JP2014511106A - 抗pcsk9抗体及び使用方法 - Google Patents

抗pcsk9抗体及び使用方法 Download PDF

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セシリア チウ,
ダニエル キルヒホーファー,
アンドリュー ピーターソン,
ガネーシュ コルマム,
ベルトラン, モニカ コング
ポール モラン,
ウェイ リー,
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ジェネンテック, インコーポレイテッド
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Abstract

本発明は抗PCSK9抗体とその使用方法を提供する。

Description

関連出願
この出願は、2011年4月21日に出願された米国仮出願第61/477,788号及び2010年12月22日に出願された米国仮出願第61/426,343号の利益を主張する。上記参照される出願のすべての技術は参照により本明細書に組み込まれる。
配列表
本出願は、EFS−Web経由でASCIIフォーマットで提出された配列表を含み、その全体が本明細書中で参照することにより援用される。前記ASCIIコピーは、2011年12月12日に作成され、P4539RWO.txtと命名され、28,948バイトの大きさである。
発明の分野
発明の分野
本発明は、抗PCSK9抗体とその使用方法に関する。
発明の背景
プロタンパク質転換酵素のサブチリシン/ケキシン(Kexin)のタイプ9(PCSK9)は、プロタンパク質転換酵素の哺乳類サブチリシンファミリーのメンバーである。PCSK9は、血流中を循環する低密度リポタンパク質(LDL)粒子のレベルを制御することにより、コレステロール代謝に重要な役割を果たしている。PCSK9レベルの上昇は、肝臓におけるLDL受容体レベルを低減することが示されており、血漿中に高レベルのLDLコレステロールを生じ、冠動脈疾患への感受性の増加をもたらす。(Peterson et al., J Lipid Res. 49(7):1595-9 (2008))。従って、様々な治療的状態においてPCSK9の活性及びPCSK9が果たす対応する役割を阻害又は拮抗する、治療に基づくPCSK9のアンタゴニストを生産することは非常に有利であろう。
発明の概要
本発明は、PCSK9に対する様々な抗体に一部が基づいている。PCSK9は、重要で有利な治療標的として呈示され、本発明は、PCSK9の発現及び/又は活性に関連した病態を標的とすることにおいて使用のための治療薬及び診断薬としての抗体を提供する。従って、本発明は、PCSK9に関連する方法、組成物、キットおよび製造品を提供する。
ある実施態様において、PCSK9又はその断片に結合する抗体又は抗体断片が提供され、ここで該抗体は、
(i) XはS又はTであり;XはG,R又はSであり;XはH,T又はYであり;XはA又はTである、GFTFXIH(配列番号28)を含むHVR−H1;
(ii)RISPANGNTNYADSVKG(配列番号4)を含むHVR−H2;
(iii)WIGSRELYIMDY(配列番号5)を含むHVR−H3;
(iv)XはS又はTである、RASQDVSXAVA(配列番号29)を含むHVR−L1;
(v)XはF又はSである、SASXLYS(配列番号30)を含むHVR−L2;
(vi)XはP,R又はTであり;XはA,I,S又はTであり;XはL,P又はQであり;XはA,H,P又はSである、QQSYXT(配列番号31)を含むHVR−L3
からなる群から選択される少なくとも一、二、三、四、五、又は六の超可変領域(HVR)配列を含む可変ドメインを含む。
ある実施態様において、PCSK9又はその断片に結合する抗体又は抗体断片が提供され、ここで該抗体は、次の六のHVR配列を含む可変ドメインを含む:
(i)XはS又はTであり;XはG,R又はSであり;XはH,T又はYであり;XはA又はTである、GFTFXIH(配列番号28)を含むHVR−H1;
(ii)RISPANGNTNYADSVKG(配列番号4)を含むHVR−H2;
(iii)WIGSRELYIMDY(配列番号5)を含むHVR−H3;
(iv)XはS又はTである、RASQDVSXAVA(配列番号29)を含むHVR−L1;
(v)XはF又はSである、SASXLYS(配列番号30)を含むHVR−L2;
(vi)XはP,R又はTであり;XはA,I,S又はTであり;XはL,P又はQであり;XはA,H,P又はSである、QQSYXT(配列番号31)を含むHVR−L3。
一実施態様において、PCSK9又はその断片に結合する抗体又は抗体断片が提供され、該抗体は(a)配列番号1、配列番号2又は配列番号3のアミノ酸配列を含むHVR−H1、(b)配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR−H2、及び(c)配列番号5のアミノ酸配列を含むHVR−H3を含む。ある実施態様において、抗体は、(a)配列番号6又は配列番号7のアミノ酸配列を含むHVR−L1;(b)配列番号8又は配列番号26のアミノ酸配列を含むHVR−L2;(c)配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13又は配列番号14のアミノ酸配列を含むHVR−L3を更に含む。
ある実施態様において、PCSK9又はその断片に結合する抗体又は抗体断片が提供され、該抗体は、(a)配列番号6又は配列番号7のアミノ酸配列を含むHVR−L1;(b)配列番号8又は配列番号26のアミノ酸配列を含むHVR−L2;(c)配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13又は配列番号14のアミノ酸配列を含むHVR−L3を含む。ある実施態様において、抗体は、(a)配列番号1、配列番号2又は配列番号3のアミノ酸配列を含むHVR−H1、(b)配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR−H2、及び(c)配列番号5のアミノ酸配列を含むHVR−H3を更に含む。
ある実施態様において、PCSK9又はその断片に結合する抗体又は抗体断片が提供され、ここで該抗体は、
(1)配列番号1のアミノ酸配列を含むHVR−H1;
(2)配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR−H2;
(3)配列番号5のアミノ酸配列を含むHVR−H3;
(4)配列番号6のアミノ酸配列を含むHVR−L1;
(5)配列番号26のアミノ酸配列を含むHVR−L2;及び
(6)配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR−L3
を含む。
ある実施態様において、PCSK9又はその断片に結合する抗体又は抗体断片が提供され、ここで該抗体は、
(1)配列番号1のアミノ酸配列を含むHVR−H1;
(2)配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR−H2;
(3)配列番号5のアミノ酸配列を含むHVR−H3;
(4)配列番号7のアミノ酸配列を含むHVR−L1;
(5)配列番号8のアミノ酸配列を含むHVR−L2;及び
(6)配列番号10のアミノ酸配列を含むHVR−L3
を含む。
別の実施態様において、PCSK9又はその断片に結合する抗体又は抗体断片が提供され、ここで該抗体は、
(1)配列番号1のアミノ酸配列を含むHVR−H1;
(2)配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR−H2;
(3)配列番号5のアミノ酸配列を含むHVR−H3;
(4)配列番号7のアミノ酸配列を含むHVR−L1;
(5)配列番号8のアミノ酸配列を含むHVR−L2;及び
(6)配列番号11のアミノ酸配列を含むHVR−L3
を含む。
別の実施態様において、PCSK9又はその断片に結合する抗体又は抗体断片が提供され、ここで該抗体は、
(1)配列番号2のアミノ酸配列を含むHVR−H1;
(2)配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR−H2;
(3)配列番号5のアミノ酸配列を含むHVR−H3;
(4)配列番号7のアミノ酸配列を含むHVR−L1;
(5)配列番号8のアミノ酸配列を含むHVR−L2;及び
(6)配列番号12のアミノ酸配列を含むHVR−L3
を含む。
別の実施態様において、PCSK9又はその断片に結合する抗体又は抗体断片が提供され、ここで該抗体は、
(1)配列番号3のアミノ酸配列を含むHVR−H1;
(2)配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR−H2;
(3)配列番号5のアミノ酸配列を含むHVR−H3;
(4)配列番号7のアミノ酸配列を含むHVR−L1;
(5)配列番号8のアミノ酸配列を含むHVR−L2;及び
(6)配列番号13のアミノ酸配列を含むHVR−L3
を含む。
別の実施態様において、PCSK9又はその断片に結合する抗体又は抗体断片が提供され、ここで該抗体は、
(1)配列番号1のアミノ酸配列を含むHVR−H1;
(2)配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR−H2;
(3)配列番号5のアミノ酸配列を含むHVR−H3;
(4)配列番号7のアミノ酸配列を含むHVR−L1;
(5)配列番号8のアミノ酸配列を含むHVR−L2;及び
(6)配列番号14のアミノ酸配列を含むHVR−L3
を含む。
ある実施態様において、PCSK9又はその断片に結合する抗体又は抗体断片が提供され、該抗体は、(a)配列番号15、配列番号16、配列番号17又は配列番号27のアミノ酸配列に対して少なくとも95%の配列同一性を持つVH配列;又は(b)配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22又は配列番号23のアミノ酸配列に対して少なくとも95%の配列同一性を持つVL配列を含む。
ある実施態様において、PCSK9又はその断片に結合する抗体又は抗体断片が提供され、該抗体は、配列番号15、配列番号16、配列番号17又は配列番号27のVH配列を含む。ある実施態様において、抗体は、配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22又は配列番号23のVL配列を更に含む。
一実施態様において、PCSK9又はその断片に結合する抗体又は抗体断片が提供され、該抗体は、配列番号15のVH配列及び配列番号18のVL配列を含む。別の実施態様において、PCSK9又はその断片に結合する抗体又は抗体断片が提供され、該抗体は、配列番号15のVH配列及び配列番号19のVL配列を含む。別の実施態様において、PCSK9又はその断片に結合する抗体又は抗体断片が提供され、該抗体は、配列番号27のVH配列及び配列番号20のVL配列を含む。別の実施態様において、PCSK9又はその断片に結合する抗体又は抗体断片が提供され、該抗体は、配列番号16のVH配列及び配列番号21のVL配列を含む。別の実施態様において、PCSK9又はその断片に結合する抗体又は抗体断片が提供され、該抗体は、配列番号17のVH配列及び配列番号22のVL配列を含む。別の実施態様において、PCSK9又はその断片に結合する抗体又は抗体断片が提供され、該抗体は、配列番号27のVH配列及び配列番号23のVL配列を含む。
ある実施態様において、PCSK9又はその断片に結合する抗体又は抗体断片が提供され、該抗体は、PCSK9の断片内のエピトープに結合する。ある実施態様において、PCSK9又はその断片に結合する抗体又は抗体断片が提供され、該抗体は、配列番号24のヒトPCSK9アミノ酸配列のアミノ酸376から379を含む、PCSK9の断片内のエピトープに結合する。ある実施態様において、この発明による抗体の機能的及び/又は構造的エピトープはヒトPCSK9の残基D238を含む。ある実施態様において、この発明による抗体の機能的及び/又は構造的エピトープはヒトPCSK9の残基A239を含む。ある実施態様において、この発明による抗体の機能的及び/又は構造的エピトープはヒトPCSK9の残基D238及びA239を含む。ある実施態様において、この発明による抗体の機能的及び/又は構造的エピトープはヒトPCSK9の残基E366を含む。ある実施態様において、この発明による抗体の機能的及び/又は構造的エピトープはヒトPCSK9の残基D367を含む。ある実施態様において、この発明による抗体の機能的及び/又は構造的エピトープはヒトPCSK9の残基E366及びD367を含む。ある実施態様において、この発明による抗体の機能的及び/又は構造的エピトープはヒトPCSK9の残基H391を含む。ある実施態様において、この発明による抗体の機能的及び/又は構造的エピトープはヒトPCSK9の残基E366、D367及びH391を含む。ある実施態様において、この発明による抗体の機能的及び/又は構造的エピトープはヒトPCSK9の残基A239及びH391を含む。ある実施態様において、機能的及び/又は構造的エピトープはヒトPCSK9の残基A239、A341、E366、D367及びH391の一以上を含む。ある実施態様において、機能的及び/又は構造的エピトープはヒトPCSK9のA239、A341、E366、D367及びH391の近傍残基の一以上を含む。ある実施態様において、この発明による抗体の機能的及び/又は構造的エピトープは、ヒトPCSK9の(i)R194及びE195からなる群から選択される少なくとも一の残基、(ii)D238及びA239から選択される少なくとも一の残基、(iii)A341及びQ342から選択される少なくとも一の残基、及び(iv)E366、D367、I369、S376、T377、C378、F379、S381及びH391から選択される少なくとも一の残基を含む。ある実施態様において、機能的及び/又は構造的エピトープは、以下の残基:ヒトPCSK9のR194、E195、D238、A239、A341、Q342、E366、D367、I369、S376、T377、C378、F379、S381及びH391の一、二、三、四、五、六、七、八、九、十、十一、十二、十三、十四、又は全てを含む。
ある実施態様において、抗PCSK9抗体は、モノクローナル抗体である。ある実施態様において、抗PCSK9抗体は、ヒト化されている。ある実施態様において、抗PCSK9抗体は、ヒト抗体である。ある実施態様において、抗PCSK9抗体のフレームワーク配列の少なくとも一部分は、ヒトコンセンサスフレームワーク配列である。一実施態様において、抗体は、Fab,Fab’−SH,Fv,scFv、又はF(ab’)断片から選択される抗体断片である。
一態様において、上記抗PCSK9抗体のいずれかをコードする核酸が提供される一実施態様において、核酸を含むベクターが提供される。一実施態様において、ベクターは発現ベクターである。一実施態様において、ベクターを含む宿主細胞が提供される。一実施態様において、宿主細胞は、真核生物である。別の実施態様において、宿主細胞は、哺乳動物である。更に別の実施態様において、宿主細胞は、原核生物である。一実施態様において、抗PCSK9抗体を作成する方法が提供され、該方法は、抗体をコードする核酸の発現に適した条件下で宿主細胞を培養すること及び抗体を単離することを含む。ある実施態様において、本方法は、宿主細胞から抗PCSK9抗体を回収することを更に含む。ある実施態様において、本明細書に記載される抗PCSK9抗体の何れかを含む組成物が提供される。一実施態様において、組成物は、薬学的に許容される担体を更に含む。
一態様において、本発明は、被験体においてLDL受容体(LDRL)に対するPCSK9の結合を阻害する方法に関係し、該方法は、本明細書に記載される抗PCSK9抗体の何れかの有効量を被験体に投与することを含む。別の態様において、本発明は、被験体においてコレステロールのレベルを減少させる方法に関係し、該方法は、本明細書に記載される抗PCSK9抗体の何れかの有効量を被験体に投与することを含む。一実施態様では、コレステロールは、LDLコレステロールである。別の態様において、本発明は、被験体においてLDLコレステロールのレベルを減少させる方法に関係し、該方法は、本明細書に記載される抗PCSK9抗体の何れかの有効量を被験体に投与することを含む。ある実施態様において、本発明は、被験体において血清LDLコレステロールのレベルを低下させる方法に関係し、該方法は、本明細書に記載される抗PCSK9抗体の何れかの有効量を被験体に投与することを含む。別の態様において、本発明は、被験体においてLDLコレステロールのレベルの上昇に関連する病態を治療する方法に関係し、該方法は、本明細書に記載される抗PCSK9抗体の何れか一の有効量を被験体に投与することを含む。
ある態様において、本発明は、コレステロール関連疾患を治療する方法に関する。意図されるコレステロール関連疾患の例示的かつ非限定的なリストは、本明細書の「組成物及び方法」で提供される。ある実施態様において、コレステロール関連疾患は、高コレステロール血症である。ある実施態様において、本発明は、本明細書に記載される抗PCSK9抗体の何れか一の有効量を被験体に投与することを含む、高コレステロール血症を治療する方法に関する。ある実施態様において、本発明は、アテローム性動脈硬化症及び/又は循環器疾患を予防及び/又は治療する方法に関する。ある実施態様において、本発明は、本明細書に記載される抗PCSK9抗体の何れか一の有効量を個体に投与することを含む、個体における再発性心血管イベントのリスクを低減する方法に関する。
一態様において、本発明は、PCSK9の活性を除去し、阻害し、又は低減することにより、改善し、寛解し、抑制又は予防することができる任意の疾患又は病態を治療するための方法に関する。ある実施態様において、スタチンの使用を介して治療可能又は予防可能のどちらかである疾患又は障害はまた、本明細書に記載の抗PCSK9抗体の何れか一を用いて治療することができる。ある実施態様において、コレステロール合成又はLDLR発現の増加から利益を得ることが可能である障害又は疾患はまた、本明細書に記載の抗PCSK9抗体の何れか一を用いて治療することができる。
ある実施態様において、本明細書に記載される方法は、第二医薬の有効量を被検体に投与することを更に含み、ここで抗PCSK9抗体が第一医薬である。一実施態様において、第二医薬はLDLRタンパク質のレベルを上昇させる。別の実施態様において、第二医薬はLDLコレステロールのレベルを減少させる。別の実施態様において。第二医薬はスタチンを含む。別の実施態様において、スタチンは、アトルバスタチン、フルバスタチン、ロバスタチン、メバスタチン、ピタバスタチン、プラバスタチン、ロスバスタチン、シンバスタチン、およびそれらの任意の組み合わせから成る群から選択される。別の実施態様において、第二医薬はHDLコレステロールのレベルを上昇させる。所定の実施態様において、被検体又は個体はヒトである。
一態様において、本発明は、PCSK9タンパク質を含むことが疑われるサンプル中でPCSK9タンパク質を検出する方法に関し、該方法は、(a)本明細書に記載される抗PCSK9抗体とサンプルを接触させ;(b)抗PCSK9抗体とPCSK9タンパク質の間の複合体の形成を検出することを含む。一実施態様において、抗PCSK9抗体は検出可能に標識されている。
本明細書に記載される任意の実施態様又はその組み合わせは、任意かつ全ての抗PCSK9抗体、本明細書に記載される発明の方法及び使用に適用する。
図1は、抗PCSK9抗体の、重鎖HVR配列、H1(出現順にそれぞれ、配列番号1,1,1−3及び1),H2(配列番号4として全て開示)、及びH3(配列番号5として全て開示)、及び軽鎖HVR配列、L1(出現順にそれぞれ、配列番号6,7,7,7,7及び7),L2(出現順にそれぞれ、配列番号26,8,8,8,8及び8)及びL3(出現順にそれぞれ、配列番号9−14)を示す。 図2A−Bは、抗PCSK9抗体の、(A)重鎖可変ドメイン(出現順にそれぞれ、配列番号15,15,27,16−17及び27)、及び(B)軽鎖可変ドメイン(出現順にそれぞれ、配列番号18−23)を示す。位置は、Kabatに従って番号付けえられ、超可変領域は囲まれている。 図3A−Dは、(A)ヒトPCSK9、(B)マウスPCSK9、(C)カニクイザルPCSK9及びラットPCSK9、及び(D)アカゲザルPCSK9に対する抗PCSK9抗体(IgG)の解離定数を示す。 図4.抗PCSK9抗体は、競合結合ELISAにおいてLDLRのPCSK9結合を阻害する。ブランク(抗体なし、白四角)及びコントロール抗体(白丸)は破線で示されている。抗PCSK9抗体は実線で示されている。抗PCSK9抗体のIC50値が表に示されている。 図5.抗PCSK9抗体の異なる濃度を15μgの/mlのPCSK9と共にインキュベートし、4時間HepG2細胞に添加した。細胞は、表面LDLRのFACS解析のために処理した。データは、抗PCSK9抗体がLDLRダウンレギュレーションを効果的に防いだことを示している。陽性コントロールはPCSK9で処理されていない細胞である。 図6.抗LDLR抗体を用いたウェスタンブロットは、マウス肝臓において1時間の30μgのPCSK9がLDLRレベルを有意にダウンレギュレートしたことを示している。 図7.抗LDLR抗体によるウエスタンブロットは、全5つの抗PCSK9抗体が、マウスの肝臓でLDLRダウンレギュレーションを防いだことを示している。底部のイムノブロットは、治療群あたり4肝臓のプール(各肝臓からのタンパク質が10μg)である。 図8は、単回IV注射後のC57JBL/6マウスの血清中の抗PCSK9抗体濃度を示す。示されるのは、投薬群0.5mg/kg;5mg/kg、及び20mg/kg(n=3)の平均濃度である。 図9は、5mg/kgの抗PCSK9抗体のI.V.注射後のC57JBL/6野生型及びPCSK9−/−マウスの血清中における抗PCSK9抗体の濃度を示す。各投薬群の平均濃度が示される(n=3)。 図10は、単回I.V.注射後の個々のカニクイザルの血清中の抗PCSK9抗体濃度を示す。3つの投薬群には、5mg/kg;20mg/kg;及び60mg/kgが含まれている。 図11は、単回I.V.注射後のカニクイザルの血清中の抗PCSK9抗体濃度を示す。示されるのは、投薬群5mg/kg;20mg/kg、及び60mg/kg(n=3)の平均濃度である。 図12は、8つのコントロール(Crtl)又は抗PCSK9抗体のどちらかの単回投薬(10mg/kg体重)により治療されたマウスの血清中の総コレステロールのレベルを示す。コレステロールのレベルは図の示されるように異なる日で測定された。 図13は、コントロール又は抗PCSK9抗体のどちらかの単回投薬(10mg/kg体重)により治療されたマウス由来の血清中の総コレステロールのレベルを示す。
本発明の実施態様の詳細な記述
本明細書に記載され又は参照される技術及び手順は一般に良く理解され、かつ、当業者による従来の方法論、例えば、Sambrook et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual 第3版(2001) Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y. CURRENT PROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY (F. M. Ausubel, et al.編, (2003)); シリーズ METHODS IN ENZYMOLOGY (Academic Press, Inc.): PCR 2: A PRACTICAL APPROACH (M. J. MacPherson, B. D. Hames and G. R. Taylor編 (1995)), Harlow and Lane,編 (1988) ANTIBODIES, A LABORATORY MANUAL, and ANIMAL CELL CULTURE (R. I. Freshney, ed. (1987)); Oligonucleotide Synthesis (M. J. Gait, ed., 1984); Methods in Molecular Biology, Humana Press; Cell Biology: A Laboratory Notebook (J. E. Cellis, ed., 1998) Academic Press; Animal Cell Culture (R. I. Freshney),編, 1987); Introduction to Cell and Tissue Culture (J. P. Mather and P. E. Roberts, 1998) Plenum Press; Cell and Tissue Culture: Laboratory Procedures (A. Doyle, J. B. Griffiths, and D. G. Newell,編, 1993-8) J. Wiley and Sons; Handbook of Experimental Immunology (D. M. Weir and C. C. Blackwell,編); Gene Transfer Vectors for Mammalian Cells (J. M. Miller and M. P. Calos,編, 1987); PCR: The Polymerase Chain Reaction, (Mullis et al.,編, 1994); Current Protocols in Immunology (J. E. Coligan et al.,編, 1991); Short Protocols in Molecular Biology (Wiley and Sons, 1999); Immunobiology (C. A. Janeway and P. Travers, 1997); Antibodies (P. Finch, 1997); Antibodies: A Practical Approach (D. Catty., ed., IRL Press, 1988-1989); Monoclonal Antibodies: A Practical Approach (P. Shepherd and C. Dean,編, Oxford University Press, 2000); Using Antibodies: A Laboratory Manual (E. Harlow and D. Lane (Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1999); The Antibodies (M. Zanetti and J. D. Capra,編, Harwood Academic Publishers, 1995);及びCancer: Principles and Practice of Oncology (V. T. DeVita et al.,編, J.B. Lippincott Company, 1993)に記載される広く利用される方法論を使用して通常利用されている。
I.定義
別に規定されない限り、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるように、使用される技術用語および科学用語は、本明細書と同じ意味を持つ。Singleton et al., Dictionary of Microbiology and Molecular Biology 第2版, J. Wiley & Sons (New York, N.Y. 1994), 及びMarch, Advanced Organic Chemistry Reactions, Mechanisms and Structure 4th ed., John Wiley & Sons (New York, N.Y. 1992)は、当業者に、本出願で使用される多くの用語に対する一般的な指針を提供する。本明細書に引用される全ての参考文献は、特許出願および刊行物を含み、その全体が参考により援用される。
この明細書を解釈する目的のために、以下の定義が適用され、適切な場合はいつでも、単数形で使用される用語はまた、複数を含み、またその逆もある。本明細書で用いる用語は、特定の実施態様を説明するためのものであり、限定することを目的としていないことを理解すべきである。以下に記載される任意の定義が参照により本明細書に組み込まれる任意の文書との競合する場合には、以下に記載される定義が統制するべきである。
本明細書及び請求項を通じて、免疫グロブリン重鎖の残基の番号付けは、Kabat et al., Sequences of Proteins of Immunological Interest, 第5版 Public Health Service, National Institutes of Health, Bethesda, Md. (1991)にあるEUインデックスのそれであり、参照により本明細書に明示的に援用される。「KabatのEUインデックス」は、ヒトIgGのEU抗体の残基番号を指す。
本明細書における目的のための「アクセプターヒトフレームワーク」とは、下記に定義されるように、ヒト免疫グロブリンフレームワーク又はヒトコンセンサスフレームワークから得られる軽鎖可変ドメイン(VL)フレームワーク又は重鎖可変ドメイン(VH)フレームワークのアミノ酸配列を含有するフレームワークである。ヒト免疫グロブリンのフレームワーク又はヒトコンセンサスフレームワーク「に由来する」アクセプターヒトフレームワークは、その同一のアミノ酸配列を含んでもよく、又はそれはアミノ酸配列の変化を含み得る。幾つかの実施態様において、アミノ酸変化の数は、10以下、9以下、8以下、7以下、6以下、5以下、4以下、3以下、又は2以下である。幾つかの実施態様において、VLアクセプターヒトフレームワークは、Vはヒト免疫グロブリンのフレームワーク配列又はヒトコンセンサスフレームワーク配列に、配列が同一である。
「親和性」とは、分子(例えば、抗体)の単一結合部位とその結合パートナー(例えば、抗原)との間の非共有結合相互作用の総和の強度を指す。本明細書で使用する場合、特に断らない限り、「結合親和性」は、結合対(例えば、抗体と抗原)のメンバー間の1:1の相互作用を反映している本質的な結合親和性を指す。そのパートナーYに対する分子Xの親和性は、一般的に解離定数(Kd)で表すことができる。親和性は、本明細書に記載したものを含む、当技術分野で知られている一般的な方法によって測定することができる。結合親和性を測定するための具体的な例示であって典型的な実施態様は、以下で説明される。
「親和性成熟」抗体とは、その改変を有していない親抗体と比較して、抗原に対する抗体の親和性に改良を生じせしめる、その一又は複数の超可変領域(HVR)において一又は複数の改変を持つものである。
用語「抗PCSK9抗体」、「抗PCSK9」、「PCSK9抗体」及び「PCSK9に結合する抗体」は、PCSK9を標的とし、診断薬剤及び/又は治療的薬剤として有用であるように十分な親和性でPCSK9に結合することができる抗体を指す。一実施態様において、抗PCSK9抗体の、無関係な、非PCSK9タンパク質への結合の程度は、例えば、ラジオイムノアッセイ(RIA)によって測定される場合、抗体のPCSK9への結合の約10%未満である。ある実施態様において、PCSK9へ結合する抗体は、解離定数(Kd)が、≦1μM、≦100nM、≦10nM、≦1nM、≦0.1nM、≦0.01nM、又は≦0.001nM(例えば、10−M未満、例えば、10−Mから10−13M、例えば、10−Mから10−13M)を有する。ある実施態様において、抗PCSK9抗体は、異なる種由来のPCSK9間で保存されているPCSK9のエピトープに結合する。
用語「抗体」は最も広い意味で用いられ、様々な抗体構造を包含し、限定されないが、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、多特異性抗体(例えば二重特異性抗体)、及び、所望の抗原結合活性を示す限り、抗体断片を含む。
「抗体断片」は、インタクトな抗体が結合する抗原を結合するインタクトな抗体の一部を含むインタクトな抗体以外の分子を指す。抗体断片の例としては、限定されないが、Fv、Fab、Fab’、Fab’−SHは、F(ab’)、ダイアボディ、直鎖状抗体、単鎖抗体分子(例えばscFv)、及び抗体断片から形成された多重特異性抗体を含む。抗体のパパイン消化は、「Fab」断片と呼ばれ、各々が単一の抗原結合部位を持つ2つの同一な抗原結合断片、及び残りの「Fc」断片(名称は容易に結晶化する能力を反映している)を生成した。パパイン処置は、2つの抗原結合部位を有し、なお抗原を架橋することが可能なF(ab’)断片を産生する。
参照抗体として「同一のエピトープに結合する抗体」とは、競合アッセイにおいて50%以上、参照抗体のその抗原への結合をブロックする抗体、逆に競合アッセイにおいて50%以上、その抗体のその抗原への結合をブロックするその参照抗体を指す。典型的な競合アッセイが、本明細書において提供される。ある実施態様において、PCSK9に結合した抗PCSK9抗体Fab断片の結晶構造に基づいてエピトープが決定される。
用語「キメラ」抗体は、重鎖及び/又は軽鎖の一部分が特定の起源又は種から由来し、一方重鎖及び/又は軽鎖の残りが異なる起源又は種から由来する抗体を指す。
抗体の「クラス」は、その重鎖が保有する定常ドメイン又は定常領域のタイプを指す。抗体の5つの主要なクラスがあり:IgA、IgD、IgE、IgG及びIgM、及びこれらのいくつかは、さらにサブクラス(アイソタイプ)、例えば、IgG、IgGに、IgG、IgG、IGA、及びIgAに分けることができる。免疫グロブリンの異なるクラスに対応する重鎖定常ドメインは、それぞれα、δ、ε、γ、及びμと呼ばれる。
本明細書で用いられる「細胞傷害性薬物」という用語は、細胞の機能を阻害又は阻止し及び/又は細胞死又は破壊を生ずる物質を指す。細胞傷害性薬物は、限定されないが、放射性同位体(例えば、At211、I131、I125、Y90、Re186、Re188、Sm153、Bi212、P32、Pb212及びLuの放射性同位体):化学療法剤又は薬物(例えば、メトトレキセート、アドリアマイシン、ビンカアルカロイド(ビンクリスチン、ビンブラスチン、エトポシド)、ドキソルビシン、メルファラン、マイトマイシンC、クロラムブシル、ダウノルビシンまたは他の挿入剤)、成長阻害剤、酵素及びその断片、例えば核酸分解酵素など、抗生物質、小分子毒素などの毒素、又は細菌、真菌、植物又は動物由来の酵素活性毒素(それらの断片及び/又はその変異体を含む)、及び以下に開示される様々な抗腫瘍剤又は抗癌剤を包含する。
用語「ダイアボディ」は、2つの抗原結合部位を持つ抗体断片を指し、その断片は、同一ポリペプチド鎖(VH−VL)の軽鎖可変ドメイン(VL)に連結した重鎖可変ドメイン(VH)を含む。同一鎖の2つのドメイン環に対合を可能にするには短すぎるリンカーを用いることにより、そのドメインは別の鎖の相補的ドメインと強制的に対合し、2つの抗原結合部位を作り出す。ダイアボディは二価又は二重特異性であり得る。ダイアボディは、例えば、欧州特許第404,097号;国際公開第1993/01161号; Hudson et al., Nat. Med. 9:129-134 (2003);及びHollinger et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90: 6444-6448 (1993)により完全に記載されている。トリトリアボディ及びテトラボディもまた Hudson et al., Nat. Med. 9:129-134 (2003)に記載されている。
「エフェクター機能」とは、抗体のアイソタイプにより変わる、抗体のFc領域に起因する生物学的活性を指す。抗体エフェクター機能の例としては、C1q結合及び補体依存性細胞傷害(CDC);Fc受容体結合;抗体依存性細胞媒介性細胞障害(ADCC);貪食、細胞表面受容体(例えば、B細胞受容体)のダウンレギュレーション、及びB細胞の活性化を含む。
薬剤、例えば、薬学的製剤の「有効量」とは、所望の治療的又予防的結果を達成するために必要な用量及び期間での、有効な量を指す。
「Fab」断片は、重鎖と軽鎖可変ドメインを含み、かつまた軽鎖の定常ドメイン及び重鎖の第一定常ドメイン(CH1)を含む。Fab’断片は、抗体ヒンジ領域からの一以上のシステインを含む重鎖CH1ドメインのカルボキシル末端で2〜3の付加残基を有する点がFab断片とは異なる。Fab’−SHは、本明細書において、Fab’の一般名称であり、定常ドメインのシステイン残基が遊離チオール基を持つ。F(ab’)抗体断片は元々はFab’断片の対として生成され、その間にヒンジシステインを有する。抗体断片の他の化学結合も知られている。
用語「Fc領域」は、定常領域の少なくとも一部を含む、免疫グロブリン重鎖のC末端領域を定義するために使用される。その用語は、天然配列Fc領域と変異体Fc領域を含む。ある実施態様において、ヒトIgG重鎖Fc領域はCys226又はPro230から重鎖のカルボキシル末端まで伸長する。しかし、Fc領域のC末端リジン(Lys447)は存在しているか、又は存在していない場合がある。本明本名細書に明記されていない限り、Fc領域又は定常領域内のアミノ酸残基の番号付けは、Kabat et al., Sequences of Proteins of Immunological Interest,第5版 Public Health Service, National Institutes of Health, Bethesda, MD, 1991に記載されるように、EUインデックスとも呼ばれるEU番号付けシステムに従う。
「フレームワーク」又は「FR」は、超可変領域(HVR)残基以外の可変ドメイン残基を指す。可変ドメインのFRは、一般的に4つのFRのドメインで構成される:FR1,FR2,FR3,及びFR4。従っ従って、HVR及びFR配列は一般にVH(又はVL)の以下の配列に現れる:FR1−H1(L1)−FR2−H2(L2)−FR3−H3(L3)−FR4。
用語「完全長抗体」、「インタクトな抗体」及び「全抗体」は、本明細書中で互換的に使用され、天然型抗体構造と実質的に類似の構造を有するか、又は本明細書で定義されるFc領域を含む重鎖を有する抗体を指す。
「Fv」は、完全な抗原結合部位を含む最小抗体断片である。一実施態様において、2本鎖「Fv」種は、一本の重鎖と一本の軽鎖の可変ドメインが、堅固な非共有結合をなした二量体からなる。単鎖Fv(scFv)種において、一本の重鎖と一本の軽鎖可変ドメインは、2本鎖Fv種における二量体構造に類似した「二量体」構造で軽鎖と重鎖が会合できるように、柔軟なペプチドリンカーにより共有結合性に連結されることが可能である。各可変ドメインの3つのHVRが、VH−VLダイマーの表面上で抗原結合部位を定めるために相互作用するのはこの立体配置においてである。まとめて、6つのHVRは抗体に抗原結合特異性を付与する。しかしながら、単一の可変ドメイン(又は抗原に特異的な3つのHVRのみを含んでなるFvの半分)でさえ、結合部位全体よりは低い親和性であるが、抗原を認識し結合する能力を持つ。
用語「宿主細胞」、「宿主細胞株」及び「宿主細胞培養」は互換的に使用され、外因性の核酸が導入された細胞を指し、そのような細胞の子孫を含める。宿主細胞は、「形質転換体」及び「形質転換された細胞」を含み、継代の数に関係なく、それに由来する一次形質転換細胞及び子孫が含まれる。子孫は親細胞と核酸含量が完全に同一ではないかもしれないが、突然変異が含まれる場合がある。最初に形質転換された細胞においてスクリーニングまたは選択されたものと同じ機能又は生物活性を有する変異型子孫が本明細書において含まれる。
「ヒト抗体」は、ヒト又はヒト細胞により産生されるか、又はヒト抗体のレパートリー又は他のヒト抗体をコードする配列を利用した非ヒト起源に由来する抗体のそれに対応するアミノ酸配列を有するものである。ヒト抗体のこの定義は、非ヒト抗原結合残基を含むヒト化抗体を特に除外する。
「ヒトコンセンサスフレームワーク」とは、ヒト免疫グロブリンVL又はVHフレームワーク配列の選択において最も一般的に存在するアミノ酸残基を表すフレームワークである。一般的には、ヒト免疫グロブリンVL又はVH配列の選択は、可変ドメイン配列のサブグループからのものである。一般的には、配列のサブグループは、 Kabat et al., Sequences of Proteins of Immunological Interest, 第5版 NIH Publication 91-3242, Bethesda MD (1991), 第1-3巻にあるサブグループである。一実施態様において、VLについて、サブグループは上掲のKabatらにあるサブグループカッパIである。一実施態様において、VHについて、サブグループは上掲のKabatらにあるサブグループIIIである。
「ヒト化」抗体は、非ヒトHVR由来のアミノ酸残基、及びヒトFR由来アミノ酸残基を含むキメラ抗体を指す。所定の実施態様において、ヒト化抗体は、少なくとも一つ、典型的には2つの可変ドメインの全てを実質的に含み、HVR(例えば、CDR)の全て又は実質的に全てが、非ヒト抗体のものに対応し、全てまたは実質的にFRの全てが、ヒト抗体のものに対応する。ヒト化抗体は、任意で、ヒト抗体由来の抗体定常領域の少なくとも一部を含んでもよい。抗体の「ヒト化型」、例えば、非ヒト抗体は、ヒト化を遂げた抗体を指す。
本明細書で使用される用語「高コレステロール血症」は、コレステロールのレベルが所望のレベルを超えて上昇した状態を指す。ある実施態様において、LDLコレステロールのレベルは所望のレベルを超えて上昇している。ある実施態様において、血清LDLコレステロールのレベルは所望のレベルを超えて上昇している。
本明細書で使用される用語「超可変領域」又は「HVR」は、配列が超可変であるか、及び/又は構造的に定義されたループ(「超可変ループ」)を形成する抗体可変ドメインの各領域を指す。一般的に、天然型4鎖抗体は、VH(H1、H2、H3)に3つ、及びVL(L1、L2、L3)に3つの6つのHVRを含む。HVRは、一般的に超可変ループ由来及び/又は「相補性決定領域」(CDR)由来のアミノ酸残基を含み、後者は、最高の配列可変性であり、及び/又は抗原認識に関与している。典型的な超可変ループはアミノ酸残基26−32(L1)、50−52(L2)、91−96(L3)、26−32(H1)、53−55(H2)、及び96−101(H3)で生じる。(Chothia and Lesk, J. Mol. Biol. 196:901-917 (1987))。典型的なCDR(CDR−L1、CDR−L2、CDR−L3、CDR−H1、CDR−H2、及びCDR−H3)は、アミノ酸残基L1の24−34、L2の50−56、L3の89−97、H1の31−35B、H2の50−65、及びH3の95−102に生じる。(Kabat et al., Sequences of Proteins of Immunological Interest, 第5版 Public Health Service, National Institutes of Health, Bethesda, MD (1991))。VHのCDR1の例外を除いて、CDRは一般的に超可変ループを形成するアミノ酸残基を含む。CDRは、抗原に接触する残基である「特異性決定残基」又は「SDR」を含む。SDRは、略称(abbreviated−)CDR、又はa−CDRと呼ばれる、CDRの領域内に含まれている。典型的なa−CDR(a−CDR−L1、a−CDR−L2、a−CDR−L3、a−CDR−H1、a−CDR−H2、及びa−CDR−H3)は、アミノ酸残基L1の31−34、L2の50−55、L3の89−96、H1の31−35B、H2の50−58、及びH3の95−102に生じる。(Almagro and Fransson, Front.Biosci.13:1619-1633 (2008)を参照)特に断らない限り、可変ドメイン内のHVR残基及び他の残基(例えば、FR残基)は、上掲のKabatらに従い、本明細書において番号が付けられる。
「イムノコンジュゲート」は、1つ以上の異種分子にコンジュゲートした抗体であり、限定されないが、細胞傷害性薬物を含む。
「個体」又は「被検体」は、哺乳動物である。哺乳動物は、限定されないが、家畜動物(例えば、ウシ、ヒツジ、ネコ、イヌ、ウマ)、霊長類(例えば、ヒト、サルなどの非ヒト霊長類)、ウサギ、げっ歯類(例えば、マウス及びラット)を含む。所定の実施態様において、個体又は被検体はヒトである。
「単離された」抗体は、その自然環境の成分から分離されたものである。幾つかの実施態様において、抗体は、例えば、電気泳動(例えば、SDS−PAGE、等電点電気泳動(IEF)、キャピラリー電気泳動)又はクロマトグラフィー(例えば、イオン交換又は逆相HPLC)により決定されるように、95%以上または99%の純度に精製される。抗体抗体純度の評価法の総説としては、例えばFlatman et al., J. Chromatogr. B 848:79-87 (2007)を参照のこと。
「単離された」核酸は、その自然環境の成分から分離された核酸分子を指す。単離された核酸は、核酸分子を通常含む細胞に含まれる核酸分子を含むが、しかし、その核酸分子は、染色体外又はその自然の染色体上の位置とは異なる染色体位置に存在している。
「抗PCSK9抗体をコードする単離された核酸」は、抗体の重鎖及び軽鎖(又はその断片)をコードする一以上の核酸分子を指し、単一のベクター又は別個のベクター内のそのような核酸分子、及び宿主細胞の一以上の位置に存在するそのような核酸分子を含む。
本明細書で使用される用語「モノクローナル抗体」とは、実質的に均一な抗体の集団から得られる抗体を意味し、すなわち、例えば、天然に生じる変異を含み、又はモノクローナル抗体製剤の製造時に発生し、一般的に少量で存在している変異体などの、可能性のある変異体抗体を除き、集団を構成する個々の抗体は同一であり、及び/又は同じエピトープに結合する。異なる決定基(エピトープ)に対する異なる抗体を一般的に含む、ポリクローナル抗体調製物とは対照的に、モノクローナル抗体調製物の各モノクローナル抗体は、抗原上の単一の決定基に対するものである。従って、修飾語「モノクローナル」は、実質的に均一な抗体の集団から得られる抗体の特徴を示し、任意の特定の方法による抗体の産生を必要とするものとして解釈されるべきではない。例えば、本発明に従って使用されるモノクローナル抗体は、限定されないが、ハイブリドーマ法、組換えDNA法、ファージディスプレイ法、ヒト免疫グロブリン遺伝子座の全部又は一部を含むトランスジェニック動物を利用する方法を含む様々な技術によって作成され、モノクローナル抗体を作製するためのそのような方法及び他の例示的な方法は、本明細書に記載されている。
「ネイキッド抗体」とは、異種の部分(例えば、細胞傷害性部分)又は放射性標識にコンジュゲートしていない抗体を指す。ネイキッド抗体は薬学的製剤中に存在してもよい。
「天然型抗体」は、天然に生じる様々な構造をとる免疫グロブリン分子を指す。例えば、天然型IgG抗体は、ジスルフィド結合している2つの同一の軽鎖と2つの同一の重鎖から成る約150,000ダルトンのヘテロ四量体糖タンパク質である。N末端からC末端に、各重鎖は、可変重鎖ドメイン又は重鎖可変ドメインとも呼ばれる可変領域(VH)を有し、3つの定常ドメイン(CH1、CH2およびCH3)が続く。同様に、N末端からC末端に、各軽鎖は、可変軽鎖ドメイン又は軽鎖可変ドメインとも呼ばれる可変領域(VL)を有し、定常軽鎖(CL)ドメインが続く。抗体の軽鎖は、その定常ドメインのアミノ酸配列に基づいて、カッパ(κ)とラムダ(λ)と呼ばれる、2つのタイプのいずれかに割り当てることができる。
用語「パッケージ挿入物」は、効能、用法、用量、投与、併用療法、禁忌についての情報、及び/又はそのような治療用製品の使用に関する警告を含む、治療用製品の商用パッケージに慣習的に含まれている説明書を指すために使用される。
参照ポリペプチド配列に関する「パーセント(%)アミノ酸配列同一性」は、配列を整列させ、最大のパーセント配列同一性を得るために必要ならば間隙を導入した後、如何なる保存的置換も配列同一性の一部と考えないとした、参照ポリペプチドのアミノ酸残基と同一である候補配列中のアミノ酸残基のパーセントとして定義される。パーセントアミノ酸配列同一性を決定する目的のためのアラインメントは、当業者の技量の範囲にある種々の方法、例えばBLAST、BLAST−2、ALIGN、又はMegalign(DNASTAR)ソフトウェアのような公に入手可能なコンピュータソフトウェアを使用することにより達成可能である。当業者であれば、比較される配列の完全長に対して最大のアラインメントを達成するために必要な任意のアルゴリズムを含む、配列をアラインするための適切なパラメータを決定することができる。しかし、ここでの目的のためには、%アミノ酸配列同一性の値は、配列比較コンピュータプログラムALIGN−2を使用することによって生成される。ALIGN−2配列比較コンピュータプログラムはジェネンテック社によって作製され、ソースコードは米国著作権庁、ワシントンD.C.,20559に使用者用書類とともに提出され、米国著作権登録番号TXU510087の下で登録されている。ALIGN−2もまた、ジェネンテック社、サウスサンフランシスコ、カリフォルニアから公的に入手可能であり、又はそのソースコードからコンパイルすることができる。ALIGN−2プログラムは、デジタルUNIXのV4.0Dを含む、UNIXオペレーティングシステム上での使用のためにコンパイルされるべきである。全ての配列比較パラメータは、ALIGN−2プログラムによって設定され変動しない。
アミノ酸配列比較にALIGN−2が用いられる状況では、与えられたアミノ酸配列Aの、与えられたアミノ酸配列Bとの、又はそれに対する%アミノ酸配列同一性(或いは、与えられたアミノ酸配列Bと、又はそれに対して所定の%アミノ酸配列同一性を持つ又は含む与えられたアミノ酸配列Aと言うこともできる)は次のように計算される:

分率X/Yの100倍

ここで、Xは配列アラインメントプログラムALIGN−2により、AとBのそのプログラムのアラインメントにおいて同一と一致したスコアのアミノ酸残基の数であり、YはBの全アミノ酸残基数である。アミノ酸配列Aの長さがアミノ酸配列Bの長さと異なる場合、AのBに対する%アミノ酸配列同一性は、BのAに対する%アミノ酸配列同一性とは異なることは理解されるであろう。特に断らない限り、本明細書で使用されるすべての%アミノ酸配列同一性値が、ALIGN−2コンピュータプログラムを使用し、直前の段落で説明したように得られる。
用語「薬学的製剤」又は「薬学的組成物」は、その中に有効で含有される活性成分の生物学的活性を許容するような形態であって、製剤を投与する被検体にとって許容できない毒性である他の成分を含まない調製物を指す。
「薬学的に許容される担体」は、被検体に非毒性であり、有効成分以外の製剤処方中の成分を指す。薬学的に許容される担体は、限定されないが、緩衝剤、賦形剤、安定剤、又は保存剤を含む。
特に断らない限り、本明細書で使用する用語「プロタンパク質転換酵素サブチリシン ケキシンタイプ9」「PCSK9」又は「NARC−1」は、霊長類(例えばヒト)及びげっ歯類(例えば、マウス、ラット)などの哺乳動物を含む任意の脊椎動物由来の任意の天然型PCSK9を指す。その用語は、「完全長」、未処理のPCSK9並びに細胞内でのプロセシングから生じた任意の形態のPCSK9又はその断片を包含する。その用語はまた、天然に存在するPCSK9の変異体、例えば、スプライス変異体又は対立遺伝子変異体を包含する。
本明細書で使用される用語「PCSK9抗体」又はPCSK9の「生物学的活性」は、PCSK9の任意の生物学的作用を包含する。ある実施態様において、PCSK9の活性は、基質または受容体に相互作用するか又は結合するPCSK9の機能が含まれる。ある実施態様において、PCSK9の生物学的活性は、LDL受容体(LDLR)に結合するPCSK9の機能である。ある実施態様において、PCSK9はLDLRに結合し、LDLRが関与する反応を触媒する。ある実施態様において、PCSK9の活性は、LDLRの利用能を減少させ又は低減するPCSK9の機能が含まれる。ある実施態様において、PCSK9の生物学的活性は、被検体においてLDLの量を増加させるPCSK9の機能を含む。ある実施態様において、PCSK9の生物学的活性は、被検体においてLDLに結合するために利用可能であるLDLRの量を減少させるPCSK9の機能を含む。ある実施態様において、PCSK9の生物学的活性は、LDLに結合するために利用可能であるLDLRの量を減少させるPCSK9の機能を含む。ある実施態様において、PCSK9の生物学的活性は、PCSK9のシグナル伝達から生じる任意の生物学的活性を含む。
「単鎖Fv」又は「scFv」抗体断片は、抗体のVHドメイン及びVLドメインを含み、これらのドメインは、単一のポリペプチド鎖に存在する。一般に、scFvポリペプチドはVH及びVLドメイン間にポリペプチドリンカーを更に含み、それはsFVが抗原結合に望まれる構造を形成することを可能にする。scFvの総説については、例えば、Pluckthuen, in The Pharmacology of Monoclonal Antibodies, 113巻, Rosenburg and Moore 編, (Springer-Verlag, New York, 1994),頁269−315を参照。
本明細書で用いられるように、「治療」(及び「治療する(treat)」または「治療している(treating)」など文法上の変形)は、治療されている個体の自然経過を変えようと試みる臨床的介入を指し、予防のために、または臨床病理の過程においてのいずれかで実行できる。治療の望ましい効果は、限定されないが、疾患の発症又は再発を予防すること、症状の緩和、疾患の任意の直接的または間接的な病理学的帰結の縮小、疾患の進行の速度を遅らせること、疾患状態の改善又は緩和、及び寛解又は予後の改善を含む。幾つかの実施態様において、本発明の抗体は、疾患の発症を遅延させるか又は疾患の進行を遅くするために使用される。
用語「可変領域」又は「可変ドメイン」は、抗体の抗原への結合に関与する抗体の重鎖または軽鎖のドメインを指す。天然型抗体の可変重鎖ドメイン及び軽鎖(それぞれVHおよびVL)は、4つの保存されたフレームワーク領域(FR)と3つの超可変領域(HVR)を含む各ドメインを持ち、一般的に似たような構造を有する。(例えば、Kindt et al. Kuby Immunology, 6版, W.H. Freeman and Co., 91頁(2007)を参照)。単一のVH又はVLドメインが、抗原結合特異性を付与するのに十分であり得る。更に、特定の抗原に結合する抗体は、相補的なVL又はVHドメインのそれぞれのライブラリーをスクリーニングするために、抗原に特異的に結合する抗体由来のVH又はVLドメインを用いて単離することができる。例えば、Portolano et al., J. Immunol. 150:880-887 (1993); Clarkson et al., Nature 352:624-628 (1991)を参照。
本明細書で使用される、用語「ベクター」は、それがリンクされている別の核酸を伝播することができる核酸分子を指す。この用語は、自己複製核酸構造としてのベクター、並びにそれが導入された宿主細胞のゲノムに組み込まれたベクターを含む。ある種のベクターは、それらが動作可能なようにリンクされている核酸の発現を指示することができる。このようなベクターは、本明細書では「発現ベクター」と言う。
II.組成物及び方法
一態様において、本発明は、抗PCSK9抗体で得られた実験結果に一部が基づいている。得られた結果は、抗PCSK9抗体によりPCSK9の生物学的活性を遮断することは、LDLRの減少の防止につながる。加えて、結果は、抗PCSK9抗体の投与が被検体における総LDLコレステロールのレベルを減少させることを実証している。従って、本発明のPCSK9抗体は、本明細書に記載のように、PCSK9に関連する病態、例えばコレステロール関連疾患を標的にすることに使用のための、重要な治療薬および診断薬を提供する。
ある実施態様において、「コレステロール関連疾患」は、高コレステロール血症、心臓病、メタボリックシンドローム、糖尿病、冠動脈心疾患、脳卒中、心血管疾患、アルツハイマー病、そして一般的に脂質代謝異常の任意の一以上を包含し、これらは、例えば、血清総コレステロールの上昇、LDLの上昇、トリグリセリドの上昇、VLDLの上昇、及び/又はHDLの低下によって明らかにすることができる。単独又は他の薬剤と併用のどちらかで抗PCSK9抗体を使用して治療可能な一次性及び二次性の脂質代謝異常の幾つかの非限定的な例は、メタボリックシンドローム、糖尿病、家族性複合型高脂血症、家族性高トリグリセリド血症、ヘテロ接合性高コレステロール血症、ヘテロ接合性高コレステロール血症、家族性高コレステロール血症(familial defective apoplipoprotein B−100)を含む家族性高コレステロール血症;多遺伝子性高コレステロール血症;レムナントリムーバル疾患(remnant removal disease)、肝性リパーゼ欠損症;以下の任意に対する二次性の脂質異常症:食傷、甲状腺機能低下症、エストロゲン及びプロゲスチン治療、βブロッカー、及びチアジド系利尿薬を含む薬物;ネフローゼ症候群、慢性腎不全、クッシング症候群、原発性胆汁性肝硬変、糖原病、肝細胞腫、胆汁うっ滞、先端巨大症、インスリノーマ、成長ホルモン単独欠損症、及びアルコール誘導性高トリグリセリド血症を包含する。本明細書に記載される抗PCSK9抗体はまた動脈硬化性疾患、例えば、冠状動脈性心臓病、冠動脈疾患、末梢動脈疾患、脳卒中(虚血性及び出血性)、狭心症又は脳血管疾患及び急性冠動脈症候群、心筋梗塞の予防又は治療において有用であり得る。ある実施態様において、本明細書に記載される抗PCSK9抗体は、非致死性心臓発作、致命的及び非致死性脳卒中、特定の種類の心臓手術、心不全による入院、心臓疾患の患者における胸痛、及び/又は心臓病、以前の心臓発作、以前の心臓手術などを理由とする心血管系イベント及び/又は動脈血栓の所見のある胸痛のリスクを低減することにおいて有用である。ある実施態様において、抗PCSK9抗体及び本明細書に記載される方法は、心血管系イベントのリスクを低減させるために使用することができる。
A.典型的な抗PCSK9抗体
一態様において、本発明は、PCSK9に結合する単離された抗体を提供する。ある実施態様において、抗PCSK9抗体はPCSK9活性を調節する。
一態様において、本発明は、(a)配列番号1、配列番号2又は配列番号3のアミノ酸配列を含むHVR−H1;(b)配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR−H2;(c)配列番号5のアミノ酸配列を含むHVR−H3;(d)配列番号6又は配列番号7のアミノ酸配列を含むHVR−L1;(e)配列番号8又は配列番号26のアミノ酸配列を含むHVR−L2;及び(f)配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13又は配列番号14のアミノ酸配列を含むHVR−L3から選択される、少なくとも一、二、三、四、五、又は六のHVRを含む抗PCSK9抗体を提供する。
一態様において、本発明は、(a)配列番号1、配列番号2又は配列番号3のアミノ酸配列を含むHVR−H1;(b)配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR−H2;(c)配列番号5のアミノ酸配列を含むHVR−H3;(d)配列番号6又は配列番号7のアミノ酸配列を含むHVR−L1;(e)配列番号8又は配列番号26のアミノ酸配列を含むHVR−L2;及び(f)配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13又は配列番号14のアミノ酸配列を含むHVR−L3を含む六つのHVRを含む抗PCSK9抗体を提供する。
一態様において、本発明は、(a)配列番号1、配列番号2又は配列番号3のアミノ酸配列を含むHVRーH1;(b)配列番号4のアミノ酸配列を含むHVRーH2;及び(c)配列番号5のアミノ酸配列を含むHVRーH3から選択される、少なくとも一つのVH HVR配列、少なくとも二つのVH HVR配列、又は三つ全てのVH HVR配列を含む抗体を提供する。一実施態様において、抗体は、配列番号5のアミノ酸配列を含むHVR−H3を含む。一実施態様において、抗体は、配列番号5のアミノ酸配列を含むHVR−H3、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13又は配列番号14のアミノ酸配列を含むHVR−L3を含む。更なる実施態様において、抗体は、配列番号5のアミノ酸配列を含むHVR−H3、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13又は配列番号14のアミノ酸配列を含むHVR−L3、及び配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR−H2を含む。更なる実施態様において、抗体は、(a)配列番号1、配列番号2又は配列番号3のアミノ酸配列を含むHVR−H1、(b)配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR−H2、及び(c)配列番号5のアミノ酸配列を含むHVR−H3を更に含む。
別の実施態様において、本発明は、(a)配列番号6又は配列番号7のアミノ酸配列を含むHVR−L1;(b)配列番号8又は配列番号26のアミノ酸配列を含むHVR−L2;及び(c)配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13又は配列番号14のアミノ酸配列を含むHVR−L3から選択される、少なくとも一つのVL HVR配列、少なくとも二つのVL HVR配列、又は三つ全てのVL HVR配列を含む抗体を提供する。一実施態様において、抗体は、(a)配列番号6又は配列番号7のアミノ酸配列を含むHVR−L1;(b)配列番号8又は配列番号26のアミノ酸配列を含むHVR−L2;(c)配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13又は配列番号14のアミノ酸配列を含むHVR−L3を含む。
その他の態様において、本発明の抗体は、(a)(i)配列番号1、配列番号2又は配列番号3のアミノ酸配列を含むHVR−H1、(ii)配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR−H2、及び(iii)配列番号5のアミノ酸配列を含むHVR−H3から選択される少なくとも一つのVH HVR配列、少なくとも二つのVH HVR配列、又は三つ全てのVH HVR配列を含むVHドメイン、及び(b)(i)配列番号6又は配列番号7のアミノ酸配列を含むHVR−L1、(ii)配列番号8又は配列番号26のアミノ酸配列を含むHVR−L2、及び(c)配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13又は配列番号14のアミノ酸配列を含むHVR−L3から選択される少なくとも一つのVL HVR配列、少なくとも二つのVL HVR配列、又は三つ全てのVL HVR配列を含むVLドメインを含む。
その他の態様において、本発明は、(a)配列番号1のアミノ酸配列を含むHVR−H1;(b)配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR−H2;(c)配列番号5のアミノ酸配列を含むHVR−H3;(d)配列番号6のアミノ酸配列を含むHVR−L1;(e)配列番号26のアミノ酸配列を含むHVR−L2;及び(f)配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR−L3を含む抗体を提供する。その他の態様において、本発明は、(a)配列番号1のアミノ酸配列を含むHVR−H1;(b)配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR−H2;(c)配列番号5のアミノ酸配列を含むHVR−H3;(d)配列番号7のアミノ酸配列を含むHVR−L1;(e)配列番号8のアミノ酸配列を含むHVR−L2;及び(f)配列番号10のアミノ酸配列を含むHVR−L3を含む抗体を提供する。その他の態様において、本発明は、(a)配列番号1のアミノ酸配列を含むHVR−H1;(b)配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR−H2;(c)配列番号5のアミノ酸配列を含むHVR−H3;(d)配列番号7のアミノ酸配列を含むHVR−L1;(e)配列番号8のアミノ酸配列を含むHVR−L2;及び(f)配列番号11のアミノ酸配列を含むHVR−L3を含む抗体を提供する。その他の態様において、本発明は、(a)配列番号2のアミノ酸配列を含むHVR−H1;(b)配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR−H2;(c)配列番号5のアミノ酸配列を含むHVR−H3;(d)配列番号7のアミノ酸配列を含むHVR−L1;(e)配列番号8のアミノ酸配列を含むHVR−L2;及び(f)配列番号12のアミノ酸配列を含むHVR−L3を含む抗体を提供する。その他の態様において、本発明は、(a)配列番号3のアミノ酸配列を含むHVR−H1;(b)配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR−H2;(c)配列番号5のアミノ酸配列を含むHVR−H3;(d)配列番号7のアミノ酸配列を含むHVR−L1;(e)配列番号8のアミノ酸配列を含むHVR−L2;及び(f)配列番号13のアミノ酸配列を含むHVR−L3を含む抗体を提供する。その他の態様において、本発明は、(a)配列番号1のアミノ酸配列を含むHVR−H1;(b)配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR−H2;(c)配列番号5のアミノ酸配列を含むHVR−H3;(d)配列番号7のアミノ酸配列を含むHVR−L1;(e)配列番号8のアミノ酸配列を含むHVR−L2;及び(f)配列番号14のアミノ酸配列を含むHVR−L3を含む抗体を提供する。
ある実施態様において、抗PCSK9抗体は、ヒト化されている。一実施態様において、抗PCSK9抗体は、上記実施態様の何れかにおけるHVRを含み、更に、アクセプターヒトフレームワーク、例えばヒト免疫グロブリンのフレームワーク又はヒトコンセンサスフレームワークを含む。
その他の態様において、抗PCSK9抗体は、配列番号15、配列番号16、配列番号17又は配列番号27のアミノ酸配列に対して、少なくとも90%,91%,92%,93%,94%,95%,96%,97%,98%,99%、又は100%の配列同一性を有する重鎖可変ドメイン(VH)配列を含む。ある実施態様において、少なくとも90%,91%,92%,93%,94%,95%,96%,97%,98%、又は99%の同一性を有するVH配列は、参照配列に対して置換(例えば保存的置換)、挿入、又は欠失を含むが、その配列を含むPCSK9抗体は、PCSK9へ結合する能力を保持する。ある実施態様において、総計1から10のアミノ酸が、配列番号15、配列番号16、配列番号17又は配列番号27において、置換され、挿入され、及び/又は欠失している。ある実施態様において、置換、挿入、又は欠失は、HVR外の(すなわちFR内の)領域で生じる。任意で、抗PCSK9抗体は、配列番号15、配列番号16、配列番号17又は配列番号27のVL配列を、その配列の翻訳後修飾を含め、包含する。特定の実施態様において、VHは、(a)配列番号1、配列番号2、配列番号3のアミノ酸配列を含むHVR−H1、(b)配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR−H2、及び(c)配列番号5のアミノ酸配列を含むHVR−H3から選択される一、二、又は三のHVRを含む。
その他の態様において、抗PCSK9抗体が提供され、その抗体は、配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22又は配列番号23のアミノ酸配列に対して、少なくとも90%,91%,92%,93%,94%,95%,96%,97%,98%,99%、又は100%の配列同一性を有する軽鎖可変ドメイン(VL)を含む。ある実施態様において、少なくとも90%,91%,92%,93%,94%,95%,96%,97%,98%、又は99%の同一性を有するVL配列は、参照配列に対して置換(例えば保存的置換)、挿入、又は欠失を含むが、その配列を含むPCSK9抗体は、PCSK9へ結合する能力を保持する。ある実施態様において、総計1から10のアミノ酸が、配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22又は配列番号23において、置換され、挿入され、及び/又は欠失している。ある実施態様において、置換、挿入、又は欠失は、HVR外の(すなわちFR内の)領域で生じる。任意で、抗PCSK9抗体は、配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22又は配列番号23のVL配列を、その配列の翻訳後修飾を含め、包含する。特定の実施態様において、VLは、(a)配列番号6又は配列番号7のアミノ酸配列を含むHVR−L1;(b)配列番号8又は配列番号26のアミノ酸配列を含むHVR−L2;及び(c)配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13又は配列番号14のアミノ酸配列を含むHVR−L3から選択される、一、二、又は三のHVRを含む。
その他の態様において、抗PCSK9抗体が提供され、その抗体は、上記に与えられた実施態様の何れかにあるVH、及び上記に与えられた実施態様の何れかにあるVLを含む。一実施態様において、抗体は、配列番号15及び配列番号18のそれぞれVHとVLを、それらの配列の翻訳後修飾を含み、含む。一実施態様において、抗体は、配列番号15及び配列番号19のそれぞれVHとVLを、それらの配列の翻訳後修飾を含み、含む。一実施態様において、抗体は、配列番号27及び配列番号20のそれぞれVHとVLを、それらの配列の翻訳後修飾を含み、含む。一実施態様において、抗体は、配列番号16及び配列番号21のそれぞれVHとVLを、それらの配列の翻訳後修飾を含み、含む。一実施態様において、抗体は、配列番号17及び配列番号22のそれぞれVHとVLを、それらの配列の翻訳後修飾を含み、含む。一実施態様において、抗体は、配列番号27及び配列番号23のそれぞれVHとVLを、それらの配列の翻訳後修飾を含み、含む。
ある実施態様において、機能性エピトープは、コンビナトリアルアラニンスキャニングによってマッピングすることができる。このプロセスにおいて、コンビナトリアルアラニンスキャニング戦略は、抗PCSK9抗体との相互作用のために必要であるPCSK9タンパク質中のアミノ酸を同定するために用いることができる。ある実施態様において、エピトープは立体構造をとり、PCSK9に結合した抗PCSK9抗体のFab断片の結晶構造がそのエピトープを同定するために用いられ得る。一態様において、本発明は、本明細書に与えられた抗PCSK9抗体と同一エピトープに結合する抗体を提供する。例えば、ある実施態様において、配列番号15のVH配列及び配列番号19のVL配列を含む抗PCSK9抗体と同じエピトープに結合する抗体が提供される。ある実施態様において、配列番号27のVH配列及び配列番号20のVL配列を含む抗PCSK9抗体と同じエピトープに結合する抗体が提供される。ある実施態様において、配列番号16のVH配列及び配列番号21のVL配列を含む抗PCSK9抗体と同じエピトープに結合する抗体が提供される。ある実施態様において、配列番号17のVH配列及び配列番号22のVL配列を含む抗PCSK9抗体と同じエピトープに結合する抗体が提供される。ある実施態様において、配列番号27のVH配列及び配列番号23のVL配列を含む抗PCSK9抗体と同じエピトープに結合する抗体が提供される。
一態様において、本発明は、本明細書に記載される抗体の何れか一と競合的にヒトPCSK9に結合する抗PCSK9抗体、又はその抗原結合断片を提供する。ある実施態様において、競合的結合がELISAアッセイを用いて決定され得る。例えば、ある実施態様において、配列番号15のVH配列及び配列番号19のVL配列を含む抗PCSK9抗体と競合的にPCSK9に結合する抗体が提供される。ある実施態様において、配列番号27のVH配列及び配列番号20のVL配列を含む抗PCSK9抗体と競合的にPCSK9に結合する抗体が提供される。ある実施態様において、配列番号16のVH配列及び配列番号21のVL配列を含む抗PCSK9抗体と競合的にPCSK9に結合する抗体が提供される。ある実施態様において、配列番号17のVH配列及び配列番号22のVL配列を含む抗PCSK9抗体と競合的にPCSK9に結合する抗体が提供される。ある実施態様において、配列番号27のVH配列及び配列番号23のVL配列を含む抗PCSK9抗体と競合的にPCSK9に結合する抗体が提供される。
ある実施態様において、本明細書に記載されるPCSK9の断片内のエピトープへ結合する抗体が提供される。ある実施態様において、配列番号24のヒトPCSK9アミノ酸配列のアミノ酸376から379を含む、PCSK9の断片内のエピトープに結合する抗体が提供される。ある実施態様において、この発明による抗体の機能的及び/又は構造的エピトープはヒトPCSK9の残基D238を含む。ある実施態様において、この発明による抗体の機能的及び/又は構造的エピトープはヒトPCSK9の残基A239を含む。ある実施態様において、この発明による抗体の機能的及び/又は構造的エピトープはヒトPCSK9の残基D238及びA239を含む。ある実施態様において、この発明による抗体の機能的及び/又は構造的エピトープはヒトPCSK9の残基E366を含む。ある実施態様において、この発明による抗体の機能的及び/又は構造的エピトープはヒトPCSK9の残基D367を含む。ある実施態様において、この発明による抗体の機能的及び/又は構造的エピトープはヒトPCSK9の残基E366及びD367を含む。ある実施態様において、この発明による抗体の機能的及び/又は構造的エピトープはヒトPCSK9の残基H391を含む。ある実施態様において、この発明による抗体の機能的及び/又は構造的エピトープはヒトPCSK9の残基E366、D367及びH391を含む。ある実施態様において、この発明による抗体の機能的及び/又は構造的エピトープはヒトPCSK9の残基A239及びH391を含む。ある実施態様において、機能的及び/又は構造的エピトープはヒトPCSK9の残基A239、A341、E366、D367及びH391の一以上を含む。ある実施態様において、機能的及び/又は構造的エピトープはヒトPCSK9のA239、A341、E366、D367及びH391の近傍残基の一以上を含む。ある実施態様において、この発明による抗体の機能的及び/又は構造的エピトープは、ヒトPCSK9の(i)R194及びE195からなる群から選択される少なくとも一の残基、(ii)D238及びA239から選択される少なくとも一の残基、(iii)A341及びQ342から選択される少なくとも一の残基、及び(iv)E366、D367、I369、S376、T377、C378、F379、S381及びH391から選択される少なくとも一の残基を含む。ある実施態様において、機能的及び/又は構造的エピトープは、以下の残基:ヒトPCSK9のR194、E195、D238、A239、A341、Q342、E366、D367、I369、S376、T377、C378、F379、S381及びH391の一、二、三、四、五、六、七、八、九、十、十一、十二、十三、十四、又は全てを含む。
本発明の更なる態様では、上記実施態様のいずれかに記載の抗PCSK9抗体は、キメラ、ヒト化又はヒト抗体を含むモノクローナル抗体である。一実施態様において、抗PCSK9抗体は、抗体フラグメント、例えば、Fv、Fab、Fab’、scFv、ダイアボディ、又はF(ab’)断片である。その他の態様において、抗体は、全長抗体、例えば、インタクトなIgG抗体、又は本明細書において定義された他の抗体クラス又はアイソタイプである。
更なる態様にて、以下のセクション1−7で説明されるように、上記実施態様のいずれかに記載の抗PCSK9抗体は、単独または組み合わせで、任意の特徴を組み込むことができる:
I.抗体親和性
所定の実施態様において、本明細書において与えられる抗体は、解離定数(Kd)が、≦1μM、≦100nM、≦10nM、≦1nM、≦0.1nM、≦0.01nM、又は≦0.001nM(例えば、10−M未満、例えば、10−Mから10−13M、例えば、10−Mから10−13M)。
一実施態様において、以下のアッセイにより説明されるように、Kdは、目的の抗体のFab型とその抗原を用いて実施される放射標識抗原結合アッセイ(RIA)により測定される。非標識抗原の滴定系列の存在下で、最小濃度の(125I)−標識抗原にてFabを均衡化して、抗Fab抗体コートプレートと結合した抗原を捕獲することによって抗原に対するFabの溶液結合親和性を測定する(例えば、Chen, et al., J. Mol. Biol. 293:865-881(1999)を参照)。アッセイの条件を決めるために、MICROTITER(登録商標)マルチウェルプレート(Thermo Scientific)を、5μg/mlの捕獲抗Fab抗体(Cappel Labs)を含む50mM炭酸ナトリウム(pH9.6)にて一晩コートして、その後2%(w/v)のウシ血清アルブミンを含むPBSにて室温(およそ23℃)で2〜5時間、ブロックする。非吸着プレート(Nunc #269620)において、100pM又は26pMの[125I]抗原を段階希釈した所望のFabと混合する(例えば、Presta et al., (1997) Cancer Res. 57: 4593-4599の抗VEGF抗体、Fab−12の評価と一致する)。ついで目的のFabを一晩インキュベートする;しかし、インキュベーションは平衡状態に達したことを確認するまでに長時間(例えばおよそ65時間)かかるかもしれない。その後、混合物を捕獲プレートに移し、室温で(例えば1時間)インキュベートする。そして、溶液を取り除き、プレートを0.1%のポリソルベート20(Tween20(登録商標))を含むPBSにて8回洗浄する。プレートが乾燥したら、150μl/ウェルの閃光物質(MICROSCINT−20 TM;Packard)を加え、プレートをTOPCOUNT TMγ計測器(Packard)にて10分間計測する。最大結合の20%か又はそれ以下濃度のFabを選択してそれぞれ競合結合測定に用いる。
他の実施態様に従って、〜10反応単位(RU)の固定した抗原 CM5チップを用いて25℃のBIACORE(登録商標)−2000又はBIACORE(登録商標)−3000(BIAcore,Inc.,Piscataway,NJ)を用いる表面プラズモン共鳴アッセイを使用してKdを測定する。簡単に言うと、カルボキシメチル化デキストランバイオセンサーチップ(CM5,BIAcore Inc.)を、提供者の指示書に従ってN−エチル−N’−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド塩酸塩(EDC)及びN−ヒドロキシスクシニミド(NHS)で活性化した。抗原を10mM酢酸ナトリウム(pH4.8)で5μg/ml(〜0.2μM)に希釈し、結合したタンパク質の反応単位(RU)がおよそ10になるように5μl/分の流速で注入する。抗原の注入後、反応しない群をブロックするために1Mのエタノールアミンを注入する。動力学的な測定のために、Fabの2倍の段階希釈(0.78nMから500nM)を、25℃で、およそ25μl/分の流速で、0.05%ポリソルベート20(TWEEN20TM)界面活性剤(PBST)を含むPBSに注入した。会合及び解離のセンサーグラムを同時にフィットさせることによる単純一対一ラングミュア結合モデル(simple one−to−one Langmuir binding model)(BIACORE(登録商標)Evaluationソフトウェアバージョン3.2)を用いて、会合速度(kon)と解離速度(koff)を算出した。平衡解離定数(Kd)をkoff/kon比として算出した。例えば、 Chen et al., J. Mol. Biol. 293:865-881 (1999)を参照。上記の表面プラスモン共鳴アッセイによる結合速度が10M−s−を上回る場合、分光計、例えば、流動停止を備えた分光光度計(stop−flow equipped spectrophometer)(Aviv Instruments)又は撹拌キュベットを備えた8000シリーズ SLM−AMINCO TM分光光度計(ThermoSpectronic)で測定される、漸増濃度の抗原の存在下にて、PBS(pH7.2)中、25℃の、20nMの抗抗原抗体(Fab型)の蛍光放出強度(励起=295nm;放出=340nm、帯域通過=16nm)における増加又は減少を測定する蛍光消光技術を用いて結合速度を測定することができる。
2.抗体断片
ある実施態様において、本明細書で提供される抗体は、抗体断片である。抗体断片は、限定されないが、Fab,Fab’,Fab’−SH,F(ab’),Fv,及びscFv断片、及び下記の他の断片を含む。所定の抗体断片の総説については、Hudson et al. Nat. Med. 9:129-134 (2003)を参照。scFv断片の総説については、例えば、Pluckthuen, in The Pharmacology of Monoclonal Antibodies,113巻, Rosenburg and Moore編, (Springer-Verlag, New York), 頁269-315 (1994)を参照;また、国際公開第93/16185号;及び米国特許第5,571,894号及び第5,587,458号も参照。サルベージ受容体結合エピトープ残基を含み、かつインビボ半減期を増加させたFab及びF(ab’)断片の議論については、米国特許第5869046号を参照のこと。
ダイアボディは2価または二重特異性であり得る2つの抗原結合部位を有する抗体断片である。例えば、欧州特許第404,097号;国際公開第1993/01161号;Hudson et al., Nat. Med. 9:129-134 (2003);及びHollinger et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90: 6444-6448 (1993)を参照。トリアボディ及びテトラボディもまたHudson et al., Nat. Med. 9:129-134 (2003)に記載されている。
単一ドメイン抗体は、抗体の重鎖可変ドメインの全て又は一部、又は軽鎖可変ドメインの全て又は一部を含む抗体断片である。所定の実施態様において、単一ドメイン抗体は、ヒト単一ドメイン抗体である(Domantis,Inc.,Waltham,MA;例えば、米国特許第6,248,516 B1号を参照)。
抗体断片は様々な技術で作成することができ、限定されないが、本明細書に記載するように、インタクトな抗体の分解、並びに組換え宿主細胞(例えば、大腸菌やファージ)による生産を含む。
3.キメラ及びヒト化抗体
ある実施態様において、本明細書で提供される抗体は、キメラ抗体である。所定のキメラ抗体は、例えば、米国特許第4,816,567号、及びMorrison et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 81:6851-6855 (1984))に記載されている。一例において、キメラ抗体は、非ヒト可変領域(例えば、マウス、ラット、ハムスター、ウサギ、又はサル等の非ヒト霊長類由来の可変領域)及びヒト定常領域を含む。更なる例において、キメラ抗体は、クラスまたはサブクラスが親抗体のものから変更された「クラススイッチ」抗体である。キメラ抗体は、その抗原結合断片を含む。
所定の実施態様において、キメラ抗体は、ヒト化抗体である。典型的には、非ヒト抗体は、ヒトに対する免疫原性を低減するために、親の非ヒト抗体の特異性と親和性を保持したまま、ヒト化されている。一般に、ヒト化抗体は、HVR、例えば、CDR(またはその一部)が、非ヒト抗体から由来し、FR(またはその一部)がヒト抗体配列に由来する、一以上の可変ドメインを含む。ヒト化抗体はまた、任意で、ヒト定常領域の少なくとも一部をも含む。所定の実施態様において、ヒト化抗体の幾つかのFR残基は、抗体特異性又は親和性を回復もしくは改善するめに、非ヒト抗体(例えば、HVR残基が由来する抗体)由来の対応する残基で置換されている。
ヒト化抗体およびそれらの製造方法は、例えば、Almagro and Fransson, Front. Biosci. 13:1619-1633 (2008)に総説され、更に、 Riechmann et al., Nature 332:323-329 (1988); Queen et al., Proc. Nat'l Acad. Sci. USA 86:10029-10033 (1989);米国特許第5,821,337,7,527,791,6,982,321,及び7,087,409; Kashmiri et al., Methods 36:25-34 (2005)(SDR(a−CDR)グラフティングを記述); Padlan, Mol. Immunol. 28:489-498 (1991)(「リサーフェシング」を記述);Dall'Acqua et al., Methods 36:43-60 (2005)(「FRシャッフリング」を記述);及びOsbourn et al., Methods 36:61-68 (2005)及びKlimka et al., Br. J. Cancer, 83:252-260 (2000)(FRのシャッフリングへの「誘導選択」アプローチを記述)に記載されている。
ヒト化に用いられ得るヒトフレームワーク領域は、限定されないが、「ベストフィット」法を用いて選択されるフレームワーク領域(例えば、Sims et al. J. Immunol. 151:2296 (1993));軽鎖または重鎖の可変領域の特定のサブグループのヒト抗体のコンセンサス配列由来のフレームワーク領域(例えば、Carter et al. Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 89:4285 (1992);及びPresta et al. J. Immunol., 151:2623 (1993)を参照);ヒト成熟(体細胞変異)フレームワーク領域またはヒト生殖細胞系フレームワーク領域(例えば、Almagro and Fransson, Front. Biosci. 13:1619-1633 (2008)を参照);及びFRライブラリスクリーニング由来のフレームワーク領域(例えば、Baca et al., J. Biol. Chem. 272:10678-10684 (1997)及びRosok et al., J. Biol. Chem. 271:22611-22618 (1996)を参照)を含む。
4.ヒト抗体
所定の実施態様において、本明細書で提供される抗体は、ヒト抗体である。ヒト抗体は、当技術分野で公知の様々な技術を用いて生産することができる。ヒト抗体は一般的にvan Dijk and van de Winkel, Curr. Opin. Pharmacol. 5: 368-74 (2001)及びLonberg, Curr. Opin. Immunol. 20:450-459 (2008)に記載されている。
ヒト抗体は、抗原チャレンジに応答して、インタクトなヒト抗体又はヒト可変領域を持つ又はインタクトな抗体を産生するように改変されたトランスジェニック動物に、免疫原を投与することにより調製することができる。このような動物は、典型的には、内因性免疫グロブリン遺伝子座を置換するか、又は染色体外に存在するかもしくは動物の染色体にランダムに組み込まれている、ヒト免疫グロブリン遺伝子座の全てまたは一部を含む。このようなトランスジェニックマウスでは、内因性免疫グロブリン遺伝子座は、一般的に不活性化される。トランスジェニック動物からヒト抗体を得るための方法の総説については、 Lonberg, Nat. Biotech. 23:1117-1125 (2005)を参照。また、例えば、XENOMOUSETM技術を記載している、米国特許第6,075,181号及び6,150,584号;HuMab(登録商標)技術を記載している米国特許第5,770,429号;K−M MOUSE(登録商標)技術を記載している米国特許第7,041,870号及び、VelociMouse(登録商標)技術を記載している米国特許出願公開第2007/0061900号)を参照。このような動物で生成されたインタクトな抗体由来のヒト可変領域は、例えば、異なるヒト定常領域と組み合わせることにより、更に改変される可能性がある。
ヒト抗体は、ハイブリドーマベース法によって作成することができる。ヒトモノクローナル抗体の産生のためのヒト骨髄腫及びマウス−ヒトヘテロ細胞株が記載されている。(例えば、Kozbor J. Immunol., 133:3001 (1984); Brodeur et al., Monoclonal Antibody Production Techniques and Applications, 頁51-63 (Marcel Dekker, Inc., New York, 1987); 及びBoerner et al., J. Immunol., 147:86 (1991)を参照)ヒトヒトB細胞ハイブリドーマ技術を介して生成されたヒト抗体はまた、Li et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 103:3557-3562 (2006)に記載されている。更なる方法は、例えば、米国特許第7,189,826号(ハイブリドーマ細胞株からのモノクローナルヒトIgM抗体の産生を記載している)及びNi, Xiandai Mianyixue, 26(4):265-268 (2006) (ヒト−ヒトハイブリドーマを記載している)に記載されたものを含む。ヒトハイブリドーマ技術(トリオーマ技術)もまた、Vollmers and Brandlein, Histology and Histopathology, 20(3):927-937 (2005)及びVollmers and Brandlein, Methods and Findings in Experimental and Clinical Pharmacology, 27(3):185-91 (2005)に記載される。
ヒト抗体はまた、ヒト由来のファージディスプレイライブラリーから選択されたFvクローン可変ドメイン配列を単離することによって生成され得る。このような可変ドメイン配列は、次に所望のヒト定常ドメインと組み合わせてもよい。抗体ライブラリーからヒト抗体を選択するための技術が、以下に説明される。
5.ライブラリー由来の抗体
本発明の抗体は、所望の活性または活性(複数)を有する抗体についてコンビナトリアルライブラリーをスクリーニングすることによって単離することができる。例えば、様々な方法が、ファージディスプレイライブラリーを生成し、所望の結合特性を有する抗体についてのライブラリーをスクリーニングするために、当該技術分野で知られている。そのような方法は、例えば、Hoogenboom et al. in Methods in Molecular Biology 178:1-37 (O'Brien et al., 編, Human Press, Totowa, NJ, 2001)に総説され、更に、例えば、McCafferty et al., Nature 348:552-554; Clackson et al., Nature 352: 624-628 (1991); Marks et al., J. Mol. Biol. 222: 581-597 (1992); Marks and Bradbury, in Methods in Molecular Biology 248:161-175 (Lo, ed., Human Press, Totowa, NJ, 2003); Sidhu et al., J. Mol. Biol. 338(2): 299-310 (2004); Lee et al., J. Mol. Biol. 340(5): 1073-1093 (2004); Fellouse, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 101(34): 12467-12472 (2004); 及びLee et al., J. Immunol. Methods 284(1-2): 119-132(2004)に概説されている。
所定のファージディスプレイ法において、VH及びVL遺伝子のレパートリーがポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により個別にクローニングされ、ファージライブラリーにランダムに再結合され、その後、Winter et al., Ann. Rev. Immunol., 12: 433-455 (1994)に記載されるように、抗原結合ファージについてスクリーニングすることができる。ファージは、通常、抗体断片を、単鎖Fv(scFv)断片、またはFab断片のいずれかとして提示する。免疫された起源からのライブラリーは、ハイブリドーマを構築する必要性なしで免疫原に高親和性抗体を提供する。代わりに、Griffiths et al., EMBO J, 12: 725-734 (1993)に記載されるように、ナイーブなレパートリーが、任意の免疫感作無しで、広範囲の非自己抗原及び自己抗原に対して、抗体の単一起源を提供するために、(例えば、ヒトから)クローン化することができる。最後に、ナイーブなライブラリはまた、Hoogenboom and Winter, J. Mol. Biol., 227: 381-388 (1992)に記載されるように、非常に可変なCDR3領域をコードし、インビトロで再構成を達成するために、幹細胞由来の未転位V遺伝子セグメントをクローニングし、ランダム配列を含むPCRプライマーを使用することにより合成することができる。ヒト抗体ファージライブラリーを記述する特許公報は、例えば、米国特許第5,750,373号、及び米国特許出願公開第2005/0079574号、2005/0119455号、2005/0266000号、2007/0117126号、2007/0160598号、2007/0237764号、2007/0292936号及び2009/0002360を含む。
ヒト抗体ライブラリーから単離された抗体または抗体断片は、本明細書でヒト抗体またはヒト抗体の断片とみなされる。
6.多重特異性抗体
所定の実施態様において、本明細書で提供される抗体は、多重特異性抗体、例えば二重特異性抗体である。多重特異性抗体は、少なくとも二つの異なる部位に対して結合特異性を有するモノクローナル抗体である。ある実施態様において、結合特異性の一つはPCSK9に対してであり、他は、任意の他の抗原に対してである。ある実施態様において、二重特異性抗体は、PCSK9の2つの異なるエピトープに結合することができる。二重特異性抗体はまたPCSK9を発現する細胞に対して細胞傷害性薬物を局在化させるために用いることができる。二重特異性抗体は、全長抗体又は抗体断片として調製することができる。
多重特異性抗体を作製するための技術は、限定されないが、異なる特異性を有する2つの免疫グロブリン重鎖−軽鎖対の組換え共発現(Milstein and Cuello, Nature 305: 537 (1983))、国際公開第93/08829号、及びTraunecker et al., EMBO J. 10: 3655 (1991)を参照)及び「knob−in−hole」エンジニアリング(例えば、米国特許第5,731,168号を参照)を含む。多重特異抗体はまた、抗体のFc−ヘテロ2量体分子を作成するための静電ステアリング効果を操作すること(国際公開第2009/089004A1号)、2つ以上の抗体又は断片を架橋すること(例えば米国特許第4,676,980号、及びBrennan et al., Science, 229: 81 (1985)を参照)、二重特異性抗体を生成するためにロイシンジッパーを使用すること(例えば、Kostelny et al., J. Immunol., 148(5):1547-1553 (1992)を参照)、二重特異性抗体フラグメントを作製するため、「ダイアボディ」技術を使用すること(例えば、Hollinger et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 90:6444-6448 (1993)を参照)、単鎖Fv(sFv)ダイマーを使用すること(例えば、Gruber et al., J. Immunol., 152:5368 (1994)を参照)、及び、例えばTutt et al. J. Immunol. 147: 60 (1991)に記載されているように、三重特異性抗体を調製することによって作成することができる。
「オクトパス抗体」を含む、3つ以上の機能性抗原結合部位を持つ改変抗体もまた本明細書に含まれる(例えば、米国特許出願公開第2006/0025576A1号を参照)。
本明細書中の抗体又は断片はまた、PCSK9並びにその他の異なる抗原(例えば米国特許出願公開第2008/0069820号参照)に結合する抗原結合部位を含む、「2重作用(Dual Acting)FAb」又は「DAF」を含む。
7.抗体変異体
ある実施態様において、本明細書で提供される抗体のアミノ酸配列変異体が企図される。例えば、抗体の結合親和性及び/又は他の生物学的特性を改善することが望まれ得る。抗体のアミノ酸配列変異体は、抗体をコードするヌクレオチド配列に適切な改変を導入することにより、またはペプチド合成によって調製することができる。このような改変は、例えば、抗体のアミノ酸配列内における、残基の欠失、及び/又は挿入及び/又は置換を含む。最終コンストラクトが所望の特性、例えば、抗原結合を有していることを条件として、欠失、挿入、及び置換の任意の組み合わせが、最終コンストラクトに到達させるために作成され得る。
a)置換、挿入、および欠失変異体
ある実施態様において、一つ以上のアミノ酸置換を有する抗体変異体が提供される。置換突然変異の対象となる部位は、HVRとFRを含む。保存的置換は、表1の「保存的置換」の見出しの下に示されている。より実質的な変更が、表1の「典型的な置換」の見出しの下に与えられ、アミノ酸側鎖のクラスを参照して以下に更に説明される。アミノ酸置換は、目的の抗体に導入することができ、その産物は、所望の活性、例えば、抗原結合の保持/改善、免疫原性の減少、又はADCC又はCDCの改善についてスクリーニングされた。
アミノ酸は共通の側鎖特性に基づいてグループに分けることができる:
(1)疎水性:ノルロイシン,Met,Ala,Val,Leu,Ile;
(2)中性の親水性:Cys,Ser,Thr,Asn,Gln;
(3)酸性:Asp,Glu;
(4)塩基性:His,Lys,Arg;
(5)鎖配向に影響する残基:Gly,Pro;
(6)芳香族:Trp,Tyr,Phe.
非保存的置換は、これらの分類の一つのメンバーを他の分類に交換することを必要とするであろう。
置換変異体の一つのタイプは、親抗体(例えば、ヒト化又はヒト抗体など)の一以上の高頻度可変領域残基の置換を含む。一般的には、更なる研究のために選択され得られた変異体は、親抗体と比較して、特定の生物学的特性の改変(例えば、改善)(例えば、親和性の増加、免疫原性を減少)を有し、及び/又は親抗体の特定の生物学的特性を実質的に保持しているであろう。典型的な置換変異体は、親和性成熟抗体であり、例えば、本明細書に記載されるファージディスプレイベースの親和性成熟技術を用いて、簡便に生成され得る。簡潔に言えば、一つ以上のHVR残基が変異し、変異体抗体は、ファージ上に表示され、特定の生物学的活性(例えば、結合親和性)についてスクリーニングされる。
変更(例えば、置換)は、例えば抗体の親和性を向上させるために、HVRで行うことができる。このような変更は、HVRの「ホットスポット」、すなわち、体細胞成熟過程中に高頻度で変異を受けるコドンにコードされた残基で(例えばChowdhury, Methods Mol. Biol. 207:179-196 (2008)を参照)、及び/又はSDR(a−CDR)で行うことができ、得られた変異体VH又はVLが結合親和性について試験される。二次ライブラリから構築し選択し直すことによる親和性成熟が、例えばHoogenboom et al. in Methods in Molecular Biology 178:1-37 (O'Brien et al., 編, Human Press, Totowa, NJ, (2001)に記載されている。親和性成熟の幾つかの実施態様において、多様性が、種々の方法(例えば、変異性PCR、鎖シャッフリング、又はオリゴヌクレオチド指定突然変異誘発)のいずれかにより、成熟のために選択された可変遺伝子中に導入される。次いで、二次ライブラリーが作成される。次いで、ライブラリーは、所望の親和性を持つ抗体変異体を同定するためにスクリーニングされる。多様性を導入するするもう一つの方法は、いくつかのHVR残基(例えば、一度に4から6残基)がランダム化されたHVR指向のアプローチを伴う。抗原結合に関与するHVR残基は、例えばアラニンスキャニング突然変異誘発、またはモデリングを用いて、特異的に同定され得る。CDR−H3及びCDR−L3がしばしば標的にされる。
所定の実施態様において、置換、挿入、または欠失は、そのような改変が抗原に結合する抗体の能力を実質的に低下させない限りにおいて、一以上のHVR内で発生する可能性がある。例えば、実質的に結合親和性を低下させない保存的改変(例えば本明細書で与えられる保存的置換)をHVR内で行うことができる。このような改変は、HVR「ホットスポット」又はSDRの外側であってもよい。上記に与えられた変異体VH又はVL配列の所定の実施態様において、各HVRは不変であるか、又はわずか1個、2個または3個のアミノ酸置換が含まれているかの何れかである。
突然変異誘発のために標的とすることができる抗体の残基又は領域を同定するための有用な方法は、Cunningham and Wells (1989) Science, 244:1081-1085により説明されるように、「アラニンスキャニング変異誘発」と呼ばれる。この方法では、標的残基の残基またはグループ(例えば、arg、asp、his、lys及びgluなどの荷電残基)が同定され、抗原と抗体との相互作用が影響を受けるかどうかを判断するために、中性または負に荷電したアミノ酸(例えば、アラニンまたはポリアラニン)に置換される。更なる置換が、最初の置換に対する機能的感受性を示すアミノ酸の位置に導入され得る。代わりに、又は更に、抗原抗体複合体の結晶構造が、抗体と抗原との接触点を同定する。そのような接触残基及び隣接残基が、置換の候補として標的とされるか又は排除され得る。変異体はそれらが所望の特性を含むかどうかを決定するためにスクリーニングされ得る。
アミノ酸配列挿入は、一残基から百以上の残基を含有するポリペプチド長にわたるアミノ及び/又はカルボキシル末端融合、並びに単一または複数のアミノ酸残基の配列内挿入を含む。末端挿入の例としては、N末端メチオニン残基を有する抗体が含まれる。抗体分子の他の挿入変異体は、酵素に対する抗体のN末端またはC末端への融合(例えばADEPTの場合)、または抗体の血清半減期を増加させるポリペプチドへの融合を含む。
b)グリコシル化変異体
所定の実施態様において、本明細書で提供される抗体は抗体がグリコシル化される程度を増加または減少するように改変される。抗体へのグリコシル化部位の付加または欠失は、一以上のグリコシル化部位が作成または削除されるようにアミノ酸配列を変えることによって簡便に達成することができる。
抗体がFc領域を含む場合には、それに付着する糖を変えることができる。哺乳動物細胞によって生成された天然型抗体は、典型的には、Fc領域のCH2ドメインのAsn297にN−結合により一般的に付着した分岐鎖、二分岐オリゴ糖を含んでいる。例えばWright et al. TIBTECH 15:26-32 (1997)を参照。オリゴ糖は、様々な炭水化物、例えば、二分岐糖鎖構造の「幹」のGlcNAcに結合した、マンノース、N−アセチルグルコサミン(GlcNAc)、ガラクトース、シアル酸、並びにフコースを含み得る。幾つかの実施態様において、本発明の抗体におけるオリゴ糖の改変は一定の改善された特性を有する抗体変異型を作成するために行われ得る。
一実施態様において、抗体変異体は、Fc領域に(直接または間接的に)付着されたフコースを欠いた糖鎖構造を有して提供される。例えば、このような抗体のフコース量は、1%から80%、1%から65%、5%から65%、または20%から40%であり得る。フコースの量は、例えば、国際公開第2008/077546号に記載されているように、MALDI−TOF質量分析法によって測定されるAsn297に付着しているすべての糖構造の合計(例えば、コンプレックス、ハイブリッド及び高マンノース構造)に対して、Asn297の糖鎖中のフコースの平均量を計算することによって決定される。Asn297は、Fc領域(Fc領域残基のEU番号付け)でおよそ297の位置に位置するアスパラギン残基を指し、しかし、Asn297もまた位置297の上流または下流のおよそ±3アミノ酸に、すなわち抗体の軽微な配列変異に起因して、位置294と300の間に配置され得る。このようなフコシル化変異体はADCC機能を改善させた可能性がある。例えば、米国特許出願公開第2003/0157108号(Presta,L.);米国特許出願公開第2004/0093621号(協和発酵工業株式会社)を参照。「フコース非修飾」又は「フコース欠損」抗体変異体に関連する出版物の例としては、米国特許出願公開第2003/0157108号、国際公開第2000/61739号、国際公開第2001/29246号、米国特許出願公開第2003/0115614号、米国特許出願公開第2002/0164328号、米国特許出願公開第2004/0093621号、米国特許出願公開第2004/0132140号、米国特許出願公開第2004/0110704号、米国特許出願公開第2004/0110282号、米国特許出願公開第2004/0109865号、国際公開第2003/085119号、国際公開第2003/084570号、国際公開第2005/035586号、国際公開第2005/035778号、国際公開第2005/053742号、国際公開第2002/031140号、Okazaki et al. J. Mol. Biol. 336:1239-1249 (2004); Yamane-Ohnuki et al. Biotech. Bioeng. 87: 614 (2004)が含まれる。非フコシル化抗体を産生する能力を有する細胞株の例としては、タンパク質フコシル化を欠損しているLec13 CHO細胞(Ripka et al. Arch. Biochem. Biophys. 249:533-545 (1986);米国特許出願公開第2003/0157108 A1号,Presta, L;及び国際公開第2004/056312 A1号, Adams et al.,特に実施例11にて)、及びノックアウト細胞株、アルファ−1、6−フコシルトランスフェラーゼ遺伝子、FUT8、ノックアウトCHO細胞(例えば、Yamane-Ohnuki et al. Biotech. Bioeng. 87: 614 (2004); Kanda, Y. et al., Biotechnol. Bioeng., 94(4):680-688 (2006);及び国際公開第2003/085107号を参照)を含む。
抗体変異体が、例えば、抗体のFc領域に結合した二分岐オリゴ糖がGlcNAcによって二分されている二分オリゴ糖とともに更に与えられる。このような抗体変異体はフコシル化を減少させ、及び/又はADCC機能を改善している可能性がある。そのような抗体変異体の例は、例えば、国際公開第2003/011878号(Jean−Mairettら);米国特許第6,602,684号(Umanaら);及び米国特許出願公開第2005/0123546号(Umanaら)に記載されている。Fc領域に結合したオリゴ糖内に少なくとも1つのガラクトース残基を持つ抗体変異体も提供される。このような抗体変異体はCDC機能を改善させた可能性がある。このような抗体変異体は、例えば、国際公開第1997/30087号(Patelら);国際公開第1998/58964号(Raju,S.);及び国際公開第1999/22764号(Raju,S.)に記載されている。
c)Fc領域変異体
ある実施態様において、1つまたは複数のアミノ酸改変を、本明細書で提供される抗体のFc領域に導入することができ、それによってFc領域変異体を生成する。Fc領域の変異体は、1つまたは複数のアミノ酸位置においてアミノ酸修飾(例えば置換)を含むヒトFc領域の配列(例えば、ヒトIgG1、IgG2、IgG3又はIgG4のFc領域)を含んでもよい。
ある実施態様において、本発明は、インビボにおける抗体の半減期が重要であるが、ある種のエフェクター機能(例えば補体およびADCCなど)が不要または有害である用途のための望ましい候補とならしめる、全てではないが一部のエフェクター機能を有する抗体変異体を意図している。インビトロ及び/又はインビボでの細胞毒性アッセイを、CDC活性及び/又はADCC活性の減少/枯渇を確認するために行うことができる。例えば、Fc受容体(FcR)結合アッセイは、抗体がFcγR結合を欠くが(それゆえ、おそらくADCC活性を欠く)、FcRn結合能力を保持していることを確認するために行うことができる。ADCC、NK細胞を媒介する初代細胞は、FcγRIIIのみを発現するが、単球はFcγRI、FcγRII及びFcγRIIIを発現する。造血細胞におけるFcRの発現は、Ravetch and Kinet, Annu. Rev. Immunol. 9:457-492 (1991)の464ページの表3に要約されている。目的の分子のADCC活性を評価するためのインビトロアッセイの非限定的な例は、米国特許第5,500,362号(例えば、Hellstrom, I. et al. Proc. Nat'l Acad. Sci. USA 83:7059-7063 (1986)を参照)及びHellstrom, I et al., Proc. Nat'l Acad. Sci. USA 82:1499-1502 (1985); 5,821,337 (Bruggemann, M. et al., J. Exp. Med. 166:1351-1361 (1987)を参照)に説明される。あるいは、非放射性アッセイ法を用いることができる(例えば、フローサイトメトリー用のACTITM非放射性細胞傷害性アッセイ(CellTechnology,Inc.Mountain View,CA;及びCytoTox 96(登録商標)非放射性細胞毒性アッセイ(Promega,Madison,WI)を参照。このようなアッセイに有用なエフェクター細胞には、末梢血単核細胞(PBMC)およびナチュラルキラー(NK)細胞が含まれる。あるいは、又は更に、目的の分子のADCC活性は、Clynes et al., PNAS USA 95:652-656 (1998)に開示されるように、インビボで、例えば動物モデルにおいて評価することができる。C1q結合アッセイはまた、抗体が体C1qを結合することができないこと、したがって、CDC活性を欠いていることを確認するために行うことができる。例えば、国際公開第2006/029879号及び国際公開第2005/100402号のC1qおよびC3c結合ELISAを参照。補体活性化を評価するために、CDCアッセイを行うことができる(例えば、Gazzano-Santoro et al., J. Immunol. Methods 202:163 (1996); Cragg, M.S. et al., Blood 101:1045-1052 (2003);及びCragg, M.S. and M.J. Glennie, Blood 103:2738-2743 (2004)を参照)。FcRn結合、及びインビボでのクリアランス/半減期の測定ではまた、当該分野で公知の方法を用いて行うことができる(例えば、Petkova, S.B. et al., Int'l. Immunol. 18(12):1759-1769 (2006)を参照)。
エフェクター機能が減少した抗体は、Fc領域の残基238、265、269、270、297、327、329の一つ以上の置換を有するものが含まれる(米国特許第6737056号)。そのようなFc変異体は、残基265及び297のアラニンへの置換を有する、いわゆる「DANA」Fc変異体を含む、アミノ酸位置265、269、270、297及び327の2以上での置換を有するFc変異体を含む(米国特許第7,332,581号)。
FcRへの改善又は減少させた結合を持つ特定の抗体変異体が記載されている。(例えば、米国特許第6,737,056号;国際公開第2004/056312号、及びShields et al., J. Biol. Chem. 9(2): 6591-6604 (2001)を参照)。
所定の実施態様において、抗体変異体はADCCを改善する1つまたは複数のアミノ酸置換、例えば、Fc領域の位置298、333、及び/又は334における置換(EUの残基番号付け)を含む。
幾つかの実施態様において、改変された(すなわち改善されたか減少した)C1q結合及び/又は補体依存性細胞傷害(CDC)を生じる、Fc領域における改変がなされ、例えば、米国特許第6,194,551号、国際公開第99/51642号、及びIdusogie et al. J. Immunol. 164: 4178-4184 (2000)に説明される。
増加した半減期を持ち、胎仔への母性IgGの移送を担う、新生児Fc受容体(FcRn)への結合が改善された抗体(Guyer et al., J. Immunol. 117:587 (1976)及びKim et al., J. Immunol. 24:249 (1994))が、米国特許出願公開第2005/0014934A1号(Hinton et al.)に記載されている。これらの抗体は、FcRnへのFc領域の結合を改善する一つまたは複数の置換を有するFc領域を含む。このようなFc変異体は、Fc領域の残基の1以上の置換を有するものが含まれる:238,256,265,272,286,303,305,307,311,312,317,340,356,360,362,376,378,380,382,413,424又は434、例えば、Fc領域の残基434の置換(米国特許第7,371,826号)。
Duncan & Winter, Nature 322:738-40 (1988);米国特許第5,648,260号;米国特許第5,624,821号;及び、Fc領域の変異体の他の例に関しては国際公開第94/29351号も参照のこと。
d)システイン改変抗体変異体
ある実施態様において、抗体の1つ以上の残基がシステイン残基で置換されている、システイン改変抗体、例えば、「thioMAbs」を作成することが望まれ得る。特定の実施態様において、置換された残基は、抗体のアクセス可能な部位で起きる。それらの残基をシステインで置換することにより、反応性チオール基は、それによって抗体のアクセス可能な部位に配置され、本明細書中でさらに記載されるように、イムノコンジュゲーを作成するために、例えば薬物部分またはリンカー−薬剤部分などの他の部分に抗体をコンジュゲートするために使用することができる。ある実施態様において、一以上の以下の残基がシステインで置換され得る:軽鎖のV205(Kabatの番号付け);重鎖のA118(EU番号付け);及び重鎖Fc領域のS400(EU番号付け)。システイン改変抗体は、例えば、米国特許第7521541号に記載のように生成され得る。
e)抗体誘導体
ある実施態様において、本明細書で提供される抗体は、当技術分野で知られ、容易に入手されている追加の非タンパク質部分を含むように更に改変することができる。抗体の誘導体化に適した部分としては、限定されないが、水溶性ポリマーを含む。水溶性ポリマーの非限定的な例は、限定されないが、ポリエチレングリコール(PEG)、エチレングリコール/プロピレングリコールの共重合体、カルボキシメチルセルロース、デキストラン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリ−1,3−ジオキソラン、ポリ−1,3,6−トリオキソラン、エチレン/無水マレイン酸共重合体、ポリアミノ酸(単独重合体又はランダム共重合体の何れか)及びデキストラン又はポリ(n−ビニルピロリドン)ポリエチレングリコール、プロピレングリコール単独重合体、プロピレンオキシド/エチレンオキシド共重合体、ポリオキシエチル化ポリオール(例えばグリセロール)、ポリビニルアルコール及びこれらの混合物を包含する。ポリエチレングリコールプロピオンアルデヒドはその水中での安定性のために製造上の利点を有し得る。ポリマーは何れかの分子量のものであってよく、そして分枝鎖又は未分枝鎖であってよい。抗体に結合するポリマーの数は変動してよく、そして、一以上の重合体が結合する場合は、それらは同じか又は異なる分子であることができる。一般的に、誘導体化に使用するポリマーの数及び/又は種類は、限定されないが、向上させるべき抗体の特定の特性又は機能、抗体誘導体が特定の条件下で治療に使用されるのか等を考慮しながら決定することができる。
その他の実施態様において、放射線への曝露によって選択的に加熱されてもよい抗体と非タンパク質部分とのコンジュゲートが、提供される。一実施態様において、非タンパク質部分はカーボンナノチューブである(Kam et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 102: 11600-11605 (2005)。放射線は、任意の波長であって良いが、限定されないものの、通常の細胞に害を与えないが、抗体−非タンパク質部分の近位細胞が死滅される温度に非タンパク質部分を加熱する波長が含まれる。
B.組換え方法及び組成物
本明細書に記載される抗PCSK9抗体は、例えば米国特許第4,816,567号で説明したように、組換えの方法および組成物を用いて製造することができる。一実施態様において、本明細書に記載される抗PCSK9抗体をコードする単離された核酸が提供される。このような核酸は、抗体のVLを含むアミノ酸配列、及び/又は抗体のVHを含むアミノ酸配列(例えば、抗体の軽鎖及び/又は重鎖)をコードし得る。更なる実施態様において、そのような核酸を含む1つ以上のベクター(例えば、発現ベクター)が提供される。更なる実施態様において、そのような核酸を含む宿主細胞が提供される。一実施態様において、宿主細胞は以下を含む(例えば、以下で形質転換される):(1)抗体のVLを含むアミノ酸配列、及び抗体のVHを含むアミノ酸配列をコードする核酸を含むベクター、又は(2)抗体のVLを含むアミノ酸配列をコードする核酸を含む第一ベクター、及び抗体のVHを含むアミノ酸配列をコードする核酸を含む第ニベクター。一実施態様において、宿主細胞は、真核生物、例えばチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、またはリンパ系細胞(例えば、Y0、NS0、Sp20細胞)である。一実施態様において、抗PCSK9抗体を作る方法が提供され、その方法は、上記のように、抗体の発現に適した条件下で、抗体をコードする核酸を含む宿主細胞を培養することを含み、および必要に応じて、宿主細胞(または宿主細胞培養培地)から抗体を回収することを含む。
抗PCSK9抗体の組換え生産のために、例えば上述したように、抗体をコードする核酸が単離され、宿主細胞内でのさらなるクローニング及び/又は発現のために1つ以上のベクターに挿入される。このような核酸は、容易に単離され、従来の手順を用いて(例えば、抗体の重鎖と軽鎖をコードする遺伝子に特異的に結合できるオリゴヌクレオチドプローブを使用することによって)配列決定することができる。
抗体をコードするベクターのクローニング又は発現に適切な宿主細胞は、本明細書に記載の原核細胞又は真核細胞を含む。例えば、特に、グリコシル化およびFcエフェクター機能が必要ない場合には、抗体は、細菌で産生することができる。細菌における抗体断片およびポリペプチドの発現については、例えば、米国特許第5,648,237号、第5,789,199号及び第5,840,523号を参照。(また、大腸菌における抗体の発現を説明している、Charlton, Methods in Molecular Biology, 248巻 (B.K.C. Lo, ed., Humana Press, Totowa, NJ, 2003), 頁245-254も参照。)発現の後、抗体は可溶性画分において細菌の細胞ペーストから単離され得、更に精製することができる。
原核生物に加えて、糸状菌又は酵母菌のような真核微生物は、菌類や酵母菌株を含む抗体をコードするベクターのための、適切なクローニング宿主又は発現宿主であり、そのグリコシル化経路が、「ヒト化」されており、部分的または完全なヒトのグリコシル化パターンを有する抗体の生成をもたらす。Gerngross, Nat. Biotech. 22:1409-1414 (2004)、及びLi et al., Nat. Biotech. 24:210-215 (2006)を参照。
グリコシル化抗体の発現に適した宿主細胞はまた、多細胞生物(無脊椎動物と脊椎動物)から派生している。無脊椎動物細胞の例としては、植物および昆虫細胞が挙げられる。多数のバキュロウイルス株が同定され、これらは特にSpodoptera frugiperda細胞のトランスフェクションのために、昆虫細胞と組み合わせて使用することができる。
植物細胞培養を宿主として利用することができる。例えば、米国特許第5959177号、第6040498号、第6420548号、第7125978号及び第6417429号(トランスジェニック植物における抗体産生に関するPLANTIBODIESTM技術を記載)を参照。
脊椎動物細胞もまた宿主として用いることができる。例えば、懸濁液中で増殖するように適合されている哺乳動物細胞株は有用であり得る。有用な哺乳動物宿主細胞株の他の例は、SV40(COS−7)で形質転換されたサル腎臓CV1株、ヒト胚腎臓株(Graham et al., J. Gen Virol. 36:59 (1977)に記載された293又は293細胞、ベビーハムスター腎臓細胞(BHK)、マウスのセルトリ細胞(Mather, Biol. Reprod. 23:243-251 (1980)に記載されるTM4細胞)、サル腎細胞(CV1)、アフリカミドリザル腎細胞(VERO−76)、ヒト子宮頚癌細胞(HELA)、イヌ腎臓細胞(MDCK;バッファローラット肝臓細胞(BRL 3A)、ヒト肺細胞(W138);ヒト肝細胞(HepG2)、マウス乳腺腫瘍(MMT060562)、例えばMather et al., Annals N.Y. Acad. Sci. 383:44-68 (1982)に記載されるTRI細胞、MRC5細胞、およびFS4細胞である。他の有用な哺乳動物宿主細胞株は、DHFR−CHO細胞(Urlaub et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 77:4216 (1980))を含むチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、及びY0、NS0およびSp2/0などの骨髄腫細胞株を含む。抗体産生に適した特定の哺乳動物宿主細胞系の総説については、例えば、Yazaki and Wu, Methods in Molecular Biology, 248巻 (B.K.C. Lo, ed., Humana Press, Totowa, NJ), 頁255-268 (2003)を参照。
C.アッセイ
本明細書で提供される抗PCSK9抗体は、同定され、当技術分野で公知の様々なアッセイによってその物理的/化学的性質及び/又は生物学的活性についてスクリーニングされ、または特徴づけることができる。
1.結合アッセイとその他のアッセイ
一態様では、本発明の抗PCSK9抗体は、例えば、ELISA、ウェスタンブロット法等の既知の方法により、そのPCSK9結合活性について試験される。多数のタイプの競合結合アッセイを、抗PCSK9抗体が、例えば他の、固相の直接的又は間接的ラジオイムノアッセイ(RIA)、固相の直接的又は間接的酵素イムノアッセイ(EIA)、サンドイッチ競合アッセイ(例えばStahli et al., 1983, Methods in Enzymology 9:242-253を参照);固相直接ビオチン−アビジンEIA(例えばKirkland et al., 1986, J. Immunol. 137:3614-3619を参照);固相直接標識アッセイ、固相直接標識サンドイッチアッセイ(例えばHarlow and Lane, 1988, Antibodies, A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Pressを参照);固相直接標識RIA(例えば、Morel et al., 1988, Molec. Immunol. 25:7-15を参照);固相直接ビオチン−アビジンEIA(例えば、Cheung, et al., 1990, Virology 176:546-552を参照);及び直接標識RIA(Moldenhauer et al., 1990, Scand. J. Immunol. 32:77-82)と競合するかどうかを決定するために使用することができる。典型的には、そのようなアッセイは、固体表面に結合した精製抗原、又は非標識化試験抗原結合タンパク質及び標識化参照抗原結合タンパク質のこれらの何れかを有する細胞の使用を含む。競合的阻害は、試験抗原結合タンパク質の存在下で、固体表面又は細胞に結合した標識の量を決定することによって測定される。通常、試験抗原結合タンパク質は、過剰に存在する。競合アッセイによって同定された抗原結合タンパク質(競合する抗原結合性タンパク質)は、参照抗原結合タンパク質と同じエピトープ結合する抗原結合タンパク質、及び参照抗原結合タンパク質が結合したエピトープに対して、立体障害が生じるように、十分に近接する隣接エピトープに結合する抗原結合タンパク質を含む。競合的結合を決定するための方法に関する更なる詳細は、本明細書の実施例に提供される。通常は、競合する抗原結合タンパク質が過剰に存在する場合には、共通の抗原に対する参照抗原結合性タンパク質の特異的結合を、少なくとも40−45%,45−50%,50−55%,55−60%,60−65%,65−70%,70−75%又は75%又はそれ以上阻害(例えば低減)する。ある実施態様において、結合は、少なくとも80−85%,85−90%,90−95%,95−97%,又は97%又はそれ以上阻害される。
本発明の一態様において、競合アッセイは、抗PCSK9抗体の508.20.04,508.20.06,508.20.28,508.20.33又は508.20.84とPCSK9に対する結合について競合する抗体を同定するために用いられ得る。ある実施態様において、そのような競合する抗体は抗PCSK9抗体の508.20.04,508.20.06,508.20.28,508.20.33及び/又は508.20.84により結合される同一エピトープ(例えば、線状又は立体構造的エピトープ)に対して結合する。抗体が結合するエピトープをマッピングするための詳細な典型的な方法が、Morris (1996) “Epitope Mapping Protocols," in Methods in Molecular Biology 66巻 (Humana Press, Totowa, NJ)に提供されている。
典型的な競合アッセイにおいて、固定化PCSK9は、PCSK9に結合する第一の標識された抗体(例えば、抗PCSK9抗体の508.20.04,508.20.06,508.20.28,508.20.33又は508.20.84)、及びPCSK9への結合について第一の抗体と競合する能力について試験された第二の未標識抗体を含む溶液中でインキュベートされる。第二抗体はハイブリドーマ上清中に存在してもよい。コントロールとして、固定化PCSK9が、第二の未標識の抗体でなく、第一の標識された抗体を含む溶液中でインキュベートされる。第一の抗体のPCSK9への結合を許容する条件下でインキュベートした後、過剰の未結合の抗体が除去され、固定化されたPCSK9に結合した標識の量が測定される。もし、固定化PCSK9に結合した標識の量が、コントロールサンプルと比較して試験サンプル中で実質的に減少している場合、それは、第二抗体が、PCSK9への結合に対して、第一の抗体と競合していることを示している。Harlow and Lane (1988) Antibodies: A Laboratory Manual ch.14 (Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor, NY)を参照。
2.活性のアッセイ
一態様において、アッセイは、生物学的活性を有するそれらの抗PCSK9抗体を同定するために与えられる。抗PCSK9抗体の生物学的活性は、例えば、PCSK9の1つ以上の生物学的活性を遮断する、拮抗する、抑制する、干渉する、調節する及び/又は減少させることを含み得る。インビボ及び/又はインビトロでこのような生物学的活性を有する抗体が提供される。
ある実施態様において、抗PCSK9抗体は、ヒトPCSK9に結合し、LDLRとの相互作用を防止する。ある実施態様において、抗PCSK9抗体は、ヒトPCSK9に特異的に結合し、及び/又はヒトPCSK9のLDLRに対する結合を少なくとも約20%−40%,40−60%,60−80%,80−85%又はそれ以上(例えば、インビトロでの競合結合アッセイにおいて結合を測定することにより)実質的に阻害する。ある実施態様において、本発明は、PCSK9に特異的に結合し、本明細書に開示されるHepG2細胞におけるLDLRダウンレギュレーションアッセイを用いてインビトロで測定されるとき、LDLRにおけるPCSK9媒介性作用を拮抗する単離された抗PCSK9抗体を提供する。
D.イムノコンジュゲート
本発明はまた、化学療法剤又は薬物、成長抑制剤、毒素(例えば、タンパク質毒素、細菌、真菌、植物、または動物起源の酵素活性毒素、又はそれらの断片)、又は放射性同位元素など、1つ以上の細胞傷害性薬物にコンジュゲートした本明細書中の抗PCSK9抗体を含むイムノコンジュゲートを提供する。
一実施態様において、イムノコンジュゲートは、抗体−薬物コンジュゲート(ADC)であって、そこでは抗体は、限定されないが、メイタンシノイド(米国特許第5208020号、第5416064号及び欧州特許EP0 425235 B1を参照);モノメチルアウリスタチン薬物部分DE及びDF(MMAE及びMMAF)(米国特許第5635483号及び5780588号及び7498298号を参照)などのアウリスタチン;ドラスタチン、カリケアマイシン又はその誘導体(米国特許第5712374号、5714586号、5739116号、5767285号、5770701号、5770710号、5773001号、及び5877296号を参照;Hinman et al., Cancer Res. 53:3336-3342 (1993);及びLode et al., Cancer Res. 58:2925-2928 (1998));ダウノマイシン又はドキソルビシンなどのアントラサイクリン(Kratz et al., Current Med. Chem. 13:477-523 (2006); Jeffrey et al., Bioorganic & Med. Chem. Letters 16:358-362 (2006); Torgov et al., Bioconj. Chem. 16:717-721 (2005); Nagy et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 97:829-834 (2000); Dubowchik et al., Bioorg. & Med. Chem. Letters 12:1529-1532 (2002); King et al., J. Med. Chem. 45:4336-4343 (2002);及び米国特許第6,630,579号を参照);メトトレキサート、ビンデシン;ドセタキセル、パクリタキセル、ラロタキセル、テセタキセル、及びオルタタキセルなどのタキサン;トリコテセン;及びCC1065を含む一つ以上の薬物とコンジュゲートしている。
その他の実施態様において、イムノコンジュゲートは、酵素的に活性な毒素又はその断片にコンジュゲートした、本明細書に記載の抗体を含み、限定されないが、ジフテリアA鎖、ジフテリア毒素の非結合活性断片、(緑膿菌からの)外毒素A鎖、リシンA鎖、アブリンA鎖、モデクシン(modeccin)A鎖、アルファ−サルシン、アレウリテス・フォーディ(Aleurites fordii)タンパク質、ジアンチン(dianthin)タンパク質、フィトラカ・アメリカーナ(Phytolaca americana)タンパク質(PAPI、PAPII、及びPAP−S)、モモルディカ・チャランチア(momordica charantia)インヒビター、クルシン(curcin)、クロチン(crotin)、サパオナリア・オフィシナリス(sapaonaria oficinalis)インヒビター、ゲロニン(gelonin)、ミトゲリン(mitogellin)、レストリクトシン(restrictocin)、フェノマイシン(phenomycin)、エノマイシン(enomycin)及びトリコテセン(tricothecene)が含まれる。
その他の実施態様では、イムノコンジュゲートは、放射性コンジュゲートを形成するために放射性原子にコンジュゲートした本明細書に記載されるような抗体を含む。様々な放射性同位体が放射性コンジュゲートの生産のために入手可能である。例としては、At211,I131,I125,Y90,Re186,Re188,Sm153,Bi212,P32,Pb212及びLuの放射性同位体を含む。検出のためにコンジュゲートを使用するとき、それはシンチグラフィー試験のための放射性原子、例えばtc99m又はI123、又は核磁気共鳴(NMR)画像化(磁気共鳴画像化mriとしても知られている)のためのスピン標識、例えば再び、ヨウ素−123、ヨウ素−131、インジウム−111、フッ素−19、炭素−13、窒素−15、酸素−17、ガドリニウム、マンガン又は鉄を含んでよい。
抗体と細胞傷害性薬物のコンジュゲートは、様々な二官能性タンパク質カップリング剤、例えば、N−スクシンイミジル3−(2−ピリジルチオ)プロピオネート(SPDP)、スクシンイミジル4−(N−マレイミドメチル)シクロヘキサン−1−カルボキシレート(SMCC)、イミノチオラン(IT)、イミドエステルの2官能性誘導体(例えばジメチルアジピミデートHCl)、活性エステル(例えばジスクシンイミジルズベレート)、アルデヒド(例えばグルタルアルデヒド)、ビス−アジド化合物(例えばビス(p−アジドベンゾイル)ヘキサンジアミン)、ビスジアゾニウム誘導体(例えばビス(p−ジアゾニウムベンゾイル)エチレンジアミン)、ジイソシアネート(例えばトルエン2,6−ジイソシアネート)及びビス活性フッ素化合物(例えば1,5−ジフルオロ−2,4−ジニトロベンゼン)など、を使って作成され得る。Vitetta et al., Science 238:1098 (1987)に記載されるように、例えば、リシンイムノトキシンを調製することができる。カーボン−14−標識1−イソチオシアナトベンジル−3−メチルジエチレントリアミン五酢酸(MX−DTPA)は、放射性ヌクレオチドの抗体へのコンジュゲーションのためのキレート剤の例である国際公開第94/11026号を参照。リンカーは、細胞中に細胞毒性薬物の放出を容易にする「切断可能なリンカー」であり得る。例えば、酸に不安定なリンカー、ペプチダーゼ過敏性リンカー、光解離性リンカー、ジメチルリンカー又はジスルフィド含有リンカー(Chari et al., Cancer Res. 52:127-131 (1992);米国特許第5,208,020号)が使用され得る。
本明細書において、イムノコンジュゲート又はADCは、限定されないが、市販の(例えばPierce Biotechnology,Inc.,Rockford,IL.,U.S.Aからの)、BMPS、EMCS、GMBS、HBVS、LC−SMCC、MBS MPBH、SBAP、SIA、SIAB、SMCC、SMPB、SMPH、スルホ−EMCS、スルホ−GMBS、スルホ−KMUS、スルホ−MBS、スルホ−SIAB、スルホ−SMCC、及びスルホ−SMPB、SVSB(スクシンイミジル(4−ビニルスルホン)ベンゾエート)を含むクロスリンカー試薬を用いて調製されるコンジュゲートを特に熟考する。
E.診断及び検出のための方法および組成物
ある実施態様において、本明細書で提供される抗PCSK9抗体の何れかは、生物学的サンプル中のPCSK9の存在を検出するのに有用である。本明細書で使用する「検出」という用語は、定量的または定性的検出を包含する。ある実施態様において、生物学的サンプルは、血液、血清又は生物起源の液体サンプルである。所定の実施態様において、生物学的サンプルは細胞又は組織を含む。
一実施態様において、診断又は検出の方法に使用される抗PCSK9抗体が提供される。更なる態様において、生物学的サンプル中のPCSK9の存在を検出する方法が提供される。ある実施態様において、方法は生物学的サンプル中のPCSK9タンパク質の存在を決定することを含む。ある実施態様において、PCSK9はヒトPCSK9である。ある実施態様において、本方法は、抗PCSK9抗体のPCSK9への結合を許容する条件下で、本明細書に記載のように抗PCSK9抗体と生物学的サンプルを接触させること、及び複合体が抗PCSK9抗体とPCSK9との間に形成されているかどうかを検出することを含む。そのような方法は、インビトロ又はインビボでの方法であり得る。一実施態様において、例えばPCSK9又はLDL−コレステロールが患者の選択のためのバイオマーカーであるときなど、抗PCSK9抗体が抗PCSK9抗体による治療にふさわしい被検体を選択するために使用される。
本発明の抗体を用いて診断され得る疾患の例には、(「血清コレステロール関連疾患」を含む)コレステロール関連疾患を含み、例えば、血清総コレステロールの上昇、LDLの上昇、トリグリセリドの上昇、超低密度リポタンパク質(VLDL)の上昇、及び/又はHDLの低下によって明らかにすることができる、高コレステロール血症、心臓病、メタボリックシンドローム、糖尿病、冠動脈心疾患、脳卒中、心血管疾患、アルツハイマー病、及び一般的な脂質代謝異常の任意の一以上が含まれる。一態様において、本発明は、高コレステロール血症、及び/又は脂質異常症、アテローム性動脈硬化症、心血管疾患(CVD)又は冠状動脈性心臓病の少なくとも1つの症状を治療または予防するための方法を、抗PCSK9抗体の有効量を個体に投与することを含み提供する。ある実施態様において、本発明は、被験体において、高コレステロール血症、及び/又は脂質異常症、アテローム性動脈硬化症、CVD又は冠状動脈性心臓病の少なくとも1つの症状の治療又は予防における使用のための抗PCSK9抗体の有効量を提供する。本発明は、被験体において、高コレステロール血症、及び/又は脂質異常症、アテローム性動脈硬化症、CVD又は冠状動脈性心臓病の少なくとも1つの症状の治療又は予防するための医薬の製造において、細胞外又は循環するPCSK9と拮抗する抗PCSK9抗体の有効量の使用を更に提供する。
ある実施態様において、標識された抗PCSK9抗体が提供される。標識は、限定されるものではないが、(例えば、蛍光標識、発色団標識、高電子密度標識、化学発光標識、放射性標識など)直接検出される標識又は部分、並びに、例えば、酵素反応又は分子間相互作用を介して間接的に検出される酵素又はリガンドのような部分が含まれる。典型的な標識は、限定されないが、ラジオアイソトープ32P、14C、125I、H、及び131I、フルオロフォア、例えば希土類キレート又はフルオレセイン及びその誘導体、ローダミン及びその誘導体、ダンシル、ウンベリフェロン、ルシェフェラーゼ、例えばホタルルシェフェラーゼ及び細菌ルシェフェラーゼ(米国特許第4737456号)、ルシェフェリン、2,3−ジヒドロフタルジネジオン、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)、アルカリフォスファターゼ、β−ガラクトシダーゼ、グルコアミラーゼ、リゾチーム、糖オキシダーゼ、例えばグルコースオキシダーゼ、ガラクトースオキシダーゼ、及びグルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼ、ヘテロサイクリックオキシダーゼ、例えばウリカーゼ及びキサンチンオキシダーゼ、色素前駆体を酸化する過酸化水素を利用する酵素、例えばHRP、ラクトペルオキシダーゼ、又はマイクロペルオキシダーゼと共役したもの、ビオチン/アビジン、スピンラベル、バクテリオファージラベル、安定な遊離ラジカルなどが含まれる。
F.薬学的製剤
本発明はまた、抗PCSK9抗体、及び抗PCSK9抗体をコードする配列を含んでなるポリヌクレオチドを含む薬学的製剤を含む組成物を包含する。ある実施態様において、組成物は、PCSK9に結合する1つ以上の抗体、及び/又はPCSK9に結合する一以上の抗体をコードする配列を含む一以上のポリヌクレオチドを含む。これらの組成物は、適切な担体、例えば、当技術分野で周知である、緩衝液を含む薬学的に許容される賦形剤などを更に含み得る。
本明細書に記載の抗PCSK9抗体の薬学的製剤は、所望の程度の純度を有するその抗体と任意の薬学的に許容される担体(Remington's Pharmaceutical Sciences 16版, Osol, A. Ed.: Williams and Wilkins PA, USA (1980))とを、凍結乾燥製剤または水性溶液の形態で混合することによって調製される。薬学的に許容される担体は、使用される投薬量および濃度でレシピエントに毒性でなく、そしてこれには、限定しないが、リン酸塩、クエン酸塩および他の有機酸のような緩衝液;アスコルビン酸およびメチオニンを含む抗酸化剤;防腐剤(例えば、オクタデシルジメチオルベンジルアンモニウムクロライド;ヘキサメトニウムクロライド;塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、フェノール、ブチルまたはベンジルアルコール;アルキルパラベン、例えば、メチルまたはプロピルパラベン;カテコール;レゾルシノール;シクロヘキサノール;3−ペンタノール;およびm−クレゾール);低分子量(約10残基未満)ポリペプチド;タンパク質、例えば、血清アルブミン、ゼラチン、または免疫グロブリン;親水性ポリマー、例えば、ポリビニルピロリドン;アミノ酸、例えば、グリシン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、アルギニンまたはリジン;マンノサッカライド、ジサッカライド、およびグルコース、マンノースまたはデキストリンを含む他の炭水化物;キレート剤、例えば、EDTA;糖、例えば、スクロース、マンニトール、トレハロースまたはソルビトール;塩形成対イオン、例えば、ナトリウム、金属錯体(例えば、Zn−タンパク質錯体);及び/又はポリエチレングリコール(PEG)等の非イオン性界面活性剤が挙げられる。本明細書における典型的な薬学的に許容される担体は、介在性薬物分散剤、例えば、水溶性の中性アクティブヒアルロニダーゼ糖タンパク質(sHASEGP)、例えば、rHuPH20(HYLENEX(登録商標)、Baxter International,Inc.)などのヒト可溶性PH−20ヒアルロニダーゼ糖タンパク質を更に含む。所定の典型的なsHASEGP及び使用法は、rHuPH20を含み、米国特許出願公開第2005/0260186号及び第2006/0104968に開示されている。一態様において、sHASEGPは、コンドロイチナーゼなどの1つまたは複数の追加のグルコサミノグリカンと組み合わされる。
典型的な凍結乾燥抗体製剤は、米国特許第6267958号に記載されている。水性の抗体製剤は、米国特許第6171586号及び国際公開第2006/044908号に記載されているものが含まれ、後者の製剤はヒスチジン−酢酸緩衝液を含む。
本明細書の製剤はまた、治療を受けている特定の徴候のために必要な一以上の活性成分、好ましくは、互いに悪影響を及ぼさない相補的活性を持つものが含まれる場合がある。例えば、スタチンを更に提供することが望まれ得る。このような活性成分は、意図した目的のために有効な量で組み合わされ適切に存在する。
活性成分は、例えば、コアセルベーション技術又は界面重合法によって、例えばそれぞれヒドロキシメチルセルロース又はゼラチン−マイクロカプセル及びポリ(メチルメタクリレート(methylmethacylate))マイクロカプセル)、コロイド薬物送達系(例えばリポソーム、アルブミンミクロスフィア、ミクロエマルジョン、ナノ粒子及びナノカプセル)又はマクロ・エマルジョンなどの調製されたマイクロカプセルに封入されてもよい。このような技術は、Remington's Pharmaceutical Sciences 16版, Osol, A. Ed. (1980)に開示される。
徐放性製剤が調製されてもよい。徐放性製剤の好適な例は、抗体を含有する固体疎水性ポリマーの半透性マトリクスを含み、そのマトリックスが成形品、例えばフィルムまたはマイクロカプセルの形をしている。
インビボ投与に使用される製剤は、一般的に無菌である。無菌性は、例えば、滅菌濾過膜を通して濾過することにより、達成することができる。
G.治療的方法及び組成物
本明細書で提供される抗PCSK9抗体のいずれかを、治療方法で使用することができる。
一態様では、医薬として使用するための抗PCSK9抗体が提供される。別の態様において、コレステロール関連疾患と関連した状態の治療に使用のための抗PCSK9抗体が提供される。ある実施態様において、LDLコレステロールの上昇したレベルと関連する状態の治療に使用のための抗PCSK9抗体が提供される。ある実施態様において、治療の方法に使用される抗PCSK9抗体が提供される。ある実施態様において、本発明は、個体に抗PCSK9抗体の有効量を投与することを含む、LDLコレステロールの上昇したレベルと関連する状態を有する個体を治療する方法に使用される抗K11PCSK9抗体を提供する。ある実施態様において、本明細書に記載される方法及び使用は、例えばスタチンなど、少なくとも1つのさらなる治療薬の有効量を個体に投与することを更に含む。ある実施態様において、本発明は、被検体においてLDLコレステロールのレベルを減少させることに使用のための抗PCSK9抗体を提供する。更なる実施態様において、本発明は、被検体において血清LDLコレステロールのレベルを下げることに使用のための抗PCSK9抗体を提供する。ある実施態様において、本発明は、被検体においてLDLRの利用可能性を増やすことに使用のための抗PCSK9抗体を提供する。ある実施態様において、本発明は、被検体においてLDLRに対するPCSK9の結合を阻害することに使用のための抗PCSK9抗体を提供する。ある実施態様において、本発明は、LDLコレステロールのレベルを減少させるために個体に抗PCSK9抗体の有効量を投与することを含む、個体においてLDLコレステロールのレベルを減少させる方法に使用のための抗PCSK9抗体を提供する。ある実施態様において、本発明は、血清LDLコレステロールのレベルを下げるために個体に抗PCSK9抗体の有効量を投与することを含む、個体において血清LDLコレステロールのレベルを下げる方法に使用のための抗PCSK9抗体を提供する。ある実施態様において、本発明は、LDLRの利用可能性を増やすために個体に抗PCSK9抗体の有効量を投与することを含む、個体においてLDLRの利用可能性を増やす方法に使用のための抗PCSK9抗体を提供する。ある実施態様において、本発明は、LDLRに対するPCSK9の結合を阻害するために個体に抗PCSK9抗体の有効量を投与することを含む、個体においてLDLRに対するPCSK9の結合を阻害する方法に使用のための抗PCSK9抗体を提供する。上記実施態様のいずれかに記載の「個体」は、好ましくはヒトである。
更なる態様にて、本発明は、医薬の製造又は調製における抗PCSK9抗体の使用を提供する。一実施態様において、本医薬はコレステロール関連疾患の治療のためのものである。ある実施態様において、コレステロール関連疾患は、高コレステロール血症である。別の実施態様において、本医薬は、高コレステロール血症を有する個体に、医薬の有効量を投与することを含む、高コレステロール血症を治療する方法で使用するためのものである。
ある実施態様において、治療される疾患は、PCSK9の活性を除去し、阻害し、又は低減することにより、改善し、寛解し、抑制又は予防することができる任意の疾患又は病態である。ある実施態様において、スタチンの使用を通じて一般的に立ち向かうことが可能な(治療可能又は予防可能な)疾患又は障害もまた治療することができる。ある実施態様において、コレステロール合成又はLDLR発現の増加から利益を得ることが可能である障害又は疾患はまた、本発明の抗PCSK9抗体により治療することができる。ある実施態様において、本発明の抗PCSK9抗体及び治療方法により治療可能な個体は、LDLアフェレーシス療法の治療に適応される個体、PCSK9活性化変異(機能変異の獲得、「GOF」)を持つ個体、ヘテロ接合体家族性高コレステロール血症(heFH)を有する個体、スタチン不耐症又はスタチンで制御されない一次性高コレステロール血症を持つ個体、及び予防可能に治療され得る高コレステロール血症を発症するリスクにある個体を包含する。他の適応症は、2型糖尿病、胆汁うっ滞性肝疾患(原発性胆汁性肝硬変)、ネフローゼ症候群、甲状腺機能低下症、肥満などの二次的原因と関連する脂質異常症、及びアテローム性動脈硬化症及び循環器疾患の予防と治療を包含する。
一実施態様において、本明細書に記載される方法及び使用は、例えばスタチンなど、少なくとも1つのさらなる治療薬の有効量を個体に投与することを更に含む。ある実施態様において、本発明は、アテローム性動脈硬化症及び/又は循環器疾患を予防及び/又は治療するためである。ある実施態様において、更なる治療薬は、心血管系イベントの再発のリスクを低減する方法で使用のためである。ある実施態様において、更なる治療薬は、被験体のHDL−コレステロールのレベルを上昇させるためのものである。
更なる態様において、本発明は、例えば、上記の治療法のいずれかに使用される、本明細書で提供される抗PCSK9抗体のいずれかを含む薬学的製剤を提供する。一実施態様において、薬学的製剤は、本明細書で提供される抗PCSK9抗体のいずれか、及び薬学的に許容される担体を含む。その他の実施態様において、薬学的製剤は、本明細書で提供される抗PCSK9抗体のいずれかと、スタチンなど少なくとも1つの更なる治療剤を含む。
本発明の抗体は、治療において、単独で、または他の薬剤と組み合わせて使用することができる。例えば、本発明の抗体は少なくとも1つの更なる治療剤と同時投与され得る。ある実施態様において、そうした更なる治療薬はLDLRのレベルを上昇させる。ある実施態様において、更なる治療薬は、スタチン、例えば、アトルバスタチン、フルバスタチン、ロバスタチン、メバスタチン、ピタバスタチン、プラバスタチン、ロスバスタチン、シンバスタチン、又はそれらの任意の組み合わせ、例えば、Vytorin(登録商標)、ADVICOR(登録商標)又はSIMCOR(登録商標)などのLDL−コレステロールを下げる薬である。所定の実施態様において、更なる治療薬は、HDL−コレステロール上昇薬である。
上記のこうした併用療法は、併用投与(2つ以上の治療剤が、同一または別々の製剤に含まれている)、及び、本発明の抗PCSK9抗体の投与が、追加の治療剤及び/又はアジュバントの投与の前、同時、及び/又はその後に起きうる分離投与を包含する。
本発明の抗体(および任意の追加の治療剤)は、任意の適切な手段によって投与することができ、経口、肺内、および鼻腔内、及び局所治療が所望される場合、病巣内投与が含まれる。非経口注入には、筋肉内、静脈内、動脈内、腹腔内、又は皮下投与が含まれる。投薬は、その投与が短期間か又は長期であるかどうかに部分的に依存し、任意の適切な経路、例えば、静脈内または皮下注射などの注射により行うことができる。限定されないが、様々な時間点にわたる、単一または複数回投与、ボーラス投与、パルス注入を含む様々な投与スケジュールが本明細書で考えられている。
本発明の抗PCSK9抗体は良好な医療行為に合致した方法で処方され、投与され、投薬される。この観点において考慮すべき要因は、治療すべき特定の障害、治療すべき特定の哺乳類、個々の患者の臨床状態、障害の原因、薬剤送達部位、投与方法、投与日程及び医療従事者が知る他の要因を包含する。抗体は、必要ではないが任意で、問題となる障害の予防又は治療のために、現在使用中の一又は複数の薬剤ともに処方される。そのような他の薬剤の有効量は製剤中に存在する抗体の量、障害又は治療の種類及び上記した他の要因に依存する。これらは一般的には本明細書に記載されるのと同じ用量及び投与経路において、又は、本明細書に記載された用量の1%から99%で、又は経験的に/臨床的に妥当であると決定された任意の用量及び任意の経路により使用される。
疾患の予防又は治療のためには、本発明の抗体の適切な用量(単独で使用されるか、又は、一以上の更なる治療的薬剤との組み合わされる場合)は治療すべき疾患の種類、抗体の種類、疾患の重症度及び経過、抗体を予防又は治療目的のいずれにおいて投与するか、以前の治療、患者の臨床的履歴及び抗体に対する応答性、及び担当医の判断に依存する。抗体は、患者に対して、単回、又は一連の治療にわたって適切に投与される。疾患の種類及び重症度に応じて、例えば一回以上の別個の投与によるか、連続注入によるかに関わらず、抗体約1μg/kgから15mg/kg(例えば0.1mg/kgから10mg/kg)が患者への投与のための初期候補用量となり得る。1つの典型的な一日当たり用量は上記した要因に応じて約1μg/kgから100mg/kg又はそれ以上の範囲である。数日間以上に渡る反復投与の場合には、状態に応じて、治療は疾患症状の望まれる抑制が起こるまで持続するであろう。1つの例示される抗体用量は約0.05mg/kgから約10mg/kgの範囲である。従って、約0.5mg/kg、2.0mg/kg、4.0mg/kg又は10mg/kgの1つ以上の用量(又はこれらの何れかの組み合わせ)を患者に投与してよい。このような用量は断続的に、例えば毎週又は3週毎(例えば患者が約2から約20、例えば抗体の約6投与量を受けるように)投与してよい。初期の高負荷用量の後、1つ以上の低用量を投与してよい。
ある実施態様において、均一に固定した投薬計画が、個体に抗PCSK9抗体を投与することに用いられる。疾患の種類や重症度に応じて、典型的な均一固定用量は、抗PCSK9抗体の10から1000mgの範囲であり得る。抗体の典型的な一投与量は、約10mgから約600mgの範囲であろう。別の典型的な抗体投与量は、約100mgから約600mgの範囲内であろう。所定の実施態様において、抗PCSK9抗体の150mg、300mg、又は600mgが個体に投与される。しかしながら、他の投与計画は有効でありうる。この治療の進行は、従来技術及びアッセイにより容易にモニターされる。
上記の製剤または治療方法のいずれかが、抗PCSK9抗体の代わりか又は抗PCSK9抗体に加えて、本発明のイムノコンジュゲートを用いて行うことができることが理解される。
H.製造品
本発明の他の実施態様において、上述した障害の治療、予防、及び/又は診断に有用な物質を含む製造品が提供される。製造品は、容器とラベルまたは容器上にある又は容器に付属するパッケージ挿入物を含む。好適な容器は、例としてボトル、バイアル、シリンジ、IV輸液バッグ等を含む。容器はガラス又はプラスチックなどの様々な物質から形成されうる。容器は、疾患の治療、予防、及び/又は診断に有効である、それ自体か、又はその他の組成物と併用される化合物を収容し、無菌のアクセスポートを有し得る(例えば、容器は皮下注射針による穴あきストッパーを有する静脈内溶液バッグ又はバイアルであってよい)。組成物中の少なくとも一の活性剤は本発明の抗PCSK9抗体である。ラベルまたはパッケージ挿入物は、組成物が特定の症状の治療のために使用されることを示している。更に、製造品は、(a)組成物が本発明の抗PCSK9抗体を包含する組成物を含む第一の容器;および(b)組成物が更なる細胞障害性又はその他の治療的薬剤を包含する組成物を含む第ニの容器を含み得る。ある実施態様において、第二の容器は第二の治療薬を含み、ここで第二の治療薬は「スタチン」クラスのコレステロール低下薬である。
ある実施態様において、スタチンは、アトルバスタチン(例えば、リピトール(登録商標)またはTorvast)、フルバスタチン(例えば、LESCOL(登録商標))、ロバスタチン(例えば、MEVACOR(登録商標)、ALTOCORTM、又はALTOPREV(登録商標))、メバスタチン(ピタバスタチン(例えば、リバロ(登録商標)又はPITAVA(登録商標))、プラバスタチン(例えば、Pravachol(登録商標)、Selektine(登録商標)、Lipostat(登録商標))、ロスバスタチン(例えば、クレストール(登録商標))、シンバスタチン(例えば、Zocor(登録商標)、Lipex(登録商標))、又はそれらの任意の組み合わせ、例えば、バイトリン(登録商標)、アドビコール(登録商標)又はシムコール(登録商標)である及び/又は包含する。
本発明の本実施態様における製造品は、組成物が特定の疾患を治療することに用いることができることを示すパッケージ挿入物をさらに含んでいてもよい。別法として、または加えて、製造品は、薬学的に許容されるバッファー、例えば注射用静菌水(BWFI)、リン酸緩衝化塩水、リンガー溶液およびデキストロース溶液を含む第二(または第三)の容器をさらに含んでもよい。これは、他のバッファー、希釈剤、フィルター、針、およびシリンジを含む、商業的およびユーザーの立場から望まれる他の物質のさらに含んでもよい。
上記の製造品のいずれかは、抗PCSK9抗体の代わりか又はそれに加えて、本発明のイムノコンジュゲートを含み得ることが理解される。
以下は本発明の方法および組成物の例である。上記提供される一般的な説明を前提として、他の様々な実施態様が実施され得ることが理解される。
実施例1:抗PCSK9抗体の生成
残基番号付けは、Kabat(Kabat et al., Sequences of Proteins of Immunological Interest, 5版. Public Health Service, National Institutes of Health, Bethesda, MD (1991))に従う。
抗PCSK9抗体を同定するためのライブラリ選別とスクリーニング
社内で生成されたビオチン化ヒトPCSK9を、ライブラリ選別のための抗原として用いた。ファージライブラリは溶液相におけるビオチン化PCSK9に対して5ラウンドを選別した。選別の第一ラウンドにおいて、20μg/mLのビオチン化PCSK9が、ファージブロッキング緩衝液PBST(リン酸緩衝化生理食塩水(PBS)及び1%(w/v)のウシ血清アルブミン(BSA)及び0.05%(v/v)のTween20)で予めブロックされた、抗体ファージライブラリのVHとVLドメイン(例えばLee et al., J. Immunol. Meth. 284:119-132, 2004を参照)とVH/VL(Liang et al., JMB. 366: 815-829, 2007を参照)へと添加され、室温で一晩インキュベートされた。翌日、120μlのPBST/BSA事前吸収DYNABEADS(登録商標)MyOneTMストレプトアビジンT1(Invitrogen,Carlsbad,CA)を各ライブラリに加え、室温で1時間インキュベートした。次いで、ビーズをPBT(0.05%のTween20を含むPBS)で3回洗浄し、結合したファージを30分間1mLの50mMのHCl及び500mMのNaClで溶出させ、1Mのトリス塩基液(pH7.5)を400μLで中和した。回収されたファージを、大腸菌XL−1 Blue細胞中で増幅した。その後の選択ラウンドの間に、ビオチン化PCSK9を持つ抗体ファージのインキュベーションを2〜3時間に短縮し、ファージ結合した抗原は、ニュートラアビジンコーティング(カタログ#89890,10μg/ml,Fisher Scientific,Waltham,MA)又はストレプトアビジンでコーティング(カタログ#21125,10μg/ml,Fisher Scientific,Waltham,MA)されたNunc96ウェルマキシソープイムノプレートで30分間捕捉した。プレートの洗浄のストリンジェンシーを徐々に増加した。
5ラウンドのパンニング(panning)の後、有意な濃縮が観察された。96クローンがVH及びVH/VLライブラリ選別からそれぞれ採取され、それらがヒトPCSK9に結合したいるかどうかを決定した。これらのクローンの可変領域は、固有のシーケンスクローンを同定するためにPCR配列決定した。バックグラウンドより少なくとも5倍ヒトPCSK9に結合する固有のファージ抗体が選択され、インビトロでの細胞アッセイにおける評価のために完全長IgGに再編成された(reformatted)。
目的のクローンは、個々のクローンのVL及びVH領域をそれぞれLPG3及びLPG4ベクターにクローニングし、哺乳動物CHO細胞で一過性に発現させ、プロテインAカラムで精製することにより、IgGに再編成された。
VHライブラリに由来するクローンの親和性向上のためのライブラリー構築
全てCDR−L3の位置に終止コドン(TAA)を含み、かつM13バクテリオファージの表面に一価のFabを表示する、ファージミドpW0703(ファージミドpV0350−2b(Lee et al., J. Mol. Biol 340, 1073-1093 (2004))に由来する)が、親和性成熟のためにVHライブラリから目的のクローンの重鎖可変ドメイン(VH)を移植するためのライブラリテンプレートとしての機能を果たした。ハード及びソフトの両方のランダム化戦略あg、親和性成熟のために使用された。ハードランダム化のために、3つの軽鎖CDRの選択された位置を含む一つの軽鎖ライブラリが、天然のヒト抗体を模倣するように設計されたアミノ酸を用いて無作為化され、その設計されたDNAの縮退は、Lee et al. (J. Mol. Biol 340, 1073-1093 (2004))に記載されている。ソフトランダム化のために、CDR−L3の91−96、CDR−H1の30−33,35、CDR−H2の50,52,53−54,56,及び58、CDR−H3の95−100,100A,及び100Cが標的とされ;CDRループの3つの異なる組み合わせ、H1/L3,H2/L3,及びH3/L3がソフトランダム化のために選択された。ソフトランダム化条件を獲得するために、選択された位置で約50%の突然変異率を導入し、変異原性DNAが、野生型ヌクレオチドを好む塩基の70−10−10−10混合物で合成された(Gallop et al., Journal of Medicinal Chemistry 37:1233-1251 (1994))。
親和性の向上をもたらすためのファージ選別戦略
親和性向上選択のために、ファージライブラリーは、ストリンジェンシーを増加させた5ラウンドの溶液選別を受けた。溶液選別の第一ラウンドにおいて、1%BSA及び0.05% Tween 20中で3 O.D./mlのファージインプットが、1%のスーパーブロック(Pierce Biotechnology)と0.05%のTween20を含有する100μlの緩衝液中で、100nMのビオチン化PCSK9と共に室温で2時間インキュベートされた。混合物は1%のスーパーブロックで10Xに更に希釈され、100μl/ウェルをニュートラアビジンでコーティングされたウェル(10μg/ml)に室温で30分間穏やかに振盪しながら適用した。ウェルをPBS−0.05%Tween20で10回洗浄した。バックグラウンド結合を決定するために、ファージを含むコントロールウェルをニュートラアビジンでコーティングされたプレート上に捕獲した。結合ファージを50mMのHCl,500mMのKClの150μl/ウェルで溶出し、続いて1MのTris(pH8)の50μl/ウェルにより中和し、滴定し、次のラウンドのために増殖された。溶液選別の更なる4回のラウンドが、選別ストリンジェンシーの増加と合わせて実行された。最初の2〜3ラウンドは、ビオチン化標的タンパク質濃度を100nMから1nMに減少させることによる会合速度(on−rate)選択のためであり、最後の2回のラウンドは、室温で弱い結合剤を競合するため、過剰量の非ビオチン化標的タンパク質(300から1000倍以上)を加えることによる解離速度(off−rate)選択のためのものであった。
ハイスループット親和性スクリーニングELISA(単一スポットコンペティション)
コロニーが第5ラウンドのスクリーニングから採取された。コロニーを96ウェルプレート(Falcon)中で1E10/mlのKO7と50μg/mlのカルベニシリンを含む2YT培地の150μl/ウェルで、37℃で一晩増殖させた。同じプレートから、XL−1に感染した親のファージのコロニーをコントロールとして取り上げた。96ウェルNuncマキシソーププレートを一晩4℃でPBS中の100μl/ウェルのニュートラアビジン(10μg/ml)でコーティングした。プレートは1時間、PBS中で0.05%のTween20及び150μlの1%のBSAでブロックした。
35μlのファージ上清が、15nMのPCSK9の有無によらず、35μlのELISA(酵素結合免疫吸着測定法)緩衝液(0.5%BSA、0.05%Tween20を含むPBS)で希釈され、Fプレート(NUNC)中で室温で1時間インキュベートさせた。3μg/mlのビオチン化PCSK9を35μlがその後各ウェルに添加され、室温で15分間インキュベートした。混合物の95μlをニュートラアビジンでコーティングしたプレートに並べて移した。プレートを穏やかに15分間振とうし、プレートにビオチン化PCSK9が結合したファージの捕捉を可能にした。プレートをPBS−0.05%のTween20で10回洗浄した。結合は、ELISA緩衝液(1:2500)中で西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)結合抗M13抗体を添加し、室温で30分間インキュベートすることにより定量した。プレートをPBS−0.05%Tween 20で10回洗浄した。次に、3,3’、5,5’−テトラメチルベンジジン(TMB)ペルオキシダーゼ基質及びペルオキシダーゼ溶液B(H)(Kirkegaard−Perry Laboratories(Gaithersburg,MD))の1:1の比の100μl/ウェルをウェルに添加し、室温で5分間インキュベートした。反応を各ウェルに100μlの0.1Mリン酸(HPO)を添加することによって停止させ、室温で5分間インキュベートさせた。各ウェルの黄色のO.D.(光学密度)を450nmで標準ELISAプレートリーダーを用いて測定した。O.D.減少(%)は次式により算出した:
OD450nm減少(%)=[(競争相手を含むウェルのOD450nm)/(競争相手を含まないウェルのOD450nm)]*100
親ファージのウェル(100%)のOD450nm減少(%)と比較して、50%未満のOD450nm減少(%)を有するクローンが配列解析用に選択された。ファージ調製のために、親のクローンとの比較によりPCSK9に対する結合親和性(ファージIC50)を決定するために、ユニークなクローンが選択された。次いで、最も親和性が向上されたクローンは、抗体産生及び更なるビアコア(BIAcore)結合動態解析及び他のインビトロ又はインビボアッセイのためヒトIgGに再編成された。図1と2を参照。
実施例2:ビアコアによる抗PCSK9抗体の特性評価
抗PCSK9抗体の結合親和性は、ビアコア−3000装置を使用して表面プラズモン共鳴(SRP)で測定した。抗PCSK9ヒト抗体は、CM5バイオセンサーチップ上にコーティングされたマウス抗ヒトFc抗体(カタログ#BR−1008−39,GE Healthcare,Piscataway,NJ)によって捕捉され、約200応答単位(RU)を達成した。動態測定のため、ヒト、マウス、アカゲザル及びカニクイザルPCSK9の2倍連続希釈(500nMから0.245nM)を、25℃で30μl/分の流量でPBT緩衝液(0.05%のTween20を含むPBS)中に注入した。会合速度(kon)及び解離速度(koff)は単純な一対一のラングミュア結合モデルを用いて計算した(BIAcore評価用ソフトウェアのバージョン 3.2)。平衡解離定数(K)はkoff/konの比として算出した。図3を参照。
実施例3:LDLR−PCSK9結合アッセイ
競合結合ELISAを、LDLRに対するヒトPCSK9結合の遮断における抗PCSK9抗体の活性を調べるために行った。簡潔には、可溶性ヒトLDLR細胞外ドメイン(R&D Systems,Minneapolis,MN)を1μg/mL、4℃で一晩384ウェルマキシソーププレート(NALGENE(登録商標)NUNCTM International,Rochester,NY)上に塗布した。その後、抗PCSK9抗体とコントロール抗体を異なる濃度で事前に混合したビオチン化ヒトPCSK9の0.25μg/mLがプレートに加えられ、室温で2時間インキュベートした。コーティングされたLDLRへのPCSK9の結合が、ストレプトアビジン−HRP(GE Healthcare)及び基質の3,3’、5,5’−テトラメチルベンジジン(TMBE−1000,Moss,Inc.,Pasadena,MD)を添加することによって検出された。結合結果(OD)を、抗体濃度に対してプロットし、IC50値はKaleidaGraphソフトウェアを使用して生成された。図4を参照。
実施例4:抗体は、HepG2細胞でLDLRダウンレギュレーションを防ぐ
HepG2細胞を、48ウェルプレートに1×10で播種した。翌日、培地を、10%のリポタンパク質欠乏血清(LPDS,Frederick,Maryland)に変更した。翌日、15μg/mlのPCSK9プラス/マイナス抗PCSK9抗体を37℃で4時間細胞に添加した。細胞をPBSで洗浄し、2.5mMのEDTAを用いて剥離した。細胞を、15分間、1:20の抗LDLR(Progen Biotechnik,Heidelberg,Germany)とインキュベートし、PBSで洗浄し、そして15分間インビトロジェンからの1:200ヤギ抗マウスAlexaFluor488 (Carlsbad,CA)でインキュベートした。細胞を洗浄し、PBS+10μg/mlのヨウ化プロピジウムに再懸濁した。次いで、サンプルをデュアルレーザーフローサイトメーターで分析した(FACScan,Becton Dickinson,Franklin Lakes,NJ).。そのデータは、抗PCSK9抗体の全てが、本明細書に記載されるLDLRのダウンレギュレーションを防ぐことを示唆している。図5を参照。
実施例5:マウス肝臓におけるLDLRのダウンレギュレーション
正常なC57/BL6マウス(Charles River,Wilmington,MA)がI.V.注射による3、30、又は60μgのPCSK9により処置された。製造業者の指示に従ってカルビオケム(Gibbstown,NJ)からのプロテオエクストラクトネイティブ膜タンパク質抽出キット(ProteoExtract Native Membrane Protein Extraction Kit)を使用し、各マウスからの肝臓を、PCSK9のIV投与後、15分、1時間又は4時間で回収し、タンパク質が抽出された。コントロールとして、5匹のマウスがビヒクルだけで処置され、各肝臓の溶解物の8μgを分析のためにプールした。溶解物を8%トリス−グリシンゲル上でSDS−PAGE(Invitrogen,Carlsbad,CA)によって分析した。タンパク質はiBlot(Invitrogen)を用いてニトロセルロース膜に移した。膜を1時間、5%脱脂乳でブロッキングした後、4℃で一晩、5%脱脂乳中で1:500抗LDLR(Abcam,Cambridge,MA)と共にインキュベートした。翌日、膜を、TBS−Tで3回洗浄し、1時間1:5000抗ウサギHRP(GE Healthcare,Piscataway,NJ)と共にインキュベートし、TBS−Tで3回洗浄した。タンパク質はECL−プラス(GE Healthcare)を使用して可視化し、XARフィルム(Kodak,Rochester,NY)に暴露した。一晩の曝露後、膜を、TBS−Tで洗浄し、1時間、1:500抗トランスフェリン受容体抗体(Invitrogen)と共にインキュベートし、TBS−Tで洗浄し、1時間1:5000抗マウスHRP(GE Healthcare)と共にインキュベートし、TBS−Tで洗浄し、ECL−Plusで可視化した。抗LDLR抗体を用いたウェスタンブロットは、マウス肝臓において1時間の30μgのPCSK9がLDLRレベルを有意にダウンレギュレートしたことを示している。図6を参照。
実施例6:抗体は、肝LDLRダウンレギュレーションを防ぐ
正常なC17/BL6(Charles River)マウスに、30μgのPCSK9による処置の24時間前に1時間、ビヒクル又は5mg/kgの抗PCSK9抗体を投与した。各マウスからの肝臓を製造業者の指示に従ってプロテオエクストラクトネイティブ膜タンパク質抽出キット(Calbiochem)を用いて回収した。溶解物を8%ビス−トリスゲル上でSDS−PAGEによって分析した。タンパク質はiBlot(Invitrogen)を用いてニトロセルロース膜に移した。膜を1時間、5%脱脂乳でブロッキングした後、4℃で一晩、5%脱脂乳中で1:500抗LDLR(Abcam)と共にインキュベートした。翌日、膜を、TBS−Tで3回洗浄し、1時間1:5000抗ウサギHRP(GE Healthcare)と共にインキュベートし、TBS−Tで3回洗浄した。タンパク質はECL−Plus(GE Healthcare)を使用して可視化し、XARフィルム(Kodak)に曝露した。抗LDLR抗体によるウエスタンブロットは、すべての5つの抗PCSK9抗体(508.20.84,508.20.33,508.20.04,508.20.28,508.20.06)が、マウスの肝臓でLDLRダウンレギュレーションを防いだことを示している。図7を参照。
実施例7:抗PCSK9抗体の薬物動態
マウスPK試験サンプル中の抗PCSK9抗体濃度は、抗ヒトIgGのFc ELISAを用いて測定した。簡潔には、ロバ抗ヒトIgG Fc(Jackson ImmunoResearch,West Grove,PA)をアッセイプレートコーティングに使用し、ヤギ抗ヒトIgGのFc HRPコンジュゲート(Jackson ImmunoResearch,West Grove,PA)を検出抗体として用いた。アッセイは、0.31−20ngの/mLの測定範囲を持つマウス血清マトリクスの10%まで、抗PCSK9抗体を測定することができた。図8と9を参照。
カニクイザルのPK研究サンプルの血清抗PCSK9抗体濃度を、捕獲抗体として組換えヒトPCSK9(Genentech,Inc.South San Francisco,CA)を、そして検出抗体としてヤギ抗ヒトIgG(H+L)HRPを用いる抗PCSK9抗体ELISAにより決定した。アッセイは、0.313−50ng/mLの測定範囲を持つカニクイザル血清マトリクスの2%まで、抗PCSK9抗体を測定することができた。図10と11を参照。
実施例8:抗体は、マウスにおける血清コレステロールレベルを下げる
8週齢の雄性C57BL/6Jマウスはジャクソン研究所から市販で購入した。マウスは、実験開始前まで保持室で一週間箱におかれていた。全てのマウスは麻酔下で事前に採血し、INFINITYTMコレステロール試薬(Fisher Diagnostics,Middletown,VA)を使用して、マウスからの総コレステロールを測定した。マウスは、平均的なコレステロールレベルと同じレベル持つ6つのグループに無作化された。全てマウスは、コントロール抗体または抗PCSK9抗体のいずれかを10mg/kg体重の単回投与を受けた。マウスは3日、7日、10日、及び15日に採血され血清総コレステロールレベルがINFINITYTMコレステロール試薬(Fisher Diagnostics,Middletown,VA)を使用して測定された。
全抗PCSK9抗体(508.20.04,508.20.06,508.20.28,508.20.33,508.20.84)が10mg/kgの単回用量を投与されると、総コレステロールレベルの減少を示した。抗PCSK9抗体の投与は、コントロール抗体を受けるマウスに比較したとき、3日めに於いて及び最大10日まで総コレステロールレベルの著しい減少を生じた。図12を参照。
実施例9:スタチンの有効性の増強
この実験は、抗PCSK9抗体とスタチンの併用は、抗PCSK9抗体単独またはスタチン単独の治療法に比べて総コレステロールレベルの大きな減少をもたらすことを実証している。例えば図13を参照。8週齢の雄性C57BL/6Jマウスはジャクソン研究所から購入した。マウスは、2つの異なるグループに分類された。非スタチンマウスは、コントロールの食餌を受けたが、一方スタチンのグループは抗体投与前2週間、食餌に0.2%のロバスタチンを受けた。全てのマウスは事前に採血され、マウスは等しい平均コレステロールレベルに基づいて無作為化した。マウスは3日に採血され、血清総コレステロールレベルがINFINITYTMコレステロール試薬(Fisher Diagnostics,Middletown,VA)を使用してアッセイされた。
抗PCSK9抗体は著しくコレステロールを下げる効果を示した。スタチン単独の治療では、非スタチン群に比べて、総コレステロール値の適度の減少をもたらした。スタチンプラス抗PCSK9抗体の組み合わせは、抗PCSK9単独に比べて、総コレステロール値の更なる低下をもたらした。図13を参照。
実施例10:抗PCSK9抗体のFab断片に結合したPCSK9のX線結晶構造
タンパク質の精製と結晶化
10Lの大腸菌発現からの凍結細胞ペーストの210gを、1Lの溶解緩衝液(PBS/25mMのEDTA/1mMのPMSF)で解凍した。細胞をTissuemizerにより破壊し(30秒)、得られたスラリーをマイクロフルイダイザーに2回通過させた。不溶物を遠心分離によりペレット化した。明白なライセート(一度に250mL)を5mL/分で、プロテインGカラム(カタログ番号17−0618−05、GEHealthcare)にロードした。次いで、カラムを溶解緩衝液100mLで洗浄し、150mLの溶出緩衝液(0.58g%酢酸)で抗PCSK9抗体の結合したFab断片を溶出した。25mLの画分を溶出中に収集した。抗PCSK9抗体のFab断片を含む画分をSDS PAGE解析後にプールした。
5mLのプレパックSPHPカラム(GE Healthcare,カタログ#17−1152−01)が50mlのバッファーA(20mMのMES pH5.5)で平衡化された。前の工程からのプール画分を3mL/分でカラムにロードした。カラムをバッファーAでベースラインまで洗浄した。結合したFab断片は、20カラム体積中で0%から100%のバッファーB(20mMのMES pH5.5,1MのNaCl)の勾配を用いてバッファーBで溶出した。2mLの画分を溶出中に収集した。(SDS−PAGEを用いて決定された)タンパク質を含む画分を、プールし、5mLまで濃縮し、サイジング緩衝液(20mMのHepes 7.2,150mMのNaCl)で事前平衡化した320mLのS75ゲル濾過カラムにロードした。2mLの画分を集めながら、サイジング緩衝液は220分間1.5mL/分で連続的に流された。ピーク画分(A280)を、SDS−PAGEを用いて分析した。
ヒスチジン(His)C末端タグを含有するヒトPCSK9相補デオキシリボ核酸(cDNA)(配列番号32)を、標準的な分子生物学技術を用いて、サイトメガロウイルス(CMV)プロモーターと共に哺乳動物発現ベクター(pRK5)に挿入した。タンパク質は、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞の一過性トランスフェクションによって発現され、ニッケル−ニトリロ−アガロースカラム(Qiagen)でのアフィニティークロマトグラフィーを用いて条件培地から精製され、その後セファクリルS−200カラム(GE Healthcare)でゲル濾過した。精製タンパク質の正確な質量は、ドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)によって確認し、アミノ酸配列の精度はN末端配列決定により確認した。
抗PCSK9抗体の精製Fab断片および6.9mgのPCSK9タンパク質を、Fab断片の2倍モル過剰で混合し、4℃で1時間インキュベートし、その後5mLまで濃縮した。濃縮された混合物を、次いで、サイジング緩衝液で予め平衡化したスーパーデックス200サイズ排除カラム(カタログ番号17−1071−01、GE Healthcare)にロードした。2mLの画分を集めながら、サイジング緩衝液は220分間1.5mL/分で連続的に流された。PCSK9および抗PCSK9抗体のFab断片の両方を含むピーク画分(A280)(SDS−PAGE)をプールし、20mg/mLまで濃縮した。濃縮された複合体を結晶化試験を設定するために用いた。初期結晶は、タンパク質と、シッティングドロップを使用してpH7で1.3Mのリン酸カリウム/ナトリウムを含むリザーバーの間での1:1混合物から形成された。結晶は、ハンギングドロップ中でタンパク質:リザーバー比を変えることにより最適化した。選択された結晶は、25%グリセロールを補充した母液で処理され液体窒素に貯蔵した。
PCSK9:抗PCSK9抗体Fab断片の複合体の構造決定
約3.5Åの分解能まで伸びた回折データは、シンクロトロンビームラインSSRL7−1で収集され、積分され、空間群I222にスケールされた。近似位相は、PCSK9の以前に報告された構造(Hampton et al., PNAS 104:14609-9 (2007),pdb 受託コード 2QTW)及び抗体のFv断片の以前に報告された構造(Eigenbrot et al., J Mol Biol 229:969-95 (1993),pdb 受託コード 1FVC)を用いて、分子置換法により得られた。抗PCSK9抗体のFab断片の定常領域は、部分的な精密化が位相を改善した後、以前に報告された相同構造の一部を用いて(Eigenbrot et al. supra,pdb 受託コード 1FVD)剛体として配置した。最終の精密化構造は結晶学的R値が25%及び30%である。データ収集と精密化の統計値を以下の表1に示す。
X線構造からのPCSK9上のエピトープの決定
4Åの基準を分子解析プログラムPyMOLを用いて適用した。抗PCSK9抗体のFab断片の任意の部分の4A以内PCSK9残基をエピトープとして決定した。解析に基づき、エピトープは、次の残基の一つ以上を含む:ヒトPCSK9のR194,E195,D238,A239,A341,Q342,E366,D367,I369,S376,T377,C378,F379,S381及びH391。
前述の発明は、理解を明確にする目的のために例示および実施例によってある程度詳細に説明してきたが、説明や例は、本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。すべての特許および本明細書に引用される科学文献の開示は、参照によりその全体が援用される。

Claims (56)

  1. PCSK9に結合する抗PCSK9抗体又は抗体断片であって、
    (i)XはS又はTであり;XはG,R又はSであり;X3はH,T又はYであり;XはA又はTである、GFTFXIH(配列番号28)を含むHVR−H1;
    (ii)RISPANGNTNYADSVKG(配列番号4)を含むHVR−H2;
    (iii)WIGSRELYIMDY(配列番号5)を含むHVR−H3;
    (iv)XはS又はTである、RASQDVSXAVA(配列番号29)を含むHVR−L1;
    (v)XはF又はSである、SASXLYS(配列番号30)を含むHVR−L2;及び
    (vi)XはP,R又はTであり;XはA,I,S又はTであり;XはL,P又はQであり;XはA,H,P又はSである、QQSYXT(配列番号31)を含むHVR−L3
    からなる群から選択される少なくとも一、二、三、四、五、又は六の超可変領域(HVR)配列を含む可変ドメインを含むPCSK9に結合する抗PCSK9抗体又は抗体断片。
  2. 次の6つのHVR配列:
    (i)XはS又はTであり;XはG,R又はSであり;XはH,T又はYであり;XはA又はTである、GFTFXIH(配列番号28)を含むHVR−H1;
    (ii)RISPANGNTNYADSVKG(配列番号4)を含むHVR−H2;
    (iii)WIGSRELYIMDY(配列番号5)を含むHVR−H3;
    (iv)XはS又はTである、RASQDVSXAVA(配列番号29)を含むHVR−L1;
    (v)XはF又はSである、SASXLYS(配列番号30)を含むHVR−L2;及び
    (vi)XはP,R又はTであり;XはA,I,S又はTであり;XはL,P又はQであり;XはA,H,P又はSである、QQSYXT(配列番号31)を含むHVR−L3
    を含む可変ドメインを含むPCSK9に結合する抗PCSK9抗体又は抗体断片。
  3. 抗体が、(a)配列番号1、配列番号2又は配列番号3のアミノ酸配列を含むHVR−H1、(b)配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR−H2、及び(c)配列番号5のアミノ酸配列を含むHVR−H3を含む、請求項1に記載の抗体。
  4. (a)配列番号6又は配列番号7のアミノ酸配列を含むHVR−L1;(b)配列番号8又は配列番号26のアミノ酸配列を含むHVR−L2;及び(c)配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13又は配列番号14のアミノ酸配列を含むHVR−L3を更に含む、請求項3に記載の抗体。
  5. (a)配列番号6又は配列番号7のアミノ酸配列を含むHVR−L1;(b)配列番号8又は配列番号26のアミノ酸配列を含むHVR−L2;及び(c)配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13又は配列番号14のアミノ酸配列を含むHVR−L3を含む、請求項1に記載の抗体。
  6. 抗体が、(a)配列番号1、配列番号2又は配列番号3のアミノ酸配列を含むHVR−H1、(b)配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR−H2、及び(c)配列番号5のアミノ酸配列を含むHVR−H3を含む、請求項5に記載の抗体。
  7. 抗体が、
    (1)配列番号1のアミノ酸配列を含むHVR−H1;
    (2)配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR−H2;
    (3)配列番号5のアミノ酸配列を含むHVR−H3;
    (4)配列番号7のアミノ酸配列を含むHVR−L1;
    (5)配列番号8のアミノ酸配列を含むHVR−L2;及び
    (6)配列番号10のアミノ酸配列を含むHVR−L3
    を含む請求項1又は2に記載の抗PCSK9抗体。
  8. 抗体が、
    (1)配列番号1のアミノ酸配列を含むHVR−H1;
    (2)配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR−H2;
    (3)配列番号5のアミノ酸配列を含むHVR−H3;
    (4)配列番号7のアミノ酸配列を含むHVR−L1;
    (5)配列番号8のアミノ酸配列を含むHVR−L2;及び
    (6)配列番号11のアミノ酸配列を含むHVR−L3
    を含む請求項1又は2に記載の抗PCSK9抗体。
  9. 抗体が、
    (1)配列番号2のアミノ酸配列を含むHVR−H1;
    (2)配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR−H2;
    (3)配列番号5のアミノ酸配列を含むHVR−H3;
    (4)配列番号7のアミノ酸配列を含むHVR−L1;
    (5)配列番号8のアミノ酸配列を含むHVR−L2;及び
    (6)配列番号12のアミノ酸配列を含むHVR−L3
    を含む請求項1又は2に記載の抗PCSK9抗体。
  10. 抗体が、
    (1)配列番号3のアミノ酸配列を含むHVR−H1;
    (2)配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR−H2;
    (3)配列番号5のアミノ酸配列を含むHVR−H3;
    (4)配列番号7のアミノ酸配列を含むHVR−L1;
    (5)配列番号8のアミノ酸配列を含むHVR−L2;及び
    (6)配列番号13のアミノ酸配列を含むHVR−L3
    を含む請求項1又は2に記載の抗PCSK9抗体。
  11. 抗体が、
    (1)配列番号1のアミノ酸配列を含むHVR−H1;
    (2)配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR−H2;
    (3)配列番号5のアミノ酸配列を含むHVR−H3;
    (4)配列番号7のアミノ酸配列を含むHVR−L1;
    (5)配列番号8のアミノ酸配列を含むHVR−L2;及び
    (6)配列番号14のアミノ酸配列を含むHVR−L3
    を含む請求項1又は2に記載の抗PCSK9抗体。
  12. (a)配列番号15、配列番号16、配列番号17又は配列番号27のアミノ酸配列に対して少なくとも95%の配列同一性を持つVH配列;又は(b)配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22又は配列番号23のアミノ酸配列に対して少なくとも95%の配列同一性を持つVL配列を含む、請求項1又は2に記載の抗PCSK9抗体。
  13. 配列番号15、配列番号16、配列番号17又は配列番号27のVH配列を含む、請求項12に記載の抗PCSK9抗体。
  14. 配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22又は配列番号23のVL配列を含む、請求項12に記載の抗PCSK9抗体。
  15. 配列番号15のVH配列及び配列番号19のVL配列を含む、請求項12に記載の抗PCSK9抗体。
  16. 配列番号27のVH配列及び配列番号20のVL配列を含む、請求項12に記載の抗PCSK9抗体。
  17. 配列番号16のVH配列及び配列番号21のVL配列を含む、請求項12に記載の抗PCSK9抗体。
  18. 配列番号17のVH配列及び配列番号22のVL配列を含む、請求項12に記載の抗PCSK9抗体。
  19. 配列番号27のVH配列及び配列番号23のVL配列を含む、請求項12に記載の抗PCSK9抗体。
  20. (a)配列番号15、配列番号16、配列番号17又は配列番号27のアミノ酸配列に対して少なくとも99%の配列同一性を持つVH配列;又は(b)配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22又は配列番号23のアミノ酸配列に対して少なくとも99%の配列同一性を持つVL配列を含む抗PCSK9抗体。
  21. (a)配列番号15、配列番号16、配列番号17又は配列番号27のアミノ酸配列に対して少なくとも99%の配列同一性を持つVH配列;又は(b)配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22又は配列番号23のアミノ酸配列に対して少なくとも99%の配列同一性を持つVL配列を含む、請求項20に記載の抗PCSK9抗体。
  22. 配列番号15のアミノ酸配列に対して少なくとも99%の配列同一性を持つVH配列、及び配列番号19のアミノ酸配列に対して少なくとも99%の配列同一性を持つVL配列を含む、請求項21に記載の抗PCSK9抗体。
  23. 配列番号27のアミノ酸配列に対して少なくとも99%の配列同一性を持つVH配列、及び配列番号20のアミノ酸配列に対して少なくとも99%の配列同一性を持つVL配列を含む、請求項21に記載の抗PCSK9抗体。
  24. 配列番号16のアミノ酸配列に対して少なくとも99%の配列同一性を持つVH配列、及び配列番号21のアミノ酸配列に対して少なくとも99%の配列同一性を持つVL配列を含む、請求項21に記載の抗PCSK9抗体。
  25. 配列番号17のアミノ酸配列に対して少なくとも99%の配列同一性を持つVH配列、及び配列番号22のアミノ酸配列に対して少なくとも99%の配列同一性を持つVL配列を含む、請求項21に記載の抗PCSK9抗体。
  26. 配列番号27のアミノ酸配列に対して少なくとも99%の配列同一性を持つVH配列、及び配列番号23のアミノ酸配列に対して少なくとも99%の配列同一性を持つVL配列を含む、請求項21に記載の抗PCSK9抗体。
  27. 配列番号15、配列番号16、配列番号17又は配列番号27のVH配列を含む、請求項21から26の何れか一項に記載の抗PCSK9抗体。
  28. 配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22又は配列番号23のVL配列を含む、請求項21から27の何れか一項に記載の抗PCSK9抗体。
  29. 抗体がモノクローナル抗体である、請求項1から28の何れか一項に記載の抗PCSK9抗体。
  30. 抗体がヒト化されている、請求項1から28の何れか一項に記載の抗PCSK9抗体。
  31. 抗体がヒト型である、請求項1から28の何れか一項に記載の抗PCSK9抗体。
  32. 抗体が、Fab,Fab’−SH,Fv,scFv又は(Fab’)断片から選択される、請求項1から28の何れか一項に記載の抗PCSK9抗体。
  33. フレームワーク配列の少なくとも一部分がヒトコンセンサスフレームワーク配列である、請求項1から28の何れか一項に記載の抗PCSK9抗体。
  34. 請求項1から28の何れか一項に記載の抗PCSK9抗体をコードする単離された核酸。
  35. 請求項34に記載の核酸を含むベクター。
  36. ベクターが発現ベクターである、請求項35に記載のベクター。
  37. 請求項35又は36に記載のベクターを含む宿主細胞。
  38. 宿主細胞が原核生物である、請求項37に記載の宿主細胞。
  39. 宿主細胞が真核生物である、請求項37に記載の宿主細胞。
  40. 前記方法が、請求項1から28の何れか一項に記載の抗PCSK9抗体をコードする核酸の発現に適した条件下で、請求項37に記載の宿主細胞を培養することを包含する、抗PCSK9抗体を作成するための方法。
  41. 宿主細胞から抗PCSK9抗体を回収することを更に含む、請求項40に記載の方法。
  42. 請求項1から28の何れか一項に記載の抗PCSK9抗体及び薬学的に許容される担体を含む、薬学的組成物。
  43. 被検体においてLDLコレステロールのレベルを減少させる方法であって、該方法が請求項1から28の何れか一項に記載の抗PCSK9抗体の有効量を被検体に投与することを含む方法。
  44. 被検体においてコレステロール関連疾患を治療する方法であって、該方法が請求項1から28の何れか一項に記載の抗PCSK9抗体の有効量を被検体に投与することを含む方法。
  45. 被検体において高コレステロール血症を治療する方法であって、該方法が請求項1から28の何れか一項に記載の抗PCSK9抗体の有効量を被検体に投与することを含む方法。
  46. 抗PCSK9抗体が第一医薬であり、第二医薬の有効量を被検体に投与することを更に含む、請求項43、44又は45に記載の方法。
  47. 第二医薬がLDLRのレベルを上昇させる、請求項46に記載の方法。
  48. 第二医薬がLDLのレベルを低減する、請求項46に記載の方法。
  49. 第二医薬がスタチンを含む、請求項46に記載の方法。
  50. スタチンが、アトルバスタチン、フルバスタチン、ロバスタチン、メバスタチン、ピタバスタチン、プラバスタチン、ロスバスタチン、シンバスタチン、およびそれらの任意の組み合わせから成る群から選択される、請求項49に記載の方法。
  51. 第二医薬がHDLコレステロールのレベルを上昇させる、請求項46に記載の方法。
  52. 被検体においてLDLRに対するPCSK9の結合を阻害する方法であって、該方法が請求項1から28の何れか一項に記載の抗PCSK9抗体の有効量を被検体に投与することを含む方法。
  53. サンプル中のPCSK9タンパク質を検出する方法であって、
    (a)請求項1から28の何れか一項に記載の抗体とサンプルを接触させ;及び
    (b)抗PCSK9抗体とPCSK9タンパク質の間の複合体の形成を検出すること
    を含む方法。
  54. PCSK9に結合する抗PCSK9抗体又は抗体断片であって、該抗体又は抗体断片が、
    (i)ヒトPCSK9のR194及びE195からなる群から選択される少なくとも一残基、
    (ii)ヒトPCSK9のD238及びA239からなる群から選択される少なくとも一残基、
    (iii)ヒトPCSK9のA341及びQ342からなる群から選択される少なくとも一残基、及び
    (iv)ヒトPCSK9のE366,D367,I369,S376,T377,C378,F379,S381及びH391からなる群から選択される少なくとも一残基
    を含むPCSK9のエピトープに結合する、PCSK9に結合する抗PCSK9抗体又は抗体断片。
  55. PCSK9のエピトープがE366,D367又はH391の一以上を含む、請求項54に記載の抗体。
  56. PCSK9のエピトープがE366,D367及びH391を含む、請求項55に記載の抗体。
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