JP6278707B2 - 光学装置 - Google Patents

光学装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6278707B2
JP6278707B2 JP2014002774A JP2014002774A JP6278707B2 JP 6278707 B2 JP6278707 B2 JP 6278707B2 JP 2014002774 A JP2014002774 A JP 2014002774A JP 2014002774 A JP2014002774 A JP 2014002774A JP 6278707 B2 JP6278707 B2 JP 6278707B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
polarization direction
optical device
illumination light
polarization
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2014002774A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015132657A (ja
Inventor
英司 横井
英司 横井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Olympus Corp filed Critical Olympus Corp
Priority to JP2014002774A priority Critical patent/JP6278707B2/ja
Publication of JP2015132657A publication Critical patent/JP2015132657A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6278707B2 publication Critical patent/JP6278707B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Description

本発明は、照明光を標本に照射する光学装置に関し、特に、対物レンズの瞳位置またはその近傍に位相変調型の空間光変調器を備える光学装置に関する。
従来から、対物レンズの瞳共役位置に、デフォーマブルミラーや液晶光変調素子などの位相変調型の空間光変調器(Spatial light modulator、以降、SLMと記す)を備えた光学装置が知られている。この光学装置によれば、SLMで光の位相を変調することで集光面に照射される光のパターン(以降、照射パターンと記す)や集光位置を変化させることができる。このため、装置外部の要因(例えば、標本の観察深さ、標本の屈折率分布、カバー硝子の厚さなど)によって生じる集光位置の変動の補償やパターン照明などへの利用が提案されている。
対物レンズの瞳共役位置に2次元走査ユニットが配置された顕微鏡装置にSLMを適用する場合、SLMは、光源と2次元走査ユニットとの間に配置されるのが通常である。しかしながら、この構成では、対物レンズの瞳を2次元走査ユニットに投影するためのリレー光学系に加えて、2次元走査ユニットに投影された対物レンズの瞳をSLMに投影するためのリレー光学系が必要となる。このため、装置構成の複雑化、装置の大型化、光の利用効率の低下などの課題が指摘されている。
これに対して、SLMを対物レンズの瞳位置またはその近傍に配置すれば、これらの課題は解決可能である。対物レンズの瞳位置近傍にSLMを配置した構成は、例えば、特許文献1に開示されている。
特開2003−121749号公報
ところで、顕微鏡装置などの光学装置では、標本に対して用途の異なる複数の照明が同時に行われることがある。例えば、刺激光(照明光)による光刺激と標本のイメージングのための励起光(照明光)の照射、マルチフォーカスのためのZ位置が異なる複数の面への照明光の照射、複数の蛍光物質を励起するための異なる波長の照明光の照射などである。
この場合、対物レンズの瞳位置またはその近傍にSLMを配置する構成では、通常は用途の異なる複数の照明光がSLMで一律に変調されてしまう。従って、複数の照明光の中から特定の照明光のみをSLMで選択的に変調するということは困難である。
また、顕微鏡装置などの光学装置では、標本に対して用途の異なる複数の照明が順番に行われることがある。例えば、刺激光(照明光)の照射後に励起光(照明光)を照射する場合などである。
この場合、照明の切り換えに連動してSLMを制御することで、特定の照明光(例えば、刺激光)のみでパターン照明を行うなど、複数の照明光の中から特定の照明光のみをSLMで選択的に制御することが可能である。しかしながら、SLMで行う位相変調のパターン(以降、位相変調パターンと記す)の変更にはある程度の時間がかかる。従って、位相変調パターンの変更に合せて照明の切換えを行うと、照明の切換え速度が制限されてしまい、実用において支障を来す可能性がある。
以上のような実情を踏まえ、本発明は、標本に対して様々な照明が可能なコンパクト且つシンプルな光学構成を有する光学装置を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様は、照明光を標本に照射するとともに、前記照明光の照射によって前記標本から発生する反応光を取り込む対物レンズと、照明光を出射する1つの光源と、前記対物レンズの瞳位置またはその近傍に配置され、第1の偏光方向を有する照明光の位相を変調し前記第1の偏光方向と直交する第2の偏光方向を有する照明光の位相を変調しない1つの位相変調型の空間光変調器と、前記位相変調型の空間光変調器に、前記光源からの照明光の偏光方向を切り替えることで、前記第1の偏光方向を有する照明光と前記第2の偏光方向を有する照明光をり換えて照射する照射切り替え手段と、を備える光学装置を提供する。
本発明の第2の態様は、第1の態様に記載の光学装置において、前記光源は、直線偏光である照明光を出射し、前記照射切り替え手段は、前記光源と前記位相変調型の空間光変調器の間に挿脱可能に配置され、前記光源から出射した前記照明光の偏光方向を90度回転させる偏光変調素子と、前記偏光変調素子を前記照明光の光路に対して挿脱する挿脱機構と、前記挿脱機構を駆動する駆動部と、前記駆動部を制御する偏光制御部と、を備える光学装置を提供する。
本発明の第3の態様は、第1の態様に記載の光学装置において、前記光源は、直線偏光である照明光を出射し、前記照射切り替え手段は、前記光源と前記位相変調型の空間光変調器の間に配置され、前記光源から出射した前記照明光を円偏光に変換する第1の偏光変調素子と、前記第1の偏光変調素子と前記位相変調型の空間光変調器の間に配置され、円偏光に変換された前記照明光を偏光方向が90度異なる直線偏光のいずれかに変換する第2の偏光変調素子と、前記第2の偏光変調素子の状態を、前記照明光を偏光方向が90度異なる直線偏光の一方に変換する第1の状態と前記照明光を偏光方向が90度異なる直線偏光の他方に変換する第2の状態との間で切り換える偏光制御部と、を備える光学装置を提供する。
本発明の第4の態様は、第1の態様に記載の光学装置において、前記照射切り替え手段は、前記光源と前記位相変調型の空間光変調器の間に回転可能に配置され、前記光源から出射した前記照明光から所定の偏光方向を有する照明光を選択的に透過させる偏光変調素子と、回転前後で前記所定の偏光方向が90度異なるように前記偏光変調素子を回転させる回転機構と、前記回転機構を駆動する駆動部と、前記駆動部を制御する偏光制御部と、を備える光学装置を提供する。
本発明の第5の態様は、第1の態様乃至第4の態様のいずれか1つに記載の光学装置において、さらに、前記対物レンズの瞳共役位置またはその近傍に配置された、前記標本を走査する走査ユニットを備える光学装置を提供する。
本発明の第6の態様は、第1の態様に記載の光学装置において、前記光源は、直線偏光である照明光を出射する第1の光源ユニットであり、直線偏光である照明光を出射する第2の光源ユニットを備え、前記照射切り替え手段は、前記第1の光源ユニットから出射した照明光と前記第2の光源ユニットから出射した照明光とを互いに偏光方向が90度異なる状態で前記位相変調型の空間光変調器に導く光路合成素子と、前記第1の光源ユニットからの照明光の出射と前記第2の光源ユニットからの照明光の出射を制御する偏光制御部と、を備える光学装置を提供する。
本発明の第7の態様は、第6の態様に記載の光学装置において、さらに、前記対物レンズの瞳共役位置またはその近傍であって前記第1の光源ユニットと前記光路合成素子との間に配置された第1の走査ユニット、または、前記対物レンズの瞳共役位置またはその近傍であって前記第2の光源ユニットと前記光路合成素子との間に配置された第2の走査ユニット、の少なくとも一方を備える光学装置を提供する。
本発明の第8の態様は、第1の態様乃至第7の態様のいずれか1つに記載の光学装置において、さらに、前記位相変調型の空間光変調器を制御するSLM制御部を備え、前記SLM制御部は、前記第1の偏光方向を有する照明光の集光面と前記第2の偏光方向を有する照明光の集光面が一致するように、前記位相変調型の空間光変調器を制御する光学装置を提供する。
本発明の第9の態様は、第1の態様乃至第7の態様のいずれか1つに記載の光学装置において、さらに、前記位相変調型の空間光変調器を制御するSLM制御部を備え、前記SLM制御部は、前記第1の偏光方向を有する照明光の集光面と前記第2の偏光方向を有する照明光の集光面が異なるように、前記位相変調型の空間光変調器を制御する光学装置を提供する。
本発明の第11の態様は、第1の態様乃至第10の態様のいずれか1つに記載の光学装置において、さらに、前記対物レンズの瞳位置またはその近傍に配置され、前記第2の偏光方向を有する照明光の位相を変調し前記第1の偏光方向を有する照明光の位相を変調しない位相変調型の第2の空間光変調器を備える光学装置を提供する。
本発明によれば、標本に対して様々な照明が可能なコンパクト且つシンプルな光学構成を有する光学装置を提供することができる。
本発明の実施例1に係る光学装置の構成を示す概略図である。 本発明の実施例1に係る光学装置が第1の状態にあるときに標本上に形成される照射パターンを例示した図である。 本発明の実施例1に係る光学装置が第2の状態にあるときに標本上に形成される照射パターンを例示した図である。 本発明の実施例2に係る光学装置の構成の一部を示す概略図である。 本発明の実施例2、6に係る光学装置が第1の状態にあるときに標本上に形成される照射パターンを例示した図である。 本発明の実施例2、6に係る光学装置が第2の状態にあるときに標本上に形成される照射パターンを例示した図である。 本発明の実施例3に係る光学装置の構成の一部を示す概略図である。 本発明の実施例4に係る光学装置の構成を示す概略図である。 本発明の実施例4に係る光学装置が第1の状態にあるときに標本上に形成される照射パターンを例示した図である。 本発明の実施例4に係る光学装置が第2の状態にあるときに標本上に形成される照射パターンを例示した図である。 本発明の実施例5に係る光学装置の構成を示す概略図である。 本発明の実施例6に係る光学装置の構成を示す概略図である。 本発明の実施例7に係る光学装置の構成を示す概略図である。 本発明の実施例8に係る光学装置の構成を示す概略図である。 本発明の実施例8に係る光学装置がポンプ光とイレース光で標本上に形成する照射パターンを例示した図である。
[実施例1]
図1は、本実施例に係る光学装置100の構成を例示した図である。図1に例示される光学装置100は、対物レンズ6の瞳位置またはその近傍に位相変調型のSLMである液晶光変調素子7を備えた2光子励起顕微鏡装置である。光学装置100は、液晶光変調素子7に入射する照明光の偏光方向を制御することで照明光の変調が必要な場合にのみ液晶光変調素子7で照明光を変調することが可能であり、その結果、標本Sに対して様々な照明を行うことができるというものである。
光学装置100は、図1に示されるように、顕微鏡本体と、制御装置20と、記憶装置30と、表示装置40と、入力装置50と、駆動装置60と、を備えている。
顕微鏡本体は、レーザ1と、挿脱機構2と、λ/2板3と、レーザ光を平行光に変換するレンズ4と、レーザ光を透過し且つ蛍光を反射する光学特性を有するダイクロイックミラー5と、レーザ光を標本Sに照射するとともにレーザ光の照射によって標本Sから発生する反応光である蛍光を取り込む対物レンズ6と、液晶光変調素子7を備えている。顕微鏡本体は、さらに、結像レンズ8と、レーザ光を遮断するバリアフィルタ9と、瞳投影レンズ10と、蛍光を検出する光電子増倍管(Photomultiplier、以降、PMTと記す)11と、を備えている。
レーザ1は、直線偏光であるレーザ光(照明光)を出射する光源である。レーザ1は、例えば、赤外域のレーザ光を出射する2光子励起用のチタンサファイアレーザであり、サブピコ秒オーダーのパルス幅を有するパルス光を出射する。レーザ1から出射される直線偏光は、図1に示すように紙面に直交する偏光方向D2(第2の偏光方向)を有している。レーザ1は制御装置20に接続されていて、レーザ1の発光は制御装置20によって制御される。
挿脱機構2は、λ/2板3をレーザ光の光路に対して挿脱する機構であり、挿脱機構2を駆動する駆動部である駆動装置60に接続されている。駆動装置60が制御装置20の制御の下で挿脱機構2を駆動することで、λ/2板3が光路に対して挿脱される。挿脱機構2は、例えば、スライダ機構であり、駆動装置60は、例えば、モータである。
λ/2板3は、レーザ1から出射されるレーザ光の偏光方向を変調する偏光変調素子である。より詳細には、λ/2板3は、直線偏光であるレーザ光に位相差を180度与えてレーザ光の偏光方向を90度回転させる。λ/2板3は、レーザ1と液晶光変調素子7の間のレーザ光の光路に対して挿脱可能に配置されている。
なお、λ/2板3が光路に挿入されている状態(以降、第1の状態と記す)では、レーザ光の偏光方向はλ/2板3で紙面に平行な偏光方向D1(第1の偏光方向)に変換されるため、偏光方向D1を有するレーザ光がレンズ4及びダイクロイックミラー5を介して液晶光変調素子7に入射する(図1の実線を参照)。一方、λ/2板3が光路から取り除かれている状態(以降、第2の状態と記す)では、偏光方向は変換されないため、偏光方向D2を有するレーザ光がレンズ4及びダイクロイックミラー5を介して液晶光変調素子7に入射する(図1の破線を参照)。即ち、光学装置100では、レーザ光の光路へのλ/2板3の挿脱によって、液晶光変調素子7に入射するレーザ光の偏光方向が切り替わる。従って、挿脱機構2を用いてλ/2板3を光路に対して挿脱するために駆動装置60を制御する制御装置20は、液晶光変調素子7に入射するレーザ光の偏光方向を制御する偏光制御部として機能している。また、レーザ1、挿脱機構2、λ/2板3、駆動装置60、及び制御装置20は、液晶光変調素子7に、偏光方向D1(第1の偏光方向)を有するレーザ光と、偏光方向D1に直交する偏光方向D2(第2の偏光方向)を有するレーザ光と、を切り換えて照射する照射手段として機能している。
液晶光変調素子7は、入射光の位相を変調する位相変調型のSLMであり、対物レンズ6の瞳位置またはその近傍に配置されている。液晶光変調素子7は、各々が独立して入射光の位相を変調する複数のピクセルからなるピクセル構造を有している。また、複数のピクセルは、対物レンズ6の光軸と直交する平面に2次元に配列されていて、それらの状態は制御装置20によって制御される。つまり、制御装置20は液晶光変調素子7を制御するSLM制御部として機能していて、液晶光変調素子7の位相変調パターンは制御装置20によって制御される。
なお、液晶光変調素子7は、液晶の配向等に起因して偏光依存性を有していて、入射光の偏光方向に依存して異なる光学特性を示す。具体的には、液晶光変調素子7は、偏光方向D1(第1の偏光方向)を有するレーザ光(照明光)の位相を変調し、偏光方向D1(第1の偏光方向)と直交する偏光方向D2(第2の偏光方向)を有するレーザ光(照明光)の位相を変調しない。
バリアフィルタ9は、ダイクロイックミラー5で遮断できなかったレーザ光を遮断して、PMT11にレーザ光が入射することを防止するフィルタである。
PMT11は、蛍光を検出する光検出器であり、対物レンズ6の瞳位置と光学的に共役な位置またはその近傍に配置されている。つまり、光学装置100では、結像レンズ8及び瞳投影レンズ10により、対物レンズ6の瞳がPMT11またはその近傍に投影される。このため、PMT11は、標本Sの任意の領域から生じ得る蛍光を検出することができる。
制御装置20は、光学装置100全体を制御する制御部であり、例えば、パーソナルコンピュータである。制御装置20は、記憶装置30に記憶されている制御プログラムを実行することにより、光学装置100を制御する。その結果、標本Sにレーザ光が照射されて、PMT11からの信号に基づいて制御装置20で標本Sの画像が生成される。
記憶装置30は、光学装置100の制御プログラム、制御プログラムの実行に用いられる各種情報、制御装置20で生成された標本Sの画像などが格納される記憶部であり、例えば、ハードディスク装置である。記憶装置30は、制御装置20内に設けられても良い。
表示装置40は、標本Sの画像や光学装置100を操作するためのGUI(Graphical User Interface)画面を表示する表示部であり、例えば、液晶ディスプレイ装置や有機EL(Electroluminescence)ディスプレイ装置である。
入力装置50は、利用者が光学装置100へ情報を入力するための入力部である。入力装置50で入力された情報は制御装置20へ出力される。入力装置50は、例えば、マウス、キーボード、表示装置40のディスプレイに重ねて配置されたタッチパネルなどである。
以上のように構成された光学装置100では、λ/2板3が光路に挿入されている状態(第1の状態)にあるときには、照射手段により液晶光変調素子7に第1の偏光方向を有するレーザ光が照射されるため、液晶光変調素子7でレーザ光の位相が位相変調パターンに従って変調される。このため、例えば、図2Aに示すような任意の照射パターンを標本S上に形成することができる。一方、λ/2板3が光路から取り除かれている状態(第2の状態)にあるときには、照射手段により液晶光変調素子7に第2の偏光方向を有するレーザ光が照射されるため、液晶光変調素子7でレーザ光の位相は変調されない。液晶光変調素子7で変調されずに対物レンズ6に平行光として入射したレーザ光は、液晶光変調素子7の位相変調パターンによらず標本S上に集光する。このため、例えば、図2Bに示すような照射パターン(つまり、スポット)を標本S上に形成することができる。
このように、本実施例に係る光学装置100によれば、照射手段によって液晶光変調素子7に照射するレーザ光の偏光方向を切り換えることで、標本Sに対して様々な照明を行うことができる。また、液晶光変調素子7が対物レンズ6の瞳位置またはその近傍に配置されているため、装置に含まれる光学系の構成をコンパクト且つシンプルにすることができる。さらに、液晶光変調素子7の位相変調パターンを変更することなく標本上に異なる照射パターンを形成することができるため、標本Sに対して様々な照明を高速に切り換えて行うことができる。これは、液晶光変調素子7の位相変調パターンの変更に比べてλ/2板3の挿脱による偏光方向の切換えの方がより高速に行うことができるからである。
なお、液晶光変調素子7に入射するレーザ光の偏光方向が異なる第1の状態と第2の状態で標本上に異なる照射パターンを形成する例を示したが、光学装置100は、第1の状態と第2の状態で標本上に同じ照射パターンを形成してもよい。例えば、制御装置20が第1の状態で出射したレーザ光(第1の偏光方向を有するレーザ光)の集光面と第2の状態で出射したレーザ光(第2の偏光方向を有するレーザ光)の集光面が異なるように液晶光変調素子7を制御してもよい。この場合、照明の切換えによってZ方向(対物レンズ6の光軸方向)への走査を実現することができる。また、例えば、レーザ1が異なる波長のレーザ光を選択的に出射する可変波長レーザであれば、第1の状態と第2の状態でレーザ1が異なる波長のレーザ光を出射し、制御装置20が異なる波長のレーザ光(第1の偏光方向を有するレーザ光と第2の偏光方向を有するレーザ光)の集光面が一致するように液晶光変調素子7を制御してもよい。つまり、波長の違いによって生じる照射位置のずれを液晶光変調素子7で補正してもよい。
また、光学装置100が2光子励起顕微鏡装置である例を示したが、光学装置100は、その他の非線形光学顕微鏡装置であってもよい。非線形光学顕微鏡装置であれば、標本Sから発生する反応光(例えば、蛍光)がPMT11に入射する限り、反応光が液晶光変調素子7で変調されても検出結果に影響しないからである。
[実施例2]
図3は、本実施例に係る光学装置200の構成の一部を例示した図である。光学装置200は、図3に例示されるように、挿脱機構2とレンズ4の間にXYスキャナ12及び瞳投影レンズ13を備える点が、実施例1に係る光学装置100と異なっている。その他の構成は、実施例1に係る光学装置100の構成と同様である。
XYスキャナ12は、レーザ1から出射したレーザ光で標本Sを走査するための走査ユニットであり、対物レンズ6の瞳共役位置またはその近傍に配置されている。XYスキャナ12は制御装置20に接続されていて、XYスキャナ12による走査は制御装置20によって制御される。XYスキャナ12は、例えば、近接して配置された、対物レンズ6の光軸と直交するX方向に走査するガルバノミラーと対物レンズ6の光軸と直交するY方向に走査するガルバノミラーとを備えている。
瞳投影レンズ13は、レンズ4との組み合わせで、対物レンズ6の瞳をXYスキャナ12上またはその近傍に投影するレンズである。
以上のように構成された光学装置200でも、λ/2板3が光路に挿入されている状態(第1の状態)にあるときには、照射手段により液晶光変調素子7に第1の偏光方向を有するレーザ光が照射されるため、液晶光変調素子7でレーザ光の位相が位相変調パターンに従って変調される。このため、例えば、図4Aに示すような任意の照射パターンを標本S上に形成することができる。一方、λ/2板3が光路から取り除かれている状態(第2の状態)にあるときには、照射手段により液晶光変調素子7に第2の偏光方向を有するレーザ光が照射されるため、液晶光変調素子7でレーザ光の位相は変調されない。対物レンズ6に平行光として入射したレーザ光は、液晶光変調素子7の位相変調パターンによらず標本S上に集光する。このため、例えば、図4Bに示すような照射パターン(つまり、スポット)を標本S上に形成することができる。さらに、例えば、図4Bに示すように、XYスキャナ12で標本S上に形成するスポットの位置を移動させることで、標本Sを走査することができる。
従って、本実施例に係る光学装置200によっても、実施例1に係る光学装置100と同様に、コンパクト且つシンプルな光学構成を実現しつつ、標本Sに対して様々な照明を高速に切り換えて行うことができる。また、光学装置200によれば、走査ユニットであるXYスキャナ12を備えているため、標本Sの画像を容易に取得することができる。
[実施例3]
図5は、本実施例に係る光学装置300の構成の一部を例示した図である。光学装置300は、図5に例示されるように、レーザ1とレンズ4の間に、挿脱機構2及びλ/2板3の代わりにλ/4板14及びポッケルセル15を備える点が、実施例1に係る光学装置100と異なっている。その他の構成は、実施例1に係る光学装置100の構成と同様である。
λ/4板14は、レーザ1と液晶光変調素子7の間に配置された、レーザ1から出射されるレーザ光の偏光方向を変調する偏光変調素子(第1の偏光変調素子)である。より詳細には、λ/4板14は、直線偏光であるレーザ光に位相差を90度与えて、レーザ光を円偏光に変換する。
ポッケルセル15は、λ/4板14と液晶光変調素子7の間に配置された、λ/4板14により円偏光に変換されたレーザ光の偏光方向を変調する偏光変調素子(第2の偏光変調素子)である。より詳細には、ポッケルセル15は、円偏光に変換されたレーザ光を、偏光方向が90度異なる偏光方向D1を有する直線偏光または偏光方向D2を有する直線偏光のいずれかに変換する。ポッケルセル15は制御装置20に接続されていて、ポッケルセル15の状態は制御装置20によって制御される。
なお、ポッケルセル15の状態が、円偏光を偏光方向D1の直線偏光に変換する状態(以降、第1の状態と記す)に有る場合には、レーザ光はポッケルセル15で円偏光から偏光方向D1を有する直線偏光に変換されるため、偏光方向D1を有するレーザ光がレンズ4及びダイクロイックミラー5を介して液晶光変調素子7に入射する(図5の実線を参照)。一方、ポッケルセル15の状態が、円偏光を偏光方向D2の直線偏光に変換する状態(以降、第2の状態と記す)に有る場合には、レーザ光はポッケルセル15で円偏光から偏光方向D2を有する直線偏光に変換されるため、偏光方向D2を有するレーザ光がレンズ4及びダイクロイックミラー5を介して液晶光変調素子7に入射する(図5の破線を参照)。即ち、光学装置300では、ポッケルセル15の状態によって、液晶光変調素子7に入射するレーザ光の偏光方向が切り替わる。従って、ポッケルセル15の状態を第1の状態と第2の状態の間で切り換える制御装置20は、液晶光変調素子7に入射するレーザ光の偏光方向を制御する偏光制御部として機能している。また、レーザ1、λ/4板14、ポッケルセル15、及び制御装置20は、液晶光変調素子7に、偏光方向D1を有するレーザ光と、偏光方向D1に直交する偏光方向D2を有するレーザ光と、を切り換えて照射する照射手段として機能している。
従って、本実施例に係る光学装置300によっても、実施例1に係る光学装置100と同様に、コンパクト且つシンプルな光学構成を実現しつつ、標本Sに対して様々な照明を高速に切り換えて行うことができる。また、ポッケルセル15の状態は極めて高速に切り換えることが可能であるため、光学装置300によれば、実施例1に係る光学装置100よりも更に高速に照明を切り換えることができる。
なお、光学装置300は、レンズ4とポッケルセル15との間に、レンズ4側から順に、瞳投影レンズ13、XYスキャナ12を備えてもよい。この場合、実施例2に係る光学装置200と同様に、標本Sの画像を容易に取得することが可能となる。
[実施例4]
図6は、本実施例に係る光学装置400の構成を例示した図である。光学装置400は、図6に例示されるように、液晶光変調素子7に加えて、位相変調型の第2のLSMである液晶光変調素子16を備えている点が、実施例1に係る光学装置100と異なっている。その他の構成は、実施例1に係る光学装置100の構成と同様である。
液晶光変調素子16は、液晶光変調素子7と同様に、対物レンズ6の瞳位置またはその近傍に配置されている。即ち、液晶光変調素子7と液晶光変調素子16は、対物レンズ6の瞳位置またはその近傍に互いに近接して配置されている。液晶光変調素子16は制御装置20に接続されていて、液晶光変調素子16の位相変調パターンは制御装置20によって制御される。
液晶光変調素子16は、液晶の配向等に起因して偏光依存性を有していて、入射光の偏光方向に依存して異なる光学特性を示す。具体的には、液晶光変調素子16は、偏光方向D2(第2の偏光方向)を有するレーザ光(照明光)の位相を変調し、偏光方向D2(第2の偏光方向)と直交する偏光方向D1(第1の偏光方向)を有するレーザ光(照明光)の位相を変調しない。つまり、液晶光変調素子7とは反対の光学特性を有している。
以上のように構成された光学装置光学装置400では、λ/2板3が光路に挿入されている状態(第1の状態)にあるときには、照射手段により液晶光変調素子7及び液晶光変調素子16に第1の偏光方向を有するレーザ光が照射されるため、液晶光変調素子7でレーザ光の位相が位相変調パターンに従って変調され、液晶光変調素子16ではレーザ光の位相は変調されない。このため、例えば、液晶光変調素子7の位相変調パターンに従って図7Aに示すような任意の照射パターンを標本S上に形成することができる。一方、λ/2板3が光路から取り除かれている状態(第2の状態)にあるときには、照射手段により液晶光変調素子7及び液晶光変調素子16に第2の偏光方向を有するレーザ光が照射されるため、液晶光変調素子7ではレーザ光の位相は変調されず、液晶光変調素子16でレーザ光の位相が位相変調パターンに従って変調される。このため、例えば、液晶光変調素子16の位相変調パターンに従って図7Bに示すような任意の照射パターンを標本S上に形成することができる。
従って、本実施例に係る光学装置400によっても、実施例1に係る光学装置100と同様に、コンパクト且つシンプルな光学構成を実現しつつ、標本Sに対して様々な照明を高速に切り換えて行うことができる。また、光学装置400によれば、第1の状態と第2の状態の両方でレーザ光の位相を任意に変調することができる。
なお、光学装置400は、レンズ4と挿脱機構2の間に、レンズ4側から順に、さらに、瞳投影レンズ13、XYスキャナ12を備えてもよい。この場合、実施例2に係る光学装置200と同様に、標本Sの画像を容易に取得することが可能となる。また、光学装置400は、挿脱機構2とλ/2板3の代わりに、λ/4板14とポッケルセル15を備えてもよい。この場合、実施例3に係る光学装置300と同様に、更に高速に照明を切り換えることができる。
[実施例5]
図8は、本実施例に係る光学装置500の構成を例示した図である。光学装置500は、図8に例示されるように、レーザ1の代わりに光源1aを備える点、挿脱機構2及びλ/2板3の代わりに回転機構17及び偏光板18を備えている点が、実施例1に係る光学装置100と異なっている。その他の構成は、実施例1に係る光学装置100の構成と同様である。
光源1aは、レーザ1と異なり、さまざまな偏光方向を有する光を出射する光源である。光源1aは制御装置20に接続されていて、光源1aの発光は制御装置20によって制御される。
回転機構17は、偏光板18を対物レンズ6の光軸と平行な回転軸周りに90度回転させる機構であり、回転機構17を駆動する駆動部である駆動装置60に接続されている。駆動装置60が制御装置20の制御の下で回転機構17を駆動することで、偏光板18が回転軸周りに90度回転する。
偏光板18は、光源1aから出射される照明光の偏光方向を変調する偏光変調素子である。より詳細には、偏光板18は、光源1aから出射した照明光から所定の偏光方向を有する照明光を選択的に透過させる。偏光板18は、光源1aと液晶光変調素子7の間に回転可能に配置されていて、回転機構17によって回転前後で所定の偏光方向が90度異なるように回転する。ここでは、偏光板18は、回転前後で所定の偏光方向が偏光方向D1と偏光方向D2の間で切り替わるように、回転する。
なお、偏光板18が所定の偏光方向として偏光方向D1を有する状態(以降、第1の状態と記す)では、偏光方向D1を有する照明光がレンズ4及びダイクロイックミラー5を介して液晶光変調素子7に入射する(図8の実線を参照)。一方、偏光板18が所定の偏光方向として偏光方向D2を有する状態(以降、第2の状態と記す)では、偏光方向D2を有する照明光がレンズ4及びダイクロイックミラー5を介して液晶光変調素子7に入射する(図8の破線を参照)。即ち、光学装置500では、偏光板18の回転によって、液晶光変調素子7に入射する照明光の偏光方向が切り替わる。従って、回転機構17を用いて偏光板18を回転させるために駆動装置60を制御する制御装置20は、液晶光変調素子7に入射する照明光の偏光方向を制御する偏光制御部として機能している。また、光源1a、回転機構17、偏光板18、駆動装置60、及び制御装置20は、液晶光変調素子7に、偏光方向D1(第1の偏光方向)を有する照明光と、偏光方向D1に直交する偏光方向D2(第2の偏光方向)を有する照明光と、を切り換えて照射する照射手段として機能している。
従って、本実施例に係る光学装置500によっても、実施例1に係る光学装置100と同様に、コンパクト且つシンプルな光学構成を実現しつつ、標本Sに対して様々な照明を高速に切り換えて行うことができる。
なお、光学装置500は、レンズ4と回転機構17の間に、レンズ4側から順に、さらに、瞳投影レンズ13、XYスキャナ12を備えてもよい。この場合、実施例2に係る光学装置200と同様に、標本Sの画像を容易に取得することが可能となる。また、光学装置500は、対物レンズ6の瞳位置またはその近傍に、液晶光変調素子7と近接して液晶光変調素子16を備えてもよい。この場合、実施例4に係る光学装置400と同様に、第1の状態と第2の状態の両方でレーザ光の位相を任意に変調することができる。
[実施例6]
図9は、本実施例に係る光学装置600の構成を例示した図である。光学装置600は、図9に例示されるように、複数のレーザ(レーザ70、レーザ80)を備え、複数のレーザからレーザ光を同時に液晶光変調素子7及び標本Sに照射することができる点が、実施例1に係る光学装置100とは異なっている。
光学装置600は、直線偏光であるレーザ光を出射するレーザ70とシャッタ装置71からなる第1の光源ユニットと、レーザ70からのレーザ光を偏向して標本Sを走査するXYスキャナ72(第1の走査ユニット)と、レンズ4と共同でXYスキャナ72を対物レンズ6の瞳またはその近傍に投影する瞳投影レンズ73を備えている。レーザ70から出射されるレーザ光は、偏光方向D1を有している。レーザ70の発光及びシャッタ装置71の開閉は制御装置20によって制御される。
光学装置600は、直線偏光であるレーザ光を出射するレーザ80とシャッタ装置81からなる第2の光源ユニットと、レーザ80からのレーザ光を偏向して標本Sを走査するXYスキャナ82(第2の走査ユニット)と、レンズ4と共同でXYスキャナ82を対物レンズ6の瞳またはその近傍に投影する瞳投影レンズ83を備えている。レーザ80から出射されるレーザ光は、偏光方向D2を有している。レーザ80の発光及びシャッタ装置81の開閉は制御装置20によって制御される。
光学装置600は、さらに、レーザ70から出射したレーザ光とレーザ80から出射したレーザ光を液晶光変調素子7に導くダイクロイックミラー19を備えている。ダイクロイックミラー19は、レーザ70から出射したレーザ光の光路とレーザ80から出射したレーザ光の光路とを合成する光路合成素子であり、レーザ70からのレーザ光とレーザ80からのレーザ光を互いに偏光方向が90度異なる状態(第1の偏光方向D1を有する状態と第2の偏光方向D2を有する状態)で、液晶光変調素子7へ導く。
即ち、光学装置600では、制御装置20が第1の光源ユニット(レーザ70及びシャッタ装置71)からのレーザ光の出射と第2の光源ユニット(レーザ80及びシャッタ装置81)からのレーザ光の出射を制御することで、液晶光変調素子7に入射するレーザ光の偏光方向が制御される。従って、制御装置20は、液晶光変調素子7に入射するレーザ光の偏光方向を制御する偏光制御部である。また、レーザ70、シャッタ装置71、レーザ80、シャッタ装置81、及び制御装置20は、液晶光変調素子7に、偏光方向D1(第1の偏光方向)を有するレーザ光と、偏光方向D1に直交する偏光方向D2(第2の偏光方向)を有するレーザ光と、を同時に照射する照射手段として機能している。
以上のように構成された光学装置600では、レーザ70から出射したレーザ光は液晶光変調素子7に第1の偏光方向を有する直線偏光として入射するため、液晶光変調素子7でレーザ光の位相が位相変調パターンに従って変調される。このため、例えば、図4Aに示すような任意の照射パターンを標本S上に形成することができる。一方、レーザ80から出射したレーザ光は液晶光変調素子7に第2の偏光方向を有する直線偏光として入射するため、液晶光変調素子7でレーザ光の位相は変調されない。液晶光変調素子7で変調されずに対物レンズ6に平行光として入射したレーザ光は、液晶光変調素子7の位相変調パターンによらず標本S上に集光する。このため、例えば、図4Bに示すような照射パターン(つまり、スポット)を標本S上に形成することができる。
従って、本実施例に係る光学装置600によれば、コンパクト且つシンプルな光学構成を実現しつつ、標本Sに対して様々な照明を同時に行うことができる。
なお、光学装置600は、対物レンズ6の瞳位置またはその近傍に、液晶光変調素子7と近接して液晶光変調素子16を備えてもよい。この場合、レーザ70からのレーザ光の位相とレーザ80からのレーザ光の位相の両方を任意に変調することができる。また、図4A及び図4Bでは、レーザ80からのレーザ光でのみ標本Sを走査する例を示したが、光学装置600は、レーザ70からのレーザ光で標本Sを走査してもよい。また、光路合成素子としてダイクロイックミラー19を例示したが、光学装置600は、ダイクロイックミラー19の代わりに偏光ビームスプリッタを用いて光路を合成してもよい。また、光学装置600は、レーザ70からのレーザ光とレーザ80からのレーザ光を同時に標本Sに照射する代わりに、レーザ70からのレーザ光とレーザ80からのレーザ光を順番に標本Sに照射してもよい。また、XYスキャナ72とXYスキャナ82の両方を備える例を示したが、光学装置600は、XYスキャナ72とXYスキャナ82の少なくとも一方を備えていればよい。
[実施例7]
図10は、本実施例に係る光学装置700の構成を例示した図である。光学装置700は、図10に例示されるように、シャッタ装置71とXYスキャナ72の間に挿脱機構74及びλ/2板75を備える点、シャッタ装置81とXYスキャナ82の間に挿脱機構84及びλ/2板85を備える点、挿脱機構74を駆動する駆動装置61を備える点、挿脱機構84を駆動する駆動装置62を備える点が、実施例6に係る光学装置600と異なっている。その他の構成は、実施例6に係る光学装置600の構成と同様である。
なお、挿脱機構74、λ/2板75、及び駆動装置61は、実施例1で上述した挿脱機構2、λ/2板3、及び駆動装置60と同様に機能する。また、挿脱機構84、λ/2板85、及び駆動装置62も、実施例1で上述した挿脱機構2、λ/2板3、及び駆動装置60と同様に機能する。
本実施例に係る光学装置700によっても、実施例6に係る光学装置600と同様に、コンパクト且つシンプルな光学構成を実現しつつ、標本Sに対して様々な照明を同時に行うことができる。
また、光学装置700では、制御装置20が駆動装置61を制御することで、液晶光変調素子7へ入射する際のレーザ70から出射したレーザ光の偏光方向を、偏光方向D1と偏光方向D2の間で切り換えることができる。また、制御装置20が駆動装置62を制御することで、液晶光変調素子7へ入射する際のレーザ80から出射したレーザ光の偏光方向を、偏光方向D1と偏光方向D2の間で切り換えることができる。このため、光学装置700によれば、任意のレーザからのレーザ光を液晶光変調素子7で変調することができる。
なお、光学装置700は、光学装置600と同様に種々の変形が可能である。対物レンズ6の瞳位置またはその近傍に、液晶光変調素子7と近接して液晶光変調素子16を備えてもよい。また、光学装置700は、ダイクロイックミラー19の代わりに偏光ビームスプリッタを用いて光路を合成してもよい。また、光学装置700は、XYスキャナ72とXYスキャナ82の少なくとも一方を備えていればよい。
[実施例8]
図11は、本実施例に係る光学装置800の構成を例示した図である。図11に例示される光学装置800は、対物レンズ6の瞳位置またはその近傍に液晶光変調素子7を備えたSTED(Stimulated emission depletion)顕微鏡装置である。
光学装置800は、複数のレーザからのレーザ光を同時に液晶光変調素子7及び標本Sに照射することができる点は、実施例6に係る光学装置600と同様であるが、以下の点で実施例6に係る光学装置600と異なっている。
まず、光学装置800は、複数のレーザがポンプ光発振レーザ90aとイレース光発振レーザ90bである点が、実施例6に係る光学装置600と異なっている。ポンプ光発振レーザ90aは、標本Sを第1の励起状態に励起するポンプ光を出射するレーザであり、偏光方向D2の直線偏光を出射する。一方、イレース光発振レーザ90bは、ポンプ光の照射によって第1の励起状態にある標本Sを第2の励起状態に励起するイレース光を出射するレーザであり、偏光方向D1の直線偏光を出射する。
また、光学装置800は、光路合成素子であるダイクロイックミラー5と液晶光変調素子7の間の共通光路上に、標本Sを走査するXYスキャナ91と、レンズ4との組み合わせで対物レンズ6の瞳をXYスキャナ91上またはその近傍に投影する瞳投影レンズ92と、を備えている点も、実施例6に係る光学装置600と異なっている。これにより、ポンプ光とイレース光が同時に同じ量だけ標本上を移動する。
さらに、光学装置800は、ダイクロイックミラー5が走査ユニット(XYスキャナ91)よりもPMT11側に配置されていること、検出系に集光レンズ93と集光レンズ93の焦点位置にピンホール94aが形成されたピンホール板94とを備えていることも、実施例6に係る光学装置600と異なっている。なお、ピンホール板94は、デフォーカス光を遮断するための絞りであり、一般的な共焦点顕微鏡の共焦点絞りに比べて大きな径に設定される。
以上のように構成された光学装置800では、図12に示すように、偏光方向D2を有するポンプ光が液晶光変調素子7で変調されることなく標本S上にスポットP1を形成している状態で、スポットP1の径よりも小さな内径を有するリング状のパターン照明P2が偏光方向D1を有するイレース光によって行われるように、制御装置20が液晶光変調素子7を制御する。これにより、スポットP1のうちのパターン照明P2と重なっている領域からの蛍光の放出が抑制され、スポットP1のうちのパターン照明P2が形成するリングの内側の領域からのみ蛍光が放出されてPMT11で検出される。これにより、標本S上に回折限界を超えて集光した光のスポットを形成するのと同様の効果を得ることができる。このため、制御装置20はPMT11からの信号とXYスキャナ91の走査位置情報から回折限界を超える分解能を有する超解像画像を生成することができる。
本実施例に係る光学装置800によれば、実施例6に係る光学装置600と同様の効果を得ることができるとともに、さらに、超解像画像を生成することができる。
なお、対物レンズの瞳共役位置またはその近傍ではなく、対物レンズの瞳位置またはその近傍に液晶光変調素子7を配置する構成は、所望の照射パターンを精度よく標本に照射することが要求されるSTED顕微鏡装置に好適である。対物レンズの瞳共役位置またはその近傍に液晶光変調素子7を配置する場合、対物レンズの瞳が走査ユニットを介して液晶光変調素子7にリレーされるのが通常である。しかしながら、走査ユニットとして、最も一般的な走査ユニットである近接して配置された二組のガルバノミラーが使用される場合、二組のガルバノミラーの両方を対物レンズの瞳共役位置に配置することはできない。このため、対物レンズの瞳を液晶光変調素子7に高い精度に投影することができず、標本に照射される照射パターンが劣化してしまう。
上述した実施例は、発明の理解を容易にするために具体例を示したものであり、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。光学装置は、特許請求の範囲により規定される本発明の思想を逸脱しない範囲において、さまざまな変形、変更が可能である。例えば、光学装置は、顕微鏡装置に限られず、レーザ加工装置としても構成され得る。
S 標本
1、70、80 レーザ
1a 光源
2、74、84 挿脱機構
3、75、85 λ/2板
4 レンズ
5、19 ダイクロイックミラー
6 対物レンズ
7、16 液晶光変調素子
8 結像レンズ
9 バリアフィルタ
10、13、73、83、92 瞳投影レンズ
11 PMT
12、72、82、91 XYスキャナ
14 λ/4板
15 ポッケルセル
17 回転機構
18 偏光板
20 制御装置
30 記憶装置
40 表示装置
50 入力装置
60、61、62 駆動装置
71、81 シャッタ装置
90b イレース光発振レーザ
90a ポンプ光発振レーザ
93 集光レンズ
94 ピンホール板
94a ピンホール
100、200、300、400、500、600、700、800 光学装置

Claims (10)

  1. 照明光を標本に照射するとともに、前記照明光の照射によって前記標本から発生する反応光を取り込む対物レンズと、
    照明光を出射する1つの光源と、
    前記対物レンズの瞳位置またはその近傍に配置され、第1の偏光方向を有する照明光の位相を変調し前記第1の偏光方向と直交する第2の偏光方向を有する照明光の位相を変調しない1つの位相変調型の空間光変調器と、
    前記位相変調型の空間光変調器に、前記光源からの照明光の偏光方向を切り替えることで、前記第1の偏光方向を有する照明光と前記第2の偏光方向を有する照明光をり換えて照射する照射切り替え手段と、を備える
    ことを特徴とする光学装置。
  2. 請求項1に記載の光学装置において、
    前記光源は、直線偏光である照明光を出射し、
    前記照射切り替え手段は、
    前記光源と前記位相変調型の空間光変調器の間に挿脱可能に配置され、前記光源から出射した前記照明光の偏光方向を90度回転させる偏光変調素子と、
    前記偏光変調素子を前記照明光の光路に対して挿脱する挿脱機構と、
    前記挿脱機構を駆動する駆動部と、
    前記駆動部を制御する偏光制御部と、を備える
    ことを特徴とする光学装置。
  3. 請求項1に記載の光学装置において、
    前記光源は、直線偏光である照明光を出射し、
    前記照射切り替え手段は、
    前記光源と前記位相変調型の空間光変調器の間に配置され、前記光源から出射した前記照明光を円偏光に変換する第1の偏光変調素子と、
    前記第1の偏光変調素子と前記位相変調型の空間光変調器の間に配置され、円偏光に変換された前記照明光を偏光方向が90度異なる直線偏光のいずれかに変換する第2の偏光変調素子と、
    前記第2の偏光変調素子の状態を、前記照明光を偏光方向が90度異なる直線偏光の一方に変換する第1の状態と前記照明光を偏光方向が90度異なる直線偏光の他方に変換する第2の状態との間で切り換える偏光制御部と、を備える
    ことを特徴とする光学装置。
  4. 請求項1に記載の光学装置において、
    前記照射切り替え手段は、
    前記光源と前記位相変調型の空間光変調器の間に回転可能に配置され、前記光源から出射した前記照明光から所定の偏光方向を有する照明光を選択的に透過させる偏光変調素子と、
    回転前後で前記所定の偏光方向が90度異なるように前記偏光変調素子を回転させる回転機構と、
    前記回転機構を駆動する駆動部と、
    前記駆動部を制御する偏光制御部と、を備える
    ことを特徴とする光学装置。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の光学装置において、さらに、
    前記対物レンズの瞳共役位置またはその近傍に配置された、前記標本を走査する走査ユニットを備える
    ことを特徴とする光学装置。
  6. 請求項1に記載の光学装置において、
    前記光源は、直線偏光である照明光を出射する第1の光源ユニットであり、
    直線偏光である照明光を出射する第2の光源ユニットを備え、
    前記照射切り替え手段は、
    前記第1の光源ユニットから出射した照明光と前記第2の光源ユニットから出射した照明光とを互いに偏光方向が90度異なる状態で前記位相変調型の空間光変調器に導く光路合成素子と、
    前記第1の光源ユニットからの照明光の出射と前記第2の光源ユニットからの照明光の出射を制御する偏光制御部と、を備える
    ことを特徴とする光学装置。
  7. 請求項6に記載の光学装置において、さらに、
    前記対物レンズの瞳共役位置またはその近傍であって前記第1の光源ユニットと前記光路合成素子との間に配置された第1の走査ユニット、または、前記対物レンズの瞳共役位置またはその近傍であって前記第2の光源ユニットと前記光路合成素子との間に配置された第2の走査ユニット、の少なくとも一方を備える
    ことを特徴とする光学装置。
  8. 請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の光学装置において、さらに、
    前記位相変調型の空間光変調器を制御するSLM制御部を備え、
    前記SLM制御部は、前記第1の偏光方向を有する照明光の集光面と前記第2の偏光方向を有する照明光の集光面が一致するように、前記位相変調型の空間光変調器を制御する
    ことを特徴とする光学装置。
  9. 請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の光学装置において、さらに、
    前記位相変調型の空間光変調器を制御するSLM制御部を備え、
    前記SLM制御部は、前記第1の偏光方向を有する照明光の集光面と前記第2の偏光方向を有する照明光の集光面が異なるように、前記位相変調型の空間光変調器を制御する
    ことを特徴とする光学装置。
  10. 請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の光学装置において、さらに、
    前記対物レンズの瞳位置またはその近傍に配置され、前記第2の偏光方向を有する照明光の位相を変調し前記第1の偏光方向を有する照明光の位相を変調しない位相変調型の第2の空間光変調器を備える
    ことを特徴とする光学装置。
JP2014002774A 2014-01-09 2014-01-09 光学装置 Expired - Fee Related JP6278707B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014002774A JP6278707B2 (ja) 2014-01-09 2014-01-09 光学装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014002774A JP6278707B2 (ja) 2014-01-09 2014-01-09 光学装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015132657A JP2015132657A (ja) 2015-07-23
JP6278707B2 true JP6278707B2 (ja) 2018-02-14

Family

ID=53899915

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014002774A Expired - Fee Related JP6278707B2 (ja) 2014-01-09 2014-01-09 光学装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6278707B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6585530B2 (ja) 2016-03-16 2019-10-02 浜松ホトニクス株式会社 光学モジュール

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4171937B2 (ja) * 1998-06-08 2008-10-29 株式会社ニコン 測定検査用顕微鏡
JP4961359B2 (ja) * 2008-01-16 2012-06-27 浜松ホトニクス株式会社 観察装置
JP5484879B2 (ja) * 2009-12-11 2014-05-07 オリンパス株式会社 超解像顕微鏡
JP5525882B2 (ja) * 2010-03-24 2014-06-18 オリンパス株式会社 光源装置及び走査型顕微鏡
JP6265898B2 (ja) * 2012-08-16 2018-01-24 シチズン時計株式会社 収差補正光学ユニット及びレーザー顕微鏡

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015132657A (ja) 2015-07-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5554965B2 (ja) 位相変調型空間光変調器を用いたレーザ顕微鏡
JP7415063B2 (ja) シングルプレーンイルミネーション顕微鏡
US6614031B2 (en) Method for examining a specimen, and confocal scanning microscope
JP4912737B2 (ja) レーザ走査型顕微鏡および顕微鏡観察方法
JP2010262176A (ja) レーザ走査型顕微鏡
JP6342842B2 (ja) 走査型顕微鏡システム
JP2013152304A (ja) 顕微鏡システム
JP2009229715A (ja) 顕微鏡
US10466458B2 (en) Image acquisition device, image acquisition method, and spatial light modulation unit
WO2011162186A1 (ja) 画像生成装置
JP4270884B2 (ja) 顕微鏡システム
JP5179099B2 (ja) 光刺激用照明装置および顕微鏡装置
JP2014006450A (ja) 超解像顕微鏡及び顕微鏡観察法
JP6278707B2 (ja) 光学装置
JP6803196B2 (ja) 顕微鏡装置
JP2006313273A (ja) 顕微鏡
JP5771371B2 (ja) レーザ走査型顕微鏡
JP2012078652A (ja) 共焦点顕微鏡
JP2008026471A (ja) 試料観察方法および顕微鏡
JP4869749B2 (ja) 走査型顕微鏡
WO2017082357A1 (ja) 超解像顕微鏡
JP4939855B2 (ja) 照明装置およびレーザ走査型顕微鏡
JP4912738B2 (ja) レーザ走査型顕微鏡
WO2016117408A1 (ja) 画像取得装置および画像取得方法
JP2018136496A (ja) 顕微鏡、及び観察方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20161027

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170830

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170919

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20171117

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180109

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180116

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6278707

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees