JP2016204461A - 機能性フィルムおよび機能性フィルムの製造方法 - Google Patents

機能性フィルムおよび機能性フィルムの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】薄く、密着力の良好な粘着層を有する機能性フィルムを得る。
【解決手段】基板の一面に設けられる、無機層および無機層の形成面となる有機層の組み合わせの1組以上と、無機層の表面に設けられる、支持体および粘着層を有する保護フィルムとを有し、かつ、粘着層は、単官能の(メタ)アクリル化合物を重合してなる、ガラス転移点が−70〜0℃で、無機層と保護フィルムとの密着力が0.3〜20N/25mmで、支持体を剥離した際に無機層に残存する粘着層が、厚さが5〜20nmで、表面粗さRaが0.6nm以上であることにより、この課題を解決する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、良好な密着性を発揮する機能性フィルム、および、この機能性フィルムの製造方法に関する。
近年、有機ELデバイス(有機エレクトロルミネッセンスデバイス)、太陽電池、量子ドットフィルムなどのデバイスやディスプレイ材料、水分や酸素によって変質する薬剤を収容する輸液バックなどの包装材料において、高いガスバリア性が要求される。
そのため、これら部材には、ガスバリアフィルムを貼着することや、ガスバリアフィルムで封止することで、必要なガスバリア性を付与している。
例えば、特許文献1には、有機ELデバイスの封止に用いられる封止用フィルムとして、水蒸気透過率が0.03g/(m2・day)以下のガスバリアフィルムを2枚以上、接着剤層を介して貼り合わせた積層体の一方の面に、封止用のシール層を有し、かつ、ガスバリアフィルムは、基材フィルムの一方の面に、少なくとも1層以上の無機化合物からなるバリア層とポリビニルアルコールを含むバリア層とを有し、両バリア層が基材フィルムの積層体のシール層側となる面に形成されている、封止用フィルムが記載されている。
また、特許文献1には、封止用フィルムで有機ELデバイスを封止するための封止用のシール層の形成方法として、塗布法によってガスバリアフィルムに直接形成する方法、粘着性の樹脂層をガスバリアフィルムに貼着する方法、使用時に剥離する剥離フィルムに塗布法でシール層を形成し、剥離フィルムからガスバリアフィルムに転写する方法等が例示されている。
特許文献2には、LCD等のバックライトユニットに用いられる量子ドットフィルムとして、量子ドット層(QD蛍光体材料フィルム層)を2枚のガスバリアフィルムで挟持することにより量子ドットを保護する、積層型の量子ドットフィルムが記載されている。
また、特許文献2には、量子ドット層を挟むガスバリアフィルムとして、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム等の樹脂フィルムを基板として、基板の上に酸化ケイ素、酸化チタン、酸化アルミニウム等のガスバリア性を発現する酸化物層を形成した構成が記載されている。
一方、優れたガスバリア性を有するガスバリアフィルムとして、特許文献3に記載されるような、基板の上に、無機層と、無機層の下地となる有機層との組み合わせを、1組以上、形成してなる、有機無機積層型のガスバリアフィルムが知られている。
有機無機積層型のガスバリアフィルムにおいては、無機層が主にガスバリア性を発現する。有機無機積層型のガスバリアフィルムでは、下地となる有機層を有することにより、割れや損傷等の無い高品位な無機層を形成することができる。そのため、無機層の性能を十分に発現して、非常に優れたガスバリア性が得られる。
従って、量子ドット層の挟持や有機ELデバイスの封止に、この有機無機積層型のガスバリアフィルムで挟持することにより、より好適に、水分による量子ドット層等の劣化を防止できることが期待される。
特開2013−54985号公報 特表2013−544018号公報 特開2012−192738号公報
此処で、特許文献2や特許文献3に示されるような、ガスバリア層として無機層を有するガスバリアフィルムで量子ドット層や有機EL素子を封止する際には、ガスバリアフィルムが有するガスバリア性を十分に得るために、ガスバリア性を発現する無機層を表面にして、無機層を封止対象すなわち被着体に対面するのが好ましい。
ところが、無機層は、−OH基等の密着に寄与する官能基が少なく、かつ、表面が平滑であることから、密着性が低い。そのため、無機層の表面に粘着層を形成することが考えられる。
一方、量子ドットフィルムや有機ELデバイスには、厚さを薄くすることが要求されており、この点を考えると、粘着層は、薄い方が好ましい。加えて、内部応力緩和による被着体との密着性を向上するためにも、粘着層は薄い方が好ましい。
しかしながら、従来より行われている粘着層の形成方法では、粘着層の厚さは、最も薄くしても30nmが限界である。そのため、十分な密着性を有し、かつ、より薄い粘着層を有するガスバリアフィルム等の機能性フィルムの出現が望まれている。
本発明の目的は、このような従来技術の問題点を解決することにあり、有機無機の積層構造による高いガスバリア性に加え、被着体との密着性も高く、さらに、粘着層も薄いガスバリアフィルム等の機能性フィルムを得ることにある。
この課題を解決するために、本発明の機能性フィルムの第1の態様は、基板と、
基板の一方の面に設けられる、無機層および無機層の形成面となる有機層の組み合わせの1組以上と、
最も基板と離間する無機層の表面に設けられる、支持体および粘着層を有する、粘着層を無機層に接触して配置される保護フィルムとを有し、
かつ、粘着層は、単官能の(メタ)アクリル化合物を重合してなる、ガラス転移点が−70〜0℃のものであり、無機層と保護フィルムとの密着力が0.3〜20N/25mmであり、
さらに、支持体を剥離した際に無機層に残存する粘着層が、厚さが5〜20nmで、表面粗さRaが0.6nm以上であることを特徴とする機能性フィルムを提供する。
このような本発明の機能性フィルムの第1の態様において、支持体を剥離した際に無機層に残存する粘着層の表面エネルギが0.03〜0.06N/mであるのが好ましい。
また、本発明の機能性フィルムの第2の態様は、基板と、
基板の一方の面に設けられる、無機層および無機層の形成面となる有機層の組み合わせの1組以上と、
最も基板と離間する無機層の表面に設けられる、ガラス転移点が−70〜0℃で、厚さが5〜20nmで、表面粗さRaが0.6nm以上である、単官能の(メタ)アクリル化合物を重合してなる粘着層とを有することを特徴とする機能性フィルムを提供する。
このような本発明の機能性フィルムの第2の態様において、粘着層の表面エネルギが0.03〜0.06N/mであるのが好ましい。
また、本発明の機能性フィルムの第1および第2の態様において、無機層の形成材料が金属酸化物もしくは窒化物であるのが好ましい。
さらに、本発明の機能性フィルムの製造方法は、基板の一方の面に、無機層および無機層の形成面となる有機層の組み合わせを、1組以上、形成して、有機層および無機層を形成した側の表面が無機層である積層フィルムを作製する積層フィルム作製工程、
支持体の一方の面に、単官能の(メタ)アクリル化合物を重合してなる、ガラス転移点が−70〜0℃の粘着層を形成して保護フィルムを作製する保護フィルム作製工程、および、
無機層と粘着層とを対面して、積層フィルムと保護フィルムとを貼着する貼着工程、を有することを特徴とする機能性フィルムの製造方法を提供する。
このような本発明の機能性フィルムの製造方法において、無機層と保護フィルムとの密着力が0.3〜20N/25mmであるのが好ましい。
また、無機層をプラズマCVDによって形成するものであり、積層フィルム作製工程において表面となる無機層を形成した後、20秒以内に貼着工程を行うのが好ましい。
また、貼着工程を、基板の温度が5〜160℃の状態で行うのが好ましい。
また、長尺な基板および長尺な支持体を用い、基板および支持体を長手方向に搬送しつつ、積層フィルム作製工程および貼着工程を行うものであり、貼着工程は、積層フィルム作製工程において表面となる無機層を形成した後、表面となる無機層が他の部材に接触する前に行うのが好ましい。
また、さらに、支持体を剥離する剥離工程を有するのが好ましい。
このような本発明によれば、有機無機の積層構造による高いガスバリア性に加え、被着体との密着性も高く、さらに、粘着層も薄いガスバリアフィルム等の機能性フィルムを得ることができる。
本発明の機能性フィルムの第1の態様の一例を概念的に示す図である。 本発明の機能性フィルムの第2の態様の一例を概念的に示す図である。 本発明の機能性フィルムの製造方法の一例を概念的に示す図である。 (A)および(B)は、本発明の機能性フィルムの製造方法の一例を実施する成膜装置の一例を概念的に示す図である。
以下、本発明の機能性フィルムおよび機能性フィルムの製造方法について、添付の図面に示される好適実施例を基に、詳細に説明する。
図1に、本発明の機能性フィルムの第1の態様をガスバリアフィルムに利用した一例を概念的に示す。また、図2に、本発明の機能性フィルムの第2の態様をガスバリアフィルムに利用した一例を概念的に示す。
なお、本発明の機能性フィルムは、ガスバリアフィルムに限定はされない。すなわち、本発明は、特定の波長の光を透過するフィルタや光反射防止フィルムなどの各種の光学フィルム等、公知の機能性フィルムに、各種、利用可能である。
ここで、本発明によれば、主に機能を発現する無機層の損傷が少なく、さらに、密着力が高く、かつ、薄い粘着層を有する機能性フィルムを得られる。そのため、本発明の機能性フィルムは、水分に弱い材料を樹脂等からなるバインダに分散してなる機能層を保護するための用途に利用され、かつ、無機層の損傷による性能劣化が大きいガスバリアフィルムには、より好適に利用される。
図1に示す本発明の第1の態様のガスバリアフィルム10は、基本的に、基板12と、基板12の一方の面に形成される、有機層14と、無機層16と、支持体20および粘着層24を有する保護フィルム26とを有して構成される。
また、図2に示す本発明の第2の態様のガスバリアフィルム30は、基本的に、基板12と、基板12の一方の面に形成される、有機層14と、無機層16と、粘着層32とを有して構成される。後述するが、粘着層32は、本発明の第1の態様のガスバリアフィルム10から保護フィルム26の支持体20を剥離することによって、凝集破壊された粘着層24が無機層16に残存して転写されることによって形成される。
有機層14は、無機層16の下地となる層である。すなわち、図1に示すガスバリアフィルム10および図2に示すガスバリアフィルム30は、前述の有機層と無機層との積層構造を有する有機無機積層型のガスバリアフィルムである。
ここで、図1に示すガスバリアフィルム10および図2に示すガスバリアフィルム30は、有機層14と無機層16との組み合わせを、1組、有するものである。しかしながら、本発明の機能性フィルムは、これ以外にも、各種の構成が利用可能である。
例えば、有機層14と無機層16との組み合わせを、2組有してもよい。あるいは、有機層14と無機層16との組み合わせを、3組以上有してもよい。
あるいは、基板12の表面に無機層16を有し、その上に、有機層14と無機層16との組み合わせを、1組以上、有する構成であってもよい。
すなわち、本発明の機能性フィルムは、無機層16と無機層16の下地となる有機層14との組み合わせを、1組以上、有し、かつ、最上層すなわち最も基板12と離間する無機層16の表面に保護フィルム26(あるいは、後述する粘着層32)を有するものであれば、各種の構成が利用可能である。
ガスバリアフィルム10およびガスバリアフィルム30において、基板12は、各種のガスバリアフィルムや各種の積層型の機能性フィルムにおいて基板(支持体)として利用されている、公知のシート状物が、各種、利用可能である。
基板12としては、具体的には、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリアミド(PA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリアクリトニトリル(PAN)、ポリイミド(PI)、透明ポリイミド、ポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ABS、環状オレフィン・コポリマー(COC)、シクロオレフィンポリマー(COP)、および、トリアセチルセルロース(TAC)などの、各種の樹脂材料からなるフィルム(樹脂フィルム)が、好適に例示される。
本発明においては、このようなフィルムの表面に、保護層、接着層、光反射層、反射防止層、遮光層、平坦化層、緩衝層、応力緩和層等の、必要な機能を発現する層(膜)が形成されているものを、基板12として用いてもよい。
基板12の厚さは、ガスバリアフィルム10およびガスバリアフィルム30の用途や形成材料等に応じて、適宜、設定すればよい。
本発明者らの検討によれば、基板12の厚さは、5〜100μmが好ましく、10〜50μmがより好ましい。
基板12の厚さを、上記範囲とすることにより、ガスバリアフィルム10およびガスバリアフィルム30の機械的強度を十分に確保すると共に、ガスバリアフィルム10等の軽量化、薄手化、可撓性向上等の点で好ましい。また、基板12の厚さを、上記範囲とすることにより、本発明の機能性フィルムを量子ドットフィルム等に利用した際に、薄手化を図ることができる。
ガスバリアフィルム10およびガスバリアフィルム30において、基板12の上には、有機層14を有する。
有機層14は、有機化合物からなる層で、基本的に、有機層14となるモノマやオリゴマ等を重合(架橋)したものである。
有機層14は、ガスバリアフィルム10およびガスバリアフィルム30において主にガスバリア性を発現する無機層16を適正に形成するための、下地層として機能する。
このような有機層14を有することにより、基板12(あるいは下層の無機層16)の表面の凹凸や、基板12の表面に付着している異物等を包埋して、無機層16の成膜面を、無機層16の成膜に適した状態にできる。これにより、基板12の表面の凹凸や、異物の付着による凹凸のような、無機層16となる無機化合物が着膜し難い領域を無くし、基板の表面全面に、隙間無く、適正な無機層16を成膜することが可能になる。
ガスバリアフィルム10およびガスバリアフィルム30において、有機層14の形成材料には、限定はなく、公知の有機化合物が、各種、利用可能である。
具体的には、ポリエステル、(メタ)アクリル樹脂、メタクリル酸−マレイン酸共重合体、ポリスチレン、透明フッ素樹脂、ポリイミド、フッ素化ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、セルロースアシレート、ポリウレタン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリカーボネート、脂環式ポリオレフィン、ポリアリレート、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、フルオレン環変性ポリカーボネート、脂環変性ポリカーボネート、フルオレン環変性ポリエステル、アクリル化合物、などの熱可塑性樹脂、ポリシロキサンや、その他の有機ケイ素化合物の膜が好適に例示される。これらは、複数を併用してもよい。
中でも、ガラス転移温度や強度に優れる等の点で、ラジカル硬化性化合物および/またはエーテル基を官能基に有するカチオン硬化性化合物の重合物から構成された有機層14は、好適である。
中でも特に、屈折率が低い、透明性が高く光学特性に優れる等の点で、アクリレートおよび/またはメタクリレートのモノマやオリゴマの重合体を主成分とするアクリル樹脂やメタクリル樹脂は、有機層14として好適に例示される。
その中でも特に、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート(DPGDA)、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート(TMPTA)、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート(DPHA)などの、2官能以上、特に3官能以上のアクリレートおよび/またはメタクリレートのモノマやオリゴマなどの重合体を主成分とするアクリル樹脂やメタクリル樹脂は、好適に例示される。また、これらのアクリル樹脂やメタクリル樹脂を、複数、用いるのも好ましい。
有機層14の厚さは、有機層14の形成材料や基板12に応じて、適宜設定すればよい。本発明者らの検討によれば、有機層14の厚さは、0.5〜5μmとするのが好ましく、1〜3μmとするのがより好ましい。
有機層14の厚さを0.5μm以上とすることにより、基板12の表面の凹凸や、基板12の表面に付着した異物を包埋して、有機層14の表面すなわち無機層16の成膜面を平坦化できる。
また、有機層14の厚さを5μm以下とすることにより、有機層14が厚すぎることに起因する、有機層14のクラックや、ガスバリアフィルム10のカール等の問題の発生を、好適に抑制することができる。
なお、前述のように、複数の有機層14を有する場合は、各有機層14の厚さは、同じでも、互いに異なってもよい。また、各有機層14の形成材料は、同じでも異なってもよい。
無機層16は、無機化合物からなる層である。
ガスバリアフィルム10およびガスバリアフィルム30において、目的とするガスバリア性は、主として無機層16により発現する。
無機層16の形成材料には、限定はなく、ガスバリア性を発現する無機化合物からなる層が、各種、利用可能である。
具体的には、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化タンタル、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化インジウムスズ(ITO)などの金属酸化物; 窒化アルミニウムなどの金属窒化物; 炭化アルミニウムなどの金属炭化物; 酸化ケイ素、酸化窒化ケイ素、酸炭化ケイ素、酸化窒化炭化ケイ素などのケイ素酸化物; 窒化ケイ素、窒化炭化ケイ素などのケイ素窒化物; 炭化ケイ素等のケイ素炭化物; これらの水素化物; これら2種以上の混合物; および、これらの水素含有物等の、無機化合物からなる膜が、好適に例示される。また、これらの2種以上の混合物も、利用可能である。
特に、金属酸化物および窒化物、具体的には、窒化ケイ素、酸化ケイ素、酸窒化ケイ素、酸化アルミニウム、これらの2種以上の混合物は、透明性が高く、かつ、優れたガスバリア性を発現できる点で、好適に利用される。中でも特に、窒化ケイ素は、優れたガスバリア性に加え、透明性も高く、好適に利用される。
無機層16の膜厚は、形成材料に応じて、目的とするガスバリア性を発現できる厚さを、適宜、決定すればよい。本発明者らの検討によれば、無機層16の厚さは、10〜200nmが好ましく、15〜100nmがより好ましく、20〜75nmが特に好ましい。
無機層16の厚さを10nm以上とすることにより、十分なガスバリア性能を安定して発現する無機層16が形成できる。また、無機層16は、一般的に脆く、厚過ぎると、割れやヒビ、剥がれ等を生じる可能性が有るが、無機層16の厚さを200nm以下とすることにより、割れが発生することを防止できる。
なお、前述のように、複数の無機層16を有する場合には、各無機層16の厚さは、同じでも異なってもよい。また、各無機層16の形成材料は、同じでも異なってもよい。
図1に示す本発明の第1の態様のガスバリアフィルム10(機能性フィルムの第1の態様)において、最上層の無機層16の表面には、保護フィルム26が積層される。保護フィルム26は、支持体20と粘着層24とからなるものである。
支持体20は、公知の粘着フィルムや保護フィルム等で支持体として利用されている公知のシート状物が、各種、利用可能である。
一例として、前述の基板12で例示した各種の樹脂材料からなるフィルム(樹脂フィルム)が、好適に例示される。
ここで、支持体20の形成材料は、ヤング率が6GPa以下であるのが好ましい。後述するが、本発明においては、ガスバリアフィルム10が有する有機無機積層構造の最上層となる無機層16から支持体20を剥離することで、本発明の第2の態様のガスバリアフィルム30を作製する。支持体20の形成材料のヤング率を6GPa以下とすることにより、支持体20を剥離する際における無機層16の損傷を、より好適に防止でき、ガスバリア性に優れるガスバリアフィルム30を製造できる。
この点を考慮すると、支持体20の形成材料としては、LDPE、HDPE、PP、PET、PEN、PVC、PI等が好適に例示される。
支持体20の厚さは、ガスバリアフィルム10に要求される厚さ、支持体20の形成材料のヤング率等に応じて、適宜、設定すればよい。
本発明者らの検討によれば、支持体20の厚さは、10〜300μmが好ましく、30〜50μmがより好ましい。
支持体20の厚さを10μm以上とすることにより、巻取り時等に外部から受ける衝撃等に起因する無機層16の損傷を好適に防止できる、搬送時のシワおよび変形を抑制できる等の点で好ましい。
支持体20の厚さを300μm以下とすることにより、ガスバリアフィルム10が不要に厚くなることを防止できる等の点で好ましい。
保護フィルム26において、このような支持体20の一面には、可撓性を有する粘着層24が形成される。この粘着層24が無機層16に貼着されることで、ガスバリアフィルム10が構成される。
ここで、図1に示すガスバリアフィルム10(機能性フィルムの第1の態様)において、粘着層24は、単官能の(メタ)アクリル化合物を重合してなるものであり、ガラス転移点(以下、Tgとする)が−70〜0℃のものである。また、ガスバリアフィルム10において、保護フィルム26と無機層16との密着力は0.3〜20N/25mmである。さらに、ガスバリアフィルム10は、保護フィルム26の支持体20を剥離した際に、無機層16に、厚さが5〜20nmで、表面粗さRaが0.6nm以上の粘着層24が残存する。
一方、図2に示す本発明の第2の態様のガスバリアフィルム30(機能性フィルムの第2の態様)においては、最上層の無機層16の表面に、粘着層32を有する。粘着層32は、単官能の(メタ)アクリル化合物を重合してなるものであり、Tgが−70〜0℃、厚さが5〜20nmで、表面粗さRaが0.6nm以上のものである。このようなガスバリアフィルム30において、粘着層32は、ガスバリアフィルム10から保護フィルム26の支持体20を剥離することによって、凝集破壊された粘着層24が無機層16に残存して転写されることによって形成される。
すなわち、本発明の第1の態様のガスバリアフィルム10の粘着層24は、単官能の(メタ)アクリル化合物を重合してなる、Tgが−70〜0℃のものである。また、保護フィルム26と無機層16との密着力は、0.3〜20N/25mmである。
このような粘着層24は、適度な架橋密度を有する、柔らかい材料であり、比較的容易に凝集破壊する。また、保護フィルム26と無機層16とは、0.3〜20N/25mmという十分な密着力を有する。そのため、本発明のガスバリアフィルム10から、支持体20を剥離することにより、粘着層24を凝集破壊して、粘着層24を無機層16に残存させて転写することができる。また、無機層16への密着力不足による気泡の発生(粘着剤未転写部)を抑制して、均一な厚さと表面粗さRaの粘着層32を転写できる。また、粘着剤のTgが低いため、無機層16と粘着層24との界面の密着力が高くても、剥離の際は粘着層24側から凝集破壊が起こり易く、支持体20を剥離する際における無機層16のダメージも抑えられる。
そのため、ガスバリアフィルム10から支持体20を剥離することで、単官能の(メタ)アクリル化合物を重合してなる、Tgが−70〜0℃で、厚さが5〜20nmと非常に薄く、かつ、表面粗さRaが0.6nm以上の粘着層32を有する、本発明の第2の態様のガスバリアフィルム30を好適に製造できる。
しかも、ガスバリアフィルム10は、支持体20を剥離する前は、保護フィルム26を有しているので、主にガスバリア性を発現する無機層16の損傷を防止できる。
また、本発明のガスバリアフィルム30は、粘着層32を有するため、前述のような量子ドットフィルムの挟持による量子ドットの保護や有機ELデバイスの封止等の用途に好適に利用できる上に、粘着層32が5〜20nmと非常に薄いため、量子ドットフィルムや有機ELデバイスも薄くできる。また、粘着層32が非常に薄いので、量子ドット層等に密着した際に、内部応力の影響を受けることがなく、高い密着性が得られる。
加えて、粘着層32の表面粗さRaが0.6nm以上であるため、密着対象の染み込みによるアンカー効果によっても、良好な密着性が得られる。
なお、本発明において、最終的な使用形態は、通常、保護フィルム26の支持体20を剥離してなる第2の態様のガスバリアフィルム30となる。
本発明において、Tgは、JIS K 7121に準拠して測定すればよい。
密着力(粘着力)は、JIS Z 0237の180°剥離試験方法に準じて測定すればよい。
表面粗さRa(算術平均粗さRa)は、JIS B 0601に準拠して測定すればよい。
無機層16と保護フィルム26との密着力は、0.3〜20N/25mmである。
無機層16と保護フィルム26との密着力が0.3N/25mm未満では、密着力が弱過ぎて、支持体20を剥離する際に粘着層24も無機層16から剥離してしまい、凝集剥離によって残存する転写によって適正な粘着層32を形成できない。また、後述するロール・トゥ・ロールにおいて搬送中に保護フィルム26が剥離することで巻取りの際に保護フィルム26にシワが入る等の不都合も生じる。
無機層16と保護フィルム26との密着力が20N/25mmを超えると、密着力が強過ぎて、支持体20を剥離する際に無機層16を損傷してしまう、ガスバリアフィルム10が変形してしまう等の不都合を生じる。
以上の点を考慮すると、無機層16と保護フィルム26との密着力は、0.5〜15N/25mmが好ましい。
粘着層24および粘着層32は、単官能の(メタ)アクリル化合物を重合してなるものである。
多官能の(メタ)アクリル化合物を重合して得られる粘着層は、架橋密度が高く、凝集破壊によって粘着層24を無機層16に転写することが困難になる。
また、単官能の(メタ)アクリル化合物は、アクリル当量(二重結合当量)が100〜500であるのが好ましく、120〜230であるのがより好ましい。
単官能の(メタ)アクリル化合物のアクリル当量を100以上とすることにより、粘着層24の架橋密度が高くなり過ぎて凝集破壊が生じ難くなることを防止できる、粘着層24が柔軟になり無機層16への粘着層24の接触面積が増加して密着力が向上する等の点で好ましい。
単官能の(メタ)アクリル化合物のアクリル当量を500以下とすることにより、良好な架橋密度を有する粘着層24を得られ厚さが5〜20nm、表面粗さRaが0.6nm以上の粘着層32を安定して得られる、粘着層24の密着力低下を抑制できる等の点で好ましい。
粘着層24および粘着層32に利用可能な単官能の(メタ)アクリル化合物(単官能の(メタ)アクリレート)としては、公知のものが、各種、利用可能である。
一例として、2−エチルヘキシルアクリレート(EHA)、2−ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、オクチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、イソノニルアクリレート、ラウリルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート等が例示される。
これらは、複数を併用してもよい。
また、粘着層24および粘着層32は、重量平均分子量(Mw)が200000〜800000であるのが好ましく、700000〜750000であるのがより好ましい。
粘着層24および粘着層32の重量平均分子量を200000以上とすることにより、無機層16に残存する粘着層24の厚膜化を抑制できる、後述するロール・トゥ・ロールでの搬送の際におけるパスロールへの粘着層24付着を防止できる等の点で好ましい。
粘着層24および粘着層32の重量平均分子量を800000以下とすることにより、粘着層24の転写量が低下することを抑制できる、粘着層24の密着力低下に起因する保護フィルム26の剥離を抑制できる等の点で好ましい。
重量平均分子量は、公知の方法で測定すればよい。一例として、ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)によって、ポリスチレン(PS)換算の分子量として測定すればよい。ポリマ等の重量平均分子量は、カタログ等に記載された数値を利用してもよい。
アクリル当量も、公知の方法で測定すればよい。また、アクリル当量も、カタログ等に記載された数値を利用してもよい。
粘着層24および粘着層32のTgは、−70〜0℃である。
粘着層24および粘着層32のTgが−70℃未満では、凝集力の低下に起因して粘着層24および粘着層32の膜厚が不要に厚くなってしまう等の不都合を生じる。
また、粘着層24および粘着層32のTgが0℃を超えると、粘着層24の凝集破壊が生じ難く適正な粘着層32を形成するのが困難になる、無機層16と粘着層24および粘着層32との粘着力が弱くなってしまう等の不都合を生じる。
以上の点を考慮すると、粘着層24および粘着層32のTgは、−65〜−50℃が好ましい。
本発明の第1の態様のガスバリアフィルム10において、粘着層24の厚さは、無機層16と保護フィルム26との密着力等に応じて、適宜、設定すればよい。本発明者らの検討によれば粘着層24の厚さは5〜30μmが好ましく、5〜10μmがより好ましい。
粘着層24の厚さを5μm以上とすることにより、厚さが5〜20nmの粘着層32を好適に形成できる、無機層16の保護性能を向上できる等の点で好ましい。
粘着層24の厚さを30μm以下とすることにより、厚さが5〜20nmの粘着層32を好適に形成できる、無機層16を形成する際の真空成膜におけるアウトガスに起因する汚染を防止できる等の点で好ましい。
本発明の第2の態様のガスバリアフィルム30において、粘着層32の厚さは5〜20nmである。すなわち、ガスバリアフィルム10において支持体20を剥離することにより、無機層16に厚さ5〜20nmの粘着層24が残存する。
粘着層32等の厚さが5nm未満では、十分な粘着力が得られない等の不都合が生じる。
粘着層32の厚さが20nmを超えると、内部応力の増加に伴い十分な粘着力が得られない等の不都合を生じる。
以上の点を考慮すると、粘着層32の厚さは6〜10nmが好ましい。
ガスバリアフィルム30の粘着層32の表面粗さRaは0.6nm以上である。すなわち、ガスバリアフィルム10において支持体20を剥離することにより、無機層16に表面粗さRaが0.6nm以上の粘着層24が残存する。
粘着層32の表面粗さRaが0.6nm未満では、アンカー効果が不十分でガスバリアフィルム30を被着体に到着した際に十分な密着力が得られない、粘着層32の未転写部が多く十分な密着力が得られない等の不都合が生じる。
以上の点を考慮すると、粘着層32の表面粗さRaは0.64nm以上が好ましい。
なお、粘着層32の表面粗さRaの上限には、特に限定は無いが、通常、3nm以下である。
ガスバリアフィルム30の粘着層32の表面エネルギは0.03〜0.06N/mであるのが好ましく、0.032〜0.042N/mであるのがより好ましい。すなわち、ガスバリアフィルム10において支持体20を剥離することにより、無機層16に表面エネルギが0.03〜0.06N/mの粘着層24が残存するのが好ましく、表面エネルギが0.032〜0.042N/mの粘着層24が残存するのがより好ましい。
粘着層32の表面エネルギを0.03N/m以上とすることにより、ガスバリアフィルム30を被着体に到着した際に高い密着力が得られる、粘着層32上に被着体を塗布で形成する際の塗布ムラを防止できる等の点で好ましい。
粘着層32の表面エネルギを0.06N/m以下とすることにより、粘着層32上に被着体を塗布で形成する際に厚さの制御性を向上できる等の点で好ましい。
以下、図3、ならびに、図4(A)および図4(B)を参照して、ガスバリアフィルム10およびガスバリアフィルム30の製造方法を説明することにより、本発明の製造方法について説明する。
なお、以下の例は、好ましい態様として、長尺な基板12や支持体20等を用いて、ロール・トゥ・ロール(以下、RtoRとも言う)によってガスバリアフィルムの製造を行うものである。周知のように、RtoRとは、長尺な被処理物を巻回してなるロールから被処理物を送り出して、長手方向に搬送しつつ成膜等の処理を行い、処理済の被処理物を、再度、ロール状に巻回する製造方法である。
まず、図3の最上段〜2段目に示すように、基板12に有機層14および無機層16を形成してなるフィルム、および、支持体20に粘着層24を形成してなる保護フィルム26を作製して、無機層16と粘着層24とを対面して、両者を積層、貼着する。
保護フィルム26は、形成する粘着層24に応じて、有機化合物からなる層を形成する公知の方法で形成(成膜)すればよい。一例として、塗布法が例示される。
すなわち、有機溶剤、粘着層24となる単官能の(メタ)アクリル化合物(モノマ、ダイマ、トリマ、オリゴマ、ポリマ等)、架橋剤等を含む塗布組成物を調製する。
また、長尺な支持体20をロール状に巻回してなる支持体ロール20Rを、図4(A)に概念的に示すような有機成膜装置の所定位置に装填する。次いで、支持体ロール20Rから支持体20を送り出して、巻取り位置に到る所定の経路に通紙する。さらに、調製した粘着層24となる塗布組成物を塗布装置40の所定位置に充填する。なお、図中の符号48は、支持体20を所定の経路で搬送するための搬送ローラ対である。
その上で、支持体ロール20Rから支持体20を送り出して、長手方向に搬送しつつ、塗布装置40において調製した塗布組成物を支持体20に塗布し、次いで、乾燥装置42において塗布組成物を乾燥して、さらに必要に応じて硬化装置46において紫外線照射や加熱等を行って、(メタ)アクリル化合物を重合(架橋)して、粘着層24を形成して保護フィルム26とする。さらに、長尺な保護フィルム26をロール状に巻回して、保護フィルムロール26Rとする。
なお、図示は省略するが、保護フィルム26の製造では、好ましい態様として、硬化装置46で(メタ)アクリル化合物を重合した後、粘着層24に離型フィルムを積層して、その後、巻取りを行って保護フィルムロール26Rとする。
一方で、長尺な基板12に有機層14を形成した基板12sを形成する。有機層14の形成は、基本的に、保護フィルム26の粘着層24の形成と同様に行えばよい。
すなわち、有機溶剤、有機層14となる有機化合物(モノマ、ダイマ、トリマ、オリゴマ、ポリマ等)、界面活性剤、シランカップリング剤などを含む塗布組成物を調製する。
また、長尺な基板12をロール状に巻回してなる基板ロール12Rを、図4(A)に示す有機成膜装置の所定位置に装填する。次いで、基板ロール12Rから基板12を送り出して、巻取り位置に到る所定の経路に通紙する。さらに、調製した有機層14となる塗布組成物を塗布装置40の所定位置に充填する。
その上で、基板ロール12Rから基板12を送り出して、長手方向に搬送しつつ、塗布装置40において調製した塗布組成物を支持体20に塗布し、次いで、乾燥装置42において塗布組成物を乾燥して、硬化装置46において紫外線照射等によって有機化合物を重合(架橋)して有機層14を形成する。さらに、有機層14を形成した長尺な基板12sをロール状に巻回して、基板ロール12sRとする。
次いで、図4(B)に概念的に示すような無機成膜装置において、有機層14を形成した基板12sに無機層16を形成し、さらに、無機層16に保護フィルム26を貼着して、ガスバリアフィルム10を作製する。
図4(B)に示す無機成膜装置は、一例として、CCP−CVD(容量結合型プラズマ化学気相蒸着法)によって無機層16を形成するものであり、供給室50と、成膜室52と、巻取り室54とを有する。
まず、供給室50の所定位置に基板ロール12sRを装填する。次いで、基板ロール12sRから有機層14を形成した基板12sを送り出して、供給室50から成膜室52を経て巻取り室54に到る所定の経路を通紙する。基板ロール12sRは、有機層14が成膜室52における成膜面となるように装填する。
また、成膜室52の所定位置に保護フィルムロール26Rを装填する。次いで、保護フィルムロール26Rから保護フィルム26を送り出し、成膜室52から巻取り室54に到る所定の経路を通紙する。保護フィルムロール26Rは、送り出した保護フィルム26の粘着層24が、基板12sの無機層16の成膜面に対面するように装填する。
次いで、供給室50を真空排気手段50aで、成膜室52を真空排気手段52aで、巻取り室54を真空排気手段54aで、それぞれ排気して、各室を所定の圧力に減圧する。
各室の圧力が所定の圧力になったら、基板12sおよび保護フィルム26の搬送を開始する。
基板12に有機層14を形成してなる基板12sは、基板ロール12sRから送り出されて、ガイドローラ58に案内されて、成膜室52に搬送される。
成膜室52に搬送された基板12sは、ガイドローラ60に案内されて、円筒状のドラム62の周面に巻き掛けられる。ドラム62は、CCP−CVDにおける電極としても作用するものである。なお、ドラム62は、好ましい態様として温度調節機能を有する。基板12sは、ドラム62によって所定の経路を搬送されつつ、ドラム62およびシャワー電極64からなる電極対、原料ガス供給部68および高周波電源70等を有する成膜手段によって、CCP−CVDによって無機層16を形成され、基板12に有機層14と無機層16との組み合わせを形成した積層フィルム12gとされる。
プラズマCVDによる無機層16の形成は、無機層の形成材料等に応じた公知の方法で行えばよい。また、無機層16の形成は、CCP−CVD以外にも、ICP−CVD(誘導結合型プラズマ化学気相蒸着法)、スパッタリング、真空蒸着等、公知の気相成膜法が、各種、利用可能である。
一方、この基板12s(積層フィルム12g)の搬送に同期して、保護フィルムロール26Rから保護フィルム26が送り出されて、長手方向に搬送される。
無機層16を形成された積層フィルム12gおよび保護フィルム26は、無機層16と粘着層24とを対面して、積層ローラ対72によって積層、圧着されて、図3の最上段〜2段目に示すように、ガスバリアフィルム10が作製される。積層ローラ対72による圧着力は、粘着層24の厚さや密着力等に応じて、適宜、設定すればよい。
なお、図示は省略するが、保護フィルムロール26Rから積層ローラ対72に到る保護フィルム26の搬送経路の途中で、粘着層24から離型フィルムを剥離する。
ここで、本発明の製造方法においては、積層フィルム12gと保護フィルム26との貼着を、無機層16を形成した後、20秒以内に行うのが好ましく、10秒以内に行うのがより好ましい。
すなわち、図示例においては、積層フィルム12gを成膜領域であるドラム62とシャワー電極64とが対面する領域から排出した後、20秒以内に、積層ローラ対72による積層フィルム12gと保護フィルム26との貼着を行うように、積層フィルム12gの搬送速度や搬送経路、積層ローラ対72の位置等を設定するのが好ましい。
このような構成とすることにより、無機層16を成膜した後の、無機層16の表面が活性な状態で保護フィルム26との貼着に供することができるので、無機層16と保護フィルム26との密着力を向上でき、好適に、機層16と保護フィルム26との密着力を0.3〜20N/25mmにできる。
なお、上記効果が好適に得られるという点では、積層フィルム12gと保護フィルム26との貼着は、無機層16を形成した後、できるだけ早く行うのが好ましい。しかしながら、装置構成上の制約等も有るため、積層フィルム12gと保護フィルム26との貼着は、無機層16を形成した後、1秒以上、経過した後になるのが通常である。
また、積層フィルム12gと保護フィルム26との貼着は、基板12の温度が5〜160℃である状態で行うのが好ましく、30〜80℃である状態で行うのがより好ましい。
積層フィルム12gと保護フィルム26との貼着を、基板12の温度が5℃以上の状態で行うことにより、無機層16の表面から水素等の余分な成分が離脱して、無機層の活性化された表面を十分に露出した状態で貼着を行えるので、無機層16と保護フィルム26との密着力を向上でき、好適に機層16と保護フィルム26との密着力を0.3〜20N/25mmにできる、保護フィルム26の未貼着部の発生が抑制され均一に転写ができる等の点で好ましい。
また、積層フィルム12gと保護フィルム26との貼着を、基板12の温度が160℃以下の状態で行うことにより、熱による基板12の損傷を防止できる、基板12の損傷に起因する無機層16の損傷を防止できる、RtoRの際に基板12がパスロールに溶着することを防止できる等の点で好ましい。
なお、貼着時における基板12の温度を5〜160℃にする方法は、公知の方法が、各種、利用可能である。
一例として、温度調節機能を有するドラム62を用いる方法、ドラム62と積層ローラ対72との間に基板の加熱および/または冷却を行う温度調節手段を設ける方法、積層ローラ対72の一方のローラを加熱および/または冷却が可能な温度調節ローラにする方法等が例示される。
RtoRによってガスバリアフィルム10を作製する際には、保護フィルム26の貼着は、無機層16を形成した後、無機層16がガイドローラ等の他の部材に接触する前に行うのが好ましい。
これにより、無機層16の損傷を防止して、目的とするガスバリア性を発現するガスバリアフィルム10およびガスバリアフィルム30を得られる。
成膜室52において、積層ローラ対72による積層フィルム12gと保護フィルム26との積層および貼着によって作製されたガスバリアフィルム10は、成膜室52から巻取り室54に搬送されて、ガイドローラ76によって所定の経路に案内されて、巻き取られ、長尺なガスバリアフィルム10を巻回したバリアフィルムロール10Rとされる。
本発明の第1の態様のガスバリアフィルム10から、本発明の第2の態様のガスバリアフィルム30を作製する際、ガスバリアフィルム10を使用する際には、長尺なガスバリアフィルム10を所望のサイズおよび形状のカットシート状に切断した後に、前述のとおり、図3の3段目〜最下段に示すように、ガスバリアフィルム10から、支持体20を剥離する。
前述のように、本発明においては、単官能の(メタ)アクリル化合物を重合してなる、ガラス転移点が−70〜0℃の粘着層24を有し、無機層16と保護フィルム26との密着力が0.3〜20N/25mmであるガスバリアフィルム10から、支持体20を剥離することで、粘着層24を凝集破壊して、粘着層24を無機層16に残存させる、転写によって粘着層32を形成することにより、無機層16の表面に厚さが5〜20nmという塗布法では形成が困難な薄さで、かつ、0.6nm以上の好適な表面粗さRaを有する粘着層32を形成できる。
支持体20を剥離することで粘着層24を凝集破壊して無機層16に残存させる、転写による粘着層32の形成において、粘着層32の厚さや表面粗さRaは、殆ど、無機層16と保護フィルム26との密着力が支配する。
従って、ガスバリアフィルム10から支持体20を剥離する際には、加熱や冷却等の操作は不要であり、室温で剥離を行えばよい。また、剥離速度も、ガスバリアフィルム10のサイズ等に応じて、適宜、設定すればよい。
以上、本発明の機能性フィルムおよび機能性フィルムの製造方法について詳細に説明したが、本発明は、上記実施例に限定はされず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変更を行なってもよいのは、もちろんである。
以下、本発明の具体的実施例を挙げ、本発明を、より詳細に説明する。
[実施例1]
<保護フィルム26の作製>
支持体20として、幅1000mm、厚さ30μmの長尺なLDPEフィルム(三菱化学社製、ノバテックLL)を用意した。このLDPAフィルムのヤング率は0.2GPaである。
2−エチルへキシルアクリレート(EHA)90質量%と、2−ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)10質量%とを、窒素気流下において、酢酸エチル中で、2,2’−アゾビスイソブチロニトリルを触媒として共重合させたアクリルポリマAを用意した。このアクリルポリマAにイソシアネート系架橋剤(東ソー社製、コロネートL)を97:3の質量比で混合して、粘着層24を形成するための塗布組成物を調製した。
この塗布組成物を、図4(A)に示すようなRtoRによる成膜装置の塗布装置40に塗布組成物を充填し、また、支持体20をロール状に巻回してなる支持体ロール20Rを所定の位置に装填して、支持体20を所定の搬送経路に挿通した。塗布装置40はダイコータを用いた。
その上で、支持体20を長手方向に搬送しつつ、塗布装置40によって塗布組成物を支持体20に塗布して、次いで、乾燥装置42において、80℃で5分間乾燥して粘着層24を形成して、保護フィルム26を作製した。この際においては、硬化装置46は使用しなかった。
粘着層24の厚さは5μmであった。また、図示はしないが、巻取りに先立って、粘着層24の表面には離型フィルムを積層した。
形成した粘着層24のTgを高感度型示差走査熱量計(日立ハイテクサイエンス社製、DSC7000X)によって、JIS K 7121に準拠して測定したところ、−65℃であった。
<有機層14の形成>
基板12として、幅1000mm、厚さ50μmの長尺なPETフィルム(東洋紡社製、コスモシャインA4300)を用意した。
また、TMPTA(ダイセルサイテック社製)および光重合開始剤(ランベルティ社製、ESACURE KTO46)を用意し、質量比率として95:5となるように秤量し、これらを固形分濃度が15質量%となるようにメチルエチルケトンに溶解して、有機層14を形成するための塗布組成物を調製した。
この塗布組成物を、図4(A)に示すようなRtoRによる成膜装置の塗布装置40に塗布組成物を充填し、また、基板12をロール状に巻回してなる基板ロール12Rを所定の位置に装填して、基板12を所定の搬送経路に挿通した。
その上で、基板12を長手方向に搬送しつつ、塗布装置40によって塗布組成物を基板12に塗布して、次いで、乾燥装置42において、50℃で3分間乾燥して、硬化装置46において紫外線を照射(積算照射量約600mJ/cm2)して塗布組成物を硬化させて有機層14を形成して、有機層14を形成した基板12sをロール状に巻き取って、基板ロール12sRとした。有機層14の厚さは、1μmであった。
<無機層16の形成およびガスバリアフィルム10の作製>
図4(B)に示されるような成膜装置の供給室50の所定位置に、基板ロール12sRを装填し、成膜室52の所定位置に保護フィルムロール26Rを装填した。さらに、基板ロール12sRから基板12sを送り出して、供給室50から成膜室52を経て巻取り室54に到る所定の搬送経路に通紙した。また、保護フィルムロール26Rから保護フィルム26を送り出して、成膜室52から巻取り室54に到る所定の搬送経路に通紙した。
この状態で、基板12sと保護フィルム26とを同期して搬送しつつ、成膜室52内のドラム62に支持/案内される基板12sの有機層14の表面にCCP−CVDによって無機層16として窒化ケイ素膜を形成して積層フィルム12gとし、次いで、積層ローラ対72によって、積層フィルム12gと保護フィルム26とを積層、貼着して、図1に示すようなガスバリアフィルム10を作製して、巻き取って、バリアフィルムロール10Rとした。なお、ドラム62は、温度調節機能を有するものである。
原料ガスは、シランガス(流量160sccm)、アンモニアガス(流量370sccm)、水素ガス(流量590sccm)および窒素ガス(流量240sccm)を用いた。電源は、周波数13.56MHzの高周波電源を用い、プラズマ励起電力は8kWとした。成膜圧力は40Paとした。無機層16の膜厚は、50nmであった。
保護フィルム26の貼着は、無機層16を形成した後、無機層16が他の部材に接触する前に行った。また、図示はしないが、無機層16への保護フィルム26の貼着に先立ち、保護フィルム26から離型フィルムを剥離した。
積層フィルム12gが成膜領域を出てから保護フィルム26を貼着するまでの時間、すなわち、無機層16を形成した後、保護フィルム26を貼着するまでの時間は、20秒とした。
さらに、積層フィルム12gと保護フィルム26との貼着時における基板12の温度は、40℃とした。基板12の温度制御は、ドラム62の温度調節で行った。
小型卓上剥離試験機(日本電産シンポ社製、FGS−100TV)によって、JIS Z 0237の180°剥離試験方法に準じて無機層16と保護フィルム26との密着力を測定したところ、密着力は5N/25mmであった。
[実施例2]
無機層16を形成する際のプラズマ励起電力を6kWにした以外は、実施例1と同様にガスバリアフィルム10を作製した。
実施例1と同様に、無機層16と保護フィルム26との密着力を測定したところ、密着力は2N/25mmであった。
[実施例3]
無機層16を形成する際のプラズマ励起電力を5kWにした以外は、実施例1と同様にガスバリアフィルム10を作製した。
実施例1と同様に、無機層16と保護フィルム26との密着力を測定したところ、密着力は0.5N/25mmであった。
[比較例1]
保護フィルム26を用いなかった以外は、実施例1と同様にガスバリアフィルムを作製した。
[比較例2]
無機層16を形成する際のプラズマ励起電力を20kWにした以外は、実施例1と同様にガスバリアフィルムを作製した。
実施例1と同様に、無機層16と保護フィルム26との密着力を測定したところ、密着力は30N/25mmであった。
[比較例3]
無機層16を形成する際のプラズマ励起電力を0.6kWにした以外は、実施例1と同様にガスバリアフィルムを作製した。
実施例1と同様に、無機層16と保護フィルム26との密着力を測定したところ、密着力は0.1N/25mmであった。
[比較例4]
保護フィルムの粘着層の形成を以下のように行った以外は、実施例1と同様にガスバリアフィルムを作製した。
TMPTA(ダイセルサイテック社製)および光重合開始剤(ランベルティ社製、ESACURE KTO46)を用意し、質量比率として95:5となるように秤量し、これらを固形分濃度が15質量%となるようにメチルエチルケトンに溶解して、粘着層を形成するための塗布組成物を調製した。
この塗布組成物を、塗布装置40(バーコータ)によって塗布して、次いで、乾燥装置42において、50℃で3分間乾燥して、硬化装置46において紫外線を照射(積算照射量約600mJ/cm2)して塗布組成物を硬化させて、粘着層を形成した。
実施例1と同様に粘着層のTgを測定したところ、62℃であった。
また、実施例1と同様に無機層16と保護フィルムとの密着力を測定したところ、密着力は0.3N/25mmであった。
[実施例4]
粘着層24を形成するための塗布組成物の調製において、アクリルポリマAに、フッ素系界面活性剤(3M社製、FC4432)をアクリルポリマA:フッ素系界面活性剤の質量比で99.9:0.1、添加した以外は、実施例1と同様にガスバリアフィルム10を作製した。
実施例1と同様に、無機層16と保護フィルム26との密着力を測定したところ、密着力は2N/25mmであった。
[実施例5]
無機層16を、反応性スパッタリングで形成した厚さ20nmの酸化アルミニウム膜とした以外は、実施例1と同様にガスバリアフィルム10を作製した。
実施例1と同様に、無機層16と保護フィルム26との密着力を測定したところ、密着力は6N/25mmであった。
[実施例6]
ガスバリアフィルム10の作製において、無機層16を形成した後、保護フィルム26を貼着するまでの時間を40秒とした以外は、実施例1と同様にガスバリアフィルム10を作製した。
実施例1と同様に、無機層16と保護フィルム26との密着力を測定したところ、密着力は2N/25mmであった。
[実施例7]
ガスバリアフィルム10の作製において、保護フィルム26を貼着する際における基板12の温度を170℃にした以外は、実施例1と同様にガスバリアフィルム10を作製した。
実施例1と同様に、無機層16と保護フィルム26との密着力を測定したところ、密着力は15N/25mmであった。
[評価]
このようにして作製した各ガスバリアフィルムから、100×100mmのフィルムを2枚サンプリングした。
次いで、1枚のサンプルから、保護フィルム26の支持体20を剥離して、図2に示すような、粘着層32を有するガスバリアフィルム30とした。
ガスバリアフィルム30の粘着層32の厚さを、白色光干渉計(菱化システム社製、Vertscan)によって測定した。
ガスバリアフィルム30の粘着層32の表面粗さRaを原子間力顕微鏡(エスアイアイ・ナノテクノロジー社製、SPA500)によって、JIS B 0601に準拠して測定した。
ガスバリアフィルム30の粘着層32の表面エネルギを表面張力計(協和界面科学社製 DY300)によって測定した。
測定結果は、下記の表に示す。
ガスバリアフィルム30の粘着層32の表面に、紫外線硬化型エポキシ樹脂(スリーボンド社製、TB3124)を、膜厚が70μmとなるようにバーコータで塗布した。
次いで、もう一枚のサンプルの支持体20を剥離して、粘着層32をエポキシ樹脂に対面して積層して、紫外線を照射(積算照射量約600mJ/cm2)してエポキシ樹脂を硬化して、複合フィルムを作製した。
[ガスバリア性]
この複合フィルムの水蒸気透過率[g/(m2・day)]を、カルシウム腐食法(特開2005−283561号公報に記載される方法)によって、測定した。恒温恒湿処理の条件は、温度45℃、相対湿度90RH%とした。
水蒸気透過率が7×10-5g/(m2・day)未満のものをA;
水蒸気透過率が7×10-5g/(m2・day)〜1×10-4g/(m2・day)のものをB;
水蒸気透過率が1×10-4g/(m2・day)超のものをC; と評価した。
[複合フィルムの密着力]
小型卓上剥離試験機(日本電産シンポ社製、FGS−100TV)によって、JIS Z 0237の180°剥離試験方法に準じて複合フィルムの密着力を測定した。
密着量が4N/25mm超のものをA;
密着力が3〜4N/25mmのものをB;
密着量が3N/25mm未満のものをC; と評価した。
結果を下記の表に示す。
上記表に示されるように、保護フィルム26を有さない比較例1は、複合フィルムのガスバリア性および密着力が、共に悪い。保護フィルムの密着力が高すぎる比較例1は、保護フィルムを剥離する際に無機層16が損傷したと考えられ、複合フィルムのガスバリア性が悪い。また、保護フィルムの密着力が低すぎる比較例3および粘着層を多官能のアクリル化合物で形成した比較例4は、粘着層の凝集剥離によって十分な転写が行われなかったために、粘着層が薄すぎ、かつ、粘着層の表面粗さRaが低いために、複合フィルムの密着性が悪い。
これに対し、本発明のガスバリアフィルム30は、複合フィルムにおいて、いずれも優れたガスバリア性および密着力が得られている。特に、保護フィルム26の貼り合わせまでの時間、保護フィルム26を貼り合わせる際の温度、および、粘着層の表面エネルギが、共に、好ましい範囲に入る実施例1〜3および実施例5は、複合フィルムのガスバリア性および密着力が、共に、非常に優れている。
以上の結果より、本発明の効果は明らかである。
LCDのバックライトに用いられる量子ドットフィルムや、光拡散性を要求される保護フィルム等に、好適に、好適に利用可能である。
10,30 ガスバリアフィルム
10R ガスバリアフィルムロール
12,12s 基板
12g 積層フィルム
12R,12sR 基板ロール
14 有機層
16 無機層
20 支持体
24 粘着層
26 保護フィルム
26R 保護フィルムロール
40 塗布装置
42 乾燥装置
46 硬化装置
62 ドラム
64 シャワー電極
68 原料ガス供給部
70 高周波電源

Claims (11)

  1. 基板と、
    前記基板の一方の面に設けられる、無機層および前記無機層の形成面となる有機層の組み合わせの1組以上と、
    最も前記基板と離間する前記無機層の表面に設けられる、支持体および粘着層を有する、前記粘着層を無機層に接触して配置される保護フィルムとを有し、
    かつ、前記粘着層は、単官能の(メタ)アクリル化合物を重合してなる、ガラス転移点が−70〜0℃のものであり、前記無機層と保護フィルムとの密着力が0.3〜20N/25mmであり、
    さらに、前記支持体を剥離した際に前記無機層に残存する粘着層が、厚さが5〜20nmで、表面粗さRaが0.6nm以上であることを特徴とする機能性フィルム。
  2. 前記支持体を剥離した際に前記無機層に残存する粘着層の表面エネルギが0.03〜0.06N/mである請求項1に記載の機能性フィルム。
  3. 基板と、
    前記基板の一方の面に設けられる、無機層および前記無機層の形成面となる有機層の組み合わせの1組以上と、
    最も前記基板と離間する前記無機層の表面に設けられる、ガラス転移点が−70〜0℃で、厚さが5〜20nmで、表面粗さRaが0.6nm以上である、単官能の(メタ)アクリル化合物を重合してなる粘着層とを有することを特徴とする機能性フィルム。
  4. 前記粘着層の表面エネルギが0.03〜0.06N/mである請求項3に記載の機能性フィルム。
  5. 前記無機層の形成材料が金属酸化物もしくは窒化物である請求項1〜4のいずれか1項に記載の機能性フィルム。
  6. 基板の一方の面に、無機層および前記無機層の形成面となる有機層の組み合わせを、1組以上、形成して、前記有機層および無機層を形成した側の表面が無機層である積層フィルムを作製する積層フィルム作製工程、
    支持体の一方の面に、単官能の(メタ)アクリル化合物を重合してなる、ガラス転移点が−70〜0℃の粘着層を形成して保護フィルムを作製する保護フィルム作製工程、および、
    前記無機層と粘着層とを対面して、前記積層フィルムと保護フィルムとを貼着する貼着工程、を有することを特徴とする機能性フィルムの製造方法。
  7. 前記無機層と保護フィルムとの密着力が0.3〜20N/25mmである請求項6に記載の機能性フィルムの製造方法。
  8. 前記無機層をプラズマCVDによって形成するものであり、前記積層フィルム作製工程において前記表面となる無機層を形成した後、20秒以内に前記貼着工程を行う請求項6または7に記載の機能性フィルムの製造方法。
  9. 前記貼着工程を、前記基板の温度が5〜160℃の状態で行う請求項6〜8のいずれか1項に記載の機能性フィルムの製造方法。
  10. 長尺な基板および長尺な支持体を用い、前記基板および支持体を長手方向に搬送しつつ、前記積層フィルム作製工程および前記貼着工程を行うものであり、
    前記貼着工程は、前記積層フィルム作製工程において前記表面となる無機層を形成した後、前記表面となる無機層が他の部材に接触する前に行う請求項6〜9のいずれか1項に記載の機能性フィルムの製造方法。
  11. さらに、前記支持体を剥離する剥離工程を有する請求項6〜10のいずれか1項に記載の機能性フィルムの製造方法。
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