JP7189923B2 - 組成物および成形体 - Google Patents

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本発明は、高圧法低密度ポリエチレンを含む組成物および当該組成物を含む成形体に関する。
高圧法低密度ポリエチレン(LDPE)は汎用樹脂として広く用いられてきたが、耐環境応力亀裂性(耐ストレスクラッキング性またはESCRともいう)が劣る性質があることは知られており、界面活性剤溶液等に接触する可能性のある用途や、継続的に応力の発生する用途等には適用できない問題があり、適用できる用途には制約があった。
一方、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)は高圧法低密度ポリエチレン(LDPE)に比べてESCRに優れる傾向にあることが知られている。また、高密度ポリエチレン(HDPE)の中でもその分子構造が直鎖状であるものについては、高圧法低密度ポリエチレン(LDPE)に比べるとESCRに優れる傾向にあることもまた知られている。
特許文献1には、LDPEのESCRの改良を目的に、LDPEとエチレン-α-オレフィン共重合体との組成物にすることの開示がある。また、非特許文献1は、LDPEとエチレン・酢酸ビニル共重合体とからなる組成物の耐環境応力亀裂性の発現メカニズムに言及している。
特開平9-111063号公報
Journal of Applied Polymer Science 2014,131m 39880
LLDPEはその特有の機械強度ゆえに、引張伸びが大きいため、すなわち成形体の引きちぎり性あるいは引き裂き性(以下、代表して引きちぎり性と記載する)に劣る傾向にあるという問題点があり、また、HDPEやポリプロピレンは柔軟性に劣る問題がある。
LDPEにLLDPE等のエチレン-α-オレフィン共重合体を混合して組成物にした場合、配合比によってはESCR向上の効果が認められるのの、引きちぎり性が低下する傾向が認められ、ESCRと引きちぎり性を優れたバランスで達成することが困難であった。また先述した非特許文献1に開示の組成物の場合、引きちぎり性については不明であるが、機械物性、とくに衝撃強度の低下が懸念され、また比重が増大することによる製品重量増大の問題や、吸湿性および臭気など、長期安定性や衛生性の問題も懸念される。
本発明の課題は、高圧法低密度ポリエチレン(LDPE)の引きちぎり性を維持しながら、耐ストレスクラッキング性(ESCR)に優れる組成物を提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討を行った。その結果、特定の組成および物性を有する重合体を、高圧法低密度ポリエチレンに対して特定比率で含有する組成物が上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、以下の[1]~[4]に関する。
[1]高圧法低密度ポリエチレン(A)70~99質量部と、下記要件(B-1)~(B-3)を満たす重合体(B)1~30質量部(ただし、前記(A)および(B)の合計を100質量部とする)とを含む、組成物(X)。
(B-1)1-ブテンから導かれる構成単位(U1)と、エチレンから導かれる構成単位(U2)と、プロピレンから導かれる構成単位(U3)との含有量の合計Tを100モル%としたときに、前記U1の含有量が5~100モル%である。
(B-2)前記U2の含有量が全構成単位量の40モル%以下である。
(B-3)動的粘弾性測定により測定されたガラス転移温度(Tg)が、
-15℃以下である。
[2]前記要件(B-1)において、U1~U3の含有量の合計T 100モル%中、U1の含有量が50~100モル%である、前記[1]に記載の組成物(X)。
[3]前記要件(B-1)において、U1~U3の含有量の合計T 100モル%中、U1の含有量が5~50モル%である、前記[1]に記載の組成物(X)。
[4]前記[1]~[3]のいずれか1項に記載の組成物(X)を含む成形体。
本発明によれば、高圧法低密度ポリエチレン(LDPE)の引きちぎり性を維持しながら、耐ストレスクラッキング性(ESCR)に優れる組成物を提供することができる。
以下、本発明の組成物(X)および成形体について詳説する。
[組成物(X)]
本発明の組成物(X)は、高圧法低密度ポリエチレン(A)70~99質量部と、後述する要件(B-1)~(B-3)を満たす重合体(B)1~30質量部とを含む。ただし、前記(A)および(B)の合計を100質量部とする。以下、前記(A)および(B)をそれぞれ「成分(A)」および「成分(B)」ともいう。
組成物(X)は、好ましくは成分(A)を75~95質量部、成分(B)を5~25質量部の範囲で含み、より好ましくは成分(A)を80~95質量部、成分(B)を5~20質量部の範囲で含み、さらに好ましくは成分(A)を80~92質量部、成分(B)を8~20質量部の範囲で含む。ただし、前記(A)および(B)の合計を100質量部とする。このような態様であると、ESCRと引きちぎり性を両立できる点で好ましい。
組成物(X)は、その用途に応じて、本発明の効果を阻害しない範囲で、成分(A)および(B)以外の他の重合体(以下「他の重合体(C)」または「成分(C)」ともいう)ならびに樹脂用添加剤(以下「添加剤(D)」ともいう)から選ばれる少なくとも1種を任意に含むことができる。
組成物(X)は、成分(A)および(B)を合計で70質量%以上含有することが好ましく、より好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上、特に好ましくは95質量%以上、とりわけ好ましくは98質量%以上である。このような態様であると、得られる成形体の外観の点で好ましい。成分(A)および(B)の合計含有量の上限は100質量%であってもよいが、組成物(X)が例えば他の重合体(C)および/または添加剤(D)等の成分を含む場合、前記上限はこれらの成分の含有量により決定される。
〔高圧法低密度ポリエチレン(A)〕
高圧法低密度ポリエチレン(A)としては公知のものを制約なく用いることができる。高圧法低密度ポリエチレンとは、一般にエチレンを高温高圧下においてラジカル重合することによって得られるポリエチレンであり、その製造方法としては、特に限定されるものではないが、例えば500~2000気圧、150~300℃の条件下でラジカル重合させるラジカル重合法等が挙げられ、ここで重合開始剤としては、例えば有機過酸化物が挙げられる。
成分(A)は、ASTM D1505に準拠して測定した密度が900~925kg/m3の範囲にあることが好ましく、より好ましくは910~925kg/m3である。
成分(A)は、ASTM D1238に準拠して、190℃、2.16kg荷重の条件で測定したメルトフローレート(MFR)が0.1~50g/10分の範囲にあることが好ましく、より好ましくは1~20g/10分である。
〔重合体(B)〕
重合体(B)が満たす要件(B-1)~(B-3)について説明する。また、重合体(B)は後述する要件(B-4)および/または(B-5)を満たすことが好ましく、これらについても説明する。
《要件(B-1)》
成分(B)は、1-ブテンから導かれる構成単位(U1)と、エチレンから導かれる構成単位(U2)と、プロピレンから導かれる構成単位(U3)との含有量の合計Tを100モル%としたときに、前記U1の含有量が5~100モル%である。
成分(B)の一態様において、前記U1の含有量は、前記合計T 100モル%中、好ましくは50~100モル%、より好ましくは70~100モル%である。以下、この範囲を「好ましい範囲(1)」ともいう。前記U1の含有量が上記範囲にあることによってESCRに優れた組成物(X)を得ることができ、それは1-ブテンからなる結晶生成量が十分となり、結果として亀裂伝搬耐性に優れる成形体になるからであると考えられる。
成分(B)の他の一態様において、前記U1の含有量は、前記合計T 100モル%中、好ましくは5~50モル%、より好ましくは5~35モル%である。以下、この範囲を「好ましい範囲(2)」ともいう。前記U1の含有量が上記範囲にあることによってESCRに優れた組成物(X)を得ることができ、それはエチレンまたはプロピレンからなる結晶生成量が適切な範囲となり、結果として亀裂伝搬耐性に優れる成形体になるからであると考えられる。この場合、前記U3の含有量は、前記合計T 100モル%中、好ましくは50~95モル%、より好ましくは65~95モル%である。
成分(B)中の各構成単位の含有量は、例えば、重合反応中に添加するそれぞれのモノマー量によって調整することができる。エチレンおよびプロピレンはその一方を用いてもよく、両者を併用してもよい。その比率は特に限定されない。
なお、前記U1、U2およびU3の含有量の合計は、成分(B)を構成する全構成単位量の通常は90モル%以上であり、好ましくは95モル%以上、より好ましくは98モル%以上、とりわけ好ましくは100モル%である。すなわち、成分(B)は、発明の効果を損なわない範囲であれば、1-ブテン、エチレン、プロピレン以外のモノマーから導かれる構成単位を有してもよい。他の構成単位としては、例えば、炭素数20以下のα-オレフィン(ただし、1-ブテンおよびプロピレンを除く)から導かれる構成単位が挙げられる。例えば、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセンが挙げられる。
《要件(B-2)》
成分(B)は、前記U2の含有量が全構成単位量の40モル%以下であり、好ましくは30モル%以下である。このような態様であれば、得られる組成物(X)の引きちぎり性とESCRが優れる。これは、高圧法低密度ポリエチレン(A)と重合体(B)との相溶化が抑制され、後述するように、組成物(X)において重合体(B)が島相となる海島構造が形成されやすくなるためと考えられる。
《要件(B-3)》
成分(B)は、動的粘弾性測定により測定されたガラス転移温度(Tg)が-15℃以下であり、好ましくは-18℃以下、より好ましくは-20℃以下である。下限については特に制約はないが、通常は-80℃である。ガラス転移温度(Tg)が上記範囲にあることによって、亀裂伝搬を防止する特性に優れた組成物(X)を得ることができ、それは分子鎖の運動性の高さに起因した応力吸収による効果と考えられる。
なお、動的粘弾性測定による損失弾性率(E'')が極大値を示す温度を、ガラス転移温度(Tg)とする。動的粘弾性測定は、窒素雰囲気で-90~200℃の温度範囲を3℃/分で昇温して行う。印加する歪は0.1%、周波数は1Hzとする。
ガラス転移温度(Tg)は、U1、U2およびU3の比率の調整によって上記範囲に調整可能である。例えば、U1の含有量を上記要件(B-1)の好ましい範囲(1)にすることでTgが上記範囲となりやすい。あるいは、U1の含有量を上記要件(B-1)の好ましい範囲(2)とし、かつ、U2の含有量を上記要件(B-2)の範囲とすることでやはりTgが上記範囲となりやすい。
《要件(B-4)》
成分(B)は、ASTM D1238に準拠して、190℃、2.16kg荷重の条件で測定したメルトフローレート(MFR)が0.1~100g/10分の範囲にあることが好ましく、より好ましくは0.1~50g/10分の範囲にある。このような態様であれば、成分(B)は耐環境応力亀裂性を示すに十分な分子量を有すると考えられる。メルトフローレート(MFR)は、成分(B)の製造時に重合系に水素を存在させ、その濃度を調整することや、重合温度の調節などによって調整可能である。
《要件(B-5)》
成分(B)は、ASTM D1505に準拠して測定した密度が830~940kg/m3の範囲にあることが好ましく、より好ましくは840~920kg/m3、さらに好ましくは850~910kg/m3である。
〔重合体(B)の製造方法〕
重合体(B)の製造方法は、下記オレフィン重合用触媒の存在下、1-ブテンを単独重合する、または、1-ブテンと、エチレンおよびプロピレンから選ばれる少なくとも1種とを共重合する工程を有する。上述した要件が満たされる限り、その他のモノマーをさらに共重合してもよい。
成分(B)を得る方法としては、チーグラー・ナッタ系触媒、メタロセン系触媒等のオレフィン重合用触媒の存在下に、モノマーを気相法、バルク法、スラリー法、溶液法等の公知の重合法により重合する方法が挙げられる。下記式(1)または(2)で表されるメタロセン化合物(b1)を用いて、前記モノマーを重合することが好ましい。
上記触媒は、メタロセン化合物(b1)に加えて、有機アルミニウムオキシ化合物(b21)、前記メタロセン化合物(b1)と反応してイオン対を形成する化合物(b22)、および有機アルミニウム化合物(b23)から選ばれる少なくても1種の成分(b2)を含むことが好ましい。また、上記触媒は、必要に応じて、粒子状担体(b3)を含んでもよい。
〈メタロセン化合物(b1)〉
Figure 0007189923000001
式(1)および(2)中、R2は炭化水素基またはケイ素含有炭化水素基であり、R1、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12はそれぞれ独立に水素、炭化水素基またはケイ素含有炭化水素基であり、R5からR12までの隣接した置換基は互いに結合して環を形成してもよく、Aは一部に不飽和結合および/または芳香族環を含んでいてもよい炭素数2~20の2価の炭化水素基であり、AはYと共に形成する環を含めて2つ以上の環構造を含んでいてもよく、Mは周期表第4族から選ばれる金属であり、Yは炭素またはケイ素であり、Qはハロゲン、炭化水素基、アニオン配位子または孤立電子対で配位可能な中性配位子から同一または異なる組合せで選ばれ、jは1~4の整数である。
炭化水素基としては、例えば、炭素数1~20の炭化水素基が挙げられ、具体的には、炭素数1~20のアルキル基、炭素数3~20のシクロアルキル基、炭素数7~20のアリールアルキル基、炭素数6~20のアリール基、炭素数7~20のアルキルアリール基が挙げられ、1つ以上の環構造を含んでいてもよい。その具体例としては、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、2-メチルプロピル、1,1-ジメチルプロピル、2,2-ジメチルプロピル、1,1-ジエチルプロピル、1-エチル-1-メチルプロピル、1,1,2,2-テトラメチルプロピル、sec-ブチル、tert-ブチル、1,1-ジメチルブチル、シクロヘキシル、フェニルが挙げられる。
ケイ素含有炭化水素基としては、例えば、ケイ素数1~4かつ炭素数3~20のアルキルシリル基、アリールシリル基が挙げられ、その具体例としては、トリメチルシリル、tert-ブチルジメチルシリル、トリフェニルシリルが挙げられる。
2は立体的に嵩高い炭化水素基またはケイ素含有炭化水素基であること、即ち2級または3級の置換基が好ましく、炭素数4以上の置換基であることがより好ましい。具体的な炭化水素基としては、イソプロピル、1,1-ジメチルプロピル、1,1-ジエチルプロピル、1-エチル-1-メチルプロピル、1,1,2,2-テトラメチルプロピル、sec-ブチル、tert-ブチル、1,1-ジメチルブチルが挙げられる。特に好ましくはtert-ブチルである。ケイ素含有炭化水素基としては、前記炭化水素基の一部または全部の炭素がケイ素に置換された基が挙げられる。
フルオレン環上のR5からR12までの隣接した置換基は、互いに結合して環を形成してもよい。そのような置換フルオレニル基としては、例えば、ベンゾフルオレニル、ジベンゾフルオレニルが挙げられる。また、フルオレン環上のR5からR12の置換基は、合成上の容易さから左右対称、すなわちR5=R12、R6=R11、R7=R10、R8=R9であることが好ましく、無置換フルオレン、3,6-二置換フルオレン、2,7-二置換フルオレンまたは2,3,6,7-四置換フルオレンであることがより好ましい。ここでフルオレン環上の3位、6位、2位、7位はそれぞれR7、R10、R6、R11に対応する。
式(1)中のR3とR4は、水素または炭化水素基が好ましく、それぞれ同一でも異なっていてもよい。炭化水素基の具体例としては、上記と同様のものを挙げることができる。式(1)中の-Y(R3)(R4)-の好ましい具体例としては、例えば、メチレン、ジメチルメチレン、ジイソプロピルメチレン、メチルtert-ブチルメチレン、ジシクロヘキシルメチレン、メチルシクロヘキシルメチレン、メチルフェニルメチレン、ジフェニルメチレンまたはジメチルシリレン、ジイソプロピルシリレンが挙げられる。
より好ましいYは炭素である。
式(1)または(2)中のR2がtert-ブチル基の場合、R1がメチル基またはエチル基であることが好ましく、好ましくはメチル基である。この場合の式(1)中のR3、R4はメチル基またはフェニル基であり、好ましくはメチル基である。またR3、R4は互いに同一であることが好ましい。更に式(1)および(2)中のR2がtert-ブチル基、R1がメチル基の場合、R5~R12が水素であるものでもよい。更に式(1)中のR2がtert-ブチル基、R1がエチル基の場合、R5、R7、R8、R9、R10、R12が水素であり、R6、R11がtert-ブチル基であるものが好適に使用される。
式(2)の場合は、Yは、一部に不飽和結合および/または芳香族環を含んでいてもよい炭素数2~20の2価の炭化水素基であるAと結合し、シクロアルキリデン基またはシクロメチレンシリレン基等を構成する。好ましい具体例として、例えば、シクロプロピリデン、シクロブチリデン、シクロペンチリデン、シクロヘキシリデンが挙げられる。
式(1)および(2)中のMは、周期表第4族から選ばれる金属であり、Mとしてはチタニウム、ジルコニウム、ハフニウムが挙げられる。Qはハロゲン、炭化水素基、アニオン配位子または孤立電子対で配位可能な中性配位子から同一または異なる組合せで選ばれる。ハロゲンの具体例としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素であり、炭化水素基の具体例としては、R1~R12における上記と同様のものが挙げられる。アニオン配位子の具体例としては、メトキシ、tert-ブトキシ等のアルコキシ基、フェノキシ等のアリーロキシ基、アセテート、ベンゾエート等のカルボキシレート基、メシレート、トシレート等のスルホネート基が挙げられる。孤立電子対で配位可能な中性配位子の具体例としては、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、ジフェニルメチルホスフィン等の有機リン化合物、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン、1,2-ジメトキシエタン等のエーテル類が挙げられる。これらのうち、Qは同一でも異なった組み合わせでもよいが、少なくとも一つはハロゲンまたはアルキル基であることが好ましい。
〈成分(b2)〉
成分(b2)は、有機アルミニウムオキシ化合物(b21)、前記メタロセン化合物(b1)と反応してイオン対を形成する化合物(b22)、および有機アルミニウム化合物(b23)から選ばれる少なくても1種である。
《成分(b21)》
成分(b21)としては、従来公知のアルミノキサンを使用できる。
《成分(b22)》
成分(b22)としては、特開平1-501950号公報や特開2004-51676号公報などに記載された、ルイス酸、イオン性化合物、ボラン化合物およびカルボラン化合物が挙げられる。さらに、ヘテロポリ化合物およびイソポリ化合物も挙げられる。
具体的には、トリフェニルボラン、トリス(o-トリル)ボラン、トリス(p-トリル)ボラン、トリス(3,5-ジメチルフェニル)ボラン等のトリアリールボラン;トリメチルボラン、トリイソブチルボラン等のトリアルキルボラン;トリス(4-フルオロフェニル)ボラン、トリス(3,5-ジフルオロフェニル)ボラン、トリス(4-フルオロメチルフェニル)ボラン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボランなどのフッ素含有アリール基を有する化合物などのハロゲン含有アリール基を有する化合物;トリフルオロボランが挙げられる。
《成分(b23)》
成分(b23)としては、例えば、Ra mAl(ORbnpqで表される有機アルミニウム化合物が挙げられる。前記式中、RaおよびRbは、それぞれ独立に炭素数1~15、好ましくは炭素数1~4の炭化水素基であり、Xはハロゲン原子であり、mは0<m≦3、nは0≦n<3、pは0≦p<3、qは0≦q<3の数であり、かつm+n+p+q=3である。
成分(b23)の具体例としては、例えば、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリn-ブチルアルミニウム等のトリn-アルキルアルミニウム;トリイソブチルアルミニウム等のトリ分岐鎖アルキルアルミニウム;ジイソプロピルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド等のジアルキルアルミニウムハイドライド;イソブチルアルミニウムメトキシド、イソブチルアルミニウムエトキシド等のアルキルアルミニウムアルコキシドが挙げられる。これらの中でも、トリn-アルキルアルミニウムおよびトリ分岐鎖アルキルアルミニウムが好ましく、トリメチルアルミニウムおよびトリイソブチルアルミニウムがより好ましい。
〈粒子状担体(b3)〉
粒子状担体(b3)としては、例えば、無機または有機の化合物であって、粒子状の固体が挙げられる。無機化合物としては、多孔質酸化物、無機ハロゲン化物、粘土、粘土鉱物、イオン交換性層状化合物が挙げられる。有機化合物としては、例えば、粒子状のα-オレフィン重合体が挙げられる。
〈重合条件〉
上記重合は、塊状重合、懸濁重合、溶解重合等の液相重合法または気相重合法のいずれでも実施できる。液相重合法では、不活性炭化水素溶媒を用いてもよく、具体的には、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン等の脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;これらの2種以上の混合物が挙げられる。また1-ブテンを含むオレフィン類自身を溶媒とする塊状重合を実施することもできる。
上記重合では、重合条件を段階的に変えて製造する所謂多段重合を行うことも出来る。例えば、水素使用量の異なる2種の条件で段階的に重合を実施することにより種々の分子量分布の重合体(B)を得ることも可能である。また、1-ブテンの単独重合と1-ブテンと他のオレフィンとの共重合を段階的に行うことにより、組成分布が制御された重合体(B)を得ることも可能である。
重合を行うに際して、成分(b1)は、反応容積1リットル当り、周期表第4族金属原子換算で通常は10-8~10-2モル、好ましくは10-7~10-3モルとなるような量で用いられる。成分(b21)は、成分(b21)中のアルミニウム原子と、成分(b1)中の周期表第4族金属原子(M)とのモル比[Al/M]が、通常は0.01~5000、好ましくは0.05~2000となるような量で用いられる。成分(b22)は、成分(b22)と成分(b1)中の周期表第4族金属原子(M)とのモル比[b22/M]が、通常は1~10、好ましくは1~5となるような量で用いられる。成分(b23)は、成分(b23)と成分(b1)中の周期表第4族金属原子(M)とのモル比[b23/M]が、通常は10~5000、好ましくは20~2000となるような量で用いられる。
重合温度は、通常は-50~200℃、好ましくは0~100℃、より好ましくは20~100℃の範囲である。重合圧力は、通常は常圧~10MPaゲージ圧、好ましくは常圧~5MPaゲージ圧の条件下であり、重合反応は、回分式、半連続式、連続式のいずれの方法においても行うことができる。さらに重合を反応条件の異なる2段以上に分けて行うことも可能である。
重合に際して生成する重合体(B)の分子量や重合活性を制御する目的で水素を添加することができ、その量はオレフィン1kgあたり0.001~100NL程度が適当である。
〔他の重合体(C)〕
他の重合体(C)としては、高圧法低密度ポリエチレン(A)および重合体(B)とは異なる熱可塑性樹脂を広く用いることができる。他の重合体(C)の含有量は、組成物(X)の総質量中、30質量%以下であることが好ましく、より好ましくは20質量%以下、さらに好ましくは10質量%以下である。他の重合体(C)は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
熱可塑性樹脂としては、特に制限されないが、
熱可塑性ポリオレフィン系樹脂:例えば、低密度、中密度、高密度ポリエチレン等のポリエチレン(高圧法低密度ポリエチレン(A)を除く)、アイソタクティックポリプロピレン、シンジオタクティックポリプロピレン等のポリプロピレン、ポリ4-メチル-1-ペンテン、ポリ3-メチル-1-ペンテン、ポリ3-メチル-1-ブテン、エチレン・α-オレフィン共重合体、プロピレン・α-オレフィン共重合体、1-ブテン・α-オレフィン共重合体、4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体(これらにおいて重合体(B)を除く)、環状オレフィン共重合体、塩素化ポリオレフィン、およびこれらのオレフィン系樹脂を変性した変性ポリオレフィン樹脂、
熱可塑性ポリアミド系樹脂:例えば、脂肪族ポリアミド(例:ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612)、
熱可塑性ポリエステル系樹脂:例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエステル系エラストマー、
熱可塑性ビニル芳香族系樹脂:例えば、ポリスチレン、ABS樹脂、AS樹脂、スチレン系エラストマー(例:スチレン・ブタジエン・スチレンブロックポリマー、スチレン・イソプレン・スチレンブロックポリマー、スチレン・イソブチレン・スチレンブロックポリマー、これらの水素添加物)、
熱可塑性ポリウレタン;塩化ビニル樹脂;塩化ビニリデン樹脂;アクリル樹脂;エチレン・酢酸ビニル共重合体等の酢酸ビニル共重合体;エチレン・メタクリル酸アクリレート共重合体;アイオノマー;エチレン・ビニルアルコール共重合体;ポリビニルアルコール;フッ素系樹脂;ポリカーボネート;ポリアセタール;ポリフェニレンオキシド;ポリフェニレンサルファイドポリイミド;ポリアリレート;ポリスルホン;ポリエーテルスルホン;ロジン系樹脂;テルペン系樹脂および石油樹脂;
共重合体ゴム:例えば、エチレン・α-オレフィン・ジエン共重合体、プロピレン・α-オレフィン・ジエン共重合体、1-ブテン・α-オレフィン・ジエン共重合体、ポリブタジエンゴム、ポリイソプレンゴム、ネオプレンゴム、ニトリルゴム、ブチルゴム、ポリイソブチレンゴム、天然ゴム、シリコーンゴム;
等が例示される。
他の重合体(C)の一部または全部は、極性モノマーによりグラフト変性されたものであってもよい。
〔添加剤(D)〕
添加剤(D)としては、例えば、核剤、アンチブロッキング剤、顔料、染料、充填剤、滑剤、可塑剤、離型剤、酸化防止剤、難燃剤、紫外線吸収剤、抗菌剤、界面活性剤、帯電防止剤、耐候安定剤、耐熱安定剤、スリップ防止剤、発泡剤、結晶化助剤、防曇剤、老化防止剤、塩酸吸収剤、衝撃改良剤、架橋剤、共架橋剤、架橋助剤、粘着剤、軟化剤、加工助剤が挙げられる。
添加剤(D)は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
添加剤(D)の含有量は、本発明の目的を損なわない範囲内で用途に応じて、特に限定されないが、組成物(X)の総質量中、配合される添加剤それぞれについて0.001~30質量%であることが好ましい。
〔組成物(X)の特徴〕
本発明の組成物(X)は、上述したように引きちぎり性とESCRに優れるという特性がある。この特性が発現する理由について発明者らは次のように考えている。組成物(X)において、高圧法低密度ポリエチレン(A)が海相となり、重合体(B)が島相となる海島構造が形成されることで、引張伸びが抑制されて引きちぎり性に優れる傾向が得られ、しかも島相をなす重合体(B)のガラス転移温度(Tg)が特定温度以下であることにより、島相の柔軟性が確保され、成形体に負荷される応力を効果的に緩和することによってクラックの発生を抑制しうると推測される。
〔組成物(X)の製造方法〕
本発明の組成物(X)の製造方法は特に限定されないが、例えば、高圧法低密度ポリエチレン(A)と、重合体(B)と、他の任意成分とを混合したのち、溶融混練して得られる。
溶融混練の方法は、特に制限されず、一般的に市販されている押出機等の溶融混練装置を用いて行うことが可能である。例えば、溶融混練装置にて混練を行う部分の温度は、通常は120~250℃、好ましくは120~230℃である。混練時間は、通常は0.5~30分間、好ましくは0.5~5分間である。
[成形体]
本発明の組成物(X)を含む各種成形体は、従来公知のポリオレフィン用途に広く用いることができる。成形体は、例えば、押出成形、射出成形、インフレーション成形、ブロー成形、押出ブロー成形、射出ブロー成形、プレス成形、真空成形、パウダースラッシュ成形、カレンダー成形、発泡成形等の公知の熱成形方法により得られる。
成形条件は一般的なポリエチレンの成形条件が適用できる。例えば射出成形であれば樹脂温度160~240℃程度、ブロー成形であれば150~230℃程度、押出成形であれば130~240℃程度が適当である。
引きちぎり性を要求される用途としては、例えば、キャップ等の一部を引きちぎって開封される容器としての用途が挙げられる。より具体的には、食品容器、医薬品容器、化粧品容器、洗剤容器、工業薬品容器、農薬容器等の、内容物に高い安全性、容器の密閉性が求められる用途が挙げられる。食品容器としては、例えば、液体調味料(例:ドレッシング)や飲料、アイスクリーム用のワンウェイ容器、絞りだし容器、ガムボトルなどの菓子容器、梅干しやわさび漬け用の容器蓋が挙げられる。医薬品容器としては、例えば、使い切りの目薬容器、開封時にちぎれる目薬や水薬用の容器キャップ、錠剤容器のキャップ、病院使用の薬液容器が挙げられる。化粧品容器としては、例えば、クリーム、化粧水、クレンジング用の容器が挙げられる。
引きちぎり性に加え、高いESCRを要求される用途としては、例えば、洗剤容器、化粧品容器、工業薬品容器等の、界面活性剤を含有する内容物の容器が挙げられる。すなわち、本発明の成形体として、界面活性剤を含有する内容物(例:洗剤、化粧品、工業薬品)を収容し、かつ開封部分を引きちぎって使用される容器が好ましい用途として挙げられる。
本発明を実施例に基づき詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
[合成例1]プロピレン・ブテン・エチレン共重合体(PBER)
充分に窒素置換した2000mlの重合装置に、乾燥ヘキサン917mlと1-ブテン85gとトリイソブチルアルミニウム1.0mmolとを常温で仕込んだ後、重合装置内温を65℃に昇温し、プロピレンで系内圧力を0.77MPaになるように加圧した後に、エチレンで系内圧力を0.78MPaに調整した。次いで、ジメチルメチレン(3-tert-ブチル-5-メチルシクロペンタジエニル)フルオレニルジルコニウムジクロリドと、メチルアルミノキサンのトルエン溶液(東ソー・ファインケム(株)製)とを混合して、アルミニウム原子およびジルコニウム原子が、アルミニウム原子/ジルコニウム原子=300/1(モル比)の割合で含まれるトルエン溶液を調製した。次いで、当該トルエン溶液の内の、ジルコニウム原子が0.002mmol含まれる量(したがってアルミニウム原子が0.6mmol含まれる量)を採取して重合装置内に添加した。内温を65℃に保ち、系内圧力を0.78MPaにエチレンで保ちながら20分間重合し、20mlのメタノールを添加し重合を停止した。脱圧後、2Lのメタノール中で重合溶液から共重合体を析出し、真空下130℃、12時間乾燥した。得られた共重合体は、収量は60.4gであった。上記工程をスケールアップして実施し十分な量の共重合体を得た。
得られた共重合体に、酸化防止剤イルガノックス1076を500wtppm、イルガフォス168を500wtppm配合し、モダンマシナリー(株)製φ40mm単軸押出機を用い、シリンダー温度210℃、スクリュー回転数50rpm、混練時間2分で溶融混練し、φ4mmの丸孔ダイスから吐出された溶融ストランドを10℃に設定した水槽にて冷却固化させたのち、フリージアマクロス(株)製ストランドカッター(型式ST-SG3.0)にて切断することによりペレットを得た。
実施例、参考例および比較例で用いた樹脂および下記分析値を表1に示す。表中、特に言及しない限り「-」はデータなしを意味する。
[構成単位の含有量]
構成単位の含有量は、以下の装置および条件により、13C-NMRスペクトルより算出した。
測定装置:核磁気共鳴装置
(ブルカー・バイオスピン(株)製AVANCE III cryo-500型)
観測核:13C(125MHz)
シーケンス:シングルパルスプロトンブロードバンドデカップリング
パルス幅:5.0μ秒(45°パルス)
ポイント数:64k
繰り返し時間:5.5秒
積算回数:128回
溶媒:o-ジクロロベンゼン/重水素化ベンゼン(容量比:4/1)混合溶媒
試料濃度:60mg/0.6mL
測定温度:120℃
ケミカルシフトの基準値:29.73ppm
[ガラス転移温度(Tg)]
ティーエーインスツルメント社製動的粘弾性装置RSA-IIIを用い、窒素雰囲気で-90~200℃の温度範囲を3℃/分で昇温した。印加した歪は0.1%、周波数は1Hzとした。損失弾性率(E'')が極大値を示す温度を、ガラス転移温度(Tg)とした。
[密度]
密度は、ASTM D1505(密度勾配管法)に準拠して測定した。
[メルトフローレート(MFR)]
メルトフローレート(MFR)は、ASTM D1238に準拠して、190℃、2.16kg荷重または230℃、2.16kg荷重の条件で測定した。
Figure 0007189923000002
[実施例1~3、参考例4、比較例2~4、6~11]
表2に示す組成に従って、各樹脂のペレット同士を室温にて混合(ドライブレンド)した後に、モダンマシナリー(株)製φ40mm単軸押出機を用い、シリンダー温度210℃、スクリュー回転数50rpm、混練時間2分で溶融混練し、φ4mmの丸孔ダイスから吐出された溶融ストランドを10℃に設定した水槽にて冷却固化させたのち、フリージアマクロス(株)製ストランドカッター(型式ST-SG3.0)にて切断することによりペレットを得た。得られたペレットを以下の方法で評価した。結果を表2に併せて示す。
[比較例1、5、12]
表2に示す樹脂のペレットを以下の方法で評価した。結果を表2に併せて示す。
[射出試験片作製]
ペレットについて、(株)名機製作所製射出成形機(型式MEIKI M-50AII-DM、型締力50トン)を用い、シリンダー温度210℃、金型温度30℃とし、射出圧力70MPaにて厚さ3mmの試験片を得た。得られた試験片を、引張試験とショアーD硬度測定に用いた。
《引張試験》
試験片の状態調整を23℃で3日間行い、ASTM D638に従って、(株)インテスコ製引張試験機(型式2005-5)を用い、23℃、チャック間距離64mm、試験速度50mm/分にて、引張弾性率(YM)、降伏点伸び(YEL)、降伏点強度(YS)、破断点伸び(EL)、破断点強度(TS)を測定した。なお、降伏点伸びおよび破断点伸びはチャック間伸び率として算出した。表2中、YELおよびYSの「-」は降伏点がなかったことを意味する。
《ショアーD硬度》
試験片の状態調整を23℃で24時間行い、ASTM D2240に従って、デュロメータの加圧面を真上から一定速度で垂直に押し付け、密着直後の値を「硬さ」とした。
[プレスシート作製]
ペレットについて、210℃に設定した関西ロール(株)製油圧式熱プレス機を用い、予熱を5分程度し、7.5MPaで2分間加圧した後、20℃に設定した別の関西ロール(株)製油圧式熱プレス機を用い、7.5MPaで圧縮し、4分冷却して、厚さ2mmのプレスシートからなる測定用試料を作成した。
《耐ストレスクラッキング性(ESCR)》
プレスシートからの打ち抜き試験片を使用し、半数破壊時間F50値を求めた。
ベントストリップ法:ASTM D1693
薬液:イゲパール CO 630
薬液濃度:10%
試験温度:50℃
ノッチ深さ:0.35mm
最大時間:600hrs
[メルトフローレート(MFR)]
メルトフローレート(MFR)は、ASTM D1238に準拠して、190℃、2.16kg荷重の条件で測定した。
[評価]
表2に示すように、重合体(B)を含まず、LDPEを主成分として含む比較例組成物は、ESCR値が充分ではなかった(比較例1~4、10、11)。また、LDPEを含まず、LLDPEを主成分として含む比較例組成物は、引張伸びが大きかった(比較例5~9、12)。これに対して、実施例組成物および参考例組成物はLDPEおよび重合体(B)を含むため、EL値が130%以下であり、またESCR値も12hrs以上という結果となり、成形体の引きちぎり性およびESCRに優れていた。
Figure 0007189923000003

Claims (1)

  1. 高圧法低密度ポリエチレン(A)70~99質量部と、
    下記要件(B-1)~(B-)を満たす重合体(B)1~30質量部(ただし、前記(A)および(B)の合計を100質量部とする)とを含む、組成物(X)を含有し、
    射出成形体、ブロー成形体、押出ブロー成形体、射出ブロー成形体、プレス成形体、パウダースラッシュ成形体、カレンダー成形体、および、発泡成形体からなる群より選ばれる成形体:
    (B-1)1-ブテンから導かれる構成単位(U1)と、エチレンから導かれる構成単位(U2)と、プロピレンから導かれる構成単位(U3)との含有量の合計Tを100モル%としたときに、前記U1の含有量が50~100モル%である。
    (B-2)前記U2の含有量が全構成単位量の40モル%以下である。
    (B-3)動的粘弾性測定により測定されたガラス転移温度(Tg)が、
    -15℃以下である。
    (B-4)ASTM D1238に準拠して、190℃、2.16kg荷重の条件で測定したメルトフローレート(MFR)が4.0~100g/10分である。
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