JP2014204499A - 直流−直流コンバータ - Google Patents

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Abstract

【課題】電源投入時に発生する平滑コンデンサの充電電流(突入電流)に起因する直流−直流コンバータの信頼性低下が懸念される。【解決手段】直流−直流コンバータ(DC1)は、印加された直流入力電圧(Vin)を昇圧して昇圧パルス(Vs)を出力する昇圧部(2)と、昇圧パルスを平滑して直流出力電圧(Vout)を出力する平滑部(3)と、充電部(4)と、を備える。充電部は、直流入力電圧が昇圧部に印加される前に、平滑部が有する平滑コンデンサを設定電圧Vcに充電する。【選択図】図1

Description

本発明は、入力電圧の電圧値よりも高い出力電圧を生成する直流−直流コンバータに関する。
特許文献1は、昇圧型のDC−DCコンバータの一例を開示する。そのDC−DCコンバータは、同一のコア上に逆向きに巻かれた2つのコイルと、そのコイルの一方に励磁電流を流すと同時に、他方のコイルにコアの磁化を相殺する方向に電流を発生させる2つのスイッチを備える。磁化を相殺させる方向に発生する電流は、出力側のコンデンサに送られる。さらに、2つのスイッチの動作を切り替え、励磁電流を流すコイルと、磁化を相殺させる電流を発生させるコイルを入れ替える。
特許文献2は、トランス、2つのトランジスタ、2つの出力ダイオード、チョークコイル、および平滑用コンデンサを備えるDC−DCコンバータの他の例を開示する。トランスを構成する2つの巻線の一端は直流電源が接続される入力端子と接続され、2つの巻線の他端は1対のトランジスタを介して、他の入力端子と接続される。2つの巻線からの出力は、2つのダイオードとチョークコイルを介して、平滑用コンデンサおよび負荷が接続される出力端子に供給される。
特開2005−224058号公報 特開平7−222443号公報
特許文献1および特許文献2が開示するDC−DCコンバータ(以下、直流−直流コンバータ、と記載する。)は、入力端子と出力端子間に、コイルとダイオードが直列接続された電流経路を有する。その結果、直流−直流コンバータの電源投入時、コイルおよびダイオードには、平滑用コンデンサを充電する突入電流が流れる。この突入電流が流れるコイル等の回路部品への悪影響や、突入電流で発生する電磁ノイズによる周辺機器への悪影響が懸念される。その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
直流−直流コンバータは、直流入力電圧が印加される1対の直流入力端子と、直流出力電圧を出力する1対の直流出力端子と、1対のインダクタ、および1対のスイッチを有する昇圧部と、1対の直流出力端子間に接続された平滑コンデンサを有する平滑部と、充電部と、を備える。昇圧部は、直流入力電圧が印加される1対のインダクタを1対のスイッチで交互に駆動して、昇圧パルスを生成する。平滑部は、平滑コンデンサで昇圧パルスを平滑して、直流出力電圧を生成する。充電部は、1対の直流入力端子へ直流入力電圧が印加される前に、平滑コンデンサを充電する。
電気部品に流れる突入電流が抑制され、信頼性が向上した直流−直流コンバータが実現される。
実施の形態1に係る直流−直流コンバータの回路図である。 実施の形態1に係る直流−直流コンバータの昇圧動作を説明するタイミング図である。 実施の形態1に係る直流−直流コンバータの電源投入時の動作を説明する回路図である。 実施の形態1に係る直流−直流コンバータが備える充電部の第1具体例を示す回路図である。 実施の形態1に係る直流−直流コンバータが備える充電部の第2具体例を示す回路図である。 実施の形態1に係る直流−直流コンバータが備える充電部の第3具体例を示す回路図である。 実施の形態1に係る直流−直流コンバータが備える充電部の第4具体例を示す回路図である。 実施の形態1に係る直流−直流コンバータとの比較例である直流−直流コンバータの回路図である。 実施の形態2に係る直流−直流コンバータの回路図である。 実施の形態3に係る直流−直流コンバータの回路図である。 実施の形態3に係る直流−直流コンバータの昇圧動作を説明するタイミング図である。
以下、図面を参照しつつ、実施の形態について説明する。実施の形態の説明において、個数、量などに言及する場合、特に記載ある場合を除き、必ずしもその個数、量などに限定されない。実施の形態の図面において、同一の参照符号や参照番号は、同一部分または相当部分を表わすものとする。また、実施の形態の説明において、同一の参照符号等を付した部分等に対しては、重複する説明は繰り返さない場合がある。
<実施の形態1>
図1は、実施の形態1に係る直流−直流コンバータDC1の回路図を示す。
直流−直流コンバータDC1は、1対の直流入力端子、昇圧部2、平滑部3、充電部4、および1対の直流出力端子を備える。ここで、1対の直流入力端子は、高電位側直流入力端子DC_in+および低電位側直流入力端子GNDで構成される。さらに、1対の直流出力端子は、高電位側直流出力端子DC_out+および低電位側直流出力端子GNDで構成される。なお、本明細書において、記号GNDは、接地電位を意味するとともに、上述の各端子の記号としても使用される。
1対の直流入力端子には、直流電源1が出力する直流入力電圧Vinが印加され、1対の直流出力端子からは、直流入力電圧Vinを昇圧した直流出力電圧Voutが出力される。即ち、直流−直流コンバータDC1は、昇圧型の直流−直流コンバータである。
昇圧部2は、トランスL1、ダイオードD1a、ダイオードD1b、スイッチSW1a、スイッチSW1b、および制御回路2Cを有する。昇圧部2は、1対の直流入力端子に印加された直流入力電圧Vinを、昇圧パルスVsに変換する機能を有する。
トランスL1は、1つのコアに形成されたインダクタL1aおよびインダクタL1bを有する。インダクタL1aおよびインダクタL1bの一端はノードN0と接続され、その他端は、それぞれ、ノードN1aおよびノードN1bと接続される。インダクタL1aおよびインダクタL1bは、磁気的に相殺されるように、同一のコアに形成される。即ち、ノードN0からノードN1aおよびノードN1bに電流が流れた場合、インダクタL1aおよびインダクタL1bは、互いに逆向きの磁束を発生するように、磁気的に結合している。さらに、インダクタL1aおよびインダクタL1bのコイル巻数(以下、単に、巻数と記載する場合もある)は、互いに同一に設定される。
ダイオードD1aおよびダイオードD1bのアノードは、それぞれ、ノードN1aおよびノードN1bと接続され、各ダイオードのカソードは、ともに、ノードN2と接続される。スイッチSW1aおよびスイッチSW1bは、いずれも、トランジスタである。スイッチSW1aおよびスイッチSW1bの一端(トランジスタのドレイン)は、それぞれ、ノードN1aおよびノードN1bと接続され、各スイッチの他端(トランジスタのソース)は、低電位側直流入力端子GNDと接続される。
制御回路2Cは、スイッチSW1aおよびスイッチSW1bの導通状態を制御する。より具体的には、スイッチSW1aおよびスイッチSW1bの導通状態を、交互に反転させる。即ち、一方のスイッチが導通状態(on)に設定される期間、他方のスイッチは非導通状態(off)に設定される。各スイッチの導通状態制御は、トランジスタのゲート電圧の制御により行われる。なお、スイッチSW1a/SW1bは、電界効果トランジスタに限定されず、他の電気的なスイッチング素子や、その他機械的なスイッチング素子でもよい。
平滑部3は、平滑インダクタLcおよび平滑コンデンサC1を有する。平滑インダクタLcの一端は、ノードN2と接続され、その他端は、ノードN3と接続される。平滑コンデンサC1の一端は、ノードN3と接続され、その他端は、低電位側直流出力端子GNDと接続される。平滑部3は、リプルを有する昇圧パルスVsを平滑して、直流出力電圧Voutを生成する。
充電部4が出力する直流電圧は、平滑コンデンサC1の一方の端子が接続されるノードN3に印加される。充電部4は、後述の通り、直流電源1の直流入力電圧Vinが直流−直流コンバータDC1へ印加される前に、所定時間、平滑コンデンサC1を充電する機能を有する。
図2は、実施の形態1に係る直流−直流コンバータDC1の昇圧動作を説明するタイミング図である。
図2は、充電部4による平滑コンデンサC1の充電が終了し、1対の直流入力端子に直流入力電圧Vinが印加されている直流−直流コンバータDC1の動作波形を示す。横軸は、時刻を示し、縦軸は、主要部の動作を説明する波形を示す。縦軸および横軸とも、任意スケールである。
時刻ta1に、制御回路2Cは、スイッチSW1bの非導通状態を維持しつつ、スイッチSW1aを非導通状態から導通状態へ変化させる。すると、スイッチSW1aで駆動されたインダクタL1aには、高電位側直流入力端子DC_in+から低電位側直流入力端子GNDに流れる電流が供給される。この電流により、インダクタL1bの両端には、直流入力電圧Vinとほぼ等しい値を有する誘導電圧Vin1が誘起される。なお、インダクタL1aおよびインダクタL1bのコイル巻数は、上述の通り、互いに同一に設定されているため、誘導電圧Vin1の値は、直流入力電圧Vinの値とほぼ等しくなる。
インダクタL1bの両端に誘導電圧Vin1が生成されると、ノードN1bの電圧は、直流入力電圧Vinと誘導電圧Vin1の加算値まで上昇する。ダイオードD1bの順方向電圧を順方向電圧Vf1bとすると、ノードN2の電圧、即ち、昇圧パルスVsの電圧は、以下の式で求められる。
Vs=Vin+Vin1−Vf1b …… 式1a
なお、図2において、スイッチSW1aの導通時間taにおける昇圧パルスVsの値は、式1aの近似値として、直流入力電圧Vinの2倍の値としている。
時刻ta2から時刻tb1の期間は、スイッチSW1aおよびスイッチSW1bとも、非導通状態に設定される。その理由は、以下の通りである。即ち、スイッチSW1aおよびスイッチSW1bを同時に導通状態に設定すると、インダクタL1aが生成する磁束とインダクタL1bが生成する磁束は互いに打ち消しあい、トランスL1のインダクタ成分は、ほとんど喪失される。このインダクタ成分の喪失に起因する直流電源1の出力端子間(即ち、1対の直流入力端子間)の短絡を防止するため、スイッチSW1aおよびスイッチSW1bとも、非導通状態とする期間が設定される。
時刻ta1から時刻ta2の期間にインダクタL1aに蓄積された励磁エネルギーは、時刻ta2から時刻tb1の期間にわたり、ダイオードD1aを介して、平滑部3へ放出される。同時に、インダクタL1bの電流も連続して、平滑部3へ流れる。
時刻tb1に、制御回路2Cは、スイッチSW1aの非導通状態を維持しつつ、スイッチSW1bを非導通状態から導通状態に変化させる。すると、スイッチSW1bで駆動されたインダクタL1bには、高電位側直流入力端子DC_in+から低電位側直流入力端子GNDに流れる電流が供給される。この電流により、インダクタL1aの両端には、直流入力電圧Vinとほぼ等しい値を有する誘導電圧Vin1が誘起される。
インダクタL1aの両端に誘導電圧Vin1が生成されると、ノードN1aの電圧は、直流入力電圧Vinと誘導電圧Vin1の加算値まで上昇する。ダイオードD1aの順方向電圧を順方向電圧Vf1aとすると、ノードN2の電圧、即ち、昇圧パルスVsの電圧は、以下の式で求められる。
Vs=Vin+Vin1−Vf1a …… 式1b
なお、図2において、スイッチSW1bの導通時間tbにおける昇圧パルスVsの値は、式1bの近似値として、直流入力電圧Vinの2倍の値としている。
時刻tb2から時刻ta3の期間、スイッチSW1aおよびスイッチSW1bとも、非導通状態に設定される。この期間、インダクタL1bに蓄積されていた励磁エネルギーは、ダイオードD1bを介して、平滑部3へ放出される。同時に、インダクタL1aの電流も連続して、平滑部3へ流れる。
時刻ta1からスイッチング周期T経過後の時刻ta3以降も、制御回路2Cは、各スイッチング周期Tにおいて、スイッチSW1aおよびスイッチSW1bを交互に導通状態に設定し、昇圧部2は、昇圧パルスVsを生成する。
平滑部3は、昇圧パルスVsを平滑インダクタLcおよび平滑コンデンサC1で平滑し、直流出力電圧Voutを出力する。直流出力電圧Voutは、以下の式で求められる。
Vout=Vin+Vin*2*Duty−Vf …… 式2
順方向電圧Vfは、順方向電圧Vf1aおよび順方向電圧Vf1bの平均値である。
デューティ比Dutyは、スイッチング周期Tに対する、スイッチSW1aの導通時間ta、およびスイッチSW1bの導通時間tbの比率である。スイッチング周期Tにおいて、スイッチSW1aおよびスイッチSW1bの非導通時間が設定されるため、デューティ比Dutyは、0.5より小さく設定される。
順方向電圧Vfが直流入力電圧Vinより無視できるほど小さい場合、直流−直流コンバータDC1は、最大で直流入力電圧Vinの2倍まで昇圧された直流出力電圧Voutを生成することが可能である(式2)。
図3は、実施の形態1に係る直流−直流コンバータDC1の電源投入時の動作を説明する回路図である。
図3は、図1に示される直流−直流コンバータDC1に直流入力電圧Vinが印加された直後の、昇圧部2および平滑部3に流れる突入電流I1および突入電流I2を示す。突入電流I1および突入電流I2は、いずれも、直流電源1から平滑コンデンサC1に供給される充電電流である。本明細書において、直流−直流コンバータDC1の電源投入時に発生する平滑コンデンサC1の充電電流は、特に、”突入電流”と表現される。
電源投入後から昇圧動作を開始するまで、制御回路2Cが備えるスイッチSW1aおよびスイッチSW1bは、非導通状態にある。一方、充電部4は、直流−直流コンバータDC1に直流入力電圧Vinが印加される前に、平滑コンデンサC1の充電を完了し、その動作を停止する。平滑コンデンサC1が設定電圧Vcまで充電されると、充電部4は、その後、ノードN3から電気的に切断される。
突入電流I1は、高電位側直流入力端子DC_in+から、インダクタL1b、ダイオードD1b、平滑インダクタLc、および平滑コンデンサC1を経由(以下、経路1、と記載)して、低電位側直流出力端子GNDに流れる電流である。突入電流I2は、高電位側直流入力端子DC_in+から、インダクタL1a、ダイオードD1a、平滑インダクタLc、および平滑コンデンサC1を経由(以下、経路2、と記載)して、低電位側直流出力端子GNDに流れる電流である。以下の、説明において、経路1のインピーダンスr1は、経路2のインピーダンスr2より小さい(r1<r2)、とされる。
(突入電流I1の計算)
高電位側直流入力端子DC_in+に直流入力電圧Vinが印加されると、平滑コンデンサC1は、より小さいインピーダンスr1を有する経路1の突入電流I1で充電される。この時、インダクタL1bの両端には、以下の電圧VL1bが印加される。
Vc≦Vin−Vf1bの場合、
VL1b=Vin−Vf1b−Vc …… 式3a
Vc>Vin−Vf1bの場合、
VL1b=0 …… 式3b
ここで、記号”Vf1b”は、ダイオードD1bの順方向電圧である。
従って、経路1を流れる突入電流I1の最大突入電流Ir1は、以下の式で求められる。
Vc≦Vin−Vf1bの場合、
Ir1=(Vin−Vf1b−Vc)/r1 …… 式4a
Vc>Vin−Vf1bの場合、
Ir1=0 …… 式4b
ここで、記号”/”は、除算記号である。
式4aに示される通り、設定電圧Vcの値が大きい程、経路1の最大突入電流Ir1は、減少する。式4bに示される通り、設定電圧Vcの値が、”Vin−Vf1b”以上の値に設定されると、最大突入電流Ir1は流れなくなる。
(突入電流I2の計算)
トランスL1を構成するインダクタL1aおよびインダクタL1bは、上述の通り、互いに逆向きの磁束を発生するように、磁気的に結合している。その結果、インダクタL1bに流れる突入電流I1に応答して、インダクタL1aの両端には、以下の電圧VL1aが誘起される。この電圧VL1aは、高電位側直流入力端子DC_in+が低電位となるように誘起される。
Vc≦Vin−Vf1bの場合、
VL1a=Vin−Vf1b−Vc …… 式5a
Vc>Vin−Vf1bの場合、
VL1a=0 …… 式5b
ダイオードD1aが導通する直前のノードN1aの電圧VN1aは、高電位側直流入力端子DC_in+の電圧Vinに、式5aまたは式5bの電圧VL1aを加算した以下の値に設定される。
Vc≦Vin−Vf1bの場合、
VN1a=2*Vin−Vf1b−Vc …… 式6a
Vc>Vin−Vf1bの場合、
VN1a=Vin …… 式6b
ここで、記号”*”は、乗算記号である。
ダイオードD1aが導通すると、経路2を流れる突入電流I2の最大突入電流Ir2は、以下の式で求められる。
Vc≦Vin−Vf1aの場合、
Ir2=(2*Vin−Vf1b−Vc−Vf1a−Vc)/r2 …… 式7a
Vc>Vin−Vf1bの場合、
Ir2=(Vin−Vf1a−Vc)/r2 …… 式7b
ここで、記号”Vf1a”は、ダイオードD1aの順方向電圧である。
平滑コンデンサの最大突入電流Irは、以下の式で求められる。
Ir=Ir1+Ir2 …… 式8
即ち、設定電圧Vcの値が大きい程、最大突入電流Irは小さくなる。また、設定電圧Vcの値が、式9aおよび式9bの両方を満足する場合、最大突入電流Irは零、となる。
Vc≧Vin−Vf1b …… 式9a
Vc≧Vin−Vf1a …… 式9b
なお、経路1のインピーダンスr1が経路2のインピーダンスr2よりも高い場合、最大突入電流の計算は、上述の逆となる。
実施の形態1に係る直流−直流コンバータDC1の効果は、以下の通りである。
(インダクタ対を交互に駆動する構成の効果)
直流−直流コンバータDC1は、トランスL1を構成する1対のインダクタL1a/L1bを1対のスイッチSW1a/SW1bで交互に駆動し、1対のダイオードD1a/D1bのカソードに昇圧パルスVsを生成する構成を有する。従って、1対のインダクタL1a/L1bのそれぞれと、および1対のダイオードD1a/D1bのそれぞれと、に流れる電流の周波数は、1対のスイッチSW1a/SW1bのスイッチング周波数の2倍となる。
その結果、インダクタに流れる電流の周波数とそのインダクタを駆動するスイッチのスイッチング周波数が同一である場合と比較し、トランスL1のコアの磁束密度を、より低くすることが可能となる。即ち、トランスL1の、より一層の小型化が実現される。加えて、1対のダイオードD1a/D1bのカソードに生成される昇圧パルスVsの周波数も2倍になるため、平滑インダクタLcの磁束密度を低く設定することが可能となる。即ち、平滑インダクタLcの、より一層の小型化が実現される。
また、平滑コンデンサC1に流れる電流のリプルも小さくなるため、平滑コンデンサC1の内部発熱が減少する。即ち、平滑コンデンサC1の長寿命化が実現される。さらに、1対のスイッチSW1a/SW1bのスイッチング周波数を低く設定できるため、スイッチング損失が低下し、発熱の減少さらには直流−直流コンバータDC1の効率向上が図れる。
直流−直流コンバータDC1が備える1対のインダクタL1a/L1bは、磁気的に相殺されるように同一のコアに形成される。この結果、コアの磁気飽和への余裕が増加し、トランスL1の小型化が実現される。このトランスL1の小型化により、トランスL1の鉄損が減少し、直流−直流コンバータDC1の効率が向上する。
(充電部の効果)
充電部4は、直流入力電圧Vinが直流−直流コンバータDC1へ印加される(電源投入)前に、所定時間、平滑コンデンサC1を充電する機能を有する。電源投入前に、平滑コンデンサC1を設定電圧Vcまで充電することで、直流電源1から直流−直流コンバータDC1を構成する各回路部品に流れる突入電流I1/I2を大幅に削減、さらには、零にすることが可能となる。
突入電流I1/I2は、1対のインダクタL1a/L1bで構成されるトランスL1、1対のダイオードD1a/D1b、および平滑インダクタLcを経由して、平滑コンデンサC1を充電する。
充電部4で直流−直流コンバータDC1に搭載されるインダクタ等の回路部品に流れる突入電流を抑制することで、突入電流を考慮せずに、即ち、本来想定される動作電流値に基づき、回路部品の大きさを決定することが可能となる。その結果、充電部4は、トポロジー的には、1対のインダクタ、1対のダイオード、および平滑インダクタLcの小型化、即ち、直流−直流コンバータDC1の小型化に寄与する。
一方、充電部4を備えない引用文献2のDC−DCコンバータの場合、電源投入時に、トランスを構成するインダクタ対、ダイオード対、およびチョークコイル等の回路部品に流れる突入電流のため、トランスおよびチョークコイルの磁気飽和や、ダイオード特性の劣化が懸念される。その対策として、DC−DCコンバータに搭載される回路部品は、本来想定される動作電流値以上の値を有する突入電流を考慮した大きなサイズのものを選択する必要がある。その結果、DC−DCコンバータの大きさは、必要以上に大型化する。
突入電流に起因して発生する電磁ノイズは、DC−DCコンバータの周辺に配置される機器に、電磁的影響を与える。さらに、DC−DCコンバータの前段に他の回路が接続されている場合、電源投入時に発生する突入電流は、その前段の回路から過大な電流を引き込むことになる。その結果、前段の回路において、回路部品の電流定格の増加を招く。
充電部4を備える直流−直流コンバータDC1は、電源投入時に発生する突入電流を大幅に削減可能であり、突入電流に起因する前段の他の回路への悪影響が解消される。
図4は、実施の形態1に係る直流−直流コンバータDC1が備える充電部4の第1具体例である充電部41を示す回路図である。
図4において、図1と同一符号が付されたものは両者とも同一構成を有し、それらの重複説明は省略される。
直流電源1は、直流電圧源BTおよびスイッチSWbt1を備える。直流電圧源BTの正極は、ノードNbt1を介して、スイッチSWbt1の一端と接続される。スイッチSWbt1の他端は、高電位側直流入力端子DC_in+と接続される。直流電圧源BTの負極は、低電位側直流入力端子GNDと接続される。なお、スイッチSWbt1は、上述の位置へ配置する代わりに、直流電圧源BTの負極と低電位側直流入力端子GND間に配置してもよい。
充電部41は、直流電圧源BTの正極と、高電位側直流出力端子DC_out+と、の間に配置される。充電部41は、ノードN1cとノードN2cとの間に直列接続された抵抗Rc1およびスイッチSWc1を有する。抵抗Rc1の一端と接続されるノードN1cは、直流電圧源BTの正極と接続されるノードNbt1と、接続される。スイッチSWc1の一端と接続されるノードN2cは、高電位側直流出力端子DC_out+と接続される。抵抗Rc1の他端は、スイッチSWc1の他端と接続される。なお、充電部41において、直列接続される抵抗Rc1およびスイッチSWc1の位置は、入れ替えてもよい。
直流−直流コンバータDC1への電源投入前において、スイッチSWbt1は非導通状態(開いた状態)に設定される。その状態において、スイッチSWc1は、所定時間、導通状態(閉じた状態)に設定される。スイッチSWc1が非導通状態から導通状態に設定されると、直流電圧源BTは、抵抗Rc1およびスイッチSWc1を介して、平滑コンデンサC1を設定電圧Vcまで充電する。
充電電流の最大値Ipは式10aで、充電の時定数τは式10bで、それぞれ求められる。
Ip=Vin/Rc1 …… 式10a
τ=Rc1*C1 …… 式10b
ここで、式10aまたは式10bにおいて、記号Vinは直流電圧源BTの電圧値であり、他の記号は、それぞれに付された記号に対応する抵抗またはコンデンサの値である。式10aおよび式10bから理解される通り、抵抗Rc1の値が大きい程充電電流の最大値Ipは抑えられるが、充電に要する時間は増加する。
平滑コンデンサC1が設定電圧Vcに達すると、スイッチSWc1は非導通状態に設定され、充電部41の動作は停止する。その後、直流電源1が備えるスイッチSWbt1が導通状態に設定され、高電位側直流入力端子DC_in+に直流入力電圧Vinが印加されるとともに、昇圧部2の動作が開始される。なお、スイッチSWc1を非導通状態に設定するタイミングの判断は、平滑コンデンサC1の電圧が設定電圧Vcに達したか否かを測定する代わりに、抵抗Rc1の両端電圧に基づき判断してもよい。
平滑コンデンサC1の電圧が設定電圧Vcに達した時、スイッチSWc1に流れる電流ISWは式10cで、抵抗Rc1両端の電圧VRc1は式10dで、それぞれ求められる。
ISW=(Vin−Vc)/Rc1 …… 式10c
VRc1=Vin−Vc …… 式10d
即ち、電流ISWおよび電圧VRc1は、平滑コンデンサC1の設定電圧Vcにより、一意に定まる。
スイッチSWc1を非導通状態にするタイミング設定は、上述の電圧や電流の監視に基づく判断の他に、スイッチSWc1に電流が流れ始めてからの経過時間等、時間に基づき判断しても良い。この時間に基づく判断手法により、平滑コンデンサC1の充電電圧の制御を、単純な構成で実現することが可能となる。
充電部41によれば、直流−直流コンバータDC1に直流入力電圧Vinを印加する前に、その直流入力電圧Vinを出力する直流電源1で、平滑コンデンサC1を充電することが可能となる。充電部41は、直列に接続されたスイッチSWc1および抵抗Rc1という単純な構成を有する。スイッチSWc1または抵抗Rc1の電流、電圧、または経過時間を測定することで、平滑コンデンサC1を設定電圧Vcに容易に充電することが可能となる。
図5は、実施の形態1に係る直流−直流コンバータDC1が備える充電部4の第2具体例である充電部42を示す回路図である。
図5において、図1と同一符号が付されたものは両者とも同一構成を有し、それらの重複説明は省略される。
充電部42は、充電用直流電圧源BTcによる平滑コンデンサC1の充電を制御する。充電用直流電圧源BTcは、直流電源1が有する直流電圧源BTとは別に用意される。充電用直流電圧源BTcの正極は、充電部42を介して、高電位側直流出力端子DC_out+と接続される。
充電部42は、ノードN1cとノードN2cとの間に直列接続された抵抗Rc2およびスイッチSWc2を有する。抵抗Rc2の一端と接続されるノードN1cは、充電用直流電圧源BTcの正極と接続される。スイッチSWc2の一端と接続されるノードN2cは、高電位側直流出力端子DC_out+と接続される。抵抗Rc2の他端は、スイッチSWc2の他端と接続される。なお、充電部42において、直列接続される抵抗Rc2およびスイッチSWc2の位置は、入れ替えてもよい。
直流−直流コンバータDC1への電源投入前において、スイッチSWc2は、所定時間、導通状態(閉じた状態)に設定される。スイッチSWc2が非導通状態から導通状態に設定されると、充電用直流電圧源BTcは、抵抗Rc2およびスイッチSWc2を介して、平滑コンデンサC1を設定電圧Vcまで充電する。平滑コンデンサC1が設定電圧Vcに達すると、スイッチSWc2は非導通状態に設定され、充電部42の動作は停止する。その後、高電位側直流入力端子DC_in+に直流入力電圧Vinが印加されるとともに、昇圧部2の動作が開始される。
充電部42によれば、直流−直流コンバータDC1への電源投入前における直流入力電圧Vinが不安定な場合であっても、確実に、平滑コンデンサC1を所望の設定電圧Vcに充電することが可能となる。
図6は、実施の形態1に係る直流−直流コンバータDC1が備える充電部4の第3具体例である充電部43を示す回路図である。
図6において、図1と同一符号が付されたものは両者とも同一構成を有し、それらの重複説明は省略される。
充電部43は、直流電圧源BTの正極と、高電位側直流出力端子DC_out+と、の間に配置される。充電部43は、ノードN1cとノードN2cとの間に接続されたスイッチSWc3、電流検出回路43a、電圧検出回路43v、および充電制御回路43cを有する。電流検出回路43aは、スイッチSWc3に流れる電流を検出する。電圧検出回路43vは、ノードN2c、即ち、高電位側直流出力端子DC_out+の電圧を検出する。充電制御回路43cは、電流検出回路43aおよび電圧検出回路43vの各出力に基づき、スイッチSWc3の導通状態を制御する。
スイッチSWc3に流れる電流の上限値、および充電部43の出力電圧(ノードN2cの電圧)の目標値は、それぞれ、ISWおよびVcに設定されているとする。直流−直流コンバータDC1への電源投入前において、充電制御回路43cは、スイッチSWc3の電流および充電部43の出力電圧が、それぞれ、上限値ISWおよび設定値Vc以下となるように、スイッチSWc3の導通状態を制御する。
ノードN2cの電圧が設定値Vcと等しくなると、充電部43は、その動作を停止し、スイッチSWc3を非導通状態に維持する。その後、直流電源1が備えるスイッチSWbt1が導通状態に設定され、高電位側直流入力端子DC_in+に直流入力電圧Vinが印加されるとともに、昇圧部2の動作が開始される。
充電部43によれば、平滑コンデンサC1の充電電圧を設定値Vcに設定する場合、直流電圧源BTの正極および高電位側直流出力端子DC_out+間の電流通路に抵抗を配置せずに、スイッチSWc3の導通状態が制御可能となる。その結果、充電部43に起因する電力損失が低減される。
図7は、実施の形態1に係る直流−直流コンバータDC1が備える充電部4の第4具体例である充電部44を示す回路図である。
図7において、図1と同一符号が付されたものは両者とも同一構成を有し、それらの重複説明は省略される。
充電部44は、直流電圧源BTの正極と、高電位側直流出力端子DC_out+と、の間に配置される。充電部44は、ノードN1cとノードN2cとの間に直列接続されたダイオードDc4および抵抗Rc4を有する。ダイオードDc4のアノードと接続されるノードN1cは、直流電圧源BTの正極と接続される。抵抗Rc4の一端と接続されるノードN2cは、高電位側直流出力端子DC_out+と接続される。ダイオードDc4のカソードは、抵抗Rc4の他端と接続される。
直流−直流コンバータDC1への電源投入前において、直列接続されたダイオードDc4および抵抗Rc4は、平滑コンデンサC1を、略直流入力電圧Vinまで充電し、充電部44の動作は停止する。その後、直流電源1が備えるスイッチSWbt1が導通状態に設定され、高電位側直流入力端子DC_in+に直流入力電圧Vinが印加されるとともに、昇圧部2の動作が開始される。
充電部44によれば、スイッチおよびスイッチの制御回路が不要となり、回路構成が簡略化される。
図8は、実施の形態1に係る直流−直流コンバータDC1との比較例である直流−直流コンバータDCRの回路図である。
図8において、図1と同一符号が付されたものは両者とも同一構成を有し、それらの重複説明は省略される。図8に示される直流−直流コンバータDCRは、図1に示される直流−直流コンバータDC1と、以下の点において相違する。即ち、直流−直流コンバータDCRは、高電位側直流入力端子DC_in+と昇圧部2のノードN0(図1参照)と、の間に挿入されたサーミスタRsを備えるが、充電部4を備えない。
サーミスタRsは、直流−直流コンバータDCRの電源投入時に発生する突入電流を低減する目的で配置される。サーミスタRsは、その温度上昇に従い、その抵抗値が低下する特性を有する。つまり、起動時は、高い抵抗値を有するサーミスタRsにより、直流−直流コンバータDCRの突入電流が抑えられる。さらに、起動時から所定時間経過後の定常動作時は、直流電源1から供給される電源電流に起因するジュール熱により、サーミスタRsは、低い抵抗値を維持する。その結果、起動時の突入電流と定常動作時の定常損失が抑えられた直流−直流コンバータDCRが実現される。なお、サーミスタRsを、各種トランジスタやサイリスタ等に置き換えても、同様の効果を奏する。
サーミスタRsを直流電源1と高電位側直流入力端子DC_in+間に接続することで、起動時の突入電流の影響を低減することは可能である。しかしながら、その後の定常動作時中の直流−直流コンバータDCRにおいて、サーミスタRsに起因する電力損失が発生する。それに対し、実施の形態1に係る直流−直流コンバータDC1は、起動時において、充電部4の充電動作により、突入電流が抑制される。さらに、その後の定常動作時において、動作を停止した充電部4は、電力を消費しない。その結果、信頼性が高く、かつ、効率の良い直流−直流コンバータDC1が実現される。
<実施の形態2>
図9は、実施の形態2に係る直流−直流コンバータDC2の回路図である。
図9において、図1と同一符号が付されたものは両者とも同一構成を有し、それらの重複説明は省略される。
昇圧部22は、図1に示される昇圧部2と、以下の点で相違する。
即ち、図1に示される昇圧部2は、1対のインダクタL1a/L1b、1対のスイッチSW1a/SW1b、および1対のダイオードD1a/D1bを備える。1対のインダクタL1a/L1bの一方の端子対は、ノードN0と接続され、その他方の端子対は、それぞれ、ノードN1a/ノードN1bと接続される。さらに、ノードN1a/ノードN1bは、それぞれ、1対のスイッチSW1a/SW1bで交互に駆動される。
それに対し、図9に示される昇圧部22が備えるトランスL2は、1つのコアに形成された1対のインダクタを有する。1対のインダクタは、磁気的に相殺されるように、同一のコアに形成される。
1対のインダクタの一方は、ノードN0および中間タップN1a1間に接続されたインダクタL1a1(巻数n1)と、中間タップN1a1およびノードN1a2間に接続されたインダクタL1a2(巻数n2)と、を有する。即ち、1対のインダクタの一方は、中間タップN1a1を介して直列接続されたインダクタL1a1およびインダクタL1a2で構成される。
1対のインダクタの他方は、ノードN0および中間タップN1b1間に接続されたインダクタL1b1(巻数n1)と、中間タップN1b1およびノードN1b2間に接続されたインダクタL1b2(巻数n2)と、を有する。即ち、1対のインダクタの他方は、中間タップN1b1を介して直列接続されたインダクタL1b1およびインダクタL1b2で構成される。
ダイオードD1aおよびダイオードD1bのアノードは、それぞれ、ノードN1a2およびノードN1b2と接続され、各ダイオードのカソードは、ともに、ノードN2と接続される。スイッチSW1aおよびスイッチSW1bは、いずれも、トランジスタである。スイッチSW1aおよびスイッチSW1bの一端(トランジスタのドレイン)は、それぞれ、中間タップN1a1および中間タップN1b1と接続され、各スイッチの他端(トランジスタのソース)は、低電位側直流入力端子GNDと接続される。
直流−直流コンバータDC2が生成する直流出力電圧Voutは、以下の通りである。
図2に示される実施の形態1に係る直流−直流コンバータDC1の駆動タイミングと同様に、中間タップN1a1および中間タップN1b1を、それぞれ、スイッチング周期Tにおいてデューティ比Dutyで駆動すると、直流出力電圧Voutは、以下の式11で求められる。
Vout=Vin+Vin((n1+n2)/n1)*2*Duty
=Vin+Vin(1+n2/n1)*2*Duty …… 式11
ここで、n1は、インダクタL1a1およびインダクタL1b1の巻数であり、n2は、インダクタL1a2およびインダクタL1b2の巻数である。
実施の形態2に係る直流−直流コンバータDC2によれば、トランスL2の巻数n1および巻数n2を変更することで、直流出力電圧Voutを、直流入力電圧Vinの2倍以上の任意の値を有する電圧に、昇圧することが可能となる。
また、式11より、直流出力電圧Voutは、巻数n1に対する巻数n2の比(n2/n1)により決定される。従って、インダクタL1a1およびインダクタL1a2の巻数比と、インダクタL1b1およびインダクタL1b2の巻数比と、を同一に設定することで、直流出力電圧Voutを、直流入力電圧Vinの2倍以上の任意の値を有する電圧に、昇圧することが可能となる。即ち、トランスL2が有する1対のインダクタの一方(L1a1/L1a2)の巻数と、1対のインダクタの他方(L1b1/L1b2)の巻数が異なる場合であっても、上述の直流出力電圧Voutを出力することが可能である。
<実施の形態3>
図10は、実施の形態3に係る直流−直流コンバータDC3の回路図である。
図10において、図1と同一符号が付されたものは両者とも同一構成を有し、それらの重複説明は省略される。
昇圧部23は、図1に示される昇圧部2と、以下の点で相違する。即ち、昇圧部2が備えるトランスL1は、互いに同一の巻数を有するインダクタL1aおよびインダクタL1bを有する。それに対し、昇圧部23が備えるトランスL3が有するインダクタL3a(巻数na)およびインダクタL3b(巻数nb)は、互いに異なる巻数(na≠nb)を有する。
図11は、実施の形態3に係る直流−直流コンバータDC3の昇圧動作を説明するタイミング図である。
図11は、充電部4による平滑コンデンサC1の充電が終了し、1対の直流入力端子に直流入力電圧Vinが印加されている直流−直流コンバータDC3の動作波形を示す。横軸は、時刻を示し、縦軸は、主要部の動作を説明する波形を示す。縦軸および横軸とも、任意スケールである。
スイッチング周期Tにおいて、インダクタL3aおよびインダクタL3bは、それぞれ、導通時間ta(時刻ta1〜ta2)および導通時間tb(時刻tb1〜tb2)で駆動される。インダクタL3aおよびインダクタL3bは、互いに逆向きの磁束が発生するように、磁気的に結合している。
式12aは、トランスL3の磁化が相殺される条件を示す。
ta/na=tb/nb …… 式12a
従って、スイッチSW1bの導通時間tbは、式12bで求められる。
tb=ta*nb/na …… 式12b
ここで、記号”*”および記号”/”は、それぞれ、乗算記号および除算記号である。
図11に示される通り、昇圧パルスVsは、導通時間taおよび導通時間tbにおいて、それぞれ、電圧Vs2および電圧Vs1の値となる。ここで、電圧Vs1は式12c、電圧Vs2は式12dで、求められる。
Vs1=(1+na/nb)*Vin …… 式12c
Vs2=(1+nb/na)*Vin …… 式12d
ここで、記号Vinは、直流入力電圧の値である。
直流出力電圧Voutは、昇圧パルスVsの平均値であり、式12eで求められる。
Vout=(Vs1*ta+Vs2*tb)/T+Vin …… 式12e
さらに、式12a〜式12dを考慮すると、
Vout=Vin*ta*(1+nb/na)/T+Vin …… 式12f
ダイオードD1a/D1bの順方向電圧は直流入力電圧Vinに対して無視できるほど小さいため、式12c〜式12fの導出において、順方向電圧は考慮されていない。
実施の形態3に係る直流−直流コンバータDC3によれば、巻数naおよび巻数nbの比率で、ノードN1aおよびノードN1bの最大電圧を変更することが可能である。その結果、スイッチSW1aおよびスイッチSW1bに印加される最大電圧を調整することが可能となり、スイッチSW1a/SW1bの選択自由度が増加する。同様に、ノードN1aおよびノードN1bの最大電圧を変更することで、ダイオードD1aおよびダイオードD1bに印加される逆電圧、即ち、リカバリー電流を調整することが可能となる。その結果、ダイオードD1a/D1bの選択自由度も増加する。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
BT 直流電圧源、BTc 充電用直流電圧源、C1 平滑コンデンサ、D1a,D1b ダイオード、DC_in 高電位側直流入力端子、DC_out 高電位側直流出力端子、DC1,DC2,DC3,DCR 直流コンバータ、GND 接地電位、I1,I2 突入電流、L1,L2,L3 トランス、L1a,L1a1,L1a2,L1b,L1b1,L1b2,L2a,L3a,L3b インダクタ、Lc 平滑インダクタ、N0,N1a,N1a2,N1b,N1b2,N1c,N2,N2c,N3,Nbt1 ノード、N1a1,N1b1 中間タップ、Rs サーミスタ、SW1a,SW1b,SWbt1,SWc1,SWc2,SWc3 スイッチ、T スイッチング周期、VL1a,VL1b,VN1a,VRc1 電圧、Vc 設定電圧、Vin 直流入力電圧、Vin1 誘導電圧、Vout 直流出力電圧、Vs 昇圧パルス、n1,n2,na,nb 巻数、r1,r2 インピーダンス、ta,tb 導通時間、1 直流電源、2 昇圧部、2C 制御回路、3 平滑部、4 充電部、22,23 昇圧部、41,42,43,44 充電部、43a 電流検出回路、43c 充電制御回路、43v 電圧検出回路。

Claims (14)

  1. 直流−直流コンバータであって、
    直流入力電圧が印加される1対の直流入力端子と、
    直流出力電圧を出力する1対の直流出力端子と、
    1対のインダクタ、および1対のスイッチを有する昇圧部と、
    前記1対の直流出力端子間に接続された平滑コンデンサを有する平滑部と、
    充電部と、
    を備え、
    前記昇圧部は、前記直流入力電圧が印加される前記1対のインダクタを前記1対のスイッチで交互に駆動して、昇圧パルスを生成し、
    前記平滑部は、前記平滑コンデンサで前記昇圧パルスを平滑して、前記直流出力電圧を生成し、
    前記充電部は、前記1対の直流入力端子へ前記直流入力電圧が印加される前に、前記平滑コンデンサを充電する、直流−直流コンバータ。
  2. 前記昇圧部は、さらに、1対のダイオードを備え、
    前記1対のインダクタの一方の端子対は、前記1対の直流入力端子の一方と接続され、
    前記1対のインダクタの他方の端子対は、前記1対のダイオードのアノード対と接続され、
    前記1対のスイッチの一方の端子対は、前記1対のインダクタの他方の端子対と接続され、
    前記1対のスイッチの他方の端子対は、前記1対の直流入力端子の他方と接続され、
    前記1対のダイオードのカソード対は、互いに接続されるとともに、前記昇圧パルスを生成する、請求項1記載の直流−直流コンバータ。
  3. 前記平滑部は、さらに、平滑インダクタを備え、
    前記平滑インダクタの一端は、前記1対のダイオードのカソード対と接続され、
    前記平滑インダクタの他端は、前記1対の直流出力端子の高電位側と接続される、請求項2記載の直流−直流コンバータ。
  4. 前記1対のインダクタは、磁気的に相殺されるようにコアに形成される、請求項1記載の直流−直流コンバータ。
  5. 前記昇圧部は、さらに、制御回路を有し、
    前記制御回路は、前記1対のスイッチの導通状態を交互に反転させる、請求項4記載の直流−直流コンバータ。
  6. 直流−直流コンバータであって、
    直流入力電圧が印加される1対の直流入力端子と、
    直流出力電圧を出力する1対の直流出力端子と、
    1対の中間タップが設けられた1対のインダクタ、および1対のスイッチを有する昇圧部と、
    前記1対の直流出力端子間に接続された平滑コンデンサを有する平滑部と、
    充電部と、
    を備え、
    前記昇圧部は、前記直流入力電圧が印加される前記1対のインダクタが有する前記1対の中間タップを前記1対のスイッチで交互に駆動して、昇圧パルスを生成し、
    前記平滑部は、前記平滑コンデンサで前記昇圧パルスを平滑して、前記直流出力電圧を生成し、
    前記充電部は、前記1対の直流入力端子へ前記直流入力電圧が印加される前に、前記平滑コンデンサを充電する、直流−直流コンバータ。
  7. 前記昇圧部は、さらに、1対のダイオードを備え、
    前記1対のインダクタの一方の端子対は、前記1対の直流入力端子の一方と接続され、
    前記1対のインダクタの他方の端子対は、前記1対のダイオードのアノード対と接続され、
    前記1対のスイッチの一方の端子対は、前記1対の中間タップと接続され、
    前記1対のスイッチの他方の端子対は、前記1対の直流入力端子の他方と接続され、
    前記1対のダイオードのカソード対は、互いに接続されるとともに、前記昇圧パルスを生成する、請求項6記載の直流−直流コンバータ。
  8. 前記平滑部は、さらに、平滑インダクタを備え、
    前記平滑インダクタの一端は、前記1対のダイオードのカソード対と接続され、
    前記平滑インダクタの他端は、前記1対の直流出力端子の高電位側と接続される、請求項7記載の直流−直流コンバータ。
  9. 前記1対のインダクタは、磁気的に相殺されるようにコアに形成される、請求項6記載の直流−直流コンバータ。
  10. 前記昇圧部は、さらに、制御回路を有し、
    前記制御回路は、前記1対のスイッチの導通状態を交互に反転させる、請求項9記載の直流−直流コンバータ。
  11. 前記充電部は、第1充電ノードおよび第2充電ノード間に直列に接続された第1抵抗および第3スイッチを有し、
    前記第1充電ノードは、前記1対の直流入力端子の高電位側と第1電源スイッチを介して接続され、
    前記第2充電ノードは、前記1対の直流出力端子の高電位側と接続され、
    前記第3スイッチは、前記1対の直流入力端子に前記直流入力電圧が印加される前に、所定期間、導通状態に設定される、請求項1記載の直流−直流コンバータ。
  12. 前記充電部は、第1充電ノードおよび第2充電ノード間に直列に接続された第2抵抗および第4スイッチを有し、
    前記第1充電ノードには直流電圧が印加され、
    前記第2充電ノードは、前記1対の直流出力端子の高電位側と接続され、
    前記第4スイッチは、前記1対の直流入力端子に前記直流入力電圧が印加される前に、、所定時間、導通状態に設定される、請求項1記載の直流−直流コンバータ。
  13. 前記充電部は、第1充電ノードおよび第2充電ノード間に直列に接続された電流検出回路および第5スイッチと、前記第2充電ノードの電圧を測定する電圧検出回路と、前記電流検出回路および前記電圧検出回路の出力に基づき、前記第5スイッチの導通状態を制御する予備充電制御回路と、を有し、
    前記第1充電ノードは、前記1対の直流入力端子の高電位側と第1電源スイッチを介して接続され、
    前記第2充電ノードは、前記1対の直流出力端子の高電位側と接続され、
    前記第5スイッチは、前記1対の直流入力端子に前記直流入力電圧が印加される前に、所定時間、導通状態に設定される、請求項1記載の直流−直流コンバータ。
  14. 前記充電部は、第1充電ノードおよび第2充電ノード間に直列に接続された充電ダイオードおよび第2抵抗を有し、
    前記第1充電ノードは、前記1対の直流入力端子の高電位側と第1電源スイッチを介して接続され、
    前記第2充電ノードは、前記1対の直流出力端子の高電位側と接続される、請求項1記載の直流−直流コンバータ。
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