JP2014513184A - フルオロエラストマーの製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、ASTM D−3418−08に従って測定した融解熱が5J/g未満であるフルオロエラストマー[フルオロエラストマー(A)]の製造方法であって、前記方法は、少なくとも1種の追加的なフッ化モノマーの存在下、水性媒体中でフッ化ビニリデン(VDF)を乳化重合することを含み、前記方法は、−少なくとも1種の有機酸化剤[試剤(O)]、−少なくとも1種の有機還元剤[試剤(R)]、を含有する酸化還元ラジカル開始剤系の存在下で、VDFと前記追加的なフッ化モノマーとを重合することを含み、VDFと追加的なモノマーとを含有する前記重合媒体中でのみ試剤(O)が試剤Rと接触するように、試剤(O)は試剤(R)とは別々に前記重合媒体へ供給される、フルオロエラストマーの製造方法、前記方法から特には得られる、鎖欠陥及び極性末端基をわずかしか有さないフルオロエラストマー、並びに、当該フルオロエラストマーから得られる硬化性組成物に関する。

Description

関連出願の相互参照
本出願は2011年5月3日に出願された米国仮特許出願番号第61/481988号明細書及び2011年6月7日に出願された欧州特許出願公開第11169011.1号明細書に基づく優先権を主張するものであり、この出願の内容全体は、あらゆる目的のため、参照によって本明細書に包含される。
本発明は、有機ラジカル開始剤の存在下、フルオロモノマー、特にはフッ化ビニリデンの重合によって、フルオロエラストマーを得るための乳化重合技術、及び、それによって得たフルオロエラストマーに関する。
加硫処理した(パー)フルオロエラストマーは、耐熱性、耐薬品性、耐候性などの複数の好ましい特性を有することから、様々な用途で、特にはオイルシール、ガスケット、シャフトシール、Oリングなどのシーリング物品の製造用途で用いられてきた。
(パー)フルオロエラストマーを製造するためによく用いられる方法には、一般的にはフッ素系界面活性剤の存在下で、1種以上のフッ化モノマーを水系乳化重合することが含まれる。例えば過硫酸塩などの無機開始剤を使用すると、その開始機構のため、一般的にポリマー鎖に極性末端基が形成されることが当該技術分野でよく知られており、前述の基としては、SO3−基、いずれかの形態のカルボキシル基類、ヒドロキシル基などが挙げられる。これらの基は、一般的に、たとえ低濃度での存在であっても熱安定性不足及び酸化安定性不足の主要因及び/又は硬化プロセスを阻害する主要因になると考えられている。
したがって、極性末端基がない、そしてそのためより熱的に安定で効率的な硬化挙動を示すポリマーを乳化重合によって製造する場合には、一般的に有機開始剤が最適な開始剤である。
しかし、前記有機開始剤の存在下における乳化重合によってフルオロエラストマー、より具体的にはフッ化ビニリデン(VDF)フルオロエラストマーを製造する場合、ラジカルの生成はこれら後者の熱分解によって引き起こされる。ところが、これらの有機化合物は多くの場合100℃未満の温度ではほとんど分解挙動がみられず、そのため、適切な重合速度を得るために必要とされる重合条件が120℃以上になる場合もあった。これらの「高T」条件の結果として、ポリマー鎖は、転移、バックバイティング、ポリマーへの移動を含む様々な副反応を起こし、最終的に鎖の欠陥が生じてしまう。これは、フルオロエラストマーマトリックスの機械特性及び引張特性並びにフルオロエラストマー及びその合成物の加工特性を低下させるおそれがある。
特に、高温でVDFを重合する場合、一般的にポリマー主鎖は、式−CFH及び/又は−CFCHである末端基によって停止される短鎖分枝によって中断されることが知られている。これは例えば下のスキームに示されるように、典型的には分子内連鎖移動(バックバイティング)に起因する。
また更に、VDF繰り返し単位中の−CH−部への攻撃を含むポリマーへの移動現象は、下のスキームに示されるように、特に高温下で長鎖の分岐及び別の−CFH末端基を更に生成させることがある。
他方、少なくとも酸化剤と、前記酸化剤を容易に分解することができる還元剤とを含有する酸化還元系のラジカル開始方法の使用をベースとする重合技術も知られている。
欧州特許出願公開第0461521A号明細書(DAIKIN IND LTD、1991年12月18日)には、特定のラジカル重合方法によるVDFポリマーの製造方法が開示されている。好適な技術としては、特に、有機ラジカル開始剤を使用することを含む懸濁重合技術、又は、過硫酸アンモニウム、過硫酸カルシウム、過酸化水素、若しくはこれらの無機過酸化物のいずれかの混合物を、硫酸鉄などの還元剤及びl−アルコルビン酸などの安定剤と共に用いた乳化重合技術が挙げられる。
また、欧州特許出願公開第1591461A号明細書(ARKEMA INC、2005年11月2日)には、特定の水素化界面活性剤とラジカル開始剤との組み合わせの存在下でのVDFの乳化重合が開示されている。前記ラジカル開始剤は、酸化剤と、還元剤と、電子移動媒体として機能する促進剤とからなる酸化還元系とすることができる。酸化剤は特にはter−ブチルヒドロペルオキシド及びクメンヒドロペルオキシドなどのヒドロペルオキシドとすることができ、還元剤はアスコルビン酸とすることができ、促進剤は特には硫酸鉄などの遷移金属塩とすることができる。
更に、これらの酸化還元系の使用は非常にデリケートであり、酸化剤/還元剤をほんのわずかに添加しただけでも全く重合が起こらないか、ある場合においては、反応速度及び/又は大量のファウリング現象を制御できない場合があるため、求められる目的、すなわち実質的に極性基を含まず規則欠陥のない構造を有するフルオロエラストマーの効率的な製造、を達成することができない。
したがって、当該技術分野では、実質的に極性末端基を有さず、そのため向上した熱安定性及び酸化安定性、並びに、より規則的な構造を有し、わずかな欠陥しか有さないフルオロエラストマー、特にはVDFベースのフルオロエラストマーを製造するための方法が現在も不足している。
出願人は驚くべきことに、極性末端基が全くないか実質的にない非常に規則的なポリマー鎖を有する材料を得るために、特定の材料及び添加方法に従うことで、酸化還元開始剤系での乳化重合によってフッ化ビニリデンフルオロエラストマーを製造できることを見出した。
したがって本発明の目的は、ASTM D−3418−08に従って測定した融解熱が5J/g未満であるフルオロエラストマー[フルオロエラストマー(A)]の製造方法であって、前記方法は、少なくとも1種の追加的なフッ化モノマーの存在下、水系重合媒体中でフッ化ビニリデン(VDF)を乳化重合することを含み、前記方法は、
− 少なくとも1種の有機酸化剤[試剤(O)]、
− 少なくとも1種の有機還元剤[試剤(R)]、
を含有する酸化還元ラジカル開始剤系の存在下で、VDFと前記追加的なフッ化モノマーとを重合することを含み、VDFと任意選択的かつ追加的なモノマーとを含有する前記重合媒体中でのみ試剤(O)が試剤(R)と接触するように、試剤(O)は試剤(R)とは別々に前記重合媒体へ供給される、製造方法である。
出願人は驚くべきことに、試剤(O)と試剤(R)として共に有機化合物を用いる場合、重合可能なモノマーが存在する重合媒体中で試剤(O)と試剤(R)とが混ざるようにすることによってのみ、モノマーの重合を効率的に開始させるラジカルを低温で有利には効率的に発生させることができ、ファウリング現象なしに、極性基及び鎖欠陥(反転、バックバイティング、長鎖分枝及び短鎖分枝など)が低減された、期待されるフルオロエラストマー材料が得られることを見出した。前記試剤(O)と試剤(R)を単一混合物として供給した比較実験では、たとえ重合媒体中への導入前に低温に保っても、有意な反応速度は得られなかった。
本発明の方法は、乳化重合方法である。すなわち、マイクロ−又はナノ−エマルションを含む、エマルションの重合又は「ディスパージョン」として知られているものの重合に関するものであり、通常、この重合方法の結果として、水系媒体中にポリマー粒子の分散が与えられる。したがって、乳化重合方法は、当業者に良く知られている懸濁重合及び/又は溶液重合技術とは特に区別されるものである。
本発明の方法においては、VDFは少なくとも1種の追加的なフッ化モノマーと重合される。
好適なフッ化モノマーの非限定的な例には、特に、
(a)例えばテトラフルオロエチレン(TFE)、ヘキサフルオロプロペン(HFP)、ヘキサフルオロイソブテンなどのC〜Cのパーフルオロオレフィン、
(b)例えばトリフルオロエチレン(TrFE)、フッ化ビニルなどのC〜Cの水素化フルオロオレフィン、
(c)例えばクロロトリフルオロエチレン(CTFE)などのC〜Cの塩化−、及び/又は臭化−、及び/又はヨウ化−フルオロオレフィン、
(d)式CF=CFOR(Rは例えば−CF、−C、−Cパーフルオロアルキル基などのC〜Cの(パー)フルオロアルキル基)の(パー)フルオロアルキルビニルエーテル(PAVE)、
(e)式CF=CFOX(式中、Xは例えばパーフルオロ−2−プロポキシプロピル基などの1つ以上のエーテル基を有するC〜C12の(パー)フルオロオキシアルキル基)の(パー)フルオロオキシアルキルビニルエーテル、
(f)下記式

(式中、Rf3、Rf4、Rf5、及びRf6は互いに同じ又は異なっており、独立にフッ素原子、又は、任意選択的に1つ以上の酸素原子を含んでいてもよいC〜Cの(パー)フルオロアルキル基から選択され、好ましくは−CF、−C、−C、−OCF、−OCFCFOCF基である)の(パー)フルオロジオキソール、
(g)一般式CFX=CXOCFOR”(R”は直鎖又は分枝のC−Cの(パー)フルオロアルキル基、環状のC〜Cの(パー)フルオロアルキル基、及び1〜3個の酸素原子を有する直鎖又は分枝のC〜Cの(パー)フルオロオキシアルキル基から選択され、XはF又はHであり、好ましくはXがFでR”は−CFCF基(MOVE1)、−CFCFOCF基(MOVE2)、又は−CF基(MOVE3)である)、(パー)フルオロメトキシビニルエーテル(MOVE)
が含まれる。
重合は、例えばC〜Cの水素化オレフィンなどの非フッ素化モノマーを更に含んでいてもよい。
また更に、重合は、例えば過酸化物硬化反応に関与可能な基などの少なくとも1つの官能基を有するモノマーを含んでいてもよい。これらのモノマーはしばしば硬化部位モノマーと呼ばれる。そのような官能基としては、特に、例えば臭素原子又はヨウ素原子などのハロゲン原子及びニトリル基が挙げられる。
これらの実施形態によれば、硬化部位モノマーの中でも、特に
(CSM−1)下記式のヨウ素又は臭素含有モノマー

(式中、各AHfはそれぞれ互いに同じ又は異なり、独立にF、Cl、及びHから選択され、BHfはF、Cl、H、ORHf のいずれかであり、RHf は部分的に、実質的に、又は完全にフッ素化又は塩素化され得る分岐又は直鎖のアルキルラジカルであり、各WHfはそれぞれ互いに同じ又は異なり、独立に共有結合又は酸素原子であり、EHfは任意選択的にフッ素化されていてもよい2〜10の炭素原子を有する2価の基であり、RHfは部分的に、実質的に又は完全にフッ素化され得る分岐又は直鎖のアルキルラジカルであり、RHfはヨウ素及び臭素からなる群から選択されるハロゲン原子であってエーテル結合が挿入されていてもよく、好ましくはEHfは、mが3〜5の整数である−(CF−基である)、
(CSM−2)シアニド基を含有するフッ素化されていてもよいエチレン性不飽和化合物、
を挙げることができる。
タイプ(CSM1)の硬化部位含有モノマーの中でも好ましいモノマーは、
(CSM1−A)下記式のヨウ素含有パーフルオロビニルエーテル

(式中、mは0〜5の整数であり、nは0〜3の整数であり(ただしmとnのうちの少なくとも1つは0ではない)、RfiはF又はCF基である(特には米国特許第4745165号明細書(AUSIMONT SPA、)1988年5月17日)、米国特許第4564662号明細書(MINNESOTA MINING)1986年1月14日)、及び欧州特許出願公開第199138A号明細書(DAIKIN IND LTD)1986年10月29日)に記載されている))、
(CSM−1B)下記式のヨウ素含有エチレン性不飽和化合物
CX=CX−(CFCF)−I
(式中、X、X、Xは互いに同じ又は異なり、独立にH又はFであり、pは1〜5の整数であり、これらの化合物としては、CH=CHCFCFI、I(CFCFCH=CH、ICFCFCF=CH、I(CFCFCF=CHが挙げられる)、
(CSM−1C)下記式のヨウ素含有エチレン性不飽和化合物
CHR=CH−Z−CHCHR−I
(式中、RはH又はCHであり、Zは直鎖又は分岐の、任意選択的に1つ以上のエーテル酸素原子を含有していてもよいC〜C18の(パー)フルオロアルキレンラジカル、又は(パー)フルオロポリオキシアルキレンラジカルであり、これらの化合物の中でも、CH=CH−(CFCHCHI、CH=CH−(CFCHCHI、CH=CH−(CFCHCHI、CH=CH−(CFCHCHIが挙げられる)、
(CSM−1D)例えば米国特許第4035565号明細書(DUPONT、1977年7月12日)に記載されている、ブロモトリフルオロエチレン又はブロモテトラフルオロブテンなどの2〜10の炭素原子を含有する臭化及び/又はヨウ化アルファオレフィン、又は米国特許第4694045号明細書(DUPONT、1987年9月15日)に記載されている、他の臭化及び/又はヨウ化アルファオレフィン化合物、
からなる群から選択されるものである。
タイプ(CSM2)の硬化部位含有モノマーの中でも好ましいモノマーは、
(CSM2−A)式CF=CF−(OCFCFXCN−O−(CF−CNで表され、XCNがF又はCF基であり、mが0、1、2、3、又は4であり、nが1〜12の整数であるシアニド基含有パーフルオロビニルエーテル、
(CSM2−B)式CF=CF−(OCFCFXCNm’−O−CF−CF(CF)−CNで表され、XCNがF又はCF基であり、m’が0、1、2、3、又は4であるシアニド基含有パーフルオロビニルエーテル、
からなる群から選択されるものである。
本発明の目的に好適なタイプCSM2−A及びCSM2−Bの硬化部位含有モノマーの具体例は、特に米国特許第4281092号明細書(DUPONT、1981年7月28日)、米国特許第5447993号明細書(DUPONT、1995年9月5日)、米国特許第5789489号明細書(DUPONT、1988年8月4日)に記載されているものである。
有機酸化剤[試剤(O)]の選択は特には制限されない。フッ化ビニリデンの重合を開始することが知られている有機開始剤のいずれも用いることができる。それらの中でも以下のものを挙げることができる。
− ジアセチルぺルオキシド、ジコハク酸ぺルオキシド、ジプロピオニルぺルオキシド、ジブチリルぺルオキシド、ジベンゾイルぺルオキシド、ベンゾイルアセチルぺルオキシド、ジグルタル酸ぺルオキシド、ジラウリルぺルオキシドなどのジアシルぺルオキシド。
− 特にはジtertブチルぺルオキシド(DTBP)を含むジアルキルぺルオキシド。
− 特にはt−ブチルヒドロペルオキシド(TBHP)、クメンヒドロペルオキシド、3級アミルヒドロペルオキシドを含むヒドロペルオキシド。
− 過酸エステル、及び、例えばアンモニウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩などのその塩、
過酸の例としては過酢酸が挙げられる。過酸のエステルも用いることができ、その例としてはtert−ブチルぺルオキシアセテート及びtert−ブチルぺルオキシピバレートが挙げられる。
− 特にはジイソプロピルペルオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルペルオキシジカーボネートを含むペルオキシジカーボネート。
同様に、有機還元剤[試剤(R)]の選択も特には制限されない。当業者は、酸化還元ラジカル開始剤系の他の化合物を踏まえて最も適切な試剤(R)を選択するであろう。通常、有機還元剤(R)は、シュウ酸、アスコルビン酸、ギ酸、マロン酸、クエン酸、還元糖(すなわちアルデヒド基又はケトン基を有する糖)、N−ニトロソアミン、ヒドロキシルアミンから選択される。これら全ての試剤(R)の中でもアスコルビン酸が好ましい。
本明細書において、用語「アスコルビン酸」には、iso−アスコルビン酸(エリソルビン酸)などのアスコルビン酸の異性体だけでなく、例えばアスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カルシウム、アスコルビン酸カリウムなどの対応する塩も含まれる。
任意選択的に、無機酸化剤(IO)を試剤(P)及び試剤(O)と組み合わせて用いてもよい。無機酸化剤の非限定的な例としては、例えば過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウムなどの過硫酸を挙げることができる。
このような試剤(IO)の使用は必須ではないが、一定量の極性末端基を生成させる目的で、特定の状況下においては推奨され得る。極性末端基は、フルオロエラストマー(A)ラテックスの安定性向上及び凝固時の後処理の改善に役立ち、その結果、凝固クラムの粘性を低減/最小限にすることができる。
ただし、試剤(IO)の量は、極性末端基の量がゼロではないが少ない量になるように、有利には、特に式−CFCHOHで表される基の量がフルオロエラストマー1kg当たり多くとも5mmol、好ましくは多くとも4mmol、より好ましくは多くとも3mmolとなるように、通常選択される。
したがって用いる場合、この試剤(IO)は試剤(O)に対して少なくとも1/1000、好ましくは少なくとも1/500、より好ましくは少なくとも1/100のモル比で、及び/又は、試剤(O)に対して多くとも1/5、好ましくは多くとも1/10のモル比で、使用されると理解される。約1/15のモル比が特に良好な結果を与えることが見出された。
本発明の第一の実施形態によれば、本発明の方法の酸化還元ラジカル開始剤系は、
− 少なくとも1種の有機酸化剤[試剤(O)]、
− 少なくとも1種の有機還元剤[試剤(R)]、
− 任意選択的な少なくとも1種の無機酸化剤(IO)、及び
− 遷移金属触媒[試剤(P)]、
を含有する。
好ましくは、本発明の酸化還元ラジカル開始剤系は、本質的に試剤(O)と、試剤(R)と、任意選択的な試剤(OI)と、試剤(P)とからなる。
この実施形態によれば、用いる遷移金属触媒及び用いる有機酸化剤に応じて試剤(R)の選択が行われることが理解される。
遷移金属触媒[試剤(P)]に関しては、通常Fe2+、Cu+1、Co2+、Ag、Ti2+を含有するものが好ましい。これらの金属の任意の錯体又は塩を有利には用いることができる。本発明の方法において最も優れた性能を示したのはFe2+の塩である。
出願人はこの理論に拘束されるものではないが、本発明の方法では、試剤(P)が酸化剤(O)の分解を有利には触媒してその後の重合を開始させることができるラジカル種を放出させ、このプロセスで遷移金属がその高酸化状態に酸化され、そして、有機還元剤(R)が金属触媒を最初の酸化状態へ戻すように働いて金属触媒をもとの低い酸化状態へと戻すと思われる。
この第一の実施形態の酸化還元ラジカル開始剤系を用いた本発明の方法で達成可能な重合速度は非常に速い。これは一般的に所定の製造ラインの処理能力を向上させる明確な利点であると考えられるが、ある条件の下では、不安定性、オシレーション、暴走現象などを避ける目的で注意深く反応速度を制御するために追加的な測定も必要とされる場合がある。
更に、遷移金属触媒[試剤(P)]を使用するとフルオロエラストマー(A)中に金属残留物が残るおそれがある。
本発明の第二の実施形態によれば、本発明の方法の酸化還元ラジカル開始剤系は、
− 少なくとも1種の有機酸化剤[試剤(O)]、
− 少なくとも1種の有機還元剤[試剤(R)]、
− 任意選択的な少なくとも1種の無機酸化剤(IO)、
を含有し、前記酸化還元ラジカル開始剤系は実質的にFe2+、Cu+1、Co2+、Ag、Ti2+のいずれの塩も有さない。
好ましくは、本発明の酸化還元ラジカル開始剤系は、本質的に試剤(O)と、試剤(R)と、任意選択的な試剤(OI)とからなる。
つまり、本発明のこの第二の実施形態によれば、製造後に悪影響を及ぼす可能性が見出された特定の遷移金属触媒が使用されない。
出願人は、驚くべきことに、酸化還元系では一般的に遷移金属触媒の使用が推奨されているのにも関わらず、系の酸化剤成分及び還元剤成分として有機試剤を用いると、試剤(O)と試剤(R)とを単に組み合わせることで最適な重合反応速度が得られ、その結果フルオロエラストマー(A)の特性に悪影響を及ぼし得る混入遷移金属によるフルオロエラストマー(A)の汚染を有利には回避できることを見出した。
通常、本発明の方法には界面活性剤が添加されていない実施形態も包含し得るが、界面活性剤存在下での重合も含まれる。
界面活性剤の選択は、水相中でポリマー粒子が十分安定化されるように当業者によって行われるであろう。フッ素化界面活性剤と水素化界面活性剤のいずれも用いることができる。
通常はフッ素化界面活性剤、好ましくはフルオロエーテルカルボン酸又は塩の界面活性剤(1つ以上のエーテル酸素を含有する)が用いられる。少なくとも1種のフッ化ポリエーテルカルボン酸又は塩である界面活性剤と、イオン性基がない少なくとも1種のフッ素化液(例えばパーフルオロポリエーテルオイル)とを含有する、予め混合されている混合物も同様に用いることができ、これは一般的にマイクロエマルションと呼ばれている。
本発明の重合方法は、通常5〜200℃、好ましくは20〜150℃の範囲の温度で行われる。
特に好ましくは70〜90℃の温度である。
本重合方法は、通常2〜80bar、好ましくは5〜60barの範囲の圧力で行われる。
特に好ましくは30〜40barの圧力である。
本発明の方法では、有利には連鎖移動剤を用いることができる。用いることのできる連鎖移動剤の例としては、ジメチルエーテル、メチル t−ブチルエーテル、エタンやプロパンやn−ペンタンなどの1〜5の炭素原子を有するアルカン、CClやCHClやCHClなどのハロゲン化炭化水素、及びCHF−CF(R134a)などのフッ化炭化水素化合物が挙げられる。更に、酢酸エステルやマロン酸エステルのようなエステルも本発明の方法における連鎖移動剤として効果的であり得る。
本発明のある好ましい実施形態によれば、フルオロエラストマーポリマー鎖の末端基としてヨウ素及び/又は臭素である硬化部位を含有するフルオロエラストマー(A)を有利には得るために、本発明の方法における連鎖移動剤としてヨウ素及び/又は臭素含有化合物が用いられる。この実施形態にかかるフルオロエラストマーは、通常、
− ヨウ化及び/又は臭化連鎖移動剤(好適な鎖−鎖移動剤は、通常式R(I)(Br)で表され、Rが1〜8個の炭素原子を有する(パー)フルオロアルキル又は(パー)フルオロクロロアルキルであり、x及びyが1≦x+y≦2を満たす0〜2の整数であるものである(例えば、米国特許第4243770号明細書(DAIKIN IND LTD、1981年1月6日)及び米国特許第4943622号明細書(NIPPON MEKTRON KK、1990年7月24日)を参照))、
− 特には米国特許第5173553号明細書(AUSIMONT SRL)12/22/1992に記載されているものなどの、アルカリ金属又はアルカリ土類金属のヨウ化物及び/又は臭化物、
のうちのいずれかをフルオロエラストマー製造中に重合媒体中へ添加することによって得られる。
上述したように、試剤(O)は前記重合媒体中でのみ、試剤(R)と、あるいは場合により試剤(R)と接触することが必要である。
試剤(P)が存在する場合、試剤(P)と試剤(R)は重合媒体中に互いに別々に供給されてもよいが、これらは1つの混合物として、好ましくは試剤(P)と試剤(R)の水性溶液として、供給されてもよい。
ただし、少なくとも一部の試剤(O)又は少なくとも一部の試剤(R)及び/又は(P)(存在する場合)が重合開始前(例えばモノマーがない状態)に重合媒体中に入れられる実施形態も、本発明の範囲に包含される。
これらの実施形態によれば、少なくとも一部の試剤(O)が重合媒体中に存在する場合、試剤(R)が添加されることで反応が開始される。
しかし、通常、試剤(O)と、(R)と、存在する場合には試剤(P)とは、ほぼ同時に添加し始められることが理解される。
本発明の別の態様は、フッ化ビニリデン由来の繰り返し単位と少なくとも1種の追加的なフッ化モノマー(上で詳述)由来の繰り返し単位とを含有するフルオロエラストマー(A)であって、
− フルオロエラストマー1kgあたり多くとも60mmol、好ましくは多くとも50mmol、より好ましくは多くとも40mmolの量の、式−CFH及び/又は−CFCHの末端基と、
− フルオロエラストマー1kgあたり多くとも5mmol、好ましくは多くとも4mmol、より好ましくは多くとも3mmolの量の、式−CFCHOHの極性末端基と、
を含有するフルオロエラストマー(A)に関する。
フルオロエラストマー(A)は、特に本発明の方法によって製造することができる。
上述したように、分枝による極性末端鎖と末端基の両方が実質的に存在しないことの組み合わせは、フルオロエラストマー及びこれを含有する合成物の加工容易性と共に、機械特性(例えば引張破断強度の向上)及び密封性能(例えば低圧縮ひずみ)の向上、並びに優れた硬化挙動という目的に対して特に有利である。
加工容易性は特には、ASTM D5099−キャピラリーレオメトリーを用いた加工特性測定、及び、ASTM D6204−ロータレス剪断レオメーターを用いた未加硫レオロジー特性測定に従って測定することができる。
したがって、フルオロエラストマー(A)は、好ましくはVDFベースのコポリマーであって、VDFが以下の分類、すなわち
(a)テトラフルオロエチレン(TFE)、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)、ヘキサフルオロイソブチレンなどのC〜Cのパーフルオロオレフィン、
(b)フッ化ビニル(VF)、トリフルオロエチレン(TrFE)、式CH=CH−R(RはC〜Cのパーフルオロアルキル基)のパーフルオロアルキルエチレンなどの水素含有C〜Cオレフィン、
(c)クロロトリフルオロエチレン(CTFE)などの、C〜Cの塩化及び/又は臭化及び/又はヨウ化−フルオロオレフィン、
(d)式CF=CFOR(Rは、例えばCF、C、CなどのC〜Cの(パー)フルオロアルキル基)の(パー)フルオロアルキルビニルエーテル(PAVE)、
(e)式CF=CFOX(Xは、例えばパーフルオロ−2−プロポキシプロピル基などの、カテナリー酸素原子を含有するC〜C12の((パー)フルオロ)−オキシアルキル)の(パー)フルオロ−オキシ−アルキルビニルエーテル、
(f)下記式の(パー)フルオロジオキソール

(式中、Rf3、Rf4、Rf5、Rf6は互いに同じ又は異なり、独立してフッ素原子、及び、特には−CF、−C、−C、−OCF、−OCFCFOCFなどの任意選択的に1つ以上の酸素原子を含有していてもよいC〜Cの(パー)フルオロアルキル基、から選択される)、好ましくはパーフルオロジオキソール、
(g)式CFX=CXOCFOR”(R”は直鎖又は分岐のC〜Cの(パー)フルオロアルキル、C〜Cの環状(パー)フルオロアルキル、及び1〜3個のカテナリー酸素原子を含有する直鎖又は分岐のC〜Cの(パー)フルオロオキシアルキルから選択され、X=F、Hである)の(パー)フルオロ−メトキシ−ビニルエーテル(以下MOVE)であり、好ましくはXがFでR”が−CFCF(MOVE1)、−CFCFOCF(MOVE2)、又は−CF(MOVE3)、
(h)例えばエチレン及びプロピレンである、C〜Cの非フッ素化オレフィン(OI)、
から選択される少なくとも1種のコモノマーと共重合されているコポリマーの中から選択される。
本発明のフルオロエラストマー(A)は、任意選択的に、上述したような硬化部位モノマー由来の、好ましくは上述したような(CSM−1)又は(CSM−2)タイプのモノマー由来の、繰り返し単位を更に含有する。
本発明のフルオロエラストマー(A)は、任意選択的に、下記一般式のビス−オレフィン[ビス−オレフィン(OF)]由来の繰り返し単位も含有する:

(式中、R、R、R、R、R、及びRは、互いに同じ又は異なり、H、ハロゲン、ROF基又はOROF基であり、ROFは部分的に、実質的に、又は完全にフッ素化又は塩素化されていてもよいC〜Cのアルキルラジカルであり、Zは任意選択的に酸素原子を含有していてもよい、好ましくは少なくとも部分的にフッ素化された、直鎖又は分枝のC〜C18のアルキレン又はシクロアルキレンラジカル、又は、例えば欧州特許出願公開第661304A号明細書(AUSIMONT SPA、1995年7月5日)に記載されているような(パー)フルオロポリオキシアルキレンラジカルである)。
ビス−オレフィン(OF)は、好ましくは下記式(OF−1)、(OF−2)、及び(OF−3)
(OF−1)

(式中、jは2〜10、好ましくは4〜8の整数であり、R1、R2、R3、R4は互いに同じ又は異なり、H、F、又はC1〜5のアルキル又は(パー)フルオロアルキル基である)、
(OF−2)

(式中、各Aはそれぞれ互いに同じ又は異なり、独立にF、Cl、及びHから選択され、各Bはそれぞれ互いに同じ又は異なり、独立にF、Cl、H、及びORから選択され、Rは部分的に、実質的に、又は完全にフッ素化又は塩素化されていてもよい分枝又は直鎖のアルキルラジカルであり、Eは、エーテル結合が挿入されていてもよく任意選択的にフッ素化されていてもよい、2〜10の炭素原子を有する2価の基であり、好ましくはEはmが3〜5の整数である−(CF−基であり、好ましい(OF−2)タイプのビス−オレフィンはFC=CF−O−(CF−O−CF=CFである)、
(OF−3)

(式中、E、A、及びBは上で定義したのと同じ意味であり、R5、R6、R7は互いに同じ又は異なるH、F、C1〜5のアルキル基、又はC1〜5の(パー)フルオロアルキル基である)、
に従うものからなる群から選択される。
本発明の目的に好適なフルオロエラストマー(A)の具体的な組成の中でも、以下の組成、すなわち
(i)フッ化ビニリデン(VDF)35〜85%、ヘキサフルオロプロペン(HFP)10〜45%、テトラフルオロエチレン(TFE)0〜30%、パーフルオロアルキルビニルエーテル(PAVE)0〜15%、ビス−オレフィン(OF)0〜5%、
(ii)フッ化ビニリデン(VDF)50〜80%、パーフルオロアルキルビニルエーテル(PAVE)5〜50%、テトラフルオロエチレン(TFE)0〜20%、ビス−オレフィン(OF)0〜5%、
(iii)フッ化ビニリデン(VDF)20〜30%、C〜Cの非フッ素化オレフィン(OI)10〜30%、ヘキサフルオロプロペン(HFP)及び/又はパーフルオロアルキルビニルエーテル(PAVE)18〜27%、テトラフルオロエチレン(TFE)10〜30%、ビス−オレフィン(OF)0〜5%、
(iv)テトラフルオロエチレン(TFE)50〜80%、パーフルオロアルキルビニルエーテル(PAVE)20〜50%、ビス−オレフィン(OF)0〜5%、
(v)テトラフルオロエチレン(TFE)45〜65%、C〜Cの非フッ素化オレフィン(OI)20〜55%、フッ化ビニリデン0〜30%、ビス−オレフィン(OF)0〜5%、
(vi)テトラフルオロエチレン(TFE)32〜60%モル%、C〜Cの非フッ素化オレフィン(OI)10〜40%、パーフルオロアルキルビニルエーテル(PAVE)20〜40%、フルオロビニルエーテル(MOVE)0〜30%、ビス−オレフィン(OF)0〜5%、
(vii)テトラフルオロエチレン(TFE)33〜75%、パーフルオロアルキルビニルエーテル(PAVE)15〜45%、フッ化ビニリデン(VDF)5〜30%、ヘキサフルオロプロペンHFP0〜30%、ビス−オレフィン(OF)0〜5%、
(viii)フッ化ビニリデン(VDF)35〜85%、フルオロビニルエーテル(MOVE)5〜40%、パーフルオロアルキルビニルエーテル(PAVE)0〜30%、テトラフルオロエチレン(TFE)0〜40%、ヘキサフルオロプロペン(HFP)0〜30%、ビス−オレフィン(OF)0〜5%、
(ix)テトラフルオロエチレン(TFE)20〜70%、フルオロビニルエーテル(MOVE)30〜80%、パーフルオロアルキルビニルエーテル(PAVE)0〜50%、ビス−オレフィン(OF)0〜5%、
を挙げることができる(モル%)。
本発明は、加工物品製造のための上述したようなフルオロエラストマー(A)の使用にも関する。
フルオロエラストマー(A)は、その後に例えば成形(射出成形、押出成形)、カレンダー成形、又は押出しすることによって、所望の形状の物品に加工することができる。これは、有利にはそれ自身の加工中及び/又はそれに続く工程(後処理又はポストキュア)中に加硫(硬化)されて、相対的に柔らかくて弱いフルオロエラストマー(A)から、非粘着性で強固で不溶性で耐化学性及び耐熱性の硬化フルオロエラストマー(A)からなる完成品へと有利には変換される。
本発明のフルオロエラストマー(A)は、有利には過酸化物による硬化方法、イオンによる方法、スズ触媒による硬化、又は過酸化物/イオンを組み合わせた方法によって硬化される。
過酸化物による硬化は、典型的には、熱分解によってラジカルを発生することができる適切な過酸化物の添加による公知の技術に従って行われる。通常有機過酸化物が用いられる。
したがって、本発明の更なる目的は、上述のようなフルオロエラストマー(A)と少なくとも1種の過酸化物、典型的には有機過酸化物とを含有する過酸化物硬化型組成物である。
最も一般的に用いられている過酸化物の中でも、例えばジ−tert−ブチルペルオキシド及び2,5−ジメチル−2,5−ビス(tert−ブチルぺルオキシ)ヘキサンなどのジアルキルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、ジベンゾイルペルオキシド、ジ−tert−ブチルぺルオキシ安息香酸、ビス[1,3−ジメチル−3−(tert−ブチルぺルオキシ)ブチル]カーボネート、を挙げることができる。他の好適な過酸化物系は特に、欧州特許出願公開第136596A号明細書(MONTEDISON SPA、1985年4月10日)及び欧州特許出願公開第410351A号明細書(AUSIMONT SRL、1991年1月30日)に記載されており、これらの内容は参照によって本明細書に包含される。
上述したような過酸化物硬化型組成物中に通常含まれる他の成分は以下のものである。
(a)ポリマーに対して通常0.5〜10重量%であり、好ましくは1〜7重量%の量である硬化助剤。これらの試剤の中でも、シアヌル酸トリアリル、イソシアヌル酸トリアリル(TAIC)、トリス(ジアリルアミン)−s−トリアジン、亜リン酸トリアリル、N,N−ジアリルアクリルアミド、N,N,N’,N’−テトラアリルマロンアミド、トリビニルイソシアヌレート、2,4,6−トリビニルメチルトリシロキサン、上述したようなビス−オレフィン(OF)、特には欧州特許出願公開第860436A号明細書(AUSIMONT SPA、1998年8月26日)及び国際公開第97/05122号パンフレット(DU PONT [US]、1997年2月13日)に記載されているものなどのエチレン性不飽和基置換トリアジン、が一般的に用いられる。上述した硬化助剤の中でも、TAIC及び上述したようなビス−オレフィン(OF)、より具体的には上述したような式(OF−1)のものが特に良好な結果を与えることが見出された。
(b)ポリマー重量に対して1〜15重量%であり、好ましくは2〜10重量%の量である、例えばMg、Zn、Ca、又はPbなどの2価の金属の酸化物又は水酸化物から選択される任意選択的な金属化合物。任意選択的に弱酸の塩、例えばBa、Na、K、Pb、Caのステアリン酸塩、安息香酸塩、炭酸塩、シュウ酸塩、又は亜リン酸塩と組み合わされてもよい。
(c)特には欧州特許出願公開第708797A号明細書(DU PONT、1996年5月1日)に記載されているような、1,8−ビス(ジメチルアミノ)ナフタレン、オクタデシルアミンなどの任意選択的な非金属酸化物タイプの酸受容体。
(d)フィラー、増粘剤、顔料、酸化防止剤、安定剤、加工助剤などの、任意選択的な他の従来の添加剤。
イオン硬化は、フルオロエラストマー(A)と、1種以上の硬化剤と、当該技術分野で公知のイオン硬化に適した1種以上の促進剤とを混合することによって行うことができる。
したがって、本発明の更なる目的は、上述のようなフルオロエラストマー(A)と、少なくとも1種の硬化剤と、少なくとも1種の促進剤とを含有するイオン硬化型組成物である。
促進剤の量は通常0.05〜5phrであり、硬化剤の量は典型的には0.5〜15phrであり、好ましくは1〜6phrである。
芳香族又は脂肪族のポリヒドロキシ化合物又はその塩を硬化剤として使用してもよく、これらの実施例は、特には欧州特許出願公開第335705A号明細書(MINNESOTA MINING&MFG[US]+、1989年10月4日)及び米国特許第4233427号明細書(RHONE POULENC IND、1980年11月11日)に記載されている。これらの中でも、特に、ジヒドロキシ、トリヒドロキシ及びテトラヒドロキシのベンゼン、ナフタレン、又はアントラセン、並びに、脂肪族、脂環式、若しくは芳香族の2価のラジカル、又は代替的に、酸素原子、硫黄原子、又はカルボニル基で2つの芳香環が互いに連結されているビスフェノール、が挙げられる。芳香環は、1つ以上の塩素原子、フッ素原子、若しくは臭素原子、又は、カルボニル基、アルキル基、若しくはアシル基で置換されていてもよい。ビスフェノールAFが特に好ましい。
用いることのできる促進剤の例としては、4級アンモニウム塩又はホスホニウム塩(例えば欧州特許出願公開第335705A号明細書(MINNESOTA MINING&MFG[US]+、1989年10月4日)及び米国特許第3876654号明細書(DU PONT、1975年4月8日)参照)、アミノホスホニウム塩(例えば米国特許第4259463号明細書(MONTEDISON SPA、1981年3月31日)参照)、ホスホラン(米国特許第3752787号明細書(DU PONT)8/14/1973参照)、欧州特許出願公開第0120462A号明細書(MONTEDISON SPA、1984年3月10日)に記載されているような式[ArP−N=PAr+nn−(Arはアリール基であり、n=1又は2であり、Xはn価のアニオンである)又は例えば欧州特許出願公開第0182299A号明細書(ASAHI CHEMICAL IND、1986年5月28日)に記載されているような式[(RP)N](Rはアリール基又はアルキル基であり、Xは一価のアニオンである)のイミン化合物が挙げられる。4級ホスホニウム塩及びアミノホスホニウム塩が好ましい。
促進剤と硬化剤とを別々に用いる代わりに、上で定義したような正荷の有機オニウム化合物のうちの1つである促進剤と、上で示した化合物、特にはジヒドロキシ又はポリヒドロキシ又はジチオール又はポリチオール化合物から選択される硬化剤との、1:2〜1:5、好ましくは1:3〜1:5のモル比である付加体を用いることもできる。この付加体は、示されたモル比の促進剤と硬化剤との反応生成物を融解することによって、又は示された量の硬化剤が補充された1:1の付加体混合物を融解することによって、得られる。任意選択的に、付加体中に含まれる促進剤に対して過剰の促進剤が存在していてもよい。
付加体合成のためのカチオンとして特に好ましいものは、1,1−ジフェニル−1−ベンジル−N−ジエチルホスホランアミン及びテトラブチルホスホニウムである。特に好ましいアニオンは、2つの芳香環が3〜7の炭素原子のパーフルオロアルキル基から選択される2価のラジカルを介して結合されており、パラ位にOH基を有する、ビスフェノール化合物である。上述のような付加体の合成に好適な方法は、欧州特許出願公開第0684277A号明細書(AUSIMONT SPA [IT]、1995年11月29日)に記載されており、この全体は参照により本明細書に包含される。
イオン法で硬化する際に、本発明のフルオロエラストマー(A)を含有するイオン硬化型組成物に通常添加される他の成分は、
i)典型的にはフルオロエラストマー(A)100部あたり1〜40部の量添加される、フッ化ビニリデンコポリマーのイオン硬化で公知のものから選択される、1種以上の鉱酸受容体、
ii)典型的にはフルオロエラストマー(A)100部あたり0.5〜10部の量添加される、フッ化ビニリデンコポリマーのイオン硬化で公知のものから選択される、1種以上の塩基性化合物、
である。
項目ii)に記載されている塩基性化合物は、通常、Ca(OH)、Sr(OH)、Ba(OH)、例えばCa、Sr、Ba、Na、Kの炭酸塩、安息香酸塩、シュウ酸塩、亜リン酸塩などの弱酸の金属塩、及び上述の水酸化物と上述の金属塩との混合物、からなる群から選択される。タイプi)の化合物としては、MgOを挙げることができる。
混合物の上述の量は、フルオロエラストマー(A)100phr基準である。また、フィラー、増粘剤、顔料、酸化防止剤、安定剤などの他の従来の添加剤も、硬化する混合物にその際に添加してもよい。
上述した1種以上の過酸化物と、当該技術分野でよく知られているようなイオン硬化に好適な1種以上の硬化剤及び1種以上の促進剤とを硬化性組成物に同時に添加することによって、過酸化物硬化/イオン硬化を組み合わせて行うことができる。
フルオロエラストマー(A)が上述したような、タイプ(CSM−2)のシアニド基を含有するエチレン性不飽和化合物由来の繰り返し単位を含有する場合、特には米国特許第4394489号明細書(DU PONT、1983年7月19日)(アリル−、プロパギル−、アレニル−のスズ硬化剤が開示)、米国特許第5767204号明細書(NIPPON MEKTRON KK、1998年6月16日)(下記式

で表されるビス(アミノフェニル)化合物が開示されており、式中、Aは1〜6の炭素原子を有するアルキリデン基又は1〜10の炭素原子を有するパーフルオロアルキリデン基であり、X及びYは水酸基又はアミノ基)、及び米国特許第5789509号明細書(DU PONT、1998年8月4日)(テトラアルキルスズ、テトラアリールスズ化合物、ビス(アミノフェノール)及びビス(アミノチオフェノール)が開示)に記載されているような、有機スズ化合物又は二芳香族アミン化合物。特には米国特許第5447993号明細書(DU PONT、1995年9月5日)に記載されているように、フルオロエラストマーマトリックスがヨウ素化及び/又は臭素化された末端基を含有する場合、このタイプの加硫は過酸化物タイプの加硫と組み合わせてもよい。
最後に、本発明は、フルオロエラストマー(A)から得られる硬化製品に関する。前記硬化製品は、通常、上述したような過酸化物硬化型組成物を成形及び硬化することによって得られる。
参照によって本明細書に包含されているいずれかの特許、特許出願、及び刊行物の開示が用語が不明確になり得る程度に本明細書の記載と矛盾する場合は、本明細書の記載が優先される。
以下実施例を参照しつつ本発明をより詳細に説明するが、実施例の目的は単なる例示にすぎず、発明の範囲の限定を意図するものではない。
実施例1 t−ブチルヒドロペルオキシド、アスコルビン酸、及び硫酸鉄を用いた、85℃でのVDF/HFPコポリマーの製造
実施例1のフルオロエラストマーは以下の手順に従って製造した。すなわち、60rpmで作動するスターラーを備えた21lの横型オートクレーブに、脱気後、11.4lの脱塩水と、114mlのパーフルオロポリオキシアルキレンマイクロエマルションとを入れた。このパーフルポリオキシアルキレンマイクロエマルションは、
式CFO(CF−CF(CF)O)(CFO)CFCOOHの酸末端パーフルオロポリオキシアルキレン(n/m=10、平均分子量600)24.79mlと、
30体積%のNHOH水溶液8.71mlと、
脱塩水65.66mlと、
式CFO(CF−CF(CF)O)(CFO)CFのGALDEN(登録商標) D02 PFPE(n/m=20、平均分子量450)14.84mlと、
を予め混合することによって得た。
その後、オートクレーブを85℃に加熱し、反応の全期間その温度を維持した。48モル%のフッ化ビニリデン(VDF)と52モル%のヘキサフルオロプロペン(HFP)とのモノマー気相混合物を、圧力が37barになるようにオートクレーブ中に導入した。
0.89%w/wのt−ブチルヒドロペルオキシド脱イオン水溶液を420mL/hの速度で入れ、それと同時かつ別個に、0.89%w/wのL−アスコルビン酸と0.22%w/wの硫酸鉄を同じ速度で入れた。VDF71.5モル%とHFP21.5モル%とからなる混合物を供給することによって、重合中37barの設定圧力を一定に保った。
158分後、オートクレーブを冷却し、ラテックスを取り出した。VDF78.9モル%とHFP21.1モル%のモルモノマー組成を有するコポリマーのラテックス377.4g/lを得た。得られたフルオロエラストマーの鎖末端の特性評価は表1に示されている。
比較実施例2 ジ−t−ブチルペルオキシドを用いた、121℃でのVDF/HFPコポリマーの製造
比較実施例2のフルオロエラストマーは以下の手順に従って製造した。すなわち、60rpmで作動するスターラーを備えた21lの横型オートクレーブに、脱気後、15lの脱塩水と、114mlのパーフルオロポリオキシアルキレンマイクロエマルションとを入れた。このパーフルオロポリオキシアルキレンマイクロエマルションは、
式CFO(CF−CF(CF)O)(CFO)CFCOOHの酸末端パーフルオロポリオキシアルキレン(n/m=10、平均分子量600)24.79mlと、
30体積%のNHOH水溶液8.71mlと、
脱塩水65.66mlと、
式CFO(CF−CF(CF)O)(CFO)CFのGALDEN(登録商標) D02 PFPE(n/m=20、平均分子量450)14.84mlと、
を予め混合することによって得た。
その後、オートクレーブを121℃に加熱し、反応の全期間その温度を維持した。48モル%のフッ化ビニリデン(VDF)と52モル%のヘキサフルオロプロペン(HFP)とのモノマー気相混合物を、圧力が37barになるようにオートクレーブ中に導入した。次いで、33.9gのジ−t−ブチルペルオキシド(DTBP)を、重合開始時に6.44g、そして9など分してモノマーの変換率が5%増加する毎に3.05gずつ(変換率45%で最終添加)、段階的に添加した。
VDF71.5モル%とHFP21.5モル%とからなる混合物を供給することによって、重合中37barの設定圧力を一定に保った。230分後、オートクレーブを冷却し、ラテックスを取り出した。VDF78.8モル%とHFP21.2モル%のモルモノマー組成を有するコポリマーのラテックス278.6g/lを得た。得られたフルオロエラストマーの鎖末端の特性評価は表1に示されている。
比較実施例3 過硫酸アンモニウムを用いた、85℃でのVDF/HFPコポリマーの製造
比較実施例3のフルオロエラストマーは以下の手順に従って製造した。すなわち、545rpmで作動するスターラーを備えた10lの横型オートクレーブに、脱気後、5.6lの脱塩水を入れた。その後、オートクレーブを85℃に加熱し、反応の全期間その温度を維持した。48モル%のフッ化ビニリデン(VDF)と52モル%のヘキサフルオロプロペン(HFP)とのモノマー気相混合物を、圧力が19barになるようにオートクレーブ中に導入した。
その後、40gの過硫酸ジ−アンモニウムを、重合開始時に12g、変換率70%の時に28g、の2段階で添加した(2660gのモノマー混合物が反応器に供給された)。VDF71.5モル%とHFP21.5モル%とからなる混合物を供給することによって、重合中19barの設定圧力を一定に保った。
77分後、オートクレーブを冷却し、ラテックスを取り出した。VDF78.9モル%とHFP21.1モル%のモルモノマー組成を有するコポリマーのラテックス468g/lを得た。得られたフルオロエラストマーの鎖末端の特性評価は表1に示されている。
フルオロエラストマー鎖末端の特性評価
鎖末端は、PIANCA,M.,et al. End groups in fluoropolymers. Journal of Flurine Chemistry.1999,vol.95,p.71−84に記載されている方法に従って測定した。各末端鎖の濃度は、ポリマー1kg当たりのモル数と、フルオロエラストマー1kg当たりのモル数の両方で示した。
実施例4 t−ブチルヒドロペルオキシド、アスコルビン酸及び硫酸鉄を用いた、85℃でのVDF/HFPコポリマーの製造
19rpmで作動するスターラーを備えた6483lの横型反応器に、脱気後、3538kgの脱塩水と、44.45kgのパーフルオロポリエーテルマイクロエマルションとを入れた。このパーフルオロポリエーテルマイクロエマルションは、
式CFO(CF−CF(CF)O)(CFO)CFCOOHの酸末端パーフルオロポリオキシアルキレン(n/m=10、平均分子量600)13.74kg(7.63リットル)と、
30体積%のNHOH水溶液2.39kg(2.68リットル)と、
脱塩水20.23kgと、
式CFO(CF−CF(CF)O)(CFO)CFのGALDEN(登録商標) D02 PFPE(n/m=20、平均分子量450)8.09kg(4.57リットル)と、
を予め混合することによって得た。
その後、オートクレーブを85℃に加熱した。次いで、HFP/VDF重量比が2.19wt/wtで圧力が37barになるように、HFPとVDFを別々にオートクレーブ中に添加した。
0.89%w/wのt−ブチルヒドロペルオキシド脱イオン水溶液を、初期速度136kg/h(300lb/h)の速度で入れ、それと同時かつ別個に、0.89%w/wのL−アスコルビン酸と0.22%w/wの硫酸鉄を同じ速度で入れた。VDFとHFPとからなる混合物(HFP/VDF=0.6wt/wt)を供給することによって、重合中37barの設定圧力を一定に保った。
酢酸エチルである連鎖移動剤(190kg、418lbs)を、5.6重量%の水溶液として、VDF消費量の関数として段階的に添加した。重合開始初期には温度が90℃を超え、非常に速い反応速度が確認された。約20〜25分後に85℃の設定温度まで戻り、反応は約4時間続いた。これは、VDFが約630kg(1390lbs)変換されたことに相当する。反応器中にファウリングは見られなかった。
実施例5 t−ブチルヒドロペルオキシド及びアスコルビン酸を用いた、85℃でのVDF/HFPコポリマーの製造
19rpmで作動するスターラーを備えた6483lの横型反応器に、脱気後、2767kgの脱塩水と、実施例4で述べたような成分を混合することによって予め得た44.45kgのパーフルオロポリエーテルマイクロエマルションとを入れた。その後、オートクレーブを85℃に加熱した。酢酸エチルである連鎖移動剤(183kg)を、5.6重量%の水溶液として、VDF消費量の関数として段階的に添加した。次いで、HFP/VDF重量比が2.19wt/wtで圧力が37barになるように、HFPとVDFを別々にオートクレーブ中に添加した。
0.592%wt/wtのt−ブチルヒドロペルオキシド脱イオン水溶液を、129kg/h(285lb/h)の速度で反応器に入れ、それと同時かつ別個に、0.592%wt/wtのL−アスコルビン酸水溶液を同じ速度で入れた。約25分後、t−ブチルヒドロペルオキシド溶液とL−アスコルビン溶液の両方の供給速度を147kg/h(325lbs/h)に上げた。VDFとHFPとからなる混合物(HFP/VDF=0.6wt/wt)を供給することによって、平均VDF消費速度を約340kg/h(約750lbs/h)にしつつ、重合中37barの設定圧力を一定に保った。
反応は約174分続いた。これはVDFが約1296kg(2857lbs)変換されたことに相当し、ファウリングは見られなかった。
実質的に極性末端基が含まれておらず、22.3モル%のHFP含量を有し、ムーニー粘度(121℃でML1+10)が21.7MUである、VDF−HFPフルオロエラストマーが得られた。

Claims (14)

  1. ASTM D−3418−08に従って測定した融解熱が5J/g未満であるフルオロエラストマー[フルオロエラストマー(A)]の製造方法であって、前記方法は、
    少なくとも1種の追加的なフッ化モノマーの存在下、水性媒体中でフッ化ビニリデン(VDF)を乳化重合することを含み、前記方法は、
    − 少なくとも1種の有機酸化剤[試剤(O)]、及び
    − 少なくとも1種の有機還元剤[試剤(R)]、
    を含有する酸化還元ラジカル開始剤系の存在下で、VDFと前記追加的なフッ化モノマーとを重合することを含み、VDFと任意選択的かつ追加的なモノマーとを含有する前記重合媒体中でのみ試剤(O)が試剤(R)と接触するように、試剤(O)は試剤(R)とは別々に前記重合媒体へ供給される、製造方法。
  2. 前記有機酸化剤[試剤(O)]が、
    − ジアセチルぺルオキシド、ジコハク酸ぺルオキシド、ジプロピオニルぺルオキシド、ジブチリルぺルオキシド、ジベンゾイルぺルオキシド、ベンゾイルアセチルぺルオキシド、ジグルタル酸ぺルオキシド、及びジラウリルぺルオキシドなどのジアシルぺルオキシド、
    − 特にはジtertブチルぺルオキシド(DTBP)を含むジアルキルぺルオキシド、
    − 特にはt−ブチルヒドロペルオキシド(TBHP)、クメンヒドロペルオキシド、3級アミルヒドロペルオキシドを含むヒドロペルオキシド、
    − 過酸エステル、及び、例えばアンモニウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩などのその塩、
    − 特にはジイソピルペルオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルペルオキシジカーボネートを含むペルオキシジカーボネート、
    からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記有機還元剤[試剤(R)]が、シュウ酸、アスコルビン酸、ギ酸、マロン酸、クエン酸、還元糖(すなわちアルデヒド基又はケトン基を有する糖)、N−ニトロソアミン、ヒドロキシルアミン、及びこれらの混合物から選択される、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記試剤(R)がアスコルビン酸である、請求項3に記載の方法。
  5. 前記酸化還元ラジカル開始剤系が少なくとも1種の遷移金属触媒[試剤(P)]を含有し、前記試剤(P)が好ましくはFe2+、Cu+1、Co2+、Ag、Ti2+のうちの少なくとも1種を含有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記試剤(P)がFe2+の塩から選択される、請求項5に記載の方法。
  7. 前記酸化還元ラジカル開始剤系が、
    − 少なくとも1種の有機酸化剤[試剤(O)]、
    − 少なくとも1種の有機還元剤[試剤(R)]、
    − 任意選択的な少なくとも1種の無機酸化剤[試剤(IO)]、
    を含有し、前記酸化還元ラジカル開始剤系は実質的にFe2+、Cu+1、Co2+、Ag、Ti2+のいずれの塩も含有しない、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  8. フッ化ビニリデン由来の繰り返し単位と、少なくとも1種の追加的なフッ化モノマー由来の繰り返し単位とを含有するフルオロエラストマー(A)であって、前記フルオロエラストマーは、
    − フルオロエラストマー1kgあたり多くとも60mmol、好ましくは多くとも50mmol、より好ましくは多くとも40mmolの量の、式−CFH及び/又は−CFCHの末端基と、
    − フルオロエラストマー1kgあたり多くとも5mmol、好ましくは多くとも4mmol、より好ましくは多くとも3mmolの量の、式−CFCHOHの極性末端基と、
    を含有する、フルオロエラストマー(A)。
  9. 前記フルオロエラストマー(A)がVDFベースのコポリマーからなる群から選択されるものであり、前記VDFは、
    (a)テトラフルオロエチレン(TFE)、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)、ヘキサフルオロイソブチレンなどのC〜Cのパーフルオロオレフィン、
    (b)フッ化ビニル(VF)、トリフルオロエチレン(TrFE)、式CH=CH−R(RはC〜Cパーフルオロアルキル基)のパーフルオロアルキルエチレンなどのC〜Cの水素含有オレフィン、
    (c)クロロトリフルオロエチレン(CTFE)などのC〜Cの塩化及び/又は臭化及び/又はヨウ化−フルオロオレフィン、
    (d)式CF=CFOR(Rは例えばCF、C、CなどのC〜C(パー)フルオロアルキル基)の(パー)フルオロアルキルビニルエーテル(PAVE)、
    (e)式CF=CFOX(式中、Xは例えばパーフルオロ−2−プロポキシプロピル基などのカテナリー酸素原子を有するC〜C12の((パー)フルオロ)−オキシアルキル)の(パー)フルオロ−オキシ−アルキルビニルエーテル、
    (f)下記式

    (式中、Rf3、Rf4、Rf5、及びRf6は互いに同じ又は異なっており、独立に、フッ素原子と、特には−CF、−C、−C、−OCF、−OCFCFOCF基などの、任意選択的に1つ以上の酸素原子を含んでいてもよいC〜Cの(パー)フルオロアルキル基とから選択される)で表される(パー)フルオロジオキソールであり、好ましくはパーフルオロジオキソール、
    (g)(パー)フルオロ−メトキシ−ビニルエーテル(以降MOVE)であって、式CFX=CXOCFOR”(式中、R”は直鎖又は分枝のC〜Cの(パー)フルオロアルキル、環状のC〜Cの(パー)フルオロアルキル、及び1〜3個のカテナリー酸素原子を有する直鎖又は分枝のC〜Cの(パー)フルオロオキシアルキルから選択され、X=F,Hであり、好ましくはXがFでR”が−CFCF基(MOVE1)、−CFCFOCF基(MOVE2)、又は−CF基(MOVE3)である)、MOVE、
    (h)例えばエチレン及びプロピレンなどのC〜Cの非フッ素化オレフィン(OI)、
    から選択される少なくとも1種のコモノマーと共重合されている、請求項7に記載のフルオロエラストマー(A)。
  10. 前記フルオロエラストマー(A)が、更に
    (CSM−1)下記式のヨウ素又は臭素含有モノマー

    (式中、各AHfはそれぞれ互いに同じ又は異なっており、独立にF、Cl、及びHから選択され、BHfはF、Cl、H、ORHf のいずれかであり、RHf は部分的に、実質的に、又は完全にフッ素化又は塩素化され得る分岐又は直鎖のアルキルラジカルであり、各WHfはそれぞれ互いに同じ又は異なっており、独立に共有結合又は酸素原子であり、EHfは任意選択的にフッ素化されていてもよい2〜10の炭素原子を有する2価の基であり、RHfは部分的に、実質的に又は完全にフッ素化され得る分岐又は直鎖のアルキルラジカルであり、RHfはヨウ素及び臭素からなる群から選択されるハロゲン原子であってエーテル結合が挿入されていてもよく、好ましくはEHfは、mが3〜5の整数である−(CF−基である)、
    (CSM−2)シアニド基を含有するフッ素化されていてもよいエチレン性不飽和化合物、
    由来の繰り返し単位を含有する、請求項7又は8に記載のフルオロエラストマー(A)。
  11. 前記フルオロエラストマー(A)が、更に下記一般式

    (式中、R、R、R、R、R、及びRは、互いに同じ又は異なるH又はC〜Cのアルキル基であり、Zは任意選択的に酸素原子を含有していてもよい、好ましくは少なくとも部分的にフッ素化された、直鎖又は分枝のC〜C18のアルキレン又はシクロアルキレンラジカル、又は、(パー)フルオロポリオキシアルキレンラジカルである)を有するビス−オレフィン[ビス−オレフィン(OF)]由来の繰り返し単位を含有する、請求項7又は9に記載のフルオロエラストマー(A)。
  12. 請求項7〜10のいずれか1項に記載のフルオロエラストマー(A)と、少なくとも1種の過酸化物とを含有する、過酸化物硬化型組成物。
  13. 請求項7〜10のいずれか1項に記載のフルオロエラストマー(A)と、少なくとも1種の硬化剤と、少なくとも1種の促進剤とを含有する、イオン硬化型組成物。
  14. 請求項7〜10のいずれか1項に記載のフルオロエラストマー(A)から、又は、請求項11に記載の過酸化物組成物から、又は請求項12に記載のイオン硬化型組成物から、得られる硬化製品。
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