JP6321169B2 - 封止積層体および有機電子装置 - Google Patents

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Description

本発明は、封止積層体およびこの封止積層体を用いる有機電子装置に関する。
有機EL(Electro Luminescence(エレクトロルミネッセンス))材料を用いた有機ELデバイス(OLEデバイス)が、ディスプレイや照明装置等に利用されている。
この有機ELデバイスに利用される有機EL材料は、非常に水分に弱い。そのため、従来の有機ELデバイスにおいては、外部からの水分の浸入を防止するため、ガラスフリットを用いた封止や、有機EL素子上に直接何層ものバリア膜を形成する封止がなされている。さらに、封止プロセスを簡易化するために、ガラス缶や金属缶を用いて有機EL素子を封止する方法や、硬化型接着剤を用いたダムフィル型の封止や、フレキシブル化のためにバリア層を備えるガスバリアフィルムを用いた封止などが提案されている。
また、このような封止に加えて、乾燥剤を用いて浸入する水分を補足することで封止性能を向上することも行われている。
例えば、特許文献1には、フィルム状の封止部材に凹形状を持たせて空間を形成し、有機EL材料が封止されるこの空間内に乾燥剤を配置して、浸入する水分を補足することが記載されている。
また、特許文献2には、被封止体と、被封止体上に設けられた吸湿層と、吸湿層上に設けられる樹脂層と、これらの層を覆うバリア膜である無機膜とを備え、バリア膜の欠陥から浸入する水分を吸湿層により吸収することが記載されている。
特開2001−118674号公報 特開2007−141685号公報
しかしながら、硬化型接着剤を充填して封止するダムフィル型の封止や、金属、ガラスまたはガスバリアフィルム等のバリア部材を接着剤で接着する封止などの充填型封止では封止剤の水蒸気透過率や吸湿能力の不足から、十分な保護を行うことができず、実用化が進んでいない。
金属、ガラス等の十分なバリア性を有するバリア部材を接着剤で接着して封止する場合でも、接着剤の端面から水分が浸入するため、有機EL材料の劣化が早期に発生してしまう。
ここで、封止空間内に乾燥剤を配置し、浸入する水分を補足することで封止性能を向上することが考えられる。しかしながら、金属、ガラス、ガスバリアフィルム等のバリア部材を接着剤で接着して封止する場合には、接着剤の端面から水分が浸入するため、端面付近の乾燥剤のみが吸水し、経時とともに失活して有機EL素子を十分に保護することができないという問題があった。
端面からの水分の浸入を抑制するために、接着剤の端面から有機EL材料までの距離を増やすことが考えられる。しかしながら、ディスプレイとして用いられる有機ELデバイス、特に、携帯電話等のモバイル用の有機ELデバイスでは、縁部を小さくして、製品のサイズに対して画面の比率を大きくしたいというニーズがある。そのため、端部から有機EL材料までの距離を増やすことは難しい。
また、有機ELデバイス上に直接、バリア膜を形成する構成や、バリア層を備えるガスバリアフィルムを用いる構成は、バリア膜やバリア層の欠陥から水分が浸入するおそれがある。そのため、バリア膜やガスバリアフィルムと有機EL素子との間に乾燥剤を配置した場合であっても、欠陥近傍の乾燥剤のみが吸水して、経時とともに失活するため、有機EL素子を十分に保護することができない。
ここで、直接バリア膜を形成する場合には、バリア層の厚さを厚くして、欠陥の発生を防止することが考えられる。しかしながら、有機EL材料にダメージを与えないように低温でバリア膜を形成する必要があるため、十分なバリア性を発現するために、厚い無機膜を形成するのは非常に生産性が悪く、コストの増加を招いてしまう。
本発明の目的は、このような従来技術の問題点を解決することにあり、水分の浸入を長期間安定して防止することができ、有機電子素子を長期間安定して保護して素子が劣化することを防止できる封止積層体および有機電子装置を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を達成すべく鋭意研究した結果、ガスバリア部材と封止層との間に、水蒸気透過率が封止層の5倍以上である拡散層を配置することにより、水分の浸入を長期間安定して防止することができ、有機電子素子を長期間安定して保護して素子が劣化することを防止できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下の構成の封止積層体および有機電子装置を提供する。
(1) ガスバリア性を有するガスバリア部材と、
ガスバリア部材上に積層される拡散層と、
拡散層上に積層される封止層と、を有し、
拡散層の水蒸気透過率が、封止層の水蒸気透過率の5倍以上であり、
封止層は、乾燥剤として、有機金属錯体を含有する封止積層体。
(2) 封止層が接着性を備える(1)に記載の封止積層体。
(3) 少なくとも封止層の端面を覆う端面封止部材を有する(1)または(2)に記載の封止積層体。
(4) 拡散層が封止層の端面を覆って形成される(1)または(2)に記載の封止積層体。
(5) 少なくとも拡散層の端面を覆う端面封止部材を有する(4)に記載の封止積層体。
(6) 封止層が硬化性樹脂からなる(1)〜(5)のいずれかに記載の封止積層体。
(7) 封止層が吸湿性を備える(1)〜(6)のいずれかに記載の封止積層体。
(8) 拡散層がジメチルシロキサン、トリアセチルセルロースおよびアクリル樹脂からなる群から選択される少なくとも1つからなる(1)〜(7)のいずれかに記載の封止積層体。
(9) ガスバリア部材が、少なくとも樹脂フィルムからなるガスバリア用支持体と無機層とを有するガスバリアフィルム、または、ガラスである(1)〜(8)のいずれかに記載の封止積層体。
(10) ガスバリア部材の水蒸気透過率が1×10-4[g/(m2・day)]以下である(1)〜(9)のいずれかに記載の封止積層体。
(11) 封止層の主面の面積が100mm2以上であり、封止層と拡散層との合計厚みが50μm以下である(1)〜(10)のいずれかに記載の封止積層体。
(12) (1)〜(11)に記載の封止積層体と、
有機電子素子と、
素子基板と、をこの順で有する有機電子装置。
(13) 有機電子素子が、反射電極、有機電界発光層および透明電極をこの順に有する有機電界発光素子である(12)に記載の有機電子装置。
(14) 有機電界発光素子は、反射電極が素子基板側に配置され、透明電極が封止積層体側に配置される(13)に記載の有機電子装置。
このような本発明によれば、水分の浸入を長期間安定して防止することができ、有機電子素子を長期間安定して保護して素子が劣化することを防止できる封止積層体および有機電子装置を提供することができる。
本発明の封止積層体を有する有機電子装置の一例を概念的に示す断面図である。 図1に示す有機電子装置の一部を拡大して示す概略断面図である。 ガスバリアフィルムの一例を概念的に示す部分拡大断面図である。 図4(A)および図4(B)は、図1に示す有機電子装置の作用を説明するための概略断面図である。 図1に示す有機電子装置の作用を説明するための概略断面図である。 図6(A)および図6(B)は、本発明の封止積層体の他の一例を有する有機電子装置を概念的に示す断面図である。 図7(A)〜図7(D)は、実施例における有機電子素子の形成方法を説明するための概略図である。 図8(A)〜図8(D)は、従来の有機電子装置における封止を説明するための概略断面図である。
以下、本発明の封止積層体および有機電子装置について、添付の図面に示される好適実施形態を基に、詳細に説明する。
図1に、本発明の封止積層体を有機電子積層体に積層してなる、本発明の有機電子装置の一例を、概念的に示す。
図1に示す有機電子装置50は、ガスバリア部材20、拡散層22および封止層24を順に積層した封止積層体10と、素子基板30上に有機電子素子32が形成された有機電子積層体12とを積層してなる構成を有する。
図1に示すように、有機電子装置50は、封止積層体10の封止層24側と有機電子積層体12の有機電子素子32側とを対面して積層した構成を有する。
封止積層体10を有機電子素子32上に積層して、有機電子素子32を封止することにより、有機電子素子32の水分による劣化を防止する。
ここで、本発明の封止積層体10は、封止層24に拡散層22を積層してなる構成を有する。拡散層22を有することにより、封止積層体10の端面などの一部分に集中して浸入する水蒸気を拡散し、封止層24の一部分のみに集中することを防止して、有機電子素子32を長期間安定して保護し劣化を防止できる。
この点に関しては後に詳述する。
本発明の有機電子装置50において、有機電子積層体12は、一例として、有機EL材料を用いた発光素子である有機電子素子32を有する公知の有機ELデバイスである。
なお、本発明において用いられる有機電子積層体12は、有機ELデバイスに限定はされず、有機太陽電池等の有機電子素子を有する種々の公知のデバイスが利用可能である。
なお、以下の説明では、有機電子積層体12として有機ELデバイスを用いた例を説明する。
有機電子積層体12である有機ELデバイスにおいて、素子基板30は、各種の有機ELデバイスに用いられている素子基板が、全て利用可能である。具体的には、ガラス、プラスチック、金属、および、セラミック等からなる素子基板が例示される。
ここで、本発明の有機電子装置50においては、水分等による有機電子素子32の劣化を防止するために、水分等が素子基板30を透過して有機電子素子32に至るのを防止できるのが好ましい。そのため、素子基板30は、ガラスや金属等のように、水分等の含有量が低く、かつ、水分等の透過率が低い材料からなる基板を用いるのが好ましい。あるいは、後述する封止積層体10のガスバリア部材20として用いられるガスバリアフィルムも、水分等の透過率が低い点で素子基板30として好適に用いることができる。
ここで、本発明の有機電子装置50は、有機電子積層体12を封止する封止積層体10のガスバリア部材20として後述するガスバリアフィルムやガラス板を用いる場合には、素子基板30と逆側、すなわち、封止積層体10側から光を発する、トップエミッション型の有機電子装置50として利用することができる。
有機電子装置50がトップエミッション型である場合には、素子基板30が光透過性を有する必要は無い。従って、本発明の有機電子装置50を、トップエミッション型として利用する場合には、素子基板30として、表面に陽極酸化膜を有するアルミニウム箔や、アルミニウム箔とポリイミドとの積層体など、絶縁層を有する可撓性の金属フィルムを用いてもよい。この際、ガスバリア部材20としてガスバリアフィルムを用いることにより、フレキシブルな有機電子装置50とすることができる。
一方、素子基板30としてガラスやガスバリアフィルム等の光透過性のある材料を用いることで、素子基板30側から光を発する、ボトムエミッション型の有機電子装置50として利用することもできる。
あるいは、ガスバリア部材20、および、素子基板30としてガラスやガスバリアフィルム等の光透過性のある材料を用いて、両面から光を発する構成としてもよい。
素子基板30上には、有機電子素子32である有機EL素子が形成される。
図2は、有機電子装置50の一部を拡大して示す概略断面図である。
図2に示すように、有機電子素子32は、有機電界発光層40と、有機電界発光層40を挾持する電極対である透明電極42および反射電極44とを有する公知の有機EL素子である。
ここで、図2に示す有機電子装置50はトップエミッション型である。従って、封止積層体10側に透明電極42が配置され、素子基板30側に反射電極44が配置されている。
有機電界発光層40は、有機EL材料からなる発光層、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、電子注入層等を有する、公知の層構成からなるものであればよい。
透明電極42としては、例えば、酸化インジウム錫(ITO)等の導電性金属酸化物等の、有機電界発光層40から発せられた光を透過する光透過性を有する、種々の公知の電極が利用可能である。
また、反射電極44としては、有機EL素子の電極として用いられる、種々の公知の電極が利用可能である。
また、有機電界発光層40、透明電極42、および、反射電極44は、有機電子装置50の用途や大きさ等に応じて、公知の方法で形成すればよい。
なお、図2に示す有機電子装置50においては、有機電子積層体12は、素子基板30と素子基板30上に形成される有機電子素子32とからなる構成としたが、これに限定はされず、有機電子素子32を覆う保護膜等を有してもよい。
保護膜としては、公知の有機ELデバイスに利用される、ガスバリア性を発現する材料からなる各種の膜(層)が利用可能である。具体的には、ガスバリア性を有する無機化合物からなる膜が例示され、中でも、窒化ケイ素、酸化ケイ素および酸化窒化ケイ素等のケイ素化合物からなる膜が好適に例示される。
次に、封止積層体10について説明する。
封止積層体10は、有機EL素子等である有機電子素子32を封止して、有機電子素子32を水分から保護するものである。
図1に示すように、封止積層体10は、ガスバリア部材20と、拡散層22と、封止層24とをこの順に積層してなる構成を有する。
なお、図1に示す封止積層体10は、ガスバリア部材20と拡散層22と封止層24との3層を積層した構成としたが、本発明の封止積層体10はこれに限定はされず、他の層を有していてもよい。例えば、光取出し層、屈折率調整層等を有していてもよい。
ガスバリア部材20は、ガスバリア性を有する部材である。ガスバリア部材20は、有機電子素子32全体を覆う大きさであり、主に外部からの水分が有機電子素子32に到達するのを抑制する部材である。
ガスバリア部材20としては、有機電子素子32を保護することができるガスバリア性を有するものであれば特に限定はなく、ガラス板、金属板、および、ガスバリアフィルム等が例示される。中でもトップエミッション型の有機電子装置50として利用可能な光透過性を有するガラス板、ガスバリアフィルムが好適に例示される。さらに、フレキシブル性の観点でガスバリアフィルムがより好適に例示される。
また、ガスバリア部材20は、水蒸気透過率が1×10-4[g/(m2・day)]以下であるのが好ましい。
水蒸気透過率が低い、すなわち、ガスバリア性が高いガスバリア部材20を有する封止積層体10を用いて有機電子積層体12を封止する場合には、封止積層体10の端面やガスバリア部材の欠陥等の局所部分からの水蒸気の浸入の影響が相対的に大きくなる。
従って、封止積層体10の端面やガスバリア部材の欠陥等の局所部分からの水蒸気の浸入をより好適に防止できる本発明は、ガスバリア性が高いガスバリア部材20を有する封止積層体10を用いる場合により好適に適用することができる。
ガスバリア部材20として用いるガスバリアフィルムとしては、ガスバリア用支持体の上に、少なくとも1層の無機層を有するものが好適に用いられる。
例えば、図3に示すように、ガスバリアフィルム20aは、ガスバリア用支持体26の上に有機層27を有し、この有機層27の上に無機層28を有するものである。
なお、ガスバリアフィルム20aは、ガスバリア用支持体26の上に、無機層28と、この無機層28の下地となる有機層27との組み合わせを1つ以上、有するのが好ましい。従って、ガスバリアフィルム20aは、無機層28と下地の有機層27との組み合わせを2つ有するものでもよく、あるいは、3つ以上、有するものでもよい。
有機層27は、無機層28を適正に形成するための下地層として作用するものであり、下地の有機層27と無機層28との組み合わせの積層数が多いほど、優れたガスバリア性を有するガスバリアフィルムを得られる。
また、ガスバリアフィルム20aは、最表面が無機層28であるのが好ましく、無機層28側の表面に拡散層22を積層するのが好ましい。
ガスバリアフィルム20aの最表面を無機層28とすることにより、ガスバリア用支持体26や有機層27からアウトガスが放出されても、このアウトガスは無機層28で遮蔽され、封止層24や有機電子素子32に至ることを防止できる。
ガスバリアフィルム20aのガスバリア用支持体26としては、公知のガスバリアフィルムで支持体として用いられているものが、各種、利用可能である。
中でも、薄手化や軽量化が容易である、有機電子装置50のフレキシブル化に好適である等の点で、各種のプラスチック(高分子材料/樹脂材料)からなるフィルムが好適に利用される。
具体的には、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリアクリロニトリル、ポリイミド、透明ポリイミド、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、シクロオレフィンポリマー(脂環式ポリオレフィン)、シクロオレフィンコポリマー、および、トリアセチルセルロースからなる群から選択される少なくとも1つを材料とするプラスチックフィルムが、好適に例示される。
ガスバリア用支持体26の厚さは、有機電子装置50の用途や大きさによって、適宜、設定すればよい。ここで、本発明者の検討によれば、ガスバリア用支持体26の厚さは、10μm〜200μm程度が好ましい。ガスバリア用支持体26の厚さを、この範囲にすることにより、有機電子装置50の軽量化や薄手化、等の点で、好ましい結果を得る。
なお、ガスバリア用支持体26は、このようなプラスチックフィルムの表面に、反射防止や位相差制御、光取り出し効率向上等の機能が付与されていてもよい。
有機層27は、ガスバリアフィルム20aにおいて主にガスバリア性を発現する無機層28の下地層となるものである。
有機層27は、公知のガスバリアフィルムで有機層27として用いられているものが、各種、利用可能である。例えば、有機層27は、有機化合物を主成分とする膜で、基本的に、モノマーおよび/またはオリゴマを、架橋して形成されるものが利用できる。
ガスバリアフィルム20aは、この下地となる有機層27を有することにより、この有機層27が、無機層28のクッションとしても作用する。そのため、有機電子積層体12と封止積層体10とを接着する際の押圧時や、有機電子装置50が外部から衝撃を受けた場合などに、この有機層27のクッション効果によって、無機層28の損傷を防止できる。
これにより、有機電子装置50において、ガスバリアフィルム20aが適正にガスバリア性能を発現して、水分による有機電子素子32の劣化を、好適に防止できる。
また、ガスバリアフィルム20aは、無機層28の下地となる有機層27を有することにより、ガスバリア用支持体26の表面の凹凸や、表面に付着している異物等を包埋して、無機層28の成膜面を適正にできる。その結果、成膜面の全面に、隙間無く、割れやヒビ等の無い適正な無機層28を成膜できる。これにより、水蒸気透過率が1×10-4[g/(m2・day)]以下となるような、高いガスバリア性能を得ることができる。
ガスバリアフィルム20aにおいて、有機層27の形成材料としては、各種の有機化合物(樹脂/高分子化合物)が、利用可能である。
具体的には、ポリエステル、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、メタクリル酸−マレイン酸共重合体、ポリスチレン、透明フッ素樹脂、ポリイミド、フッ素化ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、セルロースアシレート、ポリウレタン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリカーボネート、脂環式ポリオレフィン、ポリアリレート、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、フルオレン環変性ポリカーボネート、脂環変性ポリカーボネート、フルオレン環変性ポリエステル、アクリロイル化合物、などの熱可塑性樹脂、あるいはポリシロキサン、その他の有機ケイ素化合物の膜が好適に例示される。これらは、複数を併用してもよい。
中でも、ガラス転移温度や強度に優れる等の点で、ラジカル重合性化合物および/またはエーテル基を官能基に有するカチオン重合性化合物の重合物から構成された有機層27は、好適である。
中でも特に、上記強度に加え、屈折率が低い、透明性が高く光学特性に優れる等の点で、アクリレートおよび/またはメタクリレートのモノマーやオリゴマの重合体を主成分とする、ガラス転移温度が120℃以上のアクリル樹脂やメタクリル樹脂は、有機層27として好適に例示される。
その中でも特に、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート(DPGDA)、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート(TMPTA)、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート(DPHA)などの、2官能以上、特に3官能以上のアクリレートおよび/またはメタクリレートのモノマーやオリゴマの重合体を主成分とする、アクリル樹脂やメタクリル樹脂は、好適に例示される。また、これらのアクリル樹脂やメタクリル樹脂を、複数、用いるのも好ましい。
有機層27を、このようなアクリル樹脂やメタクリル樹脂で形成することにより、骨格がしっかりした下地の上に無機層28を成膜できるので、より緻密でガスバリア性が高い無機層28を成膜できる。
有機層27の厚さは、0.5μm〜5μmが好ましい。
有機層27の厚さを0.5μm以上とすることにより、有機電子積層体12と封止積層体10とを接着する際の押圧時などにおける、クッションとしての効果を十分に発揮して、無機層28の損傷を、より確実に防止できる。また、有機層27の厚さを1μm以上とすることにより、より好適に無機層28の成膜面を適正にして、割れやヒビ等の無い適正な無機層28を、成膜面の全面に渡って成膜できる。
また、有機層27の厚さを5μm以下とすることにより、有機層27が厚すぎることに起因する、有機層27のクラックや、ガスバリアフィルム20aのカール等の問題の発生を、好適に防止することができる。
以上の点を考慮すると、有機層27の厚さは、1μm〜5μmとするのが、より好ましい。
なお、ガスバリアフィルムが、複数の有機層27を有する場合には、各有機層27の厚さは、同じでも、互いに異なってもよい。
また、複数の有機層27を有する場合には、各有機層27の形成材料は、同じでも異なってもよい。しかしながら、生産性等の点からは、全ての有機層27を、同じ材料で形成するのが好ましい。
有機層27は、塗布法やフラッシュ蒸着等の公知の方法で成膜すればよい。
また、有機層27の下層となる無機層28との密着性を向上するために、有機層27は、シランカップリング剤を含有するのが好ましい。
有機層27の上には、この有機層27を下地として、無機層28が成膜される。
無機層28は、無機化合物を主成分とする膜で、ガスバリアフィルム20aにおいて、ガスバリア性を主に発現するものである。
無機層28としては、ガスバリア性を発現する無機化合物からなる膜が、各種、利用可能である。
具体的には、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化タンタル、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化インジウムスズ(ITO)などの金属酸化物; 窒化アルミニウムなどの金属窒化物; 炭化アルミニウムなどの金属炭化物; 酸化ケイ素、酸化窒化ケイ素、酸炭化ケイ素、酸化窒化炭化ケイ素などのケイ素酸化物; 窒化ケイ素、窒化炭化ケイ素などのケイ素窒化物; 炭化ケイ素等のケイ素炭化物; これらの水素化物; これら2種以上の混合物; および、これらの水素含有物等の、無機化合物からなる膜が、好適に例示される。
特に、透明性が高く、かつ、優れたガスバリア性を発現できる点で、ケイ素酸化物、ケイ素窒化物、ケイ素酸窒化物およびケイ素酸化物等のケイ素化合物からなる膜は、好適に例示される。その中でも特に、窒化ケイ素からなる膜は、より優れたガスバリア性に加え、透明性も高く、好適に例示される。
なお、ガスバリアフィルムが複数の無機層28を有する場合には、無機層28の形成材料は、互いに異なってもよい。しかしながら、生産性等を考慮すれば、全ての無機層28を、同じ材料で形成するのが好ましい。
無機層28の厚さは、形成材料に応じて、目的とするガスバリア性を発現できる厚さを、適宜、決定すればよい。なお、本発明者の検討によれば、無機層28の厚さは、10〜200nmとするのが好ましい。
無機層28の厚さを10nm以上とすることにより、十分なガスバリア性能を安定して発現する無機層28が形成できる。また、無機層28は、一般的に脆く、厚過ぎると、割れやヒビ、剥がれ等を生じる可能性が有るが、無機層28の厚さを200nm以下とすることにより、割れが発生することを防止できる。
また、このような点を考慮すると、無機層28の厚さは、10nm〜100nmにするのが好ましく、特に、15nm〜75nmとするのが好ましい。
なお、ガスバリアフィルムが複数の無機層28を有する場合には、各無機層28の厚さは、同じでも異なってもよい。
無機層28は、形成材料に応じて、公知の方法で形成すればよい。具体的には、CCP(容量結合プラズマ)−CVD(化学気相成長)やICP(誘導結合プラズマ)−CVD等のプラズマCVD、マグネトロンスパッタリングや反応性スパッタリング等のスパッタリング、真空蒸着など、気相堆積法が好適に例示される。
前述のとおり、本発明の封止積層体10において、ガスバリア部材20上には、拡散層22が積層され、拡散層22の上には封止層24が積層される。
まず、封止層24について説明する。
封止層24は、封止積層体10の最表面側に形成され、接着性を備える部位であり、封止積層体10を有機電子積層体12に積層する際の接着層となる部位である。このとき、封止層24は、有機電子積層体12表面の凹凸を埋めるように接着される。
ここで、封止層24は、吸湿性を備えることが好ましい。具体的には、封止層24の吸湿性は、1wt%〜10wt%であるのが好ましく、1wt%〜5wt%であるのがより好ましい。
封止層24が吸湿性を備えることにより、封止積層体10の端面やガスバリア部材20の欠陥等から浸入する水分を吸収して、有機電子素子32の水分による劣化を好適に防止できる。ここで、本発明においては、封止層24とガスバリア部材20との間に拡散層22を有するので、浸入する水分を拡散層22で拡散して、封止層24の全体を用いて水分を吸収することができる。従って、封止層24の一部のみが吸水して早期に失活するのを防止して、有機電子素子32を長期間安定して保護することができる。
この点に関しては後に詳述する。
ここで、本発明の封止積層体10においては、封止層24の水蒸気透過率と後述する拡散層22の水蒸気透過率との比が5倍以上の関係を満たすものである。従って、封止層24の水蒸気透過率は低いほど好ましく、水蒸気透過率(WVTR)は、0.1〜100[g/(m2・day)]であるのが好ましく、0.1〜10[g/(m2・day)]がより好ましい。
なお、本発明において、水蒸気透過率(WVTR)は、JIS Z0208の防湿包装材料の透湿度試験方法(カップ法)に基づいて測定した値である。
封止層24の厚さには特に限定はないが、接着性、吸湿性、有機電子積層体12表面の凹凸への追従性等の観点から5〜100μmであるのが好ましい。
封止層24の形成材料としては、有機電子積層体12および封止積層体10とを十分な密着力で接着できるものを、適宜、選択すればよい。
具体的には、封止層24としては、OCA(Optically Clear Adhesive)シート等の粘着シートを用いてもよく、あるいは、重合や熱などにより樹脂を硬化させた有機層であってもよい。
硬化性樹脂としては、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシアクリレート樹脂、環状オレフィン系樹脂等が挙げられる。中でも、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、エポキシアクリレート樹脂、環状オレフィン系樹脂が好ましい。また、3以上の多官能アクリレート/メタクリレート化合物からなる樹脂であるのが好ましい。
また、これらの硬化性樹脂を主成分として、粘度や硬化性を調整するための樹脂が混合されてもよい。例えば、粘度調整のためにスチレン・ブタジエンブロック共重合体を含んでも良い。
また、これらの硬化性樹脂は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
エポキシ樹脂としては、分子内に少なくとも1個のエポキシ基を有するものであれば、特に限定はされない。具体的には、例えば、ポリブタジエンエポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂などのビスフェノール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂などのアルコール型エポキシ樹脂、エポキシ変性シリコーン、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、異節環状型エポキシ樹脂、多官能性エポキシ樹脂、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、臭素化エポキシ樹脂等のハロゲン化エポキシ樹脂、ゴム変成エポキシ樹脂、ウレタン変成エポキシ樹脂、エポキシ化ポリブタジエン、エポキシ化スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、エポキシ基含有ポリエステル樹脂、エポキシ基含有ポリウレタン樹脂、エポキシ基含有アクリル樹脂等が挙げられる。なかでも、光カチオン重合性がより高く、少ない光量でもより効率的に光硬化が進行することから、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂等を挙げることができる。これらのエポキシ樹脂は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
なお、硬化収縮応力が小さく、硬化物の接着性が高いという観点からは、上述したエポキシ樹脂の中でも、2官能エポキシ樹脂を用いることが好ましい。さらに、透湿性・吸湿性が低いという観点からは、ポリブタジエンエポキシ樹脂等を用いることが好ましい。
アクリル樹脂としては、ベース樹脂としての変性アクリレートと粘度調整用の反応性希釈剤としてのアクリレートモノマーを混合して得られる樹脂が挙げられる。
具体的には、アクリレート系の官能基を有するもの、例えば、比較的低分子量のポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂、多価アルコール等の多官能化合物の(メタ)アクリレート等のオリゴマーまたはプレポリマーと、反応性希釈剤としてエチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、スチレン、メチルスチレン、N−ビニルピロリドン等の単官能モノマー並びに多官能モノマー、例えば、ヒドロキシメチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−アクリロイルオキシエチルコハク酸、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、メチルアクリレート、エチルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ブチルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、ラウリルアクリレート、ステアリルメタクリレート、イソデシルアクリレート、イソデシルメタクリレート、イソオクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、グリシジルメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート、t−ブチルアミノエチルメタクリレート、2−シアノエチルアクリレート、ジシクロペンテニロキシエチルアクリレート、ジシクロペンテニロキシエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、2−エトキシエチルメタクリレート、2(2−エトキシエトキシ)エチルアクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコールアクリレート、ノニルフェノキシポリプロピレングリコールアクリレート、フェノキシジエチレングリコールアクリレート、フェノキシポリエチレングリコールアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート、2−エチルヘキシルカルビトールアクリレート、2,2,3,4,4,4−ヘキサフロロブチルメタクリレート、パーフロロオクチルエチルメタクリレート、イソシアネートエチルメタクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート(Tg=107℃)、N−メチロールメタクリルアミド、アクリルアミド、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、ジアセトンアクリルアミド、N−ビニルピロリドン、イソボルニルメタクリレート、イソボルニルアクリレートなどを混合して得られる樹脂が挙げられる。
さらに、上記の硬化性樹脂中に光重合開始剤として、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、α−アミロキシムエステル、テトラメチルチウラムモノサルファイド、チオキサントン類や、光増感剤としてn−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリーn−ブチルホスフィン等を混合して用いることができる。特に、オリゴマーとしてウレタンアクリレート、モノマーとしてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等を混合するのが好ましい。
また、エポキシアクリレートとしては、分子中に1個以上の水酸基と2個以上のエチレン性二重結合とを有するアクリレート、分子中に2個以上のグリシジル基を有するエポキシ樹脂、および熱ラジカル重合開始剤を混合して得られる樹脂が挙げられる。具体的には、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エボキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリレート系モノマー等が挙げられる。
分子中に1個以上の水酸基と2個以上のエチレン性二重結合とを有するアクリレートとしては、ビスフェノールA型エポキシアクリレート、ビスフェノールF型エポキシアクリレート、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテルジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルジアクリレート、ジエチレングリコールジグリシジルエーテルジアクリレート、ジプロピレングリコールジグリシジルジアクリレート、エトキシ化イソシアヌル酸ジアクリレート、フェノールノボラック型エポキシアクリレート、およびクレゾールノボラック型エポキシアクリレート、からなる群より選択される1種以上のアクリレートを含むことが好ましい。なかでも、ビスフェノールA型エポキシアクリレートおよびビスフェノールF型エポキシアクリレートの少なくとも一方を含むことがより好ましい。
また、硬化性樹脂は、必要に応じてシランカップリング剤又はシラン変性エポキシ樹脂を含有してもよい。シランカップリング剤とシラン変性エポキシ樹脂とを併用することも可能である。それら成分を封止層24としての硬化性樹脂に配合することによって、加湿による接着力の低下を抑えることが可能となる。
カップリング剤としては、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、ヘキサメチルシラザンなどのアミノ基を有するシランカップリング剤、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどのエポキシ基を有するシランカップリング剤、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどのメルカプト基を有するシランカップリング剤、およびγ−クロロプロピルトリメトキシシランなどのハロゲン基を有するシランカップリング剤等のシランカップリング剤、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジトリデシル)ホスファイトチタネート、イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネート、イソプロピルジアクリルイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルトリクミルフェニルチタネート等のチタネート系カップリング剤、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート等のアルミニウム系カップリング剤およびアセチルアセトン・ジルコニウム錯体等のジルコニウム系カップリング剤等がある。
シラン変性エポキシ樹脂としてはビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂などの側鎖水酸基部位にアルコキシシランを化学結合させたものが挙げられる。
また、封止層24となる硬化性樹脂は、硬化物の耐湿性を更に向上させることを目的として、無機フィラーを含有することが好ましい。
上記無機フィラーは特に限定されず、例えば、タルク、石綿、シリカ、スメクタイト、ベントナイト、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、アルミナ、モンモリロナイト、珪藻土、酸化マグネシウム、酸化チタン、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、ガラスビーズ、硫酸バリウム、石膏、珪酸カルシウム、セリサイト活性白土等が挙げられる。
また、封止層24に吸湿性を付与するために、封止層24中に乾燥剤を含有させるのが好ましい。
封止層24が乾燥剤を含有することにより、封止積層体10の端面やガスバリア部材20の欠陥等から浸入する水分を吸収して、有機電子素子32の水分による劣化を好適に防止できる。
乾燥剤としては、有機金属錯体でも良く、無機系の乾燥剤であってもよい。
有機金属錯体としては、化1の化学式で示される構造の有機金属化合物が好ましく、-[M(OR)-O]n-で示される構造であるのがより好ましく、環状AlOアシレートが特に好ましく、六員環構造を2以上もつ3価金属の有機金属化合物であって、3価金属がアルミニウムである有機金属化合物が好ましい。
ここで、化1の化学式において、R1、R2、R3は、水素、炭素数1個以上のアルキル基、アリール基、シクロアルキル基、複素環基を示す。また、それぞれの基の、水素の一部をハロゲン基に置換したものでもよい。R1、R2、R3は異なる基であっても、同じ基であってもよく、また、それぞれが連結されてもよい。あるいは、ポリマーでもよい。
具体的には、例えば、アルミニウムオキサイド2−エチルヘキサノエート(ホープ製薬株式会社 オリープAOO)、アルミニウムオキサイドイソプロピレート(川研ファインケミカル株式会社製 アルゴマー7)、アルミニウムオキサイドステアレート(ホープ製薬株式会社 オリープAOS)、アルミニウムオキサイドエチレートなどが挙げられる。
また、環状ではないアルミニウム−トリイソプロポキシド(AIP)も好ましい。
また、特開2005−298598号公報に記載される水分吸収剤、および、特開2006−297380号公報に記載される乾燥剤も用いることができる。
また、無機系の乾燥剤としては、例えば、酸化カルシウム(CaO)、酸化バリウム(BaO)、酸化マグネシウム(MgO)等のアルカリ土類金属酸化物; 硫酸リチウム(Li2SO4)、硫酸ナトリウム(Na2SO4)、硫酸カルシウム(CaSO4)、硫酸マグネシウム(MgSO4)、硫酸コバルト(CoSO4)、硫酸ガリウム(Ga2(SO43)、硫酸チタン(Ti(SO42)、硫酸ニッケル(NiSO4)等の硫酸塩、塩化カルシウム(CaCl2)、五酸化リン(P25)、水酸化カリウム(KOH)、水酸化ナトリウム(NaOH)、臭化カリウム(KBr)、臭化カルシウム(CaBr2)、硫酸銅(CuSO4)、塩化亜鉛(ZnCl2)、ゼオライト、シリカゲル及び活性アルミナ等が挙げられる。
無機系の乾燥剤を用いる場合には、封止層24のヘイズ値や透明性への影響を考慮して粒径を小さくするのが好ましく、10nm以下とするのが好ましい。
封止層24における乾燥剤の含有量は、乾燥剤の種類や求められる性能等に応じて、適宜、設定すればよい。具体的には、10〜80質量%が好ましく、30〜70質量%がより好ましく、40〜60質量%が特に好ましい。
また、封止層24は、透明性を有するのが好ましい。具体的には、封止層24は、可視光(波長400〜800nm)の光透過率が90%以上であるのが好ましく、ヘイズ値が0.5%以下であるのが好ましい。
また、封止層24は、ガスバリア部材20の拡散層22上に塗布にて形成するのが好ましい。従って、上記の封止層24を形成するための材料と溶剤とを混合して塗布組成物を調製するのが好ましい。
平坦で透明な封止層24が得られる観点から、溶剤のSP値(溶解度パラメータ)は、8〜13であるのが好ましく、また、バインダーとして選択した硬化性樹脂とのSP値の差が±2以内であるのがより好ましい。具体的には、溶剤としては、メチルエチルケトン(MEK)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、酢酸エチル等が好ましい。
また、封止層24を形成する際の塗布方法には特に限定はないが、ガスバリア部材20としてガスバリアフィルムを用いる場合には、ガスバリアフィルムの無機層を破壊しにくい点で、スピン塗布が好ましい。
また、長尺なガスバリアフィルム上に封止層24を形成する場合には、長尺なガスバリアフィルムを長手方向に搬送しつつ、塗布組成物の塗布、硬化により封止層24を形成する、いわゆるロール・ツー・ロールにより形成してもよい。
次に、拡散層22について説明する。
拡散層22は、ガスバリア部材20と封止層24との間に積層され、水蒸気の拡散性を備える部位である。
本発明の封止積層体10において、拡散層22の水蒸気透過率は、封止層24の水蒸気透過率の5倍以上であり、8倍以上が好ましい。
具体的には、拡散層22の水蒸気透過率(WVTR)は、10〜1000[g/(m2・day)]であるのが好ましい。
ここで、従来の有機電子装置の一例の概略断面図を図8(A)に示す。また、図8(B)〜図8(D)は、図8(A)に示す有機電子装置における水分の浸入を説明するための概略図である。なお、図8(B)〜図8(D)において、水分の浸入方向を矢印で示し、水分が浸入した領域をドットの網掛けで示す。
図8(A)に示すように、従来の有機電子装置200は、金属板あるいはガラス板等のガスバリア部材208が、接着層206を介して素子基板202上の有機電子素子204に積層されて有機電子素子204を封止する。
前述のとおり、このような従来の有機電子装置200においては、図8(B)に矢印で示すように、接着層206の端面から水分が浸入する。ここで、接着層206が吸湿性を有する場合には、接着層206の端面近傍の領域、すなわち、図中、ドットの網掛けで示す領域で、端面から浸入した水分を吸水して、水分が有機電子素子204に到達するのを防止する。
しかしながら、水分は端面から浸入するので、接着層206の、端面近傍の領域のみが吸水して失活する。すなわち、従来の有機電子装置200において、接着層206の吸湿機能を有効に利用できるのは、端面から有機電子素子204の端部までの領域のみである。従って、図8(C)に示すように、経時により、接着層206の端面から有機電子素子204までの間の領域が失活すると、吸湿機能を発揮していない領域があるにも関わらず、有機電子素子204に水分が到達してしまう。従って、従来の有機電子装置200では、水分の浸入を長期間安定して防止することができない。
また、ガスバリア部材208が欠陥を有する場合には、この欠陥から水分が浸入する。このような場合にも、図8(D)に示すように、欠陥周辺の接着層206のみが吸水して失活し、吸湿機能を発揮していない領域があるにも関わらず、有機電子素子204に水分が到達してしまう。
なお、図8(D)においては、説明のため欠陥から浸入する水分による失活の状態のみを示した。
これに対して、本発明の封止積層体10を用いて有機電子積層体12を封止した有機電子装置50においては、封止積層体10が、ガスバリア部材20と封止層24との間に拡散層22を有してなるものである。
図1に示す有機電子装置50における水分の浸入を、図4(A)、図4(B)および図5を用いて説明する。なお、図4(A)、図4(B)および図5において、水分の浸入方向を矢印で示し、水分が浸入した領域をドットの網掛けで示す。
有機電子装置50において封止積層体10の端面から水分が浸入した場合、ガスバリア部材20と封止層24との間に拡散層22を有するので、図4(A)に矢印で示すように、封止層24の端面で吸水するとともに、水分が拡散層22内を透過して、拡散層22側の面から封止層24に吸水される。すなわち、図中、ドットの網掛けで示すように、封止層24は、端面近傍の領域、および、拡散層22側の領域で吸水する。
従って、図4(B)に示すように、経時により、封止層24の失活が進んでも、封止層の端面から有機電子素子32の端部までの領域および拡散層22側の面から有機電子素子32表面までの領域、すなわち、封止層24の全体を有効に利用して吸水することができる。そのため、単位面積当たりの水分濃度を下げて水分の拡散速度を遅らせて、有機電子素子32に水分が到達することを十分に遅らせて、有機電子素子32を長期間安定して保護することができる。従って、有機電子装置50を長寿命化することができる。
また、ガスバリア部材20の欠陥から水分が浸入する場合であっても、ガスバリア部材20と封止層24との間に拡散層22を有するので、図5に矢印で示すように、欠陥から浸入した水分が拡散層22内で拡散されて、図中、ドットの網掛けで示すように、拡散層22側の全面で封止層24に吸水される。
従って、ガスバリア部材20の欠陥から浸入する水分に対しても、封止層24の拡散層22側の面から有機電子素子32表面までの領域、すなわち、封止層24の全体を有効に利用して吸水することができる。そのため、有機電子素子32に水分が到達することを十分に遅らせて、有機電子素子32を長期間安定して保護することができる。
ここで、ガスバリア部材20のなかでもガスバリアフィルムは、バリア層として、薄く脆い無機層を有するため、欠陥が生じやすい。従って、上述のように、ガスバリア部材20の欠陥から浸入する水分を拡散して封止層の失活を抑制できる点で、本発明は、ガスバリア部材20としてガスバリアフィルムを用いる場合に、好適に適用することができる。
また、封止層24の全体を有効に利用することができるので、封止層24の吸湿性能を小さくしても、従来よりも長期間安定して保護することができる。従って、乾燥剤の含有量を少なくすることができ、また、乾燥剤の選択の幅が広がる。
また、封止層24の全体を有効に利用することができるので、封止層24の厚さを薄くしても、必要な吸水性能をもたせることができる。
また、端面から遠い位置にある封止層24をより有効に利用するために、封止層24の主面が大きいほど、封止層24と拡散層22との水蒸気透過率の差が大きいことが好ましく、例えば、8倍以上とするのが好ましい。
拡散層22の厚さには特に限定はなく、水蒸気を十分に拡散させることができればよいが、水蒸気の拡散性、水蒸気の浸入抑制等の観点から、5〜100μmが好ましく、5〜50μmがより好ましく、5〜20μmが特に好ましい。
また、封止積層体10の端面からの水分の浸入自体を低減する観点から、拡散層22と封止層24との合計厚みは、50μm以下であるのが好ましく、20μm以下であるのがより好ましい。
また、本発明の封止積層体10は、拡散層22を有することで封止層24全体を利用できるので、封止積層体10の主面の面積が大きく、厚みが薄い場合により好適に適用できる。具体的には、拡散層22と封止層24との合計厚みが50μm以下で、封止層24の主面の面積が100mm2以上の場合により好適に適用できる。
拡散層22の形成材料としては、水蒸気透過率が封止層24の5倍以上となるものを、適宜、選択すればよい。
また、上述のとおり、拡散層22の水蒸気透過率(WVTR)は、10〜1000[g/(m2・day)]であるのが好ましい。
この水蒸気透過率の範囲を満たす材料としては、具体的には、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレン(PE)、ポリイミド(PI)、ポリスチレン(PS)、ポリエチレンオキシド(PEO)、トリアセチルセルロース(TAC)、ジメチルポリシロキサン(PDMS)、低架橋のアクリル樹脂等が好ましい。なかでも、水蒸気透過率がより高い点で、TAC、PDMS、低架橋のアクリル樹脂が好ましい。
低架橋のアクリル樹脂としては、市販のOCAシートを用いることもできる。例えば、住友スリーエム株式会社製の8146-1〜8146-4や、共同技研化学株式会社製のMGシリーズ等が挙げられる。
また、これらの材料を主成分として、水蒸気透過率を調整するために、任意の樹脂やフィラーを混合してもよい。
また、拡散層22は、透明性を有するのが好ましい。具体的には、拡散層22は、可視光(波長400〜800nm)の光透過率が90%以上であるのが好ましく、ヘイズ値が0.5%以下であるのが好ましい。
このような拡散層22の形成方法には特に限定はなく、例えば、ガスバリア部材20上に拡散層22となる塗布液を塗布することにより形成することができる。
ここで、図1に示す有機電子装置50においては、封止積層体10は、ガスバリア部材20と拡散層22と封止層24との3層からなる構成としたが、本発明はこれに限定はされず、少なくとも封止層24の端面を覆う端面封止部材を有してもよい。
図6(A)に、本発明の封止積層体の他の一例を用いた有機電子装置の概略断面図を示す。
なお、図6(A)に示す有機電子装置60は、封止積層体10に代えて、端面封止部材64を有する封止積層体62を有する以外は、有機電子装置50と同様の構成を有するので、同じ部位には同じ符号を付し、以下の説明では異なる部位を主に行う。
図6(A)に示す有機電子装置60は、素子基板30上に有機電子素子32が形成された有機電子積層体12に封止積層体62を積層してなる構成を有する。
封止積層体62は、ガスバリア部材20、拡散層22および封止層24を順に積層した積層体と、この積層体の端面を覆うように配置された端面封止部材64を有するものである。
端面封止部材64は、拡散層22および封止層24の端面からの水分の浸入を低減するためのものである。従って、端面封止部材64は、水蒸気透過率が低いのが好ましく、0.01〜30[g/(m2・day)]であるのが好ましい。
端面封止部材64の形成材料としては、拡散層22および封止層24の端面からの水分の浸入を低減することができれば特に限定はない。具体的には、例えば、長瀬産業株式会社製のNXR5516や、株式会社スリーボンド製のTB3124等の封止用硬化型接着剤が好ましく、また、無機層コーティングにより形成されるポリシラザン等の無機層や、真空蒸着により形成される無機のバリア層等も好ましい。
また、端面封止部材64の厚さ、すなわち、封止層24の端面に垂直な方向の厚さには特に限定はないが、水分の浸入を低減する、額縁の長さを短くする等の観点から、形成材料に応じて適宜決定すればよいが、無機材料の場合は0.1〜1μmが好ましく、有機材料の場合は10〜1000μmが好ましい。
端面封止部材64の形成方法には特に限定はなく、端面封止部材64の形成材料に応じた形成方法により形成することができる。例えば、塗布、真空成膜等により形成することができる。
なお、図6(A)に示す例では、端面封止部材64は、封止層24、拡散層22およびガスバリア部材20の端面を覆って形成される構成としたが、これに限定はされず、少なくとも封止層24の端面を覆っていればよく、封止層24と拡散層22の端面を覆っているのが好ましい。
また、端面封止部材64は、封止積層体10の状態で形成されてもよいし、あるいは、封止積層体10を有機電子積層体12に貼着した後に、形成してもよい。
また、図6(A)に示す例では、封止層24の端面を端面封止部材64が覆う構成としたが、これに限定はされず、図6(B)に示す有機電子装置70のように、封止層24の端面を拡散層74で覆う構成としてもよい。さらに、図6(B)に示すように、封止層24の端面を覆う拡散層74の端面を端面封止部材64で覆う構成としてもよい。
すなわち、図6(B)に示す有機電子装置70の封止積層体72は、拡散層74が、封止層24の有機電子積層体12側の面以外の面を覆って形成されており、端面封止部材64が拡散層74の端面を覆う構成を有する。
このように、端面封止部材64で封止層24の端面あるいは拡散層74の端面を覆うことで封止層24に浸入する水分を低減して、封止層24が吸水して失活するのを遅らせることで有機電子装置をより長寿命化することができる。
また、封止層24の端面を拡散層74で覆うことで、端面から浸入する水分をより好適に拡散することができ、封止層24の一部に偏って吸水されることを防止し、封止層24の吸湿性をより均一に利用することができる。従って、有機電子素子32に水分が到達するのを遅らせて、有機電子素子32を長期間安定して保護し、有機電子装置をより長寿命化することができる。
また、図1に示す有機電子装置50においては、ガラス板、金属板、ガスバリアフィルム等のガスバリア部材20を用いて有機電子積層体12を封止するために、ガスバリア部材20に、接着層としての封止層24を積層した封止積層体10とし、この封止積層体10を有機電子積層体12に貼着して有機電子装置50とする構成としたが、本発明は、これに限定はされず、各層を順次積層して構成してもよい。
すなわち、有機電子装置は、有機電子素子32が形成された素子基板30上に、吸湿性を有する封止層24を積層し、封止層24の上に拡散層22を積層した後、これらを覆うバリア膜である無機層を形成してなる構成を有してもよい。
前述のとおり、従来、バリア膜を直接、形成する構成の場合には、有機電子素子にダメージを与えないように低温でバリア膜を形成する必要がある。そのため、厚い無機膜を形成するのは難しく、バリア膜に欠陥が生じやすくなる。バリア膜に欠陥が生じると、欠陥近傍の封止層のみが吸水して、経時とともに失活するため、有機電子素子を十分に保護することができない。
これに対して、本発明の構成によれば、バリア膜を直接、形成する構成の場合にも、バリア膜の欠陥から浸入した水分を拡散層22により拡散して封止層24の全体を有効に利用して吸水することができる。従って、有機電子素子32を長期間安定して保護することができ、有機電子装置50を長寿命化することができる。
以上、本発明の封止積層体および有機電子装置について詳細に説明したが、本発明は、上記実施例に限定はされず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変更を行なってもよいのは、もちろんである。
以下、本発明の具体的実施例を挙げ、本発明を、より詳細に説明する。
[実施例1]
実施例1として、図6(A)に示す有機電子装置60を作製した。なお、有機電子装置60はボトムエミッション型とした。
<有機電子積層体>
素子基板30として、厚さ500μmの無アルカリガラス基板を用いた。
この素子基板30を図7(A)に示すように、対向する両端部を略C形状にマスキングして、マスキングを施した素子基板30を一般的なスパッタリング装置に装填して、ITO(Indium Tin Oxide 酸化インジウム錫)をターゲットとして用いて、DCマグネトロンスパッタリングによって、厚さ0.2μmのITO薄膜からなる透明電極42を形成した。なお、透明電極42の有機電界発光層40が形成される領域における上下方向の幅、すなわち、図中、hで示す透明電極42の幅は23mmとした。
次に、電極を形成した素子基板30に真空蒸着法によって、以下の有機化合物を、順次、形成し、有機電界発光層40を形成した。なお、図7(B)に示すように、縁部をマスキングして、有機電界発光層40は、素子基板30の略中央部に、30×30mmの大きさで形成した。
まず、真空蒸着装置により、HAT-CNを正孔注入層として10nmの膜厚で形成した。次に、正孔輸送層(α-NPD:Bis[N-(1-naphthyl)-N-phenyl]benzidine)を膜厚500nmで形成した。さらに、CBP (4,4‘-Bis(carbazol-9-yl)biphenyl)をホスト材料として10%のIr(ppy)3(Tris(2-phenylpyridinato)iridium)をドープした発光層を膜厚30nmで形成した。次に、正孔ブロック層としてBAlq(Bis-(2-methyl-8-quinolinolato)-4-(phenyl-phenolate)-aluminium(III))層を膜厚10nmで形成し、電子輸送層としてAlq3 (Tris(8-hydroxy-quinolinato)aluminium)層を膜厚40nmで形成し、有機電界発光層40を形成した。
さらにこれらの層を形成した素子基板30を図7(C)に示すように両端部をマスキングして、真空蒸着装置に装填して、真空蒸着によって、厚さ0.5nmのフッ化リチウム層を形成し、さらに、厚さ200nmの金属アルミニウムからなる反射電極44を形成した。なお、図7(C)に示す反射電極44の左右方向の幅hは23mmとした。
すなわち、有機電界発光層40のうち発光層として機能する領域の大きさ、つまり、有機電子素子32の大きさは、23mm×23mmとした。
次に、有機電子素子32が形成された素子基板30に、反応性スパッタリングによって、アルミナからなるパッシベーション膜を形成し、有機電子積層体12を作製した。
アルミナ膜は、ターゲットとして金属アルミニウムを、プロセスガスとして酸素ガスおよびアルゴンガスを用いて、反応性スパッタリングにより形成した。アルミナ膜の厚さは、100nmとした。
<封止積層体>
(ガスバリアフィルム)
ガスバリアフィルム20aとしては、図3に示すような、ガスバリア用支持体26、有機層27、無機層28が積層されたフィルムを用いた。ガスバリアフィルム20aの大きさは、40×40mmとした。すなわち、図7(D)に示すように、封止積層体から、有機電子素子32の端部までの距離t、tは、8.5mmとした。
ガスバリアフィルム20aは、以下のように作製した。
ガスバリア用支持体26として、厚さ100μmのPETフィルム(東洋紡株式会社製、コスモシャインA4100)を用いた。
次に、ガスバリア用支持体26上に有機層27を形成した。有機層27は、塗布法によりガスバリア用支持体26に材料を塗布し、乾燥後、紫外線照射して重合を行って、厚さ2μmの膜を形成した。
有機層27を形成する塗料は、MEK(メチルエチルケトン)に、TMPTA(ダイセル・サイテック社製)、光重合開始剤(チバケミカルズ社製 Irg184)、および、シランカップリング剤(信越シリコーン社製 KBM5103)を添加して、調製した。すなわち、有機層27は、TMPTAを重合してなる層である。
光重合開始剤の添加量は、有機溶剤を除いた濃度で2質量%、シランカップリング剤の添加量は、有機溶剤を除いた濃度で10質量%とした(すなわち固形分における有機化合物は88質量%)。また、これらの比率で配合した成分をMEKに希釈した塗料の固形分濃度は、15質量%とした。
次に、有機層27上にプラズマCVDによって、厚さ50nmの無機層28を形成した。
原料ガスは、シランガス(SiH4)、アンモニアガス(NH3)、窒素ガス(N2)および水素ガス(H2)を用いた。ガスの供給量は、シランガスが100sccm、アンモニアガスが200sccm、窒素ガスが500sccm、水素ガスが500sccmとした。また、形成圧力は50Paとした。すなわち、無機層28は、窒化珪素膜である。
プラズマ励起電力は、周波数13.56MHzで3000Wとした。また、バイアス電力は、周波数400kHzで500Wとした。
作製したガスバリアフィルム20aの水蒸気透過率は、1×10-5[g/(m2・day)]であった。
(拡散層)
塗布法によりガスバリアフィルム20aの無機層28上に、材料を塗布し、乾燥・硬化させて、トリアセチルセルロース(TAC)からなる厚さ20μmの拡散層22を形成した。
拡散層22を形成する塗料は、トリアセチルセルロール、溶剤として酢酸エチルを添加して、調製した。
なお、温度60℃、湿度90%、厚さ100μmにおける、拡散層22の水蒸気透過率(WVTR)は、700[g/(m2・day)]であった。
(封止層)
次に、塗布法により拡散層22上に、材料を塗布し、乾燥・硬化させて、厚さ20μmの封止層24を形成し、封止積層体10を作製した。
封止層24を形成する塗料は、変性エポキシ樹脂(長瀬産業株式会社製 NXR5516)、MEK(メチルエチルケトン)に、乾燥剤としてアルミニウムオキサイド2-エチルヘキサノエート(ホープ製薬株式会社オリープ A00)を添加して、調製した。
乾燥剤の割合は、有機溶剤を除いた濃度で30質量%とした。また、これらの比率で配合した成分をMEKに希釈した塗料の粘度は10mPa・sとした。
また、塗布はダイコータを用いた。乾燥後の厚さが10μmとなるように調整して塗布した。
なお、温度60℃、湿度90%、厚さ100μmにおける、封止層24の水蒸気透過率(WVTR)は、16[g/(m2・day)]であった。
<有機電子装置>
作製した封止積層体10を有機電子積層体12に貼着した。
貼着後、紫外線を照射して、封止層24を硬化させた。なお、紫外線の照射量は、約3000mJ/cm2とした。
その後、封止積層体10の端面を端面封止部材64で封止した。
端面封止部材64の材料は、変性エポキシ樹脂(長瀬産業株式会社製 NXR5516)とし、塗布・乾燥後、紫外線照射により硬化させた。なお、紫外線の照射量は、約3000mJ/cm2とした。
紫外線の照射後、80℃、1時間のキュア工程を行って有機電子装置60を作製した。
[実施例2]
拡散層22の材料を、ポリジメチルシロキサン(PDMS)に変更した以外は、実施例1と同様にして、有機電子装置60を作製した。
このPDMS層の塗料として、重合性ポリジメチルシロキサン(UV9300、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製)を20質量%、4-イソプロピル-4'-メチルジフェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラート(I0591、東京化成工業株式会社製)を0.1%、含むヘプタン溶液を調製した。
この塗料を、ガスバリアフィルム20aの表面に塗布して乾燥・UV照射処理を行うことで、拡散層22を形成した。
この拡散層22の水蒸気透過率は、1000[g/(m2・day)]以上であった。
[実施例3]
拡散層22として、OCAテープ(住友スリーエム株式会社製 厚さ25mm)を用いた以外は、実施例1と同様にして、有機電子装置60を作製した。
この拡散層22の水蒸気透過率は、500[g/(m2・day)]であった。
[実施例4]
封止層24の材料を、以下に示すエポキシ系化合物に変更した以外は、実施例1と同様にして、有機電子装置60を作製した。
エポキシ系化合物の塗料として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学株式会社製 YL980)、重合開始剤(BASF社製 IRGACURE 250)、乾燥剤としてアルミニウムオキサイド2-エチルヘキサノエート(ホープ製薬株式会社オリープ A00)を、MEKに添加して、調製した。
乾燥剤および重合開始剤の割合は、有機溶剤を除いた濃度でそれぞれ30質量%、5質量%とした。
この封止層24の水蒸気透過率は、60[g/(m2・day)]であった。
[実施例5]
拡散層22の材料を、実施例2と同様のPDMSに変更した以外は、実施例4と同様にして、有機電子装置60を作製した。
[実施例6]
拡散層22として、実施例3と同様のOCAテープを用いた以外は、実施例4と同様にして、有機電子装置60を作製した。
[実施例7]
封止層24の材料を、以下に示すアクリル系化合物に変更した以外は、実施例1と同様にして、有機電子装置60を作製した。
アクリル系化合物の塗料として、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(新中村化学株式会社 A-DPH)、重合開始剤(BASF社製 IRGACURE 184)、乾燥剤としてアルミニウムオキサイド2-エチルヘキサノエート(ホープ製薬株式会社オリープ A00)を、MEKに添加して、調製した。
乾燥剤および重合開始剤の割合は、有機溶剤を除いた濃度でそれぞれ30質量%、5質量%とした。
この封止層24の水蒸気透過率は、40[g/(m2・day)]であった。
[実施例8]
拡散層22の材料を、実施例2と同様のPDMSに変更した以外は、実施例7と同様にして、有機電子装置60を作製した。
[実施例9]
拡散層22として、実施例3と同様のOCAテープを用いた以外は、実施例7と同様にして、有機電子装置60を作製した。
[比較例1]
拡散層を有さない以外は、実施例1と同様にして有機電子装置を作製した。
[比較例2]
拡散層を有さない以外は、実施例4と同様にして有機電子装置を作製した。
[比較例3]
拡散層を有さない以外は、実施例7と同様にして有機電子装置を作製した。
[比較例4]
拡散層の材料を、変性エポキシ樹脂(長瀬産業株式会社製 NXR5516)に変更した以外は、実施例1と同様にして、有機電子装置を作製した。
この拡散層の水蒸気透過率は、16[g/(m2・day)]であった。
[比較例5]
拡散層の材料を、以下に示すエポキシ系化合物に変更した以外は、実施例1と同様にして、有機電子装置を作製した。
エポキシ系化合物の塗料として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学株式会社製 YL980)、重合開始剤(BASF社製 IRGACURE 250)を、MEKに添加して、調製した。
重合開始剤の割合は、有機溶剤を除いた濃度で5質量%とした。
この拡散層の水蒸気透過率は、60[g/(m2・day)]であった。
[比較例6]
拡散層の材料を、以下に示すアクリル系化合物に変更した以外は、実施例1と同様にして、有機電子装置を作製した。
アクリル系化合物の塗料として、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(新中村化学株式会社 A-DPH)、重合開始剤(BASF社製 IRGACURE 184)を、MEKに添加して、調製した。
重合開始剤の割合は、有機溶剤を除いた濃度で5質量%とした。
この拡散層の水蒸気透過率は、40[g/(m2・day)]であった。
[実施例10]
端面封止部材64を有さない以外は、実施例1と同様にして、有機電子装置を作製した。
[実施例11]
端面封止部材64を有さない以外は、実施例2と同様にして、有機電子装置を作製した。
[実施例12]
端面封止部材64を有さない以外は、実施例3と同様にして、有機電子装置を作製した。
[比較例7]
拡散層を有さない以外は、実施例10と同様にして有機電子装置を作製した。
[実施例13]
素子基板30の大きさを25mm×25mmとし、有機電子素子32の大きさを2mm×2mmとし、ガスバリアフィルム20aの大きさを6×6mmとした以外は、実施例3と同様にして、有機電子装置60を作製した。すなわち、封止積層体の端面から有機電子素子32の端面までの距離t、tは、2mmとした。
[比較例8]
拡散層を有さない以外は、実施例13と同様にして、有機電子装置を作製した。
[実施例14]
ガスバリアフィルム20aの大きさを27×27mmとした以外は、実施例3と同様にして、有機電子装置60を作製した。すなわち、封止積層体の端面から有機電子素子32の端面までの距離t、tを、2mmとした。
[比較例9]
拡散層を有さない以外は、実施例14と同様にして、有機電子装置を作製した。
[実施例15]
拡散層22の材料として、実施例2と同様のPDMSを用いた以外は、実施例14と同様にして、有機電子装置60を作製した。
[実施例16]
封止層24中に乾燥剤を含まない構成とした以外は、実施例15と同様にして、有機電子装置60を作製した。
[実施例17]
封止層24の厚さを10μmとし、拡散層22の厚さを10μmとした以外は、実施例16と同様にして、有機電子装置60を作製した。
[評価]
作製した実施例1〜17および比較例1〜9の有機電子装置について、耐久性試験を行った。具体的には、温度85℃、湿度85%の環境下に放置して、有機電子素子が劣化し始めるまでの時間を測定した。有機EL材料の水分による劣化は、所定の時間間隔ごとに、有機電子素子を、Keithley社製SMU2400型ソースメジャーユニットを用いて7Vの電圧を印加して発光させて、顕微鏡を用いて発光面状を観察し、発光面の縁部での発光の有無で有機電子素子の劣化、すなわち、有機電子素子への水分の到達を判断した。
結果を下記の表1に示す。
上記表1に示されるように、本発明の有機電子装置は、比較例に対して、より高い耐久性を有することがわかる。
また、実施例1〜9および比較例4〜6との対比から、拡散層の水蒸気透過率が、封止層の水蒸気透過率の5倍以上である実施例1〜9が高い耐久性を有することがわかる。
また、実施例13と実施例14との対比から、封止層の主面が大きい態様でより高い効果を発揮することがわかる。これに対して、比較例8と比較例9との対比から、拡散層を有さない場合には、封止層の主面の大きさの影響がないことがわかる。これは、乾燥剤を含有していても、端面近傍の乾燥剤しか利用できないためである。
また、実施例1〜3と実施例10〜12との対比から、端面封止部材を有するのがより好適であることがわかる。
また、実施例16と実施例17との対比から、封止層と拡散層との合計厚みが小さい方が好ましく、20μm以下であるのがより好ましいことがわかる。
以上の結果より、本発明の効果は明らかである。
10、62、72 封止積層体
12 有機電子積層体
20、208 ガスバリア部材
22、74 拡散層
24、206 封止層
30、202 素子基板
32、204 有機電子素子
40 有機電界発光層
42 透明電極
44 反射電極
50、60、70、200 有機電子装置
64 端面封止部材

Claims (14)

  1. ガスバリア性を有するガスバリア部材と、
    前記ガスバリア部材上に積層される拡散層と、
    前記拡散層上に積層される封止層と、を有し、
    前記拡散層の水蒸気透過率が、前記封止層の水蒸気透過率の5倍以上であり、
    前記封止層は、乾燥剤として、有機金属錯体を含有することを特徴とする封止積層体。
  2. 前記封止層が接着性を備える請求項1に記載の封止積層体。
  3. 少なくとも前記封止層の端面を覆う端面封止部材を有する請求項1または2に記載の封止積層体。
  4. 前記拡散層が前記封止層の端面を覆って形成される請求項1または2に記載の封止積層体。
  5. 少なくとも前記拡散層の端面を覆う端面封止部材を有する請求項4に記載の封止積層体。
  6. 前記封止層が硬化性樹脂からなる請求項1〜5のいずれか1項に記載の封止積層体。
  7. 前記封止層が吸湿性を備える請求項1〜6のいずれか1項に記載の封止積層体。
  8. 前記拡散層がジメチルシロキサン、トリアセチルセルロースおよびアクリル樹脂からなる群から選択される少なくとも1つからなる請求項1〜7のいずれか1項に記載の封止積層体。
  9. 前記ガスバリア部材が、少なくとも樹脂フィルムからなるガスバリア用支持体と無機層とを有するガスバリアフィルム、または、ガラスである請求項1〜8のいずれか1項に記載の封止積層体。
  10. 前記ガスバリア部材の水蒸気透過率が1×10-4[g/(m2・day)]以下である請求項1〜9のいずれか1項に記載の封止積層体。
  11. 前記封止層の主面の面積が100mm2以上であり、前記封止層と前記拡散層との合計厚みが50μm以下である請求項1〜10のいずれか1項に記載の封止積層体。
  12. 請求項1〜11に記載の封止積層体と、
    有機電子素子と、
    素子基板と、をこの順で有する有機電子装置。
  13. 前記有機電子素子が、反射電極、有機電界発光層および透明電極をこの順に有する有機電界発光素子である請求項12に記載の有機電子装置。
  14. 前記有機電界発光素子は、前記反射電極が前記素子基板側に配置され、前記透明電極が前記封止積層体側に配置される請求項13に記載の有機電子装置。
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