にも液圧が作用してディスク12の方向への推進力が発生することになる。
このとき、一方で、プッシュロッド44の後部分割体46にも、プッシュロッドシール57による受圧面積に対し液圧が作用して、ディスク12に対し反対方向への推進力が発生することになるが、プッシュロッド44が、上記のように前部分割体45と後部分割体46とに二分割されていることから、後部分割体46のディスク12に対し反対方向の推進力を、前部分割体45に生じるディスク12の方向への推進力から分離できる。
以上に述べた本実施形態のディスクブレーキによれば、有頭ピン97をスプリングカバー84の長穴93に貫通させてプッシュロッド44の後部分割体46にその一端を固定することで、スプリングカバー84をプッシュロッド44に取り付けることができる。また、有頭ピン97の他端の頭部96を、シリンダ18の底部33側のボア25の内周面にシリンダ軸線方向に延びるように形成された凹部103に嵌合させることで、クラッチ部材66の進退のために回り止めが必要なプッシュロッド44をシリンダ18に対し回り止めできる。よって、プッシュロッド44に、半径方向外方に突出する凸部およびスプリングカバー84を係合させる係合凹部を形成する必要がなくなるため、プッシュロッド44の形状を簡素化できる。また、カートリッジ101の組立時にスプリングカバー84を加締める必要がなくなる。したがって、製造効率を向上できる。
また、有頭ピン97および無頭ピン99をプッシュロッド44の後部分割体46に圧入する構造になっているため、構成部品を簡素化できるとともに、製造効率を向上できる。さらに、有頭ピン97および無頭ピン99をプッシュロッド44の後部分割体46に圧入することでカートリッジ101を形成するため、カートリッジ101の精度が向上する。
なお、プッシュロッド44の前部分割体45に嵌合穴50を形成し、これに合わせて位置が変更されたスプリングカバー84の長穴93を介して有頭ピン97を前部分割体45の嵌合穴50に嵌合させるようにしても良い。また、プッシュロッド44が前部分割体および後部分割体に分割されていないものにも、プッシュロッド44に嵌合穴50を形成して有頭ピン97をプッシュロッド44に上記と同様にスプリングカバー84の長穴93を介して嵌合させるようにすれば適用可能である。
さらに、いずれの場合も有頭ピン97を圧入ではなく螺合させるようにしても良い。この場合、凹部103との位相合わせを容易とするために有頭ピン97の頭部96を円柱状ではなく球状にするのが良い。勿論、上記のように圧入の場合も頭部96を円柱状ではなく球状にすれば位相合わせを容易にできる。
加えて、シリンダ18の凹部103をその延在方向に直交する断面を四角形状とし、有頭ピン97の頭部96をこれに合わせて直方体または立方体形状としても良い。
さらに、スプリングカバー84の長穴93を長方形状としても良い。この場合、有頭ピン97および無頭ピン99の長穴93で案内される部分を断面正方形状とすることができる。
また、プッシュロッド44にオネジ60を、クラッチ部材66にメネジ65を形成したが、オネジ、メネジを逆に設けても良い。
本発明の一実施形態のディスクブレーキを示す断面図である。 本発明の一実施形態のディスクブレーキの図1に示すX−X線に沿う断面図である。 本発明の一実施形態のディスクブレーキのカートリッジ化された内部部品を示す側面図である。 本発明の一実施形態のディスクブレーキの長穴に対する有頭ピンの移動範囲を示す部分拡大側面図であって、(a)は最もディスクロータから離れた状態、(b)は中間の状態、(c)は最もディスクロータ側に位置する状態をそれぞれ示している。
符号の説明
12 ディスク
13A,13B パッド
14 キャリパ
18 シリンダ
26 ピストン
32 カム機構(押圧機構)
44 プッシュロッド
66 クラッチ部材
84 スプリングカバー
85 プッシュロッド付勢スプリング(プッシュロッド付勢部材)
96 頭部(凸部)
97 有頭ピン(ピン)
103 凹部

Claims (1)

  1. ディスクを介して両側に配置される一対のパッドと、
    ピストンを液圧が導入される有底筒状のシリンダに摺動可能に嵌合させるとともに前記ピストンの摺動によって前記一対のパッドをディスクに接触させるキャリパと、
    前記シリンダのボア外に配置され、前記ピストンの摺動方向に押圧力を発生する押圧機構と、
    前記シリンダ内に配置され、前記押圧機構で押圧されて移動するプッシュロッドと、
    前記シリンダ内に配置され、前記プッシュロッドの一端側に螺合されるとともに前記ピストンに当接し、前記プッシュロッドで押圧されて前記ピストンを押圧するクラッチ部材と、
    前記シリンダ内に配置され、前記プッシュロッドを前記押圧機構側へ付勢するプッシュロッド付勢部材と、
    前記プッシュロッドと前記プッシュロッド付勢部材とを内包し、前記プッシュロッド付勢部材を前記プッシュロッドとの間で保持するスプリングカバーとを備えたディスクブレーキにおいて、
    前記シリンダの底部側内周面にシリンダ軸線方向に延びる凹部が形成され、
    前記スプリングカバーを貫通して前記プッシュロッドに一端が固定されるとともに、他端が前記凹部に嵌合する凸部とされたピンを有することを特徴とするディスクブレーキ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015007447A (ja) * 2013-06-25 2015-01-15 本田技研工業株式会社 ブレーキキャリパ及びそれを備える鞍乗型車両
CN114294357A (zh) * 2016-05-20 2022-04-08 哈尔德克斯制动器产品公司 带隔膜保持器的弹簧制动致动器

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