JP4381334B2 - ディスクブレーキ装置及びディスクブレーキ装置におけるシリンダ孔の形成方法 - Google Patents

ディスクブレーキ装置及びディスクブレーキ装置におけるシリンダ孔の形成方法 Download PDF

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Description

本発明は、ディスクブレーキ装置及び該ディスクブレーキ装置におけるシリンダ孔の形成方法に係り、詳しくは、液圧によって摩擦パッドを押圧するピストンと、摩擦パッドとディスクロータとの間隙を自動調整するためのアジャスタと、ボールランプ型の推力変換機構により前記アジャスタを介してピストンを押圧するパーキングブレーキとを備えたディスクブレーキ装置及び該ディスクブレーキ装置におけるシリンダ孔の形成方法に関する。
四輪自動車等に用いられるディスクブレーキ装置として、ブレーキペダルによる液圧式作動機構と、ハンドレバーやフットペダルによって牽引操作される機械式作動機構とを備えたパーキングブレーキ付きのディスクブレーキ装置がある。このパーキングブレーキ付きのディスクブレーキ装置は、一般に、キャリパボディに設けたシリンダ孔の先端開口側に液圧式作動機構を構成するピストンを配置し、このピストンの後面側にアジャストナット及びアジャストボルトを有するアジャスタを配置するとともに、シリンダ孔の底部側に機械式作動機構を構成する推力変換機構を配置している。
推力変換機構としては、従来からボールランプ型が広く知られている。このボールランプ型の推力変換機構は、カムベアリングを収容するランプ溝をそれぞれ形成した固定側カム板と駆動側カム板とを対向配置し、パーキングブレーキ操作によって駆動側カム板を回動させることにより、ランプ溝とカムベアリングとのカム作用で、ピストンをディスクロータ側に移動させる推力を発生させ、この推力によりアジャスタを介してピストンをディスクロータ方向に押動し、摩擦パッドをディスクロータに圧接して制動力を得るようにしている(例えば、特許文献1参照。)。
また、ディスクブレーキ装置のシリンダ孔に軸方向溝を形成する際には、シリンダ孔を加工した後に、シリンダ孔開口部側からエンドミルカッターを挿入して軸方向溝を加工していた(例えば、特許文献2参照。)。
特許第2739879号公報 特開2004−353850号公報
上述のようなボールランプ型の推力変換機構では、固定側カム板とハウジングとは回動を規制した状態で保持しなければならないため、多くの部品が必要であったり、各部材の形状が複雑になっていた。
また、シリンダ孔に軸方向溝を形成する際に、シリンダ孔開口部側からエンドミルカッターを挿入して形成するものでは、エンドミルカッターが細いので、刃をシリンダ孔内周面に当てて溝加工する際に、エンドミルカッターをシリンダ孔内周面に対して平行に当てることが困難で、精度良く係合溝を形成することができなかった。
そこで本発明は、簡単な構造で、固定側カム板とハウジングの回動を規制し、パーキングブレーキ操作時に良好なストロークフィーリングを得ることができ、また、アジャスタを確実に作動させて、摩擦パッドとディスクロータとの制動間隙を常に良好に保つことができるディスクブレーキ装置を提供することを目的とし、さらに、シリンダ孔に係合溝を精度良く形成することのできるシリンダ孔の形成方法を提供することを目的としている。
上記の目的を達成するため、第1の発明は、キャリパボディに形成されるシリンダ孔の先端開口側に収納されたピストンと、シリンダ孔の底部側に配設された推力変換機構と、該推力変換機構と前記ピストンとの間に設けられたアジャストナット及びアジャストボルトを有するアジャスタとを備え、前記推力変換機構からアジャスタを介して前記ピストンを押動するパーキングブレーキを備えたディスクブレーキ装置であって、前記推力変換機構は、前記シリンダ孔の底壁に取り付けられる固定側カム板と、前記シリンダ孔底壁と固定側カム板とに対して回動可能かつシリンダ軸方向に移動可能に貫通したカムシャフトと、該カムシャフトのシリンダ孔開口側に設けられた駆動側カム板と、該駆動側カム板及び前記固定側カム板の対向位置にそれぞれ形成されるランプ溝及び該ランプ溝に収容されるカムベアリングとを備え、前記アジャスタは、アジャストナットとアジャストボルトのいずれか一方の前記駆動側カム板に対向するシリンダ孔底部側端部に推力伝達板を備え、前記固定側カム板と、前記駆動側カム板と、前記推力伝達板と、前記推力伝達板を前記駆動側カム板の方向に付勢するカムスプリングとを、略円筒状のハウジング内に収容し、前記ハウジングを前記シリンダ孔の底部側に配設し、前記シリンダ孔に取り付けた止め輪にて前記ハウジングを前記シリンダ孔内に装着するディスクブレーキ装置において、前記固定側カム板の外周面及び前記ハウジングの外周面と、前記シリンダ孔内周面とのいずれか一方に係合リブを、他方に係合溝をそれぞれ形成し、該係合溝と前記係合リブとを係合させることによって、前記固定側カム板と前記ハウジングの回動を規制し、前記駆動側カム板は、シリンダ孔開口側端部の中央に、円筒部が突設されるとともに、該円筒部の外周側に突部が突設され、前記推力伝達板は、シリンダ孔底部側端部の中央に前記円筒部及び突部を収容する収容孔が形成され、該収容孔の内周側に、前記突部と当接して前記駆動側カム板の回動量を、前記カムベアリングが前記ランプ溝から脱落しない範囲に規制する規制部が突設され、前記収容孔に前記円筒部及び突部を収容させて、前記推力伝達板のシリンダ底部側に前記駆動側カム板のシリンダ孔開口側を当接させていることを特徴としている。
第2の発明では、前記シリンダ孔に形成した一つの係合溝または係合リブに、前記固定側カム板に設けた係合リブまたは係合溝と、前記ハウジングに設けた係合リブまたは係合溝の双方を係合させることを特徴としている。
第3の発明では、前記シリンダ孔に前記係合溝を、前記固定側カム板及びハウジングに前記係合リブをそれぞれ設け、前記シリンダ孔は、シリンダ孔開口側にピストンを収容する大径部、シリンダ孔底部側にパーキングブレーキ機構の推力変換機構を収容する小径部がそれぞれ形成され、該小径部に前記係合溝が設けられるとともに、前記大径部と前記小径部との間に、前記大径部から前記小径部に向けて漸次縮径する円錐面が形成され、該円錐面のシリンダ孔底部側に隣接して、前記ハウジングの前記係合リブに当接する前記止め輪を装着する止め輪装着溝を設けたことを特徴としている。
第4の発明では、開口側にピストンを収容する大径部、底部側にパーキングブレーキ機構の推力変換機構を収容する小径部を備えるとともに、該小径部の内周面に軸方向溝を備えた請求項3記載のディスクブレーキ装置におけるシリンダ孔の形成方法において、前記開口側から、前記軸方向溝の形成位置に円筒状の溝形成孔を加工した後、該溝形成孔を部分的に残しながら前記小径部を加工して、前記小径部の内周面に前記係合溝を形成し、次いで前記大径部と円錐面とを加工することを特徴としている。
上述のように構成されることにより、第1の発明では、簡単な構造で固定側カム板とハウジングとを回り止めすることができ、パーキングブレーキ操作時に良好なストロークフィーリングを得ることができるとともに、アジャスタを確実に作動させて、摩擦パッドとディスクロータとの制動間隙を常に良好に保つことができる。また、簡単な構造で固定側カム板とハウジングとを回り止めすることができるので、部品点数を少なく抑えることができる。
第2の発明では、シリンダ孔側の加工を少なく抑えることができる。
第3の発明では、ハウジングや止め輪の組み付けを容易に行えるようになる。
第4の発明では、シリンダ孔に精度良く軸方向溝を形成することができるようになる。
以下、本発明の一形態例を図面に基づいて詳しく説明する。図1乃至図6は、本発明の一形態例を示すもので、図1はディスクブレーキ装置の要部拡大断面図、図2は図1のII-II断面図、図3は図1のIII-III断面図、図4は図1のIV-IV断面図、図5は推力変換機構とアジャストナットとハウジングの分解斜視図、図6はディスクブレーキ装置の断面正面図である。
このディスクブレーキ装置1は、キャリパボディ2に図示しないブレーキペダルにて操作される液圧式作動機構3と、図示しないハンドレバーやフットペダルにて操作されるパーキングブレーキ用の機械式作動機構4とを併設したパーキングブレーキ付きのディスクブレーキ装置であって、キャリパボディ2は、ディスクロータ5の一側部で車体に固設されるキャリパブラケット6に、図示しない一対の摺動ピンを介してディスク軸方向へ移動可能に支持されている。
前記キャリパボディ2は、ディスクロータ5の両側に対向配置される作用部2a及び反作用部2bと、ディスクロータ5の外側を跨いでこれらを連結するブリッジ部2cとを有しており、作用部2aと反作用部2bとの間には、一対の摩擦パッド7,7がディスクロータ5を挟んで配置されている。
作用部2aには、ディスクロータ側に開口するシリンダ孔8が形成されている。シリンダ孔8は、先端開口側に大径部8a、シリンダ孔底部側に小径部8bがそれぞれ形成され、大径部8aには開口側にシール溝8cとブーツ溝8dが周設され、小径部8bにはシリンダ軸方向に3本の係合溝8eが小径部8bの周方向に等間隔に設けられている。また、大径部8aと小径部8bとの間には、大径部8aから小径部8bに向けて漸次縮径する円錐面8fが形成され、小径部8bの円錐面8fに隣接して止め輪装着溝8gが周設されている。
シリンダ孔8の大径部8aには、液圧式作動機構3を構成する有底円筒状のピストン9が収容され、小径部8bには、機械式作動機構4を構成するボールランプ型の推力変換機構10が収容されるとともに、ピストン9と推力変換機構10との間には、ディスクロータ5と摩擦パッド7との制動間隙を自動的に調節するためのアジャスタ11が配設されている。また、シリンダ孔底壁8hには、固定側カム板12が配設されている。
アジャスタ11は、アジャストボルト13とアジャストナット14とで構成され、アジャストボルト13の頭部には、小径ピストン13aとクラッチ板13bとが設けられている。アジャストナット14は、内部にアジャストボルト13と螺合する多条ねじ14aが形成され、シリンダ孔底部側の端部に推力伝達板14bが設けられている。また、アジャストナット14のシリンダ孔底部側には、カムスプリング15と推力伝達板14bとを収容する円筒状のハウジング16が、止め輪装着溝8gに嵌着される止め輪17によってシリンダ孔8内に配設される。
前記ピストン9は、底壁9aをディスクロータ側に向けてシリンダ孔8の大径部8aに収容されており、ピストン9の内部中心軸上に、前記アジャストナット14とアジャストボルト13とが設けられている。ピストン9の底壁内面には、嵌合孔9bが設けられ、該嵌合孔9bに、前記小径ピストン13aがシール材を介して嵌合し、クラッチ板13bは、嵌合孔9bの開口部から拡開する円錐面9cにアジャストスプリング18の作用で圧接している。
該アジャストスプリング18は、一端がベアリング受け19に、他端がアジャストナット14の外周部分に設けられた止め輪20にそれぞれ保持され、ベアリング受け19及びベアリング21を介してアジャストボルト13を底壁9a側に回動可能な状態で付勢している。
前記推力変換機構10は、シリンダ孔底壁8hと固定側カム板12とに対して回動可能かつシリンダ軸方向に移動可能に貫通したカムシャフト22と、該カムシャフト22のシリンダ孔開口側端部に設けられた駆動側カム板22aと、該駆動側カム板22a及び前記固定側カム板12の対向位置にそれぞれ形成される3つのランプ溝23及び該ランプ溝23に収容される3つのカムベアリング24とを備えている。
駆動側カム板22aは、シリンダ孔開口側端部の中央に、円筒部22bが突設されるとともに、該円筒部22bの外周側には2つの突部22c,22cが対向して突設され、シリンダ孔開口側面に、スラスト軸受25を介して前記推力伝達板14bが当接する。
推力伝達板14bは、シリンダ孔底部側端部の中央に、円筒部22bと突部22c,22cとを収容する収容孔14cが形成され、該収容孔14cの内周側には、前記突部22c,22cと当接して駆動側カム板22aの回動量を、各カムベアリング24がランプ溝23から脱落しない範囲に規制する規制部14d,14dが突設されている。また、外周には、3つの係合用突部14eが等間隔で設けられている。
固定側カム板12は、円盤状に形成され、中央にはカムシャフト22を挿通させる挿通孔12aが設けられ、シリンダ孔底部側端面には、前記挿通孔12aの周囲に、シリンダ孔底壁8hに設けたリブ収容溝8iに挿入されるリブ12bが突設されるとともに、外周側にはシリンダ孔8の各係合溝8eにそれぞれ係合する3つの係合リブ12cが周方向に等間隔で突設されている。また、隣り合う係合リブ12c,12cの間のシリンダ孔底部側端面には、ハウジング16を係止させる係止溝12dがそれぞれ設けられている。
ハウジング16は、シリンダ孔8の小径部8bの径よりもやや小径に形成される大径筒部16aと、アジャストナット14に形成した推力伝達板14bの外径よりも大きな内径に形成される小径筒部16bとを一体に備えたもので、小径筒部16bのシリンダ孔底部側には、周壁の一部を外側に切り起こし、シリンダ孔8の各係合溝8eにそれぞれ係合される3つの係合リブ16cが周方向に等間隔で突設されるとともに、大径筒部16aのシリンダ孔底部側端部には、前記係合リブ16cと同一のシリンダ軸方向線上に3つの収容凹部16dが形成され、この収容凹部16dに前記固定側カム板12の3つの係合リブ12cがそれぞれ収容される。また、大径筒部16aのシリンダ孔底部側端部の隣り合う収容凹部16d,16dの間には、前記固定側カム板12の各係止溝12dにそれぞれ係止される3つの折曲げ片16eが形成されている。さらに、小径筒部16bには、前記推力伝達板14bの各係合用突部14eが軸方向にのみ移動可能に係合する3つの係合孔16fが穿設されている。また、小径筒部16bのシリンダ孔開口側端部にはカムスプリング15の支持片16gが内周側に突設されている。
このように形成した本形態例のディスクブレーキ装置1の組み立ては、ハウジング16のシリンダ孔底部側の開口から、カムスプリング15を挿入し、その一端を支持片16gに当接させ、カムスプリング15の内周にアジャストナット14を挿通する。該アジャストナット14に設けた推力伝達板14bのシリンダ孔開口側端部に、カムスプリング15の他端を当接させ、アジャストナット14の係合突部14eをハウジング16の係合孔16fに係合させて、推力伝達板14bをシリンダ軸方向に移動可能な状態で回り止めする。次に、推力伝達板14bの収容孔14cに、駆動側カム板22aの円筒部22bと突部22c,22cとを収容させ、推力伝達板14bのシリンダ孔底部側と駆動側カム板22aのシリンダ孔開口側端部とを、スラスト軸受け25を介して当接させる。駆動側カム板22aは、収容孔14c内に形成された規制部14dが、駆動側カム板22aの円筒部22bに形成された突部22cと当接することにより、所定量以上の回動が規制される。次いで各カムベアリング24を各ランプ溝23に収容するように、固定側カム板12の挿通孔12aにカムシャフト22を通して、固定側カム板12を駆動側カム板22aのシリンダ孔底部側に配設し、固定側カム板12の係合リブ12cをハウジング16の収容凹部16dに挿入し、ハウジング16の折り曲げ片16eを固定側カム板12の係止溝12dに折り曲げて係止させる。これにより、固定側カム板12がハウジング16のシリンダ孔底部側に取り付けられ、推力変換機構10と、推力伝達板14bと、カムスプリング15とをハウジング16内に組み付けてユニット化させることができる。また、ハウジング16に設けた係合リブ16cと、固定側カム板12に形成した係合リブ12cとは、同一のシリンダ軸方向線上にそれぞれ1つずつ配設される。
このように組み付けられたユニットは、固定側カム板12をシリンダ孔底壁8h側に向けてシリンダ孔8内に挿入され、固定側カム板12の係合リブ12cとハウジング16の係合リブ16cとを、シリンダ孔8の小径部8bに形成された係合溝8eにそれぞれ係合させ、固定側カム板12から突出したカムシャフト22をシリンダ孔底壁8hの挿通孔8jから外部に突設させ、固定側カム板12のリブ12bをリブ収容溝8iにシール材を介して係合させる。さらに、止め輪17をシリンダ孔8の止め輪装着溝8gに嵌着させ、ハウジング16の係合リブ16cのシリンダ孔開口側面と、大径筒部16aと小径筒部16bの間に形成される段部とに当接させることによって、このユニットがシリンダ孔8内に装着される。このように、固定側カム板12の係合リブ12cとハウジング16の係合リブ16cとを、シリンダ孔8の係合溝8eにそれぞれ係合させることによって、固定側カム板12とハウジング16の回動を規制することができる。
一方、ピストン9の内部には、アジャストボルト13,ベアリング21,ベアリング受け19,アジャストスプリング18,止め輪20を順に装着し、こちらも一つのユニットとする。次に、アジャストボルト13をアジャストナット14に螺合させながら、ピストン9をシリンダ孔8に押し込み、カムシャフト22の突出端に操作レバー26を取り付ける。これにより、キャリパボディ2に液圧式作動機構3,機械式作動機構4及びアジャスタ11が組み付けられる。なお、各シール材は適宜な段階で装着する。
このディスクブレーキ装置1は、液圧式作動機構3を用いたブレーキ操作では、シリンダ孔8内に導入された作動液の圧力によってピストン9がディスクロータ方向に押動され、作用部2aの摩擦パッド7をディスクロータ5の一側面に押圧するとともに、その反力によってキャリパボディ2が作用部2a方向に移動し、反作用部2bが反作用部2b側の摩擦パッド7をディスクロータ5の他側面に押圧し、制動作用が行われる。
このとき、摩擦パッド7とディスクロータ5との制動間隙が所定範囲内にある場合は、ピストン9の移動量がアジャストボルト13とアジャストナット14とのバックラッシ分を移動するのみでアジャスト作用は行われない。摩擦パッド7の摩耗によってディスクロータ5との制動間隙が所定値を超えると、ピストン9が前記バックラッシ分を超えてディスクロータ側に大きく移動するので、クラッチ板13bとピストン9の円錐面9cとが離間した状態となる。この状態で、アジャストボルト13は、アジャストスプリング18の付勢力によってアジャストナット14から繰り出され、クラッチ板13bと円錐面9cとが当接する。この状態でブレーキ操作を解除すると、ピストン9及びアジャストボルト13がバックラッシ分を後退することにより、摩擦パッド7とディスクロータ5との制動間隙が所定範囲に自動的に調節されることになる。
また、機械式作動機構4によるパーキングブレーキ操作では、図示しないハンドレバーやフットペダルによって操作レバー26が回動操作されると、カムシャフト22とともに駆動側カム板22aが回動し、駆動側カム板22aの各ランプ溝23と非回動状態の固定側カム板12の各ランプ溝23との位相がずれることにより、各カムベアリング24がランプ溝23の浅い部分にそれぞれ移動し、固定側カム板12から駆動側カム板22aが離反するようにしてディスクロータ側に移動する。この駆動側カム板22aの軸方向の移動は、アジャストナット14からアジャストボルト13を介してピストン9に伝達され、該ピストン9をディスクロータ側に押動する推力となり、前記液圧式作動機構3による制動作用と同じようにして制動作用が行われる。
このように、機械式作動機構4によるパーキングブレーキ操作が行われる際に、固定側カム板12とハウジング16とは、各係合リブ12c,16cが、シリンダ孔8に形成された係合溝8eにそれぞれ係合することにより回動が規制され、また、ハウジング16は、係合リブ16cのシリンダ孔開口側面と止め輪17とが当接することにより、シリンダ軸方向の移動が規制される。また、推力伝達板14bは、ハウジング16の係合孔16fに係合していることから、軸方向に移動可能な状態で回り止めされている。
これにより、簡単な構造で固定側カム板12の回動と、ハウジング16の回動及びシリンダ軸方向の移動とを規制し、パーキングブレーキ操作時に良好なストロークフィーリングを得ることができ、また、アジャスタ11を確実に作動させて、摩擦パッド7とディスクロータ5との制動間隙を常に良好に保つことができる。また、シリンダ孔8の大径孔8aと小径孔8bとの間に円錐面8fが形成されていることから、止め輪17を簡単に止め輪装着溝8gに嵌着させることができる。さらに、本形態例では、固定側カム板12の係合リブ12cと、ハウジング16の係合リブ16cとを、同じ係合溝8eに1つずつ係合させて回り止めすることにより、シリンダ孔8の加工を極力簡素化させることができる。
また、推力変換機構10とアジャストナット14とを、ハウジング16によってユニット化することができるので、ディスクブレーキ装置1の組み立ての作業性を向上させることができる。さらに、駆動側カム板22aは、該駆動側カム板22aの円筒部22bに形成した突部22cと、推力伝達板14bの収容孔14c内に形成した規制部14dが当接することにより、その回動量がカムベアリング24がランプ溝23内から脱落しない範囲に規制され、所定角度範囲内でのみ回動可能な状態に保持されるので、パーキングブレーキ操作を良好に行うことができる。
尚、上述の形態例では、固定側カム板とハウジングとに係合リブを設け、シリンダ孔に係合溝を形成するようにしているが、シリンダ孔に係合リブを形成し、固定側カム板とハウジングとに係合溝を形成するものでもよい。また、アジャストナットに推力伝達板を形成し、アジャストナットをハウジングに収容するようにするものに限らず、アジャストボルトに推力伝達板を形成し、アジャストボルトをハウジングに収容するものでも良い。
次に、図7に基づいて、上述の形態例に示すシリンダ孔8の形成方法を説明する。
まず、図7(a)に示されるように、鋳造後のキャリパボディ30のシリンダ孔大径部形成側から、3箇所の係合溝形成部分に、ドリルによって小径円筒状の3本の溝形成孔31を加工する。次に、図7(b)に示されるように、各溝形成孔31の係合溝8eとなる溝形成部分31aを残しながら、小径部8bとなる小径孔32を加工する。次いで、図7(c)に示されるように、大径部8aとなる大径孔33と円錐面8fとを加工する。最後に、シリンダ孔8内に仕上げ加工を施し、シール溝8c,ブーツ部溝8d,止め輪装着溝8g,リブ収容溝8i,挿通孔8jをそれぞれ加工する。
このように、シリンダ孔8の係合溝8eを、シリンダ軸方向に加工した溝形成孔31を利用して形成することから、簡単な方法で、係合溝8eを精度良く形成することができる。
本発明の一形態例を示すディスクブレーキ装置の要部拡大断面図である。 図1のII-II断面図である。 図1のIII-III断面図である。 図1のIV-IV断面図である。 推力変換機構とアジャストナットとハウジングの分解斜視図である。 同じくディスクブレーキ装置の断面正面図である。 本発明のシリンダ孔の成形方法を示す説明図である。
符号の説明
1…ディスクブレーキ装置、2…キャリパボディ、2a…作用部、3…液圧式作動機構、4…機械式作動機構、5…ディスクロータ、7…摩擦パッド、8…シリンダ孔、8a…大径部、8b…小径部、8e…係合溝、8f…円錐面、8g…止め輪装着溝、8h…シリンダ孔底壁、8i…リブ収容溝、8j…挿通孔、9…ピストン、9a…底壁、9b…嵌合孔、9c…円錐面、10…推力変換機構、11…アジャスタ、12…固定側カム板、12a…挿通孔、12b…リブ、12c…係合リブ、12d…係止溝、13…アジャストボルト、13a…小径ピストン、13b…クラッチ板、14…アジャストナット、14a…多条ねじ、14b…推力伝達板、14c…収容孔、14d…規制部、14e…係合用突部、15…カムスプリング、16…ハウジング、16a…大径筒部、16b…小径筒部、16c…係合リブ、16d…収容凹部、16e…折曲げ片、16f…係合孔、16g…支持片、17…止め輪、18…アジャストスプリング、19…ベアリング受け、20…止め輪、21…ベアリング、22…カムシャフト、22a…駆動側カム板、22b…円筒部、22c…突部、23…ランプ溝、24…カムベアリング、25…スラスト軸受け、26…操作レバー、30…キャリパボディ、31…溝形成孔、31a…溝形成部分、32…小径孔、33…大径孔

Claims (4)

  1. キャリパボディに形成されるシリンダ孔の先端開口側に収納されたピストンと、シリンダ孔の底部側に配設された推力変換機構と、該推力変換機構と前記ピストンとの間に設けられたアジャストナット及びアジャストボルトを有するアジャスタとを備え、前記推力変換機構からアジャスタを介して前記ピストンを押動するパーキングブレーキを備えたディスクブレーキ装置であって、前記推力変換機構は、前記シリンダ孔の底壁に取り付けられる固定側カム板と、前記シリンダ孔底壁と固定側カム板とに対して回動可能かつシリンダ軸方向に移動可能に貫通したカムシャフトと、該カムシャフトのシリンダ孔開口側に設けられた駆動側カム板と、該駆動側カム板及び前記固定側カム板の対向位置にそれぞれ形成されるランプ溝及び該ランプ溝に収容されるカムベアリングとを備え、前記アジャスタは、アジャストナットとアジャストボルトのいずれか一方の前記駆動側カム板に対向するシリンダ孔底部側端部に推力伝達板を備え、前記固定側カム板と、前記駆動側カム板と、前記推力伝達板と、前記推力伝達板を前記駆動側カム板の方向に付勢するカムスプリングとを、略円筒状のハウジング内に収容し、前記ハウジングを前記シリンダ孔の底部側に配設し、前記シリンダ孔に取り付けた止め輪にて前記ハウジングを前記シリンダ孔内に装着するディスクブレーキ装置において、前記固定側カム板の外周面及び前記ハウジングの外周面と、前記シリンダ孔内周面とのいずれか一方に係合リブを、他方に係合溝をそれぞれ形成し、該係合溝と前記係合リブとを係合させることによって、前記固定側カム板と前記ハウジングの回動を規制し、前記駆動側カム板は、シリンダ孔開口側端部の中央に、円筒部が突設されるとともに、該円筒部の外周側に突部が突設され、前記推力伝達板は、シリンダ孔底部側端部の中央に前記円筒部及び突部を収容する収容孔が形成され、該収容孔の内周側に、前記突部と当接して前記駆動側カム板の回動量を、前記カムベアリングが前記ランプ溝から脱落しない範囲に規制する規制部が突設され、前記収容孔に前記円筒部及び突部を収容させて、前記推力伝達板のシリンダ底部側に前記駆動側カム板のシリンダ孔開口側を当接させていることを特徴とするディスクブレーキ装置。
  2. 前記シリンダ孔に形成した一つの係合溝または係合リブに、前記固定側カム板に設けた係合リブまたは係合溝と、前記ハウジングに設けた係合リブまたは係合溝の双方を係合させることを特徴とする請求項1記載のディスクブレーキ装置。
  3. 前記シリンダ孔に前記係合溝を、前記固定側カム板及びハウジングに前記係合リブをそれぞれ設け、前記シリンダ孔は、シリンダ孔開口側にピストンを収容する大径部、シリンダ孔底部側にパーキングブレーキ機構の推力変換機構を収容する小径部がそれぞれ形成され、該小径部に前記係合溝が設けられるとともに、前記大径部と前記小径部との間に、前記大径部から前記小径部に向けて漸次縮径する円錐面が形成され、該円錐面のシリンダ孔底部側に隣接して、前記ハウジングの前記係合リブに当接する前記止め輪を装着する止め輪装着溝を設けたことを特徴とする請求項1又は2記載のディスクブレーキ装置。
  4. 開口側にピストンを収容する大径部、底部側にパーキングブレーキ機構の推力変換機構を収容する小径部を備えるとともに、該小径部の内周面に軸方向溝を備えた請求項3記載のディスクブレーキ装置におけるシリンダ孔の形成方法において、前記開口側から、前記軸方向溝の形成位置に円筒状の溝形成孔を加工した後、該溝形成孔を部分的に残しながら前記小径部を加工して、前記小径部の内周面に前記係合溝を形成し、次いで前記大径部と円錐面とを加工することを特徴とするディスクブレーキ装置におけるシリンダ孔の形成方法。
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