JP2014534806A5

JP2014534806A5 -

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Publication number: JP2014534806A5
Application number: JP2014526468A
Authority: JP
Filing date: 2012-08-21
Publication date: 2015-10-08

Description

概要
本発明は、抗ＭＣＳＰ抗体及びそれを使用する方法を提供する。本発明の一態様は、ヒトＭＣＳＰの膜近位エピトープに結合する単離された抗体を提供し、ここで抗体は、Ｆｃ領域中のオリゴ糖を改変するために糖鎖が操作され、非糖鎖操作抗体と比較して、抗体はＡＤＣＣエフェクター機能が増加していることを特徴とする。一実施態様において、ヒトＭＣＳＰの膜近位エピトープは、ＣＳＰＧリピート含有ドメインを含むことを含む。一実施態様において、ＣＳＰＧのリピート含有ドメインはＣＳＰＧリピート１４（配列番号３）を含む。一実施態様において、抗体のＦｃ領域は、非糖鎖操作抗体と比較してフコース残基の数が減少している。一実施態様において、抗体は、非糖鎖操作抗体と比較して、Ｆｃ領域においてＧｌｃＮＡｃ残基のフコース残基に対する割合が増加している。一実施態様において、抗体のＦｃ領域は、非糖鎖操作抗体と比較して、二分されたオリゴ糖の割合が増加している。ある実施態様では、抗体は、モノクローナル抗体である。ある実施態様では、抗体はヒト、ヒト化、又はキメラ抗体である。ある実施態様では、抗体は、完全長ＩｇＧクラスの抗体である。

ＩＩ．組成物及び方法
本発明は、癌などの細胞増殖性疾患の治療及び／又は診断における使用を見出す抗ＭＣＳＰ抗体を提供する。ある実施態様において、ＭＣＳＰの膜近位エピトープに特異的に結合する抗体が提供される。所定の実施態様において、ＭＣＳＰに結合し強化されたエフェクター機能を有する抗体が提供される。

Ａ．典型的な抗ＭＣＳＰ抗体
一態様において、本発明は、ＭＣＳＰに結合する単離された抗体を提供する。特に、本発明において提供される抗ＭＣＳＰ抗体は、ヒトＭＣＳＰの膜近位エピトープに特異的に結合する。Staub E., et al., FEBS Lett. 527:114-118(2002)に議論されるように、ＭＣＳＰの膜近位領域は、ＣＳＰＧリピートドメインとも呼ばれる複数の新規な繰り返しドメインから構成されている。図３本発明の抗ＭＣＳＰ抗体は、ＣＳＰＧリピート含有ドメインを含むヒトＭＣＳＰの膜近位ドメインに存在するエピトープに結合する。一実施態様において、ＣＳＰＧリピート含有ドメインは、ヒトＭＣＳＰの１９３７−２０４３のアミノ酸に対応しているＣＳＰＧリピート１４を含む。一実施態様において、ＣＳＰＧリピート１４ドメインは、配列番号３に示されるアミノ酸配列を有する。別の実施態様において、ＣＳＰＧリピート含有ドメインは、ＣＳＰＧリピート１４を含み、そしてＣＳＰＧリピート１５の少なくとも一部を含む。ＣＳＰＧリピート１５ドメインはヒトＭＣＳＰのアミノ酸２０４４−２２４６に対応している。一実施態様において、ＣＳＰＧリピート１５ドメインは、配列番号４に示されるアミノ酸配列を有する。一実施態様において、ＣＳＰＧリピート含有ドメインは、配列番号５のアミノ酸配列を含む。一実施態様において、ＣＳＰＧリピート含有ドメインは、天然の膜貫通ドメインを持たない配列番号５のアミノ酸配列を含む。一実施態様において、ＣＳＰＧのリピート含有ドメインはＣＳＰＧリピート１３−１５を含む。一実施態様において、ＣＳＰＧリピート含有ドメインは、配列番号６のアミノ酸配列を含む。一実施態様において、ＣＳＰＧリピート含有ドメインは、天然の膜貫通ドメインを持たない配列番号６のアミノ酸配列を含む。一実施態様において、ＣＳＰＧのリピート含有ドメインはＣＳＰＧリピート１２−１５を含む。一実施態様において、ＣＳＰＧリピート含有ドメインは、配列番号７のアミノ酸配列を含む。一実施態様において、ＣＳＰＧリピート含有ドメインは、天然の膜貫通ドメインを持たない配列番号７のアミノ酸配列を含む。ある実施態様において、天然膜貫通ドメインは、ＶＩＩＰＭＣＬＶＬＬＬＬＡＬＩＬＰＬＬＦＹ（ＵｎｉＰｒｏｔエントリーＱ６ＵＶＫ１）（配列番号４４）である。

一実施態様において、抗ＭＣＳＰ抗体は、ヒトＭＣＳＰの膜近位エピトープに結合する。一実施態様において、抗ＭＣＳＰ抗体は、ＣＳＰＧリピート含有ドメインを含むヒトＭＣＳＰの膜近位エピトープに結合する。一実施態様において、抗ＭＣＳＰ抗体は、配列番号５のアミノ酸配列に由来する、該配列中にある、又は該配列と重複するヒトＭＣＳＰの膜近位エピトープに結合する。

一実施態様において、抗ＭＣＳＰ抗体は、配列番号４のアミノ酸配列に由来する、該配列中にある、又は該配列と重複するヒトＭＣＳＰの膜近位エピトープに結合する。一実施態様において、抗ＭＣＳＰ抗体は、配列番号３のアミノ酸配列に由来する、該配列中にある、又は該配列と重複するヒトＭＣＳＰの膜近位エピトープに結合する。

実施例３：ＭＣＳＰ抗原上ＬＣ００７抗体の結合エピトープの決定
ＬＣ００７抗体はメラノーマ細胞に良好な結合を示したが、元の免疫原には弱い結合であった。従って、抗体ＬＣ００７のエピトープマッピングを、抗原上の正確な結合部位を決定するために行った。このため、様々な数のＣＳＰＧリピートと呼ばれるヒトＭＣＳＰの膜近位リピート領域を各々が含む、ＭＣＳＰ抗原の複数の切断型バージョンが生成された。Staub E., et al., FEBS Lett. 527:114-118(2002)。

Claims

抗体は、Ｆｃ領域中のオリゴ糖を改変するために糖鎖が操作され、非糖鎖操作抗体と比較して、抗体はＡＤＣＣエフェクター機能が増加している、ＣＳＰＧリピート含有ドメインを含むヒトＭＣＳＰの膜近位エピトープに結合する単離された抗体。
ＣＳＰＧリピート含有ドメインがＣＳＰＧリピート１４（配列番号３）を含む、請求項１に記載の抗体。
Ｆｃ領域は、非糖鎖操作抗体と比較してフコース残基の数が減少している、請求項１又は２に記載の抗体。
抗体は、非糖鎖操作抗体と比較して、Ｆｃ領域においてＧｌｃＮＡｃ残基のフコース残基に対する割合が増加している、請求項１から３の何れか一項に記載の抗体。
Ｆｃ領域は、非糖鎖操作抗体と比較して、二分されたオリゴ糖の割合が増加している、請求項１から４の何れか一項に記載の抗体。
抗体がモノクローナル抗体である、請求項１から５の何れか一項に記載の抗体。
抗体がヒト、ヒト化又はキメラ抗体である、請求項１から６の何れか一項に記載の抗体。
抗体が完全長ＩｇＧクラスの抗体である、請求項７に記載の抗体。
抗体が、（ａ）配列番号１４のアミノ酸配列を含むＨＶＲ−Ｈ１；（ｂ）配列番号１５のアミノ酸配列を含むＨＶＲ−Ｈ２；及び（ｃ）配列番号１６のアミノ酸配列を含むＨＶＲ−Ｈ３を含む、請求項１から８の何れか一項に記載の抗体。
抗体が、（ａ）配列番号１０のアミノ酸配列を含むＨＶＲ−Ｌ１；（ｂ）配列番号１１のアミノ酸配列を含むＨＶＲ−Ｌ２；及び（ｃ）配列番号１２のアミノ酸配列を含むＨＶＲ−Ｌ３を含む、請求項１から９の何れか一項に記載の抗体。
抗体が、（ａ）配列番号１７のアミノ酸配列を含むＨＶＲ−Ｈ１；（ｂ）配列番号１８のアミノ酸配列を含むＨＶＲ−Ｈ２；及び（ｃ）配列番号１６のアミノ酸配列を含むＨＶＲ−Ｈ３を含む、請求項１から８の何れか一項に記載の抗体。
抗体が、（ａ）配列番号１３のアミノ酸配列を含むＨＶＲ−Ｌ１；（ｂ）配列番号１１のアミノ酸配列を含むＨＶＲ−Ｌ２；及び（ｃ）配列番号１２のアミノ酸配列を含むＨＶＲ−Ｌ３を含む、請求項１から８及び１１の何れか一項に記載の抗体。
（ａ）配列番号２７のアミノ酸配列に少なくとも９５％の配列同一性を有するＶＨ配列；（ｂ）配列番号２６のアミノ酸配列に少なくとも９５％の配列同一性を有するＶＬ配列；又は（ｃ）（ａ）のＶＨ配列及び（ｂ）のＶＬ配列を含む、請求項１から８の何れか一項に記載の抗体。
配列番号２７のＶＨ配列及び／又は配列番号２６のＶＬ配列を含む、請求項１３に記載の抗体。
（ａ）配列番号３２のアミノ酸配列に少なくとも９５％の配列同一性を有するＶＨ配列；（ｂ）配列番号３１のアミノ酸配列に少なくとも９５％の配列同一性を有するＶＬ配列；又は（ｃ）（ａ）のＶＨ配列及び（ｂ）のＶＬ配列を含む、請求項１から８の何れか一項に記載の抗体。
配列番号３２のＶＨ配列及び／又は配列番号３１のＶＬ配列を含む、請求項１５に記載の抗体。
請求項１から１６の何れか一項に記載の抗体をコードする単離された核酸。
請求項１７に記載の核酸を含む宿主細胞。
抗体が産生されるように請求項１８に記載の宿主細胞を培養することを含む、抗体を産生する方法。
請求項１から１６の何れか一項に記載の抗体及び細胞傷害性薬物を含むイムノコンジュゲート。
請求項１から１６の何れか一項に記載の抗体及び薬学的に許容される担体を含む薬学的製剤。
医薬として使用のための請求項１から１６の何れか一項に記載の抗体又は請求項２０に記載のイムノコンジュゲート。
癌の治療に使用のための請求項１から１６の何れか一項に記載の抗体又は請求項２０に記載のイムノコンジュゲート。
癌がＭＣＳＰを発現する癌である、請求項２３に記載の抗体。
癌が、皮膚癌（メラノーマ及び基底細胞癌を含む）、神経膠腫（神経膠芽腫を含む）、骨癌（骨肉腫など）、及び白血病（ＡＬＬ及びＡＭＬを含む）からなる群から選択される、請求項２４に記載の抗体。
細胞溶解の誘導に使用ための、請求項１から１６の何れか一項に記載の抗体。
医薬の製造における、請求項１から１６の何れか一項に記載の抗体又は請求項２０に記載のイムノコンジュゲートの使用。
医薬が癌の治療用である、請求項２７の使用。
医薬が細胞溶解の誘導用である、請求項２７の使用。
サンプル中に存在する抗体とＭＣＳＰとの間の抗体−ＭＣＳＰ複合体の形成を許容する条件下で、請求項１から１６の何れか一項に記載される抗体とサンプルを接触させ、そして免疫検出法により複合体の有無を検出することを含む、ＭＣＳＰの免疫組織化学的アッセイ。
サンプルが、新鮮な組織サンプル、凍結組織サンプル、又はホルマリン固定、パラフィン包埋組織サンプルである、請求項３０に記載のアッセイ。