JP2009229715A - 顕微鏡 - Google Patents

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慶記 池滝
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Abstract

【課題】ポンプ光およびイレース光を確実に同期して試料に照射でき、超解像効果を確実に発現できる顕微鏡を提供する。
【解決手段】ポンプ光用光源21から出射されたポンプ光の一部を受光手段52により受光し、その出力に基づいて、ポンプ光変調手段23からのポンプ光が、イレース光用光源22からのイレース光と同時に試料に照射されるように、制御手段13によりイレース光用光源22を制御するとともに、ポンプ光用光源21から出射されたポンプ光を変調するポンプ光変調手段23を制御する。
【選択図】図3

Description

本発明は、顕微鏡、特に染色した試料を複数の波長の光により照明して、高い空間分解能で観察する高性能かつ高機能の新規な顕微鏡に関するものである。
光学顕微鏡の技術は古く、種々のタイプの顕微鏡が開発されてきた。また、近年では、レーザ技術および電子画像技術をはじめとする周辺技術の進歩により、さらに高機能の顕微鏡システムが開発されている。
このような背景の中、複数波長の光で試料を照明して二重共鳴吸収過程を誘導することにより、得られる画像のコントラストの制御のみならず化学分析も可能にした高機能な顕微鏡が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この顕微鏡は、二重共鳴吸収を用いて特定の分子を選択して、特定の光学遷移に起因する吸収および蛍光を観察するものである。この原理について、図5〜図8を参照して説明する。図5は、試料を構成する分子の価電子軌道の電子構造を示すもので、先ず、図5に示す基底状態(S0状態:基底状態)の分子がもつ価電子軌道の電子を波長λ1の光により励起して、図6に示す第1励起状態(S1状態)とする。次に、別の波長λ2の光により同様に励起して、図7に示す第2励起状態(S2状態)とする。この励起状態により、分子は蛍光あるいは燐光を発光して、図8に示すように基底状態に戻る。
二重共鳴吸収過程を用いた顕微鏡法では、図7の吸収過程や図8の蛍光や燐光の発光を用いて、吸収像や発光像を観察する。この顕微鏡法では、最初にレーザ光等により共鳴波長λ1の光で図6のように試料を構成する分子をS1状態に励起させるが、この際、単位体積内でのS1状態の分子数は、照射する光の強度が増加するに従って増加する。
ここで、線吸収係数は、分子一個当りの吸収断面積と単位体積当たりの分子数との積で与えられるので、図7のような励起過程においては、続いて照射する共鳴波長λ2に対する線吸収係数は、最初に照射した波長λ1の光の強度に依存することになる。すなわち、波長λ2に対する線吸収係数は、波長λ1の光の強度で制御できることになる。このことは、波長λ1および波長λ2の2波長の光で試料を照射し、波長λ2による透過像を撮影すれば、透過像のコントラストは波長λ1の光で完全に制御できることを示している。
また、図7の励起状態から図8に示す基底状態への蛍光または燐光による脱励起過程が可能である場合には、その発光強度はS1状態にある分子数に比例する。したがって、蛍光顕微鏡として利用する場合にも画像コントラストの制御が可能となる。
さらに、二重共鳴吸収過程を用いた顕微鏡法は、上記の画像コントラストの制御のみならず、化学分析も可能である。すなわち、図5に示す最外殻価電子軌道は、各々の分子に固有のエネルギー準位を持つので、波長λ1は分子によって異なることになり、同時に波長λ2も分子固有のものとなる。
ここで、従来の単一波長で試料を照明する場合でも、ある程度特定の分子の吸収像あるいは蛍光像を観察することが可能である。しかし、一般に、いくつかの分子は、吸収帯の波長領域が重複するため、単一波長で試料を照明する場合には、試料の化学組成の正確な同定までは不可能である。
これに対し、二重共鳴吸収過程を用いた顕微鏡法では、波長λ1および波長λ2の2波長により吸収あるいは発光する分子を限定するので、従来法よりも正確な試料の化学組成の同定が可能となる。また、価電子を励起する場合、分子軸に対して特定の電場ベクトルをもつ光のみが強く吸収されるので、波長λ1および波長λ2の偏光方向を決めて吸収または蛍光像を撮影すれば、同じ分子でも配向方向の同定まで可能となる。
また、最近では、二重共鳴吸収過程を用いて回折限界を超える高い空間分解能をもつ蛍光顕微鏡も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
図9は、分子における二重共鳴吸収過程の概念図で、基底状態S0の分子が、波長λ1の光で第1励起状態S1に励起され、さらに波長λ2の光で第2励起状態S2に励起されている様子を示している。なお、図9はある種の分子のS2状態からの蛍光が極めて弱いことを示している。肝心なことは、蛍光を出す第1励起状態S1にある分子を、他の蛍光が出ない他の量子準位に光照射により強制的に遷移をさせれば良い。
図9に示すような光学的性質を持つ分子の場合には、極めて興味深い現象が起きる。図10は、図9と同じく二重共鳴吸収過程の概念図で、横軸のX軸は空間的距離の広がりを表わし、波長λ2の光を照射した空間領域A1と波長λ2の光が照射されない空間領域A0とを示している。
図10において、空間領域A0では波長λ1の光の励起によりS1状態の分子が多数生成され、その際に空間領域A0からは波長λ3で発光する蛍光が見られる。しかし、空間領域A1では、波長λ2の光を照射したため、S1状態の分子のほとんどが即座に高位のS2状態に励起されて、S1状態の分子は存在しなくなる。このような現象は、幾つかの分子により確認されている。これにより、空間領域A1では、波長λ3の蛍光は完全になくなり、しかもS2状態からの蛍光はもともとないので、空間領域A1では完全に蛍光自体が抑制され(蛍光抑制効果)、空間領域A0からのみ蛍光が発することになる。
このことは、顕微鏡の応用分野から考察すると、極めて重要な意味を持っている。すなわち、従来の走査型レーザ顕微鏡等では、レーザ光を集光レンズによりマイクロビームに集光して観察試料上を走査するが、その際のマイクロビームのサイズは、集光レンズの開口数と波長とで決まる回折限界となり、原理的にそれ以上の空間分解能は期待できない。
ところが、図10の場合には、波長λ1と波長λ2との2種類の光を、空間的に一部重ね合わせて蛍光領域を抑制するので、例えば波長λ1の光の照射領域に着目すると、蛍光領域を集光レンズの開口数と波長とで決まる回折限界よりも狭くでき、実質的に空間分解能を向上させることが可能となる。以下、波長λ1の光をポンプ光、波長λ2の光をイレース光とも呼ぶ。したがって、この原理を利用することで、回折限界を超える二重共鳴吸収過程を利用した超解像顕微鏡、例えば超解像蛍光顕微鏡を実現することが可能となる。
例えば、ローダミン6G色素を用いた場合、波長532nmの光(ポンプ光)を照射すると、ローダミン6G分子は、S0状態からS1状態へ励起されて波長560nmにピークを有する蛍光を発光する。この際、波長599nmの光(イレース光)を照射すると、二重共鳴吸収過程が起こって、ローダミン6G分子は蛍光発光がしにくいS2状態に遷移する。すなわち、これらのポンプ光とイレース光とをローダミン6Gに同時に照射すると蛍光が抑制されることになる。
図11は、従来提案されている超解像顕微鏡の要部構成図である。この超解像顕微鏡は、通常のレーザ走査型蛍光顕微鏡を前提としたもので、主に3つの独立したユニット、すなわち、光源ユニット110、スキャンユニット130および顕微鏡ユニット150からなっている。
光源ユニット110は、ポンプ光用光源111およびイレース光用光源112を有し、ポンプ光用光源111から出射されるポンプ光をダイクロイックプリズム114に入射させ、イレース光用光源112から出射されるイレース光は、位相板113により位相変調してからダイクロイックプリズム114に入射させて、ダイクロイックプリズム114でポンプ光とイレース光とを同軸上に合成して出射させている。
位相板113は、光軸の周りをイレース光の位相差が2π周回するように構成されるもので、例えば図12に示すように、光軸の周りに独立した8領域を有し、イレース光波長に対して1/8ずつ位相が異なるようにガラス基板をエッチングして形成される。図12には、各領域のエッチング深さdも示している。この位相板113を通過した光を集光すれば、光軸上で電場が相殺された中空状のイレース光が生成される。
ここで、ローダミン6G色素で染色された試料を観察する場合には、ポンプ光用光源111は、Nd:YAGレーザを用い、その2倍高調波である波長532nmの光をポンプ光として出射するように構成される。また、イレース光用光源112は、Nd:YAGレーザとラマンシフタとを用い、Nd:YAGレーザの2倍高調波をラマンシフタで波長599nmに変換した光をイレース光として出射するように構成される。
スキャンユニット130は、光源ユニット110から同軸で出射されるポンプ光およびイレース光を、ハーフプリズム131を通過させた後、2枚のガルバノミラー132および133により2次元方向に揺動走査して、後述の顕微鏡ユニット150に出射させる。また、スキャンユニット130は、顕微鏡ユニット150から入射する蛍光を、往路と逆の経路を辿ってハーフプリズム131で分岐し、その分岐された蛍光を投影レンズ134、ピンホール135、ノッチフィルタ136および137を経て光電子増倍管138で受光するようになっている。
図11は、図面を簡略化するため、ガルバノミラー132,133を同一平面内で揺動可能に示している。なお、ノッチフィルタ136および137は、蛍光に混入したポンプ光およびイレース光を除去するものである。また、ピンホール135は、共焦点光学系を成す重要な光学素子で、観察試料内の特定の断層面で発光した蛍光のみを通過させるものである。
顕微鏡ユニット150は、いわゆる通常の蛍光顕微鏡で、スキャンユニット130から入射するポンプ光およびイレース光をハーフプリズム151で反射させて、顕微鏡対物レンズ152により少なくとも基底状態を含む3つの電子状態を有する分子を含む観察試料153上に集光させる。また、観察試料153で発光した蛍光は、再び顕微鏡対物レンズ152でコリメートしてハーフプリズム151で反射させることにより、再び、スキャンユニット130に戻すとともに、ハーフプリズム151を通過する蛍光の一部は接眼レンズ154に導いて、蛍光像として目視観察できるようにしている。
この超解像顕微鏡によると、観察試料153の集光点上においてイレース光の強度がゼロとなる光軸近傍以外の蛍光が抑制されて、結果的にポンプ光の広がりより狭い領域に存在する蛍光ラベラー分子のみを計測できる。したがって、各計測点の蛍光信号をコンピュータ上で2次元的に配列すれば、回折限界の空間分解能を上回る解像度を有する顕微鏡画像を形成することが可能となる。
さらに、近年では、上述した超解像顕微鏡法と2光子顕微鏡法とを組み合わせた顕微鏡法も研究されている(例えば、非特許文献1参照)。2光子顕微鏡法では、上述したS0状態からS1状態への励起波長λとして、2倍の波長のポンプ光を用いる。すなわち、光子エネルギーにして半分のポンプ光を用いる。これにより、図13に示すように、非線型の光応答過程である仮想的量子準位(仮想準位)を経てS0状態からS1状態へ遷移する。
したがって、通常のポンプ光より長波長の近赤外光で蛍光発光を誘導できる。ただし、S0状態からS1状態への励起効率は、照射光量の二乗に比例する。このため、蛍光は、光がより強く集光した空間領域のみから発することになる。一般に、近赤外光は、生体試料に対する透過性は良く、上記の理由で集光点のみで選択的に吸収されるので、試料内の深い部位からの蛍光信号も検出することができる。
この2光子励起の特性により、通常の蛍光顕微鏡法では得られない3次元空間分解能が得られる。すなわち、光軸方向の深さ分解能が得られる。この深さ分解能は、超解像顕微鏡においても重要である。例えば、図11に示した超解像顕微鏡は、確かに超解像機能によって横方向の分解能は向上する。しかし、イレース光の形状は、3次元的には円筒状で、光軸上の強度はゼロである。このため、光軸方向に対しては、蛍光領域は収縮しない。したがって、超解像顕微鏡法において、2光子励起型のポンプ光を用いれば、深さ方向にも分解能を与えることができるので、空間分解能のさらなる高機能化が期待できる。
特開平8−184552号公報 特開2001−100102号公報 渡邉 武史,池滝 慶記,「ローダミン色素分子の蛍光抑制過程の研究」,第1回分子科学討論会,仙台,2007年9月19日,3P102
上述したように、超解像顕微鏡法と2光子顕微鏡法とを組み合わせることは、極めて魅力的な手法である。しかしながら、本発明者らによる実験検討によると、上記の手法により試料を高速で計測するには、顕微鏡システムの調整、特に、光源系において極めて高度な調整が要求されることがわかった。
すなわち、2光子励起では、ポンプ光として、尖頭値の高いフェムト秒またはピコ秒のパルス光が用いられる。このようなパルス光を発する光源は、モードロック方式のチタン・サファイアレーザやファイバーレーザが主流である。この種のレーザは、数十ピコよりも短いパルス光を、50MHz以上の高い固定の繰り返し周波数(パルス周波数)で発振する。ここで、パルス周波数は、レーザ共振器長で決まるが、このレーザ共振器長は、一般に物理的に長く設計できないので、パルス周波数は、必然的に数十MHz以上の高い周波数となる。
これに対し、イレース光としては、ナノ秒オーダのパルス光が必要となる。すなわち、S1状態から、それよりも高いエネルギー準位Snへの吸収を起すためには、S1状態からS0状態へ蛍光緩和する速度と均衡し、分子破壊や2光子励起を誘導しない程度の波高値の低いロングパルス光を必要とする。すなわち、蛍光性分子は、ナノ秒オーダの蛍光緩和寿命を持つので、蛍光抑制を完全に行うには、蛍光発光の開始から完全に蛍光過程が終了するまでの長いパルスが要求される。したがって、最大で数十ナノ秒のパルス幅が必要となるので、デユーティー比を考慮すると、パルス周波数は、ポンプ光とは反対に、物理的に数十MHz以下に制限される。
このような、ナノ秒オーダのパルス幅で、パルス周波数が数十MHz以下のパルス光は、一般に、モードロック方式で得るのは困難である。そこで、従来は、例えば、ファイバーレーザを用いる場合は、種光を出射する半導体レーザのインジェクション電流を直接パルス制御して、所要のイレース光を生成している。また、YAGレーザ等の個体レーザを用いる場合は、フラッシュランプで励起した後に、ポッケルスセルへの印加電圧を制御して所要のイレース光を生成している。また、CWレーザを用いる場合は、電気光学素子(EOM:electro-optic modulator)や音響光学素子(AOM:acousto-optic modulator)を、外部電気信号で直接変調することにより、CWレーザ光を擬似パルス化して、所要のイレース光を生成している。
一方、超解像機能を発現させるには、ポンプ光とイレース光とを試料に同時に照射する必要がある。従来提案されている1光子による超解像顕微鏡法のように、ポンプ光およびイレース光の光源として、ともに外部電気信号で発振を制御できるモードロックタイプでない光源を用いる場合は、ポンプ光とイレース光とを同期させるのは容易である。
しかしながら、超解像顕微鏡法と2光子顕微鏡法とを組み合わせる場合は、上述したように、ポンプ光およびイレース光は、位相およびパルス周波数が異なる。このため、このようなポンプ光およびイレース光を、単に同軸にアライメントとしても、ポンプ光およびイレース光は、ランダムな時間帯で試料に集光することになる。その結果、一画素を時間積算すると、殆どポンプ光単独照射時の蛍光信号が積算されるだけで、超解像機能発現時の信号はその中に埋もれてしまうことになる。
以上のことから、超解像顕微鏡法と2光子顕微鏡法とを組み合わせて、試料を高速で計測するには、特に、光源系において、ポンプ光とイレース光とを同期させるための極めて高度な調整が要求されることになる。なお、1光子による超解像顕微鏡法においても、ポンプ光およびイレース光の光源として、パルス周波数の異なるパルス光源を用いる場合は、同様にポンプ光とイレース光とを同期させる調整が要求されることになる。
したがって、かかる点に鑑みてなされた本発明の目的は、ポンプ光およびイレース光を確実に同期して試料に照射でき、超解像効果を確実に発現できる顕微鏡を提供することにある。
上記目的を達成する請求項1に係る顕微鏡の発明は、少なくとも2以上の励起状態をもつ物質を含む試料を観察する顕微鏡であって、
前記物質を基底状態から第1励起状態に励起するパルス状のポンプ光を出射するポンプ光用光源と、
前記物質を前記第1励起状態から他の量子状態に励起するパルス状のイレース光を、前記ポンプ光用光源から出射されるポンプ光のパルス周波数より低いパルス周波数で出射するイレース光用光源と、
前記ポンプ光用光源から出射されたポンプ光の一部を受光する受光手段と、
前記ポンプ光用光源から出射されたポンプ光を変調するポンプ光変調手段と、
前記イレース光用光源から出射されたイレース光と前記ポンプ光変調手段で変調されたポンプ光とを一部重ね合わせて前記試料に集光照射する光学系と、
前記受光手段の出力に基づいて、前記ポンプ光変調手段からのポンプ光が、前記イレース光用光源からのイレース光と同時に前記試料に照射されるように、前記イレース光用光源および前記ポンプ光変調手段を制御する制御手段と、
該光学系により集光されるポンプ光およびイレース光と前記試料とを相対的に移動させて前記試料を走査する走査手段と、
前記ポンプ光および前記イレース光の照射により前記試料から発生する光応答信号を検出する検出手段と、
を有することを特徴とするものである。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の顕微鏡において、
前記制御手段は、前記イレース光用光源から出射するイレース光のパルス周波数を、前記ポンプ光用光源から出射されたポンプ光のパルス周波数の整数分の1となるように、前記イレース光用光源を制御する、ことを特徴とするものである。
請求項3に係る発明は、請求項2に記載の顕微鏡において、
前記制御手段は、前記受光手段の出力を整数分の1分周する分周器を有し、該分周器の出力に基づいて前記イレース光用光源を制御する、ことを特徴とするものである。
請求項4に係る発明は、請求項2または3に記載の顕微鏡において、
前記制御手段は、前記ポンプ光用光源から出射されたポンプ光を間引くように、前記ポンプ光変調手段を制御する、ことを特徴とするものである。
請求項5に係る発明は、請求項4に記載の顕微鏡において、
前記制御手段は、前記ポンプ光変調手段で変調されるポンプ光のパルス周波数と、前記イレース光用光源から出射するイレース光のパルス周波数とが一致するように、前記イレース光用光源を制御する、ことを特徴とするものである。
請求項6に係る発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載の顕微鏡において、
前記光学系で合成する前記ポンプ光と前記イレース光との位相を相対的に調整する位相調整手段を有する、ことを特徴とするものである。
請求項7に係る発明は、請求項6に記載の顕微鏡において、
前記位相調整手段は、前記イレース光用光源からのイレース光の出射タイミングを制御する電気的遅延回路からなる、ことを特徴とするものである。
請求項8に係る発明は、請求項6に記載の顕微鏡において、
前記位相調整手段は、前記ポンプ光変調手段で変調されたポンプ光および/または前記イレース光用光源から出射されたイレース光の伝播時間を調整する遅延光学系からなる、ことを特徴とするものである。
請求項9に係る発明は、請求項1〜8のいずれか一項に記載の顕微鏡において、
前記光学系により前記試料に集光照射されるイレース光を、中空状に空間変調する空間変調手段を有する、ことを特徴とするものである。
請求項10に係る発明は、請求項9に記載の顕微鏡において、
前記光学系は、前記イレース光および前記ポンプ光を同軸上に重ね合わせて前記試料に集光照射する、ことを特徴とするものである。
請求項11に係る発明は、請求項1〜10のいずれか一項に記載の顕微鏡において、
前記ポンプ光変調手段は、電気光学素子からなる、ことを特徴とするものである。
請求項12に係る発明は、請求項1〜10のいずれか一項に記載の顕微鏡において、
前記ポンプ光変調手段は、音響光学素子からなる、ことを特徴とするものである。
請求項13に係る発明は、請求項1〜12のいずれか一項に記載の顕微鏡において、
前記ポンプ光用光源は、前記物質を2光子励起過程により基底状態から第1励起状態に励起するポンプ光を出射する、ことを特徴とするものである。
請求項14に係る発明は、請求項13に記載の顕微鏡において、
前記ポンプ光用光源および前記イレース光用光源は、前記ポンプ光および前記イレース光として、それぞれ波長700nm以上の近赤外光を出射する、ことを特徴とするものである。
請求項15に係る発明は、請求項14に記載の顕微鏡において、
前記ポンプ光用光源から出射されるポンプ光のパルス幅が10ピコ秒以下、前記イレース光用光源から出射されるイレース光のパルス幅が前記光応答信号の寿命よりも長い、ことを特徴とするものである。
請求項16に係る発明は、請求項1〜15のいずれか一項に記載の顕微鏡において、
前記ポンプ光用光源は、モードロックレーザからなる、ことを特徴とするものである。
請求項17に係る発明は、請求項16に記載の顕微鏡において、
前記モードロックレーザは、チタン・サファイアレーザ、Nd:YVO4レーザ、または、ファイバーレーザからなる、ことを特徴とするものである。
請求項18に係る発明は、請求項1〜17のいずれか一項に記載の顕微鏡において、
前記イレース光用光源は、前記制御手段によりパルス周波数が制御されるレーザを含む、ことを特徴とするものである。
請求項19に係る発明は、請求項1〜17のいずれか一項に記載の顕微鏡において、
前記イレース光用光源は、前記制御手段によりパルス周波数が制御される半導体レーザまたはQスイッチレーザを含む、ことを特徴とするものである。
請求項20に係る発明は、請求項1〜17のいずれか一項に記載の顕微鏡において、
前記イレース光用光源は、連続発振型レーザと、該連続発振型レーザの出力光を前記制御手段によりパルス変調するイレース光変調手段とを含む、ことを特徴とするものである。
請求項21に係る発明は、請求項20に記載の顕微鏡において、
前記連続発振型レーザは、チタン・サファイアレーザからなる、ことを特徴とするものである。
請求項22に係る発明は、請求項20または21に記載の顕微鏡において、
前記イレース光変調手段は、電気光学素子または音響光学素子からなる、ことを特徴とするものである。
本発明によれば、ポンプ光用光源から出射されたポンプ光の一部を受光手段により受光し、その出力に基づいて、ポンプ光変調手段からのポンプ光が、イレース光用光源からのイレース光と同時に試料に照射されるように、制御手段によりイレース光用光源を制御するとともに、ポンプ光用光源から出射されたポンプ光を変調するポンプ光変調手段を制御するので、ポンプ光およびイレース光を確実に同期して試料に照射でき、超解像効果を確実に発現することが可能となる。
(本発明の概要)
先ず、本発明の実施の形態の説明に先立って、本発明の概要について、図1および図2を参照して説明する。本発明では、ポンプ光用光源から出射されたポンプ光の一部を受光手段により受光し、その出力に基づいて、制御手段により、イレース光用光源からポンプ光と同期して出射するレース光のパルス周波数を調整するとともに、ポンプ光用光源から出射されたポンプ光を変調するポンプ光変調手段を制御する。
例えば、図1(a)に示すように、ポンプ光用光源からパルス周波数ωのポンプ光が出射される場合は、イレース光用光源から、例えばパルス周波数ω/2のイレース光を出射するように、イレース光用光源を制御する。また、ポンプ光用光源から出射されたポンプ光については、ポンプ光変調手段により、図1(b)に示すように、イレース光が出射されない期間のポンプ光は除去するように変調する。なお、図1では、イレース光をデューティー比1のパルスとして示している。したがって、この場合は、ポンプ光用光源から出射されたポンプ光は、1発おきにイレース光と同時に試料に照射されることになる。
また、ポンプ光用光源から出射されるポンプ光のパルス周波数が、イレース光用光源で制御可能なイレース光のパルス周波数と比較して、比較的高い場合は、図2(a)に示すように、ポンプ光のパルス周波数ωに対して、パルス周波数ω/n(nは整数)のイレース光を出射するように、イレース光用光源を制御する。また、ポンプ光用光源から出射されたポンプ光については、ポンプ光変調手段により、図2(b)に示すように、イレース光が出射されない期間のポンプ光は除去するように変調する。なお、図2においても、イレース光は、デューティー比1のパルスとして示している。したがってこの場合は、1発のイレース光に対して、n発分のポンプ光が同時に試料に照射されることになる。
なお、図2(a)において、ポンプ光を間引いて、図1(b)の場合と同様に、1発のイレース光に対して、1発のポンプ光を同時に試料に照射するように制御することもできる。
このように、ポンプ光用光源から出射されるポンプ光パルスを直接受光して、イレース光用光源およびポンプ光変調手段を制御することにより、所望の発数のポンプ光を、一定のタイミングで、イレース光と時間領域においてオーバーラップさせて試料に照射することができる。したがって、ポンプ光がイレース光より高い周波数で自走発振している場合でも、また、ポンプ光用光源およびイレース光用光源からそれぞれ出射するポンプ光およびイレース光のパルス周波数や位相が周囲温度等の環境変化によって変動し易い場合であっても、ポンプ光とイレース光とのオーバーラップの状態を適切に調整することができるので、確実に超解像効果を発現することができる。
ここで、ポンプ光の受光手段は、例えば、ポンプ光用光源から出射されるポンプ光の散乱光をフォトダイオードで受光するように構成することができる。また、イレース光用光源およびポンプ光変調手段の制御手段は、例えば、受光手段の出力をマスタークロックとして、このマスタークロックを整数分の1に分周する分周回路を有して構成し、この分周回路の出力を制御信号として、イレース光用光源およびポンプ光変調手段を制御する。また、必要に応じて、ポンプ光とイレース光との位相を調整する位相調整手段を設ける。この位相調整手段は、調整量が比較的大きい場合は、イレース光用光源の制御信号を、アナログ的なRCL回路やデジタル的な演算回路からなる電気的遅延回路で遅延して、イレース光用光源からのイレース光の出射タイミングを制御するように構成する。また、調整量が比較的小さい場合は、ポンプ光および/またはイレース光の光路に遅延光学系を設け、これにより光路長を調整して、光学的伝播時間を調整するように構成する。
また、ポンプ光変調手段は、電気光学素子や音響光学素子を用いることができる。特に、電気光学素子は、電気的制御により、数ナノ幅のシャッタ動作が可能である。したがって、このようなポンプ光変調手段を用いて、例えば、上記の分周回路で生成した制御信号により、ポンプ光用光源から出射されたポンプ光をON−OFFすれば、イレース光と同期したポンプ光のみを取り出すことができ、確実に超解像効果を発現することができる。これにより、例えば、超解像顧微鏡法と2光子顕微鏡法とを組み合わせた顕微鏡システムを容易に実現することができる。
(第1実施の形態)
図3は、本発明の第1実施の形態に係る顕微鏡の要部の構成を示す図である。この顕微鏡は、超解像顕微鏡法と2光子顕微鏡法とを組み合わせて試料を観察するもので、光源ユニット11、顕微鏡ユニット12および制御ユニット13を有する。
光源ユニット11は、ポンプ光用光源21およびイレース光用光源22を有する。ポンプ光用光源21から出射されるポンプ光は、電気光学素子または音響光学素子からなるポンプ光変調手段23で変調した後、反射ミラー24およびビームコンバイナ25を経て顕微鏡ユニット12に入射させる。
また、イレース光用光源22は、連続発振型レーザ31と、電気光学素子または音響光学素子からなるイレース光変調手段32とを有して構成し、連続発振型レーザ31からの出力光を、イレース光変調手段32でパルス変調して出射する。このイレース光用光源22から出射されるイレース光は、顕微鏡ユニット12において試料上に中空状に集光するように、空間変調手段33により空間変調した後、ビームコンバイナ25でポンプ光と同軸上に合成して顕微鏡ユニット12に入射させる。なお、空間変調手段33は、例えば図12に示した構成と同様の構成からなる位相板を用いる。
顕微鏡ユニット12は、通常の蛍光顕微鏡で、光源ユニット11から入射するポンプ光およびイレース光をビームスプリッタ41で反射させて、顕微鏡対物レンズ42により、試料ステージ43上に載置された、少なくとも2以上の励起状態をもつ物質を含む試料44に集光させる。
また、試料44から発光した蛍光は、再び顕微鏡対物レンズ42でコリメートした後、ビームスプリッタ41、ポンプ光カットフィルタ45およびイレース光カットフィルタ46を経て光電子増倍管47で受光し、図示しないコンピュータで画像処理する。
制御ユニット13は、ポンプ光用光源11から出射されるポンプ光の一部(散乱光)を取り出すビームサンプラ51と、取り出されたポンプ光を受光する受光手段であるフォトダイオード52と、フォトダイオード52の出力を分周する分周器53と、分周器53の出力に基づいてポンプ光変調手段23をON−OFF駆動するポンプ光変調コントローラ54と、分周器53の出力を遅延する位相調整手段である遅延回路55と、遅延回路55の出力に基づいてイレース光変調手段32をON−OFF駆動するイレース光変調コントローラ56と、を有する。したがって、分周器53、ポンプ光変調コントローラ54およびイレース光変調コントローラ56は、制御手段を構成する。
本実施の形態は、試料44として、ローダミン6Gで染色された生体試料を想定する。ここで、ローダミン6Gは、上述したように2以上の励起状態を有し、波長530nm近傍に、基底状態S0から第1励起状態S1へ遷移する吸収ピークをもつ。したがって、2光子励起過程でS1状態に励起するには、ほぼ倍の波長の近赤外光をポンプ光として用いればよい。このような近赤外光を発生する光源としては、例えば、波長1064nmの基本波を発生するNd:YVO4レーザが知られている。このNd:YVO4レーザは、例えば、パルス幅10ピコ秒以下で、パルス周波数が100MHzのモードロックレーザが商用で存在する。
そこで、本実施の形態では、ポンプ光用光源21として、上記の波長1064nmのパルス光を、パルス幅10ピコ秒以下、パルス周波数100MHzで発生するモードロック型のNd:YVO4レーザを用いる。また、イレース光用光源22を構成する連続発振型レーザ31は、波長可変のチタン・サファイアレーザを用いる。このチタン・サファイアレーザの出力光(イレース光)は、ローダミン6Gに対応させて、波長730nmに設定する。
この場合、フォトダイオード52からは、100MHzのパルス状の出力信号が得られる。したがって、制御ユニット13では、フォトダイオード52の出力をマスタークロックとして、このマスタークロックを分周器53で1/5の20MHzに分周して制御信号を生成し、この制御信号によりポンプ光変調コントローラ54を介してポンプ光変調手段23をON−OFF制御する。また、イレース光変調手段32は、分周器53からの制御信号を遅延回路55で遅延させて、イレース光変調コントローラ56によりON−OFF制御する。これにより、ポンプ光とイレース光との位相を合わせて、試料44に同時に照射する。
したがって、この場合、ポンプ光変調手段23およびイレース光変調手段32のON−OFFのデューティー比を1とすると、遅延回路55による位相調整に応じて、1発のイレース光に対して、2発分または3発分のポンプ光が、試料44に同時に照射されることになる。
本実施の形態によれば、試料ステージ43を顕微鏡対物レンズ42の光軸と直交する平面内で2次元走査しながら、試料44からの蛍光信号(光応答信号)を光電子増倍管47で受光し、その受光出力と試料ステージ43の位置情報とをコンピュータで対応づけて2次元配列することにより、超解像画像を得ることができる。さらに、試料ステージ43を、顕微鏡対物レンズ42の光軸方向に移動しながら画像計測を行えば、2光子顕微鏡がもつ3次元分解能機能により、試料44の蛍光像を3次元で可視化することができる。
なお、本実施の形態のように、染色試料としてローダミン6Gを用いる場合は、蛍光帯域が波長560nm前後に存在し、ポンプ光およびイレース光は、いずれも波長700nmより長い近赤外領域の光を用いるので、ポンプ光カットフィルタ45およびイレース光カットフィルタ46は、波長700nm以上の長波長側をカットする一つのローパスフィルタで構成することができる。これにより、イレース光およびポンプ光を完全にカットして、蛍光信号のみを、高いS/Nで検出することができる。このように、2光子過程をポンプ光に用いることにより、イレース光およびポンプ光の両方を蛍光波長より遥かに離れた長波長側にシフトできるので、検出光学系を簡単にできる。
本実施の形態の顕微鏡によれば、モードロック型のNd:YVO4レーザからなるポンプ光用光源21から出射されるパルス幅が10ピコ秒以下(例えば、フェムト秒オーダ)の2光子励起を行うポンプ光と、チタン・サファイアレーザを有するイレース光用光源22から出射されるパルス幅がナノ秒オーダのイレース光とを、確実に同期させながら試料44に集光照射することができる。これにより、超解像現象が発現した時だけの蛍光信号を受光して、3次元的な超解像画像を形成することができる。また、ポンプ光およびイレース光は、ともに近赤外領域の波長であるので、生体試料へのダメージも小さくできる。
(第2実施の形態)
図4は、本発明の第2実施の形態に係る顕微鏡の要部の構成を示す図である。この顕微鏡は、ポンプ光とイレース光との位相調整を光学的に行うようにしたものである。すなわち、第1実施の形態では、位相調整手段として、制御ユニット13に遅延回路55を設け、これによりイレース光変調手段32をON−OFF駆動する制御信号を遅延させて、ポンプ光とイレース光との位相を電気的に調整するようにしたが、本実施の形態では、この遅延回路55を省略して、ポンプ光とイレース光との位相を光学的に調整する。
このため、本実施の形態では、図4に示すように、ポンプ光変調手段23とビームコンバイナ25との間のポンプ光の光路中に、位相調整手段として、ポンプ光変調手段23で変調されたポンプ光の光路長を可変する遅延光学系61を設け、これによりポンプ光の伝播時間を調整して、ポンプ光とイレース光との位相を光学的に調整する。その他の構成および動作は、第1実施の形態と同様である。したがって、本実施の形態においても、第1実施の形態と同様の効果が得られる。なお、遅延光学系61は、ポンプ光の光路に代えて、イレース光用光源22とビームコンバイナ25との間のイレース光の光路中に設けることもできるし、両方の光路にそれぞれ設けることもでき、これによりポンプ光およびイレース光の位相を相対的に調整することができる。
なお、本発明は、上記実施の形態にのみ限定されるものではなく、幾多の変形または変更が可能である。例えば、上記実施の形態では、試料ステージ43により試料44を2次元走査するようにしたが、同軸となったポンプ光とイレース光との光路中に、図11に示したように2枚の揺動ミラーを有する2次元のガルバノスキャナを配置して2次元走査するように構成したり、1次元の試料ステージと1次元のガルバノスキャナとを組み合わせて、2次元走査するように構成したり、することもできる。
また、制御ユニット13は、ポンプ光変調手段で変調されるポンプ光のパルス周波数と、イレース光用光源22から出射するイレース光のパルス周波数とが一致するように、イレース光用光源22を制御するように構成することもできる。さらに、ポンプ光用光源21は、Nd:YVO4レーザに限らず、モードロック型のチタン・サファイアレーザやファイバーレーザで構成したり、モードロック型以外のレーザで構成したりすることもできる。また、イレース光用光源22は、パルス周波数が制御される半導体レーザやQスイッチレーザを用いて構成することもできる。さらに、本発明は、2光子励起による超解像顕微鏡に限らず、1光子励起による超解像顕微鏡にも有効に適用することができる。
本発明の概要を説明するポンプ光およびイレース光を示す図である。 本発明の概要を説明するポンプ光およびイレース光を示す図である。 本発明の第1実施の形態に係る顕微鏡の要部の構成を示す図である。 本発明の第2実施の形態に係る顕微鏡の要部の構成を示す図である。 試料を構成する分子の価電子軌道の電子構造を示す概念図である。 図5に示す分子の第1励起状態を示す概念図である。 図5に示す分子の第2励起状態を示す概念図である。 図5に示す分子が第2励起状態から基底状態に戻る状態を概念的に示す図である。 分子における二重共鳴吸収過程を説明するための概念図である。 分子における二重共鳴吸収過程を説明するための概念図である。 従来の超解像顕微鏡の要部構成図である。 図11に示す空間変調手段の構成を示す拡大平面図である。 1光子励起過程と2光子励起過程とを示す図である。
符号の説明
11 光源ユニット
12 顕微鏡ユニット
13 制御ユニット
21 ポンプ光用光源
22 イレース光用光源
23 ポンプ光変調手段
24 反射ミラー
25 ビームコンバイナ
31 連続発振型レーザ
32 イレース光変調手段
33 空間変調手段
41 ビームスプリッタ
42 顕微鏡対物レンズ
43 試料ステージ
44 試料
45 ポンプ光カットフィルタ
46 イレース光カットフィルタ
47 光電子増倍管
51 ビームサンプラ
52 フォトダイオード
53 分周器
54 ポンプ光変調コントローラ
55 遅延回路
56 イレース光変調コントローラ
61 遅延光学系

Claims (22)

  1. 少なくとも2以上の励起状態をもつ物質を含む試料を観察する顕微鏡であって、
    前記物質を基底状態から第1励起状態に励起するパルス状のポンプ光を出射するポンプ光用光源と、
    前記物質を前記第1励起状態から他の量子状態に励起するパルス状のイレース光を、前記ポンプ光用光源から出射されるポンプ光のパルス周波数より低いパルス周波数で出射するイレース光用光源と、
    前記ポンプ光用光源から出射されたポンプ光の一部を受光する受光手段と、
    前記ポンプ光用光源から出射されたポンプ光を変調するポンプ光変調手段と、
    前記イレース光用光源から出射されたイレース光と前記ポンプ光変調手段で変調されたポンプ光とを一部重ね合わせて前記試料に集光照射する光学系と、
    前記受光手段の出力に基づいて、前記ポンプ光変調手段からのポンプ光が、前記イレース光用光源からのイレース光と同時に前記試料に照射されるように、前記イレース光用光源および前記ポンプ光変調手段を制御する制御手段と、
    該光学系により集光されるポンプ光およびイレース光と前記試料とを相対的に移動させて前記試料を走査する走査手段と、
    前記ポンプ光および前記イレース光の照射により前記試料から発生する光応答信号を検出する検出手段と、
    を有することを特徴とする顕微鏡。
  2. 前記制御手段は、前記イレース光用光源から出射するイレース光のパルス周波数を、前記ポンプ光用光源から出射されたポンプ光のパルス周波数の整数分の1となるように、前記イレース光用光源を制御する、ことを特徴とする請求項1に記載の顕微鏡。
  3. 前記制御手段は、前記受光手段の出力を整数分の1分周する分周器を有し、該分周器の出力に基づいて前記イレース光用光源を制御する、ことを特徴とする請求項2に記載の顕微鏡。
  4. 前記制御手段は、前記ポンプ光用光源から出射されたポンプ光を間引くように、前記ポンプ光変調手段を制御する、ことを特徴とする請求項2または3に記載の顕微鏡。
  5. 前記制御手段は、前記ポンプ光変調手段で変調されるポンプ光のパルス周波数と、前記イレース光用光源から出射するイレース光のパルス周波数とが一致するように、前記イレース光用光源を制御する、ことを特徴とする請求項4に記載の顕微鏡。
  6. 前記光学系で合成する前記ポンプ光と前記イレース光との位相を相対的に調整する位相調整手段を有する、ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の顕微鏡。
  7. 前記位相調整手段は、前記イレース光用光源からのイレース光の出射タイミングを制御する電気的遅延回路からなる、ことを特徴とする請求項6に記載の顕微鏡。
  8. 前記位相調整手段は、前記ポンプ光変調手段で変調されたポンプ光および/または前記イレース光用光源から出射されたイレース光の伝播時間を調整する遅延光学系からなる、ことを特徴とする請求項6に記載の顕微鏡。
  9. 前記光学系により前記試料に集光照射されるイレース光を、中空状に空間変調する空間変調手段を有する、ことを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の顕微鏡。
  10. 前記光学系は、前記イレース光および前記ポンプ光を同軸上に重ね合わせて前記試料に集光照射する、ことを特徴とする請求項9に記載の顕微鏡。
  11. 前記ポンプ光変調手段は、電気光学素子からなる、ことを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の顕微鏡。
  12. 前記ポンプ光変調手段は、音響光学素子からなる、ことを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の顕微鏡。
  13. 前記ポンプ光用光源は、前記物質を2光子励起過程により基底状態から第1励起状態に励起するポンプ光を出射する、ことを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載の顕微鏡。
  14. 前記ポンプ光用光源および前記イレース光用光源は、前記ポンプ光および前記イレース光として、それぞれ波長700nm以上の近赤外光を出射する、ことを特徴とする請求項13に記載の顕微鏡。
  15. 前記ポンプ光用光源から出射されるポンプ光のパルス幅が10ピコ秒以下、前記イレース光用光源から出射されるイレース光のパルス幅が前記光応答信号の寿命よりも長い、ことを特徴とする請求項14に記載の顕微鏡。
  16. 前記ポンプ光用光源は、モードロックレーザからなる、ことを特徴とする請求項1〜15のいずれか一項に記載の顕微鏡。
  17. 前記モードロックレーザは、チタン・サファイアレーザ、Nd:YVO4レーザ、または、ファイバーレーザからなる、ことを特徴とする請求項16に記載の顕微鏡。
  18. 前記イレース光用光源は、前記制御手段によりパルス周波数が制御されるレーザを含む、ことを特徴とする請求項1〜17のいずれか一項に記載の顕微鏡。
  19. 前記イレース光用光源は、前記制御手段によりパルス周波数が制御される半導体レーザまたはQスイッチレーザを含む、ことを特徴とする請求項1〜17のいずれか一項に記載の顕微鏡。
  20. 前記イレース光用光源は、連続発振型レーザと、該連続発振型レーザの出力光を前記制御手段によりパルス変調するイレース光変調手段とを含む、ことを特徴とする請求項1〜17のいずれか一項に記載の顕微鏡。
  21. 前記連続発振型レーザは、チタン・サファイアレーザからなる、ことを特徴とする請求項20に記載の顕微鏡。
  22. 前記イレース光変調手段は、電気光学素子または音響光学素子からなる、ことを特徴とする請求項20または21に記載の顕微鏡。
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