JP4545337B2 - 顕微鏡 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、顕微鏡に関するもので、より詳しくは、ポンプ光とイレース光と言う異なる2波長の光を用い、イレース光によりポンプ光励起による蛍光発光領域を光の回折限界以下に抑制する超解像において、観察サンプルにイレース光を照射した際に発生する散乱光や副次的な励起過程により発生するバックグラウンド信号を低減し、結果として空間分解能の向上を実現し、画質の向上を図った顕微鏡に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光学顕微鏡の技術は古く、種々のタイプの顕微鏡が開発されてきた。また、近年では、レーザー技術および電子画像技術をはじめとする周辺技術の進歩により、更に高機能の顕微鏡システムが開発されている。
【0003】
このような背景の中、例えば特開平8−184552号公報において、複数波長の光でサンプルを照明することにより発する二重共鳴吸収過程を用いて、得られる画像のコントラストの制御のみならず化学分析も可能にした高機能な顕微鏡が提案されている。
【0004】
この顕微鏡は、二重共鳴吸収を用いて特定の分子を選択し、特定の光学遷移に起因する吸収および蛍光を観測するものである。この原理を図10〜図17を参照して説明する。図10は、サンプルを構成する分子の価電子軌道の電子構造を示すもので、先ず、図10に示す基底(S0)の分子がもつ価電子軌道の電子を光により励起して図11に示す第1励起状態(S1状態)とする。次に、別な波長の光により同様に励起して図12に示す第2励起状態(S2状態)とする。この励起状態により、分子は蛍光あるいは燐光を発光したりして、図13に示すように基底状態に戻る。
【0005】
二重共鳴吸収過程を用いた顕微鏡法では、図11の吸収過程や図13の蛍光や燐光の発光を用いて、吸収像や発光像を観察する。この顕微鏡法では、まず最初にレーザー光等により共鳴波長λ1の光で図11のようにサンプルを構成する分子をS1状態に励起させるが、この際、単位体積内でのS1状態の分子数は、照射する光の強度が増加するに従って増加する。
【0006】
ここで、線吸収係数は、分子一個当りの吸収断面積と単位体積当たりの分子数との積で与えられるので、図12のような励起過程においては、続いて照射する共鳴波長λ2に対する線吸収係数は、最初に照射した波長λ1の光の強度に依存することになる。すなわち、波長λ2に対する線吸収係数は、波長λ1の光の強度で制御できることになる。このことは、波長λおよび波長λ2の2波長の光でサンプルを照射し、波長λ2による透過像を撮影すれば、透過像のコントラストは波長λ1の光で完全に制御できることを示している。
【0007】
また、図12の励起状態での蛍光または燐光による脱励起過程が可能である場合には、その発光強度はS1状態にある分子数に比例する。したがって、蛍光顕微鏡として利用する場合にも画像コントラストの制御が可能となる。
【0008】
さらに、二重共鳴吸収過程を用いた顕微鏡法では、上記の画像コントラストの制御のみならず、化学分析も可能にする。すなわち、図10に示される最外殻価電子軌道は、各々の分子に固有なエネルギー準位を持つので、波長λ1は分子によって異なることになり、同時に、波長λ2も分子固有のものとなる。
【0009】
ここで、従来の単一波長で照明する場合でも、ある程度特定の分子の吸収像あるいは蛍光像を観察することが可能であるが、一般にはいくつかの分子の吸収帯の波長領域は重複するので、サンプルの化学組成の正確な同定までは不可能である。
【0010】
これに対し、二重共鳴吸収過程を用いた顕微鏡法では、波長λ1および波長λ2の2波長により吸収あるいは発光する分子を限定するので、従来法よりも正確なサンプルの化学組成の同定が可能となる。また、価電子を励起する場合、分子軸に対して特定の電場ベクトルをもつ光のみが強く吸収されるので、波長λ1および波長λ2の偏光方向を決めて吸収または蛍光像を撮影すれば、同じ分子でも配向方向の同定まで可能となる。
【0011】
また、最近では、例えば特開平10−142151号公報に開示されているように、二重共鳴吸収過程を用いて回折限界を越える高い空間分解能をもつ蛍光顕微鏡も提案されている。図14は、やはり分子における二重共鳴吸収過程の概念図で、基底状態S0の分子が、波長λ1の光で第1励起状態であるS1に励起され、更に波長λ2の光で第2励起状態であるS2に励起されている様子を示していると共に、S2からの蛍光が極めて弱い場合を示している。
【0012】
図14に示すような光学的性質を持つ分子の場合には、極めて興味深い現象が起きる。図15は、図14と同じく二重共鳴吸収過程の概念図で、横軸のX軸は空間的距離の広がりを表わし、波長λ2の光を照射した空間領域A1と波長λ2の光が照射されない空間領域A0とを示している。
【0013】
図15において、空間領域A0では波長λ1の光の励起によりS1状態の分子が多数生成され、その際に空間領域A0からは波長λ3で発光する蛍光が見られる。しかし、空間領域A1では、波長λ2の光を照射したため、S1状態の分子のほとんどが即座に高位のS2状態に励起されて、S1状態の分子は存在しなくなる。このような現象は、幾つかの分子により確認されている。これにより、波長λ3の蛍光は完全になくなり、しかも、S2状態からの蛍光はもともとないので、A1領域では蛍光自体が完全に抑制されることになる。したがって、空間領域で蛍光があるのは、A0領域のみとなる。
【0014】
この結果は、顕微鏡の応用分野から考察すると、極めて重要な意味をもつものである。すなわち、従来の走査型レーザー顕微鏡等では、レーザー光を集光レンズによりマイクロビームに集光して観察サンプル上を走査するが、その際のマイクロビームのサイズは、集光レンズの開口数と波長とで決まる回折限界となり、原理的にそれ以上の空間分解能は期待できない。
【0015】
ところが、図15の場合には、波長λ1とλ2との2種類の光を空間的に上手く重ね合わせて、波長λ2の光の照射により蛍光領域を抑制することで、例えば波長λ1の光の照射領域に着目すると、蛍光領域が集光レンズの開口数と波長とで決まる回折限界よりも狭くでき、実質的に空間分解能を向上させることが可能となる。したがって、この原理を利用することで、回折限界を越える二重共鳴吸収過程を用いた超解像顕微鏡、例えば蛍光顕微鏡が可能となる。
【0016】
さらに、顕微鏡の超解像性を高めるため、例えば特開平11−95120号公報において、超解像顕微鏡の機能を十分に活かすための蛍光ラベラー分子や、利用する波長λ1およびλ2の2つの光のサンプルへの照射タイミング等が開示されている。この先行技術では、少なくとも基底状態を含め3つの量子状態を有し、第1励起状態をのぞく高位のエネルギー状態から基底状態へ脱励起するときの遷移が蛍光による緩和過程よりも熱緩和過程が支配的である各種分子が染色する蛍光プローブ分子と、生化学的な染色技術を施した生体分子とを化学結合させたサンプルを、染色する分子を波長λ1の光でS1状態に励起し、続いて波長λ2の光により即座に高位の量子準位に励起することで、S1状態からの蛍光を抑制するようにしている。このように、分子の光学的性質を利用して、空間的な蛍光領域を人為的に抑制することで、空間分解能の向上をはかることができる。
【0017】
このような分子の光学的性質は、量子化学的な立場から説明することができる。すなわち、一般に、分子はそれを構成する各原子がσまたはπ結合によって結ばれている。言い換えると、分子の分子軌道は、σ分子軌道またはπ分子軌道を有していて、これらの分子軌道に存在する電子が各原子を結合する重要な役割を担っている。そのうちでも、σ分子軌道の電子は各原子を強く結合し、分子の骨格である分子内の原子間距離を決めている。それに対して、π分子軌道の電子は各原子の結合にほとんど寄与しないで、むしろ分子全体に極めて弱い力で束縛されている。
【0018】
多くの場合、σ分子軌道にいる電子を光で励起すると、分子の原子間隔が大きく変化し、分子の解離を含む大きな構造変化が起こる。その結果として、原子の運動エネルギーや、構造変化のために光が分子に与えたエネルギーのほとんどが熱エネルギーに変化する。したがって、励起エネルギーは蛍光という光の形態では消費されない。また、分子の構造変化は極めて高速(ピコ秒より短い)に起こるので、その過程で仮に蛍光が起きてもその寿命が極めて短い。
【0019】
それに対し、π分子軌道の電子は、励起しても分子の構造自体はほとんど変化せず、高位の量子的な離散準位に長時間とどまり、ナノ秒オーダで蛍光を放出して脱励起する性質を有している。
【0020】
量子化学によれば、分子がπ分子軌道をもつことと、二重結合をもつこととは同等であり、用いる蛍光ラベラー分子には、二重結合を豊富にもつ分子を選定することが必要条件となる。このことは、二重結合をもつ分子でもベンゼンやピラジン等の6員環分子においては、S2励起状態からの蛍光が極めて弱いことが確かめられている(例えば、M.Fujii et.al.Chem.Phys.Lett.171(1990)341)。
【0021】
したがって、ベンゼンやピラジン等の6員環分子を含む分子を蛍光ラベラー分子として選定すれば、S1状態からの蛍光寿命が長く、しかも光励起によりS1状態からS2状態に励起することで、分子からの蛍光を容易に抑制できるので、超解像性を効果的に利用することができる。すなわち、これら蛍光ラベラー分子により染色して観察を行えば、高空間分解能でサンプルの蛍光像を観察することができるのみならず、その分子の側鎖の化学基を調整することにより、生体サンプルの特定の化学組織のみ選択的に染色できるので、サンプルの詳細な化学組成までも分析可能となる。
【0022】
また、一般に、2重共鳴吸収過程は2つ光の波長や偏光状態等が特定の条件を満たすときにのみ起こるので、これを用いることで分子の構造を非常に詳細に知ることができる。すなわち、光の偏光方向と分子の配向方向とは強い相関関係があり、2つ波長の光のそれそれの偏光方向と分子の配向方向とが特定の角度をなすとき、2重共鳴吸収過程が強く起こる。したがって、2つ波長の光をサンプルに同時に照射して、それぞれの光りの偏光方向を回転することにより、蛍光の消失の程度が変化するので、その様子から観測しようとする組織の空間配向の情報も得ることができる。このことは、2つ光の波長を調整することでも可能である。
【0023】
以上のように、上記の特開平11−95120号公報記載の技術によると、超解像性以外にも、高い分析能力を有していることがわかる。さらに、波長λ1とλ2との2つの光の照射タイミングを工夫することで、S/Nを改善し、かつ蛍光抑制を効果的に起こすことができ、超解像性をより効果的に発現することが可能となる。
【0024】
図16は、従来の超解像顕微鏡の一例の構成を示すものである。この超解像顕微鏡では、Nd:YAGレーザー51からのレーザー光をハーフミラー52で2分し、その一方を3倍波発生器53を経てダイクロイックミラー54に入射させ、他方をミラー55、ラマンシフター56、ミラー57および位相板58を経てダイクロイックミラー54に入射させて、3倍波発生器53からのレーザー光と、位相板58を透過したレーザー光とをダイクロイックミラー54で空間的に重ね合わせ、その重ね合わせたレーザー光を、コンデンサレンズ59、ピンホール60、ダイクロイックミラー61および対物レンズ62を経て、移動ステージ63上でカバーガラス64により保持されたサンプル65に集光させている。なお、位相板58は、図17に示すように、光軸に対して点対称な位置で位相差πを与えるように形成されており、サンプル65は、予め蛍光ラベラー分子で染色されている。
【0025】
サンプル65から発する蛍光は、対物レンズ62を経てダイクロイックミラー61により往路と分離し、ピンホール66、シャープカットフィルタ67、バンドパスフィルタ68およびノッチフィルタ69を経てフォトマル70で受光している。なお、シャープカットフィルタ67、バンドパスフィルタ68、ノッチフィルタ69およびフォトマル70は、遮光ボックス71に収容し、この遮光ボックス71にピンホール66を形成している。
【0026】
図16に示す超解像顕微鏡は、3倍波発生器53からのレーザー光を、蛍光ラベラー分子をS0状態からS1状態へ励起するポンプ光とし、ラマンシフター56からのレーザー光をS1状態からS2状態へ励起するイレース光として、このイレース光を位相板58で中空ビーム化してダイクロイックミラー54でポンプ光と空間的に重ね合わせ、これによりサンプル65上でイレース光の強度がゼロとなる光軸近傍以外の蛍光を抑制して、結果的にポンプ光の広がりより狭い領域に存在する蛍光ラベラー分子のみを超解像で観察するものである。
【0027】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、本発明者らによる種々の実験検討によると、従来提案されている超解像顕微鏡は、観察原理は確かに優れているものの、実用上は信号検出技術において改良すべき点があることが判明した。すなわち、超解像顕微鏡では、蛍光標識分子で染色したサンプルに、同時または多少の時間差を付けて、ポンプ光よりも遥かに強度の高いイレース光を集光し、イレース光が存在するなかで微弱な蛍光信号のみを選択して光電子増倍管等で検出している。また、上記の図16に示した超解像顕微鏡では、フォトマル70の直前に各種光学フィルター等を設けたり、蛍光信号を取得する際の電気的ゲートを調節することで、イレース光のみならずポンプ光の散乱光を除去する工夫がなされている。
【0028】
しかしながら、強度の高いイレース光をサンプルに照射した際に、誘起する確率は非常に少ないものの複雑な多光子吸収励起過程により、副次的な蛍光が発生する場合がある。通常、イレース光の波長は、基底状態の蛍光標識分子を第1電子励起状態に励起する吸収帯よりも長波長側に設定するので、原理にはいかなる蛍光も観測されない。また、イレース光の強度も、蛍光標識分子に対して非共鳴の2光子吸収過程が発生せず、それによる蛍光発光が観測されない程度に調整されているので、基本的にはいかなる副次的な蛍光も存在しないと考えられる。
【0029】
ところが、蛍光標識分子を生体内に分散させ、特定の化学基と化学結合させると、しばしば蛍光標識分子はその電子構造を変化させる場合がある。その結果、基底状態の蛍光標識分子を第1電子励起状態に励起するときの吸収帯の中心波長が長波長側にシフトして、イレース光の波長でも蛍光標識分子を第1電子励起状態に励起することが可能となり、弱いながら蛍光を発するようになる。更には、蛍光標識分子がサンプルの生体分子と結合したため、生体分子の電子構造が変化し、イレース光照射により生体分子が蛍光発光をしてしまう場合がある。
【0030】
これらの副次的な蛍光信号は、本来の観測すべき蛍光信号と重複して混じってしまうために、光学フィルター等や電気的ゲート調節では思うように分離することは困難である。その結果として、バックグラウンド信号が増加し、超解像性の低減や画質の低下などの弊害が発生する。
【0031】
このため、特に高い超解像性が要求される場合には、1画素あたりの観察領域が狭く、その領域内に存在する蛍光標識分子の数が減少して本来の信号が極めて微弱になり、その影響が深刻となることから、バックグラウンド信号の除去に関する新たな技術開発が必要不可欠となる。
【0032】
したがって、かかる点に鑑みてなされた本発明の目的は、バックグラウンド信号の影響を簡単に除去でき、超解像性を向上できると共に、顕微鏡画像の画質も向上できる顕微鏡を提供することにある。
【0033】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する請求項1に係る顕微鏡の発明は、少なくとも基底状態を含む3つの電子状態を有する分子で染色したサンプルを観察する顕微鏡であって、
上記分子を基底状態から第1の励起状態へ遷移させる第1の光を発生する第1の光源と、
上記分子を上記第1の励起状態から、よりエネルギー準位の高い第2の励起状態へ遷移させる第2の光を発生させる第2の光源と、
上記第1の光および上記第2の光の上記サンプルへの照射領域を少なくとも一部分重ね合わせる光学系と、
上記サンプルからの発光を検出する検出光学系とを有し、
上記第1の光および上記第2の光を上記サンプルへ少なくとも一部分重ね合わせるように照射したときに上記サンプルから検出される発光量と、上記第2の光のみを上記サンプルに照射したときに上記サンプルから検出される発光量との差を検出するよう構成したことを特徴とするものである。
【0034】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の顕微鏡において、上記第1の光源および上記第2の光源は、発光パルス周波数が等しいパルス光源で、少なくとも一部で同時に発光するように、上記第2の光源の発光パルス幅を上記第1の光源の発光パルス幅よりも大きくしたことを特徴とするものである。
【0035】
請求項3に係る発明は、請求項1に記載の顕微鏡において、上記第1の光源および上記第2の光源はパルス光源で、上記第1の光源の発光時に上記第2の光源が発光するように、上記第2の光源のパルス周波数を上記第1の光源のパルス周波数の整数倍としたことを特徴とするものである。
【0036】
請求項4に係る発明は、請求項2または3に記載の顕微鏡において、上記第1の光源および上記第2の光源が同時に発光して、上記第1の光および上記第2の光が上記サンプルに照射されているときに該サンプルから検出される発光量と、上記第2の光源のみが発光して、上記第2の光のみが上記サンプルに照射されているときに上記サンプルから検出される発光量との差を検出するよう構成したことを特徴とするものである。
【0037】
請求項5に係る発明は、請求項1に記載の顕微鏡において、上記第2の光を上記サンプルに対して走査しながら該サンプルからの発光を検出してバックグラウンドの発光量を測定し、上記第1の光および上記第2の光を上記サンプルに同時に照射しながら該サンプルを走査して得られる発光量分布から、上記バックグラウンドの発光量を除去して上記サンプルの発光量を測定することを特徴とするものである。
【0038】
従来の超解像顕微鏡では、観察サンプルに対して、図18に示すようにポンプ光とイレース光とをパルス状にほぼ同時に照射するか、あるいはポンプ光およびイレース光のパルス幅が蛍光ラベラー分子の蛍光寿命より短い場合には、図19に示すようにイレース光をポンプ光に対して多少遅らせて照射している。何れにしろ、極めて接近した時間内でポンプ光とイレース光とを観察サンプルに照射するため、イレース光の照射により副次的な光応答信号が発生する場合には、バックグラウンド信号が重畳されて画像形成に好ましくない結果を与えることになる。
【0039】
そこで本発明の一実施の形態では、超解像性を発現すべくポンプ光とイレースとを同時照射するタイミングとは別に、ポンプ光と全く相関がない時間帯にイレース光をパルス状に照射してバックグラウンド信号を計測し、このバックグランド信号を、極めて接近した時間内でポンプ光とイレース光とを照射して計測した信号から差し引く。
【0040】
この様子を、図1および図2を用いて説明する。図1は、ポンプ光とイレース光との発光パルス周波数が等しく、かつイレース光のパルス幅を、ポンプ光のパルス幅よりも大きく、例えば2倍に設定したものである。この場合には、レーザー集光点を観察サンプルに対して相対的に移動させながら、1測定点毎に例えば1つのイレース光パルスを時間的に2分する先行する時間領域Eでのバックグラウンド信号と、後続の時間領域EPでの信号とを計測して、(E−EP)の差分量を演算する。このようにすれば、超解像効果が発現した真の画像信号成分のみを取り出すことが可能となる。
【0041】
図2は、イレース光のパルス周波数をポンプ光のパルス周波数の整数倍、例えば2倍に設定したものである。この場合には、レーザー集光点を観察サンプルに対して相対的に移動させながら、1測定点毎にイレース光のみが照射されるタイミングT1でのバックグラウンド信号と、その次のイレース光およびポンプ光が同時に照射されるタイミングT2での信号とを計測して、それらの差分量を演算する。このようにすれば、図1の場合と同様に、超解像効果が発現した真の画像信号成分のみを取り出すことが可能となる。
【0042】
なお、レーザー集光点を観察サンプルに対して相対的に移動させる走査機構の精度が高い場合には、例えば最初にイレース光のみを照射しながらサンプルの観察領域を2次元走査してバックグランド信号を計測し、引き続きポンプ光とイレース光とを同時に照射しながら観測領域を2次元走査して画像信号を計測して、対応する測定点毎の差分量を演算することにより、同様に超解像効果が発現した真の画像信号成分のみを取り出すことが可能となる。
【0043】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による顕微鏡の一実施の形態について、図3〜図9を参照して説明する。
【0044】
図3は、本発明の一実施の形態としての超解像レーザー走査型蛍光顕微鏡の概略構成を示す図である。この超解像レーザー走査型蛍光顕微鏡は、ピコ秒のパルスモードで発振して波長λ1のポンプ光を出射するポンプ光用レーザー1と、同様にピコ秒のパルスモードで発振して波長λ2のイレース光を出射するイレース光用レーザー2とを有している。
【0045】
ポンプ光用レーザー1から出射されるポンプ光は、ダイクロイックミラー3で反射させ、さらにリレーレンズ4を経てハーフミラー5で反射させた後、対物レンズ6により蛍光ラベラー分子で染色されたサンプル7に集光させる。また、イレース光用レーザー2から出射されるイレース光は、ミラー8で反射させた後、位相板9、ダイクロイックミラー3を透過させてポンプ光の光軸と同軸にして、同様にリレーレンズ4、ハーフミラー5および対物レンズ6を経てサンプル7に集光させる。
【0046】
なお、位相板9は、イレース光をビーム中央部で電場強度がゼロとなる中空ビームに成形するもので、例えば図4に示すように、ガラス基板を4分割した領域毎に1/4波長ずつ位相差を与えるようにエッチングして形成する。この位相板9は、蛍光抑制過程を用いた超解像顕微鏡像を得る場合に光路中に挿入するようにする。
【0047】
サンプル7は、サンプルステージ10上に載置し、サンプルステージ10を二次元駆動することで、ポンプ光およびイレース光でサンプル7を二次元走査する。
【0048】
サンプル7からの蛍光は、対物レンズ6を経た後、ハーフミラー5を透過させ、さらにハーフミラー11を透過させた後、ハーフミラー12で反射させて、レンズ13によりピンホール14の中央に集光させ、さらにレンズ15を経て透過型回折格子および光電子増倍管を有する高感度ICCDカメラからなるスペクトルメータ16に入射させて検出する。ここで、ピンホール14は、空間フィルタとして機能し、サンプル7以外から発する、例えば光学系からの蛍光等をカットして測定のS/Nを高める作用をなす。
【0049】
なお、本実施の形態では、ポンプ光用レーザー1とダイクロイックミラー3との間のポンプ光の光路中に、必要に応じて偏光子17を挿入できるようになっており、これによりポンプ光の偏光面を任意に回転させてサンプル7の空間配光も解析できるようになっている。
【0050】
また、本実施の形態では、超解像レーザー走査型蛍光顕微鏡を通常の蛍光顕微鏡としても利用できるようにするため、水銀ランプ21を有しており、この水銀ランプ21からの照明光をハーフミラー11で反射させた後、ハーフミラー5を透過させて対物レンズ6によりサンプル7に照射し、これによりサンプル7の蛍光像を対物レンズ6を経てハーフミラー5、ハーフミラー11およびハーフミラー12を順次透過させて、結像レンズ22aおよびCCD撮像素子22bを有するCCDカメラ22で撮像するようになっている。
【0051】
以下、サンプル7が、蛍光ラベラー分子として、図5に示すようにCdSeからなる量子ドットの表面にZnS膜を有するものを用いる場合について説明する。この蛍光ラベラー分子は、ZnS膜表面に−SCHCOOH側鎖が伸びており、蛋白質とチオール結合することが可能である。CdSe量子ドットは、最新のデータによれば、図6に示しように波長400nmよりも短波長側(355nm近傍)に強い吸収バンドがあって価電子を導電帯に励起でき、量子ドットサイズに依存して波長660nm〜500nmの広い領域に蛍光帯域が現れることが知られている。
【0052】
図7(a)および(b)は、CdSeの電子構造を示すものである。図6に示したように、CdSeは波長355nm近傍に吸収の最大ピークが存在する。また、バンドギャップEgは大体2eV程度であり、例えば量子ドットサイズが3.1nmでは波長560nm近傍で強い蛍光を発する。したがって、量子ドットサイズが3.1nmの場合には、例えば波長355nm(λ1)の光で励起し、蛍光発光中心である波長560nm(λf)から多少外れた波長566nm(λ2)の光を照射すれば、波長λ2の光以外の蛍光は、誘導放出または2重共鳴吸収過程により抑制されることになる。
【0053】
本実施の形態では、上記のCdSe量子ドット(サイズ:3.1nm)を有する蛍光ラベラー分子で生体サンプルを染色したサンプル7を、波長355nmの光をポンプ光とし、波長566nmの光をイレース光として用いて超解像観察する。
【0054】
このため、ポンプ光用レーザー1は、ピコ秒のパルスモードで発振駆動されるNd:YAGレーザー25とKDP結晶からなる波長変換素子26とを有し、Nd:YAGレーザー25からのレーザー光(基本波長:1064nm)を波長変換素子26で波長変換して、その3倍高調波(波長λ1:355nm)をポンプ光として出射するように構成する。
【0055】
また、イレース光用レーザー2は、ピコ秒のパルスモードで発振駆動されるNd:YAGレーザー27と、KDP結晶からなる波長変換素子28と、ラマンシフタ29とを有し、Nd:YAGレーザー27からのレーザー光(基本波長:1064nm)を波長変換素子28で波長変換して、その2倍高調波(波長λ2′:532nm)を取り出し、この2倍高調波をラマンシフタ29で波長変換して、波長λ2:566nmの光をイレース光として出射させる。なお、この場合、ラマンシフタ29としてBa(NOからなるものを用いれば、その1次ストークス光を利用することで、波長566nmそのものの光をイレース光として生成することができる。
【0056】
このようにして、超解像信号の取得においては、ポンプ光用レーザー1からのポンプ光とイレース光用レーザー2からのイレース光とを、ダイクロイックミラー3で同軸上に合成して、リレーレンズ4、ハーフミラー5および対物レンズ6を経て、図8に示すように、ポンプ光スポット31と中空のイレース光スポット32とを重ねてサンプル7に照射し、これによりポンプ光スポット31と中空のイレース光スポット32とが重なった集光点の外輪部33の蛍光を抑制して、イレース光スポット32が重複しないポンプ光スポット31の中央部34の蛍光を検出することで、結果として、ポンプ光スポット31よりも狭い領域からの蛍光の超解像信号を取得する。
【0057】
図9は、本実施の形態による超解像レーザー走査型蛍光顕微鏡の制御系の概略構成を示すブロック図である。この顕微鏡は、パーソナルコンピュータ35を有しており、このパーソナルコンピュータ35によりその内部クロックに準拠したタイミングで全体の動作が制御されるようになっている。すなわち、パーソナルコンピュータ35は、その内部クロックを分周器36でレーザ発振可能な周波数まで分周して、その分周されたクロック信号をゲート/ディレイジェネレータ37に供給する。
【0058】
ゲート/ディレイジェネレータ37では、入力クロック信号を遅延および波形整形してイレース光用レーザー駆動回路38に供給し、これによりイレース光用レーザー2のNd:YAGレーザー27をパルスモードで発振駆動する。また、ゲート/ディレイジェネレータ37の出力クロックは、2倍分周器39で1/2の周波数のクロックに分周し、その出力をポンプ光用レーザー駆動回路40に供給して、ポンプ光用レーザー1のNd:YAGレーザー25をパルスモードで発振駆動すると共に、サンプルステージ駆動回路41に供給して、サンプルステージ10を二次元駆動する。
【0059】
一方、スペクトルメータ16の出力は、プリアンプ42で増幅した後、A/D変換器43でゲート/ディレイジェネレータ37の出力クロックに同期してデジタル信号に変換してパーソナルコンピュータ35に取り込み、ここで画像処理して画像データをビデオプリンタ44でプリントアウトしたり、CRT等のモニタ45に表示する。
【0060】
かかる構成において、ポンプ光は、図2で示したようにイレース光の出射タイミングに同期してその2倍の周期で出射され、サンプルステージ10は、ポンプ光の出射タイミングと同じタイミングのクロックで二次元駆動が制御されるので、サンプル7の各測定点には、イレース光のみの照射と、ポンプ光およびイレース光の同時照射とが順次行なわれる。
【0061】
そこで、本実施の形態では、サンプル7の各測定点において、イレース光のみが照射されたときにサンプル7から発する蛍光を、スペクトルメータ16において透過型回折格子で分光して光電子増倍管で受光し、その出力信号すなわちバックグラウンド信号をプリアンプ42で増幅した後、A/D変換器43でデジタル信号に変換してパーソナルコンピュータ35のメモリに格納する。同様に、ポンプ光およびイレース光が同時照射されたときにサンプル7から発する蛍光をスペクトルメータ16で受光して、その画像信号をプリアンプ42で増幅した後、A/D変換器43でデジタル信号に変換してパーソナルコンピュータ35のメモリに格納する。
【0062】
このようにして、各測定点におけるバックグラウンド信号および画像信号を測定したら、パーソナルコンピュータ35においてそれらの差分演算を行なってバックグラウンド信号を除去し、これにより超解像効果が発現された真の画像信号を得、これを必要に応じてビデオプリンタ44でプリントアウトしたり、モニタ45に表示する。なお、上記の差分演算は、サンプル7を走査しながら順次の測定点毎に行なって、その結果をフレームメモリの対応する領域に格納し、サンプル7の走査終了時にフレームメモリに超解像効果が発現された真の画像信号が格納されるようにしてもよいし、サンプル7を走査しながら順次の測定点におけるバックグラウンド信号と、画像信号とをそれぞれのフレームメモリに格納し、走査終了後にフレームメモリ間で対応する測定点の信号の差分を演算して超解像効果が発現された真の画像信号をフレームメモリに格納するようにしてもよい。
【0063】
一方、サンプル7の通常の蛍光像を観察する場合には、水銀ランプ21によりサンプル7を照明し、その蛍光像をCCDカメラ22で撮像してモニタ45に表示すると共に、必要に応じてビデオプリンタ44でプリントアウトする。
【0064】
なお、本発明は、上記実施の形態にのみ限定されるものではなく、幾多の変形または変更が可能である。例えば、イレース光の発光パルス周波数はポンプ光のパルス周波数の2倍に限らず、3倍以上の任意の整数倍に設定することもできる。また、図1に示したように、ポンプ光とイレース光との発光パルス周波数を等しく、かつイレース光のパルス幅をポンプ光のパルス幅よりも大きく設定して、各測定点においてイレース光のみが照射されたときのバックグラウンド信号と、イレース光およびポンプ光が同時に照射されたときの画像信号との差分を演算して超解像効果が発現された真の画像信号を得ることもできる。
【0065】
さらに、現在では、10nmオーダーで絶対位置制御可能な走査ステージも存在するので、このような走査ステージをサンプルステージ10として用いた場合には、ポンプ光の発光、イレース光の発光およびサンプルステージ10の駆動を同じ周波数の駆動信号で制御して、初めにサンプル7にイレース光のみを照射しながら観察領域を2次元走査してバックグランド信号を計測し、引き続きポンプ光とイレース光とを同時に照射しながら観察領域を2次元走査して画像信号を計測し、その後、画像信号からバックグランド信号を差し引いて、超解像効果が発現された真の画像信号を得ることもできる。
【0066】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、少なくとも基底状態を含む3つの電子状態を有する分子で染色したサンプルに、上記分子を基底状態から第1の励起状態へ遷移させる第1の光と、上記分子を第1の励起状態から、よりエネルギー準位の高い第2の励起状態へ遷移させる第2の光とを、少なくとも一部分重ね合わせるように同時に照射したときに検出される発光量から、第2の光のみを照射したときに検出される発光量を差し引くようにしたので、第2の光の照射によってサンプルから副次的に発生するバックグラウンド信号の影響を簡単に除去でき、超解像性および画質の優れた顕微鏡画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の原理を説明するための図である。
【図2】 同じく、本発明の原理を説明するための図である。
【図3】 本発明の一実施の形態としての超解像レーザー走査型蛍光顕微鏡の概略構成を示す図である。
【図4】 図3に示す位相板の構成を示す斜視図である。
【図5】 蛍光ラベラー分子の一例を説明するための図である。
【図6】 図5に示す蛍光ラベラー分子の光学特性を示す図である。
【図7】 図5に示す蛍光ラベラー分子を構成するCdSeの電子構造を示す図である。
【図8】 ポンプ光とイレース光との同時照射状態を示す図である。
【図9】 図3に示した超解像レーザー走査型蛍光顕微鏡の制御系の概略構成を示すブロック図である。
【図10】 サンプルを構成する分子の価電子軌道の電子構造を示す概念図である。
【図11】 図10の分子の第1励起状態を示す概念図である。
【図12】 同じく、第2励起状態を示す概念図である。
【図13】 同じく、第2励起状態から基底状態に戻る状態を示す概念図である。
【図14】 分子における二重共鳴吸収過程を説明するための概念図である。
【図15】 同じく、二重共鳴吸収過程を説明するための概念図である。
【図16】 従来の超解像顕微鏡の一例の構成を示す図である。
【図17】 図16に示す位相板の構成を示す平面図である。
【図18】 従来の超解像顕微鏡におけるポンプ光とイレース光との発光タイミングの一例を示す図である。
【図19】 同じく、他の例を示す図である。
【符号の説明】
1 ポンプ光用レーザー
2 イレース光用レーザー
3 ダイクロイックミラー
4 リレーレンズ
5,11,12 ハーフミラー
6 対物レンズ
7 サンプル
8 ミラー
9 位相板
10 サンプルステージ
13,15 レンズ
14 ピンホール
16 スペクトルメータ
17 偏光子
21 水銀ランプ
22 CCDカメラ
25,27 Nd:YAGレーザー
26,28 波長変換素子
29 ラマンシフタ
35 パーソナルコンピュータ
36 分周器
37 ゲート/ディレイジェネレータ
38 イレース光用レーザー駆動回路
39 2倍分周器
40 ポンプ光用レーザー駆動回路
41 サンプルステージ駆動回路
42 プリアンプ
43 A/D変換器
44 ビデオプリンタ
45 モニタ

Claims (5)

  1. 少なくとも基底状態を含む3つの電子状態を有する分子で染色したサンプルを観察する顕微鏡であって、
    上記分子を基底状態から第1の励起状態へ遷移させる第1の光を発生する第1の光源と、
    上記分子を上記第1の励起状態から、よりエネルギー準位の高い第2の励起状態へ遷移させる第2の光を発生させる第2の光源と、
    上記第1の光および上記第2の光の上記サンプルへの照射領域を少なくとも一部分重ね合わせる光学系と、
    上記サンプルからの発光を検出する検出光学系とを有し、
    上記第1の光および上記第2の光を上記サンプルへ少なくとも一部分重ね合わせるように照射したときに上記サンプルから検出される発光量と、上記第2の光のみを上記サンプルに照射したときに上記サンプルから検出される発光量との差を検出するよう構成したことを特徴とする顕微鏡。
  2. 上記第1の光源および上記第2の光源は、発光パルス周波数が等しいパルス光源で、少なくとも一部で同時に発光するように、上記第2の光源の発光パルス幅を上記第1の光源の発光パルス幅よりも大きくしたことを特徴とする請求項1に記載の顕微鏡。
  3. 上記第1の光源および上記第2の光源はパルス光源で、上記第1の光源の発光時に上記第2の光源が発光するように、上記第2の光源のパルス周波数を上記第1の光源のパルス周波数の整数倍としたことを特徴とする請求項1に記載の顕微鏡。
  4. 上記第1の光源および上記第2の光源が同時に発光して、上記第1の光および上記第2の光が上記サンプルに照射されているときに該サンプルから検出される発光量と、上記第2の光源のみが発光して、上記第2の光のみが上記サンプルに照射されているときに上記サンプルから検出される発光量との差を検出するよう構成したことを特徴とする請求項2または3に記載の顕微鏡。
  5. 上記第2の光を上記サンプルに対して走査しながら該サンプルからの発光を検出してバックグラウンドの発光量を測定し、上記第1の光および上記第2の光を上記サンプルに同時に照射しながら該サンプルを走査して得られる発光量分布から、上記バックグラウンドの発光量を除去して上記サンプルの発光量を測定することを特徴とする請求項1に記載の顕微鏡。
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