JP2014233259A - エクオール以外のイソフラボン類の含有量が低いエクオール含有組成物 - Google Patents

エクオール以外のイソフラボン類の含有量が低いエクオール含有組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】エクオール以外のイソフラボン類の代謝産物の含有量が非常に少ないエクオール含有組成物の提供を課題とする。
【解決手段】エクオール産生微生物によりエクオールを産生させた培養物(発酵液)にデキストリン類を接触させることにより、エクオールが特異的に溶解する一方、エクオール以外のイソフラボン類およびそれらの代謝産物は溶解しないことがわかった。これにより、エクオールとエクオール以外のイソフラボン類の代謝産物を容易に分離することができ、エクオール以外のイソフラボン類の代謝産物の含有量が非常に少ないエクオール含有組成物を取得することが可能になった。またエクオール産生微生物の培養物(発酵液)からエクオールを容易に精製することが可能になった。
【選択図】なし

Description

本発明は、エクオール以外のイソフラボン類およびそれらの代謝産物の含有量が低いエクオール含有組成物および当該組成物の製造方法に関する。また本発明は、デキストリン類を用いるエクオールの精製方法に関する。
大豆、葛などのマメ科の植物に多く含まれているイソフラボン類はポリフェノールの分類のひとつであり、イソフラボンを基本骨格とするフラボノイドである。近年の調査により、イソフラボン類は女性ホルモン作用(エストロゲン作用)や抗酸化作用を有し、イソフラボン類を摂取することにより、乳癌、前立腺癌、骨粗しょう症、高コレステロール血症、心疾患、更年期障害などに対して予防効果があることが明らかとなっている(非特許文献1〜6)。
イソフラボン類は、たとえば大豆内では、糖と共有結合した配糖体の形、ダイジン(daidzin)、グリシチン(glycitn)、ゲニスチン(genistin)として存在しており、アグリコンの形ではごく少量存在しているのみである。これら配糖体はさらにマロニル化、アセチル化されているものも存在している。これらの配糖体は、ヒトや動物の体内に入ると消化酵素又は腸内細菌の産生する酵素であるβグルコシダーゼ等の働きにより、それぞれダイゼイン(daidzein)、グリシテイン(glycitein)、ゲニステイン(genistein)となる。さらに、ダイゼインは腸内細菌の働きにより、ジヒドロダイゼイン(dihydrodaidzein)を経て、O-デスメチルアンゴレンシン(O-desmethylangolensin:O-DMA)又はエクオール(equol)へと酵素的に変換されることが知られている。
エクオールは、これらの代謝産物の中で最もエストロゲン活性が高いことが知られている(非特許文献7及び8)。しかしながらヒトの場合、イソフラボンの代謝には個人差があり、上記のようにダイゼインを発酵させてエクオールを産生する能力を有する腸内細菌を保有する人は少ない。当該腸内細菌の保有率は日本人で約5割、欧米人で約3割程度であることが明らかとなっている(非特許文献9及び10)。そのため、エクオール産生菌を保有しない人は、大豆等のマメ科食物を摂取してもエクオールを体内で産生することができないという問題点が存在していた。
これらの課題を克服するために、近年、乳酸菌等の嫌気性微生物を用いて体外的にエクオールを産生させる試みがなされている(特許文献1及び2)。しかしながら、エクオールを高い含有量で含む組成物を微生物の培養物から効果的・実用的に精製する方法は明らかとなっていなかった。微生物を用いてエクオールを産生させる場合、培養物中にエクオール以外のイソフラボン類およびそれらの代謝産物の混入が避けられず、これらをより効率的に除去する精製方法の確立が求められていた。
WO2007/066655 特開2012−135218
Adlercreutz, H., The Lancet Oncol., 3, 364-373 (2002) Duncan, A. M. et al., Best Pract. Res. Clin. Endocrinol. Metab., 17, 253-271 (2003) Wu, A. H. et al., Carcinogenesis, 23, 1491-1496 (2002) Yamamoto, S. et al., J. Natl. Cancer Inst., 95,906-913 (2003) Onozawa, M. et al., Jpn. J. Cancer Res., 90, 393-398 (1999) Ridges, L. et al., Asia Pac. J. Clin. Nutr., 10, 204-211 (2001) Schmitt, E. et al., Toxicol. In Vitro, 15, 433-439 (2001) Sathyamoorthy, N. and Wang, T. T., Eur. J. Cancer, 33, 2384-2389 (1997) Arai, Y. et al., J. Epidemiol., 10, 127-135 (2000) Setchell, K. D. et al., J. Nutr., 133, 1027-1035 (2003)
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、その目的はエクオール以外のイソフラボン類およびそれらの代謝産物の含有量が非常に少ないエクオール含有組成物やその製造方法、並びにエクオールの精製方法を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を行った。すなわち本発明者は、嫌気性微生物の一例としてコーリオバクテリアセアエ(Coriobacteriaceae)科に分類される菌を用い、イソフラボン発酵代謝産物の一例であるエクオールを産生し、エクオールの精製における好適な条件の検討を行った。
具体的には、アサッカロバクター・セラツス(Asaccharobacter celatus)DSM 18785を、複数種類の混合ガスからなる気相存在下で培養し、イソフラボン類をエクオールへ発酵させた。そして、得られた培養物(発酵液)からエクオールの好適な精製条件の検討を行った。
その結果、エクオール産生微生物の培養物(発酵液)をβ‐シクロデキストリンと接触させることによりエクオールのみを特異的に溶解させることができ、エクオール以外のイソフラボン類およびそれらの代謝産物の含有量が非常に少ないエクオール含有組成物が得られることを見出した。
即ち本発明者は、微生物学的手法により製造されるエクオールを含む液から効果的にエクオールのみを精製する方法の確立に成功し、これにより本発明を完成するに至った。
本発明は、より具体的には以下の〔1〕から〔19〕を提供するものである。
〔1〕イソフラボン類を原料として嫌気性微生物を用いて調製されるエクオール含有組成物であって、エクオールに対するエクオール以外のイソフラボン類およびそれらの代謝産物の重量比が0.1以下である、エクオール含有組成物。
〔2〕エクオールに対するエクオール以外のイソフラボン類およびそれらの代謝産物の重量比が0.05以下である、〔1〕記載のエクオール含有組成物。
〔3〕エクオール含量が2%以上である、〔1〕または〔2〕に記載のエクオール含有組成物。
〔4〕イソフラボン類を原料として微生物を用いて調製されるエクオール含有組成物が少なくとも以下の工程を含む方法によって製造される、〔1〕から〔3〕のいずれかに記載のエクオール含有組成物;
(a)イソフラボン類を含む培地で嫌気性微生物を培養することによって製造されるエクオールおよびデキストリン類を含む液を調製する工程、
(b)工程(a)において得られる液からエクオール以外のイソフラボン類およびそれらの代謝産物を分離して液相のエクオールを回収する工程。
〔5〕工程(b)の前に工程(a)において得られる液と酸性溶液を混合する工程をさらに含む、〔4〕に記載のエクオール含有組成物。
〔6〕イソフラボン類を原料として微生物を用いて調製されるエクオール含有組成物が少なくとも以下の工程を含む方法によって製造される、〔1〕から〔3〕のいずれかに記載のエクオール含有組成物;
(a)イソフラボン類を含む培地で嫌気性微生物を培養することによって製造されるエクオールを含む液と酸性溶液を接触させる工程、
(b)工程(a)において得られる液とデキストリン類を接触させる工程、および
(c)工程(b)において得られる液からエクオール以外のイソフラボン類およびそれらの代謝産物を分離して液相のエクオールを回収する工程。
〔7〕酸性溶液のpHが6.0以下である、〔5〕または〔6〕に記載のエクオール含有組成物。
〔8〕デキストリン類がβシクロデキストリン、βシクロデキストリン誘導体及びγシクロデキストリンからなる群より選択される、〔4〕から〔7〕のいずれかに記載のエクオール含有組成物。
〔9〕嫌気性微生物がアサッカロバクター・セラツス(Asaccharobacter celatus)、あるいはアドレクロウチア・エクオリファシエンス(Adlercreutzia equolifaciens)である、〔1〕から〔8〕のいずれかに記載のエクオール含有組成物。
〔10〕以下の工程を含む、エクオールの製造方法;
(a)イソフラボン類を含む培地で嫌気性微生物を培養することによって製造されるエクオールおよびデキストリン類を含む液を調製する工程、
(b)工程(a)において得られる液からエクオール以外のイソフラボン類およびそれらの代謝産物を分離して液相のエクオールを回収する工程。
〔11〕前記(b)工程の前に、工程(a)において得られる液と酸性溶液を混合する工程をさらに含む、〔10〕の製造方法。
〔12〕以下の工程を含む、エクオールの製造方法;
(a)イソフラボン類を含む培地で嫌気性微生物を培養することによって製造されるエクオールを含む液と酸性溶液を混合する工程、
(b)工程(a)において得られる液とデキストリン類を接触させる工程、および
(c)工程(b)において得られる液からエクオール以外のイソフラボン類およびそれらの代謝産物を分離して液相のエクオールを回収する工程。
〔13〕酸性溶液のpHが6.0以下である、〔11〕または〔12〕に記載の製造方法。
〔14〕デキストリン類がβシクロデキストリン、βシクロデキストリン誘導体及びγシクロデキストリンからなる群より選択される、〔10〕から〔13〕のいずれかに記載の製造方法。
〔15〕嫌気性微生物がアサッカロバクター・セラツス(Asaccharobacter celatus)、あるいはアドレクロウチア・エクオリファシエンス(Adlercreutzia equolifaciens)である、〔10〕から〔14〕のいずれかに記載の製造方法。
〔16〕〔10〕から〔15〕のいずれかに記載の方法によって得られるエクオール。
〔17〕〔1〕から〔9〕のいずれかに記載のエクオール含有組成物もしくは〔16〕記載のエクオールを含む食品もしくは食品添加物。
〔18〕〔1〕から〔9〕のいずれかに記載のエクオール含有組成物もしくは〔16〕記載のエクオールを含む化粧品。
〔19〕〔1〕から〔9〕のいずれかに記載のエクオール含有組成物もしくは〔16〕記載のエクオールを含む医薬品。
イソフラボン類とともに嫌気性微生物を培養することによりエクオールを高い含有量で含む培養物(発酵液)が製造されることは、本発明者らによりすでに開示されている(WO2012/033150)。しかし当該培養物(発酵液)にはエクオールの他にも未反応のイソフラボン類、およびイソフラボン類の代謝産物が含まれていた。したがって、微生物学的に製造されるエクオール含有発酵液から未反応のイソフラボン類およびそれらの代謝産物を取り除き、エクオールを高い比率で含む組成物を得る方法の確立が求められていた。
本発明によって、微生物学的手法により製造されるエクオールを含む液から未反応のイソフラボン類およびそれらの代謝産物を取り除き、エクオールを高い比率で含む組成物を得る方法が実現した。本発明の方法により得られるエクオール含有組成物は、飲食品又は医薬品等としてそのまま摂取することにより、乳癌、前立腺癌、骨粗しょう症、高コレステロール血症、心疾患、更年期障害等の予防に有用である。特に、不純物を含まないあるいは不純物の量が少ない精製度の高いエクオールが得られれば、より少量の摂取によりエクオール本来の高い効果を期待することができる。
本発明は、エクオール以外のイソフラボン類およびそれらの代謝産物の含有量が低い(少ない)エクオール含有組成物に関する。このような組成物は、エクオールを含む液にデキストリン類を接触させることによって製造することができる。
エクオールを含む液は、当業者に公知の手法を用いて調製することができる。本発明においては、有機合成反応によるエクオール合成法によりエクオールを含む液を調製することも、イソフラボン類を原料として微生物を用いて調製することもできるが、後者が好ましい。したがって本発明は、特に、イソフラボン類を原料として微生物を用いて調製されるエクオールを含む液にデキストリンを接触させる工程を含む方法によって製造させるエクオール含有組成物であって、エクオール以外のイソフラボン類およびそれらの代謝産物の含有量が低い(少ない)エクオール含有組成物に関する。
このような組成物は、より具体的には、少なくとも以下の工程を含む方法によって製造することができる。
(a)イソフラボン類を含む培地で嫌気性微生物を培養することによって製造されるエクオールおよびデキストリン類を含む液を調製する工程、
(b)工程(a)において得られる液からエクオール以外のイソフラボン類およびそれらの代謝産物を分離して液相のエクオールを回収する工程。
本発明においては、工程(b)の前に、工程(a)において得られる液と酸性溶液を混合する工程をさらに含むことができる。
あるいは、本発明の組成物は少なくとも以下の工程を含む方法によって製造することもできる。
(a)イソフラボン類を含む培地で嫌気性微生物を培養することによって製造されるエクオールを含む液と酸性溶液を混合する工程、
(b)工程(a)において得られる液とデキストリン類を接触させる工程、および
(c)工程(b)において得られる液からエクオール以外のイソフラボン類およびそれらの代謝産物を分離して液相のエクオールを回収する工程。
本発明において「エクオール含有組成物」は、「エクオール製品」又は「エクオール」と表現することもできる。本発明において製品とは、原料を生成物に変換する結果得られる産物をいう。
また本発明は、エクオール以外のイソフラボン類およびそれらの代謝産物の含有量が低い(少ない)エクオール含有組成物の製造方法に関する。本発明の製造方法は、エクオールを含む液とデキストリン類を接触させる工程を含む。
特に本発明は、イソフラボン類を原料として微生物を用いて調製されるエクオール含有組成物であって、エクオール以外のイソフラボン類およびそれらの代謝産物の含有量が低い(少ない)エクオール含有組成物の製造方法に関する。本発明のエクオール含有組成物の製造方法は、より具体的には、少なくとも以下の工程を含む。
(a)イソフラボン類を含む培地で嫌気性微生物を培養することによって製造されるエクオールおよびデキストリン類を含む液を調製する工程、
(b)工程(a)において得られる液からエクオール以外のイソフラボン類およびそれらの代謝産物を分離して液相のエクオールを回収する工程。
本発明においては、工程(b)の前に、工程(a)において得られる液と酸性溶液を混合する工程をさらに含むことができる。
あるいは、本発明のエクオール含有組成物の製造方法は少なくとも以下の工程を含むものとすることができる。
(a)イソフラボン類を含む培地で嫌気性微生物を培養することによって製造されるエクオールを含む液と酸性溶液を混合する工程、
(b)工程(a)において得られる液とデキストリン類を接触させる工程、および
(c)工程(b)において得られる液からエクオール以外のイソフラボン類およびそれらの代謝産物を分離して液相のエクオールを回収する工程。
さらに本発明は、エクオールの精製方法や当該方法によって得られるエクオールに関する。本発明のエクオールの精製方法により、エクオールを含む液からエクオール以外のイソフラボン類およびそれらの代謝産物を取り除くことができる。これにより、エクオール以外のイソフラボン類およびそれらの代謝産物の含有量が低い(少ない)エクオール含有組成物が得られる。エクオールを含む液は微生物学的な手法によって製造されるものであることが好ましいが、化学的合成法によって得られるものであってもよい。本発明の精製方法は、より具体的には少なくとも以下の工程を含む。
(a)イソフラボン類を含む培地で嫌気性微生物を培養することによって製造されるエクオールおよびデキストリン類を含む液を調製する工程、及び
(b)工程(a)において得られる液からエクオール以外のイソフラボン類およびそれらの代謝産物を分離して液相のエクオールを回収する工程。
本発明においては、工程(b)の前に、工程(a)において得られる液と酸性溶液を混合する工程をさらに含むことができる。
あるいは、本発明の精製方法は少なくとも以下の工程を含むものであってもよい。
(a)イソフラボン類を含む培地で嫌気性微生物を培養することによって製造されるエクオールを含む液と酸性溶液を混合する工程、
(b)工程(a)において得られる液とデキストリン類を接触させる工程、および
(c)工程(b)において得られる液からエクオール以外のイソフラボン類およびそれらの代謝産物を分離して液相のエクオールを回収する工程。
本発明において、「イソフラボン類を含む培地で嫌気性微生物を培養することによって製造されるエクオールおよびデキストリン類を含む液」は、イソフラボン類を含む培地で嫌気性微生物を培養することによって製造されるエクオールを含む液とデキストリン類を接触させることによって取得することができる。例えば、エクオールを含む液にデキストリン類を添加することができる。またデキストリンを含む液にエクオールを含む液を添加することもできる。あるいは、エクオールを含む液とデキストリン類を同じ容器に移すこともできるがこれらに限定されない。
さらに、イソフラボン類を含む培地にデキストリン類を添加し、イソフラボン類とデキストリン類を含む培地で嫌気性微生物を培養することによって得られる培養物を、「イソフラボン類を含む培地で嫌気性微生物を培養することによって製造されるエクオールおよびデキストリン類を含む液」とすることができる。あるいは、嫌気性微生物の培養の途中でイソフラボン類を含む培地にデキストリン類を添加し、嫌気性微生物の培養を継続することによって得られる培養物を、「イソフラボン類を含む培地で嫌気性微生物を培養することによって製造されるエクオールおよびデキストリン類を含む液」とすることもできる。
デキストリン類は固形状のものであっても、溶媒中に溶解したものであってもよい。デキストリン類の量は、例えば0.1〜20重量%、好ましくは0.5〜15重量%、より好ましくは1〜10重量%とすることができるがこれらに限定されない。
本発明においては、「接触」を「混合」、「添加」などと言い換えることもできる。
エクオールを含む液とデキストリン類を混合すると、エクオールは溶解する一方、エクオール以外のイソフラボン類およびそれらの代謝産物はほとんど溶解しない。したがって、ろ過、遠心分離など当業者に周知の固液分離技術により容易にエクオールとエクオール以外のイソフラボン類およびそれらの代謝産物を分離し、液相中のエクオールを回収することができる。あるいは、沈殿物を除去してエクオールを回収することができる。
液相のエクオールは公知の手段を使ってさらに精製することもできる。そのままスプレードライなどの温風乾燥、あるいは凍結乾燥することもできる。また、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトンなどの有機溶媒で抽出することもできる。あるいは三菱化学製HP20などのスチレン-ジビニルベンゼン系の吸着樹脂により吸脱着して精製することもできる。
このように分離されるエクオール以外のイソフラボン類およびそれらの代謝産物の含有量が低いエクオール含有組成物は、エクオールが本来有する活性(更年期障害(更年期不定愁訴、骨粗繋症、高脂血症)、骨粗繋症、前立腺肥大、メタボリックシンドローム等の疾患や症状の予防及び/又は改善する活性)を高い効果で発揮することが期待される。
本発明において、「イソフラボン類を含む培地で嫌気性微生物を培養することによって製造されるエクオールを含む液」は、「イソフラボン類を原料として微生物を用いて調製されるエクオールを含む液」、「エクオール産生微生物の培養物」、「エクオール産生微生物の発酵液」、「エクオールを含む培養液」、「エクオールを含む液」などと言い換えることもできる。
また「イソフラボン類を含む培地で嫌気性微生物を培養することによって製造されるエクオールおよびデキストリン類を含む液」は、「エクオールおよびデキストリン類を含む培養液」、「エクオールおよびデキストリン類を含む液」などと言い換えることもできる。
本発明の方法において、デキストリン類は特に限定されるものではないが、β−シクロデキストリン(シクロヘプタミロード)、β−シクロデキストリン誘導体またはγ−シクロデキストリンなどを例示することができる。β−シクロデキストリン誘導体としては以下のものを例示することができるがこれらに限定されない。
・グルコシル−β−シクロデキストリン(6−O−α−D−Glucosy−β−cyclodextrin)
・マルトシル−β−シクロデキストリン(6−O−α−D−Maltosy−β−cyclodextrin)
・ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン(Hydroxypropy−β−cyclodextrin)
・メチル−β−シクロデキストリン(Methyl−β−cyclodextrin)
・ポリ−β−シクロデキストリン(Poly−β−cyclodextrin)
培地中へのデキストリンの添加量は、例えば培地中のイソフラボン類の0.5モル〜5モル倍、好ましくは1.0モル〜3モル倍とすることができるがこれらに限定されない。
このような工程を含む方法によって得られる組成物は、エクオールに対するエクオール以外のイソフラボン類およびそれらの代謝産物の重量比が極めて小さい。重量比は特に限定されるものではないが、例えば、0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.2から選択される2点を下限(〜以上、又は、〜より高い)及び上限(〜以下、又は、〜より低い)とする範囲により特定される範囲にあることが好ましい。本発明においては、例えば0.2以下、好ましくは0.01以上0.2以下、より好ましくは0.01以上0.1以下、特に好ましくは0.01以上0.05以下の重量比を挙げることができるがこれらに限定されない。
エクオールやエクオール以外のイソフラボン類およびそれらの代謝産物の定量方法は後述した。
本発明においてエクオール以外のイソフラボン類およびその代謝産物とは、嫌気性微生物が原料であるイソフラボン類を代謝することによって産生される物質をいう。このような物質の例として、
ダイジン、マロニルダイジン、アセチルダイジン、ダイゼイン、ジヒドロダイゼイン等のダイゼイン類、
ゲニスチン、マロニルゲニスチン、アセチルゲニスチン、ゲニステイン、ジヒドロゲニステイン等のゲニステイン類、
グリシチン、マロニルグリシチン、アセチルグリシチン、グリシティン、ジヒドログリシティン等のグリシティン類
プエラリン、ビオカニンA
などが挙げられるがこれらに限定されない。
本発明のエクオール含有組成物は、エクオールを高い含有量で含む。本発明のエクオール含有組成物は、例えば1%以上、好ましくは2%以上、より好ましくは3%以上、さらに好ましくは5%以上の割合でエクオールを含有するものである。
本発明におけるエクオール含量は、エクオールを含む液を加熱、噴霧あるいは凍結乾燥などの手段で乾燥した後の乾燥物中におけるエクオールの重量パーセントを指す。
本発明においては、イソフラボン類を原料として微生物を用いて調製されるエクオールとイソフラボン類を含む液と酸性溶液を混合する工程をさらに含むことが好ましい。あるいは、イソフラボン類を原料として微生物を用いて調製されるエクオールを含む液と酸性溶液を混合し、得られる混合液とイソフラボン類を接触させることもできる。このような工程を含むことにより、さらに効果的にエクオールとエクオール以外のイソフラボン類およびそれらの代謝産物を分離することができる。
本発明において酸性溶液とは、水素イオン濃度が水酸化物イオン濃度よりも大きい溶液をいう。あるいは、このような溶液はpHが7.0未満の溶液と言い換えることもできる。本発明の酸性溶液は、エクオール産生微生物の培養物からエクオール以外のイソフラボン類の代謝産物を取り除くことが可能な限り特に限定されるものではないが、例えば、1.0、1.5、2.0、2.5、3.0、3.5、4.0、4.5、5.0、5.5、6.0、6.5から選択される2点を下限(〜以上、又は、〜より高い)及び上限(〜以下、又は、〜より低い)とする範囲により特定されるpHの範囲にあることが好ましい。本発明においては、pH6.0以下(例えばpH6.0)を好ましい例として、pH5.0以下(例えばpH5.0)をさらに好ましい例として挙げることができるがこれらに限定されない。溶液のpHは市販のpHメーターを使用して測定することができる。
このような酸性溶液は、公知の酸を使用して調製することが出来る。酸としては、無機酸やカルボン酸などを例示することができるがこれらに限定されない。
無機酸としては、
・塩化水素(塩酸)、臭化水素(臭化水素酸)などのハロゲン化水素
・硫酸
・硝酸
・リン酸
などを例示することができるがこれらに限定されない。
カルボン酸としては
・酢酸
・クエン酸
・ギ酸
・グルコン酸
・乳酸
・シュウ酸
・酒石酸
などを例示することができるがこれらに限定されない。
本発明において酸性溶液の混合方法は特に限定されるものではないが、例えば、エクオールおよびデキストリン類を含む液またはエクオールを含む液に酸性溶液を添加することができる。また酸性溶液にエクオールおよびデキストリン類を含む液またはエクオールを含む液を添加することもできる。あるいは、エクオールおよびデキストリン類を含む液またはエクオールを含む液と酸性溶液を同じ容器に移すこともできるがこれらに限定されない。「混合」は「接触」、「添加」と言い換えることもできる。
本発明においては、エクオールおよびデキストリン類を含む液と酸性溶液の混合物、またはエクオールを含む液と酸性溶液の混合物を、数十秒から十数分間、高温で加熱処理することが好ましい。例えば、10秒から10分間、好ましくは20秒から10分間、特に好ましくは1〜2分間、80℃〜120℃、好ましくは90℃〜130℃、より好ましくは100〜130℃、特に好ましくは121℃の温度で加熱処理することができるがこれらに限定されない。
本発明においては、エクオールを含む液は微生物学的な手法によって製造することができるほか、当業者に周知の有機合成手法により製造することもできる。微生物学的な手法としては、イソフラボン類を含む培地で嫌気性微生物を培養することによって製造する方法が挙げられる。以下、イソフラボン類を含む培地で嫌気性微生物を培養することによって製造されるエクオールを含む液について詳細に説明する。
本発明のイソフラボン類は、主に大豆、クズ、レッドクローバー、カンゾウなどのマメ科から得ることできる。本発明におけるイソフラボン類は、アグリコンやその配糖体、マロニル化及びアセチル化等の任意のこれらの誘導体を含む。
アグリコンの例として、ダイゼイン、6-ヒドロキシダイゼイン、ジヒドロキシダイゼイン、ゲニステイン、グリシテイン、ビオカニンA、フォルモネチン、及びクメストロールなどを挙げることができるがこれらに限定されない。
また配糖体の例として、ゲニスチン、グリシチン、ダイジン、プエラリンなどを挙げることができるがこれらに限定されない。
イソフラボン類はそのままでも、β-グルコシダーゼ等の酵素あるいは微生物を作用させ、イソフラボンアグリコンに変換したものでも使用することができる。イソフラボンアグリコンは、例えば、大豆胚芽に麹菌を加え発酵させ、得られた発酵大豆胚芽から抽出することによって得ることができる。
本発明においては、培地に含まれるイソフラボン類は必ずしも精製された純品である必要はない。培地から回収されるエクオールの使用目的や用途などに応じて、イソフラボン類の種類、形態、精製度等を任意に選択することができる。
例えば、化粧品向けのエクオールを製造する場合には、例えば、大豆や葛等から天然抽出し、精製された高純度品であるイソブラボン類(例えば、ダイゼイン)を使用することが好ましいが、有機合成法により合成されたものでも使用できる。
一方、食品向けのエクオールを製造する場合には、例えば、大豆や葛等から天然抽出した高精製品であって、イソフラボンアグリコン(例えば、ダイゼイン)を使用することが好ましい。
更に、飼料向けのエクオールを製造する場合には、安価に製造することが重要であるために、イソフラボン類として、例えば大豆胚軸等を使用することが好ましい。
市販されているイソフラボン類としては、例えば、タマ生化学社製イソフラボン80、イソフラボン40、フジッコ社製イソフラボンP40、P10などを用いることができるがこれらに限定されない。更に、イソフラボンアグリコンとして例えば「AglyMaX-30」 (ニチモウバイオテックス社製)、イソフラボンアグリコン(キッコーマン社製)などを用いることができるがこれに限定されない。
培養するイソフラボン類の量や濃度は特に限定されない。培養液の量や製造しようとするエクオールの量に応じて適宜設定することができる。
本発明においては、上述のイソフラボン類を含む培地において、嫌気性微生物を培養する。本発明においてエクオールの製造に用いられる嫌気性微生物は、37℃付近(例えば30〜42℃)の温度でエクオールの生産能を有する嫌気性微生物である限り特に限定されないが、コーリオバクテリアセアエ(Coriobacteriaceae)科に分類される菌、ストレプトコッカセアエ(Streptococcaceae)科に分類される菌又はこれらの類縁菌を、エクオールの生産能を有するものとして例示することができる。
また、以下の群から選択される属に分類される微生物をエクオールの生産能を有するものとして例示することができる。
・コーリオバクテリウム(Coriobacterium)属
・アドレクラウチア(Adlercreutzia)属
・アサッカロバクター(Asaccharobacter)属
・アトポビウム(Atopobium)属
・コリンゼラ(Collinsella)属
・クリプトバクテリウム(Cryptobacterium)属
・デニトロバクテリウム(Denitrobacterium)属
・エガセラ(Eggerthella)属
・エンテロハブダス(Enterorhabdus)属
・ゴードニバクター(Gordonibacter)属
・オルセネラ(Olsenella)属
・パラエゲセエラ(Paraeggerthella)属
・スラッキア(Slackia)属
・ラクトコッカス(Lactococcus)属
したがって、これらの属に分類された微生物から選択され、イソフラボン類を利用して嫌気発酵によってエクオールを生成する微生物は、本発明における好ましい微生物である。中でも、アサッカロバクター(Asaccharobacter)属に属する微生物は、本発明におけるエクオールの産生能を有する微生物として好ましい。微生物がエクオールを生成することは、培養物中のダイゼイン、ジヒドロダイゼイン、エクオールなどを定量することにより確認することができる。これらの定量は、当業者であれば、例えばWO2012/033150、特開2012-135217、特開2012-135218、特開2012-135219などの記載に基づき行うことができる。これらの定量方法の一例を以下に示す。
例えば、培養液に酢酸エチルを加えて、激しく攪拌した後遠心し、酢酸エチル層を取り出す。必要に応じて同培養液に同様の操作を数回行い、それら酢酸エチル層を合わせてエクオール抽出液を得ることができる。この抽出液をエバポレーターで減圧下に濃縮、乾固し、メタノールに溶解させる。これをポリテトラフルオロエチレン(PTFE)膜などの膜を使用して濾過し、不溶物を除去したものを高速液体クロマトグラフィー測定サンプルとすることができる。高速液体クロマトグラフィーの条件は例えば以下のものを例示することができるがこれに限定されない。
[高速液体クロマトグラフィー条件]
カラム:Phenomenox Luna 5uC18、2.0mm×150mm(島津ジーエルシー)
移動相:水/メタノール[55:45,v/v]
流速:0.2mL/min
カラム温度:40℃
検出:UV280nm
保持時間:ジヒドロダイゼインが13.8分、ダイゼインが19.6分、グリシテインが22.5分、エクオールが25.6分、ゲニステインが35.0分。
より具体的には、たとえば以下の微生物を、本発明におけるエクオールの産生能を有する微生物として利用することができる。
・Adlercreutzia equolifaciens DSM 19450
・Enterorhabdus mucosicola DSM 19490
・Slackia isoflavoniconvertens HE8(DSM 22006)
・Slackia sp. TM-30 FERM AP-20729号
・Slackia equolifaciens DSM 24851
・Eggerthella sp. KCCM-10490
・Asaccharobacter celatus DSM 18785
・Lactococcus garvieae DSM 6783
特に以下に記載する微生物のいずれか又はこれらの菌と同様の種としての性質を有する類縁の菌をより好ましい嫌気性微生物として挙げることができる。
・アサッカロバクター・セラツス(Asaccharobacter celatus)DSM 18785株
・アドレクラウチア・エクオーリファシエンス(Adlercreutzia equolifaciens)DSM 19450株
・スラッキア・イソフラボニコンバーテンス(Slackia isoflavoniconvertens)DSM 22006株
・スラッキア・エクオリファシエンス(Slackia equolifaciens)DSM 24851
上記嫌気性微生物は、その寄託番号に示された寄託機関から入手することができる。各受託番号は、当該嫌気性微生物が、それぞれ次の寄託機関に寄託されていることを示す。
FERM 特許生物寄託センター;International Patent Organism Depositary (IPOD)
http://unit.aist.go.jp/pod/ci/index.html
DSM German Collection of Microorganisms and Cell Cultures (DSMZ)
http://www.dsmz.de/
KCCM Korean Culture Center of Microorganisms
本発明においては、エクオールの生産能を有する嫌気性微生物は、エクオールの生産に適した条件でイソフラボン類を培地中に含有させて培養される。本発明におけるエクオールの生産に適した条件とは、エクオールの生成活性を持つ嫌気性微生物の生存と活動が維持される条件を言う。より具体的には、嫌気性微生物の生存が可能な気相条件(嫌気性条件)が維持され、当該嫌気性微生物の活性と増殖を支持するための栄養素が与えられることを言う。嫌気性微生物の生存に適した種々の培地組成が公知である。したがって、先に示したエクオールの生産能を有する嫌気性微生物について、当業者は、適切な培地組成を選択することができる。たとえば、Difco社製のBHI培地や、実施例において用いた日水製薬社製のGAMブイヨン培地等を使用することができるがこれらに限定されない。
たとえば、本発明で用いられる培地には、水溶性の有機物を炭素源として加えることができる。水溶性の有機物として、以下の化合物を挙げることができる。
ソルボース、フラクトース、グルコースなどの糖類
メタノールなどのアルコール類
吉草酸、酪酸、プロピオン酸、酢酸、ギ酸など有機酸類
炭素源としての培地に加える有機物の濃度は、効率的に培地中の嫌気性微生物を発育させるために適宜調節することができる。一般的には、0.1〜10wt/vol%の範囲から添加量を選択することによって、過不足を避けることができる。
上記の炭素源に加えて、培地には、窒素源が加えられる。本発明において、窒素源としては通常の発酵に用いうる各種の窒素化合物を用いることができる。好ましい無機窒素源は、アンモニウム塩、及び硝酸塩である。より好ましい無機窒素源は、硫安、塩化アンモニウム、リン酸アンモニウム、リン酸水素アンモニウム、硝酸カリウム及び硝酸ソーダである。
一方、好ましい有機窒素源はアミノ酸類、酵母エキス、ペプトン類(例えばポリペプトンNなど)、肉エキス、肝臓エキス、消化血清末などである。より好ましい有機窒素源はアルギニン、システイン、シトルリン、リジン、酵母エキス、ペプトン類(例えばポリペプトンNなど)である。
さらに、炭素源や窒素源に加えて、嫌気性微生物の培養に適した他の有機物あるいは無機物を培地に加えることもできる。たとえば、ビタミンなどの補因子や各種の塩類等の無機化合物を培地に加えることによって、嫌気性微生物の増殖や活性を増強できる場合もある。たとえば無機化合物、ビタミン類、動植物由来の微生物増殖補助因子として以下のものを挙げることができる。
無機化合物 ビタミン類
リン酸二水素カリウム ビオチン
硫酸マグネシウム 葉酸
硫酸マンガン ピリドキシン
塩化ナトリウム チアミン
塩化コバルト リボフラビン
塩化カルシウム ニコチン酸
硫酸亜鉛 パントテン酸
硫酸銅 ビタミンB12
明ばん チオオクト酸
モリブデン酸ソーダ p-アミノ安息香酸
塩化カリウム
ホウ酸等
塩化ニッケル
タングステン酸ナトリウム
セレン酸ナトリウム
硫酸第一鉄アンモニウム
これらの無機化合物やビタミン類、あるいは増殖補助因子を添加して培養液を製造する方法は公知である。培地は、液体、半固体、あるいは固体とすることができる。本発明において、好ましい培地の形態は、液体培地である。
本発明の培地は、デキストリン類を含むことができる。デキストリン類を含む培地で嫌気性微生物を培養すれば、培養後に改めて培養物にデキストリン類を接触させることなく、エクオールおよびデキストリン類を含む液を調製することができる。
デキストリン類の培地への添加は、微生物の培養前および培養中に行うことができる。
本発明において、嫌気性微生物は、公知の微生物の培養方法にしたがって培養することができる。工業的な製造には、培地や基質ガスを連続的に供給することができ、かつ培養物を回収するための機構を備えた連続培養システム (continuous fermentation system)が好適である。
嫌気性微生物の培養においては、連続培養システム内への酸素の混入を防ぐことが必要である。培養器は通常用いられる培養槽がそのまま利用できる。嫌気性微生物の培養にも利用することができる培養タンクが市販されている。培養槽内に混入する酸素を、窒素などの不活性気体あるいは基質ガスなどで置換することにより、嫌気的な雰囲気を作ることができる。
本発明においては、培養槽に付加的な機能を与えることができる。たとえば、通常使用される撹はん混合槽のほか、気泡塔型、ドラフトチューブ型の培養槽も利用できる。液体培地に吹き込まれる混合気体によって微生物は遊離分散され、微生物と培地を十分に接触させることができる。また、バイオトリックリングフィルター(biotrickling filter)のように通気性の高いスラグ、その他セラミック系の無機充てん物、あるいはポリプロピレン等の有機合成物質の充てん層に、水分を滴らせながら微生物を生息させ、そこにガスを通気しながら培養することもできる。さらに、使用する微生物は常法によりカラギーナンゲル、アルギン酸ゲル、アクリルアミドゲル、キチン、セルロース、寒天などに固定化して用いることもできる。
培養槽の形状によっては、培地を十分に撹はんするため、撹はん機等を利用することもできる。培養槽内の培養物を攪拌することによって、培地成分や基質ガスを嫌気性微生物に接触させる機会を増やして、エクオールの生成効率を最適化することができる。また基質ガスをナノバブルとして供給することもできる。
微生物の十分な生育のため、培養物のpHは5.0〜8.0が好ましく、6.0〜7.5がより好ましく、6.5〜7.5がさらに好ましい。また、エクオールの回収量を増加させるため、培養槽の温度は特に制限されるものではないが、好ましくは30℃〜40℃をさらに好ましくは33℃から38℃の温度を挙げることができる。
発酵時間は、エクオールの生成量、イソフラボン類の残存量等に応じて適宜設定できる。例えば8〜120時間、好ましくは12〜72時間、特に好ましくは16〜60時間を例示することができるがこれらに限定されない。
効率よくエクオールを回収するため、培地を連続的に供給することもできる。培養槽に供給される新鮮な培地の量は、培養槽内の培養物における希釈率が時間当たり0.04〜2/hrが好ましい。より好ましい希釈率は0.08〜1/hrである。
本発明においては、嫌気性微生物の培養を、水素を含む1種類以上の気体からなる気相下で行うことが好ましい。水素濃度は特に限定されない。
本発明においては、気相を構成する気体の組み合わせは特に制限されるものではなく、水素の他に二酸化炭素、窒素等から選択される1種類以上の気体を構成成分として用いることが可能である。また、効率よくエクオールを回収するためには、気相を構成する混合気体の培養槽への通気量は0.01〜2.0 V/V/Mガス量/液量/分であることが好ましい。
本発明において、嫌気性微生物を培養する際の加圧条件は、当該微生物が生育できる条件であれば特に限定されるものではない。好ましい加圧条件としては、0.02〜0.2MPaの範囲を挙げることができるがこれに限定されない。
このような方法によって得られる培養精製液には、高濃度のエクオールが含まれる。培養液中のエクオールの含量は、使用するエクオールの生産菌や発酵条件等によって異なるが、通常、培養液1.0リットル当たり少なくとも0.5〜10g、好ましくは1〜6g、より好ましくは2〜6g含まれる。
本発明においては、デキストリン類を含まない培地中で嫌気性微生物を培養した場合、培養により得られるエクオールを含む培養液にデキストリン類を接触させた後、ろ過あるいは遠心分離などにより固液分離し、液相を回収することにより、イソフラボン類を原料として微生物を用いて調製されるエクオール含有組成物であって、エクオール以外のイソフラボン類およびそれらの代謝産物の含有量が低い(少ない)エクオール含有組成物を取得することができる。一方、デキストリン類を含む培地中で嫌気性微生物を培養した場合、得られるエクオールとイソフラボン類を含む培養液をろ過あるいは遠心分離など固液分離し、液相を回収することにより、本発明のエクオール含有組成物を得ることができる。固液分離の方法としては、例えばろ紙あるいは限外ろ過膜等によるろ過、スパーデカンターなど遠心分離機が挙げられる。
本発明のエクオール含有組成物は、必要に応じて加熱乾燥処理あるいは噴霧乾燥処理、凍結乾燥処理により固形状にして使用することができる。加熱乾燥処理あるいは噴霧乾燥処理は、例えばスプレードライ装置を使用して行うことができる。凍結乾燥処理は凍結乾燥装置を使用して行うことができる。加熱乾燥処理もしくは噴霧乾燥処理もしくは凍結乾燥処理された発酵培養物は、必要に応じて粉末化処理に供してもよい。
このような方法によって得られる加熱乾燥処理もしくは噴霧乾燥処理、もしくは凍結乾燥処理されたエクオール含有組成物は、乾燥粉末中、エクオールを1〜50重量%含むことができる。例えば、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、20%、30%、40%、50%から選択される2点の質量パーセント濃度を下限(〜以上、又は、〜より高い)及び上限(〜以下、又は、〜より低い)とする濃度範囲により示される質量パーセント濃度であることが好ましい。
本発明のエクオール含有組成物は、医薬品、飲食物、化粧品等の素材として提供することができる。
本発明のエクオール含有組成物を医薬品として提供する場合、その剤型は、予防または治療しようとする疾患や医薬品の使用形態、投与経路等に応じて選択することができる。例えば錠剤、被覆錠剤、丸剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、液剤、懸濁剤、乳剤、シロップ剤、注射剤、坐剤、浸剤、煎剤、チンキ剤等が挙げられる。これらの各種製剤は、常法に従って主薬に対して必要に応じて充填剤、増量剤、賦形剤、結合剤、保湿剤、崩壊剤、界面活性剤、滑沢剤、着色剤、矯味矯臭剤、溶解補助剤、懸濁剤、コーティング剤などの医薬の製剤技術分野において通常使用しうる既知の補助剤を用いて製剤化することができる。また、この医薬製剤中に着色剤、保存剤、香料、風味剤、甘味剤等や他の医薬品を含有させてもよい。
本発明のエクオール含有組成物は、乳癌、前立腺癌、骨粗しょう症、心疾患、更年期障害の予防や治療のために使用することができる。
本発明のエクオール含有組成物を飲食物として提供する場合、一般の食品の他、特定保健用食品、栄養補助食品、機能性食品、病者用食品、食品添加物等として使用できる。食品の形態としては、本発明のエクオール含有組成物を含む清涼飲料、ミルク、プリン、ゼリー、飴、ガム、グミ、ヨーグルト、チョコレート、スープ、クッキー、スナック菓子、アイスクリーム、アイスキャンデー、パン、ケーキ、シュークリーム、ハム、ミートソース、カレー、シチュー、チーズ、バター、ドレッシング等を例示することができる。
本発明のエクオール含有組成物には、水、タンパク質、糖質、脂質、ビタミン類、ミネラル類、有機酸、有機塩基、果汁、フレーバー類等を主成分として使用することができる。タンパク質としては、例えば全脂粉乳、脱脂粉乳、部分脱脂粉乳、カゼイン、大豆タンパク質、鶏卵タンパク質、肉タンパク質等の動植物性タンパク質、及びこれら加水分解物、バターなどが挙げられる。糖質としては糖類、加工澱粉(テキストリンのほか、可溶性澱粉、ブリティッシュスターチ、酸化澱粉、澱粉エステル、澱粉エーテル等)、食物繊維などが挙げられる。脂質としては、例えば、ラード、魚油等、これらの分別油、水素添加油、エステル交換油等の動物性油脂、パーム油、サフラワー油、コーン油、ナタネ油、ヤシ油、これらの分別油、水素添加油、エステル交換油等の植物性油脂などが挙げられる。ビタミン類としては、例えば、ビタミンA、カロチン類、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンD群、ビタミンE、ビタミンK群、ビタミンP、ビタミンQ、ナイアシン、ニコチン酸、パントテン酸、ビオチン、イノシトール、コリン、葉酸などが挙げられ、ミネラル類としては、例えば、カルシウム、カリウム、マグネシウム、ナトリウム、銅、鉄、マンガン、亜鉛、セレン、乳清ミネラルなどが挙げられる。有機酸としては、例えば、リンゴ酸、クエン酸、乳酸、酒石酸などが挙げられる。これらの成分は、2種以上を組み合わせて使用することができ、合成品及び/又はこれらを多く含む食品を用いてもよい。
これらの食品中のエクオール含有組成物の配合割合は、食品の種類、エクオールの含量、摂取対象者の年齢や性別、期待される効果等に応じて、適宜設定することができる。一例として、食品100gに対して0.01-100g、好ましくはO.1-10g、更に好ましくはO.5-5gとなる割合を挙げることができるがこれらに限定されない。エクオールを含む組成物を含む食品の一日当たりの摂取量については、組成物中のエクオールの含量、摂取者の年齢や体重、摂取回数等によって異なるが、例えば成人1日当たり、O.1-10gに相当する組成物の量を挙げることができる。
また本発明のエクオール含有組成物を化粧品として提供する場合、当該組成物等を水溶液、ローション、スプレー液、懸濁液および乳化液などの液状、粉末、顆粒およびブロック状などの固体状、クリームおよびペーストなどの半固体状、ゲル状等の各種所望の形態の化粧品に調製することができる。このような化粧品は、洗顔料、乳液、クリーム、ジェル、エッセンス(美容液)、パック・マスク等の基礎化粧品、ファンデーション、口紅等のメーキャップ化粧品、口腔化粧品、芳香化粧品、毛髪化粧品、ボディ化粧品等の各種化粧料として有用である。本発明により得られるエクオール含有組成物を含む化粧品は、美白用化粧料、ニキピ改善用化粧料として使用される。
本発明のエクオール含有組成物は、必要に応じて、瓶、袋、缶、スプレー缶、噴霧容器、箱、パック等の適宜の容器に封入することができる。
本発明のエクオール含有組成物を含有する化粧品において、化粧品中の組成物の配合割合は特に限定されない。該化粧品の種類、エクオールの含量等に応じて、適宜設定することができるが、一例を示せば、化粧料100gに対して、組成物(乾燥重量換算)が総量で0.01-10g、好ましくは0.1-5gとなる割合を挙げることができるがこれらに限定されない。
なお本明細書において引用された全ての先行技術文献は、参照として本明細書に組み入れられる。
本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明の範囲は以下の実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
GAMブイヨン培地(日水製薬製)5.9 gとL-アルギニン塩酸塩1.2 gを純水100 mLに溶かし、窒素ガスを通じながら10 mLずつ嫌気性菌培養用18 mm試験管(三紳工業製)に分注し、ブチルゴム栓、プラスチックキャップをして115℃、15分間滅菌した。
この培地に-80℃で凍結保存していたアサッカロバクター・セラツス(Asaccharobacter celatus)DSM 18785株を植菌し、無菌フィルターを通した水素ガスで気相を2分間以上置換した後(水素の分圧パーセント濃度 100%)、37℃、250 spmで18時間振とう培養を行い、種培養液を調製した。
表1に示すような培地を調製し、1000 mLを2 L容加圧ミニジャー(オートマチックシステムリサーチ製)にいれ、窒素ガスを20分間以上通じた後、115℃、15分間滅菌した。ただし、イソフラボンは予め市販β-グルコシダーゼ剤をもちいて、配糖体を加水分解し、アグリコン化して使用した。
この培地に上記種培養液20 mLを植菌し、スパージャーより水素/窒素[2:98](体積比)のガスを無菌的に0.1 L/minで通気し、37℃、500 rpm、50 kPaで培養を行った。培養中pHは硫酸で7.2に調整した。48時間後、培養液を取り出した。この培養液中には、エクオール 2.75 g/Lが生成し、他に未反応のダイゼイン 0.47 g/L、グリシテイン 2.17 g/L、ゲニステイン 0.27 g/Lが残存していた。
培養液を硫酸でpH 5.0に調整後105℃、1分加熱処理した。室温まで冷却後、15000×g、10 分間、20℃で遠心分離を行った。上清を分離しそのイソフラボン類の代謝産物を定量したところ、エクオール 2.64 g/L、ダイゼイン 0.03 g/L、ジヒドロダイゼイン 0.00g/L、グリシテイン 0.01 g/L、ゲニステイン 0.00 g/Lであった(エクオールに対するエクオール以外のイソフラボン類の代謝産物の含有量の重量比は0.015(ダイゼイン 0.03 g/L+ジヒドロダイゼイン 0.00g/L+グリシテイン 0.01 g/L+ゲニステイン 0.00 g/L/エクオール 2.64 g/L)であった)。この結果から、エクオールのみが特異的に溶解し、その他イソフラボン類の代謝産物の量が非常に少ない、高純度のエクオール製品が容易に調製できることが分かった。本上清液をスプレードライした結果、エクオール含量は6.5%であった。
Figure 2014233259
〔実施例2〕
イソフラボンとしてAglyMax-30(ニチモウバイオテックス社製)を18.0 g使った他は同じ条件で培養実験を行った。ただし、この場合、すでにアグリコン化されているので、β-グルコシダーゼ剤をもちいての前処理は実施しなかった。
培養液終了後には、エクオール 3.03 g/Lが生成し、他に未反応のダイゼイン 0.82 g/L、グリシテイン 2.00 g/L、ゲニステイン 0.23 g/Lが残存していた。
培養液を硫酸でpH 5.0に調整後105℃、1分加熱処理した。室温まで冷却後、15000×g、10 分間、20℃で遠心分離を行った。上清を分離しそのイソフラボン類およびそれらの代謝産物を定量したところ、エクオール 2.99 g/L、ダイゼイン 0.16 g/L、ジヒドロダイゼイン 0.05 g/L、グリシテイン 0.06 g/L、ゲニステイン 0.01 g/Lであった(エクオールに対するエクオール以外のイソフラボン類およびそれらの代謝産物含有量の重量比は0.093(ダイゼイン 0.16 g/L+ジヒドロダイゼイン 0.05g/L+グリシテイン 0.06 g/L+ゲニステイン 0.01 g/L/エクオール 2.99 g/L)であった)。この結果から、イソフラボン配糖体の場合と同様に、エクオールのみが特異的に溶解し、その他イソフラボン類の代謝産物の量が非常に少ない、高純度のエクオール製品が容易に調製できることが分かった。本上清液をスプレードライした結果、エクオール含量は5.0%であった。
本発明により、エクオールを高い含有量で含む組成物および当該組成物の製造方法、並びにエクオールの精製方法が提供された。本発明の組成物は、更年期障害(更年期不定愁訴、骨粗繋症、高脂血症)、骨粗繋症、前立腺肥大、メタボリックシンドローム等の疾患や症状の予防及び/又は改善などに有用である。本発明の組成物は、このような効果を高いレベルで発揮することが期待される。

Claims (19)

  1. イソフラボン類を原料として嫌気性微生物を用いて調製されるエクオール含有組成物であって、エクオールに対するエクオール以外のイソフラボン類およびそれらの代謝産物の重量比が0.1以下である、エクオール含有組成物。
  2. エクオールに対するエクオール以外のイソフラボン類およびそれらの代謝産物の重量比が0.05以下である、請求項1記載のエクオール含有組成物。
  3. エクオール含量が2%以上である、請求項1または2に記載のエクオール含有組成物。
  4. イソフラボン類を原料として微生物を用いて調製されるエクオール含有組成物が少なくとも以下の工程を含む方法によって製造される、請求項1から3のいずれかに記載のエクオール含有組成物;
    (a)イソフラボン類を含む培地で嫌気性微生物を培養することによって製造されるエクオールおよびデキストリン類を含む液を調製する工程、
    (b)工程(a)において得られる液からエクオール以外のイソフラボン類およびそれらの代謝産物を分離して液相のエクオールを回収する工程。
  5. 工程(b)の前に、工程(a)において得られる液と酸性溶液を混合する工程をさらに含む、請求項4に記載のエクオール含有組成物。
  6. イソフラボン類を原料として微生物を用いて調製されるエクオール含有組成物が少なくとも以下の工程を含む方法によって製造される、請求項1から3のいずれかに記載のエクオール含有組成物;
    (a)イソフラボン類を含む培地で嫌気性微生物を培養することによって製造されるエクオールを含む液と酸性溶液を接触させる工程、
    (b)工程(a)において得られる液とデキストリン類を接触させる工程、および
    (c)工程(b)において得られる液からエクオール以外のイソフラボン類およびそれらの代謝産物を分離して液相のエクオールを回収する工程。
  7. 酸性溶液のpHが6.0以下である、請求項5または6に記載のエクオール含有組成物。
  8. デキストリン類がβシクロデキストリン、βシクロデキストリン誘導体及びγシクロデキストリンからなる群より選択される、請求項4から7のいずれかに記載のエクオール含有組成物。
  9. 嫌気性微生物がアサッカロバクター・セラツス(Asaccharobacter celatus)、あるいはアドレクロウチア・エクオリファシエンス(Adlercreutzia equolifaciens)である、請求項1から8のいずれかに記載のエクオール含有組成物。
  10. 以下の工程を含む、エクオールの製造方法;
    (a)イソフラボン類を含む培地で嫌気性微生物を培養することによって製造されるエクオールおよびデキストリン類を含む液を調製する工程、
    (b)工程(a)において得られる液からエクオール以外のイソフラボン類およびそれらの代謝産物を分離して液相のエクオールを回収する工程。
  11. 前記(b)工程の前に、工程(a)において得られる液と酸性溶液を混合する工程をさらに含む、請求項10の製造方法。
  12. 以下の工程を含む、エクオールの製造方法;
    (a)イソフラボン類を含む培地で嫌気性微生物を培養することによって製造されるエクオールを含む液と酸性溶液を混合する工程、
    (b)工程(a)において得られる液とデキストリン類を接触させる工程、および
    (c)工程(b)において得られる液からエクオール以外のイソフラボン類およびそれらの代謝産物を分離して液相のエクオールを回収する工程。
  13. 酸性溶液のpHが6.0以下である、請求項11または12に記載の製造方法。
  14. デキストリン類がβシクロデキストリン、βシクロデキストリン誘導体及びγシクロデキストリンからなる群より選択される、請求項10から13のいずれかに記載の製造方法。
  15. 嫌気性微生物がアサッカロバクター・セラツス(Asaccharobacter celatus)、あるいはアドレクロウチア・エクオリファシエンス(Adlercreutzia equolifaciens)である、請求項10から14のいずれかに記載の製造方法。
  16. 請求項10から15のいずれかに記載の方法によって得られるエクオール。
  17. 請求項1から9のいずれかに記載のエクオール含有組成物もしくは請求項16記載のエクオールを含む食品もしくは食品添加物。
  18. 請求項1から9のいずれかに記載のエクオール含有組成物もしくは請求項16記載のエクオールを含む化粧品。
  19. 請求項1から9のいずれかに記載のエクオール含有組成物もしくは請求項16記載のエクオールを含む医薬品。
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