JP2014197537A - 有機el積層体 - Google Patents

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Abstract

【課題】有機ELデバイスを、封止基板(ガスバリアフィルム)で封止した有機EL積層体において、軽量化および薄膜化を図ると共に、層間の剥離を防止し、かつ、水分等による発光素子の劣化を、より好適に防止できる有機EL積層体を提供する。
【解決手段】有機EL積層体は、有機EL材料を用いる発光素子を覆うパッシベーション膜に、有機膜と無機膜との積層構造を有するガスバリアフィルムを、無機膜とパッシベーション膜とを対面させて接着剤で接着し、かつ、無機膜とパッシベーション膜とを同じ材料で形成することにより、この課題を解決する。
【選択図】図1

Description

本発明は、発光素子をパッシベーション膜で保護する有機ELデバイスを、封止基板(ガスバリアフィルム)で封止してなる有機EL積層体に関する。
有機EL(Electro Luminescence(エレクトロルミネッセンス))材料を用いた有機ELデバイス(OLEDデバイス)が、ディスプレイや照明装置等に利用されている。
この有機ELデバイスに利用される有機EL材料は、非常に水分に弱い。そのため、有機EL装置では、周辺部をガラス板や金属板で封止する構造を採用することで、水分による有機EL材料の劣化を防止している。
しかしながら、この方法では、金属やガラスによって装置全体を封止するので、有機EL装置が、重く、厚いものになってしまう。また、近年、有機EL装置に要求されているフレキシブル化への対応も、困難である。
これに対し、特許文献1や特許文献2に示されるように、有機EL材料を用いる発光素子(有機EL素子)にガスバリア性を付与することで、有機EL装置の軽量化や薄手化を図る方法が開発されている。
具体的には、素子基板の上に有機EL材料や電極等を有する発光素子を、ガスバリア性を有するパッシベーション膜(保護膜)で覆い、このパッシベーション膜の上に、接着剤を用いて封止基板を接着してなる積層体構造(有機EL積層体)とすることで、水分による有機EL素子の劣化を防止している。
このような有機EL積層体において、パッシベーション膜の形成材料としては、ガスバリア性を発現する窒化ケイ素、酸化ケイ素および酸化窒化ケイ素等の無機材料が例示されている。
また、封止基板の形成材料としては、ガラス、プラスチック、石英、樹脂、金属等が例示されている。
特開2010−198926号公報 特許第5036628号公報
このパッシベーション膜および封止基板を用いる構成によれば、金属板やガラス板による周辺の封止が不要になるので、有機EL装置の軽量化や薄手化を図ることができる。
ここで、より良好に装置の軽量化や薄手化を図るためには、封止基板としてガラス等を用いるよりも、プラスチックフィルムを用いる方が有利である。
しかしながら、本発明者の検討によれば、発光素子がパッシベーション膜で覆われた有機ELデバイスを、封止基板としてのプラスチックフィルムで封止すると、軽量化や薄手化は図れるものの、往々にして、層間の剥離や、プラスチックフィルムに起因する発光素子の劣化等が生じる。
本発明の目的は、このような従来技術の問題点を解決することにあり、有機EL材料を用いる発光素子がパッシベーション膜で覆われた有機ELデバイスを、封止基板で封止した有機EL積層体において、層間の剥離を防止できると共に、水分等による発光素子の劣化を、より好適に防止できる有機EL積層体を提供することにある。
この課題を解決するために、本発明の有機EL積層体は、有機EL材料を用いる発光素子、および、発光素子を覆うパッシベーション膜を有する有機ELデバイスと、
有機ELデバイスを封止するガスバリアフィルムと、
を備え、
前記有機ELデバイスと前記ガスバリアフィルムとが接着剤によって接着された有機EL積層体であって、
ガスバリアフィルムが、支持体と、支持体の上に、無機膜および前記無機膜の下地となる有機膜の組み合わせを1以上有し、
ガスバリアフィルムの表層が無機膜であり、
パッシベーション膜と、ガスバリアフィルムの表層とが、同じ材料で形成されており、
パッシベーション膜とガスバリアフィルムの表層とが対面していることを特徴とする有機EL積層体を提供する。
このような本発明の有機EL積層体において、接着剤の厚さが、1μm超で、かつ、100μm以下であるのが好ましい。
また、接着剤がシランカップリング剤を含み、パッシベーション膜およびガスバリアフィルムの表層が、ケイ素化合物の膜であり、かつ、該膜の表面に−O基および−OH基の少なくとも一方が導入されているのが好ましい。
また、パッシベーション膜およびガスバリアフィルムの表層が窒化ケイ素の膜であるのが好ましい。
また、支持体のリタデーション値が300nm以下であるのが好ましい。
また、支持体の水蒸気透過率が300[g/(m2・day)]以下であるのが好ましい。
また、ガスバリアフィルムの水蒸気透過率が1×10-4[g/(m2・day)]未満であるのが好ましい。
また、パッシベーション膜の厚さが5μm以下であるのが好ましい。
また、有機膜の厚さが0.5〜5μmであるのが好ましい。
また、有機ELデバイスがトップエミッション型であるのが好ましい。
さらに、無機膜を複数有し、かつ、全ての無機膜が同じ材料で形成されるのが好ましい。
本発明によれば、発光素子がパッシベーション膜で覆われた有機ELデバイスを、封止基板で封止してなる有機EL積層体において、封止基板として、表層がガスバリア性を有する無機膜であるガスバリアフィルムを用いることにより、有機EL積層体の軽量化および薄手化を図ると共に、有機EL積層体における層間剥離を防止し、かつ、より好適に、水分等による発光素子の劣化を防止できる。
本発明の有機EL積層体の一例を概念的に示す図である。 (A)および(B)は、本発明の有機EL積層体に用いられるガスバリアフィルムの別の例を概念的に示す図である。
以下、本発明の有機EL積層体について、添付の図面に示される好適実施例を基に、詳細に説明する。
図1に、有機EL積層体の一例を概念的に示す。
図1に示すように、本発明の有機EL積層体10は、有機EL材料を用いる発光素子24が形成された有機ELデバイス12と、ガスバリアフィルム14とが、接着剤(接着剤層、接着層)16で接着されている。
有機ELデバイス12は、素子基板20の上に発光素子24を形成して、発光素子24をパッシベーション膜26で覆っている。
有機ELデバイス12としては、有機EL材料を用いる発光素子24を有し、かつ、水分や酸素ガス等から保護するために発光素子24を覆うパッシベーション膜26を有するものであれば、各種の有機ELディスプレイや有機EL照明装置などの有機EL装置に利用される、公知の有機ELデバイス(OLEDデバイス)を適用することができる。
素子基板20としては、各種の有機ELデバイスに用いられている素子基板を適用することができる。素子基板20の材料としては、ガラス、プラスチック、金属、および、セラミック等が例示される。
有機EL積層体10は、水分等による発光素子24の劣化を防止するために、水分等が素子基板20を透過して発光素子24に至ることを防止できるのが好ましい。そのため、素子基板20は、ガラスや金属等のように、水分等の含有量が低く、かつ、水分等の透過率が低い材料からなる基板を用いるのが好ましい。
有機EL積層体10は、有機ELデバイス12を封止する封止基板として、後述する有機膜32と無機膜34とが積層した、有機/無機の積層構造を有するガスバリアフィルム14を備える。有機EL積層体10は、素子基板20と逆側(ガスバリアフィルム14側)から光を発する、トップエミッション型の有機EL装置に、好適に利用される。
有機ELデバイス12がトップエミッション型である場合には、素子基板20が光透過性を有する必要は無い。従って、有機EL積層体10を、トップエミッション型の有機EL装置に利用する場合には、素子基板20として、表面(図1において下方側)に陽極酸化膜を有するアルミニウム箔や、アルミニウム箔とポリイミドとの積層体など、絶縁層を有する可撓性の金属フィルム(金属板)を用いてもよい。
有機EL積層体10においては、封止基板としてガスバリアフィルム14が用いられているの。このため、素子基板20として絶縁層を有する可撓性の金属フィルムを用いることにより、フレキシブルな有機ELディスプレイや有機EL照明装置等を好適に作製できる。
前述のように、有機EL積層体10において、有機ELデバイス12は、公知の有機ELデバイスを適用することができる。
素子基板20の上に形成される発光素子(有機EL素子)24は、有機EL材料からなる発光部(発光層)、電極、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、電子注入層等を有する、有機EL材料を用いる公知の発光素子を適用することができる。
発光素子24は、有機EL積層体10の構成、用途や大きさ等に応じて、公知の方法で形成することができる。
有機ELデバイス12は、発光素子24(あるいはさらに素子基板20の表面)を覆うパッシベーション膜(保護膜)26を有する。
パッシベーション膜26は、水分や酸素等が発光素子24に至るのを抑制することで、発光素子24(特に、有機EL材料)が劣化するのを防止する。
パッシベーション膜26は、公知の有機ELデバイスに利用される、ガスバリア性を発現する材料からなる各種の膜(層)を適用することができる。
パッシベーション膜26としては、ガスバリア性を有する無機化合物からなる膜が例示され、中でも、窒化ケイ素、酸化ケイ素および酸化窒化ケイ素等のケイ素化合物からなる膜が好適である。その中でも、高いガスバリア性や、トップエミッション型に利用した際における光学特性等の点で、パッシベーション膜26としては、窒化ケイ素からなる膜は好適である。
パッシベーション膜26は、膜の形成材料に応じた公知の方法で形成できる。
本実施形態においては、パッシベーション膜26は、後述するガスバリアフィルム14の表層の無機膜34と同じ材料で形成される。
パッシベーション膜26は、ケイ素化合物からなり、表面(ガスバリアフィルム側の表面)に、−O基および/または−OH基が導入されているのが好ましく、−OH基が導入されているのがより好ましい。特に、パッシベーション膜26が窒化ケイ素で形成され、その表面に、−O基および/または−OH基が導入されているのが好ましく、−OH基が導入されているのがより好ましい。
パッシベーション膜26表面に−O基や−OH基が導入されており、かつ、接着剤16がシランカップリング剤を含有することで、有機ELデバイス12(パッシベーション膜26)と接着剤16との好適な密着性が得られる。この点に関しては、後に詳述する。
ケイ素化合物からなるパッシベーション膜26は、通常、発光素子24が損傷しない温度に保った状態で、プラズマCVDやスパッタリング等の気相堆積法(気相成膜法)によって形成される。
ここで、低温の気相堆積法によって形成されるケイ素化合物からなる膜では、膜中の全てのケイ素が例えば窒化ケイ素などの目的とする化合物を形成しているわけではなく、未結合の結合手を有するケイ素も存在する。特に、膜の表面では、未結合の結合手を有するケイ素が多量に存在している。そのため、パッシベーション膜26を形成した後、膜の表面を空気(大気)に曝すことにより、この未結合の結合手に−O基や−OH基が結合して、パッシベーション膜26の表面に、−O基や−OH基(特に、−OH基)が導入される。
パッシベーション膜26の膜厚は、有機EL積層体10の用途やサイズ等に応じて、適宜、設定すればよい。
一般的に、パッシベーション膜26は、厚くするほど水分等に対するパッシベーション膜26による発光素子24の保護性能が高くなる。
しかしながら、有機ELデバイス12では、発光素子24の損傷を防止するために、高温でのパッシベーション膜26の形成を行うことが困難である。そのため、厚いパッシベーション膜26を形成するためには、時間や手間がかかり、コスト高となる。加えて、パッシベーション膜26は、無機材料からなる膜であるので、厚すぎると、自身の内部応力によって自然に割れ等の損傷を生じる。
有機EL積層体10においては、有機/無機の積層構造を有する高性能なガスバリアフィルム14を、無機膜34をパッシベーション膜26側に向けて、封止基板として用いる。そのため、パッシベーション膜26を薄くしても、十分に、水分等による発光素子24の劣化を防止することができる。
パッシベーション膜26の厚さは5μm以下が好ましく、2μm以下がより好ましく、1.5μm以下とするのが特に好ましい。これにより、有機EL積層体10の薄膜化やフレキシブル化を、より好適に行うことができ、さらに、コストダウンも図れる。
ガスバリアフィルム14は、支持体30と、この支持体30の上に、無機膜34および有機膜32の組み合わせを少なくとも1以上有する。好ましくは、ガスバリアフィルム14は、支持体30の上に、有機膜32を有し、この有機膜32の上に、無機膜34を有する。すなわち、ガスバリアフィルム14は、支持体30と、有機膜32と、無機膜34とが順に積層されている。
有機EL積層体10は、有機ELデバイス12とこのガスバリアフィルム14とが、パッシベーション膜26と無機膜34とを対面させて、接着剤16によって、接着されることで構成される。
有機EL積層体10において、ガスバリアフィルム14は、支持体30の上に、無機膜34と、この無機膜34の下地となる有機膜32との組み合わせを、1つ以上有し、かつ、表面(支持体30と逆側の表面)が無機膜34である。
ガスバリアフィルム14は、例えば、図2(A)に示すガスバリアフィルム14aのように、無機膜34と下地の有機膜32との組み合わせを2つ有するものでもよく、あるいは、3以上有するものでもよい。
ガスバリアフィルム14の支持体30として、リタデーション値(Retardation)が300nm以下の低リタデーションフィルムを用いるのが好ましい。支持体30としては、リタデーション値が200nm以下であることがより好ましく、150nm以下であることがさらに好ましく、10nm以下であることがなお好ましく、5nm以下であることが特に好ましい。
有機膜32は、通常、いわゆる塗布法で形成される。ところが、リタデーション値が低い低リタデーションフィルムは、溶剤によって溶解され易い物も多い。そのため、支持体30として低リタデーションフィルムを用い、その表面に塗布法によって有機膜32を形成すると、塗料に含有される有機溶剤によって支持体30が溶解して、リタデーション値の変動等の光学特性の劣化が生じる場合が有る。
有機膜32の形成の際に支持体30が溶解する可能性が有る場合には、図2(B)に示すガスバリアフィルム14bのように、支持体30の表面に、支持体30を保護するための保護無機膜34aを形成し、その上に、有機膜32と無機膜34との組み合わせを、1以上、形成してもよい。保護無機膜34aは、無機膜34と同様のものを用いることができる。
支持体30の表面に保護無機膜34aを設ける場合には、ガスバリアフィルム14は、支持体30と保護無機膜34aとの間に、両者の成分が混合されてなる混合層を有してもよい。この混合層を有することにより、温度や湿度の変化に起因するガスバリアフィルム14b(特に無機膜34)の損傷を、より効果的に防止できる。この混合層は、気相堆積法で保護無機膜34aを形成する際に、プラズマによる支持体30のエッチングや、支持体30にかけるバイアスによるイオン等の引き込みを制御することで、形成できる。
ガスバリアフィルム14の支持体30としては、公知のガスバリアフィルムで支持体として用いられているものを適用することができる。
中でも、薄手化や軽量化が容易であることや、有機EL積層体10のフレキシブル化に好適であること等の点で、各種のプラスチック(高分子材料/樹脂材料)からなるフィルムが好適に利用される。
支持体30の材料としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリアクリロニトリル、ポリイミド、透明ポリイミド、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、シクロオレフィンポリマー(脂環式ポリオレフィン COP)、シクロオレフィンコポリマー(COC)、および、トリアセチルセルロース(TAC)からなるプラスチックフィルムが、好適に例示される。
有機EL積層体10は、トップエミッション型の有機EL装置に好適に利用される。有機EL積層体10の光学的な特性を考えると、支持体30は、低リタデーションフィルムを用いるのが好ましい。具体的には、支持体30として用いる低リタデーションフィルムは、リタデーション値が300nm以下であることが好ましく、リタデーション値が200nm以下であることがより好ましく、150nm以下であることがさらに好ましく、10nm以下であることがなお好ましく、5nm以下であることが特に好ましい。
また、パッシベーション膜26および後述する無機膜34の負荷を軽減し、水分等による発光素子24の劣化をより好適に防止するためには、支持体30自身が、水蒸気透過率が低く、かつ、含水分量が少ないのが好ましい。支持体30の水蒸気透過率が300[g/(m2・day)]以下であるのが好ましく、200[g/(m2・day)]以下であるのが、より好ましい。
以上の点を考慮すると、支持体30としては、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマー、シクロオレフィンコポリマー、トリアセチルセルロース、および、透明ポリイミドのうちのいずれかからなるプラスチックフィルムが好適に例示される。支持体30としては、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマー、および、シクロオレフィンコポリマー、などからなるプラスチックフィルムが好適であり、シクロオレフィンコポリマーからなるプラスチックフィルムがより好適である。
支持体30の厚さは、有機EL積層体10の用途や大きさによって、適宜、設定すればよい。支持体30の厚さは、10〜200μm程度が好ましい。支持体30の厚さを、この範囲にすることにより、有機EL積層体10の軽量化や薄手化等の点で、好ましい結果を得る。
また、有機EL積層体10の軽量化や薄手化等の点で、支持体30と接着剤16とを合わせた厚さが、薄ガラスの厚さである300μmよりも薄いのが好ましい。
なお、支持体30は、このようなプラスチックフィルムの表面に、反射防止膜などの必要な機能を発現する膜が形成されたものであってもよい。
支持体30の上には、有機膜32が形成される。有機膜32は、有機化合物からなる膜(有機化合物を主成分とする膜(層))であり、基本的には、モノマーおよび/またはオリゴマを、架橋(重合)して構成される。
有機膜32は、ガスバリアフィルム14において主にガスバリア性を発現する無機膜34の下地層となるものである。
無機膜34の下地となる有機膜32は、この無機膜34に対するクッションとしても作用する。そのため、有機ELデバイス12とガスバリアフィルム14とを接着する際の押圧時や、有機EL積層体10(有機EL装置)が外部から衝撃を受けた場合などに、この有機膜32のクッション効果によって、無機膜34の損傷を防止できる。
これにより、有機EL積層体10において、ガスバリアフィルム14が適正にガスバリア性能を発現して、水分による発光素子24の劣化を、好適に防止できる。
ガスバリアフィルム14は、有機膜32を有することにより、支持体30の表面の凹凸や、表面に付着している異物等を包埋して(覆って)、無機膜34の形成面(成膜面)を適正にできる。有機膜32を有することで、無機膜34を形成する面がより成膜に適した状態となる。その結果、形成面の全面に、隙間無く、割れやヒビ等の無い適正な無機膜34を形成できる。
ガスバリアフィルム14は、このような有機/無機の積層構造を有することにより、水蒸気透過率が1×10-4[g/(m2・day)]未満となる、高いガスバリア性能を得ることができる。すなわち、有機EL積層体10は、有機/無機の積層構造を備え高いガスバリア性能を有するガスバリアフィルム14を封止基板として用いることにより、パッシベーション膜26を2μm以下と薄くしても、水分等による発光素子24の劣化をより効果的に防止できる。
有機膜32の材料としては、各種の有機化合物(樹脂/高分子化合物)を適用することができる。
有機膜32の材料としては、ポリエステル、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、メタクリル酸−マレイン酸共重合体、ポリスチレン、透明フッ素樹脂、ポリイミド、フッ素化ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、セルロースアシレート、ポリウレタン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリカーボネート、脂環式ポリオレフィン、ポリアリレート、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、フルオレン環変性ポリカーボネート、脂環変性ポリカーボネート、フルオレン環変性ポリエステル、アクリロイル化合物、などの熱可塑性樹脂、あるいはポリシロキサン、その他の有機ケイ素化合物が好適に例示される。これらは、複数を併用してもよい。
中でも、有機膜32の材料としては、ガラス転移温度や強度に優れる等の点で、ラジカル重合性化合物および/またはエーテル基を官能基に有するカチオン重合性化合物が好適である。
中でも特に、有機膜32の材料としては、上記強度に加え、屈折率が低い、透明性が高く光学特性に優れる等の点で、アクリレートおよび/またはメタクリレートのモノマーやオリゴマの重合体を主成分とする、ガラス転移温度が120℃以上のアクリル樹脂やメタクリル樹脂は好適である。
中でも特に、有機膜32の材料としては、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート(DPGDA)、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート(TMPTA)、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート(DPHA)などの、2官能以上、特に3官能以上のアクリレートおよび/またはメタクリレートのモノマーやオリゴマの重合体を主成分とする、アクリル樹脂やメタクリル樹脂が、さらに好適である。また、有機膜32の材料としては、これらのアクリル樹脂やメタクリル樹脂を、複数、用いるのも好ましい。
有機膜32を、このようなアクリル樹脂やメタクリル樹脂で形成することにより、骨格がしっかり(安定)した下地の上に無機膜34を形成できるので、より緻密でガスバリア性が高い無機膜34を形成される。
有機膜32の厚さは、0.5〜5μmが好ましく、1〜3μmがより好ましい。
有機膜32の厚さを0.5μm以上とすることにより、有機ELデバイス12とガスバリアフィルム14とを接着する際の押圧時などにクッションとしての効果を十分に発揮して、無機膜34の損傷をより確実に防止できる。また、有機膜32の厚さを0.5μm以上とすることにより、無機膜34の形成面がより好適にできる。このため、割れやヒビ等の無い適正な無機膜34が、形成面のより広い範囲に渡って形成される。
また、有機膜32の厚さを5μm以下とすることにより、有機膜32が厚すぎることに起因する、有機膜32のクラックや、ガスバリアフィルム14のカール等の問題の発生を、好適に防止することができる。
より好適にクッション性を発現して無機膜34の損傷を防げると共に、無機膜34の形成面をより適正にできる等の点で、有機膜32は表面の平滑性が高いのが好ましい。
具体的には、有機膜32の平均表面粗さRaは、10nm以下が好ましく、特に、5μm以下がより好ましい。
図2(A)に示すガスバリアフィルム14aのように、複数の有機膜32を有する場合には、有機膜32の厚さは、同じでもよいし、互いに異なってもよい。
複数の有機膜32を有する場合には、各有機膜32の形成材料は、同じでもよいし異なってもよい。生産性等の点からは、全ての有機膜32を、同じ材料で形成するのが好ましい。
有機膜32は、塗布法やフラッシュ蒸着等の公知の方法で形成することができる。
無機膜34や保護無機膜34aとの密着性を向上するために、有機膜32は、シランカップリング剤を含有するのが好ましい。
有機膜32の上には、この有機膜32を下地として、無機膜34が形成される。
無機膜34は、無機化合物からなる膜(無機化合物を主成分とする膜(層))であり、ガスバリアフィルム14において、ガスバリア性を主に発現する。
有機EL積層体10においては、ガスバリアフィルム14の表層(支持体30と逆側の表面の膜)は、無機膜34となる。
無機膜34としては、ガスバリア性を発現する無機化合物からなる膜が、適用される。
無機膜34の材料としては、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化タンタル、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化インジウムスズ(ITO)などの金属酸化物; 窒化アルミニウムなどの金属窒化物; 炭化アルミニウムなどの金属炭化物; 酸化ケイ素、酸化窒化ケイ素、酸炭化ケイ素、酸化窒化炭化ケイ素などのケイ素酸化物; 窒化ケイ素、窒化炭化ケイ素などのケイ素窒化物; 炭化ケイ素等のケイ素炭化物; これらの水素化物; これら2種以上の混合物; および、これらの水素含有物等の、無機化合物からなる膜が、好適に例示される。
特に、無機膜34としては、透明性が高く、かつ、優れたガスバリア性を発現できる点で、ケイ素化合物からなる膜は、好適に例示される。その中でも特に、無機膜34としては、窒化ケイ素からなる膜が、より優れたガスバリア性に加え、透明性も高く、より好適に例示される。
ガスバリアフィルム14の表層である無機膜34とパッシベーション膜26とは、同じ材料で形成される。
図2に示すガスバリアフィルム14aおよびガスバリアフィルム14bのように、複数の無機膜34(保護無機膜34aを含む)を有する場合には、少なくとも表層の無機膜34が、パッシベーション膜26と同じ材料で形成されればよい。すなわち、複数の無機膜34を有する場合には、無機膜34の形成材料は互いに異なってもよい。生産性等を考慮すれば、全ての無機膜34を、同じ材料で形成するのが好ましい。
無機膜34をケイ素化合物で形成する際には、表層の無機膜34の表面に、−O基および/または−OH基が導入されているのが好ましく、−OH基が導入されているのがより好ましい。特に、表層の無機膜34が窒化ケイ素で形成され、その表面に、−O基および/または−OH基が導入されているのが好ましく、−OH基が導入されているのがより好ましい。
表層の無機膜34の表面に−O基や−OH基が導入されており、かつ、接着剤16がシランカップリング剤を含有することで、ガスバリアフィルム14(無機膜34)と接着剤16との好適な密着性を確保できる。この点に関しては、後に詳述する。
無機膜34の厚さは、形成材料に応じて、目的とするガスバリア性を発現できる厚さを、適宜、決定すればよい。無機膜34の厚さは、10〜200nmが好ましく、10〜100nmがより好ましく、15〜75nmとするのがさらに好ましい。
無機膜34の厚さを10nm以上とすることにより、十分なガスバリア性能を安定して発現する。また、無機膜34は、一般的に脆く、厚過ぎると、割れやヒビ、剥がれ等を生じる可能性が有る。このため、無機膜34の厚さを200nm以下とすることにより、割れが発生することを防止できる。
図2に示す例のように、ガスバリアフィルムが複数の無機膜34(保護無機膜34aを含む)を有する場合には、各無機膜34の厚さは、同じでもよいし異なってもよい。
無機膜34は、例えば、公知の方法で形成することができる。無機膜34の形成方法としては、CCP−CVDやICP−CVD等のプラズマCVD、マグネトロンスパッタリングや反応性スパッタリング等のスパッタリング、真空蒸着など、気相堆積法が好適に例示される。
パッシベーション膜26と同様、気相堆積法によって無機膜34を形成した後に、膜の表面を空気に曝すことで、無機膜34の表面に−O基や−OH基(特に−OH基)を導入できる。
有機EL積層体10は、発光素子24(あるいはさらに素子基板20の表面)を覆うパッシベーション膜26を有する有機ELデバイス12と、有機/無機の積層構造を有し、表層が無機膜34であるガスバリアフィルム14とを、パッシベーション膜26と無機膜34とを対面させて、接着剤16で接着した構成を有する。
また、有機EL積層体10は、パッシベーション膜26とガスバリアフィルム14の表層の無機膜34とが、同じ材料で形成される。なお、以下の説明では、特に記載が無い場合には、「無機膜34」とは、「表層の無機膜34」を示すこととする。
有機ELデバイス(特に、トップエミッション型の有機ELデバイス)12として、素子基板20の上に形成した発光素子24を覆ってパッシベーション膜26を形成し、パッシベーション膜26の上を接着剤を用いて封止基板で封止してなる構成が知られている。
特許文献1や特許文献2には、このような有機ELデバイス12の封止基板として、ガラス板やプラスチックフィルム等の各種の物が例示されているが、通常、ガラス板が用いられている。
しかし、近年では、有機EL装置に対して、薄手化や軽量化の要求が高くなっている。加えて、用途によっては、有機EL装置には、折り曲げ等が可能なフレキシブル性を有することも、求められている。
この軽量化および薄手化を考慮すると、有機ELデバイス12を封止する封止基板としては、プラスチックフィルムを用いるのが有利である。
しかしながら、本発明者の検討によれば、封止基板としてプラスチックフィルムを用いた場合、パッシベーション膜26(特にケイ素化合物で形成されるパッシベーション膜)と、封止基板との両者に対する十分な密着性を両立させることが難しいことが分かった。
パッシベーション膜26と接着剤との間、および/または、接着剤と封止剤としてのプラスチックフィルムとの間で層間剥離が生じて、この界面部に気泡状に水分等のガスが残存する。そのため、パッシベーション膜を有していても、長い経時で水分等が発光素子24に至ってしまい、発光素子24が劣化する。
さらに、本発明者は、検討の結果、プラスチックフィルムから放出される水分等のガス(いわゆるアウトガス)も密着性の低下を引き起こす原因となっていることを見出した。
プラスチックフィルムは、その内部に水分等の様々なガスを内包している。これらのガスは、長い経時でフィルム内から放出される(いわゆるアウトガス)。このアウトガスも、先の気泡内のガスと同様に、長い経時により最終的には発光素子24に至り、発光素子24を劣化させる。加えて、アウトガスは、前述の層間の界面に存在する空間の気泡にもなるので、密着性の劣化すなわち層間剥離を増大してしまう。
封止基板としてのプラスチックフィルムからアウトガスが発生することで、層間の剥離および水分等による発光素子24の劣化が、加速する。
これに対し、本発明の一実施形態である有機EL積層体10は、封止基板として、無機膜34と下地の有機膜32とを有する有機/無機の積層体構造を有し、かつ、無機膜34を表層とするガスバリアフィルム14を用いる。
さらに、パッシベーション膜26と無機膜34とを、同じ材料で形成して、両者を対面させた状態で、接着剤16によって、有機ELデバイス12とガスバリアフィルム14とを接着する。
そのため、有機EL積層体10によれば、封止基板としてプラスチックフィルムを用いた場合と同様に、封止基板としてガラス板等を用いている従来の有機EL積層体と比較して、軽量化および薄手化を図ることができる。
パッシベーション膜26と無機膜34とが、同じ材料で形成されるので、同じ力で接着剤16に接着できる(接着剤に対する接着力が同等となる)。その結果、両膜の密着力を揃えて応力差を低減することができる。パッシベーション膜26とガスバリアフィルム14との両膜に最適な接着剤16を用いて、高い密着力での接着が可能である。そのため、パッシベーション膜26と接着剤16との間、および、接着剤16と無機膜34との間での層間剥離を、より効果的に防止できる。
さらに、ガスバリア性を発現する無機膜34を表層として、パッシベーション膜26と無機膜34とを対面させて、接着する。そのため、支持体30からアウトガスが放出された場合でも、このアウトガスは無機膜34で遮蔽され、アウトガスが接着剤16やパッシベーション膜26に至ることが防止される。従って、有機EL積層体10によれば、支持体30からのアウトガスによる発光素子24の劣化や層間剥離も防止できる。
図1に示すように、パッシベーション膜26の表面は、発光素子24に応じた凹凸を有している。また、窒化ケイ素等からなる無機膜34は、硬く脆いので、他の部材に直接的に押圧されると、容易に割れやヒビ等の損傷を生じる。
無機膜34が損傷すれば、此処から水分等が透過するので、ガスバリアフィルム14の性能が低下する。
そのため、一般的に考えれば、この無機膜34の損傷を考慮すると、無機膜34を、直接、接着剤16に当接して(無機膜34と接着剤16とを接触させて)、有機ELデバイス12とガスバリアフィルム14とを接着するのは不利である。
最上層の無機膜34を保護するために、表層に保護有機膜を有するガスバリアフィルムも知られている。しかしながら、このガスバリアフィルムを用いて、保護有機膜をパッシベーション膜26に対面して、有機ELデバイス12とガスバリアフィルムとを接着すると、前述のプラスチックフィルムと同様の問題を生じる。
また、有機EL積層体を用いる有機EL装置では、有機EL積層体の上に偏光板や1/λ板等の様々な機能層が形成される。これらの機能層を無機膜34の保護膜として作用させることを考えて、支持体30をパッシベーション膜26に対面して、ガスバリアフィルム14とを有機ELデバイス12と接着すると、前述のプラスチックフィルムと同様の問題を生じる。
これに対して、有機EL積層体10では、ガスバリアフィルム14が、無機膜34の下地として有機膜32を有する。そのため、有機ELデバイス12とガスバリアフィルム14とを接着する際の押圧時などに、有機膜32が無機膜34のクッションとして働き、無機膜34を保護してその損傷を防止できる。
下地の有機膜32を有することにより、適正な無機膜34を形成できるので、ガスバリアフィルム14は、水蒸気透過率が1×10-4[g/(m2・day)]未満となる、高いガスバリア性能を有する。これにより、前述のように、パッシベーション膜26の薄膜化によるコストダウンも図れる。ガスバリアフィルム14の水蒸気透過率は、5×10-5[g/(m2・day)]以下であることがより好ましい。
また、図2(A)に示される例のように、有機/無機の積層構造を、複数、有する場合には、さらに高いクッション効果が発現されるため、より確実に無機膜34を保護して、高い性能を維持できる。加えて、有機/無機の積層構造を、複数有する場合には、より高いガスバリア性能を得られるので、パッシベーション膜の薄膜化によるコストダウンの効果も、より大きく得られる。
従って、有機EL積層体10によれば、封止基板としてガスバリアフィルム14を用いることによる軽量化および薄手化に加え、有機EL積層体10内部での層間剥離を防止する。また、有機EL積層体10によれば、封止基板としてガスバリアフィルム14を用いることの効果を十分に発現して、パッシベーション膜26の薄膜化によるコストダウンを図ると共に、より好適に水分等による発光素子24の劣化を防止できる。その結果、有機EL積層体10は、長期に渡って目的性能を発揮する。
有機EL積層体10において、接着剤16の厚さ(接着剤16からなる膜の厚さ)は、有機EL積層体10の大きさや用途等に応じて、有機ELデバイス12とガスバリアフィルム14とを確実に接着できる厚さを、適宜、設定し得る。
なお、有機EL積層体10において、接着剤16は、基本的に、有機ELデバイス12とガスバリアフィルム14との間の全域に充填される。
接着剤16は、通常、ガスバリア性を有さない。そのため、有機EL積層体10では、接着剤16の端面から水分等が侵入し、これが発光素子24に至って発光素子24を劣化させる可能性が有る。また、接着剤16が厚くなり過ぎると、ガスバリアフィルム14の柔軟性(可撓性)が損なわれることや、カールが強くなること等の不都合も生じる。
この点を考慮すると、接着剤16の厚さは、パッシベーション膜26の表面の凹凸を包埋して、かつ、有機ELデバイス12とガスバリアフィルム14とを確実に接着できる、最小限の厚さにするのが有利である。
本発明者の検討によれば、接着剤16の厚さは、1μm超とする(1μmより大きくする)のが好ましい。
パッシベーション膜26の表面は、発光素子24に応じた凹凸を有しており、また、窒化ケイ素等からなる無機膜34は、硬く脆い。そのため、無機膜34の割れ等の損傷を考慮すると、無機膜34を直接、接着剤16に当接して、有機ELデバイス12とガスバリアフィルム14とを接着するのは、不利である。
これに対し、接着剤16の厚さを1μm超とすることにより、有機ELデバイス12とガスバリアフィルム14とを接着する際の押圧時や、有機EL積層体10が外部から衝撃を受けた際などに、無機膜34の損傷を防止するためのクッションとして接着剤16を有効に作用させることができる。これにより、接着剤16が有するクッションとしての作用と、有機膜32が有するクッションとしての作用との相乗効果で、より確実に、無機膜34の損傷を防止できる。
接着剤16の端面からの水分等の侵入、ガスバリアフィルム14の柔軟性やカールを等を考慮すると、接着剤16の厚さは、100μm以下とするのが好ましい。
より好適なクッション効果による無機膜34の損傷を防止できること、および、端面からの水分等の侵入防止を得られること等の点で、接着剤16の厚さは、2〜50μmとするのが、より好ましい。
軽量化や薄手化等の点で、支持体30と接着剤16とを合わせた厚さが、薄ガラスの厚さである300μmよりも薄いのが好ましい。
接着剤16の厚さとは、発光素子24が形成された位置における、最も薄い位置の接着剤16の厚さである。
接着剤16は、パッシベーション膜26および無機膜34の形成材料に応じて、両者を十分な密着力で接着できるものを、適宜、選択すればよい。接着剤16としては、エポキシ系の接着剤や、アクリル系の接着剤16が例示される。
有機EL積層体10がトップエミッション型である場合には、接着剤16は、高い光透過率を有していることが好ましい。接着剤16は、アウトガスの放出が無い(あるいは極めて少ない)のが好ましい。
必要に応じて、接着剤16にポリイソブチレンなどのゴム系材料や、シクロオレフィンコポリマー等を添加して、柔軟性を向上しても良い。なお、添加するシクロオレフィンコポリマーは、ポリプラスチック社製のTOPASや三井化学社製のAPEL等の市販品を利用すればよい。
接着剤16は、シランカップリング剤を含有するのが好ましい。
接着剤16で接着されるパッシベーション膜26および無機膜34は、表面に−O基および/または−OH基が導入されているのが好ましい。
これにより、接着剤16と、パッシベーション膜26および無機膜34との密着性を、より高くできる。
シランカップリング剤とは、ケイ素に、アルコキシ基等の加水分解性基と、アミノ基などの有機物との反応や相互作用とが期待できる有機官能基とを、結合したものである。
シランカップリング剤は、加水分解性基が加水分解することにより−OH基となり、この−OH基と無機化合物表面の−OH基とが脱水縮合することにより、無機化合物表面との間で、強い共有結合を生じる。また、シランカップリング剤は、有機性官能基と有機化合物との共重合等によって、有機化合物とも強固に結び着く。これにより、シランカップリング剤は、有機物と無機物との密着性を向上する。
本発明者の検討によれば、パッシベーション膜26および無機膜34がケイ素化合物である場合には、その表面に−O基、好ましくは−OH基を導入して「SiOH」のような状態にしておくことにより、接着剤16が含有するシランカップリング剤の加水分解反応、および、脱水縮合が、好適に発生することが見出された。
パッシベーション膜26および無機膜34の表面に−OH基等を導入することにより、パッシベーション膜26および無機膜34の表面から−OH基等が放出される。放出された−OH基等によりシランカップリング剤の加水分解反応が生じ、ケイ素化合物とシランカップリング剤とが脱水縮合による共有結合によって結合される。このようにして、接着剤16と、パッシベーション膜26および無機膜34とのより高い密着力が得られる。
一般的に、シランカップリング剤を用いる場合には、pH調整剤を添加して(酸やアルカリを添加して)、pH調整を行う。ところが、シランカップリング剤を含有する接着剤にpH調整剤を添加すると、雰囲気の湿度や、有機溶剤からの給水によって、前述の加水分解が進行して、接着剤の粘度上昇等の不都合が生じる。
これに対し、接着剤16がシランカップリング剤を含有し、かつ、ケイ素化合物からなるパッシベーション膜26および無機膜34の表面に−O基やOH基を導入しておけば、pH調整剤を添加してpH調整を行わなくても、高い密着力が得られる。すなわち、この構成によれば、接着剤16から、不都合の原因ともなり得るpH調整剤を省くことも可能である。
接着剤16による有機ELデバイス12とガスバリアフィルム14との接着は、基本的に、公知の有機EL積層体における封止基板の接着と同様に行えばよい。
ガスバリアフィルム14の無機膜34の表面、および/または、有機ELデバイス12のパッシベーション膜26の表面に、接着剤16を塗布する。その後、無機膜34とパッシベーション膜26とを対面させて、有機ELデバイス12とガスバリアフィルム14とを積層する。必要に応じて、押圧して、加熱、紫外線照射等を行い、接着剤16を硬化して、両者を接着させる。
以上、有機EL積層体10について詳細に説明したが、本発明は、上記実施例に限定はされず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変更を行なってもよい。
以下、本発明の具体的実施例を挙げ、本発明を、より詳細に説明する。
[実施例1−1]
厚さが500μmで、20×20mmのガラス板を素子基板20として用意した。
この素子基板20の周辺2mmを、セラミックによってマスキングした。マスキングを施した素子基板20を一般的な真空蒸着装置に装填して、真空蒸着によって、厚さ100nmの金属アルミニウムからなる電極を形成し、さらに、厚さ1nmのフッ化リチウム層を形成した。
電極およびフッ化リチウム層を形成した素子基板20に、真空蒸着によって、以下の有機化合物層を、順次、形成した。
(発光層兼電子輸送層) トリス(8−ヒドロキシキノリナト)アルミニウム: 膜 厚60nm
(第2正孔輸送層) N,N’−ジフェニル−N,N’−ジナフチルベンジジン: 膜厚40nm
(第1正孔輸送層) 銅フタロシアニン: 膜厚10nm
これらの層を形成した素子基板20を、一般的なスパッタリング装置に装填した。ITO(Indium Tin Oxide 酸化インジウム錫)をターゲットとして用いて、DCマグネトロンスパッタリングによって、厚さ0.2μmのITO薄膜からなる透明電極を形成して、有機EL材料を用いる発光素子24を形成した。
次いで、発光素子24を形成した素子基板20から、マスキングを除去した。
マスキングを除去した素子基板20を、一般的なプラズマCVD装置に装填した。CVD装置のチャンバ内の圧力を適宜調整しながら、プラズマCVD(CCP−CVD)によって、窒化ケイ素からなる、厚さ1500nmのパッシベーション膜26を形成して、有機ELデバイス12を作製した。
すなわち、この有機ELデバイス12は、中央に1個の発光素子24が形成され、発光素子24および素子基板20の全面を覆って、窒化ケイ素からなるパッシベーション膜26を形成してなる構成を有する。
パッシベーション膜26を形成するための原料ガスは、シランガス(SiH4)、アンモニアガス(NH3)、窒素ガス(N2)および水素ガス(H2)を用いた。各ガスの供給量は、シランガスが100sccm、アンモニアガスが200sccm、窒素ガスが500sccm、水素ガスが500sccmとした。形成圧力(成膜圧力)は50Paとした。
供給するプラズマ励起電力は、周波数13.5MHzで3000Wとした。成膜中は、素子基板20側(基板ホルダ)に、周波数400kHzで500Wのバイアス電力を供給した。
支持体30として、厚さが100μmで、30000×1000mmのCOCフィルム(グンゼ社製、F1フィルム)を用意した。このCOCフィルムのリタデーション値は5nm、水蒸気透過率(WVTR)は2[g/(m2・day)]であった。
この支持体30の表面に、塗布法によって、厚さ2μmの有機膜32を形成した。
有機膜32を形成する塗料は、MEK(メチルエチルケトン)に、TMPTA(ダイセル・サイテック社製)、界面活性剤(ビックケミージャパン社製 BYK378)、光重合開始剤(チバケミカルズ社製 Irg184)、および、シランカップリング剤(信越シリコーン社製 KBM5103)を添加して、調製した。
界面活性剤の添加量はMEKを除いた濃度で1質量%、光重合開始剤の添加量は、MEKを除いた濃度で2質量%、シランカップリング剤の添加量は、MEKを除いた濃度で10質量%とした。これらの比率で配合した成分をMEKに希釈した塗料の固形分濃度は、15質量%とした。
この塗料を、ダイコータを用いて支持体30の表面に塗布した。次いで、80℃の乾燥風で、塗料を乾燥させた。乾燥した塗料に紫外線を照射して重合させ、有機膜32を形成した。
有機膜32を形成した支持体30を、一般的なプラズマCVD装置に装填して、プラズマCVD(CCP−CVD)によって、窒化ケイ素からなる、厚さ50nmの無機膜34を形成して、ガスバリアフィルム14を作製した。無機膜34の形成後、ガスバリアフィルム14を大気中に放置した。
原料ガスは、シランガス(SiH4)、アンモニアガス(NH3)、窒素ガス(N2)および水素ガス(H2)を用いた。各ガスの供給量は、シランガスが100sccm、アンモニアガスが200sccm、窒素ガスが500sccm、水素ガスが500sccmとした。形成圧力(成膜圧力)は50Paとした。
供給するプラズマ励起電力は、周波数13.5MHzで3000Wとした。成膜中は、支持体30側(基板ホルダ)に、周波数400kHzで500Wのバイアス電力を供給した。
接着剤16を形成する塗料を、MEKに、2種のエポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製 JER1001およびJER152)、および、シランカップリング剤(信越シリコーン社製 KBM502)を添加して、調製した。
両エポキシ樹脂の添加量は、共に、MEKを除いた濃度で48質量%、シランカップリング剤の添加量は、MEKを除いた濃度で4質量%とした。これらの比率で配合した成分をMEKに希釈した塗料の固形分濃度は、50質量%とした。
ガスバリアフィルム14を、素子基板20と同じ20×20mmのシート状に切り出した。
切り出したガスバリアフィルム14の無機膜34の表面に、ダイコータを用いて、この接着剤16となる塗料を塗布した。塗料は、接着剤16の厚さが10μmとなるように塗布した。次いで、100℃で30秒間、加熱して、塗料を乾燥した。
塗料を乾燥した後、不活性ガス雰囲気下において、パッシベーション膜26を塗料に向けて(すなわち、パッシベーション膜26と無機膜34とを対面させて)、有機ELデバイス12とガスバリアフィルム14とを積層して、貼着した。
この積層体を、100℃の恒温槽に100時間保持して接着剤16(塗料)を硬化して、図1に示すような、有機EL積層体10を作製した。
[比較例1−1]
ガスバリアフィルム14において、窒化ケイ素からなる無機膜34に変えて、酸化アルミニウムからなる厚さ50nmの無機膜34を形成した以外は、実施例1と同様にして有機EL積層体を作製した。
酸化アルミニウムからなる無機膜34の形成は、一般的なスパッタリング装置によって、ターゲットとしてアルミニウムを用いる反応性スパッタリングによって行った。
放電ガスはアルゴンガスを用い、反応ガスは酸素ガスを用いた。各ガスの供給量は、アルゴンガスが50sccm、酸素ガスが200sccmとした。
形成圧力は1.5×10-1Paで、投入電力は2300Wとした。
[比較例1−2]
ガスバリアフィルム14に変えて、無機膜34の上に、さらに、厚さが2μmの有機膜を形成してなるガスバリアフィルムを用いた以外は、実施例1と同様にして有機EL積層体を作製した。
最上層の有機膜は、実施例1において支持体30の表面に形成した有機膜32と同様に形成した。
[実施例1−2]
接着剤16がシランカップリング剤を含有しない以外は、実施例1と同様にして有機EL積層体を作製した。
[比較例1−3]
接着剤16を支持体30に塗布して、支持体30をパッシベーション膜26に対面させて積層して、接着した以外は(すなわち、表面を支持体30(COCフィルム)とした以外は)、実施例1と同様にして有機EL積層体を作製した。
[実施例2−1〜2−5]
ガスバリアフィルム14の接着剤16の厚さを変更した以外は、実施例1と同様にして有機EL積層体(実施例2−1〜2―5)を作製した。
具体的には、ガスバリアフィルム14の接着剤16の厚さを50μmにした(実施例2−1)。接着剤16の厚さを5μmにした(実施例2−2)。接着剤16の厚さを2μmにした(実施例2−3)。接着剤16の厚さを1μmにした(実施例2−4)。接着剤16の厚さを300μmにした(実施例2−5)。
[実施例3]
ガスバリアフィルム14の支持体30として、リタデーション値が142nm、水蒸気透過率(WVTR)が160[g/(m2・day)]のPCフィルム(カネカ社製、エルメックR140)を用い、さらに、接着剤16の厚さを50μmにした以外は実施例1と同様にして、有機EL積層体10を作製した。
[実施例4]
ガスバリアフィルム14の支持体として、リタデーション値が400nm、水蒸気透過率(WVTR)が5[g/(m2・day)]のPETフィルムを用いた以外は実施例1と同様にして、有機EL積層体10を作製した。
[実施例5]
ガスバリアフィルム14の支持体として、リタデーション値が10nm、水蒸気透過率(WVTR)が500[g/(m2・day)]のTACフィルムを用いた以外は実施例1と同様にして、有機EL積層体10を作製した。
<ガスバリアフィルムのガスバリア性>
各実施例および比較例に関して、ガスバリアフィルムを作製した段階で、ガスバリアフィルムの水蒸気透過率[g/(m2・day)]を、カルシウム腐食法(特開2005−283561号公報に記載される方法)によって、測定した。なお、恒温恒湿処理の条件は、温度40℃、湿度90%RHとした。
<評価>
このようにして作製した実施例1−1〜5の各有機EL積層体10、ならびに、比較例1−1〜1−3の各有機EL積層体を、温度60℃、湿度90%RHの環境下に、200時間、放置した。
放置後、各有機EL積層体を、Keithlel社製のSMU2400型ソースメジャーユニットを用いて7Vの電圧を印加して発光させた。
顕微鏡によって、ガスバリアフィルム14の支持体30側から観測して、ダークスポットの発生の有無を確認した。
ダークスポットの発生が全く見られなかった場合(発光面積で100%)を優秀;
ダークスポットの発生がわずかに見られた場合(発光面積で90%以上100%未満)を良好;
ダークスポットの発生が明らかに認められた場合(発光面積で80%以上90%未満)を可;
ダークスポットの面積の割合の方が大きい場合(発光面積で80%未満)を不可; と評価した。発光面積が80%以上であれば、ダークスポットの発生が確認されるものであっても実用上許容できる。
結果を下記表1に示す。
表1に示されるように、実施例1−1〜実施例5の有機EL積層体10では、比較例1−1〜1−3の有機EL積層体と比較して、ダークスポットの発生が抑制された。
ガスバリアフィルム14の表面が無機膜34で、有機ELデバイスのパッシベーション膜26とガスバリアフィルムの無機膜34とを同じ材料で形成し、かつ、両者を対面させて接着剤16で接着した、実施例1−1では、ダークスポットが無い優秀な発光が得られた。
これは、接着剤16とパッシベーション膜26および無機膜34との密着性が良好で、また、接着剤16が無機膜34のクッション層として好適に作用するので、剥離した界面からの水分の侵入や、無機膜34の損傷に起因する水分の侵入に起因する発光素子24の劣化を防止しているためと考えられる。
これに対し、有機ELデバイスのパッシベーション膜26とガスバリアフィルムの無機膜34の材料とが異なる比較例1−1では、ダークスポットが多く発生した。これは、無機膜34と接着剤16との密着性が低く、此処で界面剥離や空気層の発生等が生じ、此処から水分が侵入して、発光素子24が劣化したためと考えられる。また、比較例1−1では、水分の侵入に起因すると考えられる退色が、全面的に確認された。
ガスバリアフィルムの表面が有機膜である比較例1−2は、表面の有機膜から生じたアウトガスによって発光素子24が劣化し、ダークスポットが発生したと考えられる。
接着剤16がシランカップリング剤を含有しない実施例1−2では、ダークスポットの発生が認められた。これは、実施例1−2は実施例1−1に比べて、接着剤16とパッシベーション膜26および無機膜34との密着性が低く、此処で剥離や空気層の発生等が生じ、此処から水分が侵入して、発光素子24が劣化したためと考えられる。
さらに、無機膜34ではなくCOCフィルムである支持体をパッシベーション膜26に対面して積層した比較例1−3では、ダークスポットが多く発生した。これは、接着剤16と支持体(ガスバリアフィルム)との密着性が低く、此処で界面剥離や空気層の発生等が生じ、此処から水分が侵入して、発光素子24が劣化したためと考えられる。また、比較例1−3では、水分の侵入に起因すると考えられる退色が、全面的に確認された。
接着剤16の厚さが50μmである実施例2−1は、実施例1−1と同様に、良好な密着性やクッション効果によって、ダークスポットが無い良好な発光を得ている。
接着剤16の厚さが5μmである実施例2−2、および、接着剤16の厚さが2μmである実施例2−3では、ダークスポットの発生がわずかに見られた。実施例2−2および実施例2−3は実施例1−1に比して接着剤16が薄いため、接着剤16のクッション作用による無機膜34の保護効果が、若干、低いと推測される。このため、実施例2−2および実施例2−3では実施例1−1に比して、発光素子24に起因する有機ELデバイス12表面(パッシベーション膜26)の凹凸によるガスバリアフィルム14の無機膜34が損傷しやすく、此処から水分が侵入して発光素子24が劣化した部分が生じたと考えられる。
接着剤16の厚さが1μmである実施例2−4では、ダークスポットの発生が認められた。実施例2−4は実施例1−1と比して接着剤16のクッション作用による無機膜34の保護効果が、さらに低いと推測される。このため、実施例2−4は実施例1−1に比して、発光素子24に起因する有機ELデバイス12表面(パッシベーション膜26)の凹凸によってガスバリアフィルム14の無機膜34が損傷しやすく、此処から水分が侵入して、発光素子24が劣化したと考えられる。
接着剤16の厚さが300μmの実施例2−5では、ダークスポットの発生が認められた。これは、実施例2−5は実施例1−1に比して、接着剤16が厚過ぎ、接着剤16の端部からの水分が多量に侵入して、発光素子24が劣化したためと考えられる。
ガスバリアフィルム14の支持体30の水蒸気透過率が160[g/(m2・day)]である実施例3では、ダークスポットの発生がわずかに見られた。実施例3は実施例1−1に比して、支持体30を透過する水分が多いと推測される。このため、実施例3は実施例1−1に比して、ガスバリアフィルム14の負担が大きくこれに起因して、水分が侵入して、発光素子24が劣化した部分が生じたと考えられる。
実施例4では、ダークスポットの発生がわずかに見られた。実施例1−1〜実施例3、5及び比較例1−1〜2−5では輝度斑(ムラ)が確認されなかったのに対し、実施例4では輝度斑がわずかに確認された。
実施例5では、ダークスポットの発生が認められた。実施例5は実施例1−1と比して水蒸気透過率が大きく、支持体30を透過する水分が多いと推測される。このため、実施例5は、実施例1−1に比して、水分が侵入しやすく発光素子24が劣化した部分が生じたと考えられる。
以上の結果より、本発明の効果は明らかである。
有機ELディスプレイや有機EL照明装置などに、好適に利用可能である。
10 有機EL積層体
12 有機ELデバイス
14 ガスバリアフィルム
16 接着剤
20 素子基板
24 発光素子
26 パッシベーション膜
30 支持体
32 有機膜
34 無機膜

Claims (11)

  1. 有機EL材料を用いる発光素子、および、前記発光素子を覆うパッシベーション膜を有する有機ELデバイスと、
    前記有機ELデバイスを封止するガスバリアフィルムと、
    を備え、
    前記有機ELデバイスと前記ガスバリアフィルムとが接着剤によって接着された有機EL積層体であって、
    前記ガスバリアフィルムが、支持体と、前記支持体の上に、無機膜および前記無機膜の下地となる有機膜の組み合わせを1以上有し、
    前記ガスバリアフィルムの表層が無機膜であり、
    前記パッシベーション膜と、前記ガスバリアフィルムの表層とが、同じ材料で形成されており、
    前記パッシベーション膜と前記ガスバリアフィルムの表層とが対面していることを特徴とする有機EL積層体。
  2. 前記接着剤の厚さが、1μm超で、かつ、100μm以下である請求項1に記載の有機EL積層体。
  3. 前記接着剤がシランカップリング剤を含み、
    前記パッシベーション膜および前記ガスバリアフィルムの表層が、ケイ素化合物の膜であり、かつ、該膜の表面に−O基および−OH基の少なくとも一方が導入されている請求項1または2に記載の有機EL積層体。
  4. 前記パッシベーション膜および前記ガスバリアフィルムの表層が窒化ケイ素の膜である請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機EL積層体。
  5. 前記支持体のリタデーション値が300nm以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機EL積層体。
  6. 前記支持体の水蒸気透過率が300[g/(m2・day)]以下である請求項1〜5のいずれか1項に記載の有機EL積層体。
  7. 前記ガスバリアフィルムの水蒸気透過率が1×10-4[g/(m2・day)]未満である請求項1〜6のいずれか1項に記載の有機EL積層体。
  8. 前記パッシベーション膜の厚さが5μm以下である請求項1〜7のいずれか1項に記載の有機EL積層体。
  9. 前記有機膜の厚さが0.5〜5μmである請求項1〜8のいずれか1項に記載の有機EL積層体。
  10. 前記有機ELデバイスがトップエミッション型である請求項1〜9のいずれか1項に記載の有機EL積層体。
  11. 前記無機膜を複数有し、かつ、全ての前記無機膜が同じ材料で形成される請求項1〜10のいずれか1項に記載の有機EL積層体。
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