JP2011208149A - エチレン系重合体組成物 - Google Patents

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Ryosuke Yugi
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Abstract

【課題】本発明の目的は、柔軟でありながら耐熱性にも優れるエチレン系重合体組成物を提供することにある。
【解決手段】本発明は、密度が880〜980kg/m3のエチレン系重合体(A)を55〜98質量%、融解熱量(ΔHB)が10J/g以下のプロピレン系重合体(B)を1〜43質量%、及び、融解熱量(ΔHC)が20J/g以上のプロピレン系重合体(C)を1〜30質量%〔但し、(A)+(B)+(C)=100質量%、とする〕含んでなることを特徴とするエチレン系重合体組成物である。
【選択図】なし

Description

本発明は、柔軟でありながら耐熱性にも優れるエチレン系重合体組成物に関する。
高圧法低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンに代表されるポリエチレンは、そのバランスの取れた性質ゆえに、きわめて広い範囲の用途に用いられている。
ポリエチレンの柔軟性を改良する方法として、例えば、比較的に密度が高いエチレン・α−オレフィンランダム共重合体に、比較的に密度が低いエチレン・α−オレフィン共重合体を添加することが提案されている(特許文献1)。
ポリエチレンに低密度のエチレン・α−オレフィンランダム共重合体を配合すると、柔軟性は改良されるが、配合する低密度のエチレン・α−オレフィンランダム共重合体は、得られる組成物はより耐熱性が低下し、自動車内装材のように耐熱性を必要とする用途などには、使用できない虞がある。
特開昭57−34145号公報
本発明の目的は、柔軟でありながら耐熱性にも優れるエチレン系重合体組成物を提供することにある。
本発明は、密度が880〜980kg/m3のエチレン系重合体(A)を55〜98質量%、(b1)プロピレン由来の構成単位を40〜100モル%、(b2)炭素数2〜20のα‐オレフィン(プロピレンを除く)由来の構成単位を60〜0モル%(ただしb1とb2との合計が100モル%である)とを含み、融解熱量(ΔHB)が10J/g以下のプロピレン系重合体(B)を1〜43質量%、及び、(c1)プロピレン由来の構成単位を90〜100モル%、(c2)炭素数2〜20のα−オレフィン(プロピレンを除く)由来の構成単位を10〜0モル%(ただしc1とc2との合計が100モル%である)とを含み、融解熱量(ΔHC)が20J/g以上のプロピレン系重合体(C)を1〜30質量%〔但し、(A)+(B)+(C)=100質量%、とする〕含んでなることを特徴とするエチレン系重合体組成物である。
本発明のエチレン系重合体組成物は、柔軟でありながら耐熱性にも優れている。
<エチレン系重合体(A)>
本発明のエチレン系重合体組成物に含まれる主成分であるエチレン系重合体(A)は、密度(JIS K 7112法で測定)が880〜980kg/m3、好ましくは890〜970kg/m3の、より好ましくは895〜945kg/m3の範囲にあるエチレンの単独重合体、あるいは、エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィン、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセンなどの一種又は二種以上のα−オレフィンから導かれる単位を有する共重合体である。α−オレフィンは炭素数4〜20のものが好ましい。さらに、α−オレフィンの炭素数が6以上であると、α−オレフィン由来の構成単位が結晶に取り込まれる確率を低減できるためより好ましい。またα−オレフィンの炭素数が10以下であると、ポリエチレン本来の性質がより発現しやすいためより好ましい。
本発明に係るエチレン系重合体(A)は、MFR(190℃、2.16kg荷重)が、通常、0.001〜100g/10分、好ましくは0.001〜30g/10分、より好ましくは0.1〜10g/10分の範囲にある。MFRが上記範囲にあるエチレン系重合体を用いた場合は、得られるエチレン系重合体組成物の流動性が優れ、得られる十分な強度を有する成形体が得られる。
本発明に係るエチレン系重合体(A)の具体例としては、高圧法低密度ポリエチレン(A1)、エチレン単独重合体あるいはエチレン・α−オレフィンランダム共重合体(A2)などが挙げられる。
本発明に係る高圧法低密度ポリエチレン(A1)は、通常、密度が900〜945kg/m3、好ましくは900〜935kg/m3の範囲にある。また、MFRは、好ましくは0.001〜30g/10分、より好ましくは0.1〜10g/10分の範囲にある。
本発明に係るエチレン単独重合体及びエチレン・α−オレフィンランダム共重合体(A2)は、チーグラー触媒、メタロセン触媒などを用いて中・低圧法で、エチレンを単独、あるいはエチレンとα−オレフィンとを共重合して得られるエチレン由来の構成単位を主成分として含む重合体である。
本発明に係る密度が、895〜945kg/m3、好ましくは900〜935kg/m3の範囲にあるエチレン・α−オレフィンランダム共重合体(A2)は、柔軟性の高い成形体が得られる点で好ましい。
さらに、(A2)のうちでも、密度が915kg/m3以下、好ましくは910kg/m3以下の範囲のものは、特に柔軟性と耐熱性とのバランスの改良効果が大きい。
本発明に係るエチレン単独重合体及びエチレン・α−オレフィンランダム共重合体(A2)としては、好ましくは、MFRが0.001〜50g/10分、より好ましくは0.1〜30g/10分、特に好ましくは0.1〜10g/10分の範囲にある。
<プロピレン系重合体(B)>
本発明のエチレン系重合体組成物に含まれる成分の一つであるプロピレン系重合体(B)は、融解熱量(ΔHB)が10J/g以下、好ましくは5J/g以下、より好ましくは1J/g以下のプロピレン系重合体である。
本発明に係るプロピレン系重合体(B)は、好ましくは、融点が90℃未満、より好ましくは、80℃以下、さらに好ましくは、融点が存在しない重合体である。本発明において、融点が存在しないとは、融解ピークに起因する融解熱量△Hが1J/g以下であることをいう。
本発明に係るプロピレン系重合体(B)は、プロピレンの単独重合体、あるいは、プロピレンと炭素原子数が2〜20、例えば、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセンなどが挙げられ、プロピレンと共重合されるα−オレフィンとしては、エチレンまたは炭素原子数が4〜10のα−オレフィンが好ましい。プロピレンと共重合されるα−オレフィンは一種でも二種以上であってもよい。
本発明に係るプロピレン系重合体(B)は、(b1)プロピレン由来の構成単位を40〜100モル%、(b2)プロピレンを除く炭素数2〜20のα−オレフィン由来の構成単位を0〜40モル%〔但し、合計100モル%、とする〕含む。
本発明に係るプロピレン系重合体(B)は、前記エチレン系重合体(A)及び後述のプロピレン系重合体(C)と混合して得たエチレン系重合体組成物が成形加工し得る限り特に限定はされないが、通常、230℃、2.16kg荷重下で測定したMFRが0.01〜100g/10分、好ましくは0.01〜50g/10分、より好ましくは0.1〜30g/10分、特に好ましくは0.1〜10g/10分の範囲にある。
本発明に係るプロピレン系重合体(B)は、好ましくは、DSCで測定した融点が90℃未満、より好ましくは、80℃以下、さらに好ましくは、融点が存在しない重合体である。本発明において、融点が存在しないとは、融解ピークに起因する融解熱量△Hが1J/g以下であることをいう。
本発明に係るプロピレン系重合体(B)は、135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が、通常、0.01〜10dl/g、好ましくは0.05〜10dl/g、より好ましくは0.1〜5dl/gの範囲にあることが望ましい。極限粘度[η]が上記範囲にあるプロピレン系重合体(B)を用いた場合、得られるエチレン系重合体組成物は、成形時の流動性に優れ、得られる成形体の機械物性も十分である。
本発明に係るプロピレン系重合体(B)は、通常、GPCで測定したMw/Mn(ポリスチレン換算)は1.2〜3.5、より好ましくは1.5〜3.0の範囲にある。
本発明に係るプロピレン系重合体(B)は、融解熱量(ΔHB)が上記範囲を満たす限り、立体規則性に特に制限はなく、無定形(アタクティック)、アイソタクティック構造、シンジオタクティック構造のいずれであっても良い。
本発明に係るプロピレン系重合体(B)として、アイソタクティック構造を有する重合体を用いる場合は、13CNMRにより測定したmm値が85%以上である共重合体が好ましい。その場合、好ましい組成は、プロピレン由来の構成単位を40〜85モル%、より好ましくは58〜80モル%、エチレン由来の構成単位を5−30モル% より好ましくは10〜14.5モル%、及び、炭素数4−20のα‐オレフィン由来の構成単位を5〜30モル%、より好ましくは10〜27.5モル%含む。
本発明に係るプロピレン系重合体(B)としては、(b3)13CNMR法により測定したシンジオタクティックトライアッド分率(rr分率)が60%以上、より好ましくは70%以上、さらに好ましくは75%以上、及び/又は、(b4)135℃デカリン中で測定した極限粘度[η](dl/g)とMFR(g/10分)が下記の関係式(1)、より好ましくは下記の関係式(2)を満たす重合体が好ましい。
1.50×MFR(-0.20)≦[η]≦2.65×MFR(-0.20)・・・(1)
1.80×MFR(-0.20)≦[η]≦2.50×MFR(-0.19)・・・(2)
上記範囲を満たすプロピレン系重合体(B)は、通常、プロピレン由来の構成単位を50〜90モル%、好ましくは55〜89モル%、α−オレフィン由来の構成単位を10〜50モル%、好ましくは11〜45モル%含む共重合体である。
rr分率が60%以上を満たすプロピレン系重合体は、例えばシンジオタクティックポリプロピレンを製造可能な触媒でプロピレンとα−オレフィンとを共重合して得ることができ、また例えば後述するような触媒を用いて製造してもよい。
rr分率は、13C-NMRスペクトルにおけるPrr(プロピレン単位が3単位連続してシンジオタクティック結合した部位における第2単位目のメチル基に由来する吸収強度)およびPw (プロピレン単位の全メチル基に由来する吸収強度)の吸収強度から下記式(3)により求められる。
rr分率(%)=100×Prr/Pw …(3)
ここで、mr由来の吸収(プロピレン単位が3単位の内、少なくともシンジオタクティック結合とアイソタクティック結合の両方から由来する吸収、Pmr(吸収強度)の決定に用いる)、rr由来の吸収(プロピレン単位が3単位連続してシンジオタクティック結合した部位における第2単位目のメチル基に由来する吸収、Prr(吸収強度)の決定に用いる)、またはmm由来の吸収(プロピレン単位が3単位連続してアイソタクティック結合した部位における第2単位目のメチル基に由来する吸収、Pmm(吸収強度)の決定に用いる)と、コモノマーに由来する吸収とが重なる場合には、コモノマー成分の寄与を差し引かずそのまま算出する。
具体的には、特開2002-097325号公報の[0018]〜[0031]までに記載された「シンジオタクティシティパラメータ(SP値)」の求め方の記載のうち、[0018]〜[0023]までを行い、第1領域、第2領域、第3領域のシグナルの積算強度から上記式(3)により計算することにより求める。
また本発明では、特にrr1値、具体的には特開2002-097325号公報の[0018]〜[0031]までに記載された「シンジオタクティシティパラメータ(SP値)」の求め方に従って求めた値が、60%以上、好ましくは65%以上、より好ましくは70%以上であるものであることがより好ましい。rr1値は、言い換えると前記rr値の計算において、mr由来の吸収(プロピレン単位が3単位の内、少なくともシンジオタクティック結合とアイソタクティック結合の両方から由来する吸収、Pmr(吸収強度)の決定に用いる)、rr由来の吸収(プロピレン単位が3単位連続してシンジオタクティック結合した部位における第2単位目のメチル基に由来する吸収、Prr(吸収強度)の決定に用いる)、またはmm由来の吸収(プロピレン単位が3単位連続してアイソタクティック結合した部位における第2単位目のメチル基に由来する吸収、Pmm(吸収強度)の決定に用いる強度)と、コモノマーに由来する吸収とが重なる場合には、コモノマー成分の寄与を差し引いたものである。
rr値およびrr1値の測定において、NMR測定は、例えば次のようにして行われる。すなわち、試料0.35gをヘキサクロロブタジエン2.0mlに加熱溶解させる。この溶液をグラスフィルター(G2)で濾過した後、重水素化ベンゼン0.5mlを加え、内径10mmのNMRチューブに装入する。そして日本電子製GX-400型NMR測定装置を用い、120℃で13C-NMR測定を行う。積算回数は、8,000回以上とする。
上記式(1)あるいは(2)を満たすプロピレン系重合体(B)は、例えばシンジオタクティックプロピレンを製造可能な触媒でプロピレンとα−オレフィンとを共重合して得ることができ、また例えば後述するような触媒を用いて製造してもよい。
上記式(1)あるいは(2)を満たすプロピレン系重合体(B)は、従来のアイソタクティックプロピレン系共重合体に比べて同一極限粘度[η]で大きなMFRを示す。
これはMacromolecules 31、1335−1340(1998)にも記載のようにアイソタクティックポリプロピレンの絡み合い点間分子量(論文ではMe=6900(g/mol)と報告されている)と、シンジオタクティックポリプロピレンの絡み合い点間分子量(論文ではMe=2170(g/mol)と報告されている)との違いに起因すると考えられる。即ち、同一[η]ではシンジオ構造を持つことにより、アイソ構造を有する材料に対して絡み合い点が多くなり、MFRが大きくなると考えられる。
以上のように、(b3)rr分率が60%以上を満たすプロピレン系重合体、及び/又は(b4)上記式(1)を満たすプロピレン系重合体は、アイソタクティック構造を有するプロピレン系重合体とは異なった立体規則性を有した重合体であり、シンジオタクティック構造を有するものと考えられる。
本発明に係るプロピレン系重合体(B)が条件(b3)または条件(b4)のいずれか1つ以上を満たす場合、プロピレン由来の構成単位を例えば50〜89モル%、より好ましくは55〜80モル%、エチレン由来の構成単位を例えば1〜30モル%、より好ましくは5〜20)モル%、及び炭素数4〜20のα−オレフィン由来の構成単位を10〜40モル%、より好ましくは15〜40モル%の範囲で含むプロピレン・エチレン・炭素数4〜20のα−オレフィン共重合体(B1)が好ましい。また、この場合、炭素数4〜20のα−オレフィン由来の構成単位の含量の、プロピレン由来の構成単位とエチレン由来の構成単位と炭素数4〜20のα−オレフィン由来の構成単位の合計量に対する割合(モル%)(Pb2−2)と、エチレン由来の構成単位の含量の、プロピレン由来の構成単位とエチレン由来の構成単位と炭素数4〜20のα−オレフィン由来の構成単位の合計量に対する割合(モル%)(Pb2−1)が、Pb2−2>Pb2−1の関係を満たすことが好ましく、(Pb2−2)−(Pb2−1)≧1モル%以上であることがより好ましい。プロピレン系重合体(B)として、プロピレン・エチレン・α−オレフィン共重合体(B1)を用いた場合は、特に前記エチレン系重合体(A)との相溶性の点からエチレン系重合体(A)への分散が適度な大きさとなるため、得られるエチレン系重合体組成物がより耐熱性と柔軟性とのバランスが優れるものと推定している。
本発明に係るプロピレン系重合体(B)が条件(b3)または条件(b4)のいずれか1つ以上を満たす場合としては、前記プロピレン・エチレン・α−オレフィン共重合体(B1)以外にも、プロピレン由来の構成単位を55〜89モル%、より好ましくは65〜85モル%、エチレン由来の構成単位を11〜45モル%、より好ましくは15〜35モル%含むプロピレン・エチレン共重合体(B2)を挙げることもできる。(B1)と(B2)とを比較すると、プロピレン・エチレン・α−オレフィン共重合体(B1)が好ましい。
<プロピレン系重合体(B)の製造方法>
本発明に係るプロピレン系重合体(B)は、種々公知の製造方法により製造しうる。例えば、無定形の場合、特開2006−299060号公報の方法をとることができる。また前記条件(b3)または(b4)のいずれか1つ以上を満たすものは、国際公開2008−059895号公報の方法により製造できる。さらにアイソタクティック構造のものは、国際公開2006−057361号公報の方法により製造できる。
<プロピレン系重合体(C)>
本発明のエチレン系重合体組成物に含まれる成分の一つであるプロピレン系重合体(C)は、融解熱量(ΔHC)が20J/g以上、好ましくは40J/g以上、さらに好ましくは50J/g以上のプロピレン系重合体である。融解熱量(ΔHC)の上限は特に限定はされないが、通常、120J/g以下である。
本発明に係るプロピレン系重合体(C)は、好ましくは、融点(Tm)が130℃以上、好ましくは145℃以上、より好ましくは150〜170℃の範囲にある。
また、本発明に係るプロピレン系重合体(C)は、好ましくは13CNMRで測定したrrrr値が70%以上、より好ましくは80%以上、さらに好ましくは85%以上である。
本発明に係るプロピレン系重合体(C)として、上記範囲のプロピレン系重合体を用いると、より耐熱性に優れるエチレン系重合体組成物が得られる。
本発明に係るプロピレン系重合体(C)は、プロピレンの単独重合体、あるいは、プロピレンと炭素原子数が2〜20、例えば、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセンなどが挙げられ、プロピレンと共重合されるα−オレフィンとしては、エチレンまたは炭素原子数が4〜10のα−オレフィンが好ましい。プロピレンと共重合されるα−オレフィンは一種でも二種以上であってもよい。
本発明に係るプロピレン系重合体(C)は、(c1)プロピレン由来の構成単位90〜100モル%、より好ましくは92〜100モル%、より好ましくは95〜100モル%、(c2)プロピレンを除く炭素数2〜20のα−オレフィン由来の構成単位を10〜0モル%、より好ましくは8〜0モル%、さらに好ましくは5〜0モル%〔但し、合計100モル%、とする〕含む。
本発明に係るプロピレン系重合体(C)は、前記プロピレン系重合体(A)及び前記プロピレン系共重合体(B)と混合して得たプロピレン系重合体組成物が成形加工し得る限り特に限定はされないが、通常、230℃、2.16kg荷重下で測定したMFRが0.001〜50g/10分、好ましくは0.1〜30g/10分、より好ましくは0.1〜10g/10分の範囲にある。
<プロピレン系重合体(C)の製造方法>
本発明に係るプロピレン系重合体(C)は、種々公知の製造方法で製造することもできる。例えば、rrrrが70%以上、好ましくは85%以上のプロピレン系重合体は、国際公開第2008−059895号公報の[0044]から[0108]に記載の方法により製造できる。またアイソタクティックプロピレン系重合体は、例えば固体チタン触媒などを用いて製造することができる。
<エチレン系重合体組成物>
本発明のエチレン系重合体組成物は、前記エチレン系重合体(A)を55〜98質量%、好ましくは60〜95質量%、より好ましくは65〜90質量%、さらに好ましくは65〜85質量%、前記プロピレン系重合体(B)を1〜43質量%、好ましくは3〜38質量%、より好ましくは7〜35質量%、さらに好ましくは10〜30質量%、及び、前記プロピレン系重合体(C)を1〜30質量%、好ましくは1〜16質量%、より好ましくは2〜12質量%、さらに好ましくは2〜10質量%〔但し、(A)+(B)+(C)=100質量%、とする〕含んでなる組成物である。
エチレン系重合体(A)、プロピレン系重合体(B)及びプロピレン系重合体(C)を上記範囲で含むことにより、柔軟性と耐熱性とのバランスが優れる成形体を得ることができる。
本発明のエチレン系重合体組成物として、プロピレン系重合体(B)とプロピレン系重合体(C)との合計量に対し、プロピレン系重合体(B)の量を、4分の3以上で20分の19以下の量とすることにより、より、柔軟性と耐熱性とのバランスに優れるエチレン系重合体組成物が得られるので望ましい。
本発明のエチレン系重合体組成物は、成形加工し得る限り、MFR(230℃、2.16kg荷重下で測定)は特に限定はされないが、通常、0.001〜50g/10分、好ましくは0.1〜30g/10分、より好ましくは0.1〜10g/10分の範囲にある。
本発明のエチレン系重合体組成物、あるいは、前記エチレン系重合体(A)、前記プロピレン系重合体(B)及び前記プロピレン系重合体(C)には耐熱安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、スリップ剤、核剤、ブロッキング防止剤、帯電防止剤、防曇剤、顔料、染料、無機または有機の充填剤等の通常ポリオレフィンに用いる各種添加剤、あるいは他の重合体を本発明の目的を損なわない範囲で添加しておいてもよい。
本発明のエチレン系重合体組成物は、前記エチレン系重合体(A)、前記プロピレン系重合体(B)及び前記プロピレン系重合体(C)を前記所望の範囲で、種々公知の方法、例えば、ヘンシェルミキサー、V型ブレンダー、リボンブレンダー等の混合機で混合する方法、あるいは、混合後、押出機、ニーダー等を用いて溶融混練することにより得られる。
本発明のエチレン系重合体組成物は、種々公知の成形方法を用いて成形し得る。
本発明のエチレン系重合体組成物から得られる成形体としては具体的には、押出成形、射出成形、インフレーション成形、ブロー成形、押出ブロー成形、射出ブロー成形、プレス成形、熱成形(真空成形、圧空成形、真空−圧空成形、プラグアシスト成形)、カレンダー成形、発泡成形、パウダー成形、スラッシュ成形などの公知の成形方法により得られる成形体が挙げられる。以下に数例挙げて成形体を説明する。
本発明のエチレン系重合体組成物から得られる成形体がたとえば押出成形体である場合、その形状および製品種類は特に限定されないが、たとえばシート、フィルム(未延伸及び延伸)、パイプ、ホース、電線被覆、チューブなどが挙げられ、特にシート(表皮材)、フィルム、チューブ、カテーテル、モノフィラメント、不織布などが好ましい。
本発明のエチレン系重合体組成物からなる成形体は、単層であっても、エチレン系重合体組成物からなる層を一層以上含む他の熱可塑性樹脂などとの多層成形体であってもよい。
本発明のエチレン系重合体組成物からなる層と積層し得る基材としては、合成繊維、天然繊維、無機繊維、またはこれらの混合物のうち少なくとも1つからなる、織布、編布、不織布、銀面層などを例示できる。
合成繊維としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ナイロン、アクリル、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、シリコーンなどからなる合成繊維が挙げられる。
天然繊維としては、綿、麻、絹、羊毛などが挙げられる。
無機繊維としては、グラスファイバー、炭素繊維などが挙げられる。
また、織布としては、例えば、繊維質素材から作られた織物、編物などを挙げることができる。また不織布としては、繊維質素材を化学的方法、機械的方法、またはそれらの組み合わせにより絡み合わせてウェッブとしたものが挙げられる。
本発明のエチレン系重合体組成物を押出成形する際には、従来公知の押出装置および成形条件を採用することができ、たとえば単軸スクリュー押出機、混練押出機、ラム押出機、ギヤ押出機などを用いて、溶融したエチレン系重合体組成物を特定のダイスなどから押出すことにより所望の形状に成形することができる。
フィルム(未延伸)を得る場合は、例えば、インフレーション法、T−ダイ法により成形し得る。
延伸フィルムを得る場合は、上記未延伸のフィルム(あるいはシート)を、公知の延伸方法により、一軸延伸、あるいは二軸延伸(テンター法、インフレーション法により逐次二軸延伸、同時二軸延伸)することにより得ることができる。
本発明のエチレン系重合体組成物からなるフィラメントは、エチレン系重合体組成物を溶融して、紡糸口金を通して押出すことにより製造することができる。得られたフィラメントは、さらに延伸してもよい。延伸は、フィラメントの少なくとも一軸方向が分子配向する程度に行えばよく、通常5〜10倍程度の倍率で行うことが望ましい。
本発明のエチレン系重合体組成物からなる不織布は、例えば、スパンボンド法、メルトブロー法により製造し得る。
本発明のエチレン系重合体組成物からなる射出成形体は、従来公知の射出成形装置を用いて公知の条件を採用して、所望の形状に射出成形して製造し得る。
本発明のエチレン系重合体組成物からなるブロー成形体は、従来公知のブロー成形装置、例えば、押出ブロー成形、射出ブロー成形を用いてブロー成形することにより製造し得る。
本発明のエチレン系重合体組成物からなるプレス成形体は、種々公知の方法、例えばモールドスタンピング法により製造し得る。
本発明のエチレン系重合体組成物からなる成形体は、種々公知の用途、例えば、自動車部品(二輪を含む)、家電部品、玩具、文具、日用雑貨、スポーツ用用具、家具、衣料、園芸、建材部材などのあらゆる分野で使用され得る。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
なお、実施例および比較例における物性値等は、以下の方法により測定した。
(1)密度(kg/m3
密度の測定は、測定サンプルを120℃で1時間熱処理し、1時間かけて直線的に室温まで冷却した後、密度勾配管により行った。
(2)極限粘度[η](dl/g)
プロピレン系重合体(B)及び(C)の極限粘度[η]は、 デカリン溶媒を用いて、135℃で測定した値である。すなわち重合パウダー、ペレットまたは樹脂塊約20mgをデカリン15mlに溶解し、135℃のオイルバス中で比粘度ηspを測定した。このデカリン溶液にデカリン溶媒を5ml追加して希釈後、同様にして比粘度ηspを測定する。この希釈操作をさらに2回繰り返し、濃度(C)を0に外挿した時のηsp/Cの値を極限粘度として求めた(下式参照)。
[η]=lim(ηsp/C) (C→0)
(3)分子量分布(Mw/Mn)
プロピレン系重合体(B)の分子量分布(Mw/Mn)は、Waters社製ゲル浸透クロマトグラフAlliance GPC−2000型を用い、以下のようにして測定した。分離カラムは、TSKgel GNH6- HTを2本およびTSKgel GNH6- HTLを2本であり、カラムサイズはいずれも直径7.5mm、長さ300mmであり、カラム温度は140℃とし、移動相にはo-ジクロロベンゼン(和光純薬工業)および酸化防止剤としてBHT(武田薬品)0.025重量%を用い、1.0ml/分で移動させ、試料濃度は15mg/10mLとし、試料注入量は500マイクロリットルとし、検出器として示差屈折計を用いた。標準ポリスチレンは、分子量がMw<1000およびMw>4×106 については東ソー社製を用い、1000≦Mw≦4×106 についてはプレッシャーケミカル社製を用いた。
(4)各重合体中のエチレン、プロピレン、α−オレフィン含量
エチレン、プロピレン、α−オレフィン含量の定量化は日本電子(株)製JNM GX-400型NMR測定装置を用いて、下記のように測定した。試料0.35gをヘキサクロロブタジエン2.0mlに加熱溶解させる。この溶液をグラスフィルター(G2)で濾過した後、重水素化ベンゼン0.5mlを加え、内径10mmのNMRチューブに装入して、120℃で13C・NMR測定を行う。積算回数は、8,000回以上とする。得られた13C・NMRスペクトルにより、エチレン、プロピレン、α−オレフィンの組成を定量化した。
(5)立体規則性(rrrrペンタッドおよびrrトライアッド)
プロピレン系共重合体(B)及びプロピレン系重合体(C)の立体規則性は、上記同条件で13C・NMR測定にて定量化した。
ペンタッド分率(rrrr分率)は、13C・NMRスペクトルにおけるPrrrr(プロピレン単位が5単位連続してシンジオタクティック結合した部位における第3単位目のメチル基に由来する吸収強度)およびPw(プロピレン単位の全メチル基に由来する吸収強度)の吸収強度から下記式(1)により求められる。
rrrr分率(%)=100×Prrrr/Pw…(1)
トライアッド分率(rr分率)は、13C・NMRスペクトルにおけるPrr(プロピレン単位が3単位連続してシンジオタクティック結合した部位における第2単位目のメチル基に由来する吸収強度)およびPw(プロピレン単位の全メチル基に由来する吸収強度)の吸収強度から下記式(2)により求められる。
rr分率(%)=100×Prr/Pw…(2)
(6)融点(Tm)及び融解熱量(ΔH)(J/g)
プロピレン系重合体(B)及びプロピレン系重合体(C)の融点(Tm)及び融解熱量(ΔH)セイコ-インスツルメンツ社製DSCを用い、測定用アルミパンに約5mgの試料をつめて、50℃/minで230℃まで昇温し、230℃で5分間保持した後、10℃/分で−100℃まで降温し、次いで、5分間保持した後、10℃/分で200℃まで昇温した。この最後の昇温時の吸熱曲線より求めた。
(7)MFR(g/10分)
プロピレン系共重合体(B)、プロピレン系重合体(C)及びエチレン系重合体組成物のMFRは、JIS K6721に準拠して、230℃で2.16kg荷重にて測定した。
エチレン系重合体(A)のMFRは、JIS K 7210 1999に準拠して、190℃で2.16kg荷重にて測定した。
(8)D硬度
200℃に設定した神藤金属工業社製油圧式熱プレス機を用い、エチレン系重合体組成物を用い、1mm厚のプレスシートを成形した。このとき余熱を5〜7分程度し、10MPaで1〜2分間加圧した後、20℃に設定した別の神藤金属工業社製油圧式熱プレス機を用い、10MPaで圧縮し、5分程度冷却して測定用試料を作成した。熱板として5mm厚の真鍮板を用いた。上記方法により得た厚さ1mmのプレスシートを積層して厚さ6mmの試料を用意して、JIS K 7215に準拠して測定した。
(9)軟化温度(℃)
200℃に設定した神藤金属工業社製油圧式熱プレス機を用い、エチレン系重合体組成物を用い、1mm厚のプレスシートを成形した。このとき余熱を5〜7分程度し、10MPaで1〜2分間加圧した後、20℃に設定した別の神藤金属工業社製油圧式熱プレス機を用い、10MPaで圧縮し、5分程度冷却して測定用試料を作成した。熱板として5mm厚の真鍮板を用いた。上記方法により得た厚さ1mmのプレスシートを試料として用意し、JIS K 7206に準拠して測定した。
(10)弾性率(MPa)
200℃に設定した神藤金属工業社製油圧式熱プレス機を用い、エチレン系重合体組成物を用い、0.5mm厚のプレスシートを成形した。このとき余熱を5〜7分程度し、10MPaで1〜2分間加圧した後、20℃に設定した別の神藤金属工業社製油圧式熱プレス機を用い、10MPaで圧縮し、5分程度冷却して測定用試料を作成した。熱板として5mm厚の真鍮板を用いた。上記方法により得た厚さ0.5mmのプレスシートを試料として用意し、ASTM D 678の方法に準拠して、No4ダンベル片を用いて引張試験を行い、弾性率(MPa)を測定した。
実施例および比較例で用いた各重合体を以下に示す。
(1)エチレン系重合体(A)
(1−1)エチレン・1−ヘキセン共重合体(A‐1)
密度:903kg/m3、MFR:4g/10分のエチレン・1−ヘキセン共重合体〔プライムポリマー社製、商品名:エボリューSP0540〕。
(1−2)エチレン・1−ヘキセン共重合体(A−2)
密度:924kg/m3、MFR:4g/10分のエチレン・1−ヘキセン共重合体〔プライムポリマー社製、商品名:エボリューウSP2540〕。
(1−3)高圧法低密度ポリエチレン(A−3)
密度:921kg/m3、MFR:4g/10分の高圧法低密度ポリエチレン〔プライムポリマー社製、商品名:ミラソンB319〕。
(2)プロピレン系重合体(B)
(2−1)プロピレン・エチレン・1−ブテン共重合体(B−1)
充分に窒素置換した2000mlの重合装置に、833mlの乾燥ヘキサン、1‐ブテン120gとトリイソブチルアルミニウム(1.0mmol)を常温で仕込んだ後、重合装置内温を60℃に昇温し、プロピレンで系内の圧力を0.33MPaになるように加圧した後に、エチレンで、系内圧力を0.63MPaに調整した。次いで、ジ(p−クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド0.002mmolとアルミニウム換算で0.6mmolのメチルアルミノキサン(東ソー・ファインケム社製)を接触させたトルエン溶液を重合器内に添加し、内温60℃、系内圧力を0.63MPaにエチレンで保ちながら20分間重合し、20mlのメタノールを添加し重合を停止した。脱圧後、2Lのメタノール中で重合溶液から重合体を析出し、真空下130℃、12時間乾燥した。得られたプロピレン・エチレン・1−ブテン共重合体(B−1)は97gであり、135℃デカリン中で測定した極限繊度[η]=2.3(dl/g)であった。MFR(JIS K6721、230℃、2.16kg荷重)は1.3g/10分であった。すなわち、式(1)(条件(b4))の左辺の値は、1.50×(1.3)(-0.20)=1.42、右辺の値は2.65×(1.3)(-0.20)=2.51であり、式(1)を満たしていることがわかる。
DSCより得られたガラス転移点は−23.8℃であり、融解熱量(ΔHB)は1J/g以下であった。
プロピレン・エチレン・1−ブテン共重合体(B−1)の組成はプロピレン由来の構成単位が62モル%、エチレン由来の構成単位が10モル%、1−ブテン由来の構成単位が28モル%であった。
(3)プロピレン系重合体(C)
(3−1)プロピレン単独重合体(C−1)
充分に窒素置換した内容量500mlのガラス製オートクレーブにトルエン250mlを装入し、プロピレンを150リットル/時間の量で流通させ、25℃で20分間保持させておいた。一方、充分に窒素置換した内容量30mlの枝付きフラスコにマグネチックスターラーを入れ、これにメチルアルミノキサンのトルエン溶液(Al=1.53mol/l)を5.00mmol、次いでジベンジルメチレン(シクロペンタジエニル)(3,6-ジ-tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリドのトルエン溶液5.0μmolを加え、20分間攪拌した。この溶液を、プロピレンを流通させておいたガラス製オートクレーブのトルエンに加え、重合を開始した。プロピレンガスを150リットル/時間の量で連続的に供給し、常圧下、25℃で45分間重合を行った後、少量のメタノールを添加し重合を停止した。ポリマー溶液を大過剰のメタノールに加え、重合体を析出させ、80℃で12時間、減圧乾燥を行った結果、重合体2.38gが得られた。重合活性は0.63kg-PP/mmol-Zr・hrであり、得られたプロピレン単独重合体(C−1)の極限繊度[η]は1.9dl/g、Tm=158℃(Tm1=152℃、Tm2=158℃)であり、ペンタッド分率(rrrr分率)は93.5%であり、融解熱量(△HC)は57J/gであり、Mw/Mn=2.0であった。MFR(JIS K6721、230℃、2.16kg荷重)は6.0g/10分であった。
(1−4)エチレン・プロピレン共重合体(E−1)
シングルサイト触媒で製造した、密度:869kg/m3、MFR;0.6g/10分、プロピレン含有量;40モル%未満。
[実施例1]
前記エチレン・1−ヘキセン共重合体(A‐1)を70質量%、前記プロピレン・エチレン・1−ブテン共重合体(B−1)を24質量%及び前記プロピレン単独重合体(C−1)を6質量%、それぞれ秤量し、(A−1)、(B−1)及び(C−1)の混合物100重量部に対して、酸化防止剤として3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシトルエンを0.2重量部、配合し、二軸押出機を用いて、樹脂温度200℃で溶融混練して造粒することにより、エチレン系重合体組成物を得た。
得られたエチレン系重合体組成物の物性を前記記載の方法で測定した。結果を表1に示す。
[実施例2]
実施例1で用いたエチレン・1−ヘキセン共重合体(A‐1)に替えて、前記高圧法低密度ポリエチレン(A−3)を用いる以外は実施例1と同様に行いエチレン系重合体組成物を得た。
得られたエチレン系重合体組成物の物性を前記記載の方法で測定した。結果を表1に示す。
[比較例1]
前記エチレン・1−ヘキセン共重合体(A‐1)を100重量部、酸化防止剤として3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシトルエンを0.2重量部配合し、二軸押出機を用いて、樹脂温度200℃で溶融混練して造粒した。得られた押し出し物の物性を前記記載の方法で測定した。結果を表1に示す。
得られたエチレン系重合体組成物の物性を前記記載の方法で測定した。結果を表1に示す。
[比較例2]
実施例1で用いたエチレン系重合体組成物に替えて、前記エチレン・1−ヘキセン共重合体(A‐1)を70質量%及び前記エチレン・プロピレン共重合体(E−1)を30質量%用いる以外は実施例1と同様に行いエチレン系重合体組成物を得た。
得られたエチレン系重合体組成物の物性を前記記載の方法で測定した。結果を表1に示す。
[比較例3]
前記高圧法低密度ポリエチレン(A−3)を100重量部、酸化防止剤として3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシトルエンを0.2重量部配合し、二軸押出機を用いて、樹脂温度200℃で溶融混練して造粒した。得られた押し出し物の物性を前記記載の方法で測定した。結果を表1に示す。
[比較例4]
実施例1で用いたエチレン系重合体組成物に替えて、前記高圧法低密度ポリエチレン(A−3)を70質量%及び前記エチレン・プロピレン共重合体(E−1)を30質量%用いる以外は実施例1と同様に行いエチレン系重合体組成物を得た。
得られたエチレン系重合体組成物の物性を前記記載の方法で測定した。結果を表1に示す。
Figure 2011208149
[実施例3]
実施例1で用いたエチレン系重合体組成物に替えて、前記エチレン・1−ヘキセン共重合体(A−2)を80質量%、前記プロピレン・エチレン・1−ブテン共重合体(B−1)を16質量%、及び前記プロピレン単独重合体(C−1)を4質量%用いる以外は実施例1と同様に行いエチレン系重合体組成物を得た。
得られたエチレン系重合体組成物の物性を前記記載の方法で測定した。結果を表2に示す。
[実施例4]
実施例1で用いたエチレン系重合体組成物に替えて、前記エチレン・1−ヘキセン共重合体(A−2)を70質量%、前記プロピレン・エチレン・1−ブテン共重合体(B−1)を24質量%、及び前記プロピレン単独重合体(C−1)を6質量%用いる以外は実施例1と同様に行いエチレン系重合体組成物を得た。
得られたエチレン系重合体組成物の物性を前記記載の方法で測定した。結果を表2に示す。
Figure 2011208149

Claims (5)

  1. 密度が880〜980kg/m3のエチレン系重合体(A)を55〜98質量%、(b1)プロピレン由来の構成単位を40〜100モル%、(b2)炭素数2〜20のα‐オレフィン(プロピレンを除く)由来の構成単位を60〜0モル%(ただしb1とb2との合計が100モル%である)とを含み、融解熱量(ΔHB)が10J/g以下のプロピレン系重合体(B)を1〜43質量%、及び、(c1)プロピレン由来の構成単位を90〜100モル%、(c2)炭素数2〜20のα−オレフィン(プロピレンを除く)由来の構成単位を10〜0モル%(ただしc1とc2との合計が100モル%である)とを含み、融解熱量(ΔHC)が20J/g以上のプロピレン系重合体(C)を1〜30質量%〔但し、(A)+(B)+(C)=100質量%、とする〕含んでなることを特徴とするエチレン系重合体組成物。
  2. プロピレン系共重合体(B)が、さらに、以下の(b3)または(b4)のいずれか1つ以上を満たす請求項1記載のエチレン系重合体組成物。
    (b3)13CNMR法により測定したシンジオタクティックトライアッド分率(rr分率)が60%以上である。
    (b4)135℃デカリン中で測定した極限粘度[η](dl/g)と230℃、荷重2160gで測定したMFRが下記の関係式を満たす:
    1.50×MFR(-0.20)≦[η]≦2.65×MFR(-0.20)
  3. プロピレン系重合体(B)が、プロピレン、エチレン、及び炭素数4以上のα‐オレフィン由来の構成単位を含む共重合体(B1)並びにプロピレン及びエチレン由来の構成単位を含む共重合体(B2)から選ばれる1つ以上の重合体である、請求項1または2記載のエチレン系重合体組成物。
  4. 共重合体(B1)が、炭素数4以上のα‐オレフィン由来の構成単位の含量が、エチレン由来の構成単位の含量と同量かそれより多い共重合体である請求項3記載のエチレン系重合体組成物。
  5. プロピレン系重合体(C)が、13CNMRで測定したrrrr値が70%以上である請求項1〜4のいずれかに記載のエチレン系重合体組成物。
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