JP2016204461A - 機能性フィルムおよび機能性フィルムの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基板の一面に設けられる、無機層および無機層の形成面となる有機層の組み合わせの1組以上と、無機層の表面に設けられる、支持体および粘着層を有する保護フィルムとを有し、かつ、粘着層は、単官能の(メタ)アクリル化合物を重合してなる、ガラス転移点が−70〜0℃で、無機層と保護フィルムとの密着力が0.3〜20N/25mmで、支持体を剥離した際に無機層に残存する粘着層が、厚さが5〜20nmで、表面粗さRaが0.6nm以上であることにより、この課題を解決する。
【選択図】 図1
Description
そのため、これら部材には、ガスバリアフィルムを貼着することや、ガスバリアフィルムで封止することで、必要なガスバリア性を付与している。
また、特許文献1には、封止用フィルムで有機ELデバイスを封止するための封止用のシール層の形成方法として、塗布法によってガスバリアフィルムに直接形成する方法、粘着性の樹脂層をガスバリアフィルムに貼着する方法、使用時に剥離する剥離フィルムに塗布法でシール層を形成し、剥離フィルムからガスバリアフィルムに転写する方法等が例示されている。
また、特許文献2には、量子ドット層を挟むガスバリアフィルムとして、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム等の樹脂フィルムを基板として、基板の上に酸化ケイ素、酸化チタン、酸化アルミニウム等のガスバリア性を発現する酸化物層を形成した構成が記載されている。
有機無機積層型のガスバリアフィルムにおいては、無機層が主にガスバリア性を発現する。有機無機積層型のガスバリアフィルムでは、下地となる有機層を有することにより、割れや損傷等の無い高品位な無機層を形成することができる。そのため、無機層の性能を十分に発現して、非常に優れたガスバリア性が得られる。
従って、量子ドット層の挟持や有機ELデバイスの封止に、この有機無機積層型のガスバリアフィルムで挟持することにより、より好適に、水分による量子ドット層等の劣化を防止できることが期待される。
ところが、無機層は、−OH基等の密着に寄与する官能基が少なく、かつ、表面が平滑であることから、密着性が低い。そのため、無機層の表面に粘着層を形成することが考えられる。
しかしながら、従来より行われている粘着層の形成方法では、粘着層の厚さは、最も薄くしても30nmが限界である。そのため、十分な密着性を有し、かつ、より薄い粘着層を有するガスバリアフィルム等の機能性フィルムの出現が望まれている。
基板の一方の面に設けられる、無機層および無機層の形成面となる有機層の組み合わせの1組以上と、
最も基板と離間する無機層の表面に設けられる、支持体および粘着層を有する、粘着層を無機層に接触して配置される保護フィルムとを有し、
かつ、粘着層は、単官能の(メタ)アクリル化合物を重合してなる、ガラス転移点が−70〜0℃のものであり、無機層と保護フィルムとの密着力が0.3〜20N/25mmであり、
さらに、支持体を剥離した際に無機層に残存する粘着層が、厚さが5〜20nmで、表面粗さRaが0.6nm以上であることを特徴とする機能性フィルムを提供する。
基板の一方の面に設けられる、無機層および無機層の形成面となる有機層の組み合わせの1組以上と、
最も基板と離間する無機層の表面に設けられる、ガラス転移点が−70〜0℃で、厚さが5〜20nmで、表面粗さRaが0.6nm以上である、単官能の(メタ)アクリル化合物を重合してなる粘着層とを有することを特徴とする機能性フィルムを提供する。
また、本発明の機能性フィルムの第1および第2の態様において、無機層の形成材料が金属酸化物もしくは窒化物であるのが好ましい。
支持体の一方の面に、単官能の(メタ)アクリル化合物を重合してなる、ガラス転移点が−70〜0℃の粘着層を形成して保護フィルムを作製する保護フィルム作製工程、および、
無機層と粘着層とを対面して、積層フィルムと保護フィルムとを貼着する貼着工程、を有することを特徴とする機能性フィルムの製造方法を提供する。
また、無機層をプラズマCVDによって形成するものであり、積層フィルム作製工程において表面となる無機層を形成した後、20秒以内に貼着工程を行うのが好ましい。
また、貼着工程を、基板の温度が5〜160℃の状態で行うのが好ましい。
また、長尺な基板および長尺な支持体を用い、基板および支持体を長手方向に搬送しつつ、積層フィルム作製工程および貼着工程を行うものであり、貼着工程は、積層フィルム作製工程において表面となる無機層を形成した後、表面となる無機層が他の部材に接触する前に行うのが好ましい。
また、さらに、支持体を剥離する剥離工程を有するのが好ましい。
なお、本発明の機能性フィルムは、ガスバリアフィルムに限定はされない。すなわち、本発明は、特定の波長の光を透過するフィルタや光反射防止フィルムなどの各種の光学フィルム等、公知の機能性フィルムに、各種、利用可能である。
ここで、本発明によれば、主に機能を発現する無機層の損傷が少なく、さらに、密着力が高く、かつ、薄い粘着層を有する機能性フィルムを得られる。そのため、本発明の機能性フィルムは、水分に弱い材料を樹脂等からなるバインダに分散してなる機能層を保護するための用途に利用され、かつ、無機層の損傷による性能劣化が大きいガスバリアフィルムには、より好適に利用される。
また、図2に示す本発明の第2の態様のガスバリアフィルム30は、基本的に、基板12と、基板12の一方の面に形成される、有機層14と、無機層16と、粘着層32とを有して構成される。後述するが、粘着層32は、本発明の第1の態様のガスバリアフィルム10から保護フィルム26の支持体20を剥離することによって、凝集破壊された粘着層24が無機層16に残存して転写されることによって形成される。
ここで、図1に示すガスバリアフィルム10および図2に示すガスバリアフィルム30は、有機層14と無機層16との組み合わせを、1組、有するものである。しかしながら、本発明の機能性フィルムは、これ以外にも、各種の構成が利用可能である。
例えば、有機層14と無機層16との組み合わせを、2組有してもよい。あるいは、有機層14と無機層16との組み合わせを、3組以上有してもよい。
あるいは、基板12の表面に無機層16を有し、その上に、有機層14と無機層16との組み合わせを、1組以上、有する構成であってもよい。
すなわち、本発明の機能性フィルムは、無機層16と無機層16の下地となる有機層14との組み合わせを、1組以上、有し、かつ、最上層すなわち最も基板12と離間する無機層16の表面に保護フィルム26(あるいは、後述する粘着層32)を有するものであれば、各種の構成が利用可能である。
本発明者らの検討によれば、基板12の厚さは、5〜100μmが好ましく、10〜50μmがより好ましい。
基板12の厚さを、上記範囲とすることにより、ガスバリアフィルム10およびガスバリアフィルム30の機械的強度を十分に確保すると共に、ガスバリアフィルム10等の軽量化、薄手化、可撓性向上等の点で好ましい。また、基板12の厚さを、上記範囲とすることにより、本発明の機能性フィルムを量子ドットフィルム等に利用した際に、薄手化を図ることができる。
有機層14は、有機化合物からなる層で、基本的に、有機層14となるモノマやオリゴマ等を重合(架橋)したものである。
このような有機層14を有することにより、基板12(あるいは下層の無機層16)の表面の凹凸や、基板12の表面に付着している異物等を包埋して、無機層16の成膜面を、無機層16の成膜に適した状態にできる。これにより、基板12の表面の凹凸や、異物の付着による凹凸のような、無機層16となる無機化合物が着膜し難い領域を無くし、基板の表面全面に、隙間無く、適正な無機層16を成膜することが可能になる。
具体的には、ポリエステル、(メタ)アクリル樹脂、メタクリル酸−マレイン酸共重合体、ポリスチレン、透明フッ素樹脂、ポリイミド、フッ素化ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、セルロースアシレート、ポリウレタン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリカーボネート、脂環式ポリオレフィン、ポリアリレート、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、フルオレン環変性ポリカーボネート、脂環変性ポリカーボネート、フルオレン環変性ポリエステル、アクリル化合物、などの熱可塑性樹脂、ポリシロキサンや、その他の有機ケイ素化合物の膜が好適に例示される。これらは、複数を併用してもよい。
中でも特に、屈折率が低い、透明性が高く光学特性に優れる等の点で、アクリレートおよび/またはメタクリレートのモノマやオリゴマの重合体を主成分とするアクリル樹脂やメタクリル樹脂は、有機層14として好適に例示される。
その中でも特に、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート(DPGDA)、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート(TMPTA)、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート(DPHA)などの、2官能以上、特に3官能以上のアクリレートおよび/またはメタクリレートのモノマやオリゴマなどの重合体を主成分とするアクリル樹脂やメタクリル樹脂は、好適に例示される。また、これらのアクリル樹脂やメタクリル樹脂を、複数、用いるのも好ましい。
有機層14の厚さを0.5μm以上とすることにより、基板12の表面の凹凸や、基板12の表面に付着した異物を包埋して、有機層14の表面すなわち無機層16の成膜面を平坦化できる。
また、有機層14の厚さを5μm以下とすることにより、有機層14が厚すぎることに起因する、有機層14のクラックや、ガスバリアフィルム10のカール等の問題の発生を、好適に抑制することができる。
ガスバリアフィルム10およびガスバリアフィルム30において、目的とするガスバリア性は、主として無機層16により発現する。
具体的には、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化タンタル、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化インジウムスズ(ITO)などの金属酸化物; 窒化アルミニウムなどの金属窒化物; 炭化アルミニウムなどの金属炭化物; 酸化ケイ素、酸化窒化ケイ素、酸炭化ケイ素、酸化窒化炭化ケイ素などのケイ素酸化物; 窒化ケイ素、窒化炭化ケイ素などのケイ素窒化物; 炭化ケイ素等のケイ素炭化物; これらの水素化物; これら2種以上の混合物; および、これらの水素含有物等の、無機化合物からなる膜が、好適に例示される。また、これらの2種以上の混合物も、利用可能である。
特に、金属酸化物および窒化物、具体的には、窒化ケイ素、酸化ケイ素、酸窒化ケイ素、酸化アルミニウム、これらの2種以上の混合物は、透明性が高く、かつ、優れたガスバリア性を発現できる点で、好適に利用される。中でも特に、窒化ケイ素は、優れたガスバリア性に加え、透明性も高く、好適に利用される。
無機層16の厚さを10nm以上とすることにより、十分なガスバリア性能を安定して発現する無機層16が形成できる。また、無機層16は、一般的に脆く、厚過ぎると、割れやヒビ、剥がれ等を生じる可能性が有るが、無機層16の厚さを200nm以下とすることにより、割れが発生することを防止できる。
一例として、前述の基板12で例示した各種の樹脂材料からなるフィルム(樹脂フィルム)が、好適に例示される。
この点を考慮すると、支持体20の形成材料としては、LDPE、HDPE、PP、PET、PEN、PVC、PI等が好適に例示される。
本発明者らの検討によれば、支持体20の厚さは、10〜300μmが好ましく、30〜50μmがより好ましい。
支持体20の厚さを10μm以上とすることにより、巻取り時等に外部から受ける衝撃等に起因する無機層16の損傷を好適に防止できる、搬送時のシワおよび変形を抑制できる等の点で好ましい。
支持体20の厚さを300μm以下とすることにより、ガスバリアフィルム10が不要に厚くなることを防止できる等の点で好ましい。
一方、図2に示す本発明の第2の態様のガスバリアフィルム30(機能性フィルムの第2の態様)においては、最上層の無機層16の表面に、粘着層32を有する。粘着層32は、単官能の(メタ)アクリル化合物を重合してなるものであり、Tgが−70〜0℃、厚さが5〜20nmで、表面粗さRaが0.6nm以上のものである。このようなガスバリアフィルム30において、粘着層32は、ガスバリアフィルム10から保護フィルム26の支持体20を剥離することによって、凝集破壊された粘着層24が無機層16に残存して転写されることによって形成される。
このような粘着層24は、適度な架橋密度を有する、柔らかい材料であり、比較的容易に凝集破壊する。また、保護フィルム26と無機層16とは、0.3〜20N/25mmという十分な密着力を有する。そのため、本発明のガスバリアフィルム10から、支持体20を剥離することにより、粘着層24を凝集破壊して、粘着層24を無機層16に残存させて転写することができる。また、無機層16への密着力不足による気泡の発生(粘着剤未転写部)を抑制して、均一な厚さと表面粗さRaの粘着層32を転写できる。また、粘着剤のTgが低いため、無機層16と粘着層24との界面の密着力が高くても、剥離の際は粘着層24側から凝集破壊が起こり易く、支持体20を剥離する際における無機層16のダメージも抑えられる。
そのため、ガスバリアフィルム10から支持体20を剥離することで、単官能の(メタ)アクリル化合物を重合してなる、Tgが−70〜0℃で、厚さが5〜20nmと非常に薄く、かつ、表面粗さRaが0.6nm以上の粘着層32を有する、本発明の第2の態様のガスバリアフィルム30を好適に製造できる。
しかも、ガスバリアフィルム10は、支持体20を剥離する前は、保護フィルム26を有しているので、主にガスバリア性を発現する無機層16の損傷を防止できる。
加えて、粘着層32の表面粗さRaが0.6nm以上であるため、密着対象の染み込みによるアンカー効果によっても、良好な密着性が得られる。
なお、本発明において、最終的な使用形態は、通常、保護フィルム26の支持体20を剥離してなる第2の態様のガスバリアフィルム30となる。
密着力(粘着力)は、JIS Z 0237の180°剥離試験方法に準じて測定すればよい。
表面粗さRa(算術平均粗さRa)は、JIS B 0601に準拠して測定すればよい。
無機層16と保護フィルム26との密着力が0.3N/25mm未満では、密着力が弱過ぎて、支持体20を剥離する際に粘着層24も無機層16から剥離してしまい、凝集剥離によって残存する転写によって適正な粘着層32を形成できない。また、後述するロール・トゥ・ロールにおいて搬送中に保護フィルム26が剥離することで巻取りの際に保護フィルム26にシワが入る等の不都合も生じる。
無機層16と保護フィルム26との密着力が20N/25mmを超えると、密着力が強過ぎて、支持体20を剥離する際に無機層16を損傷してしまう、ガスバリアフィルム10が変形してしまう等の不都合を生じる。
以上の点を考慮すると、無機層16と保護フィルム26との密着力は、0.5〜15N/25mmが好ましい。
多官能の(メタ)アクリル化合物を重合して得られる粘着層は、架橋密度が高く、凝集破壊によって粘着層24を無機層16に転写することが困難になる。
単官能の(メタ)アクリル化合物のアクリル当量を100以上とすることにより、粘着層24の架橋密度が高くなり過ぎて凝集破壊が生じ難くなることを防止できる、粘着層24が柔軟になり無機層16への粘着層24の接触面積が増加して密着力が向上する等の点で好ましい。
単官能の(メタ)アクリル化合物のアクリル当量を500以下とすることにより、良好な架橋密度を有する粘着層24を得られ厚さが5〜20nm、表面粗さRaが0.6nm以上の粘着層32を安定して得られる、粘着層24の密着力低下を抑制できる等の点で好ましい。
一例として、2−エチルヘキシルアクリレート(EHA)、2−ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、オクチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、イソノニルアクリレート、ラウリルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート等が例示される。
これらは、複数を併用してもよい。
粘着層24および粘着層32の重量平均分子量を200000以上とすることにより、無機層16に残存する粘着層24の厚膜化を抑制できる、後述するロール・トゥ・ロールでの搬送の際におけるパスロールへの粘着層24付着を防止できる等の点で好ましい。
粘着層24および粘着層32の重量平均分子量を800000以下とすることにより、粘着層24の転写量が低下することを抑制できる、粘着層24の密着力低下に起因する保護フィルム26の剥離を抑制できる等の点で好ましい。
アクリル当量も、公知の方法で測定すればよい。また、アクリル当量も、カタログ等に記載された数値を利用してもよい。
粘着層24および粘着層32のTgが−70℃未満では、凝集力の低下に起因して粘着層24および粘着層32の膜厚が不要に厚くなってしまう等の不都合を生じる。
また、粘着層24および粘着層32のTgが0℃を超えると、粘着層24の凝集破壊が生じ難く適正な粘着層32を形成するのが困難になる、無機層16と粘着層24および粘着層32との粘着力が弱くなってしまう等の不都合を生じる。
以上の点を考慮すると、粘着層24および粘着層32のTgは、−65〜−50℃が好ましい。
粘着層24の厚さを5μm以上とすることにより、厚さが5〜20nmの粘着層32を好適に形成できる、無機層16の保護性能を向上できる等の点で好ましい。
粘着層24の厚さを30μm以下とすることにより、厚さが5〜20nmの粘着層32を好適に形成できる、無機層16を形成する際の真空成膜におけるアウトガスに起因する汚染を防止できる等の点で好ましい。
粘着層32等の厚さが5nm未満では、十分な粘着力が得られない等の不都合が生じる。
粘着層32の厚さが20nmを超えると、内部応力の増加に伴い十分な粘着力が得られない等の不都合を生じる。
以上の点を考慮すると、粘着層32の厚さは6〜10nmが好ましい。
粘着層32の表面粗さRaが0.6nm未満では、アンカー効果が不十分でガスバリアフィルム30を被着体に到着した際に十分な密着力が得られない、粘着層32の未転写部が多く十分な密着力が得られない等の不都合が生じる。
以上の点を考慮すると、粘着層32の表面粗さRaは0.64nm以上が好ましい。
なお、粘着層32の表面粗さRaの上限には、特に限定は無いが、通常、3nm以下である。
粘着層32の表面エネルギを0.03N/m以上とすることにより、ガスバリアフィルム30を被着体に到着した際に高い密着力が得られる、粘着層32上に被着体を塗布で形成する際の塗布ムラを防止できる等の点で好ましい。
粘着層32の表面エネルギを0.06N/m以下とすることにより、粘着層32上に被着体を塗布で形成する際に厚さの制御性を向上できる等の点で好ましい。
なお、以下の例は、好ましい態様として、長尺な基板12や支持体20等を用いて、ロール・トゥ・ロール(以下、RtoRとも言う)によってガスバリアフィルムの製造を行うものである。周知のように、RtoRとは、長尺な被処理物を巻回してなるロールから被処理物を送り出して、長手方向に搬送しつつ成膜等の処理を行い、処理済の被処理物を、再度、ロール状に巻回する製造方法である。
また、長尺な支持体20をロール状に巻回してなる支持体ロール20Rを、図4(A)に概念的に示すような有機成膜装置の所定位置に装填する。次いで、支持体ロール20Rから支持体20を送り出して、巻取り位置に到る所定の経路に通紙する。さらに、調製した粘着層24となる塗布組成物を塗布装置40の所定位置に充填する。なお、図中の符号48は、支持体20を所定の経路で搬送するための搬送ローラ対である。
その上で、支持体ロール20Rから支持体20を送り出して、長手方向に搬送しつつ、塗布装置40において調製した塗布組成物を支持体20に塗布し、次いで、乾燥装置42において塗布組成物を乾燥して、さらに必要に応じて硬化装置46において紫外線照射や加熱等を行って、(メタ)アクリル化合物を重合(架橋)して、粘着層24を形成して保護フィルム26とする。さらに、長尺な保護フィルム26をロール状に巻回して、保護フィルムロール26Rとする。
なお、図示は省略するが、保護フィルム26の製造では、好ましい態様として、硬化装置46で(メタ)アクリル化合物を重合した後、粘着層24に離型フィルムを積層して、その後、巻取りを行って保護フィルムロール26Rとする。
すなわち、有機溶剤、有機層14となる有機化合物(モノマ、ダイマ、トリマ、オリゴマ、ポリマ等)、界面活性剤、シランカップリング剤などを含む塗布組成物を調製する。
また、長尺な基板12をロール状に巻回してなる基板ロール12Rを、図4(A)に示す有機成膜装置の所定位置に装填する。次いで、基板ロール12Rから基板12を送り出して、巻取り位置に到る所定の経路に通紙する。さらに、調製した有機層14となる塗布組成物を塗布装置40の所定位置に充填する。
その上で、基板ロール12Rから基板12を送り出して、長手方向に搬送しつつ、塗布装置40において調製した塗布組成物を支持体20に塗布し、次いで、乾燥装置42において塗布組成物を乾燥して、硬化装置46において紫外線照射等によって有機化合物を重合(架橋)して有機層14を形成する。さらに、有機層14を形成した長尺な基板12sをロール状に巻回して、基板ロール12sRとする。
図4(B)に示す無機成膜装置は、一例として、CCP−CVD(容量結合型プラズマ化学気相蒸着法)によって無機層16を形成するものであり、供給室50と、成膜室52と、巻取り室54とを有する。
まず、供給室50の所定位置に基板ロール12sRを装填する。次いで、基板ロール12sRから有機層14を形成した基板12sを送り出して、供給室50から成膜室52を経て巻取り室54に到る所定の経路を通紙する。基板ロール12sRは、有機層14が成膜室52における成膜面となるように装填する。
また、成膜室52の所定位置に保護フィルムロール26Rを装填する。次いで、保護フィルムロール26Rから保護フィルム26を送り出し、成膜室52から巻取り室54に到る所定の経路を通紙する。保護フィルムロール26Rは、送り出した保護フィルム26の粘着層24が、基板12sの無機層16の成膜面に対面するように装填する。
各室の圧力が所定の圧力になったら、基板12sおよび保護フィルム26の搬送を開始する。
成膜室52に搬送された基板12sは、ガイドローラ60に案内されて、円筒状のドラム62の周面に巻き掛けられる。ドラム62は、CCP−CVDにおける電極としても作用するものである。なお、ドラム62は、好ましい態様として温度調節機能を有する。基板12sは、ドラム62によって所定の経路を搬送されつつ、ドラム62およびシャワー電極64からなる電極対、原料ガス供給部68および高周波電源70等を有する成膜手段によって、CCP−CVDによって無機層16を形成され、基板12に有機層14と無機層16との組み合わせを形成した積層フィルム12gとされる。
プラズマCVDによる無機層16の形成は、無機層の形成材料等に応じた公知の方法で行えばよい。また、無機層16の形成は、CCP−CVD以外にも、ICP−CVD(誘導結合型プラズマ化学気相蒸着法)、スパッタリング、真空蒸着等、公知の気相成膜法が、各種、利用可能である。
無機層16を形成された積層フィルム12gおよび保護フィルム26は、無機層16と粘着層24とを対面して、積層ローラ対72によって積層、圧着されて、図3の最上段〜2段目に示すように、ガスバリアフィルム10が作製される。積層ローラ対72による圧着力は、粘着層24の厚さや密着力等に応じて、適宜、設定すればよい。
なお、図示は省略するが、保護フィルムロール26Rから積層ローラ対72に到る保護フィルム26の搬送経路の途中で、粘着層24から離型フィルムを剥離する。
すなわち、図示例においては、積層フィルム12gを成膜領域であるドラム62とシャワー電極64とが対面する領域から排出した後、20秒以内に、積層ローラ対72による積層フィルム12gと保護フィルム26との貼着を行うように、積層フィルム12gの搬送速度や搬送経路、積層ローラ対72の位置等を設定するのが好ましい。
このような構成とすることにより、無機層16を成膜した後の、無機層16の表面が活性な状態で保護フィルム26との貼着に供することができるので、無機層16と保護フィルム26との密着力を向上でき、好適に、機層16と保護フィルム26との密着力を0.3〜20N/25mmにできる。
なお、上記効果が好適に得られるという点では、積層フィルム12gと保護フィルム26との貼着は、無機層16を形成した後、できるだけ早く行うのが好ましい。しかしながら、装置構成上の制約等も有るため、積層フィルム12gと保護フィルム26との貼着は、無機層16を形成した後、1秒以上、経過した後になるのが通常である。
積層フィルム12gと保護フィルム26との貼着を、基板12の温度が5℃以上の状態で行うことにより、無機層16の表面から水素等の余分な成分が離脱して、無機層の活性化された表面を十分に露出した状態で貼着を行えるので、無機層16と保護フィルム26との密着力を向上でき、好適に機層16と保護フィルム26との密着力を0.3〜20N/25mmにできる、保護フィルム26の未貼着部の発生が抑制され均一に転写ができる等の点で好ましい。
また、積層フィルム12gと保護フィルム26との貼着を、基板12の温度が160℃以下の状態で行うことにより、熱による基板12の損傷を防止できる、基板12の損傷に起因する無機層16の損傷を防止できる、RtoRの際に基板12がパスロールに溶着することを防止できる等の点で好ましい。
一例として、温度調節機能を有するドラム62を用いる方法、ドラム62と積層ローラ対72との間に基板の加熱および/または冷却を行う温度調節手段を設ける方法、積層ローラ対72の一方のローラを加熱および/または冷却が可能な温度調節ローラにする方法等が例示される。
これにより、無機層16の損傷を防止して、目的とするガスバリア性を発現するガスバリアフィルム10およびガスバリアフィルム30を得られる。
前述のように、本発明においては、単官能の(メタ)アクリル化合物を重合してなる、ガラス転移点が−70〜0℃の粘着層24を有し、無機層16と保護フィルム26との密着力が0.3〜20N/25mmであるガスバリアフィルム10から、支持体20を剥離することで、粘着層24を凝集破壊して、粘着層24を無機層16に残存させる、転写によって粘着層32を形成することにより、無機層16の表面に厚さが5〜20nmという塗布法では形成が困難な薄さで、かつ、0.6nm以上の好適な表面粗さRaを有する粘着層32を形成できる。
従って、ガスバリアフィルム10から支持体20を剥離する際には、加熱や冷却等の操作は不要であり、室温で剥離を行えばよい。また、剥離速度も、ガスバリアフィルム10のサイズ等に応じて、適宜、設定すればよい。
<保護フィルム26の作製>
支持体20として、幅1000mm、厚さ30μmの長尺なLDPEフィルム(三菱化学社製、ノバテックLL)を用意した。このLDPAフィルムのヤング率は0.2GPaである。
2−エチルへキシルアクリレート(EHA)90質量%と、2−ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)10質量%とを、窒素気流下において、酢酸エチル中で、2,2’−アゾビスイソブチロニトリルを触媒として共重合させたアクリルポリマAを用意した。このアクリルポリマAにイソシアネート系架橋剤(東ソー社製、コロネートL)を97:3の質量比で混合して、粘着層24を形成するための塗布組成物を調製した。
この塗布組成物を、図4(A)に示すようなRtoRによる成膜装置の塗布装置40に塗布組成物を充填し、また、支持体20をロール状に巻回してなる支持体ロール20Rを所定の位置に装填して、支持体20を所定の搬送経路に挿通した。塗布装置40はダイコータを用いた。
その上で、支持体20を長手方向に搬送しつつ、塗布装置40によって塗布組成物を支持体20に塗布して、次いで、乾燥装置42において、80℃で5分間乾燥して粘着層24を形成して、保護フィルム26を作製した。この際においては、硬化装置46は使用しなかった。
粘着層24の厚さは5μmであった。また、図示はしないが、巻取りに先立って、粘着層24の表面には離型フィルムを積層した。
基板12として、幅1000mm、厚さ50μmの長尺なPETフィルム(東洋紡社製、コスモシャインA4300)を用意した。
また、TMPTA(ダイセルサイテック社製)および光重合開始剤(ランベルティ社製、ESACURE KTO46)を用意し、質量比率として95:5となるように秤量し、これらを固形分濃度が15質量%となるようにメチルエチルケトンに溶解して、有機層14を形成するための塗布組成物を調製した。
その上で、基板12を長手方向に搬送しつつ、塗布装置40によって塗布組成物を基板12に塗布して、次いで、乾燥装置42において、50℃で3分間乾燥して、硬化装置46において紫外線を照射(積算照射量約600mJ/cm2)して塗布組成物を硬化させて有機層14を形成して、有機層14を形成した基板12sをロール状に巻き取って、基板ロール12sRとした。有機層14の厚さは、1μmであった。
図4(B)に示されるような成膜装置の供給室50の所定位置に、基板ロール12sRを装填し、成膜室52の所定位置に保護フィルムロール26Rを装填した。さらに、基板ロール12sRから基板12sを送り出して、供給室50から成膜室52を経て巻取り室54に到る所定の搬送経路に通紙した。また、保護フィルムロール26Rから保護フィルム26を送り出して、成膜室52から巻取り室54に到る所定の搬送経路に通紙した。
この状態で、基板12sと保護フィルム26とを同期して搬送しつつ、成膜室52内のドラム62に支持/案内される基板12sの有機層14の表面にCCP−CVDによって無機層16として窒化ケイ素膜を形成して積層フィルム12gとし、次いで、積層ローラ対72によって、積層フィルム12gと保護フィルム26とを積層、貼着して、図1に示すようなガスバリアフィルム10を作製して、巻き取って、バリアフィルムロール10Rとした。なお、ドラム62は、温度調節機能を有するものである。
保護フィルム26の貼着は、無機層16を形成した後、無機層16が他の部材に接触する前に行った。また、図示はしないが、無機層16への保護フィルム26の貼着に先立ち、保護フィルム26から離型フィルムを剥離した。
積層フィルム12gが成膜領域を出てから保護フィルム26を貼着するまでの時間、すなわち、無機層16を形成した後、保護フィルム26を貼着するまでの時間は、20秒とした。
さらに、積層フィルム12gと保護フィルム26との貼着時における基板12の温度は、40℃とした。基板12の温度制御は、ドラム62の温度調節で行った。
無機層16を形成する際のプラズマ励起電力を6kWにした以外は、実施例1と同様にガスバリアフィルム10を作製した。
実施例1と同様に、無機層16と保護フィルム26との密着力を測定したところ、密着力は2N/25mmであった。
[実施例3]
無機層16を形成する際のプラズマ励起電力を5kWにした以外は、実施例1と同様にガスバリアフィルム10を作製した。
実施例1と同様に、無機層16と保護フィルム26との密着力を測定したところ、密着力は0.5N/25mmであった。
保護フィルム26を用いなかった以外は、実施例1と同様にガスバリアフィルムを作製した。
無機層16を形成する際のプラズマ励起電力を20kWにした以外は、実施例1と同様にガスバリアフィルムを作製した。
実施例1と同様に、無機層16と保護フィルム26との密着力を測定したところ、密着力は30N/25mmであった。
[比較例3]
無機層16を形成する際のプラズマ励起電力を0.6kWにした以外は、実施例1と同様にガスバリアフィルムを作製した。
実施例1と同様に、無機層16と保護フィルム26との密着力を測定したところ、密着力は0.1N/25mmであった。
保護フィルムの粘着層の形成を以下のように行った以外は、実施例1と同様にガスバリアフィルムを作製した。
TMPTA(ダイセルサイテック社製)および光重合開始剤(ランベルティ社製、ESACURE KTO46)を用意し、質量比率として95:5となるように秤量し、これらを固形分濃度が15質量%となるようにメチルエチルケトンに溶解して、粘着層を形成するための塗布組成物を調製した。
この塗布組成物を、塗布装置40(バーコータ)によって塗布して、次いで、乾燥装置42において、50℃で3分間乾燥して、硬化装置46において紫外線を照射(積算照射量約600mJ/cm2)して塗布組成物を硬化させて、粘着層を形成した。
実施例1と同様に粘着層のTgを測定したところ、62℃であった。
また、実施例1と同様に無機層16と保護フィルムとの密着力を測定したところ、密着力は0.3N/25mmであった。
粘着層24を形成するための塗布組成物の調製において、アクリルポリマAに、フッ素系界面活性剤(3M社製、FC4432)をアクリルポリマA:フッ素系界面活性剤の質量比で99.9:0.1、添加した以外は、実施例1と同様にガスバリアフィルム10を作製した。
実施例1と同様に、無機層16と保護フィルム26との密着力を測定したところ、密着力は2N/25mmであった。
無機層16を、反応性スパッタリングで形成した厚さ20nmの酸化アルミニウム膜とした以外は、実施例1と同様にガスバリアフィルム10を作製した。
実施例1と同様に、無機層16と保護フィルム26との密着力を測定したところ、密着力は6N/25mmであった。
ガスバリアフィルム10の作製において、無機層16を形成した後、保護フィルム26を貼着するまでの時間を40秒とした以外は、実施例1と同様にガスバリアフィルム10を作製した。
実施例1と同様に、無機層16と保護フィルム26との密着力を測定したところ、密着力は2N/25mmであった。
[実施例7]
ガスバリアフィルム10の作製において、保護フィルム26を貼着する際における基板12の温度を170℃にした以外は、実施例1と同様にガスバリアフィルム10を作製した。
実施例1と同様に、無機層16と保護フィルム26との密着力を測定したところ、密着力は15N/25mmであった。
このようにして作製した各ガスバリアフィルムから、100×100mmのフィルムを2枚サンプリングした。
次いで、1枚のサンプルから、保護フィルム26の支持体20を剥離して、図2に示すような、粘着層32を有するガスバリアフィルム30とした。
ガスバリアフィルム30の粘着層32の厚さを、白色光干渉計(菱化システム社製、Vertscan)によって測定した。
ガスバリアフィルム30の粘着層32の表面粗さRaを原子間力顕微鏡(エスアイアイ・ナノテクノロジー社製、SPA500)によって、JIS B 0601に準拠して測定した。
ガスバリアフィルム30の粘着層32の表面エネルギを表面張力計(協和界面科学社製 DY300)によって測定した。
測定結果は、下記の表に示す。
次いで、もう一枚のサンプルの支持体20を剥離して、粘着層32をエポキシ樹脂に対面して積層して、紫外線を照射(積算照射量約600mJ/cm2)してエポキシ樹脂を硬化して、複合フィルムを作製した。
この複合フィルムの水蒸気透過率[g/(m2・day)]を、カルシウム腐食法(特開2005−283561号公報に記載される方法)によって、測定した。恒温恒湿処理の条件は、温度45℃、相対湿度90RH%とした。
水蒸気透過率が7×10-5g/(m2・day)未満のものをA;
水蒸気透過率が7×10-5g/(m2・day)〜1×10-4g/(m2・day)のものをB;
水蒸気透過率が1×10-4g/(m2・day)超のものをC; と評価した。
小型卓上剥離試験機(日本電産シンポ社製、FGS−100TV)によって、JIS Z 0237の180°剥離試験方法に準じて複合フィルムの密着力を測定した。
密着量が4N/25mm超のものをA;
密着力が3〜4N/25mmのものをB;
密着量が3N/25mm未満のものをC; と評価した。
結果を下記の表に示す。
これに対し、本発明のガスバリアフィルム30は、複合フィルムにおいて、いずれも優れたガスバリア性および密着力が得られている。特に、保護フィルム26の貼り合わせまでの時間、保護フィルム26を貼り合わせる際の温度、および、粘着層の表面エネルギが、共に、好ましい範囲に入る実施例1〜3および実施例5は、複合フィルムのガスバリア性および密着力が、共に、非常に優れている。
以上の結果より、本発明の効果は明らかである。
10R ガスバリアフィルムロール
12,12s 基板
12g 積層フィルム
12R,12sR 基板ロール
14 有機層
16 無機層
20 支持体
24 粘着層
26 保護フィルム
26R 保護フィルムロール
40 塗布装置
42 乾燥装置
46 硬化装置
62 ドラム
64 シャワー電極
68 原料ガス供給部
70 高周波電源
Claims (11)
- 基板と、
前記基板の一方の面に設けられる、無機層および前記無機層の形成面となる有機層の組み合わせの1組以上と、
最も前記基板と離間する前記無機層の表面に設けられる、支持体および粘着層を有する、前記粘着層を無機層に接触して配置される保護フィルムとを有し、
かつ、前記粘着層は、単官能の(メタ)アクリル化合物を重合してなる、ガラス転移点が−70〜0℃のものであり、前記無機層と保護フィルムとの密着力が0.3〜20N/25mmであり、
さらに、前記支持体を剥離した際に前記無機層に残存する粘着層が、厚さが5〜20nmで、表面粗さRaが0.6nm以上であることを特徴とする機能性フィルム。 - 前記支持体を剥離した際に前記無機層に残存する粘着層の表面エネルギが0.03〜0.06N/mである請求項1に記載の機能性フィルム。
- 基板と、
前記基板の一方の面に設けられる、無機層および前記無機層の形成面となる有機層の組み合わせの1組以上と、
最も前記基板と離間する前記無機層の表面に設けられる、ガラス転移点が−70〜0℃で、厚さが5〜20nmで、表面粗さRaが0.6nm以上である、単官能の(メタ)アクリル化合物を重合してなる粘着層とを有することを特徴とする機能性フィルム。 - 前記粘着層の表面エネルギが0.03〜0.06N/mである請求項3に記載の機能性フィルム。
- 前記無機層の形成材料が金属酸化物もしくは窒化物である請求項1〜4のいずれか1項に記載の機能性フィルム。
- 基板の一方の面に、無機層および前記無機層の形成面となる有機層の組み合わせを、1組以上、形成して、前記有機層および無機層を形成した側の表面が無機層である積層フィルムを作製する積層フィルム作製工程、
支持体の一方の面に、単官能の(メタ)アクリル化合物を重合してなる、ガラス転移点が−70〜0℃の粘着層を形成して保護フィルムを作製する保護フィルム作製工程、および、
前記無機層と粘着層とを対面して、前記積層フィルムと保護フィルムとを貼着する貼着工程、を有することを特徴とする機能性フィルムの製造方法。 - 前記無機層と保護フィルムとの密着力が0.3〜20N/25mmである請求項6に記載の機能性フィルムの製造方法。
- 前記無機層をプラズマCVDによって形成するものであり、前記積層フィルム作製工程において前記表面となる無機層を形成した後、20秒以内に前記貼着工程を行う請求項6または7に記載の機能性フィルムの製造方法。
- 前記貼着工程を、前記基板の温度が5〜160℃の状態で行う請求項6〜8のいずれか1項に記載の機能性フィルムの製造方法。
- 長尺な基板および長尺な支持体を用い、前記基板および支持体を長手方向に搬送しつつ、前記積層フィルム作製工程および前記貼着工程を行うものであり、
前記貼着工程は、前記積層フィルム作製工程において前記表面となる無機層を形成した後、前記表面となる無機層が他の部材に接触する前に行う請求項6〜9のいずれか1項に記載の機能性フィルムの製造方法。 - さらに、前記支持体を剥離する剥離工程を有する請求項6〜10のいずれか1項に記載の機能性フィルムの製造方法。
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