JP7463627B1 - エクオールを含む食品組成物およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、より微生物汚染を防ぐことのできるエクオール含有食品組成物及びその製造方法を提供する。また、本発明は、産生したエクオールを効率的に回収するエクオール含有食品組成物の製造方法を提供する。本発明は、(A)ダイゼイン配糖体、ダイゼイン及びジヒドロダイゼインからなる群から選ばれる少なくとも1種のエクオール原料を、該エクオール原料を資化してエクオールを産生する微生物で培養する工程;及び(B)前記培養工程で得られたエクオールを含む培養液にpH調整剤を添加しpHを調整する工程;を有することによりエクオールを含む液体食品組成物であってpHが調整された液体食品組成物を得る、液体食品組成物の製造方法などにより得られた食品組成物を提供する。【選択図】なし

Description

本発明は、エクオールを含む食品組成物であってpHが調整された液体食品組成物であるか又はその乾燥物である食品組成物に関する。
また、本発明は、該食品組成物の製造方法に関する。
大豆、葛などのマメ科の植物に多く含まれているイソフラボン類はポリフェノールの分類のひとつであり、イソフラボンを基本骨格とするフラボノイドである。近年の調査により、イソフラボン類は女性ホルモン作用(エストロゲン)や抗酸化作用を有し、イソフラボン類を摂取することにより、乳癌、前立腺癌、骨粗しょう症、高コレステロール血症、心疾患、更年期障害などに対して予防効果があることが明らかとなっている。
イソフラボン類は、たとえば大豆内では、糖と共有結合した配糖体の形、ダイジン(daidzin)、グリシチン(glycitin)、ゲニスチン(genistin)として存在しており、アグリコンの形ではごく少量存在しているのみである。これら配糖体はさらにマロニル化、アセチル化されているものも存在している。これらの配糖体は、ヒトや動物の体内に入ると消化酵素又は腸内細菌の産生する酵素であるβグルコシダーゼ等の働きにより、それぞれダイゼイン(daidzein)、グリシテイン(glycitein)、ゲニステイン(genistein)となる。さらに、ダイゼインは腸内細菌の働きにより、ジヒドロダイゼイン(dihydrodaidzein)を経て、O-デスメチルアンゴレンシン(O-desmethylangolensin:O-DMA)又はエクオール(equol)へと酵素的に変換されることが知られている。
エクオールは、これらの代謝産物の中で最もエストロゲン活性が高いことが知られている。しかしながら、人間の場合、イソフラボンの代謝には個人差があり、上記のようにダイゼインを発酵させてエクオールを産生する能力を有する腸内細菌を保有する人は少なく、その保有率は日本人で約5割、欧米人で約3割程度であることが明らかとなっている。そのため、エクオール産生菌を保有しない人は、大豆等のマメ科食物を摂取してもエクオールを体内で産生することができないという問題点が存在していた。
これらの課題を克服するために、乳酸菌等の嫌気性微生物を用いて体外的にエクオールを産生させる試みがなされており(特許文献1~4)、エクオールを効率的に産生させるか、及び/又は産生したエクオールを効率的に回収する方法が模索されている。
特許文献5は、エクオール産生能が維持されたエクオール産生微生物を生菌の状態で含み、保存後でもエクオール産生能を安定に維持できるエクオール産生微生物含有組成物を提供することを目的とし、pH制御のためにpH調整剤を加えてもよいことを開示している(特許文献5)が、具体的なpH調整剤について開示していなかった。また、pHの調整は、嫌気発酵工程においてなされたものであり、好適なpHについても4.6以上とされていた。
特開2006-204296号公報。 特表2006-504409号公報。 特開2008-61584号公報。 特開2010-104241号公報。 特許5769419号公報。
そこで、本発明の目的は、より微生物汚染を防ぐことのできるエクオール含有食品組成物及びその製造方法を提供することにある。
また、本発明の目的は、上記目的の他に、又は上記目的に加えて産生したエクオールを効率的に回収するエクオール含有食品組成物の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明者は、以下の発明を見出した。
<1> エクオールを含む食品組成物であってpHが調整された液体食品組成物であるか又はその乾燥物である、上記食品組成物。
<2> 上記<1>において、pHが3~5、好ましくは3~4であるのがよい。
<3> 上記<2>において、組成物が、有機酸及び無機酸からなる群から選ばれる1種によって、pHが調整されたものであって、
前記有機酸が、炭酸、炭酸水素、クエン酸、コハク酸、フマル酸、乳酸、グルコン酸、酢酸、リンゴ酸、アスコルビン酸及び安息香酸から選ばれる少なくとも一種であり、
前記無機酸が、塩酸、硫酸、及びリン酸からなる群から選ばれる少なくとも一種であるのがよい。
<4> 上記<2>において、前記組成物が、塩酸、硫酸、及びリン酸からなる無機酸群から選ばれる少なくとも一種を有するのがよい。
<5> 上記<1>において、pHが7~11、好ましくは10~11であるのがよい。
<6> 上記<5>において、前記組成物が、アルカリ金属の水酸化物、及びアルカリ土類金属の水酸化物からなる群から選ばれる1種によって、pHが調整されたものであるのがよい。
<7> 上記<5>において、前記組成物が、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、酸化カルシウム、及び水酸化マグネシウムからなる群から選ばれる1種によって、pHが調整されたものであるのがよい。
<8> (A)ダイゼイン配糖体、ダイゼイン及びジヒドロダイゼインからなる群から選ばれる少なくとも1種のエクオール原料を、該エクオール原料を資化してエクオールを産生する微生物で培養する工程;及び
(B)前記培養工程で得られたエクオールを含む培養液にpH調整剤を添加しpHを調整する工程;
を有することによりエクオールを含む液体食品組成物であってpHが調整された液体食品組成物を得る、液体食品組成物の製造方法。
<9> (A)ダイゼイン配糖体、ダイゼイン及びジヒドロダイゼインからなる群から選ばれる少なくとも1種のエクオール原料を、該エクオール原料を資化してエクオールを産生する微生物で培養する工程;
(B)前記培養工程で得られたエクオールを含む培養液にpH調整剤を添加しpHを調整する工程;及び
(C)pH調整工程で得られた液を乾燥させる工程;
を有することにより、エクオールを含む粉末状食品組成物であってpHが調整された粉末状食品組成物を得る、粉末状食品組成物の製造方法。
<10> 上記<8>又は<9>において、前記調整されたpHが3~5、好ましくは3~4であるのがよい。
<11> 上記<10>において、前記pH調整剤が、有機酸及び無機酸からなる群から選ばれる1種を有し、
前記有機酸が、炭酸、炭酸水素、クエン酸、コハク酸、フマル酸、乳酸、グルコン酸、酢酸、リンゴ酸、アスコルビン酸及び安息香酸から選ばれる少なくとも一種であり、
前記無機酸が、塩酸、硫酸、及びリン酸からなる群から選ばれる少なくとも一種であるのがよい。
<12> 上記<10>において、前記pH調整剤が、塩酸、硫酸、及びリン酸からなる無機酸群から選ばれる少なくとも一種を有するのがよい。
<13> 上記<8>又は<9>において、前記調整されたpHが7~11、好ましくは10~11であるのがよい。
<14> 上記<13>において、前記pH調整剤が、アルカリ金属の水酸化物、及びアルカリ土類金属の水酸化物からなる群から選ばれる1種を有するのがよい。
<15> 上記<13>において、前記pH調整剤が、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、酸化カルシウム、及び水酸化マグネシウムからなる群から選ばれる1種であるのがよい。
本発明により、より微生物汚染を防ぐことのできるエクオール含有食品組成物及びその製造方法を提供することができる。
また、本発明により、上記効果の他に、又は上記効果に加えて産生したエクオールを効率的に回収するエクオール含有食品組成物の製造方法を提供することができる。
本願は、液体食品組成物の製造方法及び粉末状食品組成物の製造方法、並びに液体食品組成物及びその乾燥物である粉末状食品組成物を提供する。
以下、液体食品組成物の製造方法及び粉末状食品組成物の製造方法について説明し、次いで液体食品組成物及びその乾燥物である粉末状食品組成物について説明する。
<液体食品組成物の製造方法>
本発明の液体食品組成物の製造方法は、
(A)ダイゼイン配糖体、ダイゼイン及びジヒドロダイゼインからなる群から選ばれる少なくとも1種のエクオール原料を、該エクオール原料を資化してエクオールを産生する微生物で培養する工程;及び
(B)前記培養工程で得られたエクオールを含む培養液にpH調整剤を添加しpHを調整する工程;
を有することによりエクオールを含む液体食品組成物であってpHが調整された液体食品組成物を得る。
<<(A)工程>>
(A)工程は、ダイゼイン配糖体、ダイゼイン及びジヒドロダイゼインからなる群から選ばれる少なくとも1種のエクオール原料を、該エクオール原料を資化してエクオールを産生する微生物で培養する工程である。
該培養工程は、エクオールを産生することができれば、その条件等は特に限定されない。例えば、従来公知の条件を用いることができるが、該条件に限定されない。
<<エクオール原料>>
本発明の方法において用いるエクオール原料は、文字通り、エクオールの原料として用いられるものであれば、その形態は問わない。
エクオール原料は、ダイゼイン配糖体、ダイゼイン及びジヒドロダイゼインからなる群から選ばれる少なくとも1種を含んでいればよく、その形態は問わない。例えば、ダイゼイン配糖体そのもの、ダイゼインそのもの、又はジヒドロダイゼインそのものであっても、それらを含有するもの、例えば大豆、大豆加工物、大豆胚軸、大豆胚軸加工物、例えば大豆抽出物、大豆胚軸抽出物、大豆胚軸抽出物精製物が挙げられ、具体的には市販イソフラボンであってもよい。
<<微生物>>
本発明の方法は、エクオール原料を資化してエクオールを産生する能力を有する微生物を用いる。なお、「エクオール原料を資化してエクオールを産生する能力」を、本明細書において、単に「エクオール産生能」という場合がある。
本発明の方法において用いるエクオール産生能を有する微生物は、上記エクオール原料からエクオールを産生する能力を有する微生物であれば、特に限定されない。
なお、エクオール原料は、微生物の「エクオール産生能」との関係において決まる。例えば、ある微生物Aがダイゼイン配糖体については「エクオール産生能」を有しないが、ダイゼインについては「エクオール産生能」を有する場合、該微生物Aのエクオール原料は、「ダイゼイン」となる。また、この場合、ダイゼイン配糖体をダイゼインへと変換する工程を(A)工程前に有してもよい。例えば、ある微生物Bがダイゼイン配糖体及びダイゼインについては「エクオール産生能」を有しないが、ジヒドロダイゼインについては「エクオール産生能」を有する場合、該微生物Bのエクオール原料は、「ジヒドロダイゼイン」となる。また、この場合、ダイゼイン配糖体をダイゼインへと変換し、ダイゼインをさらにジヒドロダイゼインへと変換する工程を(A)工程前に有してもよい。
微生物として、嫌気性微生物を挙げることができる。該嫌気性微生物は、例えば、37℃付近(例えば30~42℃)の温度でエクオールを産生することができる。
なお、エクオール産生能は、培養物中のダイゼイン、ジヒドロダイゼイン、エクオール等を定量することにより確認することができる。これらの定量は、当業者であれば、例えばWO2012/033150、特開2012-135217、特開2012-135218、特開2012-135219等の記載に基づき行うことができる。これらの定量方法の一例を以下に示す。
例えば、培養液に酢酸エチルを加えて、激しく攪拌した後遠心し、酢酸エチル層を取り出す。必要に応じて同培養液に同様の操作を数回行い、それら酢酸エチル層を合わせてエクオール抽出液を得ることができる。この抽出液をエバポレーターで減圧下に濃縮、乾固し、メタノールに溶解させる。これをポリテトラフルオロエチレン(PTFE)膜等の膜を使用して濾過し、不溶物を除去したものを高速液体クロマトグラフィー測定サンプルとすることができる。高速液体クロマトグラフィーの条件は例えば以下のものを例示することができるがこれに限定されない。
[高速液体クロマトグラフィー条件]
カラム:Phenomenox Luna 5uC18、2.0mm×150mm(島津ジーエルシー)
移動相:水/メタノール[55:45,v/v]
流速:0.2mL/min
カラム温度:40℃
検出:UV280nm
保持時間:ジヒドロダイゼインが13.8分、ダイゼインが19.6分、グリシテインが22.5分、エクオールが25.6分、ゲニステインが35.0分
エクオール産生する能力を有する微生物として、以下の属に分類される微生物を挙げることができるがこれらに限定されない。
アドレクラウチア(Adlercreutzia)属
バクテロイデス(Bacteroides)属
ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属
クロストリジウム(Clostridium)属
エガセラ(Eggerthella)属
エンテロコッカス(Enterococcus)属
エンテロハブダス(Enterorhabdus)属
ユーバクテリウム(Eubacterium)属
フィネゴルディア(Finegoldia)属
ラクトバチルス(Lactobacillus)属
ラクトコッカス(Lactococcus)属
パラエガセラ(Paraeggerthella)属
ペディオコッカス(Pediococcus)属
プロテウス(Proteus)属
シャーペア(Sharpea)属
スラキア(Slackia)属
ストレプトコッカス(Streptococcus)属
ベイロネラ(Veillonella)属
エクオールを産生する能力を有する微生物として、具体的には、以下の微生物を挙げることができるがこれらに限定されない。
アドレクラウチア・エクオリファシエンス・サブスピーシズ・セラツス(Adlercreutzia equolifaciens subsp. celatus)
アドレクラウチア・エクオリファシエンス・サブスピーシズ・エクオリファシエンス(Adlercreutzia equolifaciens subsp. equolifaciens)
バクテロイデス・オバツス(Bacteroides ovatus)
ビフィドバクテリウム・ブレーベ(Bifidobacterium breve)
ビフィドバクテリウム・ロングム(Bifidobacterium longum)
クロストリジウム・エスピー(Clostridium sp.)
エガセラ・エスピー(Eggerthella sp. )
エンテロコッカス・フェカーリス(Enterococcus faecalis)
エンテロコッカス・フェシウム(Enterococcus faecium)
エンテロハブダス・ムコシコラ(Enterorhabdus mucosicola)
ユーバクテリウム・エスピー(Eubacterium sp.)
フィネゴルディア・マグナ(Finegoldia magna)
ラクトバチルス・ファーメンタム(Lactobacillus fermentum)
ラクトバチルス・ムコサエ(Lactobacillus mucosae)
ラクトバチルス・パラカゼイ(Lactobacillus paracasei)
ラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)
ラクトバチルス・ラムノサス(Lactobacillus rhamnosus)
ラクトバチルス・エスピー(Lactobacillus sp.)
ラクトコッカス・ガルビエ(Lactococcus garvieae)
ラクトコッカス・エスピー(Lactococcus sp.)
パラエガセラ・エスピー(Paraeggerthella sp.)
ペディオコッカス・ペントサセウス(Pediococcus pentosaceus)
プロテウス・ミラビリス(Proteus mirabilis)
シャーペア・アザブエンシス(Sharpea azabuensis)
スラキア・エクオリファシエンス(Slackia equolifaciens)
スラキア・イソフラボニコンバーテンス(Slackia isoflavoniconvertens)
スラキア・エスピー(Slackia sp.)
ストレプトコッカス・コンステラタス(Streptococcus constellatus)
ストレプトコッカス・インターメディウス(Streptococcus intermedius)
ベイロネア・エスピー(Veillonella sp.)
上記記載の微生物のうち、例えばエガセラ(Eggerthellaceae)科に分類される微生物、ビフィドバクテリアセアエ(Bifidobacteriaceae)科に分類される微生物、クロストリジアセアエ(Clostridiaceae)科に分類される微生物、コーリオバクテリアセアエ(Coriobacteriaceae)科に分類される微生物、エンテロコッカセアエ(Enterococcaceae)科に分類される微生物、ユーバクテリアセアエ(Eubacteriaceae)科に分類される微生物、モルガネラセアエ(Morganellaceae)科に分類される微生物、ペプトニフィラセアエ(Peptoniphilaceae)科に分類される微生物、ラクトバチラセアエ(Lactobacillaceae)科に分類される微生物、ストレプトコッカセアエ(Streptococcaceae)科に分類される微生物、ベイロネラセアエ(Veillonellaceae)科に分類される微生物、又はこれらの類縁微生物が挙げられる。好ましくは、アドレクラウチア(Adlercreutzia)属、バクテロイデス属、ビフィドバクテリウム属、クロストリジウム属、コリオバクテリウム属、エガセラ属、エンテロコッカス属、ユーバクテリウム属、フィネゴルディア属、ラクトバチルス属、ラクトコッカス属、パラエガセラ属、ペディオコッカス属、プロテウス属、シャーペア属、スラキア属、ストレプトコッカス属、ベイロネア属、又はこれらの類縁微生物に分類される微生物であるのがよい。さらに好ましくは、アドレクラウチア・エクオリファシエンス・サブスピーシズ・セラツス、アドレクラウチア・エクオリファシエンス・サブスピーシズ・エクオリファシエンス、バクテロイデス・オバツス、ビフィドバクテリウム・ブレーベ、ビフィドバクテリウム・ロングム、クロストリジウム・エスピー、エガセラ・エスピー、エンテロコッカス・フェカーリス、エンテロコッカス・フェシウム、エンテロハブダス・ムコシコラ、ユーバクテリウム・エスピー、フィネゴルディア・マグナ、ラクトバチルス・ファーメンタム、ラクトバチルス・インテスティナリス、ラクトバチルス・ムコサエ、ラクトバチルス・パラカゼイ、ラクトバチルス・プランタルム、ラクトバチルス・ラムノサス、ラクトバチルス・エスピー、ラクトコッカス・ガルビエ、ラクトコッカス・エスピー、パラエガセラ・エスピー、ペディオコッカス・ペントサセウス、プロテウス・ミラビリス、シャーペア・アザブエンシス、スラキア・エクオリファシエンス、スラキア・イソフラボニコンバーテンス、スラキア・エスピー、ストレプトコッカス・コンステラタス、ストレプトコッカス・インターメディウス、ベイロネア・エスピーであるのがよい。
上記記載の微生物のうち、特に以下に記載する微生物のいずれか又はこれらの菌と同様の種としての性質を有する類縁の菌をより好ましい嫌気性微生物として挙げることができる。
アドレクラウチア・エクオリファシエンス・サブスピーシズ・セラツス(Adlercreutzia equolifaciens subsp. celatus)DSM 18785株
アドレクラウチア・エクオリファシエンス・サブスピーシズ・エクオリファシエンス(Adlercreutzia equolifaciens subsp. equolifaciens)DSM 19450株
バクテロイデス・オバツス(Bacteroides ovatus)E-23-15株
ビフィドバクテリウム・ブレーベ(Bifidibacterium breve)ATCC 15700株
ビフィドバクテリウム・ロングム(Bifidobacterium longum)BB536株
クロストリジウム・エスピー(Clostridium sp.)HGH136株
エガセラ・エスピー(Eggerthella sp.)Julong 732株
エガセラ・エスピー(Eggerthella sp.)YY7918株
エガセラ・エスピー(Eggerthella sp.)D1株
エンテロコッカス・フェカーリス(Enterococcus faecalis)INIA P333株
エンテロコッカス・フェシウム(Enterococcus faecium)EPI1株
エンテロハブダス・ムコシコラ(Enterohabdus mucosicola)Mt1B8株
ユーバクテリウム・エスピー(Eubacterium sp.)D2株
フィネゴルディア・マグナ(Finegoldia magna)EPI3株
ラクトバチルス・ファーメンタム(Lactobacillus fermentum)DPPMA114株
ラクトバチルス・インテスティナリス(Lactobacillus intestinalis)KTCT13676BP株
ラクトバチルス・ムコサエ(Lactobacillus mucosae)EPI2株
ラクトバチルス・パラカゼイ(Lactobacillus paracasei)JS1株
ラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)DPPMA24W株
ラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)DPPMASL33株
ラクトバチルス・ラムノサス(Lactobacillus rhamnosus)DPPMAAZ1株
ラクトバチルス・ラムノサス(Lactobacillus rhamnosus)INIA P540株
ラクトバチルス・エスピー(Lactobacillus sp.)Niu-O16株
ラクトコッカス・ガルビエ(Lactococcus garvieae)20-92株
パラエガセラ・エスピー(Paraeggerthella sp.)SNR40-432株
ペディオコッカス・ペントサセウス(Pediococcus pentosaceus)CS1株
プロテウス・ミラビリス(Proteus mirabilis)LH-52株
シャーペア・アザブエンシス(Sharpea azabuensis)ST18株
スラキア・エクオリファシエンス(Slackia equolifaciens)DSM 24851株
スラキア・イソフラボニコンバーテンス(Slackia isoflavoniconvertens)DSM 2200
6株
スラキア・エスピー(Slackia sp.)FJK1株
スラキア・エスピー(Slackia sp.)NATTS株
スラキア・エスピー(Slackia sp.)YIT11861株
スラキア・エスピー(Slackia sp.)TM-30株
ストレプトコッカス・コンステラタス(Streptococcus constellatus)E-23-17株
ストレプトコッカス・インターメディウス(Streptococcus intermedius)A6G-225株
ベイロネア・エスピー(Veillonella sp.)EP株。
なお、上記嫌気性微生物は、その寄託番号に示された寄託機関から入手することができる。各受託番号は、当該嫌気性微生物が、それぞれ次の寄託機関に寄託されていることを示す。
FERM 特許生物寄託センター;International Patent Organism Depositary (IPOD)
http://unit.aist.go.jp/pod/ci/index.html
DSM German Collection of Microorganisms and Cell Cultures (DSMZ)
http://www.dsmz.de/
KCCM Korean Culture Center of Microorganisms
本発明においては、エクオールの産生能を有する嫌気性微生物は、エクオールの生産に適した条件で培養される。本発明におけるエクオールの生産に適した条件とは、エクオールの生成活性を持つ嫌気性微生物の生存と活動が維持される条件をいう。より具体的には、嫌気性微生物の生存が可能な気相条件(嫌気性条件)が維持され、当該嫌気性微生物の活性と増殖を支持するための栄養素が与えられることを言う。嫌気性微生物の生存に適した種々の培地組成が公知である。したがって、先に示したエクオールの産生能を有する嫌気性微生物について、当業者は、適切な培地組成を選択することができる。たとえば、Difco社製のBHI培地や、実施例において用いた培地等を使用することができるがこれらに限定されない。
本発明で用いられる培地には、水溶性の有機物を炭素源として加えることができる。水溶性の有機物として、以下の化合物を挙げることができるが、これらに限定されない。
ソルボース、フラクトース、グルコース等の糖類;
メタノール等のアルコール類;
吉草酸、酪酸、プロピオン酸、酢酸、ギ酸等有機酸類、またはこれらの塩。
炭素源としての培地に加える有機物の濃度は、効率的に培地中の嫌気性微生物を発育させるために適宜調節することができる。
培地には、窒素源を加えることができる。本発明において、窒素源としては通常の発酵に用いうる各種の窒素化合物を用いることができる。好ましい無機窒素源は、アンモニウム塩、及び硝酸塩である。より好ましい無機窒素源は、硫安、塩化アンモニウム、リン酸アンモニウム、リン酸水素アンモニウム、硝酸カリウム及び硝酸ソーダである。一方、好ましい有機窒素源はアミノ酸類、酵母エキス、ペプトン類、肉エキス、肝臓エキス、消化血清末等である。より好ましい有機窒素源はアルギニン、システイン、シスチン、シトルリン、リジン、酵母エキス、ペプトン類である。
さらに、炭素源や窒素源に加えて、エクオールの製造に適した他の有機物あるいは無機物を培地に加えることもできる。たとえば、ビタミン等の補因子や各種の塩類等の無機化合物を培地に加えることによって、嫌気性微生物の増殖や活性を増強できる場合もある。たとえば無機化合物、ビタミン類、動植物由来の微生物増殖補助因子として以下のものを挙げることができる。
無機化合物 ビタミン類
リン酸二水素カリウム ビオチン
硫酸マグネシウム 葉酸
硫酸マンガン ピリドキシン
塩化ナトリウム チアミン
塩化コバルト リボフラビン
塩化カルシウム ニコチン酸
硫酸亜鉛 パントテン酸
硫酸銅 ビタミンB12
明ばん チオオクト酸
モリブデン酸ソーダ p-アミノ安息香酸
塩化カリウム
ホウ酸等
塩化ニッケル
タングステン酸ナトリウム
セレン酸ナトリウム
硫酸第一鉄アンモニウム
これらの無機化合物やビタミン類、あるいは増殖補助因子を添加して培養液を製造する方法として、従来公知の手法を用いることができる。培地は、液体、半固体、あるいは固体とすることができる。本発明において、好ましい培地の形態は、液体培地である。
本発明において用いる培地は、デキストリン類を含むことができる。デキストリン類を含む培地で嫌気性微生物を培養すれば、培養後に改めて培養物にデキストリン類を接触させることなく、エクオールおよびデキストリン類を含む液を調製することができる。
デキストリン類の培地への添加は、微生物の培養前および培養中に行うことができる。
本発明において用いる培地に、消泡剤、好ましくは大豆油、より好ましくはビタミンE入り大豆油を含むことができる。
本願の方法において、微生物、特に嫌気性微生物は、公知の微生物の培養方法にしたがって培養することができる。工業的な製造には、培地や基質ガスを連続的に供給することができ、かつ培養物を回収するための機構を備えた連続培養システム(continuous fermentation system)を使用することもできる。
本願の方法において、嫌気性微生物を用いる場合には、発酵槽内への酸素の混入を防ぐのがよい。発酵槽は、通常用いられる発酵槽がそのまま利用できる。発酵槽内に混入する酸素を、窒素等の不活性気体で置換することにより、嫌気的な雰囲気を作ることができる。
本発明における(A)工程において、その気相は、水素を含む1種類以上の気体からなるのがよい。気相を構成する気体は、水素を含む1種類以上の気体からなれば特に限定されないが、水素及び水素以外の1種以上の気体を有するのがよい。水素以外の気体として、二酸化炭素、窒素、一酸化炭素等を挙げることができるが、特に限定されない。
前記気体の水素濃度は、特に限定されないが、例えば30%以下、10%以下、4%以下などを挙げることができる。
なお、本発明における(A)工程において、通気せずゴム栓で密栓したビンや試験管内等の密閉系で行うこともできる。
効率よくエクオールを回収するためには、気相を構成する混合気体の培養槽への通気量として、0.001~2.0V/V/Mガス量/液量/分、例えば0.01~2.0V/V/Mガス量/液量/分とすることができるが、これに限定されない。
培養槽の形状によっては、培地を十分に撹はんするため、撹はん機等を利用することもできる。培養槽内の培養物を攪拌することによって、培地成分や基質ガスを嫌気性微生物に接触させる機会を増やして、エクオールの生成効率を最適化することができる。また基質ガスをナノバブルとして供給することもできる。
本発明において、微生物を培養する際は常圧で行うこともできるが、加圧する場合、加圧条件は、当該微生物が生育できる条件であれば特に限定されるものではない。好ましい加圧条件としては、0.2MPa以下の範囲、例えば0.02~0.2MPaの範囲を挙げることができるがこれに限定されない。
エクオールの産生量を増加させるため、培養槽の温度は特に制限されるものではないが、好ましくは30℃~40℃をさらに好ましくは33℃~38℃の温度を挙げることができる。
培養時間は、エクオールの生成量に応じて、イソフラボン類の残存量等に応じても適宜設定できる。例えば8~120時間、好ましくは12~72時間、特に好ましくは16~60時間を例示することができるがこれらに限定されない。
<<(B)工程>>
(B)工程は、上記(A)工程、すなわち培養工程で得られたエクオールを含む培養液にpH調整剤を添加しpHを調整する工程である。
(B)工程により、培養液のpHを酸側に調整するのがよく、具体的にはpHを3~5、好ましくは3~4に調整するのがよい。このように培養液のpHを酸側に調整することにより、具体的にはpHを3~5、特に3~4に調整することにより、(A)工程で用いた微生物を分離しやすくすることができ、ひいてはエクオールの回収効率を高めることができる。
また、(B)工程により、培養液のpHをアルカリ側に調整するのがよく、具体的にはpHを7~11、好ましくは10~11に調整するのがよい。このように培養液のpHをアルカリ側に調整することにより、具体的にはpHを7~11、特に10~11に調整することにより、(A)工程で用いた微生物を溶解させることができ、ひいてはエクオールの回収効率を高めることができる。
(B)工程において、pHを酸側に調整する場合、pH調整剤は、有機酸及び無機酸からなる群から選ばれる少なくとも1種を有するのがよい。
有機酸として、炭酸、炭酸水素、クエン酸、コハク酸、フマル酸、乳酸、グルコン酸、酢酸、リンゴ酸、アスコルビン酸及び安息香酸を挙げることができるがこれらに限定されない。
また、無機酸として、塩酸、硫酸、及びリン酸を挙げることができるがこれらに限定されない。
(B)工程において、pHをアルカリ側に調整する場合、pH調整剤は、アルカリ金属の水酸化物、及びアルカリ土類金属の水酸化物からなる群から選ばれる1種を有するのがよい。
具体的には、アルカリ側に調整するpH調整剤として、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、酸化カルシウム及び水酸化マグネシウムを挙げることができるがこれらに限定されない。
上記(A)工程及び(B)工程により、液体食品組成物を得ることができるが、液体食品組成物を得る本発明の方法は、上記(A)工程及び(B)工程以外の工程を有してもよい。例えば、遠心分離工程、膜ろ過工程といったエクオールを産生する能力を有する微生物を除去する工程を挙げることができるがこれらに限定されない。
<粉末状食品組成物の製造方法>
本願は、粉末状食品組成物の製造方法をさらに提供する。
該方法は、上記(A)工程及び(B)工程後に、
(C)前記(B)pH調整工程で得られた液を乾燥させる工程;
を有することにより、エクオールを含む粉末状食品組成物であってpHが調整された粉末状食品組成物を得ることができる。
<<(C)工程>>
(C)工程は、前記(B)pH調整工程で得られた液を乾燥させる工程である。
(C)乾燥工程は、従来公知の方法により行うことができる。例えば、加熱乾燥処理、噴霧乾燥処理、凍結乾燥処理、流動床乾燥、流動層乾燥などを挙げることができるがこれらに限定されない。
加熱乾燥処理は、例えば回転ドラム乾燥機を、噴霧乾燥処理は、例えばスプレー乾燥機を、凍結乾燥処理は凍結乾燥機を使用して行うことができる。乾燥方法は、液体を乾燥できる乾燥機ならば、どのような乾燥機でも良い。
乾燥処理されて得られた物は、必要に応じて粉砕化処理に供してもよい。
本発明の方法は、上記(A)、(B)及び(C)工程以外の工程を有してもよい。
例えば、(B)工程後、(C)工程前に、(B)工程で得られたpH調整された液を加熱処理する工程、該加熱処理工程後、得られた液から不要な固形分を除去する遠心分離工程及び/又は濾過工程を有してもよい。なお、(B)工程において、pHをアルカリ側、特にpHを10~11に調整する場合、遠心分離工程を有さなくともよく、工程数を削減できる点で好ましい。
不要な固形分を除去する遠心分離工程及び/又はろ過工程を有する場合は、澄明な液が得られるため、飲料等に供するために適した液体状食品組成物となる。
<食品組成物>
本願は、エクオールを含む食品組成物であってpHが調整された液体食品組成物であるか又はその乾燥物である、上記食品組成物を提供する。
本発明の食品組成物は、上記の方法によって得ることもできるが、これに限定されない。
<<液体食品組成物>>
液体食品組成物は、酸側の場合、そのpHが3~5、好ましくは3~4であるのがよい。
また、液体食品組成物は、アルカリ側の場合、そのpHが7~11、好ましくは10~11であるのがよい。
<<液体食品組成物の乾燥物>>
本願は、エクオールを含む食品組成物であってpHが調整された液体食品組成物の乾燥物も提供する。
乾燥物において、pHは次のように定義する。
すなわち、乾燥物50gを水1Lに溶解又は懸濁したときのpHが上述の範囲、すなわち酸側の場合、そのpHが3~5、好ましくは3~4であるか、又はアルカリ側の場合、そのpHが7~11、好ましくは10~11であるのがよい。
pH測定には、ガラス隔膜電極が好適に使用できるが、pH試験紙のような簡易のものでも使用することができる。
本発明の食品組成物は、酸側に調整される場合、有機酸及び無機酸からなる群から選ばれる1種によって、pHが調整されたものであるのがよい。
この場合、本発明の食品組成物は、有機酸及び無機酸からなる群から選ばれる1種を有することとなる。
ここで、有機酸として、炭酸、炭酸水素、クエン酸、コハク酸、フマル酸、乳酸、グルコン酸、酢酸、リンゴ酸、アスコルビン酸及び安息香酸などを挙げることができるがこれらに限定されない。
また、無機酸として、塩酸、硫酸、及びリン酸などを挙げることができるがこれらに限定されない。
本発明の食品組成物は、アルカリ側に調整される場合、アルカリ金属の水酸化物、及びアルカリ土類金属の水酸化物からなる群から選ばれる1種によって、pHが調整されたものであるのがよい。
この場合、本発明の食品組成物は、アルカリ金属の水酸化物、及びアルカリ土類金属の水酸化物からなる群から選ばれる1種を有することとなる。
アルカリ金属の水酸化物、及びアルカリ土類金属の水酸化物からなる群から選ばれる1種として、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、酸化カルシウム、及び水酸化マグネシウムなどを挙げることができるがこれらに限定されない。
以下、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明の範囲は以下の実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
(前培養培地の調製)
Anaerobe Basal Broth(Thermo scientific社製:カタログ番号CM0957B)を所定量の蒸留水に溶解させ(ABB培地)、2L加圧発酵槽に1L分注した。その後、窒素ガスでガス置換し、121℃、15分で滅菌した。
(本培養培地の調製)
βシクロデキストリンを含むABB培地に酵素処理した大豆胚芽抽出物(アグリコン化されたイソフラボン:ダイゼイン、グリシテイン、ゲニステインを含む)を、終濃度6g/Lとなるように添加し、2L発酵槽に1L分注した。その後、窒素ガスでガス置換し、121℃、15分で滅菌した。
(前培養)
前培養培地に、アドレクラウチア・エクオリファシエンス(Adlercreutzia equolifaciens) DSM 19450株を植菌した後、滅菌フィルター(孔径:0.2μm、材質:ポリフッ化ビニリデン(PVDF)製)により除菌した水素を含む嫌気ガスを連続的に供給しながら、37℃で1日間培養した。
(本培養)
上記前培養した菌株を本培養培地に植菌した後、滅菌フィルター(孔径:0.2μm、材質:PVDF製)により除菌した水素を含む嫌気ガスを連続的に供給しながら、37℃で2日間培養した。
HPLC分析により、エクオールが産生されていることを確認した。
(pH調整工程)
上記エクオール産生が確認された本培養液を、ガラス容器に採取し、pH調整を行い、加熱による殺菌を実施した。比較として、pH調整を行わず、加熱による殺菌を実施した。
1)上記本培養液に、クエン酸を添加することによって、pHを3、4、5まで低下させ、加熱による殺菌を実施した。
2)また、上記本培養液に、塩酸を添加することによって、pHを3、4、5まで低下させ、加熱による殺菌を実施した。
3)また、上記本培養液に、水酸化ナトリウムを添加することによって、pHを8、9、10、11まで上昇させ、加熱による殺菌を実施した。
(制菌効果の確認)
上記pH調整工程で得られた加熱殺菌液をそのまま室温で一週間静置した。その後、標準寒天培地に、その一部を同量ずつ塗布し、37℃で1日間培養し、コロニー数をカウントした。
その結果を表1に示す。
表1から、無調整の場合、コロニー数がカウントできないほど多い一方、pH調整工程により酸性もしくはアルカリ性にすることで、菌の増殖を抑えられることが確認できた。本発明のpH調整工程を設けることにより、また、本発明のpHが調整された液体食品組成物であるか又はその乾燥物により、微生物汚染を防ぐことができることがわかった。
Figure 0007463627000001
〔実施例2〕
実施例1において、pH調整工程まで実施後、以下の工程を実施した。
(遠心沈降分離工程)
加熱殺菌した培養液を2mL容エッペンドルフチューブに入れ、遠心分離機により不溶成分を沈降させ、上清を除き、沈降物の量を確認した。このとき、遠心分離の条件(回転数、時間)を変えて、沈降への影響を見た。
その結果を表2に示す。
表2から、pHを酸性にしたものは、遠心分離の回転数を下げても沈殿量は変わらなかったが、pH7以上では、みかけ沈殿量が増えたことがわかった。
pH調整は、遠心分離工程での分離特性に影響することが確認できた。
Figure 0007463627000002
〔実施例3〕
実施例1において、pH調整工程まで実施後、以下の工程を実施した。
(遠心沈降分離工程)
pH調整後、加熱殺菌した培養液を40mL容遠沈管に入れ、遠心分離機により不溶成分を沈降させ、上清を回収した。
(ろ過工程)
遠心沈降分離により回収した上清をPVDF製MF膜(孔径0.2μm)で、ろ過し、ろ液を回収した。ろ液中のエクオール、イソフラボンをHPLC法により分析した。
その結果を表3に示す。
表3から、pH調整工程においてアルカリ性とすることで、イソフラボン濃度が向上し、イソフラボンのろ液への回収率を高められることがわかった。エクオール以外のイソフラボンも生理活性が期待できるため、イソフラボン濃度が向上することでエクオールだけでは達成できない効果が期待できる。
Figure 0007463627000003
〔実施例4〕
実施例1において、pH調整工程まで実施後、以下の乾燥工程を実施した。
また、実施例3において、ろ過工程まで実施後、以下の乾燥工程を実施した。
(乾燥工程)
ろ液を、凍結乾燥に供し、粉末を回収した。
(制菌効果の確認)
回収した粉末をシャーレに広げ、そのまま室温で一週間静置した。その後、その一部を使用し、標準寒天培地を使用した混釈法により寒天培地とし、37℃で1日間培養し、コロニー数をカウントした。
いずれの粉末においても、コロニーは検出されなかった。乾燥しても、制菌効果は維持できていたものと考えられる。
なお、回収した粉末50gを水1L、又はこれと同等の比率で溶解又は懸濁して得られた液のpHを測定した結果を表4に示す。表4から、回収した粉末を再溶解して得られた液のpH(表4中、「乾燥後」の値)は、実施例1のpH調整工程で用いたpH(表4中、「乾燥前」の値)とほぼ同じ値となることを確認した。
Figure 0007463627000004
〔実施例5〕
実施例1において、アドレクラウチア・エクオリファシエンス (Adlercreutzia equolifaciens) DSM 19450株の代わりに、アッサカロバクター・セラツス (Asaccharobacter celatus) DSM 18785を用いた以外、実施例1と同様に実施した。
その結果を表5に示す。
表5から、実施例1と同様に、pH無調整の場合、コロニー数がカウントできないほど多い一方、pH調整工程により酸性もしくはアルカリ性にすることで、菌の増殖を抑えられることが確認できた。本発明のpH調整工程を設けることにより、また、本発明のpHが調整された液体食品組成物であるか又はその乾燥物により、微生物汚染を防ぐことができることがわかった。
Figure 0007463627000005
〔実施例6〕
実施例3において、アドレクラウチア・エクオリファシエンス(Adlercreutzia equolifaciens) DSM 19450株の代わりに、アッサカロバクター・セラツス(Asaccharobacter celatus) DSM 18785を用いた以外、実施例3と同様に実施した。
その結果を表6に示す。
表6から、pH調整工程においてアルカリ性とすることで、イソフラボン濃度が向上し、イソフラボンのろ液への回収率を高められることがわかった。エクオール以外のイソフラボンも生理活性が期待できるため、イソフラボン濃度が向上することでエクオールだけでは達成できない効果が期待できる。
Figure 0007463627000006
〔実施例7〕
(前培養培地の調製)
Anaerobe Basal Broth(Thermo scientific社製:カタログ番号CM0957B)を所定量の蒸留水に溶解させ(ABB培地)、2L加圧発酵槽に1L分注した。その後、窒素ガスでガス置換し、121℃、15分で滅菌した。
(本培養培地の調製)
大豆胚芽を粉砕した後、100g/Lとなるように水道水を加え、2L発酵槽に1L分注した。その後、酵素を加えて、50℃、一晩攪拌することにより、含まれるイソフラボン配糖体をアグリコン化した後、1g/Lとなるようにアルギニンを加え、窒素ガスでガス置換し、121℃、15分で滅菌した。
(前培養)
前培養培地に、アドレクラウチア・エクオリファシエンス(Adlercreutzia equolifaciens) DSM 19450株を植菌した後、滅菌フィルター(孔径:0.2μm、材質:ポリフッ化ビニリデン(PVDF)製)により除菌した水素を含む嫌気ガスを連続的に供給しながら、37℃で1日間培養した。
(本培養)
上記前培養した菌株を本培養培地に植菌した後、滅菌フィルター(孔径:0.2μm、材質:PVDF製)により除菌した水素を含む嫌気ガスを連続的に供給しながら、37℃で2日間培養した。
HPLC分析により、エクオールが産生されていることを確認した。
(pH調整工程)
上記エクオール産生が確認された本培養液を、ガラス容器に採取し、pH調整を行い、加熱による殺菌を実施した。比較として、pH調整を行わず、加熱による殺菌を実施した。
また、上記本培養液に、水酸化ナトリウムを添加することによって、pHを8、9、10、11まで上昇させ、加熱による殺菌を実施し、実施例3同様に遠心分離機により不溶成分を沈降させ、上清を回収した。沈降させた沈殿物は、そのままイソフラボン分析に供した。
その結果を表7に示す。
表7から、大豆胚芽を原料とした場合、沈殿側にもエクオール、イソフラボンが存在するが、pH調整工程においてアルカリ性とすることで、沈殿中のイソフラボン濃度、エクオール濃度が減少し、上清中のイソフラボン濃度、エクオール濃度が向上し、イソフラボンの回収率を高められることがわかった。
エクオールの回収率を高められ、またエクオール以外のイソフラボンも生理活性が期待できるため、イソフラボン濃度が向上することでエクオールだけでは達成できない効果が期待できる。
水に不溶な大豆胚芽を遠心分離で除くことにより、澄明な水溶液を回収することができ、飲料などへの適性を高めることができる。
Figure 0007463627000007
〔実施例8〕
実施例7において、アドレクラウチア・エクオリファシエンス(Adlercreutzia equolifaciens) DSM 19450株の代わりに、アッサカロバクター・セラツス(Asaccharobacter celatus) DSM 18785を用いた以外、実施例7と同様に実施した。
その結果を表8に示す。
実施例7同様、大豆胚芽を原料とした場合、沈殿側にもエクオール、イソフラボンが存在するが、pH調整工程においてアルカリ性とすることで、沈殿中のイソフラボン濃度、エクオール濃度が減少し、上清中のイソフラボン濃度、エクオール濃度が向上し、イソフラボンの回収率を高められることがわかった。
エクオールの回収率を高められ、またエクオール以外のイソフラボンも生理活性が期待できるため、イソフラボン濃度が向上することでエクオールだけでは達成できない効果が期待できる。
水に不溶な大豆胚芽を遠心分離で除くことにより、澄明な水溶液を回収することができ、飲料などへの適性を高めることができる。
Figure 0007463627000008

Claims (7)

  1. エクオールを含む食品組成物であってpHが7~11に調整された液体食品組成物であるか又はその乾燥物(乾燥物のpHは乾燥物50gを水1Lに溶解又は懸濁したときのpHをいう)である、上記食品組成物。
  2. 前記組成物が、アルカリ金属の水酸化物、及びアルカリ土類金属の水酸化物からなる群から選ばれる1種によって、pHが調整されたものである請求項に記載の食品組成物。
  3. 前記組成物が、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、酸化カルシウム、及び水酸化マグネシウムからなる群から選ばれる1種によって、pHが調整されたものである請求項に記載の食品組成物。
  4. (A)ダイゼイン配糖体、ダイゼイン及びジヒドロダイゼインからなる群から選ばれる少なくとも1種のエクオール原料を、該エクオール原料を資化してエクオールを産生する微生物で培養する工程;及び
    (B)前記培養工程で得られたエクオールを含む培養液にpH調整剤を添加しpHを7~11に調整する工程;
    を有することによりエクオールを含む液体食品組成物であってpHが7~11に調整された液体食品組成物を得る、液体食品組成物の製造方法。
  5. (A)ダイゼイン配糖体、ダイゼイン及びジヒドロダイゼインからなる群から選ばれる少なくとも1種のエクオール原料を、該エクオール原料を資化してエクオールを産生する微生物で培養する工程;
    (B)前記培養工程で得られたエクオールを含む培養液にpH調整剤を添加しpHを7~11に調整する工程;及び
    (C)pH調整工程で得られた液を乾燥させる工程;
    を有することにより、エクオールを含む粉末状食品組成物であってpHが7~11に調整された粉末状食品組成物(粉末状食品組成物のpHは粉末状食品組成物50gを水1Lに溶解又は懸濁したときのpHをいう)を得る、粉末状食品組成物の製造方法。
  6. 前記pH調整剤が、アルカリ金属の水酸化物、及びアルカリ土類金属の水酸化物からなる群から選ばれる1種を有する請求項4又は5に記載の方法。
  7. 前記pH調整剤が、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、酸化カルシウム、及び水酸化マグネシウムからなる群から選ばれる1種である請求項4又は5に記載の方法。
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