JP2014503022A - 加水分解安定性のポリアミド - Google Patents

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Abstract

以下のA)〜D):A)熱可塑性ポリアミドを10〜99.9質量%、B)ターポリマーを0.1〜20質量%、当該ターポリマーは、(B1)少なくとも1種の電子欠損性オレフィン1〜70質量%と、(B2)オレフィン二重結合のところに水素原子及び/又は炭素原子のみを、電子求引性置換基なしで有する少なくとも1種のオレフィン0〜85質量%と、(B3)少なくとも1種のアルコキシビニルシラン1〜99質量%との共重合によって得られるものであり、C)繊維状若しくは粒子状の充填剤又は当該充填剤の混合物0〜50質量%、D)さらなる添加剤0〜50質量%を含有する熱可塑性成形材料であって、ここで、前記成分A)〜D)の質量%の合計は、100%である。

Description

本発明は、以下のA)〜D):
A)熱可塑性ポリアミドを10〜99.9質量%、
B)コポリマー又はターポリマーを0.1〜20質量%、
これらのポリマーは、
(B1)少なくとも1種の電子欠損性オレフィン1〜70質量%と、
(B2)オレフィン二重結合のところに水素原子及び/又は炭素原子のみを、電子求引性置換基なしで有する少なくとも1種のオレフィン0〜85質量%と、
(B3)少なくとも1種のアルコキシビニルシラン1〜99質量%
との共重合によって得られるものであり、
C)繊維状若しくは粒子状の充填剤、又は当該充填剤の混合物0〜50質量%、
D)さらなる添加剤0〜50質量%
を含有する熱可塑性成形材料に関し、ここで前記成分A)〜D)の質量%の合計は100%である。
本発明はさらに、本発明による成形材料を、繊維、シート、及びあらゆる種類の成形体を製造するために用いる使用、またこうして得られる成形体に関する。
熱可塑性により加工可能なポリアミドが、水吸水性を有することは知られている。しかしながらこの際には、生成物の強度と剛性が、最大で50%低下してしまうことがある。
加水分解安定剤の例は特にフェノール化合物であり、このような化合物は、EP-A 1 12 542、EP-A 224 847、EP-A 240 887、及びDE-A 41 20 661からわかる。
このような低分子量物質の欠点は、揮発性(毒性学的な観点から望ましくない)、及び加工の際に三次元形状被覆(Formbelag)が形成されてしまうこと、また熱変形耐性の低さである。
最近のEP(案件番号101 755 19.7)では、ターポリマーBの製造方法と、本発明によるものとは異なる適用が提案されている。
そこで本発明の課題は、改善されたWAB、及び加水分解性貯蔵後の良好な表面、並びに機械的特性を有する熱可塑性ポリアミド成形材料を提供することであった。
これに従い、冒頭で規定の成形材料が判明した。好ましい実施態様は、従属請求項から読み取ることができる。
本発明による成形材料は成分A)として、少なくとも1種のポリアミドを、10〜99.9質量%、好適には20〜98質量%、特に25〜94質量%、含有する。
本発明による成形材料のポリアミドは一般的に、ISO307に従って、硫酸(96質量%)の0.5質量%溶液中において25℃で測定した粘度が、90〜350ml/g、好適には110〜240ml/gである。
分子量(質量平均値)が少なくとも5,000の半結晶又は非晶質樹脂(例えば米国特許文献の2 071 250、2 071 251、2 130 523、2 130 948、2 241 322、2 312 966、2 512 606、及び3 393 210に記載されている)が好ましい。
この例は、7〜13員環のラクタムから誘導されるポリアミド、例えばポリカプロラクタム、ポリカプリルラクタム、及びポリラウリンラクタムであり、またジカルボン酸とジアミンとの反応により得られるポリアミドである。
ジカルボン酸としては、炭素原子を6〜12個、特に6〜10個有するアルカンカルボン酸と、芳香族ジカルボン酸が使用できる。ここでは酸として、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジ酸、及びテレフタル酸、及び/又はイソフタル酸を挙げるにとどめる。
ジアミンとして適しているのは、6〜12個、特に6〜8個の炭素原子を有するアルカンジアミン、またm−キシレンジアミン(例えばBASF SE社のUltramid(登録商標)X17、MXDAとアジピン酸が1:1のモル比)、ジ−(4−アミノフェニル)メタン、ジ−(4−アミノシクロヘキシル)−メタン、2,2−ジ−(4−アミノフェニル)−プロパン、2,2−ジ−(4−アミノシクロヘキシル)−プロパン、又は1,5−ジアミノ−2−メチルペンタンである。
好ましいポリアミドは、ポリヘキサメチレンアジピン酸アミド、ポリヘキサメチレンセバシン酸アミド、及びポリカプロラクタム、並びにコポリアミド6/66、特にカプロラクタム単位を5〜95質量%の割合で有するものである(例えばBASF SE社のUltramid(登録商標)C31)。
さらに、適切なポリアミドは、ω−アミノアルキルニトリル(例えばアミノカプロニトリル(PA6)及びアジポジニトリル)と、ヘキサメチレンジアミン(PA66)とから、いわゆる直接重合により水の存在下で得られ、これは例えばDE-A 10313681、EP-A 1 198491、及びEP 922065に記載されている。
さらにまた、高温下で1,4−ジアミノブタンとアジピン酸との縮合により得られるポリアミドが言及されている(ポリアミド4,6)。この構造を有するポリアミドの製造方法は例えば、EP-A 38 094、EP-A 38 582、及びEP-A 39 524に記載されている。
さらに、2種以上の上記モノマーの共重合により得られるポリアミド、又は複数のポリアミドの混合物が適しており、ここでその混合比は任意である。特に好ましいのは、ポリアミド66と、別のポリアミド、特にコポリアミド6/66との混合物である。
さらに、このような部分芳香族コポリアミド(例えばPA6/6T及びPA66/6T)が特に有利であると実証されており、そのトリアミン含分は0.5質量%未満、好適には0.3質量%未満である(EP-A 299 444参照)。さらなる耐高温性ポリアミドは、EP-A 19 94 075から公知である(PA6T/6I/MXD6)。
トリアミン含分が低い好ましい部分芳香族コポリアミドの製造は、EP-A 129 195 及び129 196に記載された方法に従って行うことができる。
以下に非限定的な列挙で、本願発明の意味合いにおける上記のポリアミドA)、また別のポリアミドA)と、そこに含有されるモノマーを挙げる:
ABポリマー:
PA4 ピロリドン
PA6 ε−カプロラクタム
PA7 エタノールラクタム
PA8 カプリルラクタム
PA9 9−アミノペラルゴン酸
PA11 11−アミノウンデカン酸
PA12 ラウリンラクタム。
AA/BBポリマー:
PA46 テトラメチレンジアミン、アジピン酸
PA66 ヘキサメチレンジアミン、アジピン酸
PA69 ヘキサメチレンジアミン、アゼライン酸
PA610 ヘキサメチレンジアミン、セバシン酸
PA612 ヘキサメチレンジアミン、デカンジカルボン酸
PA613 ヘキサメチレンジアミン、ウンデカンジカルボン酸
PA1212 1,12−ドデカンジアミン、デカンジカルボン酸
PA1313 1,13−ジアミノトリデカン、ウンデカンジカルボン酸
PA6T ヘキサメチレンジアミン、テレフタル酸
PA9T 1,9−ノナンジアミン、テレフタル酸
PA MXD6 m−キシレンジアミン、アジピン酸
PA6I ヘキサメチレンジアミン、イソフタル酸
PA6−3−T トリメチルヘキサメチレンジアミン、テレフタル酸
PA6/6T(PA6とPA6T参照)
PA6/66(PA6とPA66参照)
PA6/12(PA6とPA12参照)
PA66/6/610(PA66、PA6、及びPA610参照)
PA6I/6T(PA6IとPA6T参照)
PAPACM12 ジアミノジシクロヘキシルメタン、ラウリンラクタム
PA6I/6T/PACM、例えばPA6I/6T+ジアミノジシクロヘキシルメタン
PA12/MACMI ラウリンラクタム、ジメチル−ジアミノジシクロヘキシルメタン、イソフタル酸
PA12/MACMT ラウリンラクタム、ジメチル−ジアミノジシクロヘキシルメタン、テレフタル酸
PAPDA−T フェニレンジアミン、テレフタル酸。
本発明による成形材料は成分B)として、請求項1に記載のコポリマー若しくはターポリマーB)を、0.1〜20質量%、好適には0.1〜10質量%、特に0.2〜5質量%、含有する。
成分(B1)としては通常、オレフィン二重結合に対してα位で電子求引性置換基を1つ以上有するオレフィンをモノマーとして用い、これは(例えばπ電子系の共役によって)オレフィン二重結合の電子密度を低下させるものである。好ましい実施態様において、成分(B)の少なくとも1つの電子欠損性オレフィンは、そのオレフィン二重結合のところに、−CO−(カルボニル)、−CN(シアノ)、−NO2(ニトロ)、及び−SO2−から選択される電子求引性置換基を、少なくとも1つ、特に1つ又は2つ有する。ここで−CO−基は通常、ケト官能基の成分、アルデヒド官能基の成分、又は特にカルボキシ官能基の成分、例えば遊離カルボン酸、カルボン酸エステル、カルボン酸アミド、カルボン酸イミド、又は環状若しくは非環状無水カルボン酸の形態のものである。ここで−SO2−基は通常、スルホン官能基、スルホン酸、スルホン酸エステル、スルホン酸アミド、又はスルホン酸イミドの成分である。
成分(B1)のこのような電子欠損性オレフィンのための典型的な例は、アクリル酸、アクリル酸エステル、例えばメチルアクリレート、エチルアクリレート、又はn−ブチルアクリレート、アクリル酸のアミドとイミド、アクリロニトリル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、例えばメチルメタクリレート、エチルメタクリレート、又はn−ブチルメタクリレート、メタクリル酸のアミドとイミド、メタクリロニトリル、マレイン酸、マレイン酸のモノエステルとジエステル、例えばモノメチルマレエート、ジメチルマレエート、モノエチルマレレート、又はジエチルマレエート、マレイン酸のモノアミドとジアミド、マレイン酸イミド、マレイン酸のモノニトリルとジニトリル、並びにフマル酸、フマル酸のモノエステルとジエステル、例えばモノメチルフマレート、ジメチルフマレート、モノエチルフマレート、又はジエチルフマレート、フマル酸のモノアミドとジアミド、及びフマル酸のモノニトリルとジニトリルである。エステルアルコール基として、また上記アミドにおいてあり得る置換基としては、主にC1〜C20アルキル基が考慮される。上記電子欠損性オレフィンの混合物もまた、成分(B1)として使用することができる。
極めて特に好ましくは、成分(B1)として、モノエチレン性不飽和C4〜C6ジカルボン酸の無水物少なくとも1種から得られるコポリマー又はターポリマーを用いる。ここで特に、環状構造を有するフマル酸、イタコン酸、メサコン酸、メチレンマロン酸、シトラコン酸の無水物、特にマレイン酸の無水物が考慮される。
特性、例えば溶解性に影響を与えるため、付加的に成分(B2)を使用することができる。成分(B2)としては通常、オレフィン二重結合に対してα位で炭素原子のみを有し、電子求引置換基及び/又は水素原子を有さないオレフィンをモノマーとして用いる。ここでオレフィン性二重結合の電子密度は、成分(B1)の場合とは異なり、カルボニル基(−CO)、シアノ基(−CN)、ニトロ基(NO2)、又はスルホ基(−SO2−)のπ電子系との共役によって低下されている。成分(B2)のオレフィンとはたいてい、純粋な炭化水素化合物であって、あらゆる場合においてオレフィン二重結合に対して遠く離れている、つまりβ位に、又はさらに遠くに、電子求引性置換基(例えば−CO−、−CN、−NO2、又はSO2)を有することができるものである。また、上記非電子欠損性オレフィンの混合物もまた、成分(B2)として使用できる。
成分(B2)のこのような非電子欠損性オレフィンの典型的な例は環状オレフィン、例えばシクロペンテン、シクロヘキセン、若しくはシクロヘプテンであり、α−オレフィン、例えばエチレン、プロピレン、2−メチルプロペン(イソブテン)、ブテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1,2,2,4−トリメチルペンテン−1、デセン−1、若しくはドデセン−1であり、芳香族ビニル化合物、例えばスチレン、α−メチルスチレン、若しくはC1〜C4アルキルスチレン、例えば2−、3−、及び4−メチルスチレン、並びに4−t−ブチルスチレンであり、またこのようなα−オレフィンから得られるオリゴマー及びポリマー、内部二重結合を有するオレフィン、例えばブテン−2、又は様々なα−オレフィンから得られるコポリマー、例えばイソブテンとデセン−1から得られるコポリマー、又はイソブテンとスチレンから得られるコポリマー、α−メチルスチレン、又はC1〜C4アルキルスチレンである。上記のオリゴマーとポリマーは、主に連鎖中断反応に由来し、たいていは末端にオレフィン二重結合を有するのだが、この二重結合が、本発明の意味合いでさらなる重合反応を可能にするのである。
α−オレフィンポリマーとしては、ポリイソブテンが非常に重要である。と言うのもこれは市販で手に入り、従来技術で頻繁に用いられる材料だからである。イソブテンの重合によって、触媒としてルイス酸(例えば三塩化アルミニウム、三フッ化ホウ素、又は四塩化チタン)を用いてポリイソブテンを製造することは、従前から公知である。反応温度、触媒、及び使用するイソブテンの純度によって、低分子量、中程度の分子量、又は高分子量のポリイソブテンが得られる。ポリイソブテン製造のために方法の概観はまた、Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry, 5th Edition, Vol. A 21 , 1992, p555 - 561に記載されている。 Kennedy とIvanは、"Carbocationic Macromolecular Engineering", Hanser-Verlag, 1991年において、ポリイソブテン製造のための別の方法(リビング重合)を記載している。純粋なイソブテンホモポリマーの他にまた、イソブテンコポリマーが成分(B2)として重要である。
本発明の好ましい実施態様は、成分(B2)として、数平均分子量Mnが100〜500,000、好適には120〜50,000、特に350〜20,000、とりわけ500〜2,500であるイソブテンのホモポリマー又はコポリマーから得られるターポリマーである。「イソブテンホモポリマー」とは、本発明の範囲において、オリゴマーのイソブテン、例えば二量体、三量体、四量体、五量体、六量体、及び七量体のイソブテンである。
イソブテンのホモポリマー又はコポリマーとしては、原則的にあらゆる慣用かつ市販で得られるポリイソブテンが使用できる。慣用かつ市販で得られるポリイソブテンはたいてい、イソブテン単位([−CH2−C(CH32−])の割合が主要なイソブテンホモポリマー又はイソブテンコポリマーである。好適には、いわゆる「反応性」ポリイソブテンを用いる。「反応性」ポリイソブテンは、末端に配置された二重結合の割合がより高い点で、「低反応性」のポリイソブテンとは異なる。そこで反応性ポリイソブテンは、このような末端に配置された二重結合を、ポリイソブテンマクロ分子単位の総数に対して少なくとも50mol%有する。特に好ましいのは、末端に配置された二重結合を、ポリイソブテンマクロ分子単位の総数に対して少なくとも60mol%、とりわけ少なくとも80mol%有するポリイソブテンである。末端に配置された二重結合とは、ビニル二重結合[−CH=C(CH32](β−オレフィン)、またビニリデン二重結合[−CH−C(=CH2)−CH3](α−オレフィン)であり得る。
本発明の好ましい実施態様は、成分(B2)として、末端位のビニリデン二重結合の割合が少なくとも60%、特に少なくとも80mol%であるイソブテンのホモポリマー又はコポリマーから得られるターポリマーである。
たいていは、単一の又はほぼ単一のポリマー骨格を有するイソブテンホモポリマー又はイソブテンコポリマーを用いる。本発明の範囲においてこれは通常、イソブテン単位[−CH2−C(CH32−]を少なくとも85質量%、好適には90質量%、特に少なくとも95質量%有するポリマーであると理解される。
さらに、成分(B2)として使用されるイソブテンホモポリマー又はイソブテンコポリマーは通常、多分散性(PDI)が1.05〜10、特に1.05〜4、とりわけ1.05〜2.0である。多分散性とは、質量平均分子量Mwを、数平均分子量Mnで割った商である(PDI=Mw/Mn)。
本発明の範囲においてイソブテンホモポリマー又はイソブテンコポリマーとは、カチオン重合又はリビングカチオン重合によって得られるあらゆるポリマーであるとも理解され、当該ポリマーは、イソブテンを好適には少なくとも60質量%、特に好ましくは少なくとも80質量%、さらに好適には少なくとも90質量%、とりわけ少なくとも95質量%、重合導入されて含むものである。加えてこれらのポリマーは、別のブテン異性体、例えば1−又は2−ブテン、並びにこれとは異なるオレフィン性不飽和モノマー(カチオン重合条件下でイソブテンと共重合可能なもの)を、重合導入されて含むことができる。
本発明のために原料として使用可能なイソブテンホモポリマー又はイソブテンコポリマーを製造するためのイソブテン出発物質としては、これに相応して、イソブテン自体も、またイソブテン含有C4炭化水素流、例えばC4ラフィネート、イソブテン脱水素から得られるC4留分、水蒸気改質、FCC(Fluid Catalyzed Cracking:流動接触分解)から得られるC4留分も、そこに含まれている1,3−ブタジエンから充分に分離されるのであれば、適している。特に適切なC4炭化水素流は通常、ブタジエンを500ppm未満、好適には200ppm未満含有する。C4留分を出発材料として用いる場合、イソブテンとは異なる炭化水素は、不活性溶剤の役割を果たすことがある。
カチオン重合条件下で共重合可能な、イソブテンコポリマーのためのモノマーとしては、芳香族ビニル化合物、例えばスチレンとα−メチルスチレン、C1〜C4アルキルスチレン、例えば2−、3−、及び4−メチルスチレン、並びに4−t−ブチルスチレン、炭素原子を5〜10個有するイソオレフィン、例えば2−メチルブテン−1、2−メチル−ペンテン−1、2−メチルヘキセン−1、2−エチルペンテン−1、2エチルヘキセン−1、及び2−プロピルヘプテン−1が考慮される。
成分(B2)として適しているポリイソブテンは、あらゆる慣用のカチオン重合又はリビングカチオン重合により得られるイソブテンホモポリマー又はイソブテンコポリマーである。しかしながら好ましいのは、前述のいわゆる「反応性」ポリイソブテンである。
市販で得られ、かつ成分(B2)として適しているポリイソブテンは例えば、BASF SE社のGlissopal(登録商標)、例えばGlissopal 550、Glissopal 1000、及び Glissopal 2300(ここで、Glissopalという商標は、反応性ポリイソブテンを表す)であり、またBASF SE社のOppanol、例えばOppanol B10、B12、及びB15である。
モノマー成分(B2)のためのアルコキシビニルシランとして適しているのは、好適には一般式I
Figure 2014503022
の化合物であり、
前記式中、mは0、1、又は2であり、R1、R2、R3、R4、及びR5は同一か又は異なっており、C1〜C20アルキル基、C5〜C20シクロアルキル基、C6〜C20アリール基、又はC7〜C20アラルキル基であり、ここでR1、R2、R3、及びR4はまた、水素であってもよい。
本発明を説明するため、特に成分(B1)と(B3)を特定するため、C1〜C20アルキルという表現は、相応する直鎖と分子鎖状のアルキル基を包含する。ここで好適なのは、直鎖又は分枝状のC1〜C10アルキル、特にC1〜C8アルキルである。このようなアルキル基の例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、2−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、2−ペンチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、1,2−ジメチルプロピル、1,1−ジメチルプロピル、2,2−ジメチルプロピル、1−エチルプロピル、n−ヘキシル、2−ヘキシル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、4−メチルペンチル、1,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチル、1,1−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、1,1,2−トリメチルプロピル、1,2,2−トリメチルプロピル、1−エチルブチル、2−エチルブチル、1−エチル−2−メチルプロピル、n−ヘプチル、2−ヘプチル、3−ヘプチル、2−エチルペンチル、1−プロピルブチル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、2−プロピルヘプチル、n−ノニル、及びn−デシルである。
さらに、このようなアルキル基として適しているのは、類似のヒドロカルビル基であり、当該ヒドロカルビル基はヘテロ原子、例えば酸素によって中断されていてよく、又は芳香族若しくは複素芳香族環が組み込まれていてよい。
本発明において「C5〜C20シクロアルキル」という表現は、非置換、また置換されたシクロアルキル基を含み、好適にはC5〜C7シクロアルキル基、例えばシクロペンチル、シクロヘキシル、又はシクロヘプチルである。これらは置換された場合、置換基を1個、2個、3個、4個、又は5個、好適には1個、2個、又は3個有することができる。この場合これらの置換基は通常、前述のアルキル基である。
本発明において「C5〜C20アリール」という表現は、非置換、また置換された芳香族基を含み、例えばフェニル、o−、m−、若しくはp−トルイル、キシリル、又はナフチルである。ここで現れる置換基は通常、前述のアルキル基である。
本発明において「C7〜C20アラルキル」という表現は、芳香族基で置換されたアルキル基を含み、例えばベンジル、o−、m−、若しくはp−メチルベンジル、1−フェニルエチル、2−フェニルエチル、3−フェニルプロピル、又は4−ナフチルである。
モノマー成分(B3)のアルコキシビニルシランは、R1、R2、及び/又はR3によって任意で置換されたビニル基であって、重合可能なエチレン性二重結合を有するものの他に、1つ、2つ、又は3つの基−OR5(好適にはC1〜C20アルキルオキシ基、特にC1〜C8アルキルオキシ基、特にC1〜C4アルキルオキシ基)であって、これらは同一であっても異なっていてもよく、ここで残りのケイ素原子の価数にまだ空きがある場合、好適にはC1〜C4アルキル、C5〜C7シクロアルキル、フェニル、及び/又は水素によって、置換基R4として飽和されている。
好ましい実施態様において本発明によるコポリマー又はターポリマーは、成分(B3)としての、下記一般式Iaのトリアルコキシビニルシラン少なくとも1種から得られ、
Figure 2014503022
ここで3つのアルコキシ基は全て同じであり、R5は上記意味を有する。
式Iaの化合物のうち特に好ましいのは、トリ(C1〜C20アルキルオキシ)ビニルシラン、特にトリ(C1〜C8アルキルオキシ)ビニルシラン、特にトリ(C1〜C4アルキルオキシ)ビニルシランであって、ここで「アルキル」という表現は、C1〜C20アルキル基について述べた意味を有し、また同様のヒドロカルビル基であって、ヘテロ原子(例えば酸素)によって中断されていてよいか、又は複素環が組み込まれていてよいものを意味する。
一般式Iの化合物の典型的な例は、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリプロポキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、ビニル−トリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルエチルジメトキシシラン、ビニルシクロヘキシルジメトキシシラン、ビニルフェニルジメトキシシラン、ビニルジメチルモノエトキシシラン、及びビニルメチルフェニルモノエトキシシランである。
本発明によるコポリマー又はターポリマーは好適には、以下の(B1)〜(B3)の共重合によって得られる:
(B1)少なくとも1種の電子欠損性オレフィン、5〜60質量%、特に10〜40質量%、
(B2)少なくとも1種のオレフィン、0〜80質量%、好適には5〜80質量%、特に15〜70質量%、
当該オレフィンは、そのオレフィン二重結合のところに、水素原子及び/又は炭素原子のみを、電子求引置換基無しで有し、及び
(B3)少なくとも1種のアルコキシビニルシラン、5〜60質量%、特に15〜50質量%、
ここで成分(B1)、(B2)、及び(B3)の合計は、それぞれ100質量%となる。
本発明によるコポリマー又はターポリマーは特に、以下の(B1)〜(B3)の共重合によって得られる:
(B1)モノエチレン性不飽和C4〜C6ジカルボン酸の無水物少なくとも1種、5〜60質量%、特に10〜40質量%、
(B2)数平均分子量Mnが100〜500,000であるイソブテンホモポリマー又はイソブテンコポリマー0〜80質量%、好適には5〜80質量%、特に15〜70質量%、
(B3)少なくとも1種のアルコキシビニルシラン、5〜60質量%、特に15〜50質量%、
ここで成分(B1)、(B2)、及び(B3)の合計は、100質量%となる。
好ましい実施態様において、本発明によるコポリマー又はターポリマーは、基本的に交互の構造を有する。ここでポリマー鎖中では通常、モノマー単位(B1)が、その都度モノマー単位(B2)又はモノマー単位(B3)と交代する。モノマー単位(B2)及び(B3)が存在する場合、これらは好適にはランダムに分布している。モノマー単位(B1)は、(B2)と(B3)との合計に対する比が、0.9:1.1から、1.1:0.9である。
他の実施態様において、モノマー単位はランダムに分布していてよい。よって電子欠損性オレフィン(B1)は過剰で存在することがあり、この際にモノマー単位(B1)は、(B2)と(B3)との合計に対する比が、1.1超:0.9から、1.5:0.5である。しかしながらさらに、電子欠損性オレフィン(B1)は過小で存在することもあり、この際にモノマー単位(B1)は、(B2)と(B3)との合計に対する比が、0.9未満:1.1から、0.5:1.5である。
本発明によるコポリマー又はターポリマーは通常、数平均分子量Mnが、500〜2,000,000、特に750〜200,000、とりわけ1000〜75,000である(超遠心分離により測定)。
本発明によるコポリマー又はターポリマーは通常、多分散性(PDI)が、1.5〜15、特に2.0〜12、とりわけ2.5〜8である。
本発明によるコポリマー又はターポリマーは、成分(B2)のモノマー単位の含分に応じて、脆性樹脂(恐らく、成分(B2)の含分が低い場合)、粘稠な油、又は柔らかい樹脂(恐らく、成分(B2)の含分が高い場合)として存在し得る。
下記式は例示的に、本発明によるコポリマー又はターポリマーの1つの典型的な構成を示すものである(n=使用するポリイソブテン中におけるイソブテン単位の数より2少ない数;PIB=ポリイソブテン単位の残存構造):
Figure 2014503022
本発明による成分B)は、成分(B1)、(B2)、及び(B3)を、バルク、溶液、又は懸濁液中で相互にラジカル共重合させることを特徴とする方法によって得られる。
バルク、溶液、及び懸濁液によるラジカル重合のための方法は当業者に充分に公知であるため、ここでは詳細には説明しない。外観的な文献について例示的には、Houben-Weyl, Methoden der organischen Chemie, 4. Auflage, G. Thieme Verlag, Band 14、及びErgaenzungsband E20と、そこで引用されたオリジナル文献を指摘しておく。Band E20の15〜73頁には、ラジカル重合のための化学的な開始剤が挙げられており、同じ巻の74〜93頁には、エネルギー照射による重合の開始が記載されている。これについての概要は、Handbook of Polymer Synthesis, 2nd Edition, Marcel Dekker Verlag、2005発行にある。しかしながら以下では、バルク、溶液、又は懸濁によって成分(B1)、(B2)、及び(B3)をラジカル重合させて本発明によるコポリマー又はターポリマー(B)にするために重要な方法パラメーターについて述べる。
上述のあらゆる重合方法では通常、酸素を遮断して作業を行い、好適には窒素流中で行う。重合は通常、0〜150℃の温度、特に20〜130℃の温度で、とりわけ40〜120℃、0.5〜10bar、特に0.7〜1.3barの圧力で行う。重合は連続的に、又は非連続的に行うことができる。溶液重合法と懸濁重合法の場合、重合条件下で非反応性の溶剤、例えば炭化水素(トルエン又はキシレンなど)、ハロゲン化炭化水素(ジクロロメタンなど)、又はこれらの混合物を、溶剤又は分散剤として用いるのが適切である。別の変法では、重合条件下で反応し得る溶剤(例えばケトン、アセトン又はブタノンなど、溶剤混合物でもよい)を、ラジカル鎖を中断させるため、また分子量を調節するために、適切に使用する。
ここで適切な重合開始剤は、例えばペルオキソ化合物であり、例えばt−ブチルペルオキシドベンゾエート、t−ブチルペルピバレート、t−ブチルペルネオデカノエート、t−ブチルペルエチルヘキサノエート、t−ブチルペルイソブチレート、ジ−t−ブチルペルオキシド、ジ−t−アミルペルオキシド、ジアセチルペルオキシジカーボネート、若しくはジシクロヘキシルペルオキシジカーボネート、又はアゾ化合物、例えば2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)である。これらの重合開始剤は単独で、又は相互の混合物で使用できる。重合はまた、照射、例えば紫外光照射、ガンマ線照射、又はレーザー照射によって開始できる。
さらに、本発明による成分(B)は、本発明によるコポリマー又はターポリマーの結果生成物(B)として、熱架橋性のコポリマー又はターポリマーであってもよく、これらのポリマーは、本発明によるコポリマー又はターポリマー(B)を少なくとも10分間、80℃超に(例えば100〜120℃に、又は120℃〜150℃に)加熱することによって、得られるものである。ここで、アルコール量の顕著な分解が起こることはなく、架橋は通常、ほとんどがSi−O−Si−架橋の形成によって行われる;分解されたアルコキシ基がある場合、これは無水ジカルボン酸の原子団によって捕捉され、その際に開環してカルボキシレート原子団になる。この段階で水は必要ではないため、湿分の遮断下で行うことが有利である。
下記式は例示的に、このような熱架橋性コポリマー又はターポリマーの典型的な構造を示すものである(PIB=ポリイソブテン単位の残存構造):
Figure 2014503022
さらに(B)としては、本発明によるコポリマー又はターポリマーの結果生成物を用いることができ、これは本発明によるコポリマー又はターポリマーを、一価若しくは多価のアルコールと、及び/又は一価若しくは多価のアミンと反応させることにより得られるものである。これらのアルコールとアミンは、例えば気相を介して、又は湿潤化又は噴霧によって液状で、相応する量、たいていは僅少量で本発明によるコポリマー又はターポリマーと接触させる;これらのアルコール又はアミンはまた、本発明によるコポリマー又はターポリマーの溶液と不活性溶剤(例えばトルエン)中で接触させて反応させることができる。この際に反応時間は、数分〜数日であり、アミンとは通常、10℃〜60℃の温度で反応させ、アルコールの場合には、50〜120℃の温度範囲が有利であると実証されている。ここで通常は、Si−O−Si橋かけの形成による架橋は、まだ起こっていない。ここでアルコールとしては例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、t−ブタノール、メトキシエタノール、エチレングリコール、又はグリセリンが使用でき、アミンとしては例えば、モノブチルアミン、ジエチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、エチレンジアミン、3−(N,N−ジエチルアミノ)プロピルアミン、又はアルカノールアミン、例えばトリエタノールアミン若しくはトリイソプロパノールアミンが使用できる。これらのアルコールとアミンはまた、さらに別の官能基、例えばシロキサン基を、ポリマーのさらなる変性のために有することができる。このための例は、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノエチルトリエトキシシラン、及び3−アミノプロピルトリメトキシシランである。
同様に、ポリエチレンオキシド又はポリプロピレンオキシドは、200〜10,000の分子量範囲で使用できる。一例では、ポリマー鎖が二官能性である。つまり、両端が−OH−基又は−NH2−基で末端化されており、このポリマーは二官能性である。別の場合、一方の末端がエーテル化されている、すなわちR−O−(ここで、Rは任意の炭化水素基を表す)が鎖端であり、ここでもう一方の末端は−OH又はNH2であってよく、これらのポリマーは単官能性である。
単官能性(一価)アミンとアルコールとの反応はまず、実質的に架橋無しで進行する。と言うのも、溶液中ではゲル形成も沈殿も起こらないからである。比較的長く、例えば1〜3時間、又は2〜8時間、例えば50〜90℃に、又は70〜150℃に加熱することにより、後続の反応としても、Si−O−Si結合を形成しながら架橋が起こり得る。下記式は例示的に、このような置換された架橋性コポリマー又はターポリマーの典型的な構造であって、開環無水物原子団を有するものを示す:(PIB=ポリイソブテン単位の残存構造)
Figure 2014503022
さらにB)は、本発明によるコポリマー又はターポリマーの結果生成物として、加水分解により架橋されたコポリマー又はターポリマーであってもよく、これは本発明によるコポリマー又はターポリマーと、水とを反応させることによって得られるものである。ここでこの水は、水蒸気、湿分、又は僅かな量の液体状の水の形態で、本発明によるコポリマー又はターポリマーと接触させることができる。この際に反応時間は、数分〜数日であり、通常は10℃〜60℃の温度で反応させる。ここでは通常、架橋は同様にほとんどSi−O−Si架橋によって行われる。するとその結果、無水ジカルボン酸基原子団が加水分解により開環してカルボキシレート原子団になり、ここで遊離カルボキシ基が形成される。
下記式は例示的に、このような加水分解架橋性コポリマー又はターポリマーの典型的な構造であって、開環無水物原子団を有し、またSi−O−Si架橋による事前架橋を有するものを示す(PIB=ポリイソブテン単位の残存構造):
Figure 2014503022
多官能性(2価以上)のアミンとアルコールとの反応の場合、架橋は容易に起こる。溶液中でゲル形成と沈殿が観察される。
同様に適しているのは、本発明によるコポリマー又はターポリマーの結果生成物として、ポリアミン及び/又はポリオールにより架橋されたコポリマー又はターポリマーであり、これは本発明によるコポリマー又はターポリマーと、ポリアミン(多価アミン)及び/又はポリオール(多価アルコール)とを反応させることによって得られるものである。この際に反応時間は、数分〜数日であり、通常は10℃〜140℃の温度で反応させる。ここでも通常は無水ジカルボン酸原子団が開環してカルボンアミド又はカルボンエステル原子団になるが、これによって架橋が起こる。ここで、カルボンアミド基はまた、遊離カルボン酸と環化してイミドになり得る。さらに架橋は、同様にSi−O−Siの形成によって起こることがある。
本発明によるコポリマー又はターポリマーのさらなる結果生成物は例えば、水性アルカリ金属性、アルコール−アルカリ金属性、アルコール−アミン性、又は水性塩基性のコポリマー又はターポリマーの調製物であり、これらは本発明によるコポリマー又はターポリマーを水性若しくはアルコール性のアルカリ金属水酸化物溶液で、又は水性若しくはアルコール性のアミン溶液で処理することによって得られる。この際に処理時間は、たいてい10〜100分であり、通常は20℃〜60℃の温度で反応させる。この際に通常、コポリマー若しくはターポリマーの真性溶液、エマルション、分散液、又はゲル状の調製物が得られる。ここでシロキサン原子団はたいてい、加水分解してほとんどシリケート原子団(−SiO3 3-)になり、無水ジカルボン酸原子団は、加水分解により開環してカルボキシレート原子団(−COO-)になる。後者はアミン水溶液を用いる際、部分的に又は完全に、カルボン酸アミド原子団として存在している。ここでアルカリ金属水酸化物溶液としては、特に水性又はエタノール性の水酸化ナトリウム溶液又は水酸化カリウム溶液を使用することができる。ここでアミンとしては例えば、モノブチルアミン、ジエチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジアミン、又はポリアミン、例えばエチレンジアミン若しくは3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピルアミン、又はアルカノールアミン、例えばトリエタノールアミン若しくはトリイソプロパノールアミンが使用できる。水性のジアミン又はポリアミンを用いる場合、アミン官能基が反応性である限り、たいていはベタイン状の構造を有する。こうして得られるアルコール−アルカリ金属性、又はアルコール−塩基性、又は水性アルカリ金属性、又は水性塩基性コポリマー又はターポリマーの調製物は通常、長時間にわたって貯蔵安定性である。
このような調製物(水性又はアルコール性)は、好適には各ポリアミドA)への混入前に乾燥、又はスプレー乾燥することができる。
下記式は例示的に、このような加水分解された水性コポリマー又はターポリマー調製物の2つの典型的な構造を示し、一方は水酸化ナトリウム水溶液で、もう一方は水性の3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピルアミンで調整したものである(PIB=ポリイソブテン単位の残存構造):
Figure 2014503022
本発明による成形材料は成分C)として、繊維状若しくは粒子状の充填剤、又はその混合物を、0〜50質量%、好適には1〜40質量%、特に5〜35質量%含むことができる。
繊維状又は粒子状充填剤C)としては、炭素繊維、ガラス繊維、ガラスビーズ、非晶質ケイ酸、ケイ酸カルシウム、メタケイ酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、白亜、粉末状石英、雲母、硫酸バリウム、及び長石が挙げられ、これらは1〜50質量%、特に5〜40質量%、好適には10〜40質量%の量で使用できる。
好ましい繊維状充填剤としてあげられるのは、炭素繊維、アラミド繊維、及びチタン酸カリウム繊維であり、Eガラスとしてのガラス繊維が特に好ましい。ガラス繊維はロービングとして又は切断状で、市販の形状で使用できる。
繊維状充填剤は、熱可塑性樹脂との相溶性を改善するため、シラン化合物で表面処理されていてよい。
適切なシラン化合物は、下記一般式
Figure 2014503022
のものであり、
前記式中、置換基は以下の意味を有する:
Figure 2014503022
nは、2〜10の整数、好ましくは3又は4、
mは、1〜5の整数、好ましくは1又は2、
kは、1〜3の整数、好ましくは1である。
好ましいシラン化合物は、アミノプロピルトリメトキシシラン、アミノブチルトリメトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、アミノブチルトリエトキシシラン、また置換基Xとしてグリシジル基を有する相応するシランである。
シラン化合物は一般的に、0.01〜2質量%、好適には0.025〜1.0質量%、特に0.05〜0.5質量%(炭素に対して)の量で、表面被覆のために使用する。
ガラス長繊維も成分C1)として適切であり、これはロービングとして使用できる。本発明によりロービングとして使用されるガラス繊維は、直径が6〜20μm、好ましくは10〜18μmであり、ガラス繊維の断面は、円形、楕円形又は角状である。本発明によれば特に、Eガラス繊維を使用する。また、他の種類のガラス繊維、例えばAガラス繊維、Cガラス繊維、Dガラス繊維、Mガラス繊維、Sガラス繊維、Rガラス繊維、若しくはこれらの混合物、又はEガラス繊維との混合物も使用できる。
L/D(長さ/直径)比の値は好ましくは、100〜4000、特に350〜2000、極めて特に350〜700である。
針状の鉱物性充填剤もまた、適している。
本発明の意味合いにおいて針状の鉱物性充填剤とは、針状の特性をはっきりと有する鉱物性充填剤と理解される。例としては、針状の珪灰石が挙げられる。鉱物は好ましくは、L/D(長さ/直径)の比が、8:1〜35:1、好ましくは8:1〜11:1である。鉱物性充填剤は、任意で前述のシラン化合物で前処理されていてよいが、この前処理は必ずしも必要なわけではない。
さらなる充填剤としては、カオリン、焼成カオリン、珪灰石、タルク、及び白亜が挙げられ、またさらにフレーク状又は針状のナノ充填剤は、好ましくは0.1〜10%の量が好ましい。このために好ましくは、ベーマイト、ベントナイト、モンモリロナイト、バーミライト、ヘクトライト、及びLaponite(登録商標)が使用される。フレーク状ナノ充填剤と、有機溶剤との相容性を良好にするため、フレーク状ナノ充填剤を従来技術により有機変性する。フレーク状又は針状のナノ充填剤を本発明によるナノ複合材料に添加すると、さらに機械的強度が向上する。
成型材料は成分D)として、さらなる添加剤を最大50質量%、好適には最大20質量%、含有することができる。
本発明による成形材料は成分D)として、0.05〜3質量%、好適には0.1〜1.5質量%、特に0.1〜1質量%、潤滑剤を含有することができる。
Al塩、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、又は炭素数が10〜44、好ましくは12〜44の脂肪酸のエステル若しくはアミドが好ましい。
金属イオンは好適には、アルカリ土類金属、及びAlであり、ここでCa、又はMgが特に好ましい。
好ましい金属塩は、ステアリン酸カルシウムとモンタン酸カルシウム、並びにステアリン酸アルミニウムである。
異なる塩の混合物も使用することができ、ここでその混合比は任意である。
カルボン酸は、一価又は二価であり得る。例として挙げられるのは、ペラルゴン酸、パルミチン酸、ラウリン酸、マルガリン酸、ドデカンジ酸、ベヘン酸、及び特に好ましくはステアリン酸、カプリン酸、並びにモンタン酸(炭素数30〜40の脂肪酸混合物)である。
脂肪族アルコールは、1価〜4価であり得る。アルコールの例は、n−ブタノール、n−オクタノール、ステアリルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ペンタエリトリットであり、ここでグリセリンとペンタエリトリットが好ましい。
脂肪族アミンは、一価〜三価であり得る。このための例は、ステアリルアミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジ(6−アミノヘキシル)アミンであり、ここでエチレンジアミンとヘキサメチレンジアミンが特に好ましい。好ましいエステル又はアミドは、相応してグリセリンジステアレート、グリセリントリステアレート、エチレンジアミンジステアレート、グリセリンモノパルミテート、グリセリントリラウレート、グリセリンモノベヘネート、及びペンタエリトリトテトラステアレートである。
異なるエステル若しくはアミドの混合物、又はエステルとアミドとの混合物も組み合わせで使用することができ、ここでその混合比は任意である。
成分D)としては、本発明による成形材料は銅安定剤、好適にはCu(I)ハロゲン化物を、特にアルカリ金属ハロゲン化物(特にKJ)との混合物(特に1:4の比で)で、又は立体障害フェノール、又はその混合物を、0.05〜3質量%、好適には0.1〜1.5質量%、特に0.1〜1質量%含むことができる。
一価の銅塩として好適には、酢酸銅(I)、塩化銅(I)、臭化銅、及びヨウ化銅が考慮される。これらはポリアミドに対して、銅が5〜500ppm、好適には10〜250ppmの量で含まれている。
有利な特性が得られるのは特に、銅が分子量分布でポリアミド中に存在する場合である。これは成形材料に、ポリアミド、一価の銅塩、及びアルカリ金属ハロゲン化物を、固体の均質な溶液の形で含有する濃縮物を添加することによって達成される。典型的な濃度は例えば、ポリアミド79〜95質量%と、ヨウ化銅又は臭化銅又はヨウ化カリウムの混合物21〜5質量%とから成る。固体の均質な溶液における銅の濃度は好ましくは、溶液の全質量に対して0.3〜3質量%、特に0.5〜2質量%であり、ヨウ化銅(I)の、ヨウ化カリウムに対するモル比は、1〜11.5、好適には1〜5である。
濃縮物のための適切なポリアミドは、ホモポリアミドとコポリアミド、特にポリアミド6とポリアミド6.6である。
立体障害性フェノールD)として適しているのは原則的に、立体的な要求が高い基をフェノール環に少なくとも1つ有する、フェノール構造を有するあらゆる化合物である。
好適には例えば、下記式
Figure 2014503022
の化合物が考慮され、上記式中、
1とR2はアルキル基、置換されたアルキル基、又は置換されたトリアゾール基であり、ここで基R1とR2は同一であるか又は異なり、R3はアルキル基、置換されたアルキル基、アルコキシ基、又は置換されたアミノ基である。
上記種類の抗酸化剤は例えば、DE-A 27 02 661(US-A 4 360 617)に記載されている。
好ましい立体障害性フェノールのさらなる群は、置換されたベンゾールカルボン酸、特に置換されたベンゾールプロピオン酸から誘導される。
この種類のうち特に好ましい化合物は、下記式
Figure 2014503022
のものであり、
上記式中、R4、R5、R7、及びR8は相互に独立して、C1〜C8アルキル基であり、これらは一方の側では置換されていてよく(これらのうち少なくとも1つは、立体的に要求度の高い基である)、R6は炭素数が1〜10の二価の脂肪族基であり、当該脂肪族基は、主鎖中にC−O結合を有することもできる。
下記式に相応する化合物が好ましい:
Figure 2014503022
(Irganox(登録商標)245 BASF SE社)
Figure 2014503022
(Irganox(登録商標)259 BASF SE社)
総体的に立体障害性フェノールとして挙げられるのは、以下のものである:
2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]、ペンタエリトリトイル−テトラキス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−フェニル)−プロピオネート]、ジステアリル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、2,6,7−トリオキサ−1−ホスファビシクロ−[2.2.2]オクト−4−イルメチル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル−3,5−ジステアリル−チオトリアジルアミン、2−(2’−ヒドロキシ−3’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2,6−ジ−t−4−ヒドロキシメチルフェノール、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス−(3,5−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゾール、4,4’−メチレン−ビス−(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル−ジメチルアミンである。
特に有効であると実証されており、このため使用が好ましいのは、2,2’−メチレンビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,6−ヘキサンジオール−ビス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(Irganox(登録商標)259)、ペンタエリトリット−テトラキス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、またN,N’−ヘキサメチレン−ビス−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナミド(Irganox(登録商標) 1098)、及び前述のBASE SE社のIrganox(登録商標)245であり、最後のIrganox(登録商標)245が最も適している。
単独でも混合物としても使用できる抗酸化剤D)は、成形材料A)〜D)の全質量に対して0.05〜最大3質量%の量で、好適には0.1〜1.5質量%の量で、特に0.1〜1質量%の量で含有されている。
時には、立体障害性フェノールが、フェノール性ヒドロキシ基に対してオルト位に、1つより多くの立体障害性基を有さないことが有利であると実証されており、それは特に、散乱光における長期間貯蔵における着色安定性を評価する場合である。
本発明による成形材料は成分D)として、0.05〜5質量%、好適には0.1〜2質量%、特に0.25〜1.5質量%、ニグロシンを含有することができる。
ニグロシンとは一般的に、黒色又は灰色の、インドリンに近いフェナジン色素(アジン色素)の一群と理解され、様々な使用態様(水溶性、脂溶性、アルコール溶解性)があり、木綿の着色とプリント、絹の黒色化、皮革、靴墨、ニス、プラスチック、焼き付け塗料、インクなどの着色、また顕微鏡着色剤としても用いられる。
ニグロシンは工業的には、ニトロベンゼン、アニリン、及び塩酸アニリンを、金属の鉄、及びFeCl3とともに加熱することによって得られる(ラテン語で黒を意味する「niger」に由来)。
成分D)は、遊離塩基として、また塩(例えば塩酸塩)として使用できる。
ニグロシンについての詳細は例えば、elektronischen Lexikon Roempp Online, Version 2.8, Thieme-Verlag Stuttgart, 2006, "Nigrosin"の項目から読み取れる。
さらなる通常の添加剤D)は例えば、ゴム状弾性ポリマー(また耐衝撃性改善剤、エラストマー、又はゴムとも呼ばれる)であり、その量は最大25質量%、好適には最大20質量%である。
ここで極めて一般的に、コポリマーとは好ましくは、以下のモノマーのうち少なくとも2種から構成されたものである:エチレン、プロピレン、ブタジエン、イソブテン、イソプレン、クロロプレン、酢酸ビニル、スチレン、アクリロニトリル、及びアルコール成分中に炭素原子を1〜18個有するアクリル酸エステル若しくはメタクリル酸エステルである。
このようなポリマーは例えば、Houben-Weyl, Methoden der organischen Chemie, Bd. 14/1 (Georg-Thieme-Verlag, Stuttgart, 1961) p.392 - 406、及びder Monographie von C.B. Bucknall, "Toughened Plastics" (Applied Science Publishers, London, 1977)に記載されている。
以下にこのようなエラストマーのうち、幾つかの好ましい種類を記す。
このようなエラストマーのうち好ましいのは、いわゆるエチレン−プロピレン(EPM)ゴム、又はエチレンプロピレン−ジエン(EPDM)ゴムである。
EPMゴムは一般的に、実質的に二重結合を有さないが、EPDMゴムは炭素原子100個あたり、二重結合を1〜20個有することができる。
EPDMゴム用のジエンモノマーとしてあげられるのは例えば、共役ジエン、例えばイソプレンとブタジエン、炭素数が5〜25の非共役ジエン、例えばペンタ−1,4−ジエン、ヘキサ−1,4−ジエン、ヘキサ−1,5−ジエン、2,5−ジメチルヘキサ−1,5−ジエン、及びオクタ−1,4−ジエン、環状ジエン、例えばシクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、シクロオクタジエン、及びジシクロペンタジエン、並びにアルケニルノルボルネン、例えば5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−ブタジエン−2−ノルボルネン、2−メタリル−5−ノルボルネン、2−イソプロペニル−5−ノルボルネン、及びトリシクロジエン、例えば3−メチル−トリシクロ(5.2.1.0.2.6)−3,8−デカジエン、又はこれらの混合物である。好ましいのは、ヘキサ−1,5−ジエン、5−エチリデンノルボルネン、及びジシクロペンタジエンである。EPDMゴムのジエン含分は、ゴムの全質量に対して好適には0.5〜50質量%、特に1〜8質量%である。
EPM又はEPDMゴムは好適には、反応性カルボン酸又は反応性カルボン酸の誘導体によってもグラフトされていてよい。ここでは例えば、アクリル酸、メタクリル酸、及びこれらの誘導体、例えばグリシジル(メタ)アクリレート、並びに無水マレイン酸が挙げられる。
好ましいゴムのさらなる群は、エチレンと、アクリル酸及び/又はメタクリル酸及び/又はアクリル酸若しくはメタクリル酸のエステルとのコポリマーである。ゴムはさらに、ジカルボン酸、例えばマレイン酸とフマル酸、又はこれらの酸の誘導体、例えばエステルと無水物、及び/又はエポキシ基含有モノマーを有することもできる。これらのジカルボン酸誘導体又はエポキシ基含有モノマーは好適には、一般式I、又はII、又はIII、又はIVのジカルボン酸基、及び/又はエポキシ基含有モノマーを、モノマー混合物にゴム中で添加することによって構築される:
Figure 2014503022
上記式中、R1〜R9は水素又は炭素数1〜6のアルキル基であり、mは0〜20の整数であり、gは0〜10の整数であり、pは0〜5の整数である。
好適には、R1〜R9は水素であり、ここでmは0又は1であり、gは1である。相応する化合物は、マレイン酸、フマル酸、無水マレイン酸、アリルグリシジルエーテル、及びビニルグリシジルエーテルである。
式I、II、及びIVの好ましい化合物は、マレイン酸、無水マレイン酸、並びにアクリル酸及び/又はメタクリル酸のエポキシ基含有エステル、例えばグリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、及び第三級アルコールとのエステル、例えばt−ブチルアクリレートである。後者は遊離カルボキシ基を有さないものの、その性質的には遊離酸に近いため、潜在的なカルボキシ基を有するモノマーと呼ぶ。
コポリマーは有利には、50〜98質量%がエチレン、0.1〜20質量%がエポキシ基含有モノマー、及び/又はメタクリル酸及び/又は無水酸基含有モノマーから成り、残量は(メタ)アクリル酸エステルである。
特に好ましくは、コポリマーは、
・50〜98質量%、特に55〜95質量%がエチレンであり
・0.1〜40質量%、特に0.3〜20質量%が、グリシジルアクリレート及び/又はグリシジルメタクリレート、(メタ)アクリル酸、及び/又は無水マレイン酸であり、
・1〜45質量%、特に5〜40質量%が、n−ブチルアクリレート、及び/又は2−エチルヘキシルアクリレートである。
アクリル酸及び/又はメタクリル酸の好ましいエステルは、メチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、及びi−ブチルエステル、及び/又はt−ブチルエステルである。
さらに、ビニルエステルとビニルエーテルも、コモノマーとして使用できる。
上述のエチレンコポリマーは、公知の方法によって製造でき、好ましくはランダム重合によって、高温・高圧下で製造可能である。相応する方法は、一般的に公知である。
好ましいエラストマーはまた、エマルションポリマーであり、その製造は例えば、Blackley著、"Emulsion Polymerization"に記載されている。使用する乳化剤と触媒は、それ自体公知である。
基本的には、均質に構成されたエラストマーが使用できるが、シェル構造を有するエラストマーも使用できる。シェル構造は各モノマーの添加順によって決まる:ポリマーの形態も、この添加順に影響される。
ここでエラストマーのゴム部分を製造するためのモノマーとして、代表的に挙げられるのは例えば、n−ブチルアクリレートと2−エチルヘキシルアクリレート、n−ブチルメタクリレートと2−エチルヘキシルメタクリレート、ブタジエン、及びイソプレン、並びにこれらの混合物である。これらのモノマーは、別のモノマー、例えばスチレン、アクリロニトリル、ビニルエーテル、及び別のアクリレート若しくはメタクリレート、例えばメチルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、及びプロピルアクリレートと共重合可能である。
エラストマーのこれらの軟質相又はゴム相(ガラス転移点が0℃未満のもの)は、外部層又は中間シェル(2つより多くの構造を有するエラストマーの場合)を有するコアであり得る。シェルを複数有するエラストマーの場合、これはまた複数のゴム相から成っていてもよい。
ゴム相の他に、1つ又は複数の硬質成分(ガラス転移点が20℃超のもの)が、エラストマーの構築に関与し、このためこれらは一般的にスチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、アクリル酸エステル、及びメタクリル酸エステル、例えばメチルアクリレート、エチルアクリレート、及びメチルメタクリレートを主モノマーとして重合することにより製造される。ここではさらに、別のコモノマーも僅少量で使用できる。
幾つかの場合では、表面に反応性基を有するエマルションポリマーを用いることが有利であると実証されている。このような基は例えば、エポキシ基、カルボキシ基、潜在的なカルボキシ基、アミノ基、又はアミド基、並びに下記一般式
Figure 2014503022
のモノマーを併用することにより導入可能な官能基であり、
前記式中、置換基は以下の意味を有する:
10は、水素、又はC1〜C4アルキル基であり、
11は、水素、C1〜C8アルキル基、又はアリール基、特にフェニル基であり、
12は、水素、C1〜C10アルキル基、又C6〜C12アリール基、又は−OR13であり、
13は、C1〜C8アルキル基、又はC6〜C12アリール基であり、これらの基はO含有基又はN含有基によって任意で置換されていてよく、
Xは、化学結合、C1〜C10アルキレン基又はC6〜C12アリーレン基であるか、又は
Figure 2014503022
であり、
Yは、O−Z、又はNH−Zであり、かつ
Zは、C1〜C10アルキレン基、又はC6〜C12アリーレン基である。
EP-A 208 187に記載されたグラフトモノマーもまた、表面に反応性基を導入するために適している。
さらなる例として挙げられるのは、アクリルアミド、メタクリルアミド、及びアクリル酸若しくはメタクリルル酸の置換エステル、例えば(N−t−ブチルアミノ)−エチルメタクリレート、(N,N−ジメチルアミノ)−エチルアクリレート、(N,N−ジメチルアミノ)メチルアクリレート、及び(N,N−ジエチルアミノ)エチルアクリレートである。
さらに、ゴム相の粒子も架橋されていてよい。架橋剤として作用するモノマーは例えば、ブタ−1,3−ジエン、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、及びジヒドロジシクロペンタジエニルアクリレート、並びにEP-A 50 265に記載された化合物である。
さらにまた、いわゆるグラフト架橋モノマー(graft-linking monomers)が使用できる。これはすなわち、重合の際に異なる速度で反応する重合可能な二重結合を2つ以上有するモノマーである。好適には、少なくとも1つの反応基が、その他のモノマーとほぼ同じ速度で重合する一方、1つ若しくは複数の別の反応基が、例えば明らかにゆっくりと重合する化合物を使用する。様々な重合速度により、不飽和二重結合について特定の割合がゴム内に生じる。このようなゴムに続いて、さらなる相をグラフトさせる場合、ゴム内に存在する二重結合は、少なくとも部分的にグラフトモノマーと反応して化学結合を形成する。すなわちグラフトされた相は、少なくとも部分的に化学結合によってグラフトの基部と結合されている。
このようなグラフト架橋性モノマーの例は、アリル基含有モノマー、特にエチレン性不飽和カルボン酸のアリルエステル、例えばアリルアクリレート、アリルメタクリレート、ジアリルマレエート、ジアリルフマレート、ジアリルイタコネート、又はこれらのジカルボン酸の相応するモノアリル化合物である。これらに加えて、多数のさらなる適切なグラフト架橋性モノマーがあり、ここでそれらの詳細については、例えばUS-PS 4 148 846を指摘しておく。
架橋性モノマーの割合は一般的に、耐衝撃性変性ポリマーに対して最大5質量%、好適には3質量%以下である。
以下、エマルションポリマーのうち好ましいものについて幾つか説明する。ここではまず、コアと、少なくとも1つの外部シェルを有するグラフトポリマーであって、以下の構造を有するものが挙げられる:
Figure 2014503022
複数のシェル構造を有するグラフトポリマーの代わりに、均質な、すなわちシェルが1つのエラストマーであって、ブタ−1,3−ジエン、イソプレン、及びn−ブチルアクリレート、又はこれらのコポリマーから得られるものが使用できる。これらの生成物も、架橋性モノマー、又は反応基を有するモノマーを併用することによって製造できる。
好ましいエマルションポリマーの例は、n−ブチルアクリレート/(メタ)アクリル酸コポリマー、n−ブチルアクリレート/グリシジルアクリレートコポリマー、又はn−ブチルアクリレート/グリシジルメタクリレートコポリマー、n−ブチルアクリレートから得られる、又はブタジエンベースの内部コアと、上記コポリマーから得られる外層を有するグラフトコポリマー、及びエチレンと、反応基をもたらすコモノマーとのコポリマーである。
記載されたエラストマーはまた、別の通常の方法、例えば懸濁重合によって製造できる。
DE-A 37 25 576、EP-A 235 690、DE-A 38 00 603、及びEP-A 319 290に記載されたシリコーンゴムが、同様に好ましい。
もちろんまた、前述の種類のゴムの混合物も使用できる。
成分D)としては、本発明による熱可塑性成形材料は、通常の加工助剤、例えば安定剤、酸化防止剤、熱分解防止剤、紫外線分解防止剤、潤滑剤と離型剤、着色剤、例えば色素と顔料、成核剤、可塑剤、難燃剤などを含有することができる。
酸化防止剤及び熱安定剤の例としては、立体障害性フェノール、及び/又はホスファイト及びアミン(例えばTAD)、ヒドロキノン、芳香族第二級アミン、例えばジフェニルアミン、これらの様々な置換形態、及びこれらの混合物が挙げられ、熱可塑性成形材料の質量に対して最大1質量%の濃度で使用できる。
紫外線安定剤は一般的に、成形材料に対して最大2質量%の量で使用され、様々な置換されたレゾルシン、サリしレート、ベンゾトリアゾール、及びベンゾフェノンが挙げられる。
無機顔料、例えば二酸化チタン、ウルトラマリンブルー、酸化鉄、及びカーボンブラック、さらに有機顔料、例えばフタロシアニン、キナクリドン、ペリレン、並びに色素、例えばアントラキノンを着色剤として添加できる。
成核剤としては、ナトリウムフェニルホスフィネート、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素が使用でき、好適にはタルクを使用する。
本発明による熱可塑性成形材料は、公知の方法で製造することができ、出発成分は通常の混合機、例えばスクリュー式押出機、ブラベンダー型(Brabender)ミル、又はバンバリー型(Banbury)ミルで混合し、引き続き押出成形する。押し出しの後に、押出成形体を冷却し、微細化できる。各成分を事前に混合することもでき、それから残りの出発物質をそれぞれ、及び/又は同様に混合して添加することができる。ここで混合温度は通常、230℃〜320℃である。
さらなる好ましい作業方法では、成分B)、並びに任意でC)及びD)を、プレポリマーと混合し、調製し、顆粒化できる。得られた顆粒は固相で引き続き、不活性ガス下で連続的に又は非連続的に、成分A)の溶融温度を下回る温度で、所望の粘度まで濃縮する。
本発明による長繊維強化ポリアミド成形材料は、長繊維強化されたロッド状顆粒を製造するための公知の方法によって製造でき、特に引抜成形(連続繊維ストランド(ロービング)をポリマー溶融体で完全に含浸し、引き続き冷却し、切断する)によって製造できる。このようにして得られる長繊維強化ロッド状顆粒は、好ましくは顆粒長さが3〜25mm、特に5〜14mmであり、通常の加工方法(例えば射出成形、プレス)によってさらに成形部材に加工することができる。
顆粒の好ましいL/D比は、引抜成形により2〜8、特に3〜4.5である。
特に良好な特性は成形部材の場合、穏やかな加工方法によって達成できる。この関連で「穏やか」とはとりわけ、繊維の過剰な破断と、これに伴う繊維長の激しい減少が充分に回避されることを意味する。これは射出成形の場合、好ましくは大きな径、低圧縮比(特に2未満)、及び大型の形状を有するノズル流路と出口流路を有するスクリューが使用できることを意味する。このためには補足的に、ロッド状顆粒を高温シリンダーで迅速に溶融させ(接触加熱)、この繊維を過剰な剪断負荷によって激しく微細化することに注意する必要がある。この手法を考慮して、本発明による成形部材が得られ、これは短繊維強化された成形材料から製造された同等の成形部材よりも、平均繊維長が長いものである。これにより特性のさらなる改善が得られ、特に引張強度、弾性モジュール、引裂強度、及び耐ノッチ衝撃性が改善される。
成形部材の加工後、例えば射出成形後に、繊維長は通常0.5〜10mm、特に1〜3mmである。
本発明による熱可塑性成形材料は、良好な機械的特性と同時に、良好な加水分解安定性、明らかに改善された表面、並びに熱安定性によって特徴付けられる。
これらは繊維、シート、及びあらゆる種類の成形体の製造に適している。以下に、幾つかの例を挙げる:シリンダーヘッドカバー、バイク用カバー、吸気管、インタークーラーキャップ、プラグコネクタ、ギアホイール、ファン用ホイール、冷却水タンク。
電気/電気領域(E/E-Bereich)において、流動性が改善されたポリアミドによって、プラグ、プラグ部、プラグコネクタ、膜スイッチ、基板モジュール、超小型電子回路部材、コイル、I/Oプラグコネクタ、基板用プラグ(PCB)、可撓性基板用プラグ(FPC)、可撓性集積回路(FFC)、高速プラグコネクタ、ターミナルストリップ、コネクタプラグ、デバイスコネクタ、ケーブルハーネス部材、回路担体、回路担体部材、三次元形状に射出成形された回路担体、電気接合部材、メカトロニクス部材が製造できる。
自動車の内装では、ダッシュボード、ステアリングコラムスイッチ、シート部材、ヘッドレスト、センターコンソール、ギアボックス部材、及びドアモジュールが、自動車の外装では、ドアの握り、サイドミラー部材、フロントガラスワイパー部材、フロントガラスワイパー保護カバー、金網、屋根のレール、サンルーフフレーム、エンジンカバー、シリンダーヘッドカバー、吸気管(特に集合吸気管)、フロントガラスワイパー、並びに外部ボディー部品が可能である。
台所及び日用品分野では、流動性が改善されたポリアミドを用いることによって、台所用具用部材、例えば揚げ鍋、アイロン、突起部が製造でき、また庭仕事やレジャー分野では、例えば灌漑システムのための部材、又は庭用具、及びドアノブが製造できる。
実施例
以下の成分を使用した:
成分A/1
ISO 307に従い、硫酸(96質量%)の0.5質量%溶液中において25℃で測定した粘度数が148ml/gのポリアミド66(BASF SE社のUltramid(登録商標)A27を用いた)。
成分Bの製造
無水マレイン酸、ポリイソブテン、及びビニルトリエトキシシランの重合
ビニルトリエトキシシラン380g、トルエン80ml、市販の反応性ポリイソブテン(Mn=1000、Glisso-pal(登録商標)1000)200g、及び無水マレイン酸200gを、容量500mlの四ツ口フラスコに挿入し、内部温度95℃に加熱した。生成する反応混合物に、導入管を通じて窒素を給送した。トルエン40mlに溶解させたt−ブチルペルオキシベンゾエート4gを、4時間にわたって添加した。反応が経過するにつれて、濁っていたバッチは、油状で透明、均質になった(固体含分:66質量%)。後処理のために、溶剤をロータリーエバポレータで130℃で、500〜8mbarで留去した。所望のターポリマーが115g、粘稠な油の形で得られ、これは直ちに脆い、ガラス状の残渣に硬化したのだが、これは1H−NMRスペクトロスコピーで同定可能であった。
1H-NMR (400 MHz, 16 Scans, CDCI3):無水マレイン酸のシグナル(δ = 7.00 ppm)、またビニルシロキサンの二重結合(δ = 6.13 ppm、6.02 ppm、及び5.90 ppm)とポリイソブテン(δ = 5.16 ppm、4.84 ppm、及び4.64 ppm)についてのシグナルは消えた。さらに、エトキシ官能基(δ = 3.84 ppm、及び1.24 ppm)とポリイソブテン(δ = 1.42 ppm、1.11 ppm、及び0.99 ppm)についてのシグナルは存在していた。新たに現れたのは、新たなポリマー鎖に属する幅広いシグナルである(δ = 3.4 ppm〜2.4 ppm: CH2-CH-CO; δ = 2.2 ppm〜1.5ppm:CH 2 -CH-CO)。
・成分C
ガラス繊維
・成分D/1
ステアリン酸カルシウム
・成分D/2
Cu/KJは、1:4の比(PA6中で20質量%のバッチ)
・成分D/3
ニグロシンを有する、40質量%のPA6マスターバッチ。
これらの成形材料をZSk30により、処理量25kg/h、約280℃で平坦な温度プロフィールで製造した。
以下の測定を行った:
引張試験はISO 527に従い、機械的な特性値は130℃で、水とGlysantin(登録商標)G48の混合物(50:50)中での加水分解貯蔵の前と後に測定した。
VZ:c=96%の硫酸中で5g/l、ISO 307による。
成形材料の組成と、測定結果は、下記の表にまとめてある。
Figure 2014503022
Figure 2014503022

Claims (10)

  1. 以下のA)〜D):
    A)熱可塑性ポリアミドを10〜99.9質量%、
    B)ターポリマーを0.1〜20質量%、
    当該ターポリマーは、
    (B1)少なくとも1種の電子欠損性オレフィン1〜70質量%と、
    (B2)オレフィン二重結合のところに水素原子及び/又は炭素原子のみを、電子求引性置換基なしで有する少なくとも1種のオレフィン0〜85質量%と、
    (B3)少なくとも1種のアルコキシビニルシラン1〜99質量%
    との共重合によって得られるものであり、
    C)繊維状若しくは粒子状の充填剤、又は当該充填剤の混合物0〜50質量%、
    D)さらなる添加剤0〜50質量%
    ここで、前記成分A)〜D)の質量%の合計は100%である、
    を含有する熱可塑性成形材料。
  2. 前記A)を20〜98質量%、
    前記B)を0.1〜10質量%、
    前記C)を1〜40質量%、
    前記D)を0〜40質量%
    含有する、請求項1に記載の熱可塑性成形材料。
  3. 前記成分B)が、前記成分(B1)としての少なくとも1種のオレフィンから得られるものであり、当該オレフィンが、−CO−、−CN、−NO2、及び−SO2の基から選択される電子求引性置換基を少なくとも1つ、そのオレフィン二重結合のところに有する、請求項1又は2に記載の熱可塑性成形材料。
  4. 前記成分B)が、前記成分(B1)としての、モノエチレン性不飽和C4〜C6ジカルボン酸の少なくとも1種の無水物から得られるものである、請求項1から3までのいずれか1項に記載の熱可塑性成形材料。
  5. 前記B)が、前記成分(B2)としての、数平均分子量Mnが100〜500,000のイソブテンホモポリマー又はイソブテンコポリマーから得られるものである、請求項1から4までのいずれか1項に記載の熱可塑性成形材料。
  6. 前記B)が、前記成分(B3)としての、下記一般式Iの化合物
    Figure 2014503022
    少なくとも1種から得られるものであり、
    前記式中、mは0、1、又は2であり、R1、R2、R3、R4、及びR5は同一か又は異なっており、C1〜C20アルキル基、C5〜C20シクロアルキル基、C6〜C20アリール基、又はC7〜C20アラルキル基であり、ここでR1、R2、R3、及びR4はまた、水素であってもよい、請求項1から5までのいずれか1項に記載の熱可塑性成形材料。
  7. 前記B)が、前記成分(B3)としての、下記一般式Iaのトリアルコキシビニルシラン
    Figure 2014503022
    少なくとも1種から得られるものであり、
    前記式中、3つのアルコキシ基はすべて同じであり、かつR5は前述の意味を有する、請求項1から6までのいずれか1項に記載の熱可塑性成形材料。
  8. 前記B)が、以下の(B1)〜(B3):
    (B1)モノエチレン性不飽和C4〜C6ジカルボン酸の無水物少なくとも1種、5〜60質量%、
    (B2)数平均分子量Mnが100〜500,000のイソブテンホモポリマー又はイソブテンコポリマー、0〜80質量%、
    (B3)少なくとも1種のアルコキシビニルシラン、5〜60質量%、
    の共重合により得られ、
    前記成分B1)、B2)、及びB3)の質量%の合計が100%である、請求項1から7までのいずれか1項に記載の熱可塑性成形材料。
  9. 請求項1から8までのいずれか1項に記載の熱可塑性成形材料の使用であって、繊維、シート、及びあらゆる種類の成形体を製造するために用いる使用。
  10. 請求項1から8までのいずれか1項に記載の熱可塑性成形材料から得られる、繊維、シート、及びあらゆる種類の成形体。
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