JP2014208797A - 4−メチル−1−ペンテン共重合体組成物 - Google Patents

4−メチル−1−ペンテン共重合体組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】透明性、耐熱性、低温性、応力吸収性のバランスに優れた4−メチル−1−ペンテン系重合体組成物を提供すること。
【解決手段】特定の要件を満たす4−メチル−1−ペンテン系重合体(A)を10〜100質量部、特定の要件を満たす4−メチル−1−ペンテン共重合体(B)を90〜0質量部(ただし、(A)成分と(B)成分との合計を100質量部とする)、および、(A)成分と(B)成分との合計量100質量部に対して、軟化剤(C)を5〜150質量部を含んでなることを特徴とする4−メチル−1−ペンテン系重合体組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、4−メチル−1−ペンテン共重合体を含む組成物、該組成物を含んでなる成形体およびそれらの用途に関する。さらに詳しくは、応力吸収性、耐熱性、低温性、透明性のバランスに優れた、4−メチル−1−ペンテン共重合体を含む組成物、該組成物を含んでなる成形体およびそれらの用途に関する。
従来、制振材料には制振性の指標となる動的粘弾性測定の損失係数tanδが大きなピーク値をもつ高分子が、振動特性を有する制振材として使用されている。制振材料として好適な高分子として、スチレン‐イソプレン‐スチレンブロック共重合体(SIS)あるいは、その水素添加物等が挙げられる。SISは室温付近に大きな正接損失tanδのピークを有するため、室温付近では制振特性に優れるが、tanδピークがシャープであるためにピーク温度付近以外では制振性に劣る。また、水素添加SISは、重合、水素添加の2段階からなるプロセスにより製造されるため生産コストが高く、工業的な応用範囲が限定される。
一方、ポリプロピレン、4−メチル−1−ペンテン単独重合体などのポリオレフィンは、室温付近にtanδピークを有するもののピーク値が小さく、ポリ塩化ビニル(PVC)系制振材は、焼却時に有毒ガスを発生する虞があるなど、環境に対して好ましくない影響を及ぼす可能性がある。
また、4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体は、軽量、透明性、ガス透過性、耐薬品性とともに耐熱性に優れた樹脂として、食品、医療、電子情報、家電、実験器具、文房具など様々な分野で利用されている。例えば、特許文献1には、4−メチル−1−ペンテン系共重合体が開示され、これらが耐熱性や、各種機械物性に優れる旨が記載されている。また、特許文献2には4−メチル−1−ペンテン・αオレフィン共重合体と当該共重合体を含む組成物とこれらの制振材、衝撃吸収性に関する用途が記載されている。
しかしながら特許文献2で開示されている、4−メチル−1−ペンテン共重合体と軟化剤との組成物は、耐熱性に劣ること、耐熱性を満たすため熱可塑性樹脂との組成物では、透明性に劣ること、透明性を満たすために4−メチル−1−ペンテン系重合体との組成物では低温性、応力吸収性に劣ること、等いずれの組成物でも、応力吸収性、耐熱性、低温性、透明性の全てに優れた材料を提供するには至らず、更なる課題がある。
国際公開第2005/121192号パンフレット 国際公開第2011/055803号パンフレット
本発明の課題は、応力吸収性、耐熱性、低温性、透明性のバランスに優れる4−メチル−1−ペンテン系重合体組成物を得ることにある。
本発明は、下記の要件(a)〜(c)を満たす4−メチル−1−ペンテン系重合体(A)を10〜100質量部、下記要件(o)〜(q)を満たす4−メチル−1−ペンテン共重合体(B)を90〜0質量部(ただし、(A)成分と(B)成分との合計を100質量部とする)、および、(A)成分と(B)成分との合計量100質量部に対して、軟化剤(C)を5〜150質量部を含んでなることを特徴とする4−メチル−1−ペンテン系重合体組成物に係る。
(a)4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位を80〜100モル%、炭素原子数2〜20のα−オレフィンの少なくとも1種から導かれる構成単位が0〜20モル%の範囲にある〔但し、4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位とα−オレフィンから導かれる構成単位との合計量を100モル%とする。〕。
(b)135℃、デカリン溶媒中で測定した極限粘度[η]が0.5〜5.0dl/gの範囲にある。
(c)DSCで測定した融点(Tm)が110℃〜240℃の範囲にある。
(o)4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位が79〜60モル%、炭素原子数2〜4のα−オレフィン(4−メチル−1−ペンテンを除く)の少なくとも1種から導かれる構成単位が40〜21モル%の範囲にある〔但し、4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位とα−オレフィンから導かれる構成単位との合計量を100モル%とする。〕。
(p)135℃、デカリン溶媒中で測定した極限粘度[η]が0.5〜5.0dl/gの範囲にある。
(q)DSCで測定した融点(Tm)が110℃未満または融点が観測されない。
本発明の4−メチル−1−ペンテン系重合体組成物は、従来提案されている4−メチル−1−ペンテン系重合体組成物では困難であった、透明性と応力吸収性を高く維持したまま、耐熱性、低温性を有しており、透明性、応力吸収性に優れた成形体およびフィルム・シートを提供できる。
〈4−メチル−1−ペンテン系重合体(A)〉
本発明の4−メチル−1−ペンテン系重合体組成物を構成する4−メチル−1−ペンテン系重合体(A)は、下記要件(a)〜(c)を満たすことを特徴とする。
[要件(a)]
(a)4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位を80〜100モル%、炭素原子数2〜20のα−オレフィンの少なくとも1種から導かれる構成単位が0〜20モル%の範囲にある4−メチル−1−ペンテンの単独重合体、および4−メチル−1−ペンテンとα−オレフィンとの共重合体である。なお、α−オレフィンが共重合された場合は、4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位とα−オレフィンから導かれる構成単位との合計量を100モル%とする。
4−メチル−1−ペンテンと共重合される炭素原子数2〜20のα−オレフィンとしては、具体的には、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−エイコセンなどが好適な例として挙げられる。
これらのうち、共重合性および得られる共重合体の物性の観点から、好ましくは、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセンが挙げられ、より好ましくは、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセンであり、さらに好ましくは、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセンである。
これらの炭素原子数2〜20のα−オレフィンは、単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。
なお、4−メチル−1−ペンテン系重合体(A)は、本発明の目的を損なわない範囲で、上記α−オレフィン以外にその他の重合性化合物由来の構造単位を含んでいてもよい。
このような他の重合性化合物としては、例えばスチレン、ビニルシクロペンテン、ビニルシクロヘキサン、ビニルノルボルナン等の環状構造を有するビニル化合物;酢酸ビニル等のビニルエステル類;無水マレイン酸等の不飽和有機酸またはその誘導体;ブタジエン、イソプレン、ペンタジエン、2,3−ジメチルブタジエン等の共役ジエン類;1,4−ヘキサジエン、1,6−オクタジエン、2−メチル−1,5−ヘキサジエン、6−メチル−1,5−ヘプタジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、ジシクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、ジシクロオクタジエン、メチレンノルボルネン、5−ビニルノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−イソプロピリデン−2−ノルボルネン、6−クロロメチル−5−イソプロペンル−2−ノルボルネン、2,3−ジイソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−エチリデン−3−イソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−プロペニル−2,2−ノルボルナジエン等の非共役ポリエン類などが挙げられる。
各構成単位が上記範囲にあると、4−メチル−1−ペンテン系重合体(A)を含む4−メチル−1−ペンテン系重合体組成物は成形性に優れ、当該組成物から得られる成形体は応力吸収性、透明性に優れる。
[要件(b)]
(b)135℃、デカリン溶媒中で測定した極限粘度[η]0.5〜5.0dl/g、好ましくは1.0〜4.0dl/g、さらに好ましくは1.2〜3.5dl/gの範囲にある。
極限粘度[η]の値が上記範囲にある4−メチル−1−ペンテン系重合体(A)を含む4−メチル−1−ペンテン系重合体組成物は、良好な流動性を有し、成形性、とくにフィルム成形性に優れ、当該組成物から得られる成形体は、透明性、耐熱性、応力吸収性に優る。
[要件(c)]
(c)DSCで測定した融点(Tm)が110℃〜240℃の範囲にある。
融点(Tm)は、重合体の立体規則性ならびに共重合されるα−オレフィンの量に依存して変化する値であり、後述するオレフィン重合用触媒を用いて所望の組成に制御調整することが可能である。
融点(Tm)の値が上記範囲にある4−メチル−1−ペンテン系重合体(A)を含む4−メチル−1−ペンテン系重合体組成物は、耐熱性に優れ、当該組成物から得られる成形体は、透明性、耐熱性、応力吸収性に優る。
本発明に係る4−メチル−1−ペンテン系重合体(A)を本発明の4−メチル−1−ペンテン系重合体組成物に用いる場合は、上記範囲を満たす限り、一種に限らず、二種以上を用いてもよい。
本発明に係る4−メチル−1−ペンテン系重合体(A)は、好ましくは、4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位が上記範囲で比較的少なく、融点が上記範囲で比較的低融点の4−メチル−1−ペンテン系重合体(A1)と4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位が上記範囲で比較的多く、融点が上記範囲で比較的高融点の4−メチル−1−ペンテン系重合体(A2)に分けることができる。
《4−メチル−1−ペンテン系重合体(A1)》
本発明に係る4−メチル−1−ペンテン系重合体(A1)は、(a1)4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位が80モル%以上91モル%未満、炭素原子数2〜20のα−オレフィンの少なくとも1種から導かれる構成単位が20モル%以上9モル%未満(但し、4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位とα−オレフィンから導かれる構成単位の合計量を100モル%とする。)の範囲にある。
本発明に係る4−メチル−1−ペンテン系重合体(A1)は、4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位の上限は好ましくは90モル%、より好ましくは87モル%であり、下限は好ましくは81モル%、より好ましくは83モル%である。α−オレフィンの少なくとも1種から導かれる構成単位の上限は好ましくは19モル%、より好ましくは17モル%であり、下限は好ましくは10モル%、より好ましくは13モル%である。
本発明に係る4−メチル−1−ペンテン系重合体(A1)は、(c1)DSCで測定した融点(Tm)が110〜160℃、好ましくは115〜160℃であり、より好ましくは120〜160℃、さらに好ましくは125〜160℃の範囲にある。
4−メチル−1−ペンテン系重合体(A1)は、耐熱性と応力吸収性のバランスに優れているため、得られる4−メチル−1−ペンテン系重合体組成物も、耐熱性と応力吸収性のバランスに優れる。
《4−メチル−1−ペンテン系重合体(A2)》
本発明に係る4−メチル−1−ペンテン系重合体(A2)は、(a2)4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位が91〜100モル%、炭素原子数2〜20のα−オレフィンの少なくとも1種から導かれる構成単位が9〜0モル%の範囲(但し、4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位とα−オレフィンから導かれる構成単位の合計量を100モル%とする。)にある。
本発明に係る4−メチル−1−ペンテン系重合体(A2)は、4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位の上限は好ましくは99モル%、より好ましくは98モル%であり、下限は好ましくは91.5モル%、より好ましくは92モル%である。炭素原子数2〜20のα−オレフィンの少なくとも1種から導かれる構成単位の上限は、好ましくは8.5モル%、より好ましくは8モル%であり、下限は好ましくは1モル%、より好ましくは2モル%である。
各構成単位が上記範囲にあると、4−メチル−1−ペンテン系重合体(A2)を含む4−メチル−1−ペンテン系重合体組成物から得られる成形体は耐熱性、透明性に優れる。
本発明に係る4−メチル−1−ペンテン系重合体(A2)は、(c2)DSCで測定した融点(Tm)が160〜240℃、好ましくは165〜240℃、より好ましくは170〜240℃、さらに好ましくは175〜238℃の範囲にある。
融点(Tm)の値が上記範囲にある4−メチル−1−ペンテン系重合体(A2)を含む4−メチル−1−ペンテン系重合体組成物は成形性に優れ、当該重合体組成物から得られる成形体は耐熱性、透明性に優れる。
4−メチル−1−ペンテン系重合体(A2)は、特に耐熱性と機械物性、透明性に優れているため、得られる4−メチル−1−ペンテン系重合体組成物も、耐熱性と機械物性、透明性に優れる。
〈4−メチル−1−ペンテン共重合体(B)〉
本発明の4−メチル−1−ペンテン系重合体組成物を構成する4−メチル−1−ペンテン共重合体(B)は、下記要件(o)〜(q)を満たすことを特徴とする。
[要件(o)]
(o)4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位が60〜79モル%、炭素原子数2〜4のα−オレフィンの少なくとも1種から導かれる構成単位が40〜21モル%(但し、4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位とα−オレフィンから導かれる構成単位の合計量を100モル%とする。)の範囲にある。
本発明に係る4−メチル−1−ペンテン共重合体(B)は、4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位の上限は、好ましくは78モル%、より好ましくは77モル%であり、下限は好ましくは65モル%、より好ましくは68モル%である。炭素原子数2〜4のα−オレフィンから導かれる構成単位の上限は好ましくは35モル%、より好ましくは32モル%であり、下限は好ましくは22モル%、より好ましくは25モル%である。
各構成単位が上記範囲にあると、4−メチル−1−ペンテン共重合体(B)を含む重合体組成物は柔軟性、透明性、応力吸収性に優れるため、当該重合体組成物も柔軟性に優れる傾向にある。
4−メチル−1−ペンテン共重合体(B)に含まれる炭素原子数2〜4のα−オレフィンとしては、エチレン、プロピレン、1−ブテンが好適な例として挙げられる。
これらのうち、共重合性の観点から好ましくは、プロピレンが用いられる。
これらの炭素原子数2〜4のα−オレフィンは、単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。
なお、本発明に係る4−メチル−1−ペンテン共重合体(B)は、本発明の目的を損なわない範囲で、その他の重合性化合物由来の構造単位を含んでいてもよい。
このような他の重合性化合物としては、上述した4−メチル−1−ペンテン系重合体(A)に記載の化合物と同様のものが含まれていてもよく、その構造単位の割合も同様の範囲である。
[要件(p)]
(p)135℃、デカリン溶媒中で測定した極限粘度[η]が0.5〜5.0dl/g、 好ましくは1.0〜4.0dl/gであり、さらに好ましくは1.2〜3.5dl/gである。
上記、極限粘度[η]の値は、4−メチル−1−ペンテン共重合体(B)を製造する際の、重合時の水素の添加量により調整することが可能である。
極限粘度[η]の値が上記範囲にある4−メチル−1−ペンテン共重合体(B)は、樹脂組成物製造時や各種成形時において良好な流動性を示し、さらに本発明に係る4−メチル−1−ペンテン系重合体(A)あるいは4−メチル−1−ペンテン系重合体(A1)および4−メチル−1−ペンテン系重合体(A2)と混合して得られる4−メチル−1−ペンテン系重合体組成物は成形性に優れ、当該組成物から得られるフィルムなどの成形体
は良好な伸びや靭性を示し、透明性に優れる。
[要件(q)]
(q)DSCで測定した融点(Tm)が110℃未満または融点が観測されない。
本発明に係る4−メチル−1−ペンテン共重合体(B)が融点(Tm)を有する場合は、その上限は好ましくは100℃、より好ましくは95℃であるが、特に好ましくは融点が観測されない重合体である。上記、融点(Tm)の値は、重合体の立体規則性ならびに共重合するα−オレフィン量に依存して変化する値であり、後述するオレフィン重合用触媒を用いて所望の組成に制御調整することが可能である。融点(Tm)が上記範囲にある4−メチル−1−ペンテン共重合体(B)は、透明性と成形性、耐熱性さらに柔軟性と耐衝撃性の観点から好ましいため、これを含む重合体組成物も透明性、応力吸収性に優れる傾向にある。
〈4−メチル−1−ペンテン系重合体(A)、および4−メチル−1−ペンテン共重合体(B)の製造方法>
本発明に係る4−メチル−1−ペンテン系重合体(A)〔4−メチル−1−ペンテン系重合体(A1)および4−メチル−1−ペンテン系重合体(A2)を含む〕および4−メチル−1−ペンテン共重合体(B)は、従来公知のオレフィン重合用触媒、例えば、バナジウム系触媒、チタン系触媒、マグネシウム担持型チタン触媒、国際公開第01/53369号パンフレット、国際公開第01/27124号パンフレット、特開平3−193796号公報あるいは特開平02−41303号公報中に記載のメタロセン触媒などを用いて、4−メチル−1−ペンテンと上述した特定のα−オレフィン、さらに必要に応じて前記その他の重合性化合物を重合することにより得ることができる。また4−メチル−1−ペンテン系重合体(A)は、一般的な市販の4−メチル−1−ペンテン系の重合体を用いることができ、例示としては、三井化学株式会社製のTPX(登録商標)を用いることができる。
上述のオレフィン重合用触媒のうち、4−メチル−1−ペンテン系重合体(A)および4−メチル−1−ペンテン共重合体(B)を製造するに当たり、好ましい触媒の態様として、メタロセン触媒を挙げることができる。
好ましいメタロセン触媒としては、上記のとおり、国際公開第01/53369号パンフレット、国際公開第01/27124号パンフレット、特開平3−193796号公報、特開平02−41303号公報中あるいは国際公開第06/025540号パンフレット中に記載のメタロセン触媒が挙げられる。
本発明において、4−メチル−1−ペンテン系重合体(A)および4−メチル−1−ペンテン共重合体(B)を、メタロセン触媒の存在下、4−メチル−1−ペンテンと、上述した特定のα−オレフィンとを用いて製造すると、分子内に導入されるα−オレフィンが、比較的ランダムに導入される傾向がある。そのような場合、4−メチル−1−ペンテン系重合体(A)および4−メチル−1−ペンテン共重合体(B)は少量のα−オレフィンで融点が下がるため、4−メチル−1−ペンテン単位の連鎖が長くなり、4−メチル−1−ペンテン共重合体との相溶性がよいと考えられる。さらには4−メチル−1−ペンテン共重合体同士を組み合わせた場合に、良い相溶性に由来すると考えられる透明性に優れることに加えて、結晶成分が微架橋構造をとり得ることから、融点と機械物性とのバランスに優れる。この特性は、4−メチル−1−ペンテン系重合体(A)と4−メチル−1−ペンテン共重合体(B)とは相溶性に優れてはいるが、完全に相溶はしていないためと推測される。このような相溶状態を有する組成物は、各成分の特性をスポイルすることなく高いレベルで両立できるものと考えられる。
以下、本発明に係る4−メチル−1−ペンテン系重合体(A)および4−メチル−1−ペンテン共重合体(B)の製造に好ましく用いられるメタロセン触媒について説明する。
本発明に係る4−メチル−1−ペンテン系重合体(A)および4−メチル−1−ペンテン共重合体(B)の製造には、
(α)下記一般式(1)または(2)で表されるメタロセン化合物と、
(β)(β−1)有機金属化合物
(β−2)有機アルミニウムオキシ化合物、および
(β−3)メタロセン化合物(α)と反応してイオン対を形成する化合物、
から選ばれる少なくとも1種の化合物、
さらに必要に応じて、
(γ)微粒子状担体
から構成されるメタロセン触媒が好適に用いられる。
〔(α)メタロセン化合物〕
本発明において、4−メチル−1−ペンテン系重合体(A)および4−メチル−1−ペンテン共重合体(B)の製造に用いられ得るメタロセン化合物としては、下記一般式(1)または(2)で表される化合物が例示できる。
Figure 2014208797
Figure 2014208797
(上記一般式(1)または(2)中、R1〜R14で表される置換基は水素原子、炭化水素基、ケイ素含有炭化水素基から選ばれ、それぞれ同一でも異なっていてもよく、R1からR4までの隣接した置換基は互いに結合して環を形成してもよく、R5からR12までの隣接した置換基は互いに結合して環を形成してもよく、Aは一部不飽和結合および/または芳香族環を含んでいてもよい炭素原子数2〜20の2価の炭化水素基であり、AはYと共に形成する環を含めて2つ以上の環構造を含んでいてもよく、Mは周期表第4族から選ばれた金属であり、Yは炭素またはケイ素であり、Qはハロゲン、炭化水素基、アニオン配位子または孤立電子対で配位可能な中性配位子から同一または異なる組合せで選んでもよく、jは1〜4の整数である。)
上記一般式(1)または(2)のR1〜R14中、炭化水素基としては、好ましくは炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数7〜20のアリールアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、または炭素原子数7〜20のアルキルアリール基であり、1つ以上の環構造を含んでいてもよい。また、炭化水素基の一部または全部に水酸基、アミノ基、ハロゲン基、フッ素含有炭化水素基などの官能基で置換されていても良い。具体例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、2−メチルプロピル、1,1−ジメチルプロピル、2,2−ジメチルプロピル、1,1−ジエチルプロピル、1−エチル−1−メチルプロピル、1,1,2,2−テトラメチルプロピル、sec−ブチル、tert−ブチル、1,1−ジメチルブチル、1,1,3−トリメチルブチル、ネオペンチル、シクロヘキシルメチル、シクロヘキシル、1−メチル−1−シクロヘキシル、1−アダマンチル、2−アダマンチル、2−メチル−2−アダマンチル、メンチル、ノルボルニル、ベンジル、2−フェニルエチル、1−テトラヒドロナフチル、1−メチル−1−テトラヒドロナフチル、フェニル、ビフェニル、ナフチル、トリル、クロロフェニル、クロロビフェニル、クロロナフチル等が挙げられる。
上記一般式(1)または(2)のR1〜R14中、ケイ素含有炭化水素基としては、好ましくはケイ素原子数1〜4かつ炭素原子数3〜20のアルキルシリル基またはアリールシリル基であり、その具体例としては、トリメチルシリル、tert−ブチルジメチルシリル、トリフェニルシリル等が挙げられる。
フルオレン環上のR5からR12までの隣接した置換基は、互いに結合して環を形成してもよい。そのような置換フルオレニル基として、ベンゾフルオレニル、ジベンゾフルオレニル、オクタヒドロジベンゾフルオレニル、オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル等を挙げることができる。
また、フルオレン環上のR5からR12の置換基は、合成上の容易さから左右対称、すなわちR5=R12、R6=R11、R7=R10、R8=R9であることが好ましく、無置換フルオレン、3,6−二置換フルオレン、2,7−二置換フルオレンまたは2,3,6,7−四置換フルオレンであることがより好ましい。ここでフルオレン環上の3位、6位、2位、7位はそれぞれR7、R10、R6、R11に対応する。
上記一般式(1)のR13とR14は、水素原子または炭化水素基から選ばれ、それぞれ同一でも異なっていてもよい。好ましい炭化水素基の具体例としては、上記R1〜R14と同様のものを挙げることができる。
Yは炭素原子またはケイ素原子である。一般式(1)の場合は、R13とR14はYと結合し、架橋部として置換メチレン基または置換シリレン基を構成する。好ましい具体例として、例えば、メチレン、ジメチルメチレン、ジイソプロピルメチレン、メチルtert−ブチルメチレン、ジシクロヘキシルメチレン、メチルシクロヘキシルメチレン、メチルフェニルメチレン、フルオロメチルフェニルメチレン、クロロメチルフェニルメチレン、ジフェニルメチレン、ジクロロフェニルメチレン、ジフルオロフェニルメチレン、メチルナフチルメチレン、ジビフェニルメチレン、ジp−メチルフェニルメチレン、メチル−p−メチルフェニルメチレン、エチル−p−メチルフェニルメチレン、ジナフチルメチレンまたはジメチルシリレン、ジイソプロピルシリレン、メチル−tert−ブチルシリレン、ジシクロヘキシルシリレン、メチルシクロヘキシルシリレン、メチルフェニルシリレン、フルオロメチルフェニルシリレン、クロロメチルフェニルシリレン、ジフェニルシリレン、ジp−メチルフェニルシリレン、メチル−p−メチルフェニルシリレン、エチル−p−メチルフェニルシリレン、メチルナフチルシリレン、ジナフチルシリレン等を挙げることができる。
一般式(2)の場合は、Yは一部不飽和結合および/または芳香族環を含んでいてもよい炭素原子数2〜20の2価の炭化水素基Aと結合し、シクロアルキリデン基またはシクロメチレンシリレン基等を構成する。好ましい具体例として、例えば、シクロプロピリデン、シクロブチリデン、シクロペンチリデン、シクロヘキシリデン、シクロヘプチリデン、ビシクロ[3.3.1]ノニリデン、ノルボルニリデン、アダマンチリデン、テトラヒドロナフチリデン、ジヒドロインダニリデン、シクロジメチレンシリレン、シクロトリメチレンシリレン、シクロテトラメチレンシリレン、シクロペンタメチレンシリレン、シクロヘキサメチレンシリレン、シクロヘプタメチレンシリレン等を挙げることができる。
一般式(1)および(2)のMは、周期表第4族から選ばれる金属であり、Mとしてはチタニウム、ジルコニウム、ハフニウムが挙げられる。
Qはハロゲン、炭素原子数1〜20の炭化水素基、アニオン配位子、または孤立電子対で配位可能な中性配位子から同一または異なる組み合わせで選ばれる。ハロゲンの具体例としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素であり、炭化水素基の具体例としては、上記と同様のものを挙げることができる。アニオン配位子の具体例としては、メトキシ、tert−ブトキシ、フェノキシ等のアルコキシ基、アセテート、ベンゾエート等のカルボキシレート基、メシレート、トシレート等のスルホネート基等が挙げられる。孤立電子対で配位可能な中性配位子の具体例としては、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、ジフェニルメチルホスフィンなどの有機リン化合物、またはテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル類が挙げられる。これらのうち、Qは同一でも異なった組み合わせでもよいが、少なくとも一つはハロゲンまたはアルキル基であるのが好ましい。
〔化合物(β)〕
化合物(β)は、有機金属化合物(β−1)、有機アルミニウムオキシ化合物(β−2)、および前記メタロセン化合物(α)と反応してイオン対を形成する化合物(β−3)から選ばれる少なくとも1種の化合物から構成される。
以下、各成分について具体的に説明する。
《有機金属化合物(β−1)》
本発明で必要に応じて用いられる有機金属化合物(β−1)として、具体的には下記のような周期律表第1、2族および第12、13族の有機金属化合物を挙げることができ、例えば以下に説明する(β−1a)、(β−1b)、(β−1c)等が挙げられる。なお、本発明においては、(β−1)有機金属化合物には後述する(β−2)有機アルミニウムオキシ化合物は含まれないものとする。
(β−1a):一般式Ra mAl(ORbnpqで表される有機アルミニウム化合物。
(式中、RaおよびRbは、互いに同一でも異なっていてもよい炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示し、Xはハロゲン原子を示し、mは0<m≦3、nは0≦n<3、pは0≦p<3、qは0≦q<3の数であり、かつm+n+p+q=3である)
(β−1b):一般式M2AlRa 4で表される周期律表第1族金属とアルミニウムとの錯アルキル化物。
(式中、M2はLi、NaまたはKを示し、Raは炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示す)
(β−1c):一般式Rab3で表される周期律表第2族または12族金属のジアルキル化合物。
(式中、RaおよびRbは、互いに同一でも異なっていてもよい炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示し、M3はMg、ZnまたはCdである)
前記の(β−1a)に属する有機アルミニウム化合物としては、次のような化合物を例示できる。
一般式Ra mAl(ORb3-m(式中、RaおよびRbは、互いに同一でも異なっていてもよい炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示し、mは、好ましくは1.5≦m≦3の数である。)で表される有機アルミニウム化合物、一般式Ra mAlX3-m(式中、Raは炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示し、Xはハロゲン原子を示し、mは好ましくは0<m<3である。)で表される有機アルミニウム化合物、一般式Ra mAlH3-m(式中、Raは炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示し、mは好ましくは2≦m<3である)で表される有機アルミニウム化合物、一般式Ra mAl(ORbnq(式中、RaおよびRbは、互いに同一でも異なっていてもよい炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示し、Xはハロゲン原子を示し、mは0<m≦3、nは0≦n<3、qは0≦q<3の数であり、かつm+n+q=3である)で表される有機アルミニウム化合物。
(β−1a)に属する有機アルミニウム化合物として、より具体的には、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリ(n−ブチル)アルミニウム、トリプロピルアルミニウム、トリペンチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリデシルアルミニウムなどのトリ(n−アルキル)アルミニウム; トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ(sec−ブチル)アルミニウム、トリ(tert−ブチル)アルミニウム、トリ(2−メチルブチル)アルミニウム、トリ(3−メチルブチル)アルミニウム、トリ(2−メチルペンチル)アルミニウム、トリ(3−メチルペンチル)アルミニウム、トリ(4−メチルペンチル)アルミニウム、トリ(2−メチルヘキシル)アルミニウム、トリ(3−メチルヘキシル)アルミニウム、トリ(2−エチルヘキシル)アルミニウムなどのトリ分岐鎖アルキルアルミニウム; トリシクロヘキシルアルミニウム、トリシクロオクチルアルミニウムなどのトリシクロアルキルアルミニウム; トリフェニルアルミニウム、トリトリルアルミニウムなどのトリアリールアルミニウム; ジエチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライドなどのジアルキルアルミニウムハイドライド; (iC49xAly(C510z(式中、x、y、zは正の数であり、z≧2xである。iC49はイソブチル基を表す。)などで表されるイソプレニルアルミニウムなどのアルケニルアルミニウム; イソブチルアルミニウムメトキシド、イソブチルアルミニウムエトキシド、イソブチルアルミニウムイソプロポキシドなどのアルキルアルミニウムアルコキシド; ジメチルアルミニウムメトキシド、ジエチルアルミニウムエトキシド、ジブチルアルミニウムブトキシドなどのジアルキルアルミニウムアルコキシド; エチルアルミニウムセスキエトキシド、ブチルアルミニウムセスキブトキシドなどのアルキルアルミニウムセスキアルコキシド; Ra 2.5Al(ORb0.5(式中、RaおよびRbは、互いに同一でも異なっていてもよい炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示す。)などで表される平均組成を有する部分的にアルコキシ化されたアルキルアルミニウム; ジエチルアルミニウムフェノキシド、ジエチルアルミニウム(2,6−ジ−tert−ブチル4−メチルフェノキシド)、エチルアルミニウムビス(2,6−ジ−tert−ブチル4−メチルフェノキシド)、ジイソブチルアルミニウム(2,6−ジ−tert−ブチル4−メチルフェノキシド)、イソブチルアルミニウムビス(2,6−ジ−tert−ブチル4−メチルフェノキシド)などのジアルキルアルミニウムアリーロキシド; ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、ジブチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムブロミド、ジイソブチルアルミニウムクロリドなどのジアルキルアルミニウムハライド;エチルアルミニウムセスキクロリド、ブチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムセスキブロミドなどのアルキルアルミニウムセスキハライド;エチルアルミニウムジクロリド、プロピルアルミニウムジクロリド、ブチルアルミニウムジブロミドなどのアルキルアルミニウムジハライドなどの部分的にハロゲン化されたアルキルアルミニウム; ジエチルアルミニウムヒドリド、ジブチルアルミニウムヒドリドなどのジアルキルアルミニウムヒドリド; エチルアルミニウムジヒドリド、プロピルアルミニウムジヒドリドなどのアルキルアルミニウムジヒドリドなどその他の部分的に水素化されたアルキルアルミニウム; エチルアルミニウムエトキシクロリド、ブチルアルミニウムブトキシクロリド、エチル アルミニウムエトキシブロミドなどの部分的にアルコキシ化およびハロゲン化されたアルキルアルミニウムなどが挙げられる。
また(β−1a)に類似する化合物も使用することができ、例えば窒素原子を介して2以上のアルミニウム化合物が結合した有機アルミニウム化合物も挙げられる。このような化合物として、具体的には、(C252AlN(C25)Al(C252などが挙げられる。
前記(β−1b)に属する化合物としては、LiAl(C254、LiAl(C7154などが挙げられる。
また、前記(β−1c)に属する化合物としては、ジメチルマグネシウム、ジエチルマグネシウム、ジブチルマグネシウム、ブチルエチルマグネシウム等が挙げられる。
上記(β−1a)〜(β−1c)以外の(β−1)有機金属化合物としては、メチルリチウム、エチルリチウム、プロピルリチウム、ブチルリチウム、メチルマグネシウムブロミド、メチルマグネシウムクロリド、エチルマグネシウムブロミド、エチルマグネシウムクロリド、プロピルマグネシウムブロミド、プロピルマグネシウムクロリド、ブチルマグネシウムブロミド、ブチルマグネシウムクロリドなどを使用することもできる。
また多量化反応系内で上記有機アルミニウム化合物が形成されるような化合物、例えばハロゲン化アルミニウムとアルキルリチウムとの組合せ、またはハロゲン化アルミニウムとアルキルマグネシウムとの組合せなどを使用することもできる。
有機金属化合物(β−1)のなかでは、有機アルミニウム化合物が好ましい。上記のような有機金属化合物(β−1)は、1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いられる。
《有機アルミニウムオキシ化合物(β−2)》
本発明で必要に応じて用いられる有機アルミニウムオキシ化合物(β−2)は、従来公知のアルミノキサンであってもよく、また特開平2−78687号公報に例示されているようなベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物であってもよい。
従来公知のアルミノキサンは、例えば下記のような方法によって製造することができ、通常、炭化水素溶媒の溶液として得られる。(1)吸着水を含有する化合物または結晶水を含有する塩類、例えば塩化マグネシウム水和物、硫酸銅水和物、硫酸アルミニウム水和物、硫酸ニッケル水和物、塩化第1セリウム水和物などの炭化水素媒体懸濁液に、トリアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物を添加して、吸着水または結晶水と有機アルミニウム化合物とを反応させる方法。(2)ベンゼン、トルエン、エチルエーテル、テトラヒドロフランなどの媒体中で、トリアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物に直接水、氷または水蒸気を作用させる方法。(3)デカン、ベンゼン、トルエンなどの媒体中でトリアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物に、ジメチルスズオキシド、ジブチルスズオキシドなどの有機スズ酸化物を反応させる方法。
なお該アルミノキサンは、少量の有機金属成分を含有してもよい。また回収された上記のアルミノキサンの溶液から溶媒または未反応有機アルミニウム化合物を蒸留して除去した後、溶媒に再溶解またはアルミノキサンの貧溶媒に懸濁させてもよい。
アルミノキサンを調製する際に用いられる有機アルミニウム化合物として具体的には、前記(β−1a)に属する有機アルミニウム化合物として例示したものと同様の有機アルミニウム化合物が挙げられる。
これらのうち、トリアルキルアルミニウム、トリシクロアルキルアルミニウムが好ましく、トリメチルアルミニウムが特に好ましい。
上記のような有機アルミニウム化合物(β−2)は、1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いられる。
アルミノキサンの調製に用いられる溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン、シメンなどの芳香族炭化水素、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、ヘキサデカン、オクタデカンなどの脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロオクタン、メチルシクロペンタンなどの脂環族炭化水素、ガソリン、灯油、軽油などの石油留分または上記芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、脂環族炭化水素のハロゲン化物とりわけ、塩素化物、臭素化物などの炭化水素溶媒が挙げられる。さらに、エチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類を用いることもできる。これらの溶媒のうち特に芳香族炭化水素または脂肪族炭化水素が好ましい。
また本発明で用いられるベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物(β−2)は、60℃のベンゼンに溶解するAl成分がAl原子換算で通常10%以下、好ましくは5%以下、特に好ましくは2%以下であるもの、すなわちベンゼンに対して不溶性または難溶性であるものが好ましい。
本発明で用いられる有機アルミニウムオキシ化合物(β−2)の例としては、下記一般式(i)で表されるボロンを含んだ有機アルミニウムオキシ化合物も挙げられる。
Figure 2014208797
式(i)中、R15は炭素原子数が1〜10の炭化水素基を示す。R16は、互いに同一でも異なっていてもよい水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数が1〜10の炭化水素基を示す。
前記一般式(i)で表されるボロンを含んだ有機アルミニウムオキシ化合物は、下記一般式(ii)で表されるアルキルボロン酸と、有機アルミニウム化合物とを、不活性ガス雰囲気下に不活性溶媒中で、−80℃〜室温の温度で1分〜24時間反応させることにより製造できる。
15−B(OH)2 ・・・・・・(ii)
(式(ii)中、R15は上記式(i)と同じ基から選ばれる。)
前記一般式(ii)で表されるアルキルボロン酸の具体的なものとしては、メチルボロン酸、エチルボロン酸、イソプロピルボロン酸、n−プロピルボロン酸、n−ブチルボロン酸、イソブチルボロン酸、n−ヘキシルボロン酸、シクロヘキシルボロン酸、フェニルボロン酸、3,5−ジフルオロフェニルボロン酸、ペンタフルオロフェニルボロン酸、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニルボロン酸等が挙げられる。これらの中では、メチルボロン酸、n−ブチルボロン酸、イソブチルボロン酸、3,5−ジフルオロフェニルボロン酸、ペンタフルオロフェニルボロン酸が好ましい。
これらは1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いられる。
このようなアルキルボロン酸と反応させる有機アルミニウム化合物として具体的には、前記(β−1a)に属する有機アルミニウム化合物として例示したものと同様の有機アルミニウム化合物が挙げられる。これらのうち、トリアルキルアルミニウム、トリシクロアルキルアルミニウムが好ましく、特にトリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムが好ましい。これらは1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いられる。
上記のような有機アルミニウムオキシ化合物(β−2)は、1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いられる。
《メタロセン化合物(α)と反応してイオン対を形成する化合物(β−3)》
本発明で必要に応じて用いられる、メタロセン化合物(α)と反応してイオン対を形成する化合物(β−3)は、メタロセン化合物(α)と反応してイオン対を形成する化合物である。従って、少なくともメタロセン化合物(α)と接触させてイオン対を形成するものは、この化合物に含まれる。
このような化合物としては、特開平1−501950号公報、特開平1−502036号公報、特開平3−179005号公報、特開平3−179006号公報、特開平3−207703号公報、特開平3−207704号公報、米国特許5321106号などに記載されたルイス酸、イオン性化合物、ボラン化合物およびカルボラン化合物などが挙げられる。さらに、ヘテロポリ化合物およびイソポリ化合物もあげることができる。
具体的には、ルイス酸としては、BR3(Rは、フッ素、メチル基、トリフルオロメチル基などの置換基を有していてもよいフェニル基またはフッ素である)で示される化合物が挙げられ、例えば、トリフルオロボロン、トリフェニルボロン、トリス(4−フルオロフェニル)ボロン、トリス(3,5−ジフルオロフェニル)ボロン、トリス(4−フルオロメチルフェニル)ボロン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボロン、トリス(p−トリル)ボロン、トリス(o−トリル)ボロン、トリス(3,5−ジメチルフェニル)ボロンなどが挙げられる。
イオン性化合物としては、例えば下記一般式(iii)で表される化合物が挙げられる
Figure 2014208797
式(iii)中、R17+としては、H+、カルボニウムカチオン、オキソニウムカチオン、アンモニウムカチオン、ホスホニウムカチオン、シクロヘプチルトリエニルカチオン、遷移金属を有するフェロセニウムカチオンなどが挙げられる。
18〜R21は、互いに同一でも異なっていてもよい有機基、好ましくはアリール基または置換アリール基である。
前記カルボニウムカチオンとして具体的には、トリフェニルカルボニウムカチオン、トリ(メチルフェニル)カルボニウムカチオン、トリ(ジメチルフェニル)カルボニウムカチオンなどの三置換カルボニウムカチオンなどが挙げられる。
前記アンモニウムカチオンとして具体的には、トリメチルアンモニウムカチオン、トリエチルアンモニウムカチオン、トリ(n−プロピル)アンモニウムカチオン、トリ(n−ブチル)アンモニウムカチオンなどのトリアルキルアンモニウムカチオン; N,N−ジメチルアニリニウムカチオン、N,N−ジエチルアニリニウムカチオン、N,N,2,4,6−ペンタメチルアニリニウムカチオンなどのN,N−ジアルキルアニリニウムカチオン; ジ(イソプロピル)アンモニウムカチオン、ジシクロヘキシルアンモニウムカチオンなどのジアルキルアンモニウムカチオンなどが挙げられる。
前記ホスホニウムカチオンとして具体的には、トリフェニルホスホニウムカチオン、トリ(メチルフェニル)ホスホニウムカチオン、トリ(ジメチルフェニル)ホスホニウムカチオンなどのトリアリールホスホニウムカチオンなどが挙げられる。
17+としては、カルボニウムカチオン、アンモニウムカチオンなどが好ましく、特にトリフェニルカルボニウムカチオン、N,N−ジメチルアニリニウムカチオン、N,N−ジエチルアニリニウムカチオンが好ましい。
またイオン性化合物として、トリアルキル置換アンモニウム塩、N,N−ジアルキルアニリニウム塩、ジアルキルアンモニウム塩、トリアリールホスフォニウム塩なども挙げられる。
トリアルキル置換アンモニウム塩として具体的には、例えばトリエチルアンモニウムテトラフェニルボレート、トリ(n−プロピル)アンモニウムテトラフェニルボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラフェニルボレート、トリメチルアンモニウムテトラ(p−トリル)ボレート、トリメチルアンモニウムテトラ(o−トリル)ボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリ(n−プロピル)アンモニウムテトラ(o,p−ジメチルフェニル)ボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラ(m,m−ジメチルフェニル)ボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラ(p−トリフルオロメチルフェニル)ボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラ(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラ(o−トリル)ボレートなどが挙げられる。
N,N−ジアルキルアニリニウム塩として具体的には、例えばN,N−ジメチルアニリニウムテトラフェニルボレート、N,N−ジエチルアニリニウムテトラフェニルボレート、N,N,2,4,6−ペンタメチルアニリニウムテトラフェニルボレートなどが挙げられる。
ジアルキルアンモニウム塩として具体的には、例えばジ(n−プロピル)アンモニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジシクロヘキシルアンモニウムテトラフェニルボレートなどが挙げられる。
さらにイオン性化合物(β−3)として、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、フェロセニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルカルベニウムペンタフェニルシクロペンタジエニル錯体、N,N−ジエチルアニリニウムペンタフェニルシクロペンタジエニル錯体、下記式(iv)または(v)で表されるホウ素化合物なども挙げられる。
Figure 2014208797
(式(iv)中、Etはエチル基を示す。)
Figure 2014208797
ボラン化合物として具体的には、例えばデカボラン(14); ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ノナボレート、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕デカボレート、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ウンデカボレート、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ドデカボレート、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕デカクロロデカボレート、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ドデカクロロドデカボレートなどのアニオンの塩; トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ドデカハイドライドドデカボレート)コバルト酸塩(III)、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ビス(ドデカハイドライドドデカボレート)ニッケル酸塩(III)などの金属ボランアニオンの塩などが挙げられる。
カルボラン化合物として具体的には、例えば、4−カルバノナボラン(14)、1,3−ジカルバノナボラン(13)、6,9−ジカルバデカボラン(14)、ドデカハイドライド−1−フェニル−1,3−ジカルバノナボラン、ドデカハイドライド−1−メチル−1,3−ジカルバノナボラン、ウンデカハイドライド−1,3−ジメチル−1,3−ジカルバノナボラン、7,8−ジカルバウンデカボラン(13)、2,7−ジカルバウンデカボラン (13)、ウンデカハイドライド−7,8−ジメチル−7,8−ジカルバウンデカボラン、ドデカハイドライド−11−メチル−2,7−ジカルバウンデカボラン、トリ(n−ブチル)アンモニウム1カルバデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウム1−カルバウンデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウム1−カルバドデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウム1−トリメチルシリル−1−カルバデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムブロモ−1−カルバドデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウム6−カルバデカボレート(14)、トリ(n−ブチル)アンモニウム6−カルバデカボレート(12)、トリ(n−ブチル)アンモニウム7カルバウンデカボレート(13)、トリ(n−ブチル)アンモニウム7,8−ジカルバウンデカボレート(12)、トリ(n−ブチル)アンモニウム2,9−ジカルバウンデカボレート(12)、トリ(n−ブチル)アンモニウムドデカハイドライド−8−メチル−7,9−ジカルバウンデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムウンデカハイドライド−8−エチル−7,9−ジカルバウンデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムウンデカハイドライド−8−ブチル−7,9−ジカルバウンデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムウンデカハイドライド−8−アリル−7,9−ジカルバウンデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムウンデカハイドライド−9−トリメチルシリル−7,8−ジカルバウンデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムウンデカハイドライド−4,6−ジブロモ−7−カルバウンデカボレートなどのアニオンの塩; トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ノナハイドライド−1,3−ジカルバノナボレート)コバルト酸塩(III)、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハイドライド−7,8−ジカルバウンデカボレート)鉄酸塩(III)、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハイドライド−7,8−ジカルバウンデカボレート)コバルト酸塩(III)、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハイドライド−7,8−ジカルバウンデカボレート)ニッケル酸塩(III)、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハイドライド−7,8−ジカルバウンデカボレート)銅酸塩(III)、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハイドライド−7,8−ジカルバウンデカボレート)金酸塩(III)、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ノナハイドライド−7,8−ジメチル−7,8−ジカルバウンデカボレート)鉄酸塩(III)、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ノナハイドライド−7,8−ジメチル−7,8−ジカルバウンデカボレート)クロム酸塩(III)、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(トリブロモオクタハイドライド−7,8−ジカルバウンデカボレート)コバルト酸塩(III)、トリス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ビス(ウンデカハイドライド−7−カルバウンデカボレート)クロム酸塩(III)、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ビス(ウンデカハイドライド−7−カルバウンデカボレート)マンガン酸塩(IV)、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ビス(ウンデカハイドライド−7−カルバウンデカボレート)コバルト酸塩(III)、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ビス(ウンデカハイドライド−7−カルバウンデカボレート)ニッケル酸塩(IV)などの金属カルボランアニオンの塩などが挙げられる。
ヘテロポリ化合物は、ケイ素、リン、チタン、ゲルマニウム、ヒ素もしくは錫からなる原子と、バナジウム、ニオブ、モリブデンおよびタングステンから選ばれる1種または2種以上の原子からなっている。具体的には、リンバナジン酸、ゲルマノバナジン酸、ヒ素バナジン酸、リンニオブ酸、ゲルマノニオブ酸、シリコノモリブデン酸、リンモリブデン酸、チタンモリブデン酸、ゲルマノモリブデン酸、ヒ素モリブデン酸、錫モリブデン酸、リンタングステン酸、ゲルマノタングステン酸、錫タングステン酸、リンモリブドバナジン酸、リンタングストバナジンン酸、ゲルマノタングストバナジンン酸、リンモリブドタングストバナジン酸、ゲルマノモリブドタングストバナジン酸、リンモリブドタングステン酸、リンモリブドニオブ酸、これらの酸の塩、例えば周期律表第1族または2族の金属、具体的には、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等との塩、およびトリフェニルエチル塩等の有機塩、およびイソポリ化合物を使用できるが、この限りではない。
ヘテロポリ化合物およびイソポリ化合物としては、上記の化合物の中の1種に限らず、2種以上用いることができる。
上記のようなメタロセン化合物(α)と反応してイオン対を形成する化合物(β−3)は、1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いられる。
〔重合条件〕
本発明では、4−メチル−1−ペンテンなどの重合は溶解重合、懸濁重合などの液相重合法または気相重合法いずれにおいても実施できる。液相重合法においては、不活性炭化水素溶媒を用いてもよく、具体的には、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、灯油などの脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン、メチルシクロヘキサンなどの脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;エチレンクロリド、クロロベンゼン、ジクロロメタン、リクロロメタン、テトラクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素またはこれらの混合物などを挙げることができる。また4−メチル−1−ペンテンを含んだオレフィン類自身を溶媒とする塊状重合を実施することもできる。
また、重合条件を段階的に変えて製造する所謂多段重合を行うこともできる。例えば、水素使用量、または4−メチル−1−ペンテンとα‐オレフィンとの比率の異なる2種の条件で段階的に重合を実施することにより所望の広い分子量分布、または広い組成分布の4−メチル−1−ペンテン系重合体(A)および4−メチル−1−ペンテン共重合体(B)を得ることも可能である。また、4−メチル−1−ペンテンの単独重合と4−メチル−1−ペンテンと他のオレフィンとの共重合を段階的に行うことにより、組成分布が制御された4−メチル−1−ペンテン系重合体(A)および4−メチル−1−ペンテン共重合体(B)を得ることも可能である。
重合を行うに際して、成分(α)は、反応容積1リットル当り、周期律表第4族金属原子換算で通常10-8〜10-2モル、好ましくは10-7〜10-3モルとなるような量で用いられる。
また、成分(β)を用いる場合、成分(β−1)は、成分(β−1)と、成分(α)中の遷移金属原子(M)とのモル比〔(β−1)/M〕が、通常0.01〜100000、好ましくは0.05〜50000となるような量で用いられる。
成分(β−2)は、成分(β−2)中のアルミニウム原子と、成分(α)中の遷移金属原子(M)とのモル比〔(β−2)/M〕が、通常10〜500000、好ましくは20〜100000となるような量で用いられる。
成分(β−3)は、成分(β−3)と、成分(α)中の遷移金属原子(M)とのモル比〔(β−3)/M〕が、通常1〜10、好ましくは1〜5となるような量で用いられる。
重合温度は、通常−50〜200℃、好ましくは0〜100℃、より好ましくは20〜100℃の範囲である。重合温度が低すぎると単位触媒あたりの重合活性や熱回収効率などの面で、工業的には不利な傾向がある。
重合圧力は、通常常圧〜10MPaゲージ圧、好ましくは常圧〜5MPaゲージ圧の条件下であり、重合反応は、回分式、半連続式、連続式のいずれの方法においても行うことができる。さらに重合を反応条件の異なる2段以上に分けて行うことも可能である。
重合に際して生成ポリマーの分子量や重合活性を制御する目的で水素を添加することができ、その量はオレフィン1kgあたり0.001〜100NL程度が適当である。
[軟化剤(C)]
本発明の4−メチル−1−ペンテン系重合体組成物を構成する軟化剤(C)としては、従来公知の軟化剤を用いることができる。具体的には、プロセスオイル、潤滑油、パラフィン、流動パラフィン、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、石油アスファルトおよびワセリンなどの石油系物質;コールタールおよびコールタールピッチなどのコールタール類;ヒマシ油、アマニ油、ナタネ油、大豆油および椰子油などの脂肪油;トール油、蜜ロウ、カルナウバロウおよびラノリンなどのロウ類;リシノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸、12−水酸化ステアリン酸、モンタン酸、オレイン酸およびエルカ酸などの脂肪酸またはその金属塩;石油樹脂、クマロンインデン樹脂およびアタクチックポリプロピレン、;液状ポリブテン、液状ポリブタジエン、液状エチレン・α-オレフィン共重合体、液状エチレン・プロピレン・ジエン共重合体などの液状オレフィン系オリゴマー、液状スチレン系オリゴマー、液状アクリル系ポリマー、液状ポリウレタン、合成高分子およびオリゴマーなどの液状重合体;ジオクチルフタレート、ジオクチルアジペートおよびジオクチルセバケートなどのエステル系可塑剤;その他マイクロクリスタリンワックス、またはその変性物もしくは水添物;液状チオコールなどが挙げられる。
〈4−メチル−1−ペンテン系重合体組成物〉
本発明の4−メチル−1−ペンテン系重合体組成物は、前記4−メチル−1−ペンテン共重合体(A)10〜100質量部、好ましくは15〜100質量部、より好ましくは25〜100質量部、前記4−メチル−1−ペンテン共重合体(B)0〜90質量部、好ましくは0〜85質量部、より好ましくは0〜75質量部〔ただし、(A)成分と(B)成分との合計を100質量部とする。〕、および、(A)成分と(B)成分との合計を100質量部に対して、前記軟化剤(C)を5〜150質量部、好ましくは5〜100質量部、より好ましくは10〜70質量部含む組成物である。
4−メチル−1−ペンテン系重合体組成物に含まれる軟化剤(C)の含有量が上記の範囲にあると、4−メチル−1−ペンテン系重合体組成物から得られる成形体は低温性および柔軟性、応力吸収性が向上するので好ましい。
軟化剤(C)の含有量が5質量部未満の組成物は当該組成物から得られる成形体の低温性が悪化する場合があり、150質量部を超える場合は、軟化剤(C)が4−メチル−1−ペンテン系重合体組成物中で含浸しきれずに軟化剤がにじみ出し、得られる成形体の表面べたつきおよび光学物性が悪化する場合がある。
本発明の4−メチル−1−ペンテン系重合体組成物として、前記4−メチル−1−ペンテン共重合体(B)を含む場合は、4−メチル−1−ペンテン系重合体組成物から得られる成形体の応力吸収性がより改良される。
本発明の4−メチル−1−ペンテン系重合体組成物として、前記4−メチル−1−ペンテン共重合体(A)として、前記4−メチル−1−ペンテン系重合体(A1)と前記4−メチル−1−ペンテン系重合体(A2)を併用して用いる場合は、その質量比〔(A1)/(A2)〕が、通常、95/5〜5/95、好ましくは、90/10〜10/90、より好ましくは85/15〜15/85の範囲で用いればよい。前記4−メチル−1−ペンテン系重合体(A1)と前記4−メチル−1−ペンテン系重合体(A2)を併用して用いる場合は、得られる4−メチル−1−ペンテン系重合体組成物から得られる成形体は、特に耐熱性に優れる。
また、本発明の4−メチル−1−ペンテン系重合体組成物として、前記4−メチル−1−ペンテン共重合体(A)として、前記4−メチル−1−ペンテン系重合体(A1)を用い、前記4−メチル−1−ペンテン共重合体(B)を組み合わせることが好ましい態様であり、その場合は、その質量比〔(A1)/(B)〕が、通常、10/90〜60/40、好ましくは15/85〜60/40、より好ましくは25/75〜60/40の範囲にある。
前記4−メチル−1−ペンテン系重合体(A1)が上記の範囲にある場合は、4−メチル−1−ペンテン系重合体(A1)を含む4−メチル−1−ペンテン系重合体組成物から得られる成形体は、耐熱性と応力吸収性のバランスがより改良される。
[その他の成分]
本発明の4−メチル−1−ペンテン系重合体組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で、さらに必要に応じて、酸化防止剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、帯電防止剤、スリップ防止剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、滑剤、染料、顔料、老化防止剤、塩酸吸収剤、結晶核材、ワックス、充填剤、難燃剤などを配合することができる。
酸化防止剤としては、公知の酸化防止剤が使用可能である。具体的には、ヒンダードフェノール化合物、イオウ系酸化防止剤、ラクトーン系酸化防止剤、有機ホスファイト化合物、有機ホスフォナイト化合物、あるいはこれらを数種類組み合わせたものが使用できる。
滑剤としては、例えばラウリル酸、パルミチン酸、オレイン酸、ステアリン酸などの飽和または不飽和脂肪酸のナトリウム、カルシウム、マグネシウム塩などがあげられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。またかかる滑剤の配合量は、4−メチル−1−ペンテン系重合体組成物100質量部に対して、通常、0.1〜3質量部、好ましくは0.1〜2質量部程度であることが望ましい。
アンチブロッキング剤としては、微粉末シリカ、微粉末酸化アルミニウム、微粉末クレー、粉末状、もしくは液状のシリコン樹脂、テトラフロロエチレン樹脂、微粉末架橋樹脂、例えば架橋されたアクリル、メタクリル樹脂粉末等をあげることができる。これらのうちでは、微粉末シリカおよび架橋されたアクリル、メタクリル樹脂粉末が好ましい。
本発明の4−メチル−1−ペンテン系重合体組成物は、好ましくは下記要件(x1)および(x2)を満たす。
(x1)1mm厚プレスシートで測定した内部ヘイズが0.01〜20の範囲にある。
(x2)−40℃〜150℃の温度範囲で、周波数10rad/sで動的粘弾性測定して得られる損失正接tanδの最大値が、0.7〜5.0であり、tanδの値が最大となる際の温度が−40℃〜40℃の範囲にある。
以下、(x1)〜(x2)の各要件について説明する。
〔要件(x1)〕
本発明の4−メチル−1−ペンテン系重合体組成物から得られる1mm厚プレスシートの内部ヘイズが0.01〜20、好ましくは0.01〜15、より好ましくは0.01〜10の範囲にある。
上記範囲は組成物中の4−メチル−1−ペンテン共重合体(A)および4−メチル−1−ペンテン共重合体(B)、軟化剤(C)の比率や種類により調整することが可能であり、内部ヘイズの値が上記範囲にある4−メチル−1−ペンテン系重合体組成物は、それぞれの成分がよく相溶しており、透明性に優れる傾向にある。
〔要件(x2)〕
−40℃〜150℃の温度範囲で、周波数10rad/sで動的粘弾性測定して得られる損失正接tanδの最大値が、0.7〜5.0、好ましくは0.7〜4.0、さらに好ましくは0.8〜4.0である。またtanδの値が最大となる際の温度が−40℃〜40℃の範囲、好ましくは−30℃〜40℃の範囲、より好ましくは−25℃〜40℃の範囲にある。
tanδの最大値がこれらの範囲内にあれば、4−メチル−1−ペンテン系重合体組成物は優れた応力吸収性を発揮することが可能である。tanδの最大値は4−メチル−1−ペンテン系重合体(A)および4−メチル−1−ペンテン共重合体(B)に含まれるα−オレフィンの量、または前記組成物中の4−メチル−1−ペンテン系重合体(A)と他の成分との混合比などにより制御することができる。
本発明の4−メチル−1−ペンテン系重合体組成物は、4−メチル−1−ペンテン系重合体(A)に軟化剤(C)が良好に相溶し、また、4−メチル−1−ペンテン共重合体(B)を含む場合は、4−メチル−1−ペンテン共重合体(B)に比べて融点(Tm)が高い4−メチル−1−ペンテン系重合体(A)に、低融点もしくは融点を持たない4−メチル−1−ペンテン共重合体(B)を相溶させることによって、4−メチル−1−ペンテン系重合体組成物中に4−メチル−1−ペンテン系重合体(A)が適度に分散して微架橋構造をとっていると推測されることから、他の熱可塑性樹脂との組成物とは異なり優れた透明性を維持したまま、耐熱性と応力吸収性、低温性を両立させることができる。また微架橋構造により、引張弾性や応力緩和などのゴム弾性を示し、また軟化剤のブリードアウトを抑制される。
〈4−メチル−1−ペンテン系重合体組成物の製造方法〉
本発明の4−メチル−1−ペンテン系重合体組成物は、種々公知の方法で、前記4−メチル−1−ペンテン系重合体(A)、前記4−メチル−1−ペンテン共重合体(B)、および前記軟化剤(C)の各成分を所定の量で、さらに必要に応じて、その他の成分を混合することにより得ることができる。
各成分の混合方法としては、具体的には、例えば、多段重合法、プラストミル、ヘンシェルミキサー、V−ブレンダー、リボンブレンダー、タンブラー、ブレンダー、ニーダールーダー等で混合する方法、あるいは混合後、一軸押出機、二軸押出機、ニーダー、バンバリーミキサー等で溶融混練後、造粒あるいは粉砕する方法を採用することができる。また押出機による造粒の過程で軟化剤を押出機中に添加する方法を採用することも出来る。当該方法により、各成分および添加剤が均一に分散混合された高品質の4−メチル−1−ペンテン系重合体組成物を得ることができる。
〈4−メチル−1−ペンテン系重合体組成物からなる成形体〉
本発明の4-メチル-1-ペンテン系重合体組成物を含む成形体は、例えば、押出成形、射出成形、インフレーションフィルム成形、T−ダイフィルム成形などのフィルム成形、ブロー成形、押出ブロー成形、射出ブロー成形、プレス成形、スタンピング成形、真空成形、カレンダー成形、フィラメント成形、発泡成形、パウダースラッシュ成形などの公知の成形方法により得られる。
《4−メチル−1−ペンテン系重合体組成物からなるフィルム・シート》
本発明の4−メチル−1−ペンテン系重合体組成物を含む成形体としては、フィルムおよびシートが挙げられる。
本発明の4−メチル−1−ペンテン系重合体組成物は、4−メチル−1−ペンテン系重合体(A)と軟化剤(C)が良好に相溶し、さらに、4−メチル−1−ペンテン共重合体(B)を含む場合は、4−メチル−1−ペンテン共重合体(B)に比べて融点(Tm)が高い4−メチル−1−ペンテン系重合体(A)に、低融点もしくは融点を持たない4−メチル−1−ペンテン共重合体(B)を相溶させることによって、4−メチル−1−ペンテン系重合体組成物中に4−メチル−1−ペンテン系重合体(A)が分散して微架橋構造をとっていると推測されるため、当該共重合体組成物からなるフィルムおよびシートは透明で耐熱、低温性、応力吸収性に優れている。
また、用いる4−メチル−1−ペンテン系重合体(A)の組成比を変えることで、応力吸収性、耐熱性を制御することができ、また軟化剤の配合量を制御することで柔軟性、低温性に優れた性質を示す。また、4−メチル−1−ペンテン系重合体組成物は、上述した軟化剤のブリードアウトを抑制できることにより従来の組成物では発生していたフィルムでのべたつきが少なくなる特徴を有している。
また、本発明に係るフィルム・シート(以下、単にフィルムと呼称する場合がある。)は、本発明の4−メチル−1−ペンテン系重合体組成物から得られる単層フィルムのほか、本発明の4−メチル−1−ペンテン系重合体組成物から得られるフィルムを少なくとも一層含む積層フィルムであることも好ましい態様である。このような積層フィルムを得る方法は種々公知のフィルムの成形方法を用い得る。具体的には、例えば、T−ダイフィルム成形またはインフレーションフィルム成形を用いて得られた他の熱可塑性重合体からなるフィルムの表面層上に、本発明の4−メチル−1−ペンテン系重合体組成物を押出ラミネーション、押出コーティング等の公知の積層法により積層する方法、本発明の4−メチル−1−ペンテン系重合体組成物と他の熱可塑性重合体を多層ダイを用いて共押出成形して積層フィルムとする方法、本発明の4−メチル−1−ペンテン系重合体組成物と他の熱可塑性重合体を用いてそれぞれフィルムを得た後、各々のフィルムをドライラミネーションにより積層する方法等が挙げられる。
上記好ましい形態としてフィルム表面層に本発明のフィルムを含む多層型の表面保護フィルムとして好適に利用できる。また、4−メチル−1−ペンテン共重合体(B)の持つ粘着性を生かすことで、粘着層と衝撃吸収層を両立させる材料として好適に利用できる。
〈用途〉
本発明の4−メチル−1−ペンテン系重合体組成物、当該重合体組成物からなる成形体は、tanδのピーク値が大きくなるという特徴を有し、耐熱性、透明性、低温性に優れた特性を発揮する。そのため、制振性・免震性等が必要な衝撃吸収部材、等の用途に特に有用であり、かつ透明性を有していることから意匠性にも有用である。
衝撃吸収部材の具体例としては、健康用品、介護用品(例:転倒防止フィルム・マット・シート)、衝撃吸収パッド、プロテクター・保護具(例:ヘルメット、ガード)、スポーツ用品(例:スポーツ用グリップ)、スポーツ用防具、ラケット、ボール、運搬用具(例:運搬用衝撃吸収グリップ、衝撃吸収シート)、健康器具、産業用材料(例:制振パレット、衝撃吸収ダンパー、履物用衝撃吸収部材、衝撃吸収発泡体、衝撃吸収フィルム・シート)、自動車用衝撃吸収部材(例:バンパー衝撃吸収部材、クッション部材)等に好適に用いられる。
本発明の4−メチル−1−ペンテン系重合体組成物を含むフィルム・シートの具体例としては、包装用フィルムおよびシート、自動車部材用フィルムおよびシート、工業用フィルムおよびシート、農業・土木用フィルムおよびシート、医療用、細胞培養用のフィルムおよびシート、電気・電子機器部材用フィルムおよびシート、生活雑貨用フィルムおよびシート等に好適に用いられる。さらに、透明性と衝撃吸収性を生かしたディスプレイ等の衝撃保護フィルム等に好適に用いられる。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、実施例において各物性は以下のように測定した。
[極限粘度[η]]
デカリン溶媒を用いて、135℃で測定した値である。すなわち重合パウダー、ペレットまたは樹脂塊約20mgをデカリン15mlに溶解し、135℃のオイルバス中で比粘度ηspを測定した。このデカリン溶液にデカリン溶媒を5ml追加して希釈後、同様にして比粘度ηspを測定した。この希釈操作をさらに2回繰り返し、濃度(C)を0に外挿した時のηsp/Cの値を極限粘度として求めた(下式参照)。
[η]=lim(ηsp/C) (C→0)
[MFR]
4−メチル−1−ペンテン系重合体(A)および4−メチル−1−ペンテン共重合体(B)のMFRは、JIS K7210に準拠して、260℃で5kgの荷重、または230℃、2.16kgの荷重にて測定した。プロピレン系重合体は、230℃、2.16kg荷重の条件で測定した。
[重量平均分子量(Mw)、分子量分布(Mw/Mn)]
4−メチル−1−ペンテン系重合体(A)および4−メチル−1−ペンテン共重合体(B)の重量平均分子量(Mw)、分子量分布(Mw/Mn)は、Waters社製ゲル浸透クロマトグラフAlliance GPC−2000型を用い、以下のようにして測定した。
分離カラムは、TSKgel GNH6−HTを2本およびTSKgel GNH6−HTLを2本であり、カラムサイズはいずれも直径7.5mm、長さ300mmであり、カラム温度は140℃とし、移動相にはo−ジクロロベンゼン(和光純薬工業)および酸化防止剤としてBHT(武田薬品)0.025重量%を用い、1.0ml/分で移動させ、試料濃度は15mg/10mLとし、試料注入量は500マイクロリットルとし、検出器として示差屈折計を用いた。標準ポリスチレンは、分子量がMw<1000およびMw>4×106については東ソー社製を用い、1000≦Mw≦4×106についてはプレッシャーケミカル社製を用いた。
[重合体中の4−メチル−1−ペンテン、α−オレフィン含量]
重合体中の4−メチル−1−ペンテンおよびα−オレフィン含量の定量化は、以下の装置および条件により13C−NMRにより測定した結果から行った。
日本電子株式会社製ECP500型核磁気共鳴装置を用い、溶媒としてオルトジクロロベンゼン/重ベンゼン(80/20容量%)混合溶媒,試料濃度55mg/0.6mL、測定温度120℃、観測核は13C(125MHz)、シーケンスはシングルパルスプロトンデカップリング、パルス幅は4.7μ秒(45°パルス)、繰り返し時間は5.5秒、積算回数は1万回以上、27.50ppmをケミカルシフトの基準値として測定した。得られた13C−NMRスペクトルにより、4−メチル−1−ペンテン、α−オレフィンの組成を定量化した。
[融点(Tm)]
4−メチル−1−ペンテン系重合体(A)および4−メチル−1−ペンテン共重合体(B)の融点(Tm)は、セイコーインスツルメンツ社製DSC測定装置(DSC220C)を用い、測定用アルミパンに約5mgの試料をつめて、10℃/分で250℃まで昇温し、250℃で5分間保持した後、10℃/分で−50℃まで降温させた後に、10℃/分で250℃まで昇温させた際の結晶溶融ピークのピーク頂点から融点(Tm)を算出した。重合体が複数のピークを有する場合は、最も高温側に位置するピークの頂点を融点(Tm)として定義した。
[各種測定用シートの作製法]
4−メチル−1−ペンテン系重合体(A)、4−メチル−1−ペンテン共重合体(B)および4−メチル−1−ペンテン系重合体組成物を、200〜260℃に設定した神藤金属工業社製油圧式熱プレス機(NS−50)を用い、ゲージ圧10MPaでシート成形した。1〜3mm厚のシート(スペーサー形状;240×240×2mm厚の板に200×200×1〜2mm)の場合、予熱を5〜7分程度し、ゲージ圧10MPaで1〜2分間加圧した後、20℃に設定した別の神藤金属工業社製油圧式熱プレス機を用い、ゲージ圧10MPaで圧縮し、5分程度冷却して測定用試料を作成した。熱板として5mm厚の真鍮板を用いた。上記方法により作製したサンプルを用いて各種物性評価試料に供した。
[密度]
密度測定は、上記の方法で得られた1mm厚プレスシートを30mm角に切り取り、JIS K6268に準拠して、電子比重計を用いて水中置換方法で測定した。
[動的粘弾性測定]
tanδピーク値とピーク温度は、上記の方法で得られた3mm厚プレスシートを45mm×10mmに切り取り、ANTONPaar社製MCR301を用いて、10rad/sの周波数で−40〜150℃までの動的粘弾性の温度依存性を測定した。
[内部ヘイズ(%)]
内部ヘイズは、上記の方法で得られた1mm厚プレスシートを試験片として用いて、ベンジルアルコール中で日本電色工業株式会社製のデジタル濁度計(NDH−20D)にて測定した。
[低温性]
低温性の確認は、上記の方法で得られた1mm厚プレスシートを試験片として用いて、38mm×5mmに切り取り、ASTM D746に準拠して試験片の全本数の50%が破壊するときの温度を測定した。この結果より、0℃で試験した際の試験片の破壊本数を下記のように記載した。
○:全て破壊されなかった(0℃での低温性良好)。
×:全本数の50%以上が破壊された。
[耐熱性]
耐熱性は、上記の方法で得られた1mm厚プレスシートを縦50×横10mmに切り抜いたものを試験片として使用した。熱風乾燥機中に80℃で24時間吊り下げて保管し、保管前後での試験片の寸法変化を確認した。特に縦方向の変化長から、80℃での耐熱性を下記のように記載した。
○:形状変化がなかった(80℃での耐熱性良好)。
△:5mm以下の形状変化が発生した。
×:5mm以上の形状変化が発生した。
[引張ゴム弾性]
引張ゴム弾性は、上記の方法で得られた1mm厚プレスシートを縦50×横10mmに切り抜いたものを試験片として使用した。室温23℃下で、縦方向に手で20%伸張させた後、手を離して静置させ元の長さに戻るまでの状態を確認し、下記のように記載した。
○:縦方向に元の長さ±5mmの範囲まで迅速に戻った。
△:時間がかかったが元の長さ±5mmの範囲まで戻った。
×:元の長さまで戻らなかった。
[合成例1]4−メチル−1−ペンテン系重合体(A)の製造
[合成例1−1]4−メチル−1−ペンテン共重合体の製造(A1−1)
充分窒素置換した容量1.5リットルの攪拌翼付SUS製オートクレーブに、23℃でノルマルヘキサン300ml(乾燥窒素雰囲気、活性アルミナ上で乾燥したもの)、4−メチル−1−ペンテンを450ml装入した。このオートクレーブに、トリイソブチルアルミニウム(TIBAL)の1.0mmol/mlトルエン溶液を0.75ml装入し攪拌機を回した。
次に、オートクレーブを内温60℃まで加熱し、全圧が0.19MPa(ゲージ圧)となるようにプロピレンで加圧した。続いて、予め調製しておいた、メチルアルミノキサンをAl換算で1mmol、ジフェニルメチレン(1−エチル−3−t−ブチル−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−フルオレニル)ジルコニウムジクロリドを0.01mmolを含むトルエン溶液0.34mlを窒素でオートクレーブに圧入し、重合を開始した。重合反応中、オートクレーブ内温が60℃になるように温度調整した。重合開始60分後、オートクレーブにメタノール5mlを窒素で圧入し重合を停止し、オートクレーブを大気圧まで脱圧した。反応溶液にアセトンを攪拌しながら注いだ。
得られた溶媒を含むパウダー状の重合体を100℃、減圧下で12時間乾燥した。得られた重合体は44.0gで、重合体中の4−メチル−1−ペンテン含量は84.1モル%、プロピレン含量は15.9モル%であった。重合体の融点(Tm)は132℃であり、極限粘度[η]は1.5dl/gであった。
各種物性について測定した結果を表1に示す。
[合成例1−2]4−メチル−1−ペンテン共重合体(A2−1)の製造
充分窒素置換した容量1.5リットルの攪拌翼付SUS製オートクレーブに、23℃で4−メチル−1−ペンテンを750ml装入した。このオートクレーブに、トリイソブチルアルミニウム(TIBAL)の1.0mmol/mlトルエン溶液を0.75ml装入し攪拌機を回した。
次に、オートクレーブを内温60℃まで加熱し、全圧が0.15MPa(ゲージ圧)となるようにプロピレンで加圧した。続いて、予め調製しておいた、メチルアルミノキサンをAl換算で1mmol、ジフェニルメチレン(1−エチル−3−t−ブチル−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−フルオレニル)ジルコニウムジクロリドを0.005mmolを含むトルエン溶液0.34mlを窒素でオートクレーブに圧入し、重合を開始した。重合反応中、オートクレーブ内温が60℃になるように温度調整した。重合開始60分後、オートクレーブにメタノール5mlを窒素で圧入し重合を停止し、オートクレーブを大気圧まで脱圧した。反応溶液にアセトンを攪拌しながら注いだ。
得られた溶媒を含むパウダー状の重合体を130℃、減圧下で12時間乾燥した。得られた重合体は45.9gで、重合体中の4−メチル−1−ペンテン含量は92.3モル%、プロピレン含量は7.7モル%であった。重合体の融点(Tm)は178℃であり、極限粘度[η]は1.6dl/gであった。
各種物性について測定した結果を表1に示す。
[合成例1−3]4−メチル−1−ペンテン共重合体(A2−2)の製造
国際公開2006/054613号パンフレットの比較例7や比較例9の方法に準じ、4−メチル1−ペンテン、1−デセン、水素の割合を変更することによって、表1に示す物性を有する4−メチル−1−ペンテン共重合体(A2−2)を得た。
[合成例2]4−メチル−1−ペンテン共重合体(B)の製造
[合成例2−1]4−メチル−1−ペンテン共重合体(B−1)の製造
充分窒素置換した容量1.5リットルの攪拌翼付SUS製オートクレーブに、23℃でノルマルヘキサン300ml(乾燥窒素雰囲気、活性アルミナ上で乾燥したもの)、4−メチル−1−ペンテンを450ml装入した。このオートクレーブに、トリイソブチルアルミニウム(TIBAL)の1.0mmol/mlトルエン溶液を0.75ml装入し攪拌機を回した。
次に、オートクレーブを内温60℃まで加熱し、全圧が0.40MPa(ゲージ圧)となるようにプロピレンで加圧した。続いて、予め調製しておいた、メチルアルミノキサンをAl換算で1mmol、ジフェニルメチレン(1−エチル−3−t−ブチル−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−フルオレニル)ジルコニウムジクロリドを0.01mmolを含むトルエン溶液0.34mlを窒素でオートクレーブに圧入し、重合を開始した。重合反応中、オートクレーブ内温が60℃になるように温度調整した。重合開始60分後、オートクレーブにメタノール5mlを窒素で圧入し重合を停止し、オートクレーブを大気圧まで脱圧した。反応溶液にアセトンを攪拌しながら注いだ。
得られた溶媒を含むパウダー状の重合体を100℃、減圧下で12時間乾燥した。得られた重合体は36.9gで、重合体中の4−メチル−1−ペンテン含量は72.5モル%、プロピレン含量は27.5モル%であった。重合体の融点(Tm)は観察されず、極限粘度[η]は1.5dl/gであった。
各種物性について測定した結果を表1に示す。
Figure 2014208797
[実施例1]
合成例1−1で得た4−メチル−1−ペンテン系重合体(A1−1)100質量部に対して、軟化剤(C)として鉱物油系プロセスオイル (出光興産(株)製、商品名 PW−90)を15質量部、耐熱安定剤としてのn−オクタデシル−3−(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)プロピネートを0.2質量部、配合した。然る後に、株式会社プラスチック工学研究所社製2軸押出機BT−30(スクリュー系30mmφ、L/D=46)を用い、設定温度280℃、樹脂押出量60g/minおよび200rpmの条件で造粒して評価用ペレットを得た。
該ペレットを上記条件で成形して得たフィルムの各種物性測定結果を表2−1に示した。
[実施例2]
合成例1−1で得た4−メチル−1−ペンテン重合体(A1−1)25質量部と合成例2−1で得た4−メチル−1−ペンテン共重合体(B−1)75質量部、(A1−1)と(B−1)の合計量:100質量部に対して軟化剤(C)として鉱物油系プロセスオイル (出光興産(株)製、商品名 PW−90)を15質量部混合して、実施例1と同量の耐熱安定剤を配合して、同条件にて押出造粒して評価用ペレットを得た。
該ペレットを上記条件で成形して得たフィルムの各種物性測定結果を表2−1に示した。
[実施例3]
合成例1−1で得た4−メチル−1−ペンテン重合体(A1−1)25重量部と合成例2−1で得た4−メチル−1−ペンテン共重合体(B−1)75質量部、(A1−1)と(B−1)の合計量:100質量部に対して軟化剤(C)として鉱物油系プロセスオイル (出光興産(株)製、商品名 PW−90)を30質量部混合して、実施例1と同量の耐熱安定剤を配合して、同条件にて押出造粒して評価用ペレットを得た。
該ペレットを上記条件で成形して得たフィルムの各種物性測定結果を表2−1に示した。
[実施例4]
合成例1−1で得た4−メチル−1−ペンテン重合体(A1−1)25質量部と合成例2−1で得た4−メチル−1−ペンテン共重合体(B−1)75質量部、(A1−1)と(B−1)の合計量:100質量部に対して軟化剤(C)として鉱物油系プロセスオイル (出光興産(株)製、商品名 NS−90S)を15質量部混合して、実施例1と同量の耐熱安定剤を配合して、同条件にて押出造粒して評価用ペレットを得た。
該ペレットを上記条件で成形して得たフィルムの各種物性測定結果を表2−1に示した。
[実施例5]
合成例1−1で得た4−メチル−1−ペンテン重合体(A1−1)40質量部と合成例2−1で得た4−メチル−1−ペンテン共重合体(B−1)60質量部、(A1−1)と(B−1)の合計量:100質量部に対して軟化剤(C)として鉱物油系プロセスオイル (出光興産(株)製、商品名 PW−90)を15質量部混合して、実施例1と同量の耐熱安定剤を配合して、同条件にて押出造粒して評価用ペレットを得た。
該ペレットを上記条件で成形して得たフィルムの各種物性測定結果を表2−1に示した。
[実施例6]
合成例1−2で得た4−メチル−1−ペンテン重合体(A2−1)25質量部と合成例2−1で得た4−メチル−1−ペンテン共重合体(B−1)75質量部、(A2−1)と(B−1)の合計量:100質量部に対して、軟化剤(C)として鉱物油系プロセスオイル(出光興産(株)製、商品名 PW−100)を15質量部混合して、実施例1と同量の耐熱安定剤を配合して、同条件にて押出造粒して評価用ペレットを得た。
該ペレットを上記条件で成形して得たフィルムの各種物性測定結果を表2−1に示した。
[実施例7]
合成例1−3で得た4−メチル−1−ペンテン重合体(A2−2)10質量部と合成例2−1で得た4−メチル−1−ペンテン共重合体(B−1)90質量部、(A2−2)と(B−1)の合計量:100質量部に対して軟化剤(C)として鉱物油系プロセスオイル (出光興産(株)製、商品名 PW−100)を15重量部混合して、実施例1と同量の耐熱安定剤を配合して、同条件にて押出造粒して評価用ペレットを得た。
該ペレットを上記条件で成形して得たフィルムの各種物性測定結果を表2−1に示した。
[実施例8]
合成例1−3で得た4−メチル−1−ペンテン重合体(A2−2)10質量部と合成例2−1で得た4−メチル−1−ペンテン共重合体(B−1)90質量部、(A2−2)と(B−1)の合計量:100質量部に対して軟化剤(C)として液状ポリブテン (JX日鉱日石エネルギー株式会社製、商品名 HV−100)を15質量部混合して、実施例1と同量の耐熱安定剤を配合して、同条件にて押出造粒して評価用ペレットを得た。
該ペレットを上記条件で成形して得たフィルムの各種物性測定結果を表2−2に示した。
[実施例9]
合成例1−3で得た4−メチル−1−ペンテン重合体(A2−2)10質量部と合成例2−1で得た4−メチル−1−ペンテン共重合体(B−1)90質量部、(A2−2)と(B−1)の合計量:100質量部に対して軟化剤(C)として液状エチレン・α-オレフィン共重合体 (三井化学株式会社製、商品名 ルーカントHC−150)を15質量部混合して、実施例1と同量の耐熱安定剤を配合して、同条件にて押出造粒して評価用ペレットを得た。
該ペレットを上記条件で成形して得たフィルムの各種物性測定結果を表2−2に示した。
[比較例1]
合成例2−1で得た4−メチル−1−ペンテン重合体(B−1)100質量部を用い、実施例1と同量の耐熱安定剤を配合して、同条件にて押出造粒して評価用ペレットを得た。
該ペレットを上記条件で成形して得たシートの各種物性測定結果を表2に示した。
[比較例2]
合成例1−2で得た4−メチル−1−ペンテン重合体(A2−1)100質量部に対して軟化剤(C)として鉱物油系プロセスオイル (出光興産(株)製、商品名 PW−90)を15質量部混合して、実施例1と同量の耐熱安定剤を配合して、同条件にて押出造粒して評価用ペレットを得た。
該ペレットを上記条件で成形して得たシートの各種物性測定結果を表2−2に示した。
[比較例3]
合成例1−2で得た4−メチル−1−ペンテン重合体(A2−1)25質量部と合成例2−1で得た4−メチル−1−ペンテン共重合体(B−1)75質量部を混合して、実施例1と同量の耐熱安定剤を配合して、同条件にて押出造粒して評価用ペレットを得た。
該ペレットを上記条件で成形して得たフィルムの各種物性測定結果を表2−2に示した。
[比較例4]
合成例2−1で得た4−メチル−1−ペンテン共重合体(B−1)60質量部とエチレン・α−オレフィン共重合体(三井化学(株)製 商品名タフマーA0550S)40質量部を混合して、実施例1と同量の耐熱安定剤を配合して、同条件にて押出造粒して評価用ペレットを得た。
該ペレットを上記条件で成形して得たフィルムの各種物性測定結果を表2−2に示した。
Figure 2014208797
Figure 2014208797

Claims (5)

  1. 下記の要件(a)〜(c)を満たす4−メチル−1−ペンテン系重合体(A)を10〜100質量部、下記要件(o)〜(q)を満たす4−メチル−1−ペンテン共重合体(B)を90〜0質量部(ただし、(A)成分と(B)成分との合計を100質量部とする)、および、(A)成分と(B)成分との合計量100質量部に対して、軟化剤(C)を5〜150質量部を含んでなることを特徴とする4−メチル−1−ペンテン系重合体組成物。
    (a)4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位を80〜100モル%、炭素原子数2〜20のα−オレフィンの少なくとも1種から導かれる構成単位が0〜20モル%の範囲にある〔但し、4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位とα−オレフィンから導かれる構成単位との合計量を100モル%とする。〕。
    (b)135℃、デカリン溶媒中で測定した極限粘度[η]が0.5〜5.0dl/gの範囲にある。
    (c)DSCで測定した融点(Tm)が110℃〜240℃の範囲にある。
    (o)4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位が79〜60モル%、炭素原子数2〜4のα−オレフィン(4−メチル−1−ペンテンを除く)の少なくとも1種から導かれる構成単位が40〜21モル%の範囲にある〔但し、4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位とα−オレフィンから導かれる構成単位との合計量を100モル%とする。〕。
    (p)135℃、デカリン溶媒中で測定した極限粘度[η]が0.5〜5.0dl/gの範囲にある。
    (q)DSCで測定した融点(Tm)が110℃未満または融点が観測されない。
  2. 4−メチル−1−ペンテン系重合体(A)を10〜60質量部、4−メチル−1−ペンテン共重合体(B)90〜40質量部(但し、(A)成分と(B)成分との合計を100質量部とする。)、および、(A)成分と(B)成分との合計量100質量部に対して、軟化剤(C)を5〜150質量部とを含んでなる請求項1に記載の4−メチル−1−ペンテン系重合体組成物。
  3. 下記要件を満たすことを特徴とする請求項1に記載の4−メチル−1−ペンテン系重合体組成物。
    (X1)1mm厚プレスシートの内部ヘイズ値が0.01〜20の範囲にある。
    (X2)−40℃〜150℃の温度範囲で、周波数10rad/sで動的粘弾性測定して得られる損失正接tanδの最大値が、0.7〜5.0であり、tanδの値が最大となる際の温度が−40℃〜40℃の範囲にある。
  4. 請求項1に記載の4−メチル−1−ペンテン系重合体組成物を含んでなる成形体。
  5. 請求項1に記載の4−メチル−1−ペンテン系重合体組成物を含んでなるフィルムまたはシート。
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