JP6196944B2 - 封止部材および電子デバイスの製造方法 - Google Patents

封止部材および電子デバイスの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、有機ELデバイス等の電子デバイスの製造において、素子の封止に用いられる封止部材、および、この封止部材を用いる電子デバイスの製造方法に関する。
有機ELデバイスや太陽電池など、水分によって劣化する電子デバイスは、各種の封止部材によって封止される。
バリア性を付与するための電子デバイスの封止は、通常、ガラスによって行われている。しかしながら、ガラスは、重く、耐衝撃性も弱い。これに対し、軽量化や耐衝撃性の向上等を目的として、バリア層を有するプラスチックフィルムによる電子デバイスの封止も検討されている。また、高いバリア性を発現するバリア層として、有機膜と無機膜とを交互に積層してなる有機/無機積層型のバリア層が知られている。
例えば、特許文献1には、有機ELディスプレイ等に装着されるカラーフィルタを封止する封止部材(透明バリア層の転写シート)として、プラスチックフィルム等の基材シートと、基材シートの上の剥離層と、剥離層の上の透明バリア層と、透明バリア層の上の接着層を有する封止部材が記載されている。
この封止部材は、有機ELディスプレイ等に装着されるカラーフィルタに接着層を接着して、剥離層および基材シートを剥離することにより、カラーフィルタに透明バリア層を形成する。この透明バリア層を形成したカラーフィルタを有機ELディスプレイ等に装着することにより、有機ELディプレイやカラーフィルタを透明バリア層で封止する。
また、特許文献2には、有機ELディスプレイなどのディスプレイ等の表面を封止する封止部材(機能性転写フィルム)として、プラスチックフィルム等の基材と、この基材の上の剥離層と、剥離層の上の防汚層と、防汚層の上のバリア層等の機能性層と、機能性層の上の接着層とを有する封止部材が記載されている。
この封止部材は、接着層をディスプレイ表面に接着して、基材および剥離層を剥離することで、ディスプレイの表面を防汚層および機能性層で封止する。
特開2004−191817号公報 特開2005−96322号公報
有機ELデバイス等の製造において、このような封止部材を用いた封止工程は、通常、いわゆる枚葉式やバッチ式で行われる。一方、バリア層を有するプラスチックフィルム(以下、バリアフィルムとも言う)は、可撓性を有する。
そのため、有機ELデバイスの製造では、バリアフィルムの搬送などの取り扱い性の向上や、電子デバイスの封止における位置合せ精度の向上等を目的として、バリアフィルムをガラス板等の搬送用キャリアに接着(固定)して、バリアフィルムを搬送用キャリアで支持した状態で取り扱う。
有機ELデバイス等の製造における封止工程では、まず、基板に有機EL素子などの電子素子を形成してなる電子デバイス本体に、搬送用キャリアによって支持しながらバリアフィルムを接着する。その後、搬送用キャリアをバリアフィルムから剥離することで、バリアフィルムによって封止された電子デバイスを製造する。
ここで、特許文献1や特許文献2にも示されるように、バリアフィルムのバリア層は、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、窒化ケイ素等の無機膜で形成される場合が多い。
無機膜は、高いバリア性を有するが、硬く、脆い。そのため、搬送用キャリアとバリアフィルムとの接着力が強すぎると、搬送用キャリアをバリアフィルムから剥離する際に、例えば前述の有機/無機積層型のバリア層でれば有機膜と無機膜との層間剥離など、バリア層内で無機膜の剥離や破損等が生じて、バリア性が低下するという問題が有る。
逆に、搬送用キャリアとバリアフィルムとの接着力が弱すぎると、製造工程の途中で搬送用キャリアとバリアフィルムとの剥離が生じてしまい、バリアフィルムが製造ラインから脱落して、電子デバイスの製造途中で、バリアフィルムが使用できなくなってしまうという問題が有る。
本発明の目的は、このような従来技術の問題点を解決することにあり、バリアフィルムによる有機ELデバイスなどの電子デバイスの封止に用いられる封止部材であって、封止部材(バリアフィルム)を支持する搬送用キャリアからの封止部材の剥離を容易にして、バリア性の低下を防止できる封止部材、および、この封止部材を用いる電子デバイスの製造方法を提供することにある。
この問題点を解決するために、本発明の封止部材は、無機膜および無機膜の下地となる有機膜の組み合わせを1以上有するバリア層と、バリア層を支持する基材と、水分吸収機能を有し、バリア層の基材とは反対側の表面に接着される第1接着層と、基材のバリア層とは反対側の表面に接着される第2接着層とを有し、
ガラスと第1接着層のバリア層とは反対側の表面との接着力、バリア層と第1接着層との接着力、および、ガラスと第2接着層の基材とは反対側の表面との接着力よりも、基材と第2接着層との接着力が弱いことを特徴とする封止部材を提供する。
このような本発明の封止部材において、第2接着層は、基材側の表面に、接着性を持つ部分と接着性を持たない部分とを有するのが好ましい。
また、基材が、第2接着層側の表面に剥離性表面を有するのが好ましい。
また、第2接着層は、光照射もしくは加熱によって接着力が低下するのが好ましい。
また、バリア層が、除電処理、酸素プラズマ処理、窒素プラズマ処理、および、UV−オゾン処理の少なくとも1つの処理を施されたものであるのが好ましい。
また、さらに、第1接着層のバリア層とは反対側を覆う離型フィルム、および、第2接着層の基材とは反対側を覆う離型フィルムの、少なくとも一方を有するのが好ましい。
また、本発明の電子デバイスの製造方法は、本発明の封止部材を、第2接着層を向けて、搬送用キャリアに接着する接着工程、
搬送用キャリアに接着した封止部材を、第1接着層を向けて電子デバイス本体に接着することにより、電子デバイス本体を封止部材で封止した封止体を形成する封止工程、および、
封止体から搬送用キャリアおよび第2接着層を剥離する剥離工程を有することを特徴とする電子デバイスの製造方法を提供する。
このような本発明の電子デバイスの製造方法において、電子デバイス本体が、基板に1以上の有機EL素子を形成してなる有機ELデバイス本体であるのが好ましい。
このような本発明によれば、有機ELデバイス等の電子デバイスをバリアフィルムで封止する際において、バリアフィルムを支持する搬送用キャリアの剥離が容易で、搬送用キャリアを剥離する際におけるバリア層の剥離や破損によるバリア性の低下を防止できる。
また、搬送用キャリアから封止部材を剥離する際に、不要な応力が電子デバイスの電子素子などに掛かることも防止できるので、電子素子の破壊も防止でき、リーク率を低減できる。
さらに、封止部材を搬送用キャリアで支持した状態で、封止部材で電子デバイス本体を封止できるので、封止の位置合せ精度も向上できる。
本発明の封止部材の一例を概念的に示す図である。 本発明の封止部材に用いられるバリア層の一例を説明するための概念図である。 本発明の封止部材の別の例を概念的に示す図である。 本発明の封止部材の別の例を概念的に示す図である。 (A)〜(E)は、図1に示す封止部材を用いた本発明の有機ELデバイスの製造方法の一例を説明するための概念図である。
以下、本発明の封止部材および本発明の電子デバイスの製造方法について、添付の図面に示される好適例を基に、詳細に説明する。
図1に、本発明の封止部材の一例を概念的に示す。
図1に示す封止部材10は、有機ELデバイス等の電子デバイスの封止に用いられるもので、基材12と、バリア層14と、第1接着層16と、第2接着層18とを有して構成される。
封止部材10において、基材12は、バリア層14を積層して支持するものである。この基材12およびバリア層14によって、バリアフィルム(ガスバリアフィルム)が形成される。
基材12は、バリアフィルムの支持体として利用されている、公知のシート状物が、各種、利用可能である。
基材12としては、具体的には、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリアクリロニトリル、ポリイミド、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリカーボネート(PC)、シクロオレフィンポリマー(COP)、シクロオレフィンコポリマー(COC)、トリアセチルセルロース(TAC)、透明ポリイミドなどの、各種のプラスチック(高分子材料)からなるプラスチックフィルムが、好適に例示される。
基材12の厚さは、封止部材10の用途等に応じて、適宜、設定すればよい。具体的には、基材12の厚さは、20〜120μmが好ましい。
基材12の厚さを20μm以上とすることにより、バリア層14(後述する有機膜14aおよび無機膜14b)を形成することで生じるカールを抑制できる、封止部材10の機械的強度を確保できる等の点で好ましい。
また、基材12の厚さを120μm以下とすることにより、封止部材10の可撓性を良好にできる、封止部材10の軽量化を図れる、封止部材10を利用する電子デバイスの薄膜化を図れる等の点で好ましい。
なお、基材12の少なくとも一方の面には、必要に応じて、保護層、接着層、光反射層、反射防止層、遮光層、平坦化層、緩衝層、応力緩和層等の、各種の機能を得るための層(膜)が形成されていてもよい。
基材12の一面には、バリア(ガスバリア)層14が形成される。
本発明の封止部材10において、バリア層14は、バリア性を発現する無機膜と、無機膜の下地となる有機膜との組み合わせを1以上有する、有機/無機の積層構造を有するバリア層である。
図2に、基材12に一面に形成されたバリア層14すなわち本発明の封止部材に利用されるバリアフィルムの一例を概念的に示す。
図2に示すバリア層14は、基材12の上の有機膜14aと、この有機膜14aの上の無機膜14bと、この無機膜14bの上の有機膜14aと、この有機膜14aの上の無機膜14bとからなる、4層構成を有する。すなわち、このバリア層14は、下地の有機膜14aと無機膜14bとの組み合わせを、2つ有する。
本発明の封止部材において、バリア層は、図2に示す例のように、下地の有機膜14aと無機膜14bとの組み合わせを2つ有する構成に限定はされない。すなわち、本発明の封止部材において、バリア層は、下地の有機膜14aと無機膜14bとの組み合わせを1以上有するものであれば、各種の構成が利用可能である。
例えば、下地の有機膜14aと無機膜14bとの組み合わせを、1つのみ有する、2層構成のバリア層であってもよい。あるいは、下地の有機膜14aと無機膜14bとの組み合わせを、3以上有する、6層以上の構成を有するバリア層であってもよい。通常、バリア層は、下地の有機膜14aと無機膜14bとの組み合わせの数が多い程、高いバリア性を発現する。
また、基材12の上に無機膜を形成し、その上に、下地の有機膜14aと無機膜14bとの組み合わせを1以上形成したバリア層であってもよい。さらにバリア層の最上層(基材12とは反対側の表面)に、無機膜を保護するための有機膜を有してもよい。
さらに、封止部材10においては、基材12とバリア層14との接着力(密着力)、および、有機膜14aと無機膜14bとの接着力は、少なくとも後述する基材12と第2接着層18との接着力よりも強い。
バリア層14において、無機膜14bは、主にバリア性を発現するものである。
無機膜14bの形成材料は、バリア性を発現する無機物からなるものが、各種、利用可能である。
具体的には、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化タンタル、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化インジウムスズ(ITO)などの金属酸化物; 窒化アルミニウムなどの金属窒化物; 炭化アルミニウムなどの金属炭化物; 酸化珪素、酸化窒化珪素、酸炭化珪素、酸化窒化炭化珪素などの珪素酸化物; 窒化珪素、窒化炭化珪素などの珪素窒化物; 炭化珪素等の珪素炭化物; これらの水素化物; これら2種以上の混合物; および、これらの水素含有物等の、無機化合物が、好適に例示される。
特に、窒化珪素、酸化珪素、酸窒化珪素、酸化アルミニウムは、透明性が高く、かつ、優れたバリア性を発現できる点で、好適に利用される。中でも特に、窒化珪素は、優れたバリア性に加え、透明性も高く、好適に利用される。
無機膜14bの厚さは、要求されるバリア性、目的とするバリア層14の厚さ、下地の有機膜14aと無機膜14bとの組み合わせの数等に応じて、適宜、設定すればよい。具体的には、無機膜14bの厚さは、10〜200nmが好ましい。
無機膜14bの厚さを10nm以上とすることにより、十分なバリア性能を安定して発現する無機膜14bが形成できる。また、無機膜14bは、一般的に脆く、厚過ぎると、割れやヒビ、剥がれ等を生じる可能性が有るが、無機膜14bの厚さを200nm以下とすることにより、割れが発生することを防止できる。
また、このような点を考慮すると、無機膜14bの厚さは、15〜100nmがより好ましく、特に、20〜75nmが好ましい。
有機膜14aは、有機物からなる層で、有機膜14aとなる有機物を、架橋したものである。
有機膜14aは、バリア性を発現する無機膜14bを適正に形成するための、下地層として機能する。このような下地の有機膜14aを有することにより、無機膜14bの形成面の平坦化や均一化を図って、無機膜14bの形成に適した状態にできる。下地の有機膜14aおよび無機膜14bを積層した有機/無機の積層構造を有するバリア層14では、これにより、全面に、隙間無く、適正な無機膜14bを形成することが可能になり、優れたバリア性を発現する。
有機膜14aの形成材料は、公知の有機物が、各種、利用可能である。
具体的には、ポリエステル、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、メタクリル酸−マレイン酸共重合体、ポリスチレン、透明フッ素樹脂、ポリイミド、フッ素化ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、セルロースアシレート、ポリウレタン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリカーボネート、脂環式ポリオレフィン、ポリアリレート、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、フルオレン環変性ポリカーボネート、脂環変性ポリカーボネート、フルオレン環変性ポリエステル、アクリロイル化合物、などの熱可塑性樹脂、あるいはポリシロキサン、その他の有機珪素化合物の膜が好適に例示される。これらは、複数を併用してもよい。
中でも、ガラス転移温度や強度に優れる等の点で、ラジカル重合性化合物および/またはエーテル基を官能基に有するカチオン重合性化合物の重合物から構成された有機膜14aは、好適である。
中でも特に、上記強度に加え、透明性が高く光学特性に優れる等の点で、アクリレートおよび/またはメタクリレートのモノマーやオリゴマの重合体を主成分とする、ガラス転移温度が120℃以上のアクリル樹脂やメタクリル樹脂は、有機膜14aとして好適に例示される。
その中でも特に、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート(DPGDA)、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート(A−NOD−N)、1,6ヘキサンジオールジアクリレート(A−HD−N)、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート(TMPTA)、(変性)ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート(DPHA)などの、2官能以上のアクリレートおよび/またはメタクリレートのモノマー等の重合体を主成分とする、アクリル樹脂やメタクリル樹脂は、好適に例示される。また、これらのアクリル樹脂やメタクリル樹脂を、複数、用いるのも好ましい。
有機膜14aを、アクリル樹脂やメタクリル樹脂、特に2官能以上のアクリル樹脂やメタクリル樹脂で形成することにより、骨格がしっかりした下地の上に無機膜14bを形成できるので、より緻密でバリア性が高い無機膜14bを形成できる。
有機膜14aの厚さは、目的とするバリア層14の厚さ、下地の有機膜14aと無機膜14bとの組み合わせの数、無機膜14bの種類等に応じて、適宜、設定すればよい。具体的には、有機膜14aの厚さは、0.5〜5μmが好ましい。
有機膜14aの厚さを0.5μm以上とすることにより、無機膜14bの形成面の全面を確実に有機膜14aで覆い、かつ、有機膜14aの表面すなわち無機膜14bの形成面を平坦化できる。
また、有機膜14aの厚さを5μm以下とすることにより、有機膜14aが厚すぎることに起因する、有機膜14aのクラックや、封止部材10のカール等の問題の発生を、好適に抑制することができる。
以上の点を考慮すると、有機膜14aの厚さは、1〜3μmがより好ましい。
封止部材10において、バリア層14の表面(基材12とは反対側の面)には第1接着層16が積層、接着される。また、基材12の表面(バリア層14とは反対側の面)には、第2接着層18が積層、接着される。
第1接着層16は、基材12およびバリア層14によって、電子デバイス本体を封止するための接着層(粘着層)である。
なお、電子デバイス本体とは、基板に1以上の有機EL素子を形成した有機ELデバイス本体や、基板に1以上の光電変換素子を形成した太陽電池本体など、基板に1以上の電子素子(電子部品)を形成したものである。
従って、第1接着層16は、基材12およびバリア層14によって、電子デバイス本体を封止するのに十分な接着力に加え、電子素子と基板との段差を埋めることができる弾性を有するのが好ましい。
第1接着層16は、有機ELデバイス等の電子デバイスにおいて、バリアフィルムやガラス板等によって電子デバイス本体を封止するために用いられる公知の接着剤が、各種、利用可能である。第1接着層16となる接着剤は、封止部材10の用途すなわち封止部材10を用いて製造する電子デバイスに応じて、公知の各種の接着剤を、適宜、選択すればよい。
具体的には、ゴム系、アクリル系、シリコーン系、ウレタン系、エポキシ系などの各種の接着剤が利用可能である。より具体的には、エポキシ系樹脂であるUV硬化型接着剤(例えば、ナガセケムテックス社製のXNR5516Zなど)や、OCAで知られる高透明性接着剤テープ(例えば、3M社製の8146−1など)等が例示される。
また、第1接着層16は、水分吸収機能を有するのが好ましい。
第1接着層16が水分吸収機能を有することにより、本発明の封止部材10を用いて基材12およびバリア層14で封止した電子デバイスにおいて、水分がバリア層14を透過した場合であっても、この水分を第1接着層16で捕獲できる。そのため、第1接着層16が水分吸収機能を有することにより、水分による電子デバイスの劣化を、より好適に抑制できる。
水分吸収機能を有する第1接着層16としては、一例として、前述の各種の接着剤に、乾燥剤を混ぜ込んだ接着剤が例示される。
乾燥剤は、有機金属錯体でも良く、無機系の乾燥剤であってもよい。
有機金属錯体は特に化学式−[M(OR)−O]n−で表されるものが好ましく、特に環状AlOアシレートであることが好ましい。例えば、アルミニウムオキサイド−2−エチルヘキサノエート(ホープ製薬オリープAOO)、アルミニウムオキサイドイソプロピレート(川研ファインケミカル製アルゴマー7)、アルミニウムオキサイドステアレート(ホープ製薬オリープAOS)、アルミニウムオキサイドエチレートなどが挙げられる。環状ではない有機金属錯体としてはアルミニウム−トリイソプロポキシド(AIP)が好ましい。
また、無機系の乾燥剤としては、例えば、酸化カルシウム(CaO)、酸化バリウム(BaO)、酸化マグネシウム(MgO)等のアルカリ土類金属酸化物; 硫酸リチウム(Li2SO4)、硫酸ナトリウム(Na2SO4)、硫酸カルシウム(CaSO4)、硫酸マグネシウム(MgSO4)、硫酸コバルト(CoSO4)、硫酸ガリウム(Ga2(SO43)、硫酸チタン(Ti(SO42)、硫酸ニッケル(NiSO4)等の硫酸塩; 塩化カルシウム(CaCl2)、五酸化リン(P25)、水酸化カリウム(KOH)、水酸化ナトリウム(NaOH)、臭化カリウム(KBr)、臭化カルシウム(CaBr2)、硫酸銅(CuSO4)、塩化亜鉛(ZnCl2)、ゼオライト、シリカゲル及び活性アルミナ等が例示される。
無機系の乾燥剤を用いる場合には、封止部材のヘイズ値や透明性への影響を考慮して粒径を小さくするのが好ましく、10nm以下とするのが好ましい。
前述のように、第1接着層16は、電子デバイス本体を基材12およびバリア層14で封止するための接着層である。
従って、第1接着層16の厚さは、封止部材10が利用される電子デバイスの種類や、第1接着層16の形成材料等に応じて、適宜、設定すればよい。具体的には、第1接着層16の厚さは、1〜50μmが好ましく、10〜30μmがより好ましい。
第1接着層16の厚さを1μm以上とすることにより、第1接着層16が弾性を保持し、電子デバイス本体への粘着性や電子デバイス本体における電子素子と基板との段差追従性が良好になる等の点で好ましい。
また、第1接着層16の厚さを50μm以下とすることにより、端面から侵入する水分の総量を押さえることができ、封止部材10を用いて封止した電子デバイスの電子素子の劣化を起こし難くできる等の点で好ましい。
一方、基材12の表面には、第2接着層18が接着される。
前述のように、電子デバイスを封止する封止部材は、取り扱い性や封止の位置精度の向上等を目的として、ガラス板等の搬送用キャリアに接着して使用される。
第2接着層18は、封止部材10を搬送用キャリアに接着するための層である。従って、第2接着層18は、第1接着層16に応じて、後述する接着力の条件を満たし、かつ、ガラス板等の搬送用キャリアを十分な接着力で接着可能であれば、各種の接着剤で形成可能である。
第2接着層18を形成する接着剤としては、第1接着層16に応じて、後述する接着力の条件を満たし、かつ、十分な接着力で搬送用キャリアに接着可能なものであれば、公知の各種の接着剤が利用可能である。
具体的には、ゴム系、アクリル系、シリコーン系、ウレタン系、エポキシ系などの各種の接着剤が利用可能である。
封止部材10においては、第1接着層16は、バリア層14および基材12で電子デバイスを封止するために、作製した電子デバイスの一部となる。従って、本発明の封止部材10においては、基本的に、封止部材10の用途すなわち封止部材10を用いて作製する電子デバイスに応じて第1接着層16を選択した後に、この第1接着層16に対して、後述する接着力の関係を満たす第2接着層18を、適宜、選択すればよい。
また、第2接着層18の厚さも、第2接着層18となる接着剤の種類等に応じて、十分な接着力を得られる厚さを、適宜、設定すればよい。具体的には、第2接着層18の厚さは、1〜50μmが好ましく、1〜30μmがより好ましい。
第2接着層18の厚さを1μm以上とすることにより、第2接着層18が弾性を保持し、搬送用キャリアに封止部材10を均一に接着できる等の点で好ましい。
また、第2接着層18の厚さを50μm以下とすることにより、搬送用キャリアを剥離する際に、第2接着層18の凝集破壊を防ぎ、基材12の表面に第2接着層18の成分が残留するのを好適に防ぐことができる等の点で好ましい。
なお、封止部材10は、必要に応じて、第1接着層16の表面(バリア層14とは反対側の面)および/または第2接着層18の表面(基材12とは反対側の面)に、接着層を保護するための離型フィルム(離型シート)が接着されてもよい。
離型フィルムは、第1接着層16や第2接着層18から不要に剥離することなく、かつ、第1接着層16や第2接着層18から容易に剥離できるものであれば、接着(粘着)シートや接着テープ、両面テープ等において、接着層の保護に用いられている公知の離型フィルムが、各種、利用可能である。
図1に示すように、封止部材10は、第1接着層16、バリア層14、基材12および第2接着層18を、この順番で積層してなる構成を有する。
本発明においては、ガラスと第1接着層16の表面(バリア層14とは反対側の面)との接着力、バリア層14と第1接着層16との接着力、および、ガラスと第2接着層18の表面(基材12とは反対側の面)との接着力よりも、第2接着層18と基材12との接着力が弱い。
ここで、この接着力とは、JIS 0237−2009の180°剥離試験に準拠するものである。また、ガラスとは、一般的なソーダライムガラスである。
有機ELデバイス等の電子デバイスの製造において、バリアフィルムによる封止は、バッチ式や枚葉式で行われる。後に図5(A)〜図5(E)を参照して説明するが、電子デバイスの製造では、この封止におけるバリアフィルムの取り扱い性や封止の位置精度等の向上等を目的として、バリアフィルムは、ガラス板等の搬送用キャリアに接着して取り扱われる。
従って、電子デバイスの製造工程においては、搬送用キャリアで支持されたバリアフィルムによって電子デバイス本体の表面を封止した後、搬送用キャリアおよび搬送用キャリアを基材12に接着している接着層をバリアフィルムから剥離することによって、バリアフィルムで封止してなる電子デバイスを作製する。
この剥離の際に、搬送用キャリアとバリアフィルムとの接着力が強すぎると、バリア層内で無機膜の剥離や破損等が生じて、バリア性が低下してしまう。逆に、搬送用キャリアとバリアフィルムとの接着力が弱すぎると、製造工程の途中で搬送用キャリアとバリアフィルムとの剥離が生じてしまい、バリアフィルムが製造ラインから脱落して、電子デバイスの製造途中で、バリアフィルムが使用できなくなってしまう。
また、搬送用キャリアを剥離する際に、バリアフィルムと電子デバイス本体や、バリアフィルムと接着剤とが剥離してしまうと、バリアフィルムによって電子デバイス本体を封止することができない。
さらに、搬送用キャリアを剥離する際に、搬送用キャリアのみが剥離してしまうと、電子デバイスに不要な接着層が残ってしまい、電子デバイスの品質を低下する。
これに対し、本発明の封止部材10は、第2接着層18と基材12との接着力が、ガラスと第1接着層16の表面との接着力、バリア層14と第1接着層18との接着力、および、ガラスと第2接着層18の表面との接着力よりも弱い。また、搬送用キャリアとしては、通常、ガラスや金属が利用され、被封止面である電子デバイス本体の基板はガラスである場合が多い。
そのため、本発明の封止部材10によれば、搬送用キャリアと第2接着層18を剥離する際に、バリア層14に負担をかけることなく、バリア層14の層間剥離や破壊を防止できる。また、本発明の封止部材10によれば、バリア層14と第1接着層16との剥離、第1接着層16と電子デバイス本体との剥離、搬送用キャリアと第2接着層18との剥離も生じることなく、第2接着層と基材12との界面によって、適正に剥離を行うことができる。
加えて、搬送用キャリアから封止部材を剥離する際に、不要な応力が電子デバイスの電子素子等に掛かることも防止できるので、電子素子の破壊も防止でき、リーク率を低減できる。さらに、封止部材を搬送用キャリアで支持した状態で、封止部材で電子デバイス本体を封止できるので、封止の位置合せ精度も向上できる。
ガラスと第1接着層16の表面との接着力、バリア層14と第1接着層16との接着力、ガラスと第2接着層18の表面との接着力、および、第2接着層18と基材12との接着力は、上記接着力の関係を満たしていれば、対応する界面における接着力を確保できるものであればよい。
ここで、本発明者の検討によれば、第2接着層18と基材12との接着力は、0.01〜0.5N/10mmであるのが好ましく、0.01〜0.3N/10mmであるのがより好ましい。
第2接着層18と基材12との接着力を0.01N/10mm以上とすることにより、ガラス板等の搬送用キャリアに封止部材10を貼着した際に、搬送用キャリアと封止部材10とが不要に剥離することを防止できる等の点で好ましい。
また、第2接着層18と基材12との接着力を0.5N/10mm以下とすることにより、搬送用キャリアおよび第2接着層18を基材12から剥離する際にバリア層14の層間剥離や破損が生じることを、より確実に抑制できる等の点で好ましい。
このような封止部材10は、第1接着層16および第2接着層18の形成材料に応じて、公知の方法で作製すればよい。一例として、以下の方法が例示される。
まず、基材12の一面にバリア層14を形成した公知のバリアフィルムを用意する。
次いで、バリアフィルムのバリア層14の表面に第1接着層16となる塗料や接着剤を塗布して、乾燥、あるいはさらに硬化(架橋)して、第1接着層16を形成する。さらに、必要に応じて、第1接着層16の表面全面を覆って、離型フィルムを接着する。
さらに、バリアフィルムの基材12の表面に第2接着層18となる塗料や接着剤を塗布して、乾燥して、あるいはさらに硬化(架橋)して、第1接着層16を形成して、封止部材10を作製する。さらに、必要に応じて、第2接着層18の表面全面を覆って、離型フィルムを接着する。
あるいは、同様のバリアフィルム、第1接着層16となる両面接着シート(両面粘着シート)、および、第2接着層18となる両面接着シートを用意して、バリアフィルムのバリア層14に第1接着層16となる両面接着シートを接着し、基材12に第2接着層18となる両面接着シートを接着して、封止部材10を作製する。
この際においても、必要に応じて、第1接着層16および/または第2接着層18の表面全面を覆って、離型フィルムを接着する。
このような本発明の封止部材10の製造において、一例として、第2接着層18を形成する接着剤や両面接着シートとして、第1接着層16を形成する接着剤や両面接着シートよりも、ガラスおよびプラスチックに対する接着力が弱いものを用いることにより、ガラスと第1接着層16の表面との接着力、バリア層14と第1接着層16との接着力、および、ガラスと第2接着層18の表面との接着力よりも、第2接着層18と基材12との接着力が弱い、本発明の封止部材10を製造できる。
また、本発明の封止部材10の製造においては、バリア層14の表面に第1接着層16を形成する前、好ましくは直前に、バリア層14の表面に、除電処理、酸素プラズマ処理、窒素プラズマ処理、および、UV−オゾン処理のうちの1以上の表面処理を施すのが好ましい。すなわち、本発明の封止部材10においては、バリア層14は、第1接着層16側の表面に、これらの表面処理を施されたものであるのが好ましい。
このような構成を有することにより、バリア層14と第1接着層16との接着力を向上でき、封止部材10の強度を向上できる、より好適にバリア層14および第1接着層16の接着力を基材12および第2接着層18よりも大きくできる等の点で好ましい。
本発明の封止部材は、第2接着層の基材12側に、接着性を有する部分と、接着性を有さない部分とを混在させることにより、ガラスと第1接着層16の表面との接着力、バリア層14と第1接着層16との接着力、および、ガラスと第2接着層18の表面との接着力よりも、第2接着層18と基材12との接着力が弱い構成としてもよい。
図3に、その一例を概念的に示す。
なお、図3および後述する図4に示す封止部材においては、図1に示す封止部材10と同じ部材を多用しているので、同じ部材には同じ符号を付し、以下の説明は、異なる点を主に行う。
図3に示す封止部材20は、第2接着層24が接着性を有さない粒子26を有するものである。
第2接着層24は、第2接着層18と同様の接着剤からなるものである。この第2接着層24において、粒子26は、第2接着層24の基材側において、一部が第2接着層24の表面から露出するように設けられる。
従って、第2接着層24の基材12側の表面は、接着性を有する面の面積が、他の接着面よりも大幅に少なくなり、ガラスと第1接着層16の表面との接着力、バリア層14と第1接着層16との接着力、および、ガラスと第2接着層24の表面との接着力よりも、第2接着層24と基材12との接着力を弱くできる。
なお、図3に示す封止部材20では、第2接着層24の基材側のみに粒子26を設けているが、粒子26を第2接着層の全体に分散させて、第2接着層24の基材側において、粒子26の一部を第2接着層24の表面から露出させてもよい。
粒子26としては、一例として、ポリメチルメタクリレート(PMMA)粒子、架橋ポリメチルメタクリレート粒子、アクリル−スチレン共重合体粒子、メラミン粒子、ポリカーボネート粒子、ポリスチレン粒子、架橋ポリスチレン粒子、ポリ塩化ビニル粒子等が例示される。
このような粒子26は、市販品を利用してもよい。
また、粒子26の直径は、製造する電子デバイスの大きさや、第2接着層24の厚さ等に応じて、適宜、設定すればよいが、1〜50μm程度が好ましい。
このような第2接着層24は、一例として、粒子26を基材12の表面に全面的に分散させた状態で、第2接着層24となる塗料や接着剤を塗布あるいは第2接着層24となる両面接着シートを接着する方法、第2接着層24の形成に粒子26を分散した塗料を用いる方法等によって作製できる。
第2接着層の基材12側に、接着性を有する部分と、接着性を有さない部分とを混在させる方法としては、第2接着層の基材12側の表面に、非接着性のパターンを形成することにより、第2接着層の基材12側の表面において、接着性を有する面と非接着性の面とが、規則的あるいは不規則に、交互に存在する方法も、利用可能である。
これにより、同様に、第2接着層24の基材12側の表面における接着性を有する面の面積を、他の接着面よりも少なくして、ガラスと第1接着層16の表面との接着力、バリア層14と第1接着層16との接着力、および、ガラスと第2接着層24の表面との接着力よりも、第2接着層24と基材12との接着力を弱くできる。
あるいは、図4に概念的に示す封止部材30のように、基材12が剥離性表面12aを有する構成とすることにより、ガラスと第1接着層16の表面との接着力、バリア層14と第1接着層16との接着力、および、ガラスと第2接着層18の表面との接着力よりも、第2接着層18と基材12との接着力を弱くする方法も、利用可能である。
剥離性表面12aとしては、シリコーン系やフッ素系等の樹脂等が例示される。基材12の表面に、これらの樹脂のコーティングを施すことで、第2接着層18と基材12との接着力を弱めることができる。また、剥離性表面12aとしては、易剥離剤として利用されている公知のものも利用可能である。
剥離性表面12aは、剥離性表面12aの形成材料に応じた公知の方法で形成すればよい。
さらに、第2接着層を形成する接着剤として、UV等の光照射や熱によって接着力が低下(剥離性を発現)する両面接着フィルムを使用する方法も、利用可能である。
具体的には、第2接着層として、一面が加熱等で接着力が低下する接着面で、他方の面が通常の接着面である両面接着フィルムを用いる。この両面接着フィルムを、加熱等で接着力が低下する接着面を基材12側に向けて、基材12に接着する。
この場合には、搬送用キャリアに接着した封止部材によって、電子デバイス本体を封止した後に、搬送用キャリアを剥離する前に封止部材に光照射や加熱を行えばよい。これにより、ガラスと第1接着層16の表面との接着力、バリア層14と第1接着層16との接着力、および、ガラスと第2接着層の表面との接着力よりも、第2接着層18と基材12との接着力を弱くできる。
このような接着剤としては、日東電工社製のリヴァアルファ等の各種の市販品が利用可能である。
以下、図5(A)〜図5(E)を参照して、図1に示す封止部材10を用いる本発明の有機ELデバイスの製造方法の一例を説明する。
まず、図5(A)および図5(B)に示すように、第2接着層18を搬送用キャリア36に向けて、封止部材10を搬送用キャリア36の表面に接着する。
この第2接着層18と搬送用キャリア36との接着は、積層、圧着、加熱圧着等、第2接着層18の形成材料等に応じたの公知の方法で行えばよい。
また、搬送用キャリア36としては、ガラス板、金属板、プラスチック板等、電子デバイスの製造において、封止部材を支持するための搬送用キャリアとして用いられている公知のものが、各種、利用可能である。
次いで、図5(C)および図5(D)に示すように、搬送用キャリア36に接着した封止部材10を、第1接着層16を対面させて、基板42aに1つ以上の有機EL素子42bを形成した有機ELデバイス本体42の素子形成面に接着し、有機ELデバイス本体42を封止部材10で封止する。
この接着による有機ELデバイス本体42の封止も、積層、圧着、加熱圧着等、第1接着層16の形成材料等に応じた公知の方法で行えばよい。
最後に、図5(E)に示すように、搬送用キャリア36および第2接着層18を剥離して、基材12およびバリア層14で封止してなる有機ELデバイス46を作製する。
この際において、本発明の封止部材10は、ガラスと第1接着層16の表面との接着力、バリア層14と第1接着層16との接着力、および、ガラスと第2接着層18の表面との接着力よりも、第2接着層18と基材12との接着力が弱い。
そのため、バリア層14の層間剥離や破損等を生じることなく、かつ、有機ELデバイス本体42と第1接着層16との剥離、第1接着層16とバリア層との剥離、および、第2接着層18と搬送用キャリア36との剥離も生じることなく、第2接着層18と搬送用キャリア36のみを、適正に剥離できる。
なお、本発明の封止部材10は、有機ELデバイス46以外にも、各種の電子デバイスの製造に利用可能である。従って、電子デバイス本体としては、基材に1以上の光電変換素子を形成してなる太陽電池本体等も利用可能である。
ここで、本発明の封止部材10によれば、バリア層14の層間剥離や破損を生じることなく、バリア層14および基材12で電子デバイス本体を封止できる。すなわち、バリア層14の層間剥離等に起因するバリア性の低下が無い、良好なバリア性を有するバリア層14によって、電子デバイス本体を封止でき、より好適に水分による電子デバイスの劣化を防止できる。そのため、本発明の封止部材10は、水分による劣化が大きな問題となる、有機ELデバイス46の製造には、好適に利用される。
以上、本発明の封止部材について詳細に説明したが、本発明は、上述の例に限定はされず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変更を行なってもよいのは、もちろんである。
以下、本発明の具体的実施例を挙げ、本発明を、より詳細に説明する。
<バリアフィルムの作製>
基材12としてPETフィルム(A4300、東洋紡社製)を用意した。
TMPTA(ダイセルセルテック社製)、シランカップリング剤(KBM−5103、信越化学社製)および重合性酸性化合物(KARAMER PM−21、日本化薬社製)を、質量比で14.1:3.5:1で混合してなる組成物を調製した。
この組成物18.6gと、紫外線重合開始剤(ランベルティ社製、ESACURE KTO46)1.4gと、2−ブタノン180gとを混合して、有機膜14aを形成するための塗料を調製した。
調製した塗料を、用意した基材12(PETフィルム)の表面に塗布した。塗料の塗布は、ワイヤーバーを用い、塗膜厚が5μmとなるように行った。
塗料を塗布した後、室温で放置することにより、塗料を乾燥した。
次いで、窒素置換法により酸素濃度を0.1%としたチャンバー内で高圧水銀ランプの紫外線を照射(積算照射量約1J/cm2)することで、塗料の組成物を硬化させた。これにより、基材12の表面に厚さ600nm±50nmの有機膜14aを形成した。
この有機膜14aの上に、無機膜14bとして、厚さ40nmの窒化ケイ素膜を形成した。
無機膜14b(窒化ケイ素膜)の形成は、一般的なCCP(容量結合プラズマ方式)−CVD装置を用いて行った。原料ガスは、シランガス(流量160sccm)、アンモニアガス(流量370sccm)、水素ガス(流量590sccm)、および窒素ガス(流量240sccm)を用いた。成膜圧力は40Paとした。電源は周波数13.56MHzの高周波電源を用い、プラズマ励起電力を2.5kWとした。
この無機膜14bの上に、先と同様にして厚さ600nm±50nmの有機膜14aを形成し、さらに、この有機膜14aの上に、先と同様にして、厚さ40nmの窒化ケイ素膜を無機膜14bとして形成した。
これにより、図2に示すような、基材12の表面に、下地の有機膜14aと無機膜14bとの組み合わせを2つ有するバリア層14を形成したバリアフィルムを作製した。
JIS K 7129−2008に準拠して、このバリアフィルムの水蒸気透過率を測定したところ、1×10-3g/(m2・day)以下であった。
[実施例1]
二液熱硬化型のアクリル酸エステルの液状樹脂(SKダイン1831、綜研化学社製)に硬化剤(E−AX、綜研化学社製)を0.15質量%混合し、よく攪拌して、液状樹脂を調製した。この液状樹脂を、乾燥後の厚さが20μmとなるように、バリアフィルムのバリア層14に塗布した。次いで、80℃で10分、液状樹脂を硬化することによって、第1接着層16を形成した。その後、接着剤が含有する水分を抜くために露点−80℃の窒素雰囲気下で7日間放置した。
二液熱硬化型のアクリル酸エステルの液状樹脂(SKダイン1473H、綜研化学社製)に硬化剤(L−45、綜研化学社製)を2質量%混合し、よく攪拌して、液状樹脂を調製した。この液状樹脂を、乾燥後の厚さが2μmとなるように、バリアフィルムの基材12に塗布した。次いで、80℃で10分、液状樹脂を硬化することによって、第2接着層18を形成して、図1に示すような封止部材10を作製した。
作製した封止部材10の第1接着層16の表面のガラスとの接着力、バリア層14と第1接着層16との接着力、第2接着層18の表面とガラスとの接着力、および、第2接着層18と基材12との接着力を、180°剥離試験機(オートグラフ、島津製作所製)によって測定した。
ガラスは、大型スライドグラス(厚さ1.3mm、松浪硝子工業社製)を用いた。
その結果、第1接着層16の表面のガラスとの接着力は3.9N/10mm、
バリア層14と第1接着層16との接着力は0.56N/10mm、
第2接着層18の表面とガラスとの接着力は2N/10mm、
第2接着層18と基材12との接着力は0.1N/10mm、であった。
[実施例2]
二液熱硬化型のアクリル酸エステルの液状樹脂(SKダイン1473H、綜研化学社製)に硬化剤(L−45、綜研化学社製)を2質量%混合し、よく攪拌して、液状樹脂を調製した。この液状樹脂に、粒子26としてPMMA微粒子(MX−150、綜研化学社製)を混合し、十分攪拌した。樹脂と微粒子の固形体積比は7:3とした。
粒子26を混合した液状樹脂を、乾燥後の厚さが2μmとなるように、バリアフィルムの基材12に塗布した。次いで、80℃で10分、液状樹脂を硬化することによって、第2接着層24を形成した。
これ以外は、実施例1と同様にして、図3に示すような封止部材20を作製した。
作製した封止部材20の第1接着層16の表面のガラスとの接着力、バリア層14と第1接着層16との接着力、第2接着層24の表面とガラスとの接着力、および、第2接着層24と基材12との接着力を、実施例1と同様に測定した。
その結果、第1接着層16の表面のガラスとの接着力は3.4N/10mm、
バリア層14と第1接着層16との接着力は0.66N/10mm、
第2接着層24の表面とガラスとの接着力は1.9N/10mm、
第2接着層24と基材12との接着力は0.05N/10mm、であった。
[実施例3]
バリアフィルムの基材12の表面に、フッ素系のコーティング剤(オプルツールDSX、ダイキン工業社製)をスピンコートによって塗布して、80℃で30分乾燥した。その後、25℃、相対湿度50%の環境下に1日放置することで、厚さ0.01μmの剥離性表面12aを有する基材12とした。
二液熱硬化型のアクリル酸エステルの液状樹脂(SKダイン1473H、綜研化学社製)に硬化剤(L−45、綜研化学社製)を2質量%混合し、よく攪拌して、液状樹脂を調製した。この液状樹脂を、乾燥後の厚さが2μmとなるように、剥離性表面32b上に塗布した。次いで、80℃で10分、液状樹脂を硬化することによって、第2接着層18を形成した。
これ以外は、実施例1と同様にして、図4に示すような封止部材30を作製した。
作製した封止部材30の第1接着層16の表面のガラスとの接着力、バリア層14と第1接着層16との接着力、第2接着層32の表面とガラスとの接着力、および、第2接着層32と基材12との接着力を、実施例1と同様に測定した。
その結果、第1接着層16の表面のガラスとの接着力は3.3N/10mm、
バリア層14と第1接着層16との接着力は0.62N/10mm、
第2接着層32の表面とガラスとの接着力は1.8N/10mm、
第2接着層32と基材12との接着力は0.03N/10mm、であった。
[実施例4]
二液熱硬化型のアクリル酸エステルの液状樹脂(SKダイン1473H、綜研化学社製)に硬化剤(L−45、綜研化学社製)を2質量%混合し、よく攪拌して、液状樹脂を調製した。この液状樹脂を、乾燥後の厚さが2μmとなるように、バリアフィルムの基材12に塗布した。次いで、80℃で10分、液状樹脂を硬化することによって、剥離性表面12aを有する基材12とした。
二液熱硬化型のアクリル酸エステルの液状樹脂(SKダイン1831、綜研化学社製)に硬化剤(E−AX、綜研化学社製)を0.15質量%混合し、よく攪拌して、液状樹脂を調製した。この液状樹脂を、乾燥後の厚さが5μmとなるように、剥離性表面12aの上に塗布した。次いで、80℃で10分、液状樹脂を硬化することによって、第2接着層18を形成した。
これ以外は、実施例1と同様にして、図4に示すような封止部材30を作製した。
作製した封止部材30の第1接着層16の表面のガラスとの接着力、バリア層14と第1接着層16との接着力、第2接着層32の表面とガラスとの接着力、および、第2接着層32と基材12との接着力を、実施例1と同様に測定した。
その結果、第1接着層16の表面のガラスとの接着力は3.3N/10mm、
バリア層14と第1接着層16との接着力は0.75N/10mm、
第2接着層32の表面とガラスとの接着力は2.2N/10mm、
第2接着層32と基材12との接着力は0.1N/10mm、であった。
[実施例5]
片面が、熱によって接着力が低下する接着面、他方の面が通常の接着面となっている両面接着フィルム(リヴァアルファ、日東電工社製)を用意した。
この両面接着フィルムを、熱によって接着力が低下する接着面を基材12に向けて、バリアフィルムの基材12に接着することにより、第2接着層18とした。
これ以外は、実施例1と同様にして、図4に示すような封止部材30を作製した。
作製した封止部材30の第1接着層16の表面のガラスとの接着力、バリア層14と第1接着層16との接着力、第2接着層18の表面とガラスとの接着力、および、第2接着層18と基材12との接着力を、実施例1と同様に測定した。
その結果、第1接着層16の表面のガラスとの接着力は3.4N/10mm、
バリア層14と第1接着層16との接着力は0.58N/10mm、
第2接着層18の表面とガラスとの接着力は2.3N/10mm、
第2接着層18と基材12との接着力は0.02N/10mm以下(測定限界以下)、であった。
なお、この接着力の測定は、後述する有機ELデバイスの製造において、搬送用キャリア36を接着した封止部材を電子デバイス本体42に接着した後、搬送用キャリア36を剥離する直前に、搬送用キャリア36側から封止部材を90℃に加熱した後に、行った。
[比較例1]
二液熱硬化型のアクリル酸エステルの液状樹脂(SKダイン1831、綜研化学社製)に硬化剤(E−AX、綜研化学社製)を0.15質量%混合し、よく攪拌して、液状樹脂を調製した。この液状樹脂を、乾燥後の厚さが2μmとなるように、バリアフィルムの基材12に塗布した。次いで、80℃で10分、液状樹脂を硬化することによって、第2接着層18を形成した。
これ以外は、実施例1と同様にして、図1に示すような封止部材20を作製した。
作製した封止部材20の第1接着層16の表面のガラスとの接着力、バリア層14と第1接着層16との接着力、第2接着層18の表面とガラスとの接着力、および、第2接着層18と基材12との接着力を、実施例1と同様に測定した。
その結果、第1接着層16の表面のガラスとの接着力は3.8N/10mm、
バリア層14と第1接着層16との接着力は0.64N/10mm、
第2接着層18の表面とガラスとの接着力は3.8N/10mm、
第2接着層18と基材12との接着力は4N/10mm、であった。
<有機ELデバイス本体の作製>
ガラス板(厚さ0.7mm、コーニング社製、イーグルXG)を、基板42aとして用意した。
この基板42aの表面に、60nmの膜厚になるようにAlを真空蒸着して、陽極を形成した。形成された陽極表面に、真空蒸着装置により、MoO3層を正孔注入層として2nmの膜厚で形成し、さらに、MoO3層の表面に順に正孔輸送層(α-NPD:Bis[N-(1-naphthyl)-N-phenyl]benzidine)を29nm、CBP(4,4'-Bis(carbazol-9-yl)biphenyl)をホスト材料として5%のIr(ppy)3(Tris(2-phenylpyridinato)iridium)をドープした発光層を20nm、正孔ブロック層としてBAlq(Bis-(2-methyl-8- quinolinolato)-4-(phenyl-phenolate)-aluminium(III))層を10nm、電子輸送層としてAlq3(Tris(8-hydroxy-quinolinato)aluminium)層を20nmの膜厚でそれぞれ蒸着して有機電界発光層を形成した。
続けて、得られた有機発光層の表面にLiFを0.5nm、Alを1.5nm、Agを15nmの膜厚で、この順に蒸着して、透明電極(陰極)を成膜し、基板42aの表面に有機EL素子42bを形成してなる有機ELデバイス本体を作製した。
<有機ELデバイスの作製>
搬送用キャリア36として、ガラス板(厚さ0.7mm、コーニング社製、イーグルXG)を用意した。この搬送用キャリア36の表面に、図5(A)および図5(B)に示すように、実施例1〜5および比較例1で作製した封止部材の第2接着層18を接着した。
次いで、図5(C)〜図5(D)に示すように、第1接着層16を、有機ELデバイス本体42の有機EL素子42bの形成面に向けて、搬送用キャリア36に接着した封止部材を有機ELデバイス本体42に接着した。
さらに、図5(E)に示すように、搬送用キャリア36および第2接着層18を剥離して、有機ELデバイス本体42を、第1接着層16、バリア層14および基材12(バリアフィルム)で封止した有機ELデバイス46を作製した。
なお、実施例5の封止部材を用いた例では、封止部材側から、封止部材を90℃に加熱した後に、搬送用キャリア36および第2接着層18の剥離を行った。
ここで、実施例1〜5の封止部材は、容易に搬送用キャリア36および第2接着層18の剥離が行えた。それに対して、比較例1の封止部材は、搬送用キャリア36および第2接着層18の剥離が困難であった。
このようにして作製した有機ELデバイス46について、耐久性、リーク率、およびアライメント精度の評価を行った。
<耐久性>
有機ELデバイス46を60℃、相対湿度90%の環境に100時間放置した。
放置後の有機ELデバイスを、Keithley社製のSMU2400型ソースメジャーユニットを用いて7Vの電圧を印加して発光させて、顕微鏡を用いて発光面を観察して、発光面に対するダークスポットの総面積を評価した。
ダークスポットの総面積が3%未満のものを『A』、
ダークスポットの総面積が3〜40%のものを『B』、
ダークスポットの総面積が40%を超えるものを『C』、と評価した。
<リーク率>
各封止部材につき、5個の有機ELデバイス46を点灯させて、初期に点灯しなかった場合をリーク発生とみなした。
1個もリークが発生しなかった場合を『A』、
リークが1個発生したものを『B』、
2個以上のリークが発生したものを『C』、と評価した。
<アライメント精度>
封止部材を用いた有機ELデバイス46の製造工程における封止部材の状態、および、作製した有機ELデバイス46における基材12およびバリア層14の位置ズレによって、アライメント精度を評価した。
剥離まで搬送用キャリア36が適正に接着されており、かつ、作製した有機ELデバイス46において、基材12およびバリア層14の位置の封止部材の接着時からの位置ズレが0.5mm未満の場合を『A』、
剥離まで搬送用キャリア36が適正に接着されており、かつ、作製した有機ELデバイス46において、基材12およびバリア層14の位置の封止部材の接着時からの位置ズレが0.5〜1mmの場合を『B』、
途中で搬送用キャリア36の剥離が生じた場合、および、作製した有機ELデバイス46において、基材12およびバリア層14の位置の封止部材の接着時からの位置ズレが1mmを超えたの場合の、いずれかでも生じた場合を『C』、と評価した。
結果を下記の表に示す。
上記表に示すように、第2接着層18に第1接着層よりも接着力が弱い接着剤を用いた実施例1、第2接着層24の基材12との界面に粒子26を設けて剥離性を向上した実施例2、第2接着層32の基材12側の表面をフッ素系のコーティングによる剥離性表面12aとした実施例3、および、第2接着層32の基材12側の表面を接着力の弱い接着剤からなる剥離性表面12aとした実施例4は、基材12と第2接着層18との接着力が、ガラスと第1接着層16の表面との接着力、バリア層14と第1接着層16との接着力、および、ガラスと第2接着層18の表面との接着力よりも弱いという、本発明の条件を満たすため、搬送用キャリア36を剥離し易くなり、搬送用キャリア36の剥離の際にバリア層14が破壊することを防止できるために素子性能も良好である。
また、第2接着層18として、熱で接着力を失う接着剤を用いた実施例5は、搬送用キャリア36側から加熱することで、同じく本発明の条件を満たす構成となり、力を加えずに搬送用キャリア36を剥離することができ、素子性能は非常に良好にできる。
これに対し、第1接着層16と第2接着層18とで同じ接着剤を用いた比較例1は、前述の本発明の条件を満たさないので、搬送用キャリア36を剥離する段階で、有機ELデバイス本体42と封止部材間で剥離が起こったり、応力によってバリア層破壊やリークが発生し、素子性能が悪い。
すなわち、搬送用キャリア36と封止部材、有機ELデバイス本体42と封止部材とが強く接着されていると、搬送用キャリア36を有機ELデバイス本体42から剥離する際に、バリア層14の層間剥離や破壊が生じる。これに対して、搬送用キャリア36と封止部材との接着を弱めることで、封止部材が搬送用キャリア36から剥離し易くし、バリア層14の破壊を防ぐことができる。但し、搬送用キャリア36と封止部材との接着を弱くしすぎると、有機ELデバイス46の製造中に、搬送用キャリア36が封止部材から離脱することがある。
また、搬送用キャリア36と封止部材、有機ELデバイス本体42と封止部材とが共に強く接着されている状態で、搬送用キャリア36を剥離すると、封止部材が変形して有機EL素子42bに不要な応力がかかる。応力の作用点にパーティクルなどの異物があると有機EL素子42bを貫通して陽極と陰極が導通する。そのためリークが発生し、有機EL素子42bが点灯しなくなる。これに対して、搬送用キャリア36と封止部材との接着を弱めることで、封止部材が搬送用キャリア36から剥離し易くし、有機EL素子42bに応力が加わらないようにすることで、リークを防止できる。
さらに、搬送用キャリア36と封止部材とが強く接着されていると、搬送用キャリア36を剥がす際の応力によって、有機ELデバイス本体42に対して封止部材が初期位置からズレ、有機EL素子42bが空気中に露出し耐久性が保てないなどの問題がある。これに対して、搬送用キャリア36と封止部材との接着を弱めることで、封止部材が搬送用キャリア36から剥離し易くすることで、アラインメント精度が高くなる。特に、実施例5のように、UVの照射や加熱によって接着能力が消失するような第2接着層18の場合、剥離する際に力がかからないため効果が顕著である。
以上の結果より、本発明の効果は明らかである。
有機ELデバイス等の電子デバイスの製造に好適に利用可能である。
10,20,30 封止部材
12 基材
14 バリア層
14a 有機膜
14b 無機膜
16 第1接着層
18,24,32 第2接着層
26 粒子
36 搬送用キャリア
42 有機ELデバイス本体
46 有機ELデバイス

Claims (8)

  1. 無機膜および前記無機膜の下地となる有機膜の組み合わせを1以上有するバリア層と、前記バリア層を支持する基材と、水分吸収機能を有し、前記バリア層の前記基材とは反対側の表面に接着される第1接着層と、前記基材の前記バリア層とは反対側の表面に接着される第2接着層とを有し、
    ガラスと前記第1接着層の前記バリア層とは反対側の表面との接着力、前記バリア層と第1接着層との接着力、および、ガラスと前記第2接着層の前記基材とは反対側の表面との接着力よりも、前記基材と第2接着層との接着力が弱いことを特徴とする封止部材。
  2. 前記第2接着層は、前記基材側の表面に、接着性を持つ部分と接着性を持たない部分とを有する請求項1に記載の封止部材。
  3. 前記基材が、前記第2接着層側の表面に剥離性表面を有する請求項1または2に記載の封止部材。
  4. 前記第2接着層は、光照射もしくは加熱によって接着力が低下する請求項1〜3のいずれか1項に記載の封止部材。
  5. 前記バリア層が、除電処理、酸素プラズマ処理、窒素プラズマ処理、および、UV−オゾン処理の少なくとも1つの処理を施されたものである請求項1〜のいずれか1項に記載の封止部材。
  6. さらに、前記第1接着層のバリア層とは反対側を覆う離型フィルム、および、前記第2接着層の基材とは反対側を覆う離型フィルムの、少なくとも一方を有する請求項1〜のいずれか1項に記載の封止部材。
  7. 請求項1〜のいずれか1項に記載の封止部材を、第2接着層を向けて、搬送用キャリアに接着する接着工程、
    前記搬送用キャリアに接着した封止部材を、前記第1接着層を向けて電子デバイス本体に接着することにより、前記電子デバイス本体を封止部材で封止した封止体を形成する封止工程、および、
    前記封止体から搬送用キャリアおよび第2接着層を剥離する剥離工程を有することを特徴とする電子デバイスの製造方法。
  8. 前記電子デバイス本体が、前記基板に1以上の有機EL素子を形成してなる有機ELデバイス本体である請求項に記載の電子デバイスの製造方法。
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