JP2014232286A - 顕微鏡システム - Google Patents

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Abstract

【課題】所望のタイミング以外のタイミングで標本にレーザ光が照射されてしまうのを抑制し、標本への光の照射のON/OFFを任意のタイミングで切り替える。
【解決手段】刺激光を発生する刺激光源5と、刺激光を標本Sに照射する刺激光学系6と、刺激光に対して刺激光学系6に入射する角度に回折するON状態と入射しない角度に回折するOFF状態とに切り替え可能な第2音響光学素子41と、刺激光源5と刺激光学系6との間の光路に挿脱可能に設けられ、光路を開放する開状態と閉鎖する閉状態とに切り替え可能な第2メカニカルシャッタ43と、これらの第2音響光学素子41および第2メカニカルシャッタ43により標本Sへの刺激光の照射のON/OFFを制御するCPUとを備え、CPUが、第2音響光学素子41をON状態に切り替える前に第2メカニカルシャッタ43を開状態に切り替える顕微鏡システム100を提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、顕微鏡システムに関するものである。
従来、標本にレーザ光を照射し、標本の反応を観察する走査型顕微鏡が知られている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1に記載の走査型顕微鏡は、刺激光学系および観察光学系が、音響光学素子のように回折角度の制御によりレーザ光の通過/遮断を切り替え可能なシャッタをそれぞれ備えており、各シャッタによりレーザ光の通過/遮断を切り替えることで、観察光学系により標本の画像を取得しながら刺激光学系により任意のタイミングで標本を光刺激することとしている。
特開2003−315681号公報
しかしながら、音響光学素子は回折角度の制御に関わらずにレーザ光の微弱な漏れ光成分が発生してしまうため、レーザ光の通過/遮断を完全には切り替えることができない。そのため、特許文献1に記載の走査型顕微鏡では、音響光学素子でのレーザ光の漏れ光成分により、標本を光刺激する所望のタイミング以外のタイミングで試薬が反応してしまい、所望のタイミングで光刺激することができないという不都合がある。
一方、シャッタとしては、レーザ光の光路を閉鎖する閉位置と開放する開位置との間を移動してレーザ光の通過/遮断を切り替え可能なメカニカルシャッタがある。しかしながら、メカニカルシャッタは、光路を閉鎖することでレーザ光を確実に遮断することができるものの、開閉動作の指令を出力してから光路を実際に閉鎖するまでに時間遅れが生じるため、レーザ光の通過/遮断を瞬時に切り替えることができないという不都合がある。
本発明は上述した事情に鑑みてなされたものであって、所望のタイミング以外のタイミングで標本に光が照射されてしまうのを抑制し、標本への光の照射のON/OFFを任意のタイミングで切り替えることができる顕微鏡システムを提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
本発明は、光を発生する光源と、該光源から発せられた光を標本に照射する照射光学系と、前記光源から発せられた光に対して、前記照射光学系に入射する角度に回折するON状態と入射しない角度に回折するOFF状態とに切り替え可能な音響光学素子と、前記光源と前記照射光学系との間の光路に挿脱可能に設けられ、該光路を開放する開状態と閉鎖する閉状態とに切り替え可能なメカニカルシャッタと、前記音響光学素子および前記メカニカルシャッタにより前記標本への光の照射のON/OFFを制御する制御部とを備え、該制御部が、前記音響光学素子をON状態に切り替える前に前記メカニカルシャッタを開状態に切り替える顕微鏡システム。
本発明によれば、光源から発せられた光が、音響光学素子およびメカニカルシャッタを介して照射光学系により標本に照射される。音響光学素子では、ON状態とOFF状態とを切り替えて光の回折角度を変化させることにより、照明光学系に入射する光の通過/遮断が切り替えられる。メカニカルシャッタでは、開状態と閉状態とを切り替えて光路を開放/閉鎖することにより、照明光学系に入射する光の通過/遮断が切り替えられる。したがって、制御部により、標本への光の照射のON/OFFを任意に切り替えることができる。
この場合において、音響光学素子は、ON状態とOFF状態とを瞬時に切り替えることができるが、回折角度の制御に関わらずに光の微弱な漏れ光成分が発生してしまうため、光の通過/遮断を完全には切り替えることができない。一方、メカニカルシャッタは、光を通過/遮断を完全に切り替えることができるが、挿脱動作の指令を出力してから実際に光路を開放/閉鎖するまでに時間遅れが生じる。
そこで、制御部が、音響光学素子をON状態に切り替える前にメカニカルシャッタを開状態に切り替えることで、標本に光を照射するタイミング以外はメカニカルシャッタにより光をほぼ確実に遮断し、標本に光を照射するタイミングでは音響光学素子により所望のタイミングで光を通過させることができる。
したがって、響光学素子による漏れ光の発生とメカニカルシャッタの時間遅れを相互に補って、所望のタイミング以外のタイミングで標本に光が照射されてしまうのを抑制し、標本への光の照射のON/OFFを任意のタイミングで切り替えることができる。
上記発明においては、前記制御部が、前記メカニカルシャッタに挿脱動作の信号を入力してから該メカニカルシャッタが光路から脱離するまでにかかる時間遅れ分だけ、前記音響光学素子よりも前に前記メカニカルシャッタを開状態に切り替え始めることとしてもよい。
このように構成することで、音響光学素子による光の遮断から通過への切り替えとメカニカルシャッタによる光の遮断から通過への切り替えの時間差を最小限に抑え、標本に照射される音響光学素子の漏れ光成分をより少なくすることができる。
上記発明においては、前記制御部が、前記音響光学素子をOFF状態に切り替えるのとほぼ同時に、前記メカニカルシャッタを閉状態に切り替え始めることとしてもよい。
このように構成することで、標本への光の照射を停止するタイミングでは音響光学素子により所望のタイミングで光を遮断し、標本への光の照射を停止した後はメカニカルシャッタにより光をほぼ確実に遮断することができる。
上記発明においては 前記制御部が、前記メカニカルシャッタに挿脱動作の信号を入力してから該メカニカルシャッタが光路から脱離するまでにかかる時間遅れ分よりも前記音響光学素子のON状態およびOFF状態を長くし、該音響光学素子のON状態/OFF状態および前記メカニカルシャッタの開状態/閉状態を繰り返し切り替えることとしてもよい。
このように構成することで、所望のタイミング以外のタイミングで標本に光が照射されてしまうのを抑制しながら、標本に対して断続的に光を照射することができる。
上記発明においては、異なる波長の光を発生する複数の前記光源と、これらの複数の光源から発せられた光に光路を合成する光路合成部とを備え、各前記光源と前記光路合成部との間に配置された複数の前記メカニカルシャッタとを備え、前記音響光学素子が、前記光路合成部により合成された光の光路上に配置されていることとしてもよい。
このように構成することで、各メカニカルシャッタにより光源ごとに光の通過/遮断を確実に切り替えることができる。そして、いずれかの光源から標本に光を照射するタイミング以外はメカニカルシャッタにより光をほぼ確実に遮断する一方、その光源から標本に光を照射するタイミングでは音響光学素子により所望のタイミングで光を通過させることができる。
本発明は、駆動電圧に応じてレーザ光の強度を調整し、レーザ光を発生するON状態と発生しないOFF状態とに切替可能なレーザ光源と、該レーザ光源から発せられたレーザ光を標本に照射する照射光学系と、前記レーザ光源と前記照明光学系との間の光路に挿脱可能に設けられ、該光路を開放する開状態と閉鎖する閉状態とに切り替え可能なメカニカルシャッタと、前記レーザ光源および前記メカニカルシャッタにより前記標本へのレーザ光の照射のON/OFFを制御する制御部とを備え、該制御部が、前記レーザ光源をON状態に切り替える前に前記メカニカルシャッタを開状態に切り替える顕微鏡システムを提供する。
本発明によれば、レーザ光源から発せられたレーザ光が、メカニカルシャッタを介して照射光学系により標本に照射される。レーザ光源では、ON状態とOFF状態とを切り替えてレーザ光の強度を調整することにより、レーザ光の発生タイミングが切り替えられる。メカニカルシャッタでは、開状態と閉状態とを切り替えて光路を開放/閉鎖することにより、照明光学系に入射するレーザ光の通過/遮断が切り替えられる。したがって、制御部により、標本へのレーザ光の照射のON/OFFを任意に切り替えることができる。
この場合において、レーザ光源は、ON状態とOFF状態とを瞬時に切り替えることができるが、OFF状態でもレーザ光の微弱な漏れ光成分が発生してしまうため、レーザ光の発生タイミングを完全には切り替えることができない。
そこで、制御部が、レーザ光源をON状態に切り替える前にメカニカルシャッタを開状態に切り替えることで、標本にレーザ光を照射するタイミング以外はメカニカルシャッタによりレーザ光をほぼ確実に遮断し、標本にレーザ光を照射するタイミングではレーザ光源から所望のタイミングでレーザ光を発生させることができる。
したがって、レーザ光源からの漏れ光の発生とメカニカルシャッタの時間遅れを相互に補って、所望のタイミング以外のタイミングで標本にレーザ光が照射されてしまうのを抑制し、標本へのレーザ光の照射のON/OFFを任意のタイミングで切り替えることができる。
上記発明においては、前記制御部が、前記メカニカルシャッタに挿脱動作の信号を入力してから該メカニカルシャッタが光路から脱離するまでにかかる時間遅れ分だけ、前記レーザ光源よりも前に前記メカニカルシャッタを開状態に切り替え始めることとしてもよい。
このように構成することで、レーザ光源からのレーザ光を発生するタイミングとメカニカルシャッタによるレーザ光の遮断から通過の切り替えの時間差を最小限に抑え、標本に照射されるレーザ光源の漏れ光成分をより少なくすることができる。
上記発明においては、前記制御部が、前記レーザ光源をOFF状態に切り替えるのとほぼ同時に、前記メカニカルシャッタを閉状態に切り替え始めることとしてもよい。
このように構成することで、標本へのレーザ光の照射を停止するタイミングではレーザ光源により所望のタイミングでレーザ光の発生を停止し、標本へのレーザ光の照射を停止した後はメカニカルシャッタによりレーザ光をほぼ確実に遮断することができる。
上記発明においては、前記制御部が、前記メカニカルシャッタに挿脱動作の信号を入力してから該メカニカルシャッタが光路から脱離するまでにかかる時間遅れ分よりも前記レーザ光源のON状態およびOFF状態を長くし、該レーザ光源のON状態/OFF状態を繰り返し切り替えることとしてもよい。
このように構成することで、所望のタイミング以外のタイミングで標本に光が照射されてしまうのを抑制しながら、標本に対して断続的に光を照射することができる。
上記発明においては、前記標本からの戻り光を画像化して前記標本の画像を取得する画像取得部を備え、前記制御部が、前記画像取得部により前記戻り光の画像化を開始する前に前記メカニカルシャッタを開状態に切り替えることとしてもよい。
このように構成することで、画像取得部により画像を取得するタイミングまではメカニカルシャッタにより光をほぼ確実に遮断することができる。これにより、画像取得していない間に標本に光が照射されてしまう無駄を最小限に抑えることができる。
本発明によれば、所望のタイミング以外のタイミングで標本に光が照射されてしまうのを抑制し、標本への光の照射のON/OFFを任意のタイミングで切り替えることができるという効果を奏する。
本発明の第1実施形態に係る顕微鏡システムを示す概略構成図である。 図1の音響光学素子の概略構成図である。 (a)は図1のメカニカルシャッタにより光路を閉鎖した状態を示す図であり、(b)はメカニカルシャッタにより光路を開放した状態を示す図である。 図1の制御装置の構成を示すブロック図である。 図1の観察走査ユニットによりラスタスキャンし刺激走査ユニットによりトルネードスキャンする場合を説明する図である。 音響光学素子およびメカニカルシャッタの切り替えのタイミングを説明する図である。 刺激走査ユニットによりポイントスキャンする場合を説明する図である。 音響光学素子およびメカニカルシャッタの切り替えのタイミングを説明する図である。 刺激走査ユニットによりラスタスキャンする場合を説明する図である。 音響光学素子とメカニカルシャッタの切り替えタイミングを説明する図である。 本発明の第1実施形態の第1変形例に係る顕微鏡システムの音響光学素子およびメカニカルシャッタの切り替えのタイミングを説明する図である。 本発明の第1実施形態の第2変形例に係る顕微鏡システムが光源を3つ備える構成を説明する図である。 本発明の第2実施形態に係る顕微鏡システムを示す概略構成図である。
〔第1実施形態〕
本発明の第1実施形態に係る顕微鏡システムについて図面を参照して以下に説明する。
本実施形態に係る顕微鏡システム100は、図1に示すように、標本Sを載置するステージ1と、励起光を発生する励起光源2と、標本Sに励起光を照射して蛍光を発生させる観察光学系(照射光学系)3と、標本Sにおいて発生した蛍光を検出する検出光学系4と、刺激光を発生する刺激光源5と、標本Sに刺激光を照射して光刺激を与える刺激光学系(照射光学系)6と、これらの観察光学系3、検出光学系4および刺激光学系6等を制御する制御装置7とを備えている。
また、顕微鏡システム100には、制御装置7の制御により、観察光学系3に入射させる励起光の通過/遮断を切り替える第1音響光学素子11および第1メカニカルシャッタ13と、刺激光学系6に入射させる刺激光の通過/遮断を切り替える第2音響光学素子41および第2メカニカルシャッタ43とが備えられている。
励起光源2は、標本S内の蛍光試薬を励起させる励起光としてのレーザ光を発生するようになっている。
観察光学系3は、第1音響光学素子11および第1メカニカルシャッタ13を通過した励起光を偏向する観察走査ユニット15と、観察走査ユニット15により偏向された励起光をリレーするリレーレンズ17と、リレーレンズ17を透過した励起光を反射する反射ミラー19と、反射ミラー19により反射された励起光を平行光にする結像レンズ21と、結像レンズ21を透過した励起光を標本Sに照射する一方、標本Sにおいて発生する蛍光を含む戻り光を集光する対物レンズ23とを備えている。
観察走査ユニット15は、互いに直交する揺動軸回りに揺動可能に設けられ、ラスタスキャン方式で駆動すれるX方向スキャナ15AとY方向スキャナ15Bとを備えている。これらのスキャナ15A,15Bは、励起光を互いに直交する2方向に偏向して、標本S上で2次元的に走査させることができるようになっている。
検出光学系4は、対物レンズ23により集光された蛍光を励起光の光路から分岐させるダイクロイックミラー31と、ダイクロイックミラー31により分岐された戻り光から蛍光波長のみを選択的に通過させる測光フィルタ33と、測光フィルタ33を通過した蛍光を集光する集光レンズ35と、集光レンズ35により集光された蛍光の通過を制限する共焦点ピンホール37と、共焦点ピンホール37を通過した蛍光を検出する光電変換素子39とを備えている。
ダイクロイックミラー31は、励起光源2と観察走査ユニット15との間の光路上に配置されており、励起光源2からの励行光を透過させる一方、標本Sから観察光学系3を介して励起光の光路を戻る戻り光を測光フィルタ33に向けて反射するようになっている。
共焦点ピンホール37は、測光フィルタ33を通過した蛍光の内、標本Sにおける励起光の焦点位置から光軸方向にずれた位置において発生した蛍光をカットし、標本Sにおける励起光の焦点位置から発生した蛍光のみを通過させることができるようになっている。
光電変換素子39は、蛍光を検出するとその輝度に相当する輝度信号に変換して制御装置7に送るようになっている。
刺激光源5は、標本Sを刺激する刺激光としてのレーザ光を発生するようになっている。
刺激光学系6は、第2音響光学素子41および第2メカニカルシャッタ43を通過した刺激光を偏向する刺激走査ユニット45と、刺激走査ユニット45により偏向された刺激光をリレーするリレーレンズ47と、リレーレンズ17を透過した刺激光の光路と観察光学系3の励起光の光路とを合成するダイクロイックミラー49とを備えている。
刺激走査ユニット45は、互いに直交する揺動軸回りにラスタスキャン方式で駆動するX方向スキャナ45AとY方向スキャナ45Bとを備えている。この刺激走査ユニット45は、刺激光源5から入射した刺激光を互いに直交する2方向に偏向して、標本S上で2次元的に走査させることができるようになっている。
ダイクロイックミラー49は、反射ミラー19と結像レンズ21との間の光路上に配置されており、刺激光学系6のリレーレンズ47を透過した刺激光を結像レンズ21に向けて反射する一方、反射ミラー19からの励起光および結像レンズ21からの戻り光を透過させるようになっている。
第1音響光学素子11および第1メカニカルシャッタ13は、励起光源2と観察光学系3との間光路上に設けられ、励起光源2側から第1音響光学素子11、第1メカニカルシャッタ13の順に配置されている。
第2音響光学素子41および第2メカニカルシャッタ43は、刺激光源5と刺激光学系6との間の光路上に設けられ、刺激光源5側から第2音響光学素子41、第2メカニカルシャッタ43の順に配置されている。
第1音響光学素子11としては、例えば、AOM(Acousto−Optic Modulator)やAOTF(Acousto−Optics Tunable Filter)を用いることができる。第1音響光学素子11は、図2に示すように、光学結晶に超音波(制御信号)を印加して光学結晶を粗密波で振動させることにより屈折率の変化を誘起し、この屈折率の粗密を回折格子とすることで、光線の回折を起こさせるようになっている。また、第1音響光学素子11は、印加する制御信号の周波数を変えることで、光線の回折角度を変化させることができるようになっている。
この第1音響光学素子11は、制御信号により、観察光源1から入射した励起光を観察光学系3に入射する角度に回折するON状態と、入射しない角度に回折するOFF状態とに切り替えることができるようになっている。
第2音響光学素子41は、第1音響光学素子11と同様に構成されている。
これらの第1音響光学素子11および第2音響光学素子41は、制御信号により瞬時にON状態とOFF状態とを切り替えることができるようになっている。
第1メカニカルシャッタ13は、図3(a),(b)に示すように、第音響光学素子11と観察光学系3との間の光路上に挿脱可能に設けられた遮光部材により形成されている。この第1メカニカルシャッタ13は、駆動信号により、図3(a)に示すように光路に挿入して光路を閉鎖する閉状態と、図3(b)に示すように光路から外して光路を開放する開状態とに切り替えることができるようになっている。
第2メカニカルシャッタ43は、第1メカニカルシャッタ13と同様に構成されている。
これらの第1メカニカルシャッタ13と第2メカニカルシャッタ43は、制御装置7が駆動信号を出力してから実際に光路に挿入または光路から脱離するまで、すなわち、閉位置から開位置または開位置から閉位置に移動するまでに時間遅れが生じる。以下、制御装置7が駆動信号を出力してから第1メカニカルシャッタ13または第2メカニカルシャッタ43が実際に光路を開放/閉鎖するまでにかかる遅れ時間を「ディレイ時間」という。
制御装置7は、図4に示すように、観察走査ユニット15および刺激走査ユニット45に制御信号を送る観察走査波形発生回路51および刺激走査波形発生回路52と、第1音響光学素子11および第2音響光学素子41に制御信号を送る第1制御回路53および第2制御回路54と、第1メカニカルシャッタ13および第2メカニカルシャッタ43に駆動信号を送る第1駆動回路55および第2駆動回路56と、標本Sの2次元的な画像を生成する画像生成部57と、これらの回路および画像生成部57を制御するCPU(Central Processing Unit、制御部)58とを備えている。
観察走査波形発生回路51は、観察走査ユニット15に対して各スキャナ15A,15Bの揺動動作を制御する制御信号を発生するようになっている。また、観察走査波形発生回路51は、観察走査ユニット15により励起光を走査するタイミング信号をCPU58を介して画像生成部57に送るようになっている。
刺激走査波形発生回路52は、刺激走査ユニット45に対して各スキャナ45A,45Bの揺動動作を制御する制御信号を発生するようになっている。
第1制御回路53は、第1音響光学素子11に対して、ON状態とOFF状態とに切り替える制御信号を出力するようになっている。
第2制御回路54は、第2音響光学素子41に対して、ON状態とOFF状態とに切り替える制御信号を出力するようになっている。
第1駆動回路55は、第1メカニカルシャッタ13に対して、開状態と閉状態とに切り替える駆動信号を出力するようになっている。
第2駆動回路56は、第2メカニカルシャッタ43に対して、開状態と閉状態とに切り替える駆動信号を出力するようになっている。
画像生成部57は、観察走査波形発生回路51から送られてくる観察走査ユニット15のタイミング信号に基づいて、光電変換素子39から送られてくる輝度信号を2次元的に並べ替えて、標本Sの2次元的な画像を生成するようになっている。画像生成部57により生成された標本Sの画像は図示しないモニタに表示されるようになっている。
CPU58は、観察走査波形発生回路51から制御信号を発生させて、観察走査ユニット15による励起光の走査を制御するとともに、刺激走査波形発生回路52から制御信号を発生させて、刺激走査ユニット45による刺激光の走査を制御するようになっている。
また、CPU58は、制御回路53から制御信号を発生させるとともに駆動回路55から駆動信号を発生させて、第1音響光学素子11および第1メカニカルシャッタ13により、標本Sへの励起光の照射のON/OFFを制御するようになっている。また、CPU58は、制御回路54から制御信号を発生させるとともに駆動回路56から駆動信号を発生させて、第2音響光学素子41および第2メカニカルシャッタ43により、標本Sへの刺激光の照射のON/OFFを制御するようになっている。
このCPU58は、第1音響光学素子11をOFF状態からON状態に切り替える前に、第1メカニカルシャッタ13をディレイ時間分だけ先に閉状態から開状態に切り替え始めるようになっている。また、CPU58は、第1音響光学素子11をON状態からOFF状態に切り替えるのとほぼ同時に、第1メカニカルシャッタ13を開状態から閉状態に切り替え始めるようになっている。
同様に、CPU58は、第2音響光学素子41をOFF状態からON状態に切り替える前に、ディレイ時間分だけ先に第2メカニカルシャッタ43を閉状態から開状態に切り替え始め、第2音響光学素子41をON状態からOFF状態に切り替えるのとほぼ同時に、第2メカニカルシャッタ43を開状態から閉状態に切り替え始めるようになっている。
さらに、CPU58は、画像生成部57に対して画像を生成するフレーム信号を送るようになっている。
このように構成された顕微鏡システム100の作用について説明する。
本実施形態に係る顕微鏡システム100により標本Sを観察するには、まず、蛍光指示薬を導入した標本Sをステージ1に載置し、励起光源2から励起光を発生させる。
励起光源2から発せられた励起光は、CPU58の制御により第1音響光学素子11がON状態のときは、観察光学系3に入射する光路に沿って第1音響光学素子11を通過し、第1音響光学素子11がOFF状態のときは、観察光学系3に入射しない光路に沿って第1音響光学素子11を通過する。
ON状態の第1音響光学素子11を通過した励起光は、CPU58の制御により第1メカニカルシャッタ13が開状態のときは、光路が開放されることにより光路を通過して観察光学系3に入射し、第1メカニカルシャッタ13が閉状態のときは、光路が閉鎖されることにより遮断される。
したがって、CPU58により、第1音響光学素子11および第1メカニカルシャッタ13において、標本Sへの励起光の照射のON/OFFを任意に切り替えることができる。
第1音響光学素子11および第1メカニカルシャッタ13を通過した励起光は、ダイクロイックミラー31を透過して観察走査ユニット15により偏向された後、リレーレンズ17によりリレーされて反射ミラー19により反射される。反射ミラー19により反射された励起光は、ダイクロイックミラー31を透過して結像レンズ21を介して対物レンズ23により標本Sに照射される。
そして、CPU58により、観察走査ユニット15の各スキャナ15A,15Bの揺動動作が制御されることで、図5に示すように標本S上で励起光がラスタスキャンされる(イメージスキャン)。また、画像生成部57に対して、観察走査波形発生回路51から観察走査ユニット15による走査のタイミング信号がCPU58を介して送られる。
励起光が標本Sに照射されることにより蛍光指示薬が励起されて蛍光が発生すると、蛍光を含む戻り光が対物レンズ23により集光されて励起光の光路を逆方向に戻る。この戻り光は、結像レンズ21およびダイクロイックミラー31を透過して反射ミラー19により反射された後、リレーレンズ17によりリレーされて観察走査ユニット15を通過し、ダイクロイックミラー31により反射されて励起光の光路から分岐する。
ダイクロイックミラー31により反射された戻り光は、測光フィルタ33により蛍光以外の光が除去されて蛍光のみとなり、集光レンズ35により集光される。集光レンズ35により集光された蛍光の内、標本Sにおける励起光の焦点位置から発生した蛍光のみが共焦点ピンホール37を通過して光電変換素子39により検出される。光電変換素子39により、検出した蛍光の輝度に相当する輝度信号が画像生成部57に送られる。
画像生成部57においては、観察走査波形発生回路51から送られてくる観察走査ユニット15による走査のタイミング信号に基づいて、光電変換素子39から送られてくる輝度信号が画像化(イメージング)されて、標本Sの2次元的な画像が生成される。これにより、ユーザはモニタ等に画像を表示させて標本Sを観察することができる。
次に、顕微鏡システム100により標本Sを光刺激する場合は、まず、刺激光源5から刺激光を発生させる。刺激光は、CPU58の制御により第2音響光学素子41がON状態のときは、刺激光学系6に入射する光路に沿って第2音響光学素子41を通過し、第2音響光学素子41がOFF状態のときは、刺激光学系6に入射しない光路に沿って第2音響光学素子41を通過する。
ON状態の第2音響光学素子41を通過した刺激光は、CPU58の制御により第2メカニカルシャッタ43が開状態のときは、光路が開放されることにより光路を通過して刺激光学系6に入射し、第2メカニカルシャッタ43が閉状態のときは、光路が閉鎖されることにより第2音響素子41からの刺激光が遮断される。
したがって、CPU58により、第2音響光学素子41および第2メカニカルシャッタ43において、標本Sへの刺激光の照射のON/OFFを任意に切り替えることができる。
第2音響光学素子41および第2メカニカルシャッタ43を通過した刺激光は、刺激走査ユニット45により偏向され、リレーレンズ47によりリレーされてダイクロイックミラー49により反射された後、結像レンズ21を介して対物レンズ23により標本Sに照射される。
そして、CPU58により、刺激走査ユニット45の各スキャナ45A,45Bの揺動動作が制御されることで、図5に示すように標本Sの光刺激領域で刺激光が螺旋状に走査される(トルネードスキャン)。これにより、標本Sの光刺激領域を光刺激することができる。
この場合において、音響光学素子11,41は、ON状態とOFF状態とを瞬時に切り替えることができるが、回折角度の制御に関わらずに励起光または刺激光の微弱な漏れ光成分が発生してしまうため、励起光または刺激光の通過/遮断を完全には切り替えることができない。一方、メカニカルシャッタ13,43は、励起光または刺激光を通過/遮断を完全に切り替えることができるが、駆動信号を出力してから実際に光路を開放/閉鎖するまでに時間遅れが生じる。
本実施形態においては、標本Sの光刺激では、例えば、図6に示すように、CPU58により、第2音響光学素子41がOFF状態からON状態に切り替えられる前に、第2メカニカルシャッタ43がディレイ時間分だけ先に閉状態から開状態に切り替えられ始める。
これにより、標本Sに刺激光を照射するタイミングまでは、OFF状態の第2音響光学素子41から刺激光の漏れ光が発生しても、第2メカニカルシャッタ43が光路を閉鎖しているので刺激光をほぼ確実に遮断することができる。また、標本Sに刺激光を照射するタイミングでは、第2メカニカルシャッタ43が光路を開放した状態で第2音響光学素子41が切り替えとほぼ同時に刺激光を通過させるので、所望のタイミングで標本Sに刺激光を照射することができる。
また、CPU58により、第2音響光学素子41がON状態からOFF状態に切り替えられるのとほぼ同時に、第2メカニカルシャッタ43が開状態から閉状態に切り替えられ始める。
これにより、標本Sへの刺激光の照射を停止するタイミングでは、第2音響光学素子41が切り替えとほぼ同時に刺激光を遮断するので、所望のタイミングで刺激光を遮断することができる。また、標本Sへの刺激光の照射を停止した後は、OFF状態の第2音響光学素子41から刺激光の漏れ光が発生しても、第2メカニカルシャッタ43が光路を閉鎖ししているので刺激光をほぼ確実に遮断することができる。
したがって、刺激走査ユニット45によりトルネードスキャンする際に、光刺激領域以外の領域に刺激光が照射されることを抑止することができる。
観察光学系3においても同様に、CPU58により、第1音響光学素子11がOFF状態からON状態に切り替えられる前に、第1メカニカルシャッタ13がディレイ時間分だけ先に閉状態から開状態に切り替えられ始め、第1音響光学素子11がON状態からOFF状態に切り替えられるのとほぼ同時に、第1メカニカルシャッタ13が開状態から閉状態に切り替えられ始める。
したがって、本実施形態に係る顕微鏡システム100によれば、音響光学素子11,41による漏れ光の発生とメカニカルシャッタ13,43の時間遅れを相互に補って、所望のタイミング以外のタイミングで標本Sに励起光や刺激光が照射されてしまうのを抑制し、標本Sへの励起光および刺激光の照射のON/OFFを任意のタイミングで精度よく切り替えることができる。
また、CPU58が、音響光学素子11,41をON状態に切り替える前に、メカニカルシャッタ13,43をディレイ時間分だけ先に開状態に切り替え始めることで、音響光学素子11,41による励起光または刺激光の通過/遮断の切り替えとメカニカルシャッタ13,43による励起光または刺激光の通過/遮断の切り替えの時間差を最小限に抑え、標本Sに照射される音響光学素子11,41の漏れ光成分をより少なくすることができる。
図6においては、刺激光学系6により標本S上で刺激光をトルネードスキャンする場合を例示しているが、例えば、図7および図8に示すように、CPU58が、刺激走査ユニット45により、標本S上の同一の光刺激位置に複数回にわたり刺激光をポイントスキャンすることとしてもよい。
この場合、CPU58が、第2メカニカルシャッタ43のディレイ時間の2倍の時間よりも第2音響光学素子41をON状態に設定する時間を長くし、第2音響光学素子41のON状態/OFF状態を繰り返し切り替えるたびに、第2メカニカルシャッタ43の開状態/閉状態を繰り返し切り替えることとすればよい。
このようにすることで、所望のタイミング以外のタイミングで標本Sに刺激光が照射されてしまうのを抑制しながら、標本Sに対して断続的に刺激光を照射することができる。
また、本実施形態においては、例えば、図9に示すように、Xガルバノスキャナ45Aにより光刺激領域をX方向に1ライン走査したら(走査期間)、Xガルバノスキャナ45Aの揺動角度を元に戻すとともにYガルバノスキャナ45BをY方向の次のラインに向けて揺動させて(帰線期間)、次のラインの最初からXガルバノスキャナ45AによりX方向に走査する(走査期間)というように、ラスタスキャンすることとしてもよい。
この場合、例えば、図10に示すように、第2音響光学素子41は、走査期間が始まると同時にON状態にし、走査期間が終了して帰線期間が始まると同時にOFF状態に切り替えることとすればよい。また、第2メカニカルシャッタ43は、最初のラインの走査期間の開始よりもディレイ時間だけ先に閉状態から開状態に切り替え始め、最後のラインの走査期間が終了すると同時に閉状態に切り替え始めることとすればよい。
このようにすることで、標本Sにおける光刺激領域外に刺激光を照射してしまうことを最小限に抑えることができる。
本実施形態は以下のように変形することができる。
本実施形態においては、第2音響光学素子41をON状態に切り替える前に、第2メカニカルシャッタ43をディレイ時間分だけ先に開状態に切り替え始め、第2音響光学素子41をOFF状態に切り替えると同時に、第2メカニカルシャッタ43を閉状態に切り替え始めることとしたが、第1変形例としては、画像生成部57により蛍光の画像化(イメージング)を開始する前に第2メカニカルシャッタ43を開状態に切り替え始め、蛍光の画像化を終了すると同時に第2メカニカルシャッタ43を閉状態に切り替え始めることとしてもよい。
この場合、図11に示すように、観察走査ユニット15により励起光の走査を開始する間にディレイ時間だけ先に第2メカニカルシャッタ43を閉状態から開状態に切り替え始め、励起光の走査を終了すると同時に第2メカニカルシャッタ43を開状態から閉状態に切り替え始めることとすればよい。そして、CPU58からのフレーム信号に基づいて、いずれかの画像を取得している最中に第2音響光学素子41をOFF状態からON状態に一時的に切り替えて標本Sに刺激光を照射することとすればよい。
このようにすることで、画像生成部57により画像を取得するタイミングまでは第2メカニカルシャッタ43により刺激光をほぼ確実に遮断することができる。これにより、画像取得していない間に標本Sに刺激光が照射されてしまう無駄を最小限に抑えることができる。
第2変形例としては、図12に示すように、顕微鏡システム100が、3つ(複数)の刺激光源5A,5B,5Cと、これらの刺激光源5A,5B,5Cから発せられた刺激光の光路を合成するダイクロイックミラー(光路合成部)61と、各刺激光源5A,5B,5Cとダイクロイックミラー61との間に配置された3つ(複数)の第2メカニカルシャッタ43A,43B,43Cとを備えることとしてもよい。
この場合、顕微鏡システム100が、刺激光源5Cから発せられた刺激光を反射する反射ミラー63と、刺激光源5Bから発せられた刺激光を反射する一方、反射ミラー63により反射された刺激光源5Cからの刺激光を透過することにより、刺激光源5Bからの刺激光の光路と刺激光源5Cからの刺激光の光路とを合成してダイクロイックミラー61に入射させるダイクロイックミラー65とをさらに備えることとすればよい。
3つの刺激光源5A,5B,5Cは、互いに異なる波長の刺激光を発生させるようになっている。
ダイクロイックミラー61は刺激光源5Aから発せられた刺激光を透過する一方、ダイクロイックミラー65からの刺激光を反射することにより、これらの刺激光の光路を合成して第1音響光学素子11に入射させることができるようになっている。
このようにすることで、各第2メカニカルシャッタ43A,43B,43Cにより刺激光源5A,5B,5Cごとに刺激光の通過/遮断を確実に切り替えることができる。そして、いずれかの刺激光源5A(5B,5C)から標本Sに刺激光を照射するタイミング以外は、第2メカニカルシャッタ43A(43B,43C)により刺激光を確実に遮断する一方、その刺激光源5A(5B,5C)から標本Sに刺激光を照射するタイミングでは、第2音響光学素子41により所望のタイミングで刺激光を通過させることができる。
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態に係る顕微鏡システムについて説明する。
本実施形態に係る顕微鏡システム200は、図13に示すように、刺激光源5および第2音響光学素子41に代えて、駆動電圧に応じてレーザ光の強度を調整可能なレーザダイオード(レーザ光源)105を備え、CPU58がレーザダイオード105および第2メカニカルシャッタ43により標本Sへのレーザ光の照射のON/OFFを制御する点で第1実施形態と異なる。
以下、第1実施形態に係る顕微鏡システム100と構成を共通する箇所には、同一符号を付して説明を省略する。
レーザダイオード105は、レーザ光を発生するON状態と発生しないOFF状態とに切替えることができるようになっている。レーザダイオード105から発せられたレーザ光は第2メカニカルシャッタ43を介して刺激光学系6に入射するようになっている。
このレーザダイオード105は、ON状態とOFF状態とを瞬時に切り替えることができるが、OFF状態でもレーザ光の微弱な漏れ光成分が発生してしまうため、レーザ光の発生タイミングを完全には切り替えることができない。
制御装置7は、第2制御回路54に代えて、レーザダイオード105に対して、ON状態とOFF状態とに切り替える制御信号を出力する制御回路(図示略)を備えている。
CPU58は、制御回路から制御信号を発生させてレーザダイオード105のON状態/OFF状態の切り替えを制御するようになっている。
また、CPU58は、レーザダイオード105をON状態に切り替える前にディレイ時間だけ先に第2メカニカルシャッタ43を開状態に切り替え始め、レーザダイオード105をOFF状態に切り替えると同時に第2メカニカルシャッタ43を閉状態に切り替え始めることとしてもよい。
このように構成された顕微鏡システム200の作用について説明する。
励起光源2および観察光学系3により標本Sを観察する場合については第1実施形態と同様であるので説明を省略する。
顕微鏡システム200により標本Sを光刺激する場合は、まず、CPU58により、レーザダイオード105をON状態に切り替えてレーザ光を発生させる。
レーザダイオード105から発せられたレーザ光は、CPU58の制御により第2メカニカルシャッタ43が開状態のときは、光路が開放されることにより光路を通過して刺激光学系6に入射し、第2メカニカルシャッタ43が閉状態のときは、光路が閉鎖されることによりレーザダイオード105からのレーザ光が遮断される。
CPU58によりレーザダイオード105がOFF状態に切り替えられると、レーザ光の発生が停止される。
したがって、CPU58により、レーザダイオード105および第2メカニカルシャッタ43において、標本Sへのレーザ光の照射のON/OFFを任意に切り替えることができる。
本実施形態においては、標本Sの光刺激では、CPU58により、レーザダイオード105がOFF状態からON状態に切り替えられる前に、第2メカニカルシャッタ43がディレイ時間分だけ先に閉状態から開状態に切り替えられ始める。
したがって、標本Sにレーザ光を照射するタイミングまでは、OFF状態のレーザダイオード105からレーザ光の漏れ光が発生しても第2メカニカルシャッタ43が光路を遮断することでレーザ光をほぼ確実に遮断することができる。また、標本Sにレーザ光を照射するタイミングでは、第2メカニカルシャッタ43が光路を開放した状態でレーザダイオード105が切り替えとほぼ同時にレーザ光を発生することで、所望のタイミングで標本Sにレーザ光を照射することができる。
また、CPU58により、レーザダイオード105がON状態からOFF状態に切り替えられるのとほぼ同時に、第2メカニカルシャッタ43が開状態から閉状態に切り替えられ始める。
これにより、標本Sへのレーザ光の照射を停止するタイミングでは、レーザダイオード105が切り替えとほぼ同時にレーザ光の発生を停止するので、所望のタイミングでレーザ光を遮断することができる。また、標本Sへのレーザ光の照射を停止した後は、OFF状態のレーザダイオード105からレーザ光の漏れ光が発生しても第2メカニカルシャッタ43が光路を閉鎖ししているので、レーザ光をほぼ確実に遮断することができる。
したがって、本実施形態に係る顕微鏡システム200によれば、レーザダイオード105からの漏れ光の発生と第2メカニカルシャッタ43の時間遅れを相互に補って、所望のタイミング以外のタイミングで標本Sにレーザ光が照射されてしまうのを抑制し、標本Sへのレーザ光の照射のON/OFFを任意のタイミングで切り替えることができる。
本実施形態では、刺激光源5および第2音響光学素子41に代えてレーザダイオード105を採用する場合を例示したが、励起光源2および第1音響光学素子11に代えてレーザダイオード(レーザ光源)を採用することとしてもよい。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。例えば、本発明を上記各実施形態および変形例に適用したものに限定されることなく、これらの実施形態および変形例を適宜組み合わせた実施形態に適用してもよく、特に限定されるものではない。
また、第1実施形態においては、音響光学素子11,41よりもディレイ時間だけ先にメカニカルシャッタ13,43を切り替えることとしたが、音響光学素子11,41を切り替える前にメカニカルシャッタ13,43を切り替えることで、響光学素子11,41による漏れ光の発生とメカニカルシャッタ13,43の時間遅れを相互に補うことができればよく、メカニカルシャッタ13,43を切り替えるタイミングはディレイ時間よりも若干早くても遅くてもよい。
また、第2実施形態においても、レーザダイオード105よりもディレイ時間だけ先に第2メカニカルシャッタ43を切り替えることとしたが、レーザダイオード105を切り替える前に第2メカニカルシャッタ43を切り替えることで、レーザダイオード105からの漏れ光の発生と第2メカニカルシャッタ43の時間遅れを相互に補うことができればよく、第2メカニカルシャッタ43を切り替えるタイミングはディレイ時間よりも若干早くても遅くてもよい。励起光源2および第1音響光学素子11に代えてレーザダイオード(レーザ光源)を採用する場合も同様である。
また、上記各実施形態においては、励起光源2側から第1音響光学素子11、第1メカニカルシャッタ13の順に配置した構成を例示して説明したが、これに代えて、励起光源2側から第1メカニカルシャッタ13、第1音響光学素子11の順に配置することとしてもよい。同様に、第1実施形態において、刺激光源5側から第2音響光学素子41、第2メカニカルシャッタ43の順に配置した構成を例示して説明したが、これに代えて、刺激光源5側から第2メカニカルシャッタ43、第2音響光学素子41の順に配置することとしてもよい。
2 観察光源(光源)
3 観察光学系(照射光学系)
5 刺激光源(光源)
6 刺激光学系(照射光学系)
11 第1音響光学素子
13 第1メカニカルシャッタ
41 第2音響光学素子
43 第2メカニカルシャッタ
57 画像生成部(画像取得部)
58 CPU(制御部)
61 ダイクロイックミラー(光路合成部)
100,200 顕微鏡システム
105 レーザダイオード(レーザ光源)

Claims (10)

  1. 光を発生する光源と、
    該光源から発せられた光を標本に照射する照射光学系と、
    前記光源から発せられた光に対して、前記照射光学系に入射する角度に回折するON状態と入射しない角度に回折するOFF状態とに切り替え可能な音響光学素子と、
    前記光源と前記照射光学系との間の光路に挿脱可能に設けられ、該光路を開放する開状態と閉鎖する閉状態とに切り替え可能なメカニカルシャッタと、
    前記音響光学素子および前記メカニカルシャッタにより前記標本への光の照射のON/OFFを制御する制御部とを備え、
    該制御部が、前記音響光学素子をON状態に切り替える前に前記メカニカルシャッタを開状態に切り替える顕微鏡システム。
  2. 前記制御部が、前記メカニカルシャッタに挿脱動作の信号を入力してから該メカニカルシャッタが光路から脱離するまでにかかる時間遅れ分だけ、前記音響光学素子よりも前に前記メカニカルシャッタを開状態に切り替え始める請求項1に記載の顕微鏡システム。
  3. 前記制御部が、前記音響光学素子をOFF状態に切り替えるのとほぼ同時に、前記メカニカルシャッタを閉状態に切り替え始める請求項1または請求項2に記載の顕微鏡システム。
  4. 前記制御部が、前記メカニカルシャッタに挿脱動作の信号を入力してから該メカニカルシャッタが光路から脱離するまでにかかる時間遅れ分よりも前記音響光学素子のON状態およびOFF状態を長くし、該音響光学素子のON状態/OFF状態および前記メカニカルシャッタの開状態/閉状態を繰り返し切り替える請求項2または請求項3に記載の顕微鏡システム。
  5. 異なる波長の光を発生する複数の前記光源と、
    これらの複数の光源から発せられた光に光路を合成する光路合成部とを備え、
    各前記光源と前記光路合成部との間に配置された複数の前記メカニカルシャッタとを備え、
    前記音響光学素子が、前記光路合成部により合成された光の光路上に配置されている請求項1から請求項4のいずれかに記載された顕微鏡システム。
  6. 駆動電圧に応じてレーザ光の強度を調整し、レーザ光を発生するON状態と発生しないOFF状態とに切替可能なレーザ光源と、
    該レーザ光源から発せられたレーザ光を標本に照射する照射光学系と、
    前記レーザ光源と前記照明光学系との間の光路に挿脱可能に設けられ、該光路を開放する開状態と閉鎖する閉状態とに切り替え可能なメカニカルシャッタと、
    前記レーザ光源および前記メカニカルシャッタにより前記標本へのレーザ光の照射のON/OFFを制御する制御部とを備え、
    該制御部が、前記レーザ光源をON状態に切り替える前に前記メカニカルシャッタを開状態に切り替える顕微鏡システム。
  7. 前記制御部が、前記メカニカルシャッタに挿脱動作の信号を入力してから該メカニカルシャッタが光路から脱離するまでにかかる時間遅れ分だけ、前記レーザ光源よりも前に前記メカニカルシャッタを開状態に切り替え始める請求項6に記載の顕微鏡システム。
  8. 前記制御部が、前記レーザ光源をOFF状態に切り替えるのとほぼ同時に、前記メカニカルシャッタを閉状態に切り替え始める請求項6または請求項7に記載の顕微鏡システム。
  9. 前記制御部が、前記メカニカルシャッタに挿脱動作の信号を入力してから該メカニカルシャッタが光路から脱離するまでにかかる時間遅れ分よりも前記レーザ光源のON状態およびOFF状態を長くし、該レーザ光源のON状態/OFF状態を繰り返し切り替える請求項7または請求項8に記載の顕微鏡システム。
  10. 前記標本からの戻り光を画像化して前記標本の画像を取得する画像取得部を備え、
    前記制御部が、前記画像取得部により前記戻り光の画像化を開始する前に前記メカニカルシャッタを開状態に切り替える請求項1または請求項9に記載の顕微鏡システム。
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