JP6289156B2 - 超解像顕微鏡 - Google Patents

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Description

本発明は、超解像顕微鏡に関するものである。
光学顕微鏡の技術は古く、種々のタイプの顕微鏡が開発されてきた。また、近年では、レーザ技術および電子画像技術をはじめとする周辺技術の進歩により、さらに高機能の顕微鏡システムが開発されている。
このような背景の中、複数波長の光で試料を照明して2重共鳴吸収過程を誘導することにより、得られる画像のコントラストの制御のみならず化学分析も可能にした高機能な顕微鏡が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この顕微鏡は、2重共鳴吸収を用いて特定の分子を選択して、特定の光学遷移に起因する吸収および蛍光を観測するものである。この原理について、図15〜図18を参照して説明する。図15は、試料を構成する分子の価電子軌道の電子構造を示すもので、先ず、図15に示す基底状態(S0状態:安定状態)の分子がもつ価電子軌道の電子を波長λの光により励起して、図16に示す第1励起状態(S1状態)とする。次に、別の波長λの光により同様に励起して、図17に示す第2励起状態(S2状態)とする。この励起状態により、分子は蛍光あるいは燐光を発光して、図18に示すように基底状態に戻る。
2重共鳴吸収過程を用いた顕微鏡法では、図17の吸収過程や図18の蛍光や燐光の発光を用いて、吸収像や発光像を観察する。この顕微鏡法では、最初にレーザ光等により共鳴波長λの光で図16のように試料を構成する分子をS1状態に励起させるが、この際、単位体積内でのS1状態の分子数は、照射する光の強度が増加するに従って増加する。
ここで、線吸収係数は、分子一個当りの吸収断面積と単位体積当たりの分子数との積で与えられるので、図17のような励起過程においては、続いて照射する共鳴波長λに対する線吸収係数は、最初に照射した波長λの光の強度に依存することになる。すなわち、波長λに対する線吸収係数は、波長λの光の強度で制御できることになる。このことは、波長λおよび波長λの2波長の光で試料を照射し、波長λによる透過像を撮影すれば、透過像のコントラストは波長λの光で完全に制御できることを示している。
また、図17の励起状態から図18に示す基底状態への蛍光または燐光による脱励起過程が可能である場合、その発光強度はS1状態にある分子数に比例する。したがって、蛍光顕微鏡として利用する場合にも画像コントラストの制御が可能となる。
さらに、2重共鳴吸収過程を用いた顕微鏡法は、上記の画像コントラストの制御のみならず、化学分析も可能である。すなわち、図15に示す最外殻価電子軌道は、各々の分子に固有のエネルギー準位を持つので、波長λは分子によって異なることになり、同時に波長λも分子固有のものとなる。
ここで、従来の単一波長で試料を照明する場合でも、ある程度特定の分子の吸収像あるいは蛍光像を観察することが可能である。しかし、一般に、いくつかの分子は、吸収帯の波長領域が重複するため、単一波長で試料を照明する場合には、試料の化学組成の正確な同定までは不可能である。
これに対し、2重共鳴吸収過程を用いた顕微鏡法では、波長λおよび波長λの2波長により吸収あるいは発光する分子を限定するので、従来法よりも正確な試料の化学組成の同定が可能となる。また、価電子を励起する場合、分子軸に対して特定の電場ベクトルをもつ光のみが強く吸収されるので、波長λおよび波長λの偏光方向を決めて吸収または蛍光像を撮影すれば、同じ分子でも配向方向の同定まで可能となる。
また、最近では、2重共鳴吸収過程を用いて回折限界を超える高い空間分解能をもつ蛍光顕微鏡も提案されている(例えば、特許文献2、3参照)。
図19は、分子における2重共鳴吸収過程の概念図で、基底状態S0の分子が、波長λの光で第1励起状態S1に励起され、さらに波長λの光で第2励起状態S2に励起されている様子を示している。なお、図19は、ある種の分子のS2状態からの蛍光が極めて弱いことを示している。
図19に示すような光学的性質を持つ分子の場合には、極めて興味深い現象が起きる。図20は、図19と同じく2重共鳴吸収過程の概念図で、横軸のX軸は空間的距離の広がりを表わし、波長λの光を照射した空間領域A1と波長λの光が照射されない空間領域A0とを示している。
図20において、空間領域A0では波長λの光の励起によりS1状態の分子が多数生成され、その際に空間領域A0からは波長λで発光する蛍光が見られる。しかし、空間領域A1では、波長λの光を照射したため、第1励起状態S1の分子のほとんどが即座に高位の第2励起状態S2に励起されて、第1励起状態S1の分子は存在しなくなる。このような現象は、幾つかの分子により確認されている。これにより、空間領域A1では、波長λの蛍光は完全になくなり、しかも第2励起状態S2からの蛍光はもともとないので、空間領域A1では完全に蛍光自体が抑制され(蛍光抑制効果)、空間領域A0からのみ蛍光が発することになる。
さらに、波長λが蛍光発光帯域と重複するときは、誘導放出過程により分子は第1励起状態S1から基底状態S0の高位の振動準位に強制的に遷移するので、蛍光抑制効果はさらに増強される。言い換えると、波長λの光の照射により第1励起状態S1から発光する蛍光収率は低くなる。したがって、量子準位に強制的に分子を遷移させれば、蛍光抑制効果が発現する。このような物質として、フォトクロミック性の分子や、希土類を含む蛍光体、量子ドット、ナノダイヤモンドの様なナノスケールの微細結晶(ナノサイズの結晶)(例えば、特許文献4参照)などがある。
このような現象は、顕微鏡の応用分野から考察すると、極めて重要な意味を持っている。すなわち、従来の走査型レーザ顕微鏡等は、レーザ光を集光レンズによりマイクロビームに集光して試料上を走査するが、その際のマイクロビームのサイズは集光レンズの開口数と波長とで決まる回折限界となり、原理的にそれ以上の空間分解能は期待できない。
ところが、図20の場合には、波長λと波長λとの2種類の光を、空間的に一部重ね合わせて蛍光領域を抑制するので、例えば波長λの光の照射領域に着目すると、蛍光領域を集光レンズの開口数と波長とで決まる回折限界よりも狭くでき、実質的に空間分解能を向上させることが可能となる。したがって、この原理を利用することで、回折限界を超える2重共鳴吸収過程を利用した超解像顕微鏡、例えば超解像蛍光顕微鏡を実現することが可能となる。
例えば、ローダミン6G色素を用いた場合、波長532nmの光(ポンプ光)を照射すると、ローダミン6G分子は、基底状態S0から第1励起状態S1へ励起されて波長560nmにピークを有する蛍光を発光する。この際、波長599nmの光(イレース光)を照射すると、2重共鳴吸収過程が起こって、ローダミン6G分子は蛍光発光がしにくい第2励起状態S2に遷移する。すなわち、これらのポンプ光とイレース光とをローダミン6Gに同時に照射すると蛍光が抑制されることになる。
図21は、従来提案されている超解像顕微鏡の要部構成図である。この超解像顕微鏡は、通常のレーザ走査型蛍光顕微鏡を前提としたもので、主に3つの独立したユニット、すなわち、光源ユニット810、スキャンユニット830および顕微鏡ユニット850からなっている。
光源ユニット810は、ポンプ光用光源811およびイレース光用光源812を有する。ポンプ光用光源811から射出されるポンプ光は、ダイクロイックプリズム813に入射され、該ダイクロイックプリズム813で反射されて射出される。イレース光用光源812から射出されるイレース光は、位相板815により位相が空間変調されてダイクロイックプリズム813に入射され、該ダイクロイックプリズム813を透過して、ポンプ光と同軸上に合成されて射出される。
ここで、ローダミン6G色素で染色された試料を観察する場合、ポンプ光用光源811は、Nd:YAGレーザを用い、その2倍高調波である波長532nmの光をポンプ光として射出させることができる。また、イレース光用光源812は、Nd:YAGレーザとラマンシフタとを用い、Nd:YAGレーザの2倍高調波をラマンシフタで波長599nmに変換した光をイレース光として射出させることができる。
位相板815は、イレース光の位相を変調するもので、例えば図22に示すように、瞳面を光軸中心に動径方向に分割された8領域を有する。各領域は、イレース光の位相差が光軸周りに2πで周回するように、ガラス基板を異なる厚みにエッチングしたり、ガラス基板上に異なる厚みで光学多層膜を形成したりして構成される。この位相板815を通過したイレース光を集光すると、光軸上で電場が相殺された中空状(ドーナッツ状)のイレース光が生成される。
スキャンユニット830は、光源ユニット810から同軸で射出されるポンプ光およびイレース光を、ハーフプリズム831を通過させた後、2枚のガルバノミラー832および833により2次元方向に揺動走査して、後述の顕微鏡ユニット850に射出させる。また、スキャンユニット830は、顕微鏡ユニット850から入射する蛍光を、往路と逆の経路を辿ってハーフプリズム831で分岐し、その分岐された蛍光を投影レンズ834、ピンホール835、ノッチフィルタ836および837を経てフォトマルチプライヤ等の光検出器838で受光するようになっている。
図21は、図面を簡略化するため、ガルバノミラー832,833を同一平面内で揺動可能に示している。なお、ノッチフィルタ836および837は、蛍光に混入したポンプ光およびイレース光を除去するものである。また、ピンホール835は、共焦点光学系を成す重要な光学素子で、試料内の特定の断層面で発光した蛍光のみを通過させるものである。
顕微鏡ユニット850は、いわゆる通常の蛍光顕微鏡で、スキャンユニット830から入射するポンプ光およびイレース光をハーフプリズム851で反射させて、顕微鏡対物レンズ852により少なくとも基底状態を含む3つの電子状態を有する分子を含む試料S上に集光させる。また、試料Sで発光した蛍光は、再び顕微鏡対物レンズ852でコリメートしてハーフプリズム851で反射させることにより、再び、スキャンユニット830に戻すとともに、ハーフプリズム851を通過する蛍光の一部は接眼レンズ854に導いて、蛍光像として目視観察できるようにしている。
この超解像顕微鏡によると、試料Sの集光点上においてイレース光の強度がゼロとなる光軸近傍以外の蛍光が抑制されて、結果的にポンプ光の広がりより狭い領域に存在する蛍光ラベラー分子のみを計測できる。したがって、各計測点の蛍光信号をコンピュータ上で2次元的に配列すれば、回折限界の空間分解能を上回る解像度を有する顕微鏡画像を形成することが可能となる。
更に、近年では分光学的な研究が進み、3重項を経由した蛍光抑制効果を用いる超解像顕微鏡法も提案されている(例えば、非特許文献1参照)。図23(a)は、蛍光抑制効果の分光過程を示すダイヤグラムである。このダイヤグラムは、電子配置を無視し、分子全体の電子状態のエネルギーレベルのみを示している。通常、大多数の分子全体では、分子の各電子軌道にスピンがアップのものとダウンのものとが1対ずつ占有し(パウリ原理)、いわゆる1重項状態を形成する。この場合のエネルギー準位は、一般にSnで記され、最もエネルギー準位が低い状態すなわち基底状態がS0で記され、これより低いものから順にS1、S2、・・・と記される。
通常は、電場による分子の励起及び緩和は、各電子のスピン状態が変化しないので、1重項状態間で起きる。一方で、分子の電子状態としては、例えば独立の電子軌道に1個ずつ単独で占有し、同じ向きにスピンが揃った対をなす3重項状態が存在する。この場合、励起及び緩和は、3重項状態間同士のみで起きる。その状態は、Tn(T1、T2、・・・)で記述される。
その原因は、光学的禁制遷移によるものである。すなわち、電場ではスピン状態と相互作用できないため、スピンの向き、すなわち3重項状態から1重項状態への遷移を誘導できないことによる。しかし、極めて低い確率ではあるが、3重項状態と1重項状態の間で、励起・緩和が起きることがある(系間交差)。これは、原子核のもつ磁気モーメントや、電子の存在する軌道がつくる磁場と相互作用し、電子のスピンの様態が変化する。通常の有機分子では、構成原子の原子数が小さいために、その確率は極めて小さい。
しかし、価電子が光励起されると、一時的に、より外側の分子軌道に励起するために、軌道の作る磁場と相互作用して、低い確率ながらも3重項状態に遷移することができる。例えば、図23(b)に示すように、通常の光励起により、基底状態S0からS1状態に遷移すると、圧倒的な確率で蛍光緩和又は熱緩和して、基底状態S0に戻る。しかし、図23(a)に示すように、低い確率ながらもT1状態に緩和する。一旦、T1状態になった分子は、1重項の基底状態に緩和できず、準安定状態でとどまる。通常は、ミリ秒オーダの時間をかけ燐光を発して、基底状態に復帰する。
したがって、長時間(例えば、マイクロ秒)光励起を続ければ、次第にT1状態の分子数が増加する。すなわち、光照射された領域では基底状態の分子数が減少する。さらに、再び同じ領域に光照射されると、S1への励起過程自体が存在しないので、蛍光強度が減少する。これは、一種の蛍光抑制効果であり、この分光過程を基礎とした超解像顕微鏡法が可能となる。
つまり、光励起する照明光をポンプ光と呼ぶと、まず、ポンプ光を中空状に整形し(以下、プレイレース光と呼ぶ)、ミリ秒オーダの時間、試料面に集光して基底状態S0の分子をT1状態に転換する。引き続き、同じ領域にポンプ光(通常のガウスビーム)を集光すると、T1状態に転換された辺縁部(ドーナッツ部)は蛍光が抑制されるため、結果的に蛍光スポットはガウスビームの集光領域よりも微細になる。以下、この超解像顕微鏡法を、本明細書では、プレパルス超解像顕微鏡法と呼ぶ。
また、本発明者による実験検討によると、プレパルス超解像顕微鏡法については、以下のことが判明した。
(1)プレイレース光により基底状態S0の分子をT1状態転換し、ポンプ光で蛍光計測後、T1状態から基底状態S0に復帰させるためには、ミリ秒オーダの時間を待たなければならない。そのため、例えば走査型顕微鏡方式を採用すると、試料の蛍光画像を取得するのに莫大な時間を要することになる。
(2)プレイレース光により基底状態S0の分子をT1状態に転換しても、その後のポンプ光の照射により、図24に示すように、分子がT1状態よりも高いTn状態に励起されて再びSn状態に転換され(逆系間交差)、基底状態S0に戻ってしまう。すなわち、蛍光抑制が完全でない。
(3)プレイレース光とポンプ光とが同じ波長であると、例えば特許文献3に開示されているような2波長対応の超解像位相板の利用ができなくなる。そのため、ビーム変調を必要とするプレイレース光の照明光学系とビーム変調が不要のポンプ光の照明光学系とを独立に組んで、再び同軸にアライメントする必要がある。そのため、照明光学系の構成が複雑になるとともに、高度の調整技術も不可欠となる。
(4)蛍光分子がT1状態に長時間あると、試料中に存在する3重項状態の酸素分子と酸化反応を起こして蛍光分子が褪色してしまう。すなわち、色素劣化が早くなる。
特に、上記(2)の場合は、顕微鏡画像の画質の深刻な劣化を引き起こすことになる。ポンプ光とイレース光とを同時照射する超解像顕微鏡法(以下、本明細書では、ノーマル超解像顕微鏡法と称する)においては、例えば、中空状のラゲール・ガウシアンビームをイレース光として用いると、点像分布関数はローレンチアン型となる。
特開平8−184552号公報 特開2001−100102号公報 特開2010−15026号公報 特開2012−206863号公報
S.Hell:Appl.PhysB,60(1995)495
プレパルス超解像顕微鏡法においても、中空状のプレイレース光を照明すると、ローレンチアン型状の点像分布関数が得られる。しかし、プレパルス超解像顕微鏡法の場合は、必ず、一定割合で基底状態の分子が存在するため、図25に示すように、ポンプ光を照明すると、基底状態の分子が発光して、バックグラウンド成分として現れる。その結果、全体の点像分布関数は、DC(直流)成分にローレンチアン型の強度分布が加算されたものとなる。なお、図25において、横軸は焦点面上の位置を示し、縦軸は蛍光強度を示している。
そのため、図26(a)に示すように、染色部位が離れて存在する場合は、DC成分が存在してもローレンチアン型の強度分布を分離して観察できるので、大きなコントラスト成分が得られ、顕微鏡の最も重要な機能である2点分解能を確保できる。しかし、図26(b)に示すように、染色部位の間隔がローレンチアン型の強度分布の半値幅まで接近すると、DC成分のためにコントラスト成分が低下して2つの染色部位を空間分離できなくなり、2点分解能の著しい低下を引き起こすことになる。そのため、分子構造が複雑で染色部位が密集するような試料を観察する場合は、コントラストが著しく低下することになる。
これを解決する方法としては、数値処理すなわち画像処理が想定される。具体的には、バックグラウンド成分を一律に減算してデコンボリューションを行うことで、2点分解能を強調する方法である。しかし、例えば、蛍光信号が全体的に微弱な場合は、バックグラウンド成分の強度も場所ごとに変動する。しかも、バックグランドの強度が、検出すべき分子からの蛍光信号を上回る場合もある。さらに、光電子増倍管を用いて蛍光信号を検出する場合、光電子増倍管の線形性が必ずしも保障されていない。そのため、このような画像処理は、本来の試料の構造を反映しないものとなる。
以上のことから、理想的には、図27(a)に示すようなバックグラウンド成分が存在しない点像分布関数が得られる超解像顕微鏡計測を行うことが求められている。具体的には、バックグラウンド成分を除去する画像処理を施さなくとも、図27(b)に示すように極めて接近した2点を空間分解できることが期待されている。
本発明の目的は、上述した課題を解決し、簡単な構成でコントラストの良好な超解像顕微鏡画像を短時間で得られる超解像顕微鏡を提供することにある。
上記目的を達成する本発明は、少なくとも3以上の励起量子状態をもつ分子を含む試料を観察する超解像顕微鏡であって、
波長の異なる第1照明光、第2照明光及び第3照明光を射出する光源部と、
該光源部から射出される前記第1照明光、前記第2照明光及び前記第3照明光を前記試料に集光して照射する照明光学系と、
該照明光学系による前記第1照明光、前記第2照明光及び前記第3照明光の集光位置と前記試料とを相対的に変位させて前記試料を走査する走査部と、
前記試料への前記第1照明光、前記第2照明光及び前記第3照明光の照射により該試料から発生する光応答信号を検出する検出部と、を備え、
前記少なくとも3以上の励起量子状態のうち少なくとも一つの励起量子状態が準安定状態であり、
前記第1照明光は、前記分子を基底状態から第1電子励起状態の最低振動準位よりも高い量子状態に励起する波長であり、
前記第2照明光は、前記分子を基底状態から前記第1電子励起状態に励起する波長であり、
前記第3照明光は、前記分子を前記第1電子励起状態よりもエネルギー準位の高い他の量子状態に遷移させる波長であり、
前記光源部は、前記走査部による前記試料の順次の走査位置において、前記第1照明光を射出した後、前記第2照明光及び前記第3照明光を射出し、
前記照明光学系は、前記第1照明光の照射領域に前記第2照明光及び前記第3照明光を一部重ねて照射し、かつ前記第1照明光及び前記第3照明光を焦点面において中空状に集光させる、ものである。
前記第3照明光の波長は、前記第2照明光の波長よりも長波長であり、
前記第2照明光の波長は、前記第1照明光の波長よりも長波長とするとよい。
前記第1照明光、前記第2照明光及び前記第3照明光は、前記試料に含まれる前記分子である蛍光性分子、フォトクロミック性の分子、希土類を含む蛍光体、量子ドット、ナノサイズの結晶のいずれかに対応するとよい。
前記第1照明光及び前記第3照明光はコヒーレント光であり、
前記照明光学系は、前記第1照明光及び/又は前記第3照明光の位相分布又は偏光分布を変調する変調光学素子を備えるとよい。
前記照明光学系は、前記第2照明光及び前記第3照明光を、前記変調光学素子を経由させて前記照明光学系の焦点面に、前記第2照明光はガウスビームとして集光させ、前記第3照明光は中空状に集光させるとよい。
前記照明光学系は、前記第1照明光及び前記第2照明光を、前記変調光学素子を経由させて前記照明光学系の焦点面に、前記第2照明光はガウスビームとして集光させ、前記第1照明光は中空状に集光させるとよい。
前記照明光学系は、前記第1照明光、前記第2照明光及び前記第3照明光を、前記変調光学素子を経由させて前記照明光学系の焦点面に、前記第2照明光はガウスビームとして集光させ、前記第1照明光及び前記第3照明光は中空状に集光させるとよい。
前記変調光学素子は、前記第1照明光及び/又は前記第3照明光のビーム面内における位相差が、光軸の周りを2πの整数倍で周回するように位相分布を変調するとよい。
前記変調光学素子は、電場ベクトルの方向が反転するように偏光分布を変調してもよい。
前記検出部は、前記光源部からの前記第2照明光の射出に同期して、前記試料から発生する光応答信号を検出するとよい。
前記光源部は、前記第1照明光、前記第2照明光及び前記第3照明光の強度を独立して制御可能であるとよい。
前記光源部は、前記第1照明光、前記第2照明光及び前記第3照明光の少なくとも一つの波長が制御可能であるとよい。
前記光源部は、前記第1照明光及び前記第2照明光の波長が独立して制御可能であるとよい。
前記光源部から射出される前記第1照明光、前記第2照明光及び前記第3照明光を同軸で前記照明光学系に伝送する伝送ファイバを備えてもよい。
前記伝送ファイバは、偏波保存型のフォトニック結晶シングルモードファイバからなるとよい。
前記変調光学素子は、透明基板上に積層された光学膜を備えて位相変調してもよい。
前記光学膜は、複数の異なる物質からなる多層膜からなるとよい。
前記光学膜は、複数の領域で異なる厚みを有してもよい。
前記変調光学素子は、異なる複屈折特性を有する複数の基板を接合して偏光変調してもよい。
前記変調光学素子は、前記第2照明光及び前記第3照明光に対して異なる偏光特性を有する厚みであるとよい。
前記変調光学素子は、前記第1照明光及び前記第2照明光に対して異なる偏光特性を有する厚みであるとよい。
前記変調光学素子は、前記第2照明光の偏光特性を維持するとよい。
異なる複屈折特性を有する複数の前記基板は、光学異方性をもつ水晶基板からなるとよい。
本発明によれば、簡単な構成でコントラストの良好な超解像顕微鏡画像を短時間で得られる超解像顕微鏡を提供することができる。
本発明の原理を説明する図である。 本発明による3波長超解像顕微鏡法で得られる点像分布関数を説明する図である。 第1実施の形態に係る超解像顕微鏡の概念的構成を示す図である。 図3の変調光学素子の一例を示す図である。 図3の超解像顕微鏡の動作を説明するためのタイミングチャートである。 第2実施の形態に係る超解像顕微鏡の要部の構成を示す図である。 変調光学素子の変形例を示す図である。 変調光学素子の他の変形例を示す図である。 図8の変調光学素子を作製する光学基板を示す図である。 図8の変調光学素子の作製過程を説明する図である。 図8の変調光学素子に直線偏光が入射した場合の偏光方向と進相軸及び遅相軸との関係を示す図である。 図8の変調光学素子を直線偏光が透過した場合の透過光の電場ベクトルの方向を示す図である。 第1〜第3照明光の波長と検出する蛍光帯域との関係を示す図である。 検出部の変形例を示す図である。 試料を構成する分子の価電子軌道の電子構造を示す概念図である。 図15に示す分子の第1励起状態を示す概念図である。 図15に示す分子の第2励起状態を示す概念図である。 図15に示す分子が第2励起状態から基底状態に戻る状態を概念的に示す図である。 分子における2重共鳴吸収過程を説明する概念図である。 分子における2重共鳴吸収過程を説明する概念図である。 従来の超解像顕微鏡の要部構成図である。 図21に示す位相板の構成を示す拡大平面図である。 3重項を経由した蛍光抑制効果の分光過程を示す図である。 プレパルス超解像顕微鏡法の課題を説明する図である。 プレパルス超解像顕微鏡法による点像分布関数を示す図である。 プレパルス超解像顕微鏡法による2点分解能を説明する図である。 理想的な点像分布関数及び2点分解能を示す図である。
先ず、実施の形態の説明に先立って、本発明に係る超解像顕微鏡の原理について、超解像蛍光顕微鏡を例にとって説明する。
図1(a)及び(b)は、本発明の原理を説明するための図である。本発明に係る超解像顕微鏡は、3波長すなわち3色の照明光を用いる。具体的には、ノーマル超解像顕微鏡法において、ポンプ光より波長の短い中空状のビームを事前に染色試料に集光する。以下の説明では、本発明に係る超解像顕微鏡による顕微鏡法を、3波長超解像顕微鏡法とも言う。
まず、図1(a)に示すように、ポンプ光よりも波長の短い例えば中空状のプレイレース光L1により、蛍光物質で染色された試料Sを照明する。これにより、照明領域において、蛍光分子はS1の最低振動準位よりも高い振動励起状態か、或いはS1より高いSn状態に遷移することになる。この励起状態は、分子軌道が広がった状態に対応し、分子軌道と励起電子との相互作用が強くなり、緩和する際に3重項状態に転換し易くなる。したがって、従来のプレパルス超解像顕微鏡法と比較して、短時間で弱いプレイレース光L1で数多くの分子を3重項状態に転換できる。その後、3重項状態間で緩和が起こり、中空状の照明領域において効率的にT1状態の分子が生成される。
プレイレース光L1の照射後、その照明領域に対してノーマル超解像顕微鏡法を適用する。すなわち、図1(b)に示すように、ポンプ光L2とイレース光L3とにより、試料Sのプレイレース光L1による照明領域を照明する。ここで、ポンプ光L2は、プレイレース光L1と波長が異なる。また、イレース光L3は、少なくともポンプ光L2よりも長波長であり、かつ、プレイレース光L1と同様に例えばドーナッツ形状をしている。つまり、3色の照明光は、イレース光(第3照明光)の波長がポンプ光(第2照明光)の波長よりも長波長であり、ポンプ光の波長はプレイレース光(第1照明光)の波長よりも長波長である。これにより、ポンプ光L2の照射により生成されたS1状態の分子を、イレース光L3の照射により他の量子状態に強制遷移させて蛍光抑制効果を誘導する。この場合、基本的には、イレース光L3の強度を調整することにより、イレース光L3の照明領域のS1状態の分子をほぼ完全に消失させることができる。
すなわち、プレイレース光L1とポンプ光L2との照射により、図25に示したプレパルス超解像顕微鏡法による点像分布関数が形成されるが、さらに中空状のイレース光L3が重複されることで、中央のローレンチアン型の強度分布が保持されたまま、プレパルス超解像顕微鏡法で問題となっていたDC成分が完全に除去される。
結論として、図2(a)〜(c)に示すように、3波長超解像顕微鏡法で得られる点像分布関数C(図2(c))は、プレパルス超解像顕微鏡法で得られる点像分布関数A(図2(a))とノーマル超解像顕微鏡法で得られる点像分布関数B(図2(b))との積で与えられる。図2(c)において、3波長超解像顕微鏡法による点像分布関数Cは、プレイレース光L1の波長がイレース光L3の波長よりも短いので、半値幅がノーマル超解像顕微鏡法による点像分布関数Bの半値幅よりも狭くなる。また、この点像分布関数Cからは、プレパルス超解像顕微鏡法で問題となったバックグラウンド光によるDC成分(バックグラウンド成分)も除去されている。したがって、3波長超解像顕微鏡法による点像分布関数Cは、プレパルス超解像顕微鏡法A又はノーマル超解像顕微鏡法で得られる点像分布関数Bよりも優れたものとなる。
これにより、3波長超解像顕微鏡法は、結像性能において、プレパルス超解像顕微鏡法とノーマル超解像顕微鏡法との両方の長所を兼ね備えるとともに、それ以外の大きな長所も持つ。すなわち、3重項状態は、一般に寿命が長く緩和速度が極めて遅いので、低いパワーのプレイレース光L1で基底状態の分子を3重項状態に転換できる。また、イレース光L3は、プレパルス超解像顕微鏡法で残存するバックグラウンド成分を消去するだけで十分なので、ノーマル超解像顕微鏡法で使用されるイレース光よりもパワーが低くて済むことになる。
さらに、プレパルス超解像顕微鏡法では、一旦、準安定状態の3重項に転換した分子が基底状態に復帰するためには長時間待たなければ、隣接する画素の計測が不可能である。しかし、3波長超解像顕微鏡法では、プレイレース光L1を照射した同じドーナッツ部(輪帯領域)に再びイレース光L3を照射する。この作用は、プレパルス超解像顕微鏡法におけるDC成分を除去するだけではなく、T1状態の分子をよりエネルギー準位の高いTn状態に再び励起できるので、この間、再び3重項状態から1重項状態へ転換する逆の系間交換交差を誘導できる。すなわち、分子を基底状態に復帰させる速度を加速できるので、計測時間も短縮できる。さらに、図2に示したように、3波長超解像顕微鏡法の点像分布関数は、プレパルス超解像顕微鏡法とノーマル超解像顕微鏡法とのローレンチアン関数成分になっているので、プレパルス超解像顕微鏡法又はノーマル超解像顕微鏡法の単独のローレンチアン型の点像分布関数と比較すると半値幅が狭くなっており、分解能も向上している。以上により、簡単な構成でコントラストの良好な顕微鏡画像を短時間で得ることが可能となる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
(第1実施の形態)
図3は、本発明の第1実施の形態に係る超解像顕微鏡の概念的構成を示す図である。図3に示す超解像顕微鏡は、蛍光性分子、フォトクロミック性の分子、希土類を含む蛍光体、量子ドット等の分子で染色された試料Sを観察するもので、光源部100、伝送ファイバ200、照明光学系300、走査部400、検出部500、制御部600を備える。光源部100は、第1照明光用光源101、第2照明光用光源102及び第3照明光用光源103を備える。第1照明光用光源101及び第2照明光用光源102は、例えばスーパーコンティニュアム光源が使用される。スーパーコンティニュアム光源は、基本的には全ての可視光の波長帯域でレーザ発振が可能である。
第1照明用光源101から射出される光は、狭帯域のバンドパスフィルタや分光器からなる波長選択素子121に入射されて染色色素に応じた所望の波長の第1照明光(プレイレース光)が出力される。同様に、第2照明用光源102から射出される光は、波長選択素子122に入射されて染色色素に応じた所望の波長の第2照明光(ポンプ光)が出力される。第3照明光用光源103は、少なくとも数10mW程度のパワーを有し、染色色素に応じた所望の波長の第3照明光(イレース光)を射出する半導体レーザが使用される。
波長選択素子121から得られる第1照明光、波長選択素子122から得られる第2照明光、及び第3照明光用光源103から得られる第3照明光は、対応する光音響素子(AOM)131、132、133及び同軸光学系140を経て光源部100から同軸で射出される。なお、第1〜3照明光用光源101〜103及びAOM131〜133は、制御部600により制御され、これにより染色色素に応じた所望のパワーを有する第1〜3照明光が、所望のタイミングで光源部100から射出される。
制御部600は、例えばホストコンピュータを用いて構成される。
光源部100から射出される第1〜3照明光は、伝送ファイバ200を経て照明光学系300に伝送される。伝送ファイバ200の入射端側及び射出端側には結合レンズ210、220が配置される。光源部100からの第1〜3照明光は、結合レンズ210を経て伝送ファイバ200に入射され、伝送ファイバ200を伝送されて、射出端から結合レンズ220を経て射出される。伝送ファイバ200は、例えばシングルモードファイバ、好ましくは偏波保存型のフォトニック結晶シングルモードファイバが使用される。フォトニック結晶シングルモードファイバは、波長分散が無く、近赤外光から可視光までの広い帯域のレーザ光を伝播することができる。
照明光学系300に伝送された第1〜3照明光は、コリメータレンズ310、変調光学素子320及びバンドパスフィルタ等からなる分離フィルタ330を透過してガルバノミラー410、420に導入される。ガルバノミラー410、420に導入された第1〜3照明光は、ガルバノミラー410、420により二次元方向に偏向走査されて、瞳投影レンズ340を経て対物レンズ350により染色された試料Sに集光される。試料Sは、試料ステージ700上に載置される。ここで、ガルバノミラー410、420は、走査部400を構成するもので、制御部600により駆動が制御される。なお、図3では、図面を簡略化するため、ガルバノミラー410、420を同一平面内で揺動可能に示している。
一方、第1〜3照明光の照射により試料Sから発生する蛍光は、入射光路を逆に辿って分離フィルタ330に入射され、該分離フィルタ330で反射されて照明光学系300の光路から分離され、検出部500に入射される。検出部500は、集光レンズ510、結合レンズ520、マルチモードファイバ530、AOM540及び光電子増倍管(PMT)550を備える。AOM540は、マルチモードファイバ530の途中に配置される。照明光学系300から分離された蛍光は、集光レンズ510及び結合レンズ520を経てマルチモードファイバ530に入射され、AOM540を経てPMT550で検出される。PMT550の出力は、制御部600に供給されて処理され、蛍光画像としてモニタ等に出力されて表示される。
上記構成において、変調光学素子320は、例えば光学基板上に光学膜をコートして構成される。この変調光学素子320を通過した第1照明光及び第3照明光は、位相分布が変調されて対物レンズ350の焦点面(試料面)上に中空状のスポットとして集光され、第2照明光は位相分布が変調されることなく通常のガウスビームスポットとして集光される。
このような変調光学素子320は、例えば図4に示すように、光学基板321の中央部領域322に光学膜323をコートした輪帯形状に構成することができる。光学膜323は、例えばSiOの単層膜で構成することができる。この変調光学素子320の場合、中央部領域322と周辺部領域324とを通過する光の位相差(Δ)は、中央部領域322の光学膜323(SiO単層膜)の屈折率をn、膜厚をdとすると、
Δ=(n−1)d (1)
で与えられる。
標準的なSiO膜の屈折率nは、可視光領域で1.45である。したがって、厚さdを例えば3516nmとし、第3照明光用光源103から射出される第3照明光の波長λ3を例えば647nmとすると、中央部領域322を通過する第3照明光に対しては、式(1)より、約2.5λ分位相がずれる。また、第2照明光の波長λ2を波長選択素子122により例えば539nmに設定すると、約3λ分位相がずれる。同様に、第1照明光の波長λ1を波長選択素子121により例えば462nmに設定すると、約3.5λ分位相がずれる。つまり、第1照明光及び第3照明光は、変調光学素子320を透過することで、中央部領域322と周辺部領域324とで透過光の位相が反転し、第2照明光は、中央部領域322及び周辺部領域324で位相が同相となる。
したがって、変調光学素子320に第1〜3照明光を同軸で入射させれば、軸ずれすることなく、第2照明光は通常のガウスビームとして集光させることができ、第1照明光及び第3照明光は中空状のスポットとして集光させることができる。ここで、例えばナイルレッドで染色された試料Sを観察する場合、上記の波長647nmの第3照明光はイレース光として機能し、波長539nmの第2照明光はポンプ光として機能する。また、ナイルレッドは波長462nmにも吸収帯を有し、S1状態の振動状態又はより高位のSn状態に励起できるので、波長462nmの第1照明光はプレイレース光として機能する。
また、光源部100のAOM131〜133、検出部500のAOM540及びPMT550は、制御部600により例えば図5に示すタイミングで制御されて、試料Sに3色の照明光が照射される。まず、第1照明光用のAOM131がオンとなって、試料Sが第1照明光により照明される。その間、試料Sの中空状の照明領域から蛍光が発生するが、検出部500のAOM540はオフに制御されているので、その蛍光はPMT550で検出されない。その後、第2照明光用のAOM132及び第3照明光用のAOM133が駆動されて、ノーマル超解像顕微鏡法による照明動作が実行される。この間、検出部500のAOM540がオンとなって、PMT550により蛍光が検出される。
図5において、AOM131のオン期間すなわち第1照明光の照明時間をτ1、AOM132のオン期間すなわち第2照明光の照明時間をτ2、AOM133のオン期間すなわち第3照明光の照明時間をτ3、AOM540のオン期間すなわち蛍光の検出時間をτ4とするとき、例えば、τ1<τ2<τ4<τ3、とする。また、AOM131のオンからAOM132のオンまでの時間をt2、AOM131のオンからAOM133のオンまでの時間をt3、AOM131のオンからAOM540のオンまでの時間をt4とするとき、例えば、t3<t2<t4、とする。そして、第3照明光の照明時間τ3は、第1照明光の照明時間τ1と重複せず、かつ、少なくとも第2照明光の照明時間τ2は、第3照明光の照明時間τ3に含まれるようにする。
以上の動作は、走査部400による二次元走査に同期して各走査点で実行される。そして、PMT550から得られる各走査点での蛍光信号は、制御部600で処理されて超解像顕微鏡画像が形成される。
(第2実施の形態)
図6は、本発明の第2実施の形態に係る超解像顕微鏡の要部の構成を示す図である。図6に示す超解像顕微鏡は、2系統の第1光源部100−1及び第2光源部100−2を備える。第1光源部100−1は、スーパーコンティニュアム光源からなる第1光源111−1及び半導体レーザからなる第2光源112−1を備える。第1光源111−1から射出される照明光は、波長選択素子125−1、AOM135−1及び同軸光学系141−1を経て第1光源部100−1から射出される。第2光源112−1から射出される照明光は、AOM136−1及び同軸光学系141−1を経て、第1光源111−1からの照明光と同軸で第1光源部100−1から射出される。
同様に、第2光源部100−2は、スーパーコンティニュアム光源からなる第1光源111−2及び半導体レーザからなる第2光源112−2を備える。第2光源111−2から射出される照明光は、波長選択素子125−2、AOM135−2及び同軸光学系141−2を経て第2光源部100−2から射出される。第2光源112−2から射出される照明光は、AOM136−2及び同軸光学系141−2を経て、第1光源111−2からの照明光と同軸で第2光源部100−2から射出される。
第1光源部100−1から射出される照明光は、例えば偏波保存型のフォトニック結晶シングルモードファイバからなる伝送ファイバ201を経て照明光学系301に伝送される。同様に、第2光源部100−2から射出される照明光は、例えば偏波保存型のフォトニック結晶シングルモードファイバからなる伝送ファイバ202を経て照明光学系301に伝送される。
照明光学系301は、伝送ファイバ201に対応するコリメータレンズ310−1及び変調光学素子320−1と、伝送ファイバ202に対応するコリメータレンズ310−2及び変調光学素子320−2と、伝送ファイバ201及び202からの照明光を同軸に合成する合成素子360とを備える。伝送ファイバ201からの照明光は、コリメータレンズ310−1、変調光学素子320−1及び合成素子360を経て、分離フィルタ330に入射される。同様に、伝送ファイバ202からの照明光は、コリメータレンズ310−2、変調光学素子320−2及び合成素子360を経て、分離フィルタ330に入射される。分離フィルタ330に入射された照明光は、第1実施の形態と同様にガルバノミラー及び対物レンズ等を経て試料に照射され、試料からの蛍光は分離フィルタ330により往路と分離されてPMTで検出される。
変調光学素子320−1は、例えば図4と同様、中央部領域にSiO2の単層膜からなる光学膜を有する輪帯形状に構成される。この変調光学素子320−1は、第1光源部100−1の第2光源112−1からの照明光を、位相分布を変調して透過させ、第1光源111−1からの照明光は位相分布を変調することなく透過させる。これにより、照明光学系301による試料の焦点面上に、第2光源112−1からの照明光を中空状のスポットとして集光させ、第1光源111−1からの照明光を通常のガウスビームスポットとして集光させる。
変調光学素子320−2は、例えば図22に示したような、イレース光の位相差を光軸周りに2πで周回するように、ガラス基板を複数の領域で異なる厚みにエッチングしたり、ガラス基板上に異なる厚みで光学多層膜を形成したりして構成される。この変調光学素子320−2は、第2光源部100−2の第2光源112−2からの照明光をラゲール・ガウシアンビームに位相分布を変調して透過させ、第1光源111−2からの照明光は位相変調することなく透過させる。これにより、照明光学系301による試料の焦点面上に、第2光源112−2からの照明光を中空状のスポットとして集光させ、第1光源111−2からの照明光を通常のガウスビームスポットとして集光させる。
すなわち、本実施の形態に係る超解像顕微鏡は、第1光源部100−1及び第2光源部100−2のそれぞれの第1光源111−1、111−2をポンプ光とし、第2光源112−1、112−2をイレース光とすることで、2種類のイレース光を用いたノーマル超解像顕微鏡法が実現できる。また、第1光源111−1、111−2は、スーパーコンティニュアム光源からなるので、いずれか一方をプレイレース光源とすれば、3波長超解像顕微鏡法を実現することができる。この際、制御部によりAOM135−1、135−2、136−1、136−2のオンオフ制御、使用する光源の強度調整を行えばシーケンス的な対応も可能である。同時に、波長選択素子125−1、125−2を調整することにより、ポンプ光及びプレイレース光の波長の最適化が達成できる。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、幾多の変形又は変更が可能である。例えば、走査部は、照明光を二次元方向に偏向する構成に限らず、照明光の光路を固定して試料ステージを照明光の光路と直交する二次元方向に移動させたり、照明光の光路を一次元方向に偏向し、試料ステージを照明光の走査方向と直交する方向に移動させたりして、試料を走査してもよい。
また、第2実施の形態において、変調光学素子320−1は、中央部領域の光学膜を例えば特許文献3に開示されているような多層膜で構成してもよい。図7(a)、(b)は、この場合の変調光学素子320−1の概略構成を示すもので、(a)は断面図であり、(b)は平面図である。図7(a)、(b)において、中央部領域322の多層膜325は、ポンプ光に対して反射作用を有する光学反射膜として機能するもので、ポンプ光に対して屈折率が異なる第1物質326と第2物質327とを、光学基板321上にバッファ層328を介して交互に蒸着により積層して構成される。これにより、中央部領域322はポンプ光を反射させ、イレース光は位相をπ反転させて透過させる。また、周辺部領域324は、ポンプ光およびイレース光を、位相分布を変調することなく透過させる。なお、多層膜325は、層数・膜厚・材質を最適化することで、イレース光は位相をπ反転させて透過させ、ポンプ光は波長の整数倍だけ位相遅れを発生させて透過させるように構成することもできる。これにより、3波長超解像顕微鏡法による観察の場合に、プレイレース光又はイレース光を中空状のスポットとして集光させることができる。
図7(a)、(b)に示した多層膜構造は、第1実施の形態に示した変調光学素子320にも適用することができる。この場合は、プレイレース光及びイレース光が中空状のスポットとして集光され、ポンプ光が通常のガウスビームスポットとして集光されるように、多層膜を3波長に対応するように構成すればよい。また、第1実施の形態において、変調光学素子320は、例えば図22に示した構成を3波長に対応させて、プレイレース光及びイレース光の位相差を光軸周りに2πで周回させるように、ガラス基板を複数の領域で異なる厚みにエッチングしたり、ガラス基板上に異なる厚みで光学多層膜を形成したりして構成してもよい。
また、変調光学素子は、位相分布を変調する構成に限らず、例えば光学異方性を有する複数の水晶基板等を接合して偏光分布を変調するように構成してもよい。図8は、この場合の変調光学素子の構成例を示す平面図である。図8に示す変調光学素子320−3は、同心円状に接合された円柱基板321a及び輪帯基板321bを有する。円柱基板321a及び輪帯基板321bは、図9(a)及び(b)に平面図及び側面図を示すように、直交する進相軸(実線矢印で示す)及び遅相軸(破線矢印で示す)を有する水晶からなる光学基板321からそれぞれ切り出される。その後、図10に示すように、切り出した円柱基板321aの進相軸と輪帯基板321bの進相軸とが直交するように、輪帯基板321bに円柱基板321aが挿入されて紫外線硬化樹脂等により接着される。なお、図9に示す光学基板321は、基板射出時に進相軸及び遅相軸が直交するようにカット面が調整される。また、光学基板321の厚みdは、プレイレース光及び/又はイレース光の波長で電場の位相差が180°、すなわち1/2波長板として機能し、ポンプ光に対しては1波長板として機能するように調整される。
図8に示した変調光学素子320−3において、例えば図11に示すように、輪帯基板321bの進相軸に平行な直線偏光が入射すると、内側の円柱基板321aに対しては遅相軸に平行な直線偏光が入射することになる。そのため、図12に示すように、変調光学素子320−3を直線偏光したプレイレース光L1及び/又はイレース光L3が通過すると、変調光学素子320−3が1/2波長板として機能するため、外側の輪体基板321aの透過光と内側の円柱基板321aの透過光との電場ベクトルが反対に向かい合うようになる。つまり、プレイレース光L1及び/又はイレース光L3は、電場の振動軸が同じ方向の直線偏光で、かつ、電場の向きが反対となるように変調される。これに対し、ポンプ光L2は、変調光学素子320−3を通過しても、変調光学素子320−3が1波長板として機能するので、偏光状態は殆ど変化しない。
したがって、プレイレース光L1及び/又はイレース光L3とポンプ光L2とが変調光学素子320−3を通過すると、プレイレース光L1及び/又はイレース光L3は、照明光学系により中空状のスポットとして集光され、ポンプ光L2は通常のガウスビームスポットとして、プレイレース光L1及び/又はイレース光L3と軸ずれすることなく集光される。
また、上記実施の形態において、第1照明光(プレイレース光)の波長λ1は、図13に示すように、第2照明光(ポンプ光)の波長λ2より短く、第3照明光(イレース光)の波長λ3は、波長λ2より長く、かつ、蛍光帯域よりも長波長である。したがって、検出部500は、例えば図14に示すように、AOM540とPMT550との間に、波長選択素子560及びバンドパスフィルタ570等を配置して、蛍光帯域の波長を透過するように構成してもよい。このように構成すれば、第1〜3照明光の迷光をカットして、蛍光信号のみを効率よく、かつ高いS/Nで検出することができる。
また、第1照明光及び/又は第3照明光は、必ずしも焦点面で中空状に集光させる必要はなく、焦点面で第2照明光の照射領域と一部重なるように通常のガウスビームスポットとして集光させて、超解像の画像を得るようにしてもよい。
100 光源部
100−1 第1光源部
100−2 第2光源部
101 第1照明光用光源
102 第2照明光用光源
103 第3照明光用光源
111−1、111−2 第1光源
112−1、112−2 第2光源
121、122、125−1、125−2 波長選択素子
131、132、133、135−1、135−2、136−1、136−2 光音響素子(AOM)
140、141−1、141−2 同軸光学系
200、201、202 伝送ファイバ
210、220 結合レンズ
300、301 照明光学系
310、310−1、310−2 コリメータレンズ
320、320−1、320−2、320−3 変調光学素子
321 光学基板
321a 円柱基板
321b 輪帯基板
322 中央部領域
323 光学膜
324 周辺部領域
325 多層膜
330 分離フィルタ
340 瞳投影レンズ
350 対物レンズ
360 合成素子
400 走査部
410、420 ガルバノミラー
500 検出部
510 集光レンズ
520 結合レンズ
530 マルチモードファイバ
540 光音響素子(AOM)
550 光電子増倍管(PMT)
560 波長選択素子
570 バンドパスフィルタ
600 制御部
700 試料ステージ

Claims (23)

  1. 少なくとも3以上の励起量子状態をもつ分子を含む試料を観察する超解像顕微鏡であって、
    波長の異なる第1照明光、第2照明光及び第3照明光を射出する光源部と、
    該光源部から射出される前記第1照明光、前記第2照明光及び前記第3照明光を前記試料に集光して照射する照明光学系と、
    該照明光学系による前記第1照明光、前記第2照明光及び前記第3照明光の集光位置と前記試料とを相対的に変位させて前記試料を走査する走査部と、
    前記試料への前記第1照明光、前記第2照明光及び前記第3照明光の照射により該試料から発生する光応答信号を検出する検出部と、を備え、
    前記少なくとも3以上の励起量子状態のうち少なくとも一つの励起量子状態が準安定状態であり、
    前記第1照明光は、前記分子を基底状態から第1電子励起状態の最低振動準位よりも高い量子状態に励起する波長であり、
    前記第2照明光は、前記分子を基底状態から前記第1電子励起状態に励起する波長であり、
    前記第3照明光は、前記分子を前記第1電子励起状態よりもエネルギー準位の高い他の量子状態に遷移させる波長であり、
    前記光源部は、前記走査部による前記試料の順次の走査位置において、前記第1照明光を射出した後、前記第2照明光及び前記第3照明光を射出し、
    前記照明光学系は、前記第1照明光の照射領域に前記第2照明光及び前記第3照明光を一部重ねて照射し、かつ前記第1照明光及び前記第3照明光を焦点面において中空状に集光させる、
    超解像顕微鏡。
  2. 請求項1に記載の超解像顕微鏡において、
    前記第3照明光の波長は、前記第2照明光の波長よりも長波長であり、
    前記第2照明光の波長は、前記第1照明光の波長よりも長波長である、超解像顕微鏡。
  3. 請求項1又は2に記載の超解像顕微鏡において、
    前記第1照明光、前記第2照明光及び前記第3照明光は、前記試料に含まれる前記分子である蛍光性分子、フォトクロミック性の分子、希土類を含む蛍光体、量子ドット、ナノサイズの結晶のいずれかに対応する、超解像顕微鏡。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の超解像顕微鏡において、
    前記第1照明光及び前記第3照明光はコヒーレント光であり、
    前記照明光学系は、前記第1照明光及び/又は前記第3照明光の位相分布又は偏光分布を変調する変調光学素子を備える、超解像顕微鏡。
  5. 請求項に記載の超解像顕微鏡において、
    前記照明光学系は、前記第2照明光及び前記第3照明光を、前記変調光学素子を経由させて前記照明光学系の焦点面に、前記第2照明光はガウスビームとして集光させ、前記第3照明光は中空状に集光させる、超解像顕微鏡。
  6. 請求項に記載の超解像顕微鏡において、
    前記照明光学系は、前記第1照明光及び前記第2照明光を、前記変調光学素子を経由させて前記照明光学系の焦点面に、前記第2照明光はガウスビームとして集光させ、前記第1照明光は中空状に集光させる、超解像顕微鏡。
  7. 請求項に記載の超解像顕微鏡において、
    前記照明光学系は、前記第1照明光、前記第2照明光及び前記第3照明光を、前記変調光学素子を経由させて前記照明光学系の焦点面に、前記第2照明光はガウスビームとして集光させ、前記第1照明光及び前記第3照明光は中空状に集光させる、超解像顕微鏡。
  8. 請求項乃至のいずれか一項に記載の超解像顕微鏡において、
    前記変調光学素子は、前記第1照明光及び/又は前記第3照明光のビーム面内における位相差が、光軸の周りを2πの整数倍で周回するように位相分布を変調する、超解像顕微鏡。
  9. 請求項乃至のいずれか一項に記載の超解像顕微鏡において、
    前記変調光学素子は、電場ベクトルの方向が反転するように偏光分布を変調する、超解像顕微鏡。
  10. 請求項1乃至のいずれか一項に記載の超解像顕微鏡において、
    前記検出部は、前記光源部からの前記第2照明光の射出に同期して、前記試料から発生する光応答信号を検出する、超解像顕微鏡。
  11. 請求項1乃至10のいずれか一項に記載の超解像顕微鏡において、
    前記光源部は、前記第1照明光、前記第2照明光及び前記第3照明光の強度を独立して制御可能である、超解像顕微鏡。
  12. 請求項1乃至10のいずれか一項に記載の超解像顕微鏡において、
    前記光源部は、前記第1照明光、前記第2照明光及び前記第3照明光の少なくとも一つの波長が制御可能である、超解像顕微鏡。
  13. 請求項12に記載の超解像顕微鏡において、
    前記光源部は、前記第1照明光及び前記第2照明光の波長が独立して制御可能である、超解像顕微鏡。
  14. 請求項1乃至13のいずれか一項に記載の超解像顕微鏡において、
    前記光源部から射出される前記第1照明光、前記第2照明光及び前記第3照明光を同軸で前記照明光学系に伝送する伝送ファイバを備える、超解像顕微鏡。
  15. 請求項14に記載の超解像顕微鏡において、
    前記伝送ファイバは、偏波保存型のフォトニック結晶シングルモードファイバからなる、超解像顕微鏡。
  16. 請求項に記載の超解像顕微鏡において、
    前記変調光学素子は、透明基板上に積層された光学膜を備える、超解像顕微鏡。
  17. 請求項16に記載の超解像顕微鏡において、
    前記光学膜は、複数の異なる物質からなる多層膜からなる、超解像顕微鏡。
  18. 請求項16又は17に記載の超解像顕微鏡において、
    前記光学膜は、複数の領域で異なる厚みを有する、超解像顕微鏡。
  19. 請求項に記載の超解像顕微鏡において、
    前記変調光学素子は、異なる複屈折特性を有する複数の基板を接合してなる、超解像顕微鏡。
  20. 請求項19に記載の超解像顕微鏡において、
    前記変調光学素子は、前記第2照明光及び前記第3照明光に対して異なる偏光特性を有する厚みである、超解像顕微鏡。
  21. 請求項19に記載の超解像顕微鏡において、
    前記変調光学素子は、前記第1照明光及び前記第2照明光に対して異なる偏光特性を有する厚みである、超解像顕微鏡。
  22. 請求項20又は21に記載の超解像顕微鏡において、
    前記変調光学素子は、前記第2照明光の偏光特性を維持する、超解像顕微鏡。
  23. 請求項22に記載の超解像顕微鏡において、
    異なる複屈折特性を有する複数の前記基板は、光学異方性をもつ水晶基板からなる、超解像顕微鏡。
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