JPH08184552A - 多波長光光学顕微鏡 - Google Patents
多波長光光学顕微鏡Info
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- JPH08184552A JPH08184552A JP32916594A JP32916594A JPH08184552A JP H08184552 A JPH08184552 A JP H08184552A JP 32916594 A JP32916594 A JP 32916594A JP 32916594 A JP32916594 A JP 32916594A JP H08184552 A JPH08184552 A JP H08184552A
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Abstract
量を多く得ることができる高精度の多波長光光学顕微鏡
を提供する。 【構成】 複数の光源(3)(7)を設置し、各光源の
波長を別々にそれぞれ可変する機能を有する波長可変手
段(4)(8)を具備し、必要に応じて各光源の光路に
偏光面回転子(6)(10)を具備する。
Description
良く、試料に関する情報量を多く得ることができる高精
度の多波長光光学顕微鏡に関するものである。さらに詳
しくは、この発明は、試料の拡大像だけではなく、同時
にその化学組成などの情報量を得る際に好適に用いるこ
とのできる多波長光光学顕微鏡に関するものである。
々の構造のものが開発され、利用されている。また、近
年、レーザー技術、電子画像技術などの周辺技術の進歩
により、さらに高精度の光学顕微鏡システムが開発され
ている。たとえば、明視野顕微鏡(透過型顕微鏡)、暗
視野顕微鏡、走査型レーザー顕微鏡などがある。
を試料に照射しその透過像を観察するもので、透過型の
生物顕微鏡として利用されている。そして、この透過型
顕微鏡を観察試料の形態特徴にあわせて応用した、位相
差顕微鏡、偏光顕微鏡、微分干渉顕微鏡(ノマルスキー
型顕微鏡)が知られている。
囲(媒質)と異なった物体、つまり位相差情報のみを有
する物体の観察に用いられ、位相差情報を光の干渉を利
用することにより振幅強度に変換することにより観察を
可能としたものである。偏光顕微鏡は、鉱物、繊維、結
晶などの観察に利用され、物質の持つ異方性を観察する
ものである。
無線色試料の観察に利用され、光波が試料で受ける位相
変化を干渉像に変換することにより観察するものであ
る。偏光干渉を利用したノルマルスキー型顕微鏡が有名
である。次に、前記の暗視野顕微鏡は、試料からの散乱
光または回折光により像を得て観察するものである。照
明光の開口数が対物レンズの開口数より大きい構造とな
っていて、直接光は入射せず、真っ暗なバックグラウン
ドの中に、散乱、蛍光または回折を引き起こす部分が輝
いて像となって見える。近年では、この暗視野顕微鏡の
応用として光源にパルスレーザーを用いたパルスレーザ
ー顕微鏡が開発されている。
ームにより試料表面を走査し、透過像や蛍光像を観察す
るものである。このように、従来より様々な方式と構造
の光学顕微鏡が利用されてきた。しかしながら、これら
の従来の光学顕微鏡は、試料への照明構造に問題がある
ために、像のコントラスト等の画質が不十分であり満足
の行く像を得ることができなかった。また従来の単一波
長による照明では、ある程度特定の分子の吸収像あるい
は蛍光像を観察することが可能ではあったが、一般にい
くつかの分子の吸収帯の波長領域は重複するために試料
の化学組成の正確な同定までは不可能であった。よっ
て、試料に関する得られる情報量が少なく不十分である
といった問題があった。
存するため、透過型顕微鏡においては画試料が決ればコ
ントラストも一義的に決まってしまう。従って、コント
ラストを調整することができない。特に白色光を光源と
して用い、さらに試料が生物試料のような無色透明であ
る場合には、光の吸収が少ないためにコントラストの良
い像を得ることができなかった。このため、従来は薬品
により試料を染色することで像のコントラストの調整を
行っていた。しかし、この薬品による染色は試料の組成
変化を引き起こすことがあるため、本来の試料の様子を
観察できていないという可能性があった。特に生体試料
の場合には薬品のためにその生命活動を停止させてしま
うという危険性もあった。この薬品による染色は明視野
顕微鏡においてもしばしば利用されているが、光源を分
光し試料の吸収帯の波長で照明する場合でも、吸収が強
すぎてしまうと全体が暗い画像となってしまうため、や
はり、コントラストの悪い像になってしまうこともあっ
た。このように、従来ではコントラストなどの画質や情
報量が不十分なことと、観察の不安定性といった問題が
あった。
を解決するために創案されたものであって、従来の光学
顕微鏡の欠点を解消し、像のコントラストが良く、試料
に関する情報量を多く得ることができる、高精度な多波
長光光学顕微鏡を提供することを目的としている。
として、この発明は、複数の光源を設置し、各光源の波
長を別々にそれぞれ可変する機能を有する波長可変手段
を備え、各光源からの照射光の波長を異ったものとして
試料分子の基底状態から第1励起状態および第1励起状
態を含む高次の励起状態よりさらに高次の励起状態への
遷移にともなう吸収像、もしくはこれらの励起状態から
脱励起する際の発光像を得ることを特徴とする多波長光
光学顕微鏡を提供する。
面回転子を具備することをその一つの態様として提供す
る。
は、各照射光の波長を異なったものとすることができる
ので、試料を構成する分子を基底状態から第1励起状態
および第1励起状態を含む高次の励起状態よりさらに高
次の励起状態へ遷移させ、その吸収過程により吸収像を
得ることができ、また、これらの励起状態から脱励起す
る際に発光される蛍光または燐光により発光像を得るこ
とができる。また、各照射光の波長を別々に調整するこ
とができるので、得られる像のコントラストを容易に調
整することができる。また、各波長は試料の分子に固有
のものとなるので、試料の化学組成の同定もすることが
できる。
分子の価電子軌道の電子を飽和軌道から空軌道へ励起さ
せることにより基底状態から第1励起状態へ遷移させる
光の共鳴波長をλ1 とし、この共鳴波長λ1 により生成
された空孔に近接する飽和軌道の電子を励起させること
により第1励起状態から第2励起状態へ遷移させる光の
共鳴波長をλ2 とすると、この共鳴波長λ1 光と共鳴波
長λ2 光との関係は、以下の通りとなる。
子軌道の電子構造である。この図2に示されるように、
一般に、生体試料などの個体試料は最外殻の価電子軌道
が飽和している高分子である。図3は、図2の分子の第
1励起状態である。共鳴波長λ1 光により飽和価電子軌
道2から空軌道の価電子軌道3へ励起することにより基
底状態から第1励起状態へ遷移する。図4は、第2励起
状態である。共鳴波長λ2 光により共鳴波長λ1 により
生成された価電子軌道2の空孔に飽和価電子軌道1の電
子を励起することにより第1励起状態から第2励起状態
へ遷移する。図5は、図4の第2励起状態から基底状態
に戻る状態である。分子は励起状態から基底状態に戻る
際に蛍光または燐光を発光する。ここで、図6に励起過
程(吸収過程)を示す。図6に示される過程において、
基底状態から第1励起状態に励起する時の吸収断面積を
σ1 、その時の第1励起状態の寿命をτ、第1励起状態
から第2励起状態に励起するときの吸収断面積をσ2 と
する。また共鳴波長λ1 のフォトンフラックスをI0 、
照射時間をT、共鳴吸収により観察しようとする分子の
密度をN0 とすると、時間tにおける基底状態にある分
子の密度Nは以下の平衡方程式で表わされる。
T後における第1励起状態にある分子の密度nは次式で
表わされる。
共鳴波長λ1 の光は試料内を進行する際にその侵入深さ
に応じてそのフォトンフラックスI0 が減衰するので、
nは光の侵入距離xの関数n(x)ということになる。
よって、n(x)は〔数2〕I0 をI0 exp (−μx)
で置き換えたものになる。ここで、μは線吸収係数であ
り、以下の式で表わされる。
書きなおされる。
路で試料を照明した場合、波長λ1 光を照射しないとき
の波長λ2 光の吸収はないとすると、波長λ1 光を照射
終了直後の厚みLの試料に対する波長λ2 光の透過率T
(L)は以下の式で表わされる。
長λ1 光の照射時間はパルスレーザーを用いる場合10
nsec程度もありT>>τと近似できる。しかも、Lが十
分大きいと仮定すると、数5は以下の式で表わせられ
る。
り、I0 が増大するとT(L)は単調に減少するのがわ
かる。従って、共鳴波長λ1 光のフォトンフラックスI
0 の制御により共鳴波長λ2光による透過像を完全に制
御することができる。また、フォトンフラックスI0の
制御によりn(x)も制御できるので、励起状態より基
底状態に戻る際に発光される蛍光または燐光の発光強度
も制御できる。従って、共鳴波長λ1 光により共鳴波長
λ2 光の像を調整することができるのである。
それぞれ調整することができる波長可変機能が付与され
た構造となっているので、容易に像のコントラストを調
整でき、良いコントラストを得られる。また、さらに波
長λ1 と波長λ2 の2波長の照明により試料の化学分析
も可能である。最外殻価電子軌道は分子に固有なエネル
ギー凖位を持っているので、波長λ1 も波長λ2 も分子
に固有なものとなる。従って、2波長により吸収あるい
は発光する分子を限定するので従来よりも正確な試料の
化学組成の同定ができる。これにより透過像情報以外の
試料に関する情報量を得ることができる。
設けることにより、各波長の光の偏光面を制御すること
ができるので、分子の配向方向を同定することが可能と
もなる。
について説明する。もちろんこの発明は以下の例によっ
て限定されるものではない。図1は、この発明の一実施
例としての多波長光光学顕微鏡であり、光源として2台
の色素レーザー(3)、(7)を用いた2波長光光学顕
微鏡である。
ーを用いている。ポンプ光源(1)に隣接して設置され
たハーフミラー(2)によりレーザー光が分光され、分
光された2つのレーザー光はそれぞれ色素レーザー
(3)と色素レーザー(7)をポンプする。これにより
2つの光源となる。色素レーザー(3)の波長の調整
は、試料を構成する分子の価電子軌道の電子を飽和軌道
から空軌道へ励起させることにより基底状態から第1励
起状態へ遷移させることのできる共鳴波長λ1 に調整す
る。ここで、短波長の光を必要とする場合には、その必
要に応じて、SHG、セカンドハーモニクスオシレータ
(4)を色素レーザー(3)後側に設置し短波長化す
る。一方、色素レーザー(7)の波長は、共鳴波長λ1
により生成された空孔にその空孔の軌道に近接する飽和
軌道の電子を励起させることにより第1励起状態から第
2励起状態へ遷移させることのできる共鳴波長λ2 に調
整する。ここで、レーザー光を短波長化する場合には、
同様にSHG(8)を色素レーザー(7)の後側に設置
し短波長化する。これらにより、光源を共鳴波長λ1 と
共鳴波長λ2 の2波長光とすることができる。次に、波
長λ1 光と波長λ2 光はそれぞれミラー(5)とミラー
(9)により方向を変えられ、ハーフミラー(11)で
それぞれの光路が一致され、同じ光路で進む。各波長光
はテレスコープ(12)により拡大され、コンデンサー
レンズ(13)で試料(14)に照射される。試料を構
成する分子はこの照射されたレーザー光により励起さ
れ、そのときの電子の吸収過程により吸収像が得られ
る。また、励起状態から基底状態へ戻る際に発光される
蛍光または燐光により発光像が得られる。これらの像は
対物レンズ(15)により拡大されハーフミラー(1
6)を介して接眼レンズ(17)により観察者の網膜上
に結像される。ここで、波長λ1 の光をカットし、波長
λ2 の光による像のみを観察できるようにするために接
眼レンズ(17)の後側にその必要に応じて随時フィル
ター(18)が挿入できるようになっている。また、対
物レンズ(15)と接眼レンズ(17)の間に設置され
たハーフミラー(16)で反射された光はその光路が変
更され、その変更された光路上に接眼レンズとは別に設
置されたテレビカメラ(20)により透過像を同時に観
察することができる。この時、同様に波長λ1 の光をカ
ットし、波長λ2 の光による像のみを観察できるように
するためにハーフミラー(16)とテレビカメラ(2
0)の間にフィルター(19)が随時挿入可能となって
いる。
長λ2 光による透過像のコントラストの調整は、色素レ
ーザー(3)の出力を調整することにより共鳴波長λ1
光の強度を制御することで行うことができる。また、さ
らにこの2波長光光学顕微鏡には、波長λ1 光の光路に
偏光面回転子(6)がミラー(5)とハーフミラー(1
1)の間に設置され、波長λ2 光の光路に偏光面回転子
(10)がミラー(9)とハーフミラー(11)の間に
設置されている。これは、価電子が励起されるときは分
子軸に対して特定の電場ベクトルを持つ光が吸収される
ので、波長λ1 光の偏光面(方向)を偏光面回転子
(6)により制御し、また波長λ2 光の偏光面(方向)
を偏光面回転子(10)により制御することで、分子の
配向方向をも同時に観察し同定することができるもので
ある。これにより透過像情報以外の試料に関する情報量
をさらに得ることができる。この偏光面回転子として
は、波長板またはプリズムを用いることができる。
は、前記のような2波長光を利用したものに限られず、
色素レーザーなどの波長可変レーザーを増設してもよい
ことはもちろんであり、3波長以上の光源の光学顕微鏡
とすることができる。また、光源としては水銀ランプな
どの白色光源を用いてもよく、この場合は、回折格子な
どを設置して多波長に分光した後、それぞれの光の光路
を揃えて試料を照明することにより像を得ることができ
る。
各種の明視野顕微鏡に適用するだけでなく、蛍光顕微鏡
などの暗視野顕微鏡や走査型レーザー顕微鏡にも適用す
ることができることはいうまでもない。
構成されているので、いかに記載されるような効果を奏
する。 (イ)各照射光の波長を異なったものとすることができ
るので、試料を構成する分子を基底状態から第1励起状
態および第1励起状態を含む高次の励起状態よりさらに
高次の励起状態へ遷移させ、その吸収過程により吸収像
を得ることができ、また、励起状態から脱励起する際に
発光される蛍光または燐光により発光像を得ることがで
きる。
することができるので、得られる像のコントラストを容
易に調整することができる。 (ハ)また、各波長は試料の分子に固有のものとなるの
で、試料の化学組成の同定もすることができる。従っ
て、試料の拡大像だけではなく、同時にその化学組成な
どの情報量を得ることができる。
ができるので、分子の配向方向を同定することができ
る。従って、試料に関する情報量を多く得ることができ
る。
鏡の構成図である。
の電子構造の模式図である。
模式図である。
る。
Claims (2)
- 【請求項1】 複数の光源を設置し、各光源の波長を別
々にそれぞれ可変する機能を有する波長可変手段を備
え、各光源からの照射光の波長を異ったものとして試料
分子の基底状態から励起状態への遷移にともなう吸収
像、もしくは励起状態から基底状態へ戻る際の発光像を
得ることを特徴とする多波長光光学顕微鏡。 - 【請求項2】 各光源の光路に偏光面回転子を具備して
なることを特徴とする請求項1記載の多波長光光学顕微
鏡。
Priority Applications (2)
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